(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】通報システム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
B66B3/00 L
(21)【出願番号】P 2023171844
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-298495(JP,A)
【文献】特開2005-255274(JP,A)
【文献】国際公開第2021/260803(WO,A1)
【文献】特開2005-154092(JP,A)
【文献】特開2008-120581(JP,A)
【文献】特開2006-107187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの各利用者の顔情報を受信した場合において、その顔情報が対象者の顔情報に合致した場合に、当該顔情報に対応付けられている連絡先を返信するAPIと、
エレベータの乗りかごに乗車した各利用者の顔情報を取得する顔情報取得部と、
前記顔情報取得部が取得した各利用者の顔情報を前記APIへ送信し、その結果として当該APIから前記連絡先の返信があった場合に、その連絡先へ当該利用者の状況を通報する第1通報処理部と、
を備え、
前記第1通報処理部は、
前記乗りかご内への利用者の閉じ込めが発生した場合、その閉じ込めが発生したエレベータから、当該乗りかごにその時点で登録されている行先階を取得し、
前記APIのうちの、前記行先階への入居者が管理している外部装置と連携できるAPIへ、前記顔情報取得部が取得した各利用者の顔情報を送信し、その結果として当該APIから前記連絡先の返信があった場合に、その連絡先へ前記閉じ込めが発生したことを通報する、通報システム。
【請求項2】
前記第1通報処理部は、前記閉じ込めが発生したことを前記連絡先へ通報した後、その閉じ込めが発生したエレベータに対し、当該連絡先へ通報したことを前記乗りかご内に閉じ込められている利用者に案内するよう指令する、請求項
1に記載の通報システム。
【請求項3】
前記閉じ込めが発生したことを前記第1通報処理部が前記連絡先へ通報した後、その閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを知らせる救出完了信号を受信した場合に、当該連絡先と同じ連絡先へ、前記閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを通報する第2通報処理部、
を更に備える、請求項
1又は2に記載の通報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに適用可能な通報技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかご内には、監視センタへの通報が可能となるように、非常呼びボタン(インターホンなど)が設けられている(例えば、特許文献1参照)。従って、利用者は、エレベータが緊急停止して乗りかご内に閉じ込められてしまった場合でも、非常呼びボタンを用いて監視センタへ通報することにより、乗りかご内から救出を求めることができる。また、利用者がスマートホンを所持していた場合には、その利用者は、自身が乗りかご内に閉じ込められたことを、スマートホンで関係者(家族、友人、会社など)に連絡することができる。更に、利用者がスマートホンを所持していなかった場合であっても、その利用者が関係者への連絡先を記憶していれば、監視センタへの通報時に、その連絡先への伝言を監視員に依頼することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、利用者が乗りかご内に閉じ込められた場合において、その利用者が、スマートホンを所持しておらず、且つ、関係者(家族、友人、会社など)への連絡先を記憶できていなかった場合には、非常呼びボタンを用いて監視センタへは通報できるものの、関係者には連絡することができず、当該関係者に心配をかけることになる。
【0005】
そこで本発明の目的は、特定の利用者について、当該利用者がエレベータを利用したときの状況を関係者が知ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通報システムは、情報管理データと、顔情報取得部と、第1通報処理部と、を備える(態様1)。ここで、情報管理データには、対象者ごとに、その対象者の顔情報と、連絡先と、が互いに対応付けられた状態で保存される。顔情報取得部は、エレベータの乗りかごに乗車した各利用者の顔情報を取得する。第1通報処理部は、乗りかごに乗車した利用者のうちの、顔情報取得部が取得した顔情報が情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した各対象者について、その合致した顔情報に対応付けられている連絡先へ、当該利用者の状況を通報する。
【0007】
上記態様1によれば、対象者の顔情報と連絡先とを情報管理データに登録しておくことにより、各対象者がエレベータを利用した場合に、その対象者の状況を連絡先の関係者に通報すること(エレベータの利用があったことを通報する場合も含む)が可能になる。関係者の例として、対象者の家族(保護者など)を関係者としたケースや、対象者の友人、会社、塾、学校などを関係者としたケースなどを考えることができる。そして、上記のような関係者への通報によれば、対象者がエレベータを利用した場合に、その都度、関係者は、通報を受けることによって対象者によるエレベータの利用があったことを知ることが可能になる。また、エレベータの利用中に対象者に何らかの事象が発生した場合において、従来であればそのときの状況を関係者が知ることが難しかったような場合(対象者が、スマートホンを所持しておらず、且つ、関係者の連絡先を記憶していなかったが故に、関係者への連絡手段がないような場合)であっても、上記態様1によれば、関係者は、通報を受けることによって対象者の状況を知ることが可能になる。
【0008】
上記態様1に係る通報システムにおいて、第1通報処理部は、乗りかご内への利用者の閉じ込めが発生した場合において、当該乗りかご内に閉じ込められた利用者の中に、顔情報取得部が取得した顔情報が情報管理データ内の顔情報の何れかと合致する対象者がいた場合に、各対象者について、情報管理データ内にて当該顔情報に対応付けられている連絡先へ、閉じ込めが発生したことを通報してもよい(態様2)。
【0009】
乗りかご内への対象者の閉じ込めが発生した場合において、従来であれば閉じ込めの発生を関係者が知ることが難しかったような場合であっても、上記態様2によれば、関係者は、通報を受けることによって対象者が乗りかご内に閉じ込められていることを知ることが可能になる。
【0010】
本発明に係る通報システムは、APIと、顔情報取得部と、第1通報処理部と、を備えていてもよい(態様3)。ここで、APIは、エレベータの各利用者の顔情報を受信した場合において、その顔情報が対象者の顔情報に合致した場合に、当該顔情報に対応付けられている連絡先を返信する。顔情報取得部は、エレベータの乗りかごに乗車した各利用者の顔情報を取得する。第1通報処理部は、顔情報取得部が取得した各利用者の顔情報をAPIへ送信し、その結果として当該APIから連絡先の返信があった場合に、その連絡先へ当該利用者の状況を通報する。
【0011】
上記態様3によれば、情報管理データを持たなくてもAPI連携によって外部装置(サーバなど)から連絡先を取得することができ、それにより、関係者に対して上記態様1と同様の通報を行うことが可能になる。
【0012】
上記態様3に係る通報システムにおいて、第1通報処理部は、乗りかご内への利用者の閉じ込めが発生した場合において、当該乗りかご内に閉じ込められた各利用者の顔情報をAPIへ送信し、その結果として当該APIから連絡先の返信があった場合に、その連絡先へ閉じ込めが発生したことを通報してもよい(態様4)。
【0013】
上記態様4によれば、関係者に対して上記態様2と同様の通報を行うことが可能になる。
【0014】
上記態様4に係る通報システムは、次のような構成を備えていてもよい(態様5)。具体的には、第1通報処理部は、乗りかご内への利用者の閉じ込めが発生した場合、その閉じ込めが発生したエレベータから、当該乗りかごにその時点で登録されている行先階を取得してもよい。そして、第1通報処理部は、APIのうちの、上記行先階への入居者が管理している外部装置と連携できるAPIへ、顔情報取得部が取得した各利用者の顔情報を送信し、その結果として当該APIから連絡先の返信があった場合に、その連絡先へ閉じ込めが発生したことを通報してもよい。
【0015】
上記態様5によれば、乗りかご内に利用者が閉じ込めれた場合に、その時点で各利用者に関係しそうな連絡先へ、閉じ込めが発生したことを通報することが可能になる。
【0016】
上記態様2、4、及び5の何れかに係る通報システムにおいて、第1通報処理部は、閉じ込めが発生したことを連絡先へ通報した後、その閉じ込めが発生したエレベータに対し、当該連絡先へ通報したことを乗りかご内に閉じ込められている利用者に案内するよう指令してもよい(態様6)。
【0017】
上記態様6によれば、乗りかご内に閉じ込められた利用者は、エレベータから案内を受けることにより、自身の状況(乗りかご内に閉じ込められていること)が関係者に通報されたことを知ることができる。これにより、乗りかご内の利用者に、自身の状況を関係者に知ってもらえているという安心感を与えることが可能になる。
【0018】
上記態様2及び4~6の何れかに係る通報システムは、第2通報処理部を更に備えていてもよい(態様7)。ここで、第2通報処理部は、閉じ込めが発生したことを第1通報処理部が連絡先へ通報した後、その閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを知らせる救出完了信号を受信した場合に、当該連絡先と同じ連絡先へ、閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを通報する。
【0019】
上記態様7によれば、乗りかご内への対象者の閉じ込めが発生した場合において、関係者は、閉じ込めが発生したことの通報を受けた後、更なる通報を受けることにより、対象者が当該閉じ込めから救出されたことを知ることが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特定の利用者(対象者)について、当該利用者がエレベータを利用したときの状況を関係者が知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る通報システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
【
図2】実施形態で用いられる(A)情報管理データ及び(B)通報管理データをそれぞれ例示した概念図である。
【
図3】実施形態にて実行される第1通報処理を示したフローチャートである。
【
図4】実施形態にて実行される第2通報処理を示したフローチャートである。
【
図5】第2変形例にて実行される第1通報処理を示したフローチャートである。
【
図6】第3変形例に係る通報システムが適用されたエレベータを例示した概念図である。
【
図7】第3変形例にて実行される第1通報処理を示したフローチャートである。
【
図8】第4変形例にて実行される第1通報処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1]実施形態
図1は、実施形態に係る通報システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。この図に示されるように、エレベータ1の乗りかごG内には、通常、エレベータ1から監視センタ2への通報が可能となるように、非常呼びボタン11が設けられている。また、エレベータ1と監視センタ2とは、それらの間の情報通信(通話を含む)が可能となるようにネットワークを介して互いに接続される。
【0023】
従って、利用者は、エレベータ1が緊急停止して乗りかごG内に閉じ込められてしまった場合でも、非常呼びボタン11を用いて監視センタ2へ通報することにより、乗りかごG内から救出を求めることができる。また、利用者がスマートホンを所持していた場合には、その利用者は、自身が乗りかごG内に閉じ込められたことを、スマートホンで関係者(家族、友人、会社など)に連絡することができる。更に、利用者がスマートホンを所持していなかった場合であっても、その利用者が関係者への連絡先(電話番号など)を記憶していれば、監視センタ2への通報時に、その連絡先への伝言を監視員に依頼することができる。
【0024】
一方、利用者が乗りかごG内に閉じ込められた場合において、その利用者が、スマートホンを所持しておらず、且つ、関係者(家族、友人、会社など)への連絡先を記憶できていなかった場合には、非常呼びボタン11を用いて監視センタ2へは通報できるものの、関係者には連絡することができず、当該関係者に心配をかけることになる。
【0025】
そこで本実施形態では、そのような場合でも閉じ込めの発生を関係者が知ることができるようにするべく、それを可能にするための通報システムが、エレベータ1の乗りかごG内に設置される顔情報取得部12と、監視センタ2に設置される制御装置20と、によって構成されている(
図1参照)。
【0026】
顔情報取得部12は、カメラなどの撮像デバイスで構成される部分であり、乗りかごGに乗車した各利用者の顔情報Pfを取得する。
【0027】
具体的には、顔情報取得部12は、乗りかごG内を撮影することにより、当該乗りかごGに乗車した利用者の顔が写った画像を取得する。そして、顔情報取得部12は、取得した画像に画像処理を施すことにより、その画像に写っている各利用者の顔情報Pf(顔特徴量など)を抽出する。
【0028】
顔情報取得部12は、監視センタ2の制御装置20からの指令により、乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合にだけ、各利用者の顔情報Pfの取得を実行してもよい。また、そのような閉じ込めが発生した場合には、エレベータ1は、監視センタ2の制御装置20からの指令に応じて、乗りかごG内の利用者に対し、乗りかごG内の通話装置13や表示装置14(
図1参照)を通じて次のような案内を行ってもよい。具体的には、乗りかごG内に閉じ込められた各利用者の顔情報Pfを顔情報取得部12で正確に取得できるようにするべく、エレベータ1は、乗りかごG内の利用者に対し、顔情報取得部12(カメラなど)のほうへ自身の顔を向けるように案内してもよい。
【0029】
顔情報取得部12が取得した各利用者の顔情報Pfは、後述する監視センタ2の制御装置20が行う制御処理(具体的には第1通報処理)に用いられる。そのため、顔情報取得部12が乗りかごG内の各利用者の顔情報Pfを取得した場合、その顔情報Pfは、エレベータ1の制御装置10を通じて監視センタ2へ送信される。このとき、エレベータ1の制御装置10は、顔情報Pfの送信元がどのエレベータ1であるのかを監視センタ2の制御装置20に認識させるべく、その顔情報Pfと共に、自身が制御しているエレベータ1の識別情報Peも監視センタ2へ送信する。
【0030】
尚、乗りかごG内を撮影した画像からの顔情報Pfの抽出は、監視センタ2の制御装置20で実行されてもよい。その場合、エレベータ1の制御装置10は、顔情報取得部12が乗りかごG内を撮影して取得した画像を監視センタ2へ送信することになる。
【0031】
以下では、説明を簡潔にするために、顔情報取得部12が取得する画像には、乗りかごG内の各利用者の顔が必ず写るものとし、且つ、当該画像からは必ずその利用者の顔情報Pfが抽出されるものとする。
【0032】
制御装置20は、記憶部21と制御部22とを備える(
図1参照)。ここで、記憶部21は、ROMやRAMなどの記憶デバイスで構成される部分である。制御部22は、CPUやMPUなどの処理デバイスで構成される部分である。
【0033】
記憶部21には、情報管理データDpと通報管理データDqとが保存される。
図2(A)及び
図2(B)は、本実施形態で用いられる情報管理データDp及び通報管理データDqをそれぞれ例示した概念図である。
【0034】
情報管理データDp(
図2(A)参照)には、対象者ごとに、その対象者の顔情報Pfと、連絡先Phと、が互いに対応付けられた状態で保存される。具体的には、対象者自身又はその関係者が、その対象者の顔情報Pfと連絡先Phとを事前に登録することにより、それらの情報が、互いに対応付けられた状態で情報管理データDp内に保存される。ここで、関係者とは、対象者の状況を知る必要があるといった関係性を持った者であり、例えば、対象者を管理している管理者(子供の保護者やお年寄りの家族など)である。そして、顔情報Pfに対応付けられる連絡先Phは、そのような関係者の連絡先であり、対象者が乗りかごG内に閉じ込められた場合に、閉じ込めが発生したことを当該関係者へ通報するために用いられる。
【0035】
図2(A)の例では、連絡先Phとして、関係者のE-mailアドレスが登録された場合が示されている。より具体的な例として、連絡先Phは、関係者が所持する携帯端末装置3(スマートホンなど。
図1参照)で受信できるE-mailアドレスである。尚、連絡先Phは、関係者へ連絡できるものであれば、E-mailアドレスに限らず、電話番号やSNSのアカウントなどであってもよい。また、関係者は、対象者の友人、会社、塾、学校などであってもよい。
【0036】
更に、情報管理データDpには、対象者ごとに、関係者への通報のときに知らせるべき当該対象者の情報が、顔情報Pf及び連絡先Phと共に事前に登録されて保存されてもよい。
図2(A)の例では、対象者の氏名が、顔情報Pf及び連絡先Phと共に事前に登録されて情報管理データDpに保存される場合が示されている。
【0037】
このような情報管理データDpは、監視対象であるエレベータ1ごとに記憶部21に保存しておく必要がなく、それらのエレベータ1に共通の1つのデータとして記憶部21に保存しておくことができる。
【0038】
通報管理データDq(
図2(B)参照)には、上記情報管理データDp内に保存されている連絡先Phへの通報が行われた場合において、閉じ込めからの利用者の救出が完了したときに、そのことを知らせるための当該連絡先Phへの再度の通報を可能にするための情報が保存される。具体的には、監視対象であるエレベータ1の何れかにおいて乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合において、その乗りかごG内に閉じ込められた利用者の中に、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者がいた場合には、当該対象者ごとに、連絡先Phへの通報が行われると共に、通報管理データDqには、その連絡先Phが、閉じ込めが発生したエレベータ1の識別情報Peに対応付けられた状態で保存される。尚、
図2(B)の例では、連絡先Phに加えて更に対象者の氏名と通報日時とが識別情報Peに対応付けられて保存される場合が示されている。
【0039】
制御部22は、乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合において、当該乗りかごG内に閉じ込められた利用者の中に、顔情報取得部12が取得した顔情報Pfが情報管理データDp内の顔情報Pfの何れかと合致する対象者がいた場合に、各対象者について、情報管理データDp内にて当該顔情報Pfに対応付けられている連絡先Phへ、閉じ込めが発生したことを通報する(第1通報処理)。また、制御部22は、閉じ込めが発生したことを連絡先Phへ通報した後、その閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを知らせる救出完了信号Syを受信した場合に、当該連絡先Phと同じ連絡先Phへ、閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを通報する(第2通報処理)。尚、第1通報処理及び第2通報処理の詳細については後述する。
【0040】
本実施形態では、第1通報処理及び第2通報処理は、制御部22内に構築された第1通報処理部221及び第2通報処理部222によって実行される(
図1参照)。具体的には、これらの処理部は、制御部22にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成される。そして、そのようなプログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ等)に読取可能な状態で保存され、当該記憶媒体から読み出されてインストールされたものが制御装置20の記憶部21に保存されてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能に保存され、当該サーバからダウンロードされてインストールされたものが記憶部21に保存されてもよい。尚、上述した処理部は、制御装置20内に回路を構築することによってハードウェアで構成されてもよい。
【0041】
図3は、本実施形態において監視センタ2の制御装置20が実行する第1通報処理を示したフローチャートである。この第1通報処理は、監視対象であるエレベータ1の何れかにおいて乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合に開始される。具体的には、第1通報処理は、閉じ込めが発生したことを知らせる閉込発生信号Sxと、その閉じ込めが発生したエレベータ1の識別情報Peと、を監視センタ2の制御装置20が受信した場合に開始される。以下では、これらの情報を纏めて「受信情報Pr1」と呼ぶことにする。
【0042】
一例として、制御装置20は、次のような流れで閉込発生信号Sx及び識別情報Peを受信する。先ず、エレベータ1が緊急停止した場合において、乗りかごG内の利用者が、非常呼びボタン11を用いて監視センタ2に通報した場合、監視センタ2には、緊急停止したエレベータ1の識別情報Peが送信される。通報を受けた監視員は、乗りかごG内の利用者との通話を行うと共に、そのときに送信されてきた識別情報Peで特定されるエレベータ1を遠隔で操作することにより、最寄階への当該乗りかごGの移動を試みる。遠隔操作での最寄階への移動が成功すれば、緊急停止から短時間で、乗りかごG内の利用者が救出される。その一方で、そのような遠隔操作での救出が失敗した場合には、利用者は、乗りかごG内に閉じ込められることになる。その場合、閉じ込めが発生したことを知らせるボタンなどを監視員が押すことにより、閉込発生信号Sxが出力される。そして、その閉込発生信号Sxが、閉じ込めが発生したエレベータ1の識別情報Peと共に、制御装置20によって受信される。
【0043】
尚、エレベータ1の緊急停止時に監視センタ2で行われる識別情報Peの受信から閉込発生信号Sxの出力までの一連の流れは、監視員の操作で行われるものに限らず、制御装置20にプログラムを実行させることによって自動化したものへ適宜変更されてもよい。
【0044】
第1通報処理が開始されると、制御装置20は、受信情報Pr1内の識別情報Peを用いて、閉じ込めが発生したエレベータ1を特定し、そのエレベータ1の乗りかごG内に閉じ込められている各利用者の顔情報Pfを、当該エレベータ1の制御装置10を介して顔情報取得部12から取得する(ステップS11)。このステップS11では、制御装置20は、乗りかごG内に閉じ込められている全ての利用者から顔情報Pfを取得する。
【0045】
このとき、制御装置20は、エレベータ1の制御装置10に対し、乗りかごG内の通話装置13や表示装置14(
図1参照)を通じて乗りかごG内の利用者へ次のような案内を行うように指令してもよい。具体的には、制御装置20は、乗りかごG内に閉じ込められた各利用者の顔情報Pfを顔情報取得部12で正確に取得できるようにするべく、エレベータ1の制御装置10に対し、顔情報取得部12(カメラなど)のほうへ自身の顔を向けるように乗りかごG内の利用者へ案内するように指令してもよい。
【0046】
次に、制御装置20は、乗りかごG内に閉じ込められた各利用者について、ステップS11で取得した当該利用者の顔情報Pfを用いて顔認証を行う(ステップS12)。これにより、制御装置20は、乗りかごG内に閉じ込められた利用者の中から、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者を抽出する。具体的には、制御装置20は、ステップS11で取得した顔情報Pfを、1つずつ、情報管理データDpに保存済みの顔情報Pfと照合する。そして、制御装置20は、その照合で顔情報Pfが合致した利用者(即ち、顔認証に成功した利用者)を、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者として抽出する。
【0047】
その後、制御装置20は、乗りかごG内に閉じ込められた利用者の中に、ステップS12での顔認証に成功した利用者(情報管理データDpへの事前登録済みの対象者)がいたか否かを判断する(ステップS13)。具体的には、制御装置20は、ステップS12の実行によって事前登録済みの対象者を抽出できたか否かを判断する。
【0048】
制御装置20は、ステップS13にて「顔認証に成功した利用者がいた(Yes)」と判断した場合には、顔認証に成功した各利用者について、情報管理データDp内にて当該利用者の顔情報Pfに対応付けられている連絡先Ph(関係者の連絡先Ph)を抽出する(ステップS14)。そして、制御装置20は、抽出した連絡先Phへ、乗りかごG内への閉じ込めが発生したことを通報する(ステップS15)。
【0049】
これにより、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者については、乗りかごG内への閉じ込めが発生した場合に、情報管理データDpに登録されている関係者の連絡先Phへ、乗りかごG内への閉じ込めが発生したことを通報することが可能になる。従って、乗りかごG内への利用者の閉じ込めが発生した場合において、従来であれば閉じ込めの発生を関係者が知ることが難しかったような場合であっても、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者については、その関係者は、通報を受けることによって当該対象者が乗りかごG内に閉じ込められていることを知ることが可能になる。
【0050】
尚、ステップS14では、制御装置20は、顔認証に成功した各利用者について、連絡先Phと共に、情報管理データDp内にて当該利用者の顔情報Pfに対応付けられている他の情報(氏名など(
図2(A)参照))を抽出してもよい。そしてステップS15では、制御装置20は、ステップS14で抽出した連絡先Phへ、乗りかごG内への閉じ込めが発生したことを通報すると共に、その連絡先Phへ、ステップS14で抽出した他の情報(氏名など)を送信してもよい。また、制御装置20は、ステップS14で抽出した連絡先Phへ、受信情報Pr1内の識別情報Peで特定されるエレベータ1の設置場所の情報(建物名など)を更に送信してもよい。これにより、関係者は、誰が閉じ込められたのか、また、どこで閉じ込められたのかを、より明確に認識することが可能になる。
【0051】
ステップS15の後、制御装置20は、ステップS12での顔認証に成功した利用者ごとに、ステップS14で抽出した連絡先Phを、受信情報Pr1内の識別情報Peに対応付けた状態で通報管理データDq内に保存する(ステップS16)。通報管理データDq内に保存されたこれらの情報は、以下に説明する第2通報処理にて用いられる。
【0052】
一方、制御装置20は、ステップS13にて「顔認証に成功した利用者がいなかった(No)」と判断した場合には、上述したステップS14~S16を行うことなく第1通報処理を終了させる。
【0053】
図4は、本実施形態において監視センタ2の制御装置20が実行する第2通報処理を示したフローチャートである。この第2通報処理は、閉じ込めが発生したエレベータ1において当該閉じ込めからの利用者の救出が完了した場合に開始される。具体的には、第2通報処理は、閉じ込めからの利用者の救出が完了したことを知らせる救出完了信号Syと、その救出が行われたエレベータ1の識別情報Peと、を監視センタ2の制御装置20が受信した場合に開始される。以下では、これらの情報を纏めて「受信情報Pr2」と呼ぶことにする。
【0054】
一例として、制御装置20は、次のような流れで救出完了信号Sy及び識別情報Peを受信する。エレベータ1にて乗りかごG内への閉じ込めが発生した場合、保守員が、監視センタ2からの連絡を受けて、閉じ込めが発生したエレベータ1へ向かい、利用者を閉じ込めから救出する。その後、その保守員は、救出が完了したことを監視センタ2へ知らせるべく、自身が所持する端末装置から、救出完了信号Syと、救出を行ったエレベータ1の識別情報Peと、を監視センタ2へ送信する。そして、その救出完了信号Syが、救出が行われたエレベータ1の識別情報Peと共に、制御装置20によって受信される。
【0055】
第2通報処理が開始されると、制御装置20は、受信情報Pr2内の識別情報Peを用いて、通報管理データDqから、その識別情報Peで特定されるエレベータ1にて閉じ込めが発生したときに関係者への通報(
図3のステップS15)を行った連絡先Phを抽出する(ステップS21)。
【0056】
その後、制御装置20は、ステップS21で抽出できた連絡先Phがあったか否かを判断する(ステップS22)。この判断を以て、制御装置20は、閉じ込めから救出された利用者の中に、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者(換言すれば、閉じ込めが発生したことが関係者に通報された利用者)がいたか否かを判断できる。
【0057】
具体的には、制御装置20は、ステップS22にて「抽出できた連絡先Phがあった(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、閉じ込めから救出された利用者の中に、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者(換言すれば、閉じ込めが発生したことが関係者に通報された利用者)がいたと判断できる。この場合、制御装置20は、閉じ込めが発生したことを通報で知った関係者に、その閉じ込めから対象者が救出されたことを更に知らせるべく、ステップS21で抽出した連絡先Phへ、閉じ込めからの救出が完了したことを通報する(ステップS23)。
【0058】
その後、制御装置20は、通報管理データDqから、ステップS15での通報を行った連絡先Phと、それに対応付けられてる全て情報と、を削除する(ステップS24)。
【0059】
一方、制御装置20は、ステップS22にて「抽出できた連絡先Phがなかった(No)」と判断した場合には、その判断を以て、閉じ込めから救出された利用者の中には、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者(換言すれば、閉じ込めが発生したことが関係者に通報された利用者)はいなかったと判断できる。この場合、制御装置20は、上述したステップS23及びS24を行うことなく第2通報処理を終了させる。
【0060】
これにより、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者については、乗りかごG内への閉じ込めが発生した場合において、情報管理データDpに登録されている関係者への通報を行った後、閉じ込めからの救出が完了したときに、その関係者へ、救出が完了したことを更に通報することが可能になる。従って、関係者は、閉じ込めが発生したことの通報を受けた後、更なる通報を受けることにより、対象者が当該閉じ込めから救出されたことを知ることが可能になる。
【0061】
このように、本実施形態の通報システムによれば、対象者の顔情報Pfと連絡先Phとを情報管理データDpに事前登録しておくことにより、各対象者がエレベータ1を利用した場合(本実施形態では、利用時において閉じ込めが発生した場合)に、その対象者の状況を連絡先Phの関係者に通報することが可能になる。従って、特定の利用者(情報管理データDpへの事前登録済みの対象者)について、当該利用者がエレベータ1を利用したときの状況を関係者が知ることができるようになる。具体的には、エレベータ1の利用中に対象者に何らかの事象が発生した場合において、従来であればそのときの状況を関係者が知ることが難しかったような場合(対象者が、スマートホンを所持しておらず、且つ、関係者の連絡先を記憶していなかったが故に、関係者への連絡手段がないような場合)であっても、本実施形態の通報システムによれば、関係者は、通報を受けることによって対象者の状況を知ることが可能になる。
【0062】
[2]変形例
[2-1]第1変形例
上述した実施形態において、通報システムは、乗りかごG内への閉じ込めが発生した場合に通報を行う場合に限らず、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者がエレベータ1を利用した場合(具体的には、乗りかごGに乗車した場合)に、その対象者がエレベータ1を利用したこと(エレベータ1の利用履歴)を関係者(登録されている連絡先Ph)へ通報する場合にも適用できる。
【0063】
第1変形例によれば、情報管理データDpへの事前登録済みの対象者がエレベータ1を利用した場合に、その都度、関係者は、通報を受けることによって対象者によるエレベータ1の利用があったことを知ることが可能になる。
【0064】
第1変形例の通報システムは、子供がエレベータ1を利用したときに保護者に連絡するといった用途(例えば、予定どおり学校や塾へ行ったこと、又は、学校や塾から帰ってきたことを保護者が確認するといった用途)に使用できる。また、第1変形例の通報システムは、お年寄りが通院しなければならない場合に、予定通りの時間に出かけたことを家族が確認するといった用途にも使用できる。このように、第1変形例の通報システムは、対象者の行動履歴を関係者が確認するといった用途にも使用できる。
【0065】
[2-2]第2変形例
図5は、第2変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する第1通報処理を示したフローチャートである。ここで、第1変形例は、上述した実施形態の変形例である。本変形例では、制御装置20は、ステップS15での連絡先Phへの通報後、受信情報Pr1内の識別情報Peで特定されるエレベータ1に対し、連絡先Phへ通報したことを、閉じ込めが発生している乗りかごGに設置されている通話装置13、表示装置14、或いはスピーカ(不図示)を通じて当該乗りかごG内の利用者に案内するように指令する(ステップS30)。
【0066】
第2変形例によれば、乗りかごG内に閉じ込められた利用者は、エレベータ1から案内を受けることにより、自身の状況(乗りかごG内に閉じ込められていること)が関係者に通報されたことを知ることができる。これにより、乗りかごG内の利用者に、自身の状況を関係者に知ってもらえているという安心感を与えることが可能になる。
【0067】
[2-3]第3変形例
上述した実施形態、第1変形例、及び第2変形例の何れにおいても、通報システムは、監視センタ2の制御装置20が備える記憶部21に保存された情報管理データDpから連絡先Phを抽出することに代えて、API連携によってクラウドから連絡先Phを取得してもよい。
【0068】
図6は、第3変形例に係る通報システムが適用されたエレベータ1を例示した概念図である。この図に示されるように、通報システムは、情報管理データDpに代えて、API4を備えていてもよい。ここで、API4は、監視センタ2の制御装置20とクラウド上の外部装置5(学校、塾、役所などが管理するサーバなど)とを連携させるインタフェースである。そして、このAPI4は、エレベータ1の各利用者の顔情報Pfを制御装置20から受信した場合において、その顔情報Pfが、外部装置5内に事前登録されている対象者の顔情報Pfに合致した場合に、その外部装置5内にて当該顔情報Pfに対応付けられている連絡先Phを制御装置20へ返信する。
【0069】
図7は、第3変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する第1通報処理を示したフローチャートである。本変形例では、制御装置20は、ステップS11にて乗りかごG内の各利用者の顔情報Pfを取得した後、当該顔情報PfをAPI4へ送信する(ステップS31)。
【0070】
API4は、制御装置20から顔情報Pfを受信した場合(ステップS41)、自身を介して連携している外部装置5に、その顔情報Pfを用いた顔認証と、その顔認証に成功した場合における連絡先Phの抽出と、を実行させる。そして、外部装置5が、顔認証に成功して連絡先Phを抽出できた場合には、API4は、外部装置5から当該連絡先Phを受け取り、その連絡先Phを制御装置20へ返信する(ステップS42)。一方、外部装置5が顔認証に失敗した場合には、API4は、エラー信号Szを制御装置20へ返信する(ステップS42)。
【0071】
制御装置20は、ステップS31の後、API4からの返信があった場合(API4からの情報受信。ステップS32)、受信した情報が連絡先Phとエラー信号Szのどちらであるのかを判断する(ステップS33)。そして、制御装置20は、ステップS33にて「連絡先Ph」であると判断した場合には、当該連絡先Phへの通報(ステップS15)と、通報管理データDqへの情報保存(ステップS16)と、を行う。一方、制御装置20は、ステップS33にて「エラー信号Sz」であると判断した場合には、ステップS15及びS16を行うことなく第1通報処理を終了させる。
【0072】
第3変形例によれば、制御装置20が情報管理データDpを持たなくても、API連携によって外部装置5(サーバなど)から連絡先Phを取得することができ、それにより、関係者に対して、上述した実施形態や第1変形例などと同様の通報を行うことが可能になる。
【0073】
尚、外部装置5は、学校、塾、役所などが管理するサーバに限らず、個人のスケジュール管理データが保存されるクラウド上のサーバなどであってもよい。この場合、制御装置20は、API連携によって個人のスケジュール管理データから抽出された連絡先Phを取得することが可能になる。
【0074】
[2-4]第4変形例
図8は、第4変形例において監視センタ2の制御装置20が実行する第1通報処理を示したフローチャートである。ここで、第4変形例は、上述した第3変形例の更なる変形例である。
【0075】
本変形例では、制御装置20は、ステップS11での顔情報Pfの取得後、乗りかごGに閉じ込められた利用者の行先階Fdを知るべく、受信情報Pr1内の識別情報Peで特定されるエレベータ1から、閉じ込めが発生した乗りかごGにその時点で登録されている行先階Fd(登録済みの行先階Fd)を取得する(ステップS40)。
【0076】
その後のステップS31では、制御装置20は、複数あるAPI4のうちの、ステップS40で取得した行先階Fdへの入居者(スポーツクラブ、資格取得スクール、英会話スクールなどのテナントや会社など)が管理している外部装置5と連携できるAPI4へ、ステップS11で取得した顔情報Pfを送信する。
【0077】
API4は、制御装置20から顔情報Pfを受信した場合(ステップS41)、自身を介して連携している外部装置5に、その顔情報Pfを用いた顔認証と、その顔認証に成功した場合における連絡先Phの抽出と、を実行させる。外部装置5は、API4からの指令に応じた結果として顔認証に成功できた顔情報Pfがあった場合には、当該顔情報Pfに対応付けられている連絡先Phを抽出してAPI4へ渡す。このとき、外部装置5は、その外部装置5を管理している会社やテナントの受付や窓口を、連絡先PhとしてAPI4へ渡してもよい。その後、API4は、外部装置5から当該連絡先Phを受け取り、その連絡先Phを制御装置20へ返信する(ステップS42)。一方、外部装置5が顔認証に失敗した場合には、API4は、エラー信号Szを制御装置20へ返信する(ステップS42)。
【0078】
第4変形例によれば、乗りかごG内に利用者が閉じ込めれた場合に、その時点で各利用者に関係しそうな連絡先Phへ、閉じ込めが発生したことを通報することが可能になる。
【0079】
上述の実施形態及び変形例の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0080】
また、上述の実施形態や変形例からは、発明の対象として、通報システムに限らず、その通報システムを構成する装置、当該通報システムで実行される制御処理やプログラムなどが個々に抽出されてもよいし、それらの一部が部分的に抽出されてもよい。また、通報システムが適用されたエレベータ1を含む全体構成の一部又は全部が、発明の対象として抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 エレベータ
2 監視センタ
3 携帯端末装置
4 API
5 外部装置
G 乗りかご
10 制御装置
11 非常呼びボタン
12 顔情報取得部
13 通話装置
14 表示装置
20 制御装置
21 記憶部
22 制御部
Dp 情報管理データ
Dq 通報管理データ
Fd 行先階
Pe 識別情報
Pf 顔情報
Ph 連絡先
Sx 閉込発生信号
Sy 救出完了信号
Sz エラー信号
221 第1通報処理部
222 第2通報処理部
Pr1、Pr2 受信情報
【要約】
【課題】特定の利用者について、当該利用者がエレベータを利用したときの状況を関係者が知ることができるようにする。
【解決手段】通報システムは、情報管理データと、顔情報取得部と、第1通報処理部と、を備える。ここで、情報管理データには、対象者ごとに、その対象者の顔情報と、連絡先と、が互いに対応付けられた状態で保存される。顔情報取得部は、エレベータの乗りかごに乗車した各利用者の顔情報を取得する。第1通報処理部は、乗りかごに乗車した利用者のうちの、顔情報取得部が取得した顔情報が情報管理データ内の顔情報の何れかと合致した各対象者について、その合致した顔情報に対応付けられている連絡先へ、当該利用者の状況を通報する。
【選択図】
図1