(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/34 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
B60Q1/34 Z
(21)【出願番号】P 2022018546
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2023-11-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 文彦
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-159986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を該路面に描画する車両用表示装置であって、
ハザードスイッチがОNされている場合には、路面描画を禁止
し、
前記進路変更動作は、ターンシグナルスイッチのON動作であり、
前記車両が走行中又は発進する際に、前記ターンシグナルスイッチがОNされている場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両用表示装置。
【請求項2】
車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を該路面に描画する車両用表示装置であって、
ハザードスイッチがОNされている場合には、路面描画を禁止
し、
前記進路変更動作は、操舵であり、
前記車両が走行中又は発進する際に、操舵している場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用表示装置であって、
前記車両が停車中に、前記ハザードスイッチがОNされている場合には、前記進路変更動作が行われても、前記路面描画をしない、
車両用表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車両用表示装置であって、
前記所定形状は、
前記進路側に鋭角部分を向けたV字形状である、
車両用表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用表示装置であって、
前記車両のシフトレバーがDレンジであり、前記ターンシグナルスイッチがОNされている場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両用表示装置。
【請求項6】
請求項2に記載の車両用表示装置であって、
前記車両のシフトレバーがDレンジであり、前記車両を操舵している場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両用表示装置。
【請求項7】
車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を該路面に描画する車両用表示装置を備える車両であって、
ハザードスイッチがОNされている場合には、路面描画を禁止
し、
前記進路変更動作は、ターンシグナルスイッチのON動作であり、
走行中又は発進する際に、前記ターンシグナルスイッチがОNされている場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両。
【請求項8】
車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を該路面に描画する車両用表示装置を備える車両であって、
ハザードスイッチがОNされている場合には、路面描画を禁止
し、
前記進路変更動作は、操舵であり、
走行中又は発進する際に、操舵している場合には、前記路面描画の禁止を解除する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用表示装置は、路面に向けて光を照射して所定形状の表示を描画することができる。例えば、特許文献1には、ターンシグナルスイッチ(ウィンカーレバー)がОNされている場合には、車両の進路側のランプを点滅させると共に、当該ランプに連動して路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画する車両用表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、当該ランプの電気回路がハザードスイッチとつながっている場合がある。この場合には、車両の停車中にハザードスイッチをОNにする車両の両側のランプの点滅に連動して路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画することがある。この場合、車両が発進するのではないかと周囲の歩行者等に誤解されるおそれがあり、周囲の歩行者等を混乱させる。
【0005】
そこで、本発明は、周囲の歩行者等を混乱させることがない車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用表示装置は、車両の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画する車両用表示装置であって、ハザードスイッチがОNされている場合には、路面描画を禁止することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る車両用表示装置において、車両が停車中に、ハザードスイッチがОNされている場合には、進路変更動作が行われても、路面描画をしないことが好ましい。
【0008】
本発明に係る車両用表示装置において、進路変更動作は、ターンシグナルスイッチのON動作であり、車両が走行中又は発進する際に、ターンシグナルスイッチがОNされている場合には、路面描画の禁止を解除することが好ましい。
【0009】
本発明に係る車両用表示装置において、進路変更動作は、操舵であり、車両が走行中又は発進する際に、操舵している場合には、路面描画の禁止を解除することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両用表示装置によれば、ターンシグナルランプに連動して路面描画がされることがなく、周囲の歩行者等を混乱させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の一例である車両用表示装置を備える車両を示す模式図である。
【
図2】実施形態の一例である車両用表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態の一例である車両用表示装置による表示の流れを示すフローである。
【
図4】実施形態の他の一例である車両用表示装置による走行中の表示の流れを示すフローである。
【
図5】実施形態の他の一例である車両用表示装置による停止中の表示の流れを示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。
【0013】
「車両」
図1を用いて、実施形態の一例である表示装置10を備える車両5について説明する。
【0014】
車両5は、詳細は後述する表示装置10を備えている。車両5は、四輪のエンジン車両とするが、これに限定されない。車両5は、例えば電動車両又はハイブリッド車両であってもよい。
【0015】
「表示装置」
図1から
図3を用いて、実施形態の一例である表示装置10について説明する。
【0016】
車両用表示装置としての表示装置10は、車両5の進路を変更するための動作である進路変更動作をユーザが行った際に、描画ランプ12によって進路側の路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画する。進路変更動作には、ターンシグナルスイッチ13の回動操作、操舵角度センサ15によって所定角度以上の操舵角度が検出された場合が含まれる。
【0017】
表示装置10によれば、詳細は後述するが、ターンシグナルランプ11に連動して路面描画がされることがなく、周囲の歩行者等を混乱させることがない。
【0018】
図1に示すように、表示装置10は、車両5の左右側にそれぞれ設けられたターンシグナルランプ11と、車両5の左右側にそれぞれ設けられ、路面に向けて光を照射して所定形状の表示を描画する描画ランプ12とを備えている。
【0019】
また、表示装置10は、車両5の進路変更の際に進路側のターンシグナルランプ11を点滅させるためのターンシグナルスイッチ13と、車両5の両側のターンシグナルランプ11を点滅させるためのハザードスイッチ14と、ステアリングの操舵角度を検出する操舵角度センサ15と、車速が送信される車内CAN(Controller Area Network)16(
図2参照)とを備えている。
【0020】
さらに、表示装置10は、ターンシグナルスイッチ13又は/及びハザードスイッチ14のОN/ОFF操作に基づいて後述する表示回路30の各スイッチ36~39をОN/ОFF制御するECU(Electronic Control Unit)20と、ターンシグナルランプ11及び描画ランプ12を含んで構成される表示回路30(
図2参照)と備えている。
【0021】
ターンシグナルランプ11は、車両5の進行方向を点滅表示させることによって車両5の進行方向の変更を表示する信号灯である。また、ターンシグナルランプ11は、全てのターンシグナルランプ11を同時に点滅させることによってハザードランプとしても機能する。
【0022】
ターンシグナルランプ11は、上述したように、車両5の左右側にそれぞれ設けられる。また、ターンシグナルランプ11は、車両5の前後側にそれぞれ設けられる。本実施形態では、車両5の前後左右側の合計4つが設けられる構成としたが、これに限定されない。ターンシグナルランプ11は、例えば左右側それぞれのドアミラー又は車両5の側部のそれぞれの左右側に追加して設けられてもよい。
【0023】
描画ランプ12は、上述したように、車両5の左右側にそれぞれ設けられ、路面に向けて光を照射して所定形状の表示を路面に描画する。本実施形態では、描画ランプ12は、それぞれのターンシグナルランプ11の近傍であってターンシグナルランプ11の外側に設けられが、これに限定されない。
【0024】
描画ランプ12は、例えば、LED等の半導体発光素子と、半導体発光素子から出射された光を投影スクリーン上に投影するための第1レンズと、投影スクリーン上の所定形状の像を路面に向けて描画する第2レンズとを有する。投影スクリーンは、路面に描画する所定形状に応じた透過領域が最初から形成されていてもよい。また、透過型液晶のようにマトリクス状に配置された複数の素子を選択的に駆動することによって様々なパターンの光を透過させるようにしてもよい。
【0025】
本実施形態では、描画ランプ12によって描画される所定形状として、進行方向に鋭角部分を向けたV字形状を複数連ねたものを図示するが、これに限定されない。進行方向を示す形状が路面に表示されればよい。
【0026】
ターンシグナルスイッチ13は、上述したように車両5の進路変更の際に進路側のターンシグナルランプ11を点滅させる。ターンシグナルスイッチ13は、所謂ウィンカーレバーであって、ステアリングコラムの左側又は右側に設けられる。ターンシグナルスイッチ13は、回動可能なレバーであって、左側に回動されてОNとされた場合には、左側のターンシグナルランプ11が点滅し、右側に回動されてОNとされた場合には、右側のターンシグナルランプ11が点滅する。
【0027】
ハザードスイッチ14は、上述したように全てのターンシグナルランプ11を点滅させる。ハザードスイッチ14は、押し釦式のスイッチであって、運転席と助手席との間に設けられる。
【0028】
図2に示すように、表示回路30は、周期的に電源(図示なし)と接続/遮断されるウィンカーリレー35が設けられるリレー回路31と、左側のターンシグナルランプ11及び描画ランプ12が並列に接続されている左側表示回路32と、右側のターンシグナルランプ11及び描画ランプ12が並列に接続されている右側表示回路33と、左側表示回路32及び右側表示回路33に接続される両側表示回路34とを有している。
【0029】
リレー回路31と、左側表示回路32及び右側表示回路33と、の間には、スイッチ36が設けられている。スイッチ36は、リレー回路31と左側表示回路32とを接続する左側ON状態と、リレー回路31と右側表示回路33とを接続する右側ON状態と、リレー回路31を左側表示回路32及び右側表示回路33のいずれとも接続させないOFF状態と、に切り替え可能である。
【0030】
スイッチ36は、ターンシグナルスイッチ13の状態に連動して駆動制御される。具体的には、ターンシグナルスイッチ13が左側にONの場合、スイッチ36は、左側ON状態となり、左側表示回路32に電力が供給される。同様に、ターンシグナルスイッチ13が右側にONの場合、スイッチ36は、右側ON状態となり、右側表示回路33に電力が供給される。一方、ターンシグナルスイッチ13がOFFの場合、スイッチ36は、OFF状態となる。
【0031】
両側表示回路34は、スイッチ36を迂回して、リレー回路31と左側表示回路32及び右側表示回路33とを接続する。両側表示回路34とリレー回路31との間にはスイッチ37が設けられている。スイッチ37は、ハザードスイッチ14の状態に連動して駆動制御される。具体的には、ハザードスイッチ14がONの場合、スイッチ37がONとなり、左側表示回路32及び右側表示回路33の双方に電力が供給される。一方、ハザードスイッチ14がOFFの場合、スイッチ37はOFFとなる。
【0032】
上述した通り、左側表示回路32において、ターンシグナルランプ11と描画ランプ12が並列接続している。また、描画ランプ12が設けられたライン上には、スイッチ38が設けられている。スイッチ38がONの場合、描画ランプ12とターンシグナルランプ11が、完全に同期して点灯する。右側表示回路33も同様である。スイッチ38、39は、路面描画を禁止する際にOFFされる。
【0033】
ECU20は、ターンシグナルスイッチ13の操作に基づいてスイッチ36を制御し、ハザードスイッチ14の操作に基づいてスイッチ37を制御することによってターンシグナルランプ11の点滅又は点灯を制御する。
【0034】
また、ECU20は、スイッチ36、37の制御に加えて、さらに、ターンシグナルスイッチ13、ハザードスイッチ14、操舵角度、車速に基づいて、スイッチ38、39を制御することによって、描画ランプ12の描画を制御する。
【0035】
ECU20は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部を有し、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。
【0036】
図2に示すように、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13、ハザードスイッチ14、操舵角度センサ15、車内CAN16及び表示回路30の各スイッチ36~39に接続され、ターンシグナルスイッチ13及びハザードスイッチ14からON/OFFの操作信号が入力され、表示回路30の各スイッチ36~39にON/OFFの制御信号を出力する。
【0037】
以下、本発明に係る路面描画の表示例について説明するが、ターンシグナルランプ11及び描画ランプ12による全ての表示パターンについては、
図4及び
図5を用いて後述する。
【0038】
また、表示例の図示については、
図6~
図9を適宜参照する。
図6は、ターンシグナルランプ11が消灯し、路面描画をしない状態を示す。
図7は、進路側のターンシグナルランプ11が点滅し、進路側に路面描画をする状態を示す。
図8は、両側のターンシグナルランプ11が点滅し、路面描画をしない状態を示す。
図9は、両側のターンシグナルランプ11が点滅し、進路側の路面描画をする状態を示す。
【0039】
ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合には、描画ランプ12による路面描画を禁止する(例えば
図8に示す表示例)。具体的には、ECU20は、
図3に示す表示の流れに従う。
【0040】
図3に示すように、ステップS11において、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13がОNされている場合にはステップS12に移行し、ОFFされている場合にはステップS15に移行する。
【0041】
ステップS12において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS13に移行し、ОFFされている場合にはステップS14に移行する。
【0042】
ステップS13において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照)。つまり、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13とハザードスイッチ14とが共にONの場合には、描画ランプ12によって路面描画を行わない。
【0043】
ステップS14において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとしてリレー回路31と進路側表示回路とを接続し、スイッチ37をОFFとし、スイッチ38、39のうち進路側のものをОNとする。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、進路側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図7参照)。つまり、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13がONでもハザードスイッチ14がOFFの場合には、描画ランプ12によって路面描画を行う。
【0044】
ステップS15において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS16に移行し、ОFFされている場合にはステップS11に移行する。
【0045】
ステップS16において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照)。つまり、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13がOFFでハザードスイッチ14がONの場合には、描画ランプ12によって路面描画を行わない。
【0046】
これにより、ハザードスイッチ14がONの場合には、常に、路面描画を禁止しているので、ターンシグナルランプ11に連動して路面描画がされることがなく、周囲の歩行者等を混乱させることがない。
【0047】
次に、別の実施形態について説明する。
図3の例では、ハザードスイッチ14がONされた場合には、常に、路面描画を禁止している。しかし、
図4、
図5に示すように、特定条件下では、路面描画の禁止を解除してもよい。
図4、
図5の例では、車両5が走行中又は発進する際に、ターンシグナルスイッチ13がONされている、あるいは、操舵されている場合には、ハザードスイッチ14がОNされていても、路面描画を実行する。
【0048】
一方で、車両5が停車中には、ハザードスイッチ14がONされている場合には、路面描画を禁止する。したがって、ECU20は、車両5が停止中(車内CAN16により送信される車速が所定速度未満)に、ハザードスイッチ14がОNされている場合には、ターンシグナルスイッチ13がОNされていても、描画ランプ12による路面描画を行わない。
【0049】
具体的には、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとしてリレー回路31と進路側表示回路とを接続し、スイッチ37をОNとし、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照、後述するステップS33と同じ動作)。
【0050】
さらに、ECU20は、上述したように、車両5が走行中又は発進する際(車内CAN16により送信される車速が所定速度以上)に、ハザードスイッチ14がОNされている場合であっても、ターンシグナルスイッチ13がОNされている場合には、描画ランプ12による路面描画の禁止を解除する。
【0051】
具体的には、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとして進路側の描画ランプ12に接続する。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図9参照、後述するステップS24と同じ動作)。
【0052】
本実施形態では、車内CAN16により送信される車速によって車両5が走行中又は発進することを検知する構成としたが、これに限定されない。例えばシフトレバーの位置がDレンジにあるときに車両5が走行中又は発進すると検知してもよい。
【0053】
さらに、ECU20は、車両5が走行中又は発進する際に、ハザードスイッチ14がОNされている場合であっても、操舵角度センサ15によって検出される操舵角度が所定角度以上の場合には、描画ランプ12による路面描画の禁止を解除する。
【0054】
具体的には、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとして進路側の描画ランプ12に接続する。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図9参照、後述するステップS28と同じ動作)。
【0055】
これにより、車両5が走行中又は発進する際に、ハザードスイッチ14がОNされている場合であっても、進路変更動作をユーザが行った場合には、描画禁止が解除されるので、周辺の車両等へ車両5の進路変更動作の意思が伝わる。
【0056】
「表示例」
図4から
図5を用いて、ECU20による表示の流れについて説明する。
【0057】
図4に示すように、ステップS21において、ECU20は、車内CAN16により送信される車速が所定速度以上の場合は、車両5が走行中又は発進中であるとしてステップS22に移行する。車速が所定速度未満の場合は、車両5が停止中であるとしてステップS31に移行する(
図5参照)。
【0058】
「走行中又は発進中」
ステップS22において、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13がОNされている場合にはステップS23に移行し、ОFFされている場合にはステップS26に移行する。
【0059】
ステップS23において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS24に移行し、ОFFされている場合にはステップS25に移行する。
【0060】
ステップS24において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとして進路側の描画ランプ12に接続する。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図9参照)。
【0061】
ステップS25において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとしてリレー回路31と進路側表示回路とを接続し、スイッチ37をОFFとし、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとして進路側の描画ランプ12に接続する。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、進路側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図7参照)。
【0062】
ステップS26において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS27に移行し、ОFFされている場合にはステップS21に移行する。
【0063】
ステップS27において、ECU20は、操舵角度センサ15によって検出される操舵角度が所定角度以上の場合には、車両5が操舵中であるとしてステップS28に移行する。操舵角度が所定角度未満の場合には、車両5が操舵中ではないとしてステップS29に移行する。
【0064】
ステップS28において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとして進路側の描画ランプ12に接続する。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図9参照)。
【0065】
ステップS29において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をОNとしリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照)。
【0066】
なお、ステップS26でNOの場合、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をOFFとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続遮断し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、路面描画されず、また、ターンシグナルランプ11も点灯させない(
図6参照)。
【0067】
「停止中」
図5に示すように、ステップS31において、ECU20は、ターンシグナルスイッチ13がОNされている場合にはステップS32に移行し、ОFFされている場合にはステップS35に移行する。
【0068】
ステップS32において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS33に移行し、ОFFされている場合にはステップS34に移行する。
【0069】
ステップS33において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照)。
【0070】
ステップS34において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36を進路側にОNとしてリレー回路31と進路側表示回路とを接続し、スイッチ37をОFFとし、スイッチ38、39のうち進路側のスイッチをОNとする。これにより、進路側の描画ランプ12によって路面描画を行い、進路側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図7参照)。
【0071】
ステップS35において、ECU20は、ハザードスイッチ14がОNされている場合にはステップS36に移行し、ОFFされている場合にはステップS21に移行する。
【0072】
ステップS36において、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をОNとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、描画ランプ12によって路面描画を行わずに、両側のターンシグナルランプ11を点滅させる(
図8参照)。
【0073】
なお、ステップS35でNOの場合、ECU20は、表示回路30において、スイッチ36をОFFとし、スイッチ37をOFFとしてリレー回路31と両側表示回路34とを接続遮断し、スイッチ38、39をОFFとする。これにより、路面描画されず、また、ターンシグナルランプ11も点灯させない(
図6参照)。
【0074】
なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
5 車両、10 表示装置(車両用表示装置)、11 ターンシグナルランプ、12 描画ランプ、13 ターンシグナルスイッチ、14 ハザードスイッチ、15 操舵角度センサ、 車内CAN、20 ECU、30 表示回路、31 リレー回路、32 左側表示回路、33 右側表示回路、34 両側表示回路、35 ウィンカーリレー、36 スイッチ、37 スイッチ、38 スイッチ、39 スイッチ