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  • 特許-水砕製造設備及び水砕の製造方法 図1
  • 特許-水砕製造設備及び水砕の製造方法 図2
  • 特許-水砕製造設備及び水砕の製造方法 図3
  • 特許-水砕製造設備及び水砕の製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】水砕製造設備及び水砕の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 5/02 20060101AFI20241106BHJP
   C21B 3/08 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C04B5/02 A
C21B3/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023036202
(22)【出願日】2023-03-09
(65)【公開番号】P2023159028
(43)【公開日】2023-10-31
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】P 2022068751
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】金山 晋之介
(72)【発明者】
【氏名】横山 寛礼
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】深田 航平
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特公平04-075053(JP,B2)
【文献】特公昭48-008335(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第1769498(CN,A)
【文献】特開昭53-086699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00-32/02
C04B 40/00-40/06
C21B 3/00- 5/06
C21B 11/00-15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹製箱と、前記吹製箱内に向けて水を吐出する複数の吐出孔を有する吹製ノズルと、を有する水砕製造設備において、
前記吹製ノズルは、前記吐出孔より広く、かつスリット状に形成された開口を有し、
前記開口の高さが30mm以上65mm以下であり、
前記開口の開口面積及び、複数の前記吐出孔の開口面積の合計の和に対する、前記開口の開口面積の割合が、0.55以上0.65以下である、水砕製造設備。
【請求項2】
前記吹製ノズルは、プレート状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水砕製造設備。
【請求項3】
前記吹製ノズルは、前記吹製箱の内壁の下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の水砕製造設備。
【請求項4】
前記開口は、前記吐出孔の各々よりも下方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水砕製造設備。
【請求項5】
前記開口は、前記吹製ノズルの縁に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水砕製造設備。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の水砕製造設備を用いて、水砕を製造することを特徴とする水砕の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水砕の堆積による突沸を防止する水砕製造設備及び水砕の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水砕製造設備は、銑鉄を製造する高炉で発生した溶滓に、高圧の冷却水を衝突させることにより、粒状に固化した水砕スラグ(以下、単に「水砕」ともいう。)を製造する。
【0003】
具体的には、水砕製造設備では、まず、高炉から出銑樋に溶滓が排出される。出銑樋に排出された溶滓は、吹製箱において高圧の冷却水と衝突して急冷される。吹製箱で溶滓が急冷されると、固化してスラリー状の水砕が生成する。生成した水砕は、コールドランナーを介して水砕槽に移送される。水砕槽の水砕は、脱水設備で脱水された後に成品槽へ搬送される。
【0004】
一方、脱水設備において水砕から分離された水は、温水槽から冷却塔を経て冷水槽へ送られる。冷水槽の水は、ポンプで吹製箱に移送され、冷却水として再利用される。
【0005】
ところで、冷却水は、吹製箱に設置されたノズルプレートの吐出孔から吐出される。また、冷却水には、脱水設備において分離しきれなかった水砕が混入する場合がある。冷却水に混入した水砕は、冷却水の搬送経路にフィルターを設置することで分離して除去することが可能であるが、水砕製造設備を停止させて定期的にフィルター清掃をする必要がある。このため、冷却水の搬送経路にフィルターを設置することは一般的に行われず、脱水設備において分離しきれなかった水砕は、ノズルプレートの吐出孔が詰まる要因となる。
【0006】
ノズルプレートの吐出孔に水砕が詰まると、吹製箱に提供される冷却水の流量が低下する。冷却水の流量が低下すると、冷却水の水圧を所定値以上に確保することが困難となる。このため、コールドランナー上に水砕が堆積し、水砕の層が想定よりも厚く形成される。
【0007】
このように、ノズルプレートの詰まりや、他の何らかの理由でコールドランナー上に水砕が堆積すると、冷却水が水砕の層の中に閉じ込められる。水砕の層の中に閉じ込められた冷却水は、急激に蒸気化する。しかし、水砕が想定されているよりも堆積すると、当該水砕の層の蒸気が解放されにくくなる。その結果、水砕の層の内の圧力が高まり、突沸が発生するおそれがある。このような突沸を防止するため、吹製箱に提供される冷却水の流量が低下すると、水砕製造設備の稼働を停止し、ノズルプレートの吐出孔に詰まった水砕を手作業によって除去している。
【0008】
水砕製造設備における突沸防止に関する技術として、たとえば、コールドランナー内に設置された圧力計に基づいて、冷却水の水量を自動制御することが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開昭61-138524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の高炉溶滓の水砕装置では、冷却水の水量を制御することはできる。しかしながら、特許文献1の高炉溶滓の水砕装置では、ノズルプレートが詰まることによる局所的な冷却水の流量低下を防止することができない問題がある。したがって、特許文献1の高炉溶滓の水砕装置では、コールドランナーで水砕が堆積し、上述の問題が発生するおそれがある。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、水砕の堆積による突沸を防止することが可能な水砕製造設備及び水砕の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
【0013】
[1]
吹製箱と、前記吹製箱に向けて水を吐出する複数の吐出孔を有する吹製ノズルと、を有する水砕製造設備において、
前記吹製ノズルは、前記吐出孔より広く、かつスリット状に形成された開口を有することを特徴とする水砕製造設備。
[2]
前記吹製ノズルは、プレート状に形成されていることを特徴とする[1]に記載の水砕製造設備。
[3]
前記開口の開口面積及び、複数の前記吐出孔の開口面積の合計の和に対する、前記開口の前記開口面積の割合が、0.50以上0.65以下である請求項1又は2に記載の水砕製造設備。
[4]
前記開口の高さが30mm以上65mm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の水砕製造設備。
[5]
前記吹製ノズルは、前記吹製箱の内壁の下方に配置されることを特徴とする[1]に記載の水砕製造設備。
[6]
前記開口は、前記吐出孔の各々よりも下方に形成されていることを特徴とする[1]に記載の水砕製造設備。
[7]
前記開口は、前記吹製ノズルの縁に形成されていることを特徴とする[1]に記載の水砕製造設備。
[8]
[1]に記載の水砕製造設備を用いて、水砕を製造することを特徴とする水砕の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水砕の成品の粒度などの性状は維持したまま、吹製箱に設置された吹製ノズルの詰まりを防止することができ、かつ水砕の堆積による突沸を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】水砕製造設備の全体構成を示す説明図である。
図2図1の吹製箱の構成を示す説明図である。
図3図2のA-A線に沿った吹製箱の断面図である。
図4】ノズルプレートの拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、水砕製造設備100の全体構成を示している。図1に示すように、水砕製造設備100は、図示しない高炉から排出された溶滓を処理して水砕を製造する。水砕製造設備100は、溶滓が提供される出銑樋10、出銑樋10の先端側に設けられている吹製箱20、吹製箱20で生成された水砕を運搬するコールドランナー30、コールドランナー30の先端側に設けられている水砕槽40、水砕槽40に貯留された水砕を脱水する脱水設備50、脱水設備50で脱水された水砕が貯留される成品槽60、脱水設備50で脱水された水が貯留される温水槽70、温水槽70から流入した水が冷却される冷却塔80及び、冷却塔80において水が貯留される冷水槽90を備えている。
【0017】
出銑樋10は、軸方向に垂直な断面がU字状に形成されている。出銑樋10は、例えば、高炉(図示せず)に設置された出銑口(図示せず)に接し、かつ先端側が基端側よりも低くなるように配置されている。したがって、高炉の出銑口が開口されると、溶滓が当該出銑口から放物線を描いて出銑樋10に流入し、その先端側に移動する。
【0018】
吹製箱20は、一端及び他端が開口した筒状に形成されている。吹製箱20は、当該開口が出銑樋10の先端側と接続されている。したがって、溶滓は、出銑樋10を介して開口から吹製箱20に流入する。
【0019】
コールドランナー30は、吹製箱20と水砕槽40との間に設けられている水砕の流路である。コールドランナー30は、例えば、樋状に形成されるもので、基端側が吹製箱20に接続され、先端側が水砕槽40に接続されている。コールドランナー30は、先端側が基端側よりも低くなるように設けられている。吹製箱20から供給された水砕は、スラリー状である。したがって、コールドランナー30の水砕は、基端側から先端側へと移動する。
【0020】
水砕槽40は、コールドランナー30の先端側に接続され、水砕を貯留可能に槽状に形成されている。したがって、コールドランナー30を移動した水砕は、その先端から水砕槽40に流入する。また、水砕槽40は、その上方に排気塔41を有する。したがって、コールドランナー30及び水砕槽40で発生した蒸気は、排気塔41から外部に排出される。
【0021】
脱水設備50は、水砕槽40の底部側に設けられた流路に接続されている。脱水設備50としては、水砕に含まれている水を脱水することができれば特には限定されないが、例えば、横型円筒状の回転ドラムフィルターを用いることができる。
【0022】
成品槽60は、脱水された水砕が貯留可能な槽状に形成されている。成品槽60としては、特には限定されないが、例えば、ホッパー等を用いることができる。成品槽60に貯留された水砕は、所定の加工がされた後にスラグ製品として利用される。
【0023】
温水槽70は、脱水設備50の下方に設けられている。温水槽70は、上方が開口した槽状に形成されている。したがって、脱水設備50で脱水された水は、流下して温水槽70に貯留される。
【0024】
冷却塔80は、温水槽70から圧送された水を貯留可能な槽状に形成された冷水槽90を底部に有する。本実施形態においては、冷却塔80の天井には、冷水槽90に向けて送風可能な送風装置が設けられている。また、冷水槽90と天井との間には、温水槽70から圧送された水が流入する配管が挿入されている。したがって、配管から冷却塔80に流入した水は、送風装置の風によって冷却される。
【0025】
冷却塔80の冷水槽90は、流路91を介して吹製箱20に接続されている。本実施形態においては、流路91には、吹製箱20に水を圧送可能なポンプが設けられている。
【0026】
以上のように、水砕製造設備100は、冷却水が吹製箱20、コールドランナー30、水砕槽40、脱水設備50、温水槽70、冷却塔80及び冷水槽90を循環可能な構成を有し、当該冷却水を再利用している。
【0027】
図2は、吹製箱20の構成を示している。図2に示すように、吹製箱20は、その内方に向けて冷却水を吐出する吐出部21を有する。吐出部21は、吹製箱20内に向けて冷却水を吐出する吹製ノズルとしてのノズルプレート22及び、冷水槽90の流路91に接続されている冷却水の流路23を有する。
【0028】
したがって、出銑樋10から吹製箱20に流入した溶滓は、吐出部21から吐出された高圧の冷却水と衝突して急冷される。これにより、溶滓は、固化して水砕となる。
【0029】
このように、本実施形態においては、吹製箱20にはその内部の空間を仕切る仕切がない。このため、溶滓が急冷した際に生成する水砕の移動を妨げることを防止することができる。これにより、効率的に水砕を生成することができ、また水砕の移動をスムーズにすることが可能となる。
【0030】
図3は、図2のA-A線に沿った吹製箱20の断面を示している。図3に示すように、吹製箱20の吐出部21は、冷却水の流路23を有する。本実施形態においては、流路23は、その軸方向に垂直な断面がU字状に形成されている。流路23の先端側には、吹製ノズルとしてのノズルプレート22が設けられている。
【0031】
ノズルプレート22は、板状(プレート状)に形成されるもので、本実施形態においては、半円の円板状に形成されている。ノズルプレート22は、一の面から垂直な方向、すなわち、冷却水の進行方向からみて円状に形成された複数の吐出孔24を有する。各々の吐出孔24は、一の面から他の面にかけて貫通して形成されている。各々の吐出孔24は、本実施形態においては、流路23の高さ方向及び幅方向において、一定の間隔を有するように列状に配列されている。このように吐出孔24が形成されることにより、吹製箱20に流入した溶滓に対して一様に高圧の冷却水を吐出することができる。
【0032】
ノズルプレート22は、スリット状に形成されている開口25を有する。開口25は、本実施形態においては、ノズルプレート22の下端側の縁を切り欠いて、すなわち、その円弧を切り欠いて形成されている。より詳しくは、開口25は、ノズルプレート22の下端側において、その円弧から中心向かって窪むようにして形成されている。
【0033】
尚、ノズルプレート22が設けられている位置、すなわち、スリット状の開口25が形成されている位置は、特に限定されないが、吹製箱20内の側壁の下端に沿いに設けられていることが好ましい。これにより、吹製箱20の底部にむけて冷却水を吐出することが可能となる。発明者らが調査したところ、水砕は吹製箱20の下部に堆積する傾向があることを見出した。このことから、水砕の堆積を防止するためには、スリット状の開口25の位置が吹製箱20の下部、好ましくは吹製箱20の内壁の下端に沿い配置されているとよい。
【0034】
また、開口25が吐出孔24よりも上方に形成されていると、吹製箱20に流入する溶滓は、開口25から吐出された冷却水と最初に接触する。開口25から吐出された冷却水は、吐出孔24から吐出される冷却水よりも水量が多く、かつ同冷却水と同等の高い水圧で吐出されるため、水砕が弾き飛び、一定の粒径で水砕を生成することができないおそれがある。このような観点からも、開口25は吐出孔24よりも下方に設けることが好ましい。このように開口25を配置することで、吐出孔24から吐出される冷却水の水流に溶滓を取込んだ後、スリット状の開口25から吐出される冷却水によって底部側の水砕を進行に方向に押し流すことができる。
【0035】
出銑樋10は、吹製箱20の上方に設けられている。出銑樋10は、被覆部11と、被覆部11によって覆われている本体部12と、を有する。
【0036】
図4は、ノズルプレート22の正面を拡大して示している。図4に示すように、開口25は、吐出孔24よりも広く開口して(開口面積が広く)形成されている。具体的には、開口25は、その高さD1を有して形成されている。開口25の高さD1は、30以上65mm以下であるとよく、35mm以上60mm以下であることが好ましい。また、開口25の開口面積及び、複数の吐出孔24の開口面積の合計の和に対する、開口25の開口面積の割合が0.50以上0.65以下であることが好ましく、0.55以上0.60以下であることがさらに好ましい。
【0037】
発明者らがノズルプレート22の吐出孔24に詰まる水砕について調査したところ、平均粒径が40mmであった。したがって、高さD1は30mm以上65mm以下とすることが好ましい。開口25の高さD1が30mm未満であると、プレート閉塞(開口25に水砕が詰まること)といった不具合が生じることが確認されている。また、開口25の開口面積及び、複数の吐出孔24の開口面積の合計の和に対する、開口25の開口面積の割合が0.65を超えると、開口25に優先的に冷却水が流れる。このため、吐出孔24から吐出された冷却水によって生成された水砕と、開口25から吐出された冷却水によって生成された水砕と、の間に粒度差が生じ、均質的な粒度で水砕を生成することできない傾向がある。また、開口25の高さD1は、65mm以下であることが好ましい。
【0038】
開口25の幅D2は、200mm以上1000mm以下であるとよく、400mm以上700mm以下であることがさらに好ましい。
【0039】
再び図2及び図3を参照して、ノズルプレート22は、吹製箱20の下端沿いに、すなわち、吹製箱20の底部に近接して設けられている。本実施形態においては、ノズルプレート22は、吹製箱20の底部に接して設けられている。このようにノズルプレート22が設けられていることにより、吐出孔24の各々が溶滓に対して一様に冷却水を吐出することができる。また、開口25から吐出された冷却水によって、吹製箱20の底部側に堆積する水砕をコールドランナー30の傾斜の下方に向けて移動させることができる。
【0040】
ノズルプレート22の最下部に、冷却水に含まれている水砕の粒径以上に拡幅された幅広のスリット状の開口25を設けることで、冷却水に含まれている水砕を開口25から排出させることができる。したがって、ノズルプレート22が水砕によって詰まることを防止することができる。その結果、吐出部21から吐出される冷却水のエネルギー、すなわち、水圧を所定以上に確保できる。したがって、コールドランナー30における水砕の堆積を抑止することができ、当該水砕の堆積による突沸を防止することができる。また、本発明の水砕の製造方法によれば、水砕製造設備100を用いて水砕を製造することで、水砕の粒度等の性状は維持したまま、吹製箱20に設置されたノズルプレート22の詰まりを防止することができ、かつ水砕の堆積による突沸を防止することができる。尚、開口25から排出された水砕は、吹製箱20で製造された水砕と同様に脱水設備50で脱水された後に成品槽60に搬送される。
【0041】
尚、本実施形態においては、吹製ノズルとしてノズルプレート22を例示した。しかし、吹製ノズルは、所定の水圧で吹製箱20内に吐出することができればよく、ノズルプレート以外のものを用いてもよい。
【0042】
また、ノズルプレート22は、開口25から水砕が排出されることを促すためのガイド機構を設けてもよい。例えば、ノズルプレート22は、水流の進行方向に沿って傾斜して配置されていてもよい。具体的には、開口25がノズルプレート22の下方に設けられている場合、ノズルプレート22の下方は、上方よりも冷却水の進行方向の前方に設けるようにしてもよい。このようにすることで、冷却水に含まれている水砕がノズルプレート22に接触した場合でも、当該水砕がノズルプレート22の傾斜に沿って移動し、開口25に導くことが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
100 水砕製造設備
10 出銑樋
20 吹製箱
22 ノズルプレート(吹製ノズル)
24 吐出孔
25 開口
30 コールドランナー
40 水砕槽
50 脱水設備
60 成品槽
70 温水槽
80 冷却塔
90 冷水槽
図1
図2
図3
図4