(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】回路装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20241106BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20241106BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20241106BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H05K7/20 E
H05K1/02 F
H05K1/02 Q
H01L23/46 C
H01L23/36 C
(21)【出願番号】P 2021075561
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】石川 達章
(72)【発明者】
【氏名】長野 信久
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129461(JP,A)
【文献】国際公開第2019/117107(WO,A1)
【文献】特開2001-284748(JP,A)
【文献】特開2006-024755(JP,A)
【文献】特開平10-200278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H05K 1/00-1/02
H01L 23/34-23/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有し、板状を呈する基板と;
前記基板の前記第1の面側に設けられた第1の電子部品と;
前記第1の面と、前記第1の電子部品と、の間に設けられ、金属を含み、膜状を呈する第1の伝熱パッドと;
前記第1の伝熱パッドと、前記第1の電子部品と、の間に設けられた接合部と;
前記接合部と、前記第1の電子部品と、の間に設けられた放熱部と;
前記基板の前記第2の面側に設けられた第2の電子部品と;
前記第2の面と、前記第2の電子部品と、の間に設けられ、金属を含み、膜状を呈する第2の伝熱パッドと;
前記基板の、前記第1の面と前記第2の面との間を貫通し、金属を含み、一方の端部が前記第1の伝熱パッドと接続され、他方の端部が前記第2の伝熱パッドと接続された伝熱ピラーと;
を具備し、
前記放熱部は、金属を含み、
前記第1の伝熱パッドと、前記第1の電子部品と、の間に設けられ、板状を呈するベースと;
前記ベースと交差し、前記第1の伝熱パッド側とは反対側に延びるフィンと;
を有し、
前記第1の面に垂直な方向から見た場合に、前記第1の電子部品、前記
ベース、および前記第2の電子部品が重なって
おり、
前記基板の前記第1の面と、前記フィンの頂部との間の距離は、前記基板の前記第1の面と、前記第1の電子部品の頂部との間の距離よりも小さい回路装置。
【請求項2】
前記フィンは1つ設けられ、
前記第1の面に平行な方向において、前記伝熱ピラーは、前記第1の電子部品の前記フィン側の端部と、前記フィンの前記第1の電子部品側とは反対側の端部と、の間の領域には設けられていない請求項1記載の回路装置。
【請求項3】
前記フィンを冷却する冷却部をさらに具備し
、
前記冷却部から送風された空気が、前記フィンの前記第1の電子部品側とは反対側の端部と、前記第1の電子部品の頂部の近傍と、に供給される請求項
1または2
に記載の回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路装置は、基板と、基板の面に設けられた電子部品(電気部品などと称される場合もある)と、を備えている。電子部品には、通電時に発熱するものがある。また、電子部品には、温度によって特性が変わったり、寿命が短くなったりするものがある。近年においては、回路装置の小型化が求められており、電子部品が近接して設けられるため、回路装置の放熱性の向上が望まれている。
【0003】
一般的に、放熱手段としては、複数のフィンを有するヒートシンクが用いられている。しかしながら、複数のフィンを有するヒートシンクは、電子部品などに比べて大型の部品となるため、ヒートシンクを基板の面に設けると回路装置の小型化が困難となる。
この場合、電子部品毎に小型のヒートシンクを設けることも考えられるが、ヒートシンクに取り付けることが難しい電子部品もある。また、複数のヒートシンクが必要となるため、製造コストが増大するおそれがある。
【0004】
また、基板の面に設けられたパターンに放熱パッドを設けたり、パターンの面積を大きくしたりして、パターンを介した放熱を行う場合もある。しかしながら、この様にすると、基板の面積が大きくなるので、回路装置の小型化が困難となる。
【0005】
そこで、放熱性の向上と、小型化を図ることができる回路装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、放熱性の向上と、小型化を図ることができる回路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る回路装置は、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有し、板状を呈する基板と;前記基板の前記第1の面側に設けられた第1の電子部品と;前記第1の面と、前記第1の電子部品と、の間に設けられ、金属を含み、膜状を呈する第1の伝熱パッドと;前記第1の伝熱パッドと、前記第1の電子部品と、の間に設けられた接合部と;前記接合部と、前記第1の電子部品と、の間に設けられた放熱部と;前記基板の前記第2の面側に設けられた第2の電子部品と;前記第2の面と、前記第2の電子部品と、の間に設けられ、金属を含み、膜状を呈する第2の伝熱パッドと;前記基板の、前記第1の面と前記第2の面との間を貫通し、金属を含み、一方の端部が前記第1の伝熱パッドと接続され、他方の端部が前記第2の伝熱パッドと接続された伝熱ピラーと;を具備している。前記放熱部は、金属を含み、前記第1の伝熱パッドと、前記第1の電子部品と、の間に設けられ、板状を呈するベースと;前記ベースと交差し、前記第1の伝熱パッド側とは反対側に延びるフィンと;を有している。前記第1の面に垂直な方向から見た場合に、前記第1の電子部品、前記ベース、および前記第2の電子部品が重なっている。前記基板の前記第1の面と、前記フィンの頂部との間の距離は、前記基板の前記第1の面と、前記第1の電子部品の頂部との間の距離よりも小さい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、放熱性の向上と、小型化を図ることができる回路装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態に係る回路装置を例示するための模式図である。
【
図2】他の実施形態に係る回路装置を例示するための模式図である。
【
図3】(a)、(b)は、放熱部を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る回路装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、回路装置1は、例えば、基板2、電子部品3(第2の電子部品の一例に相当する)、電子部品4(第1の電子部品の一例に相当する)、放熱部5、接合部6、および冷却部7を備えている。
【0013】
基板2は、板状を呈している。基板2は、面2a(第1の面の一例に相当する)と、面2aに対向する面2b(第2の面の一例に相当する)と、を有している。基板2の平面形状には特に限定はない。基板2の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板2の平面寸法は、回路装置1の仕様、電子部品3および電子部品4の数や配置などに応じて適宜変更することができる。なお、平面寸法は、基板2の面2a(面2b)に垂直な方向から見た場合の寸法である。
また、基板2は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0014】
基板2の材料には特に限定はない。基板2の材料は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料とすることができる。また、基板2は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板であってもよい。
【0015】
ただし、セラミックスやメタルコア基板などは熱伝導率が高く放熱性に優れるが、ガラスエポキシなどの有機材料に比べて高価である。また、基板2の大きさが大きくなると、製造コストがさらに増大する。そのため、低コスト化や汎用性などを考慮すると、ガラスエポキシなどの有機材料を用いて基板2を形成することが好ましい。
【0016】
基板2の面2aには、例えば、配線パターン2a1が設けられている。伝熱パッド2a2(第1の伝熱パッドの一例に相当する)は、基板2の面2aと、電子部品4との間に設けられている。例えば、伝熱パッド2a2は、基板2の面2aの放熱部5が接続される領域に設けられている。伝熱パッド2a2は、膜状を呈している。伝熱パッド2a2の平面寸法は、放熱部5のベース5aの平面寸法よりも大きくすることが好ましい。なお、伝熱パッド2a2は、配線パターン2a1と電気的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていなくてもよい。
【0017】
基板2の面2bには、例えば、配線パターン2b1が設けられている。伝熱パッド2b2(第2の伝熱パッドの一例に相当する)は、基板2の面2bと、電子部品3との間に設けられている。例えば、伝熱パッド2b2は、基板2の面2bの、放熱伝熱パッド2a2と対向する位置に設けられている。伝熱パッド2b2は、膜状を呈している。伝熱パッド2b2の平面寸法は、例えば、伝熱パッド2a2の平面寸法と同程度とすることができる。伝熱パッド2b2は、配線パターン2b1と電気的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていなくてもよい。
【0018】
図1に示すように、伝熱パッド2b2には、放熱を行う電子部品3が実装される。一般的な実装パッドは、電子部品3との電気的な接続ができれば良いため、平面寸法を大きくする必要がない。しかしながら、伝熱パッド2b2は、電子部品3において発生した熱の伝熱(放熱)を行うため、一般的な実装パッドに比べて平面寸法が大きくなっている。なお、伝熱パッド2b2は、電子部品3との電気的な接続を行う実装パッドの機能を有していてもよい。
【0019】
また、基板2には、厚み方向を貫通する伝熱ピラー2cが設けられている。すなわち、伝熱ピラー2cは、基板2の、面2aと面2bとの間を貫通している。伝熱ピラー2cの一方の端部は伝熱パッド2a2と接続されている。伝熱ピラー2cの他方の端部は伝熱パッド2b2と接続されている。電子部品3において発生した熱は、伝熱パッド2b2および伝熱ピラー2cを介して伝熱パッド2a2に伝わる。伝熱パッド2a2に伝わった熱は、接合部6を介して放熱部5に伝わり、放熱部5から外部に放熱される。
【0020】
伝熱ピラー2cは少なくとも1つ設けられていればよいが、複数の伝熱ピラー2cが設けられていれば、電子部品3において発生した熱を放熱部5に伝えるのが容易となる。
基板2の面2a(面2b)に垂直な方向から見た場合に、伝熱ピラー2cは、電子部品3と放熱部5とが重なる位置に設けることが好ましい。この様にすれば、電子部品3において発生した熱を、効率よく放熱部5に伝えることができる。
【0021】
配線パターン2a1、伝熱パッド2a2、配線パターン2b1、伝熱パッド2b2、および伝熱ピラー2cは、金属を含んでいる。例えば、これらは、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成することができる。例えば、これらは、メッキ法などを用いて形成することができる。
【0022】
電子部品3は、基板2の面2b側に設けられている。電子部品3は、例えば、受動素子または能動素子とすることができる。受動素子は、例えば、抵抗、コンデンサ、コイルなどである。能動素子は、例えば、トランジスタなどのスイッチング素子、ダイオードなどの整流素子、発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光素子、集積回路などである。
【0023】
一般的には、能動素子において発生する熱は、受動素子において発生する熱よりも多い。そのため、基板2の面2bに、受動素子と能動素子が設けられる場合には、能動素子を伝熱パッド2b2に実装し、受動素子を配線パターン2b1の実装パッドに実装することができる。ただし、受動素子であっても発熱量が多い場合には、当該受動素子を伝熱パッド2b2に実装してもよい。例えば、基板2の面2bに複数種類の電子部品3が設けられる場合には、最も発熱量が多い電子部品3を伝熱パッド2b2に実装することができる。
【0024】
電子部品3は、表面実装型の電子部品であってもよいし、リード線を有する電子部品であってもよいし、COB(Chip On Board)により実装されるチップ状の電子部品であってもよい。ただし、表面実装型の電子部品およびチップ状の電子部品とすれば、リード線を有する電子部品に比べて、伝熱パッド2b2との密着性を高めることができる。そのため、伝熱パッド2b2に実装する電子部品3は、表面実装型の電子部品またはチップ状の電子部品とすることが好ましい。この様にすれば、電子部品3において発生した熱を、効率よく放熱部5に伝えることができる。
【0025】
電子部品4は、基板2の面2a側に設けられている。電子部品4は、例えば、トランス、リレー、電源モジュール、タイミングデバイスなどとすることができる。
図1に示すように、電子部品4は、放熱部5のベース5aに設けることができる。電子部品4は、例えば、ベース5aにネジ止めしたり、半田付けしたり、熱伝導率の高い接着剤を用いて接着したりすることができる。熱伝導率の高い接着剤は、例えば、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
【0026】
電子部品4は、例えば、配線などを介して、配線パターン2a1と電気的に接続することができる。なお、基板2の面2aに複数種類の電子部品4が設けられる場合には、最も発熱量が多い電子部品4をベース5aの上に設けることができる。
【0027】
なお、以上においては、電子部品3と電子部品4が異なる場合を説明したが、電子部品3と電子部品4は同じであってもよい。例えば、電子部品3と電子部品4は、受動素子、能動素子、トランス、リレー、電源モジュール、タイミングデバイスなどであってもよい。例えば、伝熱パッド2b2にトランジスタを実装し、放熱部5のベース5aにトランジスタを設けてもよい。
【0028】
すなわち、基板2の面2b側に設けられる電子部品3のうち、最も発熱量が多い電子部品を伝熱パッド2b2の上に設け、基板2の面2a側に設けられる電子部品4のうち、最も発熱量が多い電子部品をベース5aの上に設ければよい。
【0029】
放熱部5は、接合部6と、電子部品4との間に設けられている。
放熱部5は、例えば、ベース5a、および、フィン5bを有する。
ベース5aは、板状を呈し、伝熱パッド2a2と、電子部品4との間に設けられている。例えば、ベース5aは、伝熱パッド2a2の上に、接合部6を介して設けられている。
フィン5bは、板状を呈し、ベース5aの一方の周縁に設けられている。フィン5bは、ベース5aと交差している。フィン5bは、伝熱パッド2a2側とは反対側に延びている。基板2の面2aとフィン5bの頂部との間の距離H1は、基板2の面2aと電子部品4の頂部との間の距離H2よりも小さい。この様にすれば、回路装置1の、基板2の面2aに垂直な方向における寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【0030】
また、電子部品4とフィン5bとの間には隙間を設けることができる。一般的に、電子部品4の底部(設置側の端部)には絶縁処理が施されているが、電子部品4の側部には絶縁処理が施されていない場合がある。電子部品4とフィン5bとの間に隙間が設けられていれば、電子部品4とフィン5bが短絡するのを抑制することができる。
【0031】
ベース5a、およびフィン5bは、一体に形成することができる。放熱部5は、例えば、板材を曲げ加工したり、板材を溶接したり、ダイカスト法などを用いて成形したりすることができる。
放熱部5は、熱伝導率の高い材料を用いて形成される。放熱部5は、例えば、アルミニウム合金、銅合金などの金属を含むことができる。
【0032】
接合部6は、伝熱パッド2a2と、電子部品4との間に設けられている。例えば、接合部6は、放熱部5のベース5aと、伝熱パッド2a2との間に設けられている。接合部6は、ベース5aと伝熱パッド2a2を、機械的および熱的に接合する。接合部6は、絶縁性と高い熱伝導性を有することが好ましい。接合部6は、例えば、熱伝導性両面テープなどとすることができる。また、接合部6は、例えば、前述した熱伝導率の高い接着剤が硬化することで形成されたものとすることもできる。
【0033】
冷却部7は、主に、放熱部5のフィン5bを冷却する。例えば、冷却部7は、フィン5bに向けて空気を送風するファンとすることができる。ファンの種類には特に限定がないが、プロペラファンとすれば、送風量を多くすることができる。
【0034】
また、放熱部5に流路を設け、冷却部7により流路に冷媒を流すこともできる。すなわち、冷却部7は空冷式の冷却器であってもよいし、液冷式の冷却器であってもよい。
冷却部7が空冷式や液冷式の冷却器の場合には、回路装置1が収納される筐体などに冷却部7を設けることができる。
【0035】
また、冷却部7はペルチェ素子とすることもできる。冷却部7がペルチェ素子の場合には、例えば、冷却部7をフィン5bに設けることができる。
なお、冷却部7は必ずしも必要ではなく、例えば、放熱部5から放熱される熱量が少ない場合には省くこともできる。
【0036】
本実施の形態に係る回路装置1においては、基板2の面2a(面2b)に垂直な方向から見た場合に、伝熱パッド2a2、伝熱パッド2b2、電子部品3、電子部品4、および放熱部5が、互いに重なる位置に設けられている。
そのため、発熱源である電子部品3および電子部品4と、放熱手段である放熱部5と、の間の伝熱距離を短くすることができるので、放熱性の向上を図ることができる。
【0037】
また、基板2の面2a(面2b)に垂直な方向から見た場合に、電子部品3、電子部品4、および放熱部5が、互いに重なる位置に設けられていれば、回路装置1の小型化を図ることができる。
以上に説明した様に、本実施の形態に係る回路装置1とすれば、放熱性の向上と、小型化を図ることができる。
【0038】
この場合、電子部品3が基板2の面2b側において最も発熱量が多く、電子部品4が基板2の面2a側において最も発熱量が多ければ、回路装置1の放熱性を効果的に向上させることができる。
【0039】
図2は、他の実施形態に係る回路装置1aを例示するための模式図である。
図2に示すように、回路装置1aは、例えば、基板2、電子部品3、電子部品4、放熱部15、接合部6、および冷却部7を備えている。
【0040】
図3(a)、(b)は、放熱部15を例示するための模式図である。
図3(a)は、
図2における放熱部15をA方向から見た模式側面図である。
図3(b)は、
図2における放熱部15をB方向から見た模式平面図である。
図3(a)、(b)に示すように、放熱部15は、例えば、ベース5a、および、一対のフィン5bを有する。一対のフィン5bは互いに対向する位置に設けられている。例えば、一対のフィン5bのそれぞれは、ベース5aの互いに対向する周縁に設けられている。一対のフィン5bが互いに対向する位置に設けられていれば、放熱部15の内側を気流が通過しやすくなるので、放熱性を向上させることができる。
【0041】
基板2の面2aと一方のフィン5bの頂部との間の距離H1は、基板2の面2aと他方のフィン5bの頂部との間の距離と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、これらの距離は、基板2の面2aと電子部品4の頂部との間の距離H2よりも小さい。この様にすれば、回路装置1aの、基板2の面2aに垂直な方向における寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【0042】
ベース5a、および一対のフィン5bは、一体に形成することができる。放熱部15は、例えば、板材を曲げ加工したり、板材を溶接したり、ダイカスト法などを用いて成形したりすることができる。
放熱部15は、熱伝導率の高い材料を用いて形成される。放熱部15は、例えば、アルミニウム合金、銅合金などの金属を含むことができる。
【0043】
本実施の形態に係る回路装置1aにおいては、基板2の面2a(面2b)に垂直な方向から見た場合に、伝熱パッド2a2、伝熱パッド2b2、電子部品3、電子部品4、および放熱部15が、互いに重なる位置に設けられている。そのため、前述した回路装置1の場合と同様に、放熱性の向上と、小型化を図ることができる。
【0044】
この場合、電子部品3が基板2の面2b側において最も発熱量が多く、電子部品4が基板2の面2a側において最も発熱量が多ければ、放熱性を効果的に向上させることができる。
また、放熱部15には、一対のフィン5bが設けられているので、放熱性の更なる向上を図ることができる。
【0045】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 回路装置、2 基板、2a 面、2a1 配線パターン、2a2 伝熱パッド、2b 面、2b1 配線パターン、2b2 伝熱パッド、2c 伝熱ピラー、3 電子部品、4 電子部品、5 放熱部、5a ベース、5b フィン、6 接合部、7 冷却部、15 放熱部