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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】サーバ、制御装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241106BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J13/00 301A
H02J13/00 311T
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021142510
(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公開番号】P2023035560
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田畑 満弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幹
(72)【発明者】
【氏名】曲田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】東 裕子
(72)【発明者】
【氏名】立石 崇晴
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-146436(JP,A)
【文献】特開2020-077221(JP,A)
【文献】特開2017-211815(JP,A)
【文献】特開2021-078278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、
前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、
前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させるように構成されたプロセッサを備え
前記プロセッサは、
前記複数の車両の各々の車種を示す車種情報を取得し、
前記車種情報に基づいて、前記複数の車両から所定の燃料を用いた発電機能を有する車両を特定し、
前記発電機能を有する車両から、前記所定の燃料の残量を取得し、
前記発電機能を有する車両の前記残量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する
サーバ。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量と、前記発電機能を有する車両毎の前記車種情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両毎に発電可能な発電量を算出し、
前記発電量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する、
請求項に記載のサーバ。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記発電量と、前記給電情報と、に基づいて、前記複数の車両の各々が給電する給電時間が所定の時間内に収まるように前記電力量を設定する、
請求項に記載のサーバ。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量に基づいて、前記複数の車両の各々へ前記燃料を補給する補給車による補給順を設定し、
前記補給順を前記複数の車両の各々へ出力する、
請求項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両における前記燃料の消費速度を算出し、
前記消費速度と、前記残量と、に基づいて、前記補給順を設定する、
請求項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記施設に設定された重要度に基づいて、前記補給車が走行する経路順を設定する、
請求項に記載のサーバ。
【請求項7】
複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、
前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、
前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させるように構成されたプロセッサを備え
前記プロセッサは、
前記複数の車両の各々の車種を示す車種情報を取得し、
前記車種情報に基づいて、前記複数の車両から所定の燃料を用いた発電機能を有する車両を特定し、
前記発電機能を有する車両から、前記所定の燃料の残量を取得し、
前記発電機能を有する車両の前記残量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する
制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量と、前記発電機能を有する車両毎の前記車種情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両毎に発電可能な発電量を算出し、
前記発電量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記発電量と、前記給電情報と、に基づいて、前記複数の車両の各々が給電する給電時間が所定の時間内に収まるように前記電力量を設定する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量に基づいて、前記複数の車両の各々へ前記燃料を補給する補給車による補給順を設定し、
前記補給順を前記複数の車両の各々へ出力する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両における前記燃料の消費速度を算出し、
前記消費速度と、前記残量と、に基づいて、前記補給順を設定する、
請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記施設に設定された重要度に基づいて、前記補給車が走行する経路順を設定する、
請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
プロセッサに、
複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、
前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、
前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させる、
ことを実行させ
前記プロセッサに、
前記複数の車両の各々の車種を示す車種情報を取得し、
前記車種情報に基づいて、前記複数の車両から所定の燃料を用いた発電機能を有する車両を特定し、
前記発電機能を有する車両から、前記所定の燃料の残量を取得し、
前記発電機能を有する車両の前記残量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する、
プログラム。
【請求項14】
前記プロセッサに、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量と、前記発電機能を有する車両毎の前記車種情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両毎に発電可能な発電量を算出し、
前記発電量と、前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記電力量を設定する、
ことを実行させる、
請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記プロセッサに、
前記発電量と、前記給電情報と、に基づいて、前記複数の車両の各々が給電する給電時間が所定の時間内に収まるように前記電力量を設定する、
ことを実行させる、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記プロセッサに、
前記発電機能を有する車両毎の前記残量に基づいて、前記複数の車両の各々へ前記燃料を補給する補給車による補給順を設定し、
前記補給順を前記複数の車両の各々へ出力する、
ことを実行させる、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記プロセッサに、
前記車種情報と、前記給電情報と、に基づいて、前記発電機能を有する車両における前記燃料の消費速度を算出し、
前記消費速度と、前記残量と、に基づいて、前記補給順を設定する、
ことを実行させる、
請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、HEV(Hybrid Electric Vehicle)等の複数の車両を用いた給電時に各車両に搭載された蓄電装置の給電能力を超える施設の電力需要に対応するため、エンジンによる発電によって給電する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-077221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、各車両の電力を給電する給電能力に差があるため、給電中に電力がなくなる車両が発生し、その都度、新たな車両を接続し直す作業が発生することで、効率的に施設へ給電することができない場合があった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の車両を用いて効率的に施設に給電することができるサーバ、制御装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るサーバは、複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させるように構成されたプロセッサを備える。
【0007】
また、本開示に係る制御装置は、複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させるように構成されたプロセッサを備える。
【0008】
また、本開示に係るプログラムは、プロセッサに、複数の車両の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、前記複数の車両の各々の前記給電情報に基づいて、前記複数の車両の各々が施設へ給電する電力量を設定し、前記電力量に基づいて、前記複数の車両の各々から給電させる、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数の車両を用いて効率的に施設に給電することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る電力システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る電力システムにおける充放電装置および施設の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1に係るサーバが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態に係るサーバ、制御装置およびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
〔電力システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る電力システムの概略構成を示す図である。図1に示す電力システム1は、複数の車両10~10(n=4以上の整数)(以下、複数の車両10~10のいずれかを指す場合、単に「車両10」と表記する)と、充放電装置20と、複数の充放電ケーブル30~30(以下、充放電ケーブル30~30のいずれかを指す場合、単に「充放電ケーブル30」という)と、施設40と、複数の通信端末50~50(m=4以上の整数)(以下、複数の通信端末50~50のいずれかを指す場合、単に「通信端末50」と表記する)と、ネットワークNWを介して充放電装置20、車両10および通信端末50と通信可能なサーバ60と、を備える。ネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0013】
なお、図1では、車両10~10が施設40へ交流電力を給電(放電)する場合について説明する。また、図1では、1つの充放電装置20に対して、車両10~10を並列状態で電気的に接続する場合について説明するが、これに限定されることなく、車両10~10の各々に対して、充放電装置20を設ける場合(4箇所設置の場合)であっても適用することができる。もちろん、1つの充放電装置20に対して、車両10~10を直列状態で電気的に接続する場合、車両10~10を直列状態および並列状態を組み合わせて電気的に接続する場合であっても適用することができる。また、図1では、施設40が1箇所のみの場合について説明するが、これに限定されることなく、災害地域または停電地域における複数の施設40の各々に対して車両10から電力の給電が予定され、かつ、ネットワークNWを介してサーバ60と接続されている。
【0014】
車両10は、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)およびBEV(Battery Electric Vehicle)のいずれを用いて実現される。車両10は、充放電ケーブル30を介して充放電装置20に電気的に接続される。車両10は、充放電ケーブル30および充放電装置20を介して電力を施設40内の電気負荷へ給電(放電)する。また、車両10は、充放電ケーブル30および充放電装置20を介して施設40から供給される電力を内部に搭載された二次電池に充電する。さらに、車両10は、HEV、PHEVおよびFCEV等の発電機能を有する場合、発電した電力を、充放電ケーブル30および充放電装置20を介して電力を施設40内の電気負荷へ給電(放電)する。
【0015】
充放電装置20は、充放電ケーブル30と施設40との間に設けられる。充放電装置20は、充放電ケーブル30を介して並列状態で接続された車両10と、施設40と、を電気的に接続する。充放電装置20は、充放電ケーブル30を介して並列状態で接続された車両10に対して、施設40から供給された電力を所定の電圧値に変換して供給する。また、充放電装置20は、充放電ケーブル30を介して並列状態で接続された車両10から給電(放電)された電力を所定の電圧値に変換して施設40へ供給する。
【0016】
施設40は、充放電装置20を介して車両10から供給された電力を受電するとともに、送電線等から商用系統電力を受電する。また、施設40は、充放電装置20を介して施設40から供給された電力を車両10へ供給(給電)する。
【0017】
通信端末50は、車両10と所定の通信規格に従って通信可能に接続され、車両10に関する各種情報を受信する。以下においては、通信端末50を携帯電話として説明するが、これに限定されることなく、例えば表示モニタを有するタブレット型端末およびウェアラブル装置等であっても適用することができる。また、所定の通信規格とは、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)等である。
【0018】
サーバ60は、ネットワークNWを介して充放電装置20、車両10および通信端末50と通信を行い、複数の車両10~10の各々が給電する電力量を制御する。
【0019】
〔電力システムの機能構成〕
次に、電力システム1の機能構成について説明する。図2は、電力システム1における充放電装置20および施設40の機能構成を示すブロック図である。なお、車両10の詳細な機能構成については後述する。
【0020】
〔充放電装置の機能構成〕
まず、充放電装置20の機能構成について説明する。図2に示すように、充放電装置20は、アウトレット部21と、充放電部22と、通信部23と、記録部24と、充放電制御部25と、を備える。
【0021】
アウトレット部21(Electric Outlet)は、一端が複数の充放電ケーブル30の各々のプラグが電気的に接続され、他端が充放電部22および通信部23と電気的に接続される。アウトレット部21は、充放電ケーブル30のプラグが差し込み可能な複数の差込口を有する。
【0022】
充放電部22は、一端がアウトレット部21に電気的に接続され、他端が後述する施設40の受変電設備41に電気的に接続される。充放電部22は、充放電制御部25の制御のもと、アウトレット部21および充放電ケーブル30を介して施設40の受変電設備41からの電力を車両10へ供給する。また、充放電部22は、充放電制御部25の制御のもと、アウトレット部21および充放電ケーブル30を介して車両10からの電力を受変電設備41へ供給する。充放電部22は、少なくとも、交流電力および直流電力を双方向に変換可能なAC/DCコンバータ221と、直流電力を双方向に変換可能なDC/DCコンバータ222と、を有する。
【0023】
AC/DCコンバータ221は、充放電制御部25の制御のもと、受変電設備41から供給された交流電力を直流電力に変換してDC/DCコンバータ222へ出力する。また、AC/DCコンバータ221は、充放電制御部25の制御のもと、DC/DCコンバータ222から入力された直流電力を交流電力に変換して受変電設備41へ出力する。
【0024】
DC/DCコンバータ222は、充放電制御部25の制御のもと、AC/DCコンバータ221から入力された直流電力を所定の電圧値に変換してアウトレット部21へ出力する。また、DC/DCコンバータ222は、充放電制御部25の制御のもと、アウトレット部21から入力された直流電力を所定の電圧値に変換してAC/DCコンバータ221へ出力する。
【0025】
通信部23は、充放電ケーブル30およびアウトレット部21を介して入力された車両10のCANデータや車両10に関する各種情報を受信し、この受信した各種情報を充放電制御部25へ出力する。また、通信部23は、充放電ケーブル30およびアウトレット部21を介して車両10へ充放電制御部25からの各種情報を送信する。さらに、通信部23は、図示しないインターネット等の公衆通信網または携帯電話通信網等のネットワークを介して外部のサーバ等と通信を行う。
【0026】
記録部24は、充放電装置20に関する各種情報を記録する。また、記録部24は充放電情報を記録する充放電情報記録部241と、施設40の重要度を示す施設情報記録部242と、を有する。ここで、充放電情報とは、アウトレット部21の差込口の数、充放電装置20に収容された充放電ケーブル30の数、充放電ケーブル30の種類、充放電ケーブル30の長さ、差込口の規格情報、供給可能な電圧値等である。また、重要度とは、各施設40に予め設定された値である。例えば、施設40が緊急時や災害時に重要となる拠点の場合、例えば病院または市役所等の場合、他の拠点、例えば公民館または学校等の場合に比べて高い値が設定されている。記録部24は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、Flashメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。
【0027】
充放電制御部25は、メモリと、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。充放電制御部25は、充放電装置20を構成する各部を制御する。
【0028】
〔施設の機能構成〕
次に、施設40の機能構成について説明する。施設40は、受変電設備41と、配電盤42と、外部負荷装置43と、を有する。
【0029】
受変電設備41は、外部から送電された外部電力を受電し、受電した外部電力を所定の電圧値等に変換を行って配電盤42および充放電装置20へ供給する。また、受変電設備41は、充放電装置20を介して車両10から供給(放電)された電力を受電し、受電した電力を配電盤42へ供給する。
【0030】
配電盤42は、施設40内に設けられたアウトレット(図示せず)と電気的に接続され、受変電設備41からの供給された交流電力を外部負荷装置43へ配電する。
【0031】
外部負荷装置43は、電力を消費する器具である。具体的には、外部負荷装置43は、例えば照明器具、蓄電池、エレベーター、家電製品および通信装置等である。
【0032】
〔車両の機能構成〕
次に、車両10の詳細な機能構成について説明する。図3は、車両10の機能構成を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、車両10は、エンジン101と、発電機102と、第1のインバータ103と、モータ104と、駆動輪105と、二次電池106と、コンバータ107と、切替部108と、第2のインバータ109と、インレット部110と、第1の検出部111と、車内コンセント112と、第2の検出部113と、燃料タンク114と、第3の検出部115と、第4の検出部116と、第1の外部通信部117と、通信部118と、第2の外部通信部119と、カーナビゲーションシステム120と、記録部121と、ECU(Electronic Control Unit)122と、を備える。
【0034】
エンジン101は、周知の内燃機関によって構成され、燃料タンク114内に貯留されている燃料を用いて動力を出力する。エンジン101は、ECU122の制御のもと、駆動する。エンジン101から出力された動力は、発電機102を駆動する。
【0035】
発電機102は、第1のインバータ103を介してモータ104と電気的に接続される。発電機102は、ECU122の制御のもと、発電した交流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。発電機102は、発電機能に加えてモータ機能を有する発電用モータジェネレータを用いて構成される。
【0036】
第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をモータ104へ供給する。また、第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、車両10の回生制動時において、モータ104で発電される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。第1のインバータ103は、例えば三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路を含む三相インバータ回路等を用いて構成される。
【0037】
モータ104は、ECU122の制御のもと、車両10の加速時に、第1のインバータ103から供給される交流電力によって駆動する。モータ104から出力された動力は、駆動輪105を駆動させる。また、モータ104は、ECU122の制御のもと、車両10の制動時に、駆動輪105から伝達される外力によって発電する発電機として機能し、この発電した電力を、第1のインバータ103から切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。モータ104は、モータ機能に加えて発電機能を有する駆動用モータジェネレータを用いて構成される。
【0038】
二次電池106は、例えばニッケル水素電池若しくはリチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電池または電気二重層キャパシタ等の蓄電素子等を用いて構成される。二次電池106は、コンバータ107によって充放電可能であり、高電圧の直流電力を蓄える。
【0039】
コンバータ107は、一端が二次電池106と電気的に接続され、他端が切替部108を介して第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続される。コンバータ107は、ECU122の制御のもと、二次電池106の充放電を行う。具体的には、コンバータ107は、二次電池106を充電する場合、第2のインバータ109、インレット部110および切替部108を介して外部から供給された直流電力を所定の電圧に降圧し、この降圧した充電電流を二次電池106に供給する。これに対して、コンバータ107は、二次電池106を放電させる場合、二次電池106からの直流電力の電圧を昇圧し、この昇圧した放電電流を、切替部108を介して第1のインバータ103へ供給する。
【0040】
切替部108は、一端がコンバータ107に電気的に接続され、他端が第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続され。切替部108は、ECU122の制御のもと、コンバータ107と、第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方とを電気的に接続する。切替部108は、機械式リレーまたは半導体スイッチ等を用いて構成される。
【0041】
第2のインバータ109は、一端が切替部108に電気的に接続され、他端がインレット部110または車内コンセント112に電気的に接続される。第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をインレット部110へ供給する。具体的には、第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、インレット部110および充放電ケーブル(図示せず)を介して外部へ交流電力を供給する。第2のインバータ109は、外部で使用される電力の形態に対応するように単相インバータ回路等を用いて構成される。
【0042】
インレット部110は、一端が第2のインバータ109と電気的に接続される。インレット部110は、充放電ケーブル(図示せず)が着脱自在に接続される。インレット部110は、充放電ケーブルを介して、外部から供給された交流電力を第2のインバータ109へ供給し、かつ、外部から入力された制御信号等を含む各種情報を通信部118へ出力する。また、インレット部110は、充放電ケーブルを介して第2のインバータ109から供給された交流電力を外部へ供給し、かつ、通信部118を介して入力されたECU122からの制御信号等を含む各種情報を外部へ出力する。
【0043】
第1の検出部111は、二次電池106のSOC(State of Charge:充電率)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第1の検出部111は、電流計、電圧計および温度センサ等を用いて構成される。
【0044】
車内コンセント112は、第2のインバータ109と電気的に接続される。車内コンセント112は、一般の電化製品の電源プラグを接続可能であり、電源プラグが接続された電化製品に対して第2のインバータ109から供給された交流電力を供給する。
【0045】
第2の検出部113は、車内コンセント112と第2のインバータ109との間に設けられ、車内コンセント112に接続された電気機器の消費電力および電流値の少なくとも一方を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第2の検出部113は、電力計、電流計および電圧計等を用いて構成される。
【0046】
燃料タンク114は、エンジン101へ供給される燃料を貯留する。ここで、燃料としては、ガソリン等の化石燃料である。なお、車両10がFCEVの場合、水素燃料を貯留する。
【0047】
第3の検出部115は、燃料タンク114内に貯留された燃料の残量を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第3の検出部115は、燃料計等を用いて構成される。
【0048】
第4の検出部116は、車両10の状態情報を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。ここで、状態情報とは、車両10の加速度、傾斜角度および速度等である。第4の検出部116は、加速度センサ、速度センサおよびジャイロセンサ等を用いて構成される。
【0049】
第1の外部通信部117は、ECU122の制御のもと、所定の通信規格に従って、ECU122から入力される各種情報を図示しないサーアへ送信する。また、第1の外部通信部117は、図示しないサーバから受信した各種情報をECU122へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、4G(4th Generation Mobile Communication System)および5G(5th Generation Mobile Communication System)等の通信規格である。第1の外部通信部117は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0050】
通信部118は、インレット部110を介して外部から入力された各種情報を含む制御信号を受信し、受信した制御信号をECU122へ出力する。また、通信部118は、ECU122から入力されたCANデータ等を含む制御信号をインレット部110へ出力する。通信部118は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0051】
第2の外部通信部119は、ECU122の制御のもと、所定の無線通信規格に従って、ECU122から入力される各種情報を通信端末50へ送信する。また、第2の外部通信部119は、通信端末50から受信した各種情報をECU122へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)の少なくとも一方である。第2の外部通信部119は、無線通信モジュール等を用いて構成される。
【0052】
カーナビゲーションシステム120は、GPS(Global Positioning System)センサ120aと、地図データベース120bと、報知装置120cと、操作部120dと、を有する。
【0053】
GPSセンサ120aは、複数のGPS衛星または送信アンテナからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車両10の位置(経度および緯度)に関する位置情報を算出する。GPSセンサ120aは、GPS受信センサ等を用いて構成される。なお、実施の形態1では、GPSセンサ120aを複数個搭載することによって車両10の向き精度向上を図ってもよい。
【0054】
地図データベース120bは、各種の地図データを記憶する。地図データベース120bは、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用いて構成される。
【0055】
報知装置120cは、画像、地図、映像および文字情報を表示する表示部120eと、音声や警報音等の音を発生する音声出力部120fと、を有する。表示部120eは、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。音声出力部120fは、スピーカ等を用いて構成される。
【0056】
操作部120dは、ユーザの操作の入力を受け付け、受け付けた各種の操作内容に応じた信号をECU122へ出力する。操作部120dは、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびジョグダイヤル等を用いて実現される。
【0057】
このように構成されたカーナビゲーションシステム120は、GPSセンサ120aによって取得した現在の車両10の位置に関する位置情報を、地図データベース120bが記憶する地図データに対応する地図上に重ねることによって、車両10の現在走行している道路および目的値までの走行経路等を含む情報を、表示部120eと音声出力部120fとによってユーザに対して報知する。
【0058】
記録部121は、車両10に関する各種情報を記録する。記録部121は、ECU122から入力された車両10のCANデータおよびECU122が実行する各種の処理中のデータ等を記録する。記録部121は、車両10に関する車種情報記録部121aと、車両10が給電可能な電力量を示す給電情報を記録する給電情報記録部121bと、車両10が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部121cと、を有する。ここで、車種情報とは、車両10の車種、車両10を識別する識別情報、車両10の年式、発電機能の有無、HEV、PHEV、FCEVおよびBEVのいずれかを示す情報等が含まれる。また、給電情報とは、車両10が給電可能な電力量(kW)、給電可能な電圧(例えば100Vまたは200V)、電流値、二次電池106の最大容量および最大発電量(kWh)等である。記録部121は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD等を用いて構成される。
【0059】
ECU122は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU122は、車両10を構成する各部の動作を制御する。
〔サーバの機能構成〕
次に、サーバ60の機能構成について説明する。図4は、サーバ60の機能構成を示すブロック図である。
【0060】
図4に示すように、サーバ60は、通信部61と、記録部62と、サーバ制御部63と、を備える。
【0061】
通信部61は、サーバ制御部63の制御のもと、ネットワークNWを介して複数の車両10~10、充放電装置20および複数の通信端末50~50から各種情報を受信する。また、通信部61は、サーバ制御部63の制御のもと、複数の車両10~10、充放電装置20および複数の通信端末50~50へ各種情報を送信する。通信部61は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0062】
記録部62は、サーバに関する各種情報を記録する。記録部62は、サーバ60が実行する各種のプログラムを実行するプログラム記録部621を有する。記録部62は、DRAM、ROM、lashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。
【0063】
サーバ制御部63は、サーバ60を構成する各部を制御する。サーバ制御部63は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。サーバ制御部63は、取得部631と、特定部632と、第1の算出部633と、第1の設定部634と、給電制御部635と、第2の設定部636と、判定部637と、第2の算出部638と、第3の設定部639と、を有する。
【0064】
取得部631は、第2の外部通信部119を介して、複数の車両10~10の各々と通信を行い、複数の車両10~10の各々から給電情報と、車種情報と、を取得する。また、取得部631は、特定部632が特定した発電機能を有する車両10から所定の燃料の残量を取得する。
【0065】
特定部632は、特定部632は、取得部631が取得した複数の車両10~車両10の車種情報に基づいて、発電機能を有する車両10を特定する。
【0066】
第1の算出部633は、取得部631が取得した発電機能を有する車両10の燃料の残量と、車種情報と、に基づいて、発電機能を有する車両10の発電量を算出する。
【0067】
第1の設定部634は、複数の車両10~10の各々から給電情報と、複数の車両10~10の各々の車種情報と、第1の算出部633が算出した発電機能を有する車両10の発電量と、に基づいて、各車両10が給電する電力量を設定する。具体的には、第1の設定部634は、各車両10が給電を終了する終了時間が所定の時間内に収まるように各車両10が1時間当たりに給電する電力量を設定する。
【0068】
給電制御部635は、第1の設定部634が設定した各車両10の電力量に基づいて、各車両10による給電を開始する。
【0069】
第2の設定部636は、取得部631が取得した各施設40の重要度に基づいて、車両10に燃料を補給するための図示しない補給車の経路順を設定する。
【0070】
判定部637は、図示しない補給車の位置情報に基づいて、施設40に補給車が到着したか否かを判定する。
【0071】
第2の算出部638は、補給車が到着した施設40の各車両10における燃料の消費速度を算出する。具体的には、第2の算出部638は、各車両10の車種情報に含まれる発電機102およびエンジン101の性能と、燃料の残量と、に基づいて、燃料の消費速度を算出する。
【0072】
第3の設定部639は、補給車が到着した施設40の各車両10における燃料の残量と、第2の算出部638が算出した燃料の消費速度と、に基づいて、各車両10の補給順を設定し、この各車両10の補給順を各車両10の表示部120eまたは各車両10に紐付けられた通信端末50に出力する。
【0073】
〔サーバの処理〕
次に、サーバ60が実行する処理について説明する。図5は、サーバ60が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0074】
図5に示すように、まず、取得部631は、第2の外部通信部119を介して、複数の車両10~10の各々と通信を行い、複数の車両10~10の各々から給電情報と、車種情報と、を取得する(ステップS101)。
【0075】
続いて、特定部632は、取得部631が取得した複数の車両10~車両10の車種情報に基づいて、発電機能を有する車両10を特定する(ステップS102)。具体的には、特定部632は、取得部631が取得した複数の車両10~10の車種情報に基づいて、HEV、PHEVおよびFCEVを、発電機能を有する車両10として特定する。
【0076】
その後、取得部631は、特定部632が特定した発電機能を有する車両10から所定の燃料の残量を取得する(ステップS103)。
【0077】
続いて、第1の算出部633は、取得部631が取得した発電機能を有する車両10の燃料の残量と、車種情報と、に基づいて、発電機能を有する車両10の発電量を算出する(ステップS104)。具体的には、第1の算出部633は、発電機能を有する車両10の燃料の残量と、車種情報に含まれる発電機102およびエンジン101の性能と、に基づいて、発電量を算出する。この場合、第1の算出部633は、発電機能を有する車両10の燃料の残量と、車種情報に含まれる発電機102およびエンジン101の性能と、に基づいて、発電効率が最も高い発電量を算出する。第1の算出部633は、発電機能を有する車両10の燃料の残量と、車種情報に含まれる発電機102およびエンジン101の性能と、に基づいて、最大発電量を算出してもよい。
【0078】
その後、第1の設定部634は、複数の車両10~10の各々から給電情報と、複数の車両10~10の各々の車種情報と、第1の算出部633が算出した発電機能を有する車両10の発電量と、に基づいて、各車両10が給電する電力量を設定する(ステップS105)。具体的には、第1の設定部634は、各車両10による給電の負荷が偏ることを防止するため、各車両10が給電を終了する終了時間が所定の時間内に収まるように各車両10が1時間当たりに給電する電力量を設定する。
【0079】
続いて、給電制御部635は、第1の設定部634が設定した各車両10の電力量に基づいて、各車両10による給電を開始する(ステップS106)。
【0080】
その後、取得部631は、各車両10が給電を行っている各施設の重要度を取得する(ステップS107)。ここで、重要度には、施設の種別に基づく値が設定されている。例えば、施設が病院や市役所等の重要施設の場合、最も高い値が設定され、施設が学校や公民館等の場合、重要施設と比して低い値が設定される。
【0081】
続いて、第2の設定部636は、取得部631が取得した各施設40の重要度に基づいて、車両10に燃料を補給するための図示しない補給車の経路順を設定する(ステップS108)。
【0082】
その後、判定部637は、図示しない補給車の位置情報に基づいて、施設40に補給車が到着したか否かを判定する(ステップS109)。判定部637によって施設40に補給車が到着したと判定された場合(ステップS109:Yes)、サーバ60は、後述するステップS110へ移行する。これに対して、判定部647によって施設40に補給車が到着していないと判定された場合(ステップS109:No)、サーバ60は、後述するステップS112へ移行する。
【0083】
続いて、第2の算出部638は、補給車が到着した施設40の各車両10における燃料の消費速度を算出する(ステップS110)。具体的には、第2の算出部638は、各車両10の車種情報に含まれる発電機102およびエンジン101の性能と、燃料の残量と、に基づいて、燃料の消費速度を算出する。
【0084】
その後、第3の設定部639は、補給車が到着した施設40の各車両10における燃料の残量と、第2の算出部638が算出した燃料の消費速度と、に基づいて、各車両10の補給順を設定する(ステップS111)。この場合、第3の設定部639は、各車両10の補給順を、各車両10の表示部120eまたは各車両10に紐付けられた通信端末50に出力する。これにより、各車両10のユーザは、補給順に従って、燃料の補給を行うことができる。この結果、施設40における給電する時間を延長することができる。
【0085】
続いて、判定部637は、各車両10による施設40への給電を停止するか否かを判定する(ステップS112)。具体的には、判定部637は、複数の車両10~10の中から給電を停止する停止信号が入力されたか否かを判定し、停止信号が入力された場合、各車両10による施設40への給電を停止すると判定する。判定部637によって各車両10による施設40への給電を停止すると判定された場合(ステップS112:Yes)、サーバ60は、本処理を終了する。これに対して、判定部637によって各車両10による施設40への給電を停止しないと判定された場合(ステップS112:No)、サーバ60は、ステップS109へ戻る。
【0086】
以上説明した実施の形態1によれば、サーバ制御部63は、複数の車両10~10の各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、複数の車両10~10の各々の給電情報に基づいて、複数の車両10~10の各々が施設へ給電する電力量を設定する。その後、サーバ制御部63は、複数の車両10~10の各々に設定した電力量に基づいて、複数の車両10~10の各々から給電させる。これにより、複数の車両10~10を用いて効率的に施設に給電することができる。
【0087】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が複数の車両10~10の各々の車種を示す車種情報を取得し、この車種情報に基づいて、複数の車両10~10から所定の燃料を用いた発電機能を有する車両10を特定し、発電機能を有する車両10から、所定の燃料の残量を取得し、発電機能を有する車両10の残量と、複数の車両10~10の各々の車種情報と、複数の車両10~10の各々の給電情報と、に基づいて、複数の車両10~10の各々の電力量を設定する。これにより、発電機能を有する車両10の発電を考慮して複数の車両10~10を用いて効率的かつ安全に施設40に給電することができるうえ、給電の負荷を均等にすることができる。
【0088】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が発電機能を有する車両10毎の残量と、発電機能を有する車両10毎の車種情報と、に基づいて、発電機能を有する車両10毎に発電可能な発電量を算出し、この発電量と、複数の車両10~10の各々の車種情報と、複数の車両10~10の各々の給電情報と、に基づいて、複数の車両10~10の各々の電力量を設定する。これにより、発電機能を有する車両10による発電量を考慮して複数の車両10~10を用いて効率的に施設40に給電することができる。
【0089】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が発電機能を有する車両10の発電量と、複数の車両10~10の各々の給電情報と、に基づいて、複数の車両10~10の各々が給電する給電時間が所定の時間内に収まるように複数の車両10~10の各々の電力量を設定する。これにより、車両10毎に入れ替える必要がなく、その都度、施設40への給電を停止して、新たな車両10を施設40へ接続する作業が発生しないため、効率的に施設40に給電することができるうえ、瞬時電圧低下を防止することができる。
【0090】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が発電機能を有する車両10毎の残量に基づいて、複数の車両10~10の各々へ燃料を補給する補給車による補給順を設定し、この補給順を複数の車両10~10の各々へ出力する。これにより、発電機能を有する車両10のユーザは、燃料の補給タイミングを容易に把握することができる。
【0091】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が複数の車両10~10の各々の車種情報と、複数の車両10~10の各々の給電情報と、に基づいて、発電機能を有する車両10における燃料の消費速度を算出し、この消費速度と、発電機能を有する車両10における燃料の残量と、に基づいて、補給車の補給順を設定する。これにより、燃料の消費をリアルタイムで反映した順で燃料の補給順を設定することができる。
【0092】
また、実施の形態1によれば、サーバ制御部63が施設40に設定された重要度に基づいて、補給車が走行する経路順を設定するため、施設40に応じた順番で補給車を派遣することができる。
【0093】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、サーバ60が各車両10の電力量を設定していたが、実施の形態2では、車両に搭載されたECUが、各車両10が施設40へ給電する電力量を設定する。即ち、実施の形態2では、実施の形態1に係る車両10と構成が異なる。以下においては、実施の形態2に係る車両について説明する。なお、実施の形態1に係る電力システム1と同一の構成には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
〔車両の機能構成〕
図6は、実施の形態2に係る車両の機能構成を示すブロック図である。図2に示す車両10Aは、実施の形態1に係る車両10のECU122に代えて、ECU122Aを備える。ECU122Aは、サーバ60のサーバ制御部63と同様の機能を有する。具体的には、ECU122Aは、取得部631と、特定部632と、第1の算出部633と、第1の設定部634と、給電制御部635と、第2の設定部636と、判定部637と、第2の算出部638と、第3の設定部639と、を備える。ECU122Aは、複数の車両10A~10Aの各々が外部へ給電可能な電力量を示す給電情報を取得し、複数の車両10A~10Aの各々の給電情報に基づいて、複数の車両10A~10Aの各々が施設40へ給電する電力量を設定し、この電力量に基づいて、複数の車両10A~10Aの各々から給電させる。なお、実施の形態2では、ECU122Aが制御装置として機能する。
【0095】
以上説明した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、複数の車両10~10を用いて効率的に施設40に給電することができる。
【0096】
なお、実施の形態2では、ECU122Aが制御装置として機能していたが、これに限定されることなく、例えばECU122Aの機能を充放電制御部25に設けてもよい。
【0097】
(その他の実施の形態)
また、実施の形態1,2では、上記してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御回路に読み替えることができる。
【0098】
また、実施の形態1,2に係る電力システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0099】
また、実施の形態1,2に係る電力システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0100】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0101】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 電力システム
20 充放電装置
21 アウトレット部
22 充放電部
23,61 通信部
24,62 記録部
25 充放電制御部
30 充放電ケーブル
40 施設
50 通信端末
60 サーバ
63 サーバ制御部
122 ECU
631 取得部
632 特定部
633 第1の算出部
634 第1の設定部
635 給電制御部
636 第2の設定部
637 判定部
638 第2の算出部
639 第3の設定部
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6