(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】交通管制装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241106BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/04 C
(21)【出願番号】P 2023520727
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2021018468
(87)【国際公開番号】W WO2022239241
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】尾形 一気
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-202225(JP,A)
【文献】特開2019-197525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段と
、
前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知する通報手段と、
前記事故の発生が検知された場合に、前記映像に基づいて、前記事故の発生の通知を受けて出動する車両の停車可能位置を特定する停車位置特定手段とを備え
、
前記通報手段は、前記通報先に、前記特定された停車可能位置を通知する、交通管制装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記事故により道路の走行に支障があるか否かを判定し、
前記信号機制御手段は、前記道路の走行に支障があると判定された場合、前記第1の信号機の灯火を、進行不可を示す灯火に制御する請求項1に記載の交通管制装置。
【請求項3】
前記信号機制御手段は、前記道路の走行に支障があると判定された場合、前記事故が発生した道路に通じる1以上の第2の交差点に設置される1以上の第2の信号機を更に制御する請求項2に記載の交通管制装置。
【請求項4】
前記信号機制御手段は、前記第2の交差点から流出可能な複数の道路のうち、前記第1の交差点に通じる道路への流出を抑制するように、前記第2の信号機の灯火を制御する請求項3に記載の交通管制装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記事故を起こした移動体が車線をふさいでいる、及び/又は前記事故により前記道路に物が散乱している場合、前記道路の走行に支障があると判定する請求項2から4何れか1項に記載の交通管制装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記事故が人身事故であるか否か、前記事故により火災が発生しているか否か、前記事故の規模、及びけが人の状態の少なくとも1つを、前記事故の状況として判定し、
前記通報手段は、前記事故が人身事故であるか否か、前記事故により火災が発生しているか否か、前記事故の規模、及びけが人の状態の少なくとも1つに応じて前記通報先を選択する請求項
1から5何れか1項に記載の交通管制装置。
【請求項7】
前記事故を起こした移動体から車両情報を取得する車両情報取得手段を更に有し、
前記判定手段は、前記映像と前記車両情報とに基づいて、前記事故の状況を判定する請求項1から6何れか1項に記載の交通管制装置。
【請求項8】
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置と、
前記撮像装置から映像を取得し、前記道路を走行する移動体の通行を制御する交通管制装置とを備え、
前記交通管制装置は、
前記撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段と
、
前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知する通報手段と、
前記事故の発生が検知された場合に、前記映像に基づいて、前記事故の発生の通知を受けて出動する車両の停車可能位置を特定する停車位置特定手段とを有し、
前記通報手段は、前記通報先に、前記特定された停車可能位置を通知する、交通管制システム。
【請求項9】
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御
し、
前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知し、
前記映像に基づいて、前記事故の発生の通知を受けて出動する車両の停車可能位置を特定し、
前記通報先に、前記特定された停車可能位置を通知する交通管制方法。
【請求項10】
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御
し、
前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知し、
前記映像に基づいて、前記事故の発生の通知を受けて出動する車両の停車可能位置を特定し、
前記通報先に、前記特定された停車可能位置を通知する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通管制装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、特許文献1は、緊急通報システムを開示する。緊急通報システムにおいて、車両に搭載されるナビゲーション装置は、1種類以上の緊急事態を画面表示する。ユーザは、緊急事態が発生した場合、表示された緊急事態の中から、発生した緊急事態に対応する緊急事態を選択する。ナビゲーション装置は、何れかの緊急事態が選択された場合、選択された緊急事態に対応する複数の通報先に通信回線を介して接続する。通報先は、所轄警察署、消防署、保険会社、修理工場、及び病院を含む。ナビゲーション装置は、複数の通報先に、通報データを送信する。通報データは、車両の現在位置及び事故状況を含む車両状態情報を含む。
【0003】
別の関連技術として、特許文献2は、移動体情報通信装置を開示する。移動体情報通信装置は、路側機から、信号機の信号機情報を受信する。移動体情報通信装置は、衝撃センサが衝撃を検知した場合、カメラを用いて撮影された映像を記憶部に記憶する。その際、移動体情報通信装置は、路側機から受信した信号機情報に基づいて信号機の色情報を識別し、信号機の色情報を、映像と共に記憶部に記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-90721号公報
【文献】特開2014-63242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ナビゲーション装置は、ユーザが緊急事態の項目を選択した場合、選択された緊急事態に対応する通報先に通報データを送信する。この場合、ユーザは、緊急事態発生時の状況に最も近い項目を画面表示の中から選択するだけで、必要な通報先に通報データを自動的に送信できる。しかしながら、特許文献1に記載の緊急通報システムは、緊急事態に応じた通報データの送信を自動化できるものの、事故が発生した道路における交通を制御することはできない。
【0006】
特許文献2では、事故が発生した場合に、事故発生時の映像と、そのときの信号機の色情報とが記憶部に保存される。この場合、事故の当事者、又は第三者は、事故が発生した時刻における信号機の灯火状態を、容易に確認することができる。しかしながら、特許文献2も、特許文献1と同様に、事故が発生した道路における交通を制御することはできない。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑み、事故が発生した道路における交通を制御できる交通管制装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示は、第1の態様として、交通管制装置を提供する。交通管制装置は、移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段とを有する。
【0009】
本開示は、第2の態様として、交通管制システムを提供する。交通管制システムは、移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置と、前記撮像装置から映像を取得し、前記道路を走行する移動体の通行を制御する交通管制装置とを有する。交通管制装置は、前記撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段とを有する。
【0010】
本開示は、第3の態様として、交通管制方法を提供する。交通管制方法は、移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御することを含む。
【0011】
本開示は、第4の態様として、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る交通管制装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体は、事故が発生した道路における交通を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示に交通管制システムを概略的に示すブロック図。
【
図2】本開示の一実施形態に係る交通管制システムを示すブロック図。
【
図5】事故が発生した交差点と、その周辺の交差点とを模式的に示す平面図。
【
図6】コンピュータ装置の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。
図1は、本開示に係る例示的な交通管制システムを概略的に示す。交通管制システム10は、交通管制装置20、及び撮像装置30を含む。撮像装置30は、移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置である。交通管制装置20は、撮像装置30から映像を取得し、道路を走行する移動体の通行を制御する。
【0015】
交通管制装置20は、検知手段21、判定手段22、及び信号機制御手段23を有する。検知手段21は、撮像装置30が撮影した映像に基づいて、事故の発生を検知する。判定手段22は、撮像装置30が撮影した映像に基づいて、発生した事故の状況を判定する。信号機制御手段23は、判定された事故の状況に基づいて、事故が発生した交差点に設置される信号機40を制御する。
【0016】
本開示では、検知手段21は事故の発生を検知し、判定手段22は事故の状況を判定する。信号機制御手段23は、事故の状況に基づいて、信号機40を制御する。本開示は、事故の発生が検知された交差点に設置される信号機の灯火状態を制御することで、事故が発生した道路における交通を制御することができる。例えば、信号機制御手段23は、事故が発生した交差点の信号機40を赤信号に制御するができる。その場合、交通管制装置20は、事故が検知された交差点への他の移動体の流入を抑制できる。
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳細に説明する。
図2は、本開示の一実施形態に係る交通管制システムを示す。本実施形態に係る交通管制システム100は、交通管制装置110、カメラ120、信号機130、及び制御盤140を含む。交通管制システム100において、カメラ120、信号機130、及び制御盤140は、例えば、複数の交差点のそれぞれに配置される。交通管制システム100は、
図1に示される交通管制システム10に対応する。
【0018】
カメラ120は、移動体が走行する交差点及びその付近の道路を撮影可能な撮像装置である。道路を走行する移動体は、例えば自動車、バス、特殊車両、及び二輪車などの車両を含み得る。カメラ120は、例えば交差点を走行する車両を撮影する。カメラ120は、例えば信号機130又は他の路上設備に設置される。1つの交差点に、複数のカメラ120が配置されてもよい。カメラ120は、路側機(RSU:Road Side Unit)に接続されており、カメラ120が撮影した映像はネットワークを通じて交通管制装置110に送信される。ネットワークは、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を含み得る。カメラ120は、
図1に示される撮像装置30に対応する。
【0019】
信号機130は、交差点において、車両の通行を制御する。信号機130は、「青」、「黄色」、及び「赤」の灯火を有する。信号機130は、「右折信号」、「左折信号」、及び「直進信号」などの1以上の矢印信号を有し得る。各交差点に配置される信号機130の数は1つには限定されない。1つの交差点には複数の信号機130が配置され得る。信号機130は、
図1に示される信号機40に対応する。
【0020】
制御盤140は、信号機の灯火状態を制御する。制御盤140は、通常時は、あらかじめ定義された現示サイクルに従って、信号機130の灯火状態を制御する。なお、
図2では交差点ごとに制御盤140が配置される例が示されているが、本実施形態はこれには限定されない。例えば、1つの制御盤140を用いて、複数の交差点の信号機130が制御されてもよい。
【0021】
交通管制装置110は、カメラ120を用いて撮影された映像を取得し、交差点及びその付近を走行する移動体の通行を制御する。交通管制装置110は、例えば、カメラ120から取得した映像に対して映像解析処理を行う。交通管制装置110は、例えば画像解析処理を行うことで、交差点における事故発生を検知する。また、交通管制装置110は、事故の状況を判定する。交通管制装置110は、映像解析処理の結果に応じて、制御盤140を通じて信号機130の灯火状態を制御し、交差点における移動体の通行を制御する。
【0022】
また、交通管制装置110は、警察150、及び消防160などの関係機関(そのサーバ)と、ネットワークを通じて通信可能に構成される。さらに、交通管制装置110は、道路を走行する車両(その車載装置)170と通信可能に構成される。交通管制装置110は、事故が発生した場合、事故当事者の車両170から車両情報を収集してもよい。交通管制装置110は、事故が発生した場合、事故が発生したことを、警察150、消防160、及び、事故当事者ではない車両170の少なくとも1つに通知することができる。なお、通知先は、上記した警察150、消防160、及び車両170には限定されない。交通管制装置110は、他の機関、又は任意の会社に、事故発生を通知してもよい。交通管制装置110は、
図1に示される交通管制装置20に対応する。
【0023】
図3は、交通管制装置110の構成例を示す。交通管制装置110は、事故検知部111、車両情報取得部112、事故状況判定部113、信号機制御部114、停車位置特定部115、及び通報部116を有する。交通管制装置110内の各部の機能の少なくとも一部は、コンピュータがメモリから読み出したプログラムに従って処理を実行することで実現され得る。
【0024】
事故検知部111は、カメラ120から取得された映像から事故の発生を検知する。事故検知部111は、例えばカメラ120から取得された映像に対して画像解析処理を行い、事故の発生を検知する。検知される事故は、例えば車両対車両、及び車両対人の事故を含み得る。事故検知部111は、映像から事故の発生を検知するための既知の映像解析技術を用いて、事故の発生を検知することができる。事故検知部111は、例えばカメラ120が有するマイクロフォンが取得した音声情報を更に用いて事故の発生を検知してもよい。事故検知部111は、
図1に示される検知手段21に対応する。
【0025】
車両情報取得部(車両情報取得手段)112は、事故の当事者である車両170から車両情報を取得する。例えば、車両情報取得部112は、例えば、車両170に対して、車速、加速度、及びエアバッグ作動状況などの情報を含む車両情報の送信を要求する。車両170は、要求を受けると、車両情報を、無線通信回線などを用いて交通管制装置110に送信する。車両170は、加速度センサや衝撃センサなどの情報に基づいて事故の発生を検知してもよい。その場合、車両170は、事故の発生を検知した場合、自発的に、交通管制装置110に車両情報を送信してもよい。
【0026】
事故状況判定部113は、事故の発生が検知された場合、カメラ120から取得された映像に基づいて、事故の状況を判定する。事故状況判定部113は、例えば、カメラ120から取得された映像に対して画像解析処理を行い、事故の状況を判定する。事故状況判定部113は、例えば、事故により、道路の走行に支障があるか否かを判定する。事故状況判定部113は、事故を起こした車両が車線をふさいでいる場合、道路の走行に支障があると判定する。これに代えて、又は加えて、事故状況判定部113は、事故により道路に荷物などの物が散乱している場合、道路の走行に支障があると判定する。
【0027】
さらに、事故状況判定部113は、事故が人身事故であるか否か、事故により火災が発生しているか否か、事故の規模、及びけが人の状態の少なくとも1つを、事故の状況として判定してもよい。また、事故状況判定部113は、カメラ120から取得された映像に加えて、車両情報取得部112が取得した車両情報を用いて、事故の状況を判定してもよい。事故状況判定部113は、例えば事故発生時の車速又は加速度がしきい値以上の場合、人身事故又は規模が大きい事故が発生したと推定してもよい。あるいは、事故状況判定部113は、エアバッグが展開された場合、規模が大きい事故が発生したと推定してもよい。事故状況判定部113は、
図1に示される判定手段22に対応する。
【0028】
信号機制御部114は、事故状況判定部113で判定された事故の状況に基づいて、事故が発生した交差点(第1の交差点)に設置される信号機(第1の信号機)130を制御する。信号機制御部114は、例えば制御盤140を通じて、信号機130の灯火状態を制御する。信号機制御部114は、複数の交差点の信号機を管理する管制センタなどを通じて、信号機130の灯火状態を制御してもよい。例えば、信号機制御部114は、事故状況判定部113で道路の走行に支障があると判定された場合、信号機130の灯火を、進行不可を示す灯火に制御する。
【0029】
信号機制御部114は、道路の走行に支障があると判定された場合、事故が発生した道路に通じる1以上の他の交差点(第2の交差点)に設置される1以上の信号機(第2の信号機)を更に制御してもよい。その場合、信号機制御部114は、第2の交差点から流出可能な複数の道路のうち、事故が発生した第1の交差点に通じる道路への流出を抑制するように、第2の信号機の灯火を制御してもよい。信号機制御部114は、
図1に示される信号機制御手段23に対応する。
【0030】
通報部(通報手段)116は、事故状況判定部113で判定された事故の状況に基づいて通報先を選択し、選択した通報先に、事故の発生を通知する。通報部116は、例えば、警察150、消防160、及び周辺の車両170の中から通報先を選択し、選択した通報先に事故の発生を通知する。通報部116は、事故が発生した交差点付近にいる人が所持するスマートホンなどの端末装置を通報先として選択し、交差点付近にいる人に事故の発生を通知してもよい。通報部116は、通報データに加えて、カメラ120から取得された映像を、通報先に送信してもよい。
【0031】
通報部116は、例えば事故が発生した旨、及び発生した事故の状況を含む通報データを生成し、生成した通報データを、通報先に送信する。通報部116は、事故が検知された交差点の位置情報を、通報先に送信してもよい。警察150及び消防160において、オペレータは、事故の状況、及び事故が検知された交差点の位置を確認し、緊急車両の手配などを行うことができる。車両170に対して通報データが送信される場合、車両170は、搭載されるナビゲーション装置を用いて、運転者に、事故が検知された交差点の位置を知らせてもよい。また、ナビゲーション装置は、事故が検知された交差点を迂回するルートを検索し、迂回ルートを運転者に提示してもよい。さらに、通報部116は、道路上に設置される情報表示板に、通報データを送信してもよい。その場合、情報表示板は、事故の状況、及び事故が検知された交差点の位置を表示し、運転者に事故発生の情報を通知してもよい。
【0032】
通報部116は、例えば、事故が人身事故であるか否か、事故により火災が発生しているか否か、事故の規模、及びけが人の状態の判定結果の少なくとも1つに応じて、通報先を選択することができる。通報部116は、例えば、事故状況の各項目の組み合わせと、通報先との対応関係を定義するテーブルを使用して、事故状況に応じて、通報先を選択してもよい。また、通報部116は、あらかじめ定義されたルールに従って、事故状況に応じて、通報先を選択してもよい。あるいは、通報部116は、事故状況を入力とし、通報先を出力とするAI(artificial intelligence)モデルを用いて、通報先を選択してもよい。
【0033】
停車位置特定部(停車位置特定手段)115は、事故検知部111で事故の発生が検知された場合、カメラ120から取得された映像に基づいて、事故の発生の通知を受けて出動する緊急車両などの車両の停車可能位置を特定する。緊急車両は、例えば警察車両、消防車、及び救急車を含む。停車位置特定部115は、例えば映像から、道路上に緊急車両が停車できるスペースを見つけ、そのスペースを停車可能位置として特定する。通報部116は、特定された停車可能位置を、通報先に通知する。通報部116は、例えば、通報先に送信するカメラ120の映像において、停車可能位置を示す。あるいは、通報部116は、停車可能位置を示す位置情報(緯度及び経度)を、通報先に送信してもよい。緊急車両は、受信した位置情報に対応する地点を、ナビゲーション装置などの装置の表示画面に表示する。
【0034】
続いて、動作手順を説明する。
図4は、交通管制装置110における動作手順(交通管制方法)を示す。交通管制装置110は、カメラ120から映像を受信する(ステップS1)。交通管制装置110において、事故検知部111は、ステップS1で受信された映像から、事故の発生を検知する(ステップS2)。事故の発生が検知されない場合、交通管制装置110は、ステップS1を繰り返し実施し、映像の受信を継続する。
【0035】
車両情報取得部112は、事故が検知された場合、事故を起こした車両から、車両情報を取得する(ステップS3)。車両情報取得部112は、ステップS3では、例えば、車速情報、加速度情報、及びエアバック作動状況情報を取得する。事故状況判定部113は、ステップS1で受信された映像、及びステップS2で取得された車両情報に基づいて、事故の状況を判定する(ステップS4)。事故状況判定部113は、ステップS4では、例えば道路の走行に支障があるか否かを判定する。また、事故状況判定部113は、事故が人身事故であるか否か、火災が発生しているか否か、事故の規模、及びけがの状態を判定する。事故状況判定部113は、例えばステップS2で車両情報が取得されていない場合、ステップS1で受信された映像に基づいて、事故の状況を判定してもよい。
【0036】
信号機制御部114は、ステップS4で判定された事故の状況に基づいて、信号機130を制御する(ステップS5)。信号機制御部114は、道路の走行に支障があると判定されている場合、ステップS5において、制御盤140に、交差点の全ての信号機130を赤信号にするように指示する。制御盤140は、指示に従って、信号機130を赤信号に制御する。信号機130を赤信号に制御することで、走行に支障がある交差点への他の車両の進入を抑制でき、二次事故の発生を抑制できる。
【0037】
通報部116は、ステップS4で判定された事故の状況に基づいて、事故発生の通報先を選択する(ステップS6)。通報部116は、ステップS6では、例えば警察150、消防160、及び車両170から、事故の状況に応じて、通報先を選択する。通報部116は、例えばけが人が発生していると判定された場合、警察150及び消防160を、通報先として選択する。通報部116は、近くにいる人による応急処置が必要である場合、事故が発生した交差点付近にいる車両170を、通報先として選択することができる。
【0038】
停車位置特定部115は、ステップS1で受信された映像から、通報を受けて出動する車両の停車可能位置を特定する(ステップS7)。停車位置特定部115は、ステップS6で選択された通報先に警察150が含まれる場合、ステップS7において、警察車両の停車可能位置を特定する。停車位置特定部115は、ステップS6で選択された通報先に消防160が含まれる場合、ステップS7において、消防車又は救急車の停車可能位置を特定する。
【0039】
通報部116は、ステップS6で選択した通報先に、事故が発生した旨及び発生した事故の状況を含む通報データを送信し、通報先に事故の発生を通報する(ステップS8)。通報部116は、ステップS8において、ステップS7で特定された停車可能位置を通報先に送信する。また、通報部116は、ステップS8では、通報データに加えて、カメラ120から取得された映像を、通報先に送信してもよい。なお、ステップS5の信号機130の制御と、ステップS6-8の通報とは、どちらが先に実施されてもよいし、並列に実施されてもよい。
【0040】
以下、具体例を説明する。
図5は、事故が発生した交差点と、その周辺の交差点とを模式的に示す。ここでは、交差点200Aにおいて、車両170Aと車両170Bとの事故が発生したとする。交差点200Aには、信号機130Aが設置されており、その信号機130Aにはカメラ120が設置されている。交差点200Aの近隣の交差点である交差点200Bには、信号機130Bが設置されている。信号機130Bは、赤、黄色、及び青の灯火に加えて、左折信号131、直進信号132、及び右折信号133を有している。交差点200Bから流出可能な道路は、道路210、220、230、及び240の4つであるとする。それら道路のうち、道路210が、交差点200Aに通じる道路である。なお、
図5では図示を省略しているが、信号機130Bにもカメラ120が設置されていてもよい。
【0041】
交通管制装置110の事故検知部111(
図3を参照)は、カメラ120が撮影した映像から、交差点200Aにおける車両170Aと車両170Bと事故を検知する。車両情報取得部112は、車両170A及び車両170Bから、車速情報、加速度情報、及びエアバックの作動状況情報を含む車両情報を取得する。なお、車両170A及び車両170Bが、交通管制装置110に車両情報を送信可能な車載装置を搭載していない場合、車両情報の取得は省略される。
【0042】
事故状況判定部113は、カメラ120が撮影した映像に基づいて、事故の状況を判定する。事故状況判定部113は、例えば、交差点200A、及び交差点200Aに流入する道路の走行に支障があるか否かを判定する。事故状況判定部113は、例えば、車両170A及び車両170Bが車線をふさいでいる場合、交差点200Aの走行に支障があると判定する。事故状況判定部113は、事故により、車両170A及び車両170Bの破片が道路に散らばっている場合、或いは荷物が道路に散乱している場合、交差点200Aの走行に支障があると判定する。信号機制御部114は、交差点200Aの走行に支障があると判定された場合、信号機130Aを、赤信号に制御する。その場合、事故が発生した交差点200Aへの車両の流入を抑制することができる。赤信号は、例えば現場に到着した警察官などにより、安全の確認後に解除される。
【0043】
信号機制御部114は、交差点200Aに設置された信号機130Aに加えて、隣接する交差点200Bに設置される信号機130Bを制御する。信号機制御部114は、交差点200Bに進入する車両が、道路210から流出しないように、信号機130Bを制御する。例えば、信号機制御部114は、信号機130Bにおいて、左折信号131及び右折信号133を点灯させ、直進信号132を消灯とする。その場合、道路220から交差点200Bに進入する車両170Cは、交差点200Bを直進して道路210に向かうことができず、交差点200Bを左折して道路230に向かう。または、車両170Cは、交差点200Bを右折して道路240に向かう。
図5には図示されない、交差点200Aに隣接する他の交差点においても、同様に、交差点200Aに通じる道路への流出が抑制されるように、信号機が制御される。このようにすることで、近隣の交差点付近を走行する車両は、事故が発生した交差点200Aを迂回して走行することができる。
【0044】
また、事故状況判定部113は、カメラ120が撮影した映像、及び取得された車両情報に基づいて、事故が人身事故であるか否か、事故により火災が発生しているか否か、事故の規模、及びけが人の状態を判定する。事故状況判定部113は、例えばカメラ120が撮影した映像から、車両の乗員が流血しているか、動いているか、或いは道路に倒れているかなどを判定する。事故状況判定部113は、カメラ120が撮影した映像に基づいて、交差点200Aにおいて、事故に巻き込まれた歩行者が存在するか否かを判定してもよい。事故状況判定部113は、例えば多重事故が発生した場合に、事故の規模が大きいと判定してもよい。通報部116は、判定された事故の状況に応じて通報先を選択し、選択した通報先に、事故の発生、及び事故の状況を通報する。
【0045】
通報部116は、例えば事故が人身事故の場合、警察150(
図2を参照)と消防160との双方を通報先として選択する。通報部116は、警察150に人身事故の発生を通知する。また、通報部116は、消防160に、けが人の搬送を要請する。通報部116は、警察150及び消防160に加えて、交差点200A付近を走行する車両170を通報先として選択してもよい。例えば、道路上に倒れている人がいる場合、通報部116は、交差点200A付近を走行する車両170に対して道路上に倒れている人がいることを通知し、倒れている人の救護を要請してもよい。
【0046】
停車位置特定部115は、カメラ120が撮影した映像から道幅及び路肩の広さなどを識別する。停車位置特定部115は、車両が停車可能なスペースがあるか否かを判断し、交差点200A及びその周辺における停車可能位置を特定する。通報部116は、選択した通報先に、停車位置特定部115が特定した停車可能位置を通知する。その場合、通知を受けて交差点200Aに駆けつける車両は、通知された停車可能位置に、スムーズに車両を停めることができる。
【0047】
本実施形態では、事故状況判定部113は、カメラ120から取得された映像に基づいて、事故の状況を判定する。信号機制御部114は、事故の状況に応じて、信号機130の灯火を制御する。信号機制御部114は、信号機130の灯火を制御することで、交差点における車両の通行を、事故状況に応じて制御することができる。例えば、道路の走行に支障があると判定された場合、信号機制御部114は、信号機130を赤信号に制御する。この場合、交通管制装置110は、走行に支障がある交差点への車両の進入を抑制することができる。本実施形態は、事故が検知された交差点へ向かう車両を抑制することで、二次事故を抑制することができる。
【0048】
また、信号機制御部114は、道路の走行に支障があると判定された場合、事故が検知された交差点の周囲の交差点の信号機130を制御し、周囲の交差点から、事故が検知された交差点への車両の流出を抑制する。この場合、交通管制装置110は、周囲の交差点付近を走行する車両に、事故が検知された交差点を迂回させることができる。道路の走行に支障があると判定された場合、事故が検知された交差点の信号機130が赤信号に制御されると、その交差点において、渋滞が発生すると考えられる。周囲の交差点付近を走行する車両に、事故が検知された交差点を迂回させることで、渋滞の発生を抑制することができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、通報部116は、判定された事故の状況に応じた通報先に、事故の発生を通知する。例えば、けがをした人がいる、又はその可能性が高い場合に、警察150だけでなく、消防160にも事故の発生を通知することで、けが人の救護を迅速に行うことができる。また、現場で早急な措置が必要な場合に、事故が検知された交差点付近を走行する車両に事故の発生を通知し、けが人に対する応急処置などを要請することができる。
【0050】
続いて、交通管制装置110のハードウェア構成の例を説明する。
図6は、交通管制装置110として用いられ得るコンピュータ装置の構成例を示す。コンピュータ装置500は、制御部(CPU:Central Processing Unit)510、記憶部520、ROM(Read Only Memory)530、RAM(Random Access Memory)540、通信インタフェース(IF:Interface)550、及びユーザインタフェース560を有する。
【0051】
通信インタフェース550は、有線通信手段又は無線通信手段などを介して、コンピュータ装置500と通信ネットワークとを接続するためのインタフェースである。ユーザインタフェース560は、例えばディスプレイなどの表示部を含む。また、ユーザインタフェース560は、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力部を含む。
【0052】
記憶部520は、各種のデータを保持できる補助記憶装置である。記憶部520は、必ずしもコンピュータ装置500の一部である必要はなく、外部記憶装置であってもよいし、ネットワークを介してコンピュータ装置500に接続されたクラウドストレージであってもよい。
【0053】
ROM530は、不揮発性の記憶装置である。ROM530には、例えば比較的容量が少ないフラッシュメモリなどの半導体記憶装置が用いられる。CPU510が実行するプログラムは、記憶部520又はROM530に格納され得る。記憶部520又はROM530は、例えば交通管制装置110内の各部の機能を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0054】
上記プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD(Compact Disk)-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0055】
RAM540は、揮発性の記憶装置である。RAM540には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)などの各種半導体メモリデバイスが用いられる。RAM540は、データなどを一時的に格納する内部バッファとして用いられ得る。CPU510は、記憶部520又はROM530に格納されたプログラムをRAM540に展開し、実行する。CPU510がプログラムを実行することで、交通管制装置110内の各部の機能が実現され得る。CPU510は、データなどを一時的に格納できる内部バッファを有してもよい。
【0056】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0057】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0058】
[付記1]
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段とを備える交通管制装置。
【0059】
[付記2]
前記判定手段は、前記事故により道路の走行に支障があるか否かを判定し、
前記信号機制御手段は、前記道路の走行に支障があると判定された場合、前記第1の信号機の灯火を、進行不可を示す灯火に制御する付記1に記載の交通管制装置。
【0060】
[付記3]
前記信号機制御手段は、前記道路の走行に支障があると判定された場合、前記事故が発生した道路に通じる1以上の第2の交差点に設置される1以上の第2の信号機を更に制御する付記2に記載の交通管制装置。
【0061】
[付記4]
前記信号機制御手段は、前記第2の交差点から流出可能な複数の道路のうち、前記第1の交差点に通じる道路への流出を抑制するように、前記第2の信号機の灯火を制御する付記3に記載の交通管制装置。
【0062】
[付記5]
前記判定手段は、前記事故を起こした移動体が車線をふさいでいる、及び/又は前記事故により前記道路に物が散乱している場合、前記道路の走行に支障があると判定する付記2から4何れか1項に記載の交通管制装置。
【0063】
[付記6]
前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知する通報手段を更に有する付記1から5何れか1項に記載の交通管制装置。
【0064】
[付記7]
前記判定手段は、前記事故が人身事故であるか否か、前記事故により火災が発生しているか否か、前記事故の規模、及びけが人の状態の少なくとも1つを、前記事故の状況として判定し、
前記通報手段は、前記事故が人身事故であるか否か、前記事故により火災が発生しているか否か、前記事故の規模、及びけが人の状態の少なくとも1つに応じて前記通報先を選択する付記6に記載の交通管制装置。
【0065】
[付記8]
前記事故の発生が検知された場合に、前記映像に基づいて、前記事故の発生の通知を受けて出動する車両の停車可能位置を特定する停車位置特定手段を更に有し、
前記通報手段は、前記通報先に、前記特定された停車可能位置を通知する付記7に記載の交通管制装置。
【0066】
[付記9]
前記通報手段は、更に、前記映像を前記通報先に送信する付記6から8何れか1項に記載の交通管制装置。
【0067】
[付記10]
前記事故を起こした移動体から車両情報を取得する車両情報取得手段を更に有し、
前記判定手段は、前記映像と前記車両情報とに基づいて、前記事故の状況を判定する付記1から8何れか1項に記載の交通管制装置。
【0068】
[付記11]
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置と、
前記撮像装置から映像を取得し、前記道路を走行する移動体の通行を制御する交通管制装置とを備え、
前記交通管制装置は、
前記撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知する検知手段と、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定する判定手段と、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した第1の交差点に設置される第1の信号機を制御する信号機制御手段とを有する、交通管制システム。
【0069】
[付記12]
前記判定手段は、前記事故により道路の走行に支障があるか否かを判定し、
前記信号機制御手段は、前記道路の走行に支障があると判定された場合、前記第1の信号機の灯火を、進行不可を示す灯火に制御する付記11に記載の交通管制システム。
【0070】
[付記13]
前記交通管制装置は、前記事故の状況に基づいて通報先を選択し、該選択した通報先に、前記事故の発生を通知する通報手段を更に有する付記11又は12に記載の交通管制システム。
【0071】
[付記14]
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御する交通管制方法。
【0072】
[付記15]
移動体が走行する道路を撮影可能な撮像装置が撮影した映像から事故の発生を検知し、
前記映像に基づいて前記事故の状況を判定し、
前記事故の状況に基づいて、前記事故が発生した交差点に設置される信号機を制御する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0073】
10:交通管制システム
20:交通管制装置
21:検知手段
22:判定手段
23:信号機制御手段
30:撮像装置
40:信号機
100:交通管制システム
110:交通管制装置
111:事故検知部
112:車両情報取得部
113:事故状況判定部
114:信号機制御部
115:停車位置特定部
116:通報部
120:カメラ
130:信号機
140:制御盤
150:警察
160:消防
170:車両