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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20241106BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20241106BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G21/18
G03G21/18 153
G03G15/01 Z
G03G21/16 133
G03G21/16 109
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021061577
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022157386
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】塔筋 健太
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173482(JP,A)
【文献】特開2013-054058(JP,A)
【文献】特開2009-157001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/01
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
第1プロセスカートリッジであって、
第1ドラムフレームと、
前記第1ドラムフレームに回転可能に支持される第1感光ドラムと、
前記第1ドラムフレームに取り外し可能に装着される第1現像カートリッジと、
前記第1ドラムフレームに装着された前記第1現像カートリッジを前記第1ドラムフレームに対してロックする第1ロックレバーと
を有する第1プロセスカートリッジであり、前記第1現像カートリッジが前記第1ドラムフレームに対して前記第1ロックレバーによりロックされた状態で、前記開口を通して前記筐体に着脱可能な第1プロセスカートリッジと、
第2プロセスカートリッジであって、
第2ドラムフレームと、
前記第2ドラムフレームに回転可能に支持される第2感光ドラムと、
前記第2ドラムフレームに取り外し可能に装着される第2現像カートリッジと、
前記第2ドラムフレームに装着された前記第2現像カートリッジを前記第2ドラムフレームに対してロックする第2ロックレバーと
を有する第2プロセスカートリッジであり、前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに対して前記第2ロックレバーによりロックされた状態で、前記開口を通して前記筐体に着脱可能な第2プロセスカートリッジと、
筐体に対して、前記開口を開放する開位置と前記開口を閉鎖する閉位置との間を回動可能なカバーと、
前記カバーに取り付けられた第1LEDヘッドであって、前記第1感光ドラムの表面を露光する第1LEDアレイと、前記第1LEDアレイを保持する第1ホルダとを有する第1LEDヘッドであり、前記カバーが前記閉位置に位置するとき前記第1プロセスカートリッジと前記第2プロセスカートリッジとの間に位置する第1LEDヘッドと、
前記カバーに取り付けられた第2LEDヘッドであって、前記第2感光ドラムの表面を露光する第2LEDアレイと、前記第2LEDアレイを保持する第2ホルダとを有する第2LEDヘッドと
を備える画像形成装置であって、
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記閉位置に位置するときに、前記第1LEDアレイは、前記第1感光ドラムと向かい合い、
前記第2ロックレバーは、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記第2ドラムフレームよりも突出するガイド面であって、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第1ホルダと接触可能なガイド面を有し、
前記第1プロセスカートリッジは、第1方向に、前記開口を通して前記筐体に対して装着可能であり、
前記第2プロセスカートリッジは、前記第1方向に、前記開口を通して前記筐体に装着可能であり、
前記第1感光ドラムは、第2方向に延びる第1ドラム軸について回転可能であり、
前記第2感光ドラムは、前記第2方向に延びる第2ドラム軸について回転可能であり、
前記カバーは、前記開位置と前記閉位置との間を、前記第2方向に延びるカバー軸について回動可能であり、
前記第1ロックレバーは、前記第1ドラムフレームに装着された前記第1現像カートリッジを、前記第1ドラムフレームに対してロックする第1ロック位置と、前記第1ドラムフレームに対する前記第1現像カートリッジのロックを解除する第1解除位置との間を、前記第2方向に延びる第1ロック軸について回動可能であり、
前記第2ロックレバーは、前記第2ドラムフレームに装着された前記第2現像カートリッジを、前記第2ドラムフレームに対してロックする第2ロック位置と、前記第2ドラムフレームに対する前記第2現像カートリッジのロックを解除する第2解除位置との間を、前記第2方向に延びる第2ロック軸について回動可能であり、
前記第2ロックレバーが前記第2ロック位置に位置するときの前記ガイド面および前記第2ロック軸を前記ガイド面に垂直な方向に投影したとき、前記ガイド面は、前記第2ロック軸よりも、前記第2解除位置から前記第2ロック位置への回動方向における下流側に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第1ホルダが前記ガイド面と接触するとき、前記第1LEDアレイは、前記第2プロセスカートリッジから離間することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第2方向における前記第1ホルダの一端部が前記ガイド面と接触するとき、前記第1LEDアレイは、前記第2プロセスカートリッジから離間することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ホルダは、前記第2方向における前記一端部に、前記第1方向に突出する第1突起を有し、
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第1突起が前記ガイド面と接触するとき、前記第1LEDアレイは、前記第2プロセスカートリッジから離間することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバーが前記閉位置にあるとき、前記第1突起の先端は、前記第1方向において、前記第1LEDアレイよりも前記第1感光ドラムの近くに位置することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1LEDアレイは、前記第1ホルダの前記第2方向における前記一端部と他端部との間に位置することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記第2プロセスカートリッジは、前記第1プロセスカートリッジよりも、前記カバー軸の近くに位置することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1現像カートリッジは、第1現像ローラを有し、
前記第2現像カートリッジは、第2現像ローラを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カバーは、前記筐体に支持されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1方向は、上方から下方に向かう方向であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ガイド面は、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態で、第1プロセスカートリッジに近づくにつれて下方に傾斜することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1ホルダは、上端部と下端部とを有し、
前記上端部は、前記カバーに取り付けられ、
前記第1LEDアレイは、前記下端部に位置することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1方向は、前記第2方向に垂直な方向であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、露光手段としてLEDヘッドを用いる電子写真式画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開口を有する筐体と、開口を開ける開位置と開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、ドラムカートリッジとドラムカートリッジのドラムフレームに装着可能な現像カートリッジとを有する複数のプロセスカートリッジと、を備える画像形成装置が知られている。複数のプロセスカートリッジは、開口を通して筐体内に着脱可能である。複数のプロセスカートリッジが筐体内に装着された状態において、複数のプロセスカートリッジは、タンデム配列される。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている画像形成装置は、カバーに取り付けられた複数のLEDヘッドを備えている。各プロセスカートリッジが筐体に装着された状態で、カバーが開位置から閉位置に移動すると、複数のLEDヘッドが移動する。カバーが閉位置に位置する状態で、カバーに取り付けられたLEDヘッドのLEDアレイが、感光ドラムに向かい合う。
【0004】
また、LEDヘッドは、LEDヘッドの一端部に位置する突起を有している。プロセスカートリッジが筐体に装着された状態で、カバーが開位置から閉位置に移動する間に、突起は、ドラムフレームの傾斜面にガイドされる。その結果、LEDヘッドをスムーズに筐体内に挿入できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-173482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プロセスカートリッジを小型化することで、画像形成装置の小型化を図ることが望まれる。
【0007】
プロセスカートリッジを小型化するため、ドラムフレームの傾斜面を取り除くことができるかもしれない。しかし、ドラムフレームの傾斜面を取り除く場合、LEDヘッドをスムーズに筐体内に挿入できない可能性がある。
【0008】
プロセスカートリッジの小型化を図りつつ、LEDヘッドの挿入時に、LEDヘッドをスムーズに筐体内に挿入することができる構成が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様として、筐体と、第1プロセスカートリッジと、第2プロセスカートリッジと、カバーと、第1LEDヘッドと、第2LEDヘッドとを備える画像形成装置を提案する。
筐体は開口を有する。
第1プロセスカートリッジは、第1ドラムフレームと第1感光ドラムと、第1現像カートリッジと、第1ロックレバーとを有する。第1感光ドラムは、第1ドラムフレームに回転可能に支持される。第1現像カートリッジは、第1ドラムフレームに取り外し可能に装着される。第1ロックレバーは、第1ドラムフレームに装着された第1現像カートリッジを第1ドラムフレームに対してロックする。第1プロセスカートリッジは、第1現像カートリッジが第1ドラムフレームに対して第1ロックレバーによりロックされた状態で、開口を通して筐体に着脱可能である。
第2プロセスカートリッジは、第2ドラムフレームと、第2感光ドラムと、第2現像カートリッジと、第2ロックレバーとを有する。第2感光ドラムは、第2ドラムフレームに回転可能に支持される。第2現像カートリッジは、第2ドラムフレームに取り外し可能に装着される。第2ロックレバーは、第2ドラムフレームに装着された第2現像カートリッジを第2ドラムフレームに対してロックする。第2プロセスカートリッジは、第2現像カートリッジが第2ドラムフレームに対して第2ロックレバーによりロックされた状態で、開口を通して筐体に着脱可能である。
カバーは、筐体に対して、開口を開放する開位置と開口を閉鎖する閉位置との間を回動可能である。
第1LEDヘッドは、カバーに取り付けられている。第1LEDヘッドは、第1感光ドラムの表面を露光する第1LEDアレイと、第1LEDアレイを保持する第1ホルダとを有する。第1LEDヘッドは、カバーが閉位置に位置するとき第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジとの間に位置する。
第2LEDヘッドは、カバーに取り付けられている。第2LEDヘッドは、第2感光ドラムの表面を露光する第2LEDアレイと、第2LEDアレイを保持する第2ホルダとを有する。
第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジが筐体に装着された状態において、カバーが閉位置に位置するときに、第1LEDアレイは、第1感光ドラムと向かい合い、第2ロックレバーは、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジが筐体に装着された状態において、第2ドラムフレームよりも突出するガイド面であって、カバーが開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダと接触可能なガイド面を有する。
【0010】
ロックレバーをこのように構成することで、LEDヘッドの移動(筐体内への挿入)をガイドするための構造をドラムフレームに設けなくてもよいことになる。つまり、ドラムフレームを、開口に向かう方向に突出させる必要がない。したがって、プロセスカートリッジの小型化、ひいては画像形成装置の小型化が可能である。
【0011】
前記した画像形成装置は、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第1ホルダが前記ガイド面と接触するとき、前記第1LEDアレイが、前記第2プロセスカートリッジから離間するよう構成してもよい。
【0012】
このように構成することで、カバーが開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダをガイド面がガイドしているときに、第1プロセスカートリッジの第1感光ドラムの表面を露光する第1LEDアレイが、第1プロセスカートリッジの隣の第2プロセスカートリッジに接触することがない。したがって、第1LEDヘッドが第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジの間に挿入されるとき、第1LEDアレイ(出射面)が、第2プロセスカートリッジと接触することを抑制することができる。
【0013】
なお、前記第1プロセスカートリッジは、第1方向に、前記開口を通して前記筐体に対して装着可能であってもよく、前記第2プロセスカートリッジは、前記第1方向に、前記開口を通して前記筐体に装着可能であってもよい。
【0014】
このように構成することで、第2プロセスカートリッジが筐体に装着された状態において、第2ドラムフレームから突出する第2ロックレバーのガイド面が第2ドラムフレームよりも筐体の開口の近くに位置する。したがって、ガイド面は、カバーが開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダと接触し、第1ホルダをガイドすることができる。
【0015】
また、前記第1感光ドラムは、第2方向に延びる第1ドラム軸について回転可能であり、前記第2感光ドラムは、前記第2方向に延びる第2ドラム軸について回転可能であり、前記カバーは、前記開位置と前記閉位置との間を、前記第2方向に延びるカバー軸について回動可能としてもよい。
【0016】
また、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第2方向における前記第1ホルダの一端部が前記ガイド面と接触するときに、前記第1LEDアレイが、前記第2プロセスカートリッジから離間するよう構成してもよい。
【0017】
このように構成することで、カバーが開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダの一端部をガイド面がガイドしているときに、第1プロセスカートリッジの第1感光ドラムの表面を露光する第1LEDアレイが、第1プロセスカートリッジの隣の第2プロセスカートリッジに接触することがない。したがって、第1LEDヘッドが第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジの間に挿入されるとき、第1LEDアレイが、第2プロセスカートリッジと接触することを抑制することができる。
【0018】
前記第1ホルダは、前記第2方向における前記一端部に、前記第1方向に突出する第1突起を有し、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、前記第1突起が前記ガイド面と接触するとき、前記第1LEDアレイは、前記第2プロセスカートリッジから離間するよう構成してもよい。
【0019】
このように構成することで、カバーが開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダの第1突起をガイド面がガイドしているときに、第1プロセスカートリッジの第1感光ドラムの表面を露光する第1LEDアレイが、第1プロセスカートリッジの隣の第2プロセスカートリッジに接触することがない。したがって、第1LEDヘッドが第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジの間に挿入されるとき、第1LEDアレイが、第2プロセスカートリッジと接触することを抑制することができる。
【0020】
また、第1方向に突出する第1突起を有する構成において、前記カバーが前記閉位置にあるとき、前記第1突起の先端は、前記第1方向において、前記第1LEDアレイよりも前記第1感光ドラムの近くに位置するように構成してもよい。
【0021】
このように構成することで、第1ホルダの第1突起の先端が、第1LEDアレイよりも第1方向に突出する(下流側に位置する)。そのため、カバーが開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダの第1突起の先端が、第2ロックレバーのガイド面と接触する。その結果、第1LEDアレイが、第2プロセスカートリッジに接触することを抑制することができる。
【0022】
また、前記第1LEDアレイは、前記第1ホルダの前記第2方向における前記一端部と他端部との間に位置するように構成してもよい。
【0023】
また、前記第1ロックレバーは、前記第1ドラムフレームに装着された前記第1現像カートリッジを、前記第1ドラムフレームに対してロックする第1ロック位置と、前記第1ドラムフレームに対する前記第1現像カートリッジのロックを解除する第1解除位置との間を、前記第2方向に延びる第1ロック軸について回動可能であってもよい。また、前記第2ロックレバーは、前記第2ドラムフレームに装着された前記第2現像カートリッジを、前記第2ドラムフレームに対してロックする第2ロック位置と、前記第2ドラムフレームに対する前記第2現像カートリッジのロックを解除する第2解除位置との間を、前記第2方向に延びる第2ロック軸について回動可能であってもよい。
【0024】
また、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態において、前記第2プロセスカートリッジが、前記第1プロセスカートリッジよりも、前記カバー軸の近くに位置するように構成してもよい。
【0025】
このように構成することによって、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、第1LEDヘッドが第1プロセスカートリッジに近づく方向には振れにくくなる。そのため、前記カバーが前記開位置から前記閉位置に移動する間に、第1LEDヘッドが、第2ロックレバーのガイド面に接触しやすい。したがって、第1LEDヘッドを、ガイド面によって、第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジとの間にスムーズにガイドすることができる。
【0026】
なお、前記第1現像カートリッジは、第1現像ローラを有するものであってもよく、前記第2現像カートリッジは、第2現像ローラを有するものであってもよい。
【0027】
このように構成することで、第1現像カートリッジや第2現像カートリッジを、それぞれ、第1現像ローラ、第2現像ローラとともに、第1ドラムフレーム、第2ドラムフレームに装着することができる。したがって、第1現像カートリッジ、第2現像カートリッジを、それぞれ第1ドラムフレーム、第2ドラムフレームに装着し、第1ロックレバー、第2ロックレバーによってロックするだけの簡易な工程で、第1プロセスカートリッジ、第2プロセスカートリッジを構成することができる。
【0028】
また、前記カバーは、前記筐体に支持されるものであってもよい。
【0029】
カバーを、筐体に支持されるものとすることによって、カバーに取り付けられた第1LEDヘッドおよび第2LEDヘッドを、筐体に対して、位置決めすることができる。したがって、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジが筐体に装着された状態において、第1LEDヘッドを、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジの間に確実に挿入させることができる。
【0030】
前記第1方向は、例えば、前記第2方向に垂直な方向である。また、前記第1方向は、例えば、上方から下方に向かう方向であってもよい。
【0031】
そして、前記ガイド面は、前記第1プロセスカートリッジおよび前記第2プロセスカートリッジが前記筐体に装着された状態で、第1プロセスカートリッジに近づくにつれて下方に傾斜するように構成されていてもよい。
【0032】
このように構成することによって、第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジが筐体に装着された状態において、カバーが開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダがガイド面と接触するとき、第1LEDヘッドを、スムーズに第1プロセスカートリッジと第2プロセスカートリッジとの間にガイドすることができる。
【0033】
また、前記第1ホルダは、上端部と下端部とを有し、前記上端部は、前記カバーに取り付けられ、前記第1LEDアレイは、前記下端部に位置するものとしてもよい。
【0034】
このような構成であっても、第2ロックレバーのガイド面によって、第1LEDヘッドの第1ホルダがガイドされることによって、第1ホルダの下端部に位置する第1LEDアレイが、第1プロセスカートリッジの隣の第2プロセスカートリッジに接触することを抑制することができる。
【0035】
また、前記第2ロックレバーが前記第2ロック位置に位置するときの前記ガイド面および前記第2ロック軸を前記ガイド面に垂直な方向に投影したとき、前記ガイド面は、前記第2ロック軸よりも、前記第2解除位置から前記第2ロック位置への回動方向における下流側に位置するように構成してもよい。
【0036】
このように構成することで、第2ロックレバーのガイド面に第1ホルダが接触したときに、第2ロックレバーにロック解除方向へ力がかかりにくい。カバーが開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダをガイド面がガイドしているときにかかる力は、第2ロックレバーを第2ロック位置に向けて押し付けるように作用する。その結果、第2ロックレバーによるロックが外れにくい。
【発明の効果】
【0037】
前記した諸態様によれば、プロセスカートリッジの小型化を図りつつ、LEDヘッドをプロセスカートリッジの間に挿入するときにLEDヘッドをスムーズに筐体内に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】画像形成装置の一例としてのカラープリンターの内部構成を示す概略説明図である。
図2】カバーを開いた状態のカラープリンターを示す概略説明図である。
図3】ドラムフレームから現像カートリッジを取り外した状態を示すプロセスカートリッジの斜視図である。
図4】(a)現像カートリッジをドラムフレームに装着したプロセスカートリッジを示す斜視図と、(b)現像カートリッジをドラムフレームにロックするロックレバーの動作を示す模式図と、(c)ロックレバーのレバー軸に対するロックレバーがロックされたときのガイド面の配置と角度を示す模式図である。
図5】LEDヘッドを示す斜視図である。
図6】第1プロセスカートリッジ、第2プロセスカートリッジ、および、第2ロックレバーのガイド面に第1ホルダが接触した状態の第1LEDヘッドを示す側面図である。
図7】第1プロセスカートリッジ、第2プロセスカートリッジ、および、第1LEDヘッドを示す一部拡大断面図であり、(a)第1LEDヘッドの第1ホルダが第2ロックレバーのガイド面に接触した状態、(b)第1LEDヘッドが露光位置に位置決めされLEDアレイが第1感光ドラムに対面した状態を示す。
図8】第1LEDヘッドが第1プロセスカートリッジおよび第2プロセスカートリッジの間に向けて移動する際の振れ幅を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
画像形成装置の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0040】
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体10と、カバー11と、筐体10内に設けられたシート供給部20および画像形成部30とを主に備えている。画像形成装置1は、一例としてカラープリンターである。
【0041】
以下の説明において、方向は、画像形成装置1を使用するユーザから見て手前側(図1の左側)を「前」、奥側(図1の右側)を「後」、右手側を「右」、左手側を「左」とする。
【0042】
筐体10は、開口10Aを有する。開口10Aは、筐体10の上面に位置する。筐体10の開口10Aが位置する側が、画像形成装置1の「上」側であり、「上」側の反対側が「下」側である。以下、上下方向を「第1方向」という。「第1方向」は、上から下または下から上に向かう方向である。
【0043】
カバー11は、筐体10の上部に位置する。カバー11は、図1に示す開口10Aを閉じる閉位置と図2に示す開口10Aを開ける開位置との間を、筐体10に対して回動可能である。ユーザは、カバー11を上方に回動することによって、開口10Aを開くことができる。
【0044】
本実施形態において、カバー11は、筐体10の上部後方に位置するカバー軸11Xについて、筐体10に回動可能に支持されている。カバー軸11Xは、画像形成装置1の左右方向に延びる。以下、左右方向を「第2方向」という。「第2方向」は、右から左または左から右に向かう方向である。
【0045】
シート供給部20は、筐体10内の下部に位置する。シート供給部20は、シートS(印刷用紙など)を収容する供給トレイ21と、供給トレイ21からシートSを画像形成部30に供給する供給ローラ22とを備えている。供給トレイ21内のシートSは、供給ローラ22によって1枚ずつ分離されて画像形成部30に供給される。
【0046】
画像形成部30は、4つのLEDヘッド40と、4つのプロセスカートリッジPCと、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0047】
各LEDヘッド40は、カバー11の閉位置から開位置への移動にともない、感光ドラム53を露光する露光位置(図1の位置)と、露光位置よりも感光ドラム53から離れた退避位置(図2の位置)との間を移動可能となっている。LEDヘッド40が露光位置に位置する状態で、LEDアレイ45(図5参照)の複数のLEDが、画像データに基づいて、感光ドラム53の表面を露光する。カバー11が閉位置に位置する状態で、感光ドラム53とLEDアレイ45とが向かい合う方向が、「第1方向」である。「第1方向」は、第2方向と交差する。本実施形態では、「第1方向」は、第2方向に垂直な方向であり、上方から下方に向かう方向である。LEDヘッド40の構成については後で詳述する。
【0048】
4つのプロセスカートリッジPCは、カバー11と供給トレイ21との間に位置する。各プロセスカートリッジPCは、前後方向にタンデム配置されている。図2に示すように、各プロセスカートリッジPCは、カバー11が開位置に位置する状態において、第1方向に、開口10Aを通して筐体10に装着可能である。各プロセスカートリッジPCは、カバー11が開位置に位置する状態において、第1方向に、開口10Aを通して筐体10から取り外し可能である。なお、各プロセスカートリッジPCは、後述する現像カートリッジ60のトナー収容室に収容されるトナーの色が相違する。各プロセスカートリッジPCのトナー収容室に収容されるトナーの色以外の構成は、同一である。
【0049】
図1において、4つのプロセスカートリッジPCのうち、最も前に位置するプロセスカートリッジPCのみ、断面図により内部構成の概略を示している。各プロセスカートリッジPCは、ドラムフレーム52と、感光ドラム53と、クリーニングローラ54と、帯電器55と、現像カートリッジ60と、ロックレバー56とを有する。
【0050】
感光ドラム53は、円筒形状である。感光ドラム53の表面は、感光材料で覆われている。感光ドラム53は、ドラム軸53Xについて回転可能である。感光ドラム53は、プロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態で、ドラムフレーム52に支持されている。
【0051】
帯電器55は、ドラムフレーム52に支持され、感光ドラム53の表面を帯電可能なスコロトロン型帯電器である。クリーニングローラ54は、感光ドラム53の表面のトナーや紙粉等をクリーニングするローラである。クリーニングローラ54は、感光ドラム53の表面に接触して回転可能にドラムフレーム52に支持されている。
【0052】
現像カートリッジ60は、トナーを収容するトナー収容部61と、トナー収容部61内のトナーを撹拌するアジテータ62と、トナー収容部61内のトナーを感光ドラム53に供給する現像ローラ64と、現像ローラ64と接触する供給ローラ63とを備えている。図3図4(a)に示すように、現像カートリッジ60は、ドラムフレーム52に着脱可能である。
【0053】
ロックレバー56は、ドラムフレーム52に装着された状態の現像カートリッジ60をドラムフレーム52に対してロックする部材である。図3に示すように、ロックレバー56は、ドラムフレーム52の右端部に位置する。ロックレバー56は、第2方向におけるドラムフレーム52の一端部に位置する。ロックレバー56は、プロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態において、ドラムフレーム52よりも上方に突出している。ロックレバー56は、プロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態において、ドラムフレーム52よりも第1方向に突出している。
【0054】
ロックレバー56は、ガイド面56Sを有する。ガイド面56Sは、ロックレバー56のドラムフレーム52よりも上方に突出した部分に位置する。ガイド面56Sは凹凸のない平面である。
【0055】
現像カートリッジ60は、ドラムフレーム52に装着された状態で、ロックレバー56にロックされる突起66を有する。突起66は、現像カートリッジ60の右端部に位置する。突起66は、第2方向における現像カートリッジ60の一端部に位置する。ロックレバー56は、図4に示すように、ドラムフレーム52に装着された現像カートリッジ60を、ドラムフレーム52に対してロックするロック位置(図4(a)の状態;図4(b)の実線位置)と、ドラムフレーム52に対する現像カートリッジ60のロックを解除する解除位置(図4(b)に二点鎖線で示した位置)との間を、第2方向に延びるロック軸56Xについて回動可能である。図4(b)の矢印に示すように、ロックレバー56をロック位置から解除位置に回動させると、同図の二点鎖線で示すように、ドラムフレーム52に対する現像カートリッジ60のロックが解除される。
【0056】
図4(c)に、現像カートリッジ60がドラムフレーム52にロックされた状態のプロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態のロックレバー56の配置を示す。このとき、ガイド面56Sは、前方に向かうほど下方に傾斜する。換言すれば、前方のプロセスカートリッジPC(図6参照)に向かうにつれて下方に傾斜する。ガイド面56Sをガイド面56Sに垂直な方向に投影したとき、ガイド面56Sの前端が、ロック軸56Xを通る。すなわち、ガイド面56Sおよびロック軸56Xをガイド面56Sに垂直な方向に投影したとき、ガイド面56Sが、ロック軸56Xよりも、解除位置からロック位置への回動方向における下流側に位置する。
【0057】
図4(a)に示すように、現像カートリッジ60は、ガイド面60Sを有する。ガイド面60Sは、現像カートリッジ60の左端部(第2方向における他端部)の上部に位置する。現像カートリッジ60がドラムフレーム52に装着された状態において、ガイド面60Sの位置は、ロック位置のロックレバー56のガイド面56Sに対応する。ガイド面60Sの形状は、ガイド面56Sの形状と同様である。ガイド面56Sおよびガイド面60Sの作用については、後述する。
【0058】
プロセスカートリッジPCは、図4(a)に示す、現像カートリッジ60がドラムフレーム52に対してロックレバー56によりロックされた状態で、図2に示すように、開口10Aを通して筐体10に着脱可能である。
【0059】
図1に戻ると、転写ユニット70は、供給トレイ21とプロセスカートリッジPCとの間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、駆動ローラ71と従動ローラ72とを覆う無端状の搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。搬送ベルト73の外周面は、各感光ドラム53に接触する。搬送ベルト73の内周面は、各転写ローラ74と接触する。そのため、各感光ドラム53と各転写ローラ74は、搬送ベルト73を挟んでいる。
【0060】
定着ユニット80は、プロセスカートリッジPCおよび転写ユニット70の後方に位置する。定着ユニット80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と向かい合う加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81を押圧する。
【0061】
このような画像形成部30では、感光ドラム53の表面が、帯電器55により帯電された後、LEDヘッド40によって、感光ドラム53の表面が、露光される。そのため、感光ドラム53の表面上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、感光ドラム53の表面に現像カートリッジ60からトナーが供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光ドラム53上にトナー像が形成される。
【0062】
各感光ドラム53上に形成されたトナー像は、転写ローラ74によって搬送ベルト73上を搬送されるシートS上に順次重ね合わせて転写される。トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通って搬送されることでトナー像が熱定着される。その後、シートSは、搬送ローラ91によって筐体10内から筐体10の外に排出され、カバー11の上面の排出トレイ11B上に位置する。
【0063】
次に、LEDヘッドの構成と、カバー11が開位置から閉位置に回動するときにLEDヘッド40をガイドする構成について説明する。
【0064】
図5に示すように、LEDヘッド40は、ホルダ41と、一対のフック44Aと、LEDアレイ45と、圧縮コイルばねSPと、を有する。
【0065】
ホルダ41は、LEDヘッド40の下部に位置する第1フレーム42と、LEDヘッド40の中央に位置する第2フレーム43と、LEDヘッド40の上部に位置する第3フレーム44と、を有する。第3フレームの上端部が、カバー11に取り付けられる。
【0066】
LEDアレイ45は、ホルダ41の第1フレーム42の下端部に位置する。LEDアレイ45は、図1に示すように、カバー11が閉位置に位置する状態において、感光ドラム53と向かい合う。詳しくは、LEDアレイ45は、カバー11が閉位置に位置する状態において、第1方向において、感光ドラム53と向かい合う。
【0067】
図5に戻ると、第2フレーム43は、一対のフック44Aを介して第3フレーム44に支持されている。第2フレーム43は、一対のフック44Aによって、吊り下げるように第3フレームに支持されている。第1フレーム42は、第2フレーム43に、上下に移動可能に支持される。
【0068】
圧縮コイルばねSPは、第1フレーム42と第2フレーム43との間に位置する。圧縮コイルばねSPは、上方から下方に向けて第1フレームを押圧している。言い換えると、圧縮コイルばねSPは、第1方向において、第2フレーム43から第1フレーム42に向けて、第1フレーム42を押圧している。
【0069】
LEDヘッド40は、押圧部材46と、突起47Aと、突起47Bと、突起48Aと、突起48Bと、リブ49と、をさらに備えている。
【0070】
押圧部材46は、第2フレーム43の右側に位置する。押圧部材46は、第2方向における第2フレーム43の一端部に位置する。押圧部材46は、押圧部46Aと、突出部46Bと、を有する。
【0071】
押圧部46Aは、カバー11が閉位置に位置する状態において、図示せぬバネ等により前方に付勢され、筐体10に押し付けられる。その結果、押圧部材46が後方に押圧される。
【0072】
突出部46Bは、左右方向に突出する。突出部46Bは、第2方向に突出する。
【0073】
押圧部材46により、第2方向におけるLEDヘッド40の一端部は、筐体10に対して、位置決めされる。
【0074】
リブ49は、第2フレーム43の左側に位置する。リブ49は、第2方向における第2フレーム43の他端部に位置する。リブ49は、板状の部材である。リブ49は、カバー11が閉位置に位置する状態において、筐体10の溝に嵌る。
【0075】
リブ49により、第2方向におけるLEDヘッド40の他端部は、筐体10に対して位置決めされる。
【0076】
突起47Aおよび突起48Aは、それぞれ、第2フレーム43の右端部に位置する。突起47Aおよび突起48Aは、それぞれ、第2方向における第2フレーム43の一端部に位置する。突起47Aおよび突起48Aは、それぞれ、第2フレーム43から下方に突出する。突起47Aおよび突起48Aは、それぞれ、第2フレーム43から第1方向に突出する。突起48Aは、第2方向において、LEDアレイ45と突起47Aとの間に位置する。
【0077】
突起47Bおよび突起48Bは、それぞれ、第2フレーム43の左端部に位置する。突起47Bおよび突起48Bは、それぞれ、第2方向における第2フレーム43の他端部に位置する。突起47Bおよび突起48Bは、それぞれ、第2フレーム43から下方に突出する。突起47Bおよび突起48Bは、それぞれ、第2フレーム43から第1方向に突出する。突起48Bは、第2方向において、LEDアレイ45と突起47Bとの間に位置する。
【0078】
突起47Aは、カバー11が閉位置にあるとき(図1参照)、ドラムフレーム52の当接面57A(図3図4(a)参照)に接触する。突起47Bは、カバー11が閉位置にあるとき(図1参照)、ドラムフレーム52の当接面57B(図3図4(a)参照)に接触する。
【0079】
突起47Aおよび突起47Bにより、LEDヘッド40は、筐体10に対して、上下方向に位置決めされる。突起47Aおよび突起47Bにより、LEDヘッド40は、筐体10に対して、第1方向に位置決めされる。これにより、LEDアレイ45(図5参照)と感光ドラム53の表面との間の間隔を、適切に調整することができる。
【0080】
突起48Aは、プロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態において、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、プロセスカートリッジPCのガイド面56Sに接触する可能性のあるホルダ41の一部分である。
【0081】
また、突起48Bは、プロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態において、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、プロセスカートリッジPCのガイド面60Sに接触する可能性のあるホルダ41の一部分である。
【0082】
LEDアレイ45は、第2方向に並んだ複数の半導体発光素子としてのLEDを有する。LEDアレイ45の下側の面は、光を出射する出射面であり、感光ドラム53の表面を露光する。LEDアレイ45およびLEDアレイ45を保持している第1フレーム42は、ホルダ41の第2方向における一端部とホルダ41の第2方向における他端部との間に位置する。詳しくは、LEDアレイ45およびLEDアレイ45を保持している第1フレーム42は、突起48Aと突起48Bとの間に位置する。
【0083】
図6~8を参照しながら、カバー11を開位置から閉位置に回動するときの、LEDヘッド40の動作を説明する。以下の説明において、隣り合うプロセスカートリッジPCのうち、前側を第1プロセスカートリッジPC1、後側を第2プロセスカートリッジPC2とする。第1プロセスカートリッジPC1と第2プロセスカートリッジPC2の構成要素は、それぞれ図1~5において使用している符号に、1と2を追加することで区別する。図1に示すプロセスカートリッジPCが筐体10に装着された状態において、第2プロセスカートリッジPC2は、第1プロセスカートリッジPC1よりも、カバー軸11Xの近くに位置する。
【0084】
図6に示すように、第1プロセスカートリッジPC1は、第1ドラムフレーム152と、第1感光ドラム153と、第1現像カートリッジ160と、第1ガイド面156Sを有する第1ロックレバー156とを有する。第2プロセスカートリッジPC2は、第2ドラムフレーム252と、第2感光ドラム253と、第2現像カートリッジ260と、第2ガイド面256Sを有する第2ロックレバー256とを有する。
【0085】
第1感光ドラム153は、第1ドラム軸153Xについて回転可能である。第2感光ドラム253は第2ドラム軸253Xについて回転可能である。
【0086】
第1ロックレバー156は、ロック位置としての第1ロック位置と解除位置としての第1解除位置との間を、第1レバー軸156Xについて回動可能である。第2ロックレバー256は、ロック位置としての第2ロック位置と解除位置としての第2解除位置との間を、第2レバー軸256Xについて回動可能である。
【0087】
図7(b)に示すように、第1現像カートリッジ160は、第1現像ローラ164等を有している。また、図7(b)に示すように、第2現像カートリッジ260は、第2現像ローラ264等を有している。
【0088】
また、図6~8において、第3フレームを省略して示すLEDヘッド40は、カバー11が閉位置に位置するとき、第1プロセスカートリッジPC1と第2プロセスカートリッジPC2との間に位置する第1LEDヘッド140を有する。第1LEDヘッド140は、第1プロセスカートリッジPC1の第1感光ドラム153を露光する第1LEDアレイ145を有する。ここで、第2感光ドラム253を露光する第2LEDアレイを有する第2LEDヘッドについては図示を省略している。
【0089】
図6図7(a),(b)に示すように、第1突起148Aは、第1LEDアレイ145よりも、第1方向に突出している。また、前後方向における第1突起148Aの長さは、前後方向における第1LEDアレイ145の長さよりも、長い。
【0090】
したがって、第1LEDヘッド140が露光位置に向かって移動する間(図6に2点鎖線で示す移動経路参照)、第1LEDヘッド140の先端がプロセスカートリッジPCに接触する場合であっても、第1突起148Aが、第2ガイド面256Sに接触する。そのため、第1LEDアレイ145は第2プロセスカートリッジPC2から離間した状態を維持できる。その結果、第1LEDヘッド140が退避位置から露光位置に向かって移動する間に、第1LEDアレイ145が、プロセスカートリッジPCに接触することを抑制することができる(図6図7(a)参照)。
【0091】
このように、第1プロセスカートリッジPC1および第2プロセスカートリッジPC2が筐体10に装着された状態において、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダ141(その第2方向における一端部)の第1突起148Aがガイド面256Sと接触するとき、第1LEDアレイ145が、第2プロセスカートリッジPC2から離間する。
【0092】
図7(b)に示すように、カバー11が図1に示す閉位置にあり、第1LEDヘッド140が露光位置にあるとき、第1突起148Aの先端は、第1LEDアレイ145よりも、第1感光ドラム153の近くに位置する。
【0093】
第1LEDヘッド140の第1ホルダ141の上端が、カバー11に取り付けられる(図1,2参照)。第1ホルダ141は、第1突起148A(LEDアレイ145)が下端に位置するように、カバー11に吊り下げられている。そのため、LEDヘッド140がカバー11の回動動作と連動して移動する際、図8の矢印に示すように、前後に振れる。
【0094】
図中、右側の位置が、最も後方に振れたときの第1LEDヘッド140の位置である。この場合であっても、第1突起148Aの先端が、第2ガイド面256Sに接触する。したがって、LEDアレイ145が第2プロセスカートリッジPC2に接触することなく、第1LEDヘッド140が確実に筐体10内にガイドされる。
【0095】
図中、左側の位置が、最も前方に振れたときの第1LEDヘッド140の位置である。この場合においては、第1突起148Aの先端が第1プロセスカートリッジPC1に接触することなく、第1LEDヘッド140は、退避位置から露光位置に向かって移動する。
【0096】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ロックレバー56が、ドラムフレーム52よりも、第1方向に突出するガイド面56Sを有するので、第1プロセスカートリッジPC1と第2プロセスカートリッジPC2の間へLEDヘッド40をスムーズにガイドすることができる。
【0097】
また、ガイド面をドラムフレーム52に設ける必要がない。そのため、ドラムフレーム52を、第1方向に突出させる必要がない。したがって、プロセスカートリッジPCを小型化し、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0098】
また、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、第1ホルダ141を、第2ガイド面256Sがガイドする。具体的には、第1ホルダ141の第2方向における一端部に位置する第1突起148Aを、第2ガイド面256Sがガイドする。そのため、第1プロセスカートリッジPC1の第1感光ドラム153の表面を露光する第1LEDアレイ145が、第1プロセスカートリッジPC1の隣の第2プロセスカートリッジPC2に接触することがない。したがって、第1LEDヘッド140が第1プロセスカートリッジPC1と第2プロセスカートリッジPC2の間に挿入されるとき、第1LEDアレイ145が、第2プロセスカートリッジPC2と接触することを抑制することができる。
【0099】
ロックレバー56が、ドラムフレーム52から第1方向に向かって突出する。すなわち、ロックレバー56が、ドラムフレーム52から第1方向において、筐体10の開口10Aに向かって突出する。また、ガイド面56Sが、筐体10のドラムフレーム52よりも開口10Aに近い位置に位置する。そのため、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、ガイド面56Sが第1ホルダ141と接触し、第1ホルダ141を筐体10内にガイドすることができる。
【0100】
カバー11が開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダ141の第1突起148Aの先端が、第1LEDアレイ145よりも第1方向に突出する。カバー11が開位置から閉位置に回動する間に、第1突起148Aの先端が、第1LEDアレイ145よりも下側に位置する。そのため、第1突起148Aの先端が、第2ロックレバー256の第2ガイド面256Sと接触することで、第1LEDアレイ145が第2プロセスカートリッジPC2と接触することを抑制することができる。
【0101】
第1プロセスカートリッジPC1および第2プロセスカートリッジPC2が筐体10に装着された状態において、第2プロセスカートリッジPC2が、第1プロセスカートリッジPC1よりも、カバー軸11Xの近くに位置している。そのため、カバー11が開位置から閉位置に移動する間に、第1LEDヘッド140が、第1プロセスカートリッジPC1に近づく方向には振れにくい。また、第1LEDヘッド140が、第2ロックレバー256のガイド面(第2ガイド面256S)に接触しやすい。また、第2ガイド面256Sは、第1プロセスカートリッジPC1および第2プロセスカートリッジPC2が筐体10に装着された状態で、第1プロセスカートリッジPC1に近づくにつれて下方に傾斜するように構成されている。そのため、第1ホルダ141(第1突起148A)が第2ガイド面256Sと接触するとき、第1LEDヘッド140を、第2ガイド面256Sによって、第1プロセスカートリッジPC1と第2プロセスカートリッジPC2との間にスムーズにガイドすることができる。
【0102】
また、第2ロックレバー256がロック位置にあり、ガイド面56Sおよびロック軸56Xをガイド面56Sに垂直な方向に投影したとき、ガイド面56Sが、ロック軸56Xよりも、解除位置からロック位置への回動方向における下流側に位置する。そのため、第2ロックレバー256の第2ガイド面256Sに第1ホルダ141が接触したときに、第2ロックレバー256に、ロック位置から解除位置に向かう方向の力がかかりにくい。カバー11が開位置から閉位置に回動する間に、第1ホルダ141を第2ガイド面256Sがガイドしているときにかかる力は、第2ロックレバー256を第2解除位置から第2ロック位置に向けて押し付けるように作用する。そのため、カバー11が開位置から閉位置に回動する間に、第2ロックレバー256によるロックが外れにくい。
【0103】
カバー11は、筐体10に支持されている。そのため、カバー11に取り付けられたLEDヘッド40(第1LEDヘッド140)を、筐体10に対して、位置決めすることができる。したがって、第1プロセスカートリッジPC1および第2プロセスカートリッジPC2が筐体10に装着された状態において、第1LEDヘッド140を、第1プロセスカートリッジPC1および第2プロセスカートリッジPC2の間に確実に挿入させることができる。
【0104】
以上、画像形成装置の一実施形態について説明したが、具体的な構成については、適宜変更が可能である。
【0105】
画像形成装置1の筐体10に装着されるプロセスカートリッジPCの数は、4つでなくてもよい。例えば、画像形成装置1の筐体に装着されるプロセスカートリッジPCの数は、2~3つ、あるいは5つ以上であってもよい。その場合、LEDヘッド40は、プロセスカートリッジPCの数と同数あればよい。
【0106】
LEDヘッドや、現像カートリッジ、ドラムフレーム、ロックレバー等、画像形成装置を構成する具体的な部品の形状、構成および配置については、図面に示した形状、構成および配置と異なっていてもよい。例えば、前記実施形態では、現像カートリッジ60として現像ローラ64を備えるものを例示したが、現像ローラを備えない現像カートリッジであってもよい。すなわち、現像ローラを含む現像装置に着脱可能である現像カートリッジであってもよい。
【0107】
前記実施形態では、カラープリンターを例示したが、画像形成装置は、複写機や複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
10 筐体
10A 開口
11 カバー
11X カバー軸
40(140) LEDヘッド(第1LEDヘッド)
41(141) ホルダ(第1ホルダ)
45(145) LEDアレイ(第1LEDアレイ)
48A(148A) 突起(第1突起)
52(152,252) ドラムフレーム(第1ドラムフレーム、第2ドラムフレーム)
53(153,253) 感光ドラム(第1感光ドラム、第2感光ドラム)
53X(153X,253X) ドラム軸(第1ドラム軸、第2ドラム軸)
56(156,256) ロックレバー(第1ロックレバー、第2ロックレバー)
56S(156S,256S) ガイド面(第1ガイド面、第2ガイド面)
56X(156X,256X) ロック軸(第1ロック軸、第2ロック軸)
60(160,260) 現像カートリッジ(第1現像カートリッジ、第2現像カートリッジ)
64(164,264) 現像ローラ(第1現像ローラ、第2現像ローラ)
PC(PC1,PC2) プロセスカートリッジ(第1プロセスカートリッジ、第2プロセスカートリッジ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8