(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】乗場行先階登録システム、および乗場行先階登録システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
B66B1/18 N
B66B1/18 K
(21)【出願番号】P 2023196062
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】井上 元太
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/230305(WO,A1)
【文献】特開2022-128045(JP,A)
【文献】特開2020-128279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の号機を備え、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムであって、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部と、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定部と、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部と、
前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定部と、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当部と、
を備え、
前記選定部は、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外と
し、
前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者に、当該注目利用者と同乗する可能性があると判定された前記注目自走型装置の種類に対する前記許否情報を問い合わせる、乗場行先階登録システム。
【請求項2】
複数の号機を備え、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムであって、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部と、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定部と、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある
と前記判定部が判定した場合
にのみ、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部と、
取得された前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定部と、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当部と、
を備え、
前記選定部は、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする、乗場行先階登録システム。
【請求項3】
複数の号機を備え、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムであって、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部と、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定部と、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部と、
前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定部と、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当部と、
を備え、
前記選定部は、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外と
し、
前記利用者の識別情報と、前記利用者における前記自走型装置の種類ごとの前記許否情報と、を前記利用者ごとに対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合に前記記憶部を参照し、
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されている場合、当該許否情報を取得し
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されていない場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせる、乗場行先階登録システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせる、請求項
2または3に記載の乗場行先階登録システム。
【請求項5】
前記判定部は、
前記第1乗場行先階呼びを登録済みの利用者が、新たに前記第2乗場行先階呼びを登録した前記自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定し、
前記取得部は、
当該利用者が当該自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、当該利用者の当該自走型装置との同乗許否を示す前記許否情報を取得し、
前記選定部は、
前記許否情報が当該自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、当該利用者と当該自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第2候補号機の対象外とする、請求項1
から3のいずれか1項に記載の乗場行先階登録システム。
【請求項6】
前記利用者の識別情報と、前記利用者における前記自走型装置の種類ごとの前記許否情報と、を前記利用者ごとに対応付けて記憶する記憶部を備える、請求項1
または2に記載の乗場行先階登録システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合に前記記憶部を参照し、
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されている場合、当該許否情報を取得し
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されていない場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせる、請求項
6に記載の乗場行先階登録システム。
【請求項8】
前記自走型装置の種類は、自走型装置が有する機能の種類である、請求項1
から3のいずれか1項に記載の乗場行先階登録システム。
【請求項9】
1または複数のコンピュータにより実行される、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムの制御方法であって、
前記エレベータは、複数の号機を備えており、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付ステップと、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得ステップと、
前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定ステップと、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当ステップと、
を含み、
前記選定ステップにおいて、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外と
し、
前記取得ステップにおいて、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者に、当該注目利用者と同乗する可能性があると判定された前記注目自走型装置の種類に対する前記許否情報を問い合わせる、乗場行先階登録システムの制御方法。
【請求項10】
1または複数のコンピュータにより実行される、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムの制御方法であって、
前記エレベータは、複数の号機を備えており、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付ステップと、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある
と前記判定ステップにおいて判定した場合
にのみ、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得ステップと、
取得された前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定ステップと、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当ステップと、
を含み、
前記選定ステップにおいて、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする、乗場行先階登録システムの制御方法。
【請求項11】
1または複数のコンピュータにより実行される、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムの制御方法であって、
前記エレベータは、複数の号機を備えており、
利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付ステップと、
新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、
前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得ステップと、
前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定ステップと、
前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当ステップと、
を含み、
前記選定ステップにおいて、
前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外と
し、
前記取得ステップにおいて、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合に前記利用者の識別情報と、前記利用者における前記自走型装置の種類ごとの前記許否情報と、を前記利用者ごとに対応付けて記憶する記憶部を参照し、
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されている場合、当該許否情報を取得し、
前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されていない場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせる、乗場行先階登録システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人と自走型装置とが利用可能な乗場行先階登録システム、および乗場行先階登録システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行するロボットにエレベータを利用させる技術が知られている。特許文献1には、利用者または自律移動体のエレベータのかごに対する乗降を示す情報を当該自律移動体に設けられた機器に報知する自律移動体制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボットと人とが利用するエレベータシステムにおける移動効率の向上には、なお改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗場行先階登録システムは、複数の号機を備え、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムであって、利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部と、新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定部と、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部と、前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定部と、前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当部と、を備え、前記選定部は、前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする。
【0006】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗場行先階登録システムの制御方法は、1または複数のコンピュータにより実行される、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムの制御方法であって、前記エレベータは、複数の号機を備えており、利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付ステップと、新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得ステップと、前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定ステップと、前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当ステップと、を含み、前記選定ステップにおいて、前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする。
【0007】
本発明の各態様に係る乗場行先階登録システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記乗場行先階登録システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記乗場行先階登録システムをコンピュータにて実現させる乗場行先階登録システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ロボットと人とが利用するエレベータシステムにおける移動効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る乗場行先階登録システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】選定部による選定方法の具体例を説明するための概略図である。
【
図8】行先階登録装置またはセキュリティゲートが行う処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】セキュリティサーバが行う処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】ゲート処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】行先階登録装置処理1の流れを示すフローチャートである。
【
図12】セキュリティサーバにおいて利用者の認証が成功した場合に、行先階登録装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】行先階登録装置処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】群管理制御装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】割当処理1の流れを示すフローチャートである。
【
図16】群管理制御装置にて割当が行われた場合、またはセキュリティサーバにおいて利用者の認証が失敗した場合に、行先階登録装置またはセキュリティゲートで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】割当処理2の流れを示すフローチャートである。
【
図18】割当処理2の流れを示すフローチャートである。
【
図19】割当処理3の流れを示すフローチャートである。
【
図20】実施形態2に係る乗場行先階登録システムの構成を示すブロック図である。
【
図21】実施形態3に係る乗場行先階登録システムの構成を示すブロック図である。
【
図22】実施形態3に係る利用者DBの一例を示す図である。
【
図23】実施形態4に係る乗場行先階登録システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
<乗場行先階登録システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、実施形態1に係る乗場行先階登録システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、乗場行先階登録システム100は、群管理制御装置1、ロボット管理制御装置2、自走型装置3、セキュリティサーバ4、行先階登録装置5、セキュリティゲート6、エレベータ制御装置7およびエレベータ8を備える。
【0011】
乗場行先階登録システム100は、複数の号機を備えるエレベータ8の乗場行先階登録システムである。利用者および自走型装置3は乗場行先階登録システム100を利用可能であり、乗場行先階登録システム100は、利用者および自走型装置3による乗場行先階呼びの登録を受け付ける。乗場行先階呼びの登録を、利用者が行った場合、乗場行先階登録システム100は、該利用者の認証を行い、認証に成功した利用者による乗場行先階呼びの登録を受け付ける。
【0012】
乗場行先階登録システム100は、受け付けた乗場行先階呼びに対して割当可能な候補号機の選定、および候補号機の中から乗場行先階呼びに対する割当号機の決定を行い、割当結果の通知および割当結果に基づくエレベータ8の制御を行う。
【0013】
また、乗場行先階呼びの登録を、利用者が行った場合、乗場行先階登録システム100は、該利用者と、既に乗場行先階呼びを登録済みの自走型装置3とがエレベータ8のいずれかの号機において、同じかご81に乗車する可能性があるか否かを判定する。利用者と自走型装置3とが同じかご81に乗車する可能性がある号機が存在する場合、乗場行先階登録システム100は、利用者の許否情報に基づく候補号機の選定を行う。
【0014】
許否情報とは、自走型装置の種類に応じて定まる情報であり、利用者が自走型装置3と同じエレベータ8のかご81に乗車することを許容するか否かを示す情報である。例えば、許否情報とは、利用者が、清掃を行う自走型装置3と同じエレベータ8のかご81に乗車することを許容するか否か、または、警備を行う自走型装置3と同じエレベータ8のかご81に乗車することを許容するか否か、等を示す情報である。以下では、利用者および自走型装置3が同じエレベータ8のかご81に乗車することを「同乗する」とも称する。
【0015】
以下では、利用者による乗場行先階呼びを第1乗場行先階呼び、第1乗場行先階呼びに対する候補号機を第1候補号機と称する。さらに、自走型装置3による乗場行先階呼びを第2乗場行先階呼び、第2乗場行先階呼びに対する候補号機を第2候補号機と称する。
【0016】
また、候補号機選定の対象となっている第1乗場行先階呼びを登録した利用者を「注目利用者」、注目利用者とかご81に同乗し得る自走型装置3を、「注目自走型装置」と称する。
【0017】
例えば、乗場行先階登録システム100は、注目利用者の許否情報が、注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある号機を、第1候補号機の対象外とする。例えば、注目利用者の許否情報が清掃ロボットとの同乗を許容しないことを示し、注目自走型装置の種類が清掃ロボットである場合、乗場行先階登録システム100は、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある号機を、第1候補号機の対象外とする。
【0018】
上記の構成によれば、同乗が許容されない種類の自走型装置3が存在する注目利用者の第1乗場行先階呼びにおいて、該注目利用者が同乗を許容しない種類の注目自走型装置と該注目利用者とが同乗し得る号機は、第1候補号機の対象外となる。そのため、第1乗場行先階呼びに対しては、注目利用者が同乗したくない種類の注目自走型装置とは同乗しないように割当が行われ、注目利用者は同乗したくない種類の注目自走型装置とは同乗しないようにエレベータ8を利用することができる。
【0019】
また、注目利用者が同乗可である種類の注目自走型装置とは同乗を許容するように第1候補号機が選定される。そのため、一部の種類の自走型装置のみ同乗不可である利用者にとっては、全ての種類の自走型装置3との同乗を回避するように割当が行われるよりも、エレベータ8による移動効率が向上する。
【0020】
<ロボット管理制御装置2、自走型装置3>
自走型装置3は、エレベータ8を利用して階床間を移動可能な情報処理装置である。自走型装置3は、例えば自律走行可能なロボットまたはドローン等の装置であってもよい。自走型装置3は、例えば警備用、清掃用、および配達用のロボットであってよく、与えられたタスクをこなすためにエレベータ8を利用する装置であってもよい。ロボット管理制御装置2は、自走型装置3を管理する装置であり、ロボットDB(データベース)21を記憶している。
【0021】
図2は、ロボットDB21の一例を示す図である。
図2に示すように、ロボットDB21には、一例として、自走型装置3を識別するための識別情報(以下、ロボットID)と、人数情報と、種類情報と、が自走型装置3毎に対応付けられて記憶されている。人数情報は、エレベータ8のかご81内で占有するスペースの大きさを示す情報である。人数情報は、自走型装置3が占有するスペースの大きさが、標準的な利用者が占有するスペースの大きさの何人分に相当するかを表した情報であってもよい。例えば、
図2に示すように、ロボットIDが"Robo1"である自走型装置3の人数情報「3」は、当該自走型装置3が利用者3人分のスペースを占有することを意味している。
【0022】
種類情報は、自走型装置3の種類を示す情報である。自走型装置3の種類とは、自走型装置3が有する機能の種類であってもよい。例えば、自走型装置3が配達を行う機能を有している場合、自走型装置3の種類情報は「配達」である。その他、自走型装置3の種類は、警備、または清掃といった機能の種類であってもよい。また、自走型装置3の種類は、自走型装置3の機能に限られない。例えば、自走型装置3の種類は、自走型装置3の大きさまたは重さに基づく分類であってもよい。
【0023】
自走型装置3がエレベータ8を利用する場合、出発階、行先階、および自身のロボットIDを含む情報をロボット管理制御装置2に送信する。ロボット管理制御装置2は、これらの情報を受信すると、ロボットIDに基づき、自走型装置3の人数情報および種類情報を特定する。ロボット管理制御装置2は、ロボットID、出発階、行先階、種類情報および人数情報を含む、第2乗場行先階呼びを登録するための情報を群管理制御装置1に送信する。
【0024】
群管理制御装置1において割当が行われると、ロボット管理制御装置2は、群管理制御装置1からロボットIDおよび割当号機を含む割当結果を受信する。ロボット管理制御装置2は、割当結果を受信すると、当該割当結果を、第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3に送信する。自走型装置3は、割当結果を受信すると、出発階の乗場で割り当てられた号機を待機し、エレベータ8を利用して階床間を移動する。
【0025】
<セキュリティサーバ4、行先階登録装置5、セキュリティゲート6>
セキュリティサーバ4、行先階登録装置5、およびセキュリティゲート6は、エレベータ8を利用する利用者の乗場行先階呼びに関連する装置群である。
【0026】
利用者によって行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に対して認証および乗場行先階呼びのための操作が行われると、セキュリティサーバ4は、該利用者の認証を行う。
【0027】
セキュリティサーバ4が利用者の認証に成功すると、当該利用者による乗場行先階呼びの登録が行われ、当該乗場行先階呼びに対して号機が割り当てられる。乗場行先階呼びの登録が完了すると、利用者が認証のために利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において、割当結果が表示される。
【0028】
なお、第1乗場行先階呼びを登録した利用者が、自走型装置3と同じかご81に乗車する可能性がある場合、利用者が認証のために利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において、該利用者に対する許否情報の問い合わせが行われる。
【0029】
[セキュリティサーバ4]
セキュリティサーバ4は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6から受信した情報に基づき、利用者の認証、および利用者の乗場行先階呼びを登録するための処理を行う。
図1に示すように、セキュリティサーバ4は、制御部41および記憶部42を備える。制御部41は、認証部411を備える。制御部41は、利用者の認証、利用者の乗場行先階呼び登録に関する処理、およびその他の処理、例えばフラッパー63に対して開閉指示を行う。制御部41の処理の詳細については後述する。
【0030】
(記憶部42)
図1に示すように、記憶部42は、利用者DB(データベース)421、装置DB(データベース)422、およびゲートDB(データベース)423を記憶している。
【0031】
図3は、利用者DB421の一例を示す図である。
図3に示すように、利用者DB421は、利用者の識別情報(以下、ユーザID)と、行先階を示す情報と、許可階を示す情報と、が利用者ごとに対応付けられて記憶されている。利用者DB421において、行先階を示す情報は、利用者がセキュリティゲート6を利用して乗場行先階呼び登録を行う場合の行先階を示す。
図3に示すように、行先階を示す情報として、予め1つの階床のみが設定されていてもよい。
【0032】
許可階を示す情報は、利用者が行先階登録装置5を利用して乗場行先階呼び登録を行う場合に行先階として選択可能な階床を示す。
図3に示すように、許可階を示す情報は、利用者がエレベータ8を利用して移動可能な複数の階床が設定されていてもよい。
【0033】
利用者は、例えば、ユーザIDを記憶しているカードを行先階登録装置5の読取部51またはセキュリティゲート6の読取部61に読み取らせることで、該利用者の認証および乗場行先階呼びの登録を行わせることができる。
【0034】
利用者の認証方法はカードを用いた方法に限られず、例えば顔、指紋または静脈等の生体情報を用いた生体認証であってもよい。この場合、利用者DB421において、利用者毎に、ユーザIDと予め登録された生体情報とが対応付けられていればよい。
【0035】
図4は、装置DB422の一例を示す図である。
図4に示すように、装置DB422は、行先階登録装置5に関する情報が、行先階登録装置5ごとに対応付けられて記憶されている。行先階登録装置5に関する情報は、行先階登録装置5の読取部51の識別情報(リーダID)と、読取部51に対応する表示部53の識別情報(装置ID)と、出発階を示す情報と、を含む。
【0036】
図5は、ゲートDB423の一例を示す図である。
図5に示すように、ゲートDB423は、セキュリティゲート6に関する情報が、セキュリティゲート6ごとに対応付けられて記憶されている。セキュリティゲート6に関する情報は、セキュリティゲート6の読取部61の識別情報(リーダID)と、読取部61に対応する表示部62の識別情報(装置ID)と、読取部61に対応するフラッパー63の識別情報(ゲートID)と、を含む。
【0037】
装置DB422およびゲートDB423において、出発階は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6が設けられた階床であってもよい。乗場行先階呼びを登録する利用者は、乗場行先階呼びを登録するために利用する行先階登録装置5またはセキュリティゲート6が設けられた階床からエレベータ8に乗車する。そのため、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6が設けられた階床に基づき、利用者がエレベータ8に乗車する階床である出発階を特定することができる。
【0038】
(制御部41)
以下、制御部41が備える認証部411の処理について説明する。認証部411は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6から認証要求を受信すると、乗場行先階呼びを登録するための操作を行った利用者の認証を行う。
【0039】
認証部411は、利用者DB421を参照し、受信した認証要求に含まれるユーザIDが利用者DB421に含まれるか否かを判定する。受信したユーザIDが利用者DB421に含まれる場合、認証部411は、利用者の認証に成功したと判定する。
【0040】
認証部411は、利用者の認証に成功すると、利用者の出発階および行先階の特定を行う。認証部411は、装置DB422またはゲートDB423に基づき、利用者の出発階を特定する。
【0041】
認証要求の送信元が行先階登録装置5である場合、認証部411は、利用者DB421に基づき利用者の許可階を特定し、特定した許可階を示す情報を認証要求の送信元である行先階登録装置5に送信する。行先階登録装置5から利用者によって入力された行先階を示す情報を受信すると、認証部411は、受信した行先階を利用者の行先階として特定する。認証要求の送信元がセキュリティゲート6である場合、認証部411は、ゲートDB423を参照し、利用者の行先階を特定する。
【0042】
利用者の出発階および行先階の特定を行った後、認証部411は、群管理制御装置1に、乗場行先階呼び登録を要求するための登録要求を送信する。登録要求は、認証要求の送信元の装置ID、利用者の出発階、および利用者の行先階を含む。
【0043】
受信したユーザIDが利用者DB421に含まれない場合、認証部411は、利用者の認証に失敗したと判定する。この場合、認証部411は、認証に失敗したことを示すエラー信号を、認証要求の送信元の装置IDと共に群管理制御装置1に送信する。
【0044】
認証要求の送信元がセキュリティゲート6である場合、認証部411は、認証結果に基づき、セキュリティゲート6のフラッパー63の制御を行う。具体的には、利用者の認証に成功した場合、認証部411は、認証要求の送信元であるセキュリティゲート6の読取部61に対応するフラッパー63を特定し、フラッパー63を開くことを指示するフラッパー制御信号(開)をフラッパー63のゲートIDに送信する。これにより、利用者が認証および乗場行先階呼びを登録するために利用したセキュリティゲート6のフラッパー63が開き、利用者が通過可能となる。
【0045】
利用者の認証に失敗した場合、認証部411は、認証要求の送信元であるセキュリティゲート6の読取部61に対応するフラッパー63のゲートIDに、フラッパー63を閉じることを指示するフラッパー制御信号(閉)を送信する。これにより、利用者が認証および乗場行先階呼びを登録するために利用したセキュリティゲート6のフラッパー63は閉じた状態となり、認証に失敗した利用者は通過できない状態となる。
【0046】
[行先階登録装置5]
行先階登録装置5は、利用者が乗場行先階呼びを登録するために利用する装置である。行先階登録装置5は、各階床の乗場に設けられていてもよい。また、1つの階床に複数台の行先階登録装置5が設けられていてもよい。また、利用者が所持するスマートフォン等の端末装置が行先階登録装置5の機能を有していてもよい。
【0047】
図1に示すように、行先階登録装置5は、読取部51、入力部52および表示部53を備える。読取部51、入力部52および表示部53は、一体の装置であってもよいし、別個の装置であってもよい。以下の例では、入力部52と表示部53とが一体のタッチパネル等の装置であり、行先階登録装置5の筐体が、読取部51とタッチパネルとを備える構成を例に挙げて説明する。各行先階登録装置5の読取部51には、それぞれ異なるリーダIDが付されている。また、入力部52および表示部53には、リーダIDに対応する装置IDが付されている。
【0048】
読取部51は、読取部51に接触したカードのカード情報を読取可能なカードリーダ等の装置である。カード情報は、利用者を特定するための情報、例えば利用者のユーザIDを含む。利用者は、自身のカードを読取部51に接触させることで、自身のユーザIDを読み取らせることができる。読取部51は、読み取ったユーザID、自身のリーダIDを含む認証要求をセキュリティサーバ4に送信する。
【0049】
入力部52は、タッチパネル等の装置であり、利用者による入力操作を受け付ける。例えば、入力部52は、利用者による階床を入力する操作を受け付ける。入力部52は、セキュリティサーバ4から許可階を示す情報を受信し、入力された階床が許可階に含まれる場合、入力された階床を行先階として、装置ID、ユーザIDおよび行先階を示す情報をセキュリティサーバ4に送信する。
【0050】
表示部53は、利用者が乗場行先階呼びを行うために使用した行先階登録装置5が備えるディスプレイ等の表示装置であってよく、入力部52としての機能を兼ねたタッチパネルであってもよい。例えば、表示部53は、階床の入力を受け付けるためのテンキー等の画面を表示する。また、入力部52に入力された階床が許可階に含まれない場合、表示部53は、入力された階床が許可階に含まれないことを示すメッセージ等を示す画面を表示する。
【0051】
表示部53は、群管理制御装置1から利用者の行先階および利用者乗場行先階呼びに対して割り当てられた割当号機を示す情報を含む割当結果を受信すると、行先階および割当号機を示す画面を表示する。また、表示部53は、群管理制御装置1から、利用者の認証が失敗したことを示すエラー信号を受信する。表示部53は、エラー信号を受信すると、認証が失敗したことを示すメッセージ等を含むエラー画面を表示する。
【0052】
また、行先階登録装置5は、利用者に対して許否情報の問い合わせを行う。具体的には、表示部53は、群管理制御装置1から、同乗許否要求信号を受信すると、利用者に対して許否情報を問い合わせる画面を表示する。同乗許否要求信号は、利用者に対して許否情報を問い合わせることを要求する情報と、該利用者と同乗する可能性がある自走型装置3の種類情報と、を含む。また、表示部53が表示する画面には、自走型装置3と同乗する可能性があること、同情する可能性がある自走型装置3の種類、および自走型装置3との同乗を許容するか否かを選択可能なボタンが含まれる。
【0053】
入力部52は、利用者による自走型装置3との同乗を許容するか否かを示す許否情報の選択を受け付け、選択された許否情報を、自装置の装置IDと共に群管理制御装置1に送信する。
【0054】
[セキュリティゲート6]
セキュリティゲート6は、エレベータ8が設けられた建物において、利用者がある箇所と別の箇所とを行き来するために通過するゲートである。例えば、セキュリティゲート6は、エレベータ8が設けられた建物の出入口に設けられ、利用者が建物を出入するために通過するゲートであってもよい。セキュリティゲート6は1つ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。例えば、複数のセキュリティゲート6が、1つの階床、例えば建物の出入り口が設けられた階床に設けられていてもよい。以下では、
図1に示すように、セキュリティゲート6が複数設けられる構成を例に挙げて説明する。
【0055】
図1に示すように、セキュリティゲート6は、読取部61、表示部62、およびフラッパー63を備える。読取部61、表示部62、およびフラッパー63は、1つの筐体に設けられた別個の装置であってもよいし、一体の装置であってもよい。以下では、読取部61、表示部62、およびフラッパー63が別個の装置であり、それぞれに識別情報が付されている構成を例に挙げて説明する。
【0056】
複数のセキュリティゲート6の読取部61の各々には、それぞれ異なるリーダIDが付されている。読取部61に対応する表示部62にはリーダIDに対応する装置IDが付されている。読取部61に対応するフラッパー63にはリーダIDに対応するゲートIDが付されている。
【0057】
読取部61は、読取部61に接触したカードのカード情報を読取可能なカードリーダ等の装置である。利用者は、自身のカードを読取部61に接触させることで、自身のユーザIDを読み取らせることができる。読取部61は、自身のリーダIDと、読み取ったユーザIDを含む認証要求をセキュリティサーバ4に送信する。
【0058】
表示部62は、利用者が乗場行先階呼びを行うために使用したセキュリティゲート6が備えるディスプレイ等の表示装置であってもよい。表示部62は、群管理制御装置1から利用者の行先階および利用者乗場行先階呼びに対して割り当てられた割当号機を示す情報を含む割当結果を受信すると、行先階および割当号機を示す画面を表示する。また、表示部62は、群管理制御装置1から、利用者の認証が失敗したことを示すエラー信号を受信する。表示部62は、エラー信号を受信すると、認証が失敗したことを示すメッセージ等を含むエラー画面を表示する。
【0059】
フラッパー63は、セキュリティサーバ4における認証結果に応じた指示信号に基づき開閉し、利用者によるセキュリティゲート6の通過を制限する。
【0060】
セキュリティサーバ4において、利用者の認証に成功した場合、フラッパー63は、セキュリティサーバ4からゲート制御信号(開)を受信する。ゲート制御信号(開)を受信すると、フラッパー63は開く。これにより、利用者は、セキュリティゲート6を通過することが可能となる。
【0061】
セキュリティサーバ4において、利用者の認証に失敗した場合、フラッパー63は、セキュリティサーバ4からゲート制御信号(閉)を受信する。ゲート制御信号(閉)を受信すると、フラッパー63は閉じる。これにより、利用者は、セキュリティゲート6を通過することができない状態となる。
【0062】
また、セキュリティゲート6は、利用者に対して許否情報の問い合わせを行う。具体的には、セキュリティゲート6の表示部62は、群管理制御装置1から、同乗許否要求信号を受信すると、利用者に対して許否情報を問い合わせる画面を表示する。同乗許否要求信号は、利用者に対して許否情報を問い合わせることを要求する情報と、該利用者と同乗する可能性がある自走型装置3の種類情報と、を含む。また、表示部62が表示する画面には、自走型装置3と同乗する可能性があること、同情する可能性がある自走型装置3の種類、および自走型装置3との同乗を許容するか否かを選択可能なボタンが含まれる。
【0063】
表示部62は、利用者による自走型装置3との同乗を許容するか否かを示す許否情報の選択を受け付け、選択された許否情報を、自装置の装置IDと共に群管理制御装置1に送信する。
【0064】
<エレベータ制御装置7、エレベータ8>
エレベータ制御装置7は、群管理制御装置1から、登録が完了した乗場行先階呼びの割当結果に関する情報を受信する。割当結果に関する情報には、割り当てられたエレベータ8の号機を示す情報と、出発階および行先階を示す情報と、が含まれる。エレベータ制御装置7は、当該情報に基づき、エレベータ8の動作を制御する。エレベータ8は、エレベータ制御装置7の制御に従い、かご81の階床間の移動、および扉の開閉を行う。
【0065】
エレベータ制御装置7は1台のエレベータ8の動作を制御してもよいし、複数台のエレベータ8の動作を制御してもよい。
【0066】
<群管理制御装置1>
群管理制御装置1は、利用者による第1乗場行先階呼びまたは自走型装置3による第2乗場行先階呼びに関する情報を受信し、割当を行う装置である。群管理制御装置1は、利用者の第1乗場行先階呼び、または自走型装置3の第2乗場行先階呼びを受け付け、それぞれの乗場行先階呼びに対する候補号機を選定する。また、群管理制御装置1は、候補号機から割当号機を決定し、割当結果をエレベータ制御装置7および乗場行先階呼びの送信元であるロボット管理制御装置2、行先階登録装置5、またはセキュリティゲート6に送信する。
【0067】
特に、群管理制御装置1は、第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、該利用者と同乗し得る注目自走型装置との同乗を許容しない場合、該利用者が同乗を許容しない注目自走型装置とは同乗しないように、第1候補号機を選定する。また、利用者の同乗許否は、注目自走型装置の種類毎に定められる。例えば、群管理制御装置1は、第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、配達を行う種類の自走型装置3との同乗を許容しない場合であって、配達を行う注目自走型装置が利用する号機を、第1候補号機の対象外とする。
【0068】
記憶部12は、装置DB121、ゲートDB122および割当情報123を記憶していても良い。装置DB121およびゲートDB122は、装置DB422およびゲートDB423と同様のデータベースである。
【0069】
図6は、記憶部12が記憶している割当情報123の一例を示す図である。割当情報123は、乗場行先階呼びの割当結果に関する情報が、登録された乗場行先階呼び毎に対応付けて記憶されている。乗場行先階呼びの割当結果に関する情報には、乗場行先階呼び登録を行った者の属性と、出発階と、行先階と、割当号機と、を示す情報が含まれる。乗場行先階呼び登録を行った者の属性は、許容者、非許容者、または自走型装置3を表す移動装置のいずれかである。許容者とは、自走型装置3との同乗を許容する利用者である。非許容者とは、少なくとも1種類の自走型装置3との同乗を許容しない利用者である。
図6に示すように、割当情報123には、自走型装置3の種類情報、または非許容者が同乗を許容しない自走型装置3の種類を示す情報がさらに含まれていてもよい。
【0070】
制御部11は、群管理制御装置1において行われる各種制御を実行する。
図1に示すように、制御部11は、受付部111、判定部112、取得部113、選定部114、および割当部115を備える。
【0071】
[受付部111]
受付部111は、利用者による第1乗場行先階呼び、自走型装置3による第2乗場行先階呼び、およびエラー信号を受け付ける。受付部111は、受け付けた第2乗場行先階呼びおよび第2乗場行先階呼びに関する情報を、制御部11の各部に出力する。
【0072】
具体的には、セキュリティサーバ4において利用者の認証に成功した場合、受付部111は、セキュリティサーバ4から第1乗場行先階呼びの登録を要求する登録要求を受信する。登録要求には、利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6の装置ID、出発階、および行先階が含まれる。受付部111は、受信した登録要求に基づき、第1乗場行先階呼びの登録を受け付ける。
【0073】
セキュリティサーバ4において利用者の認証に失敗した場合、受付部111は、セキュリティサーバ4から、利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6の装置IDおよびエラー信号を受信する。受付部111は、エラー信号を受信した場合、装置IDに対応する行先階登録装置5またはセキュリティゲート6にエラー信号を送信する。
【0074】
具体的には、受付部111は、受信した装置IDに、エラー信号を送信する。これにより、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62がエラー信号を受信し、認証が失敗したことを示す画面が表示される。
【0075】
また、受付部111は、ロボット管理制御装置2から、第2乗場行先階呼びを登録するための情報を受け付ける。第2乗場行先階呼びを登録するための情報には、自走型装置3の出発階、行先階、種類情報および人数情報が含まれる。
【0076】
[判定部112]
判定部112は、受付部111から取得した情報に基づき、新たに第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、号機のかご81内において同乗する可能性があるか否かを判定する。なお、判定部112は、乗場行先階登録システム100が備える全てのエレベータ8の号機について判定を行う。
【0077】
例えば、注目自走型装置の出発階が1階であり、行先階が4階である場合において、注目利用者の出発階が1階であり、行先階が2階である場合、判定部112は、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性があると判定する。また、注目自走型装置の出発階が3階であり、行先階が4階である場合において、注目利用者の出発階が1階であり、行先階が2階である場合、判定部112は、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がないと判定する。
【0078】
少なくとも1台の号機において、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がある場合、判定部112は、判定結果を取得部113に出力する。一方、全号機において、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がない場合、判定部112は、判定結果を選定部114に出力する。
【0079】
また、判定部112は、新たに第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3が、第1乗場行先階呼びを登録済みの利用者と、号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する。
【0080】
判定部112は、割当情報123を参照する。判定部112は、ある号機において、自走型装置3の第2乗場行先階呼びに対して割り当てた場合に、該自走型装置3と、該自走型装置3が該当する種類の自走型装置3との同乗を許容しない非許容者とが同乗する可能性があるか否かを判定する。なお、判定部112は、全号機について同様の判定を行う。
【0081】
判定部112は、新たに第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3に関する判定結果を選定部114に出力する。
【0082】
[取得部113]
取得部113は、注目利用者が注目自走型装置と号機のかご81内において同乗する可能性がある場合、注目利用者の、注目自走型装置の種類に応じて定まる注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する。例えば、取得部113は、注目利用者が注目自走型装置と号機のかご内において同乗する可能性がある場合、注目利用者に許否情報を問い合わせる。
【0083】
取得部113は、判定部112から、少なくとも1台の号機において、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性があることを示す判定結果を取得した場合、利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に許否情報の問い合わせを行う。
【0084】
具体的には、取得部113は、装置IDに基づき利用者が第1乗場行先階呼び登録を行うために利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6を特定すると、当該行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に、同乗許否要求信号を送信する。同乗許否要求信号は、注目自走型装置の種類に応じた注目利用者の許否情報を問い合わせるための信号であり、注目自走型装置の種類情報を含む。
【0085】
取得部113は、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62から、注目利用者によって選択された該注目利用者の許否情報を受信する。取得部113は、受信した許否情報を、選定部114に出力する。
【0086】
[選定部114]
選定部114は、許否情報に基づき、第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、エレベータ8の複数の号機から選定する。選定部114は、選定結果を割当部115に出力する。
【0087】
利用者による第1乗場行先階呼びが登録された場合、選定部114は、新たに第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、号機のかご81内において同乗する可能性があるか否かについての判定結果を取得する。選定部114は、当該判定結果に基づき第1候補号機を選定する。
【0088】
例えば、選定部114は、判定部112からエレベータ8の全号機について、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がないことを示す判定結果を取得する。この場合、選定部114は、エレベータ8の全号機を第1候補号機として選定する。全号機において注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がない場合、仮に該注目利用者が非許容者であっても、割当不可となる号機は存在しない。
【0089】
または、選定部114は、判定部112からエレベータ8のいずれかの号機について、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性があることを示す判定結果を取得する。この場合、選定部114は、さらに取得部113から、注目利用者の注目自走型装置に対する同乗許否を示す許否情報を取得する。選定部114は、当該許否情報に基づき、第1候補号機を選定する。
【0090】
例えば、選定部114は、選定部114は、許注目利用者の許否情報が、注目自走型装置との同乗を許容することを示す場合、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を含めた全号機を第1候補号機の対象とする。一方、選定部114は、注目利用者の許否情報が、注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある号機を、第1候補号機の対象外とする。
【0091】
上記構成によると、同乗が許容されない種類の自走型装置3が存在する注目利用者の第1乗場行先階呼びにおいて、該注目利用者が同乗を許容しない種類の注目自走型装置と該注目利用者とが同乗し得る号機は第1候補号機の対象外となる。そのため、第1乗場行先階呼びに対しては同乗したくない種類の自走型装置3とは同乗しないように割当が行われ、注目利用者は同乗したくない種類の自走型装置3とは同乗しないようにエレベータ8を利用することができる。
【0092】
また、注目利用者が同乗可である種類の注目自走型装置とは同乗を許容するように第1候補号機が選定される。そのため、一部の種類の自走型装置のみ同乗不可である利用者にとっては、全ての種類の自走型装置との同乗を回避するように割当が行われるよりも、移動効率が向上する。
【0093】
自走型装置3による第2乗場行先階呼びが登録された場合、選定部114は、新たに第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置が、第1乗場行先階呼びを登録済みの利用者と、号機のかご81内において同乗する可能性があるか否かについての判定結果を取得する。選定部114は、当該判定結果に基づき第2候補号機を選定する。具体的には、選定部114は、第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3が、該自走型装置3が該当する種類の自走型装置3との同乗を許容しない非許容者と同乗する可能性がある号機を、第2乗場行先階呼びに対する第2候補号機の対象外とする。
【0094】
これにより、新たに自走型装置3が第2乗場行先階呼びを登録しても、第1乗場行先階呼びを登録済みの利用者が同乗したくない種類の自走型装置3とは同乗しないように、割当部115において割当が行われる。
【0095】
さらに、選定部114は、自走型装置3がかご81内で占有するスペースを考慮して第2候補号機を選定してもよい。具体的には、選定部114は、割当情報123およびかご81の収容可能人数に基づき、自走型装置3が乗車する時点においてかご81に乗車可能な人数を特定する。選定部114は、自走型装置3の人数情報と、自走型装置3が乗車する時点においてかご81に乗車可能な人数を示す情報に基づき、自走型装置3がかご81に乗車可能であるか否かを、号機ごとに判定する。
【0096】
選定部114は、自走型装置3がかご81に乗車できないと判定した号機を、第2候補号機の対象外とし、自走型装置3がかご81に乗車可能である号機を、第2候補号機とする。これにより、選定部114は、自走型装置3が乗車可能な号機を第2候補号機として選定することができる。なお、選定部114が、自走型装置3がかご81内で占有するスペースを考慮して第2候補号機を選定する場合、自走型装置3が非許容者と同乗する号機を除外した後に残った号機から、自走型装置3が乗車可能なスペースを有する号機を選定する。
【0097】
[割当部115]
割当部115は、選定部114によって選定された候補号機を示す情報を取得する。割当部115は、候補号機から最適な号機を、乗場行先階呼びに対して割り当てる。なお、割当部115は、第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を第1候補号機から決定し、第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を第2候補号機から決定する。割当部115が割当号機を決定する方法は、一般的に行われているセレクティブコレクティブ運転に基づく割当方法が用いられてよい。割当部115は、割当号機を決定すると、記憶部12の割当情報123に、割当を行った乗場行先階呼びに関する割当結果を記憶する。
【0098】
また、割当部115は、乗場行先階呼びの送信元に割当結果を送信する。具体的には、割当部115は、第1乗場行先階呼びに対する割当を行った場合、登録要求に含まれていた装置IDに、割当結果を示す情報を送信する。割当結果を示す情報には、利用者の行先階を示す情報と、割当号機を示す情報と、が含まれる。これにより、利用者が利用した行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、割当結果を示す情報を受信することができる。
【0099】
割当部115は、第2乗場行先階呼びに対する割当を行った場合、ロボット管理制御装置2に、第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3のロボットIDと、割当号機を示す情報と、を送信する。
【0100】
以上のように、注目利用者と注目自走型装置とが同乗し得る場合には該利用者に対して問い合わせが行われ、取得部113は注目利用者の許否情報を取得している。そして、取得部113が取得した許否情報に基づき、選定部114による第1候補号機の選定、および割当部115による号機の割当が行われる。
【0101】
これにより、乗場行先階登録システム100は、取得部113の問い合わせ結果に基づく割当を行うことができる。例えば問い合わせた結果得られた許否情報が、注目利用者と同乗し得る自走型装置3との同乗を許容しないことを示す場合には、注目利用者と、注目利用者が同乗したくない種類の注目自走型装置とが同乗する号機を除外して割当を行うことができる。また、問い合わせた結果得られた許否情報が、注目自走型装置との同乗を許容することを示す場合には、第1乗場行先階呼びに対して最適号機を割り当てることで、注目利用者の移動効率を向上させることができる。
【0102】
また、最適号機において利用者が自走型装置と同乗しない場合には問い合わせが行われないため、不要な問い合わせが行われて、注目利用者が許否情報を選択する手間が増加する可能性を低減することができる。
【0103】
[選定部114による選定方法の具体例]
以下、
図7を用いて、選定部114が候補号機を選定する方法の具体例について説明する。
図7は、選定部114による選定方法の具体例を説明するための概略図である。
図7に示すように、以下では、乗場行先階登録システム100がA号機~F号機の6台のエレベータ8を備える構成を例に挙げて説明する。
【0104】
図7において、A~Fはそれぞれエレベータ8のA~F号機のかご81を示している。○は、許容者が乗車中、または乗車予定であることを示す。●は、いずれかの種類の自走型装置3との同乗を許容しない非許容者が乗車中、または乗車予定であることを示す。□は、自走型装置3が乗車中、または乗車予定であることを示す。なお、
図7において、実線の□は、種類が清掃ロボットである自走型装置3を示し、破線の□は、種類が配達ロボットである自走型装置3を示す。
【0105】
例えば、
図7において、C号機は、1人の許容者が乗車中である、または許容者による第1乗場行先階呼びに対して割当済であり、許容者が乗車予定である。また、C号機では、1人の非許容者が乗車中である、または非許容者による第1乗場行先階呼びに対して割当済であり、非許容者が乗車予定である。
【0106】
まず、エレベータ8の各号機が
図7に示すような利用状況である場合において、新たに登録された乗場行先階呼びが、利用者の第1乗場行先階呼びである場合について説明する。
【0107】
以下、B号機を利用する自走型装置3の出発階が3階であり、行先階が4階であり、E号機を利用する自走型装置3の出発階が4階であり、行先階が5階であり、F号機を利用する自走型装置3の出発階が5階であり、行先階が1階である場合を例に挙げる。
【0108】
一例として、第1乗場行先階を登録した注目利用者の出発階が1階であり、行先階が2階であれば、注目利用者はエレベータ8を利用するいずれの自走型装置3とも同乗しない。この場合、判定部112は、全号機について、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がないことを示す判定結果を選定部114に出力する。選定部114は、当該判定結果を取得すると、エレベータ8の全号機を第1候補号機として選定する。
【0109】
別の例として、第1乗場行先階を登録した注目利用者の出発階が2階であり、行先階が5階であれば、注目利用者とB号機を利用する自走型装置3およびE号機を利用する自走型装置3とは同乗する可能性がある。この場合、判定部112は、B号機およびE号機において注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性があることを示す判定結果を取得部113に出力する。取得部113は、注目利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に同乗許否要求信号を送信し、選定部114は問い合わせの結果を受信する。
【0110】
問い合わせの結果、注目利用者の許否情報が清掃ロボットおよび配達ロボットとの同乗を許容することを示す場合、選定部114は、B号機およびE号機を含めた全号機を第1候補号機として選定する。
【0111】
問い合わせの結果、注目利用者の許否情報が清掃ロボットおよび配達ロボットの両方との同乗を許容しないことを示す場合、選定部114は、B号機およびE号機を第1候補号機の対象外とし、A号機、C号機~D号機、およびF号機を第1候補号機として選定する。
【0112】
また、問い合わせの結果、注目利用者の許否情報が清掃ロボットとの同乗は許容せず、配達ロボットとの同乗は許容することを示す場合、選定部114は、B号機のみを第1候補号機の対象外とし、A号機、C号機~F号機を第1候補号機として選定する。
【0113】
次に、エレベータ8の各号機が
図7に示すような利用状況である場合において、新たに登録された乗場行先階呼びが、自走型装置3の第2乗場行先階呼びである場合について説明する。また、第2乗場行先階呼びを登録した自走型装置3の種類が配達ロボットである場合を例に挙げて説明する。
【0114】
以下では、C号機を利用する非許容者の出発階が3階であり、行先階が4階であり、D号機を利用する非許容者の出発階が4階であり、行先階が5階である場合を例に挙げて説明する。
【0115】
一例として、第2乗場行先階を登録した自走型装置3の出発階が1階であり、行先階が2階であれば、該自走型装置3は、エレベータ8を利用するいずれの非許容者とも同乗しない。この場合、判定部112は、全号機について自走型装置3が非許容者と同乗する可能性がないことを示す判定結果を選定部114に出力する。選定部114は、当該判定結果を取得すると、エレベータ8の全号機を第2候補号機として選定する。
【0116】
別の例として、第2乗場行先階を登録した自走型装置3の出発階が2階であり、行先階が5階であれば、自走型装置3とC号機を利用する非許容者およびD号機を利用する非許容者とは同乗する可能性がある。この場合、判定部112は、C号機およびD号機において自走型装置3が非許容者と同乗する可能性があることを示す判定結果を選定部114に出力する。
【0117】
選定部114は、割当情報123に記憶されている非許容者の許否情報を取得し、非許容者が同乗を許容しない自走型装置3の種類を特定する。選定部114は、非許容者が同乗を許容しない自走型装置3の種類に基づき、第2候補号機を選定する。
【0118】
例えば、C号機を利用する非許容者が同乗を許容しない自走型装置3の種類が配達ロボットであり、D号機を利用する非許容者が同乗を許容しない自走型装置3の種類が清掃ロボットである場合、選定部114は、C号機を第2候補号機の対象外とする。一方、選定部114は、D号機については第2候補号機の対象とし、最終的にA号機~B号機、およびD号機~F号機を第2候補号機として選定する。
【0119】
<乗場行先階登録システム100の処理の流れの一例>
図8~
図19は、乗場行先階登録システム100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図8~
図19を用いて、乗場行先階登録システム100が行う処理の流れについて説明する。
【0120】
[認証]
図8~
図11は、乗場行先階登録システム100において、利用者を認証するために行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0121】
(行先階登録装置5またはセキュリティゲート6が行う処理(カード読取))
図8は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6が行う処理の流れを示す。
【0122】
利用者が乗場行先階呼びの登録を希望する場合、該利用者は、行先階登録装置5の読取部51、またはセキュリティゲート6の読取部61にカードを接触させる。カードが読取部51または読取部61に接触すると、読取部51または読取部61は、カードからカード情報を読み取る。読取部51または読取部61は、カード情報に含まれるユーザIDを取得すると(S1でYES)、自身のリーダID、および読み取ったユーザIDを含むデータを、セキュリティサーバ4に送信する(S2)。
【0123】
(セキュリティサーバ4が行う処理)
図9は、セキュリティサーバ4が行う処理の流れを示す。
【0124】
セキュリティサーバ4の制御部41は、行先階登録装置5の読取部51またはセキュリティゲート6の読取部61からデータを受信すると(S11でYES)、ゲートDB423を参照する。制御部41は、ゲートDB423に基づき、受信したデータにセキュリティゲート6の読取部61のリーダIDが含まれているか否かを判定する(S12)。
【0125】
受信したデータにセキュリティゲート6の読取部61のリーダIDが含まれている場合(S12でYES)、すなわちセキュリティゲート6の読取部61においてカード情報が読み取られた場合、セキュリティサーバ4は、ゲート処理(S13)を行う。ゲート処理は、セキュリティサーバ4がセキュリティゲート6から認証要求を受信した場合に行う、利用者の認証および乗場行先階呼びの登録の要求を行うための処理である。ゲート処理の詳細については後述する。
【0126】
受信したデータにセキュリティゲート6の読取部61のリーダIDが含まれていない場合(S12でNO)、セキュリティサーバ4の制御部41は、装置DB422を参照する。制御部41は、装置DB422に基づき、受信したデータに行先階登録装置5の読取部51のリーダIDが含まれているか否かを判定する(S14)。受信したデータに行先階登録装置5の読取部51のリーダIDが含まれている場合(S14でYES)、すなわち行先階登録装置5の読取部51においてカード情報が読み取られた場合、セキュリティサーバ4は、行先階登録装置処理1を行う(S15)。行先階登録装置処理1は、セキュリティサーバ4が行先階登録装置5から認証要求を受信した場合に行う、利用者の認証を行うための処理である。行先階登録装置処理1の詳細については後述する。
【0127】
受信したデータに行先階登録装置5の読取部51のリーダIDが含まれていない場合(S14でNO)、セキュリティサーバ4の制御部41は、行先階登録装置処理2を行う(S16)。ステップS14でNOの場合とは、行先階登録装置5から利用者によって入力された行先階を示す情報をセキュリティサーバ4が受信した場合である。行先階登録装置処理2は、セキュリティサーバ4が行先階登録装置5から受信した情報に基づき、利用者の乗場行先階呼びの登録を要求するための処理である。行先階登録装置処理2の詳細については後述する。
【0128】
(ゲート処理)
図10は、
図9のステップS13に示すゲート処理の流れを示す。
【0129】
ゲート処理において、まず、セキュリティサーバ4の認証部411は、ゲートDB423を参照し、装置ID、ゲートIDおよび出発階を示す情報を取得する(S21)。続いて、認証部411は、利用者DB421を参照し、利用者DB421に、セキュリティゲート6から受信したユーザIDが登録されているか否かを判定する(S22)。これにより、利用者の認証が行われる。
【0130】
利用者DB421にユーザIDが登録されている場合(S22でYES)、認証部411は、利用者の認証に成功したと判定する。この場合、認証部411は、セキュリティゲート6の読取部61のリーダIDに対応するゲートIDを特定し、特定したゲートIDに、ゲート制御信号(開)を送信する(S23)。これにより、利用者がカード情報を読み取らせた読取部61を備えるセキュリティゲート6のフラッパー63が開き、利用者が通過可能な状態となる。
【0131】
続いて、認証部411は、利用者の認証が成功すると、利用者DB421を参照し、ユーザIDに対応する利用者の行先階を示す情報を取得する(S24:取得ステップ)。また、認証部411は、ゲートDB423を参照し、セキュリティゲート6の読取部61のリーダIDに基づき、表示部62の装置ID、セキュリティゲート6が設けられている階床、すなわち利用者の出発階を示す情報を取得する。認証部411は、セキュリティゲート6の表示部62の装置IDと、利用者の出発階および行先階を示す情報と、を群管理制御装置1に送信する(S25)。
【0132】
利用者DB421にユーザIDが登録されていない場合(S22でNO)、認証部411は、利用者の認証に失敗したと判定する。この場合、認証部411は、セキュリティゲート6の読取部61のリーダIDに対応するゲートIDを特定し、特定したゲートIDに、ゲート制御信号(閉)を送信する(S26)。これにより、利用者がカード情報を読み取らせた読取部61を備えるセキュリティゲート6のフラッパー63が閉じ、利用者が通過できない状態となる。また、認証部411は、セキュリティゲート6の表示部62の装置ID、および利用者の認証に失敗したことを示すエラー信号を群管理制御装置1に送信する(S27)。
【0133】
(行先階登録装置処理1)
図11は、
図9のステップS15に示す行先階登録装置処理1の流れを示す。
【0134】
行先階登録装置処理1において、まず、認証部411は、装置DB422を参照し、行先階登録装置5の読取部51の装置IDを取得する(S31)。続いて、認証部411は、利用者DB421を参照し、利用者DB421に、行先階登録装置5から受信したユーザIDが登録されているか否かを判定する(S32)。これにより、利用者の認証が行われる。
【0135】
利用者DB421にユーザIDが登録されている場合(S32でYES)、認証部411は、認証に成功したと判定する。この場合、認証部411は、利用者DB421に基づき、ユーザIDによって特定される利用者の許可階を示す情報を取得する(S33)。認証部411は、ユーザIDと、許可階を示す情報と、を、データ送信元の行先階登録装置5に送信する(S34)。
【0136】
利用者DB421にユーザIDが登録されていない場合(S32でNO)、認証部411は、利用者の認証に失敗したと判定する。この場合、認証部411は、装置ID、および利用者の認証に失敗したことを示すエラー信号を群管理制御装置1に送信する(S35)。
【0137】
[割当]
図12~
図19は、乗場行先階登録システム100において乗場行先階呼びに対する割当を行うときの処理の流れを示すフローチャートである。
【0138】
(行先階登録装置5が行う処理)
図12は、セキュリティサーバ4において利用者の認証が成功した場合に、行先階登録装置5が行う処理の流れを示す。
【0139】
図12に示す処理は、セキュリティサーバ4において利用者の認証に成功した場合、すなわち、
図11に示す行先階登録装置処理1においてステップS32でYESとなり、ステップS34の処理が行われた後に行われる処理である。
【0140】
ステップS34の処理が行われた後、行先階登録装置5は、セキュリティサーバ4から、ユーザIDと、許可階を示す情報と、を含むデータを受信する(S41でYES)。行先階登録装置5は、上述のデータを受信すると、タイマーを始動させる(S42)。タイマー始動後、入力部52に行先階が入力されていない場合(S43でNO)、行先階登録装置5は、所定時間経過したかを判定する(S44)。所定時間経過していない場合(S44でNO)、ステップS43の処理に戻る。タイマー始動後、入力部52に行先階が入力されていない場合(S43でNO)であって、所定時間経過した場合(S44でYES)、行先階登録装置5は処理を終了する。
【0141】
タイマー始動後、所定時間以内に入力部52に行先階が入力された場合、(S43でYES)、行先階登録装置5は行先階が許可階に含まれるか否かを判定する(S45)。入力された行先階が許可階に含まれる場合(S45でYES)、行先階登録装置5は、自装置の装置ID、利用者のユーザID、および入力された行先階を示す情報をセキュリティサーバ4に送信する(S46)。行先階が許可階に含まれない場合(S45でNO)、行先階登録装置5の表示部53は、入力された階床が許可階に含まれていないことを示すエラー画面を表示する(S47)。ステップS47の後は、ステップS42の処理に戻る。
【0142】
(行先階登録装置処理2)
図13は、行先階登録装置処理2の流れを示す。
【0143】
セキュリティサーバ4が行先階登録装置5からデータを受信し、受信したデータに行先階登録装置5の読取部51のリーダIDが含まれていない場合(
図9のS14でNO)、行先階登録装置処理2(
図9のS16)が行われる。受信したデータに行先階登録装置5の読取部51のリーダIDが含まれていない場合、セキュリティサーバ4が行先階登録装置5から受信するデータには、行先階登録装置5の装置ID、利用者のユーザID、および利用者の行先階を示す情報が含まれる。
【0144】
行先階登録装置処理2では、まず、認証部411は、装置DB422を参照し、行先階登録装置5の読取部51が設けられた階床、すなわち利用者の出発階を示す情報を取得する(S51)。認証部411は、行先階登録装置5の装置IDと、利用者の出発階および行先階を示す情報と、を群管理制御装置1に送信する(S52)。
【0145】
(群管理制御装置1が行う処理)
図14は、群管理制御装置1が行う処理の流れを示す。
図14に示す処理は、
図10に示すゲート処理において認証に成功した場合(S22でYES)に行われる。または、
図14に示す処理は、
図11に示す行先階登録装置処理1において認証に成功し(S32でYES)、
図13に示す行先階登録装置処理2が行われた後(S53の後)に行われる。また、
図14に示す処理は、
図10に示すゲート処理または
図11に示す行先階登録装置処理1において認証に失敗した場合(S22でNOまたはS32でNO)にも行われる。さらに、
図14に示す処理は、後述する
図16に示す処理において、許否情報についての選択が行われた後(S87の後)にも行われる。
【0146】
まず、群管理制御装置1の受付部111は、セキュリティサーバ4からデータを受信したか否かを判定する(S61)。セキュリティサーバ4からデータを受信すると(S61でYES)、受付部111は、受信したデータに行先階を示す情報が含まれるか否かを判定する(S62)。受信したデータに行先階を示す情報が含まれる場合(S62でYES)、群管理制御装置1は、第1乗場行先階呼びを受け付け(S63:受付ステップ)、割当処理1を行う(S64)。割当処理1の詳細については後述する。
【0147】
続いて、受信したデータに行先階を示す情報が含まれない場合(S62でNO)について説明する。ステップS62においてNOの場合とは、具体的には、ゲート処理または行先階登録装置処理1において利用者の認証に失敗し、利用者の認証に失敗したことを示すエラー信号を受信している場合である。
【0148】
この場合、群管理制御装置1は、エラー信号と共に受信した装置IDに、利用者の認証に失敗したことを示すエラー信号を送信する(S65)。ステップS65の後に行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において行われる処理については後述する。
【0149】
受付部111が、セキュリティサーバ4からデータを受信していない場合(S61でNO)、受付部111は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6からデータを受信したか否かを判定する(S66)。受付部111が行先階登録装置5またはセキュリティゲート6からデータを受信した場合(S66でYES:取得ステップ)とは、注目利用者に対する問い合わせの結果、該注目利用者によって選択された許否情報を含む情報を受信した場合である。この場合、群管理制御装置1は、割当処理2を行う(S67)。割当処理2の詳細については後述する。
【0150】
受付部111が、セキュリティサーバ4からも行先階登録装置5またはセキュリティゲート6からもデータを受信していない場合(S66でNO)、受付部111は、ロボット管理制御装置2からデータを受信したか否かを判定する(S68)。ロボット管理制御装置2からデータを受信した場合とは、自走型装置3が第2乗場行先階呼びの登録を要求している場合である。
【0151】
自走型装置3が第2乗場行先階呼びを登録する場合、自走型装置3は、ロボット管理制御装置2に、ロボットIDと、出発階および行先階を示す情報と、を含む利用要求を送信する。ロボット管理制御装置2は、利用要求を受信すると、ロボットDB21を参照し、自走型装置3のロボットIDに基づき、自走型装置3の人数情報および種類情報を取得する。ロボット管理制御装置2は、自走型装置3のロボットIDと、出発階および行先階を示す情報と、種類情報と、人数情報と、を含むデータを群管理制御装置1に送信する。群管理制御装置1は、ロボット管理制御装置2からデータを受信すると(S68でYES)、第2乗場行先階呼びを受け付け(S69:受付ステップ)、割当処理3を行う(S70)。割当処理3の詳細については後述する。
【0152】
また、群管理制御装置1が、セキュリティサーバ4、行先階登録装置5、セキュリティゲート、およびロボット管理制御装置2のいずれからもデータを受信していない場合は(S68でNO)、ステップS61の処理に戻る。
【0153】
(割当処理1)
図15は、割当処理1の流れを示す。以下、
図15を用いて割当処理1の詳細について説明する。割当処理1は、利用者による第1乗場行先階呼びが登録されたときに行われる処理である。割当処理1が行われるとき、受付部111は、セキュリティサーバ4から、利用者の行先階を示す情報と第1乗場行先階呼びを行うために利用された行先階登録装置5またはセキュリティゲート6の装置IDとを含む情報を受信している。受付部111は、受信した情報を判定部112に出力する。
【0154】
判定部112は、受信した装置IDに基づき、注目利用者の出発階を特定する(S71)。続いて、判定部112は、エレベータ8の号機の中に、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある号機が有るか否かを判定する(S72:判定ステップ)。
【0155】
エレベータ8の全号機において注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がない場合(S72でNO)、判定部112は当該判定の結果を選定部114に出力する。選定部114は、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がないことを示す判定結果を取得すると、エレベータ8の全号機を割当候補号機(第1候補号機)として選定する(S73:選定ステップ)。選定部114は、選定した第1候補号機を示す情報を割当部115に出力する。
【0156】
割当部115は、第1候補号機を示す情報を取得すると、第1候補号機の中から最適号機を選択し、第1乗場行先階呼びに対して割り当てる(S74:割当ステップ)。割当部115は、利用者の行先階、および割当号機を示す情報を、利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に送信する(S75)。これにより、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において、利用者に対して割当号機の通知が行われる。行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において行われる処理については後述する。
【0157】
エレベータ8のいずれかの号機において、注目利用者と注目自走型装置とが同乗する可能性がある場合(S72でYES)、判定部112は当該判定の結果を取得部113に出力する。取得部113は、当該判定の結果を取得すると、割当情報123を参照し、注目利用者と同乗し得る注目自走型装置の種類情報を特定する(S76)。続いて、取得部113は、同乗許否要求信号および種類情報を、利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に送信する(S77)。これにより、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において利用者に対して許否情報の問い合わせが行われる。行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において行われる処理については後述する。
【0158】
(行先階登録装置5またはセキュリティゲート6で行われる処理)
図16は、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6で行われる処理の流れを示す。以下、
図16を用いて、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6で行われる処理について説明する。
【0159】
図16に示す処理は、
図14に示す処理において、群管理制御装置1がセキュリティゲート6からエラー信号を受信し、群管理制御装置1から行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に対してエラー信号が送信された後(S65の後)に行われる。また、
図16に示す処理は、割当処理1において第1乗場行先階呼びに対する割当が行われた後(S75の後)、または割当処理1において行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に対して同乗許否要求信号が送信された後(S77の後)にも行われる。さらに、
図16に示す処理は、後述する割当処理2において第1乗場行先階呼びに対する割当が行われた後(S99の後)にも行われる。なお、以下では、割当処理1において行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に対して同乗許否要求信号が送信された後の処理について説明し、他の処理については後述する。
【0160】
まず、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、群管理制御装置1からデータを受信したか否かを判定する(S81)。群管理制御装置1からデータを受信すると(S81でYES)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、群管理制御装置1から「同乗許否要求信号」を受信したかを判定する(S82)。
【0161】
群管理制御装置1から「同乗許否要求信号」を受信した場合(S82でYES)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、注目自走型装置が属する種類の自走型装置3との同乗許否を選択させるための画面を表示する(S83)。続いて、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、問い合わせ用の画面を表示してからの時間を計測するためにタイマーを始動させる(S84)。
【0162】
次に、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、利用者によって同乗許否が選択されたか否かを判定する(S85)。選択されていない場合(S85でNO)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、所定時間経過したかを判定する(S86)。所定時間経過していない場合(S86でNOの場合)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、再度ステップS85の処理を行う。
【0163】
同乗許否が選択されていない場合であって、所定時間経過した場合(S86でYES)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、デフォルト画面を表示し(S88)、処理を終了する。
【0164】
この場合、注目利用者の同乗許否を示す許否情報が群管理制御装置1に送信されないため、群管理制御装置1において続く処理が行われない。そのため、問い合わせが行われた場合であって、許否情報が所定時間以内に選択されなかった場合、利用者による第1乗場行先階呼びに対する割当は行われない。
【0165】
同乗許否が選択された場合(S85でYES)、行先階登録装置5の入力部52またはセキュリティゲート6の表示部62は、当該選択を受け付ける。行先階登録装置5の入力部52またはセキュリティゲート6の表示部62は、装置ID、行先階、および選択された許否情報を、群管理制御装置1に送信する(S87)。その後、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、デフォルト画面を表示し(S88)、処理を終了する。なお、行先階登録装置5の表示部62またはセキュリティゲート6の表示部62は、同乗許否が選択されたとき、同乗許否の選択を受け付けたことを示す画面を表示してもよい。
【0166】
(割当処理2)
図17および
図18は、
図14のステップS67に示す割当処理2の流れを示す。割当処理1は、第1乗場行先階呼びに対する割当処理である。割当処理2が行われる場合、群管理制御装置1の受付部111は、行先階登録装置5の読取部51またはセキュリティゲート6の読取部61の装置IDと、利用者の出発階および行先階を示す情報と、利用者の許否情報と、を含むデータを受信している。
【0167】
受付部111は、受信したデータに基づき、利用者の出発階を特定する(S101)。続いて、受付部111は、受信したデータに基づき、利用者の許否情報を取得する(S102)。受付部111は、装置IDと、利用者の出発階および行先階を示す情報と、利用者の許否情報と、を判定部112に出力する。
【0168】
判定部112は、受付部111から各情報を取得すると、乗場行先階呼びを行った者が許容者であるか非許容者であるか、すなわち、利用者の許否情報は可であるか否かを判定する(S103)。具体的には、判定部112は、取得した許否情報が、いずれかの種類の自走型装置3との同乗を許容するか否かを判定する。
【0169】
許否情報が、注目利用者と注目自走型装置との同乗を許容することを示す場合(S103でYES)、判定部112は、当該判定の結果を選定部114に出力する。選定部114は、許否情報が、注目利用者と注目自走型装置との同乗を許容することを示す判定結果を取得すると、エレベータ8の全号機を第1乗場行先階呼びに対する候補号機である第1候補号機として選定する(S104:選定ステップ)。ステップS104の後、
図18に示すステップS121の処理に進む。
【0170】
許否情報が、注目利用者と注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合(S103でNO)、判定部112は、注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がある号機を特定するための判定を行う。
【0171】
判定部112は、判定の対象となる号機をCar号機とする。Carには数値が入り、乗場行先階登録システム100が備えるエレベータ号機の各々に対応する。例えば、乗場行先階登録システム100がA号機~C号機の3台のエレベータ号機を備える場合、Car=1のときにはA号機について、Car=2のときにはB号機について、Car=3のときにはC号機について判定が行われる。
【0172】
判定部112は、まず、変数Carに1を代入し、1番目の号機について判定を行う(S105)。判定部112は、非許容者の出発階および行先階と割当情報123と、に基づき、Car号機を割り当てた場合、Car号機のかご81内において非許容者が注目自走型装置と同乗する可能性があるか否かを判定する(S106:判定ステップ)。
【0173】
非許容者が注目自走型装置と同乗する可能性がない場合(S106でNO)、判定部112は、当該判定の結果を選定部114に出力する。選定部114は、Car号機において非許容者が注目自走型装置と同乗する可能性がないことを示す判定結果を取得した場合、Car号機を第1候補号機として選定する(S107:選定ステップ)。非許容者が注目自走型装置と同乗する可能性がある場合(S106でYES)、判定部112は、当該判定の結果を選定部114に出力する。選定部114は、Car号機において非許容者が注目自走型装置と同乗する可能性があることを示す判定結果を取得した場合、Car号機を第1候補号機の対象外とする(S108:選定ステップ)。
【0174】
判定部112は、判定結果を選定部114に出力した後、変数Carをインクリメントする(S109)。例えば、判定部112は、1番目の号機について判定を行っていた場合、2番目の号機を次のCar号機とする。
【0175】
変数Carの値がエレベータ8の全号機数以下である場合(S110でNO)、すなわち、全ての号機について判定が完了していない場合、ステップS106の処理に戻り、ステップS110でYESになるまでステップS106~ステップS110の処理が繰り返される。変数Carの値がエレベータ8の全号機数よりも多い場合(S110でYES)、すなわち、全ての号機について判定が行われた場合、判定部112は、判定が終了したことを示す情報を選定部114に出力する。選定部114は、当該情報を取得すると、第1候補号機が存在するか否かを判定する(S111)。
【0176】
第1候補号機が存在しない場合(S111でNO)、ステップS105の処理に戻る。第1候補号機が存在しない場合とは、非許容者の第1乗場行先階呼びに対して割り当てられる号機が存在しない場合である。この場合、ステップS111においてYESとなるまでステップS105~ステップS111の処理が繰り返される。第1候補号機が存在する場合(S111でYES)、すなわち、非許容者の第1乗場行先階呼びに対して割り当てられる号機が存在する場合、
図18に示すステップS121の処理に進む。
【0177】
ステップS104の処理の後、またはステップS111の処理の後、選定部114は、選定した候補号機(第1候補号機)を示す情報を割当部115に出力する。
【0178】
割当部115は、第1候補号機を示す情報を取得すると、第1候補号機の中から乗場行先階呼びに対して割り当てる割当号機を決定する。具体的には、割当部115は、第1候補号機の中から、第1乗場行先階呼びに対して最適な号機を割り当てる(S121:割当ステップ)。割当号機の決定には、セレクティブコレクティブ運転に基づく割当方法が用いられてよい。例えば、割当部115は、候補号機の中から、エレベータ8の運行効率上最適な号機を割当号機として決定してもよい。
【0179】
割当部115は、割当号機を決定すると、受付部111が受信した装置IDに基づき、第1乗場行先階呼びを登録した利用者が利用した行先階登録装置5またはセキュリティゲート6の表示部53または表示部62を特定する。割当部115は、行先階および割当号機を示す情報を、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62に送信する(S122)。行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において行われる処理については後述する。
【0180】
(割当処理3)
図19は、
図14のステップS70に示す割当処理3の流れを示す。割当処理3は、第2乗場行先階呼びに対する割当処理である。割当処理3が行われる場合、群管理制御装置1の受付部111は、ロボット管理制御装置2から、自走型装置3の装置IDと、人数情報と、出発階および行先階を示す情報と、を含むデータを受信している。受付部111は、受信した各情報を選定部114に出力する。
【0181】
選定部114は、第2候補号機の選定を行う(S131~S137)。まず、選定部114は、変数Carに1を代入し、変数Nに人数情報に示される人数を代入し、1番目の号機について判定を行う(S131)。選定部114は、自走型装置3の出発階および行先階と割当情報123と、に基づき、Car号機を割り当てた場合、Car号機のかご81内において、第1乗場行先階呼びを登録済みの非許容者が自走型装置3と同乗するか否かを判定する(S132)。非許容者が自走型装置3と同乗する可能性がない場合(S132でNO)、選定部114は、Car号機にN人乗車可能か否かを判定する(S133)。
【0182】
Car号機にN人乗車可能である場合(S133でYES)、選定部114は、Car号機を第2候補号機として選定し(S134:選定ステップ)、ステップS135の処理に進む。非許容者が自走型装置3と同乗する可能性がある場合(S132でYES)、またはステップS132でNOであって、Car号機にN人乗車不可である場合(S133でNO)、選定部114は、Car号機を第2候補号機とはせず、ステップS135の処理に進む。
【0183】
ステップS135において、選定部114は、変数Carをインクリメントし、変数Carの値がエレベータ8の全号機数以下であるか否かを判定する(S136)。変数Carの値がエレベータ8の全号機数以下である場合(S136でNO)、すなわち、全ての号機について判定が完了していない場合、ステップS132の処理に戻り、ステップS136でYESになるまでステップS131~ステップS136の処理が繰り返される。変数Carの値がエレベータ8の全号機数よりも多い場合(S136でYES)、すなわち、全ての号機について判定が行われた場合、選定部114は、第2候補号機が存在するか否かを判定する(S137)。
【0184】
第2候補号機が存在しない場合(S137でNO)、ステップS131の処理に戻る。第2候補号機が存在しない場合とは、自走型装置3の第2乗場行先階呼びに対して割り当てられる号機が存在しない場合である。この場合、ステップS137においてYESとなるまでステップS131~S137の処理が繰り返される。第2候補号機が存在する場合(S137でYES)、すなわち、自走型装置3の第2乗場行先階呼びに対して割り当てられる号機が存在する場合、選定部114は、第2乗場行先階呼びに対して割り当てられる号機を第2候補号機として選定する。選定部114は、選定した第2候補号機を示す情報を割当部115に出力する。
【0185】
割当部115は、第2候補号機の中から割り当てる号機を決定する。具体的には、割当部115は、第2候補号機の中から最適な号機を第2乗場行先階呼びに対する割当号機として決定する(S138:割当ステップ)。割当部115は、割当号機を決定すると、行先階および割当号機を示す情報をロボット管理制御装置2に送信する(S139)。
【0186】
以上のようにして、自走型装置3の第2乗場行先階呼びに対する割当が行われる。
【0187】
[割当後]
再度
図16を参照して、群管理制御装置1において第1乗場行先階呼びに対する割当が行われた後に行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において行われる処理について説明する。なお、以下では、群管理制御装置1から行先階登録装置5またはセキュリティゲート6に対してエラー信号が送信された後(S65の後)、割当処理1において号機が割り当てられた後(S75の後)、および割当処理2の後(S99の後)の処理について説明する。
【0188】
行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、群管理制御装置1からデータを受信した場合(S81でYES)、群管理制御装置1から「同乗許否要求信号」を受信したかを判定する(S82)。ステップS82でYESの場合に行われる処理については既に説明したため、ここでの説明を省略する。
【0189】
群管理制御装置1から受信した情報が「同乗許否要求信号」でない場合(S82でNO)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、受信した情報に行先階および割当号機を示す情報が含まれるか否かを判定する(S89)。
【0190】
行先階および割当号機を示す情報を含む情報を受信した場合(S89でYES)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、受信した行先階および割当号機を示す情報を所定時間、例えば数秒間、表示する(S90)。ステップS89でYESの場合とは、割当処理1または割当処理2において第1乗場行先階呼びに対する割当号機が決定され、群管理制御装置1から割当結果が送信された場合である。これにより、注目利用者は、自身の行先階と割当号機を確認することができる。
【0191】
群管理制御装置1から受信した情報が行先階および割当号機を示す情報を含まない場合(S89でNO)、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、利用者の認証が失敗したことを示すエラー画面を表示させる(S91)。
【0192】
ステップS90またはステップS91の後、行先階登録装置5の表示部53またはセキュリティゲート6の表示部62は、デフォルト画面を表示し、処理を終了する。
【0193】
以上のようにして、行先階登録装置5またはセキュリティゲート6において、利用者に対して割当結果の通知、または認証失敗の通知が行われる。
【0194】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0195】
図20は、実施形態2に係る乗場行先階登録システム100Aの構成を示すブロック図である。
図20に示すように、乗場行先階登録システム100Aは、群管理制御装置1A、ロボット管理制御装置2、自走型装置3、行先階登録装置5A、エレベータ制御装置7、およびエレベータ8を備える。
【0196】
群管理制御装置1Aは、制御部11Aおよび記憶部12Aを備える。制御部11Aは、受付部111A、判定部112、取得部113、選定部114、割当部115、および認証部116を備える。記憶部12Aは、装置DB121、割当情報123および利用者DB124を記憶している。利用者DB124は、
図1に示す乗場行先階登録システム100のセキュリティサーバ4が記憶している利用者DB421と同様の情報を記憶するデータベースである。
【0197】
実施形態2に係る乗場行先階登録システム100Aでは、実施形態1に係る乗場行先階登録システム100においてセキュリティサーバ4が行っていた処理を群管理制御装置1Aが行う。例えば、群管理制御装置1Aは、ユーザIDに基づく利用者の認証を行う。
【0198】
行先階登録装置5Aの読取部51Aは、ユーザIDを取得すると、取得したユーザIDを群管理制御装置1Aに送信する。また、行先階登録装置5の表示部53は、群管理制御装置1Aから許可階を示す情報を受信すると、許可階を表示し、入力部52Aは、利用者による階床の入力を受け付ける。入力部52Aは、入力された行先階を示す情報を群管理制御装置1Aに送信する。
【0199】
群管理制御装置1Aの受付部111Aは、ユーザIDを受信すると、認証部116にユーザIDを出力する。認証部116は、利用者DB124を参照し、利用者の認証を行う。認証部116は、利用者の認証に成功すると、利用者の許可階を示す情報を取得し、行先階登録装置5Aに送信する。また、認証部116は、装置IDに基づき、利用者の出発階を特定する。認証部116は、利用者の認証に成功したことを示す情報、および利用者の出発階を示す情報を判定部112に出力する。
【0200】
判定部112は、利用者の認証に成功したことを示す情報、および利用者の出発階を示す情報を認証部116から取得し、利用者の行先階を示す情報を行先階登録装置5から受信する。判定部112は、これらの情報に基づき判定を行う。判定部112が判定を行った後の処理については、実施形態1に係る乗場行先階登録システム100において行われた方法と同様であるため説明を省略する。
【0201】
〔実施形態3〕
図21は、実施形態3に係る乗場行先階登録システム100Bの構成を示すブロック図である。乗場行先階登録システム100Bは、利用者の許否情報を予め記憶しておき、当該許否情報に基づき、第1候補号機および第2候補号機を選定する。以下、
図21を用いて、乗場行先階登録システム100Bについて説明する。
【0202】
図21に示すように、乗場行先階登録システム100Bは、制御部11Bおよび記憶部12Bを有する群管理制御装置1Bを備える点において、実施形態1に係る乗場行先階登録システム100と異なる。制御部11Bは、取得部113に代えて取得部113Bを備える点において、実施形態1に係る制御部11とは異なる。
【0203】
記憶部12Bは、装置DB121、ゲートDB122、および割当情報123に加え、利用者DB124を記憶している。
図22は、実施形態3に係る利用者DB124の一例を示す図である。
図22に示すように、利用者DB124では、利用者DB421の情報に加え、利用者の識別情報と、利用者における自走型装置3の種類ごとの許否情報が、利用者毎ごと対応付けられている。
【0204】
判定部112から、いずれかの号機において注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性があることを示す判定結果を取得すると、取得部113Bは、記憶部12Bから許否情報を取得する。取得部113Bは、取得した許否情報を選定部114に出力する。
【0205】
選定部114が許否情報を取得した後の処理、および、全号機において注目利用者が注目自走型装置と同乗する可能性がない場合の処理については、実施形態1に係る乗場行先階登録システム100において行われた方法と同様であるため説明を省略する。
【0206】
上記構成によれば、予め許否情報が登録されている場合には、登録済の許否情報に基づき割当が行われる。そのため、注目利用者が第1乗場行先階呼びを登録したときに、該注目利用者の許否情報を改めて問い合わせる手間を低減することができる。
【0207】
〔実施形態4〕
図23は、実施形態4に係る乗場行先階登録システム100Cの構成を示すブロック図である。以下、
図23を用いて、乗場行先階登録システム100Cについて説明する。
【0208】
乗場行先階登録システム100Cは、利用者の許否情報を予め記憶しておき、当該許否情報に基づき、第1候補号機および第2候補号機を選定する。また、乗場行先階登録システム100Cでは、必要に応じて利用者への許否情報の問い合わせを行う。
【0209】
図23に示すように、乗場行先階登録システム100Cは、群管理制御装置1Cを備える点において実施形態1に係る乗場行先階登録システム100と異なる。群管理制御装置1Cは、制御部11Cおよび記憶部12Cを備える。制御部11Cは、取得部113Cを備える点において、実施形態1に係る制御部11と異なる。また、記憶部12Cは、記憶部12Bと同様に、利用者DB124を記憶している。
【0210】
取得部113Cは、判定部112から、いずれかの号機において注目利用者が注目自走型装置と号機のかご81内において同乗する可能性があるか否かについての判定結果を取得する。取得部113Cは、注目利用者が注目自走型装置と号機のかご81内において同乗する可能性がある場合に記憶部12Cを参照する。取得部113は、記憶部12Cに、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されているか否かを判定する。
【0211】
記憶部12Cに、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されている場合、取得部113Cは、当該許否情報を取得する。一方、記憶部12Cに、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されていない場合、取得部113Cは、注目利用者に許否情報を問い合わせる。許否情報を問い合わせる方法は、実施形態1において説明した方法と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0212】
上記構成によると、予め許否情報が登録されている場合には、登録済の許否情報に基づき選定および割当が行われる。また、許否情報が登録されていない場合には許否情報を問い合わせ、その結果に基づき選定および割当が行われる。
【0213】
記憶部12Cに、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されていない場合とは、注目自走型装置の種類が、記憶部12Cに予め記憶されている許否情報に、当該注目自走型装置の種類に対応する許否情報が含まれていない場合であってもよい。例えば、利用者と同乗する可能性のある自走型装置3の種類として、配送、清掃、および警備が存在する場合、記憶部12Cには、利用者が、これらの自走型装置3のそれぞれとの同乗を許容するか否かを示す許否情報が登録されている。
【0214】
ここで、注目利用者と同乗する可能性がある自走型装置が警備ロボットである場合、取得部は、記憶部から注目利用者の許否情報を特定することができる。
【0215】
一方、注目利用者と同乗する可能性がある自走型装置が医療ロボット等である場合、許否定情報が記憶部12Cに記憶されていない。このような場合には、取得部113Cは注目利用者に対して問い合わせを行うため、記憶部12Cに許否情報が登録されているか否かに関わらず許否情報を取得することができる。
【0216】
また、記憶部12Cに、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されていない場合とは、他の理由によるものであってもよい。例えば、注目利用者における注目自走型装置との許否情報が登録されていない場合とは、注目利用者によって許否情報が予め登録されていない場合であってもよい。
【0217】
〔付記事項〕
上記各実施形態にて説明した各装置が実行する処理は、複数のコンピュータに機能分散して実行させてもよい。つまり、上記各実施形態にてフローチャートを用いて説明した各処理は、1または複数のコンピュータが実行し得る。
【0218】
〔ソフトウェアによる実現例〕
乗場行先階登録システム100、100A~100C(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11、11A~11Cに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0219】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0220】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0221】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0222】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0223】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る乗場行先階登録システムは、複数の号機を備え、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムであって、利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付部と、新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定部と、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部と、前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定部と、前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当部と、を備え、前記選定部は、前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする。
【0224】
本開示の態様2に係る乗場行先階登録システムは、前記態様2において、前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせてもよい。
【0225】
本開示の態様3に係る乗場行先階登録システムは、前記態様1または2において、前記判定部は、前記第1乗場行先階呼びを登録済みの利用者が、新たに前記第2乗場行先階呼びを登録した前記自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定し、前記取得部は、当該利用者が当該自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、当該利用者の当該自走型装置との同乗許否を示す前記許否情報を取得し、前記選定部は、前記許否情報が当該自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、当該利用者と当該自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第2候補号機の対象外としてもよい。
【0226】
本開示の態様4に係る乗場行先階登録システムは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記利用者の識別情報と、前記利用者における前記自走型装置の種類ごとの前記許否情報と、を前記利用者ごとに対応付けて記憶する記憶部を備えてもよい。
【0227】
本開示の態様5に係る乗場行先階登録システムは、前記態様4において、前記取得部は、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合に前記記憶部を参照し、前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されている場合、当該許否情報を取得し、前記記憶部に、前記注目利用者における前記注目自走型装置との前記許否情報が登録されていない場合、前記注目利用者に前記許否情報を問い合わせてもよい。
【0228】
本開示の態様6に係る乗場行先階登録システムは、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記自走型装置の種類は、自走型装置が有する機能の種類であってもよい。
【0229】
本開示の態様7に係る乗場行先階登録システムの制御方法は、1または複数のコンピュータにより実行される、複数の種類の自走型装置が利用可能なエレベータの乗場行先階登録システムの制御方法であって、前記エレベータは、複数の号機を備えており、利用者による第1乗場行先階呼びおよび前記自走型装置による第2乗場行先階呼びを受け付ける受付ステップと、新たに前記第1乗場行先階呼びを登録した注目利用者が、前記第2乗場行先階呼びを登録済みの注目自走型装置と、前記号機のかご内において同乗する可能性があるか否かを判定する判定ステップと、前記注目利用者が前記注目自走型装置と前記号機のかご内において同乗する可能性がある場合、前記注目利用者の、前記注目自走型装置の種類に応じて定まる前記注目自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得ステップと、前記許否情報に基づき、前記第1乗場行先階呼びに対して割当可能な第1候補号機、および前記第2乗場行先階呼びに対して割当可能な第2候補号機の各々を、前記複数の号機から選定する選定ステップと、前記第1乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第1候補号機から決定し、前記第2乗場行先階呼びに割り当てる号機を前記第2候補号機から決定する割当ステップと、を含み、前記選定ステップにおいて、前記許否情報が、前記注目自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、前記注目利用者と前記注目自走型装置とが同乗する可能性がある前記号機を、前記第1候補号機の対象外とする。
【符号の説明】
【0230】
3 自走型装置
8 エレベータ
100、100A、100B、100C 乗場行先階登録システム
111、111A 受付部
112 判定部
113、113B、113C 取得部
114選定部
115割当部
12、12A、12B、12C 記憶部
81 かご
S63、S69 受付ステップ
S72、S106 判定ステップ
S66 取得ステップ
S73、S107、S108、S134 選定ステップ
S74、S121 割当ステップ
【要約】
【課題】ロボットと人とが利用するエレベータシステムにおける移動効率を向上させる。
【解決手段】乗場行先階登録システム(100)は、新たに乗場行先階呼びを登録した利用者が、乗場行先階呼びを登録済みの自走型装置(3)と号機のかご(81)内において同乗する可能性がある場合、該利用者の、自走型装置の種類に応じて定まる該自走型装置との同乗許否を示す許否情報を取得する取得部(113)と、許否情報が、自走型装置との同乗を許容しないことを示す場合、利用者と自走型装置とが同乗する可能性がある号機を、利用者に対する候補号機の対象外として、乗場行先階呼びに対して割当可能な候補号機を選定する選定部(114)と、を備える。
【選択図】
図1