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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】出荷管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024004090
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩山 遼太郎
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-038215(JP,A)
【文献】特開2006-132121(JP,A)
【文献】特開2019-178977(JP,A)
【文献】特開2021-043628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理部と、
データ記憶部と、
を備え、
前記データ記憶部は、倉庫に保管されている複数の建築材料の在庫状況を示す在庫情報を記憶し、
前記在庫情報は、前記複数の建築材料の各々に関する、商品識別情報と、在庫数量情報と、建築材料からの化学物質の放散速度を示す物質放散情報とを含み、
前記データ処理部は、
前記在庫情報と建築情報と診断情報とを取得し、
前記建築情報は、建物を建築するために必要な建築材料の数量を示す必要数量情報を含み、
前記診断情報は、前記建物に居住する居住者の化学物質に対する敏感度を示す敏感度情報を含み、
前記在庫情報と前記建築情報と前記診断情報とに基づいて、前記倉庫に保管されている前記複数の建築材料の中から、前記建物の建築に使用する建築材料を選択する、
出荷管理装置。
【請求項2】
前記建築情報は、前記倉庫からの建築材料の出荷予定日、前記居住者への前記建物の引き渡し予定日、又は前記建物への前記居住者の入居予定日を示す予定日情報をさらに含み、
前記データ処理部は、前記建築材料の選択において、
前記物質放散情報に基づいて、時間経過に伴う前記放散速度の減衰特性を算出し、
前記減衰特性及び前記予定日情報に基づいて、前記出荷予定日、前記引き渡し予定日、又は前記入居予定日における前記放散速度を推定する、
請求項1に記載の出荷管理装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記建築材料の選択において、前記倉庫における換気回数、保管温度、及び保管湿度の少なくとも一つに基づいて、前記減衰特性を補正する、
請求項2に記載の出荷管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築材料の出荷管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材料から放出されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)等による、住宅の居住者への健康影響が指摘されている。
【0003】
建築材料からのVOCの放散速度を検査するための試験としては、小形チャンバー法による放散速度試験が知られている。
【0004】
なお、下記特許文献1には、工務店等による建築資材の引き取りにかかる手間やコストの削減が可能な、建築資材の在庫管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6723588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VOCに敏感な化学物質過敏症等のユーザと、そうでないユーザとでは、VOCに対する許容値が異なる。従って、住宅等の建物の施工を発注するユーザのVOCに対する敏感度に応じて、使用する建築材料を適切に選択できれば望ましい。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、居住者の化学物質に対する敏感度に応じて建物の建築に使用する建築材料を適切に選択することが可能な出荷管理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る管理装置は、データ処理部と、データ記憶部と、を備え、前記データ記憶部は、倉庫に保管されている複数の建築材料の在庫状況を示す在庫情報を記憶し、前記在庫情報は、前記複数の建築材料の各々に関する、商品識別情報と、在庫数量情報と、建築材料からの化学物質の放散速度を示す物質放散情報とを含み、前記データ処理部は、前記在庫情報と建築情報と診断情報とを取得し、前記建築情報は、建物を建築するために必要な建築材料の数量を示す必要数量情報を含み、前記診断情報は、前記建物に居住する居住者の化学物質に対する敏感度を示す敏感度情報を含み、前記在庫情報と前記建築情報と前記診断情報とに基づいて、前記倉庫に保管されている前記複数の建築材料の中から、前記建物の建築に使用する建築材料を選択する。
【0009】
第1態様によれば、データ処理部は、在庫情報と建築情報と診断情報とに基づいて、倉庫に保管されている複数の建築材料の中から、建物の建築に使用する建築材料を選択する。これにより、建物の建築に使用する建築材料を、居住者の化学物質に対する敏感度に応じて適切に選択できる。
【0010】
本発明の第2態様に係る管理装置は、第1態様において、前記建築情報は、前記倉庫からの建築材料の出荷予定日、前記居住者への前記建物の引き渡し予定日、又は前記建物への前記居住者の入居予定日を示す予定日情報をさらに含み、前記データ処理部は、前記建築材料の選択において、前記物質放散情報に基づいて、時間経過に伴う前記放散速度の減衰特性を算出し、前記減衰特性及び前記予定日情報に基づいて、前記出荷予定日、前記引き渡し予定日、又は前記入居予定日における前記放散速度を推定する。
【0011】
第2態様によれば、データ処理部は、減衰特性及び予定日情報に基づいて、出荷予定日、引き渡し予定日、又は入居予定日における放散速度を推定する。これにより、これらの予定日において放散速度が許容値以下の建築材料を適切に選択できる。
【0012】
本発明の第3態様に係る管理装置は、第2態様において、前記データ処理部は、前記建築材料の選択において、前記倉庫における換気回数、保管温度、及び保管湿度の少なくとも一つに基づいて、前記減衰特性を補正する。
【0013】
第3態様によれば、データ処理部は、倉庫における換気回数、保管温度、及び保管湿度の少なくとも一つに基づいて、減衰特性を補正する。これにより、出荷予定日、引き渡し予定日、又は入居予定日における放散速度の推定精度を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、居住者の化学物質に対する敏感度に応じて建物の建築に使用する建築材料を適切に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る出荷管理システムの全体構成を簡略化して示す図である。
図2】出荷管理装置の構成を簡略化して示す図である。
図3】在庫情報の一例を簡略化して示す図である。
図4】保管情報の一例を簡略化して示す図である。
図5】建築情報の一例を簡略化して示す図である。
図6】診断情報の一例を簡略化して示す図である。
図7】データ処理部が実行する処理を示すフローチャートである。
図8】減衰特性の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る出荷管理システム1の全体構成を簡略化して示す図である。出荷管理システム1は、出荷管理装置11と、発注端末12と、複数の管理端末13(以下の例では3つの管理端末13A~13Cとする)と、通信ネットワーク15とを備える。通信ネットワーク15は、専用回線網であっても良いし、公衆回線網であっても良い。出荷管理装置11は、通信ネットワーク15を介して、発注端末12及び管理端末13A~13Cと通信可能である。
【0018】
出荷管理装置11は、通信ネットワーク15上に設置されたクラウドサーバ等である。発注端末12は、住宅メーカの営業所又はショールーム等に設置されたパーソナルコンピュータ又はタブレット端末等である。管理端末13A~13Cは、建築材料の製造メーカの倉庫14A~14Cに設置されたエッジサーバ、オンプレミスサーバ、又はパーソナルコンピュータ等である。
【0019】
図2は、出荷管理装置11の構成を簡略化して示す図である。出荷管理装置11は、データ処理部31、データ記憶部32、及び通信部33を備える。データ処理部31は、CPU等のプロセッサを備えて構成される。データ記憶部32は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等を備えて構成される。通信部33は、通信ネットワーク15の通信規格に対応した通信モジュールを備えて構成される。データ記憶部32は、在庫情報41、保管情報42、建築情報43、及び診断情報44を記憶する。
【0020】
図3は、在庫情報41の一例を簡略化して示す図である。在庫情報41は、メーカID、商品ID、在庫数量、及び試験結果の各項目を含むデータベースである。在庫情報41は、その他の項目を含んでいても良い。メーカIDは、建築材料の製造メーカを識別するための識別情報である。商品IDは、商品である建築材料を識別するための識別情報である。在庫数量は、倉庫14に保管されている建築材料の数量を示す。試験結果は、各製造メーカが倉庫14に保管している建築材料に対して実施した試験の結果を示す。試験は、例えば小形チャンバー法による放散速度試験である。各製造メーカは、各建築材料に対して複数の日に試験を実施することにより、各建築材料に対して複数の試験結果を取得する。試験結果は、建築材料のVOCの放散速度[μg/(m・h)]と、試験を実施した時点での建築材料の製造後日数とを含み、建築材料からのVOCの放散速度を示す物質放散情報に相当する。データ処理部31は、管理端末13A~13Cから受信したこれらの情報に基づいて、在庫情報41を作成し、データ記憶部32に記憶する。データ処理部31は、リアルタイムに、又は毎日定刻等の定期的に、在庫情報41を更新する。
【0021】
図4は、保管情報42の一例を簡略化して示す図である。保管情報42は、メーカID、換気設備、換気回数、空調設備、保管温度、及び保管湿度の各項目を含むデータベースである。保管情報42は、その他の項目を含んでいても良い。換気設備は、各製造メーカの倉庫14における換気設備の有無を示す。換気回数は、換気設備が有る倉庫14に関して、倉庫14内の容積[m]に対する単位時間あたりの換気設備による換気量[m/h]の比率[回/h]を示す。空調設備は、各製造メーカの倉庫14における空調設備の有無を示す。保管温度は、空調設備が有る倉庫14に関して倉庫14の室内の設定温度[℃]を示す。保管湿度は、空調設備が有る倉庫14に関して倉庫14の室内の設定湿度[%]を示す。データ処理部31は、管理端末13A~13Cから受信したこれらの情報に基づいて、保管情報42を作成し、データ記憶部32に記憶する。
【0022】
図5は、建築情報43の一例を簡略化して示す図である。建築情報43は、住宅ID、引き渡し予定日、入居予定日、商品ID、必要数量、施工面積、及び出荷予定日の各項目を含むデータベースである。建築情報43は、その他の項目を含んでいても良い。住宅IDは、居住者となるユーザが発注した住宅を識別するための識別情報である。引き渡し予定日は、施工が完了した住宅をユーザに引き渡す予定の日である。入居予定日は、引き渡された住宅にユーザが入居する予定の日である。商品IDは、住宅の施工に用いる建築材料を識別するための識別情報である。必要数量は、住宅の施工に必要な建築材料の数量を示す。施工面積は、住宅における建築材料の施工面積を示す。出荷予定日は、建築材料を用いた施工日に対応して当該建築材料を倉庫14から出荷する予定の日である。住宅メーカの営業所又はショールーム等において、オペレータ20が発注者21であるユーザとの商談において必要な情報を入手し、発注端末12に入力する。データ処理部31は、発注端末12から受信した情報に基づいて、建築情報43を作成し、データ記憶部32に記憶する。
【0023】
図6は、診断情報44の一例を簡略化して示す図である。診断情報44は、住宅ID、及び住宅への入居予定者(この例では父、母、及び長男)の各項目を含むデータベースである。診断情報44は、その他の項目を含んでいても良い。入居予定者の項目は、各入居予定者のVOCに対する敏感度を示す。敏感度は、100点を最高点とするスコアで表され、スコアが高いほどVOCに敏感であることを意味する。住宅メーカの営業所又はショールーム等において、オペレータ20が各入居予定者に対してVOCに対する敏感度診断を実施し、その診断結果を発注端末12に入力する。敏感度診断は、QEESI(Quick Environment Exposure Sensitivity Inventory)の問診票を用いた診断、Miller及びPrihodaによるEESI(The Environmental Exposure and Sensitivity Inventory)の質問票を用いた診断、又はAnderssonによるMM040EAの調査票を用いた診断等の既知の診断法を用いれば良い。データ処理部31は、発注端末12から受信した情報に基づいて、診断情報44を作成し、データ記憶部32に記憶する。
【0024】
図7は、データ処理部31が実行する処理を示すフローチャートである。
【0025】
まずステップSP11においてデータ処理部31は、データ記憶部32から在庫情報41を読み出すことによって取得する。
【0026】
次にステップSP12においてデータ処理部31は、データ記憶部32から保管情報42を読み出すことによって取得する。
【0027】
次にステップSP13においてデータ処理部31は、データ記憶部32から建築情報43を読み出すことによって取得する。
【0028】
次にステップSP14においてデータ処理部31は、データ記憶部32から診断情報44を読み出すことによって取得する。
【0029】
次にステップSP15においてデータ処理部31は、診断情報44に基づいて、居住者(入居予定者)のVOCに対する敏感度が、所定のしきい値以上であるか否かを判定する。居住者が複数存在する場合には、データ処理部31は、最も高い居住者の敏感度がしきい値以上であるか否かを判定する。
【0030】
敏感度がしきい値以上である場合(ステップSP15:YES)は、次にステップSP16においてデータ処理部31は、在庫情報41に基づいて、発注対象の商品IDに対応する試験結果に相当する物質放散情報を抽出する。データ処理部31は、抽出した物質放散情報に含まれる複数の放散速度及び複数の製造後日数に基づいて、時間経過に伴う放散速度の減衰特性50を算出する。
【0031】
図8は、減衰特性50の一例を模式的に示す図である。この例では、データ処理部31は、製造後日数が1日、3日、及び7日に対応する放散速度の3点の計測値を用いて、累乗近似等の演算を行うことによって、発注対象の商品IDの建築材料に関する非線形の減衰特性50を算出する。例えば図3に示した例において発注対象の商品IDが「E01」である場合には、データ処理部31は、メーカIDが「M01」かつ商品IDが「E01」である建築材料と、メーカIDが「M02」かつ商品IDが「E01」である建築材料とのそれぞれに関して、減衰特性50を算出する。
【0032】
減衰特性50の算出において、データ処理部31は、保管情報42に基づいて減衰特性50を補正しても良い。建築材料からのVOCの放散速度は、換気回数が高いほど、保管温度が高いほど、又は保管湿度が高いほど、大きくなる。データ処理部31は、各倉庫14A~14Cに関する換気回数、保管温度、及び保管湿度と、小形チャンバー法で規定されている換気回数(0.5回/h)、保管温度(28℃)、及び保管湿度(50%)との差に基づいて、保管条件が全ての倉庫14A~14Cに関して共通化又は正規化されるように、減衰特性50を補正する。なお、温度、湿度、又は温湿度による補正には、井上式又はBerge式等の既知の手法を用いても良い。
【0033】
減衰特性50を累乗近似曲線で表す場合、放散速度Yは、係数α,βと、予定日Kに対応する減衰日数Xとを用いて、以下の式で規定される。
【0034】
Y=αX-β
【0035】
データ処理部31は、抽出した物質放散情報に含まれる複数の放散速度及び複数の製造後日数に基づいて、係数α,βの値を算出する。また、データ処理部31は、各倉庫14A~14Cに関する換気回数、保管温度、及び保管湿度と、小形チャンバー法で規定されている換気回数、保管温度、及び保管湿度との差に基づいて、減衰日数Xを補正する。
【0036】
次にステップSP17においてデータ処理部31は、ステップSP16で算出した減衰特性50と、建築情報43に含まれる予定日情報とに基づいて、発注対象の建築材料の予定日Kにおける放散速度を推定する。予定日Kは、出荷予定日、引き渡し予定日、又は入居予定日である。
【0037】
次にステップSP18においてデータ処理部31は、予定日Kにおける放散速度が、居住者のVOCに対する許容値以下である建築材料が存在するか否かを判定する。許容値は、一般的な基準値(例えば、建材からのVOC放散速度基準化研究会によって定められた基準値)に対して、例えば0.5の係数値を乗じた値とする。係数値は、居住者の敏感度に応じて変更しても良い。例えば、敏感度が高いほど係数値を0.5より小さくし、敏感度が低いほど係数値を0.5より大きくする。また、係数値は、建築材料の施工面積に応じて変更しても良い。例えば、施工面積が大きいほど係数値を0.5より小さくし、施工面積が小さいほど係数値を0.5より大きくする。
【0038】
予定日Kにおける放散速度が許容値以下である建築材料が存在する場合(ステップSP18:YES)は、データ処理部31は、その建築材料を、住宅の施工に使用する建築材料として選択し、発注処理を実行する。
【0039】
予定日Kにおける放散速度が許容値以下である建築材料が存在しない場合(ステップSP18:NO)は、データ処理部31は、放散速度が許容値以下となる最短予定日を減衰特性50に基づいて算出し、その最短予定日及び建築材料を発注端末12に送信することによって、オペレータ20及び発注者21に通知する。
【0040】
敏感度がしきい値未満である場合(ステップSP15:NO)は、次にステップSP19においてデータ処理部31は、放散速度を考慮しない通常手配によって、住宅の施工に使用する建築材料を選択し、発注処理を実行する。通常手配において、データ処理部31は、例えば在庫数量が最も多い製造メーカの建築材料を選択する。
【0041】
本実施形態によれば、データ処理部31は、在庫情報41と建築情報43と診断情報44とに基づいて、倉庫14に保管されている複数の建築材料の中から、住宅等の建物の建築に使用する建築材料を選択する。これにより、建物の建築に使用する建築材料を、居住者の化学物質に対する敏感度に応じて適切に選択できる。
【0042】
また、本実施形態によれば、データ処理部31は、減衰特性50及び予定日情報に基づいて、予定日K(出荷予定日、引き渡し予定日、又は入居予定日)における放散速度を推定する。これにより、予定日Kにおいて放散速度が許容値以下の建築材料を適切に選択できる。
【0043】
また、本実施形態によれば、データ処理部31は、倉庫14における換気回数、保管温度、及び保管湿度の少なくとも一つに基づいて、減衰特性50を補正する。これにより、予定日Kにおける放散速度の推定精度を向上できる。
【符号の説明】
【0044】
1 出荷管理システム
11 出荷管理装置
31 データ処理部
32 データ記憶部
41 在庫情報
42 保管情報
43 建築情報
44 診断情報
【要約】
【課題】居住者の化学物質に対する敏感度に応じて建物の建築に使用する建築材料を適切に選択することが可能な出荷管理装置を得る。
【解決手段】データ記憶部は、倉庫に保管されている複数の建築材料の在庫状況を示す在庫情報を記憶し、前記在庫情報は、前記複数の建築材料の各々に関する、商品識別情報と、在庫数量情報と、建築材料からの化学物質の放散速度を示す物質放散情報とを含み、データ処理部は、前記在庫情報と建築情報と診断情報とを取得し、前記建築情報は、建物を建築するために必要な建築材料の数量を示す必要数量情報を含み、前記診断情報は、前記建物に居住する居住者の化学物質に対する敏感度を示す敏感度情報を含み、前記在庫情報と前記建築情報と前記診断情報とに基づいて、前記倉庫に保管されている前記複数の建築材料の中から、前記建物の建築に使用する建築材料を選択する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8