(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
G08G1/127 A
(21)【出願番号】P 2022019805
(22)【出願日】2022-02-10
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏光
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-173497(JP,A)
【文献】特開2019-192132(JP,A)
【文献】特開2004-234469(JP,A)
【文献】特開2002-334397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0078934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 99/00
G09F 13/00 - 13/46
G09F 19/00 - 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンデマンドバス
の停留所の標識が設置されていない乗車場所に近接する第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の出力装置は、前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力すること以外の機能を主な機能とする出力装置である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、第1の出力装置へ送信する制御部を備え、
前記第1の出力装置は、前
記オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されているサイネージ装置であり、
前記制御部は、前記停留所を示す標識を出力させる指令を、前記第1の指令として、前記サイネージ装置へ送信する、
情報処理装置。
【請求項4】
オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、第1の出力装置へ送信する制御部を備え、
前記第1の出力装置は、前
記オンデマンドバスの乗車場所に近接した柱に設置されているサイネージ装置であり、
前記制御部は、前記停留所を示す標識を出力させる指令を、前記第1の指令として、前記サイネージ装置へ送信する、
情報処理装置。
【請求項5】
オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、第1の出力装置へ送信す
る制御部を備え、
前記第1の出力装置は、前
記オンデマンドバスの乗車場所に近接した店舗に併設されているサイネージ装置であり、
前記制御部は、前記停留所を示す標識を出力させる指令を、前記第1の指令として、前記サイネージ装置へ送信する、
情報処理装置。
【請求項6】
オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、第1の出力装置へ送信する制御部を備え、
前記第1の出力装置は、前
記オンデマンドバスの乗車場所の路面に設置されている路面標示装置であり、
前記制御部は、前記停留所を示す標識を出力させる指令を、前記第1の指令として、前記路面標示装置へ送信する、
情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の出力装置は、前記乗車場所に近接して設置されている第1の街灯であり、
前記制御部は、前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる態様で前記第1の街灯を点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる発光色で前記第1の街灯を点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯が連続的に点灯している場合に、
前記制御部は、前記第1の街灯を断続的に点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯が連続的に消灯している場合に、
前記制御部は、前記第1の街灯を連続的又は断続的に点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、第1の出力装置へ送信する制御部を備え、
前記第1の出力装置は、前
記オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置される第1のLEDランプであり、
前記制御部は、前記乗車場所の周辺のガードレールに設置されている他のLEDランプとは異なる態様で前記第1のLEDランプを点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1のLEDランプへ送信する、
情報処理装置。
【請求項12】
前記乗車場所において前記オンデマンドバスへ乗車する予定のユーザの端末が、前記乗車場所を含む第1のエリア内に入ったときに、前記制御部は、前記第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信する、
請求
項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記乗車場所において前記オンデマンドバスへ乗車する予定のユーザの乗車日時よりも第1時間長早いタイミングで、前記制御部は、前記第1の指令を、前記第1の出力装置へ
送信する、
請求
項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記ユーザが前記オンデマンドバスへ乗車したタイミングで、前記制御部は、前記停留所の標示の出力を停止させる第2の指令を、前記第1の出力装置へ送信する、
請求
項12又は13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
オンデマンドバス
の停留所の標識が設置されていない乗車場所に近接する第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
をコンピュータが実行する、
情報処理方法。
【請求項16】
前記第1の出力装置は、前記乗車場所に近接して設置されている第1の街灯であり、
前記コンピュータが、
前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる態様で前記第1の街灯を点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項15に記載の情報処理方法。
【請求項17】
オンデマンドバスの運行エリア内の道路およびまたは道路周辺に設置されている複数の出力装置と、
複数の前記出力装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、
複数の前記出力装置のうち、前記オンデマンドバス
の停留所の標識が設置されていない乗車場所に近接する出力装置である第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
を実行する、
情報処理システム。
【請求項18】
前記第1の出力装置は、前記乗車場所に近接して設置されている第1の街灯であり、
前記サーバ装置は、前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる態様で前記第1の街灯を点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、請求
項17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記サーバ装置は、前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる発光色で前記第1の街灯を点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項18に記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記乗車場所の周辺に設置されている他の街灯が連続的に点灯している場合に、
前記サーバ装置は、前記第1の街灯を断続的に点灯させる指令を、前記第1の指令として、前記第1の街灯へ送信する、
請求
項18に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められた運行経路を走行する車両に乗車予定のユーザの位置情報を取得し、取得された位置情報を用いてユーザの乗車場所である仮想の停留所を設定し、仮想の停留所の位置をユーザに通知する、運行管理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、オンデマンドバスの乗車場所を見つけやすくすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、情報処理装置である。その場合の情報処理装置は、例えば、
オンデマンドバスの乗車場所に近接する第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
を実行する制御部を備えるようにしてもよい。
【0006】
本開示の他の態様は、情報処理方法である。その場合の情報処理方法は、例えば、
オンデマンドバスの乗車場所に近接する第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
をコンピュータが実行するようにしてもよい。
【0007】
本開示の他の態様は、オンデマンドバスの運行エリア内の道路およびまたは道路周辺に設置されている複数の出力装置と、複数の前記出力装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備える情報処理システムである。その場合、サーバ装置は、例えば、
複数の前記出力装置のうち、前記オンデマンドバスの乗車場所に近接する出力装置である第1の出力装置を特定することと、
前記オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を、前記第1の出力装置へ送信することと、
を実行するようにしてもよい。
【0008】
また、他の態様として、上記した情報処理方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム、又は、該情報処理プログラムをコンピュータが可読な形態で記憶する非一時的記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、オンデマンドバスの乗車場所を見つけやすくすることができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態における停留所標示システムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態における停留所標示システムに含まれる、街灯、第1のサーバ装置、及び、第2のサーバ装置の各々のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態における第2のサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】装置管理データベースに格納される情報の一例を示す図である。
【
図5】依頼管理データベースに格納される情報の一例を示す図である。
【
図6】実施形態における第2のサーバ装置で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
近年、ユーザが任意に指定する乗降場所及び乗降日時に従って運行されるオンデマンドバスの普及が進められている。オンデマンドバスは、路線バス及び高速バス等のような路線定期運行バスとは異なり、ユーザが任意に指定した乗降場所及び乗降日時等に従って運行される。よって、オンデマンドバスの乗車場所となる場所には、路線定期運行バスの停留所のような目印(例えば、停留所を示す標識等)が設置されていない可能性がある。停留所の標識が設置されていない場所が乗車場所に指定された場合、ユーザは、乗車場所を見つけ難くなる可能性がある。また、ユーザは、該ユーザが指定した場所にオンデマンドバスが停車するのか不安になる可能性もある。さらに、オンデマンドバスの運転者が、ユーザの指定した乗車場所を見つけ難くなる可能性もある。よって、オンデマンドバスを運行する上では、ユーザの乗車場所に目印を標示することが望まれる。
【0012】
これに対し、本開示に係る情報処理装置では、制御部が、オンデマンドバスの乗車場所に近接する第1の出力装置を特定する。オンデマンドバスの乗車場所は、ユーザがオンデマンドバスに乗車する場所であり、ユーザにより任意に指定される。なお、ユーザが指定する場所がオンデマンドバスの停車場所として適していない場合も想定され得る。そのような場合には、オンデマンドバスサービスの提供者が、ユーザが指定した場所の近傍であって、オンデマンドバスの停車場所として適している場所を、乗車場所に指定してもよい。第1の出力装置は、オンデマンドバスの運行エリア内の複数箇所に設置されている複数の出力装置のうち、上記の乗車場所に近接した構造物に設けられている出力装置である。ここでいう複数の出力装置は、オンデマンドバスの停留所の標示を出力すること以外の機能を、主な機能とする装置である。
【0013】
本開示に係る情報処理装置の制御部は、特定された第1の出力装置に対し、オンデマンドバスの停留所の標示を出力させる第1の指令を送信する。第1の指令を受信した第1の出力装置は、オンデマンドバスの停留所の標示を出力する。これにより、ユーザは、第1の出力装置による標示を目印として、オンデマンドバスの乗車場所を見つけることができる。また、ユーザの指定場所にオンデマンドバスが停車するのかユーザが不安を覚えることを抑制することもできる。さらに、オンデマンドバスの運転者は、第1の出力装置による標示を目印として、ユーザの指定した乗車場所を見つけることができる。
【0014】
ここで、本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されているサイネージ装置でもよい。斯様なサイネージ装置は、例えば、案内標識の標示、警戒標識の標示、規制標識の標示、指示標識の標示、補助標識の標示、又は、広告の標示等を主な機能とするものでもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されているサイネージ装置に対し、オンデマンドバスの停留所を示す標識を出力させる指令を、第1の指令として送信してもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されている、既存のサイネージ装置を利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0015】
本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所に近接した柱(例えば、電柱、又は、電信柱等)に設置されているサイネージ装置でもよい。斯様なサイネージ装置は、例えば、住所の標示、災害情報の標示、防災情報の標示、防犯情報の標示、又は、広告の標示等を主な機能とするものでもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所に近接した柱に設置されているサイネージ装置に対し、オンデマンドバスの停留所を示す標識を出力させる指令を、第1の指令として送信してもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所に近接した柱に設置されている、既存のサイネージ装置を利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0016】
本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所に近接した店舗に併設されているサイネージ装置でもよい。店舗に併設されているサイネージ装置とは、店舗の外部へ向けた情報の表示を行うサイネージ装置であり、例えば、道路に面している店舗の外壁等に設置されるサイネージ装置である。斯様なサイネージ装置は、店舗が面している道路の通行者に対し、店舗名の標示、又は、店舗の広告の標示等を主な機能とするものでもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所に近接した店舗に併設されているサイネージ装置に対し、オンデマンドバスの停留所を示す標識を出力させる指令を、第1の指令として送信してもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所に近接した店舗に併設されている、既存のサイネージ装置を利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0017】
本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所の路面に設置されている路面標示装置でもよい。斯様な路面標示装置は、例えば、通行帯の標示、又は、標識の標示等を主な機能とする、レーンライティング装置でもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所の路面に設置されている路面標示装置に対し、オンデマンドバスの停留所を示す標識を出力させる指令を、第1の指令として送信してもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所の路面に設置されている、既存の路面標示装置を利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0018】
本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所に近接して設置されている第1の街灯でもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所の周辺に設置されている第1の街灯に対し、他の街灯とは異なる態様で該第1の街灯を点灯させる指令を、第1の指令として送信してもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所に近接して設置されている、既存の街灯を利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0019】
第1の出力装置として第1の街灯を利用する場合、制御部は、オンデマンドバスの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯とは異なる発光色で第1の街灯を点灯させる指令を、第1の指令として、第1の街灯へ送信してもよい。これにより、ユーザおよびまたはオンデマンドバスの運転者は、他の街灯とは異なる発光色で点灯している街灯(第1の街灯)を目印として、乗車場所を見つけることができる。
【0020】
第1の出力装置として第1の街灯を利用する場合、オンデマンドバスの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯が連続的に点灯していれば、制御部は、第1の街灯を断続的に点灯(点滅)させる指令を、第1の指令として、第1の街灯へ送信してもよい。これにより、ユーザおよびまたはオンデマンドバスの運転者は、点滅している第1の街灯を目印として、乗車場所を見つけることができる。
【0021】
第1の出力装置として第1の街灯を利用する場合、オンデマンドバスの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯が連続的に消灯している可能性もある。その場合、制御部は、第1の街灯のみを連続的又は断続的に点灯させる指令を、第1の指令として、第1の街灯へ送信してもよい。これにより、ユーザおよびまたはオンデマンドバスの運転者は、点灯
又は点滅している第1の街灯を目印として、乗車場所を見つけることができる。
【0022】
また、本開示に係る第1の出力装置は、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置される第1のLEDランプでもよい。斯様な第1のLEDランプは、例えば、誘導灯の標示等を主な機能とするものでもよい。制御部は、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されている第1のLEDランプに対し、他のLEDランプとは異なる態様で該第1のLEDランプを点灯させる指令を、第1の指令として送信してもよい。他のLEDランプと異なる態様は、前述した街灯と同様の方法でもよい。これにより、オンデマンドバスの乗車場所に近接したガードレールに設置されている、既存のLEDランプを利用して、停留所の目印を生成することができる。
【0023】
ここで、情報処理装置から第1の出力装置へ第1の指令が送信されるタイミングとして、オンデマンドバスへ乗車する予定のユーザの端末が、乗車場所を含む第1のエリア内に入ったタイミングでもよい。第1のエリアは、例えば、乗車場所(第1の出力装置)を目視可能なエリアである。別法として、オンデマンドバスへ乗車する予定のユーザの乗車日時より第1の時間長だけ早いタイミングで、情報処理装置から第1の出力装置へ第1の指令が送信されてもよい。また、本開示に係る情報処理装置の制御部は、ユーザがオンデマンドバスへ乗車したタイミングで、停留所の標示の出力を停止させる第2の指令を、第1の出力装置へ送信してもよい。これらの方法により、第1の出力装置が停留所の標示を出力する期間を必要最小限に抑えることができる。
【0024】
本開示に係る情報処理装置は、例えば、オンデマンドバスの運行エリア内に設置されている出力装置を制御する機能を有するサーバ装置である。なお、本開示に係る情報処理装置は、オンデマンドバスの運行エリア内に設置されている出力装置を制御する機能に加え、オンデマンドバスの運行を管理する機能を有するサーバ装置でもよい。また、本開示に係る制御部は、サーバ装置が備えるCPU(Central Processing Unit)、又は、DSP
(Digital Signal Processor)等のプロセッサである。
【0025】
<実施形態>
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態に記載される構成等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。本実施形態では、本開示に係る情報処理装置を停留所標示システムに適用する例について述べる。
【0026】
(停留所標示システムの概要)
図1は、第1の実施形態における停留所標示システムの概要を示す図である。本実施形態における停留所標示システムは、オンデマンドバス1の運行を管理する第1のサーバ装置100と、オンデマンドバス1の運行エリア内の複数箇所に設置されている複数の出力装置2と、それら複数の出力装置2を制御する第2のサーバ装置200と、を含んで構成される。
【0027】
オンデマンドバス1は、ユーザが指定する乗降場所及び乗降日時に従って運行される車両である。なお、オンデマンドバス1は、運行ルートと運行時刻とが予め決定されており、乗降場所のみがユーザからの要求に応じて変更される車両でもよい。
【0028】
出力装置2は、オンデマンドバス1の運行エリア内に既設されている装置であり、オンデマンドバス1の停留所の標示を出力する機能以外を、主な機能とする装置である。このような出力装置2としては、例えば、ガードレールに設置されているサイネージ装置、柱(例えば、電柱又は電信柱等)に設置されているサイネージ装置、店舗に併設されているサイネージ装置、路面に設置されている路面標示装置、街灯、又は、ガードレールに設置
されるLEDランプ等である。本実施形態では、出力装置2として、オンデマンドバス1の運行エリア内の道路に既設されている街灯20を用いる例について述べる。
【0029】
第1のサーバ装置100は、ユーザからのリクエストを受け付け、オンデマンドバス1の運行計画を生成する。ユーザからのリクエストには、ユーザの乗車場所、ユーザの乗車日時、ユーザの降車場所、及び、ユーザの降車日時等が含まれる。運行計画には、オンデマンドバス1の運行ルート、運行ルートの途中でオンデマンドバス1が停車する場所(ユーザの乗降場所)、及び、運行時刻等が含まれる。ユーザの乗車場所及び降車場所は、原則として、ユーザにより指定される。ただし、ユーザにより指定された場所がオンデマンドバスの停車場所として適していなければ、オンデマンドバスサービスの提供者が、ユーザにより指定された場所の近傍であって、オンデマンドバスの停車場所として適している場所を、ユーザの乗車場所及び降車場所に変更してもよい。
【0030】
本実施形態における第1のサーバ装置100は、オンデマンドバス1の運行計画が生成されたときに、停留所の標示の出力を依頼する信号(以下、「第1の信号」と記す場合もある。)を、第2のサーバ装置200へ送信する機能を有する。第1の信号には、ユーザの乗車場所、ユーザの乗車日時、及び、当該依頼の識別情報(以下、「依頼ID」と記す場合もある。)等が含まれる。また、本実施形態における第1のサーバ装置100は、ユーザのオンデマンドバス1への乗車が完了したときに、停留所の標示の出力停止を依頼する信号(以下、「第2の信号」と記す場合もある。)を、第2のサーバ装置200へ送信する機能も有する。第2の信号には、当該依頼の識別情報が含まれる。第2の信号に含まれる識別情報は、第1の信号に含まれる依頼IDと同じ識別情報が用いられるものとする。
【0031】
第2のサーバ装置200は、オンデマンドバス1の運行エリア内の複数箇所に設置されいる複数の出力装置2を制御する。第2のサーバ装置200は、オンデマンドバス1の運行エリア内の道路に設置されている複数の街灯20を制御する。例えば、第2のサーバ装置200は、昼間の時間帯は複数の街灯20を消灯させ、夜間の時間帯は複数の街灯20を点灯させる。
【0032】
本実施形態における第2のサーバ装置200は、第1のサーバ装置100からの第1の信号を受信したときに、複数の街灯20のうち、ユーザの乗車場所に近接している街灯20(以下、「第1の街灯20A」と記す場合もある。)を特定する機能も有する。また、本実施形態における第2のサーバ装置200は、第1のタイミングイグで、停留所の標示を出力させるための信号(以下、「第1の指令信号」と記す場合もある。)を、第1の街灯20Aへ送信する機能も有する。第1のタイミングは、例えば、ユーザの乗車日時から第1の時間長だけ早い日時である。なお、ユーザが携帯する端末の現在位置を第2のサーバ装置200が取得することができるように、ユーザの端末及び第2のサーバ装置200が構成される場合においては、第1のタイミングは、ユーザの端末の現在位置が、ユーザの乗車場所を含む第1のエリアに入ったタイミングでもよい。第1のエリアは、例えば、第1の街灯20Aをユーザが目視することができるエリアである。また、第2のサーバ装置200は、第1のサーバ装置100からの第2の信号を受信したときに、停留所の標示の出力を停止させるための信号(以下、「第2の指令信号」と記す場合もある。)を、第1の街灯20Aへ送信する機能も有する。
【0033】
(停留所標示システムのハードウェア構成)
ここで、本実施形態における停留所標示システムのハードウェア構成例について
図2に基づいて説明する。
図2は、
図1に示した停留所標示システムに含まれる、街灯20、第1のサーバ装置100、及び、第2のサーバ装置200の各々のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示す例では、街灯20が一つのみ図示されているが、オンデマン
ドバス1の運行エリア内に設置されている数と同数の街灯20が停留所標示システムに含まれるものとする。
【0034】
街灯20は、オンデマンドバス1の運行エリア内の道路に設置され、道路を照明することを主な機能とする装置である。本実施形態における街灯20は、
図2に示すように、光源21と、駆動部22と、通信部23と、を含んで構成される。
【0035】
光源21は、発光して路面を照らす機器である。本実施形態における光源21は、複数色のLED(Light Emitting Diode)を備え、発光色を変更可能に構成される。なお、光源21は、LEDに限定されず、発光色を変更することができるものであればよい。
【0036】
駆動部22は、光源21を駆動する回路である。駆動部22は、光源21の発光(街灯20の点灯)と、光源21の発光停止(街灯20の消灯)と、を切り換える。また、駆動部22は、光源21に含まれる複数色のLEDの各々の発光量を調整することで、光源21の発光色を変更(調色)する。駆動部22による光源21の発光、発光停止、及び、調色は、第2のサーバ装置200からの指令に従って行われる。
【0037】
通信部23は、街灯20をネットワークN1に接続するための機器である。ここでいうネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、又はその他の通信網等である。通信部23は、ネットワークN1
を介して、街灯20を第2のサーバ装置200に接続する。斯様な通信部23は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、又は無線通信のための無線通信回路等を含んで構成される。
【0038】
街灯20のハードウェア構成は、
図2に示す例に限定されず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0039】
第1のサーバ装置100は、オンデマンドバス1の運行を管理するコンピュータであり、オンデマンドバスサービスの提供者によって運用される。第1のサーバ装置100は、
図2に示すように、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、及び、通信部104等を含んで構成される。これらプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、及び、通信部104は、互いにバスによって接続される。
【0040】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101は、様々な演算処理を実行すること
により、第1のサーバ装置100を制御する。
【0041】
主記憶部102は、プロセッサ101に対し、補助記憶部103に格納されているプログラムをロードするための記憶領域及び作業領域を提供したり、演算処理のバッファとして用いられたりする記憶装置である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のような半導体メモリを含んで構成される。
【0042】
補助記憶部103は、様々なプログラム、及び、各プログラムの実行に際してプロセッサ101が使用するデータ等を格納する。補助記憶部103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive :HDD)
である。補助記憶部103は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、又はDVD(Digital Versatile Disc)等のようなディスク記録媒体である。補助記憶部103は、各種のプログラム、各種のデータ、及び各種のテーブルを
読み書き自在に記録媒体に格納する。
【0043】
補助記憶部103に格納されるプログラムには、オペレーティングシステム(Operating System)に加え、オンデマンドバス1の運行計画を生成するためのプログラムと、第1の信号及び第2の信号を第2のサーバ装置200へ送信するためのプログラムと、が含まれる。
【0044】
通信部104は、第1のサーバ装置100をネットワークN1に接続するための機器である。通信部104は、ネットワークN1を介して、第1のサーバ装置100を第2のサーバ装置200に接続する。斯様な通信部104は、例えば、LANインターフェースボード、又は無線通信のための無線通信回路等を含んで構成される。
【0045】
図2に示すように構成される第1のサーバ装置100では、プロセッサ101が、補助記憶部103のプログラムを主記憶部102にロードして実行することにより、オンデマンドバス1の運行計画を生成する。具体的には、プロセッサ101は、ユーザのリクエストに含まれる乗車場所及び降車場所に基づいて、オンデマンドバス1の運行ルート及び停車場所(ユーザの乗車場所、及び、ユーザの降車場所)を決定する。第1のサーバ装置100は、ユーザのリクエストに含まれるの乗車日時及び降車日時に基づいて、オンデマンドバス1の運行時刻を決定する。
【0046】
なお、オンデマンドバス1の運行計画を決定する方法は上記した方法に限定されない。例えば、運行ルート及び運行時刻が既に決定しているオンデマンドバス1の中に、ユーザが指定する乗車日時に当該ユーザが指定する乗車場所を経由し、且つ、当該ユーザが指定する降車日時に当該ユーザが指定する降車場所を経由するオンデマンドバス1があれば、当該オンデマンドバス1の停車場所に当該ユーザの指定する乗車場所及び降車場所を追加することで、当該オンデマンドバス1の運行計画が生成されてもよい。
【0047】
プロセッサ101により決定された、運行ルート、停車場所、及び、運行時刻を含む運行計画は、通信部104を通じて、所定の端末へ送信される。ここで、オンデマンドバス1が自律的に走行可能な自動運転車両である場合には、所定の端末は、オンデマンドバス1に搭載される端末である。これにより、オンデマンドバス1は、第1のサーバ装置100により生成された運行計画に従って、自律的に運行することができる。また、オンデマンドバス1が運転者の手動運転により走行される車両である場合には、所定の端末は、運転者が使用する端末である。これにより、運転者は、第1のサーバ装置100により生成された運行計画に従って、オンデマンドバス1を運行させることができる。
【0048】
また、第1のサーバ装置100では、オンデマンドバス1の運行計画が生成されたときに、プロセッサ101が、依頼ID、ユーザの乗車場所、及び、ユーザの乗車日時を含む第1の信号を、通信部104を通じて、第2のサーバ装置200へ送信する。さらに、第1のサーバ装置100では、ユーザのオンデマンドバス1への乗車が完了したときに、プロセッサ101が、第1の信号と同じ依頼IDを含む第2の信号を、通信部104を通じて、第2のサーバ装置200へ送信する。なお、ユーザのオンデマンドバス1への乗車完了は、オンデマンドバス1から第1のサーバ装置100へ通知されてもよく、又は、ユーザの端末から第2のサーバ装置200へ通知されてもよい。また、ユーザのオンデマンドバス1への乗車完了は、ユーザが携帯する端末の位置情報とオンデマンドバス1の位置情報とに基づいて、第1のサーバ装置100のプロセッサ101が判定してもよい。
【0049】
第1のサーバ装置100のハードウェア構成は、
図2に示す例に限定されず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。また、第1のサーバ装置100で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行
させることもできる。
【0050】
第2のサーバ装置200は、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数の街灯20を制御するコンピュータであり、それら複数の街灯20の管理者によって運用される。第2のサーバ装置200は、
図2に示すように、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、及び、通信部204等を含んで構成される。プロセッサ201と主記憶部202と補助記憶部203とは、第1のサーバ装置100のプロセッサ101と主記憶部102と補助記憶部103とに各々同様であるため、その説明が省略される。ただし、第2のサーバ装置200の補助記憶部203に格納されるプログラムには、オペレーティングシステムに加え、各街灯20を制御するためのプログラムが含まれる。
【0051】
第2のサーバ装置200の通信部204は、ネットワークN1を介して、第2のサーバ装置200を第1のサーバ装置100及び各街灯20に接続する。なお、第2のサーバ装置200と各街灯20とは、ネットワークN1を介さずに、専用の信号線を介して接続されてもよい。
【0052】
第2のサーバ装置200のハードウェア構成は、
図2に示す例に限定されず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。また、第2のサーバ装置200で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0053】
(第2のサーバ装置の機能構成)
次に、本実施形態における第2のサーバ装置200の機能構成について、
図3に基づいて説明する。本実施形態における第2のサーバ装置200は、本開示に係る「情報処理装置」の一例であり、その機能構成要素として、受信部F210、特定部F220、指令部F230、装置管理データベースD210、及び、依頼管理データベースD220を有する。
【0054】
受信部F210と特定部F220と指令部F230とは、補助記憶部203に格納されているプログラムをプロセッサ201が実行することが実現される。その場合、第2のサーバ装置200のプロセッサ201が、本開示に係る「制御部」に相当する。なお、受信部F210と特定部F220と指令部F230とのうちの何れか、又はその一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路により実現されてもよい。その場合、当該ハードウェア回路が、本開示に係る「制御部」に相当する。
【0055】
装置管理データベースD210と依頼管理データベースD220とは、プロセッサ201によって実行されるDBMS(Database Management System)のプログラムで構築される。詳細には、DBMSのプログラムが、補助記憶部203に記憶されているデータを管理することで、装置管理データベースD210と依頼管理データベースD220とを構築する。装置管理データベースD210と依頼管理データベースD220とは、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0056】
装置管理データベースD210は、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数の出力装置2に関する情報を格納する。本実施形態では、装置管理データベースD210は、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている街灯20に関する情報を格納する。
図4は、装置管理データベースD210に格納される情報の一例を示す図である。
図4に示される装置管理データベースD210には、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数の街灯20の各々に対応する、複数のレコードが格納される。装置管理データベースD210の各レコードには、装置IDフィールドと、位置フィール
ドとが含まれる。なお、装置管理データベースD210に格納されるレコードの構成は、
図4に示す例に限定されるものではなく、適宜フィールドの追加、変更、又は削除が可能である。
【0057】
装置IDフィールドには、各街灯20を識別するための情報が格納される。位置フィールドには、各街灯20の位置情報が格納される。位置フィールドに格納される位置情報は、各街灯20が設置されている場所の住所、又は、緯度・経度等である。
【0058】
ここで
図3の説明に戻り、依頼管理データベースD220は、第1のサーバ装置100から受け付けた依頼(停留所の標示を出力する依頼)に関する情報を格納する。
図5は、依頼管理データベースD220に格納される情報の一例を示す図である。
図5に示される依頼管理データベースD220には、第1のサーバ装置100から受け付けた依頼別のレコードが格納される。依頼管理データベースD220の各レコードには、依頼IDフィールドと、装置IDフィールドと、第1のタイミングフィールドとが含まれる。なお、依頼管理データベースD220に格納されるレコードの構成は、
図5に示す例に限定されるものではなく、適宜フィールドの追加、変更、又は削除が可能である。
【0059】
依頼IDフィールドには、第1のサーバ装置100から受信した第1の信号に含まれる依頼IDが格納される。装置IDフィールドには、停留所の標示を出力させる街灯20(第1の街灯20A)の識別情報(装置ID)が格納される。第1のタイミングフィールドには、第1の街灯20Aに停留所の標示の出力を開始させる日時(第1のタイミング)が格納される。第1のタイミングは、ユーザの乗車日時よりも第1の時間長(例えば、5分から15分程度)だけ早い日時である。
【0060】
依頼管理データベースD220に格納されるレコードは、第1のサーバ装置100から送信される第1の信号を第2のサーバ装置200が受信したことをトリガにして生成され、停留所の標示の出力が終了したことをトリガにして依頼管理データベースD220から削除される。
【0061】
ここで、
図3の説明に戻り、受信部F210は、第1のサーバ装置100から送信される第1の信号を、通信部204を通じて受信する。受信部F210により受信された第1の信号は、受信部F210から特定部F220へ渡される。また、受信部F210は、第1のサーバ装置100から送信される第2の信号を、通信部204を通じて受信する。受信部F210により受信された第2の信号は、受信部F210から指令部F230へ渡される。
【0062】
特定部F220は、第1の信号を受信部F210から受け取ったときに、第1の街灯20Aを特定する。第1の街灯20Aは、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数の街灯20のうち、ユーザの乗車場所に近接した街灯20である。第1の街灯20Aを特定するにあたり、特定部F220は、ユーザの乗車場所を、第1の信号から抽出する。特定部F220は、装置管理データベースD210に格納されているレコードのうち、位置フィールドに格納されている位置情報がユーザの乗車場所に最も近接しているレコードを特定する。特定部F220は、特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDを読み出す。これにより、第1の街灯20Aが特定される。
【0063】
特定部F220は、第1の信号に含まれる依頼IDと、特定された第1の街灯20Aの装置IDと、第1の信号に含まれる乗車日時と、に基づいて、新規のレコードを依頼管理データベースD220に追加する。追加されるレコードの依頼IDフィールドには、第1の信号に含まれる依頼IDが格納される。追加されるレコードの装置IDフィールドには、特定部F220により特定された第1の街灯20Aの装置IDが格納される。追加され
るレコードの第1のタイミングフィールドには、第1の信号に含まれる乗車日時よりも第1時間長だけ早い日時が格納される。第1の信号に対応するレコードが依頼管理データベースD220に追加されると、第1の信号に含まれる依頼IDが特定部F220から指令部F230へ渡される。
【0064】
指令部F230は、特定部F220から受け取った依頼IDを引数として依頼管理データベースD220にアクセスし、当該依頼IDと一致する情報が依頼IDフィールドに登録されているレコードを特定する。指令部F230は、特定されたレコードの第1のタイミングフィールドに登録されている日時と現在の日時とを比較して、第1のタイミングが到来しているかを判定する。第1のタイミングが未だ到来していないと判定された場合は、指令部F230は、同様の判定処理を所定の周期で繰り返し実行する。第1のタイミングが到来していると判定された場合は、指令部F230は、特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDに基づいて、第1のタイミングが到来している第1の街灯20Aを特定する。指令部F230は、特定された第1の街灯20Aに対し、通信部204を通じて、第1の指令信号を送信する。第1の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標示を出力させるための指令を含む信号である。
【0065】
ここで、上記した第1のタイミングが街灯20の点灯時間帯(街灯20が連続的に点灯される時間帯)に属する場合には、指令部F230は、他の街灯20とは異なる発光色で点灯させる指令を含む第1の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信してもよい。別法として、指令部F230は、断続的に点灯(点滅)させる指令を含む第1の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信してもよい。また、上記した第1のタイミングが街灯20の消灯時間帯(街灯20が連続的に消灯される時間帯)に属する場合には、指令部F230は、連続的又は断続的に点灯させる指令を含む第1の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信してもよい。上記したような第1の信号を受信した第1の街灯20Aでは、当該第1の指令信号が通信部23を通じて駆動部22に入力される。そして、駆動部22は、第1の指令信号に含まれる指令に従って光源21を駆動する。これにより、第1の街灯20Aを、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯20とは異なる態様で点灯させることができる。その結果、ユーザは、第1の街灯20Aを目印として、オンデマンドバス1への乗車場所を見つけることが可能になる。また、オンデマンドバス1が運転者の手動運転により運行される車両である場合には、運転者も、第1の街灯20Aを目印として、ユーザの乗車場所を見つけることが可能になる。
【0066】
また、受信部F210から指令部F230へ第2の信号が渡されたときには、指令部F230は、第2の信号から依頼IDを抽出する。指令部F230は、抽出された依頼IDを引数として依頼管理データベースD220にアクセスし、当該依頼IDに一致する情報が依頼IDフィールドに格納されているレコードを特定する。指令部F230は、特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDに基づいて、第2の指令信号の送信対象となる第1の街灯20Aを特定する。指令部F230は、特定された第1の街灯20Aに対し、通信部204を通じて、第2の指令信号を送信する。第2の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標示の出力を停止させるための指令を含む信号である。
【0067】
ここで、第2の指令信号を送信するタイミングが街灯20の点灯時間帯に属し、且つ、第1の街灯20Aが他の街灯20と異なる発光色で点灯している場合には、指令部F230は、他の街灯20と同じ発光色で点灯させる指令を含む第2の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信する。また、第2の指令信号を送信するタイミングが街灯20の点灯時間帯に属し、且つ、第1の街灯20Aが点滅している場合には、指令部F230は、他の街灯20と同様に連続的に点灯させる指令を含む第2の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信する。また、第2の指令信号を送信するタイミングが街灯20の消灯時間帯に属し、且つ
、第1の街灯20Aが連続的又は断続的に点灯している場合には、指令部F230は、他の街灯20と同様に消灯させる指令を含む第2の指令信号を、第1の街灯20Aへ送信する。これにより、第1の街灯20Aが停留所の標示を出力する期間を必要最小限に抑えることができ、第1の街灯20Aの主たる機能(点灯時間帯に道路を照明し、且つ、消灯時間帯は消灯する機能)を担保することができる。
【0068】
指令部F230は、第2の指令信号の送信を終えると、該当するレコードを、依頼管理データベースD220から削除する。
【0069】
(処理の流れ)
次に、サーバ装置200で行われる処理の流れについて
図6に基づいて説明する。
図6は、第1のサーバ装置100から送信される第1の信号を第2のサーバ装置200が受信したことをトリガにして、第2のサーバ装置200で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、
図6の処理ルーチンの実行主体は、第2のサーバ装置200のプロセッサ201であるが、ここでは第2のサーバ装置200の機能構成要素を実行主体として説明を行う。
【0070】
図6の処理ルーチンでは、第2のサーバ装置200の受信部F210が、通信部204を通じて、第1のサーバ装置100から送信される第1の信号を受信する(ステップS101)。第1の信号は、停留所の標示の出力を依頼する信号であり、ユーザの乗車場所、ユーザの乗車日時、及び、依頼ID等が含まれる。受信部F210は、受信した第1の信号を、特定部F220へ渡す。特定部F220は、第1の信号の受け取りをトリガにして、ステップS102の処理を実行する。
【0071】
ステップS102では、特定部F220は、第1の街灯20Aを特定する。第1の街灯20Aは、前述したように、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数の街灯20のうち、ユーザの乗車場所に近接した街灯20である。斯様な第1の街灯20Aを特定するにあたり、特定部F220は、ユーザの乗車場所を、第1の信号から抽出する。特定部F220は、装置管理データベースD210に格納されているレコードのうち、位置フィールドに格納されている位置情報がユーザの乗車場所に最も近接しているレコードを特定する。特定部F220は、特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDを読み出す。これにより、第1の街灯20Aが特定される。特定部F220は、ステップS102の処理を実行し終えると、ステップS103の処理を実行する。
【0072】
ステップS103では、特定部F220は、第1の信号に含まれる依頼IDと、特定された第1の街灯20Aの装置IDと、第1の信号に含まれる乗車日時と、に基づいて、新規のレコードを依頼管理データベースD220に追加する。追加されるレコードの依頼IDフィールドには、第1の信号に含まれる依頼IDが格納される。追加されるレコードの装置IDフィールドには、特定部F220により特定された第1の街灯20Aの装置IDが格納される。追加されるレコードの第1のタイミングフィールドには、第1の信号に含まれる乗車日時よりも第1時間長だけ早い日時が格納される。特定部F220がステップS103の処理を実行し終えると、第1の信号に含まれる依頼IDが特定部F220から指令部F230へ渡される。指令部F230は、依頼IDの受け取りをトリガにして、ステップS104の処理を実行する。
【0073】
ステップS104では、指令部F230は、オンデマンドバス1の停留所の標示の出力を開始するタイミング(第1のタイミング)が到来したかを判定する。具体的には、指令部F230は、特定部F220から受け取った依頼IDを引数として依頼管理データベースD220へアクセスし、当該依頼IDと一致する情報が依頼IDフィールドに登録されているレコードを特定する。指令部F230は、特定されたレコードの第1のタイミング
フィールドに登録されている日時と現在の日時とを比較して、第1のタイミングが到来しているかを判定する。第1のタイミングが未だ到来していないと判定された場合(ステップS104で否定判定)は、指令部F230は、第1のタイミングが到来するまで待機する。第1のタイミングが到来していると判定された場合(ステップS104で肯定判定)は、指令部F230は、ステップS105の処理を実行する。
【0074】
ステップS105では、指令部F230は、第1のタイミングが到来した第1の街灯20Aに対し、通信部204を通じて、第1の指令信号を送信する。具体的には、指令部F230は、ステップS104で特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDに基づいて、第1のタイミングが到来している第1の街灯20Aを特定する。指令部F230は、特定された第1の街灯20Aに対し、通信部204を通じて、第1の指令信号を送信する。第1の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標示を出力させるための指令を含む信号である。オンデマンドバス1の停留所の標示を出力させるための指令は、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯20とは異なる態様で第1の街灯20Aを点灯させる指令である。他の街灯20とは異なる態様とは、例えば、上記した第1のタイミングが街灯20の点灯時間帯に属する場合であれば、第1の街灯20Aを他の街灯20とは異なる発光色で点灯させる態様、又は、第1の街灯20Aを点滅させる態様等である。また、上記した第1のタイミングが街灯20の消灯時間帯に属する場合であれば、他の街灯20とは異なる態様は、第1の街灯20Aのみを連続的又は断続的に点灯させる態様である。
【0075】
上記した第1の指令信号が第1の街灯20Aの通信部23によって受信されると、当該第1の指令信号が受信部F210から駆動部22へ出力される。駆動部22は、第1の指令信号に含まれる指令に従って光源21を駆動する。これにより、第1の街灯20Aは、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯20とは異なる態様で点灯する。その結果、ユーザおよびまたはオンデマンドバス1の運転者が、第1の街灯20Aを目印として、乗車場所を見つけることが可能になる。
【0076】
ここで
図6の説明に戻り、ステップS105の処理が実行された後は、受信部F210が、ステップS106の処理を実行する。ステップS106では、受信部F210は、通信部204が第1のサーバ装置100から送信される第2の信号を受信したかを判定する。第2の信号は、停留所の標示の出力停止を依頼する信号であり、上記した第1の信号に含まれる依頼IDと同じ依頼IDを含む。斯様な第2の信号は、ユーザのオンデマンドバス1への乗車が完了したことをトリガにして、第1のサーバ装置100から第2のサーバ装置200へ送信される。通信部204が第2の信号を未だ受信していない場合(ステップS106で否定判定)は、受信部F210は、通信部204が第2の信号を受信するまで待機する。通信部204が第2の信号を受信した場合(ステップS106で肯定判定)、受信部F210は、第2の信号を指令部F230へ渡す。指令部F230は、第2の信号の受け取りをトリガにして、ステップS107の処理を実行する。
【0077】
ステップS107では、指令部F230は、オンデマンドバス1の停留所の標示を出力している第1の街灯20Aに対し、通信部204を通じて、第2の指令信号を送信する。具体的には、指令部F230は、第2の信号から依頼IDを抽出する。指令部F230は、抽出された依頼IDを引数として依頼管理データベースD220にアクセスし、当該依頼IDに一致する情報が依頼IDフィールドに格納されているレコードを特定する。指令部F230は、特定されたレコードの装置IDフィールドに格納されている装置IDに基づいて、第2の指令信号の送信対象となる第1の街灯20Aを特定する。指令部F230は、特定された第1の街灯20Aに対し、第2の指令信号を送信する。第2の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標示の出力を停止させるための指令を含む信号である。オンデマンドバス1の停留所の標示の出力を停止させる指令は、ユーザの乗車場所の周辺
に設置されている他の街灯20と同様の態様で第1の街灯20Aを点灯又は消灯させる指令である。他の街灯20と同様の態様とは、例えば、第2の指令信号の送信タイミングが街灯20の点灯時間帯に属している場合であれば、第1の街灯20Aを他の街灯20と同じ発光色で連続的に点灯させる態様である。また、第2の指令信号の送信タイミングが街灯20の消灯時間帯に属している場合であれば、他の街灯20と同様の態様は、第1の街灯20Aを連続的に消灯させる態様である。
【0078】
上記した第2の指令信号が第1の街灯20Aの通信部23によって受信されると、当該第2の指令信号が受信部F210から駆動部22へ出力される。駆動部22は、第2の指令信号に含まれる指令に従って光源21を駆動する。これにより、第1の街灯20Aは、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯20とは異なる態様で点灯する状態から、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他の街灯20と同じ態様で点灯又は消灯する状態へ復帰する。その結果、第1の街灯20Aが停留所の標示を出力する期間を必要最小限に抑えることができる。よって、第1の街灯20Aの主たる機能(点灯時間帯に道路を照明し、且つ、消灯時間帯は消灯する機能)を担保することができる。
【0079】
ここで
図6の説明に戻り、指令部F230は、ステップS107の処理を実行し終えると、ステップS108の処理を実行する。ステップS108では、指令部F230は、ステップS107で特定されたレコードを、依頼管理データベースD220から削除する。指令部F230がステップS108の処理を実行し終えると、本処理ルーチンの実行が終了される。
【0080】
(実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、ユーザの乗車日時より第1の時間長早いタイミング(第1のタイミング)から、ユーザのオンデマンドバス1への乗車が完了するまでの期間において、ユーザの乗車場所に近接している街灯20(第1の街灯20A)を、他の街灯20とは異なる態様で点灯させることができる。これにより、ユーザは、乗車日時に間に合うように乗車場所付近まで行けば、第1の街灯20Aを目印として、乗車場所を見つけることができる。また、オンデマンドバス1が運転者の手動運転により運行される車両である場合には、運転者も、第1の街灯20Aを目印として、乗車場所を見つけることが可能になる。よって、ユーザとオンデマンドバス1とがより確実に合流することが可能になる。さらに、ユーザが指定した場所にオンデマンドバス1が停車するのかについて、ユーザが不安を覚えることも抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、オンデマンドバス1の運行エリア内に既設されている街灯20を利用して、停留所の標示を出力させることができるため、オンデマンドバス1に専用の標示装置を、運行エリア内に設置する必要がない。さらに、オンデマンドバス1の停留所の標示を街灯20に出力させる期間を、第1のタイミングからユーザのオンデマンドバス1への乗車が完了するまでの期間に限定することで、街灯20の主たる機能を担保することも可能になる。
【0082】
<変形例1>
前述した実施形態では、出力装置2として街灯20を利用する例について述べたが、本変形例では、オンデマンドバス1の運行エリア内のガードレール又は道路脇に設置されているベンチ等に既設されているLEDランプを利用する例について述べる。
【0083】
本変形例の装置管理データベースD210には、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数のLEDランプの各々に対応する、複数のレコードが格納される。各レコードの装置IDフィールドには、各LEDランプを識別する情報が格納される。また、各レコードの位置フィールドには、各LEDランプの位置情報が格納される。これに伴
い、本変形例における依頼管理データベースD220に格納されるレコードの装置IDフィールドには、停留所の標示を出力させるLEDランプ(ユーザの乗車場所に最も近接しているLEDランプ)の識別情報が格納される。
【0084】
本変形例の特定部F220は、第1の信号に含まれるユーザの乗車場所と、装置管理データベースD210の各レコードの位置フィールドに格納されている情報と、に基づいて、ユーザの乗車場所に最も近接しているLEDランプ(以下、「第1のLEDランプ」と記す場合もある。)を特定する。
【0085】
本変形例の指令部F230は、特定部F220により特定された第1のLEDランプに対し、第1のタイミングで、第1の指令信号を送信する。その場合の第1の指令信号は、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他のLEDランプとは異なる態様で、第1のLEDランプを点灯させる指令を含む。他のLEDランプとは異なる態様とは、他のLEDランプが点灯しているときに他のLEDランプとは異なる発光色で第1のLEDランプを点灯させる態様、他のLEDランプが連続的に点灯しているときに第1のLEDランプのみを点滅させる態様、及び、他のLEDランプが連続的に消灯しているときに第1のLEDランプのみを連続的又は断続的に点灯させる態様等である。
【0086】
本変形例の指令部F230は、他のLEDランプとは異なる態様で点灯している第1のLEDランプに対し、第1のサーバ装置100からの第2の信号を第2のサーバ装置200が受信したタイミングで、第2の指令信号を送信する。その場合の第2の指令信号は、ユーザの乗車場所の周辺に設置されている他のLEDランプと同じ態様で、第1のLEDランプを点灯又は消灯させる指令を含む。
【0087】
本変形例によれば、ユーザ及びオンデマンドバス1の運転者が、第1のLEDランプを目印として、乗車場所を見つけることが可能になる。これにより、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
<変形例2>
前述した実施形態では、出力装置2として街灯20を利用する例について述べたが、本変形例では、オンデマンドバス1の運行エリア内のガードレール、柱(例えば、電柱又は電信柱等)、又は、店舗の道路に面した外壁等に既設されているサイネージ装置を利用する例について述べる。
【0089】
本変形例の装置管理データベースD210には、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている複数のサイネージ装置の各々に対応する、複数のレコードが格納される。各レコードの装置IDフィールドには、各サイネージ装置を識別する情報が格納される。また、各レコードの位置フィールドには、各サイネージ装置の位置情報が格納される。これに伴い、本変形例における依頼管理データベースD220に格納されるレコードの装置IDフィールドには、停留所の標示を出力させるサイネージ装置(ユーザの乗車場所に最も近接しているサイネージ装置)の識別情報が格納される。
【0090】
本変形例の特定部F220は、第1の信号に含まれるユーザの乗車場所と、装置管理データベースD210の各レコードの位置フィールドに格納されている情報と、に基づいて、ユーザの乗車場所に最も近接しているサイネージ装置(以下、「第1のサイネージ装置」と記す場合もある。)を特定する。
【0091】
本変形例の指令部F230は、特定部F220により特定された第1のサイネージ装置に対し、第1のタイミングで、第1の指令信号を送信する。その場合の第1の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標識を、第1のサイネージ装置に出力させる指令を含む
。停留所の標識は、文字情報であってもよく、又は、イラストレーション等でもよい。
【0092】
本変形例の指令部F230は、オンデマンドバス1の停留所の標識を出力している第1のサイネージ装置に対し、第1のサーバ装置100からの第2の信号を第2のサーバ装置200が受信したタイミングで、第2の指令信号を送信する。その場合の第2の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標識の出力を終了させる指令を含む。
【0093】
本変形例によれば、ユーザ及びオンデマンドバス1の運転者が、停留所の標識を出力している第1のサイネージ装置を目印として、乗車場所を見つけることが可能になる。これにより、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
<変形例3>
前述した実施形態では、出力装置2として街灯20を利用する例について述べたが、本変形例では、オンデマンドバス1の運行エリア内の路面に既設されている路面標示装置(レーンライティング装置)を利用する例について述べる。
【0095】
本変形例の装置管理データベースD210には、オンデマンドバス1の運行エリア内の複数箇所の路面に設置されている複数の路面標示装置の各々に対応する、複数のレコードが格納される。各レコードの装置IDフィールドには、各路面標示装置を識別する情報が格納される。また、各レコードの位置フィールドには、各路面標示装置の位置情報が格納される。これに伴い、本変形例における依頼管理データベースD220に格納されるレコードの装置IDフィールドには、停留所の標示を出力させる路面標示装置(ユーザの乗車場所に最も近接している路面標示装置)の識別情報が格納される。
【0096】
本変形例の特定部F220は、第1の信号に含まれるユーザの乗車場所と、装置管理データベースD210の各レコードの位置フィールドに格納されている情報と、に基づいて、ユーザの乗車場所に最も近接している路面標示装置(以下、「第1の路面標示装置」と記す場合もある。)を特定する。
【0097】
本変形例の指令部F230は、特定部F220により特定された第1の路面標示装置に対し、第1のタイミングで、第1の指令信号を送信する。その場合の第1の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標識を、第1の路面標示装置に出力させる指令を含む。停留所の標識は、文字情報であってもよく、又は、イラストレーション等でもよい。
【0098】
本変形例の指令部F230は、オンデマンドバス1の停留所の標識を出力している第1の路面標示装置に対し、第1のサーバ装置100からの第2の信号を第2のサーバ装置200が受信したタイミングで、第2の指令信号を送信する。その場合の第2の指令信号は、オンデマンドバス1の停留所の標識の出力を終了させる指令を含む。
【0099】
本変形例によれば、ユーザ及びオンデマンドバス1の運転者が、停留所の標識を出力している第1の路面標示装置を目印として、乗車場所を見つけることが可能になる。これにより、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0100】
<その他>
上記した実施形態及び変形例はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、上記した実施形態及び変形例において説明した処理及び構成は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。例えば、実施形態と変形例1-3を組み合わせて実施するようにしてもよい。その場合、第2のサーバ装置200は、オンデマンドバス1の運行エリア内に設置されている、街灯20、LEDランプ、サイネージ装置、及び、路面標示装置のうち、ユー
ザの乗車場所に最も近接している出力装置2に、停留場の標示を出力させるようにしてもよい。また、街灯20、LEDランプ、サイネージ装置、及び、路面標示装置に対し、停留所の標示の認識し易さに応じた優先順位を付与し、その優先順位を考慮して、停留所の標示を出力させる出力装置2が決定されるようにしてもよい。例えば、ユーザの乗車場所を中心とする半径数メートルの範囲内に、複数種類の出力装置2がある場合に、それらの出力装置2のうち、停留所の標示が最も認識し易い種類の出力装置2に、停留所の標示を出力させてもよい。
【0101】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。また、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。例えば、第2のサーバ装置200で実行される処理が、第1のサーバ装置100で実行されるようにしてもよい。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成で実現するかは柔軟に変更可能である。
【0102】
また、本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよく、又はネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、データ及びプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体である。斯様な記録媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、及び光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスクでもよい。また、記録媒体は、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、又はSSD(Solid State Drive)等の媒体でもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 オンデマンドバス
2 出力装置
20 街灯
20A 第1の街灯
100 第1のサーバ装置
200 第2のサーバ装置
201 プロセッサ
202 主記憶部
203 補助記憶部
204 通信部
D210 装置管理データベース
D220 依頼管理データベース
F210 受信部
F220 特定部
F230 指令部