IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋製罐グループホールディングス株式会社の特許一覧

特許7582358情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
<>
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図1
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図2
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図3
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図4
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図5
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図6
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図7
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図8
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図9
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図10
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図11
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図12
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図13
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図14
  • 特許-情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20241106BHJP
   G06Q 30/0203 20230101ALI20241106BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06Q30/0203
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023020362
(22)【出願日】2023-02-13
(65)【公開番号】P2024114533
(43)【公開日】2024-08-23
【審査請求日】2024-03-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐グループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】國正 英彦
(72)【発明者】
【氏名】田辺 卓
(72)【発明者】
【氏名】古川 聡史
(72)【発明者】
【氏名】岡村 浩
(72)【発明者】
【氏名】三木 逸平
(72)【発明者】
【氏名】竹内 友里
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-072942(JP,A)
【文献】特開2022-010458(JP,A)
【文献】特許第5965526(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0114647(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填されて商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を、予測対象の容器の市場情報として取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記予測対象の容器の市場情報を、学習対象の容器の前記市場情報と、当該容器と同一仕様の容器に前記内容物が充填された前記商品の需要又は供給に関する情報を前記種類毎に含む需要供給情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに入力することで、前記予測対象の容器の市場情報に対する前記需要供給情報を生成する生成処理部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記市場情報は、
前記同一仕様の容器が複数の流通段階を経て流通される際の流通情報と、複数の前記流通段階にて在庫される際の在庫情報とのうち、少なくとも1つを含む容器管理情報をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記流通情報は、前記容器が流通される際の位置に関する流通位置情報を含み、
前記在庫情報は、前記容器が在庫される際の位置に関する在庫位置情報を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記流通段階は、
前記容器を洗浄する洗浄段階と、
前記容器に前記内容物を充填する充填段階と、
前記容器に充填された前記内容物が前記消費者により消費される消費段階とを少なくとも含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記需要供給情報は、
前記商品の需要に関する情報として、前記商品の需要予測に関する需要予測情報、及び、前記商品の供給に関する情報として、前記商品の供給計画に関する供給計画情報のうち、少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
内容物が充填されて商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて取得された情報として、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を含む市場情報と、当該容器と同一仕様の容器に前記内容物が充填された前記商品の需要又は供給に関する情報を前記種類毎に含む需要供給情報とで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記市場情報と前記需要供給情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備える、
機械学習装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
内容物が充填されて商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を、予測対象の容器の市場情報として取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程により取得された前記予測対象の容器の市場情報を、学習対象の容器の前記市場情報と、当該容器と同一仕様の容器に前記内容物が充填された前記商品の需要又は供給に関する情報を前記種類毎に含む需要供給情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに入力することで、前記予測対象の容器の市場情報に対する前記需要供給情報を生成する生成処理工程と、を備える、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが実行する機械学習方法であって、
内容物が充填されて商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて取得された情報として、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を含む市場情報と、当該容器と同一仕様の容器に前記内容物が充填された前記商品の需要又は供給に関する情報を前記種類毎に含む需要供給情報とで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記市場情報と前記需要供給情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備える、
機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に内容物が充填された商品が流通市場を流通する際の管理方法として、容器に付与された容器識別コードを用いて、商品の在庫管理、売上予測、マーケティング、トレース等を行うことが知られている。例えば、特許文献1には、容器に印刷されたバーコードをバーコードリーダで読み取ることで商品を管理する技術が開示されている。また、特許文献2には、容器に取り付けられたICタグをリーダライタで読み取ることで商品を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-256765号公報
【文献】特開2018-188199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2では、容器に付された容器識別コードを用いて商品の流通や在庫の管理が行われている。例えば、複数の種類の内容物に対して同一仕様の容器が用いられる多品種少量生産のような生産形態を採用した場合、内容物の種類の違いによって、内容物がそれぞれ充填された各商品の流通状況が異なる。そのため、内容物の種類毎に、商品の需要や供給に関する情報を事前に把握することができれば、上記のような生産形態の実現において非常に有用な情報になり得ると考えられる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、容器を安定的に流通させることを可能とする情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
内容物が充填されて商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を、予測対象の容器の市場情報として取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記予測対象の容器の市場情報を、学習対象の容器の前記市場情報と、当該容器と同一仕様の容器に前記内容物が充填された前記商品の需要又は供給に関する情報を前記種類毎に含む需要供給情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに入力することで、前記予測対象の容器の市場情報に対する前記需要供給情報を生成する生成処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置によれば、商品を構成する容器に付された情報記憶担体に含まれる情報に基づいて、当該商品の消費者が当該容器と同一仕様の容器に充填可能な内容物のうち購買希望の内容物の種類を示す購買情報を、予測対象の容器の市場情報
として取得し、その購買情報を学習モデルに入力することで、当該容器と同一仕様の容器に内容物が充填された商品の需要又は供給に関する情報を内容物の種類毎に含む需要供給情報を生成する。したがって、需要供給情報を利活用することで容器を安定的に流通させることができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る容器流通システム1の一例を示す全体図である。
図2】容器10の各流通段階の一例を示す説明図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置2の一例を示すブロック図である。
図4】容器出資管理機能200と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。
図5】流通管理データベース210の一例を示すデータ構成図である。
図6】容器出資管理データベース211の一例を示すデータ構成図である。
図7】容器購買管理機能201と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。
図8】ウェブ管理データベース212の一例を示すデータ構成図である。
図9】容器購買管理データベース213の一例を示すデータ構成図である。
図10】学習機能202と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。の一例を示す機能説明図である。
図11】需要供給管理機能203と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。
図12】各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
図13】容器購買管理機能201による容器購買管理方法の一例を示すフローチャートである。
図14】学習機能202による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
図15】需要供給管理機能203による需要供給管理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
(容器流通システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る容器流通システム1の一例を示す全体図である。図2は、容器10の各流通段階の一例を示す説明図である。
【0012】
容器流通システム1は、その主要な構成要素として、情報処理装置2を備える。情報処理装置2は、内容物11が充填されて商品12を構成する容器10が流通市場を流通する過程で取得される各種の情報を管理し、複数の機能(詳細は後述)を実現する装置である。
【0013】
情報処理装置2は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図12参照)で構成される。情報処理装置2には、有線又は無線のネットワーク8を介して、出資者U1が使用する出資者端末装置3と、情報利用者U2が使用する情報利用者端末装置4と、情報処理装置2の管理事業者U3が使用する管理事業者端末装置5と、容器製造者U4、内容物製造者U5及び容器洗浄者U6がそれぞれ使用する流通事業者端末装置6A~6Cと、消費者U7が使用する消費者端末装置7とが接続される。なお、各装置2~7の数やネットワーク8
の構成は、図1の例に限られない。
【0014】
出資者端末装置3、情報利用者端末装置4、管理事業者端末装置5、流通事業者端末装置6A~6C、及び、消費者端末装置7は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図12参照)であり、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成される。そして、ブラウザやアプリ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、表示画面や音声を介して各種の情報を出力する。
【0015】
容器10は、例えば、プラスチック、金属、ガラス、紙等の原材料を用いて製造されており、任意の形状やサイズを有する。容器10の仕様としては、容器10の種類、原材料、容量、形状、サイズ等により定められる。容器10の種類としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック製ボトル、スチール、アルミ等の金属缶、ガラス瓶、紙パック、ラミネートパウチ等が挙げられる。なお、容器10は、リターナブル容器でもよいし、ワンウェイ容器でもよい。
【0016】
ここで、複数の容器10が同一仕様である条件としては、複数の仕様項目のうち少なくとも1つの仕様項目において、その数値が同じであるか若しくは特定の近似範囲内に含まれる場合、又は、その内容が同じであるか若しくは特定の類似範囲内である場合に満たされるものとして扱われる。容器10の容量という1つの仕様項目において、2つの容器10の容量が、例えば、両方ともに200mlである場合に同一仕様の容器と扱われてもよいし、2つの容器10の容量が、例えば、200mlと180mlという近似範囲内である場合に同一仕様の容器と扱われてもよい。また、容器10の種類という1つの仕様項目において、2つの容器10の種類が、例えば、両方ともにガラス瓶である場合に同一仕様の容器と扱われてもよいし、2つの容器10の種類が、例えば、スチール缶とアルミ缶という近似範囲内である場合に同一仕様の容器と扱われてもよい。
【0017】
容器10には、図2に示すように、容器識別情報D7及びウェブアクセス情報D8を記憶可能な情報記憶担体100が付される。容器識別情報D7は、容器10を識別するとともに、容器10の仕様を特定するための情報である。容器識別情報D7は、例えば、容器10を個別単位やロット単位で識別するための容器ID(容器識別コード)である。なお、容器識別情報D7は、情報記憶担体100に記憶せずに省略されてもよい。ウェブアクセス情報D8は、消費者U7が、例えば、管理事業者U3により運営されるウェブサービスにアクセスするために必要な情報である。ウェブアクセス情報D8には、例えば、ウェブサービスにより提供されるウェブページにアクセスするためのウェブアドレス(URL)や、ウェブサービスにより提供されるアプリを起動するためのリンク情報が含まれる。
【0018】
情報記憶担体100は、一元コードや二次元コード等のコード画像で構成される。その場合には、コード画像が印刷されたラベルが、容器10に貼付又は巻回されてもよいし、容器10の成形体内部に埋め込まれてもよい。また、情報記憶担体100は、RFIDと呼ばれる電子タグ(ICタグ)等で構成される。その場合には、電子タグが、容器10の成形体内部に埋め込まれる。なお、容器10には、複数の情報記憶担体100が付されてもよく、例えば、容器識別情報D7を含む情報記憶担体100と、ウェブアクセス情報D8を含む情報記憶担体100とがそれぞれ付されてもよい。
【0019】
内容物11は、液体、固体、粉体、粒体等である。内容物11の種類としては、例えば、水、ジュース、牛乳等の飲料、食品、医薬品、化粧品、洗剤等が挙げられる。内容物11は、常温、チルド(冷蔵)及び冷凍のいずれでもよい。また、内容物11は、製造工程において加熱及び非加熱のいずれでもよいし、飲料や食品の場合には、生鮮品や加工品でもよい。
【0020】
容器10は、例えば、容器製造者U4により製造されて(容器製造段階)、内容物11は、内容物製造者U5により製造される(内容物製造段階)。そして、内容物11が、容器10に内容物製造者U5により充填される(充填段階)ことで、商品12として製造される。内容物製造者U5は、例えば、飲料メーカや食品メーカ等であり、容器10の仕様や数量を指定して容器10を容器製造者U4や容器洗浄者U6に発注すると、その発注に応じた容器10が容器製造者U4や容器洗浄者U6から納品されて、その代金を容器製造者U4や容器洗浄者U6に支払う。そして、情報記憶担体100がコード画像で構成される場合には、例えば、充填段階において、コード画像が印刷されたラベルが内容物製造者U5により容器10に付される。また、情報記憶担体100が電子タグで構成される場合には、容器製造段階において、電子タグが容器製造者U4により容器10に埋め込まれて、充填段階において、容器識別情報D7及びウェブアクセス情報D8が内容物製造者U5により電子タグに書き込まれる。
【0021】
商品12は、内容物製造者U5から出荷されて(出荷段階)、例えば、販売店や倉庫等に輸送される(輸送段階)。そして、商品12は、例えば、卸売業者、小売業者、商社等を介して消費者U7に販売されて(販売段階)、内容物11が消費者U7により消費される(消費段階)。消費者U7には、一般消費者だけでなく、事業者等も含まれる。なお、容器10がリターナブル容器である場合には、内容物11が消費者U7により消費される(消費段階)と、容器10は、消費者U7から回収されて(回収段階)、容器洗浄者U6により洗浄される(洗浄段階)。そして、内容物11が、洗浄済みの容器10に内容物製造者U5により充填される(充填段階)ことで、商品12として製造される。
【0022】
容器10は、上記のように、流通市場において、複数の流通段階を経て流通される。複数の流通段階には、容器製造段階、内容物製造段階、充填段階、出荷段階、輸送段階、販売段階、消費段階、回収段階、洗浄段階等が挙げられるが、これらに限られない。なお、容器10がリターナブル容器である場合には、複数の流通段階は、洗浄段階、充填段階、及び、消費段階を少なくとも含むものであり、これらの流通段階が繰り返されることで、容器10が再利用される。なお、本実施形態では、容器10の種類は、リターナブル容器として製造されたガラス瓶であり、内容物11の種類は、水、ジュース、牛乳等の飲料である場合を中心に説明する。
【0023】
(情報処理装置2の構成)
図3は、本実施形態に係る情報処理装置2の一例を示すブロック図である。情報処理装置2は、プロセッサ等により構成される制御部20と、HDD、SSD、メモリ等により構成される記憶部21と、ネットワーク8との通信インターフェースである通信部22と、キーボード、マウス等により構成される入力部23と、ディスプレイ等により構成される表示部24とを備える。なお、入力部23及び表示部24は省略されてもよい。
【0024】
記憶部21は、各種のデータベース(DB)210~215、及び、情報処理プログラム216を記憶するとともに、オペレーティングシステム、他のプログラムやデータ等を記憶する。
【0025】
制御部20は、記憶部21に記憶された情報処理プログラム216を実行することにより、容器出資管理機能200、容器購買管理機能201、学習機能202、及び、需要供給管理機能203を実現する。制御部20は、容器購買管理機能201を実現する各部として、情報取得部201A、及び、記憶処理部201Bを備える。制御部20は、学習機能202を実現する各部として、学習用データ取得部202A、及び、機械学習部202Bを備える。制御部20は、需要供給管理機能203を実現する各部として、情報取得部203A、生成処理部203B、及び、出力処理部203Cを備える。
【0026】
以下、各機能200~203と、各データベース210~215の内容について説明する。
【0027】
(容器出資管理機能200)
図4は、容器出資管理機能200と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。情報処理装置2の制御部20は、主に流通管理データベース210(後述の図5参照)と、容器出資管理データベース211(後述の図6参照)とを用いて、容器出資管理機能200を実現する。
【0028】
情報処理装置2は、出資者U1から出資者端末装置3を介して出資情報D1を受け付けて(図4の矢印(1a))、その出資情報D1を容器出資管理データベース211に登録するとともに、その出資情報D1に基づいて出資対象の容器10の容器数量や仕様、内容物11の種類が設定された流通容器設定情報D2を生成し、容器10への出資を実施する(矢印(1b))。そして、情報処理装置2は、その出資対象の容器10が流通市場を流通する際、その容器10に付された情報記憶担体100が、読取装置(不図示)で読み取られたときに、容器10の各流通段階の状態を示す容器状態データを、情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7に関連付けて流通管理データベース210に登録するとともに、複数の容器10に対する容器状態データのデータセットとして収集データD3を容器出資管理データベース211に記憶する(矢印(1c))。読取装置は、例えば、コードリーダ、カメラ、電子タグリーダ等で構成され、固定式又はハンディ式でもよいし、携帯型コンピュータ(スマートフォン等)に組み込まれた組込式でもよい。読取装置は、流通市場における各流通段階で使用され、製造工場、物流拠点、輸送手段、販売店舗、消費者U7の自宅の冷蔵庫等の各所に設置される。
【0029】
さらに、情報処理装置2は、収集データD3に基づく容器流通情報D4を生成し(矢印(1d))、その容器流通情報D4を、情報利用者端末装置4を介して情報利用者U2に提供することで価値媒体13に変換する(矢印(1e))。そして、情報処理装置2は、その価値媒体13を出資情報D1に基づいて分配することで配当情報D6を生成し(矢印(1f))、その配当情報D6を容器出資管理データベース211に登録するとともに、その配当情報D6に基づいて出資者U1への配当を実施する(矢印(1g))。
【0030】
なお、容器10に対する出資の形態としては、例えば、内容物製造者U5が容器10を発注する場合において、その容器10の購入費用の一部又は全部に出資する形態や、容器製造者U4や容器洗浄者U6が容器10を製造したり洗浄したりする場合において、その容器10の製造費用や洗浄費用の一部又は全部に出資する形態等が挙げられる。出資対象の容器10は、内容物製造者U5からの発注に応じて内容物製造者U5に提供されるが、内容物製造者U5は、その出資された分の費用を支払う必要がなく、出資対象の容器10の提供を受けることができる。その一方で、内容物製造者U5は、その出資を受ける代わりに、出資対象の容器10の所有権を保有することなく、その出資対象の容器10を用いて収集データD3を収集することに許諾し、必要に応じて収集データD3の収集に協力することが求められる。
【0031】
図5は、流通管理データベース210の一例を示すデータ構成図である。流通管理データベース210は、容器識別情報D7(容器ID)毎にレコードを有する。各レコードは、容器状態データを登録するためのフィールドを有する。図5の例では、容器仕様、製造日時(洗浄日時)、製造場所(洗浄場所)、充填日時、充填場所、充填内容物種類、出荷日時、輸送時間、輸送温度、販売日時、販売場所、消費日時、消費場所、保管温度等が登録可能なフィールドを有する。なお、容器状態データは、容器識別情報D7が読取装置に読み取られたときに登録されるものであるが、容器状態データの一部は、読取装置と同様に各所に設置された状態検出装置(温度センサ等)で取得されてもよい。また、容器状態
データは、情報処理装置2が、外部のシステム(製造管理システム、輸送管理システム、販売管理システム等)と連携したり、外部のアプリ(ネットショッピングアプリ、冷蔵庫管理アプリ等)と連携したりすることで取得されてもよい。
【0032】
製造場所、洗浄場所、充填場所、販売場所、及び、消費場所等は、容器10が各流通段階を経て流通される際の位置に関する流通位置情報に相当する。また、容器10が各流通段階にて一時的に保管される場合(例えば、充填日時から出荷日時までの期間に保管される場合)や、倉庫等の保管場所で保管される場合には、製造場所、洗浄場所、充填場所、販売場所、及び、保管場所等は、容器10が在庫される際の位置に関する在庫位置情報に相当する。流通位置情報、及び、在庫位置情報は、例えば、それぞれの場所を示す緯度経度等の座標で記録されてもよいし、行政区画やメッシュ区画等のような地域やエリア等で記録されてもよい。
【0033】
図6は、容器出資管理データベース211の一例を示すデータ構成図である。容器出資管理データベース211は、容器出資管理機能200で取り扱う各種の情報を関連付けるための出資ID毎にレコードを有する。各レコードは、例えば、出資情報D1、流通容器設定情報D2、収集データD3、容器流通情報D4、価値媒体情報D5、配当情報D6等が登録可能なフィールドを有する。なお、容器出資管理データベース211は、管理事業者端末装置5から参照可能であり、管理事業者端末装置5の表示画面において、各データの追加、削除、修正等の編集操作が行われるようにしてもよい。
【0034】
出資情報D1は、出資者U1と、その出資者U1による出資金額とを少なくとも含む。出資者U1が複数の場合には、出資者U1毎の出資金額を含む。なお、出資情報D1は、出資対象の容器10の仕様、及び、出資対象の容器10に充填される内容物11の種類の少なくとも1つを含むものでもよい。
【0035】
流通容器設定情報D2は、出資対象の容器10の容器数量と、その出資対象の容器10を容器識別情報D7によりそれぞれ特定する出資対象容器IDとを少なくとも含む。なお、流通容器設定情報D2は、出資対象の容器10の仕様、及び、出資対象の容器10に充填される内容物11の種類の少なくとも1つを含むものでもよい。
【0036】
収集データD3は、出資対象の容器10が流通市場を流通することで取得された容器10毎の容器状態データで構成される。例えば、出資IDが「I001」で特定されるレコードにおいて、流通容器設定情報D2が、容器数量が「1000」、出資対象容器IDが「A0001~A1000」で設定されているような場合、収集データD3は、図5に示すように、1000個分の容器10に対する容器状態データで構成される。
【0037】
容器流通情報D4は、例えば、収集データD3に対して集計処理、統計処理、分析処理等のデータ解析処理を行うことで生成されたデータ解析結果等を含む。なお、容器流通情報D4は、データ解析結果に代えて又は加えて、収集データD3そのものを含むものでもよい。
【0038】
価値媒体情報D5は、価値媒体13の単位と、その価値媒体13の数量とを少なくとも含む。価値媒体13は、容器流通情報D4の提供と引き換えに情報利用者U2が受け渡す対価であり、例えば、任意の通貨(デジタル通貨を含む)で支払う場合には、価値媒体13の数量は、支払金額に相当する。
【0039】
配当情報D6は、出資者U1と、その出資者U1に対する配当金額とを少なくとも含む。出資者U1が複数の場合には、出資者U1毎の配当金額を含む。
【0040】
(容器購買管理機能201)
図7は、容器購買管理機能201と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。情報処理装置2の情報取得部201A及び記憶処理部201Bは、主にウェブ管理データベース212(後述の図8参照)と、容器購買管理データベース213(後述の図9参照)とを用いて、容器購買管理機能201を実現する。
【0041】
情報取得部201Aは、商品12を構成する容器10に付された情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7及びウェブアクセス情報D8に基づいて、当該商品12の消費者U7が当該容器10と同一仕様の容器(以下、「同一仕様容器」という)に充填可能な内容物11のうち購買希望の内容物11の種類(以下、「購買希望内容物種類」という)を示す購買情報D12を取得する。なお、同一仕様容器の条件は、管理事業者U3や容器製造者U4等により設定されて、記憶部21に記憶されていてもよい。その場合には、例えば、管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6Aの表示画面において、同一仕様容器の条件に対して編集操作が行われるようにしてもよい。
【0042】
具体的には、情報取得部201Aは、消費者端末装置7を用いて情報記憶担体100から読み取られたウェブアクセス情報D8に基づいてウェブサービスにアクセスされることで、当該ウェブサービスを介して購買情報D12を取得する。その際、情報取得部201Aは、ウェブサービスにアクセスされたときに消費者端末装置7から消費者U7に関する消費者情報D13をさらに取得してもよい。
【0043】
例えば、商品12を購入した消費者U7が消費者端末装置7を用いて、上記の読取装置と同様に、容器10に付された情報記憶担体100を読み取り(図7の矢印(2a))、情報記憶担体100に含まれるウェブアクセス情報D8に基づいてウェブサービスにアクセスする(矢印(2b))。そして、消費者端末装置7が、ウェブサービスにて提供される表示画面をブラウザやアプリに表示し(矢印(2c))、その表示画面において購買希望内容物種類や購買希望数量等を含む購買希望データD9の入力操作を消費者U7から受け付ける(矢印(2d))ことで、情報取得部201Aは、その購買希望データD9を、情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7に関連付けてウェブ管理データベース212に登録する(矢印(2e))。そして、複数の容器10(消費者U7)に対する購買希望データD9のデータセットとして購買情報D12を取得する。ウェブサービスは、購買希望データD9を、商品12に対する実際の注文として受け付けるものでもよいし、商品12の予約やアンケートの結果として受け付けるものでもよい。
【0044】
また、情報取得部201Aは、消費者U7の性別、年齢、嗜好、位置等のペルソナデータD10が消費者端末装置7のメモリに記憶されている場合にはそのメモリを参照したり、消費者端末装置7の表示画面にてペルソナデータD10の入力操作を消費者U7から受け付けたり、消費者端末装置7の位置検出機能により検出された位置情報を受信したしたりする(矢印(2f)、(2g))。これにより、情報取得部201Aは、そのペルソナデータD10を、情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7に関連付けてウェブ管理データベース212に登録する(矢印(2e))。そして、複数の容器10(消費者U7)に対するペルソナデータD10のデータセットとして消費者情報D13を取得する。
【0045】
なお、情報取得部201Aは、同一仕様容器が複数の流通段階を経て流通される際の流通情報、及び、複数の流通段階にて在庫される際の在庫情報のうち、少なくとも1つを含む容器管理情報D14をさらに取得してもよい(矢印(2h))。容器管理情報D14は、例えば、流通事業者端末装置6A~6Cから取得されてもよいし、流通管理データベース210の各フィールドに登録された情報(例えば、流通位置情報、在庫位置情報等)を参照することで取得されてもよいし、情報処理装置2が外部のシステム(製造管理システム、輸送管理システム、販売管理システム等)と連携することで取得されてもよい。
【0046】
記憶処理部201Bは、情報取得部201Aにより取得された購買情報D12を容器購買管理データベース213に記憶する(矢印(2i))。なお、記憶処理部201Bは、情報取得部201Aにより購買情報D12の他にも消費者情報D13や容器管理情報D14が取得された場合には、それらの消費者情報D13や容器管理情報D14を容器購買管理データベース213に記憶する(矢印(2i))。また、記憶処理部201Bは、情報取得部201Aにより取得された購買情報D12等を容器出資管理データベース211に記憶してもよく、その場合には、購買情報D12等は、容器流通情報D4の一部として、価値媒体13と引き換えに情報利用者U2に提供されてもよい。
【0047】
図8は、ウェブ管理データベース212の一例を示すデータ構成図である。ウェブ管理データベース212は、容器識別情報D7(容器ID)毎にレコードを有する。各レコードは、ウェブサービスを介して取得された購買希望データD9やペルソナデータD10を登録するためのフィールドを有する。図8の例では、取得日時、購買希望内容物種類、購買希望数量、消費者U7の性別、年齢、嗜好、位置等が登録可能なフィールドを有する。
【0048】
ペルソナデータD10に含まれる位置は、消費者U7の位置に関する消費者位置情報に相当する。消費者位置情報は、例えば、消費者U7の特定時点(例えば、ウェブサービスへのアクセス時点)における位置を示す緯度経度等の座標で記録される。なお、消費者位置情報は、住所や行動範囲のような位置を示すものでもよく、その場合には、行政区画やメッシュ区画等のような地域やエリア等で記録されてもよい。
【0049】
なお、ウェブ管理データベース212は、容器識別情報D7を介して流通管理データベース210と関連付けることも可能である。その場合には、容器識別情報D7を介して流通管理データベース210を参照することで、流通管理データベース210の各フィールドに登録された情報(例えば、流通位置情報、在庫位置情報等)を容器10毎に取得することができる。
【0050】
図9は、容器購買管理データベース213の一例を示すデータ構成図である。容器購買管理データベース213は、容器購買管理機能201で取り扱う各種の情報を関連付けるための管理ID毎にレコードを有する。各レコードは、例えば、管理情報D11、購買情報D12、消費者情報D13、容器管理情報D14等が登録可能なフィールドを有する。なお、容器購買管理データベース213は、管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6A~6Cから参照可能であり、管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6A~6Cの表示画面において、各データの追加、削除、修正等の編集操作が行われるようにしてもよい。
【0051】
管理情報D11は、管理対象の容器10の仕様と、管理対象の容器10を容器識別情報D7によりそれぞれ特定する管理対象容器IDとを少なくとも含む。管理対象容器IDでそれぞれ特定される複数の容器10は、同一仕様の容器である。
【0052】
購買情報D12は、管理対象の容器10に内容物11が充填された商品12の消費者U7からウェブサービスを介して取得された容器10毎の購買希望データD9で構成される。例えば、容器管理ID「J001」で特定されるレコードにおいて、管理情報D11が、容器10の仕様が「ガラス瓶200ml」、管理対象容器IDが「B0001~B1000」で設定されているような場合、購買情報D12は、図9に示すように、1000個分の同一仕様の容器10(ガラス瓶200ml)に対する購買希望データD9で構成される。なお、購買情報D12は、容器10毎の購買希望データD9そのものを含むものでもよいし、それに代えて又は加えて容器10毎の購買希望データD9に対して集計処理、統計処理、分析処理等のデータ解析処理を行うことで生成されたデータ解析結果を含むもの
でもよい。
【0053】
消費者情報D13は、管理対象の容器10に内容物11が充填された商品12の消費者U7からウェブサービスを介して取得された容器10毎のペルソナデータD10(性別、年齢、嗜好、位置等)で構成される。図9の例では、消費者情報D13は、1000個分の同一仕様の容器10(ガラス瓶200ml)に対するペルソナデータD10で構成される。なお、消費者情報D13は、容器10毎のペルソナデータD10そのものを含むものでもよいし、それに代えて又は加えて容器10毎のペルソナデータD10に対して集計処理、統計処理、分析処理等のデータ解析処理を行うことで生成されたデータ解析結果を含むものでもよい。
【0054】
容器管理情報D14は、管理対象の容器10と同一仕様の容器が複数の流通段階を経て流通される際の流通情報、及び、複数の流通段階にて在庫される際の在庫情報のうち、少なくとも1つを含む。流通情報は、例えば、各流通段階における流通数、流通率、流通時間、流通費用等である。在庫情報は、例えば、各流通段階における在庫数、在庫率、在庫時間、在庫費用である。
【0055】
なお、流通情報は、流通位置情報を含むものでもよい。流通位置情報としては、例えば、容器10が各流通段階を経て流通される際の各位置(製造場所、洗浄場所、充填場所、販売場所、及び、消費場所等)の情報が含まれる。その場合には、流通情報は、各位置における流通数、流通率、流通時間、流通費用等でもよい。
【0056】
また、在庫情報は、在庫位置情報を含むものでもよい。在庫位置情報としては、例えば、容器10が各流通段階にて在庫される際の各位置(製造場所、洗浄場所、充填場所、販売場所、及び、保管場所等)の情報が含まれる。その場合には、在庫情報は、各位置における在庫数、在庫率、在庫時間、在庫費用等でもよい。
【0057】
(学習機能202)
図10は、学習機能202と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。情報処理装置2の学習用データ取得部202A及び機械学習部202Bは、主に容器購買管理データベース213と、学習用データ管理データベース214(学習用データ記憶部)と、学習済みモデル管理データベース215(学習済みモデル記憶部)とを用いて、学習機能202を実現する。
【0058】
学習用データ取得部202Aは、学習対象の容器10の市場情報D15と、当該容器10の需要供給情報D16とで構成される学習用データD17を取得する。学習用データD17は、教師あり学習における教師データ(トレーニングデータ)、検証データ及びテストデータとして用いられるデータである。また、需要供給情報D16は、教師あり学習における正解ラベルとして用いられるデータである。
【0059】
学習用データD17の入力データを構成する市場情報D15は、学習対象の容器10に付された情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7及びウェブアクセス情報D8に基づいて取得された情報として、当該容器10で構成される商品12の消費者U7が当該容器10と同一仕様の容器に充填可能な内容物11のうち購買希望の内容物11の種類を示す購買情報D12を含む。
【0060】
購買情報D12は、学習モデルD18への入力を考慮して、例えば、複数の容器10(消費者U7)による購買希望データD9に基づくデータ解析結果であるのが好ましい。購買情報D12は、例えば、図10を示すように、購買希望内容物種類のそれぞれの割合を示すものであり、「水」を購入希望の割合、「ジュース」を購入希望の割合、「牛乳」を
購入希望の割合として表される。購買情報D12は、単一の種類の内容物11に対するものでもよく、例えば、「水」を購入希望の割合で表されてもよい。
【0061】
なお、市場情報D15は、学習対象の容器10で構成される商品12の消費者U7に関する消費者情報D13をさらに含むものでもよい。また、市場情報D15は、学習対象の容器10と同一仕様の容器が複数の流通段階を経て流通される際の流通情報と、複数の流通段階にて在庫される際の在庫情報とのうち、少なくとも1つを含む容器管理情報D14をさらに含むものでもよい。
【0062】
学習用データD17の出力データを構成する需要供給情報D16は、学習対象の容器10と同一仕様の容器に内容物11が充填された商品12の需要又は供給に関する情報である。需要供給情報D16は、例えば、商品12の需要に関する情報として、商品12の需要予測に関する需要予測情報、及び、商品12の供給に関する情報として、商品12の供給計画に関する供給計画情報のうち、少なくとも1つを含む。
【0063】
需要予測情報は、学習モデルD18からの出力を考慮して、例えば、内容物11の種類毎の需要度合を示す数値(図10に示すように、0~1の範囲で正規化された数値)や、内容物11の種類毎における各需要分類(「低い」、「普通」、「高い」等)に対するスコアで表される。なお、需要予測情報は、単一の種類の内容物11に対するものでもよく、例えば、「水」に対する需要度合を示す数値やスコアで表されてもよい。
【0064】
供給計画情報は、学習モデルD18からの出力を考慮して、例えば、内容物11の種類毎の供給度合を示す数値(図10に示すように、0~1の範囲で正規化された数値)や、内容物11の種類毎における各需要分類(「低い」、「普通」、「高い」等)に対するスコアで表される。なお、供給計画情報は、単一の種類の内容物11に対するものでもよく、例えば、「水」に対する供給度合を示す数値や分類値で表されてもよい。
【0065】
例えば、学習用データ取得部202Aは、容器購買管理データベース213に登録された購買情報D12、消費者情報D13及び容器管理情報D14を参照したり、管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6A~6Cから入力操作を受け付けたりすることにより、学習用データD17を構成する市場情報D15を取得する。また、学習用データ取得部202Aは、外部のシステム(製造管理システム、輸送管理システム、販売管理システム等)に実績値、計画値、シミュレーション値等として登録された需要供給情報D16を参照したり、管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6A~6Cから入力操作を受け付けたりすることにより、学習用データD17を構成する需要供給情報D16を取得する。
【0066】
学習用データ管理データベース214は、学習用データ取得部202Aにより取得された学習用データD17を複数組記憶する。
【0067】
機械学習部202Bは、学習用データ管理データベース214に記憶された複数組の学習用データD17を用いて機械学習を実施する。すなわち、機械学習部202Bは、学習モデルD18に学習用データD17を複数組入力し、学習用データD17に含まれる市場情報D15と需要供給情報D16との相関関係を学習モデルD18に学習させることで、学習済みの学習モデルD18を生成する。機械学習部202Bは、機械学習を実施する際、例えば、オンライン学習、バッチ学習、ミニバッチ学習等の任意の手法を採用することができる。なお、機械学習部202Bは、学習モデルD18に入力する入力データ(市場情報D15)に対して所定の前処理を行うようにしてもよいし、学習モデルD18から出力される出力データ(需要供給情報D16)に対して所定の後処理を行うようにしてもよい。
【0068】
学習モデルD18は、例えば、ニューラルネットワークの構造を採用したものであり、入力層110、中間層111、及び、出力層112を備える。各層の間には、各ニューロンをそれぞれ接続するシナプス(不図示)が張られており、各シナプスには、重みがそれぞれ対応付けられている。各シナプスの重みからなる重みパラメータ群が、機械学習により調整される。
【0069】
入力層110は、入力データとしての市場情報D15に対応する数のニューロンを有し、市場情報D15の各値が各ニューロンにそれぞれ入力される。出力層112は、出力データとしての需要供給情報D16に対応する数のニューロンを有し、市場情報D15に対する需要供給情報D16の予測結果(推論結果)が、出力データとして出力される。学習モデルD18が、回帰モデルで構成される場合には、需要供給情報D16は、例えば、図11に示すように、内容物11の種類毎の需要度合を示す数値(0~1の範囲で正規化された数値)と、内容物11の種類毎の供給度合を示す数値(0~1の範囲で正規化された数値)とで出力される。また、学習モデルD18が、分類モデルで構成される場合には、需要供給情報D16は、例えば、内容物11の種類毎における各需要分類に対するスコアと、内容物11の種類毎における各供給分類に対するスコアとで出力される。
【0070】
学習済みモデル管理データベース215は、機械学習部202Bにより生成された学習済みの学習モデルD18(具体的には、調整済みの重みパラメータ群)を記憶する。学習済みモデル管理データベース215に記憶された学習済みの学習モデルD18は、ネットワーク8や記録媒体等を介して他のシステムに提供されてもよい。また、学習済みの学習モデルD18は、容器出資管理データベース211に記憶されてもよく、その場合には、学習済みの学習モデルD18は、容器流通情報D4の一部として、価値媒体13と引き換えに情報利用者U2に提供されてもよい。
【0071】
なお、本実施形態では、学習用データD17及び学習モデルD18のデータ構成は、図10で示すように構成される場合について説明したが、例えば、機械学習の手法、容器10の仕様、市場情報D15に含まれるデータの種類、需要供給情報D16に含まれるデータの種類等のように、条件が異なる複数のデータ構成を採用してもよい。その場合には、学習用データ取得部202Aは、条件が異なる複数のデータ構成にそれぞれ対応する複数種類の学習用データD17を取得するとともに、機械学習部202Bは、それらの学習用データD17をそれぞれ用いて機械学習を実施し、学習済みの学習モデルD18を学習済みモデル管理データベース215に記憶すればよい。
【0072】
(需要供給管理機能203)
図11は、需要供給管理機能203と、情報の流れの一例を示す機能説明図である。情報処理装置2の情報取得部203A、生成処理部203B及び出力処理部203Cは、主に容器購買管理データベース213と、学習済みモデル管理データベース215とを用いて、需要供給管理機能203を実現する。
【0073】
情報取得部203Aは、予測対象の容器10の市場情報D15を取得する。例えば、情報取得部203Aは、容器購買管理データベース213を参照し、容器購買管理データベース213に登録された購買情報D12を、予測対象の容器10の市場情報D15として取得する。なお、予測対象の容器10の市場情報D15は、購買情報D12の他に、図11に示すように、消費者情報D13及び容器管理情報D14の少なくとも一方をさらに含むものでもよい。
【0074】
生成処理部203Bは、情報取得部203Aにより取得された予測対象の容器10の市場情報D15を入力データとして学習モデルD18に入力することで出力される需要供給情報D16に基づいて、予測対象の容器10の市場情報D15に対する需要供給情報D1
6を生成する。なお、生成処理部203Bは、学習モデルD18に入力する入力データ(市場情報D15)に対して所定の前処理を行うようにしてもよいし、学習モデルD18から出力される出力データ(需要供給情報D16)に対して所定の後処理を行うようにしてもよい。
【0075】
生成処理部203Bにて用いられる学習モデルD18は、学習済みモデル管理データベース215に記憶された学習済みの学習モデルD18である。なお、条件が異なる複数の学習モデルD18が学習済みモデル管理データベース215に記憶されている場合には、生成処理部203Bは、例えば、市場情報D15や需要供給情報D16に含まれるデータの種類に合わせて、複数の学習モデルD18を選択的又は並列的に用いてもよい。
【0076】
出力処理部203Cは、生成処理部203Bにより生成された需要供給情報D16を出力するための出力処理を行う。例えば、出力処理部203Cは、需要供給情報D16を管理事業者端末装置5や流通事業者端末装置6A~6Cに送信してもよい。また、出力処理部203Cは、需要供給情報D16を容器購買管理データベース213や容器出資管理データベース211に記憶してもよい。その際、容器出資管理データベース211に記憶された需要供給情報D16は、容器流通情報D4の一部として、価値媒体13と引き換えに情報利用者U2に提供されてもよい。
【0077】
図12は、各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【0078】
容器流通システム1における各装置2~7の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。コンピュータ900は、図12に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0079】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0080】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0081】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1のネットワーク8と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外
部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置、メモリカードスロット、USBコネクタで構成され、DVD、CD、メモリカード、USBメモリ等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0082】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0083】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。
【0084】
(容器流通システム1の動作)
以下、容器流通システム1の動作として、情報処理装置2により実現される各機能201~203について説明する。なお、情報処理装置2は、各情報D1~D16を登録したり参照したりするために、各データベース210~215にアクセスするが、以下では、そのアクセスする動作については適宜省略して説明する。
【0085】
(容器購買管理方法)
図13は、容器購買管理機能201による容器購買管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS100にて、商品12を購入した消費者U7が消費者端末装置7を用いて、商品12を構成する容器10に付された情報記憶担体100を読み取る。その結果、消費者端末装置7は、情報記憶担体100に含まれるウェブアクセス情報D8に基づいてウェブサービスにアクセスし、ウェブサービスに基づく表示画面を表示する。
【0087】
次に、ステップS110にて、消費者端末装置7は、その表示画面において購買希望内容物種類や購買希望数量等を含む購買希望データD9の入力操作を消費者U7から受け付けると、その購買希望データD9を、情報記憶担体100に含まれる容器識別情報D7とともに情報処理装置2に送信する。
【0088】
そして、ステップS120にて、情報処理装置2の情報取得部201Aは、消費者端末装置7から購買希望データD9及び容器識別情報D7を受信し、その購買希望データD9
を容器識別情報D7に関連付けてウェブ管理データベース212に登録する。なお、購買希望データD9とともにペルソナデータD10が取得された場合には、ウェブ管理データベース212には、ペルソナデータD10についても登録される。
【0089】
上記のステップS100~S120が、商品12を購入した複数の消費者U7によりそれぞれ行われることで、ウェブ管理データベース212には、複数の容器10(消費者U7)に対する購買希望データD9が蓄積される。
【0090】
次に、ステップS130にて、情報取得部201Aは、ウェブ管理データベース212を参照し、複数の容器10(消費者U7)に対する購買希望データD9のデータセットとして購買情報D12を取得する。なお、ウェブ管理データベース212にペルソナデータD10も登録されている場合には、情報取得部201Aは、複数の容器10(消費者U7)に対するペルソナデータD10のデータセットとして消費者情報D13を取得する。さらに、情報取得部201Aは、容器管理情報D14を取得してもよい。
【0091】
次に、ステップS140にて、記憶処理部201Bは、情報取得部201Aにより取得された購買情報D12を容器購買管理データベース213に記憶する。なお、情報取得部201Aにより消費者情報D13や容器管理情報D14が取得されている場合には、情報取得部201Aは、消費者情報D13や容器管理情報D14を容器購買管理データベース213に記憶する。
【0092】
上記のようにして、図13に示す一連の容器購買管理方法が終了する。なお、容器購買管理方法において、ステップS100~S130が情報取得工程、ステップS140が記憶処理工程にそれぞれ相当する。
【0093】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置2の容器購買管理機能201及び容器購買管理方法(情報処理方法)によれば、商品12を構成する容器10に付された情報記憶担体100に含まれるウェブアクセス情報D8に基づいて、当該商品12の消費者U7が当該容器10と同一仕様の容器に充填可能な内容物11のうち購買希望の内容物11の種類を示す購買情報D12を取得し、その購買情報D12が容器購買管理データベース213(記憶装置)に記憶される。したがって、購買情報D12を利活用することで容器10を安定的に流通させることができる。
【0094】
例えば、複数の種類の内容物11に対して同一仕様の容器が用いられる多品種少量生産を行う場合に、購買情報D12に基づいて、消費者U7の需要予測や流通事業者(容器製造者U4、内容物製造者U5及び容器洗浄者U6等)の供給計画を高精度に実現することが可能になるので、容器10を安定的に流通させることができる。特に、出資対象の容器10に対して上記のような購買情報D12を取得することで、出資対象の容器10を用いた商品12の需要予測や供給計画が高精度に実現されて、出資対象の容器10の流通が流通市場にて促進されるので、出資対象の容器10による収集データD3が迅速かつ確実に収集される。これにより、出資に対する配当を確実に実施することができるので、容器出資管理機能200の付加価値を向上させることができる。
【0095】
(機械学習方法)
図14は、学習機能202による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【0096】
まず、ステップS200において、情報処理装置2の学習用データ取得部202Aは、機械学習を開始するための事前準備として、所望の数の学習用データD17を取得し、その取得した学習用データD17を学習用データ管理データベース214に記憶する。ここで準備する学習用データD17の数については、最終的に得られる学習モデルD18に求
められる推論精度を考慮して設定すればよい。
【0097】
次に、ステップS210において、機械学習部202Bは、機械学習を開始すべく、学習前の学習モデルD18を準備する。ここで準備する学習前の学習モデルD18は、図10に例示したニューラルネットワークのモデルで構成されており、各シナプスの重みが初期値に設定されている。
【0098】
次に、ステップS220において、機械学習部202Bは、学習用データ管理データベース214に記憶された複数組の学習用データD17から、例えば、ランダムに1組の学習用データD17を取得する。
【0099】
次に、ステップS230において、機械学習部202Bは、1組の学習用データD17に含まれる市場情報D15(入力データ)を、準備された学習前(又は学習中)の学習モデルD18の入力層110に入力する。その結果、学習モデルD18の出力層112から推論結果として需要供給情報D16(出力データ)が出力されるが、当該出力データは、学習前(又は学習中)の学習モデルD18によって生成されたものである。そのため、学習前(又は学習中)の状態では、推論結果として出力された出力データは、学習用データD17に含まれる需要供給情報D16(正解ラベル)とは異なる情報を示す。
【0100】
次に、ステップS240において、機械学習部202Bは、ステップS220において取得された1組の学習用データD17に含まれる需要供給情報D16(正解ラベル)と、ステップS230において出力層112から推論結果として出力された需要供給情報D16(出力データ)とを比較し、各シナプスの重みを調整する処理(バックプロパゲーション)を実施することで、機械学習を実施する。これにより、機械学習部202Bは、市場情報D15と需要供給情報D16との相関関係を学習モデルD18に学習させる。
【0101】
次に、ステップS250において、機械学習部202Bは、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、例えば、学習用データD17に含まれる需要供給情報D16(正解ラベル)と、推論結果として出力された需要供給情報D16(出力データ)とに基づく誤差関数の評価値や、学習用データ管理データベース214内に記憶された未学習の学習用データD17の残数に基づいて判定する。
【0102】
ステップS250において、機械学習部202Bが、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合(ステップS250でNo)、ステップS220に戻り、学習中の学習モデルD18に対してステップS220~S240の工程を未学習の学習用データD17を用いて複数回実施する。一方、ステップS250において、機械学習部202Bが、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場合(ステップS250でYes)、ステップS260に進む。
【0103】
そして、ステップS260において、機械学習部202Bは、各シナプスに対応付けられた重みを調整することで生成された学習済みの学習モデルD18(調整済みの重みパラメータ群)を学習済みモデル管理データベース215に記憶する。
【0104】
上記のようにして、図14に示す一連の機械学習方法を終了する。機械学習方法において、ステップS200が学習用データ記憶工程、ステップS210~S250が機械学習工程、ステップS260が学習済みモデル記憶工程に相当する。
【0105】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置2の学習機能202及び機械学習方法によれば、商品12を構成する容器10に付された情報記憶担体100に含まれるウェブアクセス情報D8に基づいて取得された情報として、少なくとも購買情報D12を含む、学
習対象の容器10の市場情報D15と、当該容器10と同一仕様の容器に内容物11が充填された商品12の需要又は供給に関する情報を内容物11の種類毎に含む需要供給情報D16との相関関係を学習モデルD18に学習させるので、予測対象の容器10の市場情報D15から当該容器10の需要供給情報D16を生成(推論)することが可能な学習モデルD18を提供することができる。
【0106】
(需要供給管理方法)
図15は、需要供給管理機能203による需要供給管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、ステップS300において、情報処理装置2の情報取得部203Aは、例えば、管理事業者端末装置5から予測対象の容器10を容器識別情報D7により特定する予測対象容器IDを受け付けると、容器購買管理データベース213を参照し、その予測対象容器IDが含まれる管理IDを特定する。そして、情報取得部203Aは、その管理IDに関連付けられた購買情報D12、消費者情報D13及び容器管理情報D14を、予測対象の容器10の市場情報D15として取得する。なお、情報取得部203Aは、容器識別情報D7に代えて、例えば、容器10の仕様等の他の情報を受け付けることで、予測対象の容器10の市場情報D15を取得してもよい。
【0108】
次に、ステップS310において、生成処理部203Bは、ステップS300にて取得された予測対象の容器10の市場情報D15を学習モデルD18に入力することで、当該市場情報D15に対する需要供給情報D16を出力データとして生成する。
【0109】
次に、ステップS320において、出力処理部203Cは、ステップS310にて生成された予測対象の容器10の需要供給情報D16を出力するための出力処理として、その需要供給情報D16を管理事業者端末装置5に送信する。そして、管理事業者端末装置5が、その需要供給情報D16に基づいて表示画面を表示することで、その容器10の需要供給情報D16が管理事業者U3に提示される。なお、需要供給情報D16の送信先は、管理事業者端末装置5に加えて又は代えて、流通事業者端末装置6A~6Cでもよい。
【0110】
上記のようにして、図15に示す一連の需要供給管理方法を終了する。上記の需要供給管理方法において、ステップS300が情報取得工程、ステップS310が生成処理工程、ステップS320が出力処理工程に相当する。
【0111】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置2の需要供給管理機能203及び需要供給管理方法(情報処理方法)によれば、商品12を構成する容器10に付された情報記憶担体100に含まれるウェブアクセス情報D8に基づいて、当該商品12の消費者U7が当該容器10と同一仕様の容器に充填可能な内容物11のうち購買希望の内容物11の種類を示す購買情報D12を、予測対象の容器10の市場情報D15として取得し、その市場情報D15を学習モデルD18に入力することで、当該容器10と同一仕様の容器に内容物11が充填された商品12の需要又は供給に関する情報を内容物11の種類毎に含む需要供給情報D16が生成される。したがって、需要供給情報D16を利活用することで容器10を安定的に流通させることができる。
【0112】
例えば、出資対象の容器10を、予測対象の容器10として扱うことで、出資対象の容器10の市場情報D15に対して上記のような需要供給情報D16が生成される。そして、その需要供給情報D16を用いて、出資対象の容器10の流通を流通市場にて活性化することで、出資対象の容器10による収集データD3が迅速かつ確実に収集される。これにより、出資に対する配当を確実に実施することができるので、容器出資管理機能200の付加価値を向上させることができる。
【0113】
また、市場情報D15に含まれる容器管理情報D14が、流通位置情報や在庫位置情報を含む場合には、各流通段階における容器10の位置、すなわち、流通動線における容器10の分布や滞留状況等の流通状態が考慮された状態で、上記のような需要供給情報D16が生成される。これにより、容器10の流通状態に応じて、より正確な需要予測や供給計画を実現することができる。
【0114】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0115】
上記実施形態では、情報処理装置2が備える複数の機能200~203は、1つの装置で実現されるものとして説明したが、各機能200~203が複数の装置(コンピュータ)に分散されることで複数の装置で実現されてもよい。その際、4つの機能200~203のそれぞれが単一の装置で実現されてもよいし、4つの機能200~203のうち任意の2つ又は3つの機能が単一の装置で実現されてもよい。
【0116】
上記実施形態では、情報処理装置2が、図13乃至図15に示すフローチャートに従って動作する場合について説明したが、各工程(各部)の一部が省略されてもよいし、他の工程が追加されてもよい。その際、省略した各工程(各部)は、外部のシステム(製造管理システム、輸送管理システム、販売管理システム、データ解析システム等)で実行されてもよい。
【0117】
上記実施形態では、学習機能202による機械学習を実現する学習モデルD18として、ニューラルネットワークを採用した場合について説明したが、他の機械学習のモデルを採用してもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、LSTM等のニューラルネット型(ディープラーニング
を含む)、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のク
ラスタリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクターマシン等が挙げられる。
【0118】
(推論装置、推論方法及び推論プログラム)
本発明は、上記実施形態に係る情報処理装置2(方法又はプログラム)の態様によるもののみならず、推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することもできる。その場合、推論装置(推論方法又は推論プログラム)としては、メモリと、プロセッサとを含み、このうちのプロセッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、容器に付された情報記憶担体に含まれるウェブアクセス情報に基づいて、少なくとも購買情報を、推論対象の容器の市場情報として取得する情報取得処理(情報取得工程)と、情報取得処理にて推論対象の容器の市場情報を取得すると、当該推論対象の容器に対する需要供給情報を推論する推論処理(推論工程)とを含む。
【0119】
推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することで、情報処理装置を実装する場合に比して簡単に種々の装置への適用が可能となる。推論装置(推論方法又は推論プログラム)が需要供給情報を推論する際、上記実施形態に係る機械学習装置及び機械学習方法により生成された学習済みの学習モデルを用いて、生成処理部が実施する推論手法を適用してもよいことは、当業者にとって当然に理解され得るものである。
【符号の説明】
【0120】
1…容器流通システム、2…情報処理装置、3…出資者端末装置、
4…情報利用者端末装置、5…管理事業者端末装置、6A~6C…流通事業者端末装置、7…消費者端末装置、8…ネットワーク、10…容器、11…内容物、12…商品、
20…制御部、21…記憶部、22…通信部、23…入力部、24…表示部、
100…情報記憶担体、200…容器出資管理機能、
201…容器購買管理機能、201A…情報取得部、201B…記憶処理部、
202…学習機能、202A…学習用データ取得部、202B…機械学習部、
203…需要供給管理機能、203A…情報取得部、203B…生成処理部、
203C…出力処理部、210…流通管理データベース、
211…容器出資管理データベース、212…ウェブ管理データベース、
213…容器購買管理データベース、214…学習用データ管理データベース、
215…モデル管理データベース、216…情報処理プログラム、
D1…出資情報、D2…流通容器設定情報、D3…収集データ、
D4…容器流通情報、D5…価値媒体情報、D6…配当情報、D7…容器識別情報、
D8…ウェブアクセス情報、D9…購買希望データ、D10…ペルソナデータ、
D11…管理情報、D12…購買情報、D13…消費者情報、
D14…容器管理情報、D15…市場情報、D16…需要供給情報、
D17…学習用データ、D18…学習モデル、
U1…出資者、U2…情報利用者、U3…管理事業者、U4…容器製造者、
U5…内容物製造者、U6…容器洗浄者、U7…消費者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15