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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】架台
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/06 20060101AFI20241106BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B65G21/06
B65G1/00 501Z
B65G1/00 501C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021144247
(22)【出願日】2021-09-03
(65)【公開番号】P2023037470
(43)【公開日】2023-03-15
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 豊
(72)【発明者】
【氏名】黒木 哲也
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-161579(JP,A)
【文献】特開2000-110814(JP,A)
【文献】特開平8-326293(JP,A)
【文献】中国実用新案第208054502(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/06
B65G 1/00- 1/133
B65G 1/14- 1/20
F16B 5/00ー 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送車が走行する走行面を形成する架台であって、
複数のユニットを備え、
前記ユニットは、前記走行面の一部を形成する天板と、前記天板を支持する支持脚と、を備え、
前記天板は、板材を用いて構成されると共に、平面視で矩形状に形成され、
前記天板の前記矩形状の外縁を構成する各辺を天板辺部として、
前記走行面は、前記天板辺部同士が互いに隣接するように配置された複数の前記天板の上面により形成され、
前記走行面には、前記物品搬送車の車輪が通過する車輪通過領域が設定され、
前記天板は、
前記上面を形成する部分である本体部と、
前記天板辺部に設けられ、前記本体部に連続して下方へ向けて屈曲形成された屈曲部と、
前記屈曲部に連続して設けられ、前記本体部に対して下方に配置された下方配置部と、を備え、
前記本体部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域との重複部分に設けられ、前記本体部と前記屈曲部との境界よりも前記上面の延在方向における外側に突出する突出部を備え、
前記屈曲部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域と重複しない非重複部分に設けられ、
前記屈曲部及び前記下方配置部に、前記板材の厚さ方向に貫通すると共に前記突出部を囲む開口部が設けられている、架台。
【請求項2】
前記開口部は、前記車輪通過領域に対して前記天板辺部に沿う方向の両側において、前記本体部と前記屈曲部との前記境界よりも前記上面の延在方向における内側まで延在するように形成されている、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記天板における4つの前記天板辺部のそれぞれに、前記突出部、前記屈曲部、前記下方配置部、及び前記開口部が設けられている、請求項1又は2に記載の架台。
【請求項4】
1つの前記天板辺部に、複数の前記突出部が、当該天板辺部に沿う方向に並んで配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の架台。
【請求項5】
前記物品搬送車の走行方向に対して平面視で直交する方向を幅方向として、
前記車輪は、前記物品搬送車の台車本体に対して前記幅方向に離間して複数配置され、
複数の前記車輪のそれぞれの前記幅方向の位置に対応して、前記車輪通過領域が前記天板辺部に沿う方向に分かれて複数配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の架台。
【請求項6】
前記走行面の外縁に沿って配置された通行規制部材を備え、
前記通行規制部材は、前記上面よりも上方に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送車が走行する走行面を形成する架台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流倉庫内における作業の自動化が進んでいる。特に、物品を自動で搬送する物品搬送車の需要は高まっている。このような物品搬送車としては、様々な形態のものがある。例えば、特開2020-011790号公報(特許文献1)に開示された技術では、平面状に広がる連続した走行面を走行する物品搬送車(4)が、物品(W)の搬送に用いられている。
【0003】
また、例えば、特開平08-326293号公報(特許文献2)には、天板(18)を備えたユニットを複数並べて構成された架台が開示されている。複数のユニットそれぞれの天板(18)が、隣接するように配置されている。これら複数の天板(18)の上面によって、上述の物品搬送車の走行面を形成することが考えられる。これにより、様々な需要に応じた大きさ及び形状の走行面を形成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-011790号公報
【文献】特開平08-326293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の天板を隣接して配置することにより物品搬送車の走行面を形成する場合、隣接する天板同士の継ぎ目部分には、隙間や段差などが生じ易い。特に、天板の剛性確保の観点から、天板の縁を下方に屈曲させた場合には、当該屈曲された部分において、走行面が天板の外側へ向かうに従って下方へ沈み込む形状となり、そこを通る物品搬送車が上下に振動する要因になる。そのため、物品搬送車の円滑な走行に支障をきたす可能性がある。
【0006】
上記実状に鑑みて、架台を構成する複数の天板同士の継ぎ目部分において、物品搬送車の円滑な走行を実現することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
物品を搬送する物品搬送車が走行する走行面を形成する架台であって、
複数のユニットを備え、
前記ユニットは、前記走行面の一部を形成する天板と、前記天板を支持する支持脚と、を備え、
前記天板は、板材を用いて構成されると共に、平面視で矩形状に形成され、
前記天板の前記矩形状の外縁を構成する各辺を天板辺部として、
前記走行面は、前記天板辺部同士が互いに隣接するように配置された複数の前記天板の上面により形成され、
前記走行面には、前記物品搬送車の車輪が通過する車輪通過領域が設定され、
前記天板は、
前記上面を形成する部分である本体部と、
前記天板辺部に設けられ、前記本体部に連続して下方へ向けて屈曲形成された屈曲部と、
前記屈曲部に連続して設けられ、前記本体部に対して下方に配置された下方配置部と、を備え、
前記本体部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域との重複部分に設けられ、前記本体部と前記屈曲部との境界よりも前記上面の延在方向における外側に突出する突出部を備え、
前記屈曲部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域と重複しない非重複部分に設けられ、
前記屈曲部及び前記下方配置部に、前記板材の厚さ方向に貫通すると共に前記突出部を囲む開口部が設けられている。
【0008】
本構成によれば、互いに隣接して配置された天板同士の継ぎ目部分において、天板辺部における車輪通過領域との重複部分に設けられた突出部同士を、それぞれの天板の上面が延在する方向に沿って平面的に連続して配置することができる。そのため、隣接する天板同士の継ぎ目部分において、物品搬送車の円滑な走行を実現することが可能となる。また、本構成によれば、天板辺部に屈曲部及び下方配置部が設けられているため、天板の剛性を確保し易い。さらに、天板辺部において天板を構成する板材を屈曲させて屈曲部を形成する場合には、天板辺部の全体に曲げ応力が作用するため、なるべく天板上面との平行度を保ちたい突出部にも曲げ応力が作用して歪み等が生じる可能性がある。しかし、本構成によれば、板材の厚さ方向に貫通する開口部が、突出部を囲むように屈曲部及び下方配置部に設けられているため、屈曲部を形成する際の曲げ応力が突出部に作用し難い。そのため本構成によれば、屈曲部及び下方配置部を設けたことにより天板の剛性を確保しながらも、突出部の平行度も確保することが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】架台を備えた物品搬送設備の平面図
図2】搬送部による容器の搬送経路を示す説明図
図3】物品搬送車によって物品が受入部へ移載される様子を示す走行方向視図
図4】物品が受入部からコンベヤユニットへ投下される様子を示す走行方向視図
図5】第1ユニットの斜視図
図6】架台の一部を示す平面図
図7】天板辺部におけるユニット同士の連結部分を示す平面図
図8】天板辺部の周辺構造を示す斜視図
図9図7におけるIX-IX断面図
図10】物品搬送車が天板辺部を通過する際の走行方向視図
図11図6におけるXI-XI断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、架台が、物品の仕分け及び搬送を行う物品搬送設備に備えられている場合を例示して、架台の実施形態について説明する。
【0012】
図1に示すように、物品搬送設備Fは、物品Wを搬送する物品搬送車Vと、物品搬送車Vが走行する走行面Ffと、搬送対象の物品Wを物品搬送車Vに供給する物品供給部9と、物品搬送車Vによって搬送された物品Wを受け取る受取部Iと、を備えている。架台100は、物品搬送車Vが走行する走行面Ffを形成する。走行面Ffは、平面状に広がるように形成されている。走行面Ffには、物品搬送車Vが走行するための通路R(図3等参照)が規定されている。受取部Iは、走行面Ffにおける複数箇所に設けられており、物品搬送車Vにより搬送された物品Wを受け取るように構成されている。本実施形態では、複数箇所に設けられた受取部Iのそれぞれは、走行面Ffよりも下方に物品Wを導く受取口Iaを備えている。
【0013】
図2に示すように、物品搬送設備Fは、少なくとも1つの物品Wを収容するための容器Cを搬送する搬送部Tと、物品Wが収容されていない空の容器C(以下、「空容器Ce」と称する。)を供給する空容器供給部8と、少なくとも1つの物品Wが収容された容器C(以下、「実容器Cf」と称する。)を出荷する出荷部7と、を備えている。搬送部Tは、走行面Ff(図1参照)よりも下方に配置されている。本実施形態では、搬送部Tは、空容器供給部8から供給された空容器Ceを搬入する空容器搬入部80と、受取部Iにおいて受け取られた物品Wを収容した実容器Cfを搬出する実容器搬出部70と、空容器搬入部80と実容器搬出部70とを接続するように設けられた受入搬送部Tiと、を備えている。本実施形態では、搬送部Tは、複数の受入搬送部Tiを備えており、複数の受入搬送部Tiのそれぞれが、空容器搬入部80と実容器搬出部70とを接続するように設けられている。本例では、複数の受入搬送部Tiは、平面視で平行に並んで配置されている。本実施形態では、空容器搬入部80、実容器搬出部70、及び複数の受入搬送部Tiは、コンベヤにより構成されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、受取部Iは、受入搬送部Tiに対して平面視で重複するように配置されている。そして、受入搬送部Tiにおける受取部Iに対応する位置には、容器Cが配置される。これにより、受取部Iにおいて物品搬送車Vから受け取られた物品Wは、受取口Iaを通って走行面Ffよりも下方へ導かれた後、受入搬送部Tiに配置された容器Cに収容される(図3及び図4も参照)。本実施形態では、複数の受入搬送部Tiのそれぞれに対応して、複数の受取部Iが並んで配置されている。そして、複数の受取部Iのそれぞれに対応する位置、より詳細には、複数の受取部Iのそれぞれの直下の位置に、容器Cが配置される。
【0015】
本実施形態では、空容器搬入部80は、1つの受入搬送部Tiに対応して配置された受取部Iの数と同じ数の容器Cを容器群として、当該容器群単位で複数の容器Cを同期させて搬送するように構成されている。受入搬送部Ti及び実容器搬出部70についても同様に、上記容器群単位で複数の容器Cを同期させて搬送するように構成されている。図示の例では、1つの受入搬送部Tiに対応して21個の受取部Iが設けられており、空容器搬入部80及び実容器搬出部70は、21個の容器Cを容器群として、当該容器群単位で21個の容器Cを同期させて搬送している。この場合、受入搬送部Tiは、容器群を構成する21個の容器Cの全てに物品Wが収容された後に、当該21個の容器Cを搬送する。
【0016】
この物品搬送設備Fでは、例えば、複数の受取部Iのうち、物品Wの種類、数量、出荷先などの仕分け情報に基づいて指定された特定の受取部Iにおいて物品Wが受け取られることによって、複数の物品Wが仕分けられる。仕分けられた物品Wは、容器Cに収容されて、搬送部Tによって搬送される。
【0017】
本実施形態では、物品搬送設備Fは、受取口Iaの開放及び閉鎖を行うシャッタSを備えている(図3及び図4参照)。シャッタSは、上記仕分け情報に基づいて仕分けられるべき少なくとも1つの物品Wが受取部Iに受け取られるまで受取口Iaを閉鎖状態に維持する。そして、シャッタSは、上記仕分け情報に基づいて仕分けられるべき少なくとも1つの物品Wが受取部Iに受け取られた後に、受取口Iaを開放状態にする。これにより、物品搬送車Vによって複数の受取部Iのそれぞれに仕分けられた少なくとも1つの物品Wが、受取口Iaを通って走行面Ffよりも下方へ導かれて、受入搬送部Tiに配置された容器Cに収容される。
【0018】
物品供給部9では、例えば、上記仕分け情報に基づいて、搬送先として特定の受取部Iを指定された物品Wが、作業者やロボットなどの供給主体によって、物品搬送車Vに供給される。そして、物品供給部9において物品Wの供給を受けた物品搬送車Vは、走行面Ffに規定された通路R(図3等参照)に沿って走行して、上記仕分け情報に基づいて指定された受取部Iへ当該物品Wを搬送する。
【0019】
複数の受取部Iのそれぞれの周囲には、各受取部Iに対応する位置を示す位置情報を保持した位置情報保持部(不図示)が設けられている。物品搬送車Vは、搬送先として指定された特定の受取部Iへ向かって走行し、当該受取部Iに対応する位置情報保持部に保持された位置情報を位置情報検出部(不図示)によって検出することで、その位置に停止して(或いは低速走行の状態で)当該受取部Iに物品Wを引き渡す。位置情報保持部としては、例えば、位置情報を表示したバーコード(例えば二次元バーコード)等の表示体、位置情報を記憶したRFIDタグ(radio frequency identifier tag)等の記憶素子、位置情報を示す信号を発信するビーコン等の信号発信器等として構成される。例えば、位置情報保持部がバーコードである場合には、位置情報検出部はバーコードリーダとして構成され、位置情報保持部がRFIDタグである場合には、位置情報検出部はRFIDリーダとして構成され、位置情報保持部がビーコンである場合には、位置情報検出部は受信機として構成される。
【0020】
ここで、架台100は、複数のユニットUを備えている。ユニットUは、走行面Ffの一部を形成する天板Pと、天板Pを支持する支持脚Lと、を備えている(図3及び図4参照)。
【0021】
本実施形態では、複数のユニットUには、複数の第1ユニットU1と複数の第2ユニットU2とが含まれる。第1ユニットU1は、物品搬送車Vから物品Wを受け入れる機能を備えたユニットUである。複数の第1ユニットU1それぞれの平面視での形状及び大きさは、同じであっても良いし、異なっていても良い。本例では、平面視での形状及び大きさが同じ第1ユニットU1が複数用いられている。第2ユニットU2は、物品搬送車Vから物品Wを受け入れる機能を備えていないが、物品搬送車Vが走行するための通路Rを形成することを主な目的としたユニットUである。複数の第2ユニットU2それぞれの平面視での形状及び大きさは、同じであっても良いし、異なっていても良い。本例では、平面視での形状及び大きさが異なる複数種類の第2ユニットU2が用いられている。詳細は後述するが、第1ユニットU1には、1つの通路Rと、物品Wを受け入れるための受入部11(受取部I)と、が設けられる。第2ユニットU2には、複数の通路Rが設けられ、受入部11(受取部I)は設けられていない。
【0022】
本実施形態では、複数の第1ユニットU1と複数の第2ユニットU2とが平面視で隣接して配置されることにより、平面状に連続的に広がる走行面Ffが形成されている。図1に示す例では、複数の第1ユニットU1が平面視で格子状に並んで配置されることにより、走行面Ffの一部が形成されている。そして、それらの周囲を囲むように、複数の第2ユニットU2が並んで配置されることにより、走行面Ffの他の一部が形成されている。なお、図1では、1つの第1ユニットU1の区切りを分かり易くするため、走行面Ffの一部を形成する複数の第1ユニットU1のうち1つに、参照符「U1」を付している。
【0023】
図3及び図4は、1つの第1ユニットU1を示している。詳細には、図3及び図4は第1ユニットU1の走行方向視図である。以下、図3及び図4を参照して説明を続ける。
【0024】
〔物品搬送車〕
図3及び図4に示すように、物品搬送車Vは、走行面Ff(図1参照)に規定された通路Rを走行して、物品供給部9から受取部Iへ物品Wを搬送するように構成されている。以下では、通路Rに沿って物品搬送車Vが走行する方向を「走行方向X」とし、物品搬送車Vの走行方向Xに対して平面視で直交する方向を「幅方向Y」とする。
【0025】
本実施形態では、物品搬送車Vは、車輪Vdを有する台車本体Vaと、物品Wを支持する物品支持部Vbと、物品支持部Vbを動作させて物品Wの移載を行う移載部Vcと、を備えている。本実施形態では、車輪Vdは、台車本体Vaに対して幅方向Yに離間して複数配置されている。図示の例では、4つの車輪Vdが、台車本体Vaに対して幅方向Yに離間して配置されている。
【0026】
本実施形態では、物品支持部Vbは、物品Wを載置するように構成されている。本例では、物品支持部Vbは、板状に形成されており、その上面に物品Wが載置される。また、本例では、物品支持部Vbは、台車本体Vaの上部に設けられており、台車本体Vaに対して走行方向Xに沿う軸心まわりに揺動するように構成されている。
【0027】
移載部Vcは、モータ等の駆動源を含んで構成されている。本実施形態では、移載部Vcは、物品支持部Vbを台車本体Vaに対して走行方向Xに沿う軸心まわりに揺動させるように構成されている。そして、図3に示すように、移載部Vcは、物品支持部Vbを幅方向Yに傾斜させることによって物品支持部Vb上で物品Wを幅方向Yに滑らせ、物品搬送車Vに対して幅方向Yの外側に配置された移載箇所へ当該物品Wを移載するように構成されている。本例では、移載部Vcは、物品支持部Vbを揺動させることにより、物品搬送車Vに対して幅方向Yの両側に配置された受取部I(移載箇所)のそれぞれに対して、物品Wを引き渡すように構成されている。
【0028】
〔ユニット〕
次に、架台100を構成するユニットUについて説明する。上述のように本実施形態では、複数のユニットUには、複数の第1ユニットU1と複数の第2ユニットU2とが含まれる。図3図5は、これらのユニットUのうちの第1ユニットU1を示している。上述のように、第1ユニットU1は、物品搬送車Vから物品Wを受け入れることに特化したユニットUである。
【0029】
第1ユニットU1は、物品搬送車Vから物品Wを受け入れる受入部11と、走行面Ff(図1参照)の一部を形成する天板Pと、天板Pを支持する支持脚Lと、を備えている。受入部11は、天板Pに形成されている。天板Pは、支持脚Lの上部に連結されており、床面から上方に距離を置いた位置に配置されている。なお、受入部11は、物品搬送車Vによって搬送された物品Wを受け取る部分であり、上述の受取部Iに含まれる。
【0030】
本実施形態では、第1ユニットU1は、コンベヤユニットGを備えている。コンベヤユニットGは、天板Pよりも下方に配置されている。本実施形態では、受入部11は、上下方向に貫通する開口11aを備えている。そして、コンベヤユニットGは、開口11aの直下を通るように配置されていると共に、支持脚Lにより支持されている。
【0031】
本実施形態では、第1ユニットU1の天板Pにおける幅方向Yの中央領域には、物品搬送車Vが走行する通路Rが設けられている。上記中央領域に対して幅方向Yの両側に配置された一対の側方領域のそれぞれには、受入部11が設けられている。本例では、一対の側方領域のそれぞれには、複数の受入部11が走行方向Xに沿って並んで配置されている。ここでは、3つの受入部11が、一対の側方領域のそれぞれに配置されている。
【0032】
受入部11は、上下方向に貫通する開口11aを備えている。本実施形態では、開口11aは、天板Pにおける側方領域を上下方向に貫通するように形成されている。開口11aは、物品搬送車Vから物品Wを受け入れる開口であり、上述の受取口Iaに含まれる。なお、本例では、開口11aには、物品搬送車Vによって物品Wが投入(移載)される。
【0033】
本実施形態では、受入部11は、物品搬送車Vから受け入れた物品Wを開口11aへ導く案内部材11bを備えている。これにより、物品搬送車Vからの物品Wの受け入れを適切に行うことができる。案内部材11bは、物品搬送車Vから受け入れられた物品Wを開口11aへ適切に導くことができる構成であれば良い。図示の例では、案内部材11bは、物品搬送車Vから受け入れた物品Wが開口11aの外部へはみ出さないようにするために、開口11aの周囲を囲む周壁部11b1を備えている。また、案内部材11bは、物品搬送車Vからの物品Wの移載が円滑となるように、幅方向Yにおける中央領域側から側方領域側へ向かうに従って下方に傾斜する傾斜部11b2を備えている。
【0034】
上述のように、物品搬送設備Fは、受取口Iaの開放及び閉鎖を行うシャッタSを備えている。本実施形態では、このシャッタSは、第1ユニットU1に備えられており、開口11aの開放及び閉鎖を行うように構成されている。本例では、第1ユニットU1は、複数のシャッタSを備えている。詳細には、第1ユニットU1は、開口11aの数と同数のシャッタSを備えている。
【0035】
シャッタSは、開口11aを開放する開位置と開口11aを閉鎖する閉位置との間で移動するシャッタ本体Saと、シャッタ本体Saを開位置と閉位置との間で駆動するシャッタ駆動部Sbと、を備えている。本実施形態では、シャッタ本体Saは、天板Pよりも下方において、幅方向Yに沿ってスライドするように構成されている。また、シャッタ駆動部Sbは、モータ等の駆動源と、駆動源が発生する駆動力をシャッタ本体Saに伝達する伝達機構と、を備えている。伝達機構は、例えば、軸部材、スプロケット、及びチェーン等を含む。
【0036】
図3に示すように、本実施形態では、シャッタSは、物品搬送車Vによって受入部11に物品Wが搬送されるまでの間、シャッタ本体Saを閉位置に配置して開口11aを閉鎖した状態を維持する。これにより、受入部11に受け入れられた物品Wは、受入部11において一定期間保持される。そして、図4に示すように、シャッタSは、任意に定められる設定タイミングで、シャッタ本体Saを開位置に配置して開口11aを開放した状態にする。これにより、受入部11で保持されていた物品Wが開口11aを通って下方に落下する。落下した物品Wは、後述するように、コンベヤユニットGに配置された容器Cに収容される。なお、上述の「設定タイミング」は、設備の運用等に応じて任意に設定される。本例では、受入部11には、種類、数量、出荷先などの仕分け情報に基づいて仕分けられるべき少なくとも1つの物品Wが物品搬送車Vによって搬送される。そして、「設定タイミング」は、上記仕分け情報に基づいて仕分けられるべき物品Wが全て受入部11に受け入れられたタイミング、或いは、それよりも遅いタイミングに設定されると好適である。
【0037】
上述のように、支持脚Lは、天板Pを下方から支持するように構成されている。支持脚Lは、上下方向に沿って配置された複数の支柱部材Laと、複数の支柱部材La同士を連結する複数の梁部材Lbと、を備えている。
【0038】
上述のように、コンベヤユニットGは、天板Pよりも下方に配置されている。そして、コンベヤユニットGは、天板Pよりも下方において、物品Wを搬送するように構成されている。本実施形態では、コンベヤユニットGは、容器Cを搬送することにより、当該容器Cに収容された物品Wを搬送するように構成されている。本例では、コンベヤユニットGは、搬送部T(図2も参照)の一部として構成されており、空容器搬入部80と実容器搬出部70との搬送経路の間に設けられている。
【0039】
コンベヤユニットGは、開口11aの直下を通るように配置されていると共に、支持脚Lにより支持されている。本実施形態では、コンベヤユニットGは、支持脚Lの梁部材Lbに支持されている。具体的には、コンベヤユニットGは、支持脚Lの梁部材Lbに載置された状態で支持されている。本例では、コンベヤユニットGにおける後述する搬送支持部材Gbが、支持脚Lの梁部材Lbに対して上方から当接した状態で、当該梁部材Lbに固定されている。
【0040】
本実施形態では、コンベヤユニットGは、受入搬送部Tiの一部を構成しており、複数の容器Cを走行方向Xに沿って並べて配置可能となっている(図2も参照)。詳細には、コンベヤユニットGは、受入部11における開口11aに対応する位置に、空容器搬入部80から搬入される容器C(空容器Ce)を配置可能に構成されている。本例では、コンベヤユニットGは、複数の開口11a(受入部11)のそれぞれに対して平面視で重複する位置に、容器C(空容器Ce)を配置するように構成されている。そして、コンベヤユニットGは、受入部11により受け入れられた物品Wが容器Cに収容されると、当該容器C(実容器Cf)を搬送する。本例では、コンベヤユニットGは、走行方向Xに沿って並べて配置された全ての容器Cに、上記仕分け情報に基づいて仕分けられた物品Wが収容された後、当該全ての容器Cをまとめて搬送する。
【0041】
図3及び図4に示すように、本実施形態では、コンベヤユニットGは、搬送部材Gaと、搬送部材Gaを支持する搬送支持部材Gbと、を備えている。本例では、コンベヤユニットGは、ローラコンベヤにより構成されており、搬送部材Gaは、ローラにより構成されている。そして、搬送支持部材Gbは、搬送部材Gaが連結されるフレームにより構成されている。本例では、搬送支持部材Gbは、搬送部材Gaとしてのローラを回転自在に支持している。
【0042】
次に、物品搬送車Vの走行面Ffを形成する部材としてのユニットUの詳細な構成について、図6図11を主に参照して説明する。図6図11では、ユニットUとして第2ユニットU2を例示している。上述のように、第2ユニットU2は、物品搬送車Vが走行するための通路Rを形成することを主な目的としたユニットUである。
【0043】
図6に示すように、第2ユニットU2は、天板Pを備えている。天板Pは、板材を用いて構成されると共に、平面視で矩形状に形成されている。板材としては、例えば、金属または繊維強化樹脂を主な材料としたものを採用することができる。また、図中では、天板Pが平面視で正方形状に形成されている場合を例示しているが、天板Pは、平面視で長方形状であっても良い。なお、以下において、天板Pの構造を説明する際に「内側」や「外側」を用いる場合がある。「内側」は、平面視において天板Pの中心に向かう側であり、「外側」は、その反対側である。
【0044】
ここで、天板Pの矩形状の外縁を構成する各辺を天板辺部PEとする。すなわち、矩形状の天板Pは、4つの天板辺部PEを備える。走行面Ffは、天板辺部PE同士が互いに隣接するように配置された複数の天板Pの上面Fpにより形成されている。これにより、平面状に連続的に広がる物品搬送車Vの走行面Ffが形成されている。走行面Ffには、物品搬送車Vの車輪Vdが通過する車輪通過領域Adが設定されている(図10も参照)。本実施形態では、複数の天板Pのそれぞれの上面Fpに設定された車輪通過領域Adが、互いに隣接する天板P同士の間で連続するように、複数の天板Pが並んで配置されている。なお、図中において灰色で着色した部分が車輪通過領域Adを示している。図10に示すように、本例では、物品搬送車Vは、幅方向Yに離間して配置された4つの車輪Vdを備えている。そのため、4つの車輪通過領域Adが、互いに平行に、走行方向Xに沿って延在するように設定されている。このように、車輪通過領域Adの数は、物品搬送車Vに備えられた車輪Vdの数、詳細には、幅方向Yに離間して配置された車輪Vdの数に応じて設定される。すなわち本実施形態では、複数の車輪Vdのそれぞれの幅方向Yの位置に対応して、車輪通過領域Adが天板辺部PEに沿う方向に分かれて複数配置されている。
【0045】
図7図9に示すように、天板Pは、上面Fpを形成する部分である本体部Paと、天板辺部PEに設けられ、本体部Paに連続して下方へ向けて屈曲形成された屈曲部Pbと、屈曲部Pbに連続して設けられ、本体部Paに対して下方に配置された下方配置部Pcと、を備えている。本体部Paと屈曲部Pbと下方配置部Pcとは、単一の部材により構成されている。すなわち、本体部Paと屈曲部Pbと下方配置部Pcとは、天板Pを構成する1つの板状部材を加工することにより形成されている。天板辺部PEに、屈曲部Pb及び下方配置部Pcが設けられているため、単なる平板状の天板に比べて剛性を確保し易くなっている。
【0046】
本体部Paは、天板辺部PEにおける車輪通過領域Adとの重複部分に設けられ、本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baよりも上面Fpの延在方向における外側に突出する突出部Pa1を備えている。突出部Pa1は、本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baよりも、当該突出部Pa1が設けられた天板Pに隣接する他の天板Pの側に向かって、走行方向Xに沿って突出している。突出部Pa1の突出端は、当該突出部Pa1が設けられた天板Pにおける天板辺部PEの一部を構成している。そして、互いに隣接する天板P同士の突出部Pa1が、走行方向Xに当接し、或いは、走行方向Xにわずかな隙間を空けて対向するように配置されている。これにより、複数の天板Pに跨って、平面的に連続する走行面Ffを形成することができる。従って、互いに隣接する天板P同士の継ぎ目部分において、物品搬送車Vの円滑な走行を実現することができる。
【0047】
本実施形態では、1つの天板辺部PEに、複数の突出部Pa1が、当該天板辺部PEに沿う方向に並んで配置されている。本例では、1つの天板辺部PEに設けられた複数の突出部Pa1は、幅方向Yに並んで配置されている。すなわち本例では、天板辺部PEが沿う方向と、幅方向Y(平面視で走行方向Xに直交する方向)とは、同じ方向となっている。上述のように、本実施形態では、4つの車輪通過領域Adが、互いに平行に、走行方向Xに沿って延在するように設定されている。従って、本実施形態では、4つの車輪通過領域Adが天板辺部PEに重複しており、天板辺部PEと当該4つの車輪通過領域Adのそれぞれとの重複部分に、突出部Pa1が設けられている。換言すれば、1つの天板辺部PEに4つの突出部Pa1が設けられている(図10参照)。このように、本実施形態では、1つの天板辺部PEに設けられた突出部Pa1の数と、1つの天板辺部PEに重複する車輪通過領域Adの数とが同数となっている。
【0048】
屈曲部Pbは、天板辺部PEにおける車輪通過領域Adと重複しない非重複部分に設けられている。本実施形態では、複数の屈曲部Pbが天板辺部PEに設けられている。具体的には、突出部Pa1に対して幅方向Yの両側に屈曲部Pbが設けられており、本例では、4つの突出部Pa1に対して5つの屈曲部Pbが天板辺部PEに設けられている(図10参照)。
【0049】
屈曲部Pbは、本体部Paと下方配置部Pcとの間に設けられている。図8及び図9に示すように、本例では、屈曲部Pbは、当該屈曲部Pbと本体部Paとの境界Baから、当該屈曲部Pbと下方配置部Pcとの境界Bcまでの範囲において、斜め上方に向けて凸となる湾曲部を形成している。そのため、2つの天板Pが、それぞれの天板辺部PE同士を突き合わせるように配置された状態で、それぞれの屈曲部Pb同士が対向する部分には本体部Paの上面に対して下方に窪んだ凹部が形成される(図9参照)。この凹部を物品搬送車Vの車輪Vdが通過することになると、物品搬送車Vが上下に振動し得る。しかしながら上述のように、屈曲部Pbは、天板辺部PEにおける車輪通過領域Adと重複しない非重複部分に設けられているため、隣接する2つの天板Pのそれぞれの屈曲部Pb同士が突き合わされて形成される上記凹部を、物品搬送車Vの車輪Vdは通過しない。
【0050】
下方配置部Pcは、本体部Paに対して下方に配置されている。本実施形態では、下方配置部Pcは、本体部Paの延在方向と交差する方向に沿って延在している。下方配置部Pcの延在方向と本体部Paの延在方向との成す角が、90°以下となるように、本体部Paに対する下方配置部Pcの角度が設定されている。図9に示すように、本例では、下方配置部Pcの延在方向と本体部Paの延在方向との成す角が、概ね90°となっている。また図示の例では、突出部Pa1の突出端の走行方向Xの位置と、下方配置部Pcにおける走行方向Xの外側を向く面の走行方向Xの位置とが、同等とされている。
【0051】
屈曲部Pb及び下方配置部Pcに、板材の厚さ方向に貫通すると共に突出部Pa1を囲む開口部Pdが設けられている。図8に示すように、本実施形態では、開口部Pdは、突出部Pa1に対して、下方に隣接する部分および幅方向Yの両側に隣接する部分に設けられている。このような構成により、以下の作用効果が得られる。すなわち、天板Pを構成する板材を天板辺部PEで屈曲させて屈曲部Pbを形成する場合には、天板辺部PEの全体に曲げ応力が作用する。そのため、なるべく天板Pの上面Fpとの平行度を保ちたい突出部Pa1にも曲げ応力が作用して歪み等が生じる可能性がある。しかし、上記構成によれば、板材の厚さ方向に貫通する開口部Pdが、突出部Pa1を囲むように屈曲部Pb及び下方配置部Pcに設けられているため、屈曲部Pbを形成する際の曲げ応力が突出部Pa1に作用し難い。従って、屈曲部Pb及び下方配置部Pcを設けたことにより天板Pの剛性を確保しながらも、突出部Pa1の平行度も確保することが可能となる。突出部Pa1は、車輪通過領域Adと重複しており、物品搬送車Vの車輪Vdが通過する部分である。従って、突出部Pa1の平行度を確保することによって、車輪Vdが突出部Pa1を通過する際の物品搬送車Vの走行を円滑にすることができる。
【0052】
本実施形態では、開口部Pdは、車輪通過領域Adに対して天板辺部PEに沿う方向(幅方向Y)の両側において、本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baよりも上面Fpの延在方向における内側(走行方向Xにおける内側)まで延在するように形成されている。これにより、屈曲部Pbと突出部Pa1とを、開口部Pdを介してさらに離間させることができる。そのため、屈曲部Pbを形成する際の曲げ応力が、さらに突出部Pa1に作用し難いようにできる。
【0053】
図8及び図9に示すように、本実施形態では、開口部Pdは、走行方向Xにおける内側の端部である内側端部Pde1と、下方の端部である下方端部Pde2と、を備えている。本例では、内側端部Pde1は、本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baよりも、走行方向Xの内側(天板Pの中心に向かう側)に配置されている。下方端部Pde2は、下方配置部Pcと屈曲部Pbとの境界Bcよりも、下方に配置されている。このような構成により、幅方向Y視において、開口部Pdが形成される範囲が、屈曲部Pbが形成される範囲よりも大きくなっている。そのため、屈曲部Pbを形成する際の曲げ応力が、さらに突出部Pa1に作用し難いようにできる。
【0054】
本実施形態では、複数の突出部Pa1に対応して、複数の開口部Pdが設けられている。換言すれば、1つの天板辺部PEにおいて、突出部Pa1の数と同数の開口部Pdが設けられている。本例では、1つの天板辺部PEには、4つの突出部Pa1が設けられており、これに対応して、1つの天板辺部PEには、4つの開口部Pdが設けられている。また、複数の開口部Pdのそれぞれは、下方配置部Pcにおける複数箇所に分かれて配置され、それぞれの位置において下方配置部Pcを貫通している。すなわち、本例では、1つの天板辺部PEに対して1つの下方配置部Pcが形成されていると共に、複数(本例では4つ)の開口部Pdのそれぞれが当該下方配置部Pcを貫通するように形成されている。
【0055】
本実施形態では、天板Pにおける4つの天板辺部PEのそれぞれに、突出部Pa1、屈曲部Pb、下方配置部Pc、及び開口部Pdが設けられている。これにより、図6に示すように、1つの天板Pにおける4つの天板辺部PEのそれぞれを通過するように、車輪通過領域Adを設定することができ、天板Pに対する物品搬送車Vの走行方向Xの制約を少なくすることができる。
【0056】
以上説明した構成により、架台100を構成する複数の天板P同士の継ぎ目部分において、物品搬送車Vの円滑な走行を実現することが可能となっている。
【0057】
図6及び図11に示すように、本実施形態では、架台100は、走行面Ffの外縁に沿って配置された通行規制部材Mを備えている。通行規制部材Mは、天板Pの上面Fpよりも上方に配置されている。これにより、物品搬送車Vが走行面Ffから外れて架台100から落下することを抑制できる。
【0058】
本実施形態では、通行規制部材Mは、物品搬送車Vの走行を規制する規制部Maと、天板Pに固定される固定部Mbと、を備えている。
【0059】
規制部Maは、走行方向Xにおける内側を向く面を有している。これにより、物品搬送車Vが、走行すべき通路Rをはみ出して走行している場合に、当該物品搬送車Vの台車本体Vaを規制部Maによって受け止めることができる。本実施形態では、規制部Maは、天板Pの上面Fpから上方に立ち上がる壁状に形成されている。
【0060】
固定部Mbは、通行規制部材Mを天板Pに対して取り付けるための部分である。本実施形態では、固定部Mbは、規制部Maの下端部に連続して設けられ、天板Pの上面Fpの延在方向に沿うように形成されている。本例では、固定部Mbは、天板Pの本体部Paに載置されるようにして、天板辺部PEに沿って配置されている。これにより、固定部Mbを安定させた状態で天板Pに配置することができる。図示省略するが、固定部Mbと天板Pとがボルト等の締結部材により締結されていると良い。これにより通行規制部材Mが天板Pに対して取り付けられる。本例では、固定部Mbは、本体部Paのうち、突出部Pa1に載置され、締結部材により当該突出部Pa1に締結されている。なお、通行規制部材Mは、他の部材を介して間接的に天板Pに対して取り付けられていても良い。
【0061】
〔その他の実施形態〕
次に、架台のその他の実施形態について説明する。
【0062】
(1)上記の実施形態では、開口部Pdが、車輪通過領域Adに対して天板辺部PEに沿う方向(幅方向Y)の両側において、本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baよりも上面Fpの延在方向における内側(走行方向Xにおける内側)まで延在するように形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、開口部Pdは、走行方向Xにおける本体部Paと屈曲部Pbとの境界Baと同じ位置、或いは、当該境界Baよりも走行方向Xにおける外側まで延在するように形成されていても良い。
【0063】
(2)上記の実施形態では、1つの天板辺部PEに、複数の突出部Pa1が、当該天板辺部PEに沿う方向に並んで配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、1つの天板辺部PEに対して1つの突出部Pa1が配置されていても良い。この場合において、1つの突出部Pa1が複数の車輪通過領域Adとの重複部分を含むように形成されていても良い。すなわち、1つの天板辺部PEに設けられた突出部Pa1の数と、1つの天板辺部PEに重複する車輪通過領域Adの数とが異なっていても良い。
【0064】
(3)上記の実施形態では、1つの天板辺部PEにおいて、突出部Pa1の数と同数の開口部Pdが設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、1つの天板辺部PEにおいて、開口部Pdの数は、突出部Pa1の数よりも少なくても良い。例えば、複数の突出部Pa1の下方において、開口部Pdが幅方向Yに連続して形成されていても良い。例えばこの場合、1つの天板辺部PEにおいて、複数の突出部Pa1が設けられ、1つの連続的な開口部Pdの中に、複数の突出部Pa1が配置された構成とすることができる。
【0065】
(4)上記の実施形態では、開口部Pdが、走行方向Xにおける内側の端部である内側端部Pde1と、下方の端部である下方端部Pde2と、を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、開口部Pdは、下方端部Pde2を備えていなくても良い。説明を加えると、開口部Pdは、下方配置部Pcの下端まで連続的に形成されていても良い。この場合、下方配置部Pcは、開口部Pdによって幅方向Yに分断されることになる。
【0066】
(5)上記の実施形態では、1つの天板辺部PEに対して1つの下方配置部Pcが形成されている例について説明した。しかし、上述のように、開口部Pdが下方配置部Pcの下端に亘って形成されている場合には、下方配置部Pcは、幅方向Yに分断されることになる。すなわち、下方配置部Pcは、1つの天板辺部PEに対して、幅方向Yに分かれて複数形成されていても良い。
【0067】
(6)上記の実施形態では、天板Pにおける4つの天板辺部PEのそれぞれに、突出部Pa1、屈曲部Pb、下方配置部Pc、及び開口部Pdが設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、突出部Pa1、屈曲部Pb、下方配置部Pc、及び開口部Pdは、天板Pにおける4つの天板辺部PEのうち一部の天板辺部PEに設けられていても良い。
【0068】
(7)上記の実施形態では、通行規制部材Mにおける規制部Maが、天板Pの上面Fpから上方に立ち上がる壁状に形成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規制部Maは、例えば、棒状や帯状に形成され、天板Pの上面Fpから上方に離間した位置に配置されていても良い。
【0069】
(8)上記の実施形態では、架台100が、走行面Ffの外縁に沿って配置された通行規制部材Mを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、架台100は、そのような通行規制部材Mを備えていなくても良い。
【0070】
(9)上記の実施形態では、天板辺部PEが沿う方向と幅方向Y(平面視で走行方向Xに直交する方向)とが、同じ方向となっている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、天板辺部PEが沿う方向と幅方向Yとは異なっていても良い。換言すれば、物品搬送車Vの走行方向Xと天板辺部PEが沿う方向とが、平面視で直交せず傾斜した方向であっても良い。
【0071】
(10)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0072】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した架台について説明する。
【0073】
物品を搬送する物品搬送車が走行する走行面を形成する架台であって、
複数のユニットを備え、
前記ユニットは、前記走行面の一部を形成する天板と、前記天板を支持する支持脚と、を備え、
前記天板は、板材を用いて構成されると共に、平面視で矩形状に形成され、
前記天板の前記矩形状の外縁を構成する各辺を天板辺部として、
前記走行面は、前記天板辺部同士が互いに隣接するように配置された複数の前記天板の上面により形成され、
前記走行面には、前記物品搬送車の車輪が通過する車輪通過領域が設定され、
前記天板は、
前記上面を形成する部分である本体部と、
前記天板辺部に設けられ、前記本体部に連続して下方へ向けて屈曲形成された屈曲部と、
前記屈曲部に連続して設けられ、前記本体部に対して下方に配置された下方配置部と、を備え、
前記本体部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域との重複部分に設けられ、前記本体部と前記屈曲部との境界よりも前記上面の延在方向における外側に突出する突出部を備え、
前記屈曲部は、前記天板辺部における前記車輪通過領域と重複しない非重複部分に設けられ、
前記屈曲部及び前記下方配置部に、前記板材の厚さ方向に貫通すると共に前記突出部を囲む開口部が設けられている。
【0074】
本構成によれば、互いに隣接して配置された天板同士の継ぎ目部分において、天板辺部における車輪通過領域との重複部分に設けられた突出部同士を、それぞれの天板の上面が延在する方向に沿って平面的に連続して配置することができる。そのため、隣接する天板同士の継ぎ目部分において、物品搬送車の円滑な走行を実現することが可能となる。また、本構成によれば、天板辺部に屈曲部及び下方配置部が設けられているため、天板の剛性を確保し易い。さらに、天板辺部において天板を構成する板材を屈曲させて屈曲部を形成する場合には、天板辺部の全体に曲げ応力が作用するため、なるべく天板上面との平行度を保ちたい突出部にも曲げ応力が作用して歪み等が生じる可能性がある。しかし、本構成によれば、板材の厚さ方向に貫通する開口部が、突出部を囲むように屈曲部及び下方配置部に設けられているため、屈曲部を形成する際の曲げ応力が突出部に作用し難い。そのため本構成によれば、屈曲部及び下方配置部を設けたことにより天板の剛性を確保しながらも、突出部の平行度も確保することが可能となる。
【0075】
前記開口部は、前記車輪通過領域に対して前記天板辺部に沿う方向の両側において、前記本体部と前記屈曲部との前記境界よりも前記上面の延在方向における内側まで延在するように形成されている、と好適である。
【0076】
本構成によれば、屈曲部と突出部とを、開口部を介してさらに離間させることができる。そのため、屈曲部を形成する際の曲げ応力が、さらに突出部に作用し難いようにできる。
【0077】
前記天板における4つの前記天板辺部のそれぞれに、前記突出部、前記屈曲部、前記下方配置部、及び前記開口部が設けられている、と好適である。
【0078】
本構成によれば、天板の4つの天板辺部のそれぞれを物品搬送車が走行する場合において、物品搬送車の円滑な走行を実現することができる。従って、天板に対する物品搬送車の走行方向の制約を少なくすることができる。
【0079】
1つの前記天板辺部に、複数の前記突出部が、当該天板辺部に沿う方向に並んで配置されている、と好適である。
【0080】
本構成によれば、天板辺部に沿う複数箇所に、物品搬送車の車輪の通路を設定し易い。
【0081】
前記物品搬送車の走行方向に対して平面視で直交する方向を幅方向として、
前記車輪は、前記物品搬送車の台車本体に対して前記幅方向に離間して複数配置され、
複数の前記車輪のそれぞれの前記幅方向の位置に対応して、前記車輪通過領域が前記天板辺部に沿う方向に分かれて複数配置されている、と好適である。
【0082】
本構成によれば、物品搬送車が備える複数の車輪のそれぞれが、天板辺部を通過する際に上下動することを抑制できる。従って、物品搬送車が複数の車輪を備える場合であっても、隣接する天板同士の継ぎ目部分において、物品搬送車の円滑な走行を実現し易い。
【0083】
前記走行面の外縁に沿って配置された通行規制部材を備え、
前記通行規制部材は、前記上面よりも上方に配置されている、と好適である。
【0084】
本構成によれば、物品搬送車が走行面から外れて架台から落下することを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示に係る技術は、物品を搬送する物品搬送車が走行する走行面を形成する架台に利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
100 :架台
U :ユニット
P :天板
PE :天板辺部
Pa :本体部
Pa1 :突出部
Pb :屈曲部
Pc :下方配置部
Pd :開口部
Ba :境界
L :支持脚
Ad :車輪通過領域
Ff :走行面
Fp :上面
V :物品搬送車
Va :台車本体
Vd :車輪
M :通行規制部材
W :物品
X :走行方向
Y :幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11