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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】海底光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/00 20220101AFI20241106BHJP
【FI】
H04L41/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023549238
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2021034965
(87)【国際公開番号】W WO2023047510
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 龍
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/044993(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/049099(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端局と、第2の端局と、第3の端局と、第1の分岐装置と、第1の分岐挿入装置とを備える海底光通信システムであって、
前記第1の端局は、第1の主信号及び第1の制御信号を含む第1の光信号を前記第1の分岐装置に送信可能であり、
前記第2の端局は、第2の主信号及び第2の制御信号を含む第2の光信号を前記第1の分岐挿入装置に送信可能であり、
前記第1の分岐装置は、
前記第1の端局からの前記第1の光信号を分岐可能な第1の分岐手段と、
前記第1の分岐手段により分岐された前記第1の光信号から、前記第1の制御信号を受信可能な第1の受信手段と、
前記第1の分岐手段により分岐された前記第1の光信号を前記第1の分岐挿入装置に出力可能な第1の出力手段と、を備え、
前記第1の分岐挿入装置は、
前記第1の出力手段からの前記第1の光信号を分岐可能な第2の分岐手段と、
前記第2の分岐手段により分岐された前記第1の光信号に含まれる前記第1の制御信号を受信可能な第2の受信手段と、
前記第2の端局からの前記第2の光信号を分岐可能な第3の分岐手段と、
前記第3の分岐手段により分岐された前記第2の光信号に含まれる前記第2の制御信号を受信可能な第3の受信手段と、
前記第2の分岐手段により分岐された前記第1の光信号と、前記第3の分岐手段により分岐された前記第2の光信号を合波可能であり、合波した第1の合波光を前記第1の分岐装置に出力する第1の合波手段と、を備え、
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号が有する波長帯域は、同一の制御波長帯域であって、
前記第1の端局及び前記第2の端局は、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の各々を互いに異なる時間に送信し、
前記第1の分岐装置は、更に、
前記第1の合波手段からの前記第1の合波光を分岐する第4の分岐手段と、
前記第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の一方に含まれる前記制御波長帯域の光信号を受信する第4の受信手段と、
前記第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の他方を、前記第3の端局に出力する第2の出力手段と、
を備える、
海底光通信システム。
【請求項2】
第2の分岐装置、第2の分岐挿入装置、及び第4の端局を更に備え、
前記第2の出力手段は、前記第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光を、前記第2の分岐装置に出力し、
前記第2の分岐装置は、
前記第2の出力手段からの前記第1の合波光を更に分岐する第7の分岐手段と、
前記第7の分岐手段により分岐された前記第1の合波光から、前記制御波長帯域の光信号を受信する第5の受信手段と、
前記第7の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の他方を、前記第2の分岐挿入装置に出力する第3の出力手段と、を備え、
前記第2の分岐挿入装置は、
前記第3の出力手段からの前記第1の合波光を分岐可能な第8の分岐手段と、
前記第8の分岐手段により分岐された前記第1の合波光から、前記制御波長帯域の光信号を受信可能な第6の受信手段と、
前記第4の端局から出力された第3の主信号及び第3の制御信号を含む第3の光信号を分岐可能な第9の分岐手段と、
前記第9の分岐手段により分岐された前記第3の光信号から、前記第3の制御信号を受信可能な第7の受信手段と、
前記第9の分岐手段により分岐された前記第3の光信号と、前記第8の分岐手段により分岐された前記第1の合波光を合波可能であり、合波した第2の合波光を前記第2の分岐装置に出力する第4の合波手段と、を備え
前記第3の制御信号は、前記制御波長帯域の光信号であって
前記第2の分岐装置は、更に、
前記第4の合波手段からの前記第2の合波光を分岐する第10の分岐手段と
前記第10の分岐手段により分岐された前記第2の合波光の一方から、前記制御波長帯域の前記第3の制御信号を受信する第8の受信手段と、
前記第10の分岐手段により分岐された前記第2の合波光の他方を、前記第3の端局に出力する第4の出力手段と、
を備える、
請求項1に記載の海底光通信システム。
【請求項3】
前記第2の分岐装置は、
前記第3の端局からの第4の主信号及び第4の制御信号を含む第4の光信号を分岐可能な第13の分岐手段と、
前記第13の分岐手段により分岐された前記第4の光信号の一方から前記第4の制御信号を受信可能な第9の受信手段と、
分岐された前記第4の光信号の他方を前記第2の分岐挿入装置に出力可能な第5の出力手段と、を備え、
前記第2の分岐挿入装置は、
前記第5の出力手段からの前記第4の光信号を分岐可能な第14の分岐手段と、
前記第14の分岐手段により分岐された前記第4の光信号から前記第4の制御信号を受信可能な第10の受信手段と、
前記第4の端局からの第5の主信号及び第5の制御信号を含む第5の光信号を分岐可能な第15の分岐手段と、
前記第15の分岐手段により分岐された前記第5の光信号の一方から前記第5の制御信号を受信可能な第11の受信手段と、
前記第14の分岐手段により分岐された前記第4の光信号と、前記第15の分岐手段により分岐された前記第5の光信号を合波可能であり、合波した第3の合波光を前記第2の分岐装置に出力する第6の合波手段と、を備え、
前記第4の制御信号及び前記第5の制御信号が有する波長帯域は、同一の前記制御波長帯域であって、
前記第3の端局及び前記第4の端局は、前記第4の制御信号及び前記第5の制御信号の各々を互いに異なる時間に送信し、
前記第2の分岐装置は、更に、
前記第6の合波手段からの前記第3の合波光を分岐する第16の分岐手段と
前記第16の分岐手段により分岐された前記第3の合波光の一方から、前記制御波長帯域の光信号を受信する第12の受信手段と、
前記第16の分岐手段により分岐された前記第3の合波光の他方を、前記第1の分岐装置に出力する第6の出力手段と、を備え、
前記第1の分岐装置は、
前記第6の出力手段からの前記第3の合波光を更に分岐する第19の分岐手段と、
前記第19の分岐手段により分岐された前記第3の合波光の一方から、前記制御波長帯域の光信号を受信する第13の受信手段と、
前記第19の分岐手段により分岐された前記第3の合波光の他方を、前記第1の分岐挿入装置に出力する第7の出力手段と、を備え、
前記第1の分岐挿入装置は、
前記第7の出力手段からの前記第3の合波光を分岐可能な第20の分岐手段と、
前記第20の分岐手段により分岐された前記第3の合波光から、前記制御波長帯域の光信号を受信可能な第14の受信手段と、
前記第2の端局からの第6の主信号及び第6の制御信号を含む第6の光信号を分岐可能な第21の分岐手段と、
前記第21の分岐手段により分岐された前記第6の光信号から、前記第6の制御信号を受信可能な第15の受信手段と、
前記第21の分岐手段により分岐された前記第6の光信号と、前記第20の分岐手段により分岐された前記第3の合波光を合波可能であり、合波した第4の合波光を前記第1の分岐装置に出力する第8の合波手段と、を備え
前記第1の分岐装置は、更に、
前記第8の合波手段からの前記第4の合波光を分岐する第22の分岐手段と
前記第22の分岐手段により分岐された前記第4の合波光の一方から、前記制御波長帯域の前記第6の制御信号を受信する第16の受信手段と、
前記第22の分岐手段により分岐された前記第4の合波光の他方を、前記第1の端局に出力する第8の出力手段と、
を備え、
前記第4の制御信号及び前記第5の制御信号が有する波長帯域は、同一の前記制御波長帯域であって、
前記第3の端局及び前記第4の端局は、前記第4の制御信号及び前記第5の制御信号の各々を互いに異なる時間に送信する、
請求項2に記載の海底光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、分岐装置及び分岐挿入装置に対して複数の端局から制御信号を送信することが可能な海底光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陸上に設けられた端局間を接続する海底ケーブルを介して、端局間で光信号の送受信を行う海底光通信システムが用いられている。一般的な海底光通信システム1000について、図10を用いて説明する。図10は、一般的な海底光通信システム1000の構成を示す模式図である。図10に示されるように、海底光通信システム1000は、第1の端局100A、第2の端局100B、第3の端局100C、第1の分岐装置200及び第1の分岐挿入装置300を備える。
【0003】
第1の分岐装置200は、例えば、第1の端局100Aから送信された光信号を分岐して、第3の端局100C及び第1の分岐挿入装置300に送信する。また、第1の分岐挿入装置300は、例えば、第1の分岐装置200からの光信号のうち一部の波長の光信号を遮断して、遮断された信号以外の光信号を第2の端局100Bに送信する。
【0004】
なお、本願発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、海底に設置された光分岐装置及び中継装置を含む海底光通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2021/044993号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
10に示される一般的な海底光通信システムにおいて、第1の分岐装置200及び第1の分岐挿入装置300は、第1の端局100A、第2の端局100B、第3の端局100Cの何れかから出力された制御信号によって制御される。
【0007】
この際、端局間で送受信される光信号の波長帯域を制限しないためには、第1の端局100A、第2の端局100B、第3の端局100Cから出力される制御信号の波長は同一であることが好ましい。しかし、制御信号の波長が同一である場合に、複数の端局が制御信号を送信すると互いに干渉するおそれがあるため、制御信号を同一の波長にすることができなかった。これにより、第1の分岐装置200及び第1の分岐挿入装置300に対して制御信号を送信できる端局の数には制限があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、分岐装置及び分岐挿入装置に対して複数の端局から同一の波長の制御信号を送信することが可能な海底光通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の海底光通信システムは、
第1の端局と、第2の端局と、第3の端局と、第1の分岐装置と、第1の分岐挿入装置とを備える海底光通信システムであって、
前記第1の端局は、第1の主信号及び第1の制御信号を含む第1の光信号を前記第1の分岐装置に送信可能であり、
前記第2の端局は、第2の主信号及び第2の制御信号を含む第2の光信号を前記第1の分岐挿入装置に送信可能であり、
前記第1の分岐装置は、
前記第1の端局からの前記第1の光信号を分岐可能な第1の分岐手段と、
前記第1の分岐手段により分岐された前記第1の光信号から、前記第1の制御信号を受信可能な第1の受信手段と、
前記第1の分岐手段により分岐された前記第1の光信号を前記第1の分岐挿入装置に出力可能な第1の出力手段と、を備え、
前記第1の分岐挿入装置は、
前記第1の出力手段からの前記第1の光信号を分岐可能な第2の分岐手段と、
前記第2の分岐手段により分岐された前記第1の光信号に含まれる前記第1の制御信号を受信可能な第2の受信手段と、
前記第2の端局からの前記第2の光信号を分岐可能な第3の分岐手段と、
前記第3の分岐手段により分岐された前記第2の光信号に含まれる前記第2の制御信号を受信可能な第3の受信手段と、
前記第2の分岐手段により分岐された前記第1の光信号と、前記第3の分岐手段により分岐された前記第2の光信号を合波可能であり、合波した第1の合波光を前記第1の分岐装置に出力する第1の合波手段と、を備え、
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号が有する波長帯域は、同一の制御波長帯域であって、
前記第1の端局及び前記第2の端局は、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の各々を互いに異なる時間に送信し、
前記第1の分岐装置は、更に、
前記第1の合波手段からの前記第1の合波光を分岐する第4の分岐手段と
前記第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の一方に含まれる前記制御波長帯域の光信号を受信する第4の受信手段と、
前記第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の他方を、前記第3の端局に出力する第2の出力手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分岐装置及び分岐挿入装置に対して複数の端局から制御信号を送信することが可能な海底光通信システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における海底光通信システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態における海底光通信システムの詳細を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態における海底光通信システムの変形例を示すブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態における海底光通信システムの構成例を示すブロック図である。
図5】本発明の第2の実施形態における海底光通信システムの詳細を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態における海底光通信システムの詳細を示すブロック図である。
図7】本発明の第3の実施形態における海底光通信システムの構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の第3の実施形態における海底光通信システムの詳細を示すブロック図である。
図9】本発明の第3の実施形態における海底光通信システムの詳細を示すブロック図である。
図10】本発明の課題を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
第1の実施形態における海底光通信システム1について説明する。図1は、海底光通信システム1の構成例を示すブロック図である。図2は、海底光通信システム1の詳細を示すブロック図である。
【0013】
図1に示されるように、海底光通信システム1は、第1の端局10A、第2の端局10B、第3の端局10C、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30を備える。 図1の第1の端局10Aは、第1の主信号(図2中のACに対応)及び第1の制御信号(図2中のA_cに対応)を含む第1の光信号を第1の分岐装置20に送信可能である。第1の主信号は、図2中のACに対応する。また、第1の制御信号は、図2中のA_cに対応する。
【0014】
また、第2の端局10Bは、第2の主信号(図2中のBCに対応)及び第2の制御信号(図2中のB_cに対応)を含む第2の光信号を第1の分岐挿入装置30に出力する。第2の主信号は、図2中のBCに対応する。また、第2の制御信号は、図2中のB_cに対応する。図2中において、ACとは、第1の端局10Aから第3の端局10Cに宛てられた光信号を指す。また、図2中において、A_cとは、第1の端局10Aから送信された制御信号を指す。
【0015】
第1の分岐装置20は、図2に示されるように、第1の分岐手段21、第1の受信手段22、第1の出力手段23、第4の分岐手段24、第4の受信手段25及び第2の出力手段26を有する。
【0016】
また、第1の分岐挿入装置30は、図2に示されるように、第2の分岐手段31、第2の受信手段32、第1の合波手段33、第3の分岐手段34及び第3の受信手段35を備える。
【0017】
第1の分岐装置20において、第1の分岐手段21は、第1の端局10Aからの第1の光信号を分岐可能である。第1の分岐手段21は例えば光カプラである。第1の受信手段22は、第1の分岐手段21により分岐された第1の主信号及び第1の制御信号を含む第1の光信号から、第1の制御信号を受信可能である。また、第1の出力手段23は、第1の分岐手段21により、分岐された第1の光信号の他方を第1の分岐挿入装置30に出力可能である。第1の出力手段23は、例えば出力ポートである。
【0018】
第1の分岐挿入装置30において、第2の分岐手段31は、第1の出力手段23からの第1の光信号を分岐可能である。第2の分岐手段31は、例えば、光カプラである。第2の受信手段32は、第2の分岐手段31により分岐された第1の光信号から、第1の制御信号を受信可能である。第3の分岐手段34は、第2の端局10Bからの第2の主信号及び第2の制御信号を含む第2の光信号を分岐可能である。第3の分岐手段34は、例えば光カプラである。第2の主信号は、図2中のBCに対応する。また、第2の制御信号は、図2中のB_cに対応する。第3の受信手段35は、第3の分岐手段34により分岐された第2の光信号から、第2の制御信号を受信可能である。
【0019】
第1の合波手段33は、第2の分岐手段31により分岐された第1の光信号と、第3の分岐手段34により分岐された第2の光信号を合波可能である。第1の合波手段33は、合波した第1の合波光を第1の分岐装置20に出力する。なお、第1の光信号に含まれる第1の制御信号A_c及び第2の光信号に含まれる第2の制御信号B_cは、互いに同じ波長帯域(制御波長帯域)の光信号である。第1の端局10A及び第2の端局10Bは、互いに異なる時間に第1の制御信号A_c及び第2の制御信号B_cの各々を送信する。そのため、第1の合波手段33は、第1の主信号AC、第2の主信号BC及び第1の制御信号A_cから構成される波長多重信号又は第1の主信号AC、第2の主信号BC及び第2の制御信号B_cから構成される波長多重信号の何れかを、第1の合波光として出力する。図2中において、例えば、第1の合波手段33から出力されている光信号のように、第1の制御信号A_cと第2の制御信号B_cとが並列に記されている光信号は、第1の制御信号A_cと第2の制御信号B_cのいずれかが光信号に含まれていることを指す。
【0020】
第1の分岐装置において、第4の分岐手段24は、第1の合波手段からの前記第1の合波光を分岐する。第4の分岐手段24は、例えば光カプラである。第4の受信手段25は、第4の分岐手段により分岐された前記第1の合波光の一方に含まれる制御波長帯域の光信号を受信する。第2の出力手段26は、第4の分岐手段24により分岐された第1の合波光の他方を、第3の端局10Cに出力する。
【0021】
以上のように、海底光通信システム1において、第1の分岐装置20は、第1の受信手段22及び第4の受信手段25を備える。第1の受信手段22は、第1の端局10Aからの第1の制御信号を受信する。また、第4の受信手段25は、第1の主信号、第2の主信号及び第1の制御信号から構成される波長多重信号又は第1の主信号、第2の主信号及び第2の制御信号から構成される波長多重信号の何れかを第1の合波光として受信する。そのため、第1の分岐装置20は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号の両方を受信することができる。
【0022】
また、海底光通信システム1において、第1の分岐挿入装置30は、第2の受信手段32及び第3の受信手段35を備える。第2の受信手段32は、第1の端局10Aからの第1の制御信号を受信する。また、第3の受信手段35は、第2の制御信号を受信する。そのため、第1の分岐挿入装置30は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号の両方を受信することができる。
【0023】
さらに海底光通信システム1において、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30に対して複数の端局10A,10Bから制御信号を送信することが可能である。
【0024】
次に、海底光通信システム1の変形例について説明する。図3は、海底光通信システム1の変形例である海底光通信システムA1を示すブロック図である。
【0025】
海底光通信システム1Aは、海底光通信システム1と同様に、第1の端局10A、第2の端局10B、第3の端局10C、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30を備える。
【0026】
海底光通信システム1Aにおける第1の分岐装置20は、海底光通信システム1における第1の分岐装置20と同様に、第1の分岐手段21、第1の受信手段22、第1の出力手段23、第4の分岐手段24、第4の受信手段25及び第2の出力手段26を有する。海底光通信システム1Aにおける第1の分岐装置20は、更に、第1のフィルタ27、第3のフィルタ28、スイッチ29A及び29Bを備える。
【0027】
第1のフィルタ27は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。第1のフィルタ27は、第1の分岐手段21により分岐された光信号のうち、制御波長帯域の光信号である第1の制御信号(図3中のA_cに対応する)のみを透過し、第1の受信手段22に出力する。
【0028】
第3のフィルタ28は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。第3のフィルタ28は、第4の分岐手段24により分岐された光信号のうち、制御波長帯域の光信号である第1の制御信号(図3中のA_c又はB_cに対応する)のみを透過し、第4の受信手段25に出力する。
【0029】
また、スイッチ29A及び29Bは、光信号の経路を切り替える光スイッチである。スイッチ29Aが、第1の分岐手段21により分岐された光信号を、第1の出力手段23側の経路及びスイッチ29B側の経路何れか一方に向けて出力する。海底光通信システム1Aにおいて、スイッチ29Aは、基本的に、光信号を第1の出力手段23側の経路に向けて出力する。一方で、例えば、海底光通信システム1Aにおいて、第2の端局10Bが設けられていない場合や、第1の分岐挿入装置30に光信号を出力しない場合に、スイッチ29Aは、スイッチ29B側の経路に光信号を出力する。
【0030】
海底光通信システム1Aにおける第1の分岐挿入装置30は、海底光通信システム1における第1の分岐挿入装置30と同様に、第2の分岐手段31、第2の受信手段32、第1の合波手段33、第3の分岐手段34及び第3の受信手段35を備える。海底光通信システム1Aにおける第1の分岐挿入装置30は、更に、第2のフィルタ36、第5の分岐手段37、第6の分岐手段38、第2の合波手段39を備える。
【0031】
第2のフィルタ36は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。第2のフィルタ36は、第2の分岐手段31により分岐された光信号のうち、制御波長帯域の光信号である第1の制御信号(図3中のA_c)のみを透過し、第2の受信手段32に出力する。
【0032】
第5の分岐手段37は、第2の分岐手段31からの第1の制御信号(図3中のA_cに対応)及び第1の主信号(図3中のAB及びACに対応)を分岐して、第2の端局10B及び第1の合波手段33に出力する。
【0033】
第6の分岐手段38は、第3の分岐手段34により分岐された第2の端局10Bからの光信号(図3中のDm、BC及びB_cにより構成される光信号に対応)を、更に分岐して、第3の受信手段35及び第2の合波手段39に出力する。
【0034】
第2の合波手段39は、第1の合波手段から出力された第1の合波光と、第6の分岐手段38から分岐された光信号を合波して、第1の分岐装置20内の第4の分岐手段24に出力する。なお、海底光通信システム1Aにおいて、第1の合波手段33は、OADM(Optical add-drop multiplexer)である。第1の合波手段33は、第3の分岐手段34からダミー光Dm、主信号BCを受け付け、第5の分岐手段37から主信号AB、主信号ACを受け付ける。第1の合波手段33は、受け付けた光のうち、主信号AC、主信号BCを抽出して、第2の合波手段39に出力する。また、第1の合波手段33は、常に、制御波長帯域の光信号を抽出して出力する。これにより、第1の合波手段33は、第2の端局10Bから制御信号B_cを受け付けた場合は、制御波長帯域の制御信号B_cを抽出する。また、第1の合波手段33は、第1の端局10Aから制御信号A_cを受け付けた場合は、制御波長帯域の制御信号A_cを抽出する。
【0035】
<第2の実施形態>
第2の実施形態における海底光通信システム2について説明する。図4は、海底光通信システム2の構成例を示すブロック図である。
【0036】
海底光通信システム2は、第1の端局10A、第2の端局10B、第3の端局10C、第4の端局10D、第1の分岐装置20、第1の分岐挿入装置30、第2の分岐装置40及び第2の分岐挿入装置50を備える。
【0037】
海底光通信システム2における第1の分岐装置20は、海底光通信システム1Aにおける第1の分岐装置20と同様に、第1の分岐手段21、第1の受信手段22、第1の出力手段23、第4の分岐手段24、第4の受信手段25、第2の出力手段26、第1のフィルタ27、第3のフィルタ28、スイッチ29A及び29Bを備える。なお、海底光通信システム2において、第2の出力手段26は、第4の分岐手段24により分岐された第1の合波光を、第2の分岐装置40に出力する。
【0038】
また、海底光通信システム2における第1の分岐挿入装置30は、海底光通信システム1Aにおける第1の分岐挿入装置30と同様に、第2の分岐手段31、第2の受信手段32、第1の合波手段33、第3の分岐手段34、第3の受信手段35、第2のフィルタ36、第5の分岐手段37、第6の分岐手段38、第2の合波手段39を備える。
【0039】
第2の分岐装置40は、第7の分岐手段41、第5の受信手段42、第3の出力手段43、第10の分岐手段44、第8の受信手段45、第4の出力手段46、第4のフィルタ47、第6のフィルタ48、スイッチ49A及びスイッチ49Bを備える。
【0040】
第7の分岐手段41は、第2の出力手段26からの第1の合波光を更に分岐する。第7の分岐手段41は、例えば光カプラである。
【0041】
第5の受信手段42は、第7の分岐手段41により分岐された第1の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信する。具体的には、第5の受信手段42は、第4のフィルタ47を介して、第1の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信する。第4のフィルタ47は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。第5の受信手段42は、第1の端局10Aから制御信号A_cが送信されている場合、制御信号A_cを制御波長帯域の光信号として受信する。または、第5の受信手段42は、第2の端局10Bから制御信号B_cが送信されている場合、制御信号B_cを制御波長帯域の光信号として受信する。
【0042】
第3の出力手段43は、第7の分岐手段41により分岐された第1の合波光の他方を、第2の分岐挿入装置50に出力する。
【0043】
第2の分岐挿入装置50は、第8の分岐手段51、第6の受信手段52、第3の合波手段53、第9の分岐手段54、第7の受信手段55、第5のフィルタ56、第11の分岐手段57、第12の分岐手段58、第4の合波手段59を備える。
【0044】
第8の分岐手段51は、第3の出力手段43からの第1の合波光を分岐する。第8の分岐手段51は、例えば、光カプラである。第6の受信手段52は、第8の分岐手段51により分岐された第1の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信可能である。具体的には、第6の受信手段52は、第5のフィルタ56を介して、第1の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信する。第5のフィルタ56は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。第6の受信手段52は、第1の端局10Aから制御信号A_cが送信されている場合、制御信号A_cを制御波長帯域の光信号として受信する。または、第6の受信手段52は、第2の端局10Bから制御信号B_cが送信されている場合、制御信号B_cを制御波長帯域の光信号として受信する。
【0045】
第9の分岐手段54は、第4の端局10Dからの第3の主信号(図6中のDm(ダミー光)及びDCに対応)及び第3の制御信号(図6中のD_cに対応)を含む第3の光信号を分岐可能である。例えば、第9の分岐手段54は、光カプラである。
【0046】
第7の受信手段55は、第9の分岐手段54により分岐された第3の光信号から、第3の制御信号を受信可能である。
【0047】
第12の分岐手段58は、第9の分岐手段54により分岐された第4の端局10Dからの第3の光信号(図6中のDm、DC及びD_cにより構成される光信号に対応)を、更に分岐して、第7の受信手段55及び第4の合波手段59に出力する。
【0048】
第4の合波手段59は、第3の合波手段53から出力された第1の合波光と、第12の分岐手段58から分岐された光信号を合波して、第2の分岐装置40内の第10の分岐手段44に出力する。なお、海底光通信システム2において、第3の合波手段53は、OADMである。第3の合波手段53は、第9の分岐手段54からダミー光Dm、主信号DCを受け付け、第11の分岐手段57から主信号AB、主信号BC,主信号ADを受け付ける。第3の合波手段53は、受け付けた光のうち、主信号AB、主信号BCを抽出して、第4の合波手段59に出力する。また、第4の合波手段59は、第9の分岐手段54から分岐された第3の制御信号(図6中のD_cに対応)と、第3の主信号(図6中の主信号AB、主信号BC,主信号ADに対応)とを合波して、第2の合波光として第2の分岐装置40内の第10の分岐手段44に出力する。なお、第4の合波手段59には、第12の分岐手段58を介して、第9の分岐手段54から分岐された第3の制御信号及び第3の主信号が入力する。なお、第3の制御信号(図6中のD_cに対応)の波長帯域は、第1の制御信号(図6中のA_cに対応)及び第2の制御信号(図6中のB_cに対応)と同じ波長帯域(制御波長帯域)である。
【0049】
第2の分岐装置40において、第10の分岐手段44は、第2の合波光を分岐する。第10の分岐手段44は、例えば光カプラである。第8の受信手段45は、第10の分岐手段44により分岐された第2の合波光の一方から、制御波長帯域の第3の制御信号(図6中のD_cに対応)を受信する。具体的には、第8の受信手段45は、第2の合波光の一方を、第6のフィルタ48を介して受信する。第6のフィルタ48は、例えば、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。
【0050】
第4の出力手段46は、第10の分岐手段44により分岐された第2の合波光の他方を、第3の端局10Cに出力する。
【0051】
以上のように、海底光通信システム2は、海底光通信システム1と同様の構成を備えるため、そのため、第1の分岐装置20は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号の両方を受信することができる。また、第1の分岐挿入装置30は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号の両方を受信することができる。そのため、海底光通信システムにおいて、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30に対して複数の端局10A,10Bから制御信号を送信することが可能である。
【0052】
また、海底光通信システム2は、第5の受信手段42を及び第8の受信手段45を含む第2の分岐装置40を備える。第5の受信手段42は、第1の主信号(例えば、図6中のABに対応する)、第2の主信号(例えば、図6中のBCに対応する)及び第1の制御信号(図6中のA_cに対応)を含む波長多重信号又は第1の主信号、第2の主信号及び第2の制御信号(図6中のB_cに対応)を含む波長多重信号の何れかを第1の合波光として受信する。また、第8の受信手段45は、第3の制御信号(図6中のD_cに対応)を受信する。そのため、第2の分岐装置40は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号及び第4の端局10Dからの第3の制御信号を受信することができる。
【0053】
また、海底光通信システムにおいて、第2の分岐挿入装置50は、第6の受信手段52及び第7の受信手段55を備える。第6の受信手段52は、第1の主信号(例えば、図6中のABに対応する)、第2の主信号(例えば、図6中のBCに対応する)及び第1の制御信号(図6中のA_cに対応)を含む波長多重信号又は第1の主信号、第2の主信号及び第2の制御信号(図6中のB_cに対応)を含む波長多重信号の何れかを第1の合波光として受信する。また、第7の受信手段55は、第3の制御信号(図6中のD_cに対応)を受信する。そのため、第2の分岐挿入装置50は、第1の端局10Aからの第1の制御信号及び第2の端局10Bからの第2の制御信号及び第4の端局10Dからの第3の制御信号を受信することができる。
【0054】
以上のように、海底光通信システム2は、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30に対して複数の端局10A,10Bから制御信号を送信することが可能である。さらに、第2の分岐装置40及び第2の分岐挿入装置50に対して、複数の端局10A,10B、10Dから制御信号を送信することが可能である。
【0055】
<第3の実施形態>
第3の実施形態における海底光通信システム3について説明する。図7は、海底光通信システム3の構成例を示すブロック図である。図8および図9は、海底光通信システム3の詳細を示すブロック図である。
【0056】
海底光通信システム3は、海底光通信システム2と同様に、第1の端局10A、第2の端局10B、第3の端局10C、第4の端局10D、第1の分岐装置20、第1の分岐挿入装置30、第2の分岐装置40及び第2の分岐挿入装置50を備える。
【0057】
海底光通信システム3における第1の分岐装置20は、海底光通信システム2における第1の分岐装置20と同様に、図5に示されるように、第1の分岐手段21、第1の受信手段22、第1の出力手段23、第4の分岐手段24、第4の受信手段25、第2の出力手段26、第1のフィルタ27、第3のフィルタ28、スイッチ29A及び29Bを備える。
【0058】
また、海底光通信システム3における第1の分岐挿入装置30は、海底光通信システム2における第1の分岐挿入装置30と同様に、図5に示されるように、第2の分岐手段31、第2の受信手段32、第1の合波手段33、第3の分岐手段34、第3の受信手段35、第2のフィルタ36、第5の分岐手段37、第6の分岐手段38、第2の合波手段39を備える。
【0059】
海底光通信システム3における第2の分岐装置40は、海底光通信システム2における第2の分岐装置40と同様に、図6に示されるように、第7の分岐手段41、第5の受信手段42、第3の出力手段43、第10の分岐手段44、第8の受信手段45、第4の出力手段46、第4のフィルタ47、第6のフィルタ48、スイッチ49A及びスイッチ49Bを備える。
【0060】
海底光通信システム3における第2の分岐挿入装置50は、海底光通信システム2における第2の分岐挿入装置50と同様に、図6に示されるように、第8の分岐手段51、第6の受信手段52、第3の合波手段53、第9の分岐手段54、第7の受信手段55、第5のフィルタ56、第11の分岐手段57、第12の分岐手段58、第4の合波手段59を備える。
【0061】
海底光通信システム3は、上述のように、海底光通信システム2と同様の構成を備える。更に、海底光通信システム3は、海底光通信システム2に対して追加の構成を備える。
【0062】
海底光通信システム3において、第2の分岐装置40は、図8に示されるように、第13の分岐手段61、第9の受信手段62、第5の出力手段63、第16の分岐手段64、第12の受信手段65、第6の出力手段66、第7のフィルタ67、第9のフィルタ68、スイッチ69A及びスイッチ69Bを更に備える。
【0063】
また、第2の分岐挿入装置50は、図8に示されるように、第14の分岐手段71、第10の受信手段72、第5の合波手段73、第15の分岐手段74、第11の受信手段75、第8のフィルタ76、第17の分岐手段77、第18の分岐手段78、第6の合波手段79を備える。
【0064】
第13の分岐手段61は、第3の端局10Cからの第4の主信号(例えば、図8中のCA,CD,CBに対応する)及び第4の制御信号(図8中のC_cに対応する)を含む第4の光信号を分岐可能である。第13の分岐手段61は、例えば、光カプラである。
【0065】
第9の受信手段62は、第13の分岐手段61により分岐された第4の光信号から、第4の制御信号を受信可能である。具体的には、第9の受信手段62は、第7のフィルタ67を介して、制御波長帯域の第4の制御信号を受信する。第7のフィルタ67は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。
【0066】
第5の出力手段63は、第13の分岐手段61により分岐された第4の光信号の他方を、第2の分岐挿入装置50に出力可能である。具体的には、第5の出力手段63は、第2の分岐挿入装置50内の第14の分岐手段71に、第4の光信号の他方を出力する。
【0067】
第2の分岐挿入装置50において、第14の分岐手段71は、第5の出力手段63からの第4の主信号及び第4の制御信号を含む第4の光信号を分岐可能である。第10の受信手段72は、第14の分岐手段71により分岐された第4の光信号から、第4の制御信号を受信可能である。具体的には、第10の受信手段72は、第14の分岐手段71により分岐された第4の主信号及び第4の制御信号を第8のフィルタ76を介して受信する。第8のフィルタ76は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。
【0068】
第17の分岐手段77は、第14の分岐手段71により分岐された第4の光信号を更に分岐し、第4の端局10D及び第5の合波手段73に出力する。
【0069】
第15の分岐手段74は、第4の端局10Dからの第5の主信号(図8中のDm(ダミー光)、DAに対応する)及び第5の制御信号(図8中のD_cに対応する)を含む第5の光信号を波長ごとに分岐可能である。第15の分岐手段74は、第5の主信号を第5の合波手段73に出力し、第5の制御信号を第18の分岐手段78に出力する。なお、図8及び図9における、第5の制御信号D_cは、図6に示される第3の制御信号D_cと、第4の端局10Dから送信された制御信号であるという点で同じである。一方で、第5の制御信号D_c及び第3の制御信号D_cは、互いに異なる伝送路を伝搬する異なる信号である。
【0070】
第11の受信手段75は、第15の分岐手段74により分岐された第5の制御信号を受信する。具体的には、第11の受信手段75は、第18の分岐手段78を介して、制御波長帯域の第5の制御信号を受信する。第18の分岐手段は、第5の制御信号を分岐し、第6の合波手段79にも出力する。
【0071】
第6の合波手段79は、第14の分岐手段により分岐された第4の光信号と、第15の分岐手段により分岐された第5の光信号を合波可能であり、合波した第3の合波光を第2の分岐装置40に出力する。
【0072】
具体的には、第6の合波手段79は、第5の合波手段73及び第17の分岐手段77を介して、第14の分岐手段71により分岐された第4の主信号及び第4の制御信号を含む第4の光信号を受け付ける。なお、図8に示される例においては、第5の合波手段73はOADMである。第5の合波手段73は、第14の分岐手段により分岐された第4の主信号に含まれる主信号CA,CD,CBのうち、CA、CBを抽出する。また、第5の合波手段73は、第15の分岐手段により分岐された第5の主信号に含まれるダミー光Dm及び主信号DAのうち、主信号DAを抽出する。第5の合波手段73は、抽出した主信号CA,DA、CBを第6の合波手段79に出力する。
【0073】
なお、第5の合波手段73は、常に制御波長帯域を透過するように設計されている。更に、第4の制御信号及び第5の制御信号は共に制御波長帯域の光信号である。また、第3の端局10C及び第4の端局10Dは、互いに異なる時間に第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cの各々を送信する。
【0074】
そのため、第3の端局10Cから制御波長帯域の第4の制御信号C_cが送信されている場合には、第5の合波手段73は、抽出した主信号CA,DA、CB及び第4の制御信号を第6の合波手段79に出力する。この場合、第6の合波手段79は、抽出した主信号CA,DA、CB及び第4の制御信号C_cを含む光信号を、第3の合波光として第2の分岐装置40に出力する。
【0075】
また、第4の端局10Dから制御波長帯域の第5の制御信号D_cが送信されている場合には、第18の分岐手段78は、第5の制御信号D_cを第6の合波手段79に送信する。この際、第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cは互いに異なる時間に送信されるため、第4の制御信号C_cは第6の合波手段79に送信されない。そのため、この場合、第6の合波手段79は、抽出した主信号CA,DA、CB及び第5の制御信号D_cを含む光信号を、第3の合波光として第2の分岐装置40に出力する。
【0076】
第2の分岐装置40において、第16の分岐手段64は、第6の合波手段79からの第3の合波光を分岐する。第16の分岐手段64は、分岐した第3の合波光を第9のフィルタ68及び第6の出力手段66に出力する。
【0077】
第12の受信手段65は、第16の分岐手段64により分岐された第3の合波光の一方から、制御波長帯域の光信号を受信する。具体的には、第12の受信手段65は、第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cのうち第3の合波光に含まれている一方を、第9のフィルタ68を介して受信する。第9のフィルタ68は、制御波長帯域のみを透過する光フィルタである。
【0078】
第6の出力手段66は、第16の分岐手段64により分岐された第3の合波光の他方を、第1の分岐装置20に出力する。
【0079】
図9に示されるように、海底光通信システム3における第1の分岐装置20は、第19の分岐手段81、第13の受信手段82、第7の出力手段83、第22の分岐手段84、第16の受信手段85、第8の出力手段86、第10のフィルタ87、第12のフィルタ88、スイッチ89A及びスイッチ89Bを更に備える。
【0080】
第19の分岐手段81は、第6の出力手段66からの第3の合波光を更に分岐する。第19の分岐手段81は、分岐した第3の合波光を、第10のフィルタ87及び第7の出力手段83に出力する。
【0081】
第13の受信手段82は、第19の分岐手段81により分岐された第3の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信する。具体的には、第13の受信手段82は、制御波長帯域のみを透過する第10のフィルタ87を介して、第3の合波光に含まれる制御波長帯域の光信号を受信する。例えば、第3の合波光に第4の制御信号C_cが含まれている場合、第13の受信手段82は、第4の制御信号C_cを受信する。また、第3の合波光に第5の制御信号D_cが含まれている場合、第13の受信手段82は、第5の制御信号D_cを受信する。
【0082】
第7の出力手段83は、第19の分岐手段81により分岐された第3の合波光の他方を、第1の分岐挿入装置30に出力する。
【0083】
第1の分岐挿入装置30は、図9に示されるように、第20の分岐手段91、第14の受信手段92、第7の合波手段93、第21の分岐手段94、第15の受信手段95、第11のフィルタ96、第23の分岐手段97、第24の分岐手段98、第8の合波手段99を更に備える。
【0084】
第20の分岐手段91は、第7の出力手段からの第3の合波光を分岐可能である。第20の分岐手段91は、分岐した第3の合波光を、第11のフィルタ96及び第23の分岐手段97に出力する。
【0085】
第14の受信手段92は、第20の分岐手段91により分岐された第3の合波光から、制御波長帯域の光信号を受信可能である。具体的には、第14の受信手段92は、制御波長帯域のみを透過する第11のフィルタ96を介して、第3の合波光に含まれる制御波長帯域の光信号を受信する。例えば、第3の合波光に第4の制御信号C_cが含まれている場合、第14の受信手段92は、第4の制御信号C_cを受信する。また、第3の合波光に第5の制御信号D_cが含まれている場合、第14の受信手段92は、第5の制御信号D_cを受信する。
【0086】
第21の分岐手段94は、第2の端局10Bからの第6の主信号(図9におけるダミー光Dm及び主信号BAに対応する)及び第6の制御信号(図9におけるB_cに対応する)を含む第6の光信号を分岐可能である。第21の分岐手段94は第6の光信号を分岐し、第6の制御信号を第24の分岐手段98に出力し、第6の主信号を第7の合波手段93に出力する。なお、図8及び図9における、第6の制御信号B_cは、図6に示される第2の制御信号B_cと、第2の端局10Bから送信された制御信号であるという点で同じである。一方で、第2の制御信号B_c及び第6の制御信号B_cは、互いに異なる伝送路を伝搬する異なる信号である。
【0087】
第15の受信手段95は、第21の分岐手段94により分岐された第6の制御信号を受信可能である。具体的には、第15の受信手段95は、第24の分岐手段98を介して第6の制御信号を受信する。第24の分岐手段98は、分岐した第6の制御信号を第8の合波手段99にも出力する。
【0088】
第8の合波手段99は、第21の分岐手段94により分岐された第6の主信号及び第6の制御信号と、第20の分岐手段91により分岐された第3の合波光を合波可能であり、合波した第4の合波光を第1の分岐装置20に出力する。
【0089】
具体的には、第8の合波手段99は、第7の合波手段93及び第24の分岐手段98を介して、第21の分岐手段により分岐された第6の主信号及び第6の制御信号を受け付ける。なお、図9に示される例においては、第7の合波手段93はOADMである。第7の合波手段93は、第20の分岐手段91により分岐された第3の合波光に含まれる主信号CA,DA,CBのうち、CA、DA抽出する。また、第7の合波手段93は、第21の分岐手段94により分岐された第6の主信号に含まれるダミー光Dm及び主信号BAのうち、主信号BAを抽出する。第7の合波手段93は、抽出した主信号CA,DA、BAを第8の合波手段99に出力する。
【0090】
第8の合波手段99は、第24の分岐手段98から第6の制御信号を受け付ける。第8の合波手段99は、抽出した主信号CA,DA、BA及び第6の制御信号B_cを含む光信号を、第4の合波光として第1の分岐装置20に出力する。
【0091】
第1の分岐装置20において、第22の分岐手段84は、第8の合波手段99からの第4の合波光を分岐する。第22の分岐手段84は、分岐した第4の合波光を、第12のフィルタ88及び第8の出力手段86に出力する。
【0092】
第16の受信手段85は、第22の分岐手段84により分岐された第4の合波光の一方から、制御波長帯域の第6の制御信号B_cを受信する。具体的には、第16の受信手段85は、制御波長帯域のみを透過する第12のフィルタ88を介して、第4の合波光のうち、第6の制御信号B_cを受信する。
【0093】
第8の出力手段86は、第22の分岐手段84により分岐された第4の合波光の他方を、第1の端局10Aに出力する。
【0094】
以上のように、海底光通信システム3は、海底光通信システム2と同様の構成を備えるため、第1の分岐装置20及び第1の分岐挿入装置30に対して複数の端局10A,10Bから制御信号を送信することが可能である。また、海底光通信システム3は、第2の分岐装置40及び第2の分岐挿入装置50に対して、複数の端局10A,10B、10Dから制御信号を送信することが可能である。
【0095】
さらに、海底光通信システム3において、第1の分岐装置20は、第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cの少なくとも一方を含む第3の合波光を受信する第13の受信手段82を備える。また、第1の分岐挿入装置30は、第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cの少なくとも一方を含む第3の合波光を受信する第14の受信手段92を備える。また、第2の分岐装置40は、第4の制御信号C_c及び第5の制御信号D_cの少なくとも一方を含む第3の合波光を受信する第12の受信手段65を備える。また、第2の分岐挿入装置50は、第4の制御信号C_cを受信する第10の受信手段と、第5の制御信号D_cを受信する第11の受信手段75を備える。
【0096】
そのため、海底光通信システム3において、第1の分岐装置20、第1の分岐挿入装置30、第2の分岐装置40及び第2の分岐挿入装置50は、第1の端局10A、第2の端局10B,第3の端局10C及び第4の端局10Dの全てからの制御信号を受信可能である。
【0097】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
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