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特許7582154情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/47 20240101AFI20241106BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/47
G08G1/127 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021168385
(22)【出願日】2021-10-13
(65)【公開番号】P2023058378
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 翔
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-099585(JP,A)
【文献】特開2021-099593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0156320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する制御部を備え
前記制御部は、
前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記オンデマンドバスに前記ユーザと同乗する予定の同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者が存在しない場合よりも、低額な前記キャンセル料金を決定し、
前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者の人数が多いほど、低額な前記キャンセル料金を決定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記オンデマンドバスは、予め設定された基本ルートを走行し、
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記オンデマンドバスが配車予定場所に向かうために前記基本ルートから外れている場合、前記基本ルートから外れていない場合よりも、高額な前記キャンセル料金を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オンデマンドバスは、予め設定された基本ルートを走行し、
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記オンデマンドバスが配車予定場所に向かうために前記基本ルートから外れている場合、前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れた度合いに基づいて前記キャンセル料金を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れた度合いは、前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れてから走行した距離である、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れた度合いは、前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れてから経過した時間である、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記オンデマンドバスが前記基本ルートから外れた度合いが大きいほど、高額な前記キャンセル料金を決定する、請求項からまでの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングにおける配車予定時刻又は降車予定時刻が設定時間帯に含まれる場合、前記設定時間帯に含まれない場合よりも、高額な前記キャンセル料金を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定時間帯は、前記オンデマンドバスの予約数が閾値以上である時間帯である、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定時間帯は、通勤時間帯に基づいて設定される、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する制御部を備え、
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングにおける配車予定時刻又は降車予定時刻が設定時間帯に含まれる場合、前記設定時間帯に含まれない場合よりも、高額な前記キャンセル料金を決定し、
前記設定時間帯は、前記オンデマンドバスの予約数が閾値以上である時間帯である、情報処理装置。
【請求項11】
オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する制御部を備え、
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングにおける配車予定時刻又は降車予定時刻が設定時間帯に含まれる場合、前記設定時間帯に含まれない場合よりも、高額な前記キャンセル料金を決定し、
前記設定時間帯は、通勤時間帯に基づいて設定される、情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記キャンセルが発生したタイミングが早いほど、低額な前記キャンセル料金を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記オンデマンドバスの運賃の上限額を超えないようにしつつ、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定する、請求項1から12までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
通信部をさらに備え、
前記制御部は、
前記利用予約をしたユーザの端末装置からキャンセルを入力可能な入力フォームの提示を要求する要求信号を前記通信部によって受信した場合、前記要求信号を受信したタイミングを前記利用予約のキャンセルが発生したタイミングとみなして前記キャンセル料金を決定し、決定した前記キャンセル料金の情報を、現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報として、前記端末装置に前記通信部によって送信する、請求項1から13までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記利用予約をしたユーザの端末装置に、決定した前記キャンセル料金の情報を、前記通信部によって送信する、請求項1から13までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記利用予約をしたユーザの端末装置から、前記利用予約のキャンセルを示すキャンセル通知を前記通信部によって受信したタイミングを、前記利用予約のキャンセルが発生したタイミングとみなす、請求項1から13までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
通信部をさらに備え、
前記制御部は、端末装置からオンデマンドバスの利用予約の申請を示す申請情報を前記通信部によって受信すると、オンデマンドバスの予約処理を実行する、請求項1から13までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
オンデマンドバスの利用予約の申請を示す申請情報を情報処理装置に送信する端末装置と、
前記申請情報を受信すると、オンデマンドバスの予約処理を実行する情報処理装置と、を含み、
前記情報処理装置は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定し、
前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記オンデマンドバスに前記ユーザと同乗する予定の同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者が存在しない場合よりも、低額な前記キャンセル料金を決定し、
前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者の人数が多いほど、低額な前記キャンセル料金を決定する、情報処理システム。
【請求項19】
前記情報処理装置は、前記端末装置からキャンセルを入力可能な入力フォームの提示を要求する要求信号を通信部によって受信した場合、前記要求信号を受信したタイミングを前記利用予約のキャンセルが発生したタイミングとみなして前記キャンセル料金を決定し、決定した前記キャンセル料金の情報を、現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報として、前記端末装置に前記通信部によって送信し、
前記端末装置は、前記現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報を、前記端末装置の出力部に出力させる、請求項18に記載の情報処理システム。
【請求項20】
情報処理装置が、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定することと、
前記情報処理装置が、前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記オンデマンドバスに前記ユーザと同乗する予定の同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者が存在しない場合よりも、低額な前記キャンセル料金を決定することと、
前記情報処理装置が、前記キャンセルが発生したタイミングにおいて前記同乗予定者が存在する場合、前記同乗予定者の人数が多いほど、低額な前記キャンセル料金を決定することと、を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数ユーザをまとめて送迎する車両の乗車料金の支払いを各ユーザに割り当てる制御部を備える制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-86557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生した場合に、適切なキャンセル料金を決定する技術が望まれている。
【0005】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、適切なキャンセル料金を決定する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、
オンデマンドバスの利用予約の申請を示す申請情報を情報処理装置に送信する端末装置と、
前記申請情報を受信すると、オンデマンドバスの予約処理を実行する情報処理装置と、を含み、
前記情報処理装置は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、前記キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、前記キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、適切なキャンセル料金を決定する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2図1に示す情報処理システムのブロック図である。
図3図2に示す情報処理システムの予約処理の動作を示すシーケンス図である。
図4図2に示す情報処理システムのキャンセル処理の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(システムの構成)
図1に示すように、情報処理システム1は、複数の車両10と、少なくとも1つの端末装置20と、少なくとも1つの情報処理装置30とを含む。図1に示す情報処理システム1は、複数の車両10を含む。ただし、情報処理システム1は、少なくとも一台の車両10を含めばよい。
【0013】
車両10と、端末装置20と、情報処理装置30とは、ネットワーク2を介して通信可能である。ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む任意のネットワークであってよい。
【0014】
車両10は、オンデマンドバスとして運行される。オンデマンドバスは、ユーザの要求に応じて運行されるバスである。ユーザは、オンデマンドバスを事前に予約して利用する。
【0015】
車両10は、例えば、予め設定された基本ルートを走行する。ユーザは、例えば、予め指定した車両10の配車場所で、車両10に乗車する。車両10の配車場所は、基本ルート上にあってもよいし、基本ルート上になくてもよい。車両10の配車場所が基本ルート上にない場合、車両10は、配車時刻が近づくと、基本ルートを外れて配車場所に向かう。
【0016】
複数の車両10のうちの少なくとも一部は、一日のうちの一部の時間帯例えば通勤時間帯では、基本ルートを走行する路線バスとして運行されてもよい。路線バスは、予め定められた時刻表に従って運行されるバスである。
【0017】
車両10は、任意の自動車であってよい。車両10は、例えば、ガソリン自動車、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)又は燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)等である。車両10は、運転者によって運転されてもよい。車両10の運転の一部は、任意のレベルで自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両10は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両であってもよい。
【0018】
端末装置20は、ユーザによって使用される。ユーザは、端末装置20を操作してオンデマンドバスの利用予約をする。また、ユーザは、オンデマンドバスの利用予約をキャンセルしたい場合、端末装置20を操作してオンデマンドバスの利用予約をキャンセルする。
【0019】
端末装置20は、ネットワーク2に接続可能であれば、任意の装置であってよい。端末装置20は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等である。
【0020】
情報処理装置30は、オンデマンドバスの利用予約を管理する。情報処理装置30は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定する。
【0021】
情報処理装置30は、オンデマンドバスサービスを提供する主体によって運用されてよい。情報処理装置30は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータ、汎用のパーソナルコンピュータ又はクラウドコンピューティングシステム等である。
【0022】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0023】
通信部11は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0024】
測位部12は、車両10の位置情報を取得可能である。測位部12は、衛星測位システムに対応する少なくとも1つの受信モジュールを含んで構成される。受信モジュールは、例えば、GPS(Global Positioning System)に対応した受信モジュールである。ただし、受信モジュールは、これに限定されない。受信モジュールは、任意の衛星測位システムに対応した受信モジュールであってよい。
【0025】
出力部13は、データを出力可能である。出力部13は、データを出力可能な少なくとも1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0026】
記憶部14は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically erasable programmable read only memory)等である。記憶部14は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部14には、車両10の動作に用いられるデータと、車両10の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0027】
制御部15は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御部15は、車両10の各部を制御しながら、車両10の動作に関わる処理を実行する。
【0028】
車両10の機能は、本実施形態に係る車両プログラムを、制御部15に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、車両10の機能は、ソフトウェアにより実現される。車両プログラムは、車両10の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを車両10として機能させる。つまり、コンピュータは、車両プログラムに従って車両10の動作を実行することにより、車両10として機能する。
【0029】
本開示において「プログラム」は、コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体に記録しておくことが可能である。コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬型記録媒体を販売する、譲渡する、又は貸与することにより、行われる。プログラムは、サーバのストレージに格納されてよい。サーバのストレージに格納されたプログラムは、他のコンピュータに転送されることにより、流通されてもよい。プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0030】
本開示において「コンピュータ」は、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。さらに、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、サーバからコンピュータへのプログラムの転送を行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0031】
車両10の一部又は全ての機能が、制御部15に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、車両10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0032】
制御部15は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、運行スケジュールを通信部11によって受信する。運行スケジュールは、例えば、後述の、予定ルート、配車予定場所の位置情報、配車予定時刻、降車予定場所の位置情報及び降車予定時刻の少なくとも何れかを含む。ただし、運行スケジュールは、これらに限定されない。運行スケジュールは、車両10の運行に用いられる任意の情報を含んでよい。制御部15は、受信した運行スケジュールを記憶部14に格納する。制御部15は、新たな運行スケジュールを受信した場合、新たな運行スケジュールによって、記憶部14の運行スケジュールを更新してよい。
【0033】
制御部15は、記憶部14に記憶された運行スケジュールに従って車両10が走行するように制御する。一例として、車両10が運転者によって運転される場合、制御部15は、運行スケジュールを出力部13に出力させることにより、運行スケジュールを運転者に提示する。制御部15は、運行スケジュールを運転者に提示することにより、運行スケジュールに従った車両10の運転を運転者に促す。他の例として、車両10の運転が自動化されている場合、制御部15は、車両10の自動運転システムに運行スケジュールに従った車両10の運転を指示する。
【0034】
制御部15は、例えば車両10の走行中、車両10の位置情報を測位部12によって取得する。制御部15は、取得した車両10の位置情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置30に通信部11によって送信する。制御部15は、任意の時間間隔で、車両10の位置情報を取得し、取得した車両10の位置情報を情報処理装置30に送信してよい。この時間間隔は、車両10の速度等に基づき、適宜設定されてよい。
【0035】
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置20は、通信部21と、入力部22と、出力部23と、記憶部24と、制御部25とを備える。
【0036】
通信部21は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、LTE、4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0037】
入力部22は、ユーザからの入力を受付可能である。入力部22は、ユーザからの入力を受付可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成される。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン又はマイク等である。ただし、入力用インタフェースは、これに限定されない。
【0038】
出力部23は、データを出力可能である。出力部23は、データを出力可能な少なくとも1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0039】
記憶部24は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部24は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部24には、端末装置20の動作に用いられるデータと、端末装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0040】
制御部25は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部25は、端末装置20の各部を制御しながら、端末装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0041】
端末装置20の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部25に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、端末装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置20の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを端末装置20として機能させる。つまり、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置20の動作を実行することにより、端末装置20として機能する。
【0042】
端末装置20の一部又は全ての機能が、制御部25に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、端末装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0043】
制御部25は、オンデマンドバスの利用予約の申請の入力を、入力部22によって受け付ける。この申請の入力は、オンデマンドバスを事前に予約して利用したいユーザによって入力部22から入力される。例えば、ユーザは、この申請の入力を、オンデマンドバスを利用したい日時の数日前から数時間前に、入力部22から入力する。この申請の入力とともに、制御部25は、オンデマンドバスの利用においてユーザが希望する希望条件の入力を入力部22によって受け付けてよい。希望条件は、希望日、配車希望場所、配車希望時刻、降車希望場所、降車希望時刻及び搭乗者の希望人数の少なくとも何れかを含んでよい。希望日は、オンデマンドバスの利用をユーザが希望する日である。配車希望場所は、ユーザが希望するオンデマンドバスを配車する場所である。配車希望時刻は、ユーザが希望するオンデマンドバスを配車する時刻である。降車希望場所は、ユーザが希望するオンデマンドバスからユーザが降車する場所である。降車希望時刻は、ユーザが希望するオンデマンドバスからユーザが降車する時刻である。搭乗者の希望人数は、ユーザ希望するオンデマンドバスに搭乗する人数である。ユーザが一人でオンデマンドバスに乗車することを希望する場合、搭乗者の希望人数は、一人となる。制御部25は、これらの入力を入力部22によって受け付けると、オンデマンドバスの利用予約の申請を示す申請情報を生成する。申請情報は、例えば、ユーザの識別情報及び希望条件の情報を含む。制御部25は、生成した申請情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置30に通信部21によって送信する。
【0044】
制御部25は、申請情報の送信後、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、予約完了通知及び予約情報を、通信部21によって受信し得る。予約完了通知は、オンデマンドバスの利用予約が完了したことを示す通知である。予約情報は、例えば、予定日、配車予定場所、配車予定時刻、降車予定場所、降車予定時刻、搭乗者の予定人数及び予定ルートの少なくとも何れかの情報を含む。予定日は、ユーザがオンデマンドバスを利用することが予定される日である。配車予定場所は、オンデマンドバスが配車される予定の場所である。配車予定時刻は、オンデマンドバスが配車される予定の時刻である。降車予定場所は、オンデマンドバスからユーザが降車する予定の場所である。降車予定時刻は、オンデマンドバスからユーザが降車する予定の時刻である。搭乗者の予定人数は、オンデマンドバスに搭乗する予定の人数である。搭乗者の予定人数は、ユーザが一人でオンデマンドバスに乗車することが予定される場合、一人となる。予定ルートは、配車予定場所から降車予定場所まで、オンデマンドバスが走行する予定のルートである。制御部25は、予約完了通知及び予約情報を出力部23に出力させる。予約完了通知等が出力部23から出力されることにより、ユーザは、オンデマンドバスの利用予約が完了したこと等を把握し得る。
【0045】
<キャンセル処理>
制御部25は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルの入力を、入力部22によって受け付ける。このキャンセルの入力は、オンデマンドバスの利用予約をキャンセルしたいユーザによって、入力部22から入力される。制御部25は、このキャンセルの入力を入力部22によって受け付けると、ネットワーク2を介して情報処理装置30に、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルを示すキャンセル通知を、通信部21によって送信する。
【0046】
制御部25は、キャンセル通知の送信後、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、キャンセル料金の情報を通信部21によって受信する。制御部25は、キャンセル料金の情報を出力部23に出力させる。キャンセル料金の情報が出力部23から出力されることにより、ユーザは、キャンセル料金を把握し得る。
【0047】
<提示処理>
上述したオンデマンドバスの利用予約の申請及びオンデマンドバスの利用予約のキャンセルは、Web上の入力フォームを介して実行されてよい。この場合、キャンセル処理では、制御部25は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルを入力可能な入力フォームの提示を要求する入力を、入力部22によって受け付ける。制御部33は、この入力を入力部22によって受け付けると、要求信号を、ネットワーク2を介して情報処理装置30に、通信部21によって送信する。要求信号は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルを入力可能な入力フォームの提示を要求する信号である。
【0048】
制御部25は、要求信号の送信後、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報を、通信部21によって受信する。制御部25は、受信した現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報を、出力部23に出力させる。現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報が出力部23から出力されることにより、ユーザは、キャンセル料金を考慮し、オンデマンドバスの利用予約をキャンセルすべきか否かを考えることができる。
【0049】
(情報処理装置の構成)
図2に示すように、情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0050】
通信部31は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。通信部31は、通信モジュールによって有線LAN又は無線LANを介して、ネットワーク2に接続される。
【0051】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部32は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部32には、情報処理装置30の動作に用いられるデータと、情報処理装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0052】
制御部33は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部33は、情報処理装置30の各部を制御しながら、情報処理装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0053】
情報処理装置30の機能は、本実施形態に係る処理プログラムを、制御部33に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、情報処理装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。処理プログラムは、情報処理装置30の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを情報処理装置30として機能させる。つまり、コンピュータは、処理プログラムに従って情報処理装置30の動作を実行することにより、情報処理装置30として機能する。
【0054】
情報処理装置30の一部又は全ての機能が、制御部33に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、情報処理装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0055】
制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、申請情報を、通信部31によって受信する。制御部33は、申請情報を受信すると、オンデマンドバスの予約処理を実行する。
【0056】
<予約処理>
制御部33は、複数の車両10のうちから、受信した申請情報に含まれるユーザの希望条件を満たす車両10を抽出する。制御部33は、ユーザの希望条件を満たす車両10が存在しない場合、希望条件の変更をユーザに提案する提案情報を、ネットワーク2を介して端末装置20に通信部31によって送信してよい。この場合、端末装置20では、制御部25は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、提案情報を通信部21によって受信する。制御部25は、提案情報を出力部23に出力させる。ユーザは、出力部23から出力された提案情報を見ると、変更後の希望条件の入力を入力部22から入力する。制御部25は、変更後の希望条件の情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置30に通信部21によって送信する。情報処理装置30では、制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、変更後の希望条件の情報を通信部31によって受信する。制御部33は、複数の車両10のうちから、変更後の希望条件を満たす車両10を抽出する。
【0057】
制御部33は、ユーザの希望条件を満たす車両10を抽出すると、ユーザの希望条件を満たすように、抽出した車両10の運行スケジュールを変更する。制御部33は、変更後の運行スケジュールを、ネットワーク2を介して抽出した車両10に、通信部31によって送信する。また、制御部33は、予約情報を生成する。制御部33は、予約完了通知及び予約情報を、ネットワーク2を介して端末装置20に、通信部31によって送信する。
【0058】
<キャンセル処理>
制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、キャンセル通知を、通信部31によって送信する。制御部33は、このキャンセル通知を受信することにより、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生したと判定する。
【0059】
制御部33は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、複数の車両10のうちから、ユーザが乗車する予定だった車両10を特定する。制御部33は、キャンセル通知に基づき、特定した車両10の運行スケジュールを変更する。制御部33は、変更後の運行スケジュールを、ネットワーク2を介して特定した車両10に通信部31によって送信する。
【0060】
制御部33は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する。決定されるキャンセル料金は、一人当たりのキャンセル料金である。ただし、決定されるキャンセル料金は、一人当たりのキャンセル料金に限定されない。制御部33は、端末装置20からキャンセル通知を受信したタイミングを、キャンセルが発生したタイミングとみなしてよい。例えばオンデマンドバスの利用予約をキャンセルするまで、ユーザがオンデマンドバスの利用予約の内容を変更したりする場合がある。キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定することにより、ユーザに適切なキャンセル料金を請求することができる。制御部33は、決定したキャンセル料金の情報を、ネットワーク2を介して端末装置20に通信部31によって送信する。
【0061】
制御部33は、オンデマンドバスの運賃の上限額を超えないようにしつつ、キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定してよい。キャンセル料金がオンデマンドバスの運賃の上限額を超えないようにすることにより、キャンセル料金が不当に高くなってしまうことを抑制することができる。
【0062】
以下、キャンセル料金の決定処理の一例について説明する。
【0063】
[例1]
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいてオンデマンドバスにユーザと同乗する予定の同乗予定者が存在するか否かに基づいてキャンセル料金を決定してよい。
【0064】
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいてオンデマンドバスにユーザと同乗する予定の同乗予定者が存在する場合、同乗予定者が存在しない場合よりも、低額なキャンセル料金を決定してよい。つまり、キャンセル料金は、キャンセルが発生したタイミングにおいて同乗予定者が存在する場合、同乗予定者が存在しない場合よりも、低額であってよい。制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいて、予約情報に含まれる搭乗者の予定人数が2人以上である場合、同乗予定者が存在すると判定してよい。制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいて、予約情報に含まれる搭乗者の予定人数が1人である場合、同乗予定者が存在しないと判定してよい。
【0065】
同乗予定者が存在する場合に一人当たりのキャンセル料金を低額にすることにより、ユーザの負担を軽減することができる。ここで、オンデマンドバスを運行させるためには、燃料費等のコストがかかる。このコストは、オンデマンドバスの利用予約がキャンセルされた場合、キャンセル料金によって補填され得る。同乗予定者が存在する場合、キャンセル料金を支払う人数が増える。そのため、同乗予定者が存在する場合に一人当たりのキャンセル料金を低額にしても、同乗予定者が存在する場合と同乗予定者が存在しない場合とで、キャンセル料金の総額をほぼ同額にすることができる。つまり、同乗予定者が存在する場合に一人当たりのキャンセル料金を低額にしても、同乗予定者が存在しない場合と同じように、オンデマンドバスの運行にかかるコストを補填することができる。
【0066】
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいて同乗予定者が存在する場合、同乗予定者の人数が多いほど、低額なキャンセル料金を決定してもよい。つまり、キャンセル料金は、同乗予定者の人数が多いほど、低額であってよい。同乗予定者の人数が多いほど一人当たりのキャンセル料金を低額にすることにより、ユーザの負担をより軽減することができる。また、同乗予定者の人数が多いほど、キャンセル料金を支払う人数が増える。そのため、同乗予定者の人数が多いほど一人当たりのキャンセル料金を低額にしても、例えば同乗予定者が存在しない場合とキャンセル料金の総額をほぼ同額にすることができる。つまり、同乗予定者の人数が多いほど一人当たりのキャンセル料金を低額にした場合でも、同乗予定者が存在しない場合と同じように、オンデマンドバスの運行にかかるコストを補填することができる。
【0067】
[例2]
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいてオンデマンドバスが配車予定場所に向かうために基本ルートから外れている場合、基本ルートから外れていない場合よりも、高額なキャンセル料金を決定してよい。つまり、キャンセル料金は、キャンセルが発生したタイミングにおいてオンデマンドバスが配車予定場所に向かうために基本ルートから外れている場合、基本ルートから外れていない場合よりも、高額であってよい。制御部33は、ネットワーク2を介して車両10から、車両10の位置情報を通信部31によって受信してよい。制御部33は、受信した車両10の位置情報と基本ルートとによって、オンデマンドバスが基本ルートから外れているか否かを判定してよい。
【0068】
オンデマンドバスが基本ルートから外れた後に利用予約がキャンセルされた場合、オンデマンドバスには、基本ルートに戻ることが要求される。オンデマンドバスが基本ルートから外れた後に基本ルートに戻る場合、追加の燃料費等が発生するため、オンデマンドバスの運行にかかる追加のコストが発生する。オンデマンドバスが配車予定場所に向かうために基本ルートから外れている場合にキャンセル料金を高額にすることにより、キャンセル料金によって追加のコストを補填することができる。また、オンデマンドバスが配車予定場所に向かうために基本ルートから外れている場合にキャンセル料金を高額にすることにより、より早いタイミングでオンデマンドバスの利用予約をキャンセルするようにユーザに促すことができる。
【0069】
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおいてオンデマンドバスが配車予定場所に向かうために基本ルートから外れている場合、基本ルートから外れた度合いに基づいてキャンセル料金を決定してもよい。基本ルートから外れた度合いは、オンデマンドバスが基本ルートから外れてから走行した距離であってもよいし、オンデマンドバスが基本ルートから外れてから経過した時間であってもよい。上述したように、オンデマンドバスが基本ルートから外れた後に基本ルートに戻る場合、オンデマンドバスの運行にかかる追加のコストが発生する。基本ルートから外れた度合いに基づいてキャンセル料金を決定することにより、キャンセル料金によって追加のコストをより確実に補填することができる。
【0070】
制御部33は、オンデマンドバスが基本ルートから外れた度合いが大きいほど、高額なキャンセル料金を決定してもよい。つまり、キャンセル料金は、オンデマンドバスが基本ルートから外れた度合いが大きいほど、高額であってよい。オンデマンドバスが基本ルートから外れた度合いが大きいほど、オンデマンドバスが基本ルートに戻ることによって発生する追加のコストが増加する。オンデマンドバスが基本ルートから外れた度合いが大きいほどキャンセル料金を高額にすることにより、キャンセル料金によって追加のコストをより確実に補填することができる。
【0071】
[例3]
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングにおける配車予定時刻又は降車予定時刻が設定時間帯に含まれる場合、設定時間帯に含まれない場合よりも、高額なキャンセル料金を決定してよい。つまり、キャンセル料金は、キャンセルが発生したタイミングにおける配車予定時刻又は降車予定時刻が設定時間帯に含まれる場合、設定時間帯に含まれない場合よりも、高額であってよい。設定時間帯は、例えばオンデマンドバスの需要が高くなる時間帯に基づき、設定されてよい。
【0072】
一例として、設定時間帯は、オンデマンドバスの予約数が閾値以上になる時間帯であってよい。オンデマンドバスの予約数は、オンデマンドバスが利用される予定日の時間毎の予約数であってもよい。閾値は、例えばオンデマンドバスの座席数に基づき、設定されてよい。オンデマンドバスの予約数が閾値以上になる時間帯では、オンデマンドバスの需要が高くなる。
【0073】
他の例として、設定時間帯は、通勤時間帯に基づいて設定されてもよい。この場合、設定時間帯は、通勤時間帯の少なくとも一部を含む時間帯であってよい。通勤時間帯では、オンデマンドバスの需要が高くなる。また、通勤時間帯において複数の車両10のうちの一部が上述した路線バスとして運行される場合、通勤時間帯では、オンデマンドバスの数が他の時間帯と比較して少なくなる。そのため、オンデマンドバスの需要がより高くなる。
【0074】
オンデマンドバスの需要が高くなる時間帯では、オンデマンドバスを利用予約することが他の時間帯よりも難しくなる場合がある。ユーザの配車予定時刻等が設定時間帯に含まれる場合にキャンセル料金が高額になることにより、設定時間帯におけるオンデマンドバスの利用予約をユーザがキャンセルする可能性が低減する。
【0075】
[例4]
制御部33は、キャンセルが発生したタイミングが早いほど、低額なキャンセル料金を決定してよい。つまり、キャンセル料金は、キャンセルが発生したタイミングが早いほど、低額であってよい。キャンセルが発生したタイミングが早いほどキャンセル料金を低額にすることにより、より早いタイミングでオンデマンドバスの利用予約をキャンセルするようにユーザに促すことができる。より早いタイミングでオンデマンドバスの利用予約がキャンセルされれば、他のユーザがオンデマンドバスの利用予約をすることができる。
【0076】
<提示処理>
上述したオンデマンドバスの利用予約の申請及びオンデマンドバスの利用予約のキャンセルは、Web上の入力フォームを介して実行されてよい。この場合、制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、上述した要求信号を通信部31によって受信する。制御部33は、この要求信号を受信したタイミングをオンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生したタイミングとみなして、上述したようにキャンセル料金を決定する。制御部33は、決定したキャンセル料金の情報を、現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報として、ネットワーク2を介して端末装置20に通信部31によって送信する。制御部33は、決定したキャンセル料金の情報を端末装置20に送信する代わりに、決定したキャンセル料金の情報を現時点でキャンセルした場合のキャンセル料金の情報として、Web上の入力フォームに提示してもよい。
【0077】
(システムの動作)
図3は、図1に示す情報処理システム1の予約処理の動作を示すシーケンス図である。この動作は、本実施形態に係る情報処理方法の一例に相当する。例えば、端末装置20がユーザからオンデマンドバスの利用予約の申請の入力等を受け付けると、情報処理システム1は、ステップS1からの処理を実行する。
【0078】
端末装置20では、制御部25は、オンデマンドバスの利用予約の申請を示す申請情報を生成する(ステップS1)。制御部25は、ステップS1の処理で生成した申請情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置30に、通信部21によって送信する(ステップS2)。
【0079】
情報処理装置30では、制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、申請情報を通信部31によって受信する(ステップS3)。制御部33は、ステップS3の処理によって申請情報を受信すると、複数の車両10のうちから、申請情報に含まれるユーザの希望条件を満たす車両10を抽出する。制御部33は、ユーザの希望条件を満たすように、抽出した車両10の運行スケジュールを変更する(ステップS4)。制御部33は、変更後の運行スケジュールを、ネットワーク2を介して車両10に、通信部31によって送信する(ステップS5)。車両10では、制御部15は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、変更後の運行スケジュールを通信部21によって受信する(ステップS6)。
【0080】
情報処理装置30では、制御部33は、ステップS4の処理を実行した後、予約情報を生成する(ステップS7)。制御部33は、予約完了通知及び予約情報を、ネットワーク2を介して端末装置20に、通信部31によって送信する(ステップS8)。端末装置20では、制御部25は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、予約完了通知及び予約情報を通信部21によって受信する(ステップS9)。
【0081】
図4は、図1に示す情報処理システム1のキャンセル処理の動作を示すシーケンス図である。この動作は、本実施形態に係る情報処理方法の一例に相当する。例えば、端末装置20がユーザからオンデマンドバスの利用予約のキャンセルの入力を受け付けると、情報処理システム1は、ステップS11からの処理を開始する。
【0082】
端末装置20では、制御部25は、ネットワーク2を介して情報処理装置30に、キャンセル通知を、通信部21によって送信する(ステップS11)。情報処理装置30では、制御部33は、ネットワーク2を介して端末装置20から、キャンセル通知を通信部31によって受信する(ステップS12)。
【0083】
情報処理装置30では、制御部33は、ステップS12の処理によってキャンセル通知を受信すると、キャンセル通知に基づき、ユーザが乗車する予定だった車両10の運行スケジュールを変更する(ステップS13)。制御部33は、変更後の運行スケジュールを、ネットワーク2を介して車両10に通信部31によって送信する(ステップS14)。車両10では、制御部15は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、変更後の運行スケジュールを通信部11によって受信する(ステップS15)。
【0084】
情報処理装置30では、制御部33は、ステップS12の処理によってキャンセル通知を受信すると、キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定する(ステップS16)。制御部33は、決定したキャンセル料金の情報を、ネットワーク2を介して端末装置20に通信部31によって送信する(ステップS17)。端末装置20では、制御部25は、ネットワーク2を介して情報処理装置30から、キャンセル料金の情報を通信部21によって受信する(ステップS18)。
【0085】
このように情報処理装置30では、制御部33は、オンデマンドバスの利用予約のキャンセルが発生すると、キャンセルをしたユーザに請求するキャンセル料金を、キャンセルが発生したタイミングに基づいて決定する。例えばオンデマンドバスの利用予約をキャンセルするまで、ユーザがオンデマンドバスの利用予約の内容を変更したりする場合がある。キャンセルが発生したタイミングに基づいてキャンセル料金を決定することにより、ユーザに適切なキャンセル料金を請求することができる。よって、本実施形態によれば、適切なキャンセル料金を決定する技術を提供することができる。
【0086】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0087】
例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は、当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
10 車両
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 記憶部
15 制御部
20 端末装置
21 通信部
22 入力部
23 出力部
24 記憶部
25 制御部
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
図1
図2
図3
図4