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特許7582214路面標示検出装置及びこれを備える報知システム、並びに路面標示検出方法
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  • 特許-路面標示検出装置及びこれを備える報知システム、並びに路面標示検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】路面標示検出装置及びこれを備える報知システム、並びに路面標示検出方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241106BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241106BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20241106BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20241106BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/16 F
G08G1/09 D
B60W50/14
B60W40/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022002396
(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公開番号】P2023102059
(43)【公開日】2023-07-24
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】依藤 大和
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-123613(JP,A)
【文献】特開2006-260038(JP,A)
【文献】特開2019-008443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の少なくとも前方を撮像する第1カメラと、
前記車両の少なくとも前方を撮像し、且つ前記第1カメラにより撮像される路面領域と比べて前記車両により近い路面領域を撮像可能な第2カメラと、
を備える前記車両に適用される路面標示検出装置であって、
ロセッサを備え
前記プロセッサは、
前記第1カメラによって前記車両の前方の一時停止標識が検出されたか否かを判定する処理と、
前記一時停止標識が前記第1カメラによって検出された場合に、検出された前記一時停止標識に対応する路面標示が前記第1カメラによって検出されたか否かを判定する処理と、
前記路面標示が前記第1カメラによって検出されない場合に、前記路面標示を前記第2カメラによって検出する処理と、
を実行す
路面標示検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の路面標示検出装置と、
前記車両の運転者に対する注意喚起のための報知を行う報知装置と、
検出された前記路面標示と前記車両との距離が距離閾値以下、且つ前記車両の車速が速度閾値以上である場合、前記車両の一時停止に関する注意喚起のための報知を行うように前記報知装置を制御するプロセッサと、
を備える
報知システム。
【請求項3】
請求項1に記載の路面標示検出装置と、
前記車両の運転者に対する注意喚起のための報知を行う報知装置と、
前記車両の室内に搭載され、前記運転者を撮像する内向きカメラと、
前記路面標示が検出された後、前記内向きカメラの画像に基づいて前記運転者の前方不注意を検出した場合に、前記車両の一時停止に関する注意喚起のための報知を行うように前記報知装置を制御するプロセッサと、
を備える
報知システム。
【請求項4】
車両の少なくとも前方を撮像する第1カメラと、前記車両の少なくとも前方を撮像し、且つ前記第1カメラにより撮像される路面領域と比べて前記車両により近い路面領域を撮像可能な第2カメラと、を備える前記車両に適用される路面標示検出方法であって、
前記第1カメラによって前記車両の前方の一時停止標識が検出されたか否かを判定することと、
前記一時停止標識が前記第1カメラによって検出された場合に、検出された前記一時停止標識に対応する路面標示が前記第1カメラによって検出されたか否かを判定することと、
前記路面標示が前記第1カメラによって検出されない場合に、前記路面標示を前記第2カメラによって検出することと、
を含む
路面標示検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に適用される路面標示検出装置及びこれを備える報知システム、並びに路面標示検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車外認識装置を開示している。この車外認識装置は、カメラにより撮像された画像に基づき、車両前方の停止線及び一時停止標識までの距離をそれぞれ算出する。そして、距離の検出結果の信頼性を向上させるために、車外認識装置は、算出された距離の一方を基準として他方の適否を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-257305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一時停止標識に対応する停止線をカメラを用いて検出する際、特許文献1に記載の技術は、次のような課題を有する。すなわち、自車両の前方に先行車両が存在する場合、停止線が上記カメラの画角内に収まるタイミングにおいて、停止線が当該先行車両によって遮蔽され、停止線を当該カメラによって検出できない状況が生じ得る。そして、その後に自車両が停止線にさらに接近した際に、停止線が先行車両によって遮蔽されなくなっていたとしても、停止線が上記カメラの画角外となってしまうことが起こり得る。その結果、上記カメラによって停止線を検出できなくなる可能性がある。
【0005】
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両(自車両)が停止線等の路面標示に近づいたときに先行車両が存在する場合であっても、路面標示を確実に検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る路面標示検出装置は、車両の少なくとも前方を撮像する第1カメラと、車両の少なくとも前方を撮像し、且つ第1カメラにより撮像される路面領域と比べて車両により近い路面領域を撮像可能な第2カメラと、を備える車両に適用されている。路面標示検出装置は、ロセッサを備える。プロセッサは、記第1カメラによって車両の前方の一時停止標識が検出されたか否かを判定する処理と、当該一時停止標識が第1カメラによって検出された場合に、検出された一時停止標識に対応する路面標示が第1カメラによって検出されたか否かを判定する処理と、当該路面標示が第1カメラによって検出されない場合に、路面標示を第2カメラによって検出する処理と、を実行する。
【0007】
本開示の一態様に係る報知システムは、上述の路面標示検出装置と、報知装置と、プロセッサと、を備える。報知装置は、車両の運転者に対する注意喚起のための報知を行う。当該プロセッサは、検出された路面標示と車両との距離が距離閾値以下、且つ車両の車速が速度閾値以上である場合、車両の一時停止に関する注意喚起のための報知を行うように報知装置を制御する。
【0008】
本開示の他の態様に係る報知システムは、上述の路面標示検出装置と、報知装置と、内向きカメラと、プロセッサと、を備える。報知装置は、車両の運転者に対する注意喚起のための報知を行う。内向きカメラは、車両の室内に搭載され、運転者を撮像する。当該プロセッサは、路面標示が検出された後、内向きカメラの画像に基づいて運転者の前方不注意を検出した場合に、車両の一時停止に関する注意喚起のための報知を行うように報知装置を制御する。
【0009】
本開示に係る路面標示検出方法は、車両の少なくとも前方を撮像する第1カメラと、車両の少なくとも前方を撮像し、且つ第1カメラにより撮像される路面領域と比べて車両により近い路面領域を撮像可能な第2カメラと、を備える車両に適用される。路面標示検出方法は、第1カメラによって車両の前方の一時停止標識が検出されたか否かを判定することと、当該一時停止標識が第1カメラによって検出された場合に、検出された一時停止標識に対応する路面標示が第1カメラによって検出されたか否かを判定することと、当該路面標示が第1カメラによって検出されない場合に、路面標示を第2カメラによって検出することと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
第2カメラは、第1カメラにより撮像される路面領域と比べて車両により近い路面領域を撮像可能である。本開示によれば、車両(自車両)が停止線等の路面標示に近づいたときに先行車両が存在する場合であっても、その後に自車両が路面標示にさらに接近した際に、第2カメラを利用して路面標示を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る車両の構成の一例を概略的に示す図である。
図2】車両が差し掛かる交差点の一例を表した図である。
図3】実施の形態に係る予防安全支援に関する処理を示すフローチャートである。
図4】実施の形態の変形例に係る車両の構成の一例を概略的に示す図である。
図5】実施の形態の変形例に係る予防安全支援に関する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る技術思想が限定されるものではない。
【0013】
1.車両の構成例
図1は、実施の形態に係る車両1の構成の一例を概略的に示す図である。車両1は、電子制御ユニット(ECU)10と、第1カメラ20と、第2カメラ22と、報知装置30と、を備えている。
【0014】
ECU10は、車両1を制御するコンピュータである。ECU10は、1又は複数のプロセッサ(以下、単にプロセッサと呼ぶ)12と1又は複数の記憶装置(以下、単に記憶装置と呼ぶ)14を含んでいる。プロセッサ12は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ12は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置14は、プロセッサ12による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置14としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。プロセッサ12が各種プログラムを実行することにより、プロセッサ12による各種処理が実現される。各種プログラムは記憶装置14に格納されている。なお、ECU10は複数であってもよい。
【0015】
また、車両1は、車速V(車両1の速度)を検出する車速センサ16を備える。
【0016】
第1カメラ20及び第2カメラ22は、車両1の前方を撮像する。なお、本開示に係る「第1カメラ」及び「第2カメラ」のそれぞれは、少なくとも前方を撮像するものであればよく、車両1の前方とともに他の方向(例えば、側方)をも撮像可能に構成されたものであってもよい。
【0017】
第1カメラ20は、一例として、道路標識(例えば、図2に示す一時停止標識4)、車両1の前方の車両(先行車両及び対向車両等)、及び歩行者等の各種物標を認識するために車両1に搭載されている。第1カメラ20は、例えば、車両1の室内(例えば、インナーミラーの裏側)に設置され、フロントガラス越しに車両1の前方を撮像する。なお、本開示に係る「第1カメラ」は、例えば、車両1のルーフに搭載されていてもよい。
【0018】
第2カメラ22は、一例として、駐車時及び発進時等の低速走行時における運転者の車両1の周囲確認を補助することを基本的な目的として車両1の前後左右にそれぞれ配置された複数のカメラの1つである。第2カメラ22は、例えば、広角の魚眼カメラであり、フロントバンパーに設置されている。なお、本開示に係る「第2カメラ」は、例えば、上記目的で車両1の左右(例えば、後方確認用のドアミラーの下部)に配置された2つのカメラの少なくとも一方であってもよい。
【0019】
第2カメラ22は、第1カメラ20と比べて鉛直方向の下方に配置されている。また、第2カメラ22は、第1カメラ20と比べてより下方を撮像可能な画角を有する。このため、図1に示すように、第2カメラ22により撮像される路面領域R2は、第1カメラ20により撮像される路面領域R1と比べて車両1により近い路面領域R2Aを含んでいる。
【0020】
報知装置30は、車両1の運転者に対して注意喚起のための報知を行う。報知装置30は、例えば、視覚を通じて注意を喚起するための表示器である。表示器は、例えば、車両1のインストルメントパネルに搭載されたディスプレイ、又は、車両1のフロントガラスに情報を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)である。また、報知装置30は、表示器に代え、或いはそれとともに、聴覚を通じて注意を喚起するためのブザー及びスピーカの一方又は双方を含んでもよい。
【0021】
報知装置30は、ECU10(プロセッサ12)によって制御される。なお、プロセッサ12は、本開示に係る「路面標示検出装置」が備えるプロセッサの一例にも相当する。このような例に代え、路面標示検出装置が備えるプロセッサは、報知装置を制御するプロセッサと異なるものであってもよい。また、図1に示す例では、プロセッサ12及び報知装置30が本開示に係る「報知システム」の一例に相当する。
【0022】
2.予防安全支援
図2は、車両1が差し掛かる交差点2の一例を表した図である。交差点2の付近の走行路3の脇には、一時停止標識4が設置されている。また、走行路3には、一時停止標識4に対応する路面標示5として、停止線6と「止まれ」の標示7とが描かれている。
【0023】
車両1の予防安全支援の1つとして、プロセッサ12は、交差点2での一時停止に関する注意喚起を運転者に対して行うための報知を必要に応じて実行する。具体的には、この注意喚起のために、プロセッサ12は、まず、第1カメラ20を用いた画像認識により、一時停止標識4を検出する処理を実行する。次いで、プロセッサ12は、第1カメラ20を用いた画像認識により、路面標示5の検出を試みる。
【0024】
しかしながら、第1カメラ20は、一時停止標識4等の道路標識、車両1の前方の車両、及び歩行者等の上述の各種物標の認識に適した画角を有し、且つ、当該認識に適した位置に搭載されている。このため、路面標示5が第1カメラ20の路面領域R1(図1参照)内にある時に路面標示5が先行車両によって遮蔽されていると、その後に車両1が路面標示5にさらに接近した際に、路面標示5が第1カメラ20の画角外となってしまうことが起こり得る。
【0025】
そこで、本実施形態では、プロセッサ12は、第1カメラ20によって車両1の前方の一時停止標識4が検出された場合に、検出された一時停止標識4に対応する路面標示5を第2カメラ22によって検出する処理を実行するように構成されている。
【0026】
図3は、実施の形態に係る予防安全支援に関する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両1の走行中に繰り返し実行される。
【0027】
図3では、ECU10(プロセッサ12)は、ステップS100において、第1カメラ20を用いた画像認識によって一時停止標識4が検出されたか否かを判定する。その結果、一時停止標識4が検出されていない場合には、処理はリターンに進む。
【0028】
一方、ステップS100において一時停止標識4が検出された場合には、処理はステップS102に進む。ステップS102において、プロセッサ12は、第1カメラ20を用いた画像認識によって路面標示5が検出されたか否かを判定する。より詳細には、ステップS102の処理による検出対象の路面標示5は、例えば、停止線6及び「止まれ」の標示7の双方である。当該検出対象の路面標示5は、停止線6及び「止まれ」の標示7の何れか一方のみであってもよい。このことは、次のステップS104における第2カメラ22による検出対象の路面標示5についても同様である。
【0029】
ステップS102の判定結果がYesの場合(つまり、第1カメラ20によって路面標示5が検出された場合)には、処理はステップS106に進む。一方、当該判定結果がNoの場合(つまり、第1カメラ20によって路面標示5が検出されない場合)には、処理はステップS104に進む。
【0030】
ステップS104において、プロセッサ12は、第2カメラ22を用いた画像認識によって路面標示5が検出されたか否かを判定する。その結果、ステップS104の判定結果がNoの場合(つまり、第1カメラ20及び第2カメラ22の何れによっても路面標示5が検出されない場合)には、処理はリターンに進む。一方、ステップS104の判定結果がYesの場合(つまり、第2カメラ22によって路面標示5が検出された場合)には、処理はステップS106に進む。
【0031】
ステップS106において、プロセッサ12は、第1カメラ20又は第2カメラ22によって検出された路面標示5と車両1との距離Dが所定の距離閾値THd以下であるか否かを判定する。路面標示5が第1カメラ20によって検出された場合、距離Dは、例えば、第1カメラ20の地上高と、第1カメラ20に対する路面標示5の俯角とにより幾何学的に算出することができる。このことは、路面標示5が第2カメラ22によって検出された場合についても同様である。
【0032】
距離閾値THd及び後述の速度閾値THvは、距離D及び車速Vに基づいて運転者の停止意思の有無を判断できるように事前に決定される値である。距離閾値THdは、例えば5mである。速度閾値THvは、例えば15kphである。
【0033】
ステップS106の判定結果がNoの場合(距離D>距離閾値THd)には、処理はリターンに進む。すなわち、報知装置30による報知は実行されない。これにより、過度な報知によって運転者に煩わしさを感じさせることを抑制できる。一方、当該判定結果がYesの場合(距離D≦距離閾値THd)には、処理はステップS108に進む。
【0034】
ステップS108において、プロセッサ12は、車速Vが所定の速度閾値THv以上であるか否かを判定する。この判定結果がNoの場合には、距離Dが距離閾値THd以下になるまで車両1が路面標示5に接近している状況下において車速Vが速度閾値THv以下に低下しているため、運転者は停止意思を有していると判断される。このため、処理はリターンに進む。すなわち、報知装置30による報知は実行されない。これにより、過度な報知によって運転者に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0035】
一方、ステップS108の判定結果がYesの場合(車速V≧速度閾値THv)には、処理はステップS110に進む。処理がステップS110に進むのは、距離Dが距離閾値THd以下であるにもかかわらず、車速Vが速度閾値THv以上の場合である。このような場合には、運転者は停止意思を有していないと判断される。このため、ステップS110において、プロセッサ12は、一時停止に関する注意喚起のための報知を運転者に対して行うように報知装置30を制御する。これにより、適切なシーンにおいて報知を行うことができる。
【0036】
なお、ステップS106及びS108でそれぞれ用いられる距離閾値THd及び速度閾値THvは、例えば、運転者によるHMI(Human Machine Interface)機器(例えば、タッチパネル)の操作に基づいて変更されてもよい。具体的には、例えば、運転者によるHMI機器の操作によって報知装置30による報知の感度を任意のレベル数(例えば、低、中、及び高)で変更するために、距離閾値THd及び速度閾値THvが変更されてもよい。
【0037】
3.効果
以上説明したように、本実施形態によれば、路面標示5の検出のために、第1カメラ20だけでなく第2カメラ22も必要に応じて用いられる。第2カメラ22は、第1カメラ20により撮像される路面領域R1と比べて車両1により近い路面領域R2Aを撮像可能である(図1参照)。このため、車両1(自車両)が停止線6等の路面標示5に近づいたときに先行車両が存在するために第1カメラ20によって路面標示5を検出できない場合であっても、第2カメラ22によって路面標示5を検出できる。付け加えると、車両1が路面標示5の付近にまで近づいていても、第2カメラ22の画角内に路面標示5を収めることが可能となる。このように、本実施形態に係る「路面標示検出装置」によれば、停止線6等の路面標示5を確実に検出できるようになる。
【0038】
また、本実施形態によれば、上述のように第1カメラ20とともに第2カメラ22をも利用して路面標示5の検出機会を増やせるため、運転者の停止意思を判断する機会を増やすことができる。このため、報知装置30を用いた注意喚起をより効果的に行えるようになる。
【0039】
4.報知装置による報知に関する変形例
報知装置30による報知は、次のように実行されてもよい。
【0040】
図4は、実施の形態の変形例に係る車両8の構成の一例を概略的に示す図である。車両8は、内向きカメラ24を追加的に備える点を除き、図1に示す車両1と同様に構成されている。内向きカメラ24は、車両8の室内に搭載され、運転者を撮像する。
【0041】
図5は、実施の形態の変形例に係る予防安全支援に関する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、ステップS106及びS108の処理に代えて次のステップS200の処理が実行される点を除き、図3に示すフローチャートの処理と同じである。
【0042】
図5では、ステップS102又はステップS104の判定結果がYesの場合、処理はステップS200に進む。ステップS200において、プロセッサ12は、内向きカメラ24の画像に基づいて、視線、目の開き具合、顔の向き、及び姿勢等の運転者情報を取得する。そして、プロセッサ12は、当該運転者情報に基づいて、よそ見等の運転者の前方不注意の有無を判断する。
【0043】
ステップS200の判定結果がNoの場合(つまり、運転者の前方不注意が検出されない場合)には、処理はリターンに進む。すなわち、報知装置30による報知は実行されない。これにより、過度な報知によって運転者に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0044】
一方、ステップS200の判定結果がYesの場合(つまり、運転者の前方不注意が検出された場合)には、処理はステップS110に進み、報知装置30による報知が実行される。これにより、適切なシーンにおいて報知を行うことができる。
【符号の説明】
【0045】
1、8 車両
2 交差点
3 走行路
4 一時停止標識
5 路面標示
6 停止線
7 「止まれ」の標示
8 車両
10 電子制御ユニット(ECU)
12 プロセッサ
14 記憶装置
16 車速センサ
20 第1カメラ
22 第2カメラ
24 内向きカメラ
30 報知装置
図1
図2
図3
図4
図5