(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】処理システム、処理方法、処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G06F9/50 150E
(21)【出願番号】P 2021087192
(22)【出願日】2021-05-24
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】坪井 聡一郎
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/030718(WO,A1)
【文献】特開2006-338264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0041136(US,A1)
【文献】特開2019-036017(JP,A)
【文献】特開2019-175216(JP,A)
【文献】特表2021-533494(JP,A)
【文献】国際公開第2019/189682(WO,A1)
【文献】特開2019-144864(JP,A)
【文献】特開2016-110397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の
車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、プロセッサ(14)を有し、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行する処理システムであって、
前記プロセッサは、
前記サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定することと、
各前記分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各前記エッジコンピュータ毎に監視することより、前記分散必要条件にマッチングした前記エッジコンピュータを、各前記分割データ毎に探索することとを、実行するように構成され
、
前記分散必要条件は、
前記分割データの分散処理に必要な分散処理能力が前記エッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力状態が充電実行状態であることと、
前記充電実行状態の前記車両に対応する前記エッジコンピュータの対応数が前記分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
前記対応数が前記必要数以上である場合に、前記電力残量が前記許容範囲内であることを、除外する処理システム。
【請求項2】
前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記
車両の運動状態が静止状態であることを、含む請求項
1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記
車両の属する地域での時間帯が夜間帯であることを、含む請求項
1又は2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記
車両の温度状態が許容範囲内であることを、含む請求項
1~3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項5】
前記分割データを生成することは、
前記クラウドサービスを提供するサービスセンタ(2)から前記ホストセンタへ送信される処理リクエスト(Rs)に応答して、前記サービスデータセットを分割することを、含む請求項1~
4のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
各前記分割データ毎に探索された前記エッジコンピュータを搭載する前記
車両に対して、割り当てられた前記分割データを送信することを、さらに実行するように構成される請求項1~
5のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
各前記分割データ毎に探索された前記エッジコンピュータにより分散処理されて生成された分散処理済データ(Ded)を、統合処理済データ(De)へ統合することを、さらに実行するように構成される請求項
6に記載の処理システム。
【請求項8】
複数の
車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行するためにプロセッサ(14)により実行される処理方法であって、
前記サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定することと、
各前記分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各前記エッジコンピュータ毎に監視することより、前記分散必要条件にマッチングした前記エッジコンピュータを、各前記分割データ毎に探索することとを、含
み、
前記分散必要条件は、
前記分割データの分散処理に必要な分散処理能力が前記エッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力状態が充電実行状態であることと、
前記充電実行状態の前記車両に対応する前記エッジコンピュータの対応数が前記分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
前記対応数が前記必要数以上である場合に、前記電力残量が前記許容範囲内であることを、除外する処理方法。
【請求項9】
複数の
車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行するために記憶媒体(12)に記憶され、プロセッサ(14)に実行させる命令を含む処理プログラムであって、
前記命令は、
前記サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定させることと、
各前記分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各前記エッジコンピュータ毎に監視させることより、前記分散必要条件にマッチングした前記エッジコンピュータを、各前記分割データ毎に探索させることとを、含
み、
前記分散必要条件は、
前記分割データの分散処理に必要な分散処理能力が前記エッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに前記分散必要条件は、
前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力状態が充電実行状態であることと、
前記充電実行状態の前記車両に対応する前記エッジコンピュータの対応数が前記分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、前記メイン条件のマッチングした前記エッジコンピュータが搭載される前記車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
前記対応数が前記必要数以上である場合に、前記電力残量が前記許容範囲内であることを、除外する処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットを処理する処理技術に、関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを通じてクラウドサービスを利用するサービス利用者は、世界的に増加している。クラウドサービスを提供するサービスセンタでは、こうしたサービス利用者の増加に伴い、大容量処理の可能なコンピュータが大型施設に設置されることで、種々のクラウドサービスに応じた複数のクラウドサーバが仮想的に構築されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、大容量処理可能なコンピュータを設置するには、巨額の設備投資が必要となる。これは、クラウドサービスの独占乃至は寡占による後発参入の阻害、並びに売り手市場におけるサービス利用者の料金増大を招来するため、持続可能な技術開発及び経済成長の妨げとなるおそれがあった。
【0005】
本開示の課題は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットを分散処理する新規の処理システムを、提供することにある。本開示の別の課題は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットを分散処理する新規の処理方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットを分散処理する新規の処理プログラムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、
複数の車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、プロセッサ(14)を有し、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行する処理システムであって、
プロセッサは、
サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定することと、
各分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各エッジコンピュータ毎に監視することより、分散必要条件にマッチングしたエッジコンピュータを、各分割データ毎に探索することとを、実行するように構成され、
分散必要条件は、
分割データの分散処理に必要な分散処理能力がエッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに分散必要条件は、
メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力状態が充電実行状態であることと、
充電実行状態の車両に対応するエッジコンピュータの対応数が分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
対応数が必要数以上である場合に、電力残量が許容範囲内であることを、除外する。
【0008】
本開示の第二態様は、
複数の車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行するためにプロセッサ(14)により実行される処理方法であって、
サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定することと、
各分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各エッジコンピュータ毎に監視することより、分散必要条件にマッチングしたエッジコンピュータを、各分割データ毎に探索することとを、含み、
分散必要条件は、
分割データの分散処理に必要な分散処理能力がエッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに分散必要条件は、
メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力状態が充電実行状態であることと、
充電実行状態の車両に対応するエッジコンピュータの対応数が分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
対応数が必要数以上である場合に、電力残量が許容範囲内であることを、除外する。
【0009】
本開示の第三態様は、
複数の車両(3)にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ(36)と通信可能なホストセンタ(1)において、クラウドサービスに関連したサービスデータセット(Ds)に対して、ホスト処理を遂行するために記憶媒体(12)に記憶され、プロセッサ(14)に実行させる命令を含む処理プログラムであって、
命令は、
サービスデータセットを複数に分割した分割データ(Dsd)を、設定させることと、
各分割データの分散処理を成立させる分散必要条件(Cd)のマッチングを、各エッジコンピュータ毎に監視させることより、分散必要条件にマッチングしたエッジコンピュータを、各分割データ毎に探索させることとを、含み、
分散必要条件は、
分割データの分散処理に必要な分散処理能力がエッジコンピュータの保有する保有処理能力以下であることを、メイン条件(Cd1)として含み、
さらに分散必要条件は、
メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力状態が充電実行状態であることと、
充電実行状態の車両に対応するエッジコンピュータの対応数が分割データの分散処理に必要な必要数未満である場合に、メイン条件のマッチングしたエッジコンピュータが搭載される車両の電力残量が許容範囲内であることと、を含み、
対応数が必要数以上である場合に、電力残量が許容範囲内であることを、除外する。
【0010】
これら第一~第三態様によると、複数の移動体にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータと通信可能なホストセンタのホスト処理では、クラウドサービスに関連したサービスデータセットが複数の分割データへと分割設定される。そこでホスト処理では、各分割データの分散処理を成立させる分散必要条件のマッチングが、各エッジコンピュータ毎に監視されることで、分散必要条件にマッチングしたエッジコンピュータが、各分割データ毎に探索される。このような新規のホスト処理によれば、移動体の搭載コンピュータがエッジコンピュータとして仮想的に有効活用され得るので、サービスデータセットの容量に応じて分散処理のネットワークを拡縮して、設備投資を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態による通信ネットワークの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態による車両の詳細構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態による処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態による処理方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態による分割データを説明するための模式図である。
【
図6】一実施形態による分散必要条件を示す条件表である。
【
図7】一実施形態による探索サブルーチンを示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態による探索サブルーチンを説明するための模式図である。
【
図9】一実施形態による分散処理済データ及び統合処理済データを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一実施形態を図面に基づき説明する。
【0013】
図1に示される一実施形態のホストセンタ1は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットDsに対してホスト処理を遂行するために、例えばゲートウェイサーバ及び通信ルータ等を主体に構築されている。ホストセンタ1は、有線通信回線及び無線通信回線のうち少なくとも一種類を介して、少なくとも一つのサービスセンタ2と複数の移動体3とに通信可能に接続されている。ホストセンタ1は、少なくとも一つのサービスセンタ2との間、及び複数の移動体3との間において、例えばTCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)等のプロトコルを利用した通信ネットワークを形成している。これによりホストセンタ1は、少なくとも一つのサービスセンタ2と各移動体3との間におけるゲートウェイとして機能する。尚、以下の説明では、ホストセンタ1が一つのサービスセンタ2との間に通信ネットワークを形成している場合を例にとって、本実施形態を説明する。
【0014】
サービスセンタ2は、例えばクラウドサーバ及び通信ルータ等を主体に構築されている。サービスセンタ2は、クラウドサービスをサービス利用者へ提供するために、当該クラウドサービスを事業とするサービス事業者によって管理されている。サービスセンタ2により提供されるサービスは、例えば都市計画サービス、道路整備サービス、地図情報サービス、運行管理サービス、交通管理サービス、駐車管理サービス、電池管理サービス、物流サービス、通信サービス、金融サービス、売買サービス、レンタルサービス、派遣サービス、代行サービス、警備サービス、建物管理サービス、清掃サービス、保険サービス、旅行サービス、予約サービス、飲食サービス、アミューズメントサービス、配信サービス、ゲームサービス、医療サービス、教育サービス、保育サービス、学術サービス、セミナーサービス、経営サービス、及びリーガルサービス等のうち、少なくとも一種類である。
【0015】
サービスセンタ2は、ホストセンタ1においてホスト処理されるサービスデータセットDsを、生成する。サービスデータセットDsは、サービスセンタ2の提供するクラウドサービスを処理するために必要な、可変容量のデジタルデータである。サービスデータセットDsは、例えば画像データ、音声データ、テキストデータ、ジョブデータ、プログラムデータ等のうち、少なくとも一種類を含んでいる。サービスデータセットDsは、サービスセンタ2により暗号化されて、ホストセンタ1において復号されてもよく、この場合にはセキュアなデータとなる。
【0016】
複数の移動体3は、例えば自動車、バイク、及びドローン等、道路を走行可能且つホストセンタ1において事前登録された車両のうち、それぞれ個別の一種類である。それぞれの移動体3には、
図2に示されるように通信ユニット30、電力ユニット32、温度検出ユニット34、及びエッジコンピュータ36がそれぞれ搭載されている。これらの搭載要素30,32,34,36は、搭載先移動体3において起動スイッチのオンされた起動モードに加え、当該起動スイッチのオフされたスタンバイモードにあっても、作動可能となっている。
【0017】
移動体3において通信ユニット30は、外部との無線通信によりデータを送受信可能な、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信機、及びセルラV2X(C-V2X)通信機等のうち、V2Xシステムを構成する少なくとも一種類を有している。通信ユニット30は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星から測位データを受信する、GNSS受信機等を有していてもよい。
【0018】
移動体3において電力ユニット32は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、全固体電池、及び鉛蓄電池等のうち、少なくとも一種類の蓄電バッテリを有している。電力ユニット32は、搭載先移動体3の起動中に内部での発電を受けることで、電力を蓄える。電力ユニット32は、搭載先移動体3の停止中に外部からの充電を受けることで、電力を蓄えてもよい。電力ユニット32は、搭載先移動体3の電装品に対して放電することで、当該移動体3における必要電力を供給する。
【0019】
移動体3において温度検出ユニット34は、例えばサーミスタ等の温度センサを有している。温度検出ユニット34は、搭載先移動体3の内部において、例えばエッジコンピュータ36及び電力ユニット32のうち少なとも一方等を含む電装品の、発熱温度又は周辺環境温度を検出してもよい。温度検出ユニット34は、搭載先移動体3の外部における外気温を検出してもよい。
【0020】
移動体3においてエッジコンピュータ36は、少なくとも一つ搭載される専用コンピュータである。例えば移動体3が自動車である場合にエッジコンピュータ36は、一般に車載コンピュータと呼ばれている。エッジコンピュータ36は、搭載先移動体3の自動運転及び手動運転のうち少なくとも一方を制御する、運転制御ECU(Electronic Control Unit)であってもよい。エッジコンピュータ36は、搭載先移動体3の走行経路をナビゲートする、ナビゲーションECUであってもよい。エッジコンピュータ36は、搭載先移動体3の自己位置を含む自己状態量を推定する、ロケータECUであってもよい。エッジコンピュータ36は、搭載先移動体3におけるエネルギーマネージメントとして、例えば電力管理及び温度管理等のうち少なくとも一種類を実行する、エネルギーECUであってもよい。エッジコンピュータ36は、搭載先移動体3における情報提示を制御する、HCU(HMI(Human Machine Interface) Control Unit)であってもよい。
【0021】
エッジコンピュータ36は、メモリ及びプロセッサを、少なくとも一つずつ有している。エッジコンピュータ36のメモリは、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。エッジコンピュータ36のプロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びRISC(Reduced Instruction Set Computer)-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含んでいる。
【0022】
エッジコンピュータ36は、通信ユニット30による取得データに基づき、搭載先移動体3が存在する例えば緯度及び経度等の位置、並びに搭載先移動体3の属する地域の時刻を認識する。エッジコンピュータ36は、例えば内部クロック、又は搭載先移動体3に設置の時計ユニット等から、時刻を認識してもよい。エッジコンピュータ36は、電力ユニット32からの取得データに基づき、搭載先移動体3における電力状態を認識する。このとき認識される電力状態には、電力ユニット32における電力残量が含まれる。また、電力ユニット32が外部から充電可能となっている場合には、認識される電力状態に充電実行状態が含まれる。エッジコンピュータ36は、温度検出ユニット34からの取得データに基づき、搭載先移動体3の温度状態を認識する。
【0023】
図1に示されるようにホストセンタ1は、クラウドサービスに関連したサービスデータセットDsに対して、ホスト処理を遂行する処理システム10を、備えている。処理システム10は、少なくとも一種類の専用コンピュータを含んで構成されている。処理システム10を構成する専用コンピュータは、メモリ12及びプロセッサ14を、少なくとも一つずつ有している。メモリ12は、コンピュータにより読み取り可能なプログラム及びデータ等を非一時的に記憶する、例えば半導体メモリ、磁気媒体、及び光学媒体等のうち、少なくとも一種類の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。プロセッサ14は、例えばCPU、GPU、及びRISC-CPU等のうち、少なくとも一種類をコアとして含んでいる。
【0024】
プロセッサ14は、ソフトウェアとしてメモリ12に記憶された処理プログラムに含まれる複数の命令を、実行する。これにより処理システム10は、サービスデータセットDsに対するホスト処理を遂行するための機能ブロックを、複数構築する。このように処理システム10では、ホスト処理を遂行するためにメモリ12に記憶された処理プログラムが複数の命令をプロセッサ14に実行させることで、複数の機能ブロックが構築される。処理システム10により構築される複数の機能ブロックには、
図3に示されるように分割ブロック100、探索ブロック110、及び統合ブロック120が含まれている。
【0025】
これらブロック100,110,120の共同により、処理システム10がホスト処理を実行する処理方法のフロー(以下、処理フローという)を、
図4に従って説明する。処理フローは、処理システム10の処理周期毎に実行される。尚、処理フローの説明において「S」とは、処理プログラムに含まれた複数命令により実行される、複数ステップをそれぞれ意味している。また、処理フローの説明では、ホストセンタ1において処理システム10がサービスセンタ2又は移動体3から通信ルータを通じてデータを取得することを、単にデータを取得することとして表現する。同様に、処理フローの説明では、ホストセンタ1において処理システム10が通信ルータを通じてデータをサービスセンタ2又は移動体3へと送信することを、単にデータを送信することとして表現する。
【0026】
図4に示されるように、処理フローのS101において分割ブロック100は、
図3に示されるようにサービスセンタ2から送信される処理リクエストRsを、取得する。このとき処理リクエストRsとは、サービスセンタ2からホストセンタ1へサービスデータセットDsの処理依頼を要求する、例えばパケット等のデータである。処理リクエストRsは、サービスデータセットDsに関するリクエスト情報として、例えばデータ容量、データ構造、データ種別、及び処理納期等のうち少なくとも一種類を含んでいる。そこで処理リクエストRsは、S101の実行時点においサービスデータセットDsを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。こうした処理リクエストRsは、例えばサービス利用者からのクラウドサービスの利用リクエスト等に応答してサービスセンタ2により生成及び送信されることで、分割ブロック100により取得される。
【0027】
図4に示されるように、処理フローのS102において分割ブロック100は、
図5に示されようにサービスデータセットDsを分散処理可能な複数のタスクへと分割した、分割データDsdを処理リクエストRsに応答して設定する。具体的に分割ブロック100は、処理リクエストRsに含まれるリクエスト情報のうち、例えばデータ構造等に基づき各分割データDsdの区分けを決定する。このとき、処理リクエストRsにサービスデータセットDsが含まれている場合には、決定された区分けに従って、当該サービスデータセットDsが複数の分割データDsdに分割される。一方、処理リクエストRsにサービスデータセットDsが含まれていない場合には、S102の実行時点においてサービスセンタ2から取得されるサービスデータセットDsが、複数の分割データDsdに分割されてもよい。あるいは、処理リクエストRsにサービスデータセットDsが含まれていない場合には、区分けの決定のみが分割データDsdの設定として実行されてもよい。但し、区分けの決定のみが分割データDsdの設定として実行される場合には、後述するS108での送信までに、サービスデータセットDsがサービスセンタ2から取得されることで、区分けに従う複数の分割データDsdへと分割されておく必要がある。
【0028】
S102における分割ブロック100は、各分割データDsdの設定の一環として、それら各データDsdの分散処理に必要な分散処理能力Adを、
図8に示されるように見積もる。このとき分散処理能力Adの見積もりは、処理リクエストRsに含まれるリクエスト情報のうち、例えばデータ容量及び処理納期等に基づく。これにより分散処理能力Adは、例えばデータ容量、必要処理速度、及び必要通信速度等のうち、少なくとも一種類を含んで各分割データDsd毎に見積もられる。
【0029】
図4に示されるように、処理フローのS103において探索ブロック110は、各分割データDsdの分散処理を成立させるのに必要な分散必要条件Cdのマッチングを、各移動体3のエッジコンピュータ36毎に監視する。これにより探索ブロック110は、分散必要条件Cdにマッチングしたエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるように分散必要条件Cdは、メイン条件Cd1とサブ条件Cd2,Cd3,Cd4,Cd5とを、含んで定義されている。
【0030】
具体的にS103における探索ブロック110は、
図7に示されるように探索サブルーチンを実行する。探索サブルーチンのS201において探索ブロック110は、メイン条件Cd1の成立するエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるようにメイン条件Cd1は、分割データDsdの分散処理に必要な分散処理能力Adがエッジコンピュータ36の保有する保有処理能力Ae以下であることに、規定されている。このとき、
図8に示されるように分散処理能力Adと対比される保有処理能力Aeは、例えばメモリの保有記憶容量、プロセッサの保有処理速度、及び保有通信速度等のうち、分散処理能力Adに対応する少なくとも一種類である。メイン条件Cd1のマッチング判断では、こうした保有処理能力Aeとして、通信状態及び通信ルートのうち少なくとも一方も加えて、考慮されてもよい。
【0031】
図7に示されるように、探索サブルーチンのS202において探索ブロック110は、メイン条件Cd1のマッチングしたエッジコンピュータ36の中から、サブ条件Cd2の成立するエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるようにサブ条件Cd2は、条件Cd1のマッチングしたエッジコンピュータ36が搭載される移動体3の運動状態が静止状態であることに、規定されている。移動体3の静止状態は、エッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて取得される位置データに基づき、設定時間以上の停止状態として認識される。移動体3の静止状態は、位置データに加えて又は代えて、例えば駆動源の駆動状態、起動スイッチの操作状態、パーキングブレーキの操作状態、電力ユニット32への外部からの充電電状態、及びスタンバイモードへの移行時間帯等のうち、少なくとも一種類に基づいてもよい。
【0032】
図7に示されるように、探索サブルーチンのS203において探索ブロック110は、メイン条件Cd1及びサブ条件Cd2のマッチングしたエッジコンピュータ36の中から、サブ条件Cd3の成立するエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるようにサブ条件Cd3のうち必須条件Cd3_aは、条件Cd1,Cd2のマッチングしたエッジコンピュータ36が搭載される移動体3の、電力ユニット32における電力状態が充電実行状態であることに、規定されている。充電実行状態は、エッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて取得される電力状態データに基づき、認識される。これにより、充電実行状態の移動体3に対応するエッジコンピュータ36の対応数が全分割データDsdの分散処理に必要な必要数以上となる場合には、サブ条件Cd3として必須条件Cd3_aのみにマッチングしたエッジコンピュータ36が、S203での探索結果となる。即ち、エッジコンピュータ36の対応数が必要数以上の場合に探索ブロック110は、後述する選択条件Cd3_bを、サブ条件Cd3から除外する。
【0033】
一方、充電実行状態の移動体3に対応するエッジコンピュータ36の対応数が必要数未満となる場合に、S203における探索ブロック110は、サブ条件Cd3に選択条件Cd3_bを追加する。これは、電力ユニット32が外部から充電不可の移動体3、又は電力ユニット32が外部から充電可能であっても充電設備に非接続の移動体3も、有効活用するためである。選択条件Cd3_bは、条件Cd1,Cd2,Cd_3aのマッチングしたエッジコンピュータ36が搭載される移動体3の、電力ユニット32における電力残量が許容範囲内であることに、規定されている。電力残量は、エッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて取得される電力状態データに基づき、認識される。これにより、サブ条件Cd3として必須条件Cd3_a及び選択条件Cd3_bの双方にマッチングしたエッジコンピュータ36が、S203での探索結果となる。尚、選択条件Cd3_bの判断基準となる電力残量の許容範囲は、例えば各分割データDsd毎に処理の実行によって消費が予測される最大電力量等を考慮して、移動体3の起動時に電力不足を回避可能な範囲に設定される。
【0034】
図7に示されるように、探索サブルーチンのS204において探索ブロック110は、メイン条件Cd1及びサブ条件Cd2,Cd3のマッチングしたエッジコンピュータ36の中から、サブ条件Cd4の成立するエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるようにサブ条件Cd4は、条件Cd1,Cd2,Cd3のマッチングしたエッジコンピュータ36が搭載される移動体3の属する地域での時間帯が夜間帯であることに、規定されている。移動体3の属する該当地域は、エッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて取得される位置データに基づき、認識される。該当地域の時間帯は、エッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて取得される時刻データに基づき、ワールドワイドでのタイムシェアリング可能に認識される。
【0035】
サブ条件Cd4において夜間帯とは、日没から日の出までの時間帯として判断されてもよいし、該当地域の標準時刻に基づく固定の時間帯として判断されてもよい。サブ条件Cd4では該当地域の時間帯が、そうした夜間帯に加えて、早朝時間帯であることも含んでいてもよい。ここで早朝時間帯とは、日の出から設定時間が経過するまでの時間帯として判断されてもよいし、該当地域の標準時刻に基づく固定の時間帯として判断されてもよい。尚、夜間帯及び早朝時間帯は、一般に移動体3の起動する時間又は確率が設定値以下まで減少する、特定の時間帯ともいえる。
【0036】
図7に示されるように、探索サブルーチンのS205において探索ブロック110は、メイン条件Cd1及びサブ条件Cd2,Cd3,Cd4のマッチングしたエッジコンピュータ36の中から、サブ条件Cd5の成立するエッジコンピュータ36を、各分割データDsd毎に探索する。
図6に示されるようにサブ条件Cd5は、条件Cd1,Cd2,Cd3,Cd4のマッチングしたエッジコンピュータ36が搭載される移動体3の温度状態が許容範囲内であることに、規定されている。こうしたS205でのサブ条件Cd5による探索結果は、温度条件の有利な移動体3に対応したジコンピュータ36から優先的に、順位付けして割り当てるものであってもよい。尚、サブ条件Cd5の判断基準となる温度状態の許容範囲は、例えば各分割データDsd毎に処理の実行によって到達の予測される最大発熱温度等を考慮して、過度な発熱による移動体3の起動エラーを回避可能な範囲に設定される。
【0037】
図4に示されるように、処理フローのS104において探索ブロック110は、各分割データDsd毎に探索されたエッジコンピュータ36を搭載する各移動体3に対して、
図3に示されるように分散リクエストRdを送信する。このとき分散リクエストRdとは、ホストセンタ1から各分割データDsd毎のエッジコンピュータ36へ分散処理を依頼する、例えばパケット等のデータである。
【0038】
図4に示されるように、処理フローのS105において探索ブロック110は、分散リクエストRdを受信した各移動体3のエッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて、
図3に示されるように送信される分散レスポンスRrを、取得する。そこで、処理フローのS106において探索ブロック110は、各移動体3から取得した分散レスポンスRrの表すサインが、拒否及び許諾のうちいずれあるかを判定する。
【0039】
少なくとも一つの移動体3からの分散レスポンスRrが拒否サインを表しているとの、否定判定がS106において下された場合には、
図4に示されるように処理フローがS103へ戻る。こうしてS106から戻ったS103の探索サブルーチンでは、拒否サインの移動体3に割り当てられていた、少なくとも一つの分割データDsdに関してのみ、別な移動体3の探索が実行されることとなる。
【0040】
一方、分散リクエストRdを送信した全移動体3からの分散レスポンスRrが許諾サインを表しているとの、肯定判定がS106において下された場合には、処理フローがS107へ移行する。S107において探索ブロック110は、許諾サインの分散レスポンスRrを送信した全移動体3のエッジコンピュータ36との間において、分散処理ネットワークを仮想形成する。そこで、処理フローのS108において探索ブロック110は、分散処理ネットワークを形成する各移動体3のエッジコンピュータ36に対して、それぞれ
図9に示されるように割り当てられた分割データDsdを、送信する。
【0041】
図4に示されるように、処理フローのS109において統合ブロック120は、分散処理ネットワークを形成する各移動体3のエッジコンピュータ36から通信ユニット30を通じて、
図3に示されるように送信される分散処理済データDedを、取得する。このとき分散処理済データDedとは、
図9に示されるようにエッジコンピュータ36によって分割データDsdに基づき分散処理されることで生成された、処理結果を含むデータである。
【0042】
分散処理ネットワークを形成する全移動体3のエッジコンピュータ36から、分散処理済データDedを統合ブロック120が取得するのに応じて処理フローは、
図4に示されるようにS109からS110へ移行する。S110において統合ブロック120は、取得した全分散処理済データDedを、
図9に示されるように統合処理済データDeへと統合する。そこで
図4に示されるように、処理フローのS111において統合ブロック120は、生成した統合処理済データDeを、
図3に示されるようにサービスセンタ2へと送信する。以上により、処理フローの今回実行が終了する。
【0043】
ここまで説明した本実施形態によると、複数の移動体3にそれぞれ搭載されるエッジコンピュータ36と通信可能なホストセンタ1のホスト処理では、クラウドサービスに関連したサービスデータセットDsが複数の分割データDsdへと分割設定される。そこでホスト処理では、各分割データDsdの分散処理を成立させる分散必要条件Cdのマッチングが、各エッジコンピュータ36毎に監視されることで、分散必要条件Cdにマッチングしたエッジコンピュータ36が、各分割データDsd毎に探索される。このような新規のホスト処理によれば、移動体3の搭載コンピュータがエッジコンピュータ36として仮想的に有効活用され得るので、サービスデータセットDsの容量に応じて分散処理のネットワークを拡縮して、設備投資を削減することが可能となる。
【0044】
(他の実施形態)
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
【0045】
変形例においてエッジコンピュータ36は、デジタル回路、及びアナログ回路のうち、少なくとも一方をプロセッサとして含んでいてもよい。ここでデジタル回路とは、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SOC(System on a Chip)、PGA(Programmable Gate Array)、及びCPLD(Complex Programmable Logic Device)等のうち、少なくとも一種類である。またこうしたデジタル回路は、プログラムを記憶したメモリを、有していてもよい。
【0046】
変形例においてサービスセンタ2の少なくとも一部の機能は、ホストセンタ1により実現されてもよい。ここで、サービスセンタ2の全機能がホストセンタ1により実現される変形例では、分割ブロック100のS101による処理と、探索ブロック110のS111による処理とが、省かれてもよい。
【0047】
変形例の探索ブロック110によるS103において、S202,S203,S204,S205の各処理の実行順は、入れ替えられてもよい。変形例の探索ブロック110によるS103において、S202,S203,S204,S205の各処理のうち少なくとも一処理は、省かれてもよい。即ち、サブ条件Cd2,Cd3,Cd4,Cd5のうち少なくとも一条件に基づく探索は、実行されなくてもよい。変形例の探索ブロック110によるS103のうちS203では、必須条件Cd3_a又は選択条件Cd3_bに基づく探索が実行されなくてもよい。
【0048】
変形例の探索ブロック110によるS107,S108及び統合ブロック120によるS109,S110,S111は、サービスセンタ2により実行されてもよい。この場合、サービスデータセットDsはサービスセンタ2からホストセンタ1へは送信されず、エッジコンピュータ36の探索結果がホストセンタ1からサービスセンタ2へ送信されてもよい。これにより、各分割データDsdがサービスセンタ2から許諾サインの移動体3へ送信されると共に、分散処理済データDedが許諾サインの移動体3からサービスセンタ2へ送信されて統合されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1:ホストセンタ、2:サービスセンタ、3:移動体、12:メモリ、14:プロセッサ、36:エッジコンピュータ、Cd:分散必要条件、Cd1:メイン条件、Cd2,Cd3,Cd4,Cd5:サブ条件、De:統合処理済データ、Ded:分散処理済データ、Ds:サービスデータセット、Dsd:分割データ、Rd:分散リクエスト、Rr:分散レスポンス、Rs:処理リクエスト