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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】物品収容設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241106BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B65G1/04 521
B65G1/00 511J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022101171
(22)【出願日】2022-06-23
(65)【公開番号】P2024002143
(43)【公開日】2024-01-11
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】吉永 和治
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-119585(JP,A)
【文献】特開2019-108204(JP,A)
【文献】特開2019-142716(JP,A)
【文献】特開2016-015035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って走行し、物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車により搬送されてきた前記物品を収容する物品収容部と、
入庫部に入庫された前記物品を前記搬送車まで搬送する機能を有する搬送装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送車と同じ前記走行経路に沿って走行し、作業者が搭乗可能に構成された作業台車と、
前記作業台車を保持する保持機構と前記作業台車を昇降させる昇降機構とを備えた保持装置と、を備え、
前記保持機構は、前記作業台車を保持する保持状態と、前記作業台車を保持しない非保持状態と、に状態変更可能に構成され、
前記保持装置は、前記保持機構により前記作業台車を保持した状態で、前記搬送装置により前記入庫部から搬送されて、前記走行経路に沿って設けられた載置部に載置され、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記保持機構が前記非保持状態になると共に前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車が前記走行経路に載置される、物品収容設備。
【請求項2】
前記保持機構は、支持体と状態変更部とを備え、
前記支持体は、前記保持機構の前記保持状態で、前記作業台車の昇降軌跡と交差するように配置されて前記作業台車を下側から支持するように構成され、
前記状態変更部は、前記昇降機構により前記作業台車が上昇して前記支持体から上側に離間した状態で、前記支持体を前記昇降軌跡から除去することで、前記保持機構を前記非保持状態とするように構成され、
前記昇降機構は、前記支持体が前記昇降軌跡から除去されている状態で、前記作業台車が前記走行経路に載置される位置まで前記作業台車を下降させるように構成されている、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
前記作業台車は、前記走行経路に沿って走行するための車輪を備えた台車本体と、前記台車本体に立設された複数本の柱部材と、隣り合う前記柱部材同士をつなぐ横桟部材と、備え、
前記保持装置は、保持対象の前記作業台車を囲むように設けられた枠体を備え、
前記支持体は、保持対象の前記作業台車の前記横桟部材を下側から支持する位置において、前記状態変更部を構成する締結部材により前記枠体に対して着脱自在に取り付けられ、
前記昇降機構は、前記作業台車に連結される連結部材と、前記枠体に取り付けられた吊り上げ装置と、を備え、
前記吊り上げ装置は、前記連結部材を吊り上げることにより、前記連結部材に連結された前記作業台車を吊り上げるように構成されている、請求項2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記物品収容部は、前記搬送車としての第1搬送車が走行する前記走行経路である複数の第1走行経路に加えて、上下方向視で複数の前記第1走行経路に交差する方向に沿う第2走行経路を備え、
前記搬送装置は、前記第2走行経路に沿って走行する第2搬送車と、前記入庫部から前記第2搬送車まで前記物品を搬送する中間搬送機構と、を備え、
前記第2搬送車は、前記第1搬送車を搭載する搬送車搭載部及び当該搬送車搭載部に設けられた前記走行経路である第3走行経路と、を備え、
前記載置部が、前記第2搬送車に設けられ、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車は前記第3走行経路に載置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項5】
前記第1走行経路及び前記第3走行経路は、それぞれ、前記作業台車が走行可能なレール部材を備え、
前記作業台車は、前記走行経路に沿う走行方向視で前記レール部材の下面に対して隙間を有して下側から対向する対向状態と、前記レール部材の前記下面に対向しない非対向状態と、に切替可能な切替部材を備え、
前記切替部材は、
前記対向状態では、前記走行経路の延在方向である経路延在方向に前記作業台車が転倒しようとした場合に前記レール部材の前記下面に当接することで前記第1走行経路における前記作業台車の転倒を規制すると共に、前記第1走行経路から前記第3走行経路への前記作業台車の載り移りを規制し、
前記非対向状態では、前記第3走行経路から前記第1走行経路への前記作業台車の載り移りを規制する、請求項4に記載の物品収容設備。
【請求項6】
前記物品収容部は、前記走行経路を構成する一対のレール部材を備え、
一対の前記レール部材は、前記搬送車が走行する面である走行面と、前記走行面よりも上側に配置されて前記物品を支持する物品支持面と、を備え、
前記走行面は、前記走行経路の延在方向である経路延在方向に沿って形成され、
前記物品支持面は、前記経路延在方向に沿って形成され、前記経路延在方向に沿って並ぶように複数の前記物品を支持可能に構成され、
前記載置部は、一対の前記レール部材における前記物品支持面に設けられ、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車は前記走行面に載置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項7】
前記走行経路の端部には前記作業台車の走行を規制する走行規制部が設けられ、
前記作業台車は、前記走行経路に沿う走行方向視で前記走行規制部に重複する重複状態と、前記走行方向視で前記走行規制部に重複しない非重複状態と、に状態変更可能なストッパ部材を備え、
前記ストッパ部材が前記重複状態において前記走行規制部に当接することで、前記作業台車の走行が規制される、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項8】
前記保持装置の底面の寸法は、前記物品の底面の寸法と同等である、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送車と、前記搬送車により搬送されてきた前記物品を収容する物品収容部と、入庫部に入庫された前記物品を前記搬送車まで搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品収容設備の一例が、特許第6518376号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された物品収容設備は、レール(40)が設けられた経路に沿って走行して物品(12)を搬送する搬送車(14)を備えている。レール(40)上は、物品(12)を収容するための収容部となっており、搬送車(14)は、当該レール(40)上の収容部に物品(12)を搬送するように構成されている。
【0004】
特許文献1に開示された物品収容設備では、レール(40)上またはレール(40)周辺が、メンテナンス等の作業が行われる作業対象箇所とされる。当該作業対象箇所で作業が行われる場合には、作業者(8)が搭乗可能な作業台車(16)が、作業対象箇所に配置される。作業者(8)は、作業台車(16)に搭乗した状態で、作業台車(16)をレール(40)に沿って走行させる。これにより、作業者(8)は、レール(40)に沿って移動しながら作業対象箇所のメンテナンス等を行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6518376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された物品収容設備では、昇降機構(36)及び第3台車(18)によって、作業台車(16)を作業対象箇所まで搬送できるようになっている。しかし、作業台車(16)の重量や車輪を備える点を考慮すると、作業台車(16)を持ち上げて昇降機構(36)に載せることは容易ではない。また、昇降機構(36)及び第3台車(18)により作業台車(16)を搬送する場合には、搬送中に生じる慣性や振動が作業台車(16)に作用することになる。作業台車(16)は、ブレーキ機構(16m)を備えているとはいえ、車輪(16f)によって昇降機構(36)及び第3台車(18)に支持されているため、上記の慣性や振動が発生した場合に、当該作業台車(16)を昇降機構(36)又は第3台車(18)に対して動かないように安定的に保持することは難しかった。
【0007】
上記実状に鑑みて、作業台車を作業対象箇所まで容易に搬送することができる技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
走行経路に沿って走行し、物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車により搬送されてきた前記物品を収容する物品収容部と、
入庫部に入庫された前記物品を前記搬送車まで搬送する機能を有する搬送装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送車と同じ前記走行経路に沿って走行し、作業者が搭乗可能に構成された作業台車と、
前記作業台車を保持する保持機構と前記作業台車を昇降させる昇降機構とを備えた保持装置と、を備え、
前記保持機構は、前記作業台車を保持する保持状態と、前記作業台車を保持しない非保持状態と、に状態変更可能に構成され、
前記保持装置は、前記保持機構により前記作業台車を保持した状態で、前記搬送装置により前記入庫部から搬送されて、前記走行経路に沿って設けられた載置部に載置され、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記保持機構が前記非保持状態になると共に前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車が前記走行経路に載置される。
【0009】
本構成によれば、作業台車を、保持装置により保持した状態で搬送装置によって搬送することができる。そのため、作業台車を、搬送装置によって直接支持した状態で搬送する場合に比べて、安定的に保持した状態で搬送することができる。そして、搬送装置によって走行経路に沿って設けられた載置部に保持装置を載置した状態では、保持装置に保持されている作業台車は、走行経路に対応した位置に配置された状態となる。この状態で、保持機構が非保持状態になると共に昇降機構により作業台車が下降することで、作業台車が走行経路に載置される。これにより、作業対象箇所への作業台車の設置が完了する。以上のように、本構成によれば、作業台車を作業対象箇所まで容易に搬送することができる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品収容設備の平面図
図2】搬送車の斜視図
図3】作業台車及び保持装置の斜視図
図4】保持機構の保持状態を示す第1方向視図
図5】保持機構の非保持状態を示す第1方向視図
図6】切替部材の平面図
図7図6におけるVII-VII断面図であり、切替部材の対向状態及び非対向状態を示す図
図8】走行規制部の平面図
図9図8におけるIX-IX矢視図であり、ストッパ部材の重複状態及び非重複状態を示す図
図10】第2実施形態に係る物品収容設備を示す斜視図
図11】第2実施形態において、作業台車を走行経路に載置する様子を示す経路方向視図
図12】その他の実施形態に係る搬送装置を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1実施形態〕
物品収容設備の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
以下では、水平方向に沿う特定の方向を「第1方向X」とし、第1方向Xに対して上下方向視で交差する方向を「第2方向Y」とする。本実施形態では、第1方向Xと第2方向Yとは、上下方向視で直交している。
【0014】
図1に示すように、物品収容設備100は、走行経路Rに沿って走行し、物品9を搬送する搬送車1(後述する第1搬送車1に相当)と、搬送車1により搬送されてきた物品9を収容する物品収容部Sと、入庫部81(後述する入庫コンベヤ81に相当)に入庫された物品9を搬送車1まで搬送する搬送装置Tと、を備えている。
【0015】
本実施形態では、物品収容設備100は、第1走行経路R1と第2走行経路R2と第3走行経路R3とを備えている。第1走行経路R1と第3走行経路R3とは、「走行経路」に相当する。第2走行経路R2は、「走行経路」とは別の経路である。本例では、第1走行経路R1及び第3走行経路R3は、第1方向Xに沿う経路である。第2走行経路R2は、第2方向Yに沿う経路である。すなわち、第1方向Xは、走行経路Rの延在方向である「経路延在方向」に相当する。また、第2方向Yは、経路延在方向に対して上下方向視で直交する方向である「経路幅方向」に相当する。以下では、第1方向Xを「経路延在方向X」と称する場合がある。また、第2方向Yを「経路幅方向Y」と称する場合がある。
【0016】
本実施形態では、物品収容部Sは、複数の第1走行経路R1と、複数の第2走行経路R2と、を備えている。物品収容部Sは、複数の第1走行経路R1上において物品9を収容するように構成されている。
【0017】
後述するように、複数の第1走行経路R1のそれぞれは、搬送車1としての第1搬送車1が走行する走行経路Rであり、第1方向Xに沿って延在している。複数の第2走行経路R2のそれぞれは、第2搬送車2が走行する経路であり、第2方向Yに沿って延在している。このように、本実施形態では、物品収容部Sは、搬送車1としての第1搬送車1が走行する走行経路Rである複数の第1走行経路R1に加えて、上下方向視で複数の第1走行経路R1に交差する方向(本例では第2方向Y)に沿う第2走行経路R2を備えている。
【0018】
本実施形態では、第2走行経路R2を第1方向Xに挟んだ両側のそれぞれにおいて、複数の第1走行経路R1が第2方向Yに並んで配置されている。これら複数の第1走行経路R1と単一の第2走行経路R2との組が、物品収容部Sの複数段に配置されている。すなわち本例では、物品収容部Sにおける複数段のそれぞれに、複数の第1走行経路R1と単一の第2走行経路R2とが配置されている。なお、後述するように、第3走行経路R3は、第2搬送車2の一部を構成しており(図2も参照)、第2搬送車2の走行に伴い、第2方向Yに沿って移動し得る。
【0019】
本実施形態では、物品収容設備100は、第1搬送車1と第2搬送車2と中間搬送機構TMを備えている。更に、物品収容設備100は、入庫コンベヤ81と出庫コンベヤ82とを備えている。第1搬送車1は、「搬送車」に相当する。第2搬送車2と中間搬送機構TMとは、「搬送装置」に含まれる。入庫コンベヤ81は、「入庫部」に相当する。出庫コンベヤ82は、例えば出庫部とされる。
【0020】
図2に示すように、第1搬送車1は、第1走行経路R1及び第3走行経路R3に沿って走行する。第1走行経路R1及び第3走行経路R3は、それぞれ、第1搬送車1が走行可能なレール部材を備えている。第1走行経路R1に備えられたレール部材は、第1レール部材R1aである。第3走行経路R3に備えられたレール部材は、第3レール部材R3aである。第1レール部材R1a及び第3レール部材R3aは、「レール部材」に相当する。
【0021】
第1搬送車1は、本体部10と、本体部10に設けられた走行輪(不図示)と、物品9(図2では省略)を搭載するための物品搭載部11と、を備えている。第1搬送車1は、物品9を搭載した状態で第1走行経路R1に沿って走行可能となっている。従って、第1搬送車1に搭載された物品9は、第1搬送車1の走行により、第1走行経路R1に沿って搬送される。
【0022】
第2搬送車2は、第2走行経路R2に沿って走行する。第2走行経路R2は、第2搬送車2が走行可能な第2レール部材R2aを備えている。
【0023】
第2搬送車2は、本体部20と、本体部20に設けられた走行輪21と、を備えている。本実施形態では、第2搬送車2は、第1搬送車1を搭載する搬送車搭載部22及び当該搬送車搭載部22に設けられた走行経路Rである第3走行経路R3と、を備えている。第2搬送車2は、第1搬送車1を搭載した状態で第2走行経路R2に沿って走行可能となっている。従って、第2搬送車2に搭載された状態の第1搬送車1に搭載された物品9は、第2搬送車2の走行によって第2走行経路R2に沿って搬送される。本実施形態では、第2搬送車2は、物品9を載置するための物品載置部24を備えている。本例では、物品載置部24は、搬送車搭載部22に対して第2方向Yの両外側に設けられている。第2搬送車2による物品9の搬送時には、物品9は、物品載置部24に載置され、或いは、第2搬送車2に搭載された第1搬送車1の物品搭載部11に載置される。本実施形態では、物品載置部24は、物品9を第1方向Xに搬送するコンベヤを用いて構成されており、当該コンベヤにおける物品9の搬送面である上面が、物品載置部24を構成している。後述するように、本実施形態では、物品載置部24を構成するコンベヤを作動させて、第2搬送車2に対する物品9や後述する保持装置5の載せ降ろしを行う。
【0024】
第2搬送車2が、第2走行経路R2を走行して第1走行経路R1(詳細には第1走行経路R1の始端)に隣接した位置で停止すると、第1走行経路R1と、第2搬送車2に設けられた第3走行経路R3とが、同じ方向(本例では第1方向X)に沿って連続する。この状態において、第2搬送車2に搭載された第1搬送車1は、第3走行経路R3と第1走行経路R1との間で走行可能となる。これにより、物品9を搭載した第1搬送車1は、第2搬送車2に設けられた第3走行経路R3を走行することで、第2搬送車2から分離して第1走行経路R1へ進入し、第1走行経路R1に沿って物品9を搬送する。
【0025】
本実施形態では、第1搬送車1及び第2搬送車2は、物品収容部Sの各段に配置されている。物品収容部Sの各段に配置された第1搬送車1は、自らが配置されている段において、第1走行経路R1に沿って走行する。物品収容部Sの各段に配置された第2搬送車2は、自らが配置されている段において、第2走行経路R2に沿って走行する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態では、中間搬送機構TMは、入庫コンベヤ81と第2搬送車2との間の経路に配置されている。中間搬送機構TMは、入庫コンベヤ81から物品9を受け取り、当該物品9を第2搬送車2まで搬送する。このように、本実施形態では、搬送装置Tは、第2走行経路R2に沿って走行する第2搬送車2と、入庫コンベヤ81(入庫部)から第2搬送車2まで物品9を搬送する中間搬送機構TMと、を備えている。
【0027】
物品9が物品収容部Sに入庫される場合には、物品9は、入庫コンベヤ81から中間搬送機構TMに引き渡されると共に、中間搬送機構TMから第2搬送車2に引き渡される。これにより、物品9は、第2搬送車2上に搭載される。なお、図1では、第1搬送車1が第2搬送車2から分離して走行している状態を示している。物品9は、第2搬送車2の走行によって第2走行経路R2を搬送されると共に、当該第2搬送車2から分離した第1搬送車1の走行によって第1走行経路R1を搬送される。物品9は、第1走行経路R1上のいずれかの位置に収容される。これにより物品収容部Sへの物品9の入庫が完了する。なお、物品9が物品収容部Sから出庫される場合には、上記と逆の動作が各装置によって行われる。ただし本例では、出庫の場合には、入庫コンベヤ81は用いらず、代わりに出庫コンベヤ82を用いる。物品9は、第2搬送車2から中間搬送機構TMに引き渡されると共に、中間搬送機構TMから出庫コンベヤ82に引き渡される。本実施形態では、第2搬送車2の物品載置部24を構成するコンベヤを作動させて、第2搬送車2に対する物品9の載せ降ろしを行う。
【0028】
図1に示すように、本実施形態では、中間搬送機構TMは、物品収容部Sの各段に亘って物品9を昇降させるリフタTMaと、上下方向視でリフタTMaに隣接する位置において物品収容部Sの各段に配置された中継コンベヤTMbと、を備えている。各段の中継コンベヤTMbは、リフタTMaと、当該中継コンベヤTMbに対して同じ段に配置された第2搬送車2とを中継するようにして、物品9を搬送する。
【0029】
以上のように、物品収容設備100は、第1搬送車1、第2搬送車2(搬送装置T)、及び中間搬送機構TM(搬送装置T)を用いて、物品9を搬送し、物品収容部Sに対して物品9を入庫または出庫するように構成されている。詳細な図示は省略するが、物品9は、例えば、パレットと当該パレットに載置される荷とを含む。
【0030】
ところで物品収容設備100では、例えば、物品収容部Sにおいて荷崩れが起こったり、或いはメンテナンスの必要性が生じたりする場合がある。これらの場合、荷の姿勢を整えたり、メンテナンスをするなどの、各種作業(以下、単に「作業」と称する。)が作業者によって行われる。作業者は、作業を行うために、当該作業が必要な作業対象箇所へ向かうこととなる。
【0031】
図3に示すように、物品収容設備100は、搬送車1(第1搬送車1)と同じ走行経路R(第1走行経路R1及び第3走行経路R3)に沿って走行し、作業者が搭乗可能に構成された作業台車4と、作業台車4を保持する保持機構50と作業台車4を昇降させる昇降機構52とを備えた保持装置5と、を備えている。作業者は、作業台車4に搭乗して作業対象箇所へ向かうことができる。
【0032】
作業台車4は、第1搬送車1と同様に、第1走行経路R1及び第3走行経路R3を走行可能に構成されている。換言すれば、第1走行経路R1及び第3走行経路R3は、それぞれ、作業台車4が走行可能なレール部材(第1レール部材R1a及び第3レール部材R3a)を備えている。
【0033】
本実施形態では、作業台車4は、走行経路R(第1走行経路R1及び第3走行経路R3)に沿って走行するための車輪401を備えた台車本体40と、台車本体40に立設された複数本の柱部材41と、隣り合う柱部材41同士をつなぐ横桟部材42と、備えている。作業台車4は、車輪401の転動によって走行可能である。作業台車4の走行はガイドローラ402によって安定的に実現される。車輪401は、ブレーキ機構によって回転を停止し得る。複数本の柱部材41と複数本の横桟部材42とによって、作業台車4の骨組みの主要部分が構成されている。なお、柱部材41及び横桟部材42の本数や配置位置は、作業台車4の用途や作業台車4が求められる能力等に応じて、適宜設定することができる。
【0034】
台車本体40は、作業者が搭乗するための搭乗面40fを備えている。上下方向視で搭乗面40fを囲むように、複数本の柱部材41と複数本の横桟部材42とが配置されている。図示の例では、複数本の柱部材41と複数本の横桟部材42とを含んで構成される骨組みの一部に、開閉自在な扉45が設けられている。作業者は、扉45から出入りして、搭乗面40fに乗降することができる。
【0035】
ここで、上述のように、作業台車4は、物品収容部Sにおいて作業が必要となった場合に、作業対象箇所へ向かう作業者を搭乗させるために用いるものである。そのため、作業台車4が必要とされない通常の運用時では、作業台車4は、物品収容部S外の保管部7(図1参照)に保管されている。作業台車4は、必要とされる場合には、保管部7から目的の箇所(作業台車4が走行可能な箇所)へ搬送される。しかしながら、作業台車4の搬送中は、作業台車4は、搬送時に生じる慣性や振動の影響を受けるため、安定性を害し易い。そこで、本開示に係る物品収容設備100では、上記保持装置5によって作業台車4を保持した状態で、作業台車4を目的の箇所まで搬送するようにしている。
【0036】
上述のように、保持装置5は、作業台車4を保持する保持機構50を備えている。また、保持装置5の底面の寸法は、物品9の底面の寸法と同等である。本実施形態では、少なくとも第2方向Yの寸法について、保持装置5の底面の寸法が、物品9の底面の寸法と同等とされる。例えば、物品9が、パレットと当該パレットに載置される荷とを含む場合、保持装置5の底面の寸法は、当該パレットの底面の寸法と同等とされる。このように保持装置5の底面の寸法を物品9の底面の寸法と同等とすることにより、保持装置5は、作業台車4を保持した状態で、物品9を搬送するための既存の搬送系によって搬送されることが可能となっている。従って、作業台車4を目的の箇所まで安定的に保持した状態で搬送することができる。
【0037】
本実施形態では、保持装置5は、保持対象の作業台車4を囲むように設けられた枠体51を備えている。
【0038】
本実施形態では、枠体51は、下部フレーム511と、下部フレーム511よりも上方に配置された上部フレーム512と、下部フレーム511と上部フレーム512とを連結する連結フレーム513と、を備えている。これらのフレームが、保持装置5の骨組みの主要部分を構成している。本例では、上下方向視における下部フレーム511の外形寸法が、上下方向視における物品9の外形寸法と同等となっている。従って、物品9を搬送するための既存の搬送系は、物品9の代わりに下部フレーム511を支持することが可能となっている。なお、各フレームを構成する部材の数や配置位置は、保持装置5が求められる能力等に応じて、適宜設定することができる。
【0039】
図4及び図5に示すように、保持機構50は、作業台車4を保持する保持状態と、作業台車4を保持しない非保持状態と、に状態変更可能に構成されている。保持機構50は、保持状態では、作業台車4を保持装置5から分離しないように保持する。保持機構50は、保持状態では、作業台車4を上側、下側、前側、後側、左側、及び右側の少なくとも何れかの側から保持する。なお、図4は保持機構50の保持状態を示しており、図5は保持機構50の非保持状態を示している。
【0040】
図3に示すように、本実施形態では、保持機構50は、支持体501と状態変更部502とを備えている。支持体501は、枠体51に取り付けられている。状態変更部502は、保持機構50を保持状態と非保持状態とに状態変更させる場合に用いられる要素である。
【0041】
図4に示すように、支持体501は、保持機構50の保持状態で、作業台車4の昇降軌跡と交差するように配置されて作業台車4を下側から支持するように構成されている。本実施形態では、支持体501は、保持機構50の保持状態で、作業台車4の横桟部材42を下側から支持するように構成されている。これにより、作業台車4が保持される。
【0042】
本実施形態では、支持体501は、保持対象の作業台車4の横桟部材42を下側から支持する位置において、状態変更部502を構成する締結部材502a(図3参照)により枠体51に対して着脱自在に取り付けられている。支持体501は、水平方向に沿って配置される。本例では、支持体501は、連結フレーム513に対して着脱自在に取り付けられている。なお、締結部材502aとしては、例えばボルトやピンなどの公知の部材を用いることができる。
【0043】
本実施形態では、保持機構50は、支持体501に加えて、補助支持体511aを備えている。補助支持体511aは、支持体501による作業台車4の支持を補助するように構成されている。
【0044】
補助支持体511aは、保持機構50の保持状態で、作業台車4の昇降軌跡と交差するように配置される。本例では、補助支持体511aは、支持体501に対して下側に離間して配置されている。補助支持体511aは、支持体501が作業台車4の横桟部材42を支持している状態で、横桟部材42よりも下側に離間して配置され、作業台車4には接触しないようになっている。補助支持体511aは、支持体501による作業台車4の支持が仮に外れた場合に、作業台車4が保持装置5から完全に脱落しないように当該作業台車4を支持体501に代わって補助的に支持する。すなわち、補助支持体511aは、作業台車4の脱落を防止するために機能する。本例では、補助支持体511aは、下部フレーム511の一部を構成している。
【0045】
本実施形態では、補助支持体511aは、状態変更部502を構成する締結部材502a(図3参照)により枠体51に対して着脱自在に取り付けられている。補助支持体511aは、水平方向に沿って配置される。本例では、補助支持体511aは、下部フレーム511を構成する他の部材(補助支持体511a以外の部材)に対して着脱自在に取り付けられている。
【0046】
本実施形態では、昇降機構52は、作業台車4に連結される連結部材521と、枠体51に取り付けられた吊り上げ装置522と、を備えている。吊り上げ装置522は、連結部材521を吊り上げることにより、連結部材521に連結された作業台車4を吊り上げるように構成されている。
【0047】
本実施形態では、吊り上げ装置522は、上部フレーム512に取り付けられたフック522aを備えている。例えば、吊り上げ装置522は、レバーの操作によって連結部材521の巻き上げ及び巻き下げを行うレバーホイストを用いて構成されている。
【0048】
本実施形態では、作業台車4には、連結部材521を固定するための固定部材46が設けられている(図3参照)。本例では、固定部材46は、搭乗面40fの外縁における複数箇所に設けられている。なお図3では、複数の固定部材46のうち1つのみを視認することができ、残りの固定部材46は他の部材に隠れて視認できない。
【0049】
図4及び図5に示すように、連結部材521は、固定部材46に固定されることによって、作業台車4に連結される。例えば、連結部材521は、ロープ、ワイヤー、チェーンなどを用いて構成されている。例えば、固定部材46は、シャックルなどを用いて構成されている。本例では、連結部材521は、作業台車4の固定部材46に固定された状態で、吊り上げ装置522のフック522aに引っ掛けられる。連結部材521が吊り上げ装置522によって持ち上げられることにより、作業台車4が上昇する。反対に、連結部材521が吊り上げ装置522によって降ろされることにより、作業台車4が下降する。以下では、昇降機構52によって作業台車4が昇降する場合の当該作業台車4の軌跡を、単に「作業台車4の昇降軌跡」と称することがある。
【0050】
状態変更部502は、昇降機構52により作業台車4が上昇して支持体501から上側に離間した状態で、作業台車4の昇降軌跡から支持体501を除去することで、保持機構50を非保持状態とするように構成されている(図5参照)。具体的には、状態変更部502は、保持機構50を保持状態から非保持状態とする場合には、昇降機構52により作業台車4が上昇して、横桟部材42が支持体501から上側に離間した状態で、枠体51から支持体501を取り外すように構成されている。また、状態変更部502は、保持機構50を非保持状態から保持状態とする場合には、昇降機構52により作業台車4が上昇した状態で、横桟部材42に対して下側に離間した位置において、支持体501を枠体51に取り付けるように構成されている。その後、昇降機構52により作業台車4が下降することで、支持体501に対して横桟部材42が上側から当接し、横桟部材42が支持体501に支持される。これにより、保持機構50が保持状態となる(図4参照)。
【0051】
保持装置5は、保持機構50により作業台車4を保持した状態で、搬送装置Tにより入庫部(入庫コンベヤ81)から搬送される(図1参照)。そして、保持装置5は、走行経路Rに沿って設けられた載置部Pに載置される。図2に示すように、本実施形態では、載置部Pが、第2搬送車2に設けられている。作業台車4を保持した保持装置5は、この載置部Pに載置される。本実施形態では、第2搬送車2が備える物品載置部24が、載置部Pとして用いられている。本例では、搬送車搭載部22に対して第2方向Yの両側に分かれて設けられた一対の物品載置部24のそれぞれが、載置部Pとして用いられ、保持装置5は、一対の物品載置部24に対応する一対の載置部Pに載置される。
【0052】
図1に示すように、本実施形態では、作業対象箇所で作業の必要性が生じた場合には、作業台車4を保持した保持装置5は、保管部7から入庫コンベヤ81まで搬送される。その後、保持装置5は、リフタTMaによって、物品収容部Sの各段のうち作業対象箇所に対応する段に搬送され、当該段において中継コンベヤTMbに引き渡される。そして、保持装置5は、中継コンベヤTMbによって第2搬送車2に引き渡される。これにより、作業台車4を保持した保持装置5は、第2搬送車2に設けられた載置部Pに載置される。本実施形態では、第2搬送車2の物品載置部24を構成するコンベヤを作動させて、第2搬送車2(具体的には、載置部P)に対する保持装置5の載せ降ろしを行う。なお、図1に示す例では、保持装置5は、保管部7から入庫コンベヤ81までは、無人搬送車6によって搬送される。但し、保管部7から入庫コンベヤ81までの保持装置5の搬送は、無人搬送車の他にも、例えばフォークリフトやコンベヤなどの他の搬送手段によって実現してもよい。
【0053】
載置部Pに載置されることにより第2搬送車2に搭載された保持装置5は、第2搬送車2の走行によって第2走行経路R2を移動する。そして、第2搬送車2は、複数の第1走行経路R1のうち作業対象箇所に対応する第1走行経路R1に隣接する位置で停止する。これにより、第2搬送車2に設けられた第3走行経路R3と、作業対象箇所に対応する第1走行経路R1とが、第1方向Xに沿って連続した状態となる。以下、第2走行経路R2上において第1走行経路R1と第3走行経路R3とが連続した状態となる位置を、対応位置Zとする(図2参照)。換言すれば、第1走行経路R1の延在方向と第2走行経路R2の延在方向とが交差する位置が、対応位置Zである。なお、作業台車4を保持した保持装置5を対応位置Zまで搬送する間は、作業者は作業台車4には搭乗しない。
【0054】
図4及び図5は、第2搬送車2が対応位置Zに位置している状態を示している。
【0055】
図4に示すように、第2搬送車2が対応位置Zに位置している状態において、保持装置5は、第2搬送車2に設けられた載置部Pに載置されており、作業台車4は、保持装置5に保持されている。このとき、保持機構50は保持状態である。
【0056】
図5に示すように、保持装置5が載置部Pに載置された状態で、保持機構50が非保持状態になると共に昇降機構52により作業台車4が下降することで、作業台車4が走行経路Rに載置される。昇降機構52は、作業台車4の昇降軌跡から支持体501が除去されている状態で、作業台車4が走行経路Rに載置される位置まで作業台車4を下降させるように構成されている。なお、作業台車4の走行経路Rへの載置は、対応位置Zではなく、対応位置Zとは別の場所(例えば、保持装置5を第2搬送車2に載せた場所)で行ってもよい。
【0057】
本実施形態では、作業台車4が昇降機構52により上昇して、横桟部材42が支持体501に対して上側に離間した状態で、支持体501及び補助支持体511aが枠体51から除去される。その後、昇降機構52により作業台車4が下降することで、作業台車4が走行経路Rに載置される。本例では、作業台車4は、第2搬送車2に設けられた第3走行経路R3に載置される。すなわち、保持装置5が載置部Pに載置された状態で、昇降機構52により作業台車4が下降することで、作業台車4は第3走行経路R3に載置される。第2搬送車2が対応位置Zに位置している状態では、第3走行経路R3は、第1走行経路R1に連続しているため(図2参照)、第3走行経路R3に載置された作業台車4は、第3走行経路R3を走行して第1走行経路R1に進入することができる。なお、本例では、昇降機構52の操作、並びに、支持体501及び補助支持体511aの除去は、作業者によって行われる。
【0058】
図6は、対応位置Zにおける、第1走行経路R1と第3走行経路R3との境界部分を示している。図7は、図6におけるVII-VII断面図である。すなわち図7は、走行経路R(第1走行経路R1及び第3走行経路R3)に沿う走行方向視図であり、経路延在方向X視図である。
【0059】
図6及び図7に示すように、本実施形態では、作業台車4は、切替部材43を備えている。切替部材43は、走行経路Rに沿う走行方向視で第1レール部材R1aの下面に対して隙間を有して下側から対向する対向状態(図7(b)参照)と、第1レール部材R1aの下面R1dに対向しない非対向状態(図7(a)参照)と、に切替可能に構成されている。
【0060】
本実施形態では、切替部材43は、台車本体40に対して回転自在に連結されている。本例では、切替部材43は、経路延在方向Xに沿って配置されるピン47によって台車本体40に対して連結されている。従って、切替部材43は、経路延在方向Xに沿う軸心43Aまわりに回転するように構成されている。本実施形態では、切替部材43は、台車本体40に対して経路延在方向Xに沿う軸心43Aまわりに回転することで、対向状態と非対向状態とに切り替わるように構成されている。
【0061】
図7に示すように、本実施形態では、第1レール部材R1aは、第1搬送車1又は作業台車4が走行する面である走行面R1bと、走行面R1bよりも上側に配置されて物品9を支持する物品支持面R1cと、を備えている。走行面R1bは、物品支持面R1cよりも経路幅方向Yの内側に配置されている。物品支持面R1cは、走行面R1bよりも上側かつ経路幅方向Yの外側に配置されている。
【0062】
本実施形態では、切替部材43は、対向状態において、物品支持面R1cの裏面に対して下側から対向する。すなわち本例では、物品支持面R1cの裏面が、「レール部材の下面」に相当する。
【0063】
本実施形態では、切替部材43は、対向状態(図7(b)参照)では、経路延在方向Xに作業台車4が転倒しようとした場合に第1レール部材R1aの下面R1dに当接することで第1走行経路R1における作業台車4の転倒を規制する。本例では、切替部材43は、作業台車4における経路延在方向Xの両端部に設けられている。すなわち、切替部材43は、作業台車4の進行方向を基準として、作業台車4の前端部及び後端部に設けられている。
【0064】
作業台車4の前端部に設けられた切替部材43が対向状態であると、作業台車4の前側の車輪401が第1レール部材R1aから浮き上がるように作業台車4が後側に向けて転倒(「後ろ倒れ」と称する。)しようとした場合に、当該切替部材43が第1レール部材R1aの下面R1dに対して下側から当接する。従って、作業台車4の後ろ倒れを好適に規制することができる。
【0065】
作業台車4の後端部に設けられた切替部材43が対向状態であると、作業台車4の後側の車輪401が第1レール部材R1aから浮き上がるように作業台車4が前側に向けて転倒(「前倒れ」と称する。)しようとした場合に、当該切替部材43が第1レール部材R1aの下面R1dに対して下側から当接する。従って、作業台車4の前倒れを好適に規制することができる。
【0066】
ここで、図6に示すように、第2搬送車2が対応位置Zに停止している状態において、第1走行経路R1と第3走行経路R3との第1方向Xの間には、隙間Gが形成される。本実施形態では、切替部材43は、隙間Gにおいて対向状態と非対向状態とを切り替えるように構成されている。これにより、切替部材43を対向状態と非対向状態とに切り替える場合に、切替部材43が、第1走行経路R1に配置された第1レール部材R1a、及び、第3走行経路R3に配置された第3レール部材R3aに対して干渉しないようすることができる。
【0067】
本実施形態では、切替部材43は、非対向状態(図7(a)参照)では、第3走行経路R3から第1走行経路R1への作業台車4の載り移りを規制する。すなわち、切替部材43は、図7(a)において、紙面奥側から紙面手前側への作業台車4の移動を規制する。また、切替部材43は、対向状態(図7(b)参照)では、第1走行経路R1から第3走行経路R3への作業台車4の載り移りを規制する。すなわち、切替部材43は、図7(b)において、紙面手前側から紙面奥側への作業台車4の移動を規制する。
【0068】
図7(a)に示すように、切替部材43は、非対向状態では、経路延在方向X視において第1レール部材R1aに重複すると共に第2搬送車2には重複しない。そのため、作業台車4は、切替部材43が非対向状態において、第2搬送車2上の第3走行経路R3は走行可能であるが、第1レール部材R1aのある第1走行経路R1は走行できない。従って、非対向状態の切替部材43によって、第3走行経路R3から第1走行経路R1への作業台車4の載り移りが規制される。
【0069】
このような構成により、作業台車4を第3走行経路R3から第1走行経路R1へ載り移らせるためには、切替部材43を、作業台車4の転倒を規制可能な対向状態とする必要があり、切替部材43を非対向状態としたまま作業台車4を第1走行経路R1で走行させることができないようになっている。そのため、第1走行経路R1において作業台車4が転倒することを回避でき、作業者の安全性を高めることができる。
【0070】
図7(b)に示すように、切替部材43は、対向状態では、経路延在方向X視において第2搬送車2に重複すると共に第1レール部材R1aには重複しない。そのため、作業台車4は、切替部材43が対向状態において、第1レール部材R1aのある第1走行経路R1は走行可能であるが、第2搬送車2上の第3走行経路R3は走行できない。従って、対向状態の切替部材43によって、第1走行経路R1から第3走行経路R3への作業台車4の載り移りが規制される。
【0071】
このような構成により、作業台車4を第1走行経路R1から第3走行経路R3へ載り移らせるためには、切替部材43を、非対向状態とする必要があり、切替部材43を対向状態としたまま作業台車4を第3走行経路R3で走行させることができないようになっている。従って、作業者が切替部材43を対向状態から非対向状態へ戻すことを忘れないようにできる。
【0072】
図7に示すように、本実施形態では、切替部材43は、レール対向部430と第1重複部431と第2重複部432とを備えている。
【0073】
レール対向部430は、切替部材43の対向状態(図7(b)参照)において、第1レール部材R1aの下面R1dに対して下側から対向する。本例では、切替部材43は、対向状態において、第1レール部材R1aにおける経路幅方向Yの外側の縁部を、上側、経路幅方向Yの外側、及び下側から覆うように構成されている。当該覆っている部分の一部が、レール対向部430とされる。
【0074】
第1重複部431は、切替部材43の非対向状態(図7(a)参照)において、経路延在方向X視で第1レール部材R1aに重複する。なお、第1重複部431は、切替部材43の対向状態(図7(b)参照)では、第1レール部材R1a及び第2搬送車2の何れに対しても経路延在方向X視で重複しない。
【0075】
第2重複部432は、切替部材43の対向状態(図7(b)参照)において、経路延在方向X視で第2搬送車2に重複する。本例では、第2搬送車2は、物品9を当該第2搬送車2に搭載する場合に、物品9を水平方向(ここでは第2方向Y)に位置決めする位置決め部23を備えている。第2重複部432は、切替部材43の対向状態において、経路延在方向X視で第2搬送車2の位置決め部23に重複する。なお、第2重複部432は、切替部材43の非対向状態(図7(a)参照)では、第1レール部材R1a及び第2搬送車2の何れに対しても経路延在方向X視で重複しない。
【0076】
図8は、第1走行経路R1の終端側の部分を示している。「第1走行経路R1の終端側」とは、経路延在方向Xにおいて、第1走行経路R1の始端側に対して反対側である。換言すれば、「第1走行経路R1の終端側」とは、経路延在方向Xにおいて、第2走行経路R2が配置されている側とは反対側である。図9は、図8におけるIX-IX矢視図である。
【0077】
本実施形態では、走行経路Rの端部には作業台車4の走行を規制する走行規制部R1eが設けられている。ここでは、走行規制部R1eは、第1走行経路R1における終端側の端部に設けられている。走行規制部R1eは、第1レール部材R1aに取り付けられている。走行規制部R1eは、第1レール部材R1aから下側に突出するように設けられている。
【0078】
図9に示すように、本実施形態では、作業台車4は、ストッパ部材44を備えている。ストッパ部材44は、走行経路Rに沿う走行方向視(経路延在方向X視)で走行規制部R1eに重複する重複状態(図9(b)参照)と、走行方向視(経路延在方向X視)で走行規制部R1eに重複しない非重複状態(図9(a)参照)と、に状態変更可能に構成されている。
【0079】
本実施形態では、ストッパ部材44は、台車本体40に対して上下方向に出退自在に連結されている。本例では、ストッパ部材44は、台車本体40から下側に突出する突出部44aと、突出部44aの突出量を操作する操作部44bと、を備えている。操作部44bは、台車本体40における搭乗面40fの側に設けられており(図3も参照)、搭乗面40fに搭乗する作業者によって操作可能となっている。
【0080】
経路延在方向X視において突出部44aが走行規制部R1eに対して重複するように、当該突出部44aの突出量が操作部44bによって操作されることにより、ストッパ部材44が重複状態となる(図9(b)参照)。そして、ストッパ部材44が重複状態(図9(b)参照)において走行規制部R1eに当接することで、作業台車4の走行が規制される。なお、経路延在方向X視において突出部44aが走行規制部R1eに対して重複しないように、当該突出部44aの突出量が操作部44bによって操作されることにより、ストッパ部材44が非重複状態となる(図9(a)参照)。
【0081】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る物品収容設備200ついて、図10及び図11を参照して説明する。本実施形態では、上記第1実施形態と異なり、設備の概要構成が異なる。以下では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。特に説明しない点については上記第1実施形態と同様である。
【0082】
図10に示すように、本実施形態に係る物品収容設備200は、複数の走行経路Rを有する物品収容部Sと、搬送車1と、搬送装置TとしてのフォークリフトT2と、を備えている。物品収容部Sは、複数の走行経路R上において物品(不図示)を収容するように構成されている。搬送車1は、物品を搬送することが可能に構成されている。フォークリフトT2は、搬送車1を搬送することが可能に構成されている。
【0083】
詳細な図示は省略するが、入庫部に入庫された物品がコンベヤ等の搬送装置によって搬送車1まで搬送されて、当該物品が搬送車1に搭載された後、フォークリフトT2は、当該搬送車1を物品収容部Sの走行経路Rまで搬送する。物品を搭載した搬送車1は、走行経路Rを走行して、走行経路R上に設定された物品収容位置まで物品を搬送する。これにより、物品収容部Sに物品が入庫される。物品収容部Sから物品を出庫する場合には、上記と逆の動作が各装置によって行われる。
【0084】
物品収容部Sは、走行経路Rを構成する一対のレール部材Raを備えている。一対のレール部材Raは、搬送車1が走行する面である走行面Rbと、走行面Rbよりも上側に配置されて物品を支持する物品支持面Rcと、を備えている。
【0085】
走行面Rbは、走行経路Rの延在方向である経路延在方向Xに沿って形成されている。物品支持面Rcは、経路延在方向Xに沿って形成され、経路延在方向Xに沿って並ぶように複数の物品(不図示)を支持可能に構成されている。
【0086】
このような構成の物品収容設備200において、上記第1実施形態で説明した作業台車4及び保持装置5が用いられる。
【0087】
図10及び図11に示すように、本実施形態では、保持装置5が載置される載置部Pが、一対のレール部材Raにおける物品支持面Rcに設けられている。本実施形態では、作業台車4を保持した保持装置5は、フォークリフトT2によって載置部Pまで搬送される。
【0088】
図11に示すように、保持装置5が載置部Pに載置された状態で、昇降機構52により作業台車4が下降することで、作業台車4は走行面Rbに載置される。これにより、作業台車4は、走行面Rbを走行することができる。作業台車4に搭乗した作業者は、走行経路Rに沿って移動し、作業対象箇所へ向かうことができる。なお、本実施形態においても、保持装置5による作業台車4の保持とその解除は、上記第1実施形態と同様の工程で行われる。
【0089】
〔その他の実施形態〕
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0090】
(1)上記の第2実施形態では、搬送車1を搬送することが可能なフォークリフトT2によって、作業台車4を保持した保持装置5を搬送する例について説明した(図10参照)。しかし、このような例に限定されることなく、例えば図12に示すように、搬送車1を搬送することが可能なスタッカークレーンT3(搬送装置T)によって、作業台車4を保持した保持装置5を搬送するようにしてもよい。
【0091】
(2)上記の実施形態では、吊り上げ装置522は、連結部材521を吊り上げることにより、連結部材521に連結された作業台車4を吊り上げるように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、吊り上げ装置522は、連結部材521を介することなく、作業台車4を直接吊り上げるように構成されていてもよい。この場合、昇降機構52は、連結部材521を備えていなくてもよい。
【0092】
(3)上記の実施形態では、吊り上げ装置522が、レバーホイストを用いて構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、吊り上げ装置522は、作業台車4を吊り上げることが可能であればよく、例えば、ジャッキ、滑車機構などの公知の手段を用いて構成されていてもよい。
【0093】
(4)上記の実施形態では、支持体501が、保持機構50の保持状態で、作業台車4の横桟部材42を下側から支持するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、支持体501は、作業台車4における横桟部材42以外の部分を支持するように構成されていてもよい。例えば、支持体501は、作業台車4における台車本体40を支持するように構成されていてもよい。或いは、作業台車4に、支持体501に支持されるための専用の部材を設け、当該部材を支持体501が支持するようにしてもよい。
【0094】
(5)上記の実施形態では、保持機構50と昇降機構52とが別の機構である例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、保持機構50と昇降機構52とが共通の構成を備えていてもよい。例えば、保持機構50と昇降機構52とが、共通の保持部(作業台車4を保持する保持部)を備える構成とすることができる。この場合、昇降機構52が、作業台車4を昇降させるために作業台車4を当該共通の保持部により保持することで、保持機構50により作業台車4が保持された状態となる。この共通の保持部は、例えば、上記の実施形態でのフック522aのように、作業台車4を吊り下げ保持するように構成される。
【0095】
(6)上記の実施形態では、切替部材43が、台車本体40に対して回転することにより、対向状態と非対向状態とに切り替わる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、切替部材43による対向状態と非対向状態との切り替えは、切替部材43が直動等の回転以外の動作を行うことにより実現されてもよい。
【0096】
(7)上記の実施形態では、ストッパ部材44が、台車本体40に対して上下方向に出退することにより、重複状態と非重複状態とに状態変更する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ストッパ部材44による重複状態と非重複状態との状態変更は、例えば、ストッパ部材44が水平方向に直動することにより実現されてもよいし、ストッパ部材44が直動以外の動作、例えば回転等の動作を行うことにより実現されてもよい。
【0097】
(8)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0098】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収容設備について説明する。
【0099】
走行経路に沿って走行し、物品を搬送する搬送車と、
前記搬送車により搬送されてきた前記物品を収容する物品収容部と、
入庫部に入庫された前記物品を前記搬送車まで搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記搬送車と同じ前記走行経路に沿って走行し、作業者が搭乗可能に構成された作業台車と、
前記作業台車を保持する保持機構と前記作業台車を昇降させる昇降機構とを備えた保持装置と、を備え、
前記保持機構は、前記作業台車を保持する保持状態と、前記作業台車を保持しない非保持状態と、に状態変更可能に構成され、
前記保持装置は、前記保持機構により前記作業台車を保持した状態で、前記搬送装置により前記入庫部から搬送されて、前記走行経路に沿って設けられた載置部に載置され、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記保持機構が前記非保持状態となると共に前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車が前記走行経路に載置される。
【0100】
本構成によれば、作業台車を、保持装置により保持した状態で搬送装置によって搬送することができる。そのため、作業台車を、搬送装置によって直接支持した状態で搬送する場合に比べて、安定的に保持した状態で搬送することができる。そして、搬送装置によって走行経路に沿って設けられた載置部に保持装置を載置した状態では、保持装置に保持されている作業台車は、走行経路に対応した位置に配置された状態となる。この状態で、保持機構が非保持状態になると共に昇降機構により作業台車が下降することで、作業台車が走行経路に載置される。これにより、作業対象箇所への作業台車の設置が完了する。以上のように、本構成によれば、作業台車を作業対象箇所まで容易に搬送することができる。
【0101】
前記保持機構は、支持体と状態変更部とを備え、
前記支持体は、前記保持機構の前記保持状態で、前記作業台車の昇降軌跡と交差するように配置されて前記作業台車を下側から支持するように構成され、
前記状態変更部は、前記昇降機構により前記作業台車が上昇して前記支持体から上側に離間した状態で、前記支持体を前記昇降軌跡から除去することで、前記保持機構を前記非保持状態とするように構成され、
前記昇降機構は、前記支持体が前記昇降軌跡から除去されている状態で、前記作業台車が前記走行経路に載置される位置まで前記作業台車を下降させるように構成されている、と好適である。
【0102】
本構成によれば、搬送装置によって作業台車を搬送する場合には、保持機構によって作業台車を安定的に保持できる。また、状態変更部は、作業台車の昇降軌跡から支持体を除去することで、保持機構を非保持状態とするように構成されている。そのため、作業台車を走行経路に載置する場合には、保持機構を容易に非保持状態とすることで、支持体が作業台車に干渉することを回避しつつ、当該作業台車を保持装置から分離させて走行経路に載置することができる。また、本構成によれば、昇降機構を用いて作業台車を昇降させるため、作業台車の保持及び保持の解除等の作業も容易に行うことができる。
【0103】
前記作業台車は、前記走行経路に沿って走行するための車輪を備えた台車本体と、前記台車本体に立設された複数本の柱部材と、隣り合う前記柱部材同士をつなぐ横桟部材と、備え、
前記保持装置は、保持対象の前記作業台車を囲むように設けられた枠体を備え、
前記支持体は、保持対象の前記作業台車の前記横桟部材を下側から支持する位置において、前記状態変更部を構成する締結部材により前記枠体に対して着脱自在に取り付けられ、
前記昇降機構は、前記作業台車に連結される連結部材と、前記枠体に取り付けられた吊り上げ装置と、を備え、
前記吊り上げ装置は、前記連結部材を吊り上げることにより、前記連結部材に連結された前記作業台車を吊り上げるように構成されている、と好適である。
【0104】
本構成によれば、比較的簡素な構成により、作業台車及びそれを保持する保持装置を実現することができる。
【0105】
前記物品収容部は、前記搬送車としての第1搬送車が走行する前記走行経路である複数の第1走行経路に加えて、上下方向視で複数の前記第1走行経路に交差する方向に沿う第2走行経路を備え、
前記搬送装置は、前記第2走行経路に沿って走行する第2搬送車と、前記入庫部から前記第2搬送車まで前記物品を搬送する中間搬送機構と、を備え、
前記第2搬送車は、前記第1搬送車を搭載する搬送車搭載部及び当該搬送車搭載部に設けられた前記走行経路である第3走行経路と、を備え、
前記載置部が、前記第2搬送車に設けられ、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車は前記第3走行経路に載置される、と好適である。
【0106】
本構成によれば、第1搬送車と、当該第1搬送車を搭載して走行する第2搬送車とを備える物品収容設備において、保持装置に保持された状態で中間搬送機構により搬送されてきた作業台車を、第2搬送車の搬送車搭載部に設けられた第3走行経路に載置することができる。従って、第2搬送車によって、複数の第1走行経路のうちの任意の第1走行経路に作業台車を搬送することができる。
【0107】
前記第1走行経路及び前記第3走行経路は、それぞれ、前記作業台車が走行可能なレール部材を備え、
前記作業台車は、前記走行経路に沿う走行方向視で前記レール部材の下面に対して隙間を有して下側から対向する対向状態と、前記レール部材の前記下面に対向しない非対向状態と、に切替可能な切替部材を備え、
前記切替部材は、
前記対向状態では、前記走行経路の延在方向である経路延在方向に前記作業台車が転倒しようとした場合に前記レール部材の前記下面に当接することで前記第1走行経路における前記作業台車の転倒を規制すると共に、前記第1走行経路から前記第3走行経路への前記作業台車の載り移りを規制し、
前記非対向状態では、前記第3走行経路から前記第1走行経路への前記作業台車の載り移りを規制する、と好適である。
【0108】
本構成によれば、作業台車が第1走行経路を走行する場合には、切替部材を対向状態とすることで、作業台車の転倒を規制することができる。また、切替部材が非対向状態では、第3走行経路から第1走行経路への作業台車の載り移りが規制される。そのため、作業台車を第3走行経路から第1走行経路へ載り移らせるためには、切替部材を、作業台車の転倒を規制可能な対向状態とする必要があり、切替部材を非対向状態としたまま作業台車を第1走行経路で走行させることができないようになっている。そのため、第1走行経路において作業台車が転倒することを回避でき、作業者の安全性を高めることができる。反対に、切替部材が対向状態では、第1走行経路から第3走行経路への作業台車の載り移りが規制される。そのため、切替部材を対向状態としたまま作業台車を第1走行経路から第3走行経路へ載り移らせることができないようになっている。よって、作業者が切替部材を対向状態から非対向状態へ戻すことを忘れないようにできる。
【0109】
前記物品収容部は、前記走行経路を構成する一対のレール部材を備え、
一対の前記レール部材は、前記搬送車が走行する面である走行面と、前記走行面よりも上側に配置されて前記物品を支持する物品支持面と、を備え、
前記走行面は、前記走行経路の延在方向である経路延在方向に沿って形成され、
前記物品支持面は、前記経路延在方向に沿って形成され、前記経路延在方向に沿って並ぶように複数の前記物品を支持可能に構成され、
前記載置部は、一対の前記レール部材における前記物品支持面に設けられ、
前記保持装置が前記載置部に載置された状態で、前記昇降機構により前記作業台車が下降することで、前記作業台車は前記走行面に載置される、と好適である。
【0110】
本構成によれば、複数の走行経路のそれぞれを構成する一対のレール部材を備え、一対のレール部材が物品を支持する物品支持面を備えた物品収容設備において、保持装置が載置される載置部を当該物品支持面に設けることができる。従って、このような構成の物品収容設備においても、作業台車を作業対象箇所に容易に配置することができる。
【0111】
前記走行経路の端部には前記作業台車の走行を規制する走行規制部が設けられ、
前記作業台車は、前記走行経路に沿う走行方向視で前記走行規制部に重複する重複状態と、前記走行方向視で前記走行規制部に重複しない非重複状態と、に状態変更可能なストッパ部材を備え、
前記ストッパ部材が前記重複状態において前記走行規制部に当接することで、前記作業台車の走行が規制される、と好適である。
【0112】
本構成によれば、ストッパ部材を重複状態としておくことで、作業者が搭乗した作業台車が、意図せずに走行経路の端部から走行経路の外に出てしまうことを規制できる。一方、作業台車を走行経路の外に出したい場合には、ストッパ部材を非重複状態とすることで、作業台車を容易に走行経路の外に出すことができる。
【0113】
前記保持装置の底面の寸法は、前記物品の底面の寸法と同等である、と好適である。
【0114】
本構成によれば、保持装置及びそれに保持された作業台車を搬送するための専用の搬送装置を設けることなく、物品の搬送を行う既存の搬送装置を利用して、保持装置及びそれに保持された作業台車を作業対象箇所へ容易に搬送することができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本開示に係る技術は、物品を搬送する搬送車と、前記搬送車により搬送されてきた前記物品を収容する物品収容部と、入庫部に入庫された前記物品を前記搬送車まで搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0116】
100 :物品収容設備
200 :物品収容設備
1 :第1搬送車(搬送車)
2 :第2搬送車
22 :搬送車搭載部
4 :作業台車
40 :台車本体
401 :車輪
41 :柱部材
42 :横桟部材
43 :切替部材
44 :ストッパ部材
5 :保持装置
50 :保持機構
501 :支持体
502 :状態変更部
502a :締結部材
51 :枠体
52 :昇降機構
521 :連結部材
522 :吊り上げ装置
9 :物品
81 :入庫部
S :物品収容部
G :隙間
P :載置部
R :走行経路
R1 :第1走行経路
R1b :走行面
R1c :物品支持面
R1d :レール部材の下面
R1e :走行規制部
R2 :第2走行経路
R3 :第3走行経路
Ra :レール部材
Rb :走行面
Rc :物品支持面
T :搬送装置
TM :中間搬送機構
X :経路延在方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12