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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241106BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20241106BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20241106BHJP
   H01L 23/538 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/12 Q
H01L23/52 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021162546
(22)【出願日】2021-10-01
(65)【公開番号】P2023053486
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 貴将
(72)【発明者】
【氏名】江口 佳佑
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-156964(JP,A)
【文献】国際公開第02/082541(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/12―23/15
H01L 23/52―23/538
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に一列に配置された複数のパワー半導体素子と、
前記複数のパワー半導体素子にそれぞれ対向するように前記絶縁基板の上に一列に配置され、前記複数のパワー半導体素子をそれぞれ駆動する複数の制御半導体素子と
前記複数のパワー半導体素子の信号パッドをそれぞれ前記制御半導体素子に接続する複数の第1の信号ワイヤとを備え、
一列に配置された前記複数の制御半導体素子のうち両端の前記制御半導体素子は、両端以外の前記制御半導体素子よりも対応する前記パワー半導体素子の近くに配置され
前記複数の第1の信号ワイヤの長さは互いに同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に一列に配置された複数のパワー半導体素子と、
前記複数のパワー半導体素子にそれぞれ対向するように前記絶縁基板の上に一列に配置され、前記複数のパワー半導体素子をそれぞれ駆動する複数の制御半導体素子と、
前記複数のパワー半導体素子の信号パッドをそれぞれ前記制御半導体素子に接続する複数の第1の信号配線とを備え、
一列に配置された前記複数の制御半導体素子のうち両端の前記制御半導体素子は、両端以外の前記制御半導体素子よりも対応する前記パワー半導体素子の近くに配置され、
各第1の信号配線は信号ワイヤと回路パターンを有し、
前記複数の第1の信号配線の長さは互いに同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
一列に配置された前記複数の制御半導体素子のうち中央の前記制御半導体素子と両端の前記制御半導体素子との間に配置された前記制御半導体素子は、中央の前記制御半導体素子よりも対応する前記パワー半導体素子の近くに配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
外部から制御信号を入力する複数の制御端子と、
前記複数の制御端子を前記複数の制御半導体素子にそれぞれ接続する複数の第2の信号ワイヤとを更に備え、
前記複数の第2の信号ワイヤの長さは互いに同じであることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
外部から制御信号を入力する複数の制御端子と、
前記複数の制御端子を前記複数の制御半導体素子にそれぞれ接続する複数の第2の信号配線を更に備え、
各第2の信号配線は信号ワイヤと回路パターンを有し、
前記複数の第2の信号配線の長さは互いに同じであることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記絶縁基板の上に設けられた回路パターンを更に備え、
前記回路パターンの上に前記複数のパワー半導体素子が実装され、
前記回路パターンの厚みは0.3mm以上であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数のパワー半導体素子はワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体素子の実装領域と制御半導体素子の実装領域の間のベース基板に溝を形成した半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、パワー半導体素子から制御半導体素子への熱干渉を抑制することができる。従って、各制御半導体素子の接合温度を平均化して半導体装置の制御性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-16766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ベース基板に溝を形成することでベース基板にクラックが生じ、半導体装置の信頼性が低下するという問題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は信頼性を低下することなく制御性を向上させることができる半導体装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る半導体装置は、絶縁基板と、前記絶縁基板の上に一列に配置された複数のパワー半導体素子と、前記複数のパワー半導体素子にそれぞれ対向するように前記絶縁基板の上に一列に配置され、前記複数のパワー半導体素子をそれぞれ駆動する複数の制御半導体素子と、前記複数のパワー半導体素子の信号パッドをそれぞれ前記制御半導体素子に接続する複数の第1の信号ワイヤとを備え、一列に配置された前記複数の制御半導体素子のうち両端の前記制御半導体素子は、両端以外の前記制御半導体素子よりも対応する前記パワー半導体素子の近くに配置され、前記複数の第1の信号ワイヤの長さは互いに同じであることを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、一列に配置された複数の制御半導体素子のうち両端の制御半導体素子を、両端以外の制御半導体素子よりも対応するパワー半導体素子の近くに配置する。これにより、複数の制御半導体素子の接合温度を平均化できるため、各制御半導体素子の信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。また、絶縁基板に溝を形成してパワー半導体素子から制御半導体素子への熱干渉を抑制する必要はないため、絶縁基板にクラックが生じて半導体装置の信頼性が低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る半導体装置の等価回路図を示す図である。
図2】実施の形態1に係る半導体装置を示す上面図である。
図3図2のI-IIに沿った断面図である。
図4】実施の形態1に係る半導体装置の変形例1を示す上面図である。
図5】実施の形態1に係る半導体装置の変形例2を示す上面図である。
図6】実施の形態1に係る半導体装置の変形例3を示す上面図である。
図7】実施の形態2に係る半導体装置を示す上面図である。
図8】実施の形態3に係る半導体装置を示す上面図である。
図9】実施の形態4に係る半導体装置を示す上面図である。
図10】実施の形態5に係る半導体装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る半導体装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る半導体装置の等価回路図を示す図である。この半導体装置は、ハイサイド側のパワー半導体素子1a~1cとローサイド側のパワー半導体素子1d~1fを有する三相インバータである。複数の制御半導体素子2a~2fは、外部からの制御信号に応じて複数のパワー半導体素子1a~1fを駆動する。パワー半導体素子1a~1fは、IGBTとフリーホイールダイオードを1チップで構成したRC-IGBTである。これに限らず、IGBTとフリーホイールダイオードが分離した別のチップに形成されていてもよい。パワー半導体素子1a~1fはダイオードが内蔵されたMOSFETでもよい。パワー半導体素子1a~1fがSiC-MOSFETであれば半導体装置の高温動作が可能である。
【0011】
複数のパワー半導体素子1a~1fのゲート電極がそれぞれ複数の制御半導体素子2a~2fの出力に接続されている。ハイサイド側のパワー半導体素子1a~1cのコレクタ電極がP端子に接続され、エミッタ電極がそれぞれU端子、V端子、W端子に接続されている。ローサイド側のパワー半導体素子1d~1fのコレクタ電極がそれぞれU端子、V端子、W端子に接続され、エミッタ電極がN端子に接続されている。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る半導体装置を示す上面図である。絶縁基板3の上に銅回路パターン4a~4qが設けられている。絶縁基板3は、例えば銅ベース板と絶縁層が一体化された樹脂絶縁銅ベース板であるが、セラミックス基板でもよい。絶縁基板3の上において銅回路パターン4a~4qの周囲を絶縁性のケース5が囲んでいる。主電極であるP端子、U端子、V端子、W端子及びN端子と、制御端子10a~10fとがケース5に取り付けられている。
【0013】
パワー半導体素子1a~1cが絶縁基板3上の銅回路パターン4aに実装され、パワー半導体素子1d~1fがそれぞれ絶縁基板3上の銅回路パターン4b~4dに実装されている。パワー半導体素子1a~1cの下面のコレクタ電極は銅回路パターン4aに接合され、パワー半導体素子1d~1fの下面のコレクタ電極はそれぞれ銅回路パターン4b~4dに接合されている。パワー半導体素子1a~1cの上面のエミッタ電極はそれぞれ銅回路パターン4b~4dにワイヤ接続されている。パワー半導体素子1d~1fの上面のエミッタ電極は銅回路パターン4eにワイヤ接続されている。銅回路パターン4a~4eはそれぞれP端子、U端子、V端子、W端子及びN端子にワイヤ接続されている。
【0014】
制御半導体素子2a~2fがそれぞれ絶縁基板3上の銅回路パターンにはんだ、Agペースト剤又はSi接着剤により実装されている。パワー半導体素子1a~1fの信号パッドはゲート電極に接続され、それぞれ信号ワイヤ6a~6fにより銅回路パターン4f~4kの一端に接続されている。銅回路パターン4f~4kの他端は、それぞれ信号ワイヤ7a~7fにより制御半導体素子2a~2fに接続されている。
【0015】
制御半導体素子2a~2fは、それぞれ信号ワイヤ8a~8fにより銅回路パターン4l~4qの一端に接続されている。銅回路パターン4l~4qの他端は、それぞれ信号ワイヤ9a~9fにより制御端子10a~10fに接続されている。
【0016】
複数のパワー半導体素子1a~1fは一列に配置されている。複数の制御半導体素子2a~2fは、複数のパワー半導体素子1a~1fにそれぞれ対向するように絶縁基板の上に一列に配置されている。一列に配置された複数の制御半導体素子2a~2fのうち両端の制御半導体素子2a,2fは、両端以外の制御半導体素子2b~2eよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置されている。即ち、両端の制御半導体素子2a,2fと対応するパワー半導体素子1a,1fとの距離は、両端以外の制御半導体素子2b~2eと対応するパワー半導体素子1b~1eとの距離よりも短い。なお、上記の関係を保ちつつ、パワー半導体素子1a~1fの上昇温度に応じて制御半導体素子2a~2fの配置を調整してもよい。
【0017】
続いて、半導体装置のインバータ動作を説明する。インバータ動作では、各相のパワー半導体素子1a~1fが交互に通電するため、中央寄りのパワー半導体素子ほど熱干渉で温度が高くなることが一般的である。従って、半導体装置のインバータ動作では、両端に配置されたパワー半導体素子1a,1fの上昇温度は、中央に配置されたパワー半導体素子1cの上昇温度よりも低くなる。温度が上昇したパワー半導体素子1a~1fから制御半導体素子2a~2fに熱が伝わる。
【0018】
続いて、本実施の形態の効果を説明する。各制御半導体素子2a~2fと対応するパワー半導体素子1a~1fとの距離が均一の場合、前述した温度差より両端の制御半導体素子2a,2fの接合温度は相対的に低くなる。接合温度が低いほど制御半導体素子の信号伝達時間は短くなる。従って、複数の制御半導体素子2a~2fの接合温度のバラつきにより、各制御半導体素子2a~2fの信号伝達時間がバラつくため、半導体装置の出力電圧が歪む。この結果、半導体装置の出力側に接続したモータ等の外部負荷が誤動作し、半導体装置の制御性が悪くなる。
【0019】
そこで、本実施の形態では、一列に配置された複数の制御半導体素子2a~2fのうち両端の制御半導体素子2a,2fを、両端以外の制御半導体素子2b~2eよりも対応するパワー半導体素子1a~1fの近くに配置する。これにより、複数の制御半導体素子2a~2fの接合温度を平均化できるため、各制御半導体素子2a~2fの信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。また、絶縁基板3に溝を形成してパワー半導体素子1a~1fから制御半導体素子2a~2fへの熱干渉を抑制する必要はないため、絶縁基板3にクラックが生じて半導体装置の信頼性が低下することもない。
【0020】
また、一列に配置された複数のパワー半導体素子1a~1fのうち中央のパワー半導体素子1cと両端のパワー半導体素子1a,1fとの間に配置されたパワー半導体素子1b,1eの上昇温度は、両端のパワー半導体素子1a,1fよりも高く、中央のパワー半導体素子1cよりも低くなる。そこで、一列に配置された複数の制御半導体素子2a~2fのうち中央の制御半導体素子2cと両端の制御半導体素子2a,2fとの間に配置された制御半導体素子2b,2eを、両端の制御半導体素子2a,2fよりも対応するパワー半導体素子の遠くに配置し、中央の制御半導体素子2cよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置する。これにより、複数の制御半導体素子2a~2fの接合温度を更に平均化できるため、各制御半導体素子2a~2fの信号伝達時間のバラつきを更に低減し、半導体装置の制御性を更に向上させることができる。
【0021】
図3図2のI-IIに沿った断面図である。銅ベース板11の上に絶縁基板3が設けられている。絶縁基板3の上に銅回路パターン4aが設けられている。銅回路パターン4aの上にパワー半導体素子1a~1cが設けられている。銅回路パターンの厚みが0.15mm増加すると、銅回路パターンの温度が約10℃低くなることが分かっている。この結果を踏まえ、銅回路パターン4aの厚みtを0.3mm以上にする。これにより、半導体装置の放熱性を向上させることができるため、半導体装置の信頼性が向上する。
【0022】
図4は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例1を示す上面図である。図1の3つの制御半導体素子2d~2fは、基準電位が同一であるため、図3では1チップ化されて1つの制御半導体素子2gになっている。一列に配置された複数の制御半導体素子2a~2c,2gのうち両端の制御半導体素子2a,2gは、両端以外の制御半導体素子2b,2cよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置されている。
【0023】
図5は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例2を示す上面図である。絶縁基板3の中央部にハイサイド側のパワー半導体素子1a~1cの列とローサイド側のパワー半導体素子1d~1fの列が平行に配置されている。ハイサイド側の制御半導体素子2a~2cとローサイド側の制御半導体素子2d~2fはパワー半導体素子1a~1fを挟んで互いに反対側に配置されている。一列に配置されたハイサイド側の制御半導体素子2a~2cのうち両端の制御半導体素子2a,2cは、中央の制御半導体素子2bよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置されている。同様に、一列に配置されたローサイド側の制御半導体素子2d~2fのうち両端の制御半導体素子2d,2fは、中央の制御半導体素子2eよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置されている。
【0024】
図6は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例3を示す上面図である。中央の制御半導体素子2dは中央の制御半導体素子2cよりも対応するパワー半導体素子の近くに配置されている。これらの変形例1~3の場合でも実施の形態1の上記効果を得ることができる。
【0025】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る半導体装置を示す上面図である。複数のパワー半導体素子1a~1fの各々の信号パッドは信号ワイヤ6a~6f,7a~7f及び銅回路パターン4f~4kにより対応する制御半導体素子2a~2fに接続されている。信号配線インピーダンスの大きさは、銅回路パターンよりも信号ワイヤの長さに大きく依存する。そこで、本実施の形態では、銅回路パターン4f~4kの長さを調整することで、複数のパワー半導体素子1a~1fにそれぞれ対応する信号ワイヤ6a,7aの合計長さ、信号ワイヤ6b,7bの合計長さ、信号ワイヤ6c,7cの合計長さ、信号ワイヤ6d,7dの合計長さ、信号ワイヤ6e,7eの合計長さ、信号ワイヤ6f,7fの合計長さを同じにしている。これにより、信号配線インピーダンスを各相で同じにできるため、各制御半導体素子2a~2fから各パワー半導体素子1a~1fまでの信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。その他の構成及び効果は実施の形態1と同様である。
【0026】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る半導体装置を示す上面図である。本実施の形態では、複数のパワー半導体素子1a~1fにそれぞれ対応する信号ワイヤ6a,7aと銅回路パターン4fの合計長さ、信号ワイヤ6b,7bと銅回路パターン4gの合計長さ、信号ワイヤ6c,7cと銅回路パターン4hの合計長さ、信号ワイヤ6d,7dと銅回路パターン4iの合計長さ、信号ワイヤ6e,7eと銅回路パターン4jの合計長さ、信号ワイヤ6f,7fと銅回路パターン4kの合計長さを同じにしている。これにより、信号配線インピーダンスを各相で同じにできるため、各制御半導体素子2a~2fから各パワー半導体素子1a~1fまでの信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。その他の構成及び効果は実施の形態1と同様である。
【0027】
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に係る半導体装置を示す上面図である。本実施の形態では、信号ワイヤ8a,9aの合計長さ、信号ワイヤ8b,9bの合計長さ、信号ワイヤ8c,9cの合計長さ、信号ワイヤ8d,9dの合計長さ、信号ワイヤ8e,9eの合計長さ、信号ワイヤ8f,9fの合計長さが互いに同じである。これにより、信号配線インピーダンスを各相で同じにできるため、各制御端子10a~10fから各制御半導体素子2a~2fまでの信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。その他の構成及び効果は実施の形態1と同様である。
【0028】
実施の形態5.
図10は、実施の形態5に係る半導体装置を示す上面図である。本実施の形態では、信号ワイヤ8a,9aと銅回路パターン4lの合計長さ、信号ワイヤ8b,9bと銅回路パターン4mの合計長さ、信号ワイヤ8c,9cと銅回路パターン4nの合計長さ、信号ワイヤ8d,9dと銅回路パターン4oの合計長さ、信号ワイヤ8e,9eと銅回路パターン4pの合計長さ、信号ワイヤ8f,9fと銅回路パターン4qの合計長さが互いに同じである。これにより、信号配線インピーダンスを各相で同じにできるため、各制御端子10a~10fから各制御半導体素子2a~2fまでの信号伝達時間のバラつきを低減し、半導体装置の制御性を向上させることができる。その他の構成及び効果は実施の形態1と同様である。
【0029】
なお、パワー半導体素子1a~1fは、珪素によって形成されたものに限らず、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものでもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、又はダイヤモンドである。このようなワイドバンドギャップ半導体によって形成された半導体チップは、耐電圧性及び許容電流密度が高いため、小型化できる。この小型化された半導体チップを用いることで、この半導体チップを組み込んだ半導体装置も小型化・高集積化できる。また、半導体チップの耐熱性が高いため、ヒートシンクの放熱フィンを小型化でき、水冷部を空冷化できるので、半導体装置を更に小型化できる。また、半導体チップの電力損失が低く高効率であるため、半導体装置を高効率化できる。
【符号の説明】
【0030】
1a~1f パワー半導体素子、2a~2g 制御半導体素子、3 絶縁基板、4a~4q 銅回路パターン、6a~6f,7a~7f,8a~8f,9a~9f 信号ワイヤ、10a~10f 制御端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10