(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】プローブピン
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20241106BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20241106BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R31/26 J
H01R13/24
(21)【出願番号】P 2023127945
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-11-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】笹野 直哉
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-180888(JP,A)
【文献】特開2020-076666(JP,A)
【文献】特開2017-223629(JP,A)
【文献】特開2017-223453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26
H01R 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部と、
前記弾性部の第1方向の両端のうちの一方の端部である第1端部に接続された第1接続部と、
前記弾性部の前記第1方向の両端のうちの他方の端部である第2端部に接続された第2接続部と、
を備え、
前記弾性部は、
前記第1端部から前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1部分と、
前記第2端部から前記第2方向における前記第1部分と同じ側に延びる第2部分と、
前記第1部分の前記第2方向の両端のうちの前記第1端部から離れた端部と、前記第2部分の前記第2方向の両端のうちの前記第2端部から離れた端部とを接続する、湾曲形状の湾曲部と
を有し、
前記第1接続部の前記第1端部が接続されている端部と、前記第2接続部の前記第2端部が接続されている端部との間の前記第1方向に沿った長さは、前記弾性部の湾曲の内径より長く、
前記第1接続部は、前記第1方向における前記第2接続部から遠い方の端部に設けられた第1接点を備え、
前記第1接点は、接触対象物に対して接触可能な傾斜面を有し、
前記第2接続部は、前記第1方向における前記弾性部から遠い方の端部
から前記第1方向において前記第1接続部から離れる方向へ突出した突起状の第2接点を備え、
前記第1方向に沿って見て、前記第2接点
全体は、
前記第1接続部および前記湾曲部の間にあり、前記
第1接続部から外れた位置にあり
、且つ前記湾曲部から外れた位置にあるプローブピン。
【請求項2】
前記第2部分は、前記第2方向において前記第2端部へ近づくにしたがって前記第1方向において前記第1端部に近づくように延びている請求項1に記載のプローブピン。
【請求項3】
前記第2接続部のうちの前記第1方向における前記第1接続部側の縁部は、前記第2方向に沿って延びている、または、前記第2方向において前記弾性部から離れるにしたがって前記第1方向において前記第1接続部から離れるように延びている請求項1または2に記載のプローブピン。
【請求項4】
前記弾性部は、前記弾性部が延びる長さ方向に沿ってそれぞれ延びており、前記長さ方向と直交する前記弾性部の幅方向に沿って隙間を空けて並んで配置された複数の長板部を備え、
前記複数の長板部は、前記湾曲部の湾曲形状の外側に位置するほど、前記幅方向に長い請求項1または2に記載のプローブピン。
【請求項5】
前記第1接点は、前記第1方向へ突出しており且つ前記第2方向において前記傾斜面に対して隙間を空けて対向した突起を更に備える請求項1または2に記載のプローブピン。
【請求項6】
前記第1接点の前記傾斜面は、前記第2方向において前記弾性部の前記湾曲部とは反対側を向いている請求項1または2に記載のプローブピン。
【請求項7】
前記第1方向に沿って見て、前記第2接続部のうち前記第2接点を含む部分は、前記弾性部と重なっており、
前記第2接続部は、前記第2接点と前記弾性部との間に前記第2方向に切り欠かれた切欠きを有する請求項1または2に記載のプローブピン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プローブピンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子モジュールの導通検査、特性測定などに用いられるプローブピンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1のプローブピンを含むプローブピンは、弾性部を有している。しかし、弾性部の伸縮によるプローブピンのストロークが短いと、検査時に接触不良を起こす場合がある。
【0005】
本開示は、接触信頼性の高いプローブピンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のプローブピンは、
弾性部と、
前記弾性部の第1方向の両端のうちの一方の端部である第1端部に接続された第1接続部と、
前記弾性部の前記第1方向の両端のうちの他方の端部である第2端部に接続された第2接続部と
を備え、
前記弾性部は、
前記第1端部から前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1部分と、
前記第2端部から前記第2方向における前記第1部分と同じ側に延びる第2部分と、
前記第1部分の前記第2方向の両端のうちの前記第1端部から離れた端部と、前記第2部分の前記第2方向の両端のうちの前記第2端部から離れた端部とを接続する、湾曲形状の湾曲部と
を有し、
前記第1接続部の前記第1端部が接続されている端部と、前記第2接続部の前記第2端部が接続されている端部との間の前記第1方向に沿った長さは、前記弾性部の湾曲の内径より長い。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、接触信頼性の高いプローブピンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施状態の検査ソケットを示す斜視図。
【
図7】
図5のプローブピンの第1の変形例を示す断面図。
【
図8】
図6のプローブピンの第1の変形例を示す断面図。
【
図9】
図5のプローブピンの第2の変形例を示す断面図。
【
図10】
図6のプローブピンの第2の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例が添付図面に従って説明される。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、または、本開示の用途を制限することを意図するものではない。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。また、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)が用いられる。しかし、特定の方向あるいは位置を示す用語の使用は、図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。
【0010】
本開示の一実施形態の検査ソケット1は、
図1及び
図2に示すように、ハウジング2、3、4、5、6と、ハウジング2、3、4、5、6の内部に収容された複数の板状のプローブピン7とを備える。
【0011】
図2に示すように、ハウジング2は、ハウジング2を上下方向(例えば、各図に示されるZ方向)に貫通する貫通孔2A、2Bを有する。上下方向及びZ方向は、第1方向の一例である。本実施形態では、上下方向において、ハウジング2が位置する側が上方であり、ハウジング6が位置する側が下方である。
【0012】
ハウジング3は、基部31と、基部31から上方へ突出した突出部32とを有する。ここで、「上方へ突出」とは、「第1方向に沿ってハウジング6からハウジング2へ向かう方向へ突出」の意味である。突出部32は、下方へ凹んだ凹部3Aを有する。ここで、「下方へ凹んだ」とは、「第1方向に沿ってハウジング2からハウジング6へ向かう方向へ凹んだ」の意味である。突出部32は、凹部31Aを構成する底面31Bに、突出部32を上下方向に貫通する複数の貫通孔3Bを有する。複数の貫通孔3Bの各々は、複数のプローブピン7の各々に対応している。
【0013】
ハウジング4は、ハウジング4を上下方向に貫通する貫通孔4A、4Bを有する。
【0014】
ハウジング5は、複数のプローブピン7を
図2に示すような配列に保持する。
【0015】
ハウジング6は、上方へ突出したピン61と、上面(言い換えるとハウジング6の外面のうちハウジング4を向く面)から下方へ凹んだ凹部6Aとを有する。ハウジング6は、凹部6Aを構成する底面に、ハウジング6を上下方向に貫通する複数の貫通孔6Bを有する。複数の貫通孔6Bの各々は、複数のプローブピン7の各々に対応している。
【0016】
プローブピン7を保持するハウジング5の下部は、ハウジング6の凹部6Aに収容される。ハウジング5の下部は、ハウジング5のうち第1方向においてハウジング6に近い部分である。このとき、各プローブピン7の第2接点121、122、752、762(
図3参照)は、貫通孔6Bを通じて検査ソケット1の外部に露出されている。
【0017】
ハウジング2、3、4は、ハウジング5が収容されたハウジング6の上方に組み付けられている。ハウジング2、3、4は、下方からハウジング4、3、2の順序でハウジング6に組付けられている。
【0018】
ハウジング6のピン61がハウジング4の貫通孔4Bとハウジング2の貫通孔2Bを貫通している。これにより、ハウジング2、4は、ハウジング6に対して位置決めされている。
【0019】
ハウジング3の突出部32が、ハウジング2の貫通孔2Aを下方から貫通している。これにより、突出部32が検査ソケット1の外部に露出され、ハウジング3はハウジング2に対して位置決めされている。
【0020】
各プローブピン7の第1接続部11(
図5及び
図6参照)は、ハウジング4の貫通孔4Aを下方から貫通している。各プローブピン7の第1接点111、751、761(
図3参照)は、ハウジング3の貫通孔3Bを通じて検査ソケット1の外部に露出されている。
【0021】
検査ソケット1が検査装置(不図示)に接続され、接触対象物8(
図4、
図5、及び
図6参照)が検査ソケット1に接続される。前記の接続状態において、接触対象物8と検査装置との間の導通が検査される。
【0022】
検査装置が備える基板上に検査ソケット1が載置される。これにより、貫通孔6Bを通じて検査ソケット1の外部に露出された各プローブピン7の第2接点121、122、752、762(
図3参照)が、基板上に形成された導電性のパッドに対して電気的に接続される。
【0023】
図4、
図5、及び
図6に示す接触対象物8は、ハウジング3の凹部3Aに嵌められる。
図5及び
図6に示すように、接触対象物8は、複数の端子81を備える。接触対象物8がハウジング3の凹部3Aに嵌められているとき、各端子81は、貫通孔3Bを通じて検査ソケット1の外部に露出された各プローブピン7の第1接点111、751、761(
図3参照)と電気的に接続される。
【0024】
図3及び
図4に示すように、プローブピン7は、第1プローブピン71と、第2プローブピン72と、第3プローブピン73と、第4プローブピン74と、第5プローブピン75と、第6プローブピン76とを備える。第1プローブピン71と、第2プローブピン72と、第3プローブピン73と、第4プローブピン74と、第5プローブピン75と、第6プローブピン76との各々は、少なくとも1つ設けられている。本実施形態において、プローブピン7は、13個の第1プローブピン71と、13個の第2プローブピン72と、13個の第3プローブピン73と、13個の第4プローブピン74と、2個の第5プローブピン75と、2個の第6プローブピン76とを備える。
【0025】
本実施形態において、第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74は、信号端子であり、第5プローブピン75及び第6プローブピン76は電源端子またはグランド端子である。しかし、各プローブピンの種類は、これに限らない。
【0026】
各第1プローブピン71、各第2プローブピン72、各第3プローブピン73、各第4プローブピン74、各第5プローブピン75、及び各第6プローブピン76は、間隔を空けて配置されている。つまり、各第1プローブピン71、各第2プローブピン72、各第3プローブピン73、各第4プローブピン74、各第5プローブピン75、及び各第6プローブピン76は、互いに電気的に絶縁されている。
【0027】
第1プローブピン71、第3プローブピン73、及び第5プローブピン75は、検査ソケット1の上下方向と交差(本実施形態では直交)する前後方向(例えば、各図に示されるY方向)に沿って間隔を空けて並んでいる。前後方向及びY方向は、プローブピン7の板厚方向であり、第3方向の一例である。第1プローブピン71及び第3プローブピン73は、前後方向において交互に配置されている。
【0028】
2個の第5プローブピン75は、前後方向において13個の第1プローブピン71と13個の第3プローブピン73とを挟んでいる。つまり、2個の第5プローブピン75は、第1プローブピン71、第3プローブピン73、及び第5プローブピン75のうちの最も前方及び最も後方に配置されている。
【0029】
第2プローブピン72、第4プローブピン74、及び第6プローブピン76は、検査ソケット1の前後方向に沿って間隔を空けて並んでいる。第2プローブピン72及び第4プローブピン74は、前後方向において交互に配置されている。
【0030】
2個の第6プローブピン76は、前後方向において13個の第2プローブピン72と13個の第4プローブピン74とを挟んでいる。つまり、2個の第6プローブピン76は、第2プローブピン72、第4プローブピン74、及び第6プローブピン76のうちの最も前方及び最も後方に配置されている。
【0031】
図5に示すように、各第1プローブピン71及び各第2プローブピン72は、上下方向及び前後方向の双方と交差(本実施形態では上下方向及び前後方向の双方と直交)する左右方向(例えば、各図に示されるX方向)に間隔を空けて対向配置されている。左右方向及びX方向は、第2方向の一例である。
【0032】
図6に示すように、各第3プローブピン73及び各第4プローブピン74は、左右方向に間隔を空けて対向配置されている。
【0033】
本実施形態において、第1プローブピン71及び第4プローブピン74は、同構成(言い換えると同サイズ且つ同形状)である。第4プローブピン74は、第1プローブピン71が左右方向において逆向きに配置されたものである。
【0034】
本実施形態において、第2プローブピン72及び第3プローブピン73は、同構成(言い換えると同サイズ且つ同形状)である。第3プローブピン73は、第2プローブピン72が左右方向において逆向きに配置されたものである。
【0035】
以上より、本実施形態において、検査ソケット1は、それぞれ異なる構成の4種類のプローブピン7を備える代わりに、2種類のプローブピン7を備えている。2種類のプローブピン7の一方はプローブピン71、74であり、2種類のプローブピン7の他方はプローブピン72、73である。
【0036】
図3に示すように、各第5プローブピン75及び各第6プローブピン76は、左右方向に間隔を空けて対向配置されている。
【0037】
本実施形態において、第5プローブピン75及び第6プローブピン76は、同構成(言い換えると同サイズ且つ同形状)である。本実施形態において、第5プローブピン75と第6プローブピン76とは、左右方向において逆向きに配置されている。第5プローブピン75及び第6プローブピン76は、第5プローブピン75及び第6プローブピン76の間において上下方向に延びる仮想線L1に対して互いに線対称に配置されている。
【0038】
以下、各プローブピン7の構成が説明される。本実施形態において、各第1プローブピン71、各第2プローブピン72、各第3プローブピン73、各第4プローブピン74、各プローブピン75、及び各プローブピン76は、概ね同構成である。そのため、以下では、第1プローブピン71の構成が説明され、他のプローブピンの構成の説明は原則として省略される。なお、各図において、構成の共通点については、同一の符号が付される。ただし、他のプローブピンにおいて第1プローブピン71と異なる構成については、説明される。以下の説明において、左右方向の「左方」および「右方」は、以下の意味である。つまり、第1プローブピン71及び第3プローブピン73では、左右方向において、湾曲部133側が「左方」であり、湾曲部133と反対側が「右方」である。一方、第2プローブピン72及び第4プローブピン74では、左右方向において、湾曲部133と反対側が「左方」であり、湾曲部133側が「右方」である。
【0039】
図5に示すように、第1プローブピン71は、第1接続部11と、第2接続部12と、弾性部13とを備える。第1接続部11は、弾性部13の上下方向の両端のうちの一方の端部(本実施形態では弾性部13の上端部)である第1端部13Aに接続されている。言い換えると、第1接続部11の下端部(本実施形態では上下方向における弾性部13に近い側の端部)は、弾性部13の上端部に接続されている。第2接続部12は、弾性部13の上下方向の両端のうちの他方の端部(本実施形態では弾性部13の下端部)である第2端部13Bに接続されている。言い換えると、第2接続部12の上端部(本実施形態では上下方向における弾性部13に近い側の端部)は、弾性部13の下端部に接続されている。
【0040】
第1接続部11は、第1接続部11の上端部(本実施形態では上下方向における第2接続部12から遠い方の端部)に設けられた第1接点111を備える。第2接続部12は、第2接続部12の下端部(本実施形態では上下方向における第1接続部11から遠い方の端部)に設けられた第2接点121を備える。つまり、第1プローブピン71は、上下方向の一端部(本実施形態では上端部)に設けられた第1接点111と、上下方向の他端部(本実施形態では下端部)に設けられた第2接点121とを備える。
【0041】
弾性部13は、第1部分131と、第2部分132と、湾曲部133とを有する。
【0042】
第1部分131は、第1端部13Aから左右方向に延びている。第2部分132は、第2端部13Bから左右方向に延びている。第2部分132は、左右方向において第1部分131と同じ側に延びている。
図5に示す例では、第1部分131は第1端部13Aから左方へ延び、第2部分132は第2端部13Bから左方へ延びている。
【0043】
湾曲部133は、湾曲形状である。湾曲部133は、第1部分131の左右方向の両端のうちの第1端部13Aから離れた端部(例えば、
図5では左端)と、第2部分132の左右方向の両端のうちの第2端部13Bから離れた端部(
図5では左端)とを接続する。
【0044】
弾性部13の両端である第1端部13A及び第2端部13Bは、左右方向において第1接続部11及び第2接続部12に対して同じ側(本実施形態では左側)から接続されている。つまり、弾性部13は、第1接続部11の左右方向の一側面(本実施形態では左面)に対して同じ側(本実施形態では左側)に位置している。
【0045】
第1接続部11の第1端部13Aが接続されている端部11Aと、第2接続部12の第2端部13Bが接続されている端部12Aとの間の上下方向に沿った長さL2は、弾性部13の湾曲の内径R1より長い。本実施形態において、端部11Aは第1接続部11の下端部であり、端部12Aは第2接続部12の上端部である。また、本実施形態において、弾性部13の湾曲の内径R1は、湾曲部133の内径R1である。
【0046】
弾性部13は、複数の長板部134(本実施形態では3つの長板部134A、134B、134C)を備える。各長板部134A、134B、134Cは、第1部分131と、第2部分132と、湾曲部133とに亘っている。
【0047】
各長板部134A、134B、134Cは、弾性部13の長さ方向に沿ってそれぞれ延びている。弾性部13の長さ方向は、第1部分131から湾曲部133を経て第2部分132まで弾性部13が延びている方向である。つまり、弾性部13の長さ方向は、第1部分131及び第2部分132において左右方向であり、湾曲部133において湾曲形状に沿った方向である。
【0048】
各長板部134A、134B、134Cは、弾性部13の幅方向に沿って間隔を空けて並んで配置されている。弾性部13の幅方向は、前後方向(本実施形態ではプローブピン7の板厚方向)と弾性部13の長さ方向との双方と直交する方向である。
【0049】
複数の長板部134は、湾曲部133の湾曲形状の外側に位置するほど、幅方向に長い。本実施形態では、長板部134Aは長板部134Bより幅方向に長く、長板部134Bは長板部134Cより幅方向に長い。
【0050】
第2部分132は、
図5の紙面上で右方へ向かうにしたがって上方へ向かうように延びている。つまり、第2部分132は、左右方向において第2端部13Bへ近づくにしたがって上下方向において第1端部13Aに近づくように延びている。すなわち、第2部分132の径方向の内縁を構成する面と外縁を構成する面とは、左右方向に対して傾斜した傾斜面である。
【0051】
第2接続部12の上側の縁部12Bは、
図5の紙面上で右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように延びている。つまり、第2接続部12のうちの上下方向における第1接続部11側(本実施形態では上側)の縁部12Bは、左右方向において弾性部13から離れるにしたがって上下方向において第1接続部11から離れるように延びている。つまり、縁部12Bは、左右方向に対して傾斜した傾斜面である。なお、縁部12Bは、左右方向に沿って延びていてもよい。なお、
図3に示すように、第5プローブピン75及び第6プローブピン76の縁部12Bは、左右方向に沿って延びている。
【0052】
図5に示すように、第1接点111は、突起状であり、第1接続部11の上端部から上方(本実施形態では第1方向において第2接続部12から離れる方向)へ突出している。第1接点111は、傾斜面111Aと、突起111Bとを備える。
【0053】
傾斜面111Aは、第1接点111の左右方向の一方側に位置している。傾斜面111Aは、上下方向において、弾性部13から離れるにしたがって中心線Cから離れるように傾斜している。中心線Cは、第1接続部11の左右方向の中心を通り且つ上下方向に延びる線である。
【0054】
突起111Bは、上方(本実施形態では第1方向において第2接続部12から離れる方向)へ突出している。突起111Bは、左右方向において傾斜面111Aに対して隙間を空けて対向している。突起111Bの突出先端(本実施形態では上端)は、傾斜面111Aの上端より下方に位置し、傾斜面111Aの下端より上方に位置している。つまり、第1方向において、突起111Bの突出先端は、傾斜面111Aにおける弾性部13から遠い側の端部と近い側の端部との間に位置している。
【0055】
傾斜面111Aおよび突起111Bに、接触対象物8の端子81が接触可能である。接触対象物8がハウジング3の凹部3Aに嵌められているとき、端子81は、前後方向に沿って見た側面視において、U字形状の部分を有する。つまり、端子81は、先端部に下に凸の湾曲部を有する。傾斜面111Aは、左右方向の一方側から端子81の湾曲部に接触する。
【0056】
本実施形態において、第1接点111は、接触対象物8に対して接触可能な傾斜面を1つのみ有する。つまり、本実施形態において、第1接点111において、接触対象物8に対して接触可能な傾斜面は、傾斜面111Aのみである。
【0057】
第2接点121は、突起状であり、第2接続部12の下端部から下方(本実施形態では第1方向において第1接続部11から離れる方向)へ突出している。第2接点121は、切欠き121Cを有する。切欠き121Cは、第2接点121の下面から上方(本実施形態では第1方向における第1接続部11側)へ切り欠かれている。
【0058】
第2接続部12は、切欠き12Cを有する。切欠き12Cは、第2接点121と弾性部13の第2部分132との間に設けられている。切欠き12Cは、第2接続部12の左右方向の端部から左右方向に沿って切り欠かれている。
【0059】
第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74は、配置向き、構成などに相違点を有する。以下に詳述する。
【0060】
図5に示すように、第1プローブピン71及び第2プローブピン72は、弾性部13が左右方向の外側を向くように左右方向に対向配置されている。
図6に示すように、第3プローブピン73及び第4プローブピン74は、弾性部13が左右方向の外側を向くように左右方向に対向配置されている。
【0061】
図5及び
図6に示すように、第1プローブピン71及び第4プローブピン74の傾斜面111Aは、左右方向において第1接点111における弾性部13の湾曲部133側に位置している。第1プローブピン71及び第4プローブピン74の傾斜面111Aは、左右方向において弾性部13の湾曲部133とは反対側を向いている。第1プローブピン71及び第4プローブピン74の突起111Bは、左右方向において傾斜面111Aに対して弾性部13の湾曲部133の反対側に位置している。
【0062】
第1プローブピン71の傾斜面111Aは、
図5の紙面上において、第1接点111の左部に位置しており、右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように延びており、右上を向いている。第1プローブピン71の突起111Bは、
図5の紙面上において、第1プローブピン71の傾斜面111Aの右方に位置している。第4プローブピン74の傾斜面111Aは、
図6の紙面上において、第1接点111の右部に位置しており、左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように延びており、左上を向いている。第4プローブピン74の突起111Bは、
図6の紙面上において、第4プローブピン74の傾斜面111Aの左方に位置している。
【0063】
図5及び
図6に示すように、第2プローブピン72及び第3プローブピン73の傾斜面111Aは、左右方向において第1接点111における弾性部13とは反対側に位置している。第2プローブピン72及び第3プローブピン73の傾斜面111Aは、左右方向において弾性部13の湾曲部133側を向いている。第2プローブピン72及び第3プローブピン73の突起111Bは、左右方向において傾斜面111Aに対して弾性部13側に位置している。
【0064】
第2プローブピン72の傾斜面111Aは、
図5の紙面上において、第1接点111の左部に位置しており、右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように延びており、右上を向いている。第2プローブピン72の突起111Bは、
図5の紙面上において、第2プローブピン72の傾斜面111Aの右方に位置している。第3プローブピン73の傾斜面111Aは、
図6の紙面上において、第1接点111の右部に位置しており、左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように延びており、左上を向いている。第3プローブピン73の突起111Bは、
図6の紙面上において、第3プローブピン73の傾斜面111Aの左方に位置している。
【0065】
以上より、
図5に示すように、第1プローブピン71の第1接点111が有する傾斜面111Aと、第2プローブピン72の第1接点111が有する傾斜面111Aとは、左右方向において同じ側(本実施形態では右方)を向いている。
図6に示すように、第3プローブピン73の第1接点111が有する傾斜面111Aと、第4プローブピン74の第1接点111が有する傾斜面111Aとは、左右方向において同じ側(本実施形態では左方)を向いている。
【0066】
また、
図5及び
図6に示すように、第1プローブピン71の第1接点111が有する傾斜面111A(
図5参照)と、第3プローブピン73の第1接点111が有する傾斜面111A(
図6参照)とは、左右方向において反対側を向いている。第2プローブピン72の第1接点111が有する傾斜面111A(
図5参照)と、第4プローブピン74の第1接点111が有する傾斜面111A(
図6参照)とは、左右方向において反対側を向いている。
【0067】
また、前後方向に沿って見て、第1プローブピン71の第1接点111が有する傾斜面111Aと、第3プローブピン73の第1接点111が有する傾斜面111Aとは、左右方向において互いに向かい合っている。前後方向に沿って見て、第2プローブピン72の第1接点111が有する傾斜面111Aと、第4プローブピン74の第1接点111が有する傾斜面111Aとは、左右方向において互いに向かい合っている。
【0068】
第1プローブピン71及び第4プローブピン74は、第2接点121及び切欠き12Cを備える。第2プローブピン72及び第3プローブピン73は、第2接点121の代わりに第2接点122を備える。第2接点122は、切欠き12Cを備えていない。第2接点122は、切欠き121Cを有していない点で第2接点121と異なる。
【0069】
第1プローブピン71及び第4プローブピン74では、上下方向に沿って見て第2接点121が第1接点111から外れた位置にある。第1プローブピン71及び第4プローブピン74では、上下方向に沿って見て第2接点121が傾斜面111Aから外れた位置にある。第1プローブピン71及び第4プローブピン74では、上下方向に沿って見て第2接続部12のうち第2接点121を含む部分は弾性部13と重なっている。つまり、第1プローブピン71及び第4プローブピン74では、左右方向において、第2接続部12のうち第2接点121を含む部分の少なくとも一部は、弾性部13の少なくとも一部と同位置である。また、第1プローブピン71及び第4プローブピン74では、第1接続部11に対して弾性部13および第2接点121が左右方向における同じ側に位置している。
【0070】
第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、上下方向に沿って見て、第2接点122と第1接点111とは、少なくとも一部同士が互いに重なる位置にある。つまり、第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、左右方向において、第2接点122の少なくとも一部は、第1接点111の少なくとも一部と同位置である。また、第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、弾性部13に対して第1接点111と第2接点122とが左右方向における同じ側に位置している。第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、上下方向に沿って見て、第2接点122と傾斜面111Aとは、少なくとも一部同士が互いに重なる位置にある。つまり、第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、左右方向において、第2接点122の少なくとも一部は、傾斜面111Aの少なくとも一部と同位置である。また、第2プローブピン72及び第3プローブピン73では、弾性部13に対して傾斜面111Aと第2接点122とが左右方向における同じ側に位置している。
【0071】
図5に示すように、第1プローブピン71及び第2プローブピン72において、傾斜面111Aは第1接点111における左部に設けられている。
図6に示すように、第3プローブピン73及び第4プローブピン74において、傾斜面111Aは第1接点111における右部に設けられている。
図5及び
図6(及び後述する
図7~
図10)における左方は左右方向の一方側の一例であり、
図5及び
図6(及び後述する
図7~
図10)における右方は左右方向の他方側の一例である。
【0072】
図5及び
図6に示すように、第1プローブピン71の第2接点121は、第3プローブピン73の第2接点122に対して左方に位置する。つまり、前後方向に沿って見て、第1プローブピン71の第2接点121は、第3プローブピン73の第2接点122と重なっていない。すなわち、左右方向において、第1プローブピン71の第2接点121は、第3プローブピン73の第2接点122と異なる位置にある。なお、前後方向に沿って見て、第1プローブピン71の第2接点121は、第3プローブピン73の第2接点122の一部のみ重なっていてもよい。つまり、左右方向において、第1プローブピン71の第2接点121は第3プローブピン73の第2接点122と一部同位置であってもよい。
【0073】
第2プローブピン72の第2接点122は、第4プローブピン74の第2接点121に対して左方に位置する。つまり、前後方向に沿って見て、第2プローブピン72の第2接点122は、第4プローブピン74の第2接点121と重なっていない。すなわち、左右方向において、第2プローブピン72の第2接点122は、第4プローブピン74の第2接点121と異なる位置にある。なお、前後方向に沿って見て、第2プローブピン72の第2接点122は、第4プローブピン74の第2接点121の一部のみ重なっていてもよい。つまり、左右方向において、第2プローブピン72の第2接点122は第4プローブピン74の第2接点121と一部同位置であってもよい。
【0074】
前述したように、第1プローブピン71及び第2プローブピン72において、傾斜面111Aは第1接点111における左部に設けられている。また、第1プローブピン71の第2接点121は第3プローブピン73の第2接点122に対して左方に位置し、第2プローブピン72の第2接点122は第4プローブピン74の第2接点121に対して左方に位置している。つまり、第1プローブピン71の第1接点111が有する傾斜面111Aは、左右方向において、第1プローブピン71の第1接点111のうち、第1プローブピン71の第2接点121が第3プローブピン73の第2接点122に対して配置されている側である左側に配置されている。また、第2プローブピン72の第1接点111が有する傾斜面111Aは、左右方向において、第2プローブピン72の第1接点111のうち、第2プローブピン72の第2接点122が第4プローブピン74の第2接点121に対して配置されている側である左側に配置されている。
【0075】
前述したように、第3プローブピン73及び第4プローブピン74「において、傾斜面111Aは第1接点111における右部に設けられている。また、第3プローブピン73の第2接点122は第1プローブピン71の第2接点121に対して右方に位置し、第4プローブピン74の第2接点121は第2プローブピン72の第2接点122に対して右方に位置している。つまり、第3プローブピン73の第1接点111が有する傾斜面111Aは、左右方向において、第3プローブピン73の第1接点111のうち、第3プローブピン73の第2接点122が第1プローブピン71の第2接点121に対して配置されている側である右側に配置されている。また、第4プローブピン74の第1接点111が有する傾斜面111Aは、左右方向において、第4プローブピン74の第1接点111のうち、第4プローブピン74の第2接点121が第2プローブピン72の第2接点122に対して配置されている側である右側に配置されている。
【0076】
第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74は、次のような効果を発揮できる。
【0077】
第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74において、端部11Aと端部12Aとの間の上下方向に沿った長さL2は、弾性部13の湾曲の内径R1より長い。第2接続部12のうちの上下方向における第1接続部11側の縁部12Bは、左右方向において弾性部13から離れるにしたがって上下方向において第1接続部11から離れるように延びている。そのため、第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74において、弾性部13による上下方向のストロークを大きくすることができる。その結果、プローブピン7の接触信頼性を向上することができる。
【0078】
第2部分132は、左右方向において第2端部13Bへ近づくにしたがって上下方向において第1端部13Aに近づくように延びている。そのため、各プローブピン7において、弾性部13が占める部分を小さくすることができる。
【0079】
弾性部13は、複数の長板部134を備える。複数の長板部134は、湾曲部133の湾曲形状の外側に位置するほど、幅方向に長い。そのため、弾性部13を撓みやすくすることができる。
【0080】
第1接点111は接触対象物8に接触可能な傾斜面111Aを有する。例えば、接触対象物8の端子81が先端部に湾曲部を有する場合、傾斜面111Aは左右方向の一方側から端子81の湾曲部に接触する。端子81の湾曲部の一方側のみに金メッキが施され、当該一方側以外にスズメッキが施されている場合、傾斜面111Aを金メッキされた部分に接触させることができる。
【0081】
第1接点111は、傾斜面111Aに加えて突起111Bを備える。そのため、第1接点111を接触対象物8に複数点で接触させることができる。
【0082】
第1プローブピン71及び第4プローブピン74は、次のような効果を発揮できる。
【0083】
上下方向に沿って見て、第1プローブピン71及び第4プローブピン74の第2接点121は、傾斜面111Aから外れた位置にある。そのため、第1プローブピン71と第3プローブピン73とが前後方向に並べて配置された構成において、第1プローブピン71の第2接点121と第3プローブピン73の第2接点122との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。同様に、第4プローブピン74と第2プローブピン72とが前後方向に並べて配置された構成において、第4プローブピン74の第2接点121と第2プローブピン72の第2接点122との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。
【0084】
第1プローブピン71及び第4プローブピン74の第2接続部12は切欠き12Cを有する。これにより、第2接点121を上下方向に撓ませることができる。
【0085】
第2プローブピン72及び第3プローブピン73は、次のような効果を発揮できる。
【0086】
上下方向に沿って見て、第2プローブピン72及び第3プローブピン73の第2接点122の少なくとも一部は、傾斜面111Aの少なくとも一部と重なっている。そのため、第2プローブピン72と第4プローブピン74とが前後方向に並べて配置された構成において、第2プローブピン72の第2接点122と第4プローブピン74の第2接点121との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。同様に、第3プローブピン73と第1プローブピン71とが前後方向に並べて配置された構成において、第3プローブピン73の第2接点122と第1プローブピン71の第2接点121との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。
【0087】
検査ソケット1は、次のような効果を発揮できる。
【0088】
第1プローブピン71の第2接点121は、第3プローブピン73の第2接点122に対して左方に位置し、第2プローブピン72の第2接点122は、第4プローブピン74の第2接点121に対して左方に位置している。このような構成であることにより、第1プローブピン71及び第3プローブピン73を前後方向に交互に並べた場合に、前後方向に隣り合う2つの第2接点間のピッチを大きくすることができる。以下に詳述する。仮に、第1プローブピン71の第2接点121と第3プローブピン73の第2接点122との左右方向の位置が同じ場合、前後方向に交互に並べられた第1プローブピン71及び第3プローブピン73の各第2接点121、122は前後に隣り合う。一方、第1プローブピン71の第2接点121が第3プローブピン73の第2接点122に対して左方に位置している場合、前後方向に交互に並べられた第1プローブピン71及び第3プローブピン73の各第2接点121、122は前後に隣り合わない。この場合、2つの第1プローブピン71の各第2接点121、121が前後に隣り合う。つまり、当該2つの第1プローブピン71の間に第3プローブピン73が位置しない分、隣り合う2つの第2接点間のピッチが大きくなる。同様に、第2プローブピン72及び第4プローブピン74を前後方向に交互に並べた場合も、前後方向に隣り合う2つの第2接点間のピッチを大きくすることができる。その結果、検査ソケット1の接触信頼性を向上することができる。
【0089】
各プローブピンの間隔が狭い場合、検査ソケットが搭載される基板上のパッド間隔も狭くなり、各パッドの形成が困難となるおそれがある。本実施形態の検査ソケット1では、前述したように、前後方向に隣り合う2つの第2接点間のピッチを大きくすることができる。これにより、基板上のパッド間隔を大きくすることができるため、各パッドの形成を容易に形成することができる。
【0090】
上下方向に沿って見た場合に、第1プローブピン71及び第4プローブピン74において、第1接点111は第2接点121から外れた位置にある。上下方向に沿って見た場合に、第2プローブピン72及び第3プローブピン73において、第1接点111と第2接点122とは互いに重なる位置にある。これにより、第1プローブピン71及び第3プローブピン73が前後方向に交互に並べられた場合に、第1プローブピン71の第2接点121と第3プローブピン73の第2接点122との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。また、第2プローブピン72及び第4プローブピン74が前後方向に交互に並べられた場合に、第2プローブピン72の第2接点122と第4プローブピン74の第2接点121との左右方向の位置を異なる位置とすることができる。
【0091】
第3プローブピン73は、第2プローブピン72と同構成であって第2プローブピン72と左右方向において逆向きに配置されている。第4プローブピン74は、第1プローブピン71と同構成であって第1プローブピン71と左右方向において逆向きに配置されている。これにより、検査ソケット1が備えるプローブピンの種類を少なくすることができる。
【0092】
左右方向において対向配置されている第1プローブピン71及び第2プローブピン72の各傾斜面111Aは、左右方向において同じ側を向いている。左右方向において対向配置されている第3プローブピン73及び第4プローブピン74の各傾斜面111Aは、左右方向において同じ側を向いている。これにより、左右方向に対向配置されている2つのプローブピンの傾斜面111Aを、左右方向の同じ側から接触対象物8に接触させることができる。
【0093】
前後方向において並んで配置されている第1プローブピン71及び第3プローブピン73の各傾斜面111Aは、左右方向において反対側を向いている。前後方向において並んで配置されている第2プローブピン72及び第4プローブピン74の各傾斜面111Aは、左右方向において反対側を向いている。これにより、前後方向に並んで配置されている2つのプローブピンの傾斜面111Aを、左右方向の反対側から接触対象物8に接触させることができる。
【0094】
前後方向に沿って見て、前後方向において並んで配置されている第1プローブピン71及び第3プローブピン73の各傾斜面111Aは、左右方向において互いに向かい合っている。前後方向に沿って見て、前後方向において並んで配置されている第2プローブピン72及び第4プローブピン74の各傾斜面111Aは、左右方向において互いに向かい合っている。これにより、各プローブピンの傾斜面111Aを、左右方向の外側から接触対象物8に接触させることができる。
【0095】
第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、第4プローブピン74の各々の第1接点111は、接触対象物8に対して接触可能な傾斜面111Aを1つのみ有する。仮に、第1接点111が接触対象物8に対して接触可能な傾斜面を2つ有する場合、接触対象物8が一方の傾斜面に押し付けられることによって、接触対象物8が他方の傾斜面から離れる可能性が高まる。しかし、この構成によれば、接触対象物8における所望の位置に対する傾斜面111Aの非接触の可能性を低くすることができる。
【0096】
検査ソケット1は、次のように構成することもできる。
【0097】
前述した実施形態では、検査ソケット1が2種類のプローブピン7を備えている構成が説明されている。2種類のプローブピン7の一方は、互いに同構成の第1プローブピン71及び第4プローブピン74である。2種類のプローブピン7の他方は、互いに同構成の第2プローブピン72及び第3プローブピン73である。しかし、検査ソケット1が備えるプローブピン7の種類は2種類に限らない。
【0098】
検査ソケット1が4種類のプローブピン7を備える構成が
図7及び
図8に示される。
図7及び
図8では、
図5及び
図6に示すプローブピンと同構成の部分については、同一の符号が付され、説明が省略される。
図7及び
図8に示す構成では、第1プローブピン71、第2プローブピン72、第3プローブピン73、及び第4プローブピン74の各々は、互いに異なる構成である第2接点を備える。つまり、第1プローブピン71は第2接点123を備え、第2プローブピン72は第2接点124を備え、第3プローブピン73は第2接点125を備え、第4プローブピン74は第2接点126を備える。第2接点123、124、125、126は、備える切欠きの数を異にする。第2接点123は3つの切欠きを有し、第2接点124は2つの切欠きを有し、第2接点125は切欠きを有しておらず、第2接点126は1つの切欠きを有する。
【0099】
前述した実施形態では、第1接点111が接触対象物8に対して接触可能な傾斜面111Aを1つのみ有する構成が説明された。しかし、第1接点111は複数の傾斜面を有していてもよい。
【0100】
第1接点111が2つの傾斜面(傾斜面111A及び第2の傾斜面111Cを有する構成が
図9及び
図10に示される。
図9及び
図10では、
図5及び
図6に示すプローブピンと同構成の部分については、同一の符号が付され、説明が省略される。
図9及び
図10に示す構成では、各プローブピン7の第1接点111は、傾斜面111Aに加えて第2の傾斜面111Cを有する。第2の傾斜面111Cは、傾斜面111Aに対して左右方向に対向している。第2の傾斜面111Cは、左右方向に対向する傾斜面111Aに対して逆向きに傾斜している。例えば、傾斜面111Aが右上を向くように傾斜している場合、第2の傾斜面111Cは左上を向くように傾斜している。第2の傾斜面111Cには、傾斜面111Aと同様に、接触対象物8の端子81が接触可能である。傾斜面111Aは左右方向の一方側から端子81の湾曲部に接触する。一方、第2の傾斜面111Cは左右方向の他方側から端子81の湾曲部に接触する。
【0101】
ハウジング2、3、4、5、6は、検査ソケット1の設計等に応じて、形状および構成を任意に変更することができる。例えば、ハウジング2、3、4、5、6の形状は、略四角柱形状に限らず、略円柱形状であってもよいし、略四角柱形状以外の略多角形状であってもよい。ハウジング10は、5つの部材で構成されている場合に限らず、1つの部材で構成されていてもよいし、5つではない数の複数の部材で構成されていてもよい。
【0102】
検査ソケット1が有するプローブピン7の数は、検査ソケット1の設計等に応じて、任意に変更できる。
【0103】
例えば、
図3及び
図4に示す構成では、プローブピン7は、13個の第1プローブピン71と、13個の第2プローブピン72と、13個の第3プローブピン73と、13個の第4プローブピン74と、2個の第5プローブピン75と、2個の第6プローブピン76とを備える。ここで、左右方向に対向する一対のプローブピン71、72と左右方向に対向する一対のプローブピン73、74とが前後方向に並んで配置されたものを1つのプローブピンセットであるとする。この場合、
図3及び
図4に示す構成では、プローブピンセットが前後方向に13個並べられている。このように配置されることにより、上下方向に沿って見た場合に、隣り合う第2接点121、122の左右方向の位置が異なる構成となる。このプローブピンセットが前後方向に並べられる個数が13個以外であってもよい。
【0104】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0105】
本開示の第1態様のプローブピン7は、
弾性部13と、前記弾性部13の第1方向の両端のうちの一方の端部である第1端部13Aに接続された第1接続部11と、前記弾性部13の前記第1方向の両端のうちの他方の端部である第2端部13Bに接続された第2接続部12と
を備え、
前記弾性部13は、
前記第1端部から前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1部分131と、
前記第2端部から前記第2方向における前記第1部分と同じ側に延びる第2部分132と、
前記第1部分の前記第2方向の両端のうちの前記第1端部から離れた端部と、前記第2部分の前記第2方向の両端のうちの前記第2端部から離れた端部とを接続する、湾曲形状の湾曲部133と
を有し、
前記第1接続部の前記第1端部が接続されている端部と、前記第2接続部の前記第2端部が接続されている端部との間の前記第1方向に沿った長さL2は、前記弾性部13の湾曲の内径R1より長い。
【0106】
本開示の第2態様のプローブピン7は、第1態様のプローブピン7において、
前記第2部分132は、前記第2方向において前記第2端部13Bへ近づくにしたがって前記第1方向において前記第1端部13Aに近づくように延びている。
【0107】
本開示の第3態様のプローブピン7は、第1態様または第2態様のプローブピン7において、
前記第2接続部12のうちの前記第1方向における前記第1接続部11側の縁部12Bは、前記第2方向に沿って延びている、または、前記第2方向において前記弾性部13から離れるにしたがって前記第1方向において前記第1接続部11から離れるように延びている。
【0108】
本開示の第4態様のプローブピン7は、第1態様から第3態様のいずれか1つのプローブピン7において、
前記弾性部13は、前記弾性部13が延びる長さ方向に沿ってそれぞれ延びており、前記長さ方向と直交する前記弾性部13の幅方向に沿って隙間を空けて並んで配置された複数の長板部134を備え、
前記複数の長板部134は、前記湾曲部133の湾曲形状の外側に位置するほど、前記幅方向に長い。
【0109】
本開示の第5態様のプローブピン7は、第1態様から第4態様のいずれか1つのプローブピン7において、
前記第1接続部11は、前記第1方向における前記第2接続部12から遠い方の端部に設けられた第1接点111を備え、
前記第1接点111は、接触対象物8に対して接触可能な傾斜面111Aを有する。
【0110】
本開示の第6態様のプローブピン7は、第5態様のプローブピン7において、
前記第1接点111は、前記第1方向へ突出しており且つ前記第2方向において前記傾斜面111Aに対して隙間を空けて対向した突起111Bを更に備える。
【0111】
本開示の第7態様のプローブピン7は、第5態様または第6態様のプローブピン7において、
前記第2接続部12は、前記第1方向における前記第1接続部11から遠い方の端部に設けられた第2接点122を備え、
前記第1方向に沿って見て、前記第2接点122の少なくとも一部は、前記傾斜面111Aの少なくとも一部と重なっている。
【0112】
本開示の第8態様のプローブピン7は、第7態様のプローブピン7において、
前記傾斜面111Aは、前記第2方向において前記弾性部13の前記湾曲部133側を向いている。
【0113】
本開示の第9態様のプローブピン7は、第5態様または第6態様のプローブピン7において、
前記第2接続部12は、前記第1方向における前記弾性部13から遠い方の端部に設けられた第2接点121を備え、
前記第1方向に沿って見て、前記第2接点121は、前記傾斜面111Aから外れた位置にある。
【0114】
本開示の第10態様のプローブピン7は、第9態様のプローブピン7において、
前記傾斜面111Aは、前記第2方向において前記弾性部13の前記湾曲部133とは反対側を向いている。
【0115】
本開示の第11態様のプローブピン7は、第9態様または第10態様のプローブピン7において、
前記第1方向に沿って見て、前記第2接続部12のうち前記第2接点121を含む部分は、前記弾性部13と重なっており、
前記第2接続部12は、前記第2接点121と前記弾性部13との間に前記第2方向に切り欠かれた切欠き12Cを有する。
【0116】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本開示の検査ソケットは、例えば、光学モジュールなどの電子モジュールの検査に用いる検査装置に適用できる。
【符号の説明】
【0118】
1 検査ソケット
2、3、4、5、6 ハウジング
11 第1接続部
11A 端部
12 第2接続部
12A 端部
12C 切欠き
13 弾性部
131 第1部分
132 第2部分
133 湾曲部
134 長板部
13A 第1端部
13B 第2端部
71 第1プローブピン
72 第2プローブピン
73 第3プローブピン
74 第4プローブピン
111 第1接点
111A 傾斜面
111B 突起
121、122 第2接点
【要約】
【課題】接触信頼性の高いプローブピンを提供する。
【解決手段】プローブピンは、弾性部と、弾性部の第1方向の両端のうちの一方の端部である第1端部に接続された第1接続部と、他方の端部である第2端部に接続された第2接続部とを備える。弾性部は、第1端部から第1方向と交差する第2方向に延びる第1部分と、第2端部から第2方向における第1部分と同じ側に延びる第2部分と、第1部分の第2方向の両端のうちの第1端部から離れた端部と、第2部分の第2方向の両端のうちの第2端部から離れた端部とを接続する湾曲形状の湾曲部とを有する。第1接続部の第1端部が接続されている端部と、第2接続部の第2端部が接続されている端部との間の第1方向に沿った長さは、弾性部の湾曲の内径より長い。
【選択図】
図5