(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】半導体素子及びこれを備えた半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241106BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20241106BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20241106BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241106BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01L25/08 C
H01L23/12 501P
H01L21/78 C
(21)【出願番号】P 2020173726
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0141313
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】高 永權
(72)【発明者】
【氏名】李 在銀
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲じゅん▼榮
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0093880(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0077383(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0033032(US,A1)
【文献】特開2005-311215(JP,A)
【文献】特開2011-119324(JP,A)
【文献】特開2010-199625(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0067228(US,A1)
【文献】特開2003-110054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/12
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対に位置する第1面及び第2面を有し、前記第1面は半導体素子が配置された素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、
前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターンを有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、
前記絶縁性保護層において、前記第1領域上に位置する部分に配置され、前記半導体素子と電気的に連結された連結パッドと、を含む、半導体素子。
【請求項2】
前記エッジパターンは、前記第2面のエッジに沿って配置される、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記エッジパターンは、前記第2面のエッジから離隔され、前記第1領域を囲むように配置され、前記絶縁性保護層は、前記第2面のエッジに沿って配置された凸部を有する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記エッジパターンは、前記第1領域を囲むように配置され、前記第2領域を開放するオープン領域と、前記オープン領域に配列され、前記絶縁性保護層と同一の物質を含む複数の凸構造物と、を含む、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記複数の凸構造物は、前記第1領域を囲むように複数の列に配列される、請求項4に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記エッジパターンは、前記第1領域の周囲に配置され、前記絶縁性保護層に形成された複数の凹パターンを含む、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記複数の凹パターンは、前記第1領域を囲むように複数の列に配列される、請求項6に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記エッジパターンは、前記第1領域に延長される部分を有し、前記延長された部分は、前記連結パッドと離隔されるように位置する、請求項1に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記半導体基板を貫通し、前記半導体素子と前記連結パッドを電気的に連結する貫通電極をさらに含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記半導体基板の第1面に配置され、前記素子領域に電気的に連結された第1配線構造体をさらに含む、請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記絶縁性保護層と前記連結パッドの間に配置され、前記貫通電極と前記連結パッドを電気的に連結する第2配線構造体をさらに含む、請求項9又は10に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記第2配線構造体は、前記貫通電極と前記連結パッドを電気的に連結する金属配線と、前記金属配線を覆うように前記絶縁性保護層上に配置され、前記エッジパターンを埋め込む誘電体層と、を含む、請求項11に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記エッジパターンは、スクライブレーン及び整列キーのうちの少なくとも一部を含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体素子。
【請求項14】
下部連結パッドが配置された下面、及び上部連結パッドが配置された上面を有し、前記下部連結パッドと前記上部連結パッドを電気的に連結する貫通電極を含む第1半導体素子と、
前記第1半導体素子の上面にスタックされ、前記上部連結パッドに電気的に連結された第2半導体素子と、を含み、
前記第1半導体素子はそれぞれ、
前記第1半導体素子の下面及び上面に向かう第1面及び第2面を有し、前記第1面は素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、
前記半導体基板の第1面に配置され、前記素子領域と前記下部連結パッドを電気的に連結する第1配線構造体と、
前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターンを有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、を含む、半導体パッケージ。
【請求項15】
前記絶縁性保護層と前記上部連結パッドの間に配置された誘電体層と、前記誘電体層に配置され、前記上部連結パッドと前記貫通電極を電気的に連結する金属配線を有する第2配線構造体と、を含む、請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
前記誘電体層は、前記絶縁性保護層の物質と異なる物質を含み、前記エッジパターンの少なくとも一部を埋め込む、請求項15に記載の半導体パッケージ。
【請求項17】
前記エッジパターンの一部は、前記第2領域に隣接する第1領域に配置される、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
前記第1半導体素子はスタックされた複数の第1半導体素子を含み、
前記第2半導体素子は前記複数の第1半導体素子のうち最上位の半導体素子の上部連結パッドと連結される、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
回路パターンを有するパッケージ基板と、
前記パッケージ基板に配置され、前記回路パターンに連結された下部連結パッドが配置された下面、及び上部連結パッドが配置された上面を有し、前記下部連結パッドと前記上部連結パッドを連結する貫通電極を含む第1半導体素子と、
前記第1半導体素子の上面にスタックされ、前記上部連結パッドに電気的に連結された第2半導体素子と、を含み、
前記第1半導体素子はそれぞれ、
前記第1半導体素子の下面及び上面に向かう第1面及び第2面を有し、前記第1面は素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、
前記半導体基板の第1面に配置され、前記素子領域と前記下部連結パッドを電気的に連結する第1配線構造体と、
前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターンを有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、
前記絶縁性保護層上に配置され、前記上部連結パッドを含み、前記貫通電極を介して前記素子領域に電気的に連結される第2配線構造体と、を含む、半導体パッケージ。
【請求項20】
前記絶縁性保護層と前記上部連結パッドの間に配置された誘電体層と、前記誘電体層に配置され、前記上部連結パッドと前記貫通電極を電気的に連結する金属配線を有する第2配線構造体と、を含む、請求項19に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子及びこれを備えた半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェハに一連の半導体工程を行い、上記ウェハを切断(saw)することで、複数の半導体素子を製造することができる。
【0003】
ウェハの切断過程において、半導体素子にチッピング(chipping)、バリ(burr)、又はクラック(crack)のような損傷が発生することがある。かかる損傷は、上記切断工程が適用される面と反対に位置する面(例えば、半導体素子の背面)においてより大きく且つ簡単に発生する可能性があり、結果として、製造歩留まりが低下することがある。
【0004】
一方、半導体装置の高容量及び/又は高性能のための方法として、複数の半導体チップをスタックするパッケージング技術が広く用いられている。例えば、複数の半導体チップを垂直にスタックした2.5D(2.5-dimensional)及び3D(3-dimensional)パッケージのような半導体パッケージの開発が活発化しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明で解決しようとする課題のうちの1つは、切断工程で発生する損傷を減少させることができる半導体素子及びこれを備えた半導体パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、互いに反対に位置する第1面及び第2面を有し、前記第1面は半導体素子が配置された素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターン(edge pattern)を有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、前記絶縁性保護層において、前記第1領域上に位置する部分に配置され、前記半導体素子と電気的に連結された連結パッドと、を含む半導体素子を提供する。
【0007】
本発明の他の実施形態は、下部連結パッドが配置された下面、及び上部連結パッドが配置された上面を有し、前記下部連結パッドと前記上部連結パッドを電気的に連結する貫通電極を含む第1半導体素子と、前記第1半導体素子の上面にスタックされ、前記上部連結パッドに電気的に連結された第2半導体素子と、を含み、前記第1半導体素子はそれぞれ、前記第1半導体素子の下面及び上面に向かう第1面及び第2面を有し、前記第1面は素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、前記半導体基板の第1面に配置され、前記素子領域と前記下部連結パッドを電気的に連結する第1配線構造体と、前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターンを有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、を含む半導体パッケージを提供する。
【0008】
本発明のさらに他の実施形態は、回路パターンを有するパッケージ基板と、前記パッケージ基板に配置され、前記回路パターンに連結された下部連結パッドが配置された下面、及び上部連結パッドが配置された上面を有し、前記下部連結パッドと前記上部連結パッドを連結する貫通電極を含む第1半導体素子と、前記第1半導体素子の上面にスタックされ、前記上部連結パッドに電気的に連結された第2半導体素子と、を含み、前記第1半導体素子はそれぞれ、前記第1半導体素子の下面及び上面に向かう第1面及び第2面を有し、前記第1面は素子領域を含み、前記第2面は、前記素子領域と重なる第1領域、及び前記第1領域を囲む第2領域に区分される半導体基板と、前記半導体基板の第1面に配置され、前記素子領域と前記下部連結パッドを電気的に連結する第1配線構造体と、前記半導体基板の第2面に配置され、前記第2領域の少なくとも一部に位置するエッジパターンを有し、前記エッジパターンは、前記第1領域に位置する部分の厚さよりも薄い厚さを有するか、又は前記半導体基板の第2面が開放された領域を有する絶縁性保護層と、前記絶縁性保護層上に配置され、前記上部連結パッドを含み、前記貫通電極を介して前記素子領域に電気的に連結される第2配線構造体と、を含む半導体パッケージを提供する。
【発明の効果】
【0009】
半導体素子の背面(back side)に絶縁性保護層を加工することにより、識別可能なエッジパターンを提供することができる。上記エッジパターンは、切断工程のためのスクライブレーン(scribe lane)のような識別要素及び/又は半導体素子の損傷を防止することができる応力遮断要素として用いることができる。
【0010】
本発明の多様でありながら有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による半導体素子を示す下部平面図である。
【
図2】
図1の半導体素子をI-I’線に沿って切断して見た断面図である。
【
図3】
図2の半導体素子の「A」の領域を示す部分拡大図である。
【
図4】本発明の一実施形態による複数の半導体素子が実現されたウェハを示す平面図である。
【
図5】
図4のウェハをII-II’線に沿って切断して見た部分断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体素子が実現されたウェハの部分断面図である。
【
図7a】
図6のウェハを切断して得られた半導体素子の様々な例を示す下部平面図である。
【
図7b】
図6のウェハを切断して得られた半導体素子の様々な例を示す下部平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるウェハの部分断面図である。
【
図9】
図8のウェハを切断して得られた半導体素子の例を示す下部平面図である。
【
図10a】
図9の半導体素子をIII1-III1’線に沿って切断して見た断面図である。
【
図10b】
図9の半導体素子をIII2-III2’線に沿って切断して見た断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による半導体素子が実現されたウェハの部分断面図である。
【
図12】
図11のウェハを切断して得られる半導体素子の一例を示す下部平面図である。
【
図13】本発明の一実施形態による半導体素子を示す下部平面図である。
【
図14】
図13の半導体素子をIV-IV’線に沿って切断して見た断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図である。
【
図16】
図15の半導体パッケージのB領域を示す部分拡大図である。
【
図17】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態による半導体素子を示す下部平面図であり、
図2は
図1の半導体素子をI-I’線に沿って切断して見た断面図であり、
図3は
図1の半導体素子の「A」の領域を示す部分拡大図である。
【0014】
図1~
図3を参照すると、本実施例による半導体素子100は、互いに反対に位置する第1面101A及び第2面101Bを有する半導体基板101と、上記半導体基板101の第1面101Aに配置された配線構造体130と、を含むことができる。
【0015】
上記半導体基板101の第1面101A上には素子領域DAが提供されることができる。
図3に示すように、上記素子領域DAは、トランジスタを含む半導体素子(semiconductor elements)103、及び上記半導体素子103に電気的に連結された相互連結部105が配置された上記半導体基板の第1面101Aの一部領域を含むことができる。上記半導体基板101の第1面101A上には、上記半導体素子103及び上記相互連結部105を覆う層間絶縁膜104が形成される。例えば、上記半導体基板101は、Si又はGeのような半導体、又はSiGe、SiC、GaAs、InAs又はInPのような化合物半導体を含むことができる。
【0016】
上記配線構造体130は、上記層間絶縁膜104上に配置された誘電体層131と、上記誘電体層131内に配置され、上記相互連結部105に連結された金属配線132と、を含むことができる。上記金属配線132は、上記相互連結部105を介して上記半導体素子103に電気的に連結されることができる。
【0017】
例えば、上記層間絶縁膜104及び/又は上記誘電体層131は、シリコン酸化物又はシリコン酸化物系の絶縁性物質を含むことができ、具体的には、TEOS(TetraEthyl Ortho Silicate)、USG(Undoped Silicate Glass)、PSG(PhosphoSilicate Glass)、BSG(Borosilicate Glass)、BPSG(BoroPhosphoSilicate Glass)、FSG(Fluoride Silicate Glass)、SOG(Spin On Glass)、TOSZ(Tonen SilaZene)、又はその組み合わせであることができる。例えば、上記相互連結部105及び/又は上記金属配線132は、銅又は銅含有合金を含むことができる。
【0018】
上記配線構造体130上に第1絶縁性保護層110が配置されることができる。例えば、第1絶縁性保護層110は、シリコン酸化物又はシリコン酸化物系の絶縁性物質を含むことができる。第1連結パッド145は、上記金属配線132に連結されるように、上記誘電体層131内に配置される。上記第1連結パッド145の一部領域は上記第1絶縁性保護層110から露出し、上記第1連結パッド145の露出した領域に配置された連結端子149を含むことができる。例えば、上記連結端子149は、はんだボール、バンプ、又はピラーの形状を有することができる。
【0019】
本実施例において、上記半導体基板101の第2面101B上に第2絶縁性保護層150が配置されることができる。例えば、第2絶縁性保護層150は、第1絶縁性保護層110と同様に、シリコン酸化物又はシリコン酸化物系の絶縁性物質を含むことができる。
【0020】
上記半導体基板101の第2面101Bは、上記半導体基板101の厚さ方向に上記素子領域DAと重なる第1領域C1、及び上記第1領域C1を囲む第2領域C2を有することができる。上記第2絶縁性保護層150は、上記第1領域C1において実質的に平坦な上部面を有するが、エッジ領域に該当する第2領域C2においては全体又は一部が除去された、又は厚さを減少させたエッジパターンEPを有する。
【0021】
上記半導体基板101の第2面101B上の第2領域C2は、上記素子領域DAと重ならない領域であり、上記エッジパターンEPはウェハレベルにおけるスクライブレーン(scribe lane)の一部に該当することができる(
図4及び
図5参照)。
【0022】
本実施例に採用されたエッジパターンEPは、上記第2領域C2における上記第2絶縁性保護層150の部分を除去して上記半導体基板101の第2面101Bを露出させたオープン領域であることができる。
図1に示すように、上記エッジパターンEPのオープン領域は、上記第2面101Bのエッジに沿って形成されることができる。
【0023】
上述のように、本実施例に採用されたエッジパターンEPは、上記半導体基板101の第2面101Bを露出させたオープン領域として例示されているが、他の実施例において、エッジパターンEPは、上記第2領域C2の上記絶縁性保護層150の部分の厚さを上記第1領域C1に位置する部分の厚さよりも薄くするパターンであることができる(
図2及び
図8参照)。
【0024】
上記エッジパターンEPは、ウェハレベルで提供されたスクライブレーンが個別のチップとして切断工程後のチップレベルで残留するスクライブレーンの一部領域であることができる。本実施例に採用されたスクライブレーンは、第2絶縁性保護層150の厚さを減少させるか、又は第2絶縁性保護層150を除去することによって形成することができる。
【0025】
かかるエッジパターンEPは、第2領域C2に位置し、切断過程における素子領域DA、及び第1領域C1に位置するバックサイド配線層(不図示)を保護するための応力緩和手段として用いることもできる。具体的には、上記エッジパターンEPは、切断される領域(例えば、
図4のS1)と素子領域DAの間に位置する不連続な構造物であって、切断過程で発生する応力が素子領域DAに伝播される応力を遮断することができる。
【0026】
また、本実施例において、第2連結パッド165は、上記第1領域C1に位置する第2絶縁性保護層150の部分上に配置され、上記素子領域DAと電気的に連結されることができる。
図1に示すように、第2連結パッド165は、上記半導体基板101を貫通する貫通電極120に連結されることができる。上記貫通電極120は、導電性物質125と、上記導電性物質125と上記半導体基板101の間に配置された絶縁性バリア121と、を含むことができる。例えば、導電性物質125は、Cu、Co、Mo、Ru、W、又はその合金を含むことができる。上記絶縁性バリア121は、SiO
2、SiN、SiCN、SiC、SiCOH、SiON、Al
2O
3、AlN、又はその多孔性物質を含むことができる。
【0027】
上記貫通電極120は、上記第1配線構造体130の金属配線132を介して上記素子領域DA、すなわち、相互連結部105及び集積回路103に電気的に連結されることができる。これにより、上記第2連結パッド165は、上記素子領域DAと電気的に連結されることができる。
【0028】
図4は本発明の一実施形態による複数の半導体素子が実現されたウェハを示す平面図であり、
図5は
図4のウェハをII-II’線に沿って切断して見た部分断面図である。
【0029】
図4を参照すると、ウェハWは、マトリックス状に配列された複数の半導体素子と、上記複数の半導体素子を区分するスクライブレーンSLと、を含むことができる。
【0030】
上記半導体素子100の素子領域DAは、スクライブレーンSLによって囲まれることができる。これにより、スクライブレーンSLは、半導体素子100の素子領域DAによって互いに離隔されることができる。上記素子領域DAは、上述のように、半導体工程で形成された集積回路を含む。例えば、集積回路103は、ロジック回路、メモリ回路、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
上記スクライブレーンSLは、上記ウェハWに形成された半導体素子100を分離するためのダイシング(dicing)領域として提供される。
【0032】
図5に示すように、本実施例に採用されたスクライブレーンSLは、第2絶縁性保護層150を除去して、半導体基板101の第2面101BをオープンするトレンチTとして提供することができる。
図5に示された断面は、上述のように、
図4のウェハWをII-II’に沿って切断した断面であり、
図1に示された半導体素子100を得るためのウェハWの一部として理解することもできる。
【0033】
スクライブレーンSLのためのトレンチTは、追加的な工程を行うことなく第2絶縁性保護層150に下部連結端子165のためのオープン領域を形成する工程においてともに形成されることができる。
【0034】
上記スクライブレーンSLは、上記ウェハWの余裕空間であって、半導体工程やパッケージング工程に要求される様々な金属パターン135を含むことができる。例えば、上記金属パターン135は、テスト用の配線パターン、TEG及び/又は整列キーを含むことができる。
【0035】
本実施例では、半導体素子100のフロントサイドに位置するスクライブレーンに加えて、半導体素子100のバックサイドに該当する第2面101Bに第2絶縁性保護層150を用いてスクライブレーンSLを形成することにより、切断工程の精度を高めることができるだけでなく、切断過程におけるバックサイドチッピングやクラックなどのような機械的損傷を防止することができる構造物として用いることができる。
【0036】
1つのウェハWから上記スクライブレーンSLに沿って切断することにより、半導体素子100をそれぞれ個別に分離する切断工程が行われることができる。例えば、切断工程は、レーザー、ブレード、又はプラズマのような切断手段を用いて行うことができる。
【0037】
上記スクライブレーンSLは、上記切断手段によって切断される領域であるカーフ(kerf)領域S1と、上記カーフ領域S1と素子領域DAの間に位置するバッファ領域S2と、を含む。いくつかの実施例において、上記カーフ領域S1には、切断のための予備パターンや物質を配置することで、迅速且つ効率的な切断を行うことができる。
【0038】
切断工程において、スクライブレーンSLのうちカーフ領域S1は除去され、上記バッファ領域S2は、各素子領域DAを囲むエッジ領域、すなわち、第2領域C2として残留することができる。結果として、複数の半導体素子100のバックサイド(すなわち、半導体基板101の第2面101B)は、素子領域DAと重なる第1領域C1と、上記素子領域DAを囲む第2領域C2と、を含むことができる。
【0039】
切断後に得られた半導体素子100(
図1~
図3の100参照)は、第2領域C2に、上記トレンチTから得られるエッジパターンEPを有する。ウェハレベル(
図5参照)におけるトレンチT、又はチップレベル(
図1参照)におけるエッジパターンEPは、切断過程で発生する応力(又はクラック)が素子領域DAに伝達されることを防止するための不連続な構造物として作用することができる。
【0040】
このように、チッピングのような損傷に弱い半導体素子100のバックサイド(又は半導体基板101の第2面101B)に位置する第2絶縁性保護層150にトレンチT(又はエッジパターンEP)を導入することにより、切断過程における半導体素子100の損傷を減少させることができる。
【0041】
上述した実施例において、かかるエッジパターンEPを提供するスクライブレーンSLは、半導体基板101の第2面101Bを露出させるトレンチTの形で例示されているが、これに限定されず、様々な他の形を有することができる。例えば、スクライブレーンSLは、第2絶縁性保護層150の厚さを減少させる方法で形成されることができる。かかる厚さ差を用いることで、上記エッジパターンEPの視認性(visibility)が確保されることができる。一方、エッジパターンEPは、複数のトレンチで構成される(
図7a及び
図7b参照)、或いはドット形状のように凸パターン又は凹パターンのような様々な他の形を有することができる(
図12及び
図13参照)。
【0042】
図6は本発明の一実施形態による半導体素子が実現されたウェハの部分断面図である。
図6に示された断面は、
図4に示されたウェハWのII-II’に沿って切開して見た断面として理解することができる。
【0043】
図6を参照すると、本実施例によるウェハは、複数のトレンチT1、T2を含むスクライブレーンSLを有すること、及び第2絶縁性保護層150の厚さを用いてスクライブレーンSLを形成することを除き、
図4及び
図5に示されたウェハと同一又は同様の構造を有するものと理解することができる。また、本実施例の構成要素は、特に反対される記載がない限り、上述した実施例による半導体素子100及びウェハWの同一又は同様の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0044】
本実施例に採用されたスクライブレーンSLは、第1トレンチT1と、上記第1トレンチT1の両側に配置される第2トレンチT2と、を含むことができる。上記第2トレンチT2は、上記第1トレンチT1と、上記素子領域DAと重なる第1領域C1との間に位置することができる。本実施例では、第1及び第2トレンチT1、T2の間にそれぞれライン状の凸部CPが配置されることができる。
【0045】
本実施例において、第1及び第2トレンチT1、T2は、第2絶縁性保護層150の厚さを減少させる方法で提供されることができる。上記凸部CPは、第2絶縁性保護層150が除去されないか、又は少なく除去された領域であって、第1及び第2トレンチT1、T2の底面に位置する第2絶縁性保護層150の部分の厚さよりも大きい厚さを有することができる。かかる厚さ差を用いることで、上記スクライブレーンSLに対する視認性(visibility)が確保されることができる。いくつかの実施例において、かかる視認性を確保するために、上記第2絶縁性保護層150は、透明でない物質、すなわち、不透明又は半透明な物質で形成されることができる。
【0046】
切断工程後に、半導体素子に残留するエッジパターンは、切断工程において除去されるカーフ領域の幅に応じて異なる構造を有することができる。
図6に示されたウェハには、互いに異なる幅を有する2つのカーフ領域S1’、S1’’が示されている。また、それによって切断工程後に得られる異なる構造のエッジパターンEP’、EP’’は
図7a及び
図7bに示されている。
図7a及び
図7bは
図6に示されたウェハから得られる半導体素子を示す平面図である。
【0047】
切断過程で除去される領域が
図6に示されたウェハにおける第1カーフ領域S1’である場合、第1バッファ領域S2’が半導体素子100A’のエッジ領域として提供されることができる。
【0048】
図7aを参照すると、半導体素子100A’の第2絶縁性保護層150は、第1バッファ領域S2’から得られた第1エッジパターンEP’を有することができる。第1エッジパターンEP’は、上記半導体素子100A’のバックサイドのエッジに沿って形成されたライン状の凸部CPと、上記凸部CPと上記第1領域C1の間に位置する第2トレンチT2と、を含むことができる。
【0049】
これと異なり、同一のウェハであっても、切断過程で除去される領域が
図6に示されたウェハにおける第2カーフ領域S1’’である場合、第2バッファ領域S2’’が半導体素子100A’’のエッジ領域として提供されることができる。
【0050】
図7bを参照すると、半導体素子100A’’の第2絶縁性保護層150は、第1バッファ領域S2’’から得られた第2エッジパターンEP’’を有することができる。第2エッジパターンEP’’は、上記半導体素子100A’’のバックサイドのエッジに沿って形成された第1トレンチT1’と、上記第1領域C1に隣接する第2トレンチT2と、第1及び第2トレンチT1’、T2の間に位置するライン状の凸部CPと、を含むことができる。
【0051】
このように、同一のウェハであっても、カーフ領域の幅に応じて異なる構造のエッジパターンが提供されることができる。上述した実施例において、1つの半導体素子は、4つのエッジ領域において同一の形状のエッジパターンを有する形を例示したが、スクライブレーンに沿った切断工程の条件が異なる場合、半導体素子の4つのエッジ領域のうちの一部は他の一部のエッジパターンと異なる構造のエッジパターンを有することもできる。
【0052】
図8は本発明の一実施形態によるウェハの部分断面図である。
【0053】
図8を参照すると、本実施例によるウェハは、整列キー(
図9の「AK」参照)を有すること、及び第2絶縁性保護層150の厚さを用いてスクライブレーンSLを形成することを除き、
図4及び
図5に示されたウェハと同一又は同様の構造を有するものと理解することができる。また、本実施例の構成要素は、特に反対される記載がない限り、上述した実施例による半導体素子100及びウェハWの同一又は同様の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0054】
本実施例に採用されたトレンチT’は、ウェハのバックサイドに位置する第2絶縁性保護層150の一部領域の厚さを減少させることによって得ることができる。かかるトレンチT’は、スクライブレーンSLに提供されることができる。かかるスクライブレーンSLには整列キーのような付加的なパターンもさらに形成されることができる。
【0055】
図9は
図8のウェハを切断して得られた半導体素子100Bの例を示す下部平面図である。また、
図10a及び
図10bはそれぞれ
図9の半導体素子をIII1-III1’及びIII2-III2’線に沿って切断して見た断面図である。
【0056】
図9、
図10a、及び
図10bを参照すると、半導体素子100Bのバックサイドのエッジ領域(又は第2領域C2)には、上記トレンチT’から得られたエッジパターンEPが提供されることができる。一エッジ領域に位置するエッジパターンEPの両コーナーには十字状の整列キーAKが配置されることができる。
図10bに示すように、整列キーAKは、第2絶縁性保護層150をエッチングせずに残留した部分で得られた凸パターンであることができる。他の実施例において、整列キーAKは、異なる位置に異なる数で配置されることができ、平面的な側面から円状、四角状のような他の様々な形状を有することができる。
【0057】
かかる整列キーAKは、半導体素子100Bのバックサイド(又は半導体基板101の第2面101B)が上部に向かうスタック型半導体パッケージにおいて有効に活用されることができる。例えば、HBM(high bandwidth memory)のようなスタック型半導体パッケージ(
図15及び
図17参照)において、半導体チップのバックサイドが上面に向かうように配置され、他の半導体チップをスタックする際に、本実施例に採用された整列キーAKが有効に用いられることができる。
【0058】
このように、スクライブレーンSLだけでなく、整列キーAKのような付加的なパターンも、半導体素子100Bのバックサイドに位置する第2絶縁性保護層150を加工した非平坦要素として提供されることができる。また、切断工程後に得られた最終的な半導体素子のエッジパターンは、かかる整列キーAKの少なくとも一部を含むこともできる。
【0059】
図11は本発明の一実施形態による半導体素子が実現されたウェハの部分断面図であり、
図12は
図11のウェハを切断して得られる半導体素子の一例を示す下部平面図である。
【0060】
図11を参照すると、本実施例によるウェハは、スクライブレーンSLをトレンチTとともに複数の凸構造物DPで形成することを除き、
図4及び
図5に示されたウェハと同様の構造を有するものと理解することができる。また、本実施例の構成要素は、特に反対される記載がない限り、上述した実施例による半導体素子100及びウェハWの同一又は同様の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0061】
本実施例に採用されたスクライブレーンSLは、オープン領域として形成されたトレンチTと、上記トレンチTの両側に第1領域C1を囲むように配置された複数の凸構造物DPと、を含むことができる。かかる凸構造物DPは、第2領域C2に配置されて、切断過程において素子領域DA及びバックサイド配線層(
図14の172参照)を保護するための応力緩和手段として用いられることができる。特に、本実施例に採用された複数の凸構造物DPは、切断過程で発生する応力が素子領域DAに伝播されることを効果的に遮断することができる不連続的な構造物であることができる。
【0062】
切断過程において、
図11に示されたウェハからカーフ領域S1が除去され、バッファ領域S2が半導体素子100Cのエッジ領域として提供されることができる。
【0063】
図12を参照すると、半導体素子100Cの第2絶縁性保護層150は、バッファ領域S2から得られたエッジパターンEPを有することができる。本実施例に採用されたエッジパターンEPは、上記半導体素子100Cのバックサイドのエッジに沿って形成されたトレンチTと、上記トレンチTに位置し、上記第1領域C1を囲む複数の凸構造物DPと、を含むことができる。凸構造物DPはそれぞれ、平面的な側面から同一のサイズを有する円状として例示されているが、これに限定されず、四角状、十字状のような他の多様な形状を有することができ、他のサイズのパターンを有することもできる。
【0064】
図13は本発明の一実施形態による半導体素子を示す下部平面図であり、
図14は
図13の半導体素子をIV-IV’線に沿って切断して見た断面図である。
【0065】
図13及び
図14を参照すると、本実施例による半導体素子100Dは、エッジパターンEPが複数の凹パターンH1、H2で形成され、部分的に素子領域DAと重なること、及び第2配線構造体170を有することを除き、
図1~
図3に示された半導体素子100と同様の構造を有するものと理解することができる。また、本実施例の構成要素は、特に反対される記載がない限り、上述した実施例による半導体素子100及びウェハWの同一又は同様の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0066】
本実施例に採用されたエッジパターンEPは、上記素子領域DAと重なる第1領域C1を囲むように上記第2絶縁性保護層150に配列された複数の凹パターンH1、H2を含む。複数の凹パターンH1、H2は、上記第2絶縁性保護層150に形成された複数の孔であることができる。応力遮断効果を向上させるために、上記複数の凹パターンH1、H2は、上記第2領域C2の幅方向に複数の列に配列されることができる。さらに、第1凹パターンH1は、第2凹パターンH2と交差するように配置されることができる。
【0067】
また、上記エッジパターンEPが部分的に素子領域DAと重なるように配置されることができる。すなわち、上記エッジパターンEPの一部は、第1領域C1にも位置することができる。例えば、
図13に示すように、複数の凹パターンH1、H2のうち第2凹パターンH2の一部は、第1領域C1に位置するように配置されることができる。上記エッジパターンEPは、素子領域DAに配置された第1面101Aに隣接する半導体素子100Dのフロントサイドではなく、半導体基板101の第1面101A、すなわち、半導体素子100Dのバックサイドに配置された第2絶縁性保護層150に形成されるため、下部連結パッド165と接触しない範囲内で第1領域C1まで部分的に延長されることもできる。
【0068】
複数の凹パターンH1、H2はそれぞれ、平面的な側面から円状に限定されず、四角状、十字状のような他の様々な形状を有することができ、他の形状のパターンを組み合わせて構成することもできる。
【0069】
図14に示すように、本実施例による半導体素子100Dは、上記第2絶縁性保護層150と上記下部連結パッド165の間に配置された第2配線構造体170をさらに含むことができる。上記第2配線構造体170は、上記貫通電極120と上記下部連結パッド165を電気的に連結することができる。例えば、第2配線構造体170は、上記貫通電極120と上記下部連結パッド165を電気的に連結する金属配線172(又はバックサイド配線層ともする)と、上記金属配線172を覆うように上記第2絶縁性保護層150上に配置された誘電体層171と、を含むことができる。上記第2配線構造体170の誘電体層171は、上記エッジパターンEPのオープン領域又は薄膜領域を充填するように提供されることができる。上記誘電体層171は、上記第2絶縁性保護層150の物質と異なる物質を含むことができる。上記誘電体層171は、エッジパターンEPの視認性を確保するために、光透過性を有する物質を含むことができる。例えば、上記誘電体層171は、シリコン酸化物又はシリコン酸化物系の低誘電体物質を含むことができる。
【0070】
本実施例に採用された第2配線構造体170は、単一層の金属配線172を例示しているが、他の実施例では、複数の金属配線及び複数の誘電体層を含むこともできる。また、
図12に示された半導体素子100Dの複数の凸構造物DPも、
図13に示された凹パターンH1、H2のように、複数の列に配列されることができ、複数の列に配列された凸構造物DPも互いに交差するように配列されることができる。
【0071】
図15は本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図であり、
図16は
図15の半導体パッケージのB領域を示す部分拡大図である。
【0072】
図15を参照すると、本実施例による半導体パッケージ300Aは、垂直方向にスタックされた複数の第1半導体チップ200A1、200A2、200A3と、上位に配置された第2半導体チップ200Bと、を含むことができる。
【0073】
複数の第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bはそれぞれ、反対の下面(又は「第1面」ともする)及び上面(又は「第2面」ともする)を有し、互いに異なる面(すなわち、第1面及び第2面)が対向するようにスタックされることができる。上記第1半導体チップ200A1、200A2、200A3は、下面に半導体基板210、配線構造体230、貫通電極220、下部連結パッド245、及び上部連結パッド265を含むことができる。但し、最上位に配置される第2半導体チップ200Bは、貫通電極及び上部連結パッドを含まなくてもよい。
【0074】
図15及び
図16を参照すると、各半導体基板210は、その下面に、トランジスタのような個別の半導体素子(又は集積回路)を含む素子領域DAを含む。配線構造体230は、上記半導体基板210の下面に配置されて、それぞれ上記素子領域DAを他の連結部(例えば、貫通電極220及び下部連結パッド245)と連結する。上記配線構造体230は、誘電体層231と、上記誘電体層231に配置された金属配線232と、を含むことができる。
図16に示すように、配線構造体230は、多層の金属配線層232を含むことができる。上記配線構造体230は、第1及び第2半導体チップ200A1、200A2、200A3及び200Bの下面に配置された下部連結パッド245に連結されることができる。
【0075】
貫通電極220はそれぞれ、半導体基板210の上面から下面に向かって延長されることができ、配線構造体230を介して素子領域DAに連結されることができる。貫通電極220の少なくとも一部は柱状であることができる。貫通電極220は、導電性物質225と、上記導電性物質225と上記半導体基板210の間に配置された絶縁性バリア221と、を含むことができる。例えば、導電性物質225は、Cu、Co、Mo、Ru、W、又はその合金を含むことができる。上記絶縁性バリア221は、SiO2、SiN、SiCN、SiC、SiCOH、SiON、Al2O3、AlN、又はその多孔性物質を含むことができる。貫通電極220は、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3の上面に配置された上部連結パッド265に連結されることができる。
【0076】
このように、貫通電極220は、配線構造体230に連結されて、複数の第1半導体チップ200A1、200A2、200A3の下部連結パッド245と上部連結パッド265を電気的にそれぞれ連結することができる。
【0077】
第1半導体チップ200A1、200A2、200A3の上部連結パッド265は、その上部に位置する他の第1及び第2半導体チップ200A2、200A3、及び200Bの下部連結パッド245に直接接合(direct-bonding)されることができる。上部連結パッド265及び下部連結パッド245は、互いに同一の金属、例えば、銅(Cu)を含むことができる。直接接触する上部連結パッド265と下部連結パッド245は、高温のアニール工程を介して銅の相互拡散によって結合することができる。上部連結パッド265及び下部連結パッド245の物質は、銅に限定されず、相互結合することができる他の物質(例えば、銀(Au))を用いることもできる。他の実施例では、はんだのような導電性バンプ及び非導電性フィルム(NCF)を用いることで、上部連結パッド265と下部連結パッド245を連結することもできる。
【0078】
本実施例では、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3の上部絶縁層261は、その上部に位置する他の第1及び第2半導体チップ200A2、200A3、及び200Bの下部絶縁層241と直接接合されることができる。上部絶縁層261及び下部絶縁層241は、互いに同一の物質で形成されることができる。例えば、上部絶縁層261及び下部絶縁層241は、シリコン酸化物を含むことができる。上部絶縁層261及び下部絶縁層241は、直接接触した状態で高温のアニール工程を行うことにより、共有結合によって強固に接合されることができる。上部絶縁層261及び下部絶縁層241の絶縁物質は、シリコン酸化物に限定されず、相互結合することができる他の物質(例えば、SiCN)を用いることができる。
【0079】
本実施例では、上部絶縁層261と半導体基板210の間に絶縁性保護層250が配置される。絶縁性保護層250は、上部連結パッド261と半導体基板210の所望しない電気的接続を防止することができる。
【0080】
本実施例に採用された絶縁性保護層250は、上記半導体基板210の厚さ方向に上記素子領域DAと重なる第1領域、及び上記第1領域を囲む第2領域(又はエッジ領域)を有することができる。上記絶縁性保護層250は、上記第1領域において実質的に平坦な面を有するが、エッジ領域においては全体又は一部が除去される、又は一定の厚さを減少させたエッジパターンEPを有することができる。本実施例に例示されたエッジパターンEPは、
図1及び
図3に例示されたエッジパターンEPと同様のトレンチ構造を有するオープン領域として例示されているが、上述した実施例のうち他の形のエッジパターンを採用することもできる。
【0081】
上記エッジパターンEPは、ウェハレベルで提供されるスクライブレーンが切断後の半導体素子100の残留した部分であることができる。かかるエッジパターンEPは、エッジ領域に位置して切断過程において素子領域DA及びバックサイド配線層を保護するための応力緩和手段として用いられることができる。
【0082】
また、かかるエッジパターンEPは、本実施例のように、スタック型パッケージを製造する際に整列キーとして活用することもできる(
図9参照)。
【0083】
ウェハレベルで切断して得られた第1及び第2半導体チップ200A1、200A2、200A3、及び200Bは、フロントサイドに該当する素子領域DAが下部に向かうように、また、バックサイドが上部に向かうようにスタックされることができる。具体的には、上記第1半導体チップ200A1、200A2、200A3の上面は、上述した実施例の半導体基板の第2面(例えば、
図1の101B)に該当し、本実施例の絶縁性保護層250及び上部連結パッド265はそれぞれ、上述した実施例において第2絶縁性保護層(例えば、
図1の150)及び第2連結パッド165に該当したものと理解することができる。
【0084】
これにより、第1及び第2半導体チップ200A2、200A3、及び200Bのスタック過程において、その下部に位置する第1及び第2半導体チップ200A1、200A2、200A3のエッジパターンEPを整列キーとして活用することで、パッケージの製造過程においてさらに精密なスタックを図ることができる。
【0085】
第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bは、メモリチップ又はロジックチップであることができる。一例として、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bは同一の種類のメモリチップであってもよく、他の例として、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bのうち一部はメモリチップ、他の一部はロジックチップであってもよい。
【0086】
例えば、上記メモリチップは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)のような揮発性メモリチップであるか、又はPRAM(Phase-change Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)又はRRAM(Resistive Random Access Memory)のような不揮発性メモリチップであることができる。いくつかの実施例において、第1及び第2半導体チップ200A1、200A2、200A3、及び200Bは、HBM(High Bandwidth Memory)DRAMであることができる。また、上記ロジックチップは、例えば、マイクロプロセッサ、アナログ素子、又はデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor)であることができる。
【0087】
本実施例では、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bがスタックされた半導体パッケージ300Aを例示しているが、半導体パッケージ300A内にスタックされる半導体チップの個数がこれに限定されるものではない。
【0088】
最下部に配置された第1半導体チップ200A1の下部連結パッド245上には、連結バンプ270が配置されることができる。連結バンプ270は、ピラー構造、ボール構造、又ははんだ層を含むことができる。連結バンプ270は外部回路基板と電気的に連結させるために用いられることができる。
【0089】
モールド部材280は、第1半導体チップ200A1、200A2、200A3及び第2半導体チップ200Bの側面を囲むことができる。いくつかの実施例において、モールド部材280は、最上位に配置された第2半導体チップ200Bの上面を覆うことができる。モールド部材280は、エポキシモールドコンパウンド(epoxy mold compound、EMC)などを含むことができる。
【0090】
図17は本発明の一実施形態による半導体パッケージを示す断面図である。
【0091】
図17を参照すると、本実施例による半導体パッケージ300Bは、パッケージ基板280と、上記パッケージ基板280上に垂直方向にスタックされた第1及び第2半導体チップ100_1、100_2と、を含むことができる。上記半導体パッケージ300Bは、パッケージ基板280上に配置され、第1及び第2半導体チップ100_1、100_2を成形するモールド部材280をさらに含むことができる。
【0092】
パッケージ基板280は回路パターン282を含むことができる。例えば、パッケージ基板280は、プリント回路基板又はインターポーザであることができる。上記パッケージ基板280の下面には、回路パターン282に連結された連結バンプ284が配置されることができる。第1及び第2半導体チップ100_1、100_2は、上述した実施例による半導体素子であることができ、例えば、
図1に示された半導体素子100であることができる。第1及び第2半導体チップ100_1、100_2はそれぞれ、フロントサイドに該当する素子領域DAがパッケージ基板280に向かうように、また、半導体基板101の第2面101Bが上部に向かうように実装されることができる。
【0093】
本実施例に採用された第2絶縁性保護層150は、上記半導体基板101の厚さ方向に上記素子領域DAと重なる第1領域、及び上記第1領域を囲む第2領域(又はエッジ領域)を有することができる。上記エッジパターンEPは、ウェハレベルで提供されるスクライブレーンが切断した後、半導体素子100の残留した部分であることができ、切断過程において素子領域DA及びバックサイド配線層を保護するための応力緩和手段として用いられることができる。
【0094】
また、かかるエッジパターンEPは、本実施例のように、スタック型パッケージを製造する際に整列キーとして活用されることもできる。第2半導体チップ100_2のスタック過程において、先にスタックされた第1半導体チップ100_1のエッジパターンEPを整列キーとして活用することで、パッケージの製造過程においてさらに精密なスタックを図ることができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0096】
100 半導体素子
101 半導体基板
101A 第1面
101B 第2面
DA 素子領域
110 第1絶縁性保護層
150 第2絶縁性保護層
EP エッジパターン