(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20241106BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20241106BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H05K1/02 P
H05K1/02 N
H05K1/14 G
H01P3/08 102
H01P3/08 201
(21)【出願番号】P 2022530485
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 JP2021020808
(87)【国際公開番号】W WO2021251209
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2020099059
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 智浩
(72)【発明者】
【氏名】池本 伸郎
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-046009(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098921(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/088693(WO,A1)
【文献】特開昭54-013981(JP,A)
【文献】特開2011-182311(JP,A)
【文献】特開平07-183708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H01P 3/08
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に重なる位置に配置された第2基板と、
高周波信号の伝送方向に沿って延びる第1信号導体と、
第1グランド導体と
を備え、
前記第1信号導体は、前記第1基板または前記第2基板のいずれかに形成されており、
前記第1グランド導体は、前記第1信号導体が形成されていない前記第1基板または前記第2基板のいずれかに形成されており、
前記第1信号導体と前記第1グランド導体との間には、空隙を有し、
前記第1信号導体は、平面視して屈曲箇所を有し、
前記第1グランド導体は、平面視において、前記第1信号導体に重なり、前記第1信号導体に沿って前記屈曲箇所を有し、
前記第1基板と前記第2基板とが重なる部分において、前記第1基板と前記第2基板のうち、いずれか一方が小さい基板であり、
前記小さい基板は、前記第1信号導体に沿って形成された前記屈曲箇所を有し、
前記第1信号導体と前記第1グランド導体によって、伝送線路が形成されて
おり、
前記第2基板は、前記第1基板に実装される実装部を形成する、絶縁性の保護膜を備え、
前記第2基板に形成された保護膜は、前記第1信号導体に対向する部分に開口を有する、
電子機器。
【請求項2】
前記第1基板と前記第2基板が重なる部分において、前記第1基板は前記第2基板よりも大きく、
前記第1基板には、前記第1信号導体が形成されており、
前記第2基板には、前記第1グランド導体が形成されている、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
第1基板と、
前記第1基板に重なる位置に配置された第2基板と、
高周波信号の伝送方向に沿って延びる第1信号導体と、
第1グランド導体と
を備え、
前記第1信号導体と前記第1グランド導体との間には、空隙を有し、
前記第1信号導体は、平面視して屈曲箇所を有し、
前記第1グランド導体は、平面視において、前記第1信号導体に重なり、前記第1信号導体に沿って前記屈曲箇所を有し、
前記第1基板と前記第2基板が重なる部分において、前記第1基板は前記第2基板よりも大きく、
前記第1基板には、前記第1信号導体が形成されており、
前記第2基板には、前記第1グランド導体が形成されており、
前記第2基板は、前記第1信号導体に沿って形成された前記屈曲箇所を有し、
前記第1信号導体と前記第1グランド導体によって、伝送線路が形成されており、
前記第2基板は、
前記第1グランド導体に接続する第2グランド導体と、第2信号導体とを備えた伝送線路部を、さらに備え、
前記伝送線路部と異なる箇所に、薄厚部を有し、
前記薄厚部を通る基板状の電子素子をさらに備える、
電子機器。
【請求項4】
前記第1基板に実装された第3部品を備え、
前記第2基板は、前記第3部品に重ならないように、前記平面視において屈曲する形状を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1グランド導体は、前記第1信号導体よりも厚く、金属からなる、
請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2基板は、前記第1グランド導体を主体とする、
請求項1乃至請求項
5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記第1基板は、
前記第2基板が実装されるランド部を形成する、絶縁性の保護膜を備える、
請求項
1乃至請求項
6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
前記第1基板に形成された保護膜は、前記第1信号導体を露出する開口を有する、
請求項
7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1基板は、前記第1信号導体を基準として前記第2基板側と反対側に、前記第1信号導体に対向する内部グランド導体を備える、
請求項
1乃至請求項
8のいずれかに記載の電子機器。
【請求項10】
前記第2信号導体は、前記第2グランド導体よりも、前記第1基板側に配置される、
請求項
3に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2基板は、側面視して厚み方向が変化する折り曲げ部を有する、
請求項
1乃至請求項
10のいずれかに記載の電子機器。
【請求項12】
前記第2基板は、延びる方向の異なる位置で、前記第1基板と第3基板とに接続する、
請求項
1乃至請求項
11のいずれかに記載の電子機器。
【請求項13】
前記第2基板は、前記第1基板または前記第3基板に対して、コネクタ部材を介して接続する、
請求項
12に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高周波信号を伝送する信号導体を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1基板と、第2基板とを備えた電子機器が記載されている。特許文献1に記載の電子機器では、第1基板の表面に、第2基板が実装されている。
【0003】
第2基板は、高周波伝送線路を備える。より具体的には、第2基板は、信号導体と、複数のグランド導体とを備える。第2基板の厚み方向において、複数のグランド導体は、信号導体の両側にそれぞれ配置される。すなわち、第2基板は、厚み方向において、複数のグランドと信号導体とが間隔を空けて配置される構成を備える。第2基板を低誘電率の材料よって実現することで、高周波伝送線路の損失の低減と、低背化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、高周波伝送線路を所望の特性で維持する必要性から、第2基板の低背化には制限がある。このため、第1基板の表面に第2基板を実装した構成からなる電子機器としても、低背化に制限がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、高周波伝送線路の損失を抑制し、且つ、低背な構成を実現する電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の電子機器は、第1基板と第2基板とを備える。第1基板には、高周波信号の伝送方向に沿って延びる第1信号導体が配置されている。第2基板には、第1グランド導体が配置されている。第1信号導体と第1グランド導体との間には、空隙を有する。第1信号導体は、平面視して屈曲箇所を有する。第1グランド導体は、平面視において、第1信号導体に重なり、第1信号導体に沿って屈曲箇所を有する。
【0008】
この構成では、第1信号導体と第1グランド導体との対によって伝送線路が形成される。そして、第2基板は、第1グランド導体を備え、第1信号導体を備えていない構成であるので、薄い。したがって、低背の伝送線路が構成される。さらに、第1グランド導体と第1信号導体との間に空隙があることで、第1グランド導体と第1信号導体との間の容量が小さくでき、所望のインピーダンスを実現しながら、さらに低背になる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、高周波伝送線路の損失の増加を抑制し、且つ、低背な構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る電子機器10の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る電子機器10の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る電子機器10の平面図である。
【
図4】
図4(A)、
図4(B)、
図4(C)は、第1の実施形態に係る電子機器10の断面図である。
【
図6】
図6(A)は、第2基板30の第1平面図であり、
図6(B)は、第2基板30の第2平面図である。
【
図7】
図7(A)、
図7(B)、
図7(C)は、第1の実施形態に係る電子機器10の類型の構成を示す断面図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る電子機器10Aの平面図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る電子機器10Aの断面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの斜視図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの平面図である。
【
図12】
図12(A)、
図12(B)は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの断面図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの第1基板の平面図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの第2基板30Bの平面図である。
【
図15】
図15(A)、
図15(B)は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの第2基板30Bの断面図である。
【
図16】
図16は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの派生態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電子機器について、図を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電子機器の斜視図である。
図2は、第1の実施形態に係る電子機器10の分解斜視図である。
図3は、第1の実施形態に係る電子機器10の平面図である。
図4(A)、
図4(B)、
図4(C)は、第1の実施形態に係る電子機器10の断面図である。
図5は、第1基板20の平面図である。なお、各図では、本願発明の特徴を分かり易くするように、適宜寸法を誇張等している。
【0012】
図1、
図2、
図3、
図4(A)、
図4(B)、
図4(C)に示すように、電子機器10は、第1基板20、第2基板30、および、複数の部品50を備える。部品50の個数は、この実施形態では3個であるが、これに限るものではない。
【0013】
(第1基板20の構成)
第1基板20は、基材21、信号導体22、複数のグランド用ランド導体23、複数のグランド用ランド導体24、複数の部品用ランド導体25、および、絶縁性保護膜29を備える。
【0014】
基材21は、例えば、ソリッドの絶縁性樹脂基板からなる。なお、基材21の内部には、電子機器10を実現するための各種の導体パターンが形成されているが、詳細な記載および図示は省略する。基材21は、平板状であり、主面211を有する。
【0015】
信号導体22は、基材21の主面211に配置される。信号導体22は、例えば、銅箔等の薄い導体膜からなる。信号導体22は、高周波信号の伝送方向に延びる形状である。信号導体22は、延びる方向の途中位置に屈曲箇所CV1を有する。屈曲箇所CV1とは、信号導体22の延びる方向が変化する箇所である。例えば、
図1、
図2、
図3の例であれば、信号導体22は、一方端からx軸方向に延び、屈曲箇所CV1で屈曲し、y軸方向に延び、別の屈曲箇所CV1で屈曲して、再度x軸方向に延び、他方端に達する。なお、信号導体22の両端は、基材21に形成された層間接続導体等によって、他の導体パターンに接続する(図示は省略する。)。信号導体22が、本発明の「第1信号導体」に対応する。
【0016】
なお、信号導体22の屈曲箇所CV1は、信号導体22を屈曲箇所CV1で曲げることによって形成されるのではなく、屈曲箇所CV1を有するように導体パターンを加工することで形成される。より具体的には、例えば、次の製造工程で信号導体22を形成する。まず、片面に導体(電極)が形成された基板を用意する。次に、パターンエッチング等によって、屈曲箇所CV1を有する導体パターンを形成する。この工程によって、屈曲箇所CV1を有する信号導体22を形成する。
【0017】
複数のグランド用ランド導体23は、平面視して矩形である。複数のグランド用ランド導体23は、信号導体22の一方端の周囲、および、他方端の周囲にそれぞれ配置される。複数のグランド用ランド導体23は、基材21に形成された層間接続導体等を介して、基材21のグランド導体に接続する(図示は省略する)。
【0018】
複数のグランド用ランド導体24は、平面視して矩形である。複数のグランド用ランド導体24は、信号導体22の延びる方向に沿って、間隔を空けて配置される。複数のグランド用ランド導体24は、信号導体22の延びる方向に直交する幅方向の両側に配置される。複数のグランド用ランド導体24は、基材21に形成された層間接続導体等を介して、基材21のグランド導体に接続する(図示は省略する)。
【0019】
複数の部品用ランド導体25は、平面視して矩形である。複数の部品用ランド導体25は、部品50の実装位置に合わせて配置される。複数の部品用ランド導体25の位置は、信号導体22、複数のグランド用ランド導体23、および、複数のグランド用ランド導体24が形成される位置から離間した位置に配置される。
【0020】
逆に言えば、信号導体22、複数のグランド用ランド導体23、および、複数のグランド用ランド導体24は、複数の部品用ランド導体25の位置から離間する位置に配置される。すなわち、信号導体22は、複数の部品用ランド導体25の位置、言い換えれば、部品50の実装位置を避けるように配置される。この際、信号導体22が屈曲箇所CV1を有することで、複数の部品用ランド導体25の配置位置に応じて、信号導体22を適切に配置できる。
【0021】
絶縁性保護膜29は、基材21の主面211に配置される。絶縁性保護膜29は、複数のグランド用ランド導体23、複数のグランド用ランド導体24、複数の部品用ランド導体25を外部に露出する開口を有する。なお、絶縁性保護膜29は、信号導体22を外部に露出する開口を有していてもよい。
【0022】
(第2基板30の構成)
図6(A)は、第2基板の第1平面図であり、
図6(B)は、第2基板の第2平面図である。
【0023】
第2基板30は、基材31、および、絶縁性保護膜32を備える。基材31は、例えば、金属板である。基材31は、信号導体22よりも厚い。より具体的には、基材31は、基材31のみで形状を維持できる剛性を有する厚さである。
【0024】
基材31は、高周波信号の伝送方向に延びる形状である。言い換えれば、平面視において、基材31は、信号導体22に相似する形状である。したがって、基材31、すなわち、第2基板30は、延びる方向の途中位置に、屈曲箇所CV2を有する。屈曲箇所CV2は、基材31の延びる方向が変化する箇所である。
【0025】
なお、基材31の屈曲箇所CV2は、基材31を屈曲箇所CV2で曲げることによって形成されるのではなく、屈曲箇所CV2を有するように基材31を切り出すことで形成される。より具体的には、例えば、次の製造工程で基材31を形成する。まず、複数の基材31のもととなるパターンを集合基板(複数の基材31の形成が可能な大きさの基板)に形成する。次に、屈曲箇所CV2を有する基材31の形状となるように、屈曲形状を有する金型で打ち抜き加工する。この工程によって、屈曲箇所CV2を有する基材31を形成する。なお、屈曲箇所CV2を有する基材31は、上述の打ち抜き加工に限らず、レーザによって切り出すことによっても形成できる。
【0026】
基材31の幅(延びる方向に直交する方向の長さ)は、信号導体22の幅(延びる方向に直交する方向の長さ)よりも大きい。より具体的には、基材31の幅は、信号導体22の幅と、これに並走する2個のグランド用ランド導体24の幅とを加算した長さ程度であり、この長さよりも大きい。
【0027】
絶縁性保護膜32は、基材31の一方主面に配置される。絶縁性保護膜32には、開口AP321、複数の開口AP322、および、複数の開口AP323が形成されている。開口AP321、複数の開口AP322、および、複数の開口AP323は、基材31の一方主面を外部に露出させる。
【0028】
開口AP321は、平面視して、基材31の形状、言い換えれば、信号導体22の形状に相似する形状である。すなわち、開口AP321は、延びる方向の途中位置に屈曲箇所を有する。開口AP321の幅は、信号導体22の幅よりも大きく、信号導体22の幅方向の両側に隣り合う複数のグランド用ランド導体24の間隔よりも小さい。
【0029】
複数の開口AP322は、平面視して矩形である。複数の開口AP322は、開口AP321の一方端の周囲、および、他方端の周囲にそれぞれ配置される。複数の開口AP322の配置パターンは、複数のグランド用ランド導体23の配置パターンとほぼ同じである。
【0030】
複数の開口AP323は、平面視して矩形である。複数の開口AP323は、開口AP321の延びる方向に沿って、間隔を空けて配置される。複数の開口AP323は、開口AP321幅方向の両側に配置される。複数の開口AP323の配置パターンは、複数のグランド用ランド導体24の配置パターンとほぼ同じである。
【0031】
このように、第2基板30を、金属板からなる基材31によって形成することで、第2基板30を薄く(低背に)できる。
【0032】
(電子機器10の構成)
複数の部品50は、はんだ等の導電性接合材を用いて、複数の部品用ランド導体25に実装される。部品50が、本発明の「第3部品」に対応する。
【0033】
第2基板30は、絶縁性保護膜32が形成された面を、第1基板20の主面211に対向させるように、第1基板20に配置される。この際、開口AP321が信号導体22に対向し、複数の開口AP322が複数のグランド用ランド導体23にそれぞれ対向し、複数の開口AP323が複数のグランド用ランド導体24にそれぞれ対向するように、第2基板30は、第1基板20に配置される。なお、開口AP321は、省略できる。この場合、例えば、金属板からなる基材31の保護効果を得ることができる。
【0034】
複数のグランド用ランド導体23は、はんだ等の導電性接合材40を用いて、第2基板30の基材31における複数の開口AP322によって露出する面に、電気的および物理的に接合する(
図4(B)参照)。
【0035】
複数のグランド用ランド導体24は、はんだ等の導電性接合材40を用いて、第2基板30の基材31における複数の開口AP323によって露出する面に、電気的および物理的に接合する(
図4(A)参照)。
【0036】
このような構成によって、基材31と信号導体22とが所定距離離間して対向し、基材31がグランドに接続する構成が実現される。すなわち、電子機器10は、信号導体22を信号線路とし、基材31をグランド(本発明の「第1グランド導体」に対応)とするマイクロストリップ型の伝送線路を実現する。なお、図示を省略しているが、第1基板20の基材21の内部に、さらにグランド導体(本発明の「内部グランド導体」に対応する。)を備えていてもよい。この場合、電子機器は、トリプレートストリップ型の伝送線路を実現できる。
【0037】
そして、第2基板30の厚みは、基材31の厚みと略同じである。したがって、第2基板30に各種の導体パターンを厚み方向に配置する従来の構造より、第2基板30は低背になる。これにより、第1基板20に第2基板30が実装された構成を低背にでき、電子機器10を低背に実現できる。
【0038】
また、
図4(A)、
図4(B)、
図4(C)に示すように、信号導体22と基材31とが対向する箇所では、信号導体22と基材31との間に空隙CAが形成されている。これにより、信号導体22と基材31との間の全体に絶縁体(誘電体)が介在するよりも、信号導体22と基材31との距離が同じ条件において、これらの間の容量を小さくできる。言い換えれば、同じ容量であれば、信号導体22と基材31との距離を短くできる。すなわち、マイクロストリップ型の伝送線路の特性インピーダンスを同じに設定すれば、電子機器10の構成を用いることで、第2基板30と第1基板20との距離を短くできる。したがって、電子機器10を、さらに低背にできる。
【0039】
また、空隙CAを有することで、誘電損失を低減でき、電子機器10は、低損失なマイクロストリップ型の伝送線路を実現できる。なお、空隙CAは樹脂が充填されている構造であってもよい。この構造は、空隙CAの大きさに合うように形成された樹脂部材(スペーサ)、第2基板30に形成されたレジスト膜によって実現できる。また、この構造は、電子機器10を実装した後に、空隙CAに流動性を有する樹脂を注入して固化することでも実現できる。このことにより、電子機器10の実装が容易になる。また、空隙CAに樹脂を完全に充填せず空隙が部分的に残る構造(空隙と樹脂が混在する構造)であってもよい。
【0040】
また、この構成では、第1基板20の絶縁性保護膜29の複数の開口、第2基板30の絶縁性保護膜32の複数の開口AP322、AP323を備え、これらの開口によって導電性接合材40の量を制御できる。これにより、信号導体22と基材31との距離は、安定的に制御できる。したがって、電子機器10は、安定した特性インピーダンスを有する伝送線路を実現できる。
【0041】
また、上述の構成では、信号導体22と基材31との間に、空隙CAを有しながら、且つ、絶縁性保護膜29が存在する。これにより、信号導体22と基材31との不要な短絡を抑制できる。
【0042】
また、上述の構成において、部品50の高さを第2基板30の厚み以下とすることによって、電子機器10の全体の低背化を実現できる。
【0043】
なお、上述の構成では、第1基板20において、絶縁性保護膜29は、信号導体22を覆っており、他の部分と同じ厚みを有する。また、第2基板30において、絶縁性保護膜32は、信号導体22に対向する部分に開口AP321を有する。
【0044】
しかしながら、次の
図7(A)、
図7(B)、
図7(C)に示す構成を採用することもできる。
図7(A)、
図7(B)、
図7(C)は、第1の実施形態に係る電子機器の類型の構成を示す断面図である。なお、各類型の電子機器の基本的な構成は、電子機器10と同様であり、以下では、異なる箇所のみを説明する。
【0045】
図7(A)に示すように、電子機器10X1は、第1基板20X1を備える。第1基板20X1では、絶縁性保護膜29は、信号導体22に重なる領域で、薄厚部TF29を有する。具体的には、例えば、薄厚部TF29は、信号導体22を挟む2個のグランド用ランド導体24の間に形成される。薄厚部TF29は、信号導体22よりも厚く、絶縁性保護膜29の他の部分よりも薄い。
【0046】
この構成によって、電子機器10X1は、信号導体22と基材31との間における空隙CA01の比率を大きくできる。これにより、第1基板20X1と第2基板30との距離をさらに短くでき、電子機器10X1は、さらに低背になり、伝送線路の損失を低減できる。
【0047】
図7(B)に示すように、電子機器10X2は、第1基板20X2を備える。第1基板20X2では、絶縁性保護膜29は、信号導体22に重なる開口AP29を有する。これにより、信号導体22は、第2基板30側に露出する。
【0048】
この構成によって、電子機器10X2は、信号導体22と基材31と間の全体に空隙CA02を有する。これにより、第1基板20X2と第2基板30との距離をさらに短くでき、電子機器10X2は、さらに低背になり、伝送線路の損失を低減できる。
【0049】
図7(C)に示すように、電子機器10X3は、第1基板20X2と第2基板30X3とを備える。第2基板30X3では、絶縁性保護膜32は、信号導体22に対向する領域にも形成される。
【0050】
この構成によって、電子機器10X3は、信号導体22と基材31との不要な短絡を抑制できる。
【0051】
また、上述の構成において、信号導体22は基材21に覆われていてもよい。例えば、信号導体22は、基材21の内部における主面211の近傍に配置されていてもよい。この場合、信号導体22に重なる絶縁性保護膜は、省略することが可能である。
【0052】
また、信号導体22と基材31とが重なる領域において、信号導体22と基材31との両方を絶縁性保護膜によって覆ってもよい。この場合、信号導体22と基材31との短絡の防止、導体や金属表面の保護を実現できる。
【0053】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電子機器について、図を参照して説明する。
図8は、第2の実施形態に係る電子機器の平面図である。
図9は、第2の実施形態に係る電子機器10Aの断面図である。なお、各図では、本願発明の特徴を分かり易くするように、適宜寸法を誇張等している。
【0054】
図8、
図9に示すように、第2の実施形態に係る電子機器10Aは、第1の実施形態に係る電子機器10に対して、第2基板30Aの構成において異なる。電子機器10Aの他の構成は、電子機器10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0055】
第2基板30Aを平面視した形状は、第2基板30を平面視した形状と略同じである。第2基板30Aは、導電性基材31A、絶縁性保護膜32、および、絶縁性基材33を備える。
【0056】
絶縁性基材33は、例えば、液晶ポリマを主成分として、可撓性を有する材料からなる。なお、絶縁性基材33は、可撓性を有するものに限らない。
【0057】
導電性基材31Aは、例えば、信号導体22と同様の銅箔等からなる。導電性基材31Aは、所望の導体損の範囲内において可能な限り薄いとよい。導電性基材31Aは、絶縁性基材33の一方主面の略全面に配置される。
【0058】
絶縁性保護膜32は、導電性基材31Aを覆うように形成されている。絶縁性保護膜32には、開口AP321、複数の開口AP322、および、複数の開口AP323が形成されている。これらの開口によって、導電性基材31Aが部分的に露出する。
【0059】
導電性基材31Aは、複数の開口AP322および複数の開口AP323内の導電性接合材40によって、第1基板20の複数のグランド用ランド導体24に接続する。
【0060】
このような構成によって、電子機器10Aは、電子機器10と同様の作用効果を奏する。
【0061】
また、この構成では、導電性基材31Aにおける信号導体22側と反対側の面が絶縁性基材33によって覆われる。これにより、導電性基材31Aと、電子機器10Aの外部に電気回路との不要な短絡を抑制できる。すなわち、電子機器10Aによって形成される伝送線路のグランドと、電子機器10Aの外部に電気回路との不要な短絡を抑制できる。
【0062】
なお、詳細を図示していないが、第2の実施形態に対しても、信号導体22や導電性基材31Aを覆う絶縁性保護膜の態様や基材に埋め込む態様は、上述の第1の実施形態に示した信号導体22や基材31に対する態様を適用できる。
【0063】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電子機器について、図を参照して説明する。
図10は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの斜視図である。
図11は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの平面図である。
図12(A)、
図12(B)は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの断面図である。
図13は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの第1基板20Bの平面図である。
図14は、第3の実施形態に係る電子機器10Bの第2基板30Bの平面図である。
図15(A)、
図15(B)は、第3の実施形態に電子機器10Bの第2基板30Bの断面図である。
【0064】
図10、
図11、
図12(A)、
図12(B)、
図13、
図14、
図15(A)、および、
図15(B)に示すように、第3の実施形態に係る電子機器10Bは、第2の実施形態に係る電子機器10Aに対して、さらに伝送線路部を備える点で異なる。電子機器10Bの他の構成は、電子機器10Aと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0065】
電子機器10Bは、第1基板20B、および、第2基板30Bを備える。
【0066】
(第1基板の構成)
第1基板20Bは、第1基板20に対して、信号導体22B、および、グランド導体26を備える点で異なる。信号導体22Bは、延びる方向の途中に屈曲箇所CV1を有し、x軸方向に延びる部分とy軸方向に延びる部分とを有する。
【0067】
グランド導体26は、信号導体22Bにおけるy軸方向に延びる部分に対して、x軸方向に延びる部分と反対側に配置される。グランド導体26は、x軸方向に延びる形状である。グランド導体26の延びる方向の一方端は、信号導体22Bのy軸方向に延びる部分の端部に近接する。グランド導体26の幅は、信号導体22Bの幅よりも大きい。
【0068】
第2基板30Bは、第1部分301と第2部分302とを有する。第1部分301は、屈曲箇所CV2を有し、x軸方向に延びる部分とy軸方向に延びる部分とを有する。第2基板30Bの第1部分301の基本的な構成は、第2の実施形態に係る第2基板30Aと同じである。
【0069】
(第2基板の構成)
図15(A)に示すように、第2基板30Bの第1部分301は、絶縁性基材33B1、導電性基材31B、絶縁性保護膜32Bを備える。導電性基材31Bは、絶縁性基材33B1の一方主面に配置される。絶縁性保護膜32Bは、導電性基材31Bを覆う。絶縁性保護膜32Bには、開口AP321、複数の開口AP322、複数の開口AP323が形成されている。第2基板30Bの第1部分301は、上述の屈曲箇所CV2を有し、x軸方向に延びる部分とy軸方向に延びる部分とを有する。
【0070】
図15(B)に示すように、第2基板30Bの第2部分302は、絶縁性基材33B2、線状導体34、平面導体35、複数の接続用導体362、複数の層間接続導体372を備える。絶縁性基材33B2は、絶縁体層331と絶縁体層332との積層体である。絶縁体層331は、第1部分301の絶縁性基材33B1と一体形成されている。
【0071】
線状導体34は、絶縁体層331における絶縁体層332との接触面と反対側の面、すなわち、絶縁性基材33B2の一方主面に配置される。線状導体34は、第2部分302の延びる方向に沿って、延びる形状である。
【0072】
平面導体35は、絶縁体層331と絶縁体層332との界面に配置される。平面導体35は、絶縁性基材33B2の略全面に配置される。
【0073】
複数の接続用導体362は、線状導体34と同様に、絶縁性基材33B2の一方主面に配置される。複数の接続用導体362は、線状導体34の延びる方向に沿って、線状導体34に並んで配置される。
【0074】
複数の層間接続導体372は、絶縁体層331を貫通し、複数の接続用導体362のそれぞれと平面導体35とを接続する。
【0075】
このように、第2基板30Bは、一層の絶縁体層からなり、一層の導体を有する、低背な第1部分301と、二層の絶縁体層からなり、二層の導体を有し、より複雑な回路パターンを実現可能な第2部分302とによって構成される。
【0076】
(電子機器10Bの構成)
(第2基板30Bの第1部分301を含む部分)
図10、
図11、
図12(A)に示すように、第2基板30Bの第1部分301は、絶縁性保護膜32Bが形成された面を、第1基板20Bの一方主面、より具体的には、第1基板20Bにおける信号導体22Bが配置されている部分の一方主面に対向させるように、第1基板20Bに配置される。この際、開口AP321が信号導体22Bに対向し、複数の開口AP322が複数のグランド用ランド導体23にそれぞれ対向し、複数の開口AP323が複数のグランド用ランド導体24にそれぞれ対向するように、第2基板30Bの第1部分301は、第1基板20Bに配置される。
【0077】
複数のグランド用ランド導体23は、はんだ等の導電性接合材40を用いて、第2基板30Bの導電性基材31Bにおける複数の開口AP322によって露出する面に、電気的および物理的に接合する。
【0078】
複数のグランド用ランド導体24は、はんだ等の導電性接合材40を用いて、第2基板30Bの導電性基材31Bにおける複数の開口AP323によって露出する面に、電気的および物理的に接合する(
図12(A)参照)。
【0079】
このような構成によって、導電性基材31Bと信号導体22とが所定距離離間して対向し、導電性基材31Bがグランドに接続する構成が実現される。すなわち、電子機器10Bは、第2基板30Bの第1部分301の箇所において、信号導体22Bを信号線路とし、導電性基材31Bをグランドとするマイクロストリップ型の伝送線路が実現される。これにより、第2基板30Bの第1部分301の箇所においては、低背な伝送線路が実現される。
【0080】
(第2基板30Bの第2部分302を含む部分)
図10、
図11、
図12(B)に示すように、第2基板30Bの第2部分302は、接続用導体362が形成された面を、第1基板20Bの一方主面、より具体的には、第1基板20Bにおけるグランド導体26が配置されている部分の一方主面に対向させるように、第1基板20Bに配置される。この際、線状導体34、複数の接続用導体362がグランド導体26に対向するように、第2基板30Bの第2部分302は、第1基板20Bに配置される。
【0081】
第1基板20Bのグランド導体26は、はんだ等の導電性接合材40を用いて、第2基板30Bの複数の接続用導体362のそれぞれに、電気的および物理的に接合する。
【0082】
このような構成によって、線状導体34がグランド導体26と平面導体35との間に、それぞれに対して所定距離離間した状態で対向して配置される。平面導体35は、複数の層間接続導体372、複数の接続用導体362を介して、グランド導体26に電気的に接続される。
【0083】
これにより、電子機器10Bにおける第2基板30Bの第2部分302に対応する部分では、線状導体34(本発明の「第2信号導体」に対応)によって実現される信号線路が、グランド導体26と平面導体35(本発明の「第2グランド導体」に対応)とによって実現されるグランドによって挟まれる、トリプレートストリップ型の伝送線路が実現される。このように、電子機器10Bにおける第2基板30Bの第2部分302に対応する部分では、上述の低背な箇所とは別に、伝送線路を実現する。
【0084】
このような構成によって、電子機器10Bは、上述の作用効果を実現する箇所を備えながら、より多様な伝送線路の態様を実現できる。そして、この構成では、トリプレートストリップ型の伝送線路における、線状導体34とグランド導体26との間に空隙CAを有する。これより、空隙CAを有さない態様と比較して、トリプレートストリップ型の伝送線路は、低背になり、誘電損失も抑制できる。
【0085】
また、この構成では、信号導体として機能する線状導体34は、グランド導体として機能する平面導体35よりも、第1基板20B側に配置される。これにより、線状導体34から放射される不要波は、平面導体35で遮蔽される。また、外部からの不要波は、平面導体35で遮蔽され、線状導体34には伝搬し難い。
【0086】
また、この構成を用いることによって、第1部分301に対応する箇所は、第2基板30Bは低背であるので、
図10に示すように、他の伝送線路等で実現される基板型の電子素子60を、第2基板30B上に通過させて配置できる。言い換えれば、電子機器10Bは、他の電子素子60の通る箇所の伝送線路を低背にしながら、他の箇所の伝送線路を所望のモードの伝送線路によって実現できる。したがって、電子機器10Bに、他の基板型の電子素子60が重なって配置されても、これらの複合体を低背に実現できる。
【0087】
なお、本実施形態では、トリプレートストリップ型の伝送線路を備える構成を示したが、コプレーナ型の伝送線路等、他のモードの伝送線路を採用することもできる。
【0088】
なお、詳細を図示していないが、第2の実施形態に対しても、信号導体22や導電性基材31Aを覆う絶縁性保護膜の態様や基材に埋め込む態様は、上述の第1の実施形態に示した信号導体22や基材31に対する態様を適用できる。
【0089】
また、詳細を図示していないが、第3の実施形態に対しても、例えば線状導体34等のような各種導体や、導電性基材31Bのような各種導電性基材を覆う絶縁性保護膜の態様や基材に埋め込む態様は、上述の第1の実施形態に示した信号導体22や基材31に対する態様を適用できる。
【0090】
また、上述の伝送線路の構成を備えることによって、
図16に示すような設置も可能になる。
図16は、第3の実施形態に係る電子機器の派生態様を示す側面図である。
【0091】
図16に示すように、電子機器10Cは、第1基板20、第2基板30C、第3基板70を備える。第1基板20は、上述の第1基板20Bにおける第2基板30Bの第1部分301が対向する部分と同様の構成を備える。第2基板30Cは、第1部分301C、および、第2部分302Cを備える。第1部分301Cは、上述の第1部分301と同様の構成を備え、第2部分302Cは、上述の第2部分302と同様の構成を備える。
【0092】
第2基板30Cの第1部分301Cは、第1基板20に接合する。第2基板30Cの第2部分302Cには、コネクタが装着されている。コネクタは、第2部分302Cに形成された伝送線路に接続する。第2基板30Cの第2部分302Cは、このコネクタを用いて、第3基板70に接続する。
【0093】
ここで、第1基板20における第2基板30Cの第1部分301Cが接合される面と、第3基板70における第2基板30Cの第2部分302Cが接続される面とは、z軸方向における位置(面の高さ)が異なる。
【0094】
このため、第2基板30Cは、折り曲げ部BTを有する。
図16に示すように、折り曲げ部BTは、側面視して、第2基板30Cの厚み方向が変化する箇所である。折り曲げ部BTは、第2基板30Cの第2部分302Cに形成されている。
【0095】
上述のように、第2部分302Cは、所望のモードの伝送線路によって実現できる。したがって、第2部分302Cを、例えば、可撓性を有する絶縁性基材を用いた伝送線路によって実現することで、第2部分302Cに対して、折り曲げ部BTを容易に形成できる。この際、塑性変形が可能な材料にすることで、折り曲げ部BTの形状を容易に維持できる。
【0096】
なお、上述の説明では、第1基板に1本の信号導体を有する伝送線路を実現する態様を示した。しかしながら、例えば、差動線路のように、第1基板に複数の信号導体が並走する伝送線路に対しても、上述の構成を適用できる。複数の信号導体を用いる場合、各信号導体のそれぞれに対向して、第2基板によるグランド導体を配置してもよく、複数の信号導体の全てに対向する1個のグランド導体を配置してもよい。
【0097】
なお、水平方向(xy平面に平行な方向)または積層方向(z軸方向)において、第2基板、または第1基板、第2基板の両方が曲がる形状であってもよい。
【0098】
また、上述の各実施形態においては、第1基板と第2基板のxy平面における大きさが異なる態様を示した。しかしながら、第1の実施形態、第2の実施形態においては、第1基板と第2基板はxy平面において外形が同じ大きさであってもよい。一方で、第3の実施形態においては、基板型の電子素子60を第2基板30B上に通過させて配置させているため、第1基板は第2基板よりもxy平面において大きいことが好ましい。
【0099】
また、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0100】
10、10A、10B、10C、10X1、10X2、10X3:電子機器
20、20B、20X1、20X2:第1基板
21:基材
22、22B:信号導体
23、24:グランド用ランド導体
25:部品用ランド導体
26:グランド導体
29:絶縁性保護膜
30、30A、30B、30C、30X3:第2基板
31:基材
31A、31B:導電性基材
32、32B:絶縁性保護膜
33、33B1、33B2:絶縁性基材
34:線状導体
35:平面導体
40:導電性接合材
50:部品
60:電子素子
70:第3基板
211:主面
301:第1部分
301C:第1部分
302:第2部分
302C:第2部分
331、332:絶縁体層
362:接続用導体
372:層間接続導体
AP29、AP321、AP322、AP323:開口
CA、CA01、CA02:空隙
CV1、CV2:屈曲箇所
TF29:薄厚部