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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】通信装置およびそれを備えたセンサ装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 3/00 20060101AFI20241106BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H04J3/00 C
G08C19/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022104700
(22)【出願日】2022-06-29
(65)【公開番号】P2024004839
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2024-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 孝範
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-217870(JP,A)
【文献】特開2010-098630(JP,A)
【文献】特開平11-068580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 3/00
G08C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ(S1、S2)から第1検出値および第2検出値を取得して、前記第1検出値および前記第2検出値に応じた信号をSENTプロトコルに従った信号で出力する通信装置であって、
取得する前記第1検出値および前記第2検出値に関する信号をSENT通信波形として生成する波形生成部(10)と、
前記SENT通信波形を出力信号として出力する信号出力部(20)と、を備え、
前記SENT通信波形は、格納される情報が予め定められた複数のデータ領域で構成されており、
前記複数のデータ領域は、12ビットのデータ長で構成され、前記第1検出値に関する情報が格納される第1センサ領域(R1)と、12ビットのデータ長で構成され、前記第2検出値に関する情報が格納される第2センサ領域(R2)と、を含み、
前記波形生成部は、
前記第1検出値を、前記第1センサ領域に格納するための12ビットのデータである第1センサデータに変換するとともに、前記第2検出値を、前記第2センサ領域に格納するための12ビットのデータである第2センサデータに変換するセンサデータ作成部(31、32)と、
前記第1センサデータおよび前記第2センサデータの少なくとも一方のセンサデータのデータ量を圧縮させて、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の少なくとも一方のセンサ領域に前記第1センサデータおよび前記第2センサデータが格納されない空領域を生成するデータ圧縮部(41、42)と、
前記第1センサデータおよび前記第2センサデータが更新されない状態を示すデータ固着異常が発生しているか否かを判別するための異常判別情報を前記空領域に追加する判別情報追加部(50)と、を有する通信装置。
【請求項2】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータの両方のセンサデータのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の両方に前記空領域を生成する請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記SENT通信波形は、前記第1センサデータを格納する前記第1センサ領域と、前記第2センサデータを格納する前記第2センサ領域とが互いに隣接して形成されており、
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域のうちの前記第2センサデータに連なる側に2ビット以上の前記空領域を生成するとともに、前記第2センサデータのデータ量を圧縮して、前記第2センサ領域にのうちの前記第1センサデータに連なる側に2ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、4ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域に跨って形成される前記空領域に追加する請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータそれぞれのデータ量を4ビット以上圧縮することで2つの4ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、4ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を2つの前記空領域それぞれに追加する請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのいずれか一方のみのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の一方に前記空領域を生成する請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのいずれか一方のみのデータ量を3ビット以上圧縮することで3ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、3ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を前記空領域に追加する請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記異常判別情報は、前記出力信号が送信される毎にカウンタ値が変化する更新カウンタを含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項8】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を可逆圧縮方法で圧縮する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項9】
前記データ圧縮部は、ハフマン符号によって前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を圧縮する請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を非可逆圧縮方法で圧縮する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項11】
前記データ圧縮部は、対数圧縮によって前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を圧縮する請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
請求項1に記載の通信装置を備えたセンサ装置であって、
前記第1検出値を検出する第1センサ素子(61)および前記第2検出値を検出する第2センサ素子(62)を備えたセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置およびそれを備えたセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気センサを備え、電動パワーステアリング装置に用いられるセンサ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。磁気センサは、センサ素子および出力回路を有し、センサ素子が検出する磁束密度を含む情報を出力回路がSENTプロトコルに従ってSENT通信波形を生成し、出力信号として出力する。このSENTプロトコルに従って生成されるSENT通信波形は、各種情報を含む複数のパルス信号で構成されており、例えば、センサ素子が検出する検出値の情報を含むデータ信号に加えて、出力信号を判別するためのステータス信号が含まれる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の出力回路が生成するSENT通信波形に含まれるステータス信号には、出力信号の送信毎に値が+1ずつ増加される更新カウンタの情報が含まれている。これにより、この出力信号を受信するECUは、データ信号に含まれる検出値が変化しない場合、更新カウンタの値が変化しているか否かで、データ固着異常が生じているか否かを判別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-217870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、SENTプロトコルに従って生成されるSENT通信波形において、ステータス信号は4ビットのデータ領域で構成される。そして、ステータス信号には、例えば、センサ装置の品番やセンサ装置の各種内部部品の異常を判別するための情報等、データ固着異常を判別するための情報以外の情報も含ませたい場合がある。
【0006】
しかし、SENTプロトコルでは、ステータス信号は4ビットで構成されており、ステータス信号に含ませることが可能な情報量は限られている。このため、4ビットのデータ領域がセンサ装置の品番やセンサ装置の各種内部部品の異常を判別するための情報を送信するために使用されると、データ固着異常を判別するための情報をステータス信号に含めることができなくなる場合がある。この場合、SENTプロトコルに従って生成される出力信号を出力する通信装置では、データ固着異常を判別するための情報を、出力信号を受信する側に送信することができない虞がある。
【0007】
本開示は、ステータス信号のデータ領域を使用することなく、データ固着異常を判別するための情報を送信可能な通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
センサ(S1、S2)から第1検出値および第2検出値を取得して、第1検出値および第2検出値に応じた信号をSENTプロトコルに従った信号で出力する通信装置であって、
取得する第1検出値および第2検出値に関する信号をSENT通信波形として生成する波形生成部(10)と、
SENT通信波形を出力信号として出力する信号出力部(20)と、を備え、
SENT通信波形は、格納される情報が予め定められた複数のデータ領域で構成されており、
複数のデータ領域は、12ビットのデータ長で構成され、第1検出値に関する情報が格納される第1センサ領域(R1)と、12ビットのデータ長で構成され、第2検出値に関する情報が格納される第2センサ領域(R2)と、を含み、
波形生成部は、
第1検出値を、第1センサ領域に格納するための12ビットのデータである第1センサデータに変換するとともに、第2検出値を、第2センサ領域に格納するための12ビットのデータである第2センサデータに変換するセンサデータ作成部(31、32)と、
第1センサデータおよび第2センサデータの少なくとも一方のセンサデータのデータ量を圧縮させて、第1センサ領域および第2センサ領域の少なくとも一方のセンサ領域に第1センサデータおよび第2センサデータが格納されない空領域を生成するデータ圧縮部(41、42)と、
第1センサデータおよび第2センサデータが更新されない状態を示すデータ固着異常が発生しているか否かを判別するための異常判別情報を空領域に追加する判別情報追加部(50)と、を有する。
【0009】
これによれば、第1センサ領域および第2センサ領域のいずれか一方の領域に異常判別情報を追加することによって、ステータス信号のデータ領域を使用することなく異常判別情報を送信することができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る通信装置の概略構成を説明するための図である。
図2】1フレーム分のSENT通信波形を示す図である。
図3】第1実施形態の判別情報追加部が空領域に異常判別情報を追加する際の動作を説明するための図である。
図4】センサデータをハフマン符号によって圧縮する場合の参考例を示す図である。
図5】通信装置が取得するセンサデータの出現率の一例を示す図である
図6】通信装置が正常状態である場合の出力信号に含まれるセンサデータおよび更新カウンタを示す図である。
図7】通信装置が異常状態である場合の出力信号に含まれるセンサデータおよび更新カウンタを示す図である。
図8】第2実施形態の判別情報追加部が空領域に異常判別情報を追加する際の動作を説明するための図である。
図9】第3実施形態に係る通信装置の概略構成を説明するための図である。
図10】第3実施形態の判別情報追加部が空領域に異常判別情報を追加する際の動作を説明するための図である。
図11】センサデータを対数圧縮によって圧縮する場合の参考例を示す図である。
図12】対数圧縮によって圧縮したセンサデータを復元させる場合の参考例を示す図である。
図13】第5実施形態のセンサ装置の概略構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態について、図1図7を参照して説明する。本実施形態では、例えば、通信装置1が車両のブレーキを制御するブレーキバイワイヤシステムに用いられる例について説明する。 ブレーキバイワイヤシステムは、運転者によって踏まれる不図示のブレーキペダルを備え、当該ブレーキペダルが運転者によって踏まれた際の踏力に応じて車両に設けられた車輪の制動を制御するブレーキシステムである。
【0014】
ブレーキバイワイヤシステムは、例えば、ブレーキペダルが踏まれる際の踏力に関する情報を検出するための2つのセンサS1、S2と、2つのセンサS1、S2が検出する検出値に応じて車輪の制動を制御する各種構成機器を制御する制御装置Eと、を備える。そして、本実施形態の通信装置1は、2つのセンサS1、S2が検出する検出値を制御装置Eに伝達するために用いられる。制御装置Eは、通信装置1から送信される信号に基づいてブレーキバイワイヤシステムに設けられた各種構成機器を制御する。
【0015】
なお、制御装置Eは、ECU(Electronic Control Unitの略)と呼ばれるものである。通信装置1は、2つのセンサS1、S2それぞれが検出する検出値に応じた信号を制御装置Eに送信することで、当該2つのセンサS1、S2が検出する検出値を制御装置Eに伝達する。
【0016】
以下、2つのセンサS1、S2のうち、一方のセンサを第1センサS1とも呼び、他方のセンサを第2センサS2とも呼ぶ。また、第1センサS1が検出する検出値を第1検出値とも呼び、第2センサS2が検出する検出値を第2検出値とも呼ぶ。
【0017】
本実施形態の第1センサS1および第2センサS2は、ブレーキペダルにおいて互いに異なる位置に設けられており、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の踏力に関する情報を互いに独立して検出可能に構成されている。
【0018】
例えば、第1センサS1は、ブレーキペダルを回転可能に支持する回転軸に設けられており、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の回転量を検出する回転角センサで構成される。そして、第1センサS1は、磁石およびホール素子等を有する磁気センサで構成されていてもよい。この場合、第1センサS1は、回転軸が回転する際の磁気の変化を検出することで、回転軸の回転量に応じたブレーキペダルへの踏力を検出する。
【0019】
また、例えば、第2センサS2は、ブレーキペダルに設けられており、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の移動量を検出することで、運転者の踏力を検出するストロークセンサで構成される。そして、第2センサS2は、ターゲット金属およびターゲット金属の動作を検出するコイル部等を有するインダクティブセンサで構成されていてもよい。この場合、第2センサS2は、ブレーキペダルが回転する際のコイル部のインピーダンスの変化を検出することで、ブレーキペダルの移動量に応じたブレーキペダルへの踏力を検出する。
【0020】
第1センサS1および第2センサS2は、それぞれの出力側が通信装置1に接続されており、それぞれが検出する検出値に応じた信号を通信装置1に送信する。
【0021】
なお、第1センサS1および第2センサS2は、センサの構成が限定されるものでなく、例えば、運転者がペダルを踏む際のペダルに印加される圧力を検出する圧力センサ等、磁気センサおよびインダクティブセンサとは異なるセンサで構成されていてもよい。
【0022】
通信装置1は、第1センサS1から送信される第1検出値および第2センサS2から送信される第2検出値を取得するとともに、取得した第1検出値および第2検出値に応じた信号を制御装置Eに出力する送信装置である。本実施形態の通信装置1は、取得する第1検出値および第2検出値に応じた信号をSENTプロトコルに従って生成するデジタル信号を出力することで制御装置EとSENT通信を行うものである。なお、SENTはSingle Edge Nibble Transmissionの略である。
【0023】
通信装置1は、CPU、ROMおよびRAM等の記憶部を含んで構成されるマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。通信装置1は、ROM内に記憶されたプログラムに基づいて各種演算、処理を行う。また、通信装置1は、図1に示すように、第1センサS1および第2センサS2から入力される信号に基づいて信号波形を生成する波形生成部10と、波形生成部10によって生成された信号波形を出力信号として出力する信号出力部20と、を備える。
【0024】
波形生成部10は、入力側に第1センサS1および第2センサS2が接続されており、出力側に信号出力部20が接続されている。波形生成部10は、第1センサS1から送信される第1検出値および第2センサS2から送信される第2検出値に関する情報を含む信号をSENTプロトコルに従って生成し、図2に示すSENT通信波形Pとして信号出力部20に送信する。
【0025】
ここで、図2に示すSENT通信波形Pについて説明する。図2に示すSENT通信波形Pは、波形生成部10が生成するSENT通信波形Pの1フレーム分の通信波形を示す。SENT通信波形Pは、図2に示すように、10個のパルス信号で構成され、当該10個のパルス信号それぞれに各種情報を格納する。10個のバルス信号に格納される情報はSENTプロトコルに基づいて予め定められている。そして、SENT通信波形Pは、各パルス信号の立下り開始タイミングから次の立下り開始タイミングまでの立下がりエッジ間の時間で各パルス信号に格納される情報の内容を表現する。SENT通信波形Pは、各パルス信号に格納される情報(すなわち、データ)が予め定められており、パルス信号毎に分割された複数のデータ領域で構成されている。
【0026】
SENT通信波形Pは、具体的に、同期校正パルスSyと、ステータス・コミュニケーションニブルStと、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6と、CRCニブルCrと、ポーズパルスPaとが、この順に連なって構成されている。同期校正パルスSyは、立下がりエッジ間の時間が予め定められている。これに対して、ステータス・コミュニケーションニブルSt、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6、CRCニブルCrおよびポーズパルスPaは、各パルス信号における立下がりエッジ間の時間が可変である。
【0027】
これら各ニブルおよびポーズパルスPaそれぞれの立下りエッジ間の時間は、各ニブルおよびポーズパルスPaに格納されるデータに応じて波形生成部10によって設定される。また、ステータス・コミュニケーションニブルSt、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6、CRCニブルCrそれぞれは、ニブル毎に4ビット分のデータを格納する。
【0028】
また、SENT通信波形Pにおいて、各パルス信号の立下りエッジ間の時間はティック単位で表現される。1ティックの時間は、設定可能であって、例えば3us(マイクロ秒)に設定される。
【0029】
同期校正(Synchronization/Calibration)パルスSyは、1フレーム毎のSENT通信波形Pにおいて先頭に配置されるパルス信号であって、1フレーム分のSENT通信波形Pの開始タイミングを通知するためのパルス信号である。同期校正パルスSyの立下りエッジ間の時間(すなわち、パルス幅)は、56ティックで固定されている。制御装置Eは、通信装置1からSENT通信波形Pを受信すると、56ティックの時間に所定の許容誤差を含む時間のパルス信号を検出することで、SENT通信の開始タイミングを取得することができる。
【0030】
ステータス・コミュニケーション(Status and Communication)ニブルStは、同期校正パルスSyの次に配置されるパルス信号である。ステータス・コミュニケーションニブルStは、通信装置1の状態や製品番号などを制御装置Eに通知するためのパルス信号である。ステータス・コミュニケーションニブルStは、4ビットのデータ長のデータを格納可能に構成されており、例えば、通信装置1の構成機器の正常状態または異常状態、製品番号等のデータを、0~15までのデータ値として格納する。そして、ステータス・コミュニケーションニブルStは、これらのデータの内容に応じて立下りエッジ間の時間が12ティック~27ティックまでの15段階のいずれかの時間に設定される。これにより、ステータス・コミュニケーションニブルStは、通信装置1の構成機器の正常状態または異常状態、製品番号等を4ビットのデータで表現する。本実施形態のステータス・コミュニケーションニブルStは、ステータス信号に対応する。
【0031】
第1データニブルDa1~第6データニブルDa6は、ステータス・コミュニケーションニブルStの次に配置されるパルス信号である。具体的に、ステータス・コミュニケーションニブルStの次に、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2、第3データニブルDa3、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5、第6データニブルDa6の順に連なって構成されている。
【0032】
第1データニブルDa1~第6データニブルDa6は、第1センサS1から取得する第1検出値および第2センサS2から取得する第2検出値を通知するためのパルス信号である。第1データニブルDa1~第6データニブルDa6それぞれは、4ビットのデータ長のデータを格納可能に構成されている。そして、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6それぞれは、第1センサS1から取得する第1検出値に関する情報または第2センサS2から取得する第2検出値に関する情報を、例えば、0~15までのデータ値として格納することができる。
【0033】
本実施形態では、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3には、第1センサS1から送信される第1検出値に関する情報が格納される。すなわち、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3によって構成される12ビット長のデータによって、第1センサS1から送信される第1検出値が表現される。第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3は、第1センサS1から取得する第1検出値を、例えば、0~4095までのデータ値として格納することができる。
【0034】
具体的に、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3は、第1検出値に応じてそれぞれの立下りエッジ間の時間が12ティック~27ティックまでの15段階のいずれかの時間に設定される。これにより、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3は、第1検出値を12ビットのデータで表現する。以下、SENT通信波形Pにおいて、第1データニブルDa1、第2データニブルDa2および第3データニブルDa3で構成され、第1検出値に関する情報が格納されるデータ領域を第1センサ領域R1とも呼ぶ。また、第1センサ領域R1に格納され、第1検出値に応じたデータを第1センサデータとも呼ぶ。第1センサデータは、第1センサS1から取得する第1検出値に応じたデータである。
【0035】
また、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6には、第2センサS2から送信される第2検出値に関する情報が格納される。すなわち、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6によって構成される12ビット長のデータによって、第2センサS2から送信される第2検出値が表現される。第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6は、第2センサS2から取得する第2検出値を、例えば、0~4095までのデータ値として格納することができる。
【0036】
具体的に、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6は、第2検出値に応じてそれぞれの立下りエッジ間の時間が12ティック~27ティックまでの15段階のいずれかの時間に設定される。これにより、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6は、第2検出値を12ビットのデータで表現する。以下、SENT通信波形Pにおいて、第4データニブルDa4、第5データニブルDa5および第6データニブルDa6で構成され、第2検出値に関する情報が格納されるデータ領域を第2センサ領域R2とも呼ぶ。また、第2センサ領域R2に格納され、第2検出値に応じたデータを第2センサデータとも呼ぶ。第2センサデータは、第2センサS2から取得する第2検出値に応じたデータである。
【0037】
第1センサ領域R1および第2センサ領域R2は、SENT通信波形Pにおいて、互いに隣接している。これにより、第1センサデータおよび第2センサデータは、SENT通信波形Pを構成する10個のパルス信号のうち、連続して配置される。具体的に、第2センサデータは、SENT通信波形Pに格納される各種データのうち、第1センサデータの次に格納される。
【0038】
ここで、本実施形態の第1センサ領域R1および第2センサ領域R2には、後述の判別情報追加部50によって、出力信号に含まれる第1センサデータおよび第2センサデータのデータ固着異常が発生しているか否かを判別するための異常判別情報が追加される。異常判別情報の追加方法については後述する。
【0039】
CRC(Cyclic Redundancy Check)ニブルCrは、第6データニブルDa6の次に配置されるパルス信号であって、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6に対する巡回冗長検査値を通知するためのパルス信号である。CRCニブルCrは、4ビットのデータ長のデータを格納可能に構成されており、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6の誤り検出/訂正符号の値を、例えば、0~15までのデータ値として格納する。そして、CRCニブルCrは、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6の誤り検出/訂正符号の値に応じて立下りエッジ間の時間が12ティック~27ティックまでの15段階のいずれかの時間に設定される。これにより、CRCニブルCrは、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6の誤り検出/訂正符号の値を4ビットのデータで表現する。
【0040】
ポーズパルス(Pause Pulse)Paは、CRCニブルCrの次に配置されるパルス信号であって、1フレーム分のSENT通信波形Pの長さを一定に保つためのパルス信号である。ところで、ステータス・コミュニケーションニブルSt、第1データニブルDa1~第6データニブルDa6およびCRCニブルCrは、上述のように、それぞれが格納するデータ値に応じてこれらニブルのティック数が設定される。すると、これらニブルのティック数によって、SENT通信波形Pの1フレーム分の長さが変化する。ポーズパルスPaは、変化する1フレーム分のSENT通信波形Pの長さを予め定められたティック数(例えば、282ティック)に保つためにそのパルス幅が設定される。
【0041】
図1に戻り、波形生成部10は、第1センサS1および第2センサS2から第1検出値および第2検出値を取得する毎に、SENTプロトコルに従って上記10個のパルス信号で構成されるSENT通信波形Pを生成する信号波形生成部である。また、本実施形態の波形生成部10は、生成したSENT通信波形Pに、出力信号に含まれる第1センサデータおよび第2センサデータのデータ固着異常が発生しているか否かを判別するための情報を追加可能に構成されている。波形生成部10は、第1センサデータ作成部31と、第2センサデータ作成部32と、第1データ圧縮部41と、第2データ圧縮部42と、判別情報追加部50とを含んで構成されている。
【0042】
第1センサデータ作成部31は、SENT通信波形Pを形成する各種パルス信号のうち、第1データニブルDa1~第3データニブルDa3によって構成される第1センサ領域R1に格納する第1センサデータを生成するものである。第1センサデータ作成部31は、入力側に第1センサS1が接続されており、出力側に第1データ圧縮部41が接続されている。
【0043】
第1センサデータ作成部31は、例えば、アナログ-デジタル変換回路(すなわち、A/D変換回路)を含んで構成される。そして、第1センサデータ作成部31は、第1センサS1から第1検出値を取得すると、取得した第1検出値を第1センサ領域R1に格納するためにA/D変換して12ビットの第1センサデータを生成する。第1センサデータ作成部31は、生成した第1センサデータを第1データ圧縮部41に送信する。
【0044】
第2センサデータ作成部32は、SENT通信波形Pを形成する各種パルス信号のうち、第4データニブルDa4~第6データニブルDa6によって構成される第2センサ領域R2に格納する第2センサデータを生成するものである。第2センサデータ作成部32は、例えば、アナログ-デジタル変換回路(すなわち、A/D変換回路)を含んで構成される。そして、第2センサデータ作成部32は、第2センサS2から第2検出値を取得すると、取得した第2検出値を第2センサ領域R2に格納するためにA/D変換して12ビットの第2センサデータを生成する。第2センサデータ作成部32は、生成した第2センサデータを第2データ圧縮部42に送信する。
【0045】
第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31によって生成された第1センサデータのデータ量を圧縮させて、12ビットの第1センサ領域R1に第1センサデータおよび第2センサデータいずれのデータも含まれていない空領域を生成するものである。第1データ圧縮部41は、デジタル信号を圧縮する圧縮回路を含んで構成されている。そして、第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31が生成した第1センサデータのデータ量を圧縮し、圧縮した第1センサデータを第1センサ領域R1に格納する。
【0046】
第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32によって生成された第2センサデータのデータ量を圧縮させて、12ビットの第2センサ領域R2に第1センサデータおよび第2センサデータのいずれのデータも含まれていない空領域を生成するものである。第2データ圧縮部42は、デジタル信号を圧縮する圧縮回路を含んで構成されている。そして、第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32が生成した第2センサデータのデータ量を圧縮し、圧縮した第2センサデータを第2センサ領域R2に格納する。
【0047】
以下圧縮した第1センサデータを圧縮第1センサデータとも呼び、圧縮した第2センサデータを圧縮第2センサデータとも呼ぶ。
【0048】
判別情報追加部50は、データ固着異常が発生しているか否かを判別するためのデータである異常判別情報を、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42が生成した空領域に追加するものである。判別情報追加部50は、異常判別情報として、出力信号が送信される毎にカウンタ値が1つずつ増加していく更新カウンタで構成されている。
【0049】
信号出力部20は、波形生成部10によって生成されたSENT通信波形Pを、通信装置1の外部に配置された制御装置Eに送信するものである。信号出力部20は、通信装置1が第1センサS1および第2センサS2から第1検出値および第2検出値を取得する毎に生成するSENT通信波形Pを出力信号として制御装置Eに送信する。信号出力部20が送信するSENT通信波形Pには、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2に、圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータに加えて、異常判別情報が含まれる。
【0050】
続いて、通信装置1の作動について説明する。通信装置1は、第1センサS1および第2センサS2から第1検出値および第2検出値を取得すると、波形生成部10がSENT通信波形Pを生成する。
【0051】
具体的に、第1センサデータ作成部31は、第1センサS1から第1検出値を取得すると、第1検出値をA/D変換して12ビットの第1センサデータを生成する。そして、第1センサデータ作成部31は、生成した第1センサデータを第1データ圧縮部41に送信する。
【0052】
第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31から第1センサデータを受信する。すると、第1データ圧縮部41は、図3に示すように、当該第1センサデータのデータ量を圧縮させて圧縮した第1センサデータを第1センサ領域R1に格納するとともに、第1センサ領域R1に空領域を生成する。ここで、第1データ圧縮部41は、12ビットの第1センサデータを2ビット分圧縮して10ビットのデータ長の圧縮第1センサデータとすることで2ビット分の空領域を生成する。具体的に、第1データ圧縮部41は、第1センサ領域R1のうちのステータス・コミュニケーションニブルStに連なる側に圧縮第1センサデータを格納して、第1センサ領域R1のうちの第2センサデータに連なる側に2ビット分の空領域を生成する。
【0053】
また、本実施形態の第1データ圧縮部41は、圧縮第1センサデータを含む出力信号を受信する制御装置Eが、圧縮前の第1センサデータに復元可能なように、可逆圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮する。具体的に、第1データ圧縮部41は、12ビットの第1センサデータを可逆圧縮方法であるハフマン符号によって10ビットに圧縮する。このため、ハフマン符号によって圧縮された第1センサデータは、圧縮に起因するデータ損失が発生しないため、復元されることで、圧縮する前の第1センサデータに戻ることができる。
【0054】
また、第2センサデータ作成部32は、第2センサS2から第2検出値を取得すると、第2検出値をA/D変換して12ビットの第2センサデータを生成する。そして、第2センサデータ作成部32は、生成した第2センサデータを第2データ圧縮部42に送信する。
【0055】
第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32から第2センサデータを受信する。すると、第2データ圧縮部42は、図3に示すように、当該第2センサデータのデータ量を圧縮させて、圧縮した第2センサデータを第2センサ領域R2に格納するとともに、第2センサ領域R2に空領域を生成する。ここで、第2データ圧縮部42は、12ビットの第2センサデータを2ビット分圧縮して10ビットのデータ長の圧縮第2センサデータとすることで2ビット分の空領域を生成する。具体的に、第2データ圧縮部42は、第2センサ領域R2のうちのCRCニブルCrに連なる側に圧縮第2センサデータを格納して、第2センサ領域R2のうちの第1センサデータに連なる側に2ビット分の空領域を生成する。
【0056】
また、本実施形態の第2データ圧縮部42は、圧縮第2センサデータを含む出力信号を受信する制御装置Eが、圧縮前の第2センサデータに復元可能なように、可逆圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する。具体的に、第2データ圧縮部42は、12ビットの第2センサデータを可逆圧縮方法であるハフマン符号によって10ビットに圧縮する。このため、ハフマン符号によって圧縮された第2センサデータは、圧縮に起因するデータ損失が発生しないため、復元されることで、圧縮する前の第2センサデータに戻ることができる。
【0057】
ここで、ハフマン符号によって圧縮する場合の圧縮方法について、図4および図5に示す参考例を参照して説明する。ハフマン符号は、圧縮する際に、出現率が高いデータほど短いビット数を割り当て、出現率が低いデータほど長いビット数を割り当てることでデータ全体のデータ量を削減するものである。
【0058】
図4に示す参考例では、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の5種類の文字から成る12文字のデータをハフマン符号によって圧縮する例で説明する。
【0059】
ここで、圧縮する前の12文字のデータでは、5種類の文字それぞれを固定長の3ビット列のコードで表現するとする。具体的に、文字「A」を「000」のコードで表現し、文字「B」を「001」のコードで表現し、文字「C」を「010」のコードで表現し、文字「D」を「011」のコードで表現し、文字「E」を「100」のコードで表現するとする。
【0060】
そして、例えば、これら3ビットのコードを用いて「DAEBCBACBBBC」という12文字のデータを表現する場合、12文字のデータは、「011 000 100 001 010 001 000 010 001 001 001 010」となる。また、3ビットの固定長のコードを用いて「DAEBCBACBBBC」という12文字のデータを表現する場合、データ長は、3ビットに12文字の文字数を乗算した36ビットとなる。このような36ビットのデータ量を、文字の出現率に応じて割り当てるビット数を変化させて圧縮するハフマン符号について説明する。
【0061】
上記「DAEBCBACBBBC」という12文字における各文字の出現機会は、「B」が5回、「C」が3回、「A」が2回、「D」および「E」が1回となっている。このため、各文字の出現率は、高い順に、「B」、「C」、「A」、「D」または「E」となる。
【0062】
このため、ハフマン符号によって圧縮する際、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の5種類の文字のうち、出現率が高い文字ほど短いビット数のコードを割り当て、出現率が低いデータほど長いビット数のコードを割り当てる。例えば、出現率が1番高い文字「B」を「0」のコードで表現し、出現率が2番目に高い文字「C」を「10」のコードで表現する。そして、出現率が3番目に高い文字「A」を「110」のコードで表現し、出現率が最も低い一方の文字「D」を「1120」のコードで表現し、出現率が最も低い他方の文字「E」を「1111」のコードで表現するとする。
【0063】
すると、圧縮後では、「DAEBCBACBBBC」という12文字のデータを、「1110 110 1111 0 10 0 110 10 0 0 0 10」と表現することができる。そして、圧縮後では、「DAEBCBACBBBC」という12文字のデータのデータ長は、25ビットとなる。このため、ハフマン符号によって圧縮する場合、「DAEBCBACBBBC」という12文字のデータを、36ビットから25ビットに圧縮することができる。
【0064】
なお、図4に示すハフマン木は、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の5種類の文字から成る12文字のデータにおいて、出現する文字の出現回数と割当コードとの対応関係を示すものである。
【0065】
第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31によって生成された12ビットの第1センサデータをハフマン符号によって2ビット分圧縮することで、第1センサ領域R1のうちの第2センサデータに連なる側に2ビット分の空領域を生成する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32によって生成された12ビットの第2センサデータをハフマン符号に2ビット分圧縮することで、第2センサ領域R2のうちの第1センサデータに連なる側に2ビット分の空領域を生成する。これにより、SENT通信波形Pには、4ビット分の空領域が生成される。
【0066】
なお、本実施形態の第1センサS1および第2センサS2は、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の踏力を検出する。そして、車両を制御するブレーキペダルは、比較的弱い力で踏まれる機会が多く、これに対して、比較的大きな力で踏まれる機会が少ない。例えば、ブレーキペダルは、車両を急停車させる場合に最も大きな力で踏まれることが想定される。しかし、このような車両を急停車させるような機会は少ない。
【0067】
このような場合、運転者の踏力を検出するためにブレーキペダルに設けられる第1センサS1および第2センサS2は、比較的弱い力で踏まれた際の踏力を検出する機会が多く、これに対して、比較的強い力で踏まれた際の踏力を検出する機会が少ない。
【0068】
ここで、第1センサS1から取得する第1検出値を第1センサデータに変換する際に、第1検出値を0~4095までの12ビットのデータ値で表現し、運転者の踏力が大きいほど当該データ値が大きくなるとする。このような場合、図5に示すように、第1センサデータのデータ値は、小さい値ほど出現機会が多く、大きい値ほど出現機会が少なくなる。
【0069】
第2センサS2から取得する第2検出値を第2センサデータに変換する際の表現方法が第1検出値を第1センサデータに変換する際の表現方法と同じ場合、第2センサデータのデータ値は、小さい値ほど出現機会が多く、大きい値ほど出現機会が少なくなる。
【0070】
このような場合、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42は、ハフマン符号によって圧縮する際、第1センサデータおよび第2センサデータのデータ値が小さいほど短いビット数を割り当てる。これに対して、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42は、ハフマン符号によって圧縮する際、第1センサデータのデータ値および第2センサデータのデータ値が大きいほど長いビット数に割り当てる。
【0071】
続いて、判別情報追加部50は、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42が生成した空領域に、更新カウンタで構成された異常判別情報を追加する。具体的に、本実施形態の判別情報追加部50は、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42によって生成された4ビット分の空領域に、例えば、0~15までのデータ値で表現される更新カウンタで構成された異常判別情報を追加する。これにより、波形生成部10によって生成されるSENT通信波形Pには、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2に異常判別情報が追加させる。
【0072】
なお、0~15までのデータ値で表現される更新カウンタの値は、出力信号が送信される度にその値が1ずつ増加される。具体的に、更新カウンタの値は、出力信号が送信される度に、値が0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の順に更新される。そして、更新カウンタの値が最大値である15となった出力信号が送信された後の出力信号が送信される際の更新カウンタの値は、最小値である0に戻る。
【0073】
続いて、信号出力部20は、通信装置1が第1センサS1および第2センサS2から第1検出値および第2検出値を取得する毎に波形生成部10によって生成されたSENT通信波形Pを、制御装置Eに送信する。具体的に、信号出力部20は、圧縮された第1センサデータと、圧縮された第2センサデータと、更新カウンタで構成された異常判別情報とを含むSENT通信波形Pを出力信号として制御装置Eに送信する。
【0074】
制御装置Eは、通信装置1から出力信号を受信すると、SENT通信波形Pに含まれる各種情報を取得する。そして、制御装置Eは、第1センサ領域R1に格納され、ハフマン符号によって圧縮された圧縮第1センサデータを復元するとともに、第2センサ領域R2に格納され、ハフマン符号によって圧縮された圧縮第2センサデータを復元する。ここで、圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータは、可逆圧縮方法であるハフマン符号によって圧縮されている。このため、制御装置Eは、圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータを復元させることで、データ損失することなく圧縮する前の第1センサデータおよび第2センサデータに戻すことができる。
【0075】
また、制御装置Eは、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2に格納された異常判別情報に基づいて、データ固着異常が発生しているか否かを判別する。例えば、制御装置Eは、今回受信したSENT通信波形Pに含まれる更新カウンタの値が前回受信したSENT通信波形Pに含まれる更新カウンタの値と異なるか否かでデータ固着異常が発生しているか否かを判別する。
【0076】
データ固着異常が発生している状態について図6および図7を参照して説明する。制御装置Eが出力信号を受信する際に、ブレーキペダルへの踏力が一定である場合、第1センサS1および第2センサS2は、繰り返し同じ検出値を通信装置1へ送信する。この場合、通信装置1は、データ値が同じである第1センサデータを含む出力信号を繰り返し制御装置Eへ送信するとともに、データ値で同じである第2センサデータを含む出力信号を繰り返し制御装置Eへ送信する。すると、図6に示すように、制御装置Eは、通信装置1から繰り返し同じ第1センサデータのデータ値を取得するとともに、繰り返し同じ第2センサデータのデータ値を取得する。
【0077】
このような同じ第1センサデータのデータ値および同じ第2センサデータのデータ値を繰り返し取得する場合、今回受信した出力信号が前回受信した出力信号と同じ信号である虞がある。すなわち、通信装置1が異常状態となることで、通信装置1が出力する出力信号に含まれる第1センサデータおよび第2センサデータが更新されず、これらデータが固着している虞がある。
【0078】
しかし、今回受信した出力信号に含まれる更新カウンタの値と前回受信した出力信号に含まれる更新カウンタの値とが異なる場合、制御装置Eは、今回受信した出力信号が前回受信した出力信号と異なると判別することができる。すなわち、制御装置Eは、今回受信した出力信号に含まれるセンサデータと前回受信した出力信号に含まれるセンサデータが同じであっても、受信した出力信号が前回受信した出力信号と異なるとして、データ固着異常が発生していないと判別することができる。このため、制御装置Eは、同じ第1センサデータのデータ値および同じ第2センサデータのデータ値を繰り返し取得する場合であっても、通信装置1が正常状態であると判別することができる。
【0079】
これに対して、図7に示すように、今回受信した出力信号に含まれる更新カウンタの値と前回受信した出力信号に含まれる更新カウンタの値とが同じである場合、制御装置Eは、今回受信した出力信号が前回受信した出力信号と同じであると判別することができる。すなわち、制御装置Eは、今回受信した出力信号と前回受信した出力信号とが同じであるとして、データ固着異常が発生していると判別することができる。このため、制御装置Eは、同じ第1センサデータのデータ値および同じ第2センサデータのデータ値を繰り返し取得し、更新カウンタの値が更新されない倍、通信装置1が異常状態であると判別することができる。
【0080】
以上の如く、本実施形態の通信装置1は、第1センサS1および第2センサS2から取得する第1検出値および第2検出値を含む信号をSENT通信波形Pとして生成する波形生成部10を備える。第1センサデータ作成部31は、第1検出値を、第1センサ領域R1に格納するための12ビットの第1センサデータに変換する。第2センサデータ作成部32は、第2検出値を、第2センサ領域R2に格納するための12ビットの第2センサデータに変換する。第1データ圧縮部41は、第1センサデータのデータ量を圧縮させて、第1センサ領域R1に空領域を生成する。第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を圧縮させて、第2センサ領域R2に空領域を生成する。判別情報追加部50は、データ固着異常が発生しているか否かを判別するための異常判別情報を空領域に追加する。
【0081】
これによれば、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2に異常判別情報を追加するので、ステータス・コミュニケーションニブルStのデータ領域を使用することなく異常判別情報を制御装置Eに送信することができる。
【0082】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0083】
(1)上記実施形態では、第1データ圧縮部41は、第1センサデータのデータ量を圧縮して、第1センサ領域R1に空領域を生成する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を圧縮して、第2センサ領域R2に空領域を生成する。
【0084】
これによれば、第1センサデータおよび第2センサデータの両方を圧縮することで、空領域のデータ長を大きくし易くできる。
【0085】
(2)上記実施形態では、第1データ圧縮部41は、第1センサデータを圧縮して、第1センサ領域R1のうちの第2センサデータに連なる側に2ビットの空領域を生成する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を圧縮して、第2センサ領域R2にのうちの第1センサデータに連なる側に2ビットの空領域を生成する。そして、判別情報追加部50は、4ビットのデータ長の異常判別情報を、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2に跨って形成される空領域に追加する。
【0086】
ところで、出力信号を受信する制御装置Eが、通信装置1から出力する出力信号を受信する際に、出力信号を取りこぼす場合がある。その場合、異常判別情報が1ビットや2ビットのデータ長で構成される場合、出力信号を受信する制御装置Eが異常判別をし難い。例えば、異常判別情報が1ビットの更新カウンタで構成される場合において通信装置1から送信される出力信号を1回取りこぼすと、制御装置Eが受信した出力信号に含まれる更新カウンタの値が同じ出力信号を連続して受信する。このような場合、データ固着異常が発生していないにもかかわらず、制御装置Eは、データ固着異常が発生していると判別する虞がある。
【0087】
これに対して、本実施形態によれば、異常判別情報が4ビットのデータ長で構成されるため、制御装置Eが通信装置1から出力する出力信号を取りこぼした場合であっても、更新カウンタの値が同じ出力信号を連続して受け取り難くなる。このため、誤ったデータ固着異常の判別がされ難くなる。
【0088】
また、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42は、第1センサデータおよび第2センサデータそれぞれを圧縮させて得られる2つの空領域を跨って1つの4ビットの空領域を形成する。このため、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2のどちらかに4ビットの空領域を形成する場合に比較して、第1センサデータおよび第2センサデータのどちらかのみを4ビット圧縮する場合に比較して、圧縮される側のセンサデータの圧縮量を抑制できる。
【0089】
(3)上記実施形態では、異常判別情報は、出力信号が送信される毎にカウンタ値が変化する更新カウンタで構成されている。
【0090】
これによれば、簡易な方法で異常判別情報を追加できる。また、制御装置Eは、出力信号を受信する際に、容易にデータ固着異常が発生しているか否かを判別することができる。
【0091】
(4)上記実施形態では、第1データ圧縮部41は、第1センサデータのデータ量を可逆圧縮方法で圧縮する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を可逆圧縮方法で圧縮する。
【0092】
これによれば、制御装置Eが圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータを復元する際に、データ損失することなく圧縮する前の第1センサデータおよび第2センサデータに戻すことができる。このため、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42が非可逆圧縮方法で第1センサデータおよび第2センサデータそれぞれのデータ量を圧縮する場合に比較して、第1センサS1および第2センサS2の検出精度を向上させることができる。
【0093】
(5)上記実施形態では、第1データ圧縮部41は、ハフマン符号によって第1センサデータのデータ量を圧縮する。また、第2データ圧縮部42は、ハフマン符号によって第2センサデータのデータ量を圧縮する。
【0094】
これによれば、第1センサS1から取得する第1検出値および第2センサS2から取得する第2検出値のうち、出現機会が異なる検出値に応じて圧縮データを作成することができる。このため、例えば、第1センサS1から取得する第1検出値の出現率に偏りがある場合、その出現率に偏りに応じてセンサデータを圧縮できる。
【0095】
例えば、本実施形態の第1センサS1および第2センサS2から取得するブレーキペダルの踏力を示す第1検出値および第2検出値のように、出現率に偏りがある場合、その出現率に応じて第1センサデータおよび第2センサデータを圧縮することができる。
【0096】
このような場合、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42は、出現率が高い第1センサデータおよび第2センサデータほど短いビット数を割り当て、出現率が低い第1センサデータおよび第2センサデータほど長いビット数を割り当てて、圧縮できる。
【0097】
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、第1データ圧縮部41がハフマン符号によって第1センサデータのデータ量を圧縮し、第2データ圧縮部42がハフマン符号によって第2センサデータのデータ量を圧縮する例について説明したが、これに限定されない。可逆圧縮方法によって圧縮する方法であれば、第1データ圧縮部41がハフマン符号とは異なる圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。また、可逆圧縮方法によって圧縮する方法であれば、第2データ圧縮部42がハフマン符号とは異なる圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。
【0098】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8を参照して説明する。本実施形態では、第1データ圧縮部41が圧縮する第1センサデータのデータ量および空領域が形成される位置が第1実施形態と相違している。また、本実施形態では、第2データ圧縮部42が圧縮する第2センサデータのデータ量および空領域が形成される位置が第1実施形態と相違している。これら以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0099】
本実施形態の第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31から第1センサデータを受信する。すると、第1データ圧縮部41は、図8に示すように、当該第1センサデータのデータ量を圧縮させて圧縮した第1センサデータを第1センサ領域R1に格納するとともに、第1センサ領域R1に空領域を生成する。
【0100】
具体的に、第1データ圧縮部41は、12ビットの第1センサデータを4ビット分圧縮して8ビットのデータ長の圧縮第1センサデータとすることで第1センサ領域R1に4ビット分の空領域を生成する。また、第1データ圧縮部41は、第1センサ領域R1のうちの第2センサデータに連なる側に8ビットの圧縮第1センサデータを格納して、第1センサ領域R1のうちのステータス・コミュニケーションニブルStに連なる側に4ビット分の空領域を生成する。
【0101】
また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32から第2センサデータを受信する。すると、第2データ圧縮部42は、図8に示すように、当該第2センサデータのデータ量を圧縮させて、圧縮した第2センサデータを第2センサ領域R2に格納するとともに、第2センサ領域R2に空領域を生成する。
【0102】
具体的に、第2データ圧縮部42は、12ビットの第2センサデータを4ビット分圧縮して8ビットのデータ長の圧縮第2センサデータとすることで第2センサ領域R2に4ビット分の空領域を生成する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサ領域R2のうちの第1センサデータに連なる側に圧縮第2センサデータを格納して、第2センサ領域R2のうちのCRCニブルCrに連なる側に4ビット分の空領域を生成する。
【0103】
このように、本実施形態の第1データ圧縮部41が第1センサ領域R1に4ビットの空領域を生成するとともに、第2データ圧縮部42が第2センサ領域R2に4ビットの空領域を生成することで、SENT通信波形Pには、4ビットの空領域が2つ生成される。
【0104】
そして、判別情報追加部50は、4ビットのデータ長の異常判別情報を、2つの4ビットの空領域それぞれに追加する。
【0105】
これによれば、例えば、第1センサ領域R1に追加する異常判別情報と第2センサ領域R2に追加する異常判別情報とを同じ情報とする場合、出力信号に含まれる2つの異常判別情報を照合させることで、固着異常の発生を判別し易くできる。また、例えば、第1センサ領域R1に追加する異常判別情報と第2センサ領域R2に追加する異常判別情報とを異なる情報とする場合、外部要因によって2つの異常判別情報が同時に正しく機能しなくなるという異常状態になり難くなる。
【0106】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図9および図10を参照して説明する。本実施形態では、通信装置1が第1データ圧縮部41を備えておらず、また、第2データ圧縮部42が圧縮する第2センサデータのデータ量および空領域が形成される位置が第1実施形態と相違している。これら以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0107】
図9に示すように、本実施形態の通信装置1は、第1データ圧縮部41を備えていない。このため、第1センサデータ作成部31は、第1センサS1から第1検出値を取得すると、第1検出値をA/D変換して12ビットの第1センサデータを生成する。そして、第1センサデータ作成部31は、図10に示すように、生成した12ビットの第1センサデータを第1センサ領域R1に格納する。したがって、本実施形態の波形生成部10が生成するSENT通信波形Pにおいて、第1センサ領域R1には、空領域が形成されず、異常判別情報が追加されない。
【0108】
また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32から第2センサデータを受信する。すると、第2データ圧縮部42は、図10に示すように、当該第2センサデータのデータ量を圧縮させて、圧縮した第2センサデータを第2センサ領域R2に格納するとともに、第2センサ領域R2に空領域を生成する。
【0109】
具体的に、第2データ圧縮部42は、12ビットの第2センサデータを4ビット分圧縮して8ビットのデータ長の圧縮第2センサデータとすることで第2センサ領域R2に4ビット分の空領域を生成する。具体的に、第2データ圧縮部42は、第2センサ領域R2のうちの第1センサデータに連なる側に圧縮第2センサデータを格納して、第2センサ領域R2のうちのCRCニブルCrに連なる側に4ビット分の空領域を生成する。
【0110】
そして、判別情報追加部50は、4ビットのデータ長の異常判別情報を、第2センサ領域R2の4ビットの空領域に追加する。
【0111】
このように、本実施形態では、第1センサデータおよび第2センサデータのうち、第2センサデータのみがデータ量を圧縮される。そして、第2データ圧縮部42は、第1センサ領域R1および第2センサ領域R2のうち、第2センサ領域R2のみに空領域を生成する。
【0112】
ところで、圧縮回路等によって各種データのデータ量を圧縮する場合、データの一部が圧縮によって損失する場合がある。このため、例えば、第2データ圧縮部42によって第2センサデータのデータ量を圧縮する場合、第2センサデータの一部が損失する可能性がある。そして、第2センサデータの一部が圧縮によって損失する場合、制御装置Eが圧縮第2センサデータを復元させる際に、圧縮前の第2センサデータに完全に一致するデータに復元することができない。これは、第2センサS2によって検出した検出値を制御装置Eに伝達することによって制御装置Eが取得する第2検出値の検出精度に影響が出るため好ましくない。
【0113】
これに対して、本実施形態によれば、第1センサデータおよび第2センサデータのうちの第2センサデータのみを圧縮するので、圧縮しない第1センサデータが圧縮に起因してそのデータの一部が損失することを回避できる。このため、第1センサS1の検出値を精度良く制御装置Eに伝達できるので、制御装置Eが取得する第1検出値の検出精度を向上させることができる。特に、第1センサS1および第2センサS2が互いに異なる対象物の変位量等を検出する構成であって、一方のセンサが他方のセンサに比較して高精度の検出値を求められる場合、本実施形態のように、他方のセンサデータのみを圧縮する方法が有効である。
【0114】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0115】
(1)上記実施形態では、第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を4ビット以上圧縮することで4ビットの空領域を生成する。また、判別情報追加部50は、4ビットのデータ長の異常判別情報を空領域に追加する。
【0116】
これによれば、制御装置Eが通信装置1から出力する出力信号を取りこぼした場合であっても、更新カウンタの値が同じ出力信号を連続して受け取り難くなる。このため、誤ったデータ固着異常の判別がされ難くなる。
【0117】
(第3実施形態の変形例)
上述の第3実施形態では、通信装置1が第1データ圧縮部41を備えておらず、第2データ圧縮部42が第1センサデータおよび第2センサデータのうち、第2センサデータのデータ量のみを圧縮する例について説明したが、これに限定されない。例えば、通信装置1は、第2データ圧縮部42を備えておらず、第1データ圧縮部41を備える構成であって、第1データ圧縮部41が第1センサデータおよび第2センサデータのうち、第1センサデータのデータ量のみを圧縮する構成であってもよい。
【0118】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図11および図12を参照して説明する。本実施形態では、第1データ圧縮部41が非可逆圧縮方法で第1センサデータを圧縮する点および第2データ圧縮部42が非可逆圧縮方法で第2センサデータを圧縮する点が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0119】
本実施形態の第1データ圧縮部41は、第1センサデータ作成部31から第1センサデータを受信すると、非可逆圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮する。具体的に、第1データ圧縮部41は、12ビットの第1センサデータを対数圧縮によって10ビットに圧縮する。
【0120】
また、本実施形態の第2データ圧縮部42は、第2センサデータ作成部32から第2センサデータを受信すると、非可逆圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する。具体的に、第2データ圧縮部42は、12ビットの第2センサデータを対数圧縮によって10ビットに圧縮する。
【0121】
ここで、対数圧縮によって圧縮する場合の圧縮方法について、図11および図12に示す参考例を参照して説明する。対数圧縮は、圧縮前のデータ値と圧縮後のデータ値との対応関係が予め定められており、圧縮前のデータ値をこの予め定められた対応関係に基づいて変換することで、データ全体のデータ量を削減するものである。そして、圧縮前のデータ値と圧縮後のデータ値との対応関係は対数関係的に定められており、圧縮前のデータ値が小さいほど圧縮後のデータ値の分解能が低く、これに対して、圧縮前のデータ値が大きいほど圧縮後のデータ値の分解能が高くなるようになっている。
【0122】
ここで、第1センサS1から取得する第1検出値を第1センサデータに変換する際に、第1検出値を12ビットの0~4095までのデータ値で表現し、運転者の踏力が大きいほど当該データ値が大きくなるとする。そして、12ビットの0~4095までのデータ値で表現される圧縮する前の第1センサデータを対数圧縮によって8ビットの0~255までのデータ値に圧縮する場合について説明する。この場合、図11に示すように、圧縮前の第1センサデータが0に近いほど圧縮後のデータ値の分解能が低くなるように、圧縮前の第1センサデータのデータ値と圧縮後の第1センサデータのデータ値との対応関係が予め定められている。これに対して、圧縮前の第1センサデータが4095に近いほど圧縮後のデータ値の分解能が高くなるように、圧縮前の第1センサデータのデータ値と圧縮後の第1センサデータのデータ値との対応関係が予め定められている。
【0123】
具体的に、圧縮前の第1センサデータのデータ値と圧縮後の第1センサデータのデータ値との対応関係は、圧縮前のデータ値が所定の範囲内のいずれかのデータ値に対して、圧縮後のデータ値が所定の1つの値が割り当てられるように定められている。そして、圧縮前の第1センサデータのデータ値における所定の範囲は、圧縮前の第1センサデータが0に近いほど狭くなるように定められている。
【0124】
このため、第1データ圧縮部41が第1センサデータを圧縮する場合において、第1センサS1から取得する第1検出値が小さいほど、対数圧縮に起因するデータ損失の損失量を抑制することができる。
【0125】
また、制御装置Eは、通信装置1から出力信号を受信すると、第1センサ領域R1に格納され、対数圧縮によって圧縮された圧縮第1センサデータを復元するとともに、第2センサ領域R2に格納され、対数圧縮によって圧縮された圧縮第2センサデータを復元する。ここで、圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータは、非可逆圧縮方法である対数圧縮によって圧縮されている。
【0126】
このため、制御装置Eは、圧縮第1センサデータおよび圧縮第2センサデータを復元させる際に、図12に示すように、8ビットの0~255までの圧縮後のデータ値を12ビットの0~4095までのデータ値に変換する。この場合、復元前の第1センサデータが0に近いほど復元後のデータ値の分解能が高くなるように、復元前の第1センサデータのデータ値と復元後の第1センサデータのデータ値との対応関係が予め定められている。これに対して、復元前の第1センサデータが255に近いほど復元後のデータ値の分解能が低くなるように、復元前の第1センサデータのデータ値と復元後の第1センサデータのデータ値との対応関係が対数関係的に予め定められている。
【0127】
具体的に、復元前の第1センサデータのデータ値と復元後の第1センサデータのデータ値との対応関係は、復元前のデータ値が所定の範囲内のいずれかのデータ値に対して、復元後のデータ値が所定の1つの値が割り当てられるように定められている。そして、復元前の第1センサデータのデータ値における所定の範囲は、復元前の第1センサデータが0に近いほど広くなるように定められている。
【0128】
このように、本実施形態では、第1データ圧縮部41は、第1センサデータのデータ量を非可逆圧縮方法によって圧縮する。また、第2データ圧縮部42は、第2センサデータのデータ量を非可逆圧縮方法によって圧縮する。
【0129】
これによれば、第1センサデータおよび第2センサデータそれぞれのデータ量を可逆圧縮方法に圧縮する場合に比較して圧縮後の第1センサデータおよび第2センサデータそれぞれのデータ量を小さくし易い。
【0130】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0131】
(1)上記実施形態では、第1データ圧縮部41は、対数圧縮によって第1センサデータのデータ量を圧縮する。また、第2データ圧縮部42は、対数圧縮によって第2センサデータのデータ量を圧縮する。
【0132】
ここで、第1センサデータおよび第2センサデータを対数圧縮すると、第1センサS1および第2センサS2から入力される検出値が小さいほど、第1センサデータおよび第2センサデータは、分解能が低く圧縮される。これに対して、第1センサS1および第2センサS2から入力される検出値が大きいほど第1センサデータおよび第2センサデータは、分解能が高く圧縮される。このため、制御装置Eが圧縮された第1センサデータおよび第2センサデータを復元する際に、検出値が大きいほど精度良く第1センサデータおよび第2センサデータを復元できる。
【0133】
ところで、通信装置1に接続される第1センサS1および第2センサS2がブレーキペダルへの踏力を検出する場合、僅かな力で踏まれた際の踏力よりも比較的大きな力で踏まれた際の踏力を精度よく検出することが求められる場合がある。このため、第1データ圧縮部41、第2データ圧縮部42によって第1センサデータおよび第2センサデータが圧縮される際、第1センサデータおよび第2センサデータは、比較的大きな力で踏まれた際の踏力を精度よく復元できるように圧縮されることが望ましい。
【0134】
そして本実施形態によれば、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42は、比較的大きな力で踏まれた際に取得する第1センサデータおよび第2センサデータを対数圧縮することによって、高い分解能でこれらセンサデータを圧縮する。したがって、制御装置Eは、精度よく検出されることが望ましい比較的大きな力で踏まれた際の踏力を精度よく取得できる。
【0135】
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、第1データ圧縮部41が対数圧縮によって第1センサデータのデータ量を圧縮し、第2データ圧縮部42が対数圧縮によって第2センサデータのデータ量を圧縮する例について説明したが、これに限定されない。非可逆圧縮方法によって圧縮する方法であれば、第1データ圧縮部41が対数圧縮とは異なる圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。また、非可逆圧縮方法によって圧縮する方法であれば、第2データ圧縮部42が対数圧縮とは異なる圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。
【0136】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図13を参照して説明する。本実施形態では、通信装置1がセンサ装置SDに設けられている点が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0137】
本実施形態の通信装置1は、図13に示すように、センサ装置SDに設けられている。センサ装置SDは、例えば、検出対象であるブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の踏力を検出する第1センサ素子61および第2センサ素子62を備えている。第1センサ素子61は、第1実施形態で説明した第1センサS1に相当する。また、第2センサ素子62は、第1実施形態で説明した第2センサS2に相当する。
【0138】
第1センサ素子61は、第1センサデータ作成部31に接続されている。そして、第1センサ素子61は、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の踏力を検出し、検出した踏力に応じた信号を第1センサデータ作成部31に送信する。また、第2センサ素子62は、第2センサデータ作成部32に接続されている。そして、第2センサ素子62は、ブレーキペダルが運転者によって踏まれる際の踏力を検出し、検出した踏力に応じた信号を第2センサデータ作成部32に送信する。
【0139】
これによれば、通信装置1をセンサ装置SDに設ける構成とすることで、通信装置1とセンサ装置SDとが別体で構成されている場合に比較して、通信装置1およびセンサ装置SDを設置し易くできる。
【0140】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0141】
上述の実施形態では、第1センサS1および第2センサS2が互いに独立して構成されており、第1センサS1が検出する第1検出値および第2センサS2が検出する第2検出値が通信装置1に入力される構成について説明したが、これに限定されない。
【0142】
例えば、第1センサS1および第2センサS2それぞれが検出する対称が同じであって、第1センサS1および第2センサS2それぞれが同じ検出対象物から検出する検出値を通信装置1に送信する構成であってもよい。
【0143】
上述の実施形態では、第1センサS1および第2センサS2がブレーキペダルに設けられており、運転者によってブレーキペダルが踏まれる際の踏力に応じた信号をそれぞれ通信装置1に出力する例に説明したが、これに限定されない。
【0144】
例えば、第1センサS1および第2センサS2は、互いに異なる検出対象物に設けられており、互いに異なる検出対象物から検出する検出値を通信装置1に送信する構成であってもよい。
【0145】
上述の実施形態では、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42によって生成される空領域が4ビットであって、異常判別情報が4ビットのデータ長で構成される例について説明したが、これに限定されない。
【0146】
例えば、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42によって生成される空領域は、4ビットより小さいデータ長(例えば3ビット)であってもよいし、4ビットより大きいデータ長(例えば5ビット)であってもよい。そして、空領域が4ビットより小さいデータ長である場合、異常判別情報は、4ビットより小さいデータ長で構成されてもよい。また、空領域が4ビットより大きいデータ長である場合、異常判別情報は、4ビットより大きいデータ長で構成されてもよい。
【0147】
上述の実施形態では、異常判別情報が、出力信号が送信される毎にカウンタ値が1つずつ増加していく更新カウンタで構成されている例について説明したが、これに限定されない。
【0148】
例えば、異常判別情報は、出力信号が送信される毎にカウンタ値が1つずつ減少していく更新カウンタで構成されていてもよい。また、異常判別情報は、出力信号が送信される毎にカウンタ値が加速度的に変化する更新カウンタで構成されていてもよい。この場合、異常判別情報は、出力信号が送信される毎に、例えば、指数関数的に増加する構成であってもよい。また、異常判別情報は、予め定められた順番で不規則に変化する複数の数値であって、出力信号が送信される毎に当該数値が順番に変化していく構成であってもよい。この場合、仮にSENT通信波形Pが外部から解析された場合であっても、異常判別情報が解析され難くなる。
【0149】
上述の実施形態では、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42が、同じ圧縮方法によって第1センサデータのデータ量または第2センサデータのデータ量を圧縮する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1データ圧縮部41および第2データ圧縮部42が、互いに異なる圧縮方法によって第1センサデータのデータ量または第2センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。具体的に、第1データ圧縮部41が可逆圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮し、第2データ圧縮部42が非可逆圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。また、第1データ圧縮部41が非可逆圧縮方法によって第1センサデータのデータ量を圧縮し、第2データ圧縮部42が可逆圧縮方法によって第2センサデータのデータ量を圧縮する構成であってもよい。
【0150】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0151】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0152】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0153】
(本発明の特徴)
[請求項1]
センサ(S1、S2)から第1検出値および第2検出値を取得して、前記第1検出値および前記第2検出値に応じた信号をSENTプロトコルに従った信号で出力する通信装置であって、
取得する前記第1検出値および前記第2検出値に関する信号をSENT通信波形として生成する波形生成部(10)と、
前記SENT通信波形を出力信号として出力する信号出力部(20)と、を備え、
前記SENT通信波形は、格納される情報が予め定められた複数のデータ領域で構成されており、
前記複数のデータ領域は、12ビットのデータ長で構成され、前記第1検出値に関する情報が格納される第1センサ領域(R1)と、12ビットのデータ長で構成され、前記第2検出値に関する情報が格納される第2センサ領域(R2)と、を含み、
前記波形生成部は、
前記第1検出値を、前記第1センサ領域に格納するための12ビットのデータである第1センサデータに変換するとともに、前記第2検出値を、前記第2センサ領域に格納するための12ビットのデータである第2センサデータに変換するセンサデータ作成部(31、32)と、
前記第1センサデータおよび前記第2センサデータの少なくとも一方のセンサデータのデータ量を圧縮させて、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の少なくとも一方のセンサ領域に情報が含まれていない空領域を生成するデータ圧縮部(41、42)と、
前記第1センサデータおよび前記第2センサデータが更新されないデータ固着異常が発生しているか否かを判別するための異常判別情報を前記空領域に追加する判別情報追加部(50)と、を有する通信装置。
【0154】
[請求項2]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータの両方のセンサデータのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の両方に前記空領域を生成する請求項1に記載の通信装置。
【0155】
[請求項3]
前記SENT通信波形は、前記第1センサデータを格納する前記第1センサ領域と、前記第2センサデータを格納する前記第2センサ領域とが互いに隣接して形成されており、
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域のうちの前記第2センサデータに連なる側に2ビット以上の前記空領域を生成するとともに、前記第2センサデータのデータ量を圧縮して、前記第2センサ領域にのうちの前記第1センサデータに連なる側に2ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、4ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域に跨って形成される前記空領域に追加する請求項2に記載の通信装置。
【0156】
[請求項4]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータそれぞれのデータ量を4ビット以上圧縮することで2つの4ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、4ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を2つの前記空領域それぞれに追加する請求項2に記載の通信装置。
【0157】
[請求項5]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのいずれか一方のみのデータ量を圧縮して、前記第1センサ領域および前記第2センサ領域の一方に前記空領域を生成する請求項1に記載の通信装置。
【0158】
[請求項6]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのいずれか一方のみのデータ量を3ビット以上圧縮することで3ビット以上の前記空領域を生成し、
前記判別情報追加部は、3ビット以上のデータ長の前記異常判別情報を前記空領域に追加する請求項5に記載の通信装置。
【0159】
[請求項7]
前記異常判別情報は、前記出力信号が送信される毎にカウンタ値が変化する更新カウンタを含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の通信装置。
【0160】
[請求項8]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を可逆圧縮方法で圧縮する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の通信装置。
【0161】
[請求項9]
前記データ圧縮部は、ハフマン符号によって前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を圧縮する請求項8に記載の通信装置。
【0162】
[請求項10]
前記データ圧縮部は、前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を非可逆圧縮方法で圧縮する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の通信装置。
【0163】
[請求項11]
前記データ圧縮部は、対数圧縮によって前記第1センサデータおよび前記第2センサデータのデータ量を圧縮する請求項10に記載の通信装置。
【0164】
[請求項12]
請求項1ないし11のいずれか1つに記載の通信装置を備えたセンサ装置であって、
前記第1検出値を検出する第1センサ素子(61)および前記第2検出値を検出する第2センサ素子(62)を備えたセンサ装置。
【符号の説明】
【0165】
10 波形生成部
20 信号出力部
31、32 センサデータ作成部
41、42 データ圧縮部
50 判別情報追加部
R1 第1センサ領域
R2 第2センサ領域
S1、S2 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13