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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及びカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20241106BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241106BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20241106BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20241106BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241106BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/04 Z
G03B30/00
G03B5/00 J
H04N23/57
H04N23/68
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020183619
(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公開番号】P2022073559
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】長田 寛志
(72)【発明者】
【氏名】前田 征宣
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0149142(US,A1)
【文献】中国実用新案第211180358(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109901275(CN,A)
【文献】国際公開第2019/034860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G03B 5/00 - 5/08
G03B 17/04 - 17/17
G03B 29/00 - 30/00
G03B 17/02
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材と、
前記ベース部材に取り付けられる固定側ターミナルプレートと、
前記レンズ保持部材に取り付けられる可動側ターミナルプレートと、
一端が前記固定側ターミナルプレートに固着されるとともに他端が前記可動側ターミナルプレートに固着され、温度上昇に応じて収縮することにより前記レンズ保持部材を移動させる形状記憶アクチュエータと、を備え、
前記ベース部材は、第1外側面と第2外側面とを有する固定側台座部を含み、
前記固定側ターミナルプレートは、前記第1外側面に取り付けられ、且つ、前記第1外側面を含む仮想平面と前記第2外側面を含む仮想平面との間の仮想交線に向かって、前記第1外側面と接触する部分から張り出すように形成される張出部を有し、
前記張出部の先端部には、前記固定側ターミナルプレートが前記ベース部材に取り付けられ、且つ、前記可動側ターミナルプレートが前記レンズ保持部材に取り付けられた状態で前記固定側ターミナルプレートと前記可動側ターミナルプレートとを連結する切捨連結部を切り離す際に形成される切断面がある、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記切断面は、前記切断面を含む仮想平面が前記第1外側面を含む仮想平面に対して斜めに延在し且つ前記固定側台座部とは交わらないように形成される、
請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
ベース部材と、
前記ベース部材に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材と、
前記ベース部材に取り付けられる固定側ターミナルプレートと、
前記レンズ保持部材に取り付けられる可動側ターミナルプレートと、
一端が前記固定側ターミナルプレートに固着されるとともに他端が前記可動側ターミナルプレートに固着され、温度上昇に応じて収縮することにより前記レンズ保持部材を移動させる形状記憶アクチュエータと、を備え、
前記ベース部材は、第1外側面と第2外側面とを有する固定側台座部を含み、
前記固定側ターミナルプレートは、前記第1外側面に取り付けられ、且つ、前記第1外側面を含む仮想平面と前記第2外側面を含む仮想平面との間の仮想交線に向かって、前記第1外側面と接触する部分から張り出すように形成される張出部を有し、
前記張出部の先端部には、前記固定側ターミナルプレートと前記可動側ターミナルプレートとを連結する切捨連結部を切り離す際に形成される切断面があり、
前記第2外側面に取り付けられる別の固定側ターミナルプレートを備え、
前記別の固定側ターミナルプレートは、前記固定側ターミナルプレートの張出部とは異なる高さで、前記第2外側面と接触する部分から前記仮想交線に向かって張り出すように形成される別の張出部を有する、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記固定側台座部は、前記固定側台座部を構成している前記第1外側面と前記第2外側面との間の角に形成された面取部を有する、
請求項1記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
ベース部材と、
前記ベース部材に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材と、
前記ベース部材に取り付けられる固定側ターミナルプレートと、
前記レンズ保持部材に取り付けられる可動側ターミナルプレートと、
一端が前記固定側ターミナルプレートに固着されるとともに他端が前記可動側ターミナルプレートに固着され、温度上昇に応じて収縮することにより前記レンズ保持部材を移動させる形状記憶アクチュエータと、を備え、
前記レンズ保持部材は、第1外側面と第2外側面とを有する可動側台座部を含み、
前記可動側ターミナルプレートは、前記第1外側面に取り付けられ、且つ、前記第1外側面を含む仮想平面と前記第2外側面を含む仮想平面との間の仮想交線に向かって、前記第1外側面と接触する部分から張り出すように形成される張出部を有し、
前記張出部の先端部には、前記固定側ターミナルプレートが前記ベース部材に取り付けられ、且つ、前記可動側ターミナルプレートが前記レンズ保持部材に取り付けられた状態で前記固定側ターミナルプレートと前記可動側ターミナルプレートとを連結する切捨連結部を切り離す際に形成される切断面がある、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のレンズ駆動装置と、
レンズ体と、
前記レンズ体に対向する撮像素子と、を有する、
カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、八つの形状記憶合金ワイヤを用いたレンズ駆動装置が知られている(特許文献1参照。)。このレンズ駆動装置では、八つの形状記憶合金ワイヤのそれぞれの端部は、個別の金属部材に固定されている。具体的には、八つの形状記憶合金ワイヤを固定側部材に取り付けるために八つの固定側金属部材が利用され、八つの形状記憶合金ワイヤを可動側部材に取り付けるために四つの可動側金属部材が利用されている。そして、矩形枠状の固定側部材の四隅のうちの一つに設けられた突出部に四つの固定側金属部材が取り付けられ、矩形枠状の固定側部材の四隅のうちの別の一つに設けられた別の突出部に残りの四つの固定側金属部材が取り付けられている。また、矩形枠状の可動側部材の四隅のうちの一つに設けられた突出部に二つの可動側金属部材が取り付けられ、矩形枠状の可動側部材の四隅のうちの別の一つに設けられた別の突出部に残りの二つの可動側金属部材が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2018/0149142号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のレンズ駆動装置では、一つの可動側金属部材と、二つの固定側金属部材と、二つの形状記憶合金ワイヤとは、一つの取付ユニットとして一体化されて提供される。すなわち、四つの可動側金属部材と、八つの固定側金属部材と、八つの形状記憶合金ワイヤとは、四つの取付ユニットとして提供される。そして、各取付ユニットは、可動側部材及び固定側部材のそれぞれに同時に取り付けられ且つ固定される。
【0005】
各取付ユニットは、一つの可動側金属部材と二つの固定側金属部材とが犠牲支柱体(切捨連結部)によって連結された状態で提供され、可動側部材及び固定側部材のそれぞれに固定された後で切捨連結部がレーザによって切断されるように構成されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、切捨連結部を切り離すためのレーザが、可動側部材又は固定側部材等の他の部材に照射されてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、切捨連結部を切り離すためのレーザが切捨連結部以外の他の部材に照射されてしまうのを防止できるレンズ駆動装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るレンズ駆動装置は、ベース部材と、前記ベース部材に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材と、前記ベース部材に取り付けられる固定側ターミナルプレートと、前記レンズ保持部材に取り付けられる可動側ターミナルプレートと、一端が前記固定側ターミナルプレートに固着されるとともに他端が前記可動側ターミナルプレートに固着され、温度上昇に応じて収縮することにより前記レンズ保持部材を移動させる形状記憶アクチュエータと、を備え、前記ベース部材は、第1外側面と第2外側面とを有する固定側台座部を含み、前記固定側ターミナルプレートは、前記第1外側面に取り付けられ、且つ、前記第1外側面を含む仮想平面と前記第2外側面を含む仮想平面との間の仮想交線に向かって、前記第1外側面と接触する部分から張り出すように形成される張出部を有し、前記張出部の先端部には、前記固定側ターミナルプレートが前記ベース部材に取り付けられ、且つ、前記可動側ターミナルプレートが前記レンズ保持部材に取り付けられた状態で前記固定側ターミナルプレートと前記可動側ターミナルプレートとを連結する切捨連結部を切り離す際に形成される切断面がある。
【発明の効果】
【0009】
上述のレンズ駆動装置は、切捨連結部を切り離すためのレーザが切捨連結部以外の他の部材に照射されてしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】レンズ駆動装置の斜視図である。
図2】レンズ駆動装置の分解斜視図である。
図3】レンズ保持部材及びベース部材のそれぞれに接続される金属部材の斜視図である。
図4】形状記憶合金ワイヤが取り付けられた金属部材の図である。
図5】ベース部材の斜視図である。
図6】板ばね、形状記憶合金ワイヤ、金属部材、及び導電部材の位置関係を示す図である。
図7】形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の一例を示す図である。
図8】固定側金属部材と導電部材とを接続する接続構造の一例を示す図である。
図9】ベース部材の別の一例の斜視図である。
図10】レンズ保持部材の別の一例の斜視図である。
図11】板ばね、形状記憶合金ワイヤ、金属部材、及び導電部材の位置関係の別の一例を示す図である。
図12】形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の別の一例を示す図である。
図13】固定側金属部材と導電部材とを接続する接続構造の別の一例を示す図である。
図14】固定側金属部材と導電部材とを接続する接続構造の別の一例を示す図である。
図15】固定側金属部材と導電部材とを接続する接続構造の更に別の一例を示す図である。
図16】金属部材に関する接続構造の一例を示す図である。
図17】固定側金属部材とベース部材とを接続する接続構造の一例を示す図である。
図18】固定側金属部材とベース部材とを接続する接続構造の一例を示す図である。
図19】金属部材アセンブリの正面図である。
図20】レンズ保持部材の詳細図である。
図21】治具の斜視図である。
図22】治具に取り付けられた部材の上面図である。
図23】ベース部材、レンズ保持部材、及び金属部材アセンブリが取り付けられる治具の斜視図である。
図24】形状記憶合金ワイヤ及び金属部材を示す図である。
図25】形状記憶合金ワイヤを保持する保持部の拡大図である。
図26】可動側金属部材における保持部と形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
図27】形状記憶合金ワイヤを保持する保持部の断面図である。
図28】形状記憶合金ワイヤを保持する保持部の拡大図である。
図29】金属部材アセンブリが取り付けられたレンズ保持部材及びベース部材の図である。
図30】金属部材アセンブリが取り付けられたレンズ保持部材及びベース部材の図である。
図31】固定側金属部材が取り付けられたベース部材の図である。
図32】固定側金属部材が取り付けられたベース部材の図である。
図33】可動側金属部材が取り付けられたレンズ保持部材の図である。
図34】可動側金属部材が取り付けられたレンズ保持部材の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図1(A)は、レンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図1(B)は、レンズ駆動装置101の下方斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
【0012】
図1及び図2において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1及び図2では、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の右側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の左側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
【0013】
レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材RGの一部であるカバー部材4を含む。カバー部材4は、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lを含む。
【0014】
カバー部材4は、各部材を覆う筐体として機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。また、カバー部材4は、図1に示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。
【0015】
上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、円形の開口4kが形成されている。第1外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
【0016】
同様に、下側カバー部材4Lは、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の底板部4Dと、を有する。底板部4Dの中央には、円形の開口4mが形成されている。第2外周壁部4Cは、第1側板部4C1~第4側板部4C4を含む。第1側板部4C1と第3側板部4C3とは互いに対向し、第2側板部4C2と第4側板部4C4とは互いに対向している。そして、第1側板部4C1及び第3側板部4C3は、第2側板部4C2及び第4側板部4C4に対して垂直に延びている。
【0017】
上側カバー部材4Uは、図1に示すように、接着剤によって下側カバー部材4Lに接合されている。第2外周壁部4Cは、第1外周壁部4Aを部分的に覆うように配置される。
【0018】
カバー部材4内には、図2に示すように、スペーサ部材1、レンズ保持部材2、金属部材5、板ばね6、ベース部材18、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。
【0019】
可動側部材MBは、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ体に関する光軸JDに沿ってレンズ保持部材2を移動させる駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAと、レンズ保持部材2を光軸JDに沿って移動可能に支持する板ばね6と、を含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸JDに沿うように構成されている。
【0020】
スペーサ部材1は、レンズ保持部材2がZ1方向に移動したときに合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成されたカバー部材4とが衝突するのを防止できるように配置されている。すなわち、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成され、レンズ保持部材2とカバー部材4の天板部4Bとの間に空間を形成できるように配置されている。そして、スペーサ部材1は、接着剤によって上側カバー部材4Uに固定されている。具体的には、スペーサ部材1とレンズ保持部材2とは、レンズ保持部材2のZ1方向(上方)への過度の動きを制限するストッパ機構を構成している。本実施形態では、レンズ保持部材2は、所定距離だけZ1方向へ移動したときにスペーサ部材1と接触するように構成されている。この構成により、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成された上側カバー部材4Uとが接触するのを防止し、そのような接触によるレンズ保持部材2の摩耗を防止できる。但し、別の構造等によってレンズ保持部材2と上側カバー部材4Uの天板部4Bとの間に空間を形成できるのであれば、スペーサ部材1は省略されてもよい。
【0021】
レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図2に示すように、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。本実施形態では、筒状部12の内周面には、レンズ体が螺着されるようにねじ溝が形成されている。レンズ体は、筒状部12の内周面に接着剤で固定されるように構成されていてもよい。この場合、筒状部12の内周面には、ねじ溝が形成されていなくてもよい。
【0022】
可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2の四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
【0023】
駆動機構MKは、形状記憶アクチュエータの一例である形状記憶合金ワイヤSAを含む。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、電気絶縁材料で被覆されたワイヤであり、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動機構MKは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してレンズ保持部材2を光軸JDに沿って上下に移動させることができる。なお、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの一つ又は複数が収縮するとレンズ保持部材2が移動し、その移動によって別の一つ又は複数が引き延ばされるように構成されている。
【0024】
板ばね6は、固定側部材RG(ベース部材18)に対してレンズ保持部材2を光軸JDに平行な方向に移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、板ばね6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。具体的には、板ばね6は、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。
【0025】
ベース部材18は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、ベース部材18は、図5(A)に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。具体的には、ベース部材18は、開口18Kを囲むように配置される四つの辺部18E(第1辺部18E1~第4辺部18E4)を有する。
【0026】
板ばね6は、レンズ保持部材2に形成された可動側台座部2Dと、ベース部材18に形成された固定側台座部18Dとを繋ぐように構成されている。なお、固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。
【0027】
より具体的には、第1板ばね6Aは、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。同様に、第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。
【0028】
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。本実施形態では、金属部材5は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dに固定されるように構成されている。
【0029】
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
【0030】
次に、図3を参照し、レンズ保持部材2及びベース部材18のそれぞれと金属部材5との間の位置関係について説明する。図3(A)は、可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)及び板ばね6が取り付けられたレンズ保持部材2の斜視図である。図3(B)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の斜視図である。なお、明瞭化のため、図3(A)では、可動側金属部材5M及び板ばね6にドットパターンが付され、図3(B)では、固定側金属部材5Fにドットパターンが付されている。
【0031】
図3(A)に示す例では、第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1可動側台座部2D1に形成された外側(Y1側)に突出する角形の突起部2Vと第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された矩形孔AH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、接着剤により第1可動側台座部2D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第1可動側台座部2D1のX2側の側壁(後側取付面)に固定され、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2のX1側の側壁(前側取付面)に固定され、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁(左側取付面)に固定されている。
【0032】
図3(B)に示す例では、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置された第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1固定側台座部18D1に形成された外側(Y1側)に突出する二つの丸形の突起部18Vと第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに形成された貫通孔RH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、接着剤により第1固定側台座部18D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置された第2固定側台座部18D2のX2側の側壁(後側取付面)に固定されている。また、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置された第1固定側台座部18D1のX1側の側壁(前側取付面)に固定されている。そして、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置された第2固定側台座部18D2のY2側の側壁(左側取付面)に固定されている。
【0033】
形状記憶合金ワイヤSAは、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの内面に沿うように延びており、固定側部材RGに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図2に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。
【0034】
次に、図4を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられる金属部材5について説明する。図4(A)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をY1側から見たときの図である。図4(B)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をX1側から見たときの図である。なお、図4(A)及び図4(B)に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられたときの位置関係に対応している。そして、図4(A)及び図4(B)では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図4(A)及び図4(B)を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせに関するが、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、並びに、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせについても同様に適用され得る。
【0035】
具体的には、第1ワイヤSA1の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の下側の保持部J3のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第1ワイヤSA1の他端は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J2のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定されている。同様に、第2ワイヤSA2の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の上側の保持部J1のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第2ワイヤSA2の他端は、第2固定側ターミナルプレート5F2の保持部J4のところで第2固定側ターミナルプレート5F2に固定されている。
【0036】
保持部J1は、形状記憶合金ワイヤSAを保持するための部分である保持部Jの一つであり、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部は、第2ワイヤSA2の一端を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第2ワイヤSA2の一端は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2~保持部J4についても同様である。
【0037】
第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、図4(A)に示すように、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
【0038】
次に、図5を参照し、固定側部材RGの一部であるベース部材18の詳細について説明する。図5は、ベース部材18の斜視図である。具体的には、図5(A)は、導電部材CMが取り除かれた状態のベース部材18の斜視図であり、図5(B)は、ベース部材18内に埋設されている導電部材CMの斜視図であり、図5(C)は、導電部材CMが埋設された状態のベース部材18の斜視図である。なお、図5(B)及び図5(C)では、明瞭化のため、導電部材CMにドットパターンが付されている。
【0039】
ベース部材18は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの一端を支持するワイヤ支持部材として機能するように構成されている。この構成により、可動側部材MBは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8によって、光軸JDに平行な方向であるZ軸方向に移動可能な状態で支持されている。
【0040】
ベース部材18の被写体側の面(Z1側の面)である上面には、固定側台座部18Dが形成されている。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸JDを挟んで対向するように配置されている。
【0041】
ベース部材18には、図5(B)に示すような、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、導電部材CMは、ベース部材18の下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる第1端子部TM1~第11端子部TM11と、ベース部材18の上面(Z1側の面)に露出する第9接合面部CP9及び第10接合面部CP10と、を有するように構成されている。
【0042】
具体的には、導電部材CMは、第1導電部材CM1~第11導電部材CM11を含む。そして、第1導電部材CM1は、第1端子部TM1及び第1接続部ED1を含む。第2導電部材CM2は、第2端子部TM2及び第2接続部ED2を含む。第3導電部材CM3は、第3端子部TM3及び第3接続部ED3を含む。第4導電部材CM4は、第4端子部TM4及び第4接続部ED4を含む。第5導電部材CM5は、第5端子部TM5及び第5接続部ED5を含む。第6導電部材CM6は、第6端子部TM6及び第6接続部ED6を含む。第7導電部材CM7は、第7端子部TM7及び第7接続部ED7を含む。第8導電部材CM8は、第8端子部TM8及び第8接続部ED8を含む。第9導電部材CM9は、第9端子部TM9及び第9接合面部CP9を含む。第10導電部材CM10は、第10端子部TM10及び第10接合面部CP10を含む。第11導電部材CM11は、第11端子部TM11及び第11接続部ED11を含む。
【0043】
第1端子部TM1~第4端子部TM4、第10端子部TM10、及び第11端子部TM11は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置されている。第5端子部TM5~第9端子部TM9は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置されている。
【0044】
すなわち、第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第1導電部材CM1の第1端子部TM1は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第2導電部材CM2の第2端子部TM2は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。
【0045】
また、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第7導電部材CM7の第7端子部TM7は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。同様に、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第8導電部材CM8の第8端子部TM8は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。
【0046】
このように、第1端子部TM1~第11端子部TM11は、ベース部材18の第1辺部18E1又は第3辺部18E3に沿って配置され、ベース部材18の第2辺部18E2及び第4辺部18E4に沿って配置されることはない。
【0047】
次に、図6を参照し、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係について説明する。図6は、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係を示す図である。具体的には、図6(A)は、各部材(板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CM)の斜視図であり、図6(B)は、各部材の上面図である。なお、図6(B)では、明瞭化のため、形状記憶合金ワイヤSA及び導電部材CMの図示が省略されている。また、図6(B)では、板ばね6にドットパターンが付されている。
【0048】
板ばね6は、図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。そして、第1板ばね6Aは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6A1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6A2と、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1(図2参照。)に固定される第3部分6A3と、第1部分6A1と第3部分6A3を繋ぐ第4部分6A4と、第2部分6A2と第3部分6A3を繋ぐ第5部分6A5と、を有する。
【0049】
第1部分6A1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6AH1及び第2貫通孔6AH2が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部18Tとの固定は、突出部18Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部18Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
【0050】
第2部分6A2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6AH3と、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(C)参照。)との接合に用いられる第4貫通孔6AH4とが形成されている。本実施形態では、板ばね6と導電部材CMとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、板ばね6と導電部材CMとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。
【0051】
第3部分6A3には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6AH5及び第6貫通孔6AH6が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部2Tの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
【0052】
同様に、第2板ばね6Bは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6B1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6B2と、レンズ保持部材2の第2可動側台座部2D2(図2参照。)に固定される第3部分6B3と、第1部分6B1と第3部分6B3を繋ぐ第4部分6B4と、第2部分6B2と第3部分6B3を繋ぐ第5部分6B5と、を有する。
【0053】
第1部分6B1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6BH1と、第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(C)参照。)との接合に用いられる第2貫通孔6BH2とが形成されている。
【0054】
第2部分6B2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6BH3及び第4貫通孔6BH4が形成されている。
【0055】
第3部分6B3には、第2可動側台座部2D2に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6BH5及び第6貫通孔6BH6が形成されている。
【0056】
なお、第1板ばね6Aの第4部分6A4及び第5部分6A5と第2板ばね6Bの第4部分6B4及び第5部分6B5とは、複数の屈曲部を有する弾性変形可能な腕部である。そのため、レンズ保持部材2は、ベース部材18(固定側部材RG)に対して、光軸JDに平行な方向のみならず、光軸JDと交差する方向にも移動可能となっている。
【0057】
図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、ほぼ同じ形状を有する。具体的には、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、光軸JDに関して2回回転対称となるように構成されている。そのため、この構成は、レンズ駆動装置101の部品点数を減らすことができる。また、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持できる。また、板ばね6は、8本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)によって支持される可動側部材MBの重量バランスに悪影響を及ぼすこともない。
【0058】
第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、図6(A)に示すように、半田付けによって第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1に垂直に接合される。すなわち、第1接続部ED1と接続部CT1とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、半田付けによって第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2に垂直に接合され、第3導電部材CM3の第3接続部ED3は、半田付けによって第3固定側ターミナルプレート5F3の接続部CT3に垂直に接合され、第4導電部材CM4の第4接続部ED4は、半田付けによって第4固定側ターミナルプレート5F4の接続部CT4に垂直に接合される。また、第5導電部材CM5の第5接続部ED5は、半田付けによって第5固定側ターミナルプレート5F5の接続部CT5に垂直に接合され、第6導電部材CM6の第6接続部ED6は、半田付けによって第6固定側ターミナルプレート5F6の接続部CT6に垂直に接合され、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、半田付けによって第7固定側ターミナルプレート5F7の接続部CT7に垂直に接合され、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、半田付けによって第8固定側ターミナルプレート5F8の接続部CT8に垂直に接合される。
【0059】
第1可動側ターミナルプレート5M1の接続部CT9は、図6(B)に示すように、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合される。すなわち、接続部CT9と第3部分6A3とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2の接続部CT10は、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合され、第3可動側ターミナルプレート5M3の接続部CT11は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合され、第4可動側ターミナルプレート5M4の接続部CT12は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合される。
【0060】
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図6(B)に示すように、第1板ばね6Aの第1部分6A1から離間して配置されており、第1板ばね6Aの第1部分6A1には接触していない。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1板ばね6Aの第2部分6A2には接触しておらず、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2板ばね6Bの第1部分6B1には接触しておらず、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2板ばね6Bの第2部分6B2には接触していない。
【0061】
第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(B)参照。)は、第2板ばね6Bの第1部分6B1に形成された第2貫通孔6BH2のところで、レーザ溶接等の溶接により、第2板ばね6Bの第1部分6B1に平行に接合される。すなわち、第9接合面部CP9と第1部分6B1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(B)参照。)は、第1板ばね6Aの第2部分6A2に形成された第4貫通孔6AH4のところで、レーザ溶接等の溶接により、第1板ばね6Aの第2部分6A2に平行に接合される。
【0062】
次に、図7を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図7は、図6に示す構成の一部の斜視図である。なお、図7(A)では、明瞭化のため、第1導電部材CM1及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1には更に細かいドットパターンが付されている。同様に、図7(B)では、明瞭化のため、第2導電部材CM2及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2には更に細かいドットパターンが付されている。
【0063】
具体的には、図7(A)は、第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示し、図7(B)は、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示す。以下の説明は、第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関するが、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路、及び、第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路についても同様に適用され得る。
【0064】
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(A)の矢印AR1で示すように第1導電部材CM1を通って第1端子部TM1から第1固定側ターミナルプレート5F1に流れる。その後、電流は、矢印AR2で示すように第1固定側ターミナルプレート5F1を通り、矢印AR3で示すように第1ワイヤSA1を通り、更に、矢印AR4で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR5及び矢印AR6で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR7で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
【0065】
第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(B)の矢印AR11で示すように第2導電部材CM2を通って第2端子部TM2から第2固定側ターミナルプレート5F2に流れる。その後、電流は、矢印AR12で示すように第2固定側ターミナルプレート5F2を通り、矢印AR13で示すように第2ワイヤSA2を通り、更に、矢印AR14で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR15及び矢印AR16で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR17で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
【0066】
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続された場合、及び、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続された場合の何れにおいても、第1可動側ターミナルプレート5M1から第10端子部TM10へ流れる電流の経路は同じである。
【0067】
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある制御装置は、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10のそれぞれの端子部に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
【0068】
略直方体形状を有するレンズ駆動装置101は、例えば、撮像素子(図示せず。)を実装した外部基板(図示せず。)の上に取り付けられる。カメラモジュールは、例えば、外部基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように外部基板に実装された撮像素子とで構成される。カメラモジュールは、制御装置を含んでいてもよい。
【0069】
制御装置は、例えば、駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による光軸JDに平行な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)において、光軸JDに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現してもよい。具体的には、制御装置は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしてもよい。
【0070】
また制御装置は、複数の形状記憶合金ワイヤSAに流れる電流を制御することによって、光軸JDと交差する方向にレンズ保持部材2を移動させてもよい。これにより、制御装置は、手振れ補正機能を実現してもよい。
【0071】
次に、図8を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例について説明する。図8は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例を示す図である。具体的には、図8(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の全体の斜視図である。図8(B)は、図8(A)に示す破線で囲まれた範囲R1をY1側からみたときの拡大側面図である。図8(C)は、図8(B)に示す破線で囲まれた範囲R2をZ2側からみたときの拡大底面図である。なお、図8(A)~図8(C)では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。
【0072】
図8(B)及び図8(C)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1は、接合材SDを介して第1導電部材CM1の第1接続部ED1に接合されている。接合材SDは、例えば、半田又は導電性接着剤等である。
【0073】
同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18における第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2は、接合材SDを介して第2導電部材CM2の第2接続部ED2に接合されている。なお、図8(B)及び図8(C)では、明瞭化のため、接合材SDにはクロスパターンが付されている。
【0074】
第1接続部ED1は、図8(C)に示すように、接続部CT1のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。同様に、第2接続部ED2は、接続部CT2のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。
【0075】
この配置は、少なくとも第1接続部ED1の上面(Z1側の面)と接続部CT1の外面(Y1側の面)とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。典型的には、この配置は、第1接続部ED1を構成している複数の面と接続部CT1を構成している複数の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。接続部CT2と第2接続部ED2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
【0076】
また、この配置は、メッキが施されていない第1接続部ED1の端面(Y1側の面)のみと接続部CT1とが接合材SDによって接合されてしまうのを防止できる。第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合についても同様である。なお、第1接続部ED1の端面(Y1側の面)は、不図示の切捨連結部を切り離す際に形成される切断面であるため、メッキが施されていない。切捨連結部は、複数の導電部材を連結するための部分であり、複数の導電部材がインサート成形によってベース部材18に埋め込まれる際に利用されるが最終的には切り捨てられる。
【0077】
図9図11を参照し、レンズ駆動装置101を構成するレンズ保持部材2、金属部材5、及びベース部材18の別の組み合わせについて説明する。
【0078】
図9は、ベース部材18の別の一例であるベース部材18Aの斜視図である。具体的には、図9(A)は、導電部材CMが取り除かれた状態のベース部材18Aの斜視図であり、図9(B)は、ベース部材18A内に埋設されている導電部材CMの斜視図であり、図9(C)は、導電部材CMが埋設された状態のベース部材18Aの斜視図である。なお、図9(B)及び図9(C)では、明瞭化のため、導電部材CMにドットパターンが付されている。
【0079】
図10は、レンズ保持部材2の別の一例であるレンズ保持部材2Aの斜視図である。レンズ保持部材2Aは、インサート成形によって導電部材20が埋め込まれている点で、レンズ保持部材2と異なる。具体的には、図10(A)は、導電部材20が取り除かれた状態のレンズ保持部材2Aの斜視図であり、図10(B)は、レンズ保持部材2A内に埋設されている導電部材20の斜視図であり、図10(C)は、導電部材20が埋設された状態のレンズ保持部材2Aの斜視図である。なお、図10(B)及び図10(C)では、明瞭化のため、導電部材20にドットパターンが付されている。
【0080】
図11は、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、導電部材20、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示す図である。具体的には、図11(A)は、金属部材5、ベース部材18A、及び導電部材20の位置関係を示す図である。図11(B)は、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、導電部材20、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示す図である。図11(B)では、明瞭化のため、導電部材20にドットパターンが付されている。
【0081】
ベース部材18Aは、図5に示すベース部材18と同様に、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。そして、ベース部材18Aは、図9(A)に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。ベース部材18Aの被写体側の面(Z1側の面)である上面には、固定側台座部18Dが形成されている。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸JDを挟んで対向するように配置されている。
【0082】
ベース部材18Aには、図9(B)に示すような、金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。この例では、導電部材CMは、ベース部材18Aの下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる第1端子部TM1~第10端子部TM10と、第1固定側台座部18D1の側面(X1側の面及びY1側の面)に露出する第1接合面部CP1、第2接合面部CP2、第5接合面部CP5、及び第6接合面部CP6と、第2固定側台座部18D2の側面(X2側の面及びY2側の面)に露出する第3接合面部CP3、第4接合面部CP4、第7接合面部CP7、及び第8接合面部CP8と、ベース部材18Aの上面(Z1側の面)に露出する第9接合面部CP9、第10接合面部CP10、第11接合面部CP11、及び第12接合面部CP12と、を有するように構成されている。
【0083】
具体的には、導電部材CMは、第1導電部材CM1~第12導電部材CM12を含む。そして、第1導電部材CM1は、第1端子部TM1及び第1接合面部CP1を含む。第2導電部材CM2は、第2端子部TM2及び第2接合面部CP2を含む。第3導電部材CM3は、第3端子部TM3及び第3接合面部CP3を含む。第4導電部材CM4は、第4端子部TM4及び第4接合面部CP4を含む。第5導電部材CM5は、第5端子部TM5及び第5接合面部CP5を含む。第6導電部材CM6は、第6端子部TM6及び第6接合面部CP6を含む。第7導電部材CM7は、第7端子部TM7及び第7接合面部CP7を含む。第8導電部材CM8は、第8端子部TM8及び第8接合面部CP8を含む。第9導電部材CM9は、第9端子部TM9及び第9接合面部CP9を含む。第10導電部材CM10は、第10端子部TM10及び第10接合面部CP10を含む。第11導電部材CM11は、第11接合面部CP11を含む。第12導電部材CM12は、第12接合面部CP12を含む。
【0084】
レンズ保持部材2Aは、図2に示すレンズ保持部材2と同様に、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2Aは、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。そして、可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2Aの四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
【0085】
レンズ保持部材2Aは、導電部材20が埋め込まれている点で、レンズ保持部材2と異なるが、その他の点ではレンズ保持部材2と同じである。そのため、以下では、相違部分である導電部材20が詳説され、その他の部分の説明が省略される。
【0086】
導電部材20は、ベース部材18に埋め込まれる導電部材CMと同様に、金属板から形成され、インサート成形によってレンズ保持部材2Aに埋め込まれている。この例では、導電部材20は、第1可動側台座部2D1に埋め込まれる第1導電部材20Aと、第2可動側台座部2D2に埋め込まれる第2導電部材20Bとを含む。
【0087】
第1導電部材20Aは、第1可動側台座部2D1の側壁(右側取付面)に露出するように構成された第1導電部20A1と、第1可動側台座部2D1の側壁(後側取付面)に露出するように構成された第2導電部20A2と、第1可動側台座部2D1の上面で第1導電部20A1と第2導電部20A2とを繋ぐように構成された第3導電部20A3と、を含む。
【0088】
第2導電部材20Bは、第2可動側台座部2D2の側壁(前側取付面)に露出するように構成された第1導電部20B1と、第2可動側台座部2D2の側壁(左側取付面)に露出するように構成された第2導電部20B2と、第2可動側台座部2D2の上面で第1導電部20B1と第2導電部20B2とを繋ぐように構成された第3導電部20B3と、を含む。
【0089】
図11(A)に示す金属部材5は、図3に示す金属部材5と同様に、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。この例では、金属部材5は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2D(図10(A)参照。)に固定されるように構成されている。
【0090】
より具体的には、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)は、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)は、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
【0091】
第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁(右側取付面)に露出している第1導電部20A1に溶接される。具体的には、図11(A)に示すように、第1可動側台座部2D1に形成された外側(Y1側)に突出する角形の突起部2V(図10(C)参照。)と第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された第1矩形孔AH1とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、光硬化型接着剤により第1可動側台座部2D1に固定されている。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。その上で、第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された第2矩形孔AH2から第1導電部材20Aの第1導電部20A1を露出させた状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、溶接又は接合材SDにより、第1導電部20A1に平行に接合される。すなわち、第1導電部20A1と第1可動側ターミナルプレート5M1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。第2可動側ターミナルプレート5M2~第4可動側ターミナルプレート5M4についても同様である。
【0092】
第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、図11(A)に示すように、第1固定側台座部18D1に形成された外側(Y1側)に突出する二つの丸形の突起部18Vと第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに形成された貫通孔RHとがかみ合った状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、光硬化型接着剤により第1固定側台座部18D1に固定されている。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。その上で、第1固定側ターミナルプレート5F1に形成された矩形孔FH1から第1導電部材CM1の第1接合面部CP1(図9(B)参照。)を露出させた状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、溶接又は接合材SDにより、第1導電部材CM1に平行に接合される。すなわち、第1接合面部CP1と第1固定側ターミナルプレート5F1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2に形成された矩形孔FH2から第2導電部材CM2の第2接合面部CP2(図9(B)参照。)を露出させた状態で、第2固定側ターミナルプレート5F2は、溶接又は接合材SDにより、第2接合面部CP2に平行に接合される。すなわち、第2接合面部CP2と第2固定側ターミナルプレート5F2とは互いの表面が略平行な状態で接合される。第3固定側ターミナルプレート5F3~第8固定側ターミナルプレート5F8についても同様である。
【0093】
この構成は、導電部材CMと固定側金属部材5Fとが接合材SDを介して垂直に接合される場合に比べ、導通接合性を向上させることができる。
【0094】
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図6(B)に示す構成と同様に、第1板ばね6Aの第1部分6A1から離間して配置されており、第1板ばね6Aの第1部分6A1には接触していない。また、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1板ばね6Aの第2部分6A2には接触しておらず、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2板ばね6Bの第1部分6B1には接触しておらず、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2板ばね6Bの第2部分6B2には接触していない。
【0095】
第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図9(B)参照。)は、第2板ばね6Bの第1部分6B1に形成された第2貫通孔6BH2のところで、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第2板ばね6Bの第1部分6B1に平行に接合される。すなわち、第9接合面部CP9と第1部分6B1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図9(B)参照。)は、第1板ばね6Aの第2部分6A2に形成された第4貫通孔6AH4のところで、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第1板ばね6Aの第2部分6A2に平行に接合される。すなわち、第10接合面部CP10と第2部分6A2とは互いの表面が略平行な状態で接合される。
【0096】
図11(B)に示す形状記憶合金ワイヤSAは、図6(A)に示す形状記憶合金ワイヤSAと同様に、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの内面に沿うように延びており、固定側部材RGに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。この例では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図11(B)に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固定され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固定されている。
【0097】
図11(B)に示す板ばね6は、図6(A)に示す板ばね6と同様に、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。そして、第1板ばね6Aは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図11(A)参照。)に固定される第1部分6A1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図11(A)参照。)に固定される第2部分6A2と、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1(図10(A)参照。)に固定される第3部分6A3と、第1部分6A1と第3部分6A3を繋ぐ第4部分6A4と、第2部分6A2と第3部分6A3を繋ぐ第5部分6A5と、を有する。
【0098】
第1部分6A1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図11(A)参照。)が挿通される第1貫通孔6AH1が形成されている。この例では、板ばね6と突出部18Tとの固定は、突出部18Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部18Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
【0099】
第2部分6A2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図11(A)参照。)が挿通される第3貫通孔6AH3と、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図9(C)参照。)との接合に用いられる第4貫通孔6AH4とが形成されている。この例では、板ばね6と導電部材CMとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、板ばね6と導電部材CMとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。
【0100】
第3部分6A3には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図10(C)参照。)が挿通される第5貫通孔6AH5及び第6貫通孔6AH6と、第1導電部材20Aの第3導電部20A3(図10(C)参照。)との接合に用いられる第7貫通孔6AH7とが形成されている。この例では、板ばね6と突出部2Tの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。また、第1板ばね6Aの第3部分6A3と第1導電部材20Aの第3導電部20A3の固定は、溶接によって実現される。
【0101】
第2板ばね6Bとレンズ保持部材2、ベース部材18、導電部材20、及び導電部材CMとの固定についても同様である。
【0102】
次に、図12を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図12は、図11に示す構成の一部の斜視図である。なお、図12(A)では、明瞭化のため、第1導電部材CM1及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1には更に細かいドットパターンが付され、第1導電部材20Aにはクロスパターンが付されている。同様に、図12(B)では、明瞭化のため、第2導電部材CM2及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2には更に細かいドットパターンが付され、第1導電部材20Aにはクロスパターンが付されている。
【0103】
具体的には、図12(A)は、第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示し、図7(B)は、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示す。以下の説明は、第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関するが、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路、及び、第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路についても同様に適用され得る。
【0104】
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図12(A)の矢印AR1で示すように第1導電部材CM1を通って第1端子部TM1から第1固定側ターミナルプレート5F1に流れる。その後、電流は、矢印AR2で示すように第1固定側ターミナルプレート5F1を通り、矢印AR3で示すように第1ワイヤSA1を通り、更に、矢印AR4で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR5で示すように第1導電部材20A及び第1板ばね6Aの第3部分6A3を通り、矢印AR6及び矢印AR7で示すように、第1板ばね6Aの第5部分6A5及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR8で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
【0105】
第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図12(B)の矢印AR11で示すように第2導電部材CM2を通って第2端子部TM2から第2固定側ターミナルプレート5F2に流れる。その後、電流は、矢印AR12で示すように第2固定側ターミナルプレート5F2を通り、矢印AR13で示すように第2ワイヤSA2を通り、更に、矢印AR14で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR15で示すように第1導電部材20A及び第1板ばね6Aの第3部分6A3を通り、矢印AR16及び矢印AR17で示すように第1板ばね6Aの第5部分6A5及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR18で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
【0106】
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続された場合、及び、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続された場合の何れにおいても、第1可動側ターミナルプレート5M1から第10端子部TM10へ流れる電流の経路は同じである。
【0107】
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある制御装置は、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10のそれぞれの端子部に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
【0108】
次に、図13及び図14を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の別の一例について説明する。図13及び図14は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の別の一例を示す図である。具体的には、図13(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の全体の斜視図であり、図8(A)に対応している。図13(B)は、図13(A)に示す破線で囲まれた範囲R3をY1側からみたときの拡大側面図であり、図8(B)に対応している。図14(A)は、図13(B)に示す破線で囲まれた範囲R4をZ2側からみたときの拡大底面図であり、図8(C)に対応している。図14(B)は、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1と第1導電部材CM1の第1接続部ED1とを前側(X1側)からみたときの接続部CT1及び第1接続部ED1の図である。なお、図13及び図14では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。また、図13(B)、図14(A)、及び図14(B)では、明瞭化のため、接合材SDにはクロスパターンが付されている。
【0109】
図13(B)及び図14(A)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1は、接合材SDを介して第1導電部材CM1の第1接続部ED1に接合されている。接合材SDは、例えば、半田又は導電性接着剤等である。
【0110】
同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18における第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2は、接合材SDを介して第2導電部材CM2の第2接続部ED2に接合されている。
【0111】
接続部CT1は、図14(A)及び図14(B)に示すように、第1接続部ED1のY1側(右側)の端面EPの少なくとも一部を覆うように配置されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図14(B)に示すように、接続部CT1が第1接続部ED1の外側(Y1側)に位置するように接続部CT1の付け根RTのところで外側(Y1側)に曲げられている。接続部CT2についても同様である。
【0112】
この配置は、少なくとも接続部CT1の下面(Z2側の面)と第1接続部ED1の外側(Y1側)の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。典型的には、この配置は、第1接続部ED1を構成している複数の面と接続部CT1を構成している複数の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。接続部CT2と第2接続部ED2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
【0113】
また、図14(A)に示すように、第1接続部ED1の先端には凹部RS1が形成されている。この構成は、接続部CT1と第1接続部ED1との間に接合材SDが入り込み易くするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。先端に凹部RS2が形成された第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
【0114】
また、この配置は、メッキが施されていない第1接続部ED1の端面EP(Y1側の面)のみと接続部CT1とが接合材SDによって接合されてしまうのを防止できる。第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合についても同様である。
【0115】
次に、図15を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の更に別の一例について説明する。図15は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の更に別の一例を示す図である。具体的には、図15(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられる前のベース部材18の下方斜視図である。図15(B)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられた後のベース部材18の下方斜視図であり、図15(A)に対応している。なお、図15(A)及び図15(B)では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。
【0116】
図15に示す例では、接続部CT1は、弾性接触部EC1を有する。弾性接触部EC1は、接続部CT1の先端に形成された部分であり、第1接続部ED1の先端に形成された凹部RS1とかみ合うように構成されている。具体的には、弾性接触部EC1は、図15(B)に示すように、凹部RS1にかみ合わされた状態において、第1接続部ED1をY2方向に押す力を生じさせるように構成されている。すなわち、弾性接触部EC1は、凹部RS1に弾性的に接触するように構成されている。そして、接続部CT1は、弾性接触部EC1が凹部RS1に押し付けられた状態で、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第1接続部ED1に接合される。
【0117】
同様に、接続部CT2は、弾性接触部EC2を有する。弾性接触部EC2は、接続部CT2の先端に形成された部分であり、第2接続部ED2の先端に形成された凹部RS2とかみ合うように構成されている。具体的には、弾性接触部EC2は、図15(B)に示すように、凹部RS2にかみ合わされた状態において、第2接続部ED2をY2方向に押す力を生じさせるように構成されている。すなわち、弾性接触部EC2は、凹部RS2に弾性的に接触するように構成されている。そして、接続部CT2は、弾性接触部EC2が凹部RS2に押し付けられた状態で、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第2接続部ED2に接合される。
【0118】
この構成は、接続部CT1(弾性接触部EC1)と第1接続部ED1(凹部RS1)とが弾性的に接触した状態で接合されるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の溶接又は接合材SDによる接続強度を高めることができる。
【0119】
次に、図16図18を参照し、金属部材5に関する接続構造の一例について説明する。図16は、金属部材5に関する接続構造の一例を示す図である。具体的には、図16(A)は、レンズ保持部材2、金属部材5、導電部材CM、及び形状記憶合金ワイヤSAが組み付けられたベース部材18の正面図である。図16(B)は、図16(A)に示す破線で囲まれた範囲R5の拡大図である。図16(C)は、図16(A)に示す破線で囲まれた範囲R6の拡大図である。なお、図16(A)では、明瞭化のため、レンズ保持部材2に粗いドットパターンが付され、ベース部材18に細かいドットパターンが付されている。また、図16(B)及び図16(C)では、明瞭化のため、光硬化型接着剤EAにドットパターンが付されている。
【0120】
この例では、光硬化型接着剤EAは、紫外線の照射によって一次硬化され、且つ、加熱によって二次硬化されるハイブリッド型接着剤である。但し、光硬化型接着剤EAは、可視光又は紫外線の照射のみによって硬化される接着剤であってもよい。
【0121】
図17及び図18は、固定側金属部材5Fとベース部材18とを接続する接続構造の一例を示す図である。具体的には、図17(A)は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6が取り付けられる前のベース部材18の斜視図である。図17(B)は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6が取り付けられた後のベース部材18の斜視図であり、図17(A)に対応している。図18は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6が取り付けられた後で光硬化型接着剤EAが塗布される前のベース部材18の正面図であり、図17(B)に対応している。
【0122】
以下の説明は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6とベース部材18とを接続する接続構造に関するが、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4、第7固定側ターミナルプレート5F7、及び第8固定側ターミナルプレート5F8のそれぞれとベース部材18とを接続する接続構造についても同様に適用される。
【0123】
具体的には、ベース部材18は、図16(B)に示すように突起部18Vを有する。突起部18Vは、上側突起部18VU及び下側突起部18VLを含む。上側突起部18VUは、第5固定側ターミナルプレート5F5に形成された貫通孔RH(第5貫通孔RH5)に挿通され、下側突起部18VLは、第6固定側ターミナルプレート5F6に形成された貫通孔RH(第6貫通孔RH6)に挿通される。なお、「第5貫通孔RH5」における「第5」は、第5固定側ターミナルプレート5F5に関することを意味し、「第6貫通孔RH6」における「第6」は、第6固定側ターミナルプレート5F6に関することを意味する。そして、符号で示されてはいないが、第1固定側ターミナルプレート5F1~第4固定側ターミナルプレート5F4、第7固定側ターミナルプレート5F7、及び第8固定側ターミナルプレート5F8のそれぞれにも対応する貫通孔が存在する。後述の「第5軸AX5」、「第6軸AX6」、「第5当接面CF5」、「第6当接面CF6」、「第5延設部EL5」、及び「第6延設部EL6」に関しても同様である。
【0124】
そして、第5固定側ターミナルプレート5F5は、上側突起部18VUと第5貫通孔RH5とを嵌合させた状態でベース部材18に取り付けられ、第5貫通孔RH5の周囲の表面から上側突起部18VUの外側面に亘って配置される光硬化型接着剤EA(第1光硬化型接着剤EA1)によりベース部材18に固定される。上側突起部18VUの外側面は、典型的には、上側突起部18VUの端面及び外周面を含む。但し、上側突起部18VUの外側面は、上側突起部18VUの外周面であってもよい。すなわち、上側突起部18VUの外側面は、上側突起部18VUの端面を含んでいなくてもよい。
【0125】
同様に、第6固定側ターミナルプレート5F6は、下側突起部18VLと第6貫通孔RH6とを嵌合させた状態でベース部材18に取り付けられ、第6貫通孔RH6の周囲の表面から下側突起部18VLの外側面に亘って配置される第1光硬化型接着剤EA1によりベース部材18に固定される。下側突起部18VLの外側面は、下側突起部18VLの端面及び外周面を含む。但し、下側突起部18VLの外側面は、下側突起部18VLの外周面であってもよい。すなわち、下側突起部18VLの外側面は、下側突起部18VLの端面を含んでいなくてもよい。
【0126】
この例では、上側突起部18VU及び下側突起部18VLは、上下方向(Z軸方向)に沿って並ぶように配置され且つ近接するように配置されている。そして、第1光硬化型接着剤EA1は、第5貫通孔RH5の周囲の表面から上側突起部18VUの外側面に亘って配置され、且つ、第6貫通孔RH6の周囲の表面から下側突起部18VLの外側面に亘って配置される。すなわち、第1光硬化型接着剤EA1は、上側突起部18VU及び下側突起部18VLを一体的に覆うように配置されている。但し、上側突起部18VU及び下側突起部18VLは、上下方向に対して斜めに並ぶように配置されていてもよい。また、上側突起部18VUに付着する光硬化型接着剤EAと下側突起部18VLに付着する光硬化型接着剤EAとは互いに離れて配置されていてもよい。
【0127】
第5固定側ターミナルプレート5F5は、第5貫通孔RH5から離れる方向に延設される延設部EL(第5延設部EL5)を有する。この例では、第5固定側ターミナルプレート5F5は、Y2方向に延びた後でZ2方向に延びて接続部CT5に繋がる第5延設部EL5を有する。また、この例では、第5延設部EL5は、上側突起部18VUを挟んで保持部J2が位置する側とは反対の側に位置するように形成されている。
【0128】
同様に、第6固定側ターミナルプレート5F6は、第6貫通孔RH6から離れる方向に延設される延設部EL(第6延設部EL6)を有する。この例では、第6固定側ターミナルプレート5F6は、Y2方向に延びた後でZ2方向に延びて接続部CT6に繋がる第6延設部EL6を有する。また、この例では、第6延設部EL6は、第5延設部EL5と同様に、下側突起部18VLを挟んで保持部J4が位置する側とは反対の側に位置するように形成されている。
【0129】
また、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6は、第1光硬化型接着剤EA1だけではなく、第2光硬化型接着剤EA2及び第3光硬化型接着剤EA3によっても固着される。具体的には、第2光硬化型接着剤EA2は、第1光硬化型接着剤EA1と同様に、第5固定側ターミナルプレート5F5と第6固定側ターミナルプレート5F6とに跨がるように配置されている。より具体的には、第2光硬化型接着剤EA2は、図16(B)に示すように、第5延設部EL5の下側(Z2側)の周縁と第6延設部EL6の上側(Z1側)の周縁とに跨がるように配置されている。一方で、第3光硬化型接着剤EA3は、第5固定側ターミナルプレート5F5のみに付着するように配置されている。具体的には、第3光硬化型接着剤EA3は、図16(B)に示すように、第5延設部EL5の左側(Y2側)の周縁に付着するように配置されている。
【0130】
また、図16(B)、図17、及び図18に示すように、第5固定側ターミナルプレート5F5と第6固定側ターミナルプレート5F6との間には規制壁部RBが配置され、固定側金属部材5Fの内側(X2側)には凹部GRが配置されている。なお、図17及び図18では、明瞭化のため、規制壁部RBに細かいドットパターンが付され、凹部GRに粗いドットパターンが付されている。また、図17(B)では、光硬化型接着剤EAに更に粗いドットパターンが付されている。
【0131】
規制壁部RBは、ベース部材18の外面(X1側の面)から外方(X1方向)に隆起する部分であり、図17(A)に示すように、第5当接面CF5と第6当接面CF6とを定めるように構成されている。第5当接面CF5は、第5固定側ターミナルプレート5F5の第5延設部EL5の右側(Y1側)の周縁と接触するように構成されている。また、第6当接面CF6は、第6固定側ターミナルプレート5F6の第6延設部EL6の左側(Y2側)の周縁と接触するように構成されている。
【0132】
具体的には、第5当接面CF5は、前後方向(X軸方向)に延びる上側突起部18VUの中心軸である第5軸AX5(図17(A)参照。)を回転中心として円弧動しようとする第5延設部EL5の円弧動を阻止できるように配置されている。また、第6当接面CF6は、前後方向(X軸方向)に延びる下側突起部18VLの中心軸である第6軸AX6(図17(A)参照。)を回転中心として円弧動しようとする第6延設部EL6の円弧動を阻止できるように配置されている。
【0133】
凹部GRは、固定側金属部材5Fとベース部材18との間に光硬化型接着剤EAを配置するための構造である。この例では、凹部GRは、第1凹部GR1、第2凹部GR2、第3凹部GR3、及び第4凹部GR4を含む。
【0134】
第1凹部GR1は、上側突起部18VUと下側突起部18VLとを繋ぐように形成されている。具体的には、第1凹部GR1は、上下方向に延び、第5固定側ターミナルプレート5F5の内側(X2側)と第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)とを通るように形成されている。
【0135】
第2凹部GR2は、第1凹部GR1と第3凹部GR3との間に形成されている。具体的には、第2凹部GR2は、上下方向に延び、第5固定側ターミナルプレート5F5の内側(X2側)と第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)とを通るように形成されている。また、第2凹部GR2は、第6固定側ターミナルプレート5F6を構成する接続部CT6の右側(Y2側)の周縁の内側(X2側)を通るように形成されている。
【0136】
第3凹部GR3は、第5固定側ターミナルプレート5F5を構成する第5延設部EL5及び接続部CT5のそれぞれの左側(Y2側)の周縁の内側(X2側)を通るように形成されている。具体的には、第3凹部GR3は、上下方向に延び、第5固定側ターミナルプレート5F5の内側(X2側)を通るが、第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)を通らないように形成されている。
【0137】
第4凹部GR4は、第1凹部GR1の右側(Y1側)において上下方向に延び、第5固定側ターミナルプレート5F5の内側(X2側)と第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)とを通るように形成されている。
【0138】
また、凹部GRは、外方からアクセス可能なように構成されている。すなわち、凹部GRは、光硬化型接着剤EAが固定側金属部材5Fの外側(X1側)から凹部GR内に流し込まれて固定側金属部材5Fの内側(X2側)の面に付着できるように構成されている。
【0139】
具体的には、第1凹部GR1は、第1光硬化型接着剤EA1が第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの外側(X1側)から流し込まれ、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの内側(X2側)の面に付着できるように構成されている。すなわち、第1凹部GR1は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6がベース部材18に取り付けられた状態で、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)に第1光硬化型接着剤EA1を受け入れられるように構成されている。
【0140】
また、第2凹部GR2は、第2光硬化型接着剤EA2が第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの外側(X1側)から流し込まれ、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの内側(X2側)の面に付着できるように構成されている。すなわち、第2凹部GR2は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6がベース部材18に取り付けられた状態で、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)に第2光硬化型接着剤EA2を受け入れられるように構成されている。
【0141】
また、第3凹部GR3は、第3光硬化型接着剤EA3が第5固定側ターミナルプレート5F5の外側(X1側)から流し込まれ、第5固定側ターミナルプレート5F5の内側(X2側)の面に付着できるように構成されている。すなわち、第3凹部GR3は、第5固定側ターミナルプレート5F5がベース部材18に取り付けられた状態で、第5延設部EL5の内側(X2側)に第3光硬化型接着剤EA3を受け入れられるように構成されている。
【0142】
なお、規制壁部RBに面する第5延設部EL5の右側(Y1側)の周縁の反対側にある第5延設部EL5の左側(Y2側)の周縁には、外方(X1方向)から第3凹部GR3にアクセスできるように切欠部CUaが形成されている。第3光硬化型接着剤EA3は、切欠部CUaを通じて第3凹部GR3内に流し込まれ、第5延設部EL5の内側(X2側)の面に付着できる。
【0143】
また、第4凹部GR4は、第1光硬化型接着剤EA1が第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの外側(X1側)から流し込まれ、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの内側(X2側)の面に付着できるように構成されている。すなわち、第4凹部GR4は、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6がベース部材18に取り付けられた状態で、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6の内側(X2側)に第1光硬化型接着剤EA1を受け入れられるように構成されている。すなわち、第1光硬化型接着剤EA1は、第1凹部GR1及び第4凹部GR4のそれぞれに入り込むように塗布される。
【0144】
レンズ保持部材2は、図16(C)に示すように矩形状の突起部2Vを有する。この例では、突起部2Vは、第3可動側ターミナルプレート5M3に形成された矩形孔AHに挿通される。
【0145】
そして、第3可動側ターミナルプレート5M3は、突起部2Vと矩形孔AHとを嵌合させた状態でレンズ保持部材2に取り付けられ、矩形孔AHの周囲の表面から突起部2Vの外側面に亘って配置される光硬化型接着剤EA(第4光硬化型接着剤EA4)によりレンズ保持部材2に固定される。突起部2Vの外側面は、典型的には、突起部2Vの端面及び外周面を含む。但し、突起部2Vの外側面は、突起部2Vの外周面であってもよい。すなわち、突起部2Vの外側面は、突起部2Vの端面を含んでいなくてもよい。
【0146】
第3可動側ターミナルプレート5M3は、第3可動側ターミナルプレート5M3の中央部に配置された矩形孔AHと矩形状の突起部2Vとの嵌合により、突起部2V回りに回転しないように構成されている。具体的には、矩形孔AHは、保持部J1と保持部J3との間の略中間に位置するように形成されている。
【0147】
また、第3可動側ターミナルプレート5M3は、矩形孔AHから離れる方向に延びる延長部EM(第3延長部EM3)を有する。この例では、第3可動側ターミナルプレート5M3は、Y1方向に延びる第3延長部EM3を有する。また、この例では、第3延長部EM3は、突起部2Vを挟んで接続部CT11が位置する側とは反対の側に位置するように形成されている。
【0148】
また、図16(C)に示すように、第3延長部EM3の右側(Y1側)には、規制壁部STが配置されている。
【0149】
規制壁部STは、レンズ保持部材2の外面(X1側の面)から外方(X1方向)に隆起する部分であり、当接面CFbを定めるように構成されている。当接面CFbは、第3可動側ターミナルプレート5M3の延長部EM3の右側(Y1側)の周縁と接触するように構成されている。具体的には、当接面CFbは、右方(Y1方向)に移動しようとする第3可動側ターミナルプレート5M3の移動を阻止できるように配置されている。
【0150】
なお、第3延長部EM3の右側(Y1側)の周縁には、規制壁部STの当接面CFbと対向するように切欠部CUbが形成されている。第5光硬化型接着剤EA5は、切欠部CUbを通じて第3延長部EM3の内側(X2側)に至り、第3延長部EM3の内側(X2側)の面に付着できる。
【0151】
次に、図18を参照し、固定側金属部材5Fをベース部材18に取り付ける際に形状記憶合金ワイヤSAが収縮したときに固定側金属部材5Fに作用する力について説明する。
【0152】
形状記憶合金ワイヤSAは加熱されると収縮する。図18に示す例では、収縮する第5ワイヤSA5は、矢印AR20で示す方向に保持部J2を引っ張る力を発生させる。この場合、収縮する第5ワイヤSA5は、矢印AR21で示すような、上側突起部18VUの中心軸である第5軸AX5回りに第5固定側ターミナルプレート5F5を回転させようとする力を発生させる。更には、収縮する第5ワイヤSA5は、矢印AR22で示すような、第5軸AX5回りに第5固定側ターミナルプレート5F5の第5延設部EL5を回転させようとする力を発生させる。
【0153】
そのため、第5延設部EL5は、矢印AR22で示す方向に回転しようとするが、第5延設部EL5の右側(Y1側)の周縁が規制壁部RBの第5当接面CF5と接触しているため、その回転が第5当接面CF5によって阻止される。
【0154】
このように、第5ワイヤSA5が加熱によって収縮した場合であっても、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第5軸AX5回りに回転することはない。
【0155】
同様に、収縮する第6ワイヤSA6は、矢印AR23で示す方向に保持部J4を引っ張る力を発生させる。この場合、収縮する第6ワイヤSA6は、矢印AR24で示すような、下側突起部18VLの中心軸である第6軸AX6回りに第6固定側ターミナルプレート5F6を回転させようとする力を発生させる。更には、収縮する第6ワイヤSA6は、矢印AR25で示すような、第6軸AX6回りに第6固定側ターミナルプレート5F6の第6延設部EL6を回転させようとする力を発生させる。
【0156】
そのため、第6延設部EL6は、矢印AR25で示す方向に回転しようとするが、第6延設部EL6の左側(Y2側)の周縁が規制壁部RBの第6当接面CF6と接触しているため、その回転が第6当接面CF6によって阻止される。
【0157】
このように、第6ワイヤSA6が加熱によって収縮した場合であっても、第6固定側ターミナルプレート5F6は、第6軸AX6回りに回転することはない。
【0158】
次に、図19を参照し、金属部材アセンブリMAについて説明する。図19は、金属部材アセンブリMAの正面図である。
【0159】
金属部材アセンブリMAは、金属部材5をレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付ける際に利用されるユニットであり、図19に示すように、一つの可動側金属部材5Mと、二つの固定側金属部材5Fと、二つの形状記憶合金ワイヤSAと、切捨連結部CNとが一体化された状態で提供される。本実施形態では、金属部材アセンブリMAは、第1金属部材アセンブリMA1~第4金属部材アセンブリMA4を含み、切捨連結部CNは、第1切捨連結部CN1~第4切捨連結部CN4を含む。図19は、第3可動側ターミナルプレート5M3、第5固定側ターミナルプレート5F5、第6固定側ターミナルプレート5F6、第5ワイヤSA5、第6ワイヤSA6、及び第3切捨連結部CN3で構成された第3金属部材アセンブリMA3を示している。第1金属部材アセンブリMA1、第2金属部材アセンブリMA2、及び第4金属部材アセンブリMA4は何れも図示されていないが、第3金属部材アセンブリMA3と同様の構成を有する。
【0160】
具体的には、不図示の第1金属部材アセンブリMA1は、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1固定側ターミナルプレート5F1、第2固定側ターミナルプレート5F2、第1ワイヤSA1、第2ワイヤSA2、及び第1切捨連結部CN1で構成されている。また、不図示の第2金属部材アセンブリMA2は、第2可動側ターミナルプレート5M2、第3固定側ターミナルプレート5F3、第4固定側ターミナルプレート5F4、第3ワイヤSA3、第4ワイヤSA4、及び第2切捨連結部CN2で構成されている。同様に、不図示の第4金属部材アセンブリMA4は、第4可動側ターミナルプレート5M4、第7固定側ターミナルプレート5F7、第8固定側ターミナルプレート5F8、第7ワイヤSA7、第8ワイヤSA8、及び第4切捨連結部CN4で構成されている。
【0161】
なお、図19では、明瞭化のため、金属部材5(第3可動側ターミナルプレート5M3、第5固定側ターミナルプレート5F5、第6固定側ターミナルプレート5F6)に粗いドットパターンが付され、第3切捨連結部CN3に細かいドットパターンが付されている。
【0162】
切捨連結部CNは、金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられ、光硬化型接着剤EA(図16(C)参照。)により可動側金属部材5Mがレンズ保持部材2に固着され、且つ、光硬化型接着剤EA(図16(B)参照。)により固定側金属部材5Fがベース部材18に固着された後で、レーザにより切断されて切り離される。
【0163】
次に、図20及び図21を参照し、金属部材アセンブリMAをレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付ける際に利用される構造について説明する。図20は、レンズ保持部材2の詳細図である。具体的には、図20(A)は、レンズ保持部材2の底面図である。図20(B)は、レンズ保持部材2の底面斜視図である。図20(C)は、図20(B)に示す破線で囲まれた範囲R7の拡大図である。図21は、金属部材アセンブリMAをレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付ける際に利用される治具JGの斜視図である。具体的には、図21(A)は、治具JGの全体を示す斜視図である。図21(B)は、図21(A)に示す破線で囲まれた範囲R8を反対側からみたときの拡大斜視図である。
【0164】
レンズ保持部材2には、図20に示すように、可動側台座部2Dの下面(Z2側の面)にストッパ用凹部CV及び治具用凹部DPが形成されている。なお、図20では、明瞭化のため、ストッパ用凹部CVに粗いドットパターンが付され、治具用凹部DPに細かいドットパターンが付されている。
【0165】
具体的には、第1可動側台座部2D1の下面には第1ストッパ用凹部CV1、第1治具用凹部DP1、及び第2治具用凹部DP2が形成されている。また、第2可動側台座部2D2の下面には第2ストッパ用凹部CV2、第3治具用凹部DP3、及び第4治具用凹部DP4が形成されている。
【0166】
ストッパ用凹部CVは、上述のように、第1ストッパ用凹部CV1及び第2ストッパ用凹部CV2を有する。ストッパ用凹部CVは、ストッパ用凸部18S(図2参照。)を非接触で受け入れるように構成されている。ストッパ用凸部18Sは、第1ストッパ用凸部18S1及び第2ストッパ用凸部18S2を含む。ストッパ用凹部CVは、ストッパ用凸部18Sと協働してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。具体的には、ストッパ用凹部CVは、レンズ保持部材2の動きが過度に大きくなったときにストッパ用凸部18Sと接触してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。レンズ保持部材2の過度の動きは、レンズ保持部材2の光軸JD回りの過度の回転、X軸方向におけるレンズ保持部材2の過度の並進、及び、Y軸方向におけるレンズ保持部材2の過度の並進等の少なくとも一つを含む。
【0167】
より具体的には、第1ストッパ用凹部CV1は、第1ストッパ用凸部18S1を非接触で受け入れるように構成され、第2ストッパ用凹部CV2は、第2ストッパ用凸部18S2を非接触で受け入れるように構成されている。
【0168】
なお、ベース部材18のストッパ用凹部SB(図2参照。)は、レンズ保持部材2の突設部2S(ストッパ用凸部)を非接触で受け入れるように構成されている。そして、ストッパ用凹部SBは、ストッパ用凸部(突設部2S)と協働してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。具体的には、ストッパ用凹部SBは、レンズ保持部材2の動きが過度に大きくなったときにストッパ用凸部(突設部2S)と接触してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。
【0169】
より具体的には、ストッパ用凹部SBは、第1固定側台座部18D1の内側に形成された第1ストッパ用凹部SB1と、第2固定側台座部18D2の内側に形成された第2ストッパ用凹部SB2とを含む。そして、第1ストッパ用凹部SB1は、第1ストッパ用凸部(第1突設部2S1)を非接触で受け入れるように構成され、第2ストッパ用凹部SB2は、第2ストッパ用凸部(第2突設部2S2)を非接触で受け入れるように構成されている。
【0170】
このように、レンズ保持部材2におけるストッパ用凹部CV及びストッパ用凸部(突設部2S)、並びに、ベース部材18におけるストッパ用凹部RS及びストッパ用凸部18Sは、レンズ保持部材2の過度の動きを制限するストッパ機構を構成している。
【0171】
治具用凹部DPは、図21に示す治具JGの回転止め部材LKとかみ合うように構成されている。治具JGは、図21に示すように、支持部材PT、並進止め部材BK、及び回転止め部材LKを有するように構成されている。
【0172】
支持部材PTは、レンズ保持部材2及びベース部材18を支持するための部材であり、第1支持部材PT1及び第2支持部材PT2を含む。
【0173】
第1支持部材PT1は、ベース部材18を支持するための部材である。具体的には、第1支持部材PT1は、ベース部材18の四つの辺部18E(図2参照。)を下側から支持できるよう略直方体形状を有する。
【0174】
第2支持部材PT2は、レンズ保持部材2を支持するための部材である。具体的には、第2支持部材PT2は、ベース部材18の開口18K内に収まるように、且つ、レンズ保持部材2の筒状部12を下側から支持できるように略円柱形状を有する。
【0175】
並進止め部材BKは、ベース部材18の並進及び回転を防止できるように構成されている。具体的には、並進止め部材BKは、第1並進止め部材BK1~第4並進止め部材BK4を含む。
【0176】
第1並進止め部材BK1は、ベース部材18の第1辺部18E1と接触してベース部材18のX1方向への並進を止めることができるように配置されている。同様に、第2並進止め部材BK2は、ベース部材18の第2辺部18E2と接触してベース部材18のY1方向への並進を止めることができるように配置され、第3並進止め部材BK3は、ベース部材18の第3辺部18E3と接触してベース部材18のX2方向への並進を止めることができるように配置され、第4並進止め部材BK4は、ベース部材18の第4辺部18E4と接触してベース部材18のY2方向への並進を止めることができるように配置されている。
【0177】
この構成により、治具JGは、Z1方向への並進以外のベース部材18の動きを制限できる。すなわち、治具JGは、ベース部材18の動きに関し、X軸方向における並進、X軸回りの回転、Y軸方向における並進、Y軸回りの回転、Z2方向への並進、及び、Z軸回りの回転を防止できる。なお、Z1方向への並進は、ベース部材18を治具JGから取り外す際に必要な動きであり、典型的には、ベース部材18に金属部材アセンブリMAが取り付けられる際には別の部材によって制限される。
【0178】
回転止め部材LKは、レンズ保持部材2の並進及び回転を防止できるように構成されている。具体的には、回転止め部材LKは、略L字ブロック形状を有し、レンズ保持部材2の筒状部12の内壁面に形成された治具用凹部DPとかみ合うように構成されている。
【0179】
より具体的には、回転止め部材LKは、上面TWと六つの側面SWとを有する。六つの側面SWは、第1側面SW1~第6側面SW6を含む。
【0180】
また、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dは、図20に示すように、可動側金属部材5Mが取り付けられる取付面EWを有する。具体的には、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁には、第1可動側ターミナルプレート5M1が取り付けられる第1取付面EW1(右側取付面)が形成され、第1可動側台座部2D1のX2側の側壁には、第2可動側ターミナルプレート5M2が取り付けられる第2取付面EW2(後側取付面)が形成されている。また、第2可動側台座部2D2のX1側の側壁には、第3可動側ターミナルプレート5M3が取り付けられる第3取付面EW3(前側取付面)が形成され、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁には、第4可動側ターミナルプレート5M4が取り付けられる第4取付面EW4(左側取付面)が形成されている。
【0181】
治具用凹部DPは、三つの治具当接面CWを形成している。三つの治具当接面CWは、第1治具当接面CW1、第2治具当接面CW2、及び第3治具当接面CW3である。第1治具当接面CW1は、筒状部12を挟んで取付面EWと略平行に延びるように形成されている。第2治具当接面CW2は、上下方向(Z軸方向)に延び、且つ、第1治具当接面CW1に垂直に延びるように形成されている。第3治具当接面CW3は、治具用凹部DPの天面(Z1側の面)を形成する面であり、第1治具当接面CW1及び第2治具当接面CW2のそれぞれに対して略垂直に延びるように形成されている。
【0182】
回転止め部材LKとレンズ保持部材2に形成された第3治具用凹部DP3及び第4治具用凹部DP4とがかみ合わされる場合、回転止め部材LKの第1側面SW1は、第4治具用凹部DP4の第1治具当接面CW1と接触する。そして、第2側面SW2は、第4治具用凹部DP4の第2治具当接面CW1と接触し、第3側面SW3は、第3治具用凹部DP3の第2治具当接面CW2と接触し、第4側面SW4は、第3治具用凹部DP3の第1治具当接面CW1と接触する。
【0183】
また、回転止め部材LKの上面TWは、第3治具用凹部DP3の第3治具当接面CW3と接触し、且つ、第4治具用凹部DP4の第4治具当接面CW4と接触する。
【0184】
この構成により、治具JGは、Z1方向への並進以外のレンズ保持部材2の動きを制限できる。すなわち、治具JGは、レンズ保持部材2の動きに関し、X軸方向における並進、X軸回りの回転、Y軸方向における並進、Y軸回りの回転、Z2方向への並進、及び、Z軸回りの回転を防止できる。なお、Z1方向への並進は、レンズ保持部材2を治具JGから取り外す際に必要な動きであり、典型的には、レンズ保持部材2に金属部材アセンブリMAが取り付けられる際には別の部材によって制限される。
【0185】
次に、図22を参照し、金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられる際にレンズ保持部材2及びベース部材18に作用する力について説明する。図22(A)は、第2支持部材PT2の上に載置され且つ回転止め部材LKにかみ合わされたレンズ保持部材2の上面図である。図22(B)は、第1支持部材PT1の上に載置され且つ並進止め部材BKにかみ合わされたベース部材18の上面図である。
【0186】
図22は、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられる際に、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力をブロック矢印BA3で表し、治具JGがレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力を破線矢印RF3で表している。なお、治具JGがレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力は、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力に対する反力である。そして、図22に示す例では、治具JGがレンズ保持部材2に及ぼす力(破線矢印RF3Uで表される反力)の作用線は、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2に及ぼす力(ブロック矢印BA3Uで表される力)の作用線と略一致している。
【0187】
具体的には、図22は、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2の第3取付面EW3に及ぼす力をブロック矢印BA3Uで表し、第3金属部材アセンブリMA3がベース部材18の第3壁面LW3に及ぼす力をブロック矢印BA3Lで表している。第3壁面LW3は、固定側金属部材5Fが取り付けられる四つの壁面のうちの一つであり、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6が取り付けられる。また、図22は、治具JGの回転止め部材LKがレンズ保持部材2の第3治具用凹部DP3に及ぼす反力を破線矢印RF3Uで表し、治具JGの第3並進止め部材BK3がベース部材18の第3辺部18E3に及ぼす反力を破線矢印RF3Lで表している。なお、図22(A)は、説明のため、不可視の第3治具用凹部DP3を破線で表している。
【0188】
また、図22は、第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられる際に、第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力をブロック矢印BA4で表し、治具JGがレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力を破線矢印RF4で表している。なお、治具JGがレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力は、第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力に対する反力である。そして、図22に示す例では、治具JGがレンズ保持部材2に及ぼす力(破線矢印RF4Uで表される反力)の作用線は、第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2に及ぼす力(ブロック矢印BA4Uで表される力)の作用線と略一致している。
【0189】
具体的には、図22は、第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2の第4取付面EW4に及ぼす力をブロック矢印BA4Uで表し、第4金属部材アセンブリMA4がベース部材18の第4壁面LW4に及ぼす力をブロック矢印BA4Lで表している。第4壁面LW4は、固定側金属部材5Fが取り付けられる四つの壁面のうちの別の一つであり、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8が取り付けられる。また、図22は、治具JGの回転止め部材LKがレンズ保持部材2の第4治具用凹部DP4に及ぼす反力を破線矢印RF4Uで表し、治具JGの第2並進止め部材BK2がベース部材18の第2辺部18E2に及ぼす反力を破線矢印RF4Lで表している。なお、図22(A)は、説明のため、不可視の第4治具用凹部DP4を破線で表している。
【0190】
このように、レンズ保持部材2及びベース部材18への金属部材アセンブリMAの取り付けの際に金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2及びベース部材18のそれぞれに対して押し付けられた場合であっても、治具JGは、レンズ保持部材2及びベース部材18の並進及び回転を防止できる。治具JGは、金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼす力とは反対向きの反力をレンズ保持部材2及びベース部材18に及ぼすことができるためである。
【0191】
なお、図22に示す例では、第3金属部材アセンブリMA3又は第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられる際の治具JGとレンズ駆動装置101との位置関係が示されている。すなわち、レンズ保持部材2及びベース部材18は、レンズ保持部材2の第3治具用凹部DP3及び第4治具用凹部DP4が回転止め部材LKとかみ合うように治具JGに取り付けられている。
【0192】
これに対し、第1金属部材アセンブリMA1がレンズ保持部材2及びベース部材18へ取り付けられる場合には、レンズ保持部材2及びベース部材18は、レンズ保持部材2の第1治具用凹部DP1及び第2治具用凹部DP2が回転止め部材LKとかみ合うように治具JGに取り付けられる必要がある。第2金属部材アセンブリMA2がレンズ保持部材2及びベース部材18へ取り付けられる場合についても同様である。
【0193】
なお、第1壁面LW1は、固定側金属部材5Fが取り付けられる四つの壁面のうちの更に別の一つであり、不図示の第1金属部材アセンブリMA1に含まれる第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2が取り付けられる。同様に、第2壁面LW2は、固定側金属部材5Fが取り付けられる四つの壁面のうちの残りの一つであり、不図示の第2金属部材アセンブリMA2に含まれる第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4が取り付けられる。
【0194】
次に、図23を参照し、治具JGに対する各部材(ベース部材18、レンズ保持部材2、及び金属部材アセンブリMA)の取付手順について説明する。図23は、ベース部材18、レンズ保持部材2、及び第3金属部材アセンブリMA3が取り付けられる治具JGの斜視図である。具体的には、図23(A)は、ベース部材18、レンズ保持部材2、及び第3金属部材アセンブリMA3が取り付けられる前の治具JGの斜視図である。図23(B)は、ベース部材18が治具JGに取り付けられた後の治具JGの斜視図である。図23(C)は、更にレンズ保持部材2が治具JGに取り付けられた後の治具JGの斜視図である。図23(D)は、第3金属部材アセンブリMA3がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられた後の治具JGの斜視図である。なお、図23は、明瞭化のため、第1金属部材アセンブリMA1、第2金属部材アセンブリMA2、第4金属部材アセンブリMA4、及び板ばね6等の他の部材の図示を省略している。なお、板ばね6は、金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられる前に、レンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられてもよい。また、図23に示す例では、レンズ保持部材2及びベース部材18に対する第1金属部材アセンブリMA1及び第2金属部材アセンブリMA2の取り付けの際には、レンズ保持部材2及びベース部材18は、治具JGから一旦取り外され、Z軸回りに180度回転させられた後で、治具JGに再び取り付けられる。第1治具用凹部DP1及び第2治具用凹部DP2と回転止め部材LKとをかみ合わせるためである。但し、治具JGは、四つの治具用凹部DPが同時に利用されるよう、二つの回転止め部材LKを備えていてもよい。
【0195】
次に、図24及び図25を参照し、形状記憶合金ワイヤSAと金属部材5との接合について説明する。図24は、形状記憶合金ワイヤSA及び金属部材5を示す。具体的には、図24(A)は、第1ワイヤSA1、第2ワイヤSA2、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1固定側ターミナルプレート5F1、及び第2固定側ターミナルプレート5F2の斜視図である。図24(B)は、第2ワイヤSA2が接合される第1可動側ターミナルプレート5M1の正面図である。図25は、第2ワイヤSA2を保持する保持部J1の拡大図である。具体的には、図25(A)及び図25(B)は、図24(A)に示す破線で囲まれた範囲R9の拡大図であり、図25(A)は保持部J1を右側から見たときの図であり、図25(B)は保持部J1を左側から見たときの図である。なお、図24及び図25では、明瞭化のため、形状記憶合金ワイヤSAの端部ENは溶融する前の状態で表されているが、実際には図28に示すようにレーザ溶接の際に発生する熱によって溶融した後で保持部J1に一体化されている。また、図24(B)では、説明の便宜のため、保持部J1が折り曲げられる前の状態で表されている。
【0196】
第2ワイヤSA2の右端は、図24(A)に示すように、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部である保持部J1によって保持されている。
【0197】
保持部J1は、せん断加工によって金属板を切り出すことで形成される折り曲げ可能な取付片である。折り曲げられる前の保持部J1は、図24(B)に示すように平坦な形状を有する。
【0198】
具体的には、保持部J1における、折り曲げられたときに内側となる面は、図24(B)に示すように、平坦部KC及び面取部CHを有する。面取部CHは、左側面取部CHL及び右側面取部CHRを含む。そして、平坦部KCは、第1平坦部KC1、第2平坦部KC2、及び第3平坦部KC3を含む。同様に、左側面取部CHLは、第1左側面取部CHL1、第2左側面取部CHL2、及び第3左側面取部CHL3を含み、右側面取部CHRは、第1右側面取部CHR1、第2右側面取部CHR2、及び第3右側面取部CHR3を含む。破線L1は、第1平坦部KC1と第2平坦部KC2との間の境界、第1左側面取部CHL1と第2左側面取部CHL2との間の境界、及び、第1右側面取部CHR1と第2右側面取部CHR2との間の境界を表す。同様に、破線L2は、第2平坦部KC2と第3平坦部KC3との間の境界、第2左側面取部CHL2と第3左側面取部CHL3との間の境界、及び、第2右側面取部CHR2と第3右側面取部CHR3との間の境界を表す。
【0199】
第1平坦部KC1、第1左側面取部CHL1、及び第1右側面取部CHR1は、保持部J1が折り曲げられたときに第2ワイヤSA2の外側(Y1側)に位置する部分である。
【0200】
第2平坦部KC2、第2左側面取部CHL2、及び第2右側面取部CHR2は、保持部J1が折り曲げられたときに湾曲して第2ワイヤSA2の上側(Z1側)に位置する部分である。
【0201】
第3平坦部KC3、第1左側面取部CHL3、及び第1右側面取部CHR3は、保持部J1が折り曲げられたときに第2ワイヤSA2の内側(Y2側)に位置する部分である。
【0202】
すなわち、第2ワイヤSA2は、図25に示すように、保持部J1が折り曲げられたときには第1平坦部KC1と第3平坦部KC3との間に挟持される。
【0203】
この例では、左側面取部CHL及び右側面取部CHRは、折り曲げられていない保持部J1に金型を押し付けることによって同時に形成される。具体的には、左側面取部CHL及び右側面取部CHRは、プレス加工によって形成される。保持部J1は、金型によって平坦部KCの左右両側が同時に押し付けられるため、保持部J1の片側だけが押し付けられるときのように傾いたりずれたりすることはない。
【0204】
また、この例では、保持部J1は、平坦部KCと左側面取部CHLとの間の境界部分が角張るように形成されているが、境界部分が丸まるように形成されていてもよい。平坦部KCと右側面取部CHRとの間の境界部分についても同様である。
【0205】
面取部CHが形成されていないときには、保持部J1の縁部EGの端面EFには、せん断加工の際にできたバリ(図27(B)のバリBU参照。)が残っているおそれがある。具体的には、保持部J1の縁部EGは、図25に示すように、左側縁部EGL及び右側縁部EGRを含む。そして、縁部EGの端面EFは、左側端面EFL及び右側端面EFRを含む。また、右側端面EFRは、図25(A)に示すように、第1右側面取部CHR1に対応する第1右側端面EFR1、第2右側面取部CHR2に対応する第2右側端面EFR2、及び、第3右側面取部CHR3に対応する第3右側端面EFR3を含む。同様に、左側端面EFLは、図25(B)に示すように、第1左側面取部CHL1に対応する第1左側端面EFL1、第2左側面取部CHL2に対応する第2左側端面EFL2、及び、第3左側面取部CHL3に対応する第3左側端面EFL3を含む。
【0206】
なお、図25では、明瞭化のため、第2ワイヤSA2にはクロスパターンが付され、左側面取部CHL及び右側面取部CHRには細かいドットパターンが付され、左側端面EFL及び右側端面EFRには粗いドットパターンが付されている。また、図25では、明瞭化のため、第1右側面取部CHR1と第2右側面取部CHR2とが実線(境界線)で区切られているが、実際には視認可能な境界線は存在しない。他の境界線についても同様である。
【0207】
そして、バリが残ったまま保持部J1が折り曲げられ、折り曲げられた保持部J1によって第2ワイヤSA2が挟持されると、バリが第2ワイヤSA2と接触してしまうおそれがある。
【0208】
面取部CHが形成される場合、バリは金型によって押し潰されるため、保持部J1は、第2ワイヤSA2が取り付けられる際にはバリの無い状態で提供される。そのため、面取部CHが形成された保持部J1は、バリによる第2ワイヤSA2の損傷をより確実に防止でき、ひいては第2ワイヤSA2の断線をより確実に防止できる。
【0209】
具体的には、図25(A)に示すように、第2ワイヤSA2は、折り曲げられた保持部J1の第1平坦部KC1と第3平坦部KC3との間に挟まれて保持されている。そして、第2ワイヤSA2の端部ENは、図25(A)に示すように、右側縁部EGRの右側端面EFRよりも奥まったところに(実際にはレーザ溶接によって保持部J1に接合された状態で)位置するように配置されている。
【0210】
また、第2ワイヤSA2は、折り曲げられた保持部J1の左側縁部EGLのところでは、図25(B)に示すように、レーザ溶接によって接合されることなく、外方(X1方向)に延びるように配置されている。
【0211】
次に、図26を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを金属部材5に取り付ける方法の一例について説明する。図26は、第1可動側ターミナルプレート5M1における保持部J1と第2ワイヤSA2の斜視図であり、保持部J1に第2ワイヤSA2を取り付ける方法を概略的に示している。
【0212】
具体的には、図26(A)は、折り曲げられていない保持部J1の第1平坦部KC1の上にワイヤ材料WMが載置された状態を示す。ワイヤ材料WMは、金属部材5に取り付けられる形状記憶合金ワイヤSAの材料である。ワイヤ材料WMは、最終的に第2ワイヤSA2になる部分と、製造工程で切り捨てられる部分(切り捨て部分SA2c)を含む。この例では、ワイヤ材料WMは、電気絶縁材料で被覆された状態で保持部J1の第1平坦部KC1の上に載置される。すなわち、ワイヤ材料WMは、保持部J1によって挟持される部分の電気絶縁材料が除去されることはない。その後のレーザ溶接で発生する熱によって、ワイヤ材料WMにおける溶接される部分の電気絶縁材料は消失するためである。すなわち、電気絶縁材料を事前に除去しないことが第2ワイヤSA2と保持部J1との間の導電性に悪影響を及ぼすことはないためである。この場合の悪影響は、例えば、電気抵抗値のばらつき等である。
【0213】
上述のように、この方法では、ワイヤ材料WMが保持部J1によって挟持される前にその挟持される部分の電気絶縁材料が除去される必要はない。そのため、電気絶縁材料が除去されるべき部分の正確な位置が事前に検出される必要はなく、電気絶縁材料が除去された部分の状態(劣化又は酸化等の程度)を管理する必要もない。その結果、この方法は、レンズ駆動装置101の製造効率を高めることができる。また、この方法は、電気絶縁材料を除去するため設備を必要としない。その結果、この方法は、レンズ駆動装置101の製造コストを低減できる。なお、電気絶縁材料を除去するため設備は、例えば、電気絶縁材料を溶融するために電気絶縁材料に対してレーザ光を照射するための設備、電気絶縁材料を削り取るための刃を回転させるための設備、又は、電気絶縁材料を溶融するために電気絶縁材料に薬品を適用するための設備等である。
【0214】
その後、保持部J1は、第1平坦部KC1と第3平坦部KC3とが向き合うように折り畳まれる。その結果、ワイヤ材料WMは、図26(B)に示すように、第1平坦部KC1と第3平坦部KC3との間に挟まれて固定される。
【0215】
その後、ワイヤ材料WMには、レーザ溶接のためのレーザLSが照射される。図26(C)は、保持部J1の右側縁部EGRの側で、斜め上からワイヤ材料WM及び右側縁部EGRに向けて照射されるレーザLSを破線で表している。なお、保持部J1の左側縁部EGLの側で、ワイヤ材料WM及び左側縁部EGLに向けてレーザLSが照射されることはない。
【0216】
具体的には、レーザLSは、図25(A)に示すように、ワイヤ材料WM(第2ワイヤSA2)に当たり、且つ、第1右側端面EFR1と第3右側端面EFR3との間にある第1右側面取部CHR1及び第3右側面取部CHR3に当たるように照射される。なお、図25(A)では、説明の便宜のため、レーザLSが当たる部分SPには斜線パターンが付されている。
【0217】
その後、ワイヤ材料WMは、レーザLSが発生させる熱によってレーザLSが当たる部分で切断され、最終的に第2ワイヤSA2となる部分から切り捨て部分SA2cが切り離される。但し、切り捨て部分SA2cは、ワイヤ材料WMが保持部J1に挟持された後で、レーザLSがワイヤ材料WMに照射される前にカッタ等の工具によって切り離されてもよい。図26(D)は、切り捨て部分SA2cが切り離された後のワイヤ材料WM、すなわち、第2ワイヤSA2が保持部J1によって保持された状態を示している。
【0218】
次に、図27を参照し、金属部材5の保持部Jに形成された面取部CHによる効果について説明する。図27は、形状記憶合金ワイヤSAを保持する保持部Jの断面図である。具体的には、図27は、図26(D)の一点鎖線L3を含む保持部J1に垂直な仮想平面における第2ワイヤSA2及び保持部J1の断面を示す。
【0219】
より具体的には、図27(A)は、第2ワイヤSA2を保持する、面取部CHが形成されていない保持部J1Aの断面図である。図27(B)は、第2ワイヤSA2を保持する、面取部CHが形成された保持部J1の断面図である。
【0220】
保持部J1Aでは、図27(A)に示すように、右側端面EFRに対して入射角θ1でレーザLSが照射されている。一点鎖線L4は、右側端面EFRに対する法線である。
【0221】
保持部J1では、図27(B)に示すように、第1右側面取部CHR1に対して入射角θ2でレーザLSが照射されている。一点鎖線L5は、第1右側面取部CHR1の表面に対する法線である。
【0222】
レーザLSが照射された部分では、第2ワイヤSA2と保持部Jとが溶融して一体化され、溶接部分WPが形成される。溶接部分WPは、第2ワイヤSA2の溶融部分と保持部Jの溶融部分とが一体化した部分である。図27では、明瞭化のため、溶接部分WPにはドットパターンが付されている。
【0223】
このように、面取部CHの有無にかかわらず、第2ワイヤSAの右端は、レーザ溶接の際に発生する熱によって溶融し、保持部Jの右側縁部EGRの一部と一体化される。そのため、第2ワイヤSA2は、保持部Jに対して通電可能に且つ堅固に接合され、圧着によって第2ワイヤSA2と保持部Jとが接続される場合に比べ、保持部Jから抜けてしまうといった不具合の発生を抑制できる。
【0224】
また、第2ワイヤSAは、凹凸の無い保持部Jの第1平坦部KC1と第3平坦部KC3とによって挟持されるため、過度に大きなせん断力を受けることもなく、そのようなせん断力に起因する破断(断線)を発生させることもない。
【0225】
また、面取部CHを有する保持部J1では、図27(B)に示すように、入射角θ1より顕著に小さい入射角θ2で第1右側面取部CHR1に対してほぼ垂直にレーザLSが照射される。そのため、保持部J1Aの場合に比べ、比較的大きな熱エネルギが第2ワイヤSA2及び保持部J1に吸収され、比較的大きな溶接部分WPがもたらされる。
【0226】
このように、保持部Jの縁部EGに形成される面取部CHのうち、レーザ溶接が行われる側に形成されるもの(図27(B)の例では右側面取部CHR)は、熱エネルギの吸収を促進し、溶接部分WPを大きくできるという効果をもたらす。
【0227】
また、保持部J1Aでは、図27(A)に示すように、左側面取部CHLが形成されないため、せん断加工によって形成され得る左側端面EFLにおけるバリBUは、第2ワイヤSA2が保持部J1Aによって挟まれたときに第2ワイヤSA2と接触する場合がある。
【0228】
これに対し、保持部J1では、せん断加工によって形成され得る左側端面EFLにおけるバリは左側面取部CHLの形成の際に金型によって押し潰されるため、第2ワイヤSA2が保持部J1に挟まれる段階では、そのようなバリが第2ワイヤSA2に接触して第2ワイヤSA2を損傷することはない。
【0229】
このように、保持部Jの縁部EGに形成される面取部CHのうち、レーザ溶接が行われる側の反対側に形成されるもの(図27(B)の例では左側面取部CHL)は、左側端面EFLにおけるバリ等と形状記憶合金ワイヤSAとの接触を防止でき、形状記憶合金ワイヤSAの損傷を防止できるという効果をもたらす。
【0230】
次に、図28を参照し、溶接部分WPが形成される範囲の一例について説明する。図28は、形状記憶合金ワイヤSAを保持する保持部Jの拡大図であり、図25(A)に対応している。具体的には、図28は、第2ワイヤSA2を保持する、第1可動側ターミナルプレート5M1における保持部J1の拡大図である。なお、図28では、明瞭化のため、第2ワイヤSA2にはクロスパターンが付され、溶接部分WPにはドットパターンが付されている。具体的には、図28では、溶接部分WPのうち、保持部J1の溶融部分には粗いドットパターンが付され、第2ワイヤSA2の溶融部分(端部ENに相当する部分)には細かいドットパターンが付されている。
【0231】
図28に示す例では、溶接部分WPは、第2ワイヤSA2の端部ENと、保持部J1の第1右側面取部CHR1、第1平坦部KC1、第3平坦部KC3、及び第3右側面取部CHR3とに拡がるように形成されている。但し、溶接部分WPは、更に、保持部J1の第1右側端面EFR1及び第3右側端面EFR3の少なくとも一つに拡がるように形成されていてもよい。
【0232】
次に、図29及び図30を参照し、金属部材アセンブリMAを構成する切捨連結部CNを残りの部分から切り離す手順について説明する。図29及び図30は、金属部材アセンブリMAが取り付けられたレンズ保持部材2及びベース部材18の図である。なお、図29及び図30では、明瞭化のため、金属部材アセンブリMAを構成する部材にはドットパターンが付されている。具体的には、図29(A)は、最初の金属部材アセンブリMA(第4金属部材アセンブリMA4)が取り付けられたレンズ保持部材2及びベース部材18の斜視図である。図29(B)は、最初の金属部材アセンブリMA(第4金属部材アセンブリMA4)の切捨連結部CN(第4切捨連結部CN4)が切り離された後で二番目の金属部材アセンブリMA(第2金属部材アセンブリMA2)が更に取り付けられたレンズ保持部材2及びベース部材18の斜視図である。図30(A)は、図29(B)に示す、最初の金属部材アセンブリMA(第4金属部材アセンブリMA4)と二番目の金属部材アセンブリMA(第2金属部材アセンブリMA2)とが取り付けられたレンズ保持部材2及びベース部材18の側面図である。図30(B)は、二番目の金属部材アセンブリMA(第2金属部材アセンブリMA2)の切捨連結部CN(第2切捨連結部CN2)が切り離された後のレンズ保持部材2及びベース部材18の斜視図である。
【0233】
なお、この例では、最初の金属部材アセンブリMAとして第4金属部材アセンブリMA4がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられ、その後に二番目の金属部材アセンブリMAとして第2金属部材アセンブリMA2がレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられているが、第1金属部材アセンブリMA1~第4金属部材アセンブリMA4は、任意の順序で一つずつレンズ保持部材2及びベース部材18に取り付けられてもよい。或いは、第1金属部材アセンブリMA1~第4金属部材アセンブリMA4のうちの互いに対向する二つ(例えば第1金属部材アセンブリMA1及び第4金属部材アセンブリMA4)が同時に取り付けられ且つ二つの切捨連結部CN(例えば第1切捨連結部CN1及び第4切捨連結部CN4)が切り離された後で、第1金属部材アセンブリMA1~第4金属部材アセンブリMA4のうちの残りの二つ(例えば第2切捨連結部CN2及び第3切捨連結部CN3)が取り付けられ且つ残りの二つの切捨連結部CN(例えば第2切捨連結部CN2及び第3切捨連結部CN3)が切り離されてもよい。
【0234】
また、この例では、金属部材アセンブリMAは、紫外線硬化型接着剤を含む接着剤が可動側台座部2Dの取付面EW及び固定側台座部18Dの壁面LWに塗布された後で、治具を用いて取付面EW及び壁面LWに押さえ付けられる。そして、金属部材アセンブリMAが取付面EW及び壁面LWに押さえ付けられた状態で紫外線が照射され、金属部材アセンブリMAは接着剤によって取付面EW及び壁面LWに仮固定される。そして、金属部材アセンブリMAが取付面EW及び壁面LWに仮固定された状態でレーザLSが照射され、金属部材アセンブリMAの切捨連結部CNは、金属部材アセンブリMAの残りの部分から切り離される。そして、四つの金属部材アセンブリMAの全てが取付面EW及び壁面LWに仮固定され、且つ、四つの切捨連結部CNの全てが切り離された後で、金属部材5及び形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられたレンズ保持部材2及びベース部材18は加熱される。この加熱により、仮固定に用いられた接着剤は、その未硬化部分が完全に硬化され、金属部材5は、取付面EW及び壁面LWに完全に固定される。
【0235】
この構成は、例えば、固定側金属部材5Fと可動側金属部材5Mとの間の距離がばらつくのを抑制することができる。そのため、この構成は、例えば、レンズ駆動装置101に電力が供給されたときのレンズ体の位置ずれ及び傾きを抑制できる。
【0236】
図示される例では、第4金属部材アセンブリMA4を構成する第4切捨連結部CN4は、レーザLSによって残りの部分から切り離される。図29(A)は、第4切捨連結部CN4と第7固定側ターミナルプレート5F7とが連結された部分が、点線LSF7で表されるレーザLSによって切り離される様子を示している。同様に、図29(A)は、第4切捨連結部CN4と第8固定側ターミナルプレート5F8とが連結された部分が、点線LSF8で表されるレーザLSによって切り離され、第4切捨連結部CN4と第4可動側ターミナルプレート5M4の上側部分とが連結された部分が、点線LSM4Uで表されるレーザLSによって切り離され、第4切捨連結部CN4と第4可動側ターミナルプレート5M4の下側部分とが連結された部分が、点線LSM4Lで表されるレーザLSによって切り離される様子を示している。
【0237】
また、第2金属部材アセンブリMA2を構成する第2切捨連結部CN2もレーザLSによって残りの部分から切り離される。図29(B)は、第2切捨連結部CN2と第3固定側ターミナルプレート5F3とが連結された部分が、点線LSF3で表されるレーザLSによって切り離される様子を示している。同様に、図29(B)は、第2切捨連結部CN2と第4固定側ターミナルプレート5F4とが連結された部分が、点線LSF4で表されるレーザLSによって切り離され、第2切捨連結部CN2と第2可動側ターミナルプレート5M2の上側部分とが連結された部分が、点線LSM2Uで表されるレーザLSによって切り離され、第2切捨連結部CN2と第2可動側ターミナルプレート5M2の下側部分とが連結された部分が、点線LSM2Lで表されるレーザLSによって切り離される様子を示している。
【0238】
図30(A)は、図29(B)に示すレンズ保持部材2及びベース部材18の側面図である。具体的には、図30(A)は、第2金属部材アセンブリMA2が第4金属部材アセンブリMA4と干渉することなく、第1可動側台座部2D1の第2取付面EW2と第2固定側台座部18D2の第2壁面LW2とに取り付けられることを示している。第2金属部材アセンブリMA2が第4金属部材アセンブリMA4(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)と干渉しないのは、第4金属部材アセンブリMA4の第4切捨連結部CN4が残りの部分から既に切り離されているためである。なお、図30(A)は、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8のそれぞれと第2金属部材アセンブリMA2(第2切捨連結部CN2)との間の距離が距離DS1であることを示している。
【0239】
図30(B)は、第2金属部材アセンブリMA2の第2切捨連結部CN2が残りの部分から切り離された後のレンズ保持部材2及びベース部材18を示している。
【0240】
次に、図31及び図32を参照し、レーザLSによって切捨連結部CNが切り離された後の固定側金属部材5Fと固定側台座部18Dとの位置関係について説明する。図31及び図32は、固定側金属部材5Fが取り付けられたベース部材18の図である。具体的には、図31(A)は、ベース部材18の全体の斜視図であり、図31(B)は、図31(A)に示す破線で囲まれた範囲R10の拡大図である。そして、図32(A)は、範囲R10の上面図であり、図32(B)は、範囲R10の側面図である。なお、図31及び図32では、明瞭化のため、固定側金属部材5Fにはドットパターンが付されている。
【0241】
図31及び図32に示すように、固定側金属部材5Fは、固定側台座部18Dの壁面LWに取り付けられている。そして、固定側金属部材5Fは、壁面LWと接触する部分から張り出すように形成された張出部OHを有する。
【0242】
具体的には、固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を有する。そして、第1固定側台座部18D1は、二つの壁面(第1壁面LW1及び第3壁面LW3)を有し、第2固定側台座部18D2は、二つの壁面(第2壁面LW2及び第4壁面LW4)を有する。そして、二つの壁面LWのそれぞれには固定側金属部材5Fが二つずつ取り付けられている。具体的には、第1壁面LW1には、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2が取り付けられ、第3壁面LW3には、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6が取り付けられている。また、第2壁面LW2には、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4が取り付けられ、第4壁面LW4には、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8が取り付けられている。
【0243】
そして、張出部OHは、二つの壁面LWのうちの一方を含む仮想平面VPと他方を含む仮想平面VPとの間の仮想交線NLに向かって、壁面LWと接触する部分から張り出すように形成されている。
【0244】
より具体的には、図32(B)に示すように、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第2固定側台座部18D2の第2壁面LW2に取り付けられ、且つ、第2壁面LW2と接触する部分から張り出すように形成された第3張出部OHF3を有する。同様に、第4固定側ターミナルプレート5F4は、第2固定側台座部18D2の第2壁面LW2に取り付けられ、且つ、第2壁面LW2と接触する部分から張り出すように形成された第4張出部OHF4を有する。
【0245】
そして、第3張出部OHF3は、図32(A)に示すように、第2壁面LW2を含む第2仮想平面VPF2と第4壁面LW4を含む第4仮想平面VPF4との間の第2仮想交線NL2に向かって、第2壁面LW2と接触する部分から張り出すように形成されている。同様に、第4張出部OHF4は、図32(B)に示すように、第2仮想交線NL2に向かって第2壁面LW2と接触する部分から張り出すように形成されている。なお、この例では、第2仮想平面VPF2と第4仮想平面VPF4とは略直交している。
【0246】
また、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2固定側台座部18D2の第4壁面LW4に取り付けられ、且つ、第4壁面LW4と接触する部分から張り出すように形成された第7張出部OHF7を有する。同様に、第8固定側ターミナルプレート5F8は、第2固定側台座部18D2の第4壁面LW4に取り付けられ、且つ、第4壁面LW4と接触する部分から張り出すように形成された第8張出部OHF8を有する。
【0247】
そして、第7張出部OHF7は、図32(A)に示すように、第2仮想交線NL2に向かって、第4壁面LW4と接触する部分から張り出すように形成されている。同様に、第8張出部OHF8は、図32(B)に示すように、第2仮想交線NL2に向かって第4壁面LW4と接触する部分から張り出すように形成されている。
【0248】
また、張出部OHは、切捨連結部CNを切り離す際に形成される切断面SEをその先端部に有している。なお、図31(B)及び図32(B)では、明瞭化のため、切断面SEにはクロスパターンが付されている。
【0249】
具体的には、図32(B)に示すように、第3張出部OHF3は、第2切捨連結部CN2を切り離す際に形成される第3切断面SEF3をその先端部に有している。同様に、第4張出部OHF4は、第2切捨連結部CN2を切り離す際に形成される第4切断面SEF4をその先端部に有している。また、第7張出部OHF7は、第4切捨連結部CN4を切り離す際に形成される第7切断面SEF7をその先端部に有している。同様に、第8張出部OHF8は、第4切捨連結部CN4を切り離す際に形成される第8切断面SEF8をその先端部に有している。図示されない第1切断面SEF1、第2切断面SEF2、第5切断面SEF5、及び第6切断面SEF6についても同様である。
【0250】
図31及び図32に示す例では、切断面SEは、固定側台座部18Dに形成された面取部18F(図32(A)参照。)の表面と略平行になるように形成されている。但し、切断面SEは、切断面SEを含む仮想平面が面取部18Fの表面と交差しないのであれば、面取部18Fの表面と平行である必要は無い。なお、固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。そして、第1固定側台座部18D1は、第1面取部18F1を有し、第2固定側台座部18D2は、第2面取部18F2を有する。
【0251】
具体的には、第3張出部OHF3を切断するためのレーザLSは、図32(A)の点線LSF3で示されるように、第2壁面LW2を含む第2仮想平面VPF2との間で角度α2を形成するように、第3張出部OHF3に対して照射される。第4張出部OHF4を切断するためのレーザLSについても同様である。また、第7張出部OHF7を切断するためのレーザLSは、図32(A)の点線LSF7で示されるように、第4壁面LW4を含む第4仮想平面VPF4との間で角度α4を形成するように、第7張出部OHF7に対して照射される。第8張出部OHF8を切断するためのレーザLSについても同様である。
【0252】
角度α2と角度α4とは同じであってもよく異なっていてもよい。また、角度α2及び角度α4は、切断面SEの幅が所定値以下となるように決定される。張出部OHを切断する際にレーザLSが過度に長期にわたって固定側金属部材5Fに照射され、固定側金属部材5Fの温度が過度に上昇してしまうのを防止するためである。ひいては、固定側金属部材5Fが貼り付けられている固定側台座部18Dが熱的に損傷してしまうのを防止するためである。
【0253】
この構成では、切断面SEが面取部18Fの表面と略平行になるようにレーザLSが張出部OHに照射されるため、張出部OHを切断するためのレーザLSが誤ってベース部材18の一部に照射されてしまうのが防止される。そのため、この構成は、レーザLSによる張出部OHの切断の際に固定側金属部材5F以外の他の部材が熱的な損傷を受けてしまうのを防止できる。
【0254】
また、図31及び図32に示す例では、四つの張出部OHのそれぞれは高さが異なるように配置されている。具体的には、図32(B)に示すように、第3張出部OHF3は、第7張出部OHF7よりも高い位置に配置され、第7張出部OHF7は、第4張出部OHF4よりも高い位置に配置され、第4張出部OHF4は、第8張出部OHF8よりも高い位置に配置されている。
【0255】
この例では、第2仮想交線LN2の左側にある第3張出部OHF3及び第4張出部OHF4と第2仮想交線LN2の右側にある第7張出部OHF7及び第8張出部OHF8とが、上から順に交互に並ぶように配置されている。しかしながら、四つの張出部OHの高さがそれぞれ異なるのであれば、交互に並ぶ必要はない。例えば、第3張出部OHF3及び第4張出部OHF4は、第7張出部OHF7及び第8張出部OHF8よりも高い位置に配置されていてもよい。或いは、第7張出部OHF7及び第8張出部OHF8は、高さ方向において、第3張出部OHF3と第4張出部OHF4との間に配置されていてもよい。
【0256】
この構成は、例えば、第2金属部材アセンブリMA2を第2固定側台座部18D2に取り付ける際に、第3張出部OHF3と第7張出部OHF7とが接触してしまい、或いは、第4張出部OHF4と第8張出部OHF8とが接触してしまうのをより確実に防止できる。
【0257】
また、この構成は、例えば、第3張出部OHF3を切断するためのレーザLSが誤って第7張出部OHF7に当たり、第7張出部OHF7で反射してベース部材18に照射されてしまうといった事象が発生してしまうのを防止できる。図32(B)の点線LSF3で表されるレーザLSが、第3張出部OHF3とは異なる高さにある第7張出部OHF7に当たることはないためである。
【0258】
次に、図33及び図34を参照し、レーザLSによって切捨連結部CNが切り離された後の可動側金属部材5Mと可動側台座部2Dとの位置関係について説明する。図33及び図34は、可動側金属部材5Mが取り付けられたレンズ保持部材2の図である。具体的には、図33(A)は、レンズ保持部材2の全体の斜視図であり、図33(B)は、図33(A)に示す破線で囲まれた範囲R11の拡大図である。そして、図34(A)は、範囲R11の上面図であり、図34(B)は、範囲R11の側面図である。なお、図33及び図34では、明瞭化のため、可動側金属部材5Mにはドットパターンが付されている。
【0259】
図33及び図34に示すように、可動側金属部材5Mは、可動側台座部2Dの取付面EWに取り付けられている。そして、可動側金属部材5Mは、取付面EWと接触する部分から張り出すように形成された張出部OHを有する。
【0260】
具体的には、可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を有する。そして、第1可動側台座部2D1は、二つの取付面(第1取付面EW1及び第2取付面EW2)を有し、第2可動側台座部2D2は、二つの取付面(第3取付面EW3及び第4取付面EW4)を有する。そして、二つの取付面EWのそれぞれには可動側金属部材5Mが一つずつ取り付けられている。具体的には、第1取付面EW1には、第1可動側ターミナルプレート5M1が取り付けられ、第2取付面EW2には、第2可動側ターミナルプレート5M2が取り付けられている。また、第3取付面EW3には、第3可動側ターミナルプレート5M3が取り付けられ、第4取付面EW4には、第4可動側ターミナルプレート5M4が取り付けられている。
【0261】
そして、張出部OHは、二つの取付面EWのうちの一方を含む仮想平面VPと他方を含む仮想平面VPとの間の仮想交線NLに向かって、取付面EWと接触する部分から張り出すように形成されている。
【0262】
より具体的には、図34(B)に示すように、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2の第3取付面EW3に取り付けられ、且つ、第3取付面EW3と接触する部分から張り出すように形成された第3上側張出部OHM3U及び第3下側張出部OHM3Lを有する。
【0263】
そして、第3上側張出部OHM3Uは、図34(A)に示すように、第3取付面EW3を含む第3仮想平面VPM3と第4取付面EW4を含む第4仮想平面VPM4との間の第4仮想交線NL4に向かって、第3取付面EW3と接触する部分から張り出すように形成されている。同様に、第3下側張出部OHM3Lは、図34(B)に示すように、第4仮想交線NL4に向かって第3取付面EW3と接触する部分から張り出すように形成されている。なお、この例では、第3仮想平面VPM3と第4仮想平面VPM4とは略直交している。
【0264】
また、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第2可動側台座部2D2の第4取付面EW4に取り付けられ、且つ、第4取付面EW4と接触する部分から張り出すように形成された第4上側張出部OHM4U及び第4下側張出部OHM4Lを有する。
【0265】
そして、第4上側張出部OHM4Uは、図34(A)に示すように、第4仮想交線NL4に向かって、第4取付面EW4と接触する部分から張り出すように形成されている。同様に、第4下側張出部OHM4Lは、図32(B)に示すように、第4仮想交線NL4に向かって第4取付面EW4と接触する部分から張り出すように形成されている。
【0266】
また、張出部OHは、切捨連結部CNを切り離す際に形成される切断面SEをその先端部に有している。なお、図33(B)及び図34(B)では、明瞭化のため、切断面SEにはクロスパターンが付されている。
【0267】
具体的には、図34(B)に示すように、第3上側張出部OHM3Uは、第3切捨連結部CN3を切り離す際に形成される第3上側切断面SEM3Uをその先端部に有している。同様に、第3下側張出部OHM3Lは、第3切捨連結部CN3を切り離す際に形成される第3下側切断面SEM3Lをその先端部に有している。また、第4上側張出部OHM4Uは、第4切捨連結部CN4を切り離す際に形成される第4上側切断面SEM4Uをその先端部に有している。同様に、第4下側張出部OHM4Lは、第4切捨連結部CN4を切り離す際に形成される第4下側切断面SEM4Lをその先端部に有している。図示されない第1上側切断面SEM1U、第1下側切断面SEM1L、第2上側切断面SEM2U、及び第2下側切断面SEM2Lについても同様である。
【0268】
図33及び図34に示す例では、切断面SEは、可動側台座部2Dに形成された面取部2F(図32(A)参照。)の表面と略平行になるように形成されている。但し、切断面SEは、切断面SEを含む仮想平面が面取部2Fの表面と交差しないのであれば、面取部2Fの表面と平行である必要は無い。なお、可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。そして、第1可動側台座部2D1は、第1面取部2F1を有し、第2可動側台座部2D2は、第2面取部2F2を有する。
【0269】
具体的には、第3上側張出部OHM3Uを切断するためのレーザLSは、図34(A)の点線LSM3Uで示されるように、第3取付面EW3を含む第3仮想平面VPM3との間で角度β3を形成するように、第3上側張出部OHM3Uに対して照射される。第3下側張出部OHM3Lを切断するためのレーザLSについても同様である。また、第4上側張出部OHM4Uを切断するためのレーザLSは、図34(A)の点線LSM4Uで示されるように、第4取付面EW4を含む第4仮想平面VPM4との間で角度β4を形成するように、第4上側張出部OHM4Uに対して照射される。第4下側張出部OHM4Lを切断するためのレーザLSについても同様である。
【0270】
角度β3と角度β4とは同じであってもよく異なっていてもよい。また、角度β3及び角度β4は、切断面SEの幅が所定値以下となるように決定される。張出部OHを切断する際にレーザLSが過度に長期にわたって可動側金属部材5Mに照射され、可動側金属部材5Mの温度が過度に上昇してしまうのを防止するためである。ひいては、可動側金属部材5Mが貼り付けられている可動側台座部2Dが熱的に損傷してしまうのを防止するためである。
【0271】
この構成では、切断面SEが面取部2Fの表面と略平行になるようにレーザLSが張出部OHに照射されるため、張出部OHを切断するためのレーザLSが誤ってレンズ保持部材2の一部に照射されてしまうのが防止される。そのため、この構成は、レーザLSによる張出部OHの切断の際に可動側金属部材5M以外の他の部材が熱的な損傷を受けてしまうのを防止できる。
【0272】
また、図33及び図34に示す例では、四つの張出部OHのそれぞれは高さが異なるように配置されている。具体的には、図34(B)に示すように、第3上側張出部OHM3Uは、第4上側張出部OHM4Uよりも高い位置に配置され、第4上側張出部OHM4Uは、第3下側張出部OHM3Lよりも高い位置に配置され、第3下側張出部OHM3Lは、第4下側張出部OHM4Lよりも高い位置に配置されている。
【0273】
この例では、第4仮想交線LN4の右側にある第3上側張出部OHM3U及び第3下側張出部OHM3Lと第4仮想交線LN4の左側にある第4上側張出部OHM4U及び第4下側張出部OHM4Lとが、上から順に交互に並ぶように配置されている。しかしながら、四つの張出部OHの高さがそれぞれ異なるのであれば、交互に並ぶ必要はない。例えば、第3上側張出部OHM3U及び第3下側張出部OHM3Lは、第4上側張出部OHM4U及び第4下側張出部OHM4Lよりも高い位置に配置されていてもよい。或いは、第3上側張出部OHM3U及び第3下側張出部OHM3Lは、高さ方向において、第4上側張出部OHM4Uと第4下側張出部OHM4Lとの間に配置されていてもよい。
【0274】
この構成は、例えば、第3金属部材アセンブリMA3(図19参照。)を第2可動側台座部2D2に取り付ける際に、第3上側張出部OHM3Uと第4上側張出部OHM4Uとが接触してしまい、或いは、第3下側張出部OHM3Lと第4下側張出部OHM4Lとが接触してしまうのをより確実に防止できる。
【0275】
また、この構成は、例えば、第3上側張出部OHM3Uを切断するためのレーザLSが誤って第4上側張出部OHM4Uに当たり、第4上側張出部OHM4Uで反射してレンズ保持部材2に照射されてしまうといった事象が発生してしまうのを防止できる。図34(B)の点線LSM3Uで表されるレーザLSが、第3上側張出部OHM3Uとは異なる高さにある第4上側張出部OHM4Uに当たることはないためである。
【0276】
なお、上述の例では、不図示のレーザ源は、レーザLSが各張出部OHに水平に当たるように構成されている。すなわち、レーザ源は、各張出部OHに対して上下方向に相対移動できるように構成されている。しかしながら、レーザ源は、上下方向に走査できるように構成されていてもよい。また、レーザ源は、水平方向に走査できるように構成されていてもよい。また、レーザ源は、1つであってもよく複数であってもよい。
【0277】
上述のように、レンズ駆動装置101は、樹脂製の固定側部材RGであるベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持された可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられたターミナルプレートとしての金属部材5と、一端が金属部材5に固着され、温度上昇に対応して収縮することによりレンズ保持部材2を移動させるように構成された形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。そして、レンズ駆動装置101は、ベース部材18に埋設され、一部がベース部材18から露出して金属部材5に電気的に接続され、別の一部が金属部材5から離れた位置でベース部材18から露出して外部端子となるように構成された導電部材CMを有する。
【0278】
具体的には、レンズ駆動装置101は、ベース部材18に埋設された第1導電部材CM1を有する。第1導電部材CM1は、一部(例えば図5に示す第1接続部ED1、又は、図9に示す接合面部CP1)がベース部材18から露出して第1固定側ターミナルプレート5F1に電気的に接続され、別の一部(例えば図5及び図9に示す第1端子部TM1)が第1固定側ターミナルプレート5F1から離れた位置でベース部材18から露出して外部端子となるように構成されている。なお、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第2辺部18E2(図5及び図9参照。)に沿う位置にあり、第1端子部TM1は、ベース部材18の第3辺部18E3(図5及び図9参照。)に沿う位置にある。
【0279】
この構成は、ターミナルプレートとしての金属部材5の一部ではなく、金属部材5に接続された導電部材CMの一部が外部端子となるようにするため、外部端子が設置される位置の自由度を高めることができる。そのため、この構成は、例えば、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。また、この構成は、仮に外部端子に外力が加わったとしても、その影響がターミナルプレートとしての金属部材5に及ぶのを抑制或いは防止できる。そのため、この構成は、仮に外部端子に外力が加わったとしても、金属部材5に取り付けられている形状記憶合金ワイヤSAにその影響が及ぶのを抑制或いは防止できる。
【0280】
導電部材CMは、ターミナルプレートとしての金属部材5の表面と平行な接合面部を一端に有し、接合面部と金属部材5とが重ねられて溶接によりターミナルプレートに接合されていてもよい。但し、接合面部とターミナルプレートとは半田又は導電性接着剤で接合されていてもよい。
【0281】
具体的には、導電部材CMのうちの一つである第1導電部材CM1は、図9(B)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1の表面と平行な接合面部CP1を一端に有していてもよい。そして、第1導電部材CM1は、図11(A)に示すように、接合面部CP1と第1固定側ターミナルプレート5F1とが重ねられて溶接により第1固定側ターミナルプレート5F1に接合されていてもよい。
【0282】
この構成は、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との接合の容易化を実現でき、更には、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との接合をより確実なものとすることができる。この構成は、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1とを垂直に接合する場合に比べ、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との間の接触面積を大きくした状態で、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1とを接合できるためである。
【0283】
ベース部材18は、望ましくは、一の辺部及び他の辺部を有する多角環状の部材である。この場合、ターミナルプレートとしての金属部材5は、一の辺部に沿ってベース部材18に取り付けられる。そして、金属部材5と電気的に接続される導電部材CMの一部である外部端子は、他の辺部に沿って設置される。
【0284】
例えば、ベース部材18は、図3(B)に示すように、一の辺部としての第2辺部18E2と他の辺部としての第3辺部18E3とを有する四角環状の部材であってもよい。この場合、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図3(B)に示すように、一の辺部としての第2辺部18E2に沿うようにベース部材18に取り付けられる。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1と電気的に接続される第1導電部材CM1の一部である外部端子としての第1端子部TM1は、他の辺部としての第3辺部18E3に沿うように配置されている。
【0285】
この構成は、一の辺部としての第2辺部18E2に沿うようには外部端子が配置されないよう、外部端子の配置を他の辺部としての第3辺部18E3に沿うようにしたため、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。この構成では、第2辺部18E2に対応する外部基板上の領域に上記構造を配置する必要がないためである。したがって、この構成は、例えば、外部基板上に配置された撮像素子に関する配線とレンズ駆動装置101に関する配線との干渉を防止できる配線設計が容易に実現されるようにする。或いは、この構成は、例えば、二つのレンズ駆動装置101が隣接して配置されるような場合であっても、二つのレンズ駆動装置101のそれぞれの外部端子が互いに干渉してしまい配線が困難になってしまうのを未然に防止できる。
【0286】
ベース部材18は、図3(B)に示すように、第1辺部18E1、第2辺部18E2、第3辺部18E3、及び第4辺部18E4を有する四角環状の部材であってもよい。そして、ターミナルプレートとしての金属部材5は、第1ターミナルプレート(第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2)、第2ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4)、第3ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6)、並びに、第4ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)を含んでいてもよい。また、外部端子は、図5(B)に示すように、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)、第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)、並びに、第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)を含んでいてもよい。
【0287】
この場合、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)は、第2辺部18E2に沿ってベース部材18に取り付けられた第1ターミナルプレート(第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2)に電気的に接続される。
【0288】
また、第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)は、第3辺部18E3に沿ってベース部材18に取り付けられた第2ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4)に電気的に接続される。
【0289】
また、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)は、第3辺部18E3に沿ってベース部材18に取り付けられた第3ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6)に電気的に接続される。
【0290】
また、第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)は、第4辺部18E4に沿ってベース部材18に取り付けられた第4ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)に電気的に接続される。
【0291】
そして、図5に示すように、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)と第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)は、第3辺部18E3に沿って設置され、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)と第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)は、第1辺部18E1に沿って設置される。
【0292】
この構成は、第2辺部18E2及び第4辺部18E4に沿うようには外部端子が配置されないよう、外部端子の配置を第1辺部18E1及び第3辺部18E3に沿うようにしたため、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。この構成では、第2辺部18E2及び第4辺部18E4に対応する外部基板上の領域に上記構造を配置する必要がないためである。
【0293】
第1導電部材CM1は、図8に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1の表面に略垂直に延びる第1接続部ED1を一端に有するように構成されていてもよい。この場合、第1接続部ED1は、接合材SDを介して第1固定側ターミナルプレート5F1に接合される。第2導電部材CM2~第8導電部材CM8についても同様である。なお、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図14(A)及び図14(B)に示すように、第1接続部ED1の端面EPが第1固定側ターミナルプレート5F1よりも内側(光軸JDに近い側)に位置する状態で、接合材SDを介して第1接続部ED1に接合されていてもよい。或いは、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図15に示すように、第1接続部ED1に押し付けられた状態で、溶接により第1接続部に接合されていてもよい。
【0294】
これらの構成は、導電部材CM(第1導電部材CM1の第1接続部ED1)と金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1)との間の接続強度を高めることができる。
【0295】
レンズ駆動装置101は、固定側部材RGであるベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持された可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられたターミナルプレートとしての固定側金属部材5Fと、一端が固定側金属部材5Fに固着され、温度上昇に対応して収縮することによりレンズ保持部材2を移動させるように構成された形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAと、を備えていてもよい。この場合、例えば図16(B)に示すように、ベース部材18は突起部18Vを有し、固定側金属部材5F(第5固定側ターミナルプレート5F5)は貫通孔RHを有する。そして、固定側金属部材5Fは、突起部18Vと貫通孔RHとを嵌合させた状態でベース部材18に取り付けられ、貫通孔RHの周囲の表面から突起部18Vの外側面に亘って配置される光硬化型接着剤EAによりベース部材18に固定されている。
【0296】
この構成は、固定側金属部材5Fのベース部材18への固定の際に形状記憶合金ワイヤSAが収縮してしまうのを防止できる。この構成では、光硬化型接着剤EAを用いるため、固定側金属部材5Fをベース部材18に固定するための接着剤を加熱する必要がないためである。そのため、この構成は、固定側金属部材5Fのベース部材18への固定の際に固定側金属部材5Fの位置ずれが発生してしまうのを防止できる。その結果、この構成は、例えば、レンズ駆動装置101における駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAの動作特性が悪化してしまうのを防止できる。
【0297】
形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAは、例えば図18に示すように、固定側金属部材5Fの貫通孔RHから上下方向(Z軸方向)に離れた位置に一端が固着されて左右方向(Y軸方向)に延在するように配置されていてもよい。図18に示す例では、第5ワイヤSA5は、第5固定側ターミナルプレート5F5の第5貫通孔RH5から上方(Z1方向)に離れた位置にある保持部J2において一端が固着されて左方(Y2方向)に延びるように配置されている。また、第6ワイヤSA6は、第6固定側ターミナルプレート5F6の第6貫通孔RH6から下方(Z2方向)に離れた位置にある保持部J4において一端が固着されて左方(Y2方向)に延びるように配置されている。
【0298】
この場合、固定側金属部材5Fは、貫通孔RHから離れる方向に延設される延設部ELを有していてもよい。図18に示す例では、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第5貫通孔RH5から離れる方向に延びる(Y2方向に延びた後でZ2方向に延びる)第5延設部EL5を有する。また、第6固定側ターミナルプレート5F6は、第6貫通孔RH6から離れる方向に延びる(Y2方向に延びた後でZ2方向に延びる)第6延設部EL6を有する。
【0299】
延設部ELは、形状記憶合金ワイヤSAが収縮したときに、前後方向(X軸方向)に延びる軸AXを回転中心とした回転力を受けるように配置されていてもよい。図18に示す例では、第5固定側ターミナルプレート5F5は、矢印AR20に示す方向に第5ワイヤSA5が収縮したときに、前後方向(X軸方向)に延びる第5軸AX5(図17(A)参照。)を回転中心とした矢印AR21に示す方向への回転力を受けるように配置されている。すなわち、第5延設部EL5は、第5軸AX5を回転中心とした矢印AR22に示す方向への回転力を受けるように配置されている。同様に、第6固定側ターミナルプレート5F6は、矢印AR23に示す方向に第6ワイヤSA6が収縮したときに、前後方向(X軸方向)に延びる第6軸AX6(図17(A)参照。)を回転中心とした矢印AR24に示す方向への回転力を受けるように配置されている。すなわち、第6延設部EL6は、第6軸AX6を回転中心とした矢印AR25に示す方向への回転力を受けるように配置されている。
【0300】
そして、ベース部材18は、図17に示すように、前後方向(X軸方向)に延びる軸AXを回転中心として円弧動しようとする延設部ELが当接する当接面CFを定める規制壁部RBを有していてもよい。図17に示す例では、ベース部材18は、第5軸AX5を回転中心として円弧動しようとする第5延設部EL5が当接する第5当接面CF5と、第6軸AX6を回転中心として円弧動しようとする第6延設部EL6が当接する第6当接面CF6とを定める規制壁部RBを有する。また、ベース部材18は、第5延設部EL5の周縁の内方(X2方向)に空間を形成するとともに外方(X1方向)からアクセス可能な第3凹部GR3を有していてもよい。そして、第5延設部EL5の内面(X2側の面)は、第3凹部GR3に充填された第3光硬化型接着剤EA3によってベース部材18に固着されてもよい。
【0301】
この構成は、突起部18V及び規制壁部RBによる固定側金属部材5Fの位置決めを可能にする。また、この構成は、軸AX回りの固定側金属部材5Fの回転を防止でき、ひいては、固定側金属部材5Fがベース部材18から剥がれ落ちてしまうのを防止できる。
【0302】
第5延設部EL5には、図17(B)に示すように、第3凹部GR3に重なる位置に切欠部CUaが設けられていてもよい。切欠部CUaは、第3凹部GR3に第3光硬化型接着剤EA3を充填する際に利用されてもよい。この構成は、第3凹部GR3への第3光硬化型接着剤EA3の充填を容易化できる。また、この構成は、第5延設部EL5の内面(X2側の面)及び外面(X1側の面)と切欠部CUaの端面とに第3光硬化型接着剤EA3が連続的(一体的)に付着するのを可能にする。
【0303】
光硬化型接着剤EAは、光硬化型接着剤EAの性質と熱硬化型接着剤の性質とを備えた接着剤であってもよい。例えば、光硬化型接着剤EAは、上述の例のように、紫外線の照射によって一次硬化され、且つ、加熱によって二次硬化されるハイブリッド型接着剤であってもよい。
【0304】
この構成は、光硬化型接着剤EAを硬化させる際の、ベース部材18に関する固定側金属部材5Fの位置ずれを抑えることができる。更には、この構成は、固定側金属部材5Fとベース部材18との間の更に強固な接着を実現できる。光硬化型接着剤EAが紫外線によって一次硬化される際には形状記憶合金ワイヤSAが加熱されないためである。また、固定側金属部材5Fの位置ずれが生じない程度に光硬化型接着剤EAが一次硬化された状態で加熱によって二次硬化され、固定側金属部材5Fとベース部材18との間の接着強度が高められるためである。
【0305】
固定側金属部材5Fは、第1ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5)及び第2ターミナルプレート(第6固定側ターミナルプレート5F6)を含み、第1ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5)に関する第1突起部(上側突起部18VU)と第2ターミナルプレート(第6固定側ターミナルプレート5F6)に関する第2突起部(下側突起部18VL)とが光硬化型接着剤EA(第1光硬化型接着剤EA1)により一体的に覆われるように近接して配置されていてもよい。図17(B)に示す例では、第5固定側ターミナルプレート5F5に関する上側突起部18VUと第6固定側ターミナルプレート5F6に関する下側突起部18VLとは、第1光硬化型接着剤EA1により一体的に覆われるように、上下方向(Z軸方向)において近接して並ぶように配置されている。なお、「近接」は、例えば、上側突起部18VUと下側突起部18VLとの間の距離が、第1固定側台座部18D1の高さの半分以下であることを意味する。
【0306】
この構成は、レンズ駆動装置101の製造効率を高めることができる。1回の光硬化型接着剤EA(第1光硬化型接着剤EA1)の塗布により二つの固定側金属部材5F(第5固定側ターミナルプレート5F5と第6固定側ターミナルプレート5F6)の接着固定が実現されるためである。
【0307】
また、上述のレンズ駆動装置101は、固定側部材RGとしてのベース部材18と、上下方向(Z軸方向)に延びる筒状部12を有し、ベース部材18に対して移動可能に支持された可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2の外側面に取り付けられた可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)と、一端が可動側金属部材5Mに固着されるとともに他端がベース部材18に取り付けられた固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)に固着され、温度上昇に対応して収縮することによりレンズ保持部材2を移動させるように構成された形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。レンズ保持部材2の筒状部12は、レンズ体を取り付け可能なレンズ取付孔を構成している。
【0308】
このレンズ駆動装置101では、レンズ保持部材2は、可動側金属部材5Mが取り付けられる取付面EWと、筒状部12における円環状の内壁面に形成された凹部(治具用凹部DP)内に設けられる治具当接面CWと、を有していてもよい。
【0309】
この構成は、レンズ保持部材2及びベース部材18が治具JGに取り付けられた状態で、可動側金属部材5Mを含む金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2の取付面EWに押し当てられたときに、レンズ保持部材2が動いてしまうのを防止できる。治具JGの回転止め部材LKの側面SWとレンズ保持部材2の治具当接面CWとが接触するためである。そのため、この構成は、金属部材5を可動側部材MBに取り付ける際の金属部材5の位置ずれを防止でき、金属部材5の取付位置の精度を向上させることができる。
【0310】
治具当接面CWは、取付面EWに対して平行になるように設けられた第1治具当接面CW1及び第2治具当接面CW2を含んでいてもよい。具体的には、図20(C)に示すように、第3治具用凹部DP3に関する治具当接面CWは、第3取付面EW3(前側取付面)に対して平行になるように設けられた第1治具当接面CW1と、第4取付面EW4(左側取付面)に対して平行になるように設けられた第2治具当接面CW2とを含む。なお、取付面EW及び治具当接面CWは、典型的には、光軸JDに平行な面である。
【0311】
この構成は、可動側金属部材5Mを含む金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2に取り付けられる際に金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2に及ぼす力を、回転止め部材LKの側面SWが垂直に受けられるようにする。そのため、金属部材アセンブリMAがレンズ保持部材2に取り付けられる際の、レンズ保持部材2の取付面EWにおける金属部材アセンブリMAの位置ずれを防止できる。
【0312】
治具用凹部DPの天面(Z1側の面)には別の治具当接面(第3治具当接面CW3)が設けられていてもよい。具体的には、図20(C)に示すように、第3治具用凹部DP3に関する治具当接面CWは、第3治具用凹部DP3の天面(Z1側の面)である第3治具当接面CW3を含んでいてもよい。
【0313】
この構成は、上下方向(Z軸方向)におけるレンズ保持部材2の取付位置の精度を向上させることができる。
【0314】
レンズ取付孔として機能する筒状部12にはレンズ体が挿入されるとともに接着剤が流し込まれてもよい。この場合、筒状部12は、接着剤が治具用凹部DPに流れ込むように構成されていてもよい。
【0315】
例えば、金属部材5がレンズ保持部材2及びベース部材18に固定された状態でレンズ保持部材2及びベース部材18が治具JGから取り外された後で、筒状部12にはレンズ体が挿入されるとともに接着剤が流し込まれる。そして、接着剤は、筒状部12の内周面とレンズ体の外周面との間に入り込み、更に、筒状部12に形成された治具用凹部DP内に入り込んだ後で硬化される。
【0316】
この構成は、レンズ保持部材2に対するレンズ体の接着強度を高めることができる。そのため、この構成は、落下衝撃によるレンズ体の筒状部12からの脱落を防止できる。
【0317】
また、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、固定側部材RGとしてのベース部材18と、上下方向に延びる筒状部12を有し、ベース部材18に対して移動可能に支持された可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と、ベース部材18及びレンズ保持部材2の少なくとも一方に取り付けられる金属製のターミナルプレートとしての金属部材5と、温度上昇に応じて収縮する形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。そして、金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAを保持する折り曲げ可能な取付片である保持部Jを有する。形状記憶合金ワイヤSAの端部ENは、折り曲げられた保持部Jの内側に挟持されて固定され、且つ、保持部Jの縁部EGに接合されている。形状記憶合金ワイヤSAの端部ENと保持部Jの縁部EGとの接合は、例えば、レーザ溶接等の溶接、半田付け、ろう付け、又は、超音波金属接合等によって実現される。
【0318】
例えば、レンズ駆動装置101は、図25に示すように、取付片としての保持部J1を有する第1可動側ターミナルプレート5M1と、温度上昇に応じて収縮する形状記憶合金ワイヤSAの一つである第2ワイヤSA2と、を備えている。そして、第2ワイヤSA2の一端(右端)は、折り曲げられた保持部J1の内側に挟持されて固定され、且つ、折り曲げられた保持部J1の縁部(右側縁部EGR)にレーザ溶接によって接合されている。図24(A)に示すような、第2ワイヤSA2の他端(左端)と第2固定側ターミナルプレート5F2における保持部J4の縁部(左側縁部)との接合、第1ワイヤSA1の一端(右端)と第1可動側ターミナルプレート5M1における保持部J3の縁部(右側縁部)との接合、及び、第1ワイヤSA1の他端(左端)と第1固定側ターミナルプレート5F1における保持部J2の縁部(左側縁部)との接合についても同様である。また、第3ワイヤSA3~第8ワイヤSA8と固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mとの接合についても同様である。
【0319】
この構成は、保持部Jの平坦部KC(例えば、図24(B)に示す第1平坦部KC1及び第3平坦部KC3を参照。)に凹凸が形成されていなくとも、形状記憶合金ワイヤSAと金属部材5との間の確実な接合を実現できる。そのため、この構成は、凹凸による形状記憶合金ワイヤSAの断線を未然に防止できる。また、この構成は、凹凸による接合に比べ、形状記憶合金ワイヤSAと保持部Jとの間の導電性及び接合強度を高めることができる。
【0320】
形状記憶合金ワイヤSAの端部ENは、望ましくは、取付片としての保持部Jの縁部EGに形成された面取部CHに接合されている。
【0321】
例えば、形状記憶合金ワイヤSAの一つである第2ワイヤSA2の端部EN(右端)は、図25(A)に示すように、取付片としての保持部J1の縁部(右側縁部EGR)に形成された面取部(右側面取部CHR)にレーザ溶接によって接合されている。
【0322】
この構成は、図27に示すように、保持部J1に溶接された第2ワイヤSA2の端部ENが右側端面EFRよりも内側(左側)で保持部J1の右側面取部CHRに接合されるため、端部ENが右側端面EFRを超えて右側に突出してしまうのを防止できる。そのため、この構成は、溶接部分WPが他の部材と接触して損傷してしまうのを防止できる。
【0323】
取付片としての保持部Jは、望ましくは、形状記憶合金ワイヤSAの端部ENが接合されている縁部EGとは別の位置に別の縁部EGを有する。そして、別の縁部EGには別の面取部CHが形成されており、形状記憶合金ワイヤSAは、別の面取部CHが形成された部分から外に延びるように保持部Jに取り付けられている。
【0324】
例えば、取付片としての保持部J1は、第2ワイヤSA2の右端が接合されている縁部(図25(A)の右側縁部EGR)とは別の位置にある別の縁部(図25(B)の左側縁部EGL)を有する。すなわち、保持部J1は、第2ワイヤSA2の右端が接合されている右側縁部EGRの反対側に左側縁部EGLを有する。そして、左側縁部EGLには左側面取部CHL)が形成されており、第2ワイヤSA2は、左側面取部CHLが形成された部分から外に(X1方向に)延びるように保持部J1に取り付けられている。
【0325】
この構成は、保持部J1の左側縁部EGLで第2ワイヤSA2が断線してしまうのをより確実に防止できる。例えば、保持部J1の外形を形成するためのせん断加工の際に左側縁部EGLにバリが形成された場合であっても、その後のプレス加工によって面取部CH(左側面取部CHL)が形成される際に、そのバリは押し潰されるためである。
【0326】
形状記憶合金ワイヤSAは、電気絶縁材料で被覆された状態で取付片(保持部J)に接合されていてもよい。
【0327】
例えば、形状記憶合金ワイヤSAの一つである第2ワイヤSA2は、図27に示すように、電気絶縁材料で被覆された状態で取付片(保持部J1)に接合されていてもよい。
【0328】
この構成では、第2ワイヤSA2を被覆している電気絶縁材料は、レーザ溶接等の溶接、半田付け、ろう付け、又は、超音波金属接合等による接合の際に発生する熱によって消失するためである。その結果、この構成は、電気絶縁材料を除去する工程を省略でき、ひいては、レンズ駆動装置101の製造効率を高めることができる。
【0329】
また、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101の製造方法は、ターミナルプレートとしての金属部材5における、形状記憶合金ワイヤSAを保持するための折り曲げ可能な取付片としての保持部Jを折り曲げる工程と、折り曲げられた保持部Jの内側に挟持されて固定された形状記憶合金ワイヤSAの端部ENを保持部Jの縁部EGに接合する工程と、を有する。
【0330】
この製造方向によって製造されるレンズ駆動装置101は、保持部Jの平坦部KC(例えば、図24(B)に示す第1平坦部KC1及び第3平坦部KC3を参照。)に凹凸が形成されていなくとも、形状記憶合金ワイヤSAと金属部材5との間の確実な接合を実現できる。そのため、この構成は、凹凸による形状記憶合金ワイヤSAの断線を未然に防止できる。また、この構成は、凹凸による接合に比べ、形状記憶合金ワイヤSAと保持部Jとの間の導電性及び接合強度を高めることができる。
【0331】
また、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、ベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられる固定側ターミナルプレート(固定側金属部材5F)と、レンズ保持部材2に取り付けられる可動側ターミナルプレート(可動側金属部材5M)と、一端が固定側金属部材5Fに固着されるとともに他端が可動側金属部材5Mに固着され、温度上昇に応じて収縮することによりレンズ保持部材2を移動させる形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。
【0332】
ベース部材18は、第1外側面(第4壁面LW4)と第2外側面(第2壁面LW2)とを有する固定側台座部18D(第2固定側台座部18D2)を含む。
【0333】
固定側金属部材5F(第7固定側ターミナルプレート5F7)は、第1外側面(第4壁面LW4)に取り付けられ、且つ、第1外側面(第4壁面LW4)を含む仮想平面VP(第4仮想平面VPF4)と第2外側面(第2壁面LW2)を含む仮想平面VP(第2仮想平面VPF2)との間の仮想交線NL(第2仮想交線NL2)に向かって、第1外側面(第4壁面LW4)と接触する部分から張り出すように形成される張出部OH(第7張出部OHF7)を有する。
【0334】
そして、張出部OH(第7張出部OHF7)の先端部には、固定側金属部材5F(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)と可動側金属部材5M(第4可動側ターミナルプレート5M4)とを連結する切捨連結部CN(第4切捨連結部CN4)を切り離す際に形成される切断面SE(第7切断面SEF7)がある。
【0335】
図32に示す例では、レンズ駆動装置101は、ベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられる第3固定側ターミナルプレート5F3と、レンズ保持部材2に取り付けられる第2可動側ターミナルプレート5M2と、一端が第3固定側ターミナルプレート5F3に固着されるとともに他端が第2可動側ターミナルプレート5M2に固着され、温度上昇に応じて収縮することによりレンズ保持部材2を移動させる第3ワイヤSA3と、を備えている。ベース部材18は、第2壁面LW2と第4壁面LW4とを有する第2固定側台座部18D2を含む。第3固定側ターミナルプレート5F3は、第2壁面LW2に取り付けられ、且つ、第2壁面LW2を含む第2仮想平面VPF2と第4壁面LW4を含む第4仮想平面VPF4との間の第2仮想交線NL2に向かって、第2壁面LW2と接触する部分から張り出すように形成される第3張出部OHF3を有する。第3張出部OHF3の先端部には、第3固定側ターミナルプレート5F3と第2可動側ターミナルプレート5M2とを連結する第2切捨連結部CN2を切り離す際に形成される第3切断面SEF3がある。
【0336】
この構成は、切捨連結部CNを切り離すためのレーザLSが張出部OHのところに照射されるため、レーザLSが切捨連結部CN以外の他の部材に照射されてしまうのを防止できる。そのため、この構成は、ベース部材18の焼損を防止できる。
【0337】
切断面SE(第7切断面SEF7)は、図32(A)に示すように、切断面SE(第7切断面SEF7)を含む仮想平面LP(第4仮想平面LPF4)が、第1外側面(第4壁面LW4)を含む仮想平面VP(第4仮想平面VPF4)に対して斜めに延在し、且つ、固定側台座部18D(第2固定側台座部18D2)とは交わらないように形成される。
【0338】
例えば、第3切断面SEF3は、図32(A)に示すように、第3切断面SEF3を含む第2仮想平面LPF2が、第2壁面LW2を含む第2仮想平面VPF2に対して斜めに延在し、且つ、第2固定側台座部18D2とは交わらないように形成される。また、第7切断面SEF7は、図32(A)に示すように、第7切断面SEF7を含む第4仮想平面LPF4が、第4壁面LW4を含む第4仮想平面VPF4に対して斜めに延在し、且つ、第2固定側台座部18D2とは交わらないように形成される。
【0339】
この構成は、切捨連結部CNを切り離すためのレーザLSの軌道の延長線上に固定側台座部18Dが存在しないため、レーザLSがベース部材18に照射されてしまうのを防止できる。そのため、この構成は、ベース部材18の焼損を防止できる。
【0340】
レンズ駆動装置101は、第1外側面(第4壁面LW4)に取り付けられる固定側ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7)とは異なる、第2外側面(第2壁面LW2)に取り付けられる別の固定側ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3)を備えていてもよい。そして、第1外側面(第4壁面LW4)に取り付けられる固定側ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7)とは異なる、第2外側面(第2壁面LW2)に取り付けられる別の固定側ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3)は、固定側ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7)の張出部OH(第7張出部OHF7)とは異なる高さで、第2外側面(第2壁面LW2)と接触する部分から仮想交線NL(第2仮想交線NL2)に向かって張り出すように形成される別の張出部OH(第3張出部OHF3)を有していてもよい。
【0341】
例えば、第3固定側ターミナルプレート5F3は、図32(B)に示すように、第7固定側ターミナルプレート5F7の第7張出部OHF7及び第8固定側ターミナルプレート5F8の第8張出部OHF8とは異なる高さで、第2壁面LW2と接触する部分から第2仮想交線NL2に向かって張り出すように形成される第3張出部OHF3を有していてもよい。同様に、第4固定側ターミナルプレート5F4は、図32(B)に示すように、第7張出部OHF7及び第8張出部OHF8とは異なる高さで、第2壁面LW2と接触する部分から第2仮想交線NL2に向かって張り出すように形成される第4張出部OHF4を有していてもよい。
【0342】
この構成は、例えば、第2切捨連結部CN2を切断する際に、第2切捨連結部CN2を切り離すためのレーザLS(図32(B)の点線LSF3を参照。)が誤って第7固定側ターミナルプレート5F7の第7張出部OHF7に当たり、更に第7張出部OHF7で反射してベース部材18に当たってしまうといった事象が発生するのを防止できる。例えば、図32(B)に示す例では、第2切捨連結部CN2を切り離すためのレーザLSの軌道が僅かにずれたとしても、第3張出部OHF3の高さと第7張出部OHF7の高さとが顕著に異なるため、レーザLSが第7張出部OHF7に当たることはないためである。
【0343】
固定側台座部(第2固定側台座部18D2)は、固定側台座部(第2固定側台座部18D2)を構成している第1外側面(第4壁面LW4)と第2外側面(第2壁面LW2)との間の角に形成された面取部18F(第2面取部18F2)を有していてもよい。
【0344】
この構成は、切捨連結部CNを切り離すためのレーザLSの軌道と固定側台座部18Dの表面との間の距離を大きくすることができるため、レーザLSが固定側台座部18Dに当たってしまうのをより確実に防止できる。そのため、この構成は、ベース部材18の焼損をより確実に防止できる。
【0345】
また、レンズ駆動装置101では、レンズ保持部材2は、第1外側面(第3取付面EW3)と第2外側面(第4取付面EW4)とを有する可動側台座部2D(第2可動側台座部2D2)を含む。
【0346】
そして、可動側ターミナルプレート(第3可動側ターミナルプレート5M3)は、第1外側面(第3取付面EW3)に取り付けられ、且つ、第1外側面(第3取付面EW3)を含む仮想平面VP(第3仮想平面VPM3)と第2外側面(第4取付面EW4)を含む仮想平面VP(第3仮想平面VPM4)との間の仮想交線NL(第4仮想交線NL4)に向かって、第1外側面(第3取付面EW3)と接触する部分から張り出すように形成される張出部OH(第3上側張出部OHM3U)を有する。
【0347】
そして、張出部OH(第3上側張出部OHM3U)の先端部には、固定側ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6)と可動側ターミナルプレート(第3可動側ターミナルプレート5M3)とを連結する切捨連結部CN(不図示の第3切捨連結部CN3)を切り離す際に形成される切断面SE(第3上側切断面SEM3U)がある。
【0348】
図34に示す例では、レンズ駆動装置101は、ベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持されるレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられる第7固定側ターミナルプレート5F7(図30(A)参照。)と、レンズ保持部材2に取り付けられる第4可動側ターミナルプレート5M4と、一端が第7固定側ターミナルプレート5F7に固着されるとともに他端が第4可動側ターミナルプレート5M4に固着され、温度上昇に応じて収縮することによりレンズ保持部材2を移動させる第7ワイヤSA7(図30(A)参照。)と、を備える。そして、レンズ保持部材2は、第3取付面EW3と第4取付面EW4とを有する第2可動側台座部2D2を含む。
【0349】
そして、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第4取付面EW4に取り付けられ、且つ、第3取付面EW3を含む第3仮想平面VPM3と第4取付面EW4を含む第4仮想平面VPM4との間の第4仮想交線NL4に向かって、第4取付面EW4と接触する部分から張り出すように形成される第4上側張出部OHM4Uを有する。第4上側張出部OHM4Uの先端部には、第4可動側ターミナルプレート5M4と第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8とを連結する第4切捨連結部CN4(図29(A)参照。)を切り離す際に形成される第4上側切断面SEM4Uがある。
【0350】
この構成は、切捨連結部CNを切り離すためのレーザLSが張出部OHのところに照射されるため、レーザLSが切捨連結部CN以外の他の部材に照射されてしまうのを防止できる。そのため、この構成は、レンズ保持部材2の焼損を防止できる。
【0351】
切断面SE(第3上側切断面SEM3U)は、図34(A)に示すように、切断面SE(第3上側切断面SEM3U)を含む仮想平面LP(第3仮想平面LPM3)が、第1外側面(第3取付面EW3)を含む仮想平面VP(第3仮想平面VPM3)に対して斜めに延在し、且つ、可動側台座部2D(第2可動側台座部2D2)とは交わらないように形成される。
【0352】
例えば、第3上側切断面SEM3Uは、図34(A)に示すように、第3上側切断面SEM3Uを含む第3仮想平面LPM3が、第3取付面EW3を含む第3仮想平面VPM3に対して斜めに延在し、且つ、第2可動側台座部2D2とは交わらないように形成される。また、第4上側切断面SEM4Uは、図34(A)に示すように、第4上側切断面SEM4Uを含む第4仮想平面LPM4が、第4取付面EW4を含む第4仮想平面VPM4に対して斜めに延在し、且つ、第2可動側台座部2D2とは交わらないように形成される。
【0353】
この構成は、切捨連結部CNを切り離すためのレーザLSの軌道の延長線上に可動側台座部2Dが存在しないため、レーザLSがレンズ保持部材2に照射されてしまうのを防止できる。そのため、この構成は、レンズ保持部材2の焼損を防止できる。
【0354】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0355】
1・・・スペーサ部材 2・・・レンズ保持部材 2D・・・可動側台座部 2D1・・・第1可動側台座部 2D2・・・第2可動側台座部 2S・・・突設部 2S1・・・第1突設部 2S2・・・第2突設部 2T・・・突出部 2V・・・突起部 4・・・カバー部材 4A・・・第1外周壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・天板部 4C・・・第2外周壁部 4C1・・・第1側板部 4C2・・・第2側板部 4C3・・・第3側板部 4C4・・・第4側板部 4D・・・底板部 4k・・・開口 4L・・・下側カバー部材 4m・・・開口 4s・・・収納部 4U・・・上側カバー部材 5・・・金属部材 5F・・・固定側金属部材 5F1・・・第1固定側ターミナルプレート 5F2・・・第2固定側ターミナルプレート 5F3・・・第3固定側ターミナルプレート 5F4・・・第4固定側ターミナルプレート 5F5・・・第5固定側ターミナルプレート 5F6・・・第6固定側ターミナルプレート 5F7・・・第7固定側ターミナルプレート 5F8・・・第8固定側ターミナルプレート 5M・・・可動側金属部材 5M1・・・第1可動側ターミナルプレート 5M2・・・第2可動側ターミナルプレート 5M3・・・第3可動側ターミナルプレート 5M4・・・第4可動側ターミナルプレート 6・・・板ばね 6A・・・第1板ばね 6A1・・・第1部分 6A2・・・第2部分 6A3・・・第3部分 6A4・・・第4部分 6A5・・・第5部分 6AH1・・・第1貫通孔 6AH2・・・第2貫通孔 6AH3・・・第3貫通孔 6AH4・・・第4貫通孔 6AH5・・・第5貫通孔 6AH6・・・第6貫通孔 6AH7・・・第7貫通孔 6B・・・第2板ばね 6B1・・・第1部分 6B2・・・第2部分 6B3・・・第3部分 6B4・・・第4部分 6B5・・・第5部分 6BH1・・・第1貫通孔 6BH2・・・第2貫通孔 6BH3・・・第3貫通孔 6BH4・・・第4貫通孔 6BH5・・・第5貫通孔 6BH6・・・第6貫通孔 12・・・筒状部 18、18A・・・ベース部材 18E・・・辺部 18E1・・・第1辺部 18E2・・・第2辺部 18E3・・・第3辺部 18E4・・・第4辺部 18K・・・開口 18S・・・ストッパ用凸部 18S1・・・第1ストッパ用凸部 18S2・・・第2ストッパ用凸部 18T・・・突出部 18V・・・突起部 18VL・・・下側突起部 18VU・・・上側突起部 20・・・導電部材 20A・・・第1導電部材 20A1・・・第1導電部 20A2・・・第2導電部 20A3・・・第3導電部 20B・・・第2導電部材 20B1・・・第1導電部 20B2・・・第2導電部 20B3・・・第3導電部 101・・・レンズ駆動装置 AH・・・矩形孔 AH1・・・第1矩形孔 AH2・・・第2矩形孔 AX・・・軸 AX5・・・第5軸 AX6・・・第6軸 BK・・・並進止め部材 BK1・・・第1並進止め部材 BK2・・・第2並進止め部材 BK3・・・第3並進止め部材 BK4・・・第4並進止め部材 BU・・・バリ CF、CFb・・・当接面 CF5・・・第5当接面 CF6・・・第6当接面 CH・・・面取部 CHL・・・左側面取部 CHL1・・・第1左側面取部 CHL2・・・第2左側面取部 CHL3・・・第3左側面取部 CHR・・・右側面取部 CHR1・・・第1右側面取部 CHR2・・・第2右側面取部 CHR3・・・第3右側面取部 CM・・・導電部材 CM1・・・第1導電部材 CM2・・・第2導電部材 CM3・・・第3導電部材 CM4・・・第4導電部材 CM5・・・第5導電部材 CM6・・・第6導電部材 CM7・・・第7導電部材 CM8・・・第8導電部材 CM9・・・第9導電部材 CM10・・・第10導電部材 CM11・・・第11導電部材 CM12・・・第12導電部材 CN・・・切捨連結部 CN2・・・第2切捨連結部 CN4・・・第4切捨連結部 CP1・・・第1接合面部 CP2・・・第2接合面部 CP3・・・第3接合面部 CP4・・・第4接合面部 CP5・・・第5接合面部 CP6・・・第6接合面部 CP7・・・第7接合面部 CP8・・・第8接合面部 CP9・・・第9接合面部 CP10・・・第10接合面部 CP11・・・第11接合面部 CP12・・・第12接合面部 CT1~CT12・・・接続部 CUa、CUb・・・切欠部 CV・・・ストッパ用凹部 CV1・・・第1ストッパ用凹部 CV2・・・第2ストッパ用凹部 CW・・・治具当接面 CW1・・・第1治具当接面 CW2・・・第2治具当接面 CW3・・・第3治具当接面 DP・・・治具用凹部 DP1・・・第1治具用凹部 DP2・・・第2治具用凹部 DP3・・・第3治具用凹部 DP4・・・第4治具用凹部 EA・・・光硬化型接着剤 EA1・・・第1光硬化型接着剤 EA2・・・第2光硬化型接着剤 EA3・・・第3光硬化型接着剤 EA4・・・第4光硬化型接着剤 EA5・・・第5光硬化型接着剤 EC1、EC2・・・弾性接触部 ED1・・・第1接続部 ED2・・・第2接続部 ED3・・・第3接続部 ED4・・・第4接続部 ED5・・・第5接続部 ED6・・・第6接続部 ED7・・・第7接続部 ED8・・・第8接続部 ED11・・・第11接続部 EF・・・端面 EFL・・・左側端面 EFL1・・・第1左側端面 EFL2・・・第2左側端面 EFL3・・・第3左側端面 EFR・・・右側端面 EFR1・・・第1右側端面 EFR2・・・第2右側端面 EFR3・・・第3右側端面 EG・・・縁部 EGL・・・左側縁部 EGR・・・右側縁部 EL・・・延設部 EL5・・・第5延設部 EL6・・・第6延設部 EN・・・端部 EP・・・端面 EW・・・取付面 EW1・・・第1取付面 EW2・・・第2取付面 EW3・・・第3取付面 EW4・・・第4取付面 GR・・・凹部 GR1・・・第1凹部 GR2・・・第2凹部 GR3・・・第3凹部 GR4・・・第4凹部 J、J1~J4・・・保持部 JD・・・光軸 JG・・・治具 KC・・・平坦部 KC1・・・第1平坦部 KC2・・・第2平坦部 KC3・・・第3平坦部 LK・・・回転止め部材 LP・・・仮想平面 LPF2・・・第2仮想平面 LPF4・・・第4仮想平面 LPM3・・・第3仮想平面 LPM4・・・第4仮想平面 LS・・・レーザ LW・・・壁面 LW1・・・第1壁面 LW2・・・第2壁面 LW3・・・第3壁面 LW4・・・第4壁面 MA・・・金属部材アセンブリ MA2・・・第2金属部材アセンブリ MA3・・・第3金属部材アセンブリ MB・・・可動側部材 MK・・・駆動機構 NL・・・仮想交線 NL2・・・第2仮想交線 NL4・・・第4仮想交線 OH・・・張出部 OHF3・・・第3張出部 OHM3U・・・第3上側張出部 OHM3L・・・第3下側張出部 OHF4・・・第4張出部 OHM4U・・・第4上側張出部 OHM4L・・・第4下側張出部 OHF7・・・第7張出部 OHF8・・・第8張出部 PT・・・支持部材 PT1・・・第1支持部材 PT2・・・第2支持部材 RB・・・規制壁部 RG・・・固定側部材 RH・・・貫通孔 RH5・・・第5貫通孔 RH6・・・第6貫通孔 RS1、RS2・・・凹部 SA・・・形状記憶合金ワイヤ SA1・・・第1ワイヤ SA2・・・第2ワイヤ SA2c・・・切り捨て部分 SA3・・・第3ワイヤ SA4・・・第4ワイヤ SA5・・・第5ワイヤ SA6・・・第6ワイヤ SA7・・・第7ワイヤ SA8・・・第8ワイヤ SB・・・ストッパ用凹部 SB1・・・第1ストッパ用凹部 SB2・・・第2ストッパ用凹部 SD・・・接合材 SE・・・切断面 SE3F・・・第3切断面 SE3MU・・・第3上側切断面 SE3ML・・・第3下側切断面 SEF4・・・第4切断面 SE4MU・・・第4上側切断面 SE4ML・・・第4下側切断面 SEF7・・・第7切断面 SEF8・・・第8切断面 ST・・・規制壁部 SW・・・側面 SW1・・・第1側面 SW2・・・第2側面 SW3・・・第3側面 SW4・・・第4側面 SW5・・・第5側面 SW6・・・第6側面 TM1・・・第1端子部 TM2・・・第2端子部 TM3・・・第3端子部 TM4・・・第4端子部 TM5・・・第5端子部 TM6・・・第6端子部 TM7・・・第7端子部 TM8・・・第8端子部 TM9・・・第9端子部 TM10・・・第10端子部 TM1・・・第1端子部 TW・・・上面 VP・・・仮想平面 VPF2・・・第2仮想平面 VPF4・・・第4仮想平面 VPM3・・・第3仮想平面 VPM4・・・第4仮想平面 WM・・・ワイヤ材料 WP・・・溶接部分
図1
図2
図3
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