(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】グラフ表示制御方法、グラフ表示システム、及びグラフ表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 11/20 20060101AFI20241106BHJP
G06F 15/00 20060101ALI20241106BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20241106BHJP
G06F 3/0486 20130101ALI20241106BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20241106BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06T11/20 600
G06F15/00 410Z
G06F3/04845
G06F3/0486
G06F3/04886
G06F3/14 310A
(21)【出願番号】P 2023100408
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2021178855の分割
【原出願日】2017-09-27
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】赤江 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渋沢 博之
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0015504(US,A1)
【文献】特開2014-182531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/20
G06F 15/00
G06F 3/04845
G06F 3/0486
G06F 3/04886
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアおよび第2の座標範囲が設定された第2のエリアを表示させ、
第1の数式および前記第1の座標範囲を示す第1情報または第2の数式および前記第2の座標範囲を示す第2情報をサーバ装置に送信し、送信した前記第1情報または前記第2情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを前記第1のエリアの前記第1の座標範囲または前記第2のエリアの前記第2の座標範囲にプロットし、
前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、
前記第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている
前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更するとともに、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロット
し、
前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する前記第3のグラフをプロットする場合に、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが一致している場合には、前記サーバ装置から受信済みのプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットし、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが異なる場合には、前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第3情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする、
グラフ表示処理を実行させるためのグラフ表示プログラム。
【請求項2】
コンピュータに、
クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアおよび第2の座標範囲が設定された第2のエリアを表示させ、
第1の数式および前記第1の座標範囲を示す第1情報または第2の数式および前記第2の座標範囲を示す第2情報をサーバ装置に送信し、送信した前記第1情報または前記第2情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを前記第1のエリアの前記第1の座標範囲または前記第2のエリアの前記第2の座標範囲にプロットし、
前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、前記第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更するとともに、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロットし、
前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する前記第3のグラフをプロットする場合に、前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第3情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする、
グラフ表示処理を実行させるためのグラフ表示プログラム。
【請求項3】
前記第1のエリアの前記第1の座標範囲には
前記第1の数式に対応する第1のグラフがプロットされて
おり、
前記グラフ表示処理は、
前記第1の座標範囲が設定された前記第1のエリア上で選択した位置を前記第1の方向へ移動させる前記第1のユーザー操作が行われた場合に、前記第1の数式に対応する第4のグラフを再計算して前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲にプロットし、
前記第2の数式に対応する前記第2のグラフがプロットされている前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる前記第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に、前記第1の数式に対応する前記第4のグラフと前記第2の数式に対応する前記第3のグラフとを重ねてプロット
し、
前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第1の数式に対応する前記第4のグラフをプロットする場合に、前記第1の数式と前記第3の座標範囲を示す第4情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第4情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする、
処理を含む請求項1
又は2に記載のグラフ表示プログラム。
【請求項4】
クライアント装置とサーバ装置とを含むシステムであって、
前記クライアント装置は、
前記クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアと、第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている第2のエリアと、を表示させ、
前記第1の座標範囲が設定された前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更し、
前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記サーバ装置に送信し、
前記送信に応答して前記サーバ装置から受信したプロット点の座標データを用いて、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロットし、
前記サーバ装置は、
前記クライアント装置から前記第3情報を受信し、
受信した前記第3情報に基づいてプロット点の座標データを算出し、
算出したプロット点の座標データを前記クライアント装置に送信する、
グラフ表示システム。
【請求項5】
制御部が、
クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアおよび第2の座標範囲が設定された第2のエリアを表示させる処理と、
第1の数式および前記第1の座標範囲を示す第1情報または第2の数式および前記第2の座標範囲を示す第2情報をサーバ装置に送信し、送信した前記第1情報または前記第2情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを前記第1のエリアの前記第1の座標範囲または前記第2のエリアの前記第2の座標範囲にプロットする処理と、
前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、
前記第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更するとともに、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロットする
処理と、
前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する前記第3のグラフをプロットする場合に、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが一致している場合には、前記サーバ装置から受信済みのプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットし、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが異なる場合には、前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第3情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする処理と、
を実行するグラフ表示制御方法。
【請求項6】
制御部が、
クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアおよび第2の座標範囲が設定された第2のエリアを表示させる処理と、
第1の数式および前記第1の座標範囲を示す第1情報または第2の数式および前記第2の座標範囲を示す第2情報をサーバ装置に送信し、送信した前記第1情報または前記第2情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを前記第1のエリアの前記第1の座標範囲または前記第2のエリアの前記第2の座標範囲にプロットする処理と、
前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、前記第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更するとともに、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロットする処理と、
前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する前記第3のグラフをプロットする場合に、前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第3情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする処理と、
を実行するグラフ表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフ表示制御方法、グラフ表示システム、及びグラフ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブブラウザ上で利用可能なグラフ描画アプリケーションが知られている。例えば、ウェブブラウザ上で動作するアプリケーションに関する非特許文献1によれば、ユーザーが式リストに入力した数式に基づいて演算が行われ、演算の結果に基づくグラフが描画される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Desmos,desmos ユーザーガイド,堀川由人 訳[online],[平成29年9月27日検索]、インターネット<URL:https://desmos.s3.amazonaws.com/Desmos_User_Guide_JA.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クライアント装置のウェブブラウザ上で数式入力の受付から演算、グラフ描画まで行うウェブアプリケーションでは、演算アルゴリズムが公開される。これに対して、クライアント装置に入力された数式データがサーバー装置に送信されてサーバー装置で演算が行われ、クライアント装置では演算結果の提示のみを行うウェブアプリケーションでは、クライアント装置に対して演算アルゴリズムを隠蔽することが可能である。
【0005】
このようなウェブアプリケーションにおいて、グラフ描画の操作性を向上させることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、グラフ描画に関する操作性の高いグラフ表示制御方法、グラフ表示システム、及びグラフ表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によるグラフ表示プログラムは、コンピュータに、クライアント装置の表示部に、第1の座標範囲が設定された第1のエリアおよび第2の座標範囲が設定された第2のエリアを表示させ、第1の数式および前記第1の座標範囲を示す第1情報または第2の数式および前記第2の座標範囲を示す第2情報をサーバ装置に送信し、送信した前記第1情報または前記第2情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを前記第1のエリアの前記第1の座標範囲または前記第2のエリアの前記第2の座標範囲にプロットし、前記第1のエリア上で選択した位置を第1の方向へ移動させる第1のユーザー操作、および、前記第2の数式に対応する第2のグラフがプロットされている前記第2のエリアを移動させて前記第1のエリアに重ねる第2のユーザー操作に応じて、前記第1のエリアに設定されている前記第1の座標範囲を前記第1の方向にずらした第3の座標範囲に変更するとともに、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する第3のグラフをプロットし、前記第1のエリアの変更された前記第3の座標範囲に前記第2の数式に対応する前記第3のグラフをプロットする場合に、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが一致している場合には、前記サーバ装置から受信済みのプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットし、前記第2の座標範囲と前記第3の座標範囲とが異なる場合には、前記第2の数式と前記第3の座標範囲を示す第3情報を前記クライアント装置からサーバ装置に送信し、送信した前記第3情報に基づいて前記サーバ装置側で計算を行って求められたプロット点の座標データを前記サーバ装置から受信し、受信したプロット点の座標データを用いて前記第1のエリアにプロットする、グラフ表示処理を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、グラフ描画に関する操作性の高いクライアント装置、サーバー装置、及びグラフ描画プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、システム全体の構成の一例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、2つのグラフ付箋の描画プロセスの一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、グラフ付箋のグラフエリア変更時の描画プロセスの一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、2つのグラフ付箋の統合プロセスの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、通信機器の表示画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、2つの付箋を統合する動作のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるクライアント装置及びサーバー装置を含むシステム全体の構成の一例を示す図である。システム1は、通信機器10と、サーバー20とを含む。通信機器10は、インターネット等の通信ネットワークNを介してサーバー20と通信可能に接続される。通信機器10は、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)などであってよい。
【0011】
システム1において、通信機器10に入力されたグラフ描画/数表作成のためのデータが、通信機器10からサーバー20に送信される。サーバー20は、当該データに基づいてグラフ描画/数表作成のための演算を実行し、演算の結果を通信機器10に送信する。通信機器10は、当該演算の結果に基づいてグラフ描画/数表作成を実行する。
【0012】
通信機器10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ストレージ13と、入力部14と、通信部15と、表示出力部16とを有している。これらの各々は、システムバス17を介して互いに接続されている。
【0013】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)などの集積回路であってよい。プロセッサ11は、ストレージ13に予め記憶されている通信機器制御プログラム、ウェブブラウザ上で動作するプログラムなどの各種プログラムを読み出してメインメモリ12に展開して保持させた上で、入力部14からの入力信号や通信部15による受信信号に応じて各種プログラムを実行することで各部の動作を制御する。各種プログラムは、通信ネットワークN上の不図示のウェブサーバーから通信部15を介してストレージ13にダウンロードされてもよい。
【0014】
入力部14は、キーボードやマウスなどの外部入力装置、あるいは通信機器10の表示出力部16に表示されるキー入力部を含む。入力部14の操作により、入力インターフェース(I/F)からシステムバス17を介してプロセッサ11に入力信号が入力される。
【0015】
表示出力部16は、液晶ディスプレイなどの外部表示装置、あるいは通信機器10の液晶ディスプレイなどの表示部を含む。表示出力部16には、プロセッサ11からシステムバス17、出力インターフェース(I/F)を介して出力信号が伝送される。
【0016】
サーバー20は、プロセッサ21と、メインメモリ22と、大容量ストレージ23と、通信部24とを有している。これらの各々は、システムバス25を介して互いに接続されている。サーバー20もその入力I/Fや出力I/Fを介して不図示の入力装置や出力装置に接続されてよい。
【0017】
プロセッサ21は、CPUなどの集積回路であってよい。プロセッサ21は、大容量ストレージ23に予め記録されている、あるいはダウンロードされたサーバー制御プログラムなどの各種プログラムを読み出し、メインメモリ22に展開して保持させた上で、プログラムの命令を取り出して解読し、その命令の内容によって各部の動作を制御する。また、プロセッサ21は、グラフ描画/数表作成のための計算処理プログラムにしたがって、通信機器10からの入力データに基づく演算処理を実行する。
【0018】
本実施形態では、ユーザーは、通信機器10で動作するウェブブラウザにおいてサーバー20のアドレスを指定し、これにより、サーバー20へのリクエストが送信される。通信機器10のウェブブラウザは、サーバー20から受信したレスポンスに基づいてグラフ描画/数式作成のためのウェブアプリケーションの画面を構築する。また、通信機器10のウェブブラウザは、数式等のデータの入力受付に応じてサーバー20へのリクエストを発行し、サーバー20が計算処理プログラムにしたがって実行した演算の結果をサーバー20からのレスポンスとして受信する。言い換えれば、サーバー20は、通信機器10からの演算のリクエストに応答して、計算プログラムにしたがってプロセッサ21で実行した演算の結果をレスポンスとして通信機器10に送信する。さらに、通信機器10は、受信した演算の結果を用いて、ウェブブラウザ上で動作するプログラムにしたがってプロセッサ11でグラフ描画/数表作成をする。このように、通信機器10のウェブブラウザ上で動作するプログラムとサーバー20の計算処理プログラムとにより、グラフ描画/数式作成のためのウェブアプリケーションとしての機能が実現される。
【0019】
本実施形態では、クライアント装置、すなわち通信機器10は数式等のデータの入力受付やグラフ描画/数表作成処理のみを実行し、グラフ描画/数表作成のための演算処理を実行しない。演算処理は、クライアント装置と通信ネットワークNで接続されたサーバー装置、すなわちサーバー20で実行される。これにより、精度の良い演算アルゴリズムを公開せずに、サーバー装置からクライアント装置に演算結果を提供してクライアント装置でグラフ描画/数表作成をすることが可能となる。
【0020】
図2は、ウェブブラウザ上で動作するグラフ描画アプリケーションの表示画面30の一例を示す図である。このグラフ描画アプリケーションは、上述したように、クライアント装置のウェブブラウザ上で動作するプログラムとサーバー装置の計算処理プログラムとにより提供される関数電卓ウェブアプリケーションである。
【0021】
図2に示される表示画面30は、例えば通信機器10の表示出力部16の画面表示である。表示画面30には種々のフローティングオブジェクトが表示される。以下、オブジェクトの各々が付箋と称される。
図2には、式付箋31と、グラフ付箋32と、数表付箋33と、メモ付箋34とである4種類の付箋が示されている。
【0022】
式付箋31は、数式を入力するための付箋(数式特定部)であり、ユーザーが入力した数式がここに表示される。式付箋31は、例えば、
図4に示される初期の表示画面30において、ツールバー40の数式入力ボタン41を選択(例えばクリック又はタップ、これ以降の「選択」との用語も同じ)することにより表示される。ツールバー40は、例えば、ユーザーが画面上の任意の場所を選択して表示されたメニューから「ツールバーの表示/非表示」を選択することにより表示されてよい。
【0023】
グラフ付箋32は、グラフを表示するための付箋(グラフ特定部)であり、上記数式入力の確定に基づいてサーバー20で計算された計算結果(プロット点の座標)に基づくグラフがここに描画されて表示される。グラフ付箋32の作成は、式付箋31の入力確定後、例えば、
図4に示されるツールバー40のグラフ表示ボタン42を選択することにより実行される。グラフ付箋32には、タブ37が付随して表示される。
【0024】
数表付箋33は、数表を表示するための付箋であり、上記数式入力の確定に基づいてサーバー20で計算された計算結果(数表値)に基づく数表がここに作成されて表示される。数表付箋33の作成は、式付箋31の入力確定後、例えば、
図4に示されるツールバー40の数表表示ボタン43を選択することにより実行される。
【0025】
グラフ付箋32又は数表付箋33では、ユーザーが所定のグラフエリア又は数表エリア、すなわち描画する座標範囲又は作成する値の範囲を任意に設定可能である。これらの設定は、例えば、ユーザーが画面の任意の場所を選択して表示させたメニューから「グラフ範囲」あるいは「数表範囲」を選択して所望の範囲を入力することにより行われる。グラフエリアは、後述するように、グラフ付箋32の作成後にユーザーによる移動操作入力により変更可能である。
【0026】
メモ付箋34は、テキスト入力のための付箋であり、ユーザーが任意に入力した各種情報がここに表示される。メモ付箋34は、例えば、
図4に示されるツールバー40のメモ入力ボタン44を選択することにより表示される。
【0027】
図2に示される表示画面30において、式付箋31とグラフ付箋32とは線35で結び付けられている。この線35は、式付箋31とグラフ付箋32とが紐付けられていること、すなわち、式付箋31に入力された数式のデータに基づいてグラフ付箋32にグラフが描画されたことを示す。同様に、式付箋31と数表付箋33とは線36で結び付けられている。この線36も、式付箋31と数表付箋33とが紐付けられていることを示す。
【0028】
本実施形態では、2つ以上の式付箋31が作成され、これらにそれぞれ紐付けられた2つ以上のグラフ付箋32が作成されることができる。すなわち、複数の式付箋31及び複数のグラフ付箋32が同一の表示画面30に表示されることができる。一方の式付箋及びこれに紐付けられたグラフ付箋と他方の式付箋及びこれに紐付けられたグラフ付箋とは、互いに独立しているが、本実施形態では、互いに独立した2つのグラフ付箋を統合して1つのグラフ付箋とし、統合前の2つのグラフ付箋にそれぞれ描画されていた2つのグラフを1つのグラフ付箋に描画して表示させることが可能である。すなわち、物理的に異なるグラフ付箋にそれぞれ描かれた2つのグラフが重ね合わせられることができる。
【0029】
図3A乃至
図3Cは、通信機器10とサーバー20とによる2つのグラフ付箋の描画から統合までのプロセスの一例を示す図である。以下、2つのグラフ付箋を統合して表示させる一連の流れが、
図3A乃至
図3Cとともに
図4乃至
図13を参照して具体的に説明される。
【0030】
図3Aには、第1のグラフ付箋(第1のエリア)32aへの第1のグラフの描画、及び第2のグラフ付箋(第2のエリア)32bへの第2のグラフの描画のプロセスの一例が示される。
【0031】
ユーザーは、例えば
図4に示されるように、表示画面30上でカーソル45をツールバー40の数式入力ボタン41の上に動かし、これを選択する。これにより、通信機器10は、第1の式付箋入力指示を受け付ける(ステップS101)。
【0032】
ステップS101の後、通信機器10の表示画面30には、
図5に示されるように、第1の式付箋31aとともにキー入力部46が表示される。キー入力部46は、[0]~[9]の数値キー、[+][-][×][÷]の四則記号キー、[EXE]の実行キー、矢印のカーソルキーなどの種々のキーを含む。ユーザーは、キー入力部46を用いて第1の式付箋31aに例えば第1の数式y=x
2+3を入力し、実行キーの選択によりこれを確定させる。通信機器10は、第1の式付箋31aの数式入力を受け付けて、第1の式付箋31aに入力された数式を第1の数式として確定する処理を実行する(ステップS102)。この確定処理の後、例えば、ツールバー40のグラフ表示ボタン42を選択することにより、あるいはこの確定処理により、通信機器10がグラフ描画のリクエストを受け付ける。
【0033】
通信機器10は、入力データ、すなわち、入力された第1の数式のデータと、第1のグラフ付箋32aに設定された第1のグラフエリア(第1の座標範囲。例えば初期設定では-5≦x≦5,-5≦y≦5)のデータとをグラフ描画のリクエストとともにサーバー20に送信する(ステップS103)。
【0034】
サーバー20は、グラフ描画のリクエストに応じ、通信機器10から受信した入力データに基づいて、第1のグラフ付箋32aにおいてプロットされるべきプロット点の座標を計算する(ステップS104)。
【0035】
サーバー20は、ステップS104で計算したプロット点の座標のデータを通信機器10に送信する(ステップS105)。
【0036】
通信機器10は、サーバー20から受信したプロット点の座標のデータを用いて第1のグラフ付箋32aを作成して表示させる(ステップS106)。通信機器10は、サーバー20で計算されたプロット点の座標を用いて第1のグラフ付箋32aの第1のグラフエリアに第1の数式のグラフを描画する。通信機器10の表示画面30には、
図6に示されるように、第1の式付箋31aと、これと紐付けられた第1のグラフ付箋32aとが線35aで結び付けられて表示される。また、第1のグラフ付箋32aにはタブ37aが付随して表示される。
【0037】
ステップS106では、グラフ描画とともに、サーバー20から受信したプロット点の座標のデータがストレージ13に記憶される。通信機器10は、第1のグラフ付箋32aの第1のグラフエリアにおける第1の数式のプロット点の座標データを第1の数式及び第1のグラフエリアと関連付けてストレージ13に記憶させる。
【0038】
続いて、ユーザーは、
図7に示される表示画面30のように、数式入力ボタン41を再度選択する。なお、
図6に示される表示画面30で第1のグラフ付箋32aの表示とともにツールバー40が非表示となっているため、
図7に示される表示画面30においてツールバー40を再表示させてから数式入力ボタン41を選択しているが、ツールバー40は常に表示されていてもよい。通信機器10は、第2の式付箋入力指示を受け付ける(ステップS107)。
【0039】
ステップS107の後、通信機器10の表示画面30には、
図8に示されるように、第2の式付箋31bとともに、キー入力部46が再度表示される。ユーザーは、キー入力部46を用いて第2の式付箋31bに例えば第2の数式y=xを入力し、実行キーの選択によりこれを確定させる。通信機器10は、第2の式付箋31bの数式入力を受け付けて、第2の式付箋31bに入力された数式を第2の数式として確定する処理を実行する(ステップS108)。この確定処理の後、例えば、ツールバー40のグラフ表示ボタン42を選択することにより、あるいはこの確定処理により、通信機器10がグラフ描画のリクエストを受け付ける。
【0040】
なお、
図4乃至
図7に示される表示画面30と
図8以降に示される表示画面30とはそのサイズが異なっているが、いずれも一画面表示である。通信機器10の表示出力部16においてウィンドウにその全体が表示されている場合のみならず、ウィンドウ内に収まりきらずその中をスクロール等して全体を閲覧する場合も一画面表示である。
【0041】
通信機器10は、入力データ、すなわち、入力された第2の数式のデータと、第2のグラフ付箋32bに設定された第2のグラフエリア(第2の座標範囲。例えば初期設定では-5≦x≦5,-5≦y≦5)のデータとをグラフ描画のリクエストとともにサーバー20に送信する(ステップS109)。
【0042】
サーバー20は、グラフ描画のリクエストに応じ、通信機器10から受信した入力データに基づいて、第2のグラフ付箋32bにおいてプロットされるべきプロット点の座標を計算する(ステップS110)。
【0043】
サーバー20は、ステップS110で計算したプロット点の座標のデータを通信機器10に送信する(ステップS111)。
【0044】
通信機器10は、サーバー20から受信したプロット点の座標を用いて第2のグラフ付箋32bを作成して表示させる(ステップS112)。通信機器10は、サーバー20で計算されたプロット点の座標を用いて第2のグラフ付箋32bの第2のグラフエリアに第2の数式のグラフを描画する。通信機器10の表示画面30には、
図9に示されるように、第1の式付箋31a及び第1のグラフ付箋32aに加えて、第2の式付箋31bと、これと紐付けられた第2のグラフ付箋32bとが線35bで結び付けられて表示される。また、第2のグラフ付箋32bにはタブ37bが付随して表示される。
【0045】
ステップS112では、グラフ描画とともに、サーバー20から受信したプロット点の座標のデータがストレージ13に記憶される。通信機器10は、第2のグラフ付箋32bの第2のグラフエリアにおける第2の数式のプロット点の座標データを第2の数式及び第2のグラフエリアと関連付けてストレージ13に記憶させる。
【0046】
以上のステップS101~S112により、表示画面30には、
図9に示されるような2つのグラフ付箋32a,32bが表示される。
【0047】
なお、ステップS109において、サーバー20との通信処理を開始する前に、第2の数式のデータを前述の第1の数式のデータと比較し、且つ、第2のグラフエリアを第1のグラフエリアと比較してもよい。それらが互いに同じであれば、第2のグラフ付箋32bの第2のグラフエリアにおける第2の数式のプロット点の座標データは、前述の第1の数式のプロット点の座標データと同じであるので、サーバー20で再計算する必要はない。したがって、第2の数式のデータと前述の第1の数式のデータが同一、且つ、第2のグラフエリアと第1のグラフエリアが同一であると判定すれば、サーバー20との通信処理(S109、S110、S111)を行わず、ただちに、ステップS112の処理、すなわち、前述の第1の数式のプロット点の座標を用いて第2のグラフ付箋32bを作成して表示させてよい(
図3AにはステップS108からステップS112に進む矢印も記されている)。
【0048】
以下、2つのグラフ付箋32a,32bを1つのグラフ付箋に統合する処理について説明する。
【0049】
図3Bには、
図3Aに示されるプロセスの後、第1のグラフ付箋32aのグラフエリアが第1のグラフエリアから第3のグラフエリアへと変更されてグラフが再描画されるプロセスの一例が示される。
【0050】
ユーザーは、例えば表示画面30上でカーソル45を第1のグラフ付箋32aの第1のグラフエリア上に動かし、これを選択した状態で
図10に示される破線の斜め下向き矢印Aの方向に移動させる(ドラッグする)。通信機器10は、第1のグラフ付箋選択及び第1のグラフ付箋表示領域移動指示を受け付ける(ステップS113)。これにより、第1のグラフエリアは、-5≦x≦5,-5≦y≦5から、例えば、-1≦x≦9,-1≦y≦9に変更される。移動後の新たなグラフエリアを第3のグラフエリア(統合用座標範囲)と称する。
【0051】
さらに、通信機器10は、第1のグラフ付箋表示領域移動指示を受けると、グラフ描画のリクエストを受け付けて、第1の数式のデータと、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアのデータとをグラフ描画のリクエストとともにサーバー20に送信する(ステップS114)。
【0052】
サーバー20は、グラフ描画のリクエストに応じ、通信機器10から受信した入力データ、すなわち、第1の数式のデータと、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアのデータに基づいて、新たなプロット点の座標を計算する(ステップS115)。
【0053】
サーバー20は、ステップS115で計算した移動後の新たなプロット点の座標のデータを通信機器10に送信する(ステップS116)。
【0054】
通信機器10は、サーバー20で計算された移動後の新たなプロット点の座標を用いて、
図11に示されるように、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアに第1の数式のグラフを描画して表示させる(ステップS117)。
【0055】
図10及び
図11では、カーソル45で選択された第1のグラフ付箋32aのタブ37aが網掛けで示されている。実際には色付きで示されてもよい。また、選択された第1のグラフ付箋32aの枠線が選択前よりも太く示されてよい。
【0056】
ステップS117では、グラフ描画とともに、サーバー20から受信した移動後の新たなプロット点の座標のデータがストレージ13に記憶される。通信機器10は、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアにおける第1の数式のプロット点の座標データを第1の数式及び第3のグラフエリアと関連付けてストレージ13に記憶させる。
【0057】
図3Cには、
図3A及び
図3Bに示されるプロセスの後に2つのグラフ付箋32a,32bが統合されるプロセス、すなわち、グラフエリアの異なる2つのグラフ付箋32a,32bのグラフエリア統合プロセスの一例が示される。
【0058】
ユーザーは、例えば表示画面30上でカーソル45を第2のグラフ付箋32bの第2のグラフエリア上に動かし、これを選択した状態で
図12に破線の上向き弧状矢印Bの方向に第2のグラフ付箋32bを移動させて、第1のグラフ付箋32aの上に重ねる(ドラッグ・アンド・ドロップする)。通信機器10は、第2のグラフ付箋選択及び第1のグラフ付箋32a上に第2のグラフ付箋32bをドラッグ・アンド・ドロップする指示を受け付ける(ステップS118)。
【0059】
ステップS118の後、通信機器10は、サーバー20によるプロット点の座標データの再計算が必要か否かを判定し、これにより、再計算が必要であると判定される(ステップS119)。判定の詳細は後述する。ここでは、再計算が必要であるので、通信機器10がグラフ描画のリクエストを受け付ける。
【0060】
通信機器10は、第2の数式のデータと、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアとをグラフ描画のリクエストとともにサーバー20に送信する(ステップS120)。
【0061】
サーバー20は、グラフ描画のリクエストに応じ、通信機器10から受信した入力データに基づいて、第1のグラフ付箋32aにおいて第2の数式のグラフとしてプロットされるべきプロット点(第3のプロット点)の座標を計算する(ステップS121)。
【0062】
サーバー20は、ステップS121で計算したプロット点の座標のデータを通信機器10に送信する(ステップS122)。
【0063】
ステップS122の後、通信機器10は、サーバー20から受信したプロット点の座標を用いて、既に第1の数式のグラフが描画されている第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアに第2の数式のグラフを重ねて描画する(ステップS123)。ステップS123では、グラフ描画とともに、サーバー20から受信した新たなプロット点の座標のデータがストレージ13に記憶される。通信機器10は、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアにおける第2の数式のプロット点の座標データを第2の数式及び第3のグラフエリアと関連付けてストレージ13に記憶させる。また、ステップS123では、通信機器10は、2つの式付箋31a,31bを統合する処理を実行する。
【0064】
図13は、2つのグラフ付箋32a,32bを統合したときの表示画面30の一例を示す図である。ここでは、第2のグラフ付箋32bが第1のグラフ付箋32aに統合され、第1のグラフ付箋32aの第3のグラフエリアに第1の数式y=x
2+3のグラフと第2数式y=xとのグラフが描画されている。第1の式付箋31a及び第2の式付箋31bも統合されたため、くっついて表示されている。統合された式付箋31a,31bは、1つのフローティングオブジェクトとなっており、一体的に移動可能である。
【0065】
なお、通信機器10は、統合したグラフ付箋に関連付けて、第1の数式のデータ及び第2の数式のデータ、及び第3のグラフエリアを記憶してよい。
【0066】
図12及び
図13では、ステップS118でドラッグ・アンド・ドロップした第2のグラフ付箋32bのタブ37bが網掛けで示されている。実際には色付きで示されてもよい。
【0067】
なお、統合処理は、第1のグラフ付箋32a及び第2のグラフ付箋32bとは異なる新たなグラフ付箋への2つのグラフの描画によるものであってもよい。例えば、新たなグラフ付箋のグラフエリアは、第1のグラフ付箋32aのグラフエリアであり、ここに第1の数式のグラフと第2の数式のグラフとが描画されてよい。
【0068】
また、統合処理後の、
図13に示されるタブ37aと第1の式付箋31aの数式の前に記されたマーク又は色が同じに示され、同様に、タブ37bと第2の式付箋32bの数式の前に記されたマーク又は色が同じに示される。グラフの線の色も同じに示されてよい。
【0069】
また、上述の例では、2つのグラフ付箋32a,32bの第1及び第2のグラフエリアのx範囲の大きさ及びy範囲の大きさが一致していたが、一致していなくてもよい。すなわち、拡大操作や縮小操作が行われてもよい。
【0070】
ここまで、
図3A、
図3B、
図3Cに示されるプロセスがこの順に行われるとして具体的な動作の説明をしてきたが、
図3Aに示されるプロセスの後に
図3Cに示されるプロセスに進むことも当然ありうる(
図3CにはステップS119からステップS123に進む矢印も記されている)。再計算不要であれば、サーバー20に問い合わることなくそのまま統合処理を実行することが可能である。以下、
図3Cに示される2つのグラフ付箋32a,32bの統合プロセスについて一般化したフローチャートを用いて、本実施形態における2つの付箋の統合プロセスについて説明する。
【0071】
図14は、2つの付箋の統合操作におけるフローチャートの一例を示す図である。これは、
図3CにおけるステップS118からS123に対応している。特に、ステップS119の再計算判定は、ステップS202,S203,S205に対応している。
【0072】
通信機器10は、第2の付箋を第1の付箋にドラッグ・アンド・ドロップする処理を受け付ける(ステップS201)。
【0073】
通信機器10は、第1の付箋の種類がグラフ付箋であるか否かを判定する(ステップS202)。グラフ付箋でないと判定された場合(ステップS202-No)、処理はステップS204に進む。グラフ付箋であると判定された場合(ステップS202-Yes)、処理はステップS203に進む。
【0074】
ステップS203において、通信機器10は、第2の付箋の種類がグラフ付箋であるか否かを判定する。グラフ付箋でないと判定された場合(ステップS203-No)、処理はステップS204に進む。グラフ付箋であると判定された場合(ステップS203-Yes)、処理はステップS205に進む。
【0075】
したがって、第1の付箋の種類がグラフ付箋でない場合(ステップS202-No)、あるいは、第1の付箋の種類はグラフ付箋であるが第2の付箋の種類がグラフ付箋でないとき(ステップS203-No)、処理はステップS204に進む。ステップS204において、通信機器10は、第2の付箋を第1の付箋の上に重ねて表示させる処理を実行する。ステップS204の後、処理が終了する。
【0076】
また、第1の付箋も第2の付箋もグラフ付箋であると判定された場合(ステップS203-Yes)、処理はステップS205に進む。ステップS205において、通信機器10は、第1の付箋のグラフエリアと第2の付箋のグラフエリアとが異なるか否かを判定する。
【0077】
2つの付箋のグラフエリアが異ならない、すなわち同じであると判定された場合には(ステップS205-No)、処理はステップS206に進む。ステップS206において、通信機器10は、第1の付箋のグラフエリア(統合座標)に第2の付箋と紐付けられた数式のグラフを描画する。また、2つの式付箋を統合する。ステップS206の後、処理は終了する。
【0078】
2つの付箋のグラフエリアが異なると判定された場合には(ステップS205-No)、処理はステップS207に進む。ステップS207において、通信機器10は、第2の付箋と紐付けられた第2の数式のデータ及び第1の付箋のグラフエリアのデータをサーバー20に送信し、これに基づいてサーバー20で計算されたプロット点の座標のデータを取得する。なお、グラフエリアが異なっていても元のグラフエリアに含まれていれば再計算不要なこともある。
【0079】
そして、通信機器10は、ステップS208において、取得したプロット点の座標データを用いて第1の付箋のグラフエリア(統合座標)に第2の付箋と紐付けられた第2の数式のグラフを描画する。また、2つの式付箋を統合する。ステップS208の後、処理は終了する。
【0080】
このように、本実施形態では、一方の付箋の上に他方の付箋を重ね合わせるドラッグ・アンド・ドロップ操作が行われたとき、両付箋がともにグラフ付箋でなければ、統合処理は行われず、一方の付箋の上に他方の付箋が単に重ね合わせられる。両付箋がともにグラフ付箋であれば、統合処理が実行される。このとき、一方のグラフ付箋(統合対象付箋)と他方のグラフ付箋(被統合対象付箋)とのグラフエリアが一致していれば、被統合対象付箋の計算済みのプロット点の座標データが読み出されて統合対象付箋のグラフエリア上に重ねて描画される。一方、被統合対象付箋と統合対象付箋とのグラフエリアが異なれば、被統合対象付箋と紐付けられた式付箋の数式データと、統合対象付箋のグラフエリアのデータとがサーバー20に送信されて、これらに基づいてサーバー20でプロット点の座標の再計算が行われる。そして、再計算されたプロット点の座標を用いて、例えば統合対象付箋のグラフエリア上に、被統合対象付箋と紐付けられた式付箋の数式データに基づくグラフが重ねて描画される。
【0081】
すなわち、ドラッグ・アンド・ドロップ処理で重ねられた2つのグラフ付箋32a,32bのグラフエリアが一致すれば、ストレージ13に記憶されたプロット点の座標データを利用して描画することが可能であるから、サーバー20で再計算することなく2つのグラフ付箋32a,32bが統合される。また、2つのグラフ付箋32a,32bのグラフエリアが異なれば、ストレージ13に記憶された2つのグラフ付箋32a,32bのプロット点の座標データのうち、一方のみがそのまま利用可能で他方は利用可能でなかったりデータ不足であったりするため、サーバー20での再計算が行われる。
【0082】
なお、統合処理として、ドラッグ・アンド・ドロップで重ねられるグラフ付箋(下のグラフ付箋)のグラフエリア(統合座標)に、重ねるグラフ付箋(上のグラフ付箋)と紐付けられた数式のグラフを描画するとして説明してきたが、逆でもよい。すなわち、通信機器10は、ドラッグ・アンド・ドロップで重ねるグラフ付箋(上のグラフ付箋)のグラフエリア(統合座標)に、重ねられるグラフ付箋(下のグラフ付箋)と紐付けられた数式のグラフを描画するように設定してもよい。
【0083】
すなわち、本実施形態によれば、第1の式付箋に入力された第1の数式と第2の式付箋に入力された第2の数式とのうち何れか一方を統合対象数式とし他方を被統合対象数式としたときに、CPU11は、表示部に表示される1つのグラフ特定部において、第1のグラフ付箋32aに設定された第1の座標範囲と第2のグラフ付箋32bに設定された第2の座標範囲とのうち前記統合対象数式と関連付けられた座標範囲である統合用座標範囲に、前記被統合対象数式を表すグラフを、第1のグラフ付箋32aに描画された第1のグラフと第2のグラフ付箋32bに描画された第2のグラフとのうち前記統合対象数式を表すグラフとともに描画するグラフ統合部としての機能を備える。
【0084】
また、統合処理としては、これまでに例示したものに限らず、例えば、ドラッグ・アンド・ドロップで重ねられるグラフ付箋(第1のエリア及び第2のエリアの一方のエリア)のグラフエリア(第1の座標範囲及び第2の座標範囲の一方の座標範囲)と、重ねるグラフ付箋(第1のエリア及び第2のエリアの他方のエリア)のグラフエリア(第1の座標範囲及び第2の座標範囲の他方の座標範囲)と、に基づいて決定される別のグラフエリア(1つの座標範囲;統合用座標範囲)に、重ねられるグラフ付箋と紐付けられた数式のグラフと、重ねるグラフ付箋と紐付けられた数式のグラフとを描画するように設定してもよい。
【0085】
すなわち、重ねられるグラフ付箋のグラフエリアおよび重ねるグラフ付箋のグラフエリアの何れか一方を統合用座標範囲とした場合、重ねられるグラフ付箋と紐付けられた数式のグラフの全体か、又は重ねるグラフ付箋と紐付けられた数式のグラフの全体のうちの一方が、当該統合用座標範囲外に存在する条件に該当する場合がある。したがって、そのような条件に該当する場合には、上述のように別のグラフエリアを設定することによって、重ねられるグラフ付箋と紐付けられた数式を表すグラフと、重ねるグラフ付箋と紐付けられた数式を表すグラフとを、ともに視認可能に、表示部の表示画面に表示することができる。これにより、ユーザーは、統合後の2つのグラフの相対位置関係を容易に把握することができ、学習効果の向上に寄与できるものと考えられる。
【0086】
また、ドラッグ・アンド・ドロップ操作による統合処理以外に、表示画面30に2つのグラフ付箋の合成を指示する専用アイコンとして統合ボタンを表示させてこれを選択することによる統合処理が行われてもよい。統合ボタンは、例えば、ユーザーが画面上の任意の場所を選択して表示されたメニューから「統合ボタンの表示/非表示」を選択することにより表示される。この場合、例えば、2つのグラフ付箋を選択した後に統合ボタンを選択することにより、2つのグラフ付箋が1つのグラフ付箋に合成される。合成後のグラフ付箋においていずれのグラフ付箋のグラフエリアを採用するかもまた、ユーザーにより適宜設定される。例えば、通信機器10は、統合ボタンによる合成指示により、第1のグラフ付箋32aのグラフエリアを第2のグラフ付箋32bのグラフエリアに切り替えてもよい。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、一方のグラフ付箋を他方のグラフ付箋にドラッグ・アンド・ドロップしたときは、他方のグラフ付箋のグラフエリアに合わせて一方の式付箋のグラフを描画することにより、2つの式付箋を統合する。したがって、本実施形態では、簡便な操作により2つのグラフの統合を容易に実行することができ、グラフ描画に関する操作性を高めることができる。
【0088】
また、2つの式付箋を統合する際に、通信機器10に既に記憶された2つのプロット点の座標データのうち、少なくとも一方の座標データが再利用されるため、サーバー20での計算量を減らし、動作速度を向上させることができる。つまり、無駄な演算排除することができる。また、演算によるクライアント装置-サーバー装置間の通信を極力発生させないようにすることができる。
【0089】
また、グラフ付箋以外の付箋をドラッグ・アンド・ドロップした場合には、通常の重ね合わせ操作であるとして付箋同士を重ね合わせることが可能である。通常の重ね合わせも可能としながら、グラフの合成も簡単な操作で実行することができる。
【0090】
なお、ここまで2つの付箋の統合について説明してきたが、付箋の数はこれに限定されない。3つ以上の付箋であっても同様にして統合可能である。
【0091】
また、通信機器10のストレージ13には、数式及びグラフエリアと関連付けられたプロット点の座標が記憶されているから、統合後に各グラフ付箋32a,32bを分離する操作も可能である。分離操作は、例えば、ユーザーが第1のグラフ付箋32aに付随するタブ37a、あるいは第2のグラフ付箋32bに付随するタブ37bを選択してドラッグすることにより通信機器10に受け付けられて実行される。分離後は、
図9に示されるように、第1の式付箋31a、第1のグラフ付箋32a、線35a及びタブ37aと、第2の式付箋31b、第2のグラフ付箋32b、線35b及びタブ37bとが表示される。分離後は、ドラッグ・アンド・ドロップが行われた方のグラフ付箋をドロップした位置に対応した位置に表示してもよいし、第1のグラフ付箋32aと第1のグラフ付箋32aが整列して表示してもよい。分離の際、通信機器10は、前述の各ステップS106、S112、S117及びS123でスレージ13に記憶させた第1のグラフ付箋32aの第1のグラフエリアにおける第1の数式のプロット点の座標データ、および、第2のグラフ付箋32bの第2のグラフエリアにおける第2の数式のプロット点の座標データを再利用できるので、サーバー20との通信処理は不要である。
【0092】
なお、通信機器10が行っている処理は、サーバー20で行われてもよい。特に、重い処理はサーバー20で行う価値がある。例えば、
図3Cに示されるプロセスのステップS119がサーバー20で実行されてよいし、
図3A乃至
図3Cに示されるステップS104,S110,S115,S121において計算されたプロット点の座標のデータが数式データやグラフエリアデータとともにサーバー20の大容量ストレージ23に記憶されてよく、ステップS119の再計算の判定において、大容量ストレージ23から読み出したこれらデータを用いることができる。
【0093】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0094】
以下に、本出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]入力された第1の数式に対応する第1の座標範囲が設定された第1の座標と、入力された第2の数式に対応する第2の座標範囲が設定された第2の座標とを、表示部の表示画面に表示させ、前記表示部の前記表示画面に前記第1の座標が表示された第1のエリアの少なくとも一部を、前記第2の座標が表示された第2のエリアへ重ねるユーザー操作を受け付け、前記ユーザー操作を受け付けたことに応じて、前記表示部の前記表示画面に、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とに基づいて決定される統合用座標範囲が設定された統合座標を表示させるとともに、前記表示部の前記表示画面に表示された前記統合座標に前記第1の数式を表す第1のグラフ及び前記第2の数式を表す第2のグラフを描画する、制御部を具備する、クライアント装置。
[2]前記第1の数式と前記第2の数式とのうち何れか一方を統合対象数式とし他方を被統合対象数式としたときに、前記制御部は、前記ユーザー操作を受け付けたことに応じて、前記表示部の前記表示画面に、前記統合対象数式を表すグラフとともに、前記被統合対象数式を表すグラフを、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とのうち前記統合対象数式と関連付けられた座標範囲である前記統合用座標範囲により特定される1つの座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて算出されたプロット点に基づいて描画する、[1]に記載のクライアント装置。
[3]前記制御部は、前記ユーザー操作を受け付けた際、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが一致していない場合、前記表示部の前記表示画面に、前記統合対象数式を表すグラフとともに、前記被統合対象数式を表すグラフを、前記1つの座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて算出された第3のプロット点に基づいて描画する、[2]に記載のクライアント装置。
[4]前記制御部は、前記ユーザー操作を受け付けた際、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが一致している場合、前記被統合対象数式と関連付けられた座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて算出されて記憶部に記憶されているプロット点を前記記憶部から読み出し、前記表示部の前記表示画面に、前記統合対象数式を表すグラフとともに、前記被統合対象数式を表すグラフを、前記記憶部から読み出した前記プロット点に基づいて描画する、[2]又は[3]に記載のクライアント装置。
[5]前記制御部は、前記第1の座標範囲及び前記第2の座標範囲とは異なる別の座標範囲を前記1つの座標範囲として設定し、前記1つの座標範囲が設定された1つの座標に、前記統合対象数式を表すグラフを、前記1つの座標範囲と前記統合対象数式とを用いて算出されたプロット点に基づいて描画するとともに、前記被統合対象数式を表すグラフを、前記1つの座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて算出されたプロット点に基づいて描画する、[2]乃至[4]のいずれか1に記載のクライアント装置。
[6]前記制御部は、前記ユーザー操作を受け付ける前に、前記第1の数式と、前記第1の座標範囲と、前記第1の座標範囲及び前記第1の数式を用いて算出された第1のプロット点とを関連付けて記憶部へ記憶させ、前記第2の数式と、前記第2の座標範囲と、前記第2の座標範囲及び前記第2の数式を用いて算出された第2のプロット点とを関連付けて前記記憶部へ記憶させる、[1]乃至[5]のいずれか1に記載のクライアント装置。
[7]前記制御部は、前記第1の数式、前記第2の数式、前記第1の座標範囲、前記第2の座標範囲、及び、前記1つの座標範囲をサーバー装置へ送信し、前記第1の数式と前記第1の座標範囲とに基づいて前記サーバー装置で算出された第1のプロット点と、前記第2の数式と前記第2の座標範囲とに基づいて前記サーバー装置で算出された第2のプロット点と、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが異なる場合に前記第1の数式又は前記第2の数式のいずれかと前記1つの座標範囲とに基づいて前記サーバー装置で算出された第3のプロット点とを、前記サーバー装置から受信し、前記サーバー装置から受信した前記第1のプロット点を前記第1の数式及び前記第1の座標範囲と関連付けて記憶部へ記憶させ、前記サーバー装置から受信した前記第2のプロット点を前記第2の数式及び前記第2の座標範囲と関連付けて前記記憶部へ記憶させ、且つ、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが異なる場合に前記サーバー装置から受信した前記第3のプロット点を前記第1の数式又は前記第2の数式のいずれかと前記1つの座標範囲とに関連付けて前記記憶部へ記憶させる、[1]乃至[6]のいずれか1に記載のクライアント装置。
[8]第1の数式と、当該第1の数式に対応する第1の座標範囲と、第2の数式、当該第2の数式に対応する第2の座標範囲とを、クライアント装置から受信し、前記第1の数式と前記第1の座標範囲とに基づいて第1のプロット点を算出し、前記第1の数式と前記第1の座標範囲と前記第1のプロット点とを関連付けて記憶部に記憶させ、前記第2の数式と前記第2の座標範囲とに基づいて第2のプロット点を算出し、前記第2の数式と前記第2の座標範囲と前記第2のプロット点とを関連付けて記憶部に記憶させ、前記第1のプロット点及び前記第2のプロット点を前記クライアント装置へ送信し、前記第1の座標範囲が設定された第1の座標が表示された第1のエリアの少なくとも一部を前記第2の座標範囲が設定された第2の座標が表示された第2のエリアへ重ねるユーザー操作を前記クライアント装置が受け付けたことを受信し、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが一致していない場合に、前記第1の数式と前記第2の数式とのうち何れか一方を統合対象数式とし他方を被統合対象数式としたときに、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とのうち前記統合対象数式と関連付けられた座標範囲である統合用座標範囲により特定される1つの座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて第3のプロット点を算出し、前記第3のプロット点を前記クライアント装置へ送信する、制御部を具備する、サーバー装置。
[9]入力された第1の数式に対応する第1の座標範囲が設定された第1の座標と、入力された第2の数式に対応する第2の座標範囲が設定された第2の座標とを、表示部の表示画面に表示させ、前記表示部の前記表示画面に前記第1の座標が表示された第1のエリアと、前記第2の座標が表示された第2のエリアとを、合成する又は重ね合わせる指示を受け付け、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが一致していない場合、前記表示部の前記表示画面において、前記第1のエリア及び前記第2のエリアのいずれか一方のエリアに、前記第1の数式及び前記第2の数式のいずれか一方の数式を表すグラフとともに、前記第1の数式及び前記第2の数式のいずれか他方の数式を表すグラフを、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とのうち前記一方の数式と関連付けられた座標範囲である統合用座標範囲により特定される1つの座標範囲と前記他方の数式とを用いて算出された第3のプロット点に基づいて描画する、制御部を具備する、クライアント装置。
[10]コンピュータを、入力された第1の数式に対応する第1の座標範囲が設定された第1の座標と、入力された第2の数式に対応する第2の座標範囲が設定された第2の座標とを、表示部の表示画面に表示させ、前記表示部の前記表示画面に前記第1の座標が表示された第1のエリアの少なくとも一部を、前記第2の座標が表示された第2のエリアへ重ねるユーザー操作を受け付け、前記ユーザー操作を受け付けたことに応じて、前記表示部の前記表示画面に、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とに基づいて決定される統合用座標範囲が設定された統合座標を表示させるとともに、前記表示部の前記表示画面に表示された前記統合座標に前記第1の数式を表す第1のグラフ及び前記第2の数式を表す第2のグラフを描画する、制御部として機能させるためのプログラム。
[11]コンピュータを、第1の数式と、当該第1の数式に対応する第1の座標範囲と、第2の数式、当該第2の数式に対応する第2の座標範囲とを、クライアント装置から受信し、前記第1の数式と前記第1の座標範囲とに基づいて第1のプロット点を算出し、前記第1の数式と前記第1の座標範囲と前記第1のプロット点とを関連付けて記憶部に記憶させ、前記第2の数式と前記第2の座標範囲とに基づいて第2のプロット点を算出し、前記第2の数式と前記第2の座標範囲と前記第2のプロット点とを関連付けて記憶部に記憶させ、前記第1のプロット点及び前記第2のプロット点を前記クライアント装置へ送信し、前記第1の座標範囲が設定された第1の座標が表示された第1のエリアの少なくとも一部を前記第2の座標範囲が設定された第2の座標が表示された第2のエリアへ重ねるユーザー操作を前記クライアント装置が受け付けたことを受信し、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とが一致していない場合に、前記第1の数式と前記第2の数式とのうち何れか一方を統合対象数式とし他方を被統合対象数式としたときに、前記第1の座標範囲と前記第2の座標範囲とのうち前記統合対象数式と関連付けられた座標範囲である統合用座標範囲により特定される1つの座標範囲と前記被統合対象数式とを用いて第3のプロット点を算出し、前記第3のプロット点を前記クライアント装置へ送信する、制御部として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0095】
1…システム、10…通信機器(クライアント装置)、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…ストレージ(記憶部)、14…入力部、15…通信部、16…表示出力部、17…システムバス、20…サーバー(サーバー装置)、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…大容量ストレージ(記憶部)、24…通信部、25…システムバス、30…表示画面、31,31a,31b…式付箋、32,32a,32b…グラフ付箋、33…数表付箋、34…メモ付箋、35,35a,35b,36…線、37,37a,37b…タブ、40…ツールバー、41…数式入力ボタン、42…グラフ表示ボタン、43…数表表示ボタン、44…メモ入力ボタン、45…カーソル、46…キー入力部。