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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】インドアグリーン提案システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024010711
(22)【出願日】2024-01-29
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】本間 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/181335(WO,A1)
【文献】特開2018-147434(JP,A)
【文献】特開2010-172305(JP,A)
【文献】特開2021-137409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内にいる人の心拍を測定する心拍センサと、
上記屋内にいる人に対して、上記屋内に配置された植物に関する設問を表示する表示部と、
上記設問に対する回答を入力するための入力部と、
制御部と、を備え、
上記制御部は、少なくとも、上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答に基づき、上記屋内に配置された植物の配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成し、
上記表示部は、上記制御部で生成された提案情報を表示するインドアグリーン提案システム。
【請求項2】
上記制御部は、
上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する判断処理を実行し、
上記判断処理でリラックス状態でないと判断したことに応じて、リラックス状態でない原因を上記入力部から入力された回答に基づき推定する推定処理を実行し、
上記推定処理で植物の配置位置が原因であると推定したことに応じて、植物の配置位置を含む上記提案情報を生成する配置位置提案処理を実行し、
上記推定処理で植物の種類が原因であると推定したことに応じて、植物の種類を含む上記提案情報を生成する種類提案処理を実行する請求項1に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項3】
上記制御部は、上記判断処理において、上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人の副交感神経指標を取得し、取得された上記副交感神経指標に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する請求項2に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項4】
上記屋内にいる人が着席状態であるか否かを検知する着座センサをさらに備え、
上記制御部は、上記判断処理において、上記屋内にいる人が着席状態になったことを上記着座センサが検知した時点から所定時間経過した後の上記心拍センサの出力信号に基づき、上記副交感神経指標を取得する請求項3に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項5】
上記表示部は、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問と、当該植物の世話に関する設問と、上記屋内にいる人が受けたストレスに関する設問とを表示する請求項1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項6】
上記表示部は、少なくとも、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問とを表示し、
上記制御部は、上記推定処理において、上記入力部から入力された上記2種類の設問に対する回答に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態でない原因を推定する請求項2に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項7】
上記屋内に配置された植物を含む画像を撮影するカメラをさらに備え、
上記制御部は、
上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の育成状況を示す育成状況情報を取得し、
少なくとも、取得された上記育成状況情報、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成する請求項1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項8】
上記制御部は、上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の葉の色および落葉の枚数の少なくとも一方を含む上記育成状況情報を取得する請求項7に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項9】
上記屋内における植物の配置位置の照度を測定する照度センサをさらに備え、
上記制御部は、
上記照度センサで測定された照度に基づき日照時間を取得し、
少なくとも、取得された上記日照時間、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成する請求項1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項10】
上記制御部は、上記屋内を複数のエリアに分割し、取得された上記日照時間に基づき照度不足と判断したことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリアを含む上記提案情報を生成する請求項9に記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項11】
上記制御部は、
上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答を含むデータを所定の変換規則に従い得点に変換する変換処理と、
上記変換処理で得られた得点に基づき、評価値を算出する算出処理と、
上記算出処理で算出された評価値に基づき、上記提案情報を生成する提案処理とを実行する請求項1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【請求項12】
上記制御部は、植物の種類および特徴を記憶したデータベースを参照して、植物の種類を含む上記提案情報を生成する請求項1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内に配置される植物であるインドアグリーンに関し、より特定的には、インドアグリーンに関する提案を行うインドアグリーン提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋内に配置された植物を鑑賞して楽しむことが広く行われている。屋内に配置された植物は、「インドアグリーン」と呼ばれる。インドアグリーンは、鑑賞する人に癒やしや安らぎを与える。最近では、在宅時間の増加に伴い、住宅の居室内にインドアグリーンを配置する人が増加している。また、利用者にインドアグリーンを貸し出すレンタルサービスも増加している。
【0003】
本願発明に関連して、特許文献1には、ユーザ自身に関する情報を示すユーザデータと、ユーザの周囲の環境に関する情報を示す環境データと、ユーザの意向を示す意向データとを取得し、これらのデータに基づいて、ユーザを支援する目的で使用されるユーザ支援データを生成して出力するユーザ支援装置が記載されている。特許文献1には、ユーザ支援装置から出力されるユーザ支援データは、観葉植物を購入するサービスに関するデータであってもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-68807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インドアグリーンについては、どのような種類の植物をどのような位置に配置するかによって、人に与える効果が大きく異なる。しかしながら、特許文献1に記載のユーザ支援装置は、観葉植物を購入するサービスに関するデータを出力するものの、植物の配置位置や種類を提案するデータを出力するものではない。また、このユーザ支援装置は、植物の生育状態を取得せずにユーザ支援データを生成するので、好適な提案を行うことができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インドアグリーンの配置位置および種類を好適に提案できる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明のインドアグリーン提案システムは、屋内にいる人の心拍を測定する心拍センサと、上記屋内にいる人に対して、上記屋内に配置された植物に関する設問を表示する表示部と、上記設問に対する回答を入力するための入力部と、制御部と、を備えている。上記制御部は、少なくとも、上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答に基づき、上記屋内に配置された植物の配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成し、上記表示部は、上記制御部で生成された提案情報を表示する。
【0008】
上記のインドアグリーン提案システムによれば、屋内にいる人の心拍、および、その人による、屋内に配置された植物に関する設問に対する回答に基づき、屋内に配置された植物の配置位置や種類を含む提案情報を生成して表示することにより、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0009】
(2) 好ましくは、上記制御部は、上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する判断処理を実行し、上記判断処理でリラックス状態でないと判断したことに応じて、リラックス状態でない原因を上記入力部から入力された回答に基づき推定する推定処理を実行し、上記推定処理で植物の配置位置が原因であると推定したことに応じて、植物の配置位置を含む上記提案情報を生成する配置位置提案処理を実行し、上記推定処理で植物の種類が原因であると推定したことに応じて、植物の種類を含む上記提案情報を生成する種類提案処理を実行してもよい。
【0010】
上記の構成によれば、屋内にいる人の心拍に基づき、その人がリラックス状態であるか否かを判断できる。また、リラックス状態でない場合に、その原因を推定して、植物の配置位置や種類を含む提案情報を生成して表示することにより、リラックス状態でない原因を解消できるインドアグリーンの配置位置や種類を提案できる。
【0011】
(3) 好ましくは、上記制御部は、上記判断処理において、上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人の副交感神経指標を取得し、取得された上記副交感神経指標に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断してもよい。
【0012】
上記の構成によれば、屋内にいる人の心拍に基づく副交感神経指標に基づき、その人がリラックス状態であるか否かを的確に判断できる。
【0013】
(4) 好ましくは、上記インドアグリーン提案システムは、上記屋内にいる人が着席状態であるか否かを検知する着座センサをさらに備え、上記制御部は、上記判断処理において、上記屋内にいる人が着席状態になったことを上記着座センサが検知した時点から所定時間経過した後の上記心拍センサの出力信号に基づき、上記副交感神経指標を取得してもよい。
【0014】
上記の構成によれば、屋内にいる人が着席してから所定時間経過した後の心拍に基づき、正確な副交感神経指標を取得し、その人がリラックス状態であるか否かを的確に判断できる。
【0015】
(5) 好ましくは、上記表示部は、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問と、当該植物の世話に関する設問と、上記屋内にいる人が受けたストレスに関する設問とを表示してもよい。
【0016】
上記の構成によれば、屋内にいる人による、4種類の設問に対する回答に基づき、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0017】
(6) 好ましくは、上記表示部は、少なくとも、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問とを表示し、上記制御部は、上記推定処理において、上記入力部から入力された上記2種類の設問に対する回答に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態でない原因を推定してもよい。
【0018】
上記の構成によれば、屋内にいる人による、2種類の設問に対する回答に基づき、その人がリラックス状態でない原因を推定できる。
【0019】
(7) 好ましくは、上記インドアグリーン提案システムは、上記屋内に配置された植物を含む画像を撮影するカメラをさらに備え、上記制御部は、上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の育成状況を示す育成状況情報を取得し、少なくとも、取得された上記育成状況情報、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成してもよい。
【0020】
上記の構成によれば、屋内に配置された植物を撮影した画像に基づき、植物の育成状況情報を取得し、植物の育成状況情報を参照して、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0021】
(8) 好ましくは、上記制御部は、上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の葉の色および落葉の枚数の少なくとも一方を含む上記育成状況情報を取得してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、屋内に配置された植物を撮影した画像に基づき、植物の葉の色や落葉の枚数を含む育成状況情報を取得し、これに基づき、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0023】
(9) 好ましくは、上記インドアグリーン提案システムは、上記屋内における植物の配置位置の照度を測定する照度センサをさらに備え、上記制御部は、上記照度センサで測定された照度に基づき日照時間を取得し、少なくとも、取得された上記日照時間、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成してもよい。
【0024】
上記の構成によれば、植物の配置位置における日照時間を参照して、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0025】
(10) 好ましくは、上記制御部は、上記屋内を複数のエリアに分割し、取得された上記日照時間に基づき照度不足と判断したことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリアを含む上記提案情報を生成してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、照度不足と判断されたことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリアを提案できる。
【0027】
(11) 好ましくは、上記制御部は、上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答を含むデータを所定の変換規則に従い得点に変換する変換処理と、上記変換処理で得られた得点に基づき、評価値を算出する算出処理と、上記算出処理で算出された評価値に基づき、上記提案情報を生成する提案処理とを実行してもよい。
【0028】
上記の構成によれば、屋内にいる人の心拍、その人による設問に対する回答を含むデータを得点に変換し、得られた得点に基づき評価値を算出することにより、算出された評価値に基づき提案情報を容易に生成できる。
【0029】
(12) 好ましくは、上記制御部は、植物の種類および特徴を記憶したデータベースを参照して、植物の種類を含む上記提案情報を生成してもよい。
【0030】
上記の構成によれば、植物の種類および特徴を記憶したデータベースを参照することにより、インドアグリーンとして好適な植物の種類を提案できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、インドアグリーンの配置位置および種類を好適に提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、実施形態に係るインドアグリーン提案システム1の構成を示すブロック図である。
図2図2は、インドアグリーン提案システム1が処理対象とする居室50の平面図である。
図3図3は、インドアグリーン提案システム1の制御部11、31の概略動作を示すフローチャートである。
図4図4は、インドアグリーン提案システム1の制御部11の動作を示すフローチャートである。
図5図5(A)~(C)は、それぞれ、インドアグリーン提案システム1の表示部16に表示される設問画面61~63を示す図である。
図6図6は、インドアグリーン提案システム1の制御部31の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、インドアグリーン提案システム1の記憶部33に記憶される入力データベース41を示す図である。
図8図8は、記憶部33に記憶される変換規則テーブル42を示す図である。
図9図9は、記憶部33に記憶される得点データベース43を示す図である。
図10図10は、記憶部33に記憶される植物データベース44を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面が参照されて、本発明の実施形態に係るインドアグリーン提案システムについて説明される。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0034】
[システムの概要]
図1に示されるように、実施形態に係るインドアグリーン提案システム1は、端末装置10、心拍センサ21、カメラ22、照度センサ23、着座センサ24、およびサーバ30を備えている。インドアグリーン提案システム1は、屋内に配置される植物(インドアグリーン)の配置位置および種類を提案する。端末装置10、心拍センサ21、カメラ22、照度センサ23、および着座センサ24は、植物が配置される屋内(例えば、住宅の居室内)に設けられる。サーバ30は、例えば、インドアグリーンをレンタルする会社内に設けられる。端末装置10とサーバ30とは、インターネットなどの通信ネットワーク2を介して通信可能に接続される。
【0035】
[居室の例]
以下、図2に示される居室50内にインドアグリーンが配置されている場合について説明される。居室50は、格子状に9個のエリア51に分割される。9個のエリア51のうち中央のエリアをM、残り8個のエリアをそれぞれA~Hという。
【0036】
図2に示される状態では、エリアMには、ソファ52およびテーブル53が配置されている。エリアB内の壁際には、テレビ54が配置されている。エリアCは、室内扉55の移動領域(扇形で示す)を含む。エリアDの壁には、屋外窓56が設けられている。エリアMを除く8個のエリアA~Hが、インドアグリーンの配置位置の候補となる。
【0037】
エリアCは、室内扉55の移動領域を含むので、人が通行しにくいエリアである。エリアGにインドアグリーンを配置すると、人の通行が妨げられるので、エリアGも人が通行しにくいエリアである。エリアBにインドアグリーンを配置すると、ソファ52に座った利用者のテレビ54の視聴が妨げられるので、エリアBはインドアグリーンを配置しないことが好ましいエリアである。残りの5個のエリアA、D、E、F、およびHは、利用者がインドアグリーンの世話をしやすいエリアである。このうち、屋外窓56に接するエリアDは、日当たりが良いエリアである。図2に示される状態では、インドアグリーン57は、エリアHに配置されている。なお、居室50内は屋内の一例であり、利用者は屋内にいる人の一例であり、インドアグリーン57は屋内に配置された植物の一例である。
【0038】
居室50のエリア51に関する情報であるエリア情報は、後述される記憶部33に記憶される。エリア情報は、居室50の間取りと、エリア51の特徴と、エリア51の前後左右関係と、を含む。エリア51の特徴には、エリアA~Hに対して予め設定される世話をしやすいエリア、通行を妨げるエリア、および日当たりの良いエリアの情報を含む、上述のエリアA~Hの情報が含まれる。エリア51の前後左右関係は、ソファ52のあるエリアMを中心とし、ソファ52に座った利用者の目線方向を前方として設定される。エリア情報は、記憶部13にも記憶されていてもよい。
【0039】
[システムの構成]
図1に示されるように、サーバ30は、制御部31および通信部34を備えている。制御部31は、CPU32および記憶部33を含んでいる。CPU32、記憶部33、および通信部34は、サーバ30内のバス38に接続されている。サーバ30は、任意の種類のコンピュータである。
【0040】
CPU32は、サーバ30の動作を制御する。記憶部33は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどを含む。記憶部33は、CPU32が実行するプログラムを記憶すると共に、CPU32の作業用メモリとして機能する。記憶部33には、入力データベース41、変換規則テーブル42、得点データベース43、植物データベース44(詳細は後述)などが記憶されている。通信部34は、通信ネットワーク2に接続される。制御部31は、通信部34を制御して、サーバ30以外の装置(端末装置10など)と通信を行う。
【0041】
端末装置10は、制御部11、通信部14、入力部15、表示部16、およびインタフェース部17(図1ではI/F部と記載)を備えている。制御部11は、CPU12および記憶部13を含んでいる。CPU12、記憶部13、通信部14、入力部15、表示部16、およびインタフェース部17は、端末装置10内のバス18に接続されている。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ポータブル型パーソナルコンピュータ、据置型パーソナルコンピュータなどである。
【0042】
CPU12は、端末装置10の動作を制御する。記憶部13は、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなどを含む。記憶部13は、CPU12が実行するプログラムを記憶すると共に、CPU12の作業用メモリとして機能する。記憶部13には、CPU12が実行するプログラムとして、端末アプリケーションプログラム19が記憶されている。入力部15は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボードなどである。入力部15は、利用者からの入力を受け取る。入力部15からの入力は、CPU12に供給される。表示部16は、CPU12からの制御に従い、各種の画面を表示する。通信部14は、通信ネットワーク2に接続される。制御部11は、通信部14を制御して、端末装置10以外の装置(サーバ30など)と通信を行う。
【0043】
心拍センサ21および着座センサ24は、ソファ52に取り付けられる。例えば、心拍センサ21はソファ52の肘掛けに設けられ、着座センサ24はソファ52の座面の下に設けられる。着座センサ24は、利用者がソファ52に着席した状態であるかを検知し、検知結果を示す信号X4を出力する。心拍センサ21は、ソファ52に座った利用者の心拍を測定し、測定結果を示す信号X1を出力する。カメラ22は、居室50内の全体を撮影するために、例えば、居室50の天井の中央付近に設けられる。カメラ22は、インドアグリーン57を含む居室50内を撮影し、画像信号X2を出力する。照度センサ23は、インドアグリーン57の配置位置に設けられる。照度センサ23は、例えば、インドアグリーン57を収容する容器に取り付けられる。照度センサ23は、インドアグリーン57の配置位置の照度を測定し、測定結果を示す信号X3を出力する。
【0044】
心拍センサ21、カメラ22、照度センサ23、および着座センサ24は、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信、またはUSB(登録商標)などの有線通信によって、端末装置10のインタフェース部17に接続される。心拍センサ21の出力信号X1、カメラ22から出力された画像信号X2、照度センサ23の出力信号X3、および着座センサ24の出力信号X4は、インタフェース部17を経由してCPU12に供給される。
【0045】
[制御部の概略動作]
制御部11、31は、インドアグリーン提案システム1の制御部の一例である。インドアグリーン提案システム1の制御部は、概ね、図3に示すフローチャートに従い動作する。以下の概略動作の説明では、制御部11、31を合わせて制御部という。
【0046】
制御部は、まず、センサの出力信号、画像信号、および利用者からの回答を受け取る(S1)。制御部は、S1において、心拍センサ21の出力信号X1、カメラ22から出力された画像信号X2、照度センサ23の出力信号X3、着座センサ24の出力信号X4、および利用者により入力部15から入力された回答を受け取る。
【0047】
次に、制御部は、心拍センサ21の出力信号X1に基づき、利用者がリラックス状態であるか否か判断する(S2)。制御部は、利用者がリラックス状態であると判断した場合には(S2:Yes)S1へ進み、利用者がリラックス状態でないと判断した場合には(S2:No)S3へ進む。
【0048】
後者の場合、制御部は、S1で受け取った利用者からの回答に基づき、利用者がリラックス状態でない原因を推定する(S3)。次に、制御部は、推定された原因がインドアグリーン57(図3では植物と記載)の配置位置であるか否かを判断する(S4)。制御部は、インドアグリーン57の配置位置が原因であると判断した場合には(S4:Yes)S5へ進み、インドアグリーン57の配置位置が原因ではないと判断した場合には(S4:No)S6へ進む。前者の場合、制御部は、S1で受け取ったデータに基づき、インドアグリーン57の配置位置を含む提案情報を生成し(S5)、S6へ進む。
【0049】
次に、制御部は、推定された原因がインドアグリーン57の種類であるか否かを判断する(S6)。制御部は、インドアグリーン57の種類が原因であると判断した場合には(S6:Yes)S7へ進み、インドアグリーン57の種類が原因ではないと判断した場合には(S6:No)S8へ進む。前者の場合、制御部は、S1で受け取ったデータに基づき、インドアグリーン57の種類を含む提案情報を生成し(S7)、S8へ進む。
【0050】
次に、制御部は、S5およびS7で生成された提案情報を表示部16に表示させ(S8)、S1へ進む。制御部は、S1からS8を繰り返し実行する。
【0051】
[センサの出力信号と画像信号の処理]
心拍センサ21の出力信号X1は、ソファ52に座った利用者の心拍を示す波形信号である。制御部11は、心拍センサ21の出力信号X1について、信号レベルが極大となる時間の間隔(以下、R-R間隔という)を心拍データとして求める。
【0052】
カメラ22から出力される画像信号X2は、赤色成分、緑色成分、および青色成分を含むカラー画像信号である。各色成分の最小値は0、最大値は255である。制御部11は、画像信号X2に対して画像処理を行うことにより、居室50を撮影した画像内でインドアグリーン57を含む領域を特定する。制御部11は、特定した部分の色を統計的手法で解析することにより、インドアグリーン57の葉の色を求める。制御部11は、例えば、特定した部分の赤色成分の代表値(例えば、平均値や最頻値)を葉の色とする。
【0053】
制御部11は、特定した部分の周辺を含む拡大部分の画像に対して画像処理を行うことにより、インドアグリーン57から落ちた落葉の枚数を求める。制御部11は、予め指定された落葉の色の範囲、および居室50内の床の色に基づき、画像から落葉1枚分の領域を検出し、所定の測定期間内に検出された落葉の枚数を数える。
【0054】
カメラ22による画像の撮影は、指定したタイミング(落葉を掃除する直前のタイミング)で行われてもよい。インドアグリーン57から葉が落ちることは、カメラ22で常時監視されている。制御部11は、カメラ22による監視中に落葉がすべてなくなった(落葉が掃除された)ことを検知したときに、なくなる前の落葉の枚数を記憶部13に記憶させ、記憶された落葉の枚数の合計を算出することにより、1日の間に落ちた落葉の枚数を求める。これに代えて、利用者が、落葉を掃除する直前に、端末装置10に設けられたスイッチを押すなどすることにより、カメラ22に撮影を指示してよい。
【0055】
照度センサ23の出力信号X3は、インドアグリーン57の配置位置における照度を示す波形信号である。制御部11は、照度センサ23の出力信号X3に基づき、1日の中で照度が所定の閾値(例えば、5,000lx)以上である時間の長さ(単位は分)を日照時間として求める。制御部11は、求めた心拍データ、葉の色、落葉の枚数、および日照時間を記憶部13に記憶させる。
【0056】
[制御部11の動作]
端末装置10の制御部11は、記憶部13に記憶された端末アプリケーションプログラム19を実行することにより、図4に示される動作を行う。制御部11は、1日に1回、日没後に(例えば19時以降に)、図4に示される動作を行う。
【0057】
制御部11は、まず、利用者がソファ52に着席したか否かを判断する(S11)。制御部11は、S11において、着座センサ24の出力信号X4が、非着席を示すレベルから着席を示すレベルに変化した場合に、利用者がソファ52に着席したと判断する。制御部11は、利用者が着席していないと判断した場合には(S11:No)S11へ進み、利用者が着席したと判断した場合には(S11:Yes)S12へ進む。
【0058】
後者の場合、制御部11は、心拍センサ21の電源を投入する(S12)。制御部11がS12を実行した以降、心拍センサ21は、ソファ52に着席している利用者の心拍を測定し、出力信号X1を出力する。
【0059】
次に、制御部11は、利用者がソファ52に着席してから10分間経過したか否かを判断する(S13)。制御部11は、10分間経過していないと判断した場合には(S13:No)S13へ進み、10分間経過したと判断した場合には(S13:Yes)S14へ進む。
【0060】
後者の場合、制御部11は、心拍データの記録を開始する(S14)。制御部11は、S14を実行した以降、心拍センサ21の出力信号X1に基づき、心拍データとしてR-R間隔を求め、求めた心拍データを記憶部13に記憶させる。
【0061】
次に、制御部11は、利用者に対する設問を表示部16に表示させる(S15)。制御部11は、最初にS15を実行する場合には、図5(A)に示される設問画面61を表示部16に表示させ、2回目にS15を実行する場合には、図5(B)に示される設問画面62を表示部16に表示させ、3回目にS15を実行する場合には、図5(C)に示される設問画面63を表示部16に表示させる。
【0062】
設問画面61(図5(A))は、植物の配置位置に関する5個の設問、各設問に対する回答の選択肢、各選択肢に対応するラジオボタン(円で示す)、および「次へ」と記載されたボタン64を含んでいる。回答の選択肢は、「不満」、「やや不満」、および「問題ない」の3個である。
【0063】
設問画面62(図5(B))は、植物の種類に関する5個の設問、各設問に対する回答の選択肢、各選択肢に対応するラジオボタン、および「次へ」と記載されたボタン65を含んでいる。回答の選択肢は、設問1の場合と同じである。
【0064】
設問画面63(図5(C))は、日常のストレスに関する設問3、設問3に対する回答の選択肢、植物の世話に関する設問4、設問4に対する回答の選択肢、各選択肢に対応するラジオボタン、および「送信」と記載されたボタン66を含んでいる。設問3に対する回答の選択肢は、「感じた」および「感じなかった」の2個である。設問4に対する回答の選択肢は、「した」および「しなかった」の2個である。
【0065】
利用者は、表示部16に表示された設問画面61~63を視て入力部15を操作することにより、設問に対する回答を入力する。利用者は、設問画面61に含まれる5個の設問に対する回答を入力した後にボタン64を押し、設問画面62に含まれる5個の設問に対する回答を入力した後にボタン65を押し、設問画面63に含まれる2個の設問に対する回答を入力した後にボタン66を押す。
【0066】
制御部11は、利用者から入力された回答を受け取る(S16)。制御部11は、最初にS16を実行する場合には、設問画面61に含まれる5個の設問に対する5個の回答を受け取り、2回目にS16を実行する場合には、設問画面62に含まれる5個の設問に対する5個の回答を受け取り、3回目にS16を実行する場合には、設問画面63に含まれる2個の設問に対する回答を受け取る。制御部11は、利用者から入力された、全部で12個の設問に対する回答を記憶部13に記憶させる。
【0067】
制御部11がS15を実行している間、表示部16は、利用者に対して、インドアグリーン57に関する設問を表示する。入力部15は、利用者が表示部16に表示された設問に対する回答を入力するために用いられる。
【0068】
次に、制御部11は、最後の設問であるか否かを判断する(S17)。制御部11は、S17において、ボタン66が押されたか否かを判断することにより、最後の設問であるか否かを判断する。制御部11は、最後の設問でないと判断した場合には(S17:No)S15へ進み、最後の設問であると判断した場合には(S17:No)S18へ進む。
【0069】
後者の場合、制御部11は、心拍データの記録を終了する(S18)。制御部11は、S18において、心拍センサ21の出力信号X1に基づき心拍データを求める処理を終了し、心拍センサ21の電源をオフにする。
【0070】
なお、心拍データの記録の終了は、利用者がソファ52から離席した後に行われてもよい。例えば、制御部11は、着座センサ24の出力信号X4が、着席を示すレベルから非着席を示すレベルに変化した場合に、利用者がソファ52から離席したと判断し、当該判断がされた後に心拍データの記録を終了してもよい。
【0071】
次に、制御部11は、サーバ30へ心拍データ、回答、葉の色、落葉の枚数、および日照時間を送信する(S19)。制御部11は、S19において、通信部14を制御することにより、これらのデータをインドアグリーン57の配置位置および種類と共にサーバ30へ送信する。なお、心拍データは、心拍センサ21の出力信号X1に基づき制御部11が求めたものである。回答は、利用者が入力部15を用いて入力したものである。葉の色、および落葉の枚数は、カメラ22から出力される画像信号X2に基づき制御部11が求めたものである。日照時間は、照度センサ23の出力信号X3に基づき制御部11が求めたものである。
【0072】
次に、制御部11は、サーバ30から提案情報を受信する(S20)。制御部11は、S20において、通信部14を制御することにより、サーバ30で生成された提案情報を受信する。
【0073】
次に、制御部11は、提案情報を表示部16に表示させる(S21)。制御部11がS21を実行している間、表示部16は、制御部31で生成された提案情報を表示する。利用者は、表示部16に表示された提案情報を視て、インドアグリーン57の配置位置を変更する。あるいは、利用者は、表示部16に表示された提案情報を視て、インドアグリーン57のレンタル会社にインドアグリーン57の種類の変更を連絡する。レンタル会社への連絡には、例えば、電話、電子メール、連絡用のアプリケーションプログラムなどが用いられる。制御部11は、S21を実行した後、図4に示される動作を終了する。
【0074】
提案情報に含まれる新たなインドアグリーン57の配置位置または種類は、記憶部13に記憶される。なお、提案情報に沿ってインドアグリーン57の配置位置または種類が変更されたことを確定する処理が行われた場合に、記憶部13に新たなインドアグリーン57の配置位置または種類が記憶されてもよい。当該確定処理は、利用者が入力部15を介して変更を確定する入力を行った後に行われてもよい。
【0075】
[制御部31の動作]
サーバ30の制御部31は、図6に示される動作を行う。制御部31は、まず、端末装置10から心拍データ、回答、葉の色、落葉の枚数、および日照時間を受信する(S31)。制御部31は、S31において、通信部34を制御することにより、これらのデータをインドアグリーン57の配置位置および種類と共に端末装置10から受信する。制御部31は、端末装置10からデータを受信するたびに、S32以降の動作を行う。
【0076】
次に、制御部31は、S31で受信した心拍データに基づき、副交感神経指標を取得する(S32)。副交感神経指標(CVI:Cardiac Vagal Index)は、副交感神経の働きの程度を示す指標値であり、この値が大きいほど、人はリラックスしていると言える。副交感神経指標は、心拍データであるR-R間隔に基づき求められる。
【0077】
次に、制御部31は、受信または取得したデータを入力データベース41に記憶させる(S33)。制御部31は、S33において、S31で受信した回答、葉の色、落葉の枚数、および日照時間、並びに、S32で取得した副交感神経指標を入力データベース41に記憶させる。
【0078】
入力データベース41には、例えば、図7に示される態様でデータが記憶される。図7において、1行のデータは、1日分のデータであり、制御部31がS33を1回実行することにより記憶される。入力データベース41において、「副交感神経指標」のデータは、S32で取得されたものである。「配置位置評価(1)~(5)」のデータは、S31で端末装置10から受信された、設問画面61に含まれる5個の設問に対する回答である。「種類評価(1)~(5)」のデータは、S31で端末装置10から受信された、設問画面62に含まれる5個の設問に対する回答である。
【0079】
「日常ストレス」のデータは、S31で端末装置10から受信された、設問画面63に含まれる設問3に対する回答である。「あり」は選択肢「感じた」に対応し、「なし」は選択肢「感じなかった」に対応する。「世話の有無」のデータは、S31で端末装置10から受信された、設問画面63に含まれる設問4に対する回答である。円印は選択肢「した」に対応し、バツ印は選択肢「しなかった」に対応する。「葉の色」のデータは、制御部11で取得され、S31で端末装置10から受信された葉の色である。「落葉の枚数」のデータは、制御部11で取得され、S31で端末装置10から受信された落葉の枚数である。「日照時間」のデータは、制御部11で取得され、S31で端末装置10から受信された日照時間である。
【0080】
次に、制御部31は、データを得点に変換し、得点データベース43に記憶させる(S34)。制御部31は、S34において、入力データベース41に記憶されたデータを、例えば以下に示される変換規則に従い得点に変換し、得られた得点を得点データベース43に記憶させる。
【0081】
制御部31は、所定の期間(本実施形態では、前日から遡って30日間)の副交感神経指標の平均値を求め、当日の副交感神経指標が平均値より高い場合には、平均値より2%高くなるごとに1点高くなる得点を求め、当日の副交感神経指標が平均値より低い場合には、平均値より2%低くなるごとに1点低くなる得点を求める。例えば、当日の副交感神経指標が平均値より5%低い場合には、得点は-2点となる。
【0082】
制御部31は、配置位置評価および種類評価のデータについては、「不満」を-2点に、「やや不満」を-1点に、「問題ない」を0点に変換する。制御部31は、日常ストレスが「あり」の場合には、副交感神経指標の得点を0点にする。制御部31は、世話の有無のデータについては、円印で示される「した」を0点に、バツ印で示される「しなかった」を-1点に変換する。
【0083】
図8に示される変換規則テーブル42は、葉の色のデータと落葉の枚数のデータとの組み合わせに対応する得点を記憶している。制御部31は、葉の色について、赤色成分が150未満である場合には「緑色」、赤色成分が150以上200未満である場合には「中間色」、赤色成分が200以上である場合には「茶色」と判断する。制御部31は、葉の色が緑色、中間色、および、茶色のうちいずれであるかと、落葉の枚数との組み合わせに対応する得点を変換規則テーブル42から読み出して、育成状況に関する得点とする。例えば、葉の色が茶色と判断され、落葉の枚数が3枚の場合、育成状況に関する得点は-3点となる。
【0084】
制御部31は、日照時間が所定の時間(例えば、30分)以上である場合には得点を0点とし、日照時間が所定の時間未満である場合には得点を-1点とする。
【0085】
制御部31は、副交感神経指標に関する得点、配置位置評価に関する得点、種類評価に関する得点、日常ストレスに関する得点、世話の有無に関する得点、育成状況に関する得点、および日照時間に関する得点を、図9に示される得点データベース43に記憶させる。
【0086】
制御部31は、これらの得点と共に、S31で受信された植物の配置位置および種類を得点データベース43に記憶させる。さらに、制御部31は、今回のS31で得点データベース43に記憶した植物の配置位置および種類と前回(具体的には、前日)のS31で記憶した植物の配置位置および種類とを比較し、植物の配置位置および種類のうち少なくとも一方に変更があった場合、合計リセットの処理を実行する。合計リセットは、前日以前に得点データベース43に記憶された得点の合計を0にする処理である。具体的には、前日以前の副交感神経指標の得点の合計、配置位置評価(1)~(5)の得点の合計、種類評価(1)~(5)の得点の合計、世話の有無の得点の合計、育成状況の得点の合計、および日照時間の得点の合計をそれぞれ0にする。得点データベース43には、合計リセットが実行されたことも記憶される。
【0087】
次に、制御部31は、得点データベース43に記憶された得点に基づき、評価値を取得する(S35)。制御部31は、S35において、所定の期間(本実施形態では、当日から遡って30日間)の得点の合計を評価値とする。具体的には、制御部31は、副交感神経指標に関する30日間の得点の合計を評価値P1、配置位置評価に関する30日間の得点の合計を評価値P2、種類評価に関する30日間の得点の合計を評価値P3、世話の有無に関する30日間の得点の合計を評価値P4、育成状況に関する30日間の得点の合計を評価値P5、日照時間に関する30日間の得点の合計を評価値P6とする。
【0088】
なお、当日から遡って30日以内に合計リセットが実行されていた場合、評価値は、当日から遡って合計リセットが実行されるまでの得点の合計となる。例えば、今回のS31で合計リセットが実行された場合、今回のS31で得点データベース43に記憶された得点が評価値P1~P6となる。
【0089】
次に、制御部31は、評価値P1(副交感神経指標に関する評価値)が-10点未満であるか否かを判断する(S36)。制御部31は、評価値P1が-10点未満である場合には(S36:Yes)、利用者がリラックス状態でないと判断してS37へ進む。制御部31は、評価値P1が-10点未満でない場合には(S36:No)、利用者はリラックス状態であると判断してS52へ進む。
【0090】
前者の場合、制御部31は、評価値P2(配置位置評価に関する評価値)と評価値P3(種類評価に関する評価値)とを比較する(S37)。制御部31は、評価値P2が評価値P3未満である場合には(S37:P2<P3)、利用者がリラックス状態でない原因はインドアグリーン57の配置位置であると判断しS51へ進む。制御部31は、評価値P3が評価値P2未満である場合には(S37:P2>P3)、利用者がリラックス状態でない原因はインドアグリーン57の種類であると判断してS41へ進む。
【0091】
後者の場合、制御部31は、評価値P5(育成状況に関する評価値)が-6点以下であるか否かを判断する(S41)。制御部31は、評価値P5が-6点以下である場合には(S41:Yes)、育成状況は良くないと判断してS42へ進む。制御部31は、評価値P5が-6点以下でない場合には(S41:No)、育成状況は良いと判断してS45へ進む。
【0092】
前者の場合、制御部31は、評価値P6(日照時間に関する評価値)が-5点以下であるか否かを判断する(S42)。制御部31は、評価値P6が-5点以下である場合には(S42:Yes)、照度不足であると判断してS46へ進む。制御部31は、評価値P6が-5点以下でない場合には(S42:No)、照度不足でないと判断してS43へ進む。
【0093】
後者の場合、制御部31は、評価値P4(世話の有無に関する評価値)が-3点以下であるか否かを判断する(S43)。制御部31は、評価値P4が-3点以下である場合には(S43:Yes)、世話が十分でないと判断してS44へ進む。制御部31は、評価値P4が-3点以下でない場合には(S43:No)、世話は十分であると判断してS45へ進む。
【0094】
制御部31は、S37でP2<P3と判断した場合にS51に到達する。この場合、制御部31は、利用者がリラックスできない原因はインドアグリーン57の配置位置であると推定する。そこで、制御部31は、インドアグリーン57の新たな配置位置を提案するために、配置位置を取得する処理を行う(S51)。
【0095】
制御部31は、S37でP2>P3と判断し、かつ、S41およびS42でYesと判断した場合にS46に到達する。この場合、制御部31は、利用者がリラックスできない原因はインドアグリーン57の種類であると推定し、育成状況は悪く、日照不足であると判断する。そこで、制御部31は、日当たりの良いエリア(図2ではエリアD)を優先する処理を行い(S46)、S51へ進む。制御部31は、S51において、日当たりの良いエリアを優先して、配置位置を取得する処理を行う。
【0096】
制御部31は、S37でP2>P3と判断し、かつ、S41でNoと判断した場合、または、S37でP2>P3と判断し、S41でYes、S42およびS43でNoと判断した場合にS45に到達する。この場合、制御部31は、利用者がリラックスできない原因はインドアグリーン57の種類であると推定し、育成状況は良いか、または、育成状況は悪いが、照度不足でなく、世話は十分であると判断する。そこで、制御部31は、インドアグリーン57の新たな種類を提案するために、種類を取得する処理を行う(S45)。
【0097】
制御部31は、S37でP2>P3と判断し、かつ、S41でYes、S42でNo、S43でYesと判断した場合にS44に到達する。この場合、制御部31は、利用者がリラックスできない原因はインドアグリーン57の種類であると推定し、育成状況は悪く、日照不足でなく、世話が十分でないと判断する。そこで、制御部31は、世話の必要性が小さい種類を優先する処理を行い(S44)、S45へ進む。制御部31は、S45において、世話の必要性が小さい種類を優先して、種類を取得する処理を行う。
【0098】
制御部31は、S37においてP2=P3と判断した場合、まずS41~S46を実行し、続いてS51を実行する。この場合、制御部31は、原則として、種類を取得する処理(S45)と、配置位置を取得する処理(S51)との両方を行う。制御部31は、S36でNoと判断した場合にS52に到達する。この場合、制御部31は、インドアグリーン57の配置位置および種類を変更しないことに決定する(S52)。
【0099】
制御部31は、S45、S51、およびS52のいずれかを実行した後、S53へ進む。次に、制御部31は、提案情報を生成する(S53)。制御部31は、S45を実行した後のS53では、S45で取得されたインドアグリーン57の種類を含む提案情報を生成する。制御部31は、S51を実行した後のS53では、S51で取得されたインドアグリーン57の配置位置を含む提案情報を生成する。制御部31は、S45およびS51の両方を実行した後のS53では、S45で取得されたインドアグリーン57の種類、およびS51で取得されたインドアグリーン57の配置位置を含む提案情報を生成する。これらの提案情報は、インドアグリーン57の配置位置および種類の少なくとも一方を含む。制御部31は、S52を実行した後のS53では、インドアグリーン57の配置位置および種類を変更しないことを示す提案情報を生成する。
【0100】
次に、制御部31は、端末装置10へ提案情報を送信する(S54)。制御部31は、S54において、通信部34を制御して、S53で生成された提案情報を端末装置10へ送信する。端末装置10の制御部11は、S20(図4)において、サーバ30から送信された提案情報を受信する。
【0101】
なお、制御部31は、S36でNoと判断した場合、S53およびS54を実行しないこととしてもよい。また、以上の説明では、制御部31は、S35において評価値P1~P6をまとめて取得することとしたが、評価値P1~P6を参照する各ステップの前で評価値P1~P6を別々に取得してもよい。例えば、制御部31は、S41の前で評価値P5を取得し、S42の前で評価値P6を取得してもよい。
【0102】
[配置位置提案処理]
制御部31は、S51において、以下の方法により、インドアグリーン57の配置位置を取得する。制御部31は、配置位置評価(1)~(5)と、エリア情報とから、新たな配置位置を取得する。制御部31は、配置位置評価(1)~(5)のそれぞれについて、得点データベース43に記憶された、所定の期間(本実施形態では、当日から遡って30日間)の得点の合計を求め、5個の合計のうちいずれが最小であるかを調べる。
【0103】
設問1(1)「植物が目に入る量が少ない」に対応する配置位置評価(1)の得点の合計が最小である場合、制御部31は、ソファ52より前方のエリアを新たな配置位置とする。ただし、配置位置が居室50の最も前方にある場合には、居室50内の中央に近いエリアを新たな配置位置とする。例えば、制御部31は、現在の配置位置がエリアFである場合には、エリアDを新たな配置位置とし、現在の配置位置がエリアDである場合には、エリアAを新たな配置位置とし、現在の配置位置がエリアAまたはGである場合には、エリアBを新たな配置位置とする。
【0104】
設問1(2)「植物が目に入る量が多い」に対応する配置位置評価(2)の得点の合計が最小である場合、制御部31は、ソファ52より後方のエリアを新たな配置位置とする。ただし、現在の配置位置が既に居室50の最も後方にある場合には、居室50内の中央に近いエリアを新たな配置位置とする。
【0105】
設問1(3)「植物が目に入る方向の左右バランスが悪い」に対応する配置位置評価(3)の得点の合計が最小である場合、制御部31は、ソファ52の左または右に1エリア分だけ移動したエリアを新たな配置位置とする。
【0106】
設問1(4)「植物が世話しにくい位置にある」に対応する配置位置評価(4)の得点の合計が最小である場合、制御部31は、予め設定された世話をしやすいエリアのうちで、現在の配置位置に最も近いエリアを新たな配置位置とする。
【0107】
設問1(5)「植物が通行の邪魔である」に対応する配置位置評価(5)の得点の合計が最小である場合、制御部31は、予め設定された通行を妨げるエリアを除いて、現在の配置位置に最も近いエリアを新たな配置位置とする。
【0108】
制御部31は、S46を実行した後にS51を実行する場合には、予め設定された日当たりの良いエリアを新たな配置位置とする。例えば、図2に示される状態では、制御部31は、エリアDを新たな配置位置とする。
【0109】
[種類提案処理]
図10に示される植物データベース44は、植物のカテゴリーごとに、植物の特徴(高さ、形状、色、香り、および葉の密度)および種類を記憶する。図10において、「H」は背が高いことを示し、「L」は背が低いことを示す。種類の欄には、各カテゴリーに属する植物の名称が記憶されている。名称の後に記載された黒円は日射必要度が小さいことを示し、二重円は世話必要度が小さいことを示す。植物データベース44は、データベースの一例である。
【0110】
制御部31は、S45において、以下の方法により、インドアグリーン57の種類を取得する。制御部31は、種類評価(1)~(5)のそれぞれについて、得点データベース43に記憶された、所定の期間(本実施形態では、当日から遡って合計リセットが実行されるまで)の得点の合計を求め、得点の合計が-7点以下となる特徴を特定する。制御部31は、植物データベース44から、特定された特徴が現在のインドアグリーン57の特徴と異なるカテゴリーを求め、求められたカテゴリーに属する種類を新たな種類とする。ただし、求められたカテゴリーに複数の種類が属する場合、制御部31は、最も過去に取得された種類を新たな種類とする。
【0111】
制御部31は、S44を実行した後にS45を実行する場合には、植物データベース44に記憶された、世話必要度が小さい種類の中から新たな種類を選択する。ただし、植物データベース44に世話必要度が小さい種類が複数記憶されている場合、制御部31は、そのうちで最も過去に取得された種類を新たな種類とする。
【0112】
以上の説明において、図3に示されるS2、S3、S5、およびS7は、それぞれ、判断処理、推定処理、配置位置提案処理、および種類提案処理の一例である。図6に示されるS34およびS35は、それぞれ、変換処理および算出処理の一例であり、S36~S37、S41~S46、およびS51~S52は提案処理の一例である。
【0113】
[実施形態の作用効果]
以上に示されるように、本発明の実施形態に係るインドアグリーン提案システム1では、制御部(制御部11、31)は、少なくとも、心拍センサ21の出力信号X1、および入力部15から入力された回答に基づき、屋内に配置された植物(インドアグリーン57)の配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成し、表示部16は、制御部で生成された提案情報を表示する。したがって、インドアグリーン提案システム1によれば、屋内にいる人(居室50内の利用者)の心拍、および、その人による、屋内に配置された植物に関する設問に対する回答に基づき、屋内に配置された植物の配置位置や種類を含む提案情報を生成して表示することにより、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。
【0114】
また、制御部は、心拍センサ21の出力信号X1に基づき、屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する判断処理(S2)を実行し、リラックス状態でないと判断したことに応じて、その原因を推定する推定処理(S3)を実行し、植物の配置位置が原因であると推定したことに応じて、植物の配置位置を含む提案情報を生成する配置位置提案処理(S5)を実行し、植物の種類が原因であると推定したことに応じて、植物の種類を含む提案情報を生成する種類提案処理(S7)を実行する。したがって、屋内にいる人の心拍に基づき、その人がリラックス状態であるか否かを判断できる。また、リラックス状態でない場合に、その原因を推定して、植物の配置位置や種類を含む提案情報を生成して表示することにより、リラックス状態でない原因を解消できるインドアグリーンの配置位置や種類を提案できる。
【0115】
また、制御部11は、判断処理において、心拍センサ21の出力信号X1に基づき、屋内にいる人の副交感神経指標を取得し、取得された副交感神経指標に基づき、その人がリラックス状態であるか否かを判断する。したがって、屋内にいる人の心拍に基づく副交感神経指標に基づき、その人がリラックス状態であるか否かを的確に判断できる。また、制御部11は、判断処理において、屋内にいる人が着席状態になったことを着座センサ24が検知した時点から所定時間(10分間)経過した後の心拍センサ21の出力信号X1に基づき、副交感神経指標を取得する。したがって、屋内にいる人が着席してから所定時間経過した後の心拍に基づき、正確な副交感神経指標を取得し、その人がリラックス状態であるか否かを的確に判断できる。
【0116】
また、表示部16は、屋内に配置された植物の配置位置に関する設問(設問1)と、当該植物の種類に関する設問(設問2)と、当該植物の世話に関する設問(設問4)と、屋内にいる人が受けたストレスに関する設問(設問3)とを表示する。したがって、屋内にいる人による、4種類の設問に対する回答に基づき、インドアグリーンの好適な配置位置や種類を提案できる。また、表示部16は、少なくとも、屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問とを表示し、制御部31は、推定処理において、入力部15から入力された2種類の設問にする回答に基づき、屋内にいる人がリラックス状態でない原因を推定する。したがって、屋内にいる人による、2種類の設問に対する回答に基づき、その人がリラックス状態でない原因を推定できる。
【0117】
また、制御部は、カメラ22で撮影された画像に基づき、屋内に配置された植物の育成状況を示す育成状況情報を取得し、少なくとも、取得された育成状況情報、心拍センサ21の出力信号X1、および、入力部15から入力された回答に基づき、提案情報を生成する。したがって、屋内に配置された植物を撮影した画像に基づき、植物の育成状況情報を取得し、植物の育成状況情報を参照して、インドアグリーン57の好適な配置位置や種類を提案できる。また、制御部は、カメラ22で撮影された画像に基づき、屋内に配置された植物の葉の色および落葉の枚数の少なくとも一方を含む育成状況情報を取得する。したがって、屋内に配置された植物を撮影した画像に基づき、植物の葉の色や落葉の枚数を含む育成状況情報を取得し、これに基づき、インドアグリーン57の好適な配置位置や種類を提案できる。
【0118】
また、制御部は、照度センサ23で測定された照度に基づき日照時間を取得し、少なくとも、取得された日照時間、心拍センサ21の出力信号X1、および、入力部15から入力された回答に基づき、提案情報を生成する。したがって、植物の配置位置における日照時間を参照して、インドアグリーン57の好適な配置位置や種類を提案できる。また、制御部は、屋内を複数のエリア51に分割し、取得された日照時間に基づき照度不足と判断したことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリア(例えば、エリアD)を含む提案情報を生成する。したがって、照度不足と判断されたことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリアを提案できる。
【0119】
また、制御部は、心拍センサ21の出力信号X1、および入力部15から入力された回答を含むデータを所定の変換規則に従い得点に変換する変換処理(S34)と、変換処理で得られた得点に基づき、評価値P1~P6を算出する算出処理(S35)と、算出処理で算出された評価値P1~P6に基づき、提案情報を生成する提案処理(S36~S37、S41~S46、およびS51~S52)とを実行する。したがって、屋内にいる人の心拍、その人による設問に対する回答などのデータを得点に変換し、得られた得点に基づき評価値を算出することにより、算出された評価値に基づき提案情報を容易に生成できる。
【0120】
また、制御部は、植物の種類および特徴を記憶したデータベース(植物データベース44)を参照して、植物の種類を含む提案情報を生成する。したがって、植物の種類および特徴を記憶したデータベースを参照することにより、インドアグリーン57として好適な植物の種類を提案できる。
【0121】
[変形例]
本実施形態に係るインドアグリーン提案システムについては、各種の変形例を構成できる。変形例に係るインドアグリーン提案システムは、カメラ22および/または照度センサ23を備えていなくてもよい。この変形例では、制御部は、少なくとも、心拍センサ21の出力信号X1、および入力部15から入力された回答に基づき、インドアグリーン57の配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成する。
【0122】
また、変形例に係るインドアグリーン提案システムは、着座センサ24を備えていなくてもよい。この変形例では、制御部は、例えば、利用者が入力部15を操作して着席したことを入力した時点から10分間経過した後の心拍センサ21の出力信号X1に基づき、副交感神経指標を取得する。あるいは、インドアグリーン提案システムが着座センサ24を備えていない場合、制御部は、所定の時点で利用者の心拍データの記録の開始、および利用者に対する設問の表示部16への表示を行ってもよい。例えば、制御部は、人感センサ等のセンサにより植物が配置された屋内(居室50)に人がいることが検知された場合に、当該センサが検知した時点から所定時間経過した後に、心拍データの記録を開始し、表示部16に設問を表示させてもよい。
【0123】
インドアグリーン提案システム1では、制御部11、31が図4および図6に示される機能分担を行うこととした。変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、制御部11、31は上記とは異なる機能分担を行ってもよい。インドアグリーン提案システム1では、制御部11が心拍センサ21の出力信号X1に基づき心拍データを求め、カメラ22から出力される画像信号X2に基づき葉の色、および落葉の枚数を求め、照度センサ23の出力信号X3に基づき日照時間を求めることとした。変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、制御部31がこれらの処理の全部または一部を行うこととしてもよい。
【0124】
変形例に係るインドアグリーン提案システムは、端末装置10を備え、サーバ30を備えていなくてもよい。この変形例では、入力データベース41、変換規則テーブル42、得点データベース43、および植物データベース44は記憶部13に記憶され、制御部11が、図4に示される動作に加えて、図6に示される動作を行う。
【0125】
変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、サーバ30はCPU32を備えておらず、植物データベース44は記憶部33に記憶され、入力データベース41、変換規則テーブル42、および得点データベース43は記憶部13に記憶されてもよい。この変形例でも、制御部11が、図4に示される動作に加えて、図6に示される動作を行う。制御部11は、例えば1日1回、記憶部33に記憶された植物データベース44の全体を読み出し、記憶部13に記憶させる。
【0126】
変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、利用者に対する設問が表示される表示部と、提案情報が表示される表示部とは、異なる表示部であってもよい。例えば、一方の表示部はスマートフォンの表示部であり、他方の表示部はタブレット端末の表示部であってもよい。この場合、2個の表示部は、インドアグリーン提案システムの表示部の一例である。
【0127】
変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、心拍センサ21の出力信号X1、カメラ22から出力された画像信号X2、照度センサ23の出力信号X3は、端末装置10を経由せずにサーバ30に送信されてもよい。この変形例では、制御部31が、これらの信号に対する処理を行う。
【0128】
インドアグリーン提案システム1およびその変形例が処理対象とする居室は、図2に示される居室50に限定されない。居室の形状、広さなどは任意でよい。制御部11は、居室50を任意の個数のエリアに分割してもよい。また、インドアグリーン57の配置位置は、住宅の居室内に限定されない。インドアグリーンは、住宅以外の建物(例えば、店舗、公共施設、ホテル、病院など)の屋内に配置されてもよく、住宅の居室以外の屋内(例えば、廊下、玄関など)に配置されてもよい。
【0129】
変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、表示部16は、図5(A)~(C)に示される12個の設問とは異なる設問を表示してもよい。変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、入力データベース41は図7に示されるデータとは異なるデータを記憶してもよく、得点データベース43は図9に示される得点とは異なる得点を記憶してもよく、植物データベース44は図10に示される種類および特徴とは異なる種類および特徴を記憶していてもよい。
【0130】
変形例に係るインドアグリーン提案システムでは、制御部は、入力データベース41に記憶されたデータを任意の変換規則に従い得点に変換してもよく、得点データベース43に記憶された得点に基づき任意の方法で評価値を取得してもよい。制御部は、図6に示されるS36~S37およびS41~S43とは異なる判断を行い、配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成してもよい。例えば、S36、S41~S43において評価値と比較される閾値は異なる値であってもよい。
【0131】
[付記1]
屋内にいる人の心拍を測定する心拍センサと、
上記屋内にいる人に対して、上記屋内に配置された植物に関する設問を表示する表示部と、
上記設問に対する回答を入力するための入力部と、
制御部と、を備え、
上記制御部は、少なくとも、上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答に基づき、上記屋内に配置された植物の配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成し、
上記表示部は、上記制御部で生成された提案情報を表示するインドアグリーン提案システム。
【0132】
[付記2]
上記制御部は、
上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する判断処理を実行し、
上記判断処理でリラックス状態でないと判断したことに応じて、リラックス状態でない原因を上記入力部から入力された回答に基づき推定する推定処理を実行し、
上記推定処理で植物の配置位置が原因であると推定したことに応じて、植物の配置位置を含む上記提案情報を生成する配置位置提案処理を実行し、
上記推定処理で植物の種類が原因であると推定したことに応じて、植物の種類を含む上記提案情報を生成する種類提案処理を実行する付記1に記載のインドアグリーン提案システム。
【0133】
[付記3]
上記制御部は、上記判断処理において、上記心拍センサの出力信号に基づき、上記屋内にいる人の副交感神経指標を取得し、取得された上記副交感神経指標に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態であるか否かを判断する付記2に記載のインドアグリーン提案システム。
【0134】
[付記4]
上記屋内にいる人が着席状態であるか否かを検知する着座センサをさらに備え、
上記制御部は、上記判断処理において、上記屋内にいる人が着席状態になったことを上記着座センサが検知した時点から所定時間経過した後の上記心拍センサの出力信号に基づき、上記副交感神経指標を取得する付記3に記載のインドアグリーン提案システム。
【0135】
[付記5]
上記表示部は、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問と、当該植物の世話に関する設問と、上記屋内にいる人が受けたストレスに関する設問とを表示する付記1から4のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【0136】
[付記6]
上記表示部は、少なくとも、上記屋内に配置された植物の配置位置に関する設問と、当該植物の種類に関する設問とを表示し、
上記制御部は、上記推定処理において、上記入力部から入力された上記2種類の設問に対する回答に基づき、上記屋内にいる人がリラックス状態でない原因を推定する付記2に記載のインドアグリーン提案システム。
【0137】
[付記7]
上記屋内に配置された植物を含む画像を撮影するカメラをさらに備え、
上記制御部は、
上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の育成状況を示す育成状況情報を取得し、
少なくとも、取得された上記育成状況情報、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成する付記1から6のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【0138】
[付記8]
上記制御部は、上記カメラで撮影された画像に基づき、上記屋内に配置された植物の葉の色および落葉の枚数の少なくとも一方を含む上記育成状況情報を取得する付記7に記載のインドアグリーン提案システム。
【0139】
[付記9]
上記屋内における植物の配置位置の照度を測定する照度センサをさらに備え、
上記制御部は、
上記照度センサで測定された照度に基づき日照時間を取得し、
少なくとも、取得された上記日照時間、上記心拍センサの出力信号、および、上記入力部から入力された回答に基づき、上記提案情報を生成する付記1から8のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【0140】
[付記10]
上記制御部は、上記屋内を複数のエリアに分割し、取得された上記日照時間に基づき照度不足と判断したことに応じて、植物の配置位置としてより明るいエリアを含む上記提案情報を生成する付記9に記載のインドアグリーン提案システム。
【0141】
[付記11]
上記制御部は、
上記心拍センサの出力信号、および上記入力部から入力された回答を含むデータを所定の変換規則に従い得点に変換する変換処理と、
上記変換処理で得られた得点に基づき、評価値を算出する算出処理と、
上記算出処理で算出された評価値に基づき、上記提案情報を生成する提案処理とを実行する付記1から10のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【0142】
[付記12]
上記制御部は、植物の種類および特徴を記憶したデータベースを参照して、植物の種類を含む上記提案情報を生成する付記1から11のいずれかに記載のインドアグリーン提案システム。
【符号の説明】
【0143】
1・・・インドアグリーン提案システム
10・・・端末装置
11、31・・・制御部
15・・・入力部
16・・・表示部
21・・・心拍センサ
22・・・カメラ
23・・・照度センサ
24・・・着座センサ
30・・・サーバ
44・・・植物データベース(データベース)
50・・・居室
51・・・エリア
57・・・インドアグリーン(植物)
【要約】
【課題】インドアグリーンの配置位置および種類を好適に提案する。
【解決手段】インドアグリーン提案システム1は、利用者の心拍を測定する心拍センサ21と、利用者に対してインドアグリーンに関する設問を表示する表示部16と、設問に対する回答を入力するための入力部15と、制御部11、31とを備えている。制御部11、31は、少なくとも、心拍センサ21の出力信号、および入力部15から入力された回答に基づき、インドアグリーンの配置位置および種類の少なくとも一方を含む提案情報を生成し、表示部16は、制御部11、31で生成された提案情報を表示する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10