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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/40 20060101AFI20241106BHJP
   H01R 13/42 20060101ALI20241106BHJP
   H01R 13/10 20060101ALI20241106BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20241106BHJP
   H01R 13/187 20060101ALI20241106BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01R13/40 B
H01R13/42 B
H01R13/10 B
H01R13/03 A
H01R13/187 A
H01R13/11 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021139937
(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公開番号】P2023033945
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉崇
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183029(JP,A)
【文献】特開2014-075200(JP,A)
【文献】特表2015-509273(JP,A)
【文献】特開2015-149189(JP,A)
【文献】特開2014-120215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/03
H01R 13/10-13/11
H01R 13/187
H01R 13/40
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子と、
前記複数の端子のそれぞれを保持する複数の端子保持部を有するハウジングと、
を備え、
前記端子は、筒部を有する端子本体と、前記筒部内に位置するように前記筒部にかしめ固定された弾性片と、を備え、
前記端子本体は、第1金属材によって形成され、
前記弾性片は、前記第1金属材とは異なる第2金属材によって形成され、
前記筒部は、前記弾性片に対向する位置において、内側に凸形状をなす接点部を有し、
前記弾性片は、前記接点部へ向って凸となるように曲った形状であり、
前記第2金属材のバネ性は、前記第1金属材のバネ性よりも優れており、
前記複数の端子保持部は、第1端子保持部と、前記第1端子保持部の隣に位置する第2端子保持部とを有し、
前記第1端子保持部に保持された前記端子の接点部と、前記第2端子保持部に保持された前記端子の接点部とが、互いに対向する側に位置し、
前記ハウジングは、前記第1端子保持部内に向けて相手側端子を案内する第1テーパ面と、前記第2端子保持部内に向けて前記相手側端子を案内する第2テーパ面とを有し、
前記第1端子保持部と前記第2端子保持部との間において、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが直接的に交わり、角状をなしている、コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記端子保持部が前記端子本体に係止する係止ランスを有し、
前記筒部が、前記係止ランスが係止するランス用係止凹部を有し、
前記弾性片と前記ランス用係止凹部とが同じ側に位置する、コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコネクタであって、
前記複数の端子保持部は、端子並び方向に沿って並ぶ複数の前記第1端子保持部と、前記第1端子保持部の隣で前記端子並び方向に沿って並ぶ複数の前記第2端子保持部とを有する、コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタであって、
前記複数の第1端子保持部と前記複数の第2端子保持部との組合せを複数組有し、
前記複数の組合せ間の距離は、前記第1端子保持部と前記第2端子保持部との距離よりも大きく、
前記複数の組合せ間に、相手側コネクタにおいて複数の相手側端子の間に配置される仕切リブが挿入されるリブ挿入凹部が形成されている、コネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタであって、
前記弾性片の厚さは、前記端子本体の厚さよりも大きく、かつ、前記端子本体の厚さに対して1.6倍以下である、コネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコネクタであって、
前記筒部は、前記弾性片をかしめ固定するかしめ部を有する底部と、前記底部の一方の側面に対向配置される側部とを有し、前記側部に前記かしめ部の少なくとも一部を配置可能な開口が形成されている、コネクタ。
【請求項7】
複数の端子と、
前記複数の端子のそれぞれを保持する複数の端子保持部を有するハウジングと、
を備え、
前記端子は、筒部を有する端子本体と、前記筒部内に位置するように前記筒部にかしめ固定された弾性片と、を備え、
前記端子本体は、第1金属材によって形成され、
前記弾性片は、前記第1金属材とは異なる第2金属材によって形成され、
前記筒部は、前記弾性片に対向する位置において、内側に凸形状をなす接点部を有し、
前記弾性片は、前記接点部へ向って凸となるように曲った形状であり、
前記第2金属材のバネ性は、前記第1金属材のバネ性よりも優れており、
前記筒部は、前記接点部を有する天井部と、前記天井部と間隔をあけて対向し、前記弾性片がかしめ固定された底部と、前記天井部の一側部と前記底部の一側部とを連結する第1側部と、前記天井部の他側部から前記底部の他側部を越えて延出する第2側部とを有し、
前記底部の前記他側部に底係止片が突設され、
前記第2側部に前記底係止片が係止する係止孔が形成されている、コネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のコネクタであって、
前記底係止片は、前記筒部の長手方向において、前記弾性片の基端側位置と、前記弾性片の先端側位置と、前記弾性片のうち前記接点部に向って凸となる位置のそれぞれに対応して形成されている、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、相手側端子金具と接続される端子接続部を備える本体部と、この本体部とは別体に形成された弾性接触片とを備える端子金具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-120215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端子金具において、相手側端子金具と端子金具との接触荷重を大きくすることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、相手側端子に対する弾性片の接触荷重を大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、複数の端子と、前記複数の端子のそれぞれを保持する複数の端子保持部を有するハウジングと、を備え、前記端子は、筒部を有する端子本体と、前記筒部内に位置するように前記筒部にかしめ固定された弾性片と、を備え、前記端子本体は、第1金属材によって形成され、前記弾性片は、前記第1金属材とは異なる第2金属材によって形成され、前記筒部は、前記弾性片に対向する位置において、内側に凸形状をなす接点部を有し、前記弾性片は、前記接点部へ向って凸となるように曲った形状であり、前記第2金属材のバネ性は、前記第1金属材のバネ性よりも優れている、コネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、相手側端子に対する弾性片の接触荷重を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施形態に係るコネクタ及び相手側コネクタを示す説明図である。
図2図2はコネクタハウジングを示す分解斜視図である。
図3図2はコネクタハウジングを示す分解斜視図である。
図4図4はコネクタハウジングにおける端子保持部を示す分解斜視図である。
図5図5はコネクタハウジング22の断面図である。
図6図6図5のVI-VI線断面図である。
図7図7は端子を示す斜視図である。
図8図8は端子を示す斜視図である。
図9図9図7のIX-IX線断面図である。
図10図10図7のX-X線断面図である。
図11図11は端子における端子本体の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示のコネクタは、次の通りである。
【0011】
(1)複数の端子と、前記複数の端子のそれぞれを保持する複数の端子保持部を有するハウジングと、を備え、前記端子は、筒部を有する端子本体と、前記筒部内に位置するように前記筒部にかしめ固定された弾性片と、を備え、前記端子本体は、第1金属材によって形成され、前記弾性片は、前記第1金属材とは異なる第2金属材によって形成され、前記筒部は、前記弾性片に対向する位置において、内側に凸形状をなす接点部を有し、前記弾性片は、前記接点部へ向って凸となるように曲った形状であり、前記第2金属材のバネ性は、前記第1金属材のバネ性よりも優れている、コネクタである。
【0012】
本開示によると、弾性片を形成するための第2金属材のバネ性は、端子本体を形成するための第1金属材のバネ性よりも優れる。このため、第2金属材によって形成された弾性片のバネ性によって、相手側端子に対する弾性片の接触荷重を大きくすることができる。
【0013】
(2)(1)のコネクタであって、前記端子保持部が前記端子本体に係止する係止ランスを有し、前記筒部が、前記係止ランスが係止するランス用係止凹部を有し、前記弾性片と前記ランス用係止凹部とが同じ側に位置していてもよい。これにより、筒部に対する相手側端子の挿入位置を、弾性片とランス用係止凹部とは反対側に偏らせることができる。
【0014】
(3)(1)又は(2)のコネクタであって、前記複数の端子保持部は、第1端子保持部と、前記第1端子保持部の隣に位置する第2端子保持部とを有し、前記第1端子保持部に保持された前記端子の接点部と、前記第2端子保持部に保持された前記端子の接点部とが、互いに対向する側に位置していてもよい。これにより、第1端子保持部と第2端子保持部との間隔を小さくできる。
【0015】
(4)(3)のコネクタであって、前記ハウジングは、前記第1端子保持部内に向けて相手側端子を案内する第1テーパ面と、前記第2端子保持部内に向けて前記相手側端子を案内する第2テーパ面とを有し、前記第1端子保持部と前記第2端子保持部との間において、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面とが直接的に交わり、角状をなしていてもよい。これにより、相手側端子が第1端子保持部内又は第2端子保持部内に円滑に案内される。また、第1端子保持部と第2端子保持部との間隔を小さくできる。
【0016】
(5)(3)又は(4)のコネクタであって、前記複数の端子保持部は、端子並び方向に沿って並ぶ複数の前記第1端子保持部と、前記第1端子保持部の隣で前記端子並び方向に沿って並ぶ複数の前記第2端子保持部とを有してもよい。これにより、縦横に並ぶ端子保持部に端子を保持可能なコネクタを実現できる。
【0017】
(6)(5)のコネクタであって、前記複数の第1端子保持部と前記複数の第2端子保持部との組合せを複数組有し、前記複数の組合せ間の距離は、前記第1端子保持部と前記第2端子保持部との距離よりも大きく、前記複数の組合せ間に、相手側コネクタにおいて複数の相手側端子の間に配置される仕切リブが挿入されるリブ挿入凹部が形成されていてもよい。これにより、相手側コネクタの仕切リブを受入れるリブ挿入凹部を、コネクタに形成することができる。
【0018】
(7)(1)から(6)のいずれか1つのコネクタであって、前記弾性片の厚さは、前記端子本体の厚さよりも大きく、かつ、前記端子本体の厚さに対して1.6倍以下であってもよい。これにより、弾性片のバネ性を端子本体よりも優れたものとすることができる。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのコネクタであって、前記筒部は、前記弾性片をかしめ固定するかしめ部を有する底部と、前記底部の一方の側面に対向配置される側部とを有し、前記側部に前記かしめ部の少なくとも一部を配置可能な開口が形成されていてもよい。これにより、筒部を小型化できる。
【0020】
(9)(1)から(8)のいずれか1つのコネクタであって、前記筒部は、前記接点部を有する天井部と、前記天井部と間隔をあけて対向し、前記弾性片がかしめ固定された底部と、前記天井部の一側部と前記底部の一側部とを連結する第1側部と、前記天井部の他側部から前記底部の他側部を越えて延出する第2側部とを有し、前記底部の前記他側部に底係止片が突設され、前記第2側部に前記底係止片が係止する係止孔が形成されていてもよい。底部の底係止片が、第2側部の係止孔が係止することで、底部が弾性片を効果的に受止めることができる。
【0021】
(10)(9)のコネクタであって、前記底係止片は、前記筒部の長手方向において、前記弾性片の基端側位置と、前記弾性片の先端側位置と、前記弾性片のうち前記接点部に向って凸となる位置のそれぞれに対応して形成されていてもよい。弾性片が弾性変形すると、底部のうち弾性片の基端側位置と先端側位置と接点部によって押される部分に力が加わる可能性がある。これらの各部分に加わる力を底係止片によって効果的に受止めることができる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
[実施形態]
以下、実施形態に係るコネクタについて説明する。
【0024】
<全体構成>
コネクタの全体構成について説明する。図1はコネクタ20及び相手側コネクタ10を示す説明図である。図1においてコネクタ20は側面図で示され、相手側コネクタ10は断面図で示される。
【0025】
本実施形態に係るコネクタ20は相手側コネクタ10に接続される。ここで、相手側コネクタ10は、複数の相手側端子12と、相手側ハウジング16とを備える。
【0026】
相手側端子12は、端子部13と接続部14とを有する。端子部13は例えばピン状又はタブ状に形成されており、コネクタ20内の端子50に接続される。接続部14は、コネクタ20の接続先となる導体に接続される部分である。コネクタ20の接続先となる導体は、例えば、電線の芯線であってもよいし、実装基板の導体であってもよい。相手側端子12は、例えば、金属板材をプレス加工等することによって形成される。
【0027】
端子部13と接続部14とは、互いに交差する方向に延びている。例えば、端子部13と接続部14とは互いに直交する方向に延びている。相手側コネクタ10は、複数の相手側端子12を備えている。例えば、複数の端子部13が複数列に沿って並ぶように、複数の相手側端子12が相手側ハウジング16によって保持されている。以下、複数の相手側端子12のうち曲がる部分の内側に位置するもの(ここでは内側の2列の相手側端子12)を内側相手側端子12A、複数の相手側端子12のうち曲がる部分の外側に位置するもの(ここでは外側2列の相手側端子12)を外側相手側端子12Bとして区別することがある。
【0028】
内側相手側端子12Aの列間の間隔と、外側相手側端子12Bの列間の間隔との間隔は同じである。内側相手側端子12Aと外側相手側端子12Bとの列間の間隔は、内側相手側端子12Aの列間の間隔及び外側相手側端子12Bの列間の間隔よりも大きい。
【0029】
内側相手側端子12Aにおいて、端子部13と接続部14とは互いに直交するように直接繋がっている。外側相手側端子12Bにおいて、端子部13と接続部14とは互いに直交する関係にあるが、間に斜行部15が介在している。斜行部15は、端子部13と接続部14とに対して傾斜している。斜行部15は、端子部13と接続部14とが互いに直交するように直接繋がる構成に対してショートカットする経路を形成している。このため、外側相手側端子12Bにおいては、斜行部15が存在することによって、端子部13と接続部14とが互いに直交するように直接繋がる構成よりも、外側相手側端子12Bの全体長が短くなっている。外側相手側端子12Bにおいては、内側相手側端子12Aと比べて端子部13及び接続部14が長いため、上記のように斜行部15を設けることによって外側相手側端子12Bの全体長を短くできるメリットが大きい。
【0030】
相手側ハウジング16は、相手側端子12の延在方向中間部を保持する本体部16Aと、複数の端子部13の周りを囲むフード部16Bとを有する。相手側端子12の延在方向中間部は、本体部16Aに対して圧入されることにより保持されてもよいし、インサート成形されて保持されてもよい。本体部16Aの一主面から複数の端子部13が複数列(ここでは4列)並ぶように突出している。フード部16Bは、角筒状であり、複数の端子部13の周りを、間隔をあけて囲んでいる。コネクタ20が当該フード部16B内に挿入されることによって、コネクタ20内の端子50と相手側端子12とが互いに接続される。
【0031】
本体部16Aの一主面であって、内側相手側端子12Aの端子部13と外側相手側端子12Bの端子部13との間に、板状の仕切リブ16Cが突出している。仕切リブ16Cは、端子部13よりも突出している。フード部16Bの内面と仕切リブ16Cとの間隔は、一般的な人の手における指先の太さよりも狭くなるように設定されている。この仕切リブ16Cによって、指先がフード部16Bの内面と仕切リブ16Cとの間に入り込み難くなり、指先が端子部13に触れ難くなる。
【0032】
コネクタ20は、コネクタハウジング22と、複数の端子50とを備える。端子50は、電線80の端部に圧着等によって接続されている。複数の端子50は、複数の端子部13の位置に応じて複数列に並ぶ状態でコネクタハウジング22によって保持されている。図1では1つの端子50が例示される。
【0033】
そして、コネクタハウジング22の先端部がフード部16B内に挿入されることによって、コネクタハウジング22内の端子50と、相手側コネクタ10内の相手側端子12とが対向し合う状態で互いに接近し、相手側端子12の端子部13が端子50に挿入接続される。
【0034】
コネクタ20の外周がホルダー90によって覆われていてもよい。ホルダー90は、例えば、相手側コネクタ10のフード部16Bの外側を覆ってもよい。
【0035】
<コネクタハウジング>
コネクタハウジング22のより具体的な例を説明する。図2及び図3はコネクタハウジング22を示す分解斜視図である。図4及び図5はコネクタハウジング22における端子保持部34A、34Bを示す分解斜視図である。図6はコネクタハウジング22の断面図である。図6図5のVI-VI線においてコネクタハウジング22内に端子50が保持された状態を示している。図6においては1つの端子50のみ図示されている。説明の便宜上、相手側コネクタ10が接続される側を前側、その反対側を後側という場合がある。
【0036】
コネクタハウジング22は、複数の端子50のそれぞれを保持する複数の端子保持部34A、34Bを有する。本実施形態では、コネクタハウジング22は、ハウジング本体30と、フロントリテーナ40とを備える。ハウジング本体30及びフロントリテーナ40は樹脂によって形成されている。ハウジング本体30に、端子50を保持可能な端子保持部34A、34Bが形成されている。ハウジング本体30にフロントリテーナ40が装着されることによって、端子保持部34A、34Bからの端子50の脱落がより確実に抑制される。
【0037】
より具体的には、ハウジング本体30は、複数の端子保持部32と、ハウジングベース部38とを備える。本実施形態では、端子保持部32を2つ備えている。以下、必要に応じて、一方を上側端子保持部32U、他方を下側端子保持部32Lと区別する場合がある。また、説明の便宜上、コネクタ20において、上側端子保持部32U側を上側、下側端子保持部32L側を下側という場合がある。複数の端子保持部32は、端子50の長手方向に直交する方向に長い形状に形成されている。複数の端子保持部32は、間隔をあけて並列状態で並ぶ姿勢で、ハウジングベース部38に一体形成されている。複数の端子保持部32とハウジングベース部38とは、同じ樹脂材料によって金型一体形成される。
【0038】
端子保持部32内に複数の端子保持部34A、34Bが形成される。本実施形態では、端子保持部32に、第1端子保持部34Aと、第2端子保持部34Bとが形成されている。第1端子保持部34Aと、第2端子保持部34Bとは互いに隣り合っている。本例では、端子保持部32は、端子50の長手方向に対して直交する端子並び方向に沿って並ぶ第1端子保持部34Aと、第1端子保持部34Aの隣(本実施形態では上側の隣)で端子並び方向に沿って並ぶ複数の第2端子保持部34Bとを有する。説明の便宜上、コネクタ20に関して、端子並び方向を幅方向という場合がある。
【0039】
複数の端子保持部32のそれぞれに、複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとが形成されることから、本コネクタ20は、前記複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとの組合せを複数組有している。
【0040】
第1端子保持部34Aは、端子収容孔35と、係止ランス36とを有する。端子収容孔35は、端子保持部32の先端面からハウジングベース部38に向けて延びる細長い孔である。端子収容孔35の先端部は、端子50を抜け止し、かつ、相手側端子12の端子部13を挿入可能な範囲で狭まっている。端子収容孔35のうち第2端子保持部34Bとは反対側(下側)の部分に、当該端子収容孔35の長手方向に沿って延びるスリット35Sが形成されている。当該スリット35Sの一端部から他方側端部に延びるようにして係止ランス36が形成されている。係止ランス36の基端は端子保持部32に繋がって片持ち状に支持されている。係止ランス36のうち端子収容孔35側の面は、係止ランス36の先端側に向かうのに従って端子収容孔35側に徐々に突出する誘い込み面36gに形成されている。係止ランス36が端子50に係止することで、端子収容孔35からの端子50の抜けが規制される。
【0041】
第1端子保持部34Aのうち係止ランス36の基端部よりもハウジングベース部38側に、後述するリテーナ43aリテーナが位置するリテーナ用凹部37が形成されている。第1方向において並ぶ複数の第1端子保持部34Aのそれぞれに、リテーナ用凹部37が形成されている。このため、複数のリテーナ用凹部37は、端子並び方向に沿って連続的に凹むように並んで形成される。
【0042】
第2端子保持部34Bは、上記第1端子保持部34Aと同様に、端子収容孔35と、係止ランス36とを有する。第2端子保持部34Bにも、上記と同様に、リテーナ用凹部37が形成されている。
【0043】
なお、第1端子保持部34A及び第2端子保持部34Bのうち端子収容孔35の前側開口部分は、端子収容孔35から離れるのに従って徐々に拡開する誘い込み面35gに形成されている。本実施形態では、誘い込み面35gは、4角錐の頂点を切除した4角錐台形状の4つの側面に応じた形状に形成されている。
【0044】
第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとは、それらの間の仕切部33(図6)によって隔てられている。第1端子保持部34Aにおける係止ランス36と、第2端子保持部34Bにおける係止ランス36とは、互いに反対側の部分に形成されている。第1端子保持部34Aにおけるリテーナ用凹部37と、第2端子保持部34Bにおけるリテーナ用凹部37とは、互いに反対側の部分に形成されている。
【0045】
図6に示すように、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間には係止ランス36のための構成は組み込まれず、また、リテーナのための構成も組み込まれない。第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間には、簡素な仕切部33が設けられる。このため、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間隔L1を、当該仕切部33程度の小さい間隔とすることができる。
【0046】
上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの関係では、上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの間の面を対称面として、複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとが対称に形成される。このため、上側端子保持部32Uと複数の第2端子保持部34Bと下側端子保持部32Lの複数の第2端子保持部34Bとが互いに対向するように配置され、上側端子保持部32Uと複数の第1端子保持部34Aと下側端子保持部32Lの複数の第1端子保持部34Aとが互いに離れた側に配置される。このため、上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの間には、係止ランス36のための構成及びリテーナのための構成が組み込まれる。よって、上側端子保持部32Uの第2端子保持部34Bと下側端子保持部32Lの第2端子保持部34Bとの間隔L2(L2は組合せ館の距離に相当)、上側端子保持部32U又は下側端子保持部32Lにおける第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間隔L1よりも大きくなることが考えられる。
【0047】
ハウジングベース部38は、間隔をあけて並列配置された上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの基端部に連なっている。ハウジングベース部38には、複数の第1端子保持部34A及び複数の第2端子保持部34Bのそれぞれの延長上に延びる複数の電線導出孔38hが形成されている。ハウジングベース部38のうち上側端子保持部32Uと下側端子保持部32L側の後側部分は、その反対側の前端部よりも段部を介して大きくなっている。ハウジングベース部38の後側部分に後方に開口する凹部38Gが形成されている。複数の電線導出孔38hは、凹部38Gの底面に開口している。端子50に接続された電線80は、端子保持部34A、34Bから電線導出孔38hを通って凹部38G内に案内される(図2参照)。
【0048】
本実施形態では、コネクタ20は、第1シール部材27と第2シール部材28とを備える。第1シール部材27および第2シール部材は、環状の弾性部材である。
【0049】
第1シール部材27は、上記ハウジングベース部38のうち前側部分に外嵌めされる。本コネクタ20が相手側コネクタ10に接続された状態で、第1シール部材27がフード部16Bの内周面に接触する。これにより、コネクタハウジング22とフード部16Bとの隙間を通ってフード部16B内に水が浸入することが抑制される。フロントリテーナ40がハウジング本体30に装着された状態では、第1シール部材27は、フロントリテーナ40の後端面とハウジングベース部38のうち後側部分の突出部分との間に配置される。
【0050】
第2シール部材28は、複数の電線導出孔38hのそれぞれに対応する電線挿通孔28hを有する。凹部38G内に導かれた電線80は、第2シール部材28における電線挿通孔28hに挿通される。第2シール部材28によって電線80を伝った水がコネクタ20内に浸入することが抑制される。なお、本実施形態では、凹部38Gの底に複数の位置決め凸部28Pが突設されており、当該位置決め凸部28Pが第2シール部材28に形成された位置決め穴部28Gに嵌り込む。
【0051】
フロントリテーナ40は、側壁部41と、上壁部42と、下壁部43と、前壁部44とを備える。
【0052】
側壁部41は、上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの一側面外側に配置される方形板状に形成されている。上壁部42は、側壁部41の上縁から上側端子保持部32Uの上面に沿って延びる細長い板状に形成されている。下壁部43は、側壁部41の下縁から下側端子保持部32Lの下面に沿って延びる細長い板状に形成されている。前壁部44は、側壁部41の前縁から上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの前面に沿って延びる細長板状に形成されている。
【0053】
上壁部42の内面の後縁寄りの位置にリテーナ42aが突出している。リテーナ42aは、上壁部42から下方に向けて突出し、端子並び方向に沿って延びる凸形状に形成されている。下壁部43の内面の後縁寄りの位置にリテーナ43aが突出している。リテーナ43aは、下壁部43から下方に向けて突出し、端子並び方向に沿って延びる凸形状に形成されている。側壁部41の内面の後端であって上壁部42と下壁部43との間の位置からリテーナ48が突出している。前壁部44からリテーナ48に向って延びる補助支持部49が設けられている。補助支持部49によってリテーナ48が上壁部42と下壁部43との間の位置に保たれ易くなる。補助支持部49は省略されてもよい。
【0054】
前壁部44のうち複数の第1端子保持部34A及び複数の第2端子保持部34Bのそれぞれに対応する位置に端子挿入孔部44hが形成されている。
【0055】
前壁部44のうち下側端子保持部32Lにおける複数の第1端子保持部34Aの前方位置に第1テーパ面45Aが形成される。前壁部44のうち下側端子保持部32Lにおける複数の第2端子保持部34Bの前方位置に第2テーパ面45Bが形成される。第1テーパ面45A及び第2テーパ面45Bは、上記端子挿入孔部44hに連なっている。第1テーパ面45Aは、相手側端子12を第1端子保持部34A内に向けて案内し、第2テーパ面45Bは、相手側端子12を第2端子保持部34Bに向けて案内する。本実施形態では、第1テーパ面45A及び第2テーパ面45Bは、4角錐の頂点を切除した4角錐台形状の4つの側面に倣った形状に形成されている。
【0056】
第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間において、第1テーパ面45Aと第2テーパ面45Bとは、直接に交わっている。すなわち、第1テーパ面45Aを構成するいずれかの斜面と第2テーパ面45Bを構成するいずれかの斜面とが稜によって直接交わっており、それらの間に端子50の長手方向に対して直交する面は介在していない。このため、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間隔が短く設定され得る。また、相手側端子12が第1端子保持部34A又は第2端子保持部34Bに円滑に案内され、前壁部44に突き当った状態となり難い。
【0057】
前壁部44のうち上側端子保持部32Uにおける複数の第1端子保持部34Aの前方位置に上記と同様に第1テーパ面45Aが形成される。前壁部44のうち上側端子保持部32Uにおける複数の第2端子保持部34Bの前方位置に上記と同様の第2テーパ面45Bが形成される。
【0058】
図3に示すように、前壁部44のうち、複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとの組合わせの一例である下側端子保持部32Lと、複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとの組合わせの一例である上側端子保持部32Uとの間に、リブ挿入凹部44Gが形成される。本実施形態では、リブ挿入凹部44Gは、端子並び方向に沿って細長いスリット状の孔である。かかるリブ挿入凹部44Gが、下側端子保持部32Lと上側端子保持部32Uとの間に位置において、複数(図2では3つ)並ぶように形成される。コネクタ20が相手側コネクタ10に挿入されると、フード部16B内の仕切リブ16Cがリブ挿入凹部44G内に挿入される。リブ挿入凹部44Gを貫いた仕切リブ16Cは、下側端子保持部32Lと上側端子保持部32Uとの間の空間に配置される。
【0059】
各端子保持部34A内に端子50が収容された状態で、フロントリテーナ40がハウジング本体30に対して横外方向から装着される。この際、リテーナ42aは上側端子保持部32Uにおいて上側に並ぶ複数のリテーナ用凹部37に嵌め込まれ、リテーナ43aは下側端子保持部32Lにおいて下側に並ぶ複数のリテーナ用凹部37に嵌め込まれる。リテーナ48の上側縁は、上側端子保持部32Uにおいて下に並ぶ複数のリテーナ用凹部37に嵌め込まれ、リテーナ48の下側縁は下側端子保持部32Lにおいて上側に並ぶ複数のリテーナ用凹部37に嵌め込まれる。これにより、上側端子保持部32U及び下側端子保持部32Lのそれぞれにおいて、リテーナ42a、43a又は48が、上下に並ぶ複数の第1端子保持部34A及び複数の第2端子保持部34Bに収容される端子50のランス用係止凹部68bhに係止することができる。
【0060】
この状態で、第1テーパ面45A及び第2テーパ面45Bが、対応する第1端子保持部34A又は第2端子保持部34Bの前方に配置される。これにより、第1テーパ面45A及び第2テーパ面45Bが、相手側端子12を対応する第1端子保持部34A又は第2端子保持部34Bに向けて案内することができる。
【0061】
なお、フロントリテーナ40がハウジング本体30に装着された状態で、フロントリテーナ40の上壁部42及び下壁部43に形成された係止凸部42p、43pが、ハウジングベース部38の前部に形成された係止凹部38gに係止する。これにより、フロントリテーナ40の脱落が抑制されている。
【0062】
<端子>
端子50について説明する。図7及び図8は端子50を示す斜視図である。図9図7のIX-IX線断面図である。図10図7のX-X線断面図である。図11は端子50における端子本体52の展開図である。
【0063】
図6から図11に示すように、端子50は、端子本体52と弾性片70とを備える。端子本体52は筒部60を有している。弾性片70は、端子本体52とは別体とされており、上記筒部60内に位置するように当該筒部60にかしめ固定されている。相手側端子12の端子部13が筒部60内に挿入されると、弾性片70が端子部13を筒部60の内面に向けて押しつける。これにより、端子部13が弾性片70と筒部60の内面との間に挟み込まれた状態となり、端子50と相手側端子12とが良好に電気的に接続される。
【0064】
より具体的には、端子本体52は、第1金属材をプレス加工等することにより形成される。端子本体52は、電線接続部54と、連結部58と筒部60とがこの順で連なる形状に形成されている。電線接続部54は、電線80の端部に接続される部分である。電線接続部54は、半筒状の底部54aの両側部から一対の芯線圧着部54b及び一対の被覆圧着部54cが立上がる形状に形成されている。一対の被覆圧着部54cは筒部60とは反対側の端部に位置し、一対の芯線圧着部54bは筒部60に近い端部に位置する。一対の被覆圧着部54cは端子本体52の長手方向においてずれて位置しており、一対の芯線圧着部54bは端子本体52の長手方向において同じ位置に設けられる。電線80の端部では被覆82が除去されて芯線81が露出している(図9参照)。そして、一対の芯線圧着部54bが被覆82の端部を囲むように塑性変形されて、当該一対の芯線圧着部54bが被覆82の端部にかしめ固定される。また、一対の芯線圧着部54bが露出した芯線81の端部に向けて塑性変形されて、当該一対の芯線圧着部54bが芯線81にかしめ固定される。
【0065】
連結部58は半筒状に形成されており、電線接続部54における底側部分と筒部60とを繋いでいる。本例では、電線接続部54と筒部60とは直線状に連なっているが、電線接続部54と筒部60とは曲って連なっていてもよい。
【0066】
筒部60は、相手側端子12の端子部13が挿入される部分である。本実施形態では、筒部60は、底部62と第1側部64と天井部66と第2側部68とを有する。プレス加工前においては、底部62と第1側部64と天井部66と第2側部68とはそれらの間の曲げラインLを介して平たい板状に連なっている(図11参照)。天井部66は、細長い板状に形成されており、端子部13と接触し得る接点部66pを有している。底部62は、細長板状に形成されており、天井部66と間隔をあけて対向している。この底部62に弾性片70がかしめ固定される。第1側部64は細長い板状に形成されており、天井部66の一側部と底部62の一側部とを連結する。第2側部68は、細長い板状に形成される。第2側部68は、第1側部64よりも幅広である。第2側部68は、天井部66の他側部から底部62の他側部を越えて延出する。そして、底部62と第1側部64と天井部66と第2側部68とによって四角形筒状の筒部60が形成される。
【0067】
より具体的には、底部62は、一対のかしめ部62aを有している。一対のかしめ部62aは、底部62の一対の長尺な側部のうち電線接続部54寄りに位置する。一対のかしめ部62aは、底部62の一対の長尺な側部から外向きに突出する細長い板形状に形成される。弾性片70の基端部が底部62のうち一対のかしめ部62aが形成された部分の上に配置された状態で、一対のかしめ部62aが弾性片70の基端部を覆うように塑性変形される。これにより、弾性片70の基端部が底部62にかしめ固定される。
【0068】
底部62の内面側に部分的な凸部62bが形成される。図6に示すように、凸部62bは、弾性片70のうち接点部66pに向って凸となる位置に対応して形成される。弾性片70が底部62に向けて強く押されると、弾性片70が当該凸部62bに接触し、それ以上の変形が妨げられる。これにより、弾性片70が過度に底部62に近づくように変形することが抑制される。
【0069】
底部62のうち第1側部64とは反対側の長尺な側部に底係止片62p1、62p2、62p3が突設される。底係止片62p1、62p2、62p3は、底部62の長手方向において離れて位置している。筒部60の長手方向において、底係止片62p1は、弾性片70の基端側位置に形成され、底係止片62p2は弾性片70の先端側位置に形成される。底係止片62p1、62p2は、筒部60の長手方向において弾性片70が底部62と接触する位置に形成される。底係止片62p3は弾性片70のうち接点部66pに向って凸となる位置に対応して形成される。
【0070】
第1側部64は底部62のうち上記底係止片62p1、62p2、62p3とは反対側の側部に連なっている。第1側部64には一方のかしめ部62aを切り起した跡である開口64h1が形成される。また、第1側部64には、第2側部68の部分延在部分68b1が配置される開口64h2が形成される。開口64h2は、開口64h1は、筒部60の長手方向に沿って長い孔形状であり、上記開口64h1に対して電線接続部54から遠い位置に形成されている。
【0071】
天井部66は、第1側部64と第2側部68との間に位置する長尺な板状部分である。天井部66の基端部に電線接続部54における底部54aが連なっている。天井部66は、接点部66pを有する。接点部66pは、弾性片70に対向する位置において、内側に凸形状をなしている。より具体的には、天井部66のうち電線接続部54とは反対側の端部よりの位置に接点部66pが形成されている。接点部66pは、天井部66を部分的に内側に突出させるように変形させることによって形成されている。天井部66の内側から見て、接点部66pは、筒部60の長手方向に沿って細長い形状に形成されている。
【0072】
第2側部68は、天井部66のうち第1側部64とは反対側の側部に連なる細長い板状部分である。第2側部68は、天井部66に対して直交するように曲げられ、底部62のうち第1側部64とは反対側の側面に対向するように配置される。第2側部68は底部62を越えて天井部66とは反対側に突出する。第2側部68のうち底部62と天井部66との間に位置する部分を第2側部本体部68a、第2側部68のうち天井部66を越える部分を第2側部延在部68bとする。
【0073】
第2側部本体部68aのうちかしめ部62aに対向する部分に、当該かしめ部62aを配置可能な開口68ahが形成される。第2側部本体部68aのうち底係止片62p1、62p2、62p2に対向する部分に、底係止片62p1、62p2、62p2を係止可能な係止孔68ag1、68ag2、68ag3が形成される。係止孔68ag1、68ag2、68ag3は、底係止片62p1、62p2、62p2の長手方向に沿って長い孔形状に形成される。
【0074】
底部62、第1側部64、天井部66及び第2側部68が隣接する関係間で直交するように折曲げられることで、底部62、第1側部64、天井部66及び第2側部68が四角筒状をなる。この状態で、底部62の底係止片62p1、62p2、62p2が係止孔68ag1、68ag2、68ag3に係止することで、当該底部62のうち自由端側の縁が底部62の厚み方向において一定位置に支持される。
【0075】
第2側部延在部68bは半筒状をなすように折返されている。第2側部延在部68bのうち第2側部本体部68aとは反対側の側部に部分的な部分延在部分68b1が形成される。部分延在部分68b1は第1側部64における開口64h2内に配置される。
【0076】
第2側部延在部68bには、係止ランス36が係止するランス用係止凹部68bhが形成される。本実施形態では、第2側部延在部68bに、方形状開口に電線接続部54に向けて徐々に幅狭となる台形状開口が連なる開口が形成される(図11参照)。第2側部延在部68bが、筒部60の軸方向に沿って見て、天井部66とは反対側に凸となるように湾曲するように曲げられることで、上記開口がランス用係止凹部68bhを形成する。ランス用係止凹部68bhは、筒部60の側方から見て、筒部60の先端側に向けて徐々に深くなる部分と一定の深さ部分とが連続する凹形状をなしている。ランス用係止凹部68bhのうち筒部60とは先端側の縁は、筒部60に対して直交しかつ電線接続部54側を向く係止縁68bh1となっている。係止ランス36がランス用係止凹部68bh内に嵌り込んで、当該係止縁68bh1に係止することで、端子保持部34A、34B内における端子50の抜け止が図られる。
【0077】
上記第2側部延在部68bは、底部62の外周側に覆い被さるように位置する。このため、筒部60の中心軸を基準として、底部62にかしめ固定される弾性片70とランス用係止凹部68bhとは同じ側に位置する。
【0078】
第2側部延在部68bのうち筒部60の先端側部分は、残部に対して部分的に切り離れており、筒部60の先端側に向って天井部66に向うように曲げ変形されている。
【0079】
弾性片70は、端子本体部分を形成する第1金属材とは異なる第2金属材によって形成されている。弾性片70は、接点部66pに向って凸となるように曲った形状に形成されている。
【0080】
より具体的には、図9に示すように、弾性片70は、基端部72と中間凸部74と先端部76とを有しており、これらがこの順で長尺状に連なる形状に形成されている。基端部72の両側部に部分的な凹みが形成されている。一対のかしめ部62aが当該凹みに嵌った状態で当該基端部にかしめ固定される。基端部72の一方面と先端部76の一方面とは同位置平面上に配置されており、基端部72が底部62にかしめ固定された状態で、基端部72の一方面と先端部76の一方面と底部62の内面に面接触していてもよい。中間凸部74は、底部62とは反対側に突出している。例えば、長手方向中間部が最も突出して接点部66pに近接するように、中間凸部74の長手方向両端部が底部62に対して傾斜している。中間凸部74が曲っている。中間凸部74の頂点は湾曲していてもよいし、角をなしていてもよい。本実施形態では、中間凸部74の中間部は、上向きに凸となるように湾曲している。中間凸部74の頂点部分に上向きに部分球状の突起74aが形成されている。突起74aは、弾性片70を部分的に打出すこと等によって形成される。突起74aは省略されてもよい。
【0081】
筒部60内に相手側端子12の端子部13が挿入されると、当該端子部13は、接点部66pと弾性片70との間に配置される。端子部13は、接点部66pと接触しつつ、弾性片70の中間凸部74を底部62に向けて押す。これにより、端子部13は、弾性片70によって接点部66pに向けて押しつけられ、接点部66pと良好な電気的接触状態がなされる。弾性片70が端子部13に押しつけられ、弾性片70は底部62にかしめ固定されているので、端子部13は、弾性片70を介しても端子本体52と電気的に接続される。
【0082】
弾性片70が端子部13を押す際には、底部62のうち弾性片70の基端部72及び先端部76を支える部分に力が作用し易い。底部62のうち基端部72及び先端部76に対応する部分に底係止片62p1、62p2が形成され、当該底係止片62p1、62p2が第2側部68の係止孔68ag1、68ag2に係止している。このため、底部62が弾性片70を受止める力が、第2側部68によって効果的に受止められる。また、端子部13を挿入する際に、弾性片70が大きく変形すると、中間凸部74が底部62の凸部62bに接触して、弾性片70の過度の変形が抑制される。この際、底部62に凸部62bに大きな力が作用するが、底部62のうち当該凸部62bに対応する位置に底係止片62p3が形成され、この底係止片62p3が係止孔68ag3に係止している。このため、弾性片70の過度な変形を抑制するための力が第2側部68によって効果的に受止められる。
【0083】
本実施形態では、弾性片70の厚みは、筒部60の厚みよりも大きい。
【0084】
端子本体52を形成する第1金属材と弾性片70を形成する第2金属材とについて説明する。
【0085】
第1金属材と第2金属材とは、材質及び板厚の少なくとも1つに関して異なっている。第2金属材のバネ性は、第1金属材のバネ性よりも優れている。第2金属材のバネ性が第1金属材のバネ性よりも優れている場合としては、例えば、第1金属材で弾性片70を形成した場合と、第2金属材で弾性片70を形成した場合とで、後者の場合の方が前者の場合よりも、端子部13を押す力が強く、かつ、その押す力が安定している場合であってもよい。第2金属材のバネ性が第1金属材のバネ性よりも優れているとは、第2金属材の0.2%耐力と引張強さとの両方が、第1金属材の0.2%耐力と引張強さよりも大きく、かつ、第2金属材の応力緩和率が第1金属材の応力緩和率よりも小さい場合であると把握してもよい。ここで、0.2%耐力とは、ひずみが0.2%になった時点での応力度である。引張強さとは、当該金属材の最大の応力度であり、引張強度ともいう。応力緩和率は、金属材にあるひずみを与えてそのひずみを一定に保っておくとき,応力がその時間経過とともに単調に減少していく率である。
【0086】
第1金属材及び第2金属材のバネ性は、材質及び形の少なくとも一方に左右され得る。このため、例えば、第1金属材と第2金属材とが同じ金属によって形成されていても、第2金属材の厚みが第1金属材の厚みよりも大きければ、第2金属材のバネ性が第1金属材のバネ性よりも優れることがあり得る。また、第1金属材と第2金属材とが同じ厚みの金属板であったとしても、第1金属材が黄銅等であり、第2金属材がばね鋼等のバネ性に富んだ合金であれば、第2金属材のバネ性が第1金属材のバネ性よりも優れることがあり得る。もちろん、第2金属材の厚みが第1金属材の厚みよりも大きく、かつ、第1金属材が黄銅等であり、第2金属材がばね鋼等のバネ性に富んだ合金であってもよい。
【0087】
例えば、弾性片70の厚さ(つまり、第2金属材の厚さ)は、端子本体52の厚さ(つまり、第1金属材の厚さ)よりも大きく、かつ、端子本体の厚さ(つまり、第1金属材の厚さ)に対して1.6倍以下であってもよい。
【0088】
<コネクタハウジング内における端子の保持構成>
図6に示すように、コネクタハウジング22において端子50は次のようにして保持される。電線80の端部に端子50が接続された端子付電線が複数準備される。電線80は第2シール部材28の電線挿通孔28hに挿通されている。端子50がハウジングベース部38の電線導出孔38hを通って端子保持部34A、34Bに挿入される。各端子保持部34A、34Bにおいて、係止ランス36がランス用係止凹部68bhに係止するまで、端子50が挿入される。この状態では、筒部60がリテーナ用凹部37を越えて端子保持部34A、34B内に位置する。
【0089】
下側端子保持部32Lにおいて、第1端子保持部34A内の端子50の接点部66pは上方に位置している。第2端子保持部34B内の端子50は、図6に示される第1端子保持部34A内の端子50を、仕切部33を介して上下対称にした配置とされる。よって、第2端子保持部34B内の端子50の接点部66pは下方に位置する。このため、第1端子保持部34Aに保持された端子50の接点部66pと、第2端子保持部34Bに保持された端子50の接点部66pとは、互いに対向する側に位置している。端子50のうち弾性片70が設けられる底部62については、弾性片70を弾性変形させるスペースが設けられる。このため、筒部60の中心軸周りにおいて、弾性片70が設けられる側の部分が大型化する。これに対して、接点部66pは一定形状に保たれる部分であり、弾性片70を弾性変形させるスペースほど大きなスペースを確保しなくてもよい。このため、端子50のうち接点部66p側の部分は小型化し易い。第1端子保持部34Aに保持された端子50の接点部66pと、第2端子保持部34Bに保持された端子50の接点部66pとが互いに対向する側に位置することで、第1端子保持部34A及び当該第1端子保持部34Aに保持された端子50と、第2端子保持部34B及び当該第2端子保持部34Bに保持された端子50との距離を短くできる。
【0090】
上記のように、各端子保持部34A、34Bに端子50が挿入された状態で、第1シール部材27及び第2シール部材28がハウジング本体30に装着される。また、フロントリテーナ40がハウジング本体30の側方から当該ハウジング本体30に装着される。すると、リテーナ42a、リテーナ43a及びリテーナ48が対応するリテーナ用凹部37に嵌り込み、筒部60と電線接続部54との間に配置される。筒部60の後端面がリテーナ42a、リテーナ43a又はリテーナ48に対向してリテーナ42a、リテーナ43a又はリテーナ48に接触可能となる。これにより、リテーナ42a、リテーナ43a又はリテーナ48による、端子50の抜け止が図られる。なお、この状態で、筒部60の長手方向において、第2側部延在部68bの後端面及び底部62の後端面とは同じ位置に存在しており、リテーナ42a、リテーナ43a又はリテーナ48に同時に接触し得る。このため、端子50の抜け方向の力が、第2側部延在部68b及び底部62によって分散して受止められる。
【0091】
<効果等>
以上のように構成されたコネクタ20によると、弾性片70を形成するための第2金属材のバネ性は、端子本体52を形成するための第1金属材のバネ性よりも優れる。このため、弾性材を第1金属材で形成した場合と比較して、相手側端子12に対する弾性片70の接触荷重を大きくすることができる。弾性片70によって相手側端子12を大きい接点部66pに大きい力で押付けることができ、相手側端子12と接点部66pとの間でも接触荷重を大きくすることができる。これに対して、端子本体52については、バネ性よりもコスト、導電性等を重視した第1金属材によって形成することができる。結果、高い接触荷重によって、相手側端子12を良好な導電性の接点部66pに押付けることが可能となり、端子50と相手側端子12との接続信頼性を高めることができる。
【0092】
例えば、小さい端子50にいては、弾性片70の幅、厚み等に制約が課されるため、小型端子に適用されると有効である。
【0093】
また、端子50において弾性片70とランス用係止凹部68bhとが同じ側に位置する。このため、筒部60に対する相手側端子12の挿入位置を、弾性片70及びランス用係止凹部68bhとは反対側に偏らせることができる。これにより、相手側端子12の配置位置の自由度を向上させることができる。
【0094】
例えば、第1端子保持部34A内の端子50と第2端子保持部34B内の端子50との関係で、弾性片70とランス用係止凹部68bhとを互いに反対側に位置させると、第1端子保持部34A内の端子50に挿入される相手側端子12と第2端子保持部34B内の端子50に挿入される相手側端子12とを互いに接近する方向に偏らせることができる。これにより、上側端子保持部32Uの端子50に接続される外側相手側端子12Bの端子部13と、下側端子保持部32Lの端子50に接続される内側相手側端子12Aの端子部13との間隔を大きくすることができる。これにより、外側相手側端子12Bにおける斜行部15を大きくすることができ、外側相手側端子12Bの全体長を短くするのに役立つ。
【0095】
また、第1端子保持部34Aに保持された端子50と、第2端子保持部34Bに保持された端子50との間で、接点部66pが互いに対向し、弾性片70が互いに遠い側に配置される。このため、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間隔を小さくできる。これにより、上記と同様に、上側端子保持部32Uの端子50に接続される外側相手側端子12Bの端子部13と、下側端子保持部32Lの端子50に接続される内側相手側端子12Aの端子部13との間隔を大きくすることができる。これにより、外側相手側端子12Bにおける斜行部15を大きくすることができ、外側相手側端子12Bの全体長を短くすることができる。
【0096】
また、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間において、第1テーパ面45Aと第2テーパ面45Bとが直接的に交わり、角状をなしている、ため、相手側端子12が第1端子保持部34A内又は第2端子保持部34B内に円滑に案内される。また、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの間隔を小さくできる。これにより、上記と同様に、外側相手側端子12Bの全体長を短くできる。
【0097】
また、複数の端子保持部として、端子並び方向に沿って並ぶ複数の第1端子保持部34Aと、第1端子保持部34Aの隣で端子並び方向に沿って並ぶ複数の第2端子保持部34Bとを有するため、縦横に並ぶ端子保持部34A、34Bに端子を保持可能なコネクタを実現できる。
【0098】
また、コネクタ20は、複数の第1端子保持部34Aと複数の第2端子保持部34Bとの組合せを複数組有しており、複数の組合せ間の距離L2は、第1端子保持部34Aと第2端子保持部34Bとの距離L1よりも大きい(図6参照)。これにより、例えば、上側端子保持部32Uと下側端子保持部32Lとの間に隙間を広く設けることができる。そして、複数の組合せ間にリブ挿入凹部44Gが形成されており、相手側コネクタ10において複数の相手側端子12の間に配置される仕切リブ16Cが当該リブ挿入凹部44Gに挿入される。これにより、相手側コネクタ10の仕切リブ16Cを受入れるリブ挿入凹部44G及び上記隙間をコネクタ20に形成することができる。
【0099】
また、弾性片70の厚さが、端子本体52の厚さよりも大きく、かつ、端子本体52の厚さに対して1.6倍以下であることが好ましい。弾性片70の厚さが、端子本体52の厚さよりも大きければ、弾性片70のバネ性を端子本体52よりも優れたものとすることが容易である。また、弾性片70の厚さが、端子本体52の厚さに対して1.6倍以下であれば、端子本体52によるかしめや、端子本体部52の内部空間の確保が容易である。
【0100】
また、第2側部68にかしめ部62aの少なくとも一部を配置可能な開口68ahが形成されている。これにより、かしめ部62aの存在に拘らず、第2側部68を底部62に近づけて配置することができ、筒部60を小型化できる。
【0101】
また、底部62に底係止片62p1、62p2、62p3が形成され、当該底係止片62p1、62p2、62p3が、第2側部68の係止孔68ag1、68ag2、68ag3に係止している。これにより、弾性片70を支持する底部62を、第2側部68によって効果的に受止めることができる。
【0102】
底係止片62p1、62p2、62p3は必須ではなく、また、複数設けられなくてもよい。底係止片62p1、62p2、62p3が、筒部60の長手方向において、弾性片70の基端部72の位置と、先端部76の位置と、弾性片70のうち前記接点部に向って凸となる位置のそれぞれに対応して形成されていると、底部62のうち弾性変形によって押される位置又は押される可能性のある位置を底係止片62p1、62p2、62p3によって効果的に受止めることができる。
【0103】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【符号の説明】
【0104】
10 相手側コネクタ
12 相手側端子(12A 内側相手側端子、12B 外側相手側端子)
13 端子部
14 接続部
15 斜行部
16 相手側ハウジング
16A 本体部
16B フード部
16C 仕切リブ
20 コネクタ
22 コネクタハウジング
27 第1シール部材
28 第2シール部材
28G 位置決め穴部
28P 位置決め凸部
28h 電線挿通孔
30 ハウジング本体
32 端子保持部(32L 下側端子保持部、32U 上側端子保持部)
33 仕切部
34A 第1端子保持部
34B 第2端子保持部
35 端子収容孔
35S スリット
35g 誘い込み面
36 係止ランス
36g 誘い込み面
37 リテーナ用凹部
38 ハウジングベース部
38G 凹部
38g 係止凹部
38h 電線導出孔
40 フロントリテーナ
41 側壁部
42 上壁部
42a、43a、48 リテーナ
42p 係止凸部
43 下壁部
43p 係止凸部
44 前壁部
44G リブ挿入凹部
44h 端子挿入孔部
45A 第1テーパ面
45B 第2テーパ面
49 補助支持部
50 端子
52 端子本体
54 電線接続部
54a 底部
54b 芯線圧着部
54c 被覆圧着部
58 連結部
60 筒部
62 底部
62a かしめ部
62b 凸部
62p1、62p2、62p3 底係止片
64 第1側部
64h1、64h2 開口
66 天井部
66p 接点部
68 第2側部
68a 第2側部本体部
68ag1、68ag2、68ag3 係止孔
68ah 開口
68b 第2側部延在部
68b1 部分延在部分
68bh ランス用係止凹部
68bh1 係止縁
70 弾性片
72 基端部
74 中間凸部
74a 突起
76 先端部
80 電線
81 芯線
82 被覆
90 カバー
L 曲げライン
図1
図2
図3
図4
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