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特許7582468情報処理方法、情報処理装置、プログラム、及び点検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、プログラム、及び点検システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/225 20240101AFI20241106BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20241106BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20241106BHJP
【FI】
G05D1/225
G05D1/43
G05D1/46
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023525129
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2021020591
(87)【国際公開番号】W WO2022254477
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155067(JP,A)
【文献】特開2020-201849(JP,A)
【文献】特開2017-15527(JP,A)
【文献】特開2017-154577(JP,A)
【文献】特開2019-16030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得し、
前記点検装置による前記第1施設の点検が完了する予定日時に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる
報処理方法。
【請求項2】
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得し、
前記第1施設での前記点検装置の充電が完了する予定日時に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる
報処理方法。
【請求項3】
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得し、
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる
報処理方法。
【請求項4】
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報を取得し、
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記点検装置が次に点検する第2施設を決定し、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる
報処理方法。
【請求項5】
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報を取得し、
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記点検装置が次に点検する第2施設へ配送される日時を決定し、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる
報処理方法。
【請求項6】
前記点検装置は、自律走行ロボット、無人航空機、または気球を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理方法を実行する手段を有する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理方法の各処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
点検装置と、情報処理装置とを有する点検システムであって、
前記情報処理装置は、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理方法を実行する手段を有する、
点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体、及び点検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律的に移動するロボット等の点検装置を用いて各種施設の点検を行う技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-009919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、一の点検装置を用いて異なる場所の各施設を点検する場合に、点検装置を適切に配送させることができない場合があるという問題点がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、点検装置を適切に配送させることができる情報処理方法、情報処理装置、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体、及び点検システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得し、前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる、情報処理方法が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、情報処理装置が、施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する取得手段と、前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる送信手段と、を有する。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、情報処理装置に、施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する処理と、前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる処理と、を実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【0009】
また、本開示に係る第4の態様では、点検装置と、情報処理装置とを有する点検システムが提供される。この点検システムにおいて、前記情報処理装置は、施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する取得手段と、前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
一側面によれば、点検装置を適切に配送させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る生成処理を行う情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る点検システムの構成例を示す図である。
図3】実施形態に係る生成処理を行う情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図5】実施形態に係る点検装置の構成の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る点検装置DBの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る配送要求DBの一例を示す図である。
図9】実施形態に係る施設DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
【0013】
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0014】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、及び送信部12を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0015】
取得部11は、情報処理装置10内部の記憶部、または外部装置から各種の情報を取得する。取得部11は、例えば、施設を点検する点検装置が今回に点検する第1の場所を示す情報と、当該点検装置が次に点検する第2の場所を示す情報とを取得する。
【0016】
送信部12は、情報処理装置10内部の記憶部、または外部装置へ各種の情報を送信(出力、記録)させる。送信部12は、例えば、取得部11により取得された情報に基づき、点検装置を第1の場所から第2の場所に配送させる要求を送信させる。
【0017】
(実施の形態2)
次に、図2を参照し、実施形態に係る点検システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る点検システム1の構成例を示す図である。図2の例では、点検システム1は、サーバ20、配送者端末30を有する。また、点検システム1は、点検装置40A、及び点検装置40B(以下で、区別する必要がない場合は、単に、「点検装置40」とも称する。)を有する。なお、サーバ20、配送者端末30、及び点検装置40の数は図2の例に限定されない。なお、サーバ20、配送者端末30、及び点検装置40の少なくとも一つは、情報処理装置10の一例である。
【0018】
以下では、一例として、サーバ20が情報処理装置10を含む例について説明する。なお、情報処理装置10の処理は、サーバ20、配送者端末30、及び点検装置40のいずれか1以上の装置にて実行されてもよい。
【0019】
図2の例では、サーバ20、配送者端末30、及び点検装置40は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、BLE等の近距離無線通信、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0020】
サーバ20は、例えば、サーバ、クラウド、パーソナルコンピュータ、またはスマートフォン等の装置でもよい。サーバ20は、点検装置40を用いる各種サービスを提供する。サーバ20は、例えば、点検装置40の点検及び配送に関するスケジュールを管理する。また、サーバ20は、例えば、ある施設での点検が完了した点検装置40を、他の場所の施設へ配送させる。これにより、一の点検装置40にて複数の施設を点検することができる。そのため、例えば、各施設にてそれぞれ点検装置40を運用する場合と比較して、点検に関するコストを低減させることができる。また、点検装置40に自律的に各施設間を移動させる場合と比較して、交通等に関する法律上の問題、及びバッテリの問題を低減できる。
【0021】
配送者端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、IoT(Internet of Things)通信装置、または携帯電話機等の装置でもよい。配送者端末30は、点検装置40を配送する配送者により携帯されてもよい。配送者は、情報処理装置10を運用する事業者、点検装置40を運用する事業者、または配送事業者の社員(従業員)でもよい。
【0022】
配送者端末30は、例えば、点検装置40の配送依頼を受信して表示させる。また、配送者端末30は、例えば、配送者の操作に応答して、配送完了等の通知をサーバ20に送信する。
【0023】
点検装置40は、変電所、発電所、工場、及び化学プラント等の各種の施設を点検するためのセンサを有する装置である。点検装置40は、施設の周辺を自律して移動しながら点検を行う機能を有してもよい。この場合、点検装置40は、例えば、車輪または脚により地上を移動する自律走行ロボットでもよい。また、点検装置40は、例えば、飛行により移動するドローン(無人航空機)または気球等でもよい。
【0024】
<構成>
図3を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。図3の例では、図1の例と比較して、情報処理装置10は、制御部13をさらに有する。制御部13は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。制御部13は、情報処理装置10が提供する各種サービスにおける各種の制御を行う。
【0025】
<ハードウェア構成>
図4は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。図4の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0026】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0027】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0028】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0029】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0030】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0031】
<点検装置40について>
次に、図5を参照し、実施形態に係る点検装置40の一例について説明する。図5は、実施形態に係る点検装置40の構成の一例を示す図である。図5の例では、点検装置40は、センサ41、制御装置42、通信装置43、及びバッテリ44を有する。
【0032】
センサ41は、点検対象の施設(設備)の各種情報を測定する。センサ41は、例えば、レーザー等の光を対象物に照射し、反射光を捉えることで、当該対象物の形状を測定するLiDAR(Light Detection And Ranging)を有してもよい。この場合、制御装置42は、例えば、過去の測定時と今回の測定時とで対象物の形状が異なる場合に、当該対象物に異常が生じていると判定してもよい。これにより、例えば、異常値に関するデータの蓄積が無い場合でも、営巣、漏油、碍子の破損等の異常を適切に検出できる。また、センサ41には、画像を撮影するカメラが含まれてもよい。これにより、例えば、LiDAR等により異常を検出した箇所の画像を撮影し、当該画像を管理者等に提供することができる。
【0033】
制御装置42は、センサ41を用いて測定したデータを、通信装置43を用いて外部装置に出力する。制御装置42は、図3に示すコンピュータ100と同様の構成を有してもよい。この場合、制御装置42は、例えば、マイクロコントローラ等でもよい。バッテリ44は、点検装置40の各部に電力を供給する二次電池(蓄電池、充電池)である。
【0034】
<処理>
次に、図6から図9を参照し、実施形態に係る情報処理装置10(例えば、サーバ20)の処理の一例について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係る点検装置DB701の一例を示す図である。図8は、実施形態に係る配送要求DB801の一例を示す図である。図9は、実施形態に係る施設DB901の一例を示す図である。
【0035】
なお、点検装置40及び配送者端末30は、情報処理装置10によるID及びパスワード等による認証を受けて情報処理装置10との通信を行ってもよい。点検装置40から情報処理装置10への通信データには、点検装置40を識別できる情報が含まれていてもよい。この場合、点検装置40を識別できる情報には、点検装置40の識別情報である点検装置ID、及び点検装置40が情報処理装置10にログインした際の通信セッションのIDが含まれてもよい。
【0036】
また、同様に、配送者端末30から情報処理装置10への通信データには、配送者端末30を識別できる情報が含まれていてもよい。この場合、配送者端末30を識別できる情報には、配送者端末30の識別情報である配送者端末ID、及び配送者端末30が情報処理装置10にログインした際の通信セッションのIDが含まれてもよい。
【0037】
ステップS1において、情報処理装置10の取得部11は、今回の点検対象の施設への点検装置40の配送が完了したことを示す情報を取得する。ここで、配送者は、前回の配送要求に従って点検装置40を今回の点検対象の施設に配送すると、配送者端末30を操作して配送完了の通知を情報処理装置10に送信してもよい。なお、配送完了の通知には、例えば、点検装置40の識別情報である点検装置ID、配送要求の識別情報である配送要求ID、及び配送先である今回の点検対象の施設の識別情報である施設ID等の情報のうち少なくとも一つが含まれてもよい。
【0038】
続いて、情報処理装置10の制御部13は、点検装置40の現在の場所等の情報を記録する(ステップS2)。ここで、情報処理装置10は、例えば、配送者端末30から受信した配送完了の通知に基づいて、点検装置DB701及び配送要求DB801に記録されている情報の更新等を行ってもよい。
【0039】
図7の例では、点検装置DB701には、点検装置IDに対応付けて、点検状態、バッテリ残量、現在の場所(位置)、配送要求ID、点検装置情報、点検スケジュールが記録されている。点検状態は、点検装置40による点検に関する状態を示す情報である。点検状態には、例えば、「空き」、「点検中」、「点検完了」等が含まれてもよい。バッテリ残量は、点検装置40の現在のバッテリの残量である。バッテリ残量は、例えば、定期的等のタイミングで、点検装置40から通知されてもよい。
【0040】
点検装置情報は、点検装置40を示す情報である。点検装置情報には、例えば、点検装置40の種別、色、大きさ(サイズ)、重量、及び配送に関する注意事項等の情報が含まれてもよい。点検装置40の種別には、例えば、ドローン、及び自律走行ロボット等の種別が含まれてもよい。点検装置40の色、大きさ(サイズ)、重量、及び配送に関する注意事項の情報は、配送が要求される際に配送者に通知されてもよい。点検装置情報は、例えば、情報処理装置10のオペレータ等により予め登録されてもよい。
【0041】
点検スケジュールは、点検装置40による点検に関するスケジュール(予定)である。図7の例では、点検スケジュールには、次回以降の点検対象の各施設の識別情報が記録されている。点検スケジュールは、例えば、情報処理装置10のオペレータ等により登録されてもよい。
【0042】
また、情報処理装置10が、各点検装置40による点検作業の進捗に基づいて、点検スケジュールを決定してもよい。この場合、情報処理装置10は、点検作業が完了して空いている点検装置40を、当該点検装置40の種別等に応じた点検対象の施設に配送させて点検作業を行わせてもよい。これにより、例えば、ある施設を点検する予定であった点検装置40が故障をした場合等であっても、他の点検装置40を用いて当該施設の点検を行うことができる。
【0043】
また、図8の例では、配送要求DB801には、配送要求IDに対応付けて、点検装置ID、配送状態、配送元の場所、集荷希望日時、集荷日時、配送先の場所、配送希望日時、及び配送日時が記録されている。配送状態は、点検装置40の配送に関する状態を示す情報である。配送状態には、例えば、「配送中」、「配送完了」、「集荷待ち」等が含まれてもよい。
【0044】
ステップS2の処理で、情報処理装置10は、点検装置DB701において、点検状態を「配送中」から「点検可能」に更新し、点検装置40が配送された今回の点検対象の施設の識別情報を現在の場所の項目に記録(更新)する。また、情報処理装置10は、配送要求DB801において、配送状態を「配送中」から「配送完了」に更新し、配送日時の項目に現在日時を記録する。
【0045】
続いて、情報処理装置10の送信部12は、今回の点検対象の施設の点検を点検装置40に開始させる(ステップS3)。ここで、情報処理装置10は、点検開始のコマンドと、点検の際の自律移動の経路、点検対象の物体(設備)を示す情報を点検装置40に送信してもよい。点検対象の物体を示す情報には、例えば、当該物体の画像が含まれてもよい。また、情報処理装置10は、点検装置DB701において、点検状態を「空き」から「点検中」に更新する。
【0046】
続いて、情報処理装置10の制御部13及び送信部12は、点検装置40の配送を依頼する(ステップS4)。ここで、情報処理装置10の制御部13は、点検装置情報、配送元の場所、集荷希望日時、配送先の場所、及び配送希望日時等の情報を含む配送要求を送信部12から配送者端末30へ送信させてもよい。
【0047】
また、情報処理装置10は、配送要求DB801において、配送状態を「配送完了」から「集荷待ち」に更新する。また、情報処理装置10は、点検装置40から点検が完了したことを示す通知を受信した場合、点検装置DB701において、点検状態を「点検中」から「点検完了」に更新する。
【0048】
情報処理装置10は、点検装置40による今回の点検対象の施設の点検が完了する予定日時(時刻)に基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時(集荷希望日時)を決定してもよい。これにより、例えば、点検装置40の集荷待ちの時間を低減できるため、点検装置40をより効率よく利用することができる。この場合、情報処理装置10は、例えば、今回の点検対象の施設に対する以前の点検の所要時間の履歴に基づいて、今回の点検の所要時間を推定してもよい。この場合、情報処理装置10は、例えば、今回の点検対象の施設に対する以前の点検の所要時間の代表値(例えば、平均値、最頻値、または中央値)を、今回の点検の所要時間として推定してもよい。
【0049】
また、情報処理装置10は、今回の点検対象の施設での点検装置40の充電が完了する予定日時に基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時を決定してもよい。これにより、例えば、点検装置40の集荷待ちの時間を低減できるため、点検装置40をより効率よく利用することができる。この場合、情報処理装置10は、例えば、今回の点検対象の施設での以前の充電の所要時間の履歴に基づいて、今回の充電の所要時間を推定してもよい。また、情報処理装置10は、今回の充電の所要時間の推定値を、点検装置40から取得してもよい。なお、点検装置40は、例えば、点検が完了した際、今回の点検対象の施設における充電ステーションに自律的に移動して、充電を開始してもよい。
【0050】
また、情報処理装置10は、点検装置40により検出された今回の点検対象の施設の状況に基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時を決定してもよい。これにより、例えば、点検装置40の集荷待ちの時間を低減できるため、点検装置40をより効率よく利用することができる。この場合、情報処理装置10は、点検装置40のセンサ41で測定された情報に基づいて、今回の点検対象の施設における追加の点検作業を決定してもよい。ここで、情報処理装置10は、例えば、センサ41に基づいて鳥の営巣、漏油、碍子の破損等の異常が検出された場合、異常個所の写真撮影、及びセンサ41によるより高精度での再測定等の点検作業の指示を、点検装置40に送信してもよい。そして、情報処理装置10は、追加する点検作業が完了する予定日時に基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時を決定(更新)してもよい。
【0051】
また、情報処理装置10は、点検装置40により検出された今回の点検対象の施設の状況に基づいて、点検装置40が次に点検する施設を決定してもよい。これにより、例えば、今回の点検対象の施設にて鳥の営巣等の異常が検出された場合に、同様の異常が発生している可能性が高いと考えられる施設を優先して点検することができる。この場合、情報処理装置10は、点検対象の各施設の情報を記録している施設DB901を参照し、今回の点検対象の施設で検出された異常の内容に応じて、今回の点検対象の施設と同様の施設を、点検装置40が次に点検する施設として決定してもよい。
【0052】
また、情報処理装置10は、今回の点検対象の施設での点検装置40からのデータ送信が完了する予想日時に基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時を決定してもよい。これにより、例えば、点検装置40の集荷待ちの時間を低減できるため、点検装置40をより効率よく利用することができる。この場合、点検装置40は、例えば、LiDAR等により測定された3次元の点群のデータを、今回の点検対象の施設の無線LAN基地局(アクセスポイント)を介する等して、センターの装置に送信してもよい。そして、点検装置40は、当該データを送信している際に、当該データのうち未送信の部分のデータサイズと、通信帯域とに基づいて、データ送信が完了するまでの予想時間を算出して情報処理装置10に通知してもよい。そして、情報処理装置10は、受信した予想時間と現在日時とに基づいて、今回の点検対象の施設で点検装置40を集荷させる日時を決定(更新)してもよい。
【0053】
また、情報処理装置10は、今回の点検対象の施設での点検装置40から所定の通知を受信した場合、配送要求を配送者端末30へ送信してもよい。この場合、点検装置40は、例えば、今回の点検対象の施設において、点検が完了した際、点検装置40の充電が完了した際、または点検装置40からのデータ送信が完了した際等の所定のタイミングで、当該所定の通知を情報処理装置10に送信してもよい。
【0054】
図9の例では、施設DB901には、施設IDに対応付けて、施設の名称、施設の場所(位置、住所)、保有設備、及び点検履歴が記録されている。施設ID、施設の名称、施設の場所、及び保有設備の情報は、例えば、情報処理装置10のオペレータ等により予め登録されてもよい。点検履歴は、点検装置40による点検が完了した際に、情報処理装置10により記録されてもよい。点検履歴には、例えば、点検を行った点検装置40の点検装置ID、点検日時、及び点検結果の情報が含まれてもよい。点検結果には、異常の有無、及び異常の内容を示す情報が含まれてもよい。
【0055】
また、情報処理装置10は、点検装置40により検出された今回の点検対象の施設の状況に基づいて、点検装置40が次に点検する施設に配送(配達、到着)される日時を決定してもよい。これにより、例えば、今回の点検対象の施設にて鳥の営巣等の異常が検出された場合は、次の点検対象の施設へ到着する日時を通常の場合よりも早い日時とし、より早く点検を開始させることができる。この場合、情報処理装置10は、例えば、変電所における鳥の巣に金属製のハンガー等が混じっていた場合は、配送者へ割増の配送料金を支払う等により通常よりも早く点検装置40を配送させるように配送希望日時を決定してもよい。
【0056】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10の各部は、例えば、サーバ20、配送者端末30、及び点検装置40のうちの複数の装置により実現されてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0057】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0058】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得し、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
情報処理方法。
(付記2)
前記点検装置は、自律走行ロボット、無人航空機、または気球を有する、
付記1に記載の情報処理方法。
(付記3)
前記点検装置による前記第1施設の点検が完了する予定日時に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
付記1または2に記載の情報処理方法。
(付記4)
前記第1施設での前記点検装置の充電が完了する予定日時に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(付記5)
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記第1施設で前記点検装置を集荷させる日時を決定し、
前記点検装置を当該日時に前記第1施設で集荷させ前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(付記6)
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記点検装置が次に点検する第2施設を決定し、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(付記7)
前記点検装置により検出された前記第1施設の状況に基づいて、前記点検装置が次に点検する第2施設へ配送される日時を決定し、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる、
付記1から6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
(付記8)
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する取得手段と、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる送信手段と、
を有する情報処理装置。
(付記9)
前記点検装置は、自律走行ロボット、無人航空機、または気球を有する、
付記8に記載の情報処理装置。
(付記10)
情報処理装置に、
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する処理と、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる処理と、
を実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記11)
点検装置と、情報処理装置とを有する点検システムであって、
前記情報処理装置は、
施設を点検する点検装置が今回に点検する第1施設を示す情報と、前記点検装置が次に点検する第2施設を示す情報とを取得する取得手段と、
前記点検装置を前記第1施設から前記第2施設に配送させる要求を送信させる送信手段と、
を有する、点検システム。
(付記12)
前記点検装置は、自律走行ロボット、無人航空機、または気球を有する、
付記11に記載の点検システム。
【符号の説明】
【0059】
1 点検システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 送信部
13 制御部
20 サーバ
30 配送者端末
40 点検装置
41 センサ
42 制御装置
43 通信装置
44 バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9