(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、車両システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2021208621
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 貴文
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-167133(JP,A)
【文献】特開2021-084502(JP,A)
【文献】特開2010-206976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の車両から、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを取得することと、
前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有
し、使用の有無が前記第一の車両の運転者によって選択可能な所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点であ
って、前記第一の車両の走行時において、前記所定の運転支援機能が利用されなかった地点を第一の地点として識別することと、
前記第一の地点を、前記第一の車両の過去における走行経路にマッピングした地図を生成することと、
を実行する制御部を有
する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記車両データは、前記運転支援機能の動作条件の充足状況を地点ごとに表したデータである、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第一の車両は、前記運転支援機能の動作条件を満たした旨の通知を走行中に
前記運転者に対して行う機能を有した車両であり、
前記
第一の地点は、前記第一の車両の走行中に
前記運転者に対して前記通知が行われなかった地点である、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記車両データは、前記通知の有無を地点ごとに表したデータである、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記車両データは、前記運転支援機能の利用状況を地点ごとに表したデータである、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第一の車両に搭載される車載装置と、サーバ装置と、を含む車両システムであって、
前記車載装置は、
前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを前記サーバ装置に送信する第
一の制御部を有し、
前記サーバ装置は、
前記車載装置から取得した前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有
し、使用の有無が前記第一の車両の運転者によって選択可能な所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点であ
って、前記第一の車両の走行時において、前記所定の運転支援機能が利用されなかった地点を第一の地点として識別し、前記第一の地点を、前記第一の車両の過去における走行経路にマッピングした地図を生成する第二の制御部を有
する、
車両システム。
【請求項7】
前記車両データは、前記運転支援機能の動作条件の充足状況を地点ごとに表したデータである、
請求項
6に記載の車両システム。
【請求項8】
前記第一の車両は、前記運転支援機能の動作条件を満たした旨の通知を走行中に
前記運転者に対して行う機能を有した車両であり、
前記
第一の地点は、前記第一の車両の走行中に
前記運転者に対して前記通知が行われなかった地点である、
請求項
6に記載の車両システム。
【請求項9】
前記車両データは、前記通知の有無を地点ごとに表したデータである、
請求項
8に記載の車両システム。
【請求項10】
前記車両データは、前記運転支援機能の利用状況を地点ごとに表したデータである、
請求項
6に記載の車両システム。
【請求項11】
コンピュータが行う情報処理方法であって、
第一の車両から、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを取得するステップと、
前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有
し、使用の有無が前記第一の車両の運転者によって選択可能な所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点であ
って、前記第一の車両の走行時において、前記所定の運転支援機能が利用されなかった地点を第一の地点として識別するステップと、
前記第一の地点を、前記第一の車両の過去における走行経路にマッピングした地図を生成するステップと、
を含
む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転支援機能に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クルーズコントロールや半自動運転といった、運転支援機能を有する車両が普及している。これに関して、例えば、特許文献1には、運転支援機能の利用を運転者に提案する車載装置に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両を運転するユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、第一の車両から、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを取得することと、前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有する所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点である第一の地点を識別することと、を実行する制御部を有する、情報処理装置である。
【0006】
本開示の実施形態の一態様は、第一の車両に搭載される車載装置と、サーバ装置と、を含む車両システムであって、前記車載装置は、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを前記サーバ装置に送信する第一の制御部を有し、前記サーバ装置は、前記車載装置から取得した前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有する所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点である第一の地点を識別する第二の制御部を有する、車両システムである。
【0007】
本開示の実施形態の一態様は、第一の車両から、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを取得するステップと、前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有する所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点である第一の地点を識別するステップと、を含む、情報処理方法である。
【0008】
また、他の態様として、上記の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両を運転するユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施形態に係る車両システムの概要図。
【
図2】第一の実施形態に係る車両が有する構成要素を説明する図。
【
図4】車両から送信される車両データを説明する図。
【
図7】第一の地点を教示するためのマップの別の例。
【
図10】サーバ装置とユーザ端末との間における処理のシーケンス図。
【
図13】第二の実施形態で車載装置が実行する処理のフローチャート。
【
図15】第三の実施形態で車載装置が実行する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
近年、運転支援機能を有する車両が普及している。運転支援機能として、例えば、アダプティブクルーズコントロール機能、ステアリングアシスト機能、路面の状況に応じて適切な動力配分を行う機能、および、リモートパーキング機能といったものが挙げられる。
【0012】
これらの運転支援機能は、自車両が所定の条件を満たした場合に利用可能になる場合が多い。例えば、高速道路において半自動運転を開始するためには、(1)所定の高速道路を走行していること、(2)車両が所定の速度域で走行していること、(3)車線変更中でないこと、といった複数の条件を満たす必要がある。本開示においては、このような条件を、(運転支援機能の)動作条件と称する。
【0013】
車両が、運転支援機能の動作条件を満たしていることを運転者に通知する技術がある。しかし、運転支援機能には様々なものがあるため、条件が成立したことのみをトリガとして通知を行うと、頻繁に通知が発せられ、運転者を煩わせてしまうおそれがある。一方、通知の頻度を抑えると、運転支援機能が利用可能であるにもかかわらず、運転者がそれを認識できないといった問題が起こりうる。
本開示に係る情報処理装置は、かかる問題を解決する。
【0014】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、第一の車両から、前記第一の車両の走行に関するデータである車両データを取得することと、前記車両データに基づいて、前記第一の車両が有する所定の運転支援機能の動作条件を前記第一の車両が走行中に満たした地点である第一の地点を識別することと、を実行する制御部を有することを特徴とする。
【0015】
ユーザとは、典型的には、第一の車両の運転者である。
所定の運転支援機能とは、第一の車両が有する一つ以上の運転支援機能のうちの少なくともいずれかである。制御部は、第一の車両から、当該車両の走行に関するデータ(車両データ)を取得する。車両データは、第一の車両が有する所定の運転支援機能の動作条件が満たされた地点(第一の地点と称する)を識別するためのデータである。
情報処理装置がサーバ装置である場合、制御部は、第一の車両から送信された車両データを受信してもよい。また、情報処理装置が第一の車両に搭載された装置である場合、制御部は、自車両の車両プラットフォームから斯様なデータを受信してもよい。
【0016】
さらに、制御部は、車両データに基づいて、所定の運転支援機能の動作条件が満たされた地点(換言すると、所定の運転支援機能が利用可能であった地点)を識別する。識別の結果得られた地点は、ユーザに教示してもよい。かかる構成によると、所定の運転支援機能が利用可能であったことを、事後的にユーザに伝達することが可能になる。
【0017】
制御部は、第一の地点を、過去における第一の車両の走行経路にマッピングした地図を生成してもよい。かかる構成によると、どのような地点で運転支援機能が利用できたのかをユーザに視覚的に伝達することができる。
【0018】
なお、制御部は、必ずしも全ての第一の地点をユーザに教示しなくてもよい。例えば、ユーザが、運転支援機能の動作条件を満たした旨の通知を走行中に受け取っている場合や、対応する地点において、当該運転支援機能の利用履歴がある場合、当該地点については、教示の対象外としてもよい。
【0019】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る車両システムの概要について、
図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る車両システムは、車両10と、サーバ装置200と、ユーザ端末300と、を含んで構成される。車両システムに含まれる車両10およびユーザ端末300は、複数台であってもよい。
【0021】
車両10は、複数の運転支援機能を提供可能な車両である。複数の運転支援機能は、それぞれ、所定の条件下において利用可能になる。
車両10は、走行中において、複数の運転支援機能のそれぞれについて、動作条件が満たされたか否かを判定する。また、車両10は、動作条件が満たされた運転支援機能と、その地点の組み合わせを通知するためのデータを生成し、サーバ装置200に送信する。
また、サーバ装置200は、車両10から受信したデータに基づいて、「どの地点において、どの運転支援機能が利用可能であったか」を教示するためのマップを生成し、ユーザ端末300に送信する。
これにより、車両10のユーザは、利用可能な運転支援機能があったことを事後的に認識することができる。
【0022】
システムを構成する各要素について説明する。
車両10は、外部ネットワークとの通信機能を有するコネクティッドカーである。車両10は、車載装置100と、電子制御ユニット120(Electronic Control Unit,EC
Uとも称する)を含んで構成される。なお、
図1では、単一のECUを例示しているが、車両10は、複数のECUを含んでいてもよい。
【0023】
図2は、本実施形態に係る車両10が有する構成要素を説明する図である。本実施形態に係る車両10は、車載装置100と、複数のECU120と、センサ群140を含んで構成される。
【0024】
なお、本例では、単一のECUを例示しているが、車両10は、異なる車両コンポーネントを管轄する複数のECUを含んでいてもよい。複数のECUとして、例えば、ボディECU、エンジンECU、ハイブリッドECU、パワートレインECUなどが例示できる。また、ECUは、機能単位で分割されていてもよい。例えば、セキュリティ機能を実行するECU、自動駐車機能を実行するECU、リモートコントロール機能を実行するECUといった区分けも可能である。
【0025】
まず、車載装置100について説明する。
車載装置100は、車両の乗員に情報を提供する装置(例えば、カーナビゲーション装置)である。車載装置100は、カーナビゲーション装置、インフォテインメント装置、ヘッドユニットとも呼ばれる。車載装置100によって、車両の乗員に対して、ナビゲーションや娯楽の提供を行うことができる。
車載装置100は、外部ネットワークと無線通信を行う機能を有する。車載装置100
は、車両10の外部ネットワークと通信することで、交通情報、道路地図データ、音楽や動画像などをダウンロードする機能を有していてもよい。また、車載装置100は、スマートフォン等と連携可能な装置であってもよい。
【0026】
車載装置100は、汎用のコンピュータにより構成することができる。すなわち、車載装置100は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0027】
車載装置100は、制御部101、記憶部102、通信部103、入出力部104、無線通信部105、および、位置情報取得部106を有して構成される。
【0028】
制御部101は、所定のプログラムを実行することで、車載装置100の各種機能を実現する演算ユニットである。制御部101は、例えば、CPU等によって実現されてもよい。
制御部101は、判定部1011、送信部1012、および、機能提供部1013の3つの機能モジュールを有して構成される。各機能モジュールは、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0029】
判定部1011は、ECU120が提供する複数の運転支援機能のそれぞれについて、動作条件が成立しているか否かを判定する。判定部1011は、例えば、後述する車内ネットワークのバスを介して、車両10を制御するための制御データ、および、車載されたセンサによって生成されたセンサデータを取得し、動作条件の成立有無を判定する。
なお、判定部1011は、所定の運転支援機能の動作条件が成立した場合に、その旨を運転者に通知してもよい。通知は、例えば、運転席に設けられた表示灯やディスプレイを介して行うことができる。
【0030】
ここで、運転支援機能の動作条件について説明する。
図3は、複数の運転支援機能と、その動作条件を示した表である。例えば、図示した例では、以下の条件が満たされた場合、運転支援機能「スノーモード」の利用が可能になる。
(1)外気温が0度以下である
(2)ワイパーが動作中である
(3)現在のドライブモードがスノーモード以外である
(4)トラクションコントロール機能による制御が介入した履歴がある
このような動作条件のリストは、動作条件データとして、ECU120と、車載装置100の双方によって保持されている。
車載装置100(判定部1011)は、斯様なデータと、車載ネットワークを介して取得したセンサデータ等を照らし合わせることで、運転支援機能の動作条件が成立したことを判定する。判定の結果は、送信部1012へ送られる。
【0031】
送信部1012は、車両10の状態に関するデータ(以下、車両データ)を生成し、サーバ装置200に周期的に送信する。車両データには、車両の走行に関するデータと、判定部1011が行った判定の結果が含まれる。
【0032】
車両データについて具体的に説明する。
図4は、送信部1012が生成する車両データ
の例である。
車両IDは、対象の車両10を一意に識別するための識別子である。
位置情報は、車両データが生成された地点の位置(緯度,経度)を表す情報である。
走行データは、車両10の走行に関するデータである。走行データとして、例えば、車両10の速度、進行方向、運転操作に関する情報(例えば、スロットル開度、ステアリング操作量)などが例示できる。このようなデータは、車内ネットワークを流れる制御データやセンサデータに基づいて取得することができる。
符号401は、判定部1011が行った判定の結果が格納されるフィールドである。当該フィールドには、動作条件が成立した運転支援機能の識別子が格納される。本例では、Xというタイミングで、F001およびF002という識別子を持つ運転支援機能の動作条件が成立したことを示している。以下、運転支援機能の動作条件が成立した地点を第一の地点と称する。
【0033】
車両データを生成するタイミングにおいて、いずれかの運転支援機能の動作条件が成立している場合、送信部1012は、該当する運転支援機能の識別子を、車両データ内の所定のフィールド(符号401)に格納する。複数の運転支援機能の動作条件が成立している場合、当該フィールドには、複数の識別子が格納される。なお、いずれの運転支援機能の動作条件も成立していない場合、当該フィールドにデータは格納されない。
【0034】
なお、車両データには、車両10の走行に関する他のデータが含まれてもよい。このようなデータとして、例えば、車両10の速度、進行方向、運転操作に関する情報(例えば、スロットル開度、ステアリング操作量)などが例示できる。
車両データは、車載ネットワークを流れる制御データやセンサデータに基づいて取得することができる。
【0035】
機能提供部1013は、車載装置100によって提供される各種の機能を実行する。車載装置100によって提供される機能として、例えば、以下のようなものがある。
・端末リンク機能
車両の乗員が有する端末(スマートフォン等)と接続し、音楽や動画の再生、画面のミラーリング等を行う機能である。
・オーディオ機能
記憶装置に保存された楽曲を再生する機能である。
・テレビ/ラジオ機能
ラジオ放送やデジタルテレビ放送を受信する機能である。
・ナビゲーション機能
記憶装置に記憶された地図データに基づいて、経路ナビゲーションを提供する機能である。
これらの機能は、例えば、入出力部104(タッチパネル)を介して提供することができる。
【0036】
記憶部102は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部102には、制御部101にて実行される各種プログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。また、記憶部102には、前述した動作条件データ(102A)が記憶される。
【0037】
通信部103は、車載装置100を車載ネットワークのバスに接続する通信インタフェースである。
【0038】
入出力部104は、ユーザが行った入力操作を受け付け、ユーザに対して情報を提示する手段である。具体的には、タッチパネルとその制御手段、液晶ディスプレイとその制御
手段から構成される。タッチパネルおよび液晶ディスプレイは、本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。入出力部104は、音声の出力を行うユニット(アンプやスピーカ)、音声の入力を行うユニット(マイク)等を含んでいてもよい。
【0039】
無線通信部105は、無線通信を行うためのアンテナと通信モジュールを含む。アンテナは、無線信号の入出力を行うアンテナ素子である。本実施形態では、アンテナは、移動体通信(例えば、3G、LTE、5G等の移動体通信)に適合したものである。なお、アンテナは、複数の物理的なアンテナを含んで構成されてもよい。例えば、マイクロ波やミリ波などの高周波帯の電波を利用した移動体通信を行う場合、通信の安定化を図るため、複数のアンテナを分散して配置してもよい。通信モジュールは、移動体通信を行うためのモジュールである。
【0040】
位置情報取得部106は、位置情報を測位するためのGPSアンテナと測位モジュールを含む。GPSアンテナは、測位衛星(GNSS衛星とも称する)から送信された測位信号を受信するアンテナである。測位モジュールは、GPSアンテナによって受信された信号に基づいて、位置情報を算出するモジュールである。
【0041】
次に、車両10が有するECUについて説明する。
ECUは、車両10が有するコンポーネントを制御する電子制御ユニットである。車両10に含まれるECUは複数あってもよい。複数のECUは、例えば、エンジン系統、電装系統、パワートレイン系統など、それぞれ異なる系統のコンポーネントを制御する。ECUは、規定されたメッセージを生成し、車載ネットワークを介して周期的に送受信する機能を有する。ECU120は、これらの複数のECUのうちのひとつである。
【0042】
ECU120は、複数の運転支援機能を提供する電子制御ユニットである。ECU120は、運転者の指示に基づいて運転支援機能を提供する。運転支援機能が、車両の運転操作を支援するものである場合、ECU120は、ステアリング制御指令、スロットル制御指令、動力配分指令などを、車両の制御を司る他のECUに送信してもよい。複数の運転支援機能のそれぞれは、所定の条件が成立した場合に提供可能となる。
【0043】
ECU120は、車載装置100と同様に、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROMやディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。
【0044】
ECU120は、制御部121、記憶部122、および、通信部123を有して構成される。
【0045】
制御部121は、所定のプログラムを実行することで、ECU120の各種機能を実現する演算ユニットである。制御部121は、例えば、CPU等によって実現されてもよい。
【0046】
制御部121は、機能モジュールとして、運転支援部1211を有して構成される。当該機能モジュールは、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0047】
運転支援部1211は、車両10の運転者に運転支援機能を提供する。
運転支援機能は、運転者の指示に基づいて提供される。例えば、ハードウェアスイッチ、タッチパネルなどを介して、所定の運転支援機能をアクティブにするための操作がなされた場合、運転支援部1211は、当該運転支援機能に対する動作条件が成立しているか否かを判定する。また、運転支援部1211は、動作条件が成立している場合に、当該運
転支援機能の提供を開始する。なお、所定の運転支援機能に対する動作条件が成立していない場合、当該運転支援機能を有効にする操作自体をできなくしてもよい。例えば、タッチパネルディスプレイに表示されるメニューを非表示にしてもよい。
運転支援部1211は、例えば、ステアリング制御指令、スロットル制御指令、動力配分指令などを、車両の制御を司る他のECUに送信することで、運転支援機能を提供する。
【0048】
なお、本実施形態における運転支援機能は、運転操作を補助するものであるが、運転支援機能は、必ずしも運転操作を補助するものでなくてもよい。例えば、運転支援機能は、車載装置100によって提供されてもよい。例えば、駆動用バッテリの残量が低下した場合に、電費がより少ないルートを検索して提案するといったように、運転操作に介入しない機能も提供可能である。
【0049】
記憶部122は、情報を記憶する手段であり、RAM、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体により構成される。記憶部122には、制御部121にて実行される各種プログラム、当該プログラムが利用するデータ等が記憶される。また、記憶部122には、車載装置100に記憶されるものと同様の動作条件データ(122A)が記憶される。
【0050】
通信部123は、ECU120を車載ネットワークのバスに接続する通信インタフェースである。
【0051】
センサ群140は、車両10が有する複数のセンサの集合である。本実施形態では、車載装置100(またはECU120)が、所定の運転支援機能の動作条件が成立したか否かを判定するために、センサ群140に含まれるセンサが取得したセンサデータを利用する。
【0052】
センサ群140には、例えば、車速を取得する車速センサ、ステアリングの操作角を取得するステアリングセンサ、スロットル開度を取得するスロットルセンサなど、運転操作に関するセンサデータを取得するセンサが含まれる。
なお、センサ群140には、運転以外の操作を取得するセンサが含まれていてもよい。このようなセンサとして、ワイパーやウインカーの動作状態を取得するセンサなどが例示できる。
また、センサ群140には、その他の要素を取得するセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ群140には、温度センサや降雨センサが含まれていてもよい。センサが取得したセンサデータは、ネットワークバスを介してECU120または車載装置100に送信される。
【0053】
ネットワークバスは、車載ネットワークを構成する通信バスである。なお、本例では、一つのバスを例示しているが、車両10は、二つ以上の通信バスを有していてもよい。複数の通信バスは、複数の通信バスを取りまとめるゲートウェイによって互いに接続されていてもよい。
【0054】
次に、サーバ装置200について説明する。
サーバ装置200は、車両10(車載装置100)から車両データを収集し、収集した車両データに基づいて、車両10の過去の走行に関する情報をユーザ端末300に提供する。具体的には、サーバ装置200は、車両10の過去の走行において、所定の運転支援機能が使用可能であった地点を教示するためのマップを生成し、ユーザ端末300に提供する。
【0055】
図5は、本実施形態に係る車両システムに含まれる、サーバ装置200の構成要素を詳細に示した図である。
【0056】
サーバ装置200は、汎用のコンピュータにより構成することができる。すなわち、サーバ装置200は、CPUやGPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置を有するコンピュータとして構成することができる。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0057】
サーバ装置200は、制御部201、記憶部202、および、通信部203を有して構成される。
制御部201は、サーバ装置200が行う制御を司る演算装置である。制御部201は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。
制御部201は、機能モジュールとしてデータ収集部2011および情報提供部2012を有して構成される。各機能モジュールは、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0058】
データ収集部2011は、複数の車両10(車載装置100)から車両データを収集し
、データベースに格納する処理を実行する。
情報提供部2012は、ユーザ端末300からのリクエストに基づいて、運転支援機能の利用をサポートするための情報を生成し、ユーザ端末300に提供する。具体的には、情報提供部2012は、所定の運転支援機能について、当該運転支援機能が利用可能であった地点(すなわち、運転支援機能の動作条件が満たされた地点)」を教示するためのマップを生成し、ユーザ端末300に提供する。
【0059】
図6は、車両10の走行ルートを表すマップ(以下、ルートマップ)の一例である。情報提供部2012は、対応する車両10の車両データを参照し、運転支援機能の動作条件が満たされた地点(第一の地点)をルートマップにマッピング(重畳)した画像を生成する。なお、車両10の走行中において、運転支援機能の動作条件が満たされた状態が継続していた場合、
図7に示したように、対応する道路区間をルートマップにマッピングしてもよい。
また、情報提供部2012は、対応する地点や道路区間において、どのような運転支援機能が利用可能であったかを説明するテキスト等をルートマップに重畳してもよい。
【0060】
記憶部202は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部201によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部201において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。
【0061】
また、記憶部202には、車両データベース202Aおよび道路データベース202Bが記憶される。
車両データベース202Aは、システムの管理下にある複数の車載装置100から送信された車両データを格納するデータベースである。車両データベース202Aには、
図4を示して説明した複数の車両データが格納される。
道路データベース202Bは、道路地図データを格納するデータベースである。道路データベース202Bに格納されたデータは、情報提供部2012がルートマップを生成す
る際に使用される。
【0062】
通信部203は、サーバ装置200をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信部203は、例えば、ネットワークインタフェースボードや、無線通信のための無線通信インタフェースを含んで構成される。
【0063】
次に、ユーザ端末300について説明する。
ユーザ端末300は、車両10に関連付いたユーザ(典型的には、車両10の運転者)が所有するコンピュータである。
【0064】
図8は、ユーザ端末300の構成要素をより詳細に示した図である。
ユーザ端末300は、制御部301、記憶部302、通信部303、および入出力部304を含んで構成される。
【0065】
制御部301は、ユーザ端末300が行う制御を司る演算装置である。制御部301は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置によって実現することができ
る。
制御部301は、サーバ装置200にアクセスして、サーバ装置200との間でインタラクションを行う機能を実行する。当該機能は、ユーザ端末300で動作する、専用のアプリケーションソフトウェアによって実現されてもよい。制御部301は、サーバ装置200に対して、所与の車両10に対応するルートマップをリクエストする処理と、サーバ装置200から受信したルートマップを出力する処理を実行する。
【0066】
記憶部302は、主記憶装置と補助記憶装置を含んで構成される。主記憶装置は、制御部301によって実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが展開されるメモリである。補助記憶装置は、制御部301において実行されるプログラムや、当該制御プログラムが利用するデータが記憶される装置である。補助記憶装置には、制御部301で実行されるプログラムをアプリケーションとしてパッケージ化したものを記憶してもよい。また、これらのアプリケーションを実行するためのオペレーティングシステムを記憶してもよい。補助記憶装置に記憶されたプログラムが主記憶装置にロードされ、制御部301によって実行されることで、以降に説明する処理が行われる。
【0067】
通信部303は、ユーザ端末300をネットワークに接続するための無線通信インタフェースである。通信部303は、例えば、無線LANや3G、LTE、5G等の移動体通信サービスを介して、サーバ装置200と通信可能に構成される。
入出力部304は、ユーザが行った入力操作を受け付け、ユーザに対して情報を提示するユニットである。入出力部304は、例えば、一つのタッチパネルディスプレイからなる。入出力部304は、液晶ディスプレイとその制御手段、タッチパネルとその制御手段から構成されてもよい。
【0068】
なお、
図2、
図5、および
図8に示した構成は一例であり、図示した機能の全部または一部は、専用に設計された回路を用いて実行されてもよい。また、図示した以外の、主記憶装置および補助記憶装置の組み合わせによってプログラムの記憶ないし実行を行ってもよい。
【0069】
次に、車載装置100が車両データを生成する方法について説明する。
図9は、車載装置100が実行する方法のフローチャートである。図示した処理は、車両10の走行中において、所定の周期で繰り返し実行される。
【0070】
ステップS11からS13の処理は、車両10が有している複数の運転支援機能のそれ
ぞれについて個別に実行される。
まず、ステップS11で、判定部1011が、センサデータを取得する。
例えば、
図3の例の場合、車速、外気温、ワイパーやウインカーの状態、ドライブモード、トラクションコントロール機能やクルーズコントロール機能の動作状態、ステアリングの操作履歴などが取得対象となる。センサデータは、センサ群140に含まれるセンサや、車両10が有している複数のECUから取得することができる。
【0071】
ステップS12では、判定部1011が、対象の運転支援機能について、動作条件が満たされているか否かを判定する。当該判定は、センサデータおよび動作条件データ102Aに基づいて行うことができる。
ステップS13では、ステップS12において行った判定の結果を一時的に記憶する。本ステップでは、動作条件を満たした運転支援機能の識別子、位置情報、日時情報などが一時的に記憶される。
判定部1011は、以上の処理を、車両10が有している複数の運転支援機能の全てについて実行する。
【0072】
ステップS14では、一時的に記憶された判定結果に基づいて、送信部1012が車両データを生成し、サーバ装置200に送信する。車両データは、
図4に示したように、複数のフィールドからなるデータである。
図9に示した処理は、車両10の走行が終了するまで(例えば、イグニッションがオフになるまで)繰り返し実行される。すなわち、車両10が走行している期間においては、車両データが周期的に生成され、サーバ装置200に順次送信される。
車両データは、サーバ装置200(データ収集部2011)によって受信され、車両データベース202Aに格納される。
【0073】
なお、
図9に示した処理を開始する前に、車載装置100が、サーバ装置200から、ユーザや車両に関する情報を取得する処理(初期化処理)を実行してもよい。
【0074】
次に、ユーザ端末300がサーバ装置200にアクセスし、ルートマップを要求する処理について説明する。
図10は、サーバ装置200およびユーザ端末300が実行する処理のシーケンス図である。当該処理は、ユーザ端末300(制御部301)が、サーバ装置200にアクセスするためのアプリケーションソフトウェアを起動したタイミングで開始される。
【0075】
まず、制御部301が、ユーザの識別子をサーバ装置200に送信する。ユーザの識別子は、予め記憶部302に記憶されていてもよい。本ステップでは、サーバ装置200が、ユーザ端末300から受信したユーザの識別子に基づいて、対象の車両10の識別子を特定する。
ステップS21では、情報提供部2012が、機能選択画面を生成する。機能選択画面は、車両10が利用可能な複数の運転支援機能のうちのいずれかを選択する画面である。車両10が利用可能な運転支援機能は、車両データベース202Aに基づいて取得することができる。
図11は、機能選択画面の一例である。機能選択画面は、ユーザ端末300へ送信される。
【0076】
ステップS22では、制御部301が、機能選択画面を出力し、ユーザから選択を受け付ける。ユーザがいずれかのボタン(例えば、符号1101)をタップすると、選択された運転支援機能がサーバ装置200に通知される。
【0077】
ステップS23では、情報提供部2012が、車両10の識別子と、当該ユーザによって指定された運転支援機能に基づいて、対応する車両データのレコードを車両データベー
ス202Aから抽出する。
【0078】
次に、ステップS24で、情報提供部2012が、ルートマップをユーザに提示するためのユーザインタフェース画面を生成する。また、情報提供部2012は、運転支援機能の動作条件を満たした地点ないし区間をユーザに教示するためのグラフィックを生成し、ルートマップに重畳する。グラフィックは、アイコンであってもよいし、図形等であってもよい。
情報提供部2012は、ステップS23で抽出した車両データに基づいて、指定された運転支援機能の動作条件が満たされた地点(または道路区間)を判定し、当該地点(または道路区間)を表すグラフィックをルートマップ上に重畳する。
図12は、ルートマップに、指定された運転支援機能の動作条件が満たされた区間を示すグラフィックを重畳した画像の例である。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る車両システムは、複数の車両10のそれぞれが、所定の運転支援機能の動作条件を満たしたか否かを周期的に判定し、当該判定の結果を、位置情報とともにサーバ装置200に通知する。また、サーバ装置200が、車両10から収集した情報に基づいて、運転支援機能の動作条件を満たした地点をユーザに教示する。これにより、ユーザは、運転支援機能の動作条件を満たした地点を事後的に把握することが可能になる。
【0080】
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、運転支援機能の動作条件が満たされた全ての地点を事後的にユーザに通知した。一方、走行中において、運転支援機能の動作条件が満たされたことを、車載装置100がリアルタイムで通知する形態が考えられる。かかる形態では、既に行われた通知と同様の通知を再度行う必要はない。
第二の実施形態は、走行中においてユーザに対する通知が行われたか否かを記録し、これに基づいて、サーバ装置200が、事後的な通知を行うか否かを地点ごとに判定する実施形態である。
【0081】
第二の実施形態では、車両10の走行中において、運転支援機能の動作条件が満たされた場合に、車載装置100が、一定の条件下で、ユーザ(すなわち、運転者)に対する通知をリアルタイムで行う。また、走行中に通知を行った地点については、事後的な通知を省略する。
【0082】
図13は、第二の実施形態において、車載装置100が実行する処理のフローチャートである。なお、第一の実施形態と同様の処理については、点線で示し、詳細な説明は省略する。
【0083】
第二の実施形態では、ステップS12において肯定判定となった場合に、判定部1011が、通知条件を充足しているか否かを判定する(ステップS12A)。通知条件とは、走行中に運転者に対して、運転支援機能が利用可能である旨の通知を行うための条件である。例えば、ウインカーが動作している最中や、車間距離が十分でない状況下において通知を行うと、運転者の注意力が散漫になるおそれがある。本ステップでは、車両10がこのような状況下にあるか否かが判定される。なお、通知条件に関するデータは、記憶部102に記憶されていてもよい。
【0084】
通知条件が満たされていない場合、処理はステップS13Aへ遷移し、判定部1011が、判定結果を一時的に記憶する。
通知条件が満たされている場合、処理はステップS12Bへ遷移し、判定部1011が、入出力部104を介して、対応する運転支援機能が利用できる旨の通知を出力する。通
知が出力された場合、ステップS13Bにおいて、判定結果を、通知フラグと関連付けて一時的に記憶する。通知フラグとは、走行中における通知の有無を表すフラグである。
【0085】
第二の実施形態では、車両データに通知フラグが追加される。
図14は、第二の実施形態における車両データの一例である。通知フラグ(符号1401)が「1」である場合、対応する運転支援機能について、走行中において通知が行われたことを意味する。ステップS14Aでは、送信部1012が、このようなフラグを含む車両データを生成する。
【0086】
また、第二の実施形態では、ステップS24において、サーバ装置200(情報提供部2012)が、走行中において通知が行われなかった地点(または道路区間)のみを対象として、ルートマップへのマッピングを実行する。換言すると、通知フラグが立っている第一の地点については、マッピングが省略される。
かかる形態によると、走行中と走行後とで、重複した通知がなされてしまうことを防ぐことができる。
【0087】
なお、上記の説明では、通知条件を充足しなかった場合、車内において通知は行われないものとしたが、このような場合、通知を一時的に保留し、通知条件が充足されたタイミング(例えば、車線変更が完了したタイミング)で通知を出力するようにしてもよい。
【0088】
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、走行中においてユーザが運転支援機能を利用していたか否かを記録し、運転支援機能が利用されていた地点については事後的な通知を省略する実施形態である。
【0089】
図15は、第三の実施形態において、車載装置100が実行する処理のフローチャートである。なお、第一の実施形態と同様の処理については、点線で示し、詳細な説明は省略する。
【0090】
第三の実施形態では、ステップS12において肯定判定となった場合に、判定部1011が、対応する運転支援機能を現在利用中であるか否かを判定する(ステップS12C)。
対応する運転支援機能を利用中でない場合、処理はステップS13Aへ遷移し、判定部1011が、判定結果を一時的に記憶する。
対応する運転支援機能を利用中である場合、処理はステップS13Cへ遷移し、判定部1011が、判定結果を、利用フラグと関連付けて一時的に記憶する。利用フラグとは、対応する運転支援機能を走行中に利用していたか否かを表すフラグである。
【0091】
第三の実施形態では、第二の実施形態における通知フラグ(符号1401)が、利用フラグに置き換わる。利用フラグが立っている場合、対応する地点において、対応する運転支援機能が利用されていたことを意味する。
【0092】
また、第三の実施形態では、ステップS24において、サーバ装置200(情報提供部2012)が、走行中において利用されなかった運転支援機能のみを対象として、ルートマップへのマッピングを実行する。換言すると、利用フラグが立っている第一の地点については、マッピングが省略される。
かかる形態によると、所定の地点において運転支援機能の利用実績があるにもかかわらず、同じ地点に対する通知がなされてしまうことを防ぐことができる。
【0093】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適
宜変更して実施しうる。
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0094】
また、実施形態の説明では、車載装置100が車両データを生成し、サーバ装置200に送信する例を挙げたが、サーバ装置200の役割を車載装置100に持たせてもよい。この場合、車載装置100がルートマップを生成し、ユーザ端末300に送信するようにしてもよい。
【0095】
なお、本実施形態では、サーバ装置200が、ユーザによって指定された運転支援機能の動作条件を満たした地点ないし区間を当該ユーザに教示する例を示したが、事後的な教示が必要ない地点や区間は省略してもよい。例えば、ある運転支援機能について、運転者が利用方法を熟知しており、教示の必要が無いと考えた場合、当該運転支援機能については教示の対象外とすることができる。ユーザと、教示対象(あるいは教示対象外)の運転支援機能を関連付けるデータは、記憶部202に記憶させてもよい。
【0096】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0097】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0098】
10・・・車両
100・・車載装置
120・・・ECU
140・・・センサ群
200・・・サーバ装置
300・・・ユーザ端末
101,121,201,301・・・制御部
102,122,202,302・・・記憶部
103,123,203,303・・・通信部
104,304・・・入出力部
105・・・無線通信部
106・・・位置情報取得部