(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 5/378 20150101AFI20241106BHJP
H01Q 5/328 20150101ALI20241106BHJP
H01Q 5/40 20150101ALI20241106BHJP
H01Q 9/30 20060101ALI20241106BHJP
H01Q 9/14 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01Q5/378
H01Q5/328
H01Q5/40
H01Q9/30
H01Q9/14
(21)【出願番号】P 2023569227
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2022044158
(87)【国際公開番号】W WO2023120075
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2021207801
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邊 冬夢
(72)【発明者】
【氏名】立花 真也
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-061712(JP,A)
【文献】特表2017-501619(JP,A)
【文献】特開2014-138193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 5/378
H01Q 5/328
H01Q 5/40
H01Q 9/30
H01Q 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1共振周波数を持つ第1アンテナ装置と、
第2共振周波数を持つ第2アンテナ装置と、
前記第2アンテナ装置の所定の位置とグランドとの間に接続される通過フィルタと、を備え、
前記第1アンテナ装置は、第1給電回路に接続された第1放射素子を含み、
前記第2アンテナ装置は、第2給電回路に接続された第2放射素子を含み、
前記通過フィルタは、前記第2共振周波数を遮断し、前記第1放射素子と前記第2放射素子とが、電界もしくは磁界の少なくとも一方で結合することで、前記グランドから前記通過フィルタを経由し前記第2放射素子を通る経路で機能する無給電アンテナの第3共振周波数を通過させる、アンテナモジュール。
【請求項2】
前記第2共振周波数は、前記第2給電回路と接続する前記第2放射素子の基本周波数である、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記通過フィルタは、前記第1共振周波数を通過させる、請求項1または請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記第1共振周波数は、前記第2共振周波数よりも高い、請求項1
または請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記第3共振周波数は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との間の周波数である、請求項4に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記通過フィルタは、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタのいずれかで構成される、請求項1
または請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記通過フィルタと前記グランドとの間には、スイッチと複数種類の周波数調整素子とが設けられ、
前記スイッチにより前記複数種類の周波数調整素子との接続位置を切替えることで周波数変換が可能である、請求項1
または請求項2に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナモジュールに関し、より特定的には、狭いエリアでアンテナ数を増やさずに使用可能な周波数帯域を広帯域化するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
使用可能な周波数帯域を広帯域化する技術として、特開2009-159291号公報(特許文献1)のアンテナ装置がある。特許文献1に開示されているアンテナ装置は、給電アンテナと無給電アンテナとを結合することにより使用可能な周波数帯域を広帯域化する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアンテナ装置を用いて使用可能な周波数帯域を広帯域化させたが、小型の通信機器において、さらに他のアンテナをアンテナエリアに設置してより広帯域化する要望がある。しかし、小型の通信機器のアンテナエリアは限られており、複数のアンテナが近接することによりアイソレーションの劣化が無視できなくなり、通信性能が劣化してしまう可能性がある。通信性能の劣化を防ぐためには、他のアンテナを特許文献1のアンテナ装置から離す必要が生じる。このように、特許文献1のアンテナ装置は、狭いアンテナエリアにおいて他のアンテナを設置することにより周波数帯域を広帯域化することには適していない。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は狭いアンテナエリアにおいてアンテナ数を増加させずに周波数帯域を広帯域化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うアンテナモジュールは、第1共振周波数を持つ第1アンテナ装置と、第2共振周波数を持つ第2アンテナ装置と、第2アンテナ装置の所定の位置とグランドとの間に接続される通過フィルタと、を備える。第1アンテナ装置は、第1給電回路に接続された第1放射素子を含む。第2アンテナ装置は、第2給電回路に接続された第2放射素子を含む。通過フィルタは、第2共振周波数を遮断し、第1放射素子と第2放射素子とが、電界もしくは磁界の少なくとも一方で結合することで、グランドから通過フィルタを経由し第2放射素子を通る経路で機能する無給電アンテナの第3共振周波数を通過させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によるアンテナモジュールにおいては、第1アンテナに無給電アンテナの第3周波数に対応する帯域が付加される。このため、狭いアンテナエリアにおいてアンテナ数を増加させずに周波数帯域を広帯域化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1におけるアンテナモジュールの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1におけるアンテナモジュールの放射効率の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態2におけるアンテナモジュールの構成を示す図である。
【
図4】実施の形態2におけるアンテナモジュールの放射効率の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態3におけるアンテナモジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
本開示における放射効率は、給電回路から供給される電力に対する出力の比を示すものである。すなわち、給電回路から供給される電力に対し、回路上のロスやマッチング不整合による損失も含めた効率である。
【0011】
[実施の形態1]
<アンテナモジュールの基本構成>
図1は、実施の形態1におけるアンテナモジュール1の構成を示す図である。アンテナモジュール1は、第1アンテナ装置100および第2アンテナ装置200を含む。第1アンテナ装置100は、給電回路RF1と、放射素子101とを含む。第2アンテナ装置200は、給電回路RF2と、放射素子201と、通過フィルタ10とを含む。
【0012】
アンテナモジュール1は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどの通信装置に搭載される。第1アンテナ装置100は、たとえば、モノポールアンテナである。第2アンテナ装置200は、たとえば、モノポールアンテナである。
【0013】
給電回路RF1は、f1帯の周波数帯域の高周波信号FS1を放射素子101に供給する。放射素子101は、給電回路RF1から供給されたf1帯の高周波信号FS1を電波として空気中に放射可能である。f1帯の周波数帯域は、たとえば、5G-NR(New Radio)のn77(3.3-4.2GHz)、n78(3.3-3.8GHz)、n79(4.4-5.0GHz)を含む帯域である。
【0014】
給電回路RF2は、f2帯の周波数帯域の高周波信号FS2を放射素子201に供給する。放射素子201は、給電回路RF2から供給されたf2帯の高周波信号FS2を電波として空気中に放射可能である。f2帯の周波数帯域は、たとえば、n41(2.5-2.7GHz)を含む帯域である。
【0015】
放射素子201とグランドとの間には、通過フィルタ10が接続されている。通過フィルタ10は、特定の周波数帯の高周波信号を通過させ、その他の周波数帯の高周波信号を遮断あるいは減衰させるバンドパスフィルタである。通過フィルタ10は、f2帯の周波数帯域の高周波信号FS2を遮断あるいは減衰させるように構成されている。
【0016】
放射素子101および放射素子201は、同一の基板50に搭載される。放射素子101および放射素子201は、同一の基板50に設けられているが、同一のアンテナモジュール1内に設けられていれば、異なる基板に設けられていてもよい。
【0017】
放射素子101と放射素子201とは、電界もしくは磁界の少なくとも一方で結合する。通過フィルタ10は、放射素子201とグランドとの間に配置されている。これにより、グランドから通過フィルタ10を経由し放射素子201を通る経路が、励振することにより無給電アンテナ300として機能する。無給電アンテナ300は、f3帯の高周波信号FS3の送受信が可能である。
【0018】
通過フィルタ10は、f3帯の周波数帯域の高周波信号FS3を通過させる。これにより、放射素子101には、無給電アンテナ300のf3帯の周波数帯域が付加される。通過フィルタ10は、特定の周波数帯の信号を通過させ、その他の周波数帯の信号を遮断あるいは減衰させるバンドパスフィルタとして説明したが、f2周波数帯よりf3周波数帯が高い場合は、特定の周波数よりも低い帯域の信号を通さず、特定の周波数よりも高い帯域の信号を通すハイパスフィルタであってもよい。
【0019】
さらに、通過フィルタ10は、f1帯の周波数帯域の高周波信号FS1を通過させてもよい。f3帯とf1帯とが近接している場合は、f3帯の無給電アンテナによる共振の影響がf1帯までもたらされ、f1帯での放射効率も改善されうる。
【0020】
図2は、実施の形態1におけるアンテナモジュール1の放射効率の一例を示す図である。
図2において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は放射効率[dB]である。放射素子201の放射効率が、二点鎖線で示す波形で示される。通過フィルタ10を挿入する前の放射素子101の放射効率が、一点鎖線で示す波形で示される。通過フィルタ10を挿入した後の放射素子101の放射効率が、一点鎖線の上側の実線で示す波形で示される。
【0021】
図2に示すように、給電回路RF2により供給される高周波信号FS2の共振周波数F2が最も低く、給電回路RF1により供給される高周波信号FS1の共振周波数F1が最も高い。無給電アンテナ300により供給させる高周波信号FS3の共振周波数F3は、共振周波数F2と共振周波数F1との間の周波数である。共振周波数F1は、給電回路RF1と接続する放射素子101の基本周波数である。共振周波数F2は、給電回路RF2と接続する放射素子201の基本周波数である。
【0022】
図2に示すように、通過フィルタ10を挿入することで無給電アンテナ300の影響により、第1アンテナ装置100の共振周波数F3を含むf3帯の放射効率が向上する。通過フィルタ10は、f1帯およびf3帯の周波数帯を通過させ、f2帯の周波数帯を遮断あるいは減衰させるフィルタ特性である。通過フィルタ10をf1帯も通過させる特性とすることで、共振周波数F1を含むf1帯の放射効率も向上する。このように、アンテナモジュール1は、グランドから通過フィルタ10を経由し放射素子201を通る経路が無給電アンテナ300として機能することにより、狭いアンテナエリアにおいてアンテナ数を増加させずに周波数帯域を広帯域化することができる。
【0023】
[実施の形態2]
<アンテナモジュールの基本構成>
図3は、実施の形態2におけるアンテナモジュール2の構成を示す図である。アンテナモジュール2は、第1アンテナ装置100および第2アンテナ装置400を含む。第1アンテナ装置100は、給電回路RF1と、放射素子101とを含む。第2アンテナ装置400は、給電回路RF2と、放射素子401と、通過フィルタ10とを含む。
【0024】
アンテナモジュール2は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどの通信装置に搭載される。第1アンテナ装置100は、たとえば、モノポールアンテナである。第2アンテナ装置400は、たとえば、モノポールアンテナである。
【0025】
放射素子101および放射素子401は、同一の基板50に搭載される。放射素子101および放射素子401は、同一の基板50に設けられているが、同一のアンテナモジュール2内に設けられていれば、異なる基板に設けられていてもよい。
【0026】
放射素子101と放射素子401とは、電界もしくは磁界の少なくとも一方で結合する。通過フィルタ10は、放射素子401とグランドとの間に配置されている。これにより、グランドから通過フィルタ10を経由し放射素子401を通る経路が、励振することにより無給電アンテナ300として機能する。無給電アンテナ300は、f3帯の高周波信号FS3の送受信が可能である。
【0027】
通過フィルタ10は、放射素子401の所定の位置である、位置P1または位置P2とグランドとの間に接続される。通過フィルタ10は、f1帯およびf3帯の周波数帯を通過させ、f2帯の周波数帯を遮断あるいは減衰させるフィルタ特性である。たとえば、通過フィルタ10は、2.7GHz以下の周波数帯を減衰させ、2.7GHz以上の周波数帯を通過させるフィルタ特性である。
【0028】
給電回路RF2との接続位置P0から位置P1までの距離がA1であり、給電回路RF2との接続位置P0から位置P2までの距離がA2である。位置P1または位置P2には、たとえば、グランドと接地するための短絡ピンが配置されるようにすればよい。通過フィルタ10は、放射素子401におけるその他の位置に配置されるようにしてもよい。
【0029】
アンテナモジュール2では、放射素子401の長さを変えずに、通過フィルタ10の位置を変えることにより、広帯域化したい周波数帯域の位置を変更することができる。具体的に、
図4により通過フィルタ10の位置を変えた場合の周波数帯域の変化について説明する。
【0030】
図4は、実施の形態2におけるアンテナモジュール2の放射効率の一例を示す図である。
図4において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は放射効率[dB]である。放射素子401の放射効率が、二点鎖線で示す波形で示される。通過フィルタ10が、位置P1に接続されているときの放射素子101の放射効率が、グラフ右の実線で示す波形で示される。通過フィルタ10が、位置P2に接続されているときの放射素子101の放射効率が、グラフ右の一点鎖線で示す波形で示される。
【0031】
図4に示すように、給電回路RF2により供給される高周波信号FS2の共振周波数F2が最も低く、給電回路RF1により供給される高周波信号FS1の共振周波数F1が最も高い。無給電アンテナ300により供給させる高周波信号FS3の共振周波数F3または共振周波数F3’は、共振周波数F2と共振周波数F1との間の周波数である。共振周波数F1は、給電回路RF1と接続する放射素子101の基本周波数である。共振周波数F2は、給電回路RF2と接続する放射素子201の基本周波数である。
【0032】
図4に示すように、位置P1の通過フィルタ10による無給電アンテナ300の影響により、共振周波数F3を含むf3帯の放射効率が向上する。広帯域化したい周波数帯域の位置を変更したい場合、たとえば、通過フィルタ10の位置を位置P1から位置P2に変更すればよい。これにより、給電回路RF2との接続位置P0からの距離が距離A1から距離A2へとなることで、通過フィルタ10が放射素子401の端部へ近づく。距離A2の位置の通過フィルタ10による無給電アンテナ300の影響により、共振周波数F3’を含むf3’帯の放射効率が向上する。
【0033】
このように、アンテナモジュール2では、放射素子401の長さを変えず、すなわちf2帯域は変えずに、通過フィルタ10の位置を変えることにより、広帯域化したい周波数帯域の位置を変更することができる。たとえば、
図4に示すように、通過フィルタ10の位置を放射素子401の端部に近づけることにより、広帯域化したい周波数帯域の位置を共振周波数F1へ近づけることができる。
【0034】
実際のアンテナモジュールでは、基板上に給電回路とそこから伸びる配線が放射素子の一部として存在し、その配線と接続された基板上とは別の放射素子がある。通過フィルタは基板上の配線である放射素子に接続されていても良いし、基板とは別の放射素子において接続されていても良い。
【0035】
[実施の形態3]
<アンテナモジュールの基本構成>
図5は、実施の形態3におけるアンテナモジュール3の構成を示す図である。アンテナモジュール3は、第1アンテナ装置100および第2アンテナ装置500を含む。第1アンテナ装置100は、給電回路RF1と、放射素子101とを含む。第2アンテナ装置500は、給電回路RF2と、放射素子501と、通過フィルタ10と、スイッチ20と、スイッチ20と接続可能な複数種類の周波数調整素子とを含む。
【0036】
アンテナモジュール3は、たとえば、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットなどの携帯端末や、通信機能を備えたパーソナルコンピュータなどの通信装置に搭載される。第1アンテナ装置100は、たとえば、モノポールアンテナである。第2アンテナ装置500は、たとえば、モノポールアンテナである。
【0037】
放射素子101および放射素子501は、同一の基板50に搭載される。放射素子101および放射素子501は、同一の基板50に設けられているが、同一のアンテナモジュール3内に設けられていれば、異なる基板に設けられていてもよい。
【0038】
放射素子101と放射素子501とは、電界もしくは磁界の少なくとも一方で結合する。通過フィルタ10は、放射素子501とグランドとの間に配置されている。これにより、グランドから複数種類の周波数調整素子のいずれかを介し、通過フィルタ10を経由し放射素子501を通る経路が、励振することにより無給電アンテナ600として機能する。無給電アンテナ600からは、f3帯の高周波信号FS3が供給される。
【0039】
複数種類の周波数調整素子には、インダクタL1,L2,L3およびキャパシタC1が含まれる。インダクタL1,L2,L3およびキャパシタC1は、一方端がスイッチ20を介して通過フィルタ10と接続可能であり、他方端がグランドに接地する位置に配置される。インダクタおよびキャパシタの数は、適宜変更可能である。インダクタおよびキャパシタの位置は、通過フィルタ10と放射素子501との間であってもよい。
【0040】
スイッチ20は、複数種類の周波数調整素子とショート経路Sとの接続位置を切替えることで周波数変換を行なう。ここで、インダクタは、何も付けていない状態の0Ωの状態から接続することによりf3周波数を0Ωの状態での周波数よりも低くすることができる。インダクタは、0Ωの状態での周波数よりも低い領域においてインダクタンス値が大きいほどf3周波数を低くし、インダクタンス値が小さいほどf3周波数を高く設定することができる。
【0041】
逆に、キャパシタは、何も付けてない状態の0Ωの状態から接続することによりf3周波数を0Ωの状態での周波数よりも高くすることができる。キャパシタは、0Ωの状態での周波数よりも高い領域において、キャパシタンス値が大きいほどf3周波数を低くし、キャパシタンス値が小さいほどf3周波数を高く設定することができる。通過フィルタ10は、これら周波数調整素子を通過した場合の通過可能周波数に対して通過となるように設計されていればよい。
【0042】
このように、アンテナモジュール3では、複数種類の周波数調整素子との接続を切替えることで周波数変換を行ない、広帯域化したい周波数帯域の位置を変更することができる。
【0043】
また、スイッチ20を設置せず、通過フィルタ10とグランドとの間に部品を基板上に実装する実装電極を配置し、アンテナモジュールを通信端末や携帯端末に組み込んだあとにインダクタやキャパシタを用いて周波数調整してもよい。
【0044】
なお、各実施の形態において、アンテナ装置は、モノポールアンテナの場合について説明したが、アンテナ装置は、逆F型アンテナ等のその他のアンテナであってもよい。
【0045】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1,2,3 アンテナモジュール、10 通過フィルタ、20 スイッチ、50 基板、100 第1アンテナ装置、200,400,500 第2アンテナ装置、101,201,401,501 放射素子、300,600 無給電アンテナ、C1 キャパシタ、F1,F2,F3 共振周波数、FS1,FS2,FS3 高周波信号、L1,L2,L3 インダクタ、RF1,RF2 給電回路。