(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】運搬車両の配車システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20241106BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20241106BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241106BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20241106BHJP
B60L 50/72 20190101ALN20241106BHJP
【FI】
G08G1/123 A
B60L15/20 J
G16Y10/40
G16Y40/30
B60L50/72
(21)【出願番号】P 2021166321
(22)【出願日】2021-10-08
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 匡
(72)【発明者】
【氏名】早川 知宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌史
(72)【発明者】
【氏名】大浦 淳一
(72)【発明者】
【氏名】美才治 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】岩本 全弘
(72)【発明者】
【氏名】片岡 孝生
(72)【発明者】
【氏名】林 竜之
(72)【発明者】
【氏名】森本 紗季
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001933(JP,A)
【文献】特開2020-041652(JP,A)
【文献】特開2016-038668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60L 15/20
G16Y 10/40
G16Y 40/30
B60L 50/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を燃料とする燃料電池と、
前記燃料電池へ水素を供給する脱着自在な水素タンクと、
電動車両を着脱自在に固定し、且つ、前記燃料電池で発電された電力で前記電動車両を充電可能な架台装置と、
通信部と、
前記通信部を制御する制御部と、
を有する運搬車両と、
ユーザから取得した目的位置を前記運搬車両へ通知するサーバと、
を備え、
前記サーバは、ユーザから通知された任意の目的位置及び目的時刻を前記運搬車両へ通知し、
前記制御部は、前記サーバから前記通信部を介して通知された前記目的位置へ、前記目的時刻までに移動するように前記運搬車両の動作を制御する、ことを特徴とする運搬車両の配車システム。
【請求項2】
複数の前記運搬車両を有し、
複数の前記運搬車両のそれぞれの前記制御部は、前記通信部を介して現在位置を、前記サーバへ通知し、
前記サーバは、複数の前記運搬車両のうち、前記目的位置に最も近い位置にある前記運搬車両を選択し、当該運搬車両に対して、前記目的位置を通知する、請求項1に記載の運搬車両の配車システム。
【請求項3】
水素を燃料とする燃料電池と、
前記燃料電池へ水素を供給する脱着自在な水素タンクと、
電動車両を着脱自在に固定し、且つ、前記燃料電池で発電された電力で前記電動車両を充電可能な架台装置と、
通信部と、
前記通信部を制御する制御部と、
を有する運搬車両と、
ユーザから取得した目的位置を前記運搬車両へ通知するサーバと、
を備え、
前記制御部は、前記サーバから前記通信部を介して通知された前記目的位置へ移動するように前記運搬車両の動作を制御し、
前記架台装置から取り外された前記電動車両は、走行に使用する2次電池の蓄電量及び位置を前記サーバへ通知し、
前記サーバは、前記電動車両の蓄電量が基準残量以下となった場合、複数の前記運搬車両のうち、前記電動車両の位置に最も近い位置にある一の前記運搬車両を選択し、当該運搬車両に対して、前記電動車両の位置を前記目的位置として通知する、ことを特徴とする運搬車両の配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬車両の配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動機付き自転車等のシェアリングサービスが提供されている。シャアリングサービスは、電車等の公共の交通機関と共に、新しい交通手段の態様をユーザに提案している。
【0003】
シャアリングサービスは、サービスを提供する地域において、軽車両又は車両を駐機する複数の駐車場を有している。ユーザは、車両を利用する場合、最寄りの駐車場で車両等を借り、利用後には最寄りの駐車場で車両等を返却する。
【0004】
例えば、特許文献1に開示される電動車両の運行管理システムは、複数の電動車両を駐車可能な複数の駐車台及び複数の電動車両の蓄電部をそれぞれ充電可能な充電装置を備えた脱着コンテナと、複数の脱着コンテナを配置可能な複数のコンテナ置き場と、脱着コンテナを積載してコンテナ置き場に移動させるための荷役車両と、コンテナ置き場に脱着コンテナを介して駐車された電動車両の数を管理して荷役車両にて脱着コンテナを電動車両と共に移動させる指示を送る管理センタとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示される電動車両の運行管理システムでは、ユーザは、電動車両を利用する時にコンテナ置き場まで移動し、電動車両を返却する時にコンテナ置き場で返却することが求められる。
【0007】
そのため、ユーザの現在位置がコンテナ置き場から離れている場合には、現在位置からコンテナ置き場まで移動する必要があった。同様に、ユーザは、電動車両を利用して目的位置へ到着しても、その後、コンテナ置き場まで移動して電動車両を返却しなければならなかった。
【0008】
そこで、本開示は、ユーザが電動車両を借りたい利用場所、又は、ユーザが電動車両を返却したい返却場所等の目的位置へ、電動車両を運搬、又は、回収する運搬車両を配車する配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一の実施形態によれば、運搬車両の配車システムが提供される。この運搬車両の配車システムは、水素を燃料とする燃料電池と、燃料電池へ水素を供給する脱着自在な水素タンクと、電動車両を着脱自在に固定し、且つ、燃料電池で発電された電力で電動車両を充電可能な架台装置と、通信部と、通信部を制御する制御部と、を有する運搬車両と、ユーザから取得した目的位置を運搬車両へ通知するサーバと、を備え、制御部は、サーバから通信部を介して通知された目的位置へ移動するように運搬車両の動作を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る運搬車両の配車システムは、ユーザが電動車両を借りたい利用場所、又は、ユーザが電動車両を返却したい返却場所等の目的位置へ、電動車両を運搬、又は、回収する運搬車両を配車できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の運搬車両の配車システムの概要を説明する図である。
【
図2】(A)は運搬車両を示す図であり、(B)は水素タンクを示す図であり、(C)は電動スケータを示す図である。
【
図5】(A)は運搬車両の管理表の一例を説明する図であり、(B)は電動スケータの管理表の一例を説明する図である。
【
図6】配車システムの情報取得処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】配車システムの配車サービス処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】配車システムの配車サービス処理の他の例を示すシーケンス図である。
【
図9】配車システムの監視処理の一例を示す動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態の運搬車両の配車システムの概要を説明する図である。
図2(A)は運搬車両を示す図であり、
図2(B)は水素タンクを示す図であり、
図2(C)は電動スケータを示す図である。以下、
図1及び
図2を参照しながら、本明細書に開示する運搬車両の配車システム1の配車サービス処理に関する動作の概要を説明する。
【0013】
本実施形態では、運搬車両の配車システム1(以下、単に配車システム1ともいう)は、所定の地域において、ユーザ60に対して電動スケータ40のシャアリングサービスを提供する。電動スケータ40は、電動車両の一例である。
【0014】
配車システム1は、サーバ30と、少なくとも1つの運搬車両10とを有する。運搬車両10は、水素を燃料とする燃料電池28と、燃料電池28へ水素を供給する脱着自在な水素タンク50と、複数の電動スケータ40を着脱自在に固定し、且つ、燃料電池28で発電された電力で電動スケータ40を充電可能な架台装置13とを有する。運搬車両10は、架台装置13に着脱自在に固定された電動スケータ40を運搬する。
【0015】
ユーザ60の端末70及び運搬車両10は、例えば、通信ネットワーク2とゲートウェイ(図示せず)等を介して接続されるマクロセルを提供する無線基地局3(以下、マクロセル基地局3ともいう)にアクセスすることで、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介してサーバ30と接続される。
【0016】
図1では、一つの運搬車両10のみが図示されているが、配車システム1は複数の運搬車両10を有してもよい。また、
図1では、2つマクロセル基地局3が図示されているが、配車システム1は3つ以上のマクロセル基地局3を有してもよい。
【0017】
ユーザ60は、電動スケータ40を利用する場合、端末70を用いて、電動スケータ40の利用を開始する目的位置をサーバ30へ送信する。サーバ30は、ユーザ60から取得した目的位置を、運搬車両10へ送信する。運搬車両10は、サーバ30から受信した目的位置へ移動する。ユーザ60は、目的位置で運搬車両60の到着を待っていればよい。
【0018】
運搬車両60が目的位置へ到着すると、ユーザ60は、電動スケータ40を架台装置13から取り外して、電動スケータ40の利用を開始する。
【0019】
また、ユーザ60は、電動スケータ40の利用を終了する場合、端末70を用いて、電動スケータ40の利用を終了する目的位置をサーバ30へ送信する。サーバ30は、ユーザ60から取得した目的位置を、運搬車両10へ送信する。運搬車両10は、サーバ30から受信した目的位置へ移動する。ユーザ60は、電動スケータ40と共に、目的位置で運搬車両60の到着を待っていればよい。
【0020】
運搬車両60が目的位置へ到着すると、ユーザ60は、電動スケータ40を架台装置13へ取り付けて、電動スケータ40を運搬車両60へ返却する。ユーザ60は、電動スケータ40の利用料金を、例えば、端末70を用いて電子決済で支払うことができる。
【0021】
配車システム1によれば、ユーザ60が電動スケータ40を利用した場所で借りることができ、且つ、ユーザ60が電動スケータ40を返却したい場所で返却できる。
【0022】
次に、運搬車両60及び電動スケータ40について、
図2(A)~
図2(C)を参照しながら、以下に説明する。
【0023】
運搬車両60は、車両本体10Aと、車両本体10Aを牽引する牽引部10Bとを有する。車両本体10Aは、牽引部10Bと脱着可能に接続されて、牽引部10Bに牽引されて移動する。車両本体10Aは、牽引部10Bから外された状態で、電動スケータ40の駐車場として利用してもよい。
【0024】
車両本体10Aは、車両本体10Aの両側面を貫通する貫通孔11を有する。この貫通孔11内の空間は車室12を形成する。車室12には、架台装置13が配置される。架台装置13は、電動スケータ40を着脱自在に固定可能な固定部13Aと、電動スケータ40を充電可能な給電部13Bとを有する。車両本体10Aは、環状の形状を有し、水素タンク50及び燃料電池28等を含む。
【0025】
車両本体10Aの前方には、一又は複数の水素タンク50が脱着自在に装着される。
図2(A)に示す例では、3つの水素タンク50が車両本体10Aの前方に装着される。水素タンク50は、円筒形の外形を有し、一方の端部に把持部が配置され、他方の端部に水素を供給する接続部が配置される。水素タンク50を運ぶ際には、この把持部が把持される。
【0026】
水素タンク50は、RFIDのタグ51を有する。タグ51は、タンク情報を記憶する。タンク情報は、タンクを識別するタンク識別情報と、水素の充填量、水素の純度等の情報が挙げられる。水素タンク50は、充填されている水素の圧力を検知する圧力センサ(図示せず)を有していてもよい。圧力センサが検知した水素の圧力は、タンク情報として、タグ51に書き込まれる。
【0027】
電動スケータ40は、ハンドル部40Aと、スケータ本体40Bとを有する。ハンドル部40Aは、スケータ本体40Bと重なるように折りたたみ可能である。電動スケータ40は、ハンドル部40Aが折りたたまれた状態で、架台装置13に着脱自在に固定可能である。スケータ本体40Bは、充電部41と、二次電池42と、制御装置43等を有する。充電部41が架台装置13の給電部13Bと電気的に接続されて、二次電池42が充電される。スケータ本体40Bは、二次電池42の電力により駆動されるモータ(図示せず)と、モータにより駆動されるタイヤとを有する。制御装置43は、ハンドル部40Aに配置される操作部(図示せず)からの操作信号に基づいて、モータを制御して電動スケータ40を加速する。また、ハンドル部40Aには、図示しないブレーキレバーが配置される。このブレーキレバーが操作されることにより、電動スケータ40は制動する。また、制御装置43は通信装置(図示せず)を有する。制御装置43は、サーバ30と、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して通信可能に構成される。制御装置43は、電動スケータ40の現在位置を表す測位情報を受信する測位情報受信機(図示せず)を有する。
【0028】
図3は、運搬車両10のハードウェア構成図である。車両本体10Aは、ユーザインターフェース(UI)20と、RFIDリーダ21と、発電制御装置22と、電力供給装置23と、給電部13Bと、水素タンク50と、燃料電池28等を有する。
【0029】
牽引部10Bは、センサ群24と、操舵駆動装置25と、通信装置26と、制御装置27等を有する。
【0030】
UI20と、RFIDリーダ21と、発電制御装置22と、電力供給装置23と、センサ群24と、操舵駆動装置25と、通信装置26と、制御装置27等は、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク29を介して通信可能に接続される。
【0031】
UI20は、制御装置27に制御されて、各種の情報を通知する。UI20は、例えば、車両本体10Aの車室12に露出するように配置される。UI20は、各種の情報を表示するために、タッチパネル201を有する。UI20は、入力された操作情報を、車内ネットワーク29を介して制御装置27へ出力する。
【0032】
RFIDリーダ21は、水素タンク50に配置されたタグ51からタンク情報を読み出して、車内ネットワーク29を介して制御装置27へ出力する。なお、RFIDリーダ21は、ライタ機能を有していてもよい。
【0033】
発電制御装置22は、制御装置27に制御されて、燃料電池28の発電を制御する。燃料電池28により発電された電力は、運搬車両10の動作及び電動スケータ40の充電に使用される。
【0034】
電力供給装置23は、制御装置27に制御されて、燃料電池28により発電された電力の電圧及び電流を調整して、操舵駆動装置25及び給電部13Bへ供給する。また、燃料電池28により発電された電力は、電力供給装置23により電圧及び電流が調整されて、運搬車両10の各部の動作にも使用される。また、電力供給装置23は、二次電池(図示せず)を有していてもよい。燃料電池28が停止している時には、この二次電池から運搬車両10の各部へ電力を供給可能である。電力供給装置23は、架台装置13に着脱自在に固定されている電動スケータ40の数を、電動スケータの充電部41と接続されている給電部13Bの数に基づいて取得する。電力供給装置23は、取得された数を、車内ネットワーク29を介して制御装置27へ出力する。
【0035】
センサ群24は、カメラ、LiDARセンサ、ミリ波レーダ等のセンサを有する。また、センサ群24は、運搬車両10の現在位置を表す測位情報を受信する測位情報受信機(例えば、GNSS受信機)を有する。センサ群24は、検知された情報及び測位情報を、車内ネットワーク29を介して制御装置27へ出力する。
【0036】
操舵駆動装置25は、操舵部、電動機、制動部等を有する。操舵駆動装置25は、制御装置27に制御されて、操舵、電動機による駆動、制動の動作を行って、運搬車両10を走行させる。
【0037】
通信装置26は、通信部の一例である。通信装置26は、制御装置27を通信ネットワーク2に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信装置26は、サーバ30と、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して通信可能に構成される。
【0038】
制御装置27は、運転制御処理と、発電制御処理と、情報管理処理とを実行する。そのために、制御装置27は、通信インターフェース(IF)270と、メモリ271と、プロセッサ272とを有する。通信IF270と、メモリ271と、プロセッサ272とは、信号線273を介して接続されている。通信IF270は、制御装置27を車内ネットワーク29に接続するためのインターフェース回路を有する。
【0039】
メモリ271は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ271は、プロセッサ272により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。また、メモリ271は、運搬車両10の現在位置から目的位置までの走行経路を生成するための地図情報を記憶する。また、メモリ271は、運搬車両10を識別する識別情報、架台装置13に着脱自在に固定可能な電動スケータ40の最大数等を記憶する。
【0040】
制御装置27が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ272上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ272は、運転制御部2721と、発電制御部2722と、情報管理部2723とを有する。あるいは、プロセッサ272が有する機能モジュールは、プロセッサ272に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ272は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ272は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。制御装置27は、例えば、電子制御装置(Electronic Contorol Unit:ECU)である。
【0041】
運転制御部2721は、センサ群24から出力された情報及び測位情報に基づいて、サーバ30から受信した目的位置まで移動するように、運搬車両10の動作を自動制御する。運転制御部2721は、目的位置まで移動するように運搬車両10の動作を自動制御している時には、移動中であることを表す情報を、情報管理部2723へ通知する。発電制御部2722は、運搬車両10の動作に必要な電力、及び、架台装置13に着脱自在に固定されている電動スケータ40に供給する電力を発電するように、燃料電池28を制御する。情報管理部2723は、運搬車両10の状態及び架台装置13の状態を管理する。制御装置27の動作については、更に後述する。
【0042】
図4は、サーバ30のハードウェア構成図である。サーバ30は、情報取得処理と、配車処理と、監視処理とを実行する。そのために、サーバ30は、通信インターフェース(IF)31と、ストレージ装置32と、メモリ33と、プロセッサ34とを有する。通信IF31と、ストレージ装置32と、メモリ33と、プロセッサ34とは、信号線35を介して接続されている。サーバ30は、キーボード及びマウスといった入力装置と、液晶ディスプレイといった表示装置とを更に有してもよい。
【0043】
通信IF31は、通信部の一例である。通信IF31は、サーバ30を通信ネットワーク2に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信IF31は、運搬車両10及び電動スケータ40と、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して通信可能に構成される。
【0044】
ストレージ装置32は、記憶部の一例である。ストレージ装置32は、例えば、ハードディスク装置又は光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。ストレージ装置32は、運搬車両10の現在位置から目的位置までの走行経路を生成するための地図情報を記憶する。また、ストレージ装置32は、プロセッサ34により取得される運搬車両10の管理情報及び電動スケータ40の管理情報等を記憶する。運搬車両10の管理情報は、運搬車両10の管理表として、ストレージ装置32に記憶される。また、電動スケータ40の管理情報は、電動スケータ40の管理表として、ストレージ装置32に記憶される。また、ストレージ装置32は、プロセッサ34により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。
【0045】
図5(A)は運搬車両の管理表の一例を説明する図であり、
図5(B)は電動スケータの管理表の一例を説明する図である。
【0046】
運搬車両の管理表100は、運搬車両ID欄101と、位置欄102と、搭載数欄103と、空き架台数104と、状態欄105と、スケータID欄106とを有する。運搬車両ID欄101には、運搬車両10を識別する識別情報が登録される。位置欄102には運搬車両10の位置が登録される。搭載数欄103には、現在の運搬車両10に搭載される電動スケータ40の数が登録される。空き架台数104には、電動スケータ40を更に架台装置13に着脱自在に固定可能な数が登録される。状態欄105には、運搬車両10が待機中であるのか、又は、目的位置に向かって移動中であるのかが登録される。スケータID欄106には、架台装置13に着脱自在に固定されている電動スケータ40のスケータIDが登録される。運搬車両の管理表100には、位置と、電動スケータ40の数と、空き架台数と、状態と、スケータIDとが、運搬車両IDに関連付けられて登録される。
【0047】
電動スケータの管理表110は、スケータID111と、状態欄112と、位置欄113と、蓄電量欄114と、ユーザID欄115とを有する。スケータID111には、電動スケータ40を識別する識別情報が登録される。状態欄112には、電動スケータ40がユーザ60によって使用中であるのか、又は、架台装置13に着脱自在に固定されている運搬車両IDが登録される。位置欄113には、使用中の電動スケータ40の位置が登録される。蓄電量欄114には、電動スケータ40の蓄電量が百分率で登録される。ユーザID欄115には、電動スケータ40を利用しているユーザ60を識別する識別情報が登録される。電動スケータの管理表110には、電動スケータの状態と、位置と、蓄電量と、ユーザIDとが、スケータIDに関連付けられて登録される。
【0048】
メモリ33は、記憶部の他の一例である。メモリ33は、例えば、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ33は、プロセッサ34の処理の実行中に生成される各種データを一時的に記憶する。
【0049】
サーバ30が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ34上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ34は、情報取得部340と、配車部341と、監視部342とを有する。あるいは、プロセッサ34が有する機能モジュールは、プロセッサ34に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ34は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ34は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。サーバ30の動作については、更に後述する。
【0050】
次に、配車システム1の情報取得処理を、
図6を参照しながら、以下に説明する。
図6は、配車システム1の情報取得処理を示すシーケンス図である。ここで、配車システム1は、複数の運搬車両10及び複数の電動スケータ40を有しており、このことは、後述する
図7~
図9の説明においても適用される。
【0051】
まず、運搬車両10の情報管理部2723は、所定の周期を有する情報取得時刻に、運搬車両10の状態情報を取得する(ステップS101)。状態情報は、運搬車両10の位置と、電動スケータ40の数と、空き架台数と、運搬車両10の状態とを含む。情報管理部2723は、運搬車両10の位置を、センサ群24からの測位情報として取得する。情報管理部2723は、電動スケータ40の数を、電力供給装置23から、架台装置13に着脱自在に固定されている電動スケータ40の数として取得する。情報管理部2723は、架台装置13に着脱自在に固定可能な電動スケータ40の最大数から、すでに架台装置13に固定されている電動スケータ40の数を減算して、空き架台数を求める。情報管理部2723は、移動中であることを表す情報が運転制御部2721から通知されている場合、運搬車両10の状態は移動中であると判定し、そうでない場合、運搬車両10の状態は移動中であると判定する。
【0052】
次に、運搬車両10の情報管理部2723は、運搬車両10の状態情報を、運搬車両10の運搬車両IDと共に、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバ30へ送信する(ステップS102)。
【0053】
次に、サーバ30の情報取得部340は、受信した運搬車両10の状態情報に基づいて、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100のうち、運搬車両IDと関連付けられて登録されている情報を更新する(ステップS103)。
【0054】
また、電動スケータ40の制御部43は、所定の周期を有する情報取得時刻に、電動スケータ40の状態情報を取得する(ステップS104)。状態情報は、電動スケータ40の位置と、二次電池42の蓄電量とを含む。制御部43は、電動スケータ40の位置を、測位情報受信機の出力する測位情報として取得する。制御部43は、二次電池42から蓄電量を読み取る。
【0055】
次に、電動スケータ40の制御部43は、電動スケータ40の状態情報を、電動スケータ40のスケータIDと共に、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバ30へ送信する(ステップS105)。
【0056】
次に、サーバ30の情報取得部340は、受信した電動スケータ40の状態情報に基づいて、ストレージ装置32に記憶されている電動スケータの管理表110のうち、スケータIDと関連付けられて登録されている情報を更新する(ステップS106)。
【0057】
また、情報取得部340は、受信した電動スケータ40の位置と、運搬車両の管理表100に登録されている運搬車両10の位置とを比較して、電動スケータ40の位置に対して基準距離(例えば、5m)以下の位置に運搬車両10がある場合、電動スケータ40はこの運搬車両10に搭載されていると判定する。情報取得部340は、この電動スケータの管理表110の状態欄112に対して、搭載されている運搬車両10の運搬車両IDを登録する。また、情報取得部340は、この運搬車両の管理表100のスケータID欄106に対して、搭載された電動スケータ40のスケータIDを登録する。
【0058】
上述した説明では、ステップS101~103の後に、ステップS104~106が行われていたが、この順番は逆になる場合もあるし、同時に行われる場合もあり得る。
【0059】
次に、配車システム1の配車サービス処理について、
図7を及び
図8を参照しながら、以下に説明する。
図7は、配車システム1の配車サービス処理の一例を示すシーケンス図である。
【0060】
まず、ユーザ60は、端末70を用いて、電動スケータ40の利用を開始する目的位置及び目的時刻と、電動スケータ40の利用開始を通知する利用開始通知と、ユーザIDとを、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバ30へ送信する(ステップS201)。ユーザ60は、目的時刻に目的位置において、運搬車両60の到着を待っていればよい。
【0061】
次に、サーバ30の配車部341は、電動スケータ40の利用を開始する目的位置及び目的時刻と、利用開始通知と、ユーザIDとを取得する。サーバ30の配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、複数の運搬車両10のうち、所定の基準量(例えば、80%)以上の蓄電量を有する電動スケータ40を搭載しており、且つ、状態が待機中であり、且つ、ユーザ60から受信した目的時刻までに目的位置へ移動可能な運搬車両10を選択する(ステップS202)。配車部341は、地図情報と、運搬車両10の位置と目的位置とに基づいて運搬車両10の走行経路を求め、この走行経路と運搬車両10の平均速度とに基づいて、運搬車両10が目的位置に到着する到着時刻を求めて、目的時刻までに目的位置へ移動可能な運搬車両10を選択してもよい。ここで、複数の運搬車両10が選択された場合、配車部341は、ユーザ60から受信した目的位置に最も近い位置にある運搬車両10を選択する。配車部341は、選択された運搬車両10に搭載された電動スケータ40のうち、所定の基準量(例えば、80%)以上の蓄電量を有する一の電動スケータ40を選択する。配車部341は、選択された電動スケータ40のスケータIDを、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、ユーザ60の端末に送信する。また、配車部341は、運搬車両10が目的位置に到着する到着時刻を、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、ユーザ60の端末に送信してもよい。
【0062】
次に、サーバ30の配車部341は、選択された運搬車両10に対して、電動スケータ40の配車を求めるサービス開始要求を、目的位置及び目的時刻と共に、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、選択された運搬車両10へ送信する(ステップS203)。サーバ30の配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、選択された運搬車両60の運転車両IDと関連付けられている状態欄105に移動中であることを登録する。配車部341は、運搬車両10の現在位置から目的位置までの走行経路を、選択された運搬車両10へ送信してもよい。
【0063】
次に、サービス開始要求を受信した運搬車両10の運転制御部2721は、目的位置及び目的時刻と共に、サービス開始要求を受信すると、目的時刻までに目的位置へ到着するように、運搬車両10を走行させる(ステップS204)。運転制御部2721は、情報管理部2723に対して、移動中であることを表す情報を通知する。待機中及び移動中の運搬車両10において、電動スケータ40は、架台装置13から給電される。
【0064】
そして、運搬車両60が目的位置へ到着すると、ユーザ60は、通知されたスケータIDにより識別される電動スケータ40を架台装置13から取り外して、電動スケータ40の利用を開始する。ユーザ60は、利用している電動スケータ40の状態情報を、端末70を用いて、サーバ30から受信して確認することができる。
【0065】
次に、運搬車両10の情報管理部2723は、架台装置13から電動スケータ40が取り外されたことを確認すると、電動スケータ40の配車が終了したことを表す配車終了通知を、運転車両IDと共に、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバへ送信する(ステップS205)。運転制御部2721は、情報管理部2723に対して、移動中であることを表す情報を通知することを停止する。
【0066】
次に、サーバ30の配車部341は、配車終了通知を受信すると、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、受信した運転車両IDと関連付けられている状態欄105に待機中であることを登録し、ユーザ60に貸し出した電動スケータ40のスケータIDをスケータID欄106から削除して、運搬車両の管理表100を更新する(ステップS206)。
【0067】
また、配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている電動スケータの管理表110を参照して、ユーザ60に貸し出した電動スケータ40のスケータIDと関連付けられている、状態欄112に使用中であることを登録し、電動スケータ40を利用しているユーザ60のユーザIDをユーザID欄115に登録して、電動スケータの管理表110を更新する。
【0068】
図8は、配車システムの配車サービス処理の他の例を示すシーケンス図である。まず、ユーザ60は、端末70を用いて、電動スケータ40の利用を終了する目的位置及び目的時刻と、電動スケータ40の利用終了を通知する利用終了通知と、ユーザIDとを、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバへ送信する(ステップS301)。ユーザ60は、電動スケータ40と共に、目的時刻に目的位置において、運搬車両60の到着を待っていればよい。
【0069】
次に、サーバ30の配車部341は、電動スケータ40の利用を終了する目的位置及び目的時刻と、利用終了通知と、ユーザIDとを取得する。サーバ30の配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、複数の運搬車両10のうち、1以上の空き架台数を有し、且つ、状態が待機中であり、且つ、ユーザ60から受信した目的時刻までに目的位置へ移動可能な運搬車両10を選択する(ステップS302)。配車部341は、地図情報と、運搬車両10の位置と目的位置とに基づいて運搬車両10の走行経路を求め、この走行経路と運搬車両10の平均速度とに基づいて、運搬車両10が目的位置に到着する到着時刻を求めて、目的時刻までに目的位置へ移動可能な運搬車両10を選択してもよい。ここで、複数の運搬車両60が選択された場合、配車部341は、ユーザ60から受信した目的位置に最も近い位置にある運搬車両60を選択する。
【0070】
次に、サーバ30の配車部341は、選択された運搬車両60に対して、電動スケータ40の回収を求めるサービス終了要求を、目的位置及び目的時刻と共に、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、選択された運搬車両60へ送信する(ステップS303)。サーバ30の配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、選択された運搬車両60の運転車両IDと関連付けられている状態欄105に移動中であることを登録する。配車部341は、運搬車両10の現在位置から目的位置までの走行経路を、選択された運搬車両10へ送信してもよい。また、配車部341は、運搬車両10が目的位置に到着する到着時刻を、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、ユーザ60の端末に送信してもよい。
【0071】
次に、サービス終了要求を受信した運搬車両10の運転制御部2721は、目的位置及び目的時刻と共に、サービス終了要求を受信すると、目的時刻までに目的位置へ到着するように、運搬車両10を走行させる(ステップS304)。運転制御部2721は、情報管理部2723に対して、移動中であることを表す情報を通知する。
【0072】
そして、運搬車両60が目的位置へ到着すると、ユーザ60は、電動スケータ40を架台装置13へ取り付けて、電動スケータ40を運搬車両60へ返却する。ユーザ60は、電動スケータ40の利用料金を、例えば、端末70を用いて電子決済で支払うことができる。利用料金は、例えば、電動スケータ40を利用した時間に応じて決定され得る。
【0073】
次に、運搬車両10の情報管理部2723は、架台装置13から電動スケータ40が着脱自在に固定されたことを確認すると、電動スケータ40の回収が終了したことを表す回収終了通知を、運転車両IDと共に、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバ30へ送信する(ステップS305)。運転制御部2721は、情報管理部2723に対して、移動中であることを表す情報を通知することを停止する。
【0074】
次に、サーバ30の配車部341は、回収終了通知を受信すると、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、受信した運転車両IDと関連付けられている状態欄105に待機中であることを登録して、運搬車両の管理表100を更新する(ステップS306)。
【0075】
次に、配車システム1の監視処理について、
図9を参照しながら、以下に説明する。
図9は、配車システム1の監視処理の一例を示す動作フローチャートである。サーバ30の監視部342は、所定の周期を有する監視時刻に、
図9に示す監視処理を実行する。
【0076】
サーバ30の監視部342は、ストレージ装置32に記憶されている電動スケータの管理表110を参照して、状態欄112に使用中であることが登録されている電動スケータ40について、ステップS401~S405の処理を実行する。
【0077】
まず、サーバ30の監視部342は、スケータIDと関連付けられている蓄電量が基準残量以下であるか否かを判定する(ステップS402)。基準残量として、例えば、20%とすることができる。
【0078】
蓄電量が基準残量以下である場合(ステップS402-Yes)、監視部342は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、複数の運搬車両10のうち、1以上の空き架台数を有し、且つ、所定の基準量(例えば、80%)以上の蓄電量を有する電動スケータ40を搭載しており、且つ、状態が待機中であり、且つ、電動スケータ40の位置に最も近い位置にある運搬車両を選択する(ステップS403)。
【0079】
次に、監視部342は、選択された運搬車両60に対して、電動スケータ40の回収及び新たな配車を求める回収配車要求を、電動スケータ40の位置を表す目的位置と共に、通信ネットワーク2及びマクロセル基地局3を介して、選択された運搬車両60へ送信する(ステップS404)。
【0080】
監視部342は、ユーザ60が利用している電動スケータ40の蓄電量が少なくなっていることと、運搬車両60が電動スケータ40の位置へ向かっていることを示す回収通知を、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、ユーザ60の端末70へ送信する。ユーザ60は、端末70を介して回収通知が通知されることにより、電動スケータ40の蓄電量が少なくなっていることに気づくことができる。
【0081】
サーバ30の配車部341は、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、選択された運搬車両60の運転車両IDと関連付けられている状態欄105に移動中であることを登録する。
【0082】
一方、蓄電量が基準残量以下ではない場合(ステップS402-No)、監視部342は、状態欄112に使用中であることが登録されている残りの電動スケータ40について、ステップS401~S405の処理を実行して、一連の処理を終了する。
【0083】
蓄電量が少なくなった電動スケータ40のユーザ60は、運搬車両10が到着すると、利用していた電動スケータ40を返却すると共に、新たな電動スケータ40を借りることができる。
【0084】
そして、運搬車両10の情報管理部2723は、架台装置13から電動スケータ40が着脱自在に固定されたこと、及び、架台装置13から他の電動スケータ40が取り外されたことを確認すると、電動スケータ40の回収が終了したことを表す回収終了通知を、運転車両IDと共に、マクロセル基地局3及び通信ネットワーク2を介して、サーバ30へ送信する。
【0085】
そして、サーバ30の配車部341は、回収終了通知を受信すると、ストレージ装置32に記憶されている運搬車両の管理表100を参照して、受信した運転車両IDと関連付けられている状態欄105に待機中であることを登録して、運搬車両の管理表100を更新する。
【0086】
上述した本実施形態の運搬車両の配車システムは、ユーザが電動車両を借りたい利用場所、又は、ユーザが電動車両を返却したい返却場所等の目的位置へ、電動車両を運搬、又は、回収する運搬車両を配車できる。
【0087】
本発明では、上述した実施形態の運搬車両の配車システムは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0088】
例えば、運搬車両の運転制御部は、水素タンクの残圧の合計値が所定の基準圧力よりも低い場合には、新しい水素タンクが保管された水素ステーションを経由するように、現在位置から目的位置へ移動する走行経路を求めてもよい。運搬車両は、水素ステーションにおいて、残圧の低い水素タンクが、充分な水素が充填された水素タンクに交換された後、目的位置へ移動する。これにより、運搬車両は、水素燃料を切らすことなく、ユーザの待つ目的位置へ移動することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 運搬車両の配車システム
2 通信ネットワーク
3 マクロセル基地局
10 運搬車両
10A 車両本体
10B 牽引部
11 貫通孔
12 車室(空間)
13 架台装置
13A 固定部
13B 給電部
20 ユーザインターフェース
201 タッチパネル
21 RFIDリーダ
22 発電制御装置
23 電力供給装置
24 センサ群
25 操舵駆動装置
26 通信装置
27 制御装置
270 通信インターフェース
271 メモリ
272 プロセッサ
2721 運転制御部
2722 発電制御部
2723 情報管理部
30 サーバ
31 通信インターフェース
32 ストレージ装置
33 メモリ
34 プロセッサ
340 情報取得部
341 配車部
342 監視部
40 電動スケータ(電動車両)
40A ハンドル部
40B スケータ本体
41 充電部
42 二次電池
43 制御装置
50 水素タンク
51 タグ