(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】多目的台車
(51)【国際特許分類】
B61D 15/00 20060101AFI20241106BHJP
B61D 47/00 20060101ALI20241106BHJP
E01B 29/16 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B61D15/00 A
B61D47/00 Z
E01B29/16
(21)【出願番号】P 2023189618
(22)【出願日】2023-11-06
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】591153145
【氏名又は名称】ユニオン建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390027292
【氏名又は名称】根本企画工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】595056479
【氏名又は名称】三東株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391054475
【氏名又は名称】鉄友工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】下 喜巳男
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 周三
(72)【発明者】
【氏名】根本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 太作
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝年
(72)【発明者】
【氏名】金子 亮一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩一郎
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0271865(US,A1)
【文献】中国実用新案第214653164(CN,U)
【文献】特開2015-6827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 15/00
B61D 47/00
E01B 29/00,33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、
前記車輪を回転可能に保持する台車と、
前記台車を回転可能に保持するとともに切欠きを有する荷受台枠と、
前記荷受台枠の上に設けられる架台と、
前記荷受台枠の前記切欠きに格納される積卸機と、
前記積卸機を格納状態から展開状態に切り替える駆動機構と、を備え、
前記積卸機が格納状態である時に、前記積卸機と前記架台とが平坦面を形成することを特徴とする多目的台車。
【請求項2】
制御部をさらに備えるとともに前記積卸機を複数備え、前記制御部の制御により、複数の前記積卸機を一括して格納状態と展開状態との間で切り替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の多目的台車。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記荷受台枠に回転可能に保持される下腕と、前記下腕に対して回転可能に保持される上腕と、前記上腕を前記下腕に対して平面視で略直角をなす角度に回転可能な回転軸と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の多目的台車。
【請求項4】
複数の前記積卸機は、前記荷受台枠の幅方向の両端において、前記荷受台枠の長さ方向に間隔を空けて設けられていることを特徴とする請求項2に記載の多目的台車。
【請求項5】
前記制御部は、前記荷受台枠の幅方向の両端に設けられる複数の前記積卸機のうち、前記幅方向の一端側に設けられる複数の前記積卸機が格納状態である時に前記幅方向の他端側に設けられる複数の前記積卸機を展開状態とし、前記幅方向の一端側に設けられる複数の前記積卸機が展開状態である時に前記幅方向の他端側に設けられる複数の前記積卸機を格納状態とするように複数の前記積卸機を制御することを特徴とする請求項4に記載の多目的台車。
【請求項6】
前記幅方向の前記一端側に設けられる複数の前記積卸機と、前記幅方向の前記他端側に設けられる複数の前記積卸機とは、前記荷受台枠の長さ方向において同じ位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の多目的台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的台車に関する。
【背景技術】
【0002】
レール又は枕木等の積載物を積載して鉄道レール上を走行可能な多目的台車が知られている。多目的台車にはレール又は枕木等の積卸が可能な積卸機が設けられている。
【0003】
特許文献1に記載の多目的台車では、多目的台車の幅方向の両端に積卸機が複数設けられている。しかしながら、個々の積卸機が大型の機械であるため、特許文献1に記載の構造では、積載物が積卸機と干渉するため、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景の下になされ、積卸機に干渉されることなく、多目的台車の幅方向を十分に活用することで、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載可能な多目的台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1の態様は、車輪と、前記車輪を回転可能に保持する台車と、前記台車を回転可能に保持するとともに切欠きを有する荷受台枠と、前記荷受台枠の上に設けられる架台と、前記荷受台枠の前記切欠きに格納される積卸機と、前記積卸機を格納状態から展開状態に切り替える駆動機構と、を備え、前記積卸機が格納状態である時に、前記積卸機と前記架台とが平坦面を形成することを特徴とする多目的台車である。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、積卸機が格納状態である時に、積卸機と架台とが平坦面を形成するため、積卸機に干渉されることなく、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、制御部をさらに備えるとともに前記積卸機を複数備え、前記制御部の制御により、複数の前記積卸機を一括して格納状態と展開状態との間で切り替え可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、制御部により複数の積卸機を格納状態と展開状態との間で一括して制御可能であるため、積卸機の格納と展開を少人数で対応可能である。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記駆動機構は、前記荷受台枠に回転可能に保持される下腕と、前記下腕に対して回転可能に保持される上腕と、前記上腕を前記下腕に対して平面視で略直角をなす角度に回転可能な回転軸と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、駆動機構により、積卸機を格納状態と展開状態との間で切り替えることができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、第2の態様において、複数の前記積卸機は、前記荷受台枠の幅方向の両端において、前記荷受台枠の長さ方向に間隔を空けて設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の態様によれば、複数の積卸機が荷受台枠の長さ方向に間隔を空けて設けられているため、レールのような長尺の積載物の積卸が可能である。
【0014】
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記制御部は、前記荷受台枠の幅方向の両端に設けられる複数の前記積卸機のうち、前記幅方向の一端側に設けられる複数の前記積卸機が格納状態である時に前記幅方向の他端側に設けられる複数の前記積卸機を展開状態とし、前記幅方向の一端側に設けられる複数の前記積卸機が展開状態である時に前記幅方向の他端側に設けられる複数の前記積卸機を格納状態とするように複数の前記積卸機を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様によれば、荷受台枠の幅方向の両端に設けられる複数の積卸機が互いに干渉することなく積み下ろし作業を実施可能である。
【0016】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記幅方向の前記一端側に設けられる複数の前記積卸機と、前記幅方向の前記他端側に設けられる複数の前記積卸機とは、前記荷受台枠の長さ方向において同じ位置に設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第6の態様によれば、荷受台枠を左右対称の構造とすることができるため、荷受台枠が左右対称の構造ではない場合と比較して、多目的台車を強固な構造とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、積卸機に干渉されることなく、多目的台車の幅方向を十分に活用することで、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載可能な多目的台車を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が格納状態の概略斜視図である。
【
図2】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が格納状態の(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。
【
図3】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が展開状態の概略斜視図である。
【
図4】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が展開状態の(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。
【
図5】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が格納状態の(a)一部拡大斜視図と(b)一部拡大側面図である。
【
図6】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が格納状態から展開状態に切り替える途中における(a)一部拡大斜視図と(b)一部拡大側面図である。
【
図7】本発明に係わる第1実施形態の多目的台車において積卸機が格納状態から展開状態に切り替え完了間近における(a)一部拡大斜視図と(b)一部拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態に係る多目的台車1を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
多目的台車1は、車輪4と、車輪4を回転可能に保持する台車5と、台車5を回転可能に保持するとともに切欠き11を有する荷受台枠15と、荷受台枠15の上に設けられる架台13と、荷受台枠15の切欠き11に格納される積卸機3と、積卸機3を格納状態から展開状態に切り替える駆動機構と、を備える。
ここで、
図1に示すX方向を多目的台車1又は荷受台枠15の進行方向、若しくは長さ方向と呼ぶ。また、
図1に示すY方向を多目的台車1又は荷受台枠15の幅方向と呼ぶ。また、
図1に示すZ方向を多目的台車1又は荷受台枠15の高さ方向と呼ぶ。
【0022】
車輪4は、一対の車輪4が不図示の車軸により連結されて構成される。台車5は、図示の例では2対の車輪4を回転可能に保持する。なお、台車5に保持される車輪4は2対に限定されず、一対でも三対以上でも良い。
【0023】
荷受台枠15は、略長方形状の構造物であり、台車5を
図1のZ軸を回転中心として回転可能に保持する。荷受台枠15は、多目的台車1の核となる構造であるため、例えば、I型鋼、溝型鋼、及び鋼板を溶接により組み上げることで強固に構成されている。荷受台枠15には、後述の積卸機3を格納可能な切欠き11が設けられている。ここで、切欠き11は
図7の(a)に示されている。
荷受台枠15の上には、不図示のレール又は枕木等を積載可能な架台13が設けられている。架台13上には、架台13上に積載された積載物の架台13からの落下を防止するための長方形状に組み合わされたアオリ2が複数設けられている。荷受台枠15の側面には、横板14が設けられている。ここで、積載物はレール又は枕木に限定されず、レール又は枕木の交換作業、古レール又は古枕木の回収作業、新レール又は新枕木の敷設作業等に用いられる可能性のある多種多様な機械、装置、工具等を含む。
【0024】
荷受台枠15の下面には制御部12が設けられている。制御部12の詳細については後述する。荷受台枠15の長さ方向の先端と後端とには連結器6が設けられており、他の車両と連結可能とされている。
【0025】
荷受台枠15は、積卸機3を複数備えている。複数の積卸機3は、荷受台枠15の幅方向の両端において、荷受台枠15の長さ方向に間隔を空けて設けられている。
図1から
図4に示す例では、合計6個の積卸機3が、荷受台枠15の幅方向の両端において、荷受台枠15の長さ方向に間隔を空けて設けられている。なお、積卸機3の個数は6個に限定されない。
複数の積卸機3は、
図1と
図2の(a)、(b)、及び(c)に示す格納状態と、
図3と
図4の(a)、(b)、及び(c)に示す展開状態とに切り替えることができる。
図1、
図2の(a)、(b)、及び(c)、
図5の(a)及び(b)に示すように、積卸機3は、格納状態では、荷受台枠15の切欠き11内に格納されている。積卸機3は、荷受台枠15に回転可能に保持される下腕9と、下腕9に回転可能に保持される上腕8と、上腕8の先端に設けられるフック7と、上腕8を下腕9に対して平面視で略直角をなす角度に回転可能な回転軸10と、下腕9を格納状態から立ち上げるとともに展開状態から格納状態に倒す不図示のピストンと、を備えている。これらのうち、下腕9と、上腕8と、回転軸10と、ピストンと、を駆動機構と呼ぶ。よって、駆動機構により、積卸機3を格納状態と展開状態との間で切り替えることができる。なお、ピストンとしては油圧ピストンが適しているが、必ずしも油圧ピストンに限定されず電動ピストンでも良い。ここで、フック7は、積卸機3の展開状態において、上腕8の長さ方向に移動可能である。即ち、
図3に示す積卸機3の展開状態において、フック7を荷受台枠15(多目的台車1)の幅方向に移動可能である。さらに、フック7は、
図3に示す積卸機3の展開状態において、多目的台車1の高さ方向に移動可能である。
【0026】
下腕9は、
図6の(a)及び(b)に示すように、2枚の板状の部材が平行を保った状態で、Y軸を回転中心としてXZ平面に沿うように回転可能に荷受台枠15に保持されている。不図示のピストンにより押されることで、下腕9が
図5の(a)及び(b)に示す格納状態から
図7の(a)及び(b)に示す展開状態に、Y軸に平行な不図示の回転軸回りにXZ平面に沿うように回転して立ち上がることにより、積卸機3が格納状態から展開状態に切り替えられる。積卸機3は、展開状態では、
図7の(a)及び(b)に示すように、下腕9が荷受台枠15に対して略垂直に交わるように立ち上がり、同時に上腕8は下腕9と略直交して荷受台枠15の長さ方向と略平行に延びる位置に保持される。上腕8も下腕9に対してY軸を回転中心としてXZ平面に沿うように回転可能に保持されている。
図7の(a)及び(b)に示す状態になった後に、Z軸に平行な回転軸10を回転中心として、上腕8を下腕9に対して平面視で略垂直をなす角度になるまでXY平面に沿うように荷受台枠15の幅方向の反対側に向けて回転させることにより、
図3及び
図4の(a)、(b)、及び(c)に示すような積卸機3の展開状態となる。回転軸10を回転中心として、上腕8を下腕9に対して平面視で略垂直をなす角度にXY平面において回転させる動作は人力で行っても良いし、自動で行っても良い。
【0027】
展開状態においては、積卸機3のフック7に不図示のレール又は枕木等を吊るして高さ方向に昇降、及び、荷受台枠15の幅方向に移動させることで、レール又は枕木等の多目的台車1の架台13からの積卸作業、及び、レール又は枕木等の架台13への積込作業を行うことができる。ここで、複数の積卸機3は、荷受台枠15の幅方向の両端において、荷受台枠15の長さ方向に間隔を空けて設けられている。そのため、レールのような長尺の積載物の積卸が可能である。
【0028】
図1、
図2の(a)、(b)、及び(c)、
図5の(a)及び(b)に示すように、積卸機3は格納状態において、架台13と平坦面を形成する。換言すると、積卸機3が格納状態において、積卸機3の上腕8の上面が架台13と平坦面を形成する。そのため、積卸機3が格納状態においては、
図2の(a)に示されるように、架台13と、荷受台枠15の幅方向の一端側(Y方向のマイナス側)に設けられる積卸機3と、荷受台枠15の幅方向の他端側(Y方向のプラス側)に設けられる積卸機3と、の幅の合計を、多目的台車1の最大幅と等しくすることができる。従来技術では、積卸機3が架台13と平坦面を形成するような格納状態となることがなかった。そのため、このような本実施形態の多目的台車1によれば、積卸機3の格納状態において、架台13に積載される積載物が積卸機3に干渉されることがないので、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載することができる。
【0029】
ここで、
図2の(a)に示されるように、荷受台枠15の幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3と、荷受台枠15の幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3とは、荷受台枠15の長さ方向において同じ位置に設けられている。即ち、荷受台枠15において複数の積卸機3が格納される複数の切欠き11の位置が、荷受台枠15の長さ方向において、幅方向の一端側と他端側とで同じ位置にある。つまり、荷受台枠15は左右対称の構造となっている。
荷受台枠15は積卸機3を保持する部材である。積卸機3は、それ自体で大きな重量を有する構造物であり、さらに上記の通り、レールのような大きな重量を有する積載物の積卸作業を行う。そのため、積卸機3を保持する荷受台枠15には、積卸機3から大きな荷重が加わる。仮に、荷受台枠15の幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3と、荷受台枠15の幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3とが、荷受台枠15の長さ方向において同じ位置に設けられておらず、荷受台枠15が左右対称の構造になっていない場合、複数の積卸機3から荷受台枠15に加えられる荷重が、荷受台枠15の長さ方向において、幅方向の一端側と他端側とで異なる位置に加えられる。そのため、積卸機3から荷受台枠15に加えられる荷重が荷受台枠15を捻じる方向に作用し、荷受台枠15に金属疲労による亀裂等の損傷を起こす可能性がある。一方、本実施形態のような左右対称の荷受台枠15によれば、複数の積卸機3から荷受台枠15に加えられる荷重が荷受台枠15を捻じる方向に作用することを防ぐことができる。そのため、荷受台枠15の強度を高めることができ、多目的台車1の寿命を延ばすことができる。
【0030】
荷受台枠15の下面には制御部12が設けられている。制御部12の制御により、複数の積卸機3を一括して格納状態から展開状態へ、また展開状態から格納状態へと切り替え可能である。
制御部12は、荷受台枠15の幅方向の両端に設けられる複数の積卸機3のうち、幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3が格納状態である時に幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3を展開状態とし、幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3が展開状態である時に幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3を格納状態とするように複数の積卸機3を制御する。即ち、
図3と
図4に示すように、荷受台枠15の幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3が格納状態である時に幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3を展開状態とするように制御部12は複数の積卸機3を制御する。また、図示はされていないが、幅方向の一端側に設けられる複数の積卸機3が展開状態である時に幅方向の他端側に設けられる複数の積卸機3を格納状態とするように制御部12は複数の積卸機3を制御する。制御部12が複数の積卸機3をこのように制御することで、荷受台枠15の幅方向の両端に設けられる複数の積卸機3が互いに干渉することなく積み下ろし作業を実施可能である。また、制御部12により複数の積卸機3を格納状態と展開状態との間で一括して制御可能であるため、積卸機3の格納と展開に係る作業を少人数の作業員で行うことができる。例えば、遠隔操作により制御部12を起動させ、複数の積卸機3を格納状態と展開状態との間で一括して制御することができる。または制御部12にスイッチを設けて、スイッチの操作により複数の積卸機3を格納状態と展開状態との間で一括して制御しても良い。
【0031】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサおよびメモリなどを備えている。プロセッサは、制御部12の機能を実行するための演算処理を実行する。メモリには、CPUが実行する機能が記述される書き換え可能なプログラムが記憶されている。制御部12は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)を用いてこれらの機能を実現してもよい。あるいは、ソフトウェアとハードウェアの協働により制御部12の機能を実現してもよい。
【0032】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等や実施形態と変形例の相互の組み合わせも含まれる。
【0033】
ここで、上記の記載において、略直角、略平行、略長方形状の意味は、厳密に、直角、平行、長方形状でなくとも良く、直角から2°から3°程度のずれ、平行から2°から3°程度のずれ、長方形の対向する辺が2°から3°程度までずれていることまでは許容されることを意味する。
【符号の説明】
【0034】
1 多目的台車
2 アオリ
3 積卸機
4 車輪
5 台車
6 連結器
7 フック
8 上腕
9 下腕
10 回転軸
11 切欠き
12 制御部
13 架台
14 横板
15 荷受台枠
【要約】
【課題】積卸機に干渉されることなく、多目的台車の幅方向を十分に活用することで、幅の広い大型の機械等を含む多種多様な積載物を積載可能な多目的台車を提供する。
【解決手段】車輪と、前記車輪を回転可能に保持する台車と、前記台車を回転可能に保持するとともに切欠きを有する荷受台枠と、前記荷受台枠の上に設けられる架台と、前記荷受台枠の前記切欠きに格納される積卸機と、前記積卸機を格納状態から展開状態に切り替える駆動機構と、を備え、前記積卸機が格納状態である時に、前記積卸機と前記架台とが平坦面を形成することを特徴とする多目的台車。
【選択図】
図3