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特許7582062情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241106BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241106BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20241106BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241106BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/06
A63F13/80 E
A63F13/46
A63F13/69
A63F13/79
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021084176
(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公開番号】P2022177733
(43)【公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】胡桃沢 薫
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】横田 一生
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-061717(JP,A)
【文献】特表2020-510945(JP,A)
【文献】中村 仁美,快適度を下げずに電力ピークシフトに貢献する行動を学習可能なシリアスゲームの提案,情報処理学会 研究報告 モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL),日本,情報処理学会,2014年05月08日,Vol.2014-MBL-71,No.25,p.1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を前記通信部を介して取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から前記通信部を介して受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信することと、
を実行し、
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含み、
前記制御部は、前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付ける、情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を前記通信部を介して取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から前記通信部を介して受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信することと、
を実行し、
前記制御部は、配置された複数のブロックによって形成された形が所定の形と一致することを判定すると、ゲームが攻略されたと判定する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の情報処理装置において、
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含む、情報処理装置。
【請求項4】
請求項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付ける、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1、3又は4に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えないと判定すると、ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックを前記ユーザに関連付ける、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記使用電力に関する情報は、再生可能エネルギーの発電形態を含む、情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、前記制御部は、
前記発電形態に応じた特性を有するブロックを前記ユーザに関連付け、
ゲームが攻略されたとき、特定の特性を有するブロックの数に応じて前記ユーザの得点を決定する、情報処理装置。
【請求項8】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させ
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含み、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けることを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項9】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させ、
配置された複数のブロックによって形成された形が所定の形と一致することを判定すると、ゲームが攻略されたと判定することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含む、プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けることを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項12】
請求項8、10又は11に記載のプログラムにおいて、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えないと判定すると、ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けることを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記使用電力に関する情報は、再生可能エネルギーの発電形態を含む、プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムにおいて、
前記発電形態に応じた特性を有するブロックを前記ユーザに関連付けることと、
ゲームが攻略されたとき、特定の特性を有するブロックの数に応じて前記ユーザの得点を決定することとを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項15】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含み、
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含み、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けること、を含む情報処理方法。
【請求項16】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
配置された複数のブロックによって形成された形が所定の形と一致することを判定すると、ゲームが攻略されたと判定することと、
を含む情報処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の情報処理方法において、
前記使用電力に関する情報は、前記ユーザの再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含む、情報処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の情報処理方法において、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けることを更に含む情報処理方法。
【請求項19】
請求項15、17又は18に記載の情報処理方法において、
前記使用割合又は前記使用量が基準値を超えないと判定すると、ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックを前記ユーザに関連付けることを更に含む情報処理方法。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記使用電力に関する情報は、再生可能エネルギーの発電形態を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象エネルギー消費者のエネルギー消費行動を、標準的なエネルギー消費行動を示す標準エネルギー消費者との間で相対的に比較し、比較結果を視覚化するための視覚用データを生成する省エネ行動支援システムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-225826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、比較結果の単なる視覚化が行われるに過ぎない。このため、省エネルギー(すなわち省エネ)を促進するには改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、省エネを促進することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部と通信部とを含み、前記制御部は、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を前記通信部を介して取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から前記通信部を介して受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記通信部を介して前記ユーザ端末に送信することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、
前記ユーザ端末のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、
前記使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックを前記ユーザに関連付けることと、
前記ブロックを前記1以上のマスに配置するよう前記ユーザに要求することと、
前記ブロックが配置される位置の選択を前記ユーザ端末から受け付けることと、
前記ブロックが配置された後の前記ゲーム空間を示す画面情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、省エネを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの概略図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図4】使用履歴DB(database)のデータ構造を示す図である。
図5】1つ目のブロックが提示されたときのゲーム空間を示す図である。
図6】1つ目のブロックが配置されたときのゲーム空間を示す図である。
図7】2つ目のブロックが配置されたときのゲーム空間を示す図である。
図8】3つ目のブロックが配置されたときのゲーム空間を示す図である。
図9】4つ目のブロックが提示されたときのゲーム空間を示す図である。
図10】5つ目のブロックが配置されたときのゲーム空間を示す図である。
図11】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1とユーザ端末2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1とユーザ端末2とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1とユーザ端末2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末2がユーザによって操作されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。制御部11は、1以上のマスを含む仮想のゲーム空間を設定することと、ユーザ端末2のユーザの使用電力に関する情報を取得することと、使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックをユーザに関連付けることと、を実行する。更に制御部11は、ブロックを1以上のマスに配置するようユーザに要求することと、ブロックが配置される位置の選択をユーザ端末2から受け付けることと、ブロックが配置された後のゲーム空間を示す画面情報をユーザ端末2に送信することと、を実行する。この構成により情報処理装置1は、ユーザに、ゲーム感覚で楽しみながら省エネを意識させることができる。もって情報処理装置1は、省エネを促進することができる。
【0014】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0015】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述される使用履歴DBを含む。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。代替例としてユーザ端末2は、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。
【0021】
図3を参照してユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
ユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24と入力部25とを含む。ユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
ユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
表示部24は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0025】
入力部25は例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部25は、ユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部25は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0026】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、ユーザU01が再生可能エネルギーの発電所で発電された電気を利用して生活を送る場面が説明される。
【0027】
ここでの再生可能エネルギーは、非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものである。再生可能エネルギーは例えば次のうち少なくとも1つを含む。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス
【0028】
情報処理装置1の制御部11は、電力会社等によって管理される任意の端末装置から、ユーザU01の使用電力に関する情報を、通信部12を介して取得する。制御部11は、使用電力に関する情報を、図4に示されるように使用履歴DBに記憶する。使用履歴DBでは、ユーザIDに関連付けて、日付と、再生可能エネルギーの使用割合と、使用割合が基準値を超えるか否かと、が記憶される。使用電力に関する情報は、再生可能エネルギーの使用割合と、使用割合が基準値を超えるか否かとの情報に代えて、再生可能エネルギーの使用量と、使用量が基準値を超えるか否かとの情報を含んでよい。
【0029】
日付は、ユーザU01が再生可能エネルギーを使用した日付を示す。このように使用履歴は1日単位で記憶される。代替例として使用履歴は他の任意の単位(例えば、1分、1時間、1週間、1ヶ月、1年)で記憶されてよい。
【0030】
再生可能エネルギーの使用割合は、ユーザU01が使用した全てのエネルギーのうち、再生可能エネルギーの割合を示す値である。単位は例えば%である。
【0031】
使用割合が基準値を超えるか否かは、ユーザU01による再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えるか否かを示す値であり、例えば「Yes」又は「No」であってよい。基準値は任意に設定可能である。一例としてここでの基準値は50%である。
【0032】
ユーザU01はユーザ端末2を操作して情報処理装置1にアクセスする。制御部11は、図5に示されるように、仮想のゲーム空間GSを設定する。制御部11はゲーム空間GSの画面情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2の表示部24はゲーム空間GSを表示する。ゲーム空間GSは、マスM1乃至マスM9の合計9マスを含む。9マスは、縦3マス及び横3マスで構成される。
【0033】
制御部11は、使用電力に関する情報に基づく形態のブロックをユーザU01に関連付ける。図4に示されるように、2021年4月1日の再生可能エネルギーの使用割合は基準値(ここでは50%)を超えない。情報処理装置1の制御部11は、再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えないと判定すると、ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックB1をユーザU01に付与する。ユーザU01に付与されるブロックは仮想的である。制御部11は図4に示されるように、ブロックB1をユーザU01に関連付けて記憶する。
【0034】
ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックとは、いずれのマスにも配置することができないブロック、又は、ブロックB1のように歪な形態を有するブロックである。図5に示されるように、ブロックB1はサブブロックSB1乃至SB4からなる。1つのサブブロックは1つのマスに対応する。どのような形態のブロックがゲームの攻略に不利であるかは、任意に設定可能である。
【0035】
ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックとは、いずれかのマスに配置することができるブロックである。例えば、1つのブロックが1つのサブブロックのみからなる場合、ブロックの形態はゲームの攻略のために有利である。なぜならユーザU01は、空いている任意のマスにブロックを配置することができるからである。どのような形態のブロックがゲームの攻略に不利であるかは、任意に設定可能である。
【0036】
図5に示されるように、ゲーム空間GSは、ユーザU01の手持ちのブロックB1を表示する。1つサブブロックの形態は、ここでは正方形であるが、1マスよりも小さい形態であれば任意(例えば円形、楕円形)である。ゲーム空間GSにおいてユーザU01は、指示51に示されるように、手持ちのブロックをマスに配置するように要求される。
【0037】
本実施形態の制御部11は、配置された複数のブロックによって形成された形が所定の形と一致することを判定すると、ゲームが攻略されたと判定する。具体的には、制御部11は、マスM1乃至マスM9の全てにブロックが配置されて正方形が形成されたと判定すると、ゲームが攻略されたと判定する。
【0038】
情報処理装置1の制御部11は、ユーザ端末2の入力部25を介して、ユーザU01から、いずれのマスにブロックB1を配置するかの選択を受け付ける。図6に示されるように、制御部11は、ユーザU01から、マスM4、M5、M8及びM9にブロックB1を配置することを示す選択を受け付ける。制御部11は、選択を受け付けると、選択に応じてゲーム空間GSを更新する。制御部11は、ブロックB1が配置された後のゲーム空間GSを示す画面情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2の表示部24は、ブロックB1が配置された後のゲーム空間GSを表示する。
【0039】
制御部11は、2021年4月2日における再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えると判定する。制御部11は、ゲームの攻略に有利な形態のブロックB2をユーザU01に付与する。図7に示されるように、制御部11は、入力部25を介して、ブロックB2をマスM3及びM6に配置することの選択を受け付ける。
【0040】
制御部11は、2021年4月3日における再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えると判定する。制御部11は、ゲームの攻略に有利な形態のブロックB3をユーザU01に付与する。図8に示されるように、制御部11は、入力部25を介してブロックB3をマスB7に配置することの選択を受け付ける。
【0041】
制御部11は、2021年4月4日における再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えないと判定する。制御部11は、ゲームの攻略に不利な形態のブロックB4をユーザU01に付与する。図9に示されるように、ブロックB4をマスに配置することは不可能である。よって、この段階でユーザU01はゲームを攻略することはできない。
【0042】
制御部11は、2021年4月5日における再生可能エネルギーの使用割合が基準値を超えると判定する。制御部11は、ゲームの攻略に有利な形態のブロックB5をユーザU01に付与する。図10に示されるように、制御部11は、入力部25を介してブロックB5をマスM1及びマスM2に配置することの選択を受け付ける。このとき全てのマスにブロックが配置されたため、ゲームは攻略される。表示部24は、「ゲーム攻略!」との文字を表示して、ゲームが攻略されたことをユーザU01に通知する。
【0043】
[変形例]
上記実施形態では、マスの数は9である。しかし代替例として、マスの数は、4、16等の任意の平方数であってよい。
【0044】
上記の実施形態では、ブロックによって正方形が形成されるとゲームは攻略される。代替例として、ブロックによって別の形(例えば長方形、三角形)が形成されたときにゲームが攻略されてよい。別の代替例として、正方形が形成される前であっても、特定の一列にブロックが配置されたときに、ユーザU01に得点が付与されてよい。別の代替例としてテトリスゲームのように、特定の一列にブロックが配置されたときに、ゲームが攻略されてよい。
【0045】
上記の実施形態では、1人のユーザU01がゲーム空間GSに正方形を形成する。代替例として2人以上のユーザがそれぞれのゲーム空間GSに正方形を形成するよう要求され、最も早く正方形を形成したユーザが勝者と判定されてよい。
【0046】
別の代替例として、制御部11は、使用された再生可能エネルギーの発電形態に応じた特性を有するブロックを付与してよい。制御部11は、ゲームが攻略されたとき、特定の特性を有するブロックの数に応じてユーザU01の得点を決定してよい。例えば制御部11は、特定の日にユーザU01によって使用された再生可能エネルギーが水力発電によって発電されたエネルギーであると判定すると、その日に付与されるブロックの色を水色に設定してよい。制御部11は、ゲームが攻略されたときの水色のブロックの数に応じて、ユーザU01の得点を決定してよい。
【0047】
上記実施形態では、配置済みのブロックの位置を変更することはできない。代替例として配置済みのブロックの位置は変更可能であってよい。
【0048】
図11を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。
【0049】
ステップS1にて制御部11は、仮想のゲーム空間GSを設定する。
【0050】
ステップS2にて制御部11は、ユーザU01の使用電力に関する情報を取得する。ステップS1とステップS2との順番は交換可能である。
【0051】
ステップS3にて制御部11は、使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックをユーザU01に関連付ける。
【0052】
ステップS4にて制御部11は、ブロックをマスに配置するようにユーザU01に要求する。
【0053】
ステップS5にて制御部11は、ブロックが配置される位置の選択をユーザ端末2から受け付ける。
【0054】
ステップS6にて制御部11は、ステップS5での選択に応じて、ゲーム空間GSを更新する。
【0055】
ステップS7にて制御部11は、更新後のゲーム空間GSを示す画面情報をユーザ端末2に送信して、ユーザ端末2に表示させる。
【0056】
以上述べたように本実施形態によれば、情報処理装置1の制御部11は、1以上のマスを含む仮想のゲーム空間GSを設定することと、ユーザ端末2のユーザU01の使用電力に関する情報を取得することと、使用電力に関する情報に基づく形態の仮想のブロックをユーザU01に関連付けることと、を実行する。更に制御部11は、ブロックを1以上のマスに配置するようユーザU01に要求することと、ブロックが配置される位置の選択をユーザ端末2から受け付けることと、ブロックが配置された後のゲーム空間GSを示す画面情報をユーザ端末2に送信することと、を実行する。この構成により情報処理装置1は、ユーザに、ゲーム感覚で楽しみながら省エネを意識させることができる。もって情報処理装置1は、省エネを促進することができる。
【0057】
また本実施形態によれば、使用電力に関する情報は、ユーザU01の再生可能エネルギーの使用割合又は使用量を含む。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01に、ゲーム感覚で楽しみながら再生可能エネルギーの利用を促進させることができる。
【0058】
また本実施形態によれば、制御部11は、再生可能エネルギーの使用割合又は使用量が基準値を超えると判定すると、ゲームを攻略するのに有利な形態のブロックをユーザU01に関連付ける。制御部11は、再生可能エネルギーの使用割合又は使用量が基準値を超えないと判定すると、ゲームを攻略するのに不利な形態のブロックをユーザU01に関連付ける。この構成により情報処理装置1は、再生可能エネルギーの使用割合又は使用量が基準値を超えるようにする動機をユーザU01に与えることができるので、もって再生可能エネルギーの利用を一層促進することができる。
【0059】
また本実施形態によれば、制御部11は、配置された複数のブロックによって形成された形が所定の形と一致することを判定すると、ゲームが攻略されたと判定する。この構成により情報処理装置1は、ユーザU01にゲーム感覚を一層与えることによって、省エネを一層意識させることができる。
【0060】
また本実施形態によれば、使用電力に関する情報は、再生可能エネルギーの発電形態を含む。制御部11は、発電形態に応じた特性を有するブロックをユーザU01に関連付け、ゲームが攻略されたとき、特定の特性を有するブロックの数に応じてユーザU01の得点を決定する。この構成により情報処理装置1は、特定の発電形態に由来する再生可能エネルギーを使用することの動機をユーザU01に与えることができるので、再生可能エネルギーの利用を一層促進することができる。
【0061】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0062】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0063】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0064】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 ユーザ端末
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 表示部
25 入力部
図1
図2
図3
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図11