(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、基地局、制御装置、伝送方法、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04H 20/02 20080101AFI20241106BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20241106BHJP
【FI】
H04H20/02
H04W4/06 150
(21)【出願番号】P 2022556311
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039618
(87)【国際公開番号】W WO2022085132
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本間 康文
(72)【発明者】
【氏名】福原 健志
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-239509(JP,A)
【文献】特表2020-509638(JP,A)
【文献】特表2020-506635(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0268777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/02
H04W 4/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備え、
前記放送局は、通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信する放送信号送信手段を備え、
前記基地局は、
前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信する放送信号受信手段と、
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、
前記変換された地上高度化信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信する地上高度化信号送信手段と、
を備える、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記地上高度化信号は、FeMBMS(Further evolved Multimedia Broadcast and Multicast Services)方式のFeMBMS信号である、
請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記地上高度化信号送信手段は、前記基地局がモバイル通信用の帯域を用いて、前記地上高度化信号を送信する、
請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記放送信号送信手段は、前記通信ネットワークにおいて帯域保証された帯域保証経路を介して、前記放送信号を前記基地局へ送信する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記帯域保証経路は、ネットワークスライシングにより設定されたスライスである、
請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
通信ネットワークを介して、放送局から放送信号を受信する放送信号受信手段と、
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、
前記変換された地上高度化信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信する地上高度化信号送信手段と、
を備える、基地局。
【請求項7】
放送ネットワークの中継局と通信ネットワークの基地局とを制御する制御装置であって、
放送局から送信される放送信号を中継する
前記中継局の中継エリアを取得する取得手段と、
前記取得した中継エリアに対応する
前記基地局を選択する選択手段と、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信するよう制御する制御手段と、
を備える、制御装置。
【請求項8】
放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備えたネットワークシステムにおける伝送方法であって、
前記放送局は、
通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信し、
前記基地局は、
前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信し
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換し、
前記変換された地上高度化信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信する、
伝送方法。
【請求項9】
放送ネットワークの中継局と通信ネットワークの基地局とを制御する制御装置における制御方法であって、
放送局から送信される放送信号を中継する
前記中継局の中継エリアを取得し、
前記取得した中継エリアに対応する
前記基地局を選択し、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信するよう制御する、
制御方法。
【請求項10】
放送ネットワークの中継局と通信ネットワークの基地局とを制御する制御装置における処理であって、
放送局から送信される放送信号を中継する
前記中継局の中継エリアを取得し、
前記取得した中継エリアに対応する
前記基地局を選択し、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を
地上高度化用の通信規格の放送モードで送信するよう制御する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、基地局、制御装置、伝送方法、制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送の高度化(地上高度化)に関する議論が進められている。例えば、総務省情報通信審議会(総務省技術試験事務)では、通信ネットワークを用いた放送モードである5G Broadcast(FeMBMS: Further evolved Multimedia Broadcast and Multicast Service)の検討が行われている(非特許文献1参照)。また、規制改革推進会議でも放送ネットワークのブロードバンド(通信ネットワーク)への代替という課題が提示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】総務省情報通信審議会放送システム委員会(第73回)、「次世代地上デジタルテレビジョン方式に関する技術の提案」、[online]、2020年5月18日、<URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000688712.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、関連する議論や関連する技術では、放送ネットワークの中継局を用いて放送信号を配信する方法が主な検討事項となっている。放送ネットワークの中継局を用いて放送信号を配信する場合、中継局の設備投資が増大するという問題がある。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑み、設備投資の増大を抑えつつ、通信ネットワークを介して放送信号を配信することが可能なネットワークシステム、基地局、制御装置、伝送方法、制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るネットワークシステムは、放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備え、前記放送局は、通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信する放送信号送信手段を備え、前記基地局は、前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信する放送信号受信手段と、前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する地上高度化信号送信手段と、を備えるものである。
【0007】
本開示に係る基地局は、通信ネットワークを介して、放送局から放送信号を受信する放送信号受信手段と、前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する地上高度化信号送信手段と、を備えるものである。
【0008】
本開示に係る制御装置は、放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得する取得手段と、前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択する選択手段と、前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する制御部と、を備えるものである。
【0009】
本開示に係る伝送方法は、放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備えたネットワークシステムにおける伝送方法であって、前記放送局は、通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信し、前記基地局は、前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信し前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換し、前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信するものである。
【0010】
本開示に係る制御方法は、放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得し、前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択し、前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御するものである。
【0011】
本開示に係る非一時的なコンピュータ可読媒体は、放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得し、前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択し、前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、設備投資の増大を抑えつつ、通信ネットワークを介して放送信号を配信することが可能なネットワークシステム、基地局、制御装置、伝送方法、制御方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】関連するネットワークシステムの構成例を示す構成図である。
【
図2】実施の形態に係るネットワークシステムの概要を示す構成図である。
【
図3】実施の形態1に係るネットワークシステムの構成例を示す構成図である。
【
図4】実施の形態1に係る配信方法の例を示すシーケンス図である。
【
図5】実施の形態1に係る配信方法の例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態1に係る配信方法で使用する信号の配置例を示す図である。
【
図7】実施の形態2に係る制御装置の構成例を示す構成図である。
【
図8】実施の形態2に係る移行方法の例を示すフォローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図10】実施の形態2に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図11】実施の形態2に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図12】実施の形態3に係る移行方法の例を示すフォローチャートである。
【
図13】実施の形態3に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図14】実施の形態3に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図15】実施の形態3に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図16】実施の形態3に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図17】実施の形態3に係る移行方法の例を説明するための図である。
【
図18】実施の形態に係るコンピュータのハードウェアの概要を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図面においては、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
(実施の形態に至る検討)
発明者らは、上記のような近年の議論をもとに、放送ネットワークを通信ネットワークに移行する方法について検討した。この検討において、以下に説明するように、放送ネットワークの運用上の課題と、通信ネットワークの伝送方式上の課題を見出した。
【0016】
現行の地上デジタル2K放送は、UHF(Ultra High Frequency)放送用周波数を用い、多くの中継局(例えば関東地方で200局程度)から構成される放送ネットワーク(中継局ネットワーク)で運用されている。日本では、総務省(国)がUHF放送用周波数(放送チャンネル)を各放送局に割り当て、割り当てられた周波数が使用されている。現行の地上デジタル2K放送で用いているUHF放送用周波数は、既に2K放送で占有されているため、現行のままでは、次世代の4K/8K放送のための空き周波数を捻出することは困難である。一方、通信ネットワークを用いて放送番組のネット同時配信(例えばNHKが提供するNHK+(NHKプラス)サービス)が提供されており、この同時配信は、インターネット網を用いたベストエフォート型のサービスで実施されている。
【0017】
図1は、関連するネットワークシステムの構成を示している。
図1に示すように、関連するネットワークシステム900は、中継局ネットワーク910と同時配信ネットワーク920を含んでいる。
【0018】
中継局ネットワーク910は、中継局として、親局911、大規模/中規模局912、小規模/ミニサテ局913を含む。中継局ネットワーク910の各中継局は、放送局901から送信された放送信号をテレビ受信機931へ送信する。同時配信ネットワーク920は、ストリーミングサーバ921、インターネット922、4Gのモバイル基地局923を含む。ストリーミングサーバ921は、放送局901から送信された放送信号をストリーミングデータとして蓄積し、インターネット922及び4Gのモバイル基地局923を介して、スマートフォンなどの端末装置932へ配信する。
【0019】
放送ネットワーク(中継局ネットワーク)の運用上の課題として、設備投資の負担の増加が挙げられる。
図1のように、中継局ネットワークは、全国の多数の中継局から構成されており、これらの中継局の設置や管理は、各放送局が行っている。このため、中継局ネットワークを維持及び拡張するためには、放送局における中継局の設備投資の負担が増大する。特に、民放ローカル局は近年収益が悪化しているため、民放ローカル局が管理している小規模/ミニサテ局の維持及び拡張は困難となっている。
【0020】
また、通信ネットワーク(同時配信ネットワーク)の伝送方式上の課題として、端末装置のアクセス集中による視聴環境の劣化が挙げられる。
図1のように、同時配信は、インターネット網を用いて実施されており、ベストエフォート型のサービスとなっている。このため、端末装置からのアクセス数が増大すると、ストリーミングサーバの飽和やネットワークの輻輳が発生し、端末装置で番組を視聴できない恐れがある。さらに、この同時配信は、主に映像・音声を伝送しているため、デジタル放送サービスであるマルチ編成やデータ放送等のサービスは実現できていない。すなわち、現行のネット同時配信方式では、放送ネットワークを通信ネットワークに代替させることはできない状況である。
【0021】
そこで、以下の実施の形態では、通信ネットワークを介して放送信号を配信することで、放送ネットワークを通信ネットワークへ移行可能とし、上記のような、放送ネットワークの運用上の課題や通信ネットワークの伝送方式上の課題を解決することを可能とする。
【0022】
(実施の形態の概要)
図2は、実施の形態に係るネットワークシステムの概要を示している。
図2に示すように、実施の形態に係るネットワークシステム1は、放送局10と基地局20を備え、放送局10と基地局20は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0023】
放送局は、放送信号送信部11を備えている。放送信号送信部11は、通信ネットワーク30を介して、放送信号を基地局20へ送信する。
【0024】
基地局20は、放送信号受信部21、変換部22、地上高度化信号送信部23を備えている。放送信号受信部21は、通信ネットワーク30を介して、放送局10から放送信号を受信する。変換部22は、放送信号受信部21により受信された放送信号を地上高度化方式(新たな地上放送方式:Next Generation Terrestrial Broadcasting System)の地上高度化信号に変換する。地上高度化信号送信部23は、変換部22により変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する。
【0025】
このように、実施の形態では、放送局から通信ネットワークを介して基地局へ放送信号を送信し、基地局では、通信ネットワークを介して受信した放送信号を地上高度化信号に変換して端末装置へ送信する。これにより、通信ネットワークを介して放送信号を端末装置へ配信することができることから、放送ネットワークを通信ネットワークへ移行することが可能となり、設備投資の増大を抑えることができる。例えば、5Gのネットワークスライシング技術による帯域保証サービスなどの通信ネットワーク技術を活用することで、確実にテレビ放送を配信することが可能となる。
【0026】
また、以下の実施の形態で説明するように、実施の形態に係るネットワークシステムにより放送ネットワークから通信ネットワークへ完全移行または部分的移行を実現してもよい。放送ネットワークから通信ネットワークへ完全移行または部分的移行を行うことにより、国に変換する放送用周波数を捻出できる。さらに、部分的に移行する際に、ある期間ごとに放送ネットワークを段階的に移行してもよい。これにより、放送ネットワークから通信ネットワークへの移行をスムーズに行うことができ、且つ途中段階で移行をやめても、一部放送用周波数を捻出できる。また、実施の形態では、サイマル移行期間を確保することで、視聴者へのインパクトを抑えた移行が実現できる。さらに、2K放送の移行に限らず、4K放送等の新規サービスへの移行も可能となる。
【0027】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。本実施の形態では、5Gのモバイル基地局を利用して放送信号を配信する例について説明する。
【0028】
図3は、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示している。
図3に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム2は、放送局100、モバイル基地局200、端末装置300を備えている。
【0029】
放送局100とモバイル基地局200は、5Gバックボーンネットワーク400を介して通信可能に接続されている。モバイル基地局200と端末装置300は、5Gモバイル無線通信により通信可能である。5Gバックボーンネットワーク400は、モバイル基地局200のバックボーンとなるネットワークであり、5Gコアネットワークを含む。5Gバックボーンネットワーク400とモバイル基地局200は、5Gモバイルネットワークを構成する。例えば、5Gバックボーンネットワーク400は、放送局100とモバイル基地局200を接続する通信ネットワークである。5Gバックボーンネットワーク400及びモバイル基地局200を、放送信号を配信する通信ネットワークと称する場合もある。なお、5Gモバイルネットワークと同様に放送信号を配信できれば、4Gやその他の通信ネットワークを用いてもよい。すなわち、モバイル基地局200は、5Gモバイル基地局に限らず、4Gやその他の基地局でもよい。
【0030】
放送局100は、5Gバックボーンネットワーク400及びモバイル基地局200を介して、端末装置300へ放送信号を配信する。放送局100は、放送ネットワークを介して放送信号を配信してもよい。放送局100は、放送信号生成部110、放送信号送信部120を備えている。
【0031】
放送信号生成部110は、配信する番組(コンテンツデータ)の放送信号を生成するエンコーダである。例えば、放送信号は、地上デジタル2K放送用のMPEG2-TS形式や、MPEG-DASH形式等の信号である。放送信号生成部110は、番組の映像及び音声のデータをMPEG2-TS形式等にエンコードし、MPEG2-TS信号等を生成する。MPEG2-TS信号等は、映像や音声に限らず、デジタル放送サービスで配信されるデータやマルチ編成のデータ等を含む。なお、上記では、信号の例として、MPEG2-TSやMPEG-DASHを挙げたが、4K放送のためのHEVC(High Efficiency Video Coding)に加えてVVC(Versatile Video Coding:次世代映像符号化方式)により放送信号を生成してもよい。
【0032】
放送信号送信部120は、5Gバックボーンネットワーク400を介してモバイル基地局200と通信を行う5Gバックボーン通信部である。放送信号送信部120は、5Gバックボーンネットワーク400で帯域保証されたスライス401を介して、放送信号をモバイル基地局200へ送信する。スライスは、5Gのネットワークスライシング技術によるエンドツーエンドで帯域保証可能な帯域保証経路である。なお、スライスと同様に放送信号を伝送できれば、その他の帯域保証経路を用いてもよい。放送信号送信部120は、番組の配信時に放送信号生成部110が生成した放送信号を送信してもよいし、予め用意された放送信号を送信してもよい。例えば、記憶装置に記憶されたエンコード済みの放送信号を取得し、取得した放送信号を送信してもよい。
【0033】
モバイル基地局200は、5Gモバイル基地局であり、本来の5Gモバイル通信用の機能に加えて、地上高度化用の放送モードの伝送(放送)機能を有する。モバイル基地局200は、放送信号受信部210、地上高度化変調部220、地上高度化送信部230を備えている。
【0034】
放送信号受信部210は、5Gバックボーンネットワーク400を介して放送局100と通信を行う5Gバックボーン通信部である。放送信号受信部210は、5Gバックボーンネットワーク400のスライス401を介して、放送局100から放送信号を受信する。
【0035】
地上高度化変調部(変換部)220は、放送局100から受信した放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変調(変換)する。地上高度化とは、通信ネットワーク経由の2K放送信号や4K放送信号をFeMBMS等の地上高度化方式で送信することである。地上高度化方式とは、地上高度化用に規格化された通信の放送モードの方式である。例えば、地上高度化方式は、FeMBMS方式であり、地上高度化信号は、FeMBMS方式(規格)にしたがった形式のFeMBMS信号である。地上高度化方式は、FeMBMS方式に限らず、検討が進められている地上放送高度化方式でもよいし、今後規格化されるその他の方式でもよい。
【0036】
地上高度化送信部230は、端末装置300と無線通信を行う通信部である。地上高度化送信部230は、5Gモバイル無線通信により無線送信を行う送信部でもよい。地上高度化送信部230は、5G用の帯域内の所定の地上高度化用の帯域を用いて、生成した地上高度化信号を端末装置300へ無線送信する。
【0037】
端末装置300は、5Gモバイル通信を行うスマートフォンや携帯電話などのモバイル端末であり、地上高度化用のデコード機能(例えばFeMBMSチップ)を実装している。端末装置300は、モバイル端末に限らず、地上高度化信号を受信可能なテレビ受信機やその他の情報処理装置でもよいし、地上高度化信号を受信可能なアダプタに接続されたテレビ受信機やその他の情報処理装置でもよい。端末装置300は、地上高度化受信部310、復調部320、表示部330を備えている。
【0038】
地上高度化受信部310は、モバイル基地局200と無線通信を行う通信部である。地上高度化受信部310は、5Gモバイル無線通信により無線受信を行う受信部でもよい。地上高度化受信部310は、5G用の帯域内の所定の地上高度化用の帯域により、モバイル基地局200から地上高度化信号を無線受信する。なお、FeMBMSの場合、SIMカード不要(モバイル通信の契約不要)でFeMBMS信号を受信できる。
【0039】
復調部320は、モバイル基地局200から受信した地上高度化信号を復調し、表示(再生)可能な形式のコンテンツデータを生成するデコーダである。例えば、復調部320は、FeMBMS信号(今後規格化されるその他の信号でもよい)からMPEG2-TS信号等を生成し、さらにMPEG2-TS信号等から映像及び音声のデータ(データ放送用のデータを含んでもよい)を生成する。表示部330は、復調した映像及び音声を含むコンテンツデータ(番組)を表示するディスプレイである。
【0040】
図4は、本実施の形態に係るネットワークシステムによる配信方法の例を示している。
図4に示すように、まず、放送局100は、放送局100とモバイル基地局200の間にスライスを設定する(S101)。放送信号送信部120(モバイル基地局200の放送信号受信部210でもよい)は、5G規格にしたがってネットワークスライシングを行い、5Gバックボーンネットワーク400に放送信号伝送用のスライスを設定する。これにより、放送局100から端末装置300までエンドツーエンドでの帯域保証が実現できる。複数のモバイル基地局200を介して配信する場合、複数のモバイル基地局200との間にスライスを設定してもよい。なお、放送局100が5Gコアネットワークの運用管理システムに対し、スライスの要件(容量や遅延時間等)に基づいてスライスの設定を要求し、運用管理システムがスライスの設定に必要な処理を実行してもよい。
【0041】
また、放送局100が使用するスライスを予め設定してもよいし、配信する番組(コンテンツ)に応じて設定してもよい。例えば、
図5のように、通常番組の配信時、通常チャンネル用のスライス401を設定し、さらに、災害番組の配信時、災害チャンネル用のスライス401を設定してもよい。また、4K放送の配信時、4Kチャンネル用のスライス401を設定してもよい。
【0042】
次に、放送局100は、配信する放送信号を生成し(S102)、生成した放送信号をモバイル基地局200へ送信する(S103)。放送信号生成部110は、番組の映像及び音声のデータをエンコードして、例えばMPEG2-TS形式の放送信号を生成する。放送信号送信部120は、設定した5Gバックボーンネットワーク400のスライスを選択し、選択したスライスを介して、生成した放送信号をモバイル基地局200へ送信する。例えば、番組ごとにスライスが設定されている場合、配信する番組に対応するスライスを選択する。例えば、複数のモバイル基地局200へ送信する場合、マルチキャストにより送信してもよい。
【0043】
次に、モバイル基地局200は、放送信号を受信すると、地上高度化信号の一例として、FeMBMS信号を生成し(S104)、生成したFeMBMS信号を端末装置300へ送信する(S105)。放送信号受信部210は、5Gバックボーンネットワーク400のスライスを介して放送信号を受信し、地上高度化変調部220は、受信したMPEG2-TS形式の放送信号をFeMBMS信号に変調する。
【0044】
図6は、FeMBMSで規定されている信号の配置例を示している。
図6に示すように、FeMBMSでは、通信の単位帯域を5MHzとし、この5MHz帯域の信号配置は、25個のRB(Resource Block)で構成されている。地上高度化変調部220は、MPEG2-TS形式の信号を、FeMBMS形式の信号に変換する。すなわち、MPEG2-TS信号を
図6のような配置のRBに変換する。地上高度化送信部230は、5G用の帯域内の所定の地上高度化用の帯域(5Gに割り当てられた帯域に含まれるマルチキャストチャネル)を用いて、生成したFeMBMS信号を端末装置300へ送信する。例えば、5G用Sub6(3.6-6.0GHz)の送信周波数を用いて地上高度化信号を送信する。番組(チャンネル)ごとにスライスが設定されている場合、スライスごとに5MHzの伝送帯域(スライスに応じた帯域)を確保し、伝送帯域ごとに放送信号を送信する。例えば、通常チャンネル用のスライスで受信した放送信号を、通信チャンネル用の5MHzの伝送帯域で送信し、災害チャンネル用のスライスで受信した放送信号を、災害チャンネル用の5MHzの伝送帯域で送信する。これにより、通信チャンネルと災害チャンネルを同じ画質で配信することができる。さらに、4Kチャンネル用のスライスで受信した放送信号を、4Kチャンネル用の5MHzの伝送帯域で送信してもよい。これにより、4K放送の画質も保証することができる。
【0045】
次に、端末装置300は、FeMBMS信号を受信すると、FeMBMS信号を復調し(S106)、番組を表示する(S107)。地上高度化受信部310は、5G用の帯域内の所定の地上高度化用の帯域を介してFeMBMS信号を受信し、復調部320は、受信したFeMBMS信号を復調する。例えば、
図6のような信号配置にしたがい各RBの信号を復調して、MPEG2-TS信号に変換し、変換したMPEG2-TS信号から再生可能なコンテンツデータを生成する。表示部330は、復調した番組のコンテンツデータをディスプレイに表示する。
【0046】
なお、
図4では、放送局から端末装置へ下り方向に伝送する方法を示しているが、端末装置から放送局へ上り方向に伝送可能し、双方向にデータを伝送してもよい。例えば、端末装置で番組視聴用のアプリケーションプログラムを起動し、アプリケーションプログラムから放送局へ視聴履歴やユーザの情報等を送信する。これにより、放送局が端末装置から視聴履歴等を収集し、収集した情報を活用することができる。
【0047】
以上のように、本実施の形態では、例えば地上デジタル2K放送を、ネットワークスライシング技術を用いた帯域保証サービスを利用して、モバイル基地局まで伝送し、モバイル基地局からは、通信を用いた放送モードであるFeMBMS送信方式などの地上高度化方式で伝送(放送)し、さらに、地上高度化デコード機能を持つスマートフォンやテレビ受信機などの端末装置で受信する。これにより、通信ネットワークを介して放送信号を配信することができ、放送ネットワークから通信ネットワークへの移行が可能となる。中継局の代わりにモバイル基地局を用いて放送信号を配信できるため、中継局にかかる設備投資を抑えることができる。また、5Gのネットワークスライシング技術を用いることで、放送信号伝送用の帯域を保証できるため、確実に放送信号を配信し、端末装置で品質劣化することなくテレビ放送を視聴できる。
【0048】
さらに、本実施の形態のように放送信号を配信することにより、放送サービスの継続と拡張を図ることが可能となる。すなわち、通信の帯域保証サービスにより、現行の地上デジタル2K放送サービスがそのまま伝送できるので、マルチ編成やデータ放送を継続して配信できる。ワンセグ放送については、FeMBMS方式ではISDB-T方式とセグメント構成が異なるのでそのままの継続はできないが、FeMBMS方式そのものがスマートフォンなどの端末装置の受信を前提にしているので、モバイル受信は継続して実現できる。更に、通信ネットワークの双方向伝送の利点を生かし、端末装置からの視聴履歴データにより、放送によるターゲティングCMの実現や、ダイナミックな帯域コントロールにより災害時の新たなチャンネルの生成などを実現できる。
【0049】
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2について説明する。本実施の形態では、実施の形態1のネットワークシステムを用いて、放送ネットワークを通信ネットワークに移行する例について説明する。
【0050】
図7は、本実施の形態に係る制御装置の構成例を示している。本実施の形態に係るネットワークシステム3は、中継局ネットワーク3a(放送ネットワーク)とモバイルネットワーク3b(通信ネットワーク)を含み、中継局ネットワーク3aをモバイルネットワーク3bに移行する方法を制御するための制御装置600を備えている。制御装置600は、放送局100、モバイルネットワーク3bのモバイル基地局200、中継局ネットワーク3aの中継局500を制御可能に接続されている。例えば、モバイルネットワーク3bや中継局ネットワーク3aの制御プレーンや制御ネットワークを介して接続されてもよい。なお、制御装置600の機能の一部または全部を、放送局100や他の装置に含めてもよい。例えば、放送局100(放送信号送信部120)が、本実施の形態に係る制御装置600と同様に、放送信号を送信するモバイル基地局200を選択し、選択したモバイル基地局200へ放送信号を送信してもよい。
【0051】
図7に示すように、制御装置600は、中継局管理部610、モバイル基地局管理部620、制御部630、データ収集部640を備えている。
【0052】
中継局管理部610は、中継局ネットワーク3aを構成する複数の中継局500を管理する。中継局管理部610は、中継局500の中継エリアの情報を取得する取得部である。中継エリアは、中継局500から送信された電波(放送信号)を受信可能なエリアである。なお、中継エリアに限らず、中継局500の出力レベルを取得してもよい。モバイル基地局管理部620は、モバイルネットワーク3bを構成する複数のモバイル基地局200を管理する。モバイル基地局管理部620は、モバイル基地局200の無線エリアの情報を取得する取得部であり、移行元の中継局500に対応する移行先のモバイル基地局200を選択する選択部でもある。無線エリアは、モバイル基地局200から送信された電波(放送信号)を受信可能なエリアである。
【0053】
制御部630は、放送局100の放送信号の配信動作や、中継局500やモバイル基地局200の放送信号の送信動作(ON/OFF)を制御する。制御部630は、選択された移行先のモバイル基地局200を介して、放送局100から放送信号を配信するよう制御する。すなわち、制御部630は、放送局100の放送信号の送信先(モバイル基地局200の選択)を制御し、また、モバイル基地局200の放送モードの送信の開始及び終了を制御する。制御部630は、災害チャンネルなど、配信する番組に応じたチャンネル(スライス)を設定してもよい。また、データ収集部640は、端末装置のアクセスデータや視聴データ等を収集する。実施の形態1で説明したように、データ収集部640が端末装置から視聴データを収集し、収集した視聴データに基づいて、放送局100が配信する番組やCMを制御してもよい。
【0054】
図8は、本実施の形態に係る制御装置による制御方法(移行方法)を示している。
図8に示すように、まず、制御装置600は、移行元の中継局500の中継エリアを取得する(S201)。中継局管理部610は、移行元の中継局500を特定し、特定した中継局500の中継エリアの情報を取得する。移行元の中継局500は、管理者の指示に応じて特定してもよいし、予め設定された移行計画にしたがって特定してもよい。また、中継エリアの情報は、特定した中継局500から取得してもよいし、各中継局500の情報が登録されたデータベースから取得してもよい。
【0055】
次に、制御装置600は、モバイル基地局200の無線エリアを取得する(S202)。モバイル基地局管理部620は、移行先を特定するために、モバイル基地局200の無線エリアの情報を取得する。全てのモバイル基地局200の無線エリアの情報を取得してもよいし、移行元の中継局500の周辺(例えば同じ県内)のモバイル基地局200の無線エリアの情報を取得してもよい。また、無線エリアの情報は、各モバイル基地局200から取得してもよいし、各モバイル基地局200の情報が登録されたデータベースから取得してもよい。
【0056】
次に、制御装置600は、移行先のモバイル基地局200を選択する(S203)。
図9及び
図10は、移行先のモバイル基地局200の選択例を示している。
図9に示すように、モバイル基地局管理部620は、特定した移行元の中継局500の中継エリアの情報(中継エリアA1)とモバイル基地局200の無線エリアの情報(無線エリアA2)に基づいて、移行先のモバイル基地局200を選択する。モバイル基地局管理部620は、移行元の中継局500の中継エリアに対応する無線エリアを有する複数のモバイル基地局200を選択する。例えば、
図9に示すように、中継局500の中継エリアとモバイル基地局200の無線エリアとを比較し、中継エリアと無線エリアの一部または全部が重なる場合、中継エリアに含まれる無線エリアを有するモバイル基地局を移行先に決定する。
図9の例では、移行元の中継局500の中継エリアA1と、周辺のモバイル基地局200-1~200-11の無線エリアA2とを比較し、中継エリアA1とモバイル基地局200-2、200-3、200-5、200-6、200-7、200-9、200-10の無線エリアA2とが重なるため、モバイル基地局200-2、200-3、200-5、200-6、200-7、200-9、200-10を移行先に決定する。また、
図10に示すように、モバイル基地局200の位置を取得し、中継局500の中継エリア内に設置された複数のモバイル基地局200を選択してもよい。
図10の例では、中継局500の中継エリアA1に、モバイル基地局200-2、200-3、200-5、200-6、200-7、200-9、200-10が設置されている(中継エリア内にモバイル基地局の位置が含まれる)ため、モバイル基地局200-2、200-3、200-5、200-6、200-7、200-9、200-10を移行先に決定する。なお、中継局500の中継エリアと同様に、中継局500の出力レベルに対応するモバイル基地局200を選択してもよい。
【0057】
次に、制御装置600は、選択したモバイル基地局200によりサイマル移行するよう制御する(S204)。制御部630は、サイマル移行期間において、移行元の中継局500と移行先のモバイル基地局200を介して放送信号を配信するよう制御する。制御部630は、放送局100に対し、中継局500に対応して選択したモバイル基地局200へ放送信号を送信するよう指示し(モバイル基地局200の選択を指示し)、放送局100は、中継局への放送信号の送信を継続した状態で、制御部630の指示に応じてモバイル基地局200への送信を開始する。また、制御部630は、選択したモバイル基地局200に対し、放送局100から送信された放送信号を、端末装置へ送信するよう指示し、モバイル基地局200は、制御部630の指示に応じて端末装置への送信を開始する。
【0058】
次に、制御装置600は、選択したモバイル基地局200により完全移行するよう制御する(S205)。制御部630は、所定のサイマル移行期間経過、選択したモバイル基地局200のみを介して放送信号を配信するよう制御する。制御部630は、放送局100に対し、移行元の中継局500への放送信号の送信を停止するよう指示し、放送局100は、モバイル基地局200への放送信号の送信を継続した状態で、制御部630の指示に応じて中継局500への送信を停止する。また、制御部630は、移行元の中継局500に対し、電波(放送信号)の送信を停止するよう指示する。なお、サイマル移行を行わずに、完全移行のみを行ってもよい。例えば、S204の制御の後、所定の期間の経過を待たずに、S205の制御を行ってもよい。
【0059】
図11は、
図8の移行方法におけるサイマル移行の例を示している。なお、サイマル移行とは、旧方式(現行の方式)の信号と新方式の信号を両方送出し、新方式の受信機(端末装置)が十分に普及した時に旧方式の信号送出を止める方法である。
図11に示すように、例えば、中継局ネットワーク3aは、中継局として、親局501と中規模局502を含み、モバイルネットワーク3bは、実施の形態1と同様に、5Gバックボーンネットワーク400とモバイル基地局200を含む。
【0060】
移行前では、放送局100は、中継局ネットワーク3aを介して放送信号を配信する。放送局100は、親局501へ放送信号を送信し、親局501は、受信した放送信号をISDB-T方式のISDB-T信号に変換し、UHF放送用帯域を用いて、ISDB-T信号を送信する。中規模局502は、放送波中継の場合、親局501からISDB-T信号を受信し、受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。テレビ受信機700は、UHF放送用帯域でISDB-T信号を受信し、配信された番組を視聴する。
【0061】
サイマル移行時、放送局100は、中継局ネットワーク3aを介した放送信号の配信を継続しつつ、実施の形態1と同様に、モバイルネットワーク3bを介して放送信号を配信する。すなわち、中規模局502は、移行前と同様に、親局501から受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。例えば、移行元の中規模局502の通信エリアに複数のモバイル基地局200の無線エリアが対応しており、この複数のモバイル基地局200を移行先として選択する。放送局100は、5Gバックボーンネットワーク400を介して、選択された移行先の複数のモバイル基地局200へ放送信号を送信する。複数のモバイル基地局200は、受信した放送信号をFeMBMS信号に変換し、変換したFeMBMS信号を、5G用帯域を用いて送信する。これにより、中規模局502の中継エリアにおいて、移行前と同様に、テレビ受信機700は、中規模局502からUHF放送用帯域でISDB-T信号を受信し、配信された番組を視聴できる。さらに、端末装置300は、モバイル基地局200から5G用帯域でFeMBMS信号を受信し、配信された番組を視聴できる。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1のネットワークシステムを用いて、放送ネットワークを通信ネットワークに移行する。例えば、FeMBMS方式などの地上高度化方式を用いて通信ネットワークへ移行する。特に移行元の中継局の中継エリアに対応するモバイル基地局を介して配信するよう制御する。これにより、移行元の中継局で提供していた放送サービスと同じサービスを、移行後のモバイル基地局から提供することができる。また、サイマル移行時に放送ネットワークと通信ネットワークの両方を介して放送信号を配信し、視聴者が対応する端末装置を購入するまで放送ネットワークと通信ネットワークを併用することにより、視聴者の負担を抑え、スムーズな移行を可能とする。
【0063】
また、2K放送から4K放送に移行することも可能となる。例えば、FeMBMS方式で採用する符号化方式を4Kストリームも視野に入れたVVC方式とし、FeMBMS対応4Kテレビの普及に伴い放送局からの4K配信が実施できれば、段階的な4K放送化が可能となる。すなわち、放送ネットワークから通信ネットワークへの移行プロセスで4K放送化も可能となる。例えば、FeMBMS方式は、ミリ波、Sub6、UHF帯で利用することを想定し、映像符号化方式は、HEVCが利用できるが、将来的にはVVCなどの次世代符号化を選択することも可能である。このため、2K放送の継続も4K放送の新規サービスも技術的に可能である。放送局(演奏所)側の4K設備対応やテレビ受信機側が4Kテレビであれば、4K放送サービスが開始できる。FeMBMS受信のために、放送中継局からの2K放送のサイマル期間が終わるまでにFeMBMS対応テレビまたは、FeMBMSアダプタを購入する必要がある。これらのテレビやアダプタを4K対応にしておけば受信側の4K普及を促進できる。
【0064】
(実施の形態3)
以下、図面を参照して実施の形態3について説明する。本実施の形態では、実施の形態2の移行方法において、さらに放送ネットワークを段階的に通信ネットワークへ移行する例について説明する。ネットワークシステムの構成は実施の形態2と同様であり、例えば制御装置により、本実施の形態に係る移行方法が制御される。
【0065】
図12は、本実施の形態に係る移行方法を示している。
図12に示すように、本実施の形態では、第一段階の移行(S301)、第二段階の移行(S303)、第三段階の移行(S305)の順に段階的に移行を行う。各段階の移行動作は、実施の形態2と同様である。すなわち、各移行段階で、制御装置600が、移行元の中継局を特定し、中継局に対応するモバイル基地局を選択することで、中継局からモバイル基地局への移行を制御する。
【0066】
例えば、中継局の中継段数に応じて段階的に移行してもよい。所定の中継段数の中継局を特定し、特定した中継局に対応するモバイル基地局へ移行する。具体的には、中継局の中継段数が大きい順に移行する。まず中継段数が最も大きい(第一の中継段数の)中継局を選択してモバイル基地局に移行し、次に中継段数が大きい(第二の中継段数の)中継局を順次選択して移行してもよい。また、中継局の中継規模に応じて段階的に移行してもよい。例えば、中継段数が大きくなるにしたがって中継局の中継規模が小さくなり、所定の中継規模の中継局を特定し、特定した中継局に対応するモバイル基地局へ移行する。具体的には、中継局の中継規模が小さい順に移行する。まず最も中継規模が小さい(第一の中継規模の)中継局を選択してモバイル基地局に移行し、次に中継規模が小さい(第二の中継規模の)中継局を順次選択して移行してもよい。この例では、ミニサテ(ギャップフィラー)/小規模中継局(第一段階)から移行し、中規模/大規模中継局(第二段階)の移行、最終的に親局(第三段階)の移行を段階的に行う。例えば、全体の移行期間は十数年である。なお、三段階の移行に限らず、任意の段数で移行してもよい。例えば、ミニサテ局、小規模局、中規模局、大規模局、親局の順に5段階で移行してもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、各移行段階で移行を中止するか否か判定し、各移行段階で移行を終了してもよい。例えば、それぞれの移行段階で、もし通信ネットワークでの放送モードが非効率的であるという評価になれば、途中段階で、通信ネットワークへの移行をやめてもよい。その場合は、各段階までで空いたUHF周波数を用いて、放送中継局からFeMBMS方式で送信してもよい。ただし、この場合は、放送用周波数チャンネルの返還は限定的となる。
【0068】
すなわち、
図12に示すように、第一段階の移行を行い(S301)、第一段階で移行を中止するか否か判定し(S302)、中止すると判定した場合、移行を終了する。第一段階で移行を中止しないと判定した場合、第二段階の移行を行い(S303)、第二段階で移行を中止するか否か判定し(S304)、中止すると判定した場合、移行を終了する。第二段階で移行を中止しないと判定した場合、第三段階の移行を行い(S305)、移行を終了する。なお、移行中止の判定は、制御装置600が移行元と移行先の情報をもとに行ってもよいし、管理者が判定結果を指示してもよい。
【0069】
各段階の移行について以下に説明する。
図13は、本実施の形態に係るネットワークシステムにおける移行前の例を示している。本実施の形態に係るネットワークシステム4では、中継局ネットワーク4aは、親局501、大規模/中規模局502、小規模/ミニサテ局503を含む。
【0070】
放送局100は、親局501へ放送信号を送信する。親局501は、放送局100から放送信号を受信し、受信した放送信号をISDB-T方式のISDB-T信号に変換し、UHF放送用帯域を用いて、ISDB-T信号を送信する。大規模/中規模局は、親局501からISDB-T信号を受信し、受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。小規模/ミニサテ局503は、大規模/中規模局502からISDB-T信号を受信し、受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。テレビ受信機700は、親局501、大規模/中規模局502、小規模/ミニサテ局503のいずれかの中継局から、UHF放送用帯域でISDB-T信号を受信し、配信された番組を視聴する。
【0071】
図14は、本実施の形態に係る第一段階の移行(S301)においてサイマル移行を行う例を示している。第一段階の移行では、小規模/ミニサテ局503をモバイル基地局200に移行する。サイマル移行を行うため、小規模/ミニサテ局503は、移行前と同様に、大規模/中規模局502から受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。
【0072】
また、移行元の小規模/ミニサテ局503の中継エリアに、例えばモバイル基地局200aが対応しており、このモバイル基地局200aを移行先として選択する。放送局100は、5Gバックボーンネットワーク400を介して、選択された移行先のモバイル基地局200aへ放送信号を送信する。モバイル基地局200aは、受信した放送信号をFeMBMS信号に変換し、変換したFeMBMS信号を、5G用帯域を用いて送信する。これにより、小規模/ミニサテ局503の中継エリアにおいて、テレビ受信機700は、小規模/ミニサテ局503からUHF放送用帯域でISDB-T信号を受信して、配信された番組を視聴でき、端末装置300は、モバイル基地局200aから5G用帯域でFeMBMS信号を受信して、配信された番組を視聴できる。
【0073】
図15は、本実施の形態に係る第二段階の移行(S302)においてサイマル移行を行う例を示している。第二段階の移行では、
図14の状態からさらに、大規模/中規模局502をモバイル基地局200に移行する。サイマル移行を行うため、大規模/中規模局502は、移行前と同様に、親局501から受信したISDB-T信号を、UHF放送用帯域を用いて中継し送信する。
【0074】
また、移行元の大規模/中規模局502の中継エリアに、例えば複数のモバイル基地局200bが対応しており、この複数のモバイル基地局200bを移行先として選択する。放送局100は、5Gバックボーンネットワーク400を介して、選択された移行先の複数のモバイル基地局200bへ放送信号を送信する。複数のモバイル基地局200bは、受信した放送信号をFeMBMS信号に変換し、変換したFeMBMS信号を、5G用帯域を用いて送信する。これにより、大規模/中規模局502の中継エリアにおいて、テレビ受信機700は、大規模/中規模局502からUHF放送用帯域でISDB-T信号を受信して、配信された番組を視聴でき、端末装置300は、モバイル基地局200bから5G用帯域でFeMBMS信号を受信して、配信された番組を視聴できる。
【0075】
図16は、本実施の形態に係る第三段階の移行(S303)においてサイマル移行を行う例を示している。第三段階の移行では、
図15の状態からさらに、親局501をモバイル基地局200に移行する。サイマル移行を行うため、親局501は、移行前と同様に、放送局100から受信した放送信号をISDB-T信号に変換し、UHF放送用帯域を用いて、ISDB-T信号を送信する。
【0076】
また、移行元の親局501の中継エリアに、例えば複数のモバイル基地局200cが対応しており、この複数のモバイル基地局200cを移行先として選択する。放送局100は、5Gバックボーンネットワーク400を介して、選択された移行先の複数のモバイル基地局200cへ放送信号を送信する。複数のモバイル基地局200cは、受信した放送信号をFeMBMS信号に変換し、変換したFeMBMS信号を、5G用帯域を用いて送信する。これにより、親局501の中継エリアにおいて、テレビ受信機700は、親局501からUHF放送用帯域でISDB-T信号を受信して、配信された番組を視聴でき、端末装置300は、モバイル基地局200cから5G用帯域でFeMBMS信号を受信して、配信された番組を視聴できる。
【0077】
図17は、本実施の形態に係る移行方法において、第二段階で移行を中止する(S304)例を示している。
図17では、第二段階まで移行が完了しているため、
図15と同様に、小規模/ミニサテ局503に対応するモバイル基地局200aがFeMBMS信号を送信し、大規模/中規模局502に対応するモバイル基地局200bがFeMBMS信号を送信している。この状態で移行を中止する場合、親局501は、移行前と同様に、放送局100から受信した放送信号をISDB-T信号に変換し、UHF放送用帯域を用いて、ISDB-T信号を送信する。また、親局501は、放送局100から受信した放送信号をFeMBMS信号に変換し、UHF放送用帯域(例えば大規模/中規模局502や小規模/ミニサテ局503が使用していたチャンネル)を用いて、FeMBMS信号を送信する。これにより、親局501の中継エリアにおいて、テレビ受信機700は、親局501からUHF放送用帯域でISDB-T信号を受信して、配信された番組を視聴でき、端末装置300は、親局501からUHF放送用帯域でFeMBMS信号を受信して、配信された番組を視聴できる。
【0078】
以上のように、本実施の形態では、放送ネットワークから段階的に中継ネットワークへ移行する。規模の小さい中継局から順にモバイル基地局に移行することにより、円滑に移行を進めることができる。例えば、ミニサテ/小規模局(第一段階)、中規模/大規模局(第二段階)、親局(第三段階)の順に、通信ネットワークによる放送モード(FeMBMSなど)の適用を段階毎に行う。さらに、途中段階でモバイル基地局への適用を止めて、中継局からサイマル移行によりFeMBMS方式を送信することも選択できる。ミニサテ/小規模局から移行を適用することで、5Gのルーラル(地方)ネットワークの施策に対応させることができ、移行を促進できる。更に、いくつかの民放ローカル局が今後想定される親局、大規模/中規模局の更新後、小規模/ミニサテ局の投資が困難との状況があるため、ミニサテ/小規模局から適用することによる効果が大きい。
【0079】
また、本実施の形態のように移行することで、元々国から割り当てられていた放送用周波数を返還することが可能となる。すなわち、現行の地上デジタル2K放送の放送ネットとワークを通信ネットワークに代替させるため、上記のように、各中継局を段階的にモバイル基地局へ移行し、すべての通信ネットワークによる放送モードの適用が終了し、一定のサイマル期間経過後、現行放送中継局を停波する。これにより、放送用に割り当てられたUHF周波数チャンネル(13ch~52ch:40ch)をすべて国に返還することができる。また、途中段階でモバイル基地局への適用をやめた場合でも、放送用に割り当てられた一部のUHF周波数チャンネルを国に返還することができる。
【0080】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0081】
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置及び各機能(処理)を、
図18に示すような、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ41及び記憶装置であるメモリ42を有するコンピュータ40により実現してもよい。例えば、メモリ42に実施形態における方法(例えば制御装置の制御方法)を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリ42に格納されたプログラムをプロセッサ41で実行することにより実現してもよい。
【0082】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0083】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0085】
(付記1)
放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備え、
前記放送局は、通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信する放送信号送信手段を備え、
前記基地局は、
前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信する放送信号受信手段と、
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、
前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する地上高度化信号送信手段と、
を備える、ネットワークシステム。
(付記2)
前記地上高度化信号は、FeMBMS(Further evolved Multimedia Broadcast and Multicast Services)方式のFeMBMS信号である、
付記1に記載のネットワークシステム。
(付記3)
前記地上高度化信号送信手段は、前記基地局がモバイル通信用の帯域を用いて、前記地上高度化信号を送信する、
付記1または2に記載のネットワークシステム。
(付記4)
前記放送信号送信手段は、前記通信ネットワークにおいて帯域保証された帯域保証経路を介して、前記放送信号を前記基地局へ送信する、
付記1乃至3のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記5)
前記帯域保証経路は、ネットワークスライシングにより設定されたスライスである、
付記4に記載のネットワークシステム。
(付記6)
前記スライスは、前記放送信号のコンテンツに応じて設定される、
付記5に記載のネットワークシステム。
(付記7)
前記地上高度化信号送信手段は、前記スライスに応じた帯域で、前記地上高度化信号を送信する、
付記5または6に記載のネットワークシステム。
(付記8)
前記基地局として、複数の基地局を備え、
前記放送信号送信手段は、前記複数の基地局から選択された基地局に対し、前記放送信号を送信する、
付記1乃至7のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記9)
放送ネットワークにおいて前記放送信号を中継する複数の中継局を備え、
前記放送信号送信手段は、前記複数の中継局から特定された中継局に対応する前記基地局を選択する、
付記8に記載のネットワークシステム。
(付記10)
前記放送信号送信手段は、前記特定された中継局の中継エリアに対応する前記基地局を選択する、
付記9に記載のネットワークシステム。
(付記11)
前記放送信号送信手段は、前記特定された中継局の中継エリアに含まれる無線エリアを有する前記基地局を選択する、
付記10に記載のネットワークシステム。
(付記12)
前記放送信号送信手段は、前記特定された中継局の中継エリアに設置された前記基地局を選択する、
付記10または11に記載のネットワークシステム。
(付記13)
前記放送信号送信手段は、前記特定された中継局の出力レベルに対応する前記基地局を選択する、
付記9乃至12のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記14)
前記放送信号送信手段は、前記複数の中継局のうち所定の中継段数の中継局に対応する前記基地局を選択する、
付記9至13のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記15)
前記複数の中継局は、中継段数が大きくなるにしたがって中継規模が小さくなり、
前記放送信号送信手段は、前記複数の中継局のうち所定の中継規模の中継局に対応する前記基地局を選択する、
付記14に記載のネットワークシステム。
(付記16)
前記放送信号送信手段は、前記複数の中継局のうち最も小さい中継規模の中継局に対応する前記基地局を選択する、
付記15に記載のネットワークシステム。
(付記17)
前記放送信号送信手段は、前記選択の後、さらに、中継規模が小さい順に前記中継局を特定し、前記特定した中継局に対応する前記基地局を選択する、
付記15に記載のネットワークシステム。
(付記18)
前記放送信号送信手段は、前記中継局及び前記中継局に対応する基地局へ前記放送信号を送信する、
付記9至17のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記19)
前記基地局の選択を指示する制御装置を備える、
付記8乃至18のいずれか一項に記載のネットワークシステム。
(付記20)
通信ネットワークを介して、放送局から放送信号を受信する放送信号受信手段と、
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換する変換手段と、
前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する地上高度化信号送信手段と、
を備える、基地局。
(付記21)
放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得する取得手段と、
前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択する選択手段と、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する制御手段と、
を備える、制御装置。
(付記22)
前記制御手段は、前記放送局から前記中継局及び前記基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する、
付記21に記載の制御装置。
(付記23)
前記制御手段は、所定の期間経過後、前記放送局から前記基地局のみを介して前記放送信号を送信するよう制御する、
付記21に記載の制御装置。
(付記24)
前記制御手段は、第一の移行段階において、第一の中継規模の前記中継局に対応する基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御し、第二の移行段階において、前記第一の中継規模よりも大きい第2の中継規模の前記中継局に対応する基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する、
付記21乃至23のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記25)
前記制御手段は、前記第一の移行段階の制御の後、前記第二の移行段階の制御を行うか否か判定する、
付記24に記載の制御装置。
(付記26)
放送局と、前記放送局と通信可能に接続された基地局とを備えたネットワークシステムにおける伝送方法であって、
前記放送局は、
通信ネットワークを介して、放送信号を前記基地局へ送信し、
前記基地局は、
前記通信ネットワークを介して、前記放送局から前記放送信号を受信し
前記受信された放送信号を地上高度化方式の地上高度化信号に変換し、
前記変換された地上高度化信号を端末装置へ送信する、
伝送方法。
(付記27)
放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得し、
前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択し、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する、
制御方法。
(付記28)
放送局から送信される放送信号を中継する中継局の中継エリアを取得し、
前記取得した中継エリアに対応する基地局を選択し、
前記放送局から前記選択した基地局を介して前記放送信号を送信するよう制御する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0086】
1-4 ネットワークシステム
3a 中継局ネットワーク
3b モバイルネットワーク
4a 中継局ネットワーク
4b モバイルネットワーク
10 放送局
11 放送信号送信部
20 基地局
21 放送信号受信部
22 変換部
23 地上高度化信号送信部
30 通信ネットワーク
40 コンピュータ
41 プロセッサ
42 メモリ
100 放送局
110 放送信号生成部
120 放送信号送信部
200 モバイル基地局
210 放送信号受信部
220 地上高度化変調部
230 地上高度化送信部
300 端末装置
310 地上高度化受信部
320 復調部
330 表示部
400 5Gバックボーンネットワーク
401 スライス
500 中継局
501 親局
502 大規模/中規模局
503 小規模/ミニサテ局
600 制御装置
610 中継局管理部
620 モバイル基地局管理部
630 制御部
640 データ収集部
700 テレビ受信機