(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】表示パネル及びその封止方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
H10N 30/30 20230101AFI20241106BHJP
H10N 30/857 20230101ALI20241106BHJP
H10N 30/853 20230101ALI20241106BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241106BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241106BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20241106BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241106BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20241106BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20241106BHJP
H02N 2/04 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H10N30/30
H10N30/857
H10N30/853
G09F9/00 352
G09F9/30 307
G02F1/13 101
G02F1/1333
G02F1/133 580
G02F1/15 506
H02N2/04
(21)【出願番号】P 2023553022
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2022137227
(87)【国際公開番号】W WO2024001052
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202210733594.1
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522276596
【氏名又は名称】綿陽恵科光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIANYANG HKC OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Huike Road, Wujia Town, Fucheng District, Mianyang, Sichuan, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521141718
【氏名又は名称】恵科股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HKC Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】1F-3F, 5F-7F of Factory Building 1, 7F of Factory Building 6, Huike Industrial Park, No.1 Industrial 2nd Road, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジアンイン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン、ハイジアン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0356345(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0126488(US,A1)
【文献】特開2018-12808(JP,A)
【文献】特開2001-210101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 30/30
H10N 30/857
H10N 30/853
G09F 9/00
G09F 9/30
G02F 1/13
G02F 1/1333
G02F 1/133
G02F 1/15
H02N 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と封止領域を含む表示パネル本体を含む表示パネルであって、変形検査装置をさらに含み、
前記変形検査装置は、
1つ以上の電界表示ユニットを含む電界表示モジュールと、
前記表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に設置され、且つ前記封止領域内に位置する圧電モジュールと、を含み、
前記圧電モジュールは、少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットを含み、前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、
同一の前記変形可能機能層の表面に設置される前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットは、互いに交互して且つ間隔を置いて設置され、
隣接する2つの圧電ユニットの間は、前記電界表示ユニットを介して直列接続され、
隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチは、前記変形可能機能層が変形するときに隣接する前記圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換することができることを満たし、
前記電気信号は、隣接する前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間に直列接続される前記電界表示ユニットを励起して表示させる、
表示パネル。
【請求項2】
前記第一圧電ユニットは第一電極層と前記第一電極層に積層結合される第一圧電層とを含み、前記第二圧電ユニットは第二電極層と前記第二電極層に積層結合される第二圧電層とを含み、前記第一電極層と前記第二電極層が交互して且つ間隔を置いて前記変形可能機能層の表面に設置され、前記変形可能機能層が変形するとき、隣接する前記第一圧電層と前記第二圧電層が互いに接触して前記圧力信号を発生して前記電気信号に変換し、及び/又は、
前記電界表示ユニットは、エレクトロクロミックユニット及び/又はエレクトロルミネセンスユニットを含み、及び/又は、
前記電界表示ユニットと前記圧電ユニットは同一の前記変形可能機能層の表面に設置され、前記電界表示ユニットは前記表示パネル本体の非表示領域に位置し、及び/又は、
前記変形可能機能層は、カラーフィルム基板を含み、及び/又は、
前記圧電ユニットは、表示領域を回って設置される、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
各隣接する前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間のピッチは100~200μmであり、及び/又は、
単一の前記第一圧電ユニット及び/又は前記第二圧電ユニットはブロック状であり、前記変形可能機能層に平行する単一の前記第一圧電ユニット及び/又は前記第二圧電ユニットの断面は長さが100~1000μmであり、幅が100~500μmであり、及び/又は、
前記第一電極層及び/又は前記第二電極層の厚さは100~500μmであり、及び/又は、
前記第一圧電層及び/又は前記第二圧電層の厚さは100~500μmであり、及び/又は、
前記第一圧電層、前記第二圧電層に含まれる圧電材料は、独立して、ポリフッ化ビニリデン、メタニオブ酸鉛、ガリウム酸リチウム、ゲルマニウム酸リチウム、ゲルマニウム酸チタン、強誘電体トランジスタニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム物質のうちの1つを含む、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第一圧電ユニットは、前記第一圧電層の前記第一電極層から離れる表面に積層結合される第一絶縁層をさらに含み、
前記第二圧電ユニットは、前記第二圧電層の前記第二電極層から離れる表面に積層結合される第二絶縁層をさらに含む、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第一絶縁層の少なくとも一部のエッジは、前記第一電極層に接触するまで延伸して前記第一圧電層を被覆し、前記第一圧電層の隣接する前記圧電ユニットに対向する側辺が前記第一絶縁層から伸び出して第一圧電突起を形成し、及び/又は、
前記第二絶縁層の少なくとも一部のエッジは、前記第二電極層に接触するまで延伸して前記第二圧電層を被覆し、前記第二圧電層の隣接する前記圧電ユニットに対向する側辺が前記第二絶縁層から伸び出して第二圧電突起を形成し、及び/又は、
前記第一絶縁層及び/又は前記第二絶縁層の材料は、独立して、酸化ケイ素、酸化インジウムスズ、ポリエチレン、エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含み、及び/又は、
前記第一絶縁層及び/又は前記第二絶縁層の厚さは100~500μmである、
請求項4に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第一圧電突起及び/又は前記第二圧電突起の長さは100~250μmであり、及び/又は、
前記第一圧電ユニットはブロック状であり、前記第一絶縁層の四隅のエッジは前記第一電極層に接触するまで延伸して前記第一圧電層の四隅を被覆し、及び/又は、
前記第二圧電ユニットはブロック状であり、前記第二絶縁層の四隅のエッジは前記第二電極層に接触するまで延伸して前記第二圧電層の四隅を被覆する、
請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第一電極層と前記第二電極層は極性が異なり、又は、
前記第一電極層と前記第二電極層は極性が同じであり、前記第一圧電層と前記第二圧電層は材料が異なり、又は、
前記第一電極層と前記第二電極層は極性が同じであり、前記第一圧電層と前記第二圧電層は材料が同じであり、且つ前記第一圧電層と前記第二圧電層は体積が不等であり、又は、
前記第一電極層と前記第二電極層は極性が同じであり、前記第一圧電層と前記第二圧電層は材料が異なり、且つ前記第一圧電層と第二圧電層は体積が不等であり、又は、
前記第一電極層と前記第二電極層は極性が異なり、前記第一圧電層と前記第二圧電層は材料が異なり、且つ前記第一圧電層と前記第二圧電層は体積が不等である、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記エレクトロクロミックユニットは、隣接する前記圧電ユニットに含まれる電極層の間に直列接続されるエレクトロクロミック材料層であり、
前記エレクトロルミネセンスユニットは、隣接する前記圧電ユニットに含まれる電極層の間に直列接続されるエレクトロルミネセンス材料層である、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記エレクトロクロミック材料層に含まれるエレクトロクロミック材料は、三酸化タングステン、ポリチオフェン類、ポリチオフェン類誘導体、ビオロゲン類、テトラチアフルバレン、金属フタロシアニン類化合物のうちの少なくとも1つを含む、
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記エレクトロルミネセンスユニットは、電極I、発光機能層及び電極IIを含み、前記電極I、前記発光機能層及び前記電極IIが順に積層されてサンドイッチ構造を構成し、前記電極Iが隣接する2つの前記圧電ユニットのうちの1つの圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続され、前記電極IIが隣接する2つの前記圧電ユニットのうちの他の1つの前記圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続される、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記発光機能層に含まれるエレクトロルミネセンス材料は、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム又は硫化カルシウム物質のうちの少なくとも1つを含む、
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記変形検査装置に含まれる前記圧電モジュール及び前記電界表示モジュールは、前記表示パネル本体の封止領域内に設置され、表示領域を回って設置される、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記圧電モジュールが設置される前記変形可能機能層は、カラーフィルム基板を含む、
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項14】
表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に、前記機能層の封止領域内に位置する圧電モジュールを設置するステップであって、前記圧電モジュールは少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットを含み、前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、同一の前記変形可能機能層の表面に設置される前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットは互いに交互して且つ間隔を置いて設置され、前記変形可能機能層が変形するときに隣接する前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換することができるように、隣接する前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間のピッチを制御するステップと、
隣接する前記第一圧電ユニットと前記第二圧電ユニットとの間に、前記電気信号の励起により表示する電界表示ユニットを直列接続させるステップと、
前記圧電モジュールが設置された前記変形可能機能層と、前記表示パネル本体に含まれる他の各機能層とを封止処理するとともに、前記電界表示ユニットの表示結果を監視し、前記表示結果に応じて前記封止処理の条件を調整処理するステップと、を含む、
表示パネルの封止方法。
【請求項15】
前記変形可能機能層の表面に前記圧電モジュールを設置するステップは、
同一の前記変形可能機能層の表面における前記封止領域内に少なくとも1つの第一電極層及び少なくとも1つの第二電極層を設置し、前記第一電極層と前記第二電極層が間隔を置いて設置されるステップと、
前記第一電極層の表面に、前記第一電極層に積層結合される第一圧電層を形成し、前記第一圧電層と前記第一電極層が前記第一圧電ユニットを形成し、前記第二電極層の表面に、前記第二電極層に積層結合される第二圧電層を形成し、前記第二圧電層と前記第二電極層が前記第二圧電ユニットを形成するステップであって、前記変形可能機能層が変形するときに、隣接する前記第一圧電層と前記第二圧電層が互いに接触して前記圧力信号を発生するステップと、を含み、及び/又は、
前記表示結果に応じて前記封止処理の条件を調整処理するステップは、
前記電界表示ユニットが発光又は変色するとき、前記電界表示ユニットが変色又は発光を停止するまで、前記封止処理の条件を最適化処理するステップと、
前記電界表示ユニットが発光又は変色しない状態を維持するとき、前記封止処理の条件を不変に保持するステップと、を含む、
請求項14に記載の表示パネルの封止方法。
【請求項16】
前記第一圧電層の表面に前記第一圧電層を覆う第一絶縁層を形成するステップをさらに含み、及び/又は、
前記第二圧電層の表面に前記第二圧電層を覆う第二絶縁層を形成するステップをさらに含む、
請求項15に記載の表示パネルの封止方法。
【請求項17】
請求項1に記載の表示パネル、又は、請求項14に記載の表示パネルの封止方法により製造される表示パネルを含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2022年06月27日に中国特許庁に提出された、出願番号202210733594.1、発明の名称「表示パネル及びその製造方法、表示装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体は引用により本開示に組み込まれる。
本発明は、漏光検査技術分野に関し、具体的には、表示パネル及びその封止方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイスクリーンは、現在、多くのディスプレイスクリーン電子機器における重要な構成部分であり、特に高精細テレビ及び医用表示機器は、ディスプレイスクリーンに対する品質要求がより高い。例えば従来のアクティブディスプレイは、通常、バックライトのエッジのバック接着剤により表示パネルとバックライトとを組み立てる。
【0003】
ディスプレイスクリーンの品質を保証するために、出荷前にディスプレイスクリーンの各指標を検査する必要がある。従来のディスプレイスクリーン電子機器は、ディスプレイスクリーン自体の液晶ディスプレイスクリーン及びバックライトモジュールの設計、並びに、構造部材の組み立て及びタッチスクリーンの貼り合わせなどの複雑なプロセスにより、ディスプレイスクリーンのエッジに潰れ変形が生じ、ディスプレイスクリーンのエッジに漏光が生じやすいため、ディスプレイスクリーンの漏光に対する検査は、ディスプレイスクリーン検査の非常に重要な1つである。
【0004】
従来技術において、スクリーンの漏光検査は、通常、電子機器のスクリーンに黒色画面を表示し、電子機器ディスプレイスクリーンのエッジの表示効果に対して、センサ検査によりスクリーンが漏光するか否か及び漏光の程度を確定する。一般的な検査方法は、通常がプローブであるセンサの収集端をスクリーンに貼り付けて検測し、収集したデータを処理した後、表示スクリーンの漏光状況が要求に満たすか否かを決定する。しかしながら、当該従来の検査方法は、センサ検出機器のプローブサイズ及び性能により大きく影響される。例えば、プローブのサイズが相対的に不変であり、且つプローブのデータ収集範囲が円形又は球面をなすとき、特に漏光がスクリーンのエッジ位置に現れる場合、又は検査面積が漏光点の面積より大きい場合に、検査データの結果が指標を満たすものの深刻な局所漏光現象が存在する場合があり、検査が不精確になる。
【0005】
また、変形による漏光現象であれば、変形によるものか又は封止品質によるものかを従来の検査方法によって判断することができない。言い換えれば、ディスプレイスクリーンのエッジに変形が生じるためエッジに漏光が発生した場合、このような変形は、組み立てる途中に検査することができず、組み立てた後に検査することしかできず、また検査が不精確になる可能性があるため、変形したディスプレイの修理ができなく又はしにくくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示実施例の目的は、従来技術の上記不足を克服ために、表示パネルが封止時及び封止後に変形した否かを効果的かつタイムリーに検査及び判断して表示パネルの封止品質及び表示効果を向上させることで、従来の表示パネルが封止中に変形したか否かをタイムリーに検査できず、リワーク率が高いという技術的課題を解決することができる、表示パネル及びその封止方法を提供する。
【0007】
本開示のもう一つの目的は、従来の表示装置に含まれる表示パネルは封止品質が優れずかつ表示が理想的でないという技術的課題を解決できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した本開示の目的を実現するために、本開示の第一態様は表示パネルを提供する。本開示実施例に係る表示パネルは、表示領域と封止領域を含む表示パネル本体を含む表示パネルであって、変形検査装置をさらに含み、
変形検査装置は、
1つ以上の電界表示ユニットを含む電界表示モジュールと、
表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に設置され、且つ封止領域内に位置する圧電モジュールと、を含み、
圧電モジュールは、少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットを含み、第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、
同一の変形可能機能層の表面に設置される第一圧電ユニットと第二圧電ユニットは、互いに交互して且つ間隔を置いて設置され、
隣接する2つの圧電ユニットの間は、電界表示ユニットを介して直列接続され、
隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチは、変形可能機能層が変形するときに隣接する圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換することができることを満たし、
電気信号は、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に直列接続される電界表示ユニットを励起して表示させる。
【0009】
実施例において、第一圧電ユニットは第一電極層と第一電極層に積層結合される第一圧電層とを含み、第二圧電ユニットは第二電極層と第二電極層に積層結合される第二圧電層とを含み、第一電極層と第二電極層が交互して且つ間隔を置いて変形可能機能層の表面に設置され、変形可能機能層が変形するとき、隣接する第一圧電層と第二圧電層が互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換する。
【0010】
実施例において、電界表示ユニットは、エレクトロクロミックユニット及び/又はエレクトロルミネセンスユニットを含む。
【0011】
実施例において、電界表示ユニットと圧電ユニットは同一の変形可能機能層の表面に設置され、電界表示ユニットは表示パネル本体の非表示領域に位置する。
【0012】
実施例において、変形可能機能層はカラーフィルム基板を含む。
【0013】
実施例において、圧電ユニットは表示領域を回って設置される。
【0014】
さらなる実施例において、各隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間のピッチは100~200μmである。
【0015】
さらなる実施例において、単一の第一圧電ユニット及び/又は第二圧電ユニットはブロック状であり、変形可能機能層に平行する単一の第一圧電ユニット及び/又は第二圧電ユニットの断面は長さが100~1000μmであり、幅が100~500μmである。
【0016】
さらなる実施例において、第一電極層及び/又は第二電極層の厚さは100~500μmである。
【0017】
さらなる実施例において、第一圧電層及び/又は第二圧電層の厚さは100~500μmである。
【0018】
さらなる実施例において、第一圧電層、第二圧電層に含まれる圧電材料は、独立して、ポリフッ化ビニリデン、メタニオブ酸鉛、ガリウム酸リチウム、ゲルマニウム酸リチウム、ゲルマニウム酸チタン、強誘電体トランジスタニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム物質のうちの1つを含む。
【0019】
実施例において、第一圧電ユニットは、第一圧電層の第一電極層から離れる表面に積層結合される第一絶縁層をさらに含む。
【0020】
実施例において、第二圧電ユニットは、第二圧電層の第二電極層から離れる表面に積層結合される第二絶縁層をさらに含む。
【0021】
さらなる実施例において、第一絶縁層の少なくとも一部のエッジは、第一電極層に接触するまで延伸して第一圧電層を被覆し、第一圧電層の隣接する圧電ユニットに対向する側辺が第一絶縁層から伸び出して第一圧電突起を形成する。
【0022】
さらなる実施例において、第二絶縁層の少なくとも一部のエッジは、第二電極層に接触するまで延伸して第二圧電層を被覆し、第二圧電層の隣接する圧電ユニットに対向する側辺が第二絶縁層から伸び出して第二圧電突起を形成する。
【0023】
さらなる実施例において、第一絶縁層及び/又は第二絶縁層の材料は、独立して、酸化ケイ素、酸化インジウムスズ、ポリエチレン、エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
さらなる実施例において、第一絶縁層及び/又は第二絶縁層の厚さは100~500μmである。
【0025】
さらなる実施例において、第一圧電突起及び/又は第二圧電突起の長さは100~250μmである。
【0026】
さらなる実施例において、第一圧電ユニットはブロック状であり、第一絶縁層の四隅のエッジは第一電極層に接触するまで延伸して第一圧電層の四隅を被覆する。
【0027】
さらなる実施例において、第二圧電ユニットはブロック状であり、第二絶縁層の四隅のエッジは第二電極層に接触するまで延伸して第二圧電層の四隅を被覆する。
【0028】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が異なる。
【0029】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なる。
【0030】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が同じであり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0031】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0032】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が異なり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0033】
実施例において、エレクトロクロミックユニットは、隣接する圧電ユニットに含まれる電極層の間に直列接続されるエレクトロクロミック材料層である。
【0034】
実施例において、エレクトロルミネセンスユニットは、隣接する圧電ユニットに含まれる電極層の間に直列接続されるエレクトロルミネセンス材料層である。
【0035】
さらなる実施例において、エレクトロクロミック材料層に含まれるエレクトロクロミック材料は、三酸化タングステン、ポリチオフェン類、ポリチオフェン類誘導体、ビオロゲン類、テトラチアフルバレン、金属フタロシアニン類化合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0036】
実施例において、エレクトロルミネセンスユニットは、電極I、発光機能層及び電極IIを含み、電極I、発光機能層及び電極IIが順に積層されてサンドイッチ構造を構成し、電極Iが隣接する2つの圧電ユニットのうちの1つの圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続され、電極IIが隣接する2つの圧電ユニットの他の1つの圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続される。
【0037】
さらなる実施例において、発光機能層に含まれるエレクトロルミネセンス材料は、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム又は硫化カルシウムなどの物質のうちの少なくとも1つを含む。
【0038】
実施例において、変形検査装置に含まれる圧電モジュール及び電界表示モジュールは、表示パネル本体の封止領域内に設置され、表示領域を回って設置される。
【0039】
実施例において、圧電モジュールが設置される変形可能機能層は、カラーフィルム基板を含む。
【0040】
本開示の第二態様は表示パネルの封止方法を提供する。本開示に係る表示パネルの封止方法は、
表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に、機能層の封止領域内に位置する圧電モジュールを設置するステップであって、圧電モジュールは少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットを含み、第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、同一の変形可能機能層の表面に設置される第一圧電ユニットと第二圧電ユニットは互いに交互して且つ間隔を置いて設置され、変形可能機能層が変形するときに隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換することができるように、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間のピッチを制御するステップと、
隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に、電気信号の励起により表示する電界表示ユニットを直列接続させるステップと、
圧電モジュールが設置された変形可能機能層と、表示パネル本体に含まれる他の各機能層とを封止処理するとともに、電界表示ユニットの表示結果を監視し、表示結果に応じて封止処理の条件を調整処理するステップと、を含む。
【0041】
いくつかの実施例において、変形可能機能層の表面に圧電モジュールを設置するステップは、
同一の変形可能機能層の表面における封止領域内に少なくとも1つの第一電極層及び少なくとも1つの第二電極層を設置し、第一電極層と第二電極層が間隔を置いて設置されるステップと、
第一電極層の表面に、第一電極層に積層結合される第一圧電層を形成し、第一圧電層と第一電極層が第一圧電ユニットを形成し、第二電極層の表面に、第二電極層に積層結合される第二圧電層を形成し、第二圧電層と第二電極層が第二圧電ユニットを形成するステップであって、変形可能機能層が変形するときに、隣接する第一圧電層と第二圧電層が互いに接触して圧力信号を発生するステップと、を含む。
【0042】
いくつかの実施例において、表示結果に応じて封止処理の条件を調整処理するステップは、
電界表示ユニットが発光又は変色するとき、電界表示ユニットが変色又は発光を停止するまで、封止処理の条件を最適化処理するステップと、
電界表示ユニットが発光又は変色しない状態を維持するとき、封止処理の条件を不変に保持するステップと、を含む。
【0043】
いくつかの実施例において、第一圧電層の表面に第一圧電層を覆う第一絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0044】
いくつかの実施例において、第二圧電層の表面に第二圧電層を覆う第二絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0045】
本開示の第三態様は表示装置を提供する。本開示に係る表示装置は、本開示に係る表示パネル、又は、本開示に係る表示パネルの封止方法により製造される表示パネルを含む。
【発明の効果】
【0046】
従来技術と比較して、本開示は以下の技術的効果を有する。
【0047】
本開示の表示パネルは、表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の封止領域内に変形検査装置を設置し、変形検査装置に含まれるいくつかの圧電ユニットが変形可能機能層に間隔を置いて設置され、同一の変形可能機能層における隣接する2つの圧電ユニットの間に圧力差がありかつ間隔を置いて設置されるピッチを制御することにより、当該変形可能機能層が変形するとき、圧力差のある隣接する2つの圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生し、当該圧電層が圧力信号を電気信号に変換し、当該電気信号が隣接する2つの圧電ユニットに直列接続される電界表示ユニットまで伝導されてそれを励起して表示させる。表示信号に応じて、当該変形可能機能層に変形が発生したか否かを直接的且つタイムリーに判断することができ、表示パネルのパッケージをタイムリーに制御又は調整したり、表示パネルの例えば漏光などの原因を直接判断したりすることができ、これにより、表示パネルの封止品質及び表示効果又はリワーク効率を保証することができる。
【0048】
本開示の表示パネルの封止方法は、変形可能機能層に間隔を置いて設置され且つ圧力差がある複数の圧電ユニットを効果的に形成することができ、かつ、隣接する2つの圧電ユニットが1つの電界表示ユニットに直列接続され、当該変形可能機能層が変形して圧電ユニットが電気信号を発するようにトリガするとき、電界表示ユニットを励起して表示させることができるため、表示パネルが封止中に変形したか否かをリアルタイムに検査及び監視することができ、封止後の表示パネルに漏光、シール効果不良などの不具合を回避し、これにより、表示パネルの封止品質を保証し、表示パネルのパッケージの良品率及び品質を向上させ、表示パネルの表示効果を向上させ、表示パネルのリワーク率を減少させることができ、且つ効率が高く、封止コストを低減させる。
【0049】
本開示に係る表示装置は、本開示に係る表示パネルを含むため、表示効果が優れ、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示の具体的実施形態又は従来技術に係る技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的実施形態又は従来技術の説明において必要とする図面を簡単に紹介し、言うまでもないが、以下に説明する図面は、本開示のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働をせずとも、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置が表示パネル本体の変形可能機能層に結合された構造模式図である。
【
図2】本開示実施例に係る表示パネルに含まれる表示パネル本体の変形可能機能層が変形するとき、変形検査装置に含まれる圧電モジュールにおける隣接する2つの圧電ユニットが接触して圧力信号を発生する構造模式図である。
【
図3】本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置における圧電モジュールに含まれる圧電ユニットの構造模式図である。
【
図4】本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置における圧電モジュールに含まれる圧電ユニットの他の構造の正面図である。
【
図5】
図4に示す圧電ユニットの構造の正面図である。
【
図6】本開示実施例に係る表示パネルに含まれる表示パネル本体の構造模式図である。
【
図7】
図6に示す表示パネル本体が変形していない構造模式図である。
【
図8】
図6に示す表示パネル本体が変形した構造模式図である。
【
図9】
図8に示す表示パネル本体が変形して漏光を引き起こした構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示が解決しようとする技術的課題、技術的解決手段及び技術的効果をより明らかにするために、以下、実施例に関連して本開示をさらに詳しく説明する。ここで説明する具体的実施例は、本開示を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0052】
本開示において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を表し、3つの関係が存在可能であり、例えば、A及び/又はBは、Aが単独に存在すること、A及びBが同時に存在すること、Bが単独に存在することを示すことができる。ここで、A、Bは単一又は複数であってもよい。符号「/」は、通常、前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0053】
本開示において、「少なくとも1つ」は、1つ又は複数を意味し、「複数」は、2つ又は2つ以上を意味する。「以下の少なくとも1項(1つ)」又は類似する表現は、これらの項目の任意組み合わせを指し、単一の項目(1つ)又は複数の項目(複数)の任意組み合わせを含む。例えば、「a、b、又はcのうちの少なくとも1項(1つ)」或いは「a、b、及びcのうちの少なくとも1項(1つ)」は、いずれも、a、b、c、a&b(即ち、a及びb)、a&c、b&c、又はa&b&cを表すことができ、ここで、a、b、cは、それぞれ単一であってもよく、複数であってもよい。
【0054】
なお、本開示の様々な実施例において、上記各プロセスの番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、一部又は全部のステップは、並列的に又は前後に実行されてもよい。各プロセスの実行順序は、その機能及び内なる論理によって決定されるべきであり、本開示実施例の実施過程を何ら限定するものではない。
【0055】
本開示実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本開示実施例及び特許請求の範囲において使用される単一形式の「1つ」、「前記」及び「当該」は、文脈が明確に他の意味を示さない限り、複数形式も含むことを意図する。
【0056】
本開示実施例の明細書において言及される関連成分の重量は、各成分の具体的な含有量だけでなく、各成分の間の重量の比例関係を示してもよいため、本開示実施例の明細書における関連成分は、含有量が比例的に拡大又は縮小されるものも本開示実施例の明細書に開示される範囲内にある。具体的には、本開示実施例の明細書に示す質量は、μg、mg、g、kgなどの化学工業分野で周知の質量単位であってもよい。
【0057】
用語「第一」、「第二」は、目的を説明するためのものに過ぎず、例えば物質のような目的同士を区別するために用いられ、相対的な重要性に対する指示又は暗示、或いは、係る技術的特徴の数に対する暗黙的な開示として理解されるべきではない。例えば、本開示実施例の範囲から逸脱しない場合、第一XXを第二XXとして呼んでもよく、同様に、第二XXを第一XXとして呼んでもよい。よって、「第一」、「第二」で限定される特徴は、明示的または暗黙的に1つ又はそれ以上の特徴を含むことができる。
【0058】
第一態様によれば、本開示実施例は表示パネルを提供する。本開示実施例に係る表示パネルは、表示パネル本体と変形検査装置とを含む。
【0059】
ここで、当該表示パネル本体の構造は、従来の表示パネル本体の構造又は従来の表示パネル本体に基づいて改良された構造であってもよい。本開示実施例に係る表示パネル本体は、構造にかかわらず、表示領域と封止領域を含む。一実施例において、表示パネル本体の構造は、
図6に示すように、表示パネル本体03が、順に積層設置される下偏光板31、アレイ基板32、金属層33、絶縁層34、遮光層35、カラーフィルム基板36及び上偏光板37を含む構造であってもよい。これらの機能層構造は、バックライトアセンブリ39に設置され、下偏光板31とバックライトアセンブリ39の側壁との間にバック接着剤層38が設けられ、絶縁層34と遮光層35との間にシーリング剤310が設けられる。表示パネル本体03のこれらの機能層構造は、封止中に、各機能層が平に積層されることが要求され、例えば
図7に示すような封止効果が品質要求であり、これにより封止効果を保証し、表示パネル本体03の品質、表示効果及び寿命を向上させる。しかしながら、実際の封止過程において、一部の機能層構造が変形することが多く、例えば、
図8に示すように対応する機能層が異なる程度に変形し、これらの機能層構造が
図8に示すように変形したため、表示パネル本体03に
図9に示すようなエッジ漏光(変形によりエッジと表示領域内部とは液晶量が異なり、透光率が一致せず、エッジ漏光が発生する)が発生し、また、表示パネル本体03の封止密閉性が低下し、表示パネル本体03の表示効果が悪くなり、耐用年数が短くなる。従来の表示パネルは、封止中に、
図8及び
図9のように変形する場合、タイムリーに検査することができないことが多く、封止後に漏光性を検査することしかできないため、表示パネルの封止後の良品率が低下し、リワーク率が高くなる。
【0060】
一方、本開示実施例において、本開示実施例に係る表示パネルは、上記した表示パネル本体03、具体的に
図6に示す表示パネル本体03に加えて、変形検査装置(
図6乃至
図9には図示せず)を含む。表示パネル本体の対応する機能層構造は、
図8及び
図9に示すように変形した場合、変形検査装置が信号を発生するようにトリガし、これにより、表示パネル本体の対応する機能層構造が封止中に変形したか否かをタイムリーに判断することができ、封止プロセス又は条件をタイムリーに調整することができるため、表示パネル本体のパッケージの良品率及び高品質を保証することができる。また、封止後に表示パネルに漏光や封止性能の劣化などの不具合が生じることを発見した場合、変形検査装置の表示結果に基づいて原因を直接に判断することができ、表示パネルのリワークの原因の検査を向上させ、リワーク効率を向上させることができる。
【0061】
本開示の表示パネルに含まれる変形検査装置は、電界表示モジュールと圧電モジュールを含む。ここで、当該変形検査装置に含まれる電界表示モジュールは、1つ以上の電界表示ユニットを含む。当該電界表示ユニットは、電圧によって表示することができるため、当該電界表示ユニット、即ち電界表示モジュールの表示に基づいて検査結果を判断する。
【0062】
当該変形検査装置に含まれる圧電モジュールは、上記表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に設けられ、且つ上記表示パネル本体の封止領域にある。ここで、圧電モジュールは、上記表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に設けられ、言うまでもないが、当該圧電モジュールは、1つの変形可能機能層の表面に設けられてもよく、2つ以上の変形可能機能層の表面に同時に設けられてもよい。圧電モジュールは、1つの変形可能機能層の表面に設けられるか又は2つ以上の変形可能機能層の表面に同時に設けられるかにも関わらず、変形可能機能層の表面に設けられ且つ上記表示パネル本体の封止領域内に位置する。また、当該変形検査装置が設置される変形可能機能層は、以下、まとめて変形可能な基体として定義され、具体的には
図1~
図5に示す基体02である。
【0063】
当該圧電モジュールは、少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットとを含み、且つ第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、全ての圧電ユニットが変形可能な基体上に間隔を置いて設置されかつ上記封止領域内に位置し、同一の基体表面において第一圧電ユニットと第二圧電ユニットが互いに交互して且つ間隔を置いて設置される。第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在するため、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在する。隣接する2つの圧電ユニットは、具体的に電界表示モジュールに含まれる1つの電界表示ユニットを介して直列接続される。また、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットの2つの圧電ユニットのピッチを制御することにより、基体が変形するとき、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットの2つの圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換し、当該電気信号は、隣接する2つの圧電ユニットの間に直列接続される電界表示ユニットを励起して表示させることができる。
【0064】
第一圧電ユニットと第二圧電ユニットは、それぞれ少なくとも2つであり、即ち複数であってもよく、また、各隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットの2つの圧電ユニットの間にいずれも1つの電界表示ユニットが直列接続されるため、電界表示ユニットの数も少なくとも1つであり、即ち、複数であってもよい。圧電ユニットと電界表示ユニットとの接続関係に応じて、第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの数をそれぞれnとすると、電界表示ユニットの数は2n-1であってもよく、ここで、n≧2の正整数である。
【0065】
前記変形検査装置に含まれる電界表示モジュールと圧電モジュールとの接続関係に基づいて、
図1に示すように、変形検査装置01は、圧電モジュール011及び電界表示モジュール013を含むことができる。ここで、圧電モジュール011は、複数の第一圧電ユニット11と複数の第二圧電ユニット12とを含み、例えば、同一の基体02の表面の前記封止領域21内に設置される第一圧電ユニット11は圧電ユニット111と圧電ユニット112とを含み、第二圧電ユニット12は圧電ユニット121と圧電ユニット122とを含む。
【0066】
n個の第一圧電ユニット11を含む場合、n番目の第一圧電ユニット11は圧電ユニット11nであり、同様に、n個の第二圧電ユニット12を含む場合、n番目の第二圧電ユニット12は圧電ユニット12nである。ここで、圧電ユニット111と圧電ユニット121が隣接設置され、圧電ユニット121と圧電ユニット112が隣接設置され、圧電ユニット112と圧電ユニット122が隣接設置され、これによって類推する。圧電ユニット111と圧電ユニット121、圧電ユニット121と圧電ユニット112、圧電ユニット112と圧電ユニット122などの隣接する2つの圧電ユニットのピッチを制御することにより、基体02が
図2に示すように変形するとき、圧電ユニット111と圧電ユニット112、第二圧電ユニット121と圧電ユニット122などのうちの少なくとも1つの隣接する圧電ユニットが
図2に示すように互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換し、当該電気信号が隣接する2つの圧電ユニットの間に直列接続された電界表示ユニットを励起して表示させることができる。実施例において、当該圧電モジュール011は、複数の第一圧電ユニット11及び複数の第二圧電ユニット12を含み、具体的には、例えば、圧電ユニット111、圧電ユニット112、圧電ユニット121、第四圧電ユニット122。第nの第二圧電ユニット12nは、基体02の表示領域22を回って設置され、表示パネルに含まれる基体02が変形する可能性に対する変形検査装置の検査感度を向上する。
【0067】
このとき、
図1に示すように、電界表示モジュール013は複数の電界表示ユニットを含み、例えば、第一電界表示ユニット131、第二電界表示ユニット132、第三電界表示ユニット133を含む。2n-1個の電界表示ユニットを含む場合、2n-1個目の電界表示ユニットが第2n-1電界表示ユニット13(2n-1)である。ここで、第一電界表示ユニット131は圧電ユニット111と圧電ユニット121との間に直列接続され、第二電界表示ユニット132は圧電ユニット121と圧電ユニット112との間に直列接続され、第三電界表示ユニット133は圧電ユニット112と圧電ユニット122との間に直列接続され、これによって類推する。圧電ユニット111と圧電ユニット121、圧電ユニット121と圧電ユニット112、圧電ユニット112と第四圧電ユニット122などのうちの少なくとも1つの隣接する圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換すると、当該電気信号は、隣接する2つの圧電ユニットの間に直列接続される対応する電界表示ユニット、例えば第一電界表示ユニット131、第二電界表示ユニット132、第三電界表示ユニット133のうちの少なくとも1つの電界表示ユニットを励起して表示させる。
【0068】
圧電モジュール011に含まれる圧電ユニットにおいて、隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチ、具体的に、
図1における圧電ユニット111と圧電ユニット121との隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチ、圧電ユニット121と圧電ユニット112との隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチ、圧電ユニット112と圧電ユニット122との隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチの大きさは、本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置01の変形に対する検査感度を影響する要因の一つである。例えば、各隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチが大きいほど、本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置01の変形に対する検査感度が相対的に低下する。各隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチが小さいほど、本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置01の変形に対する検査感度が相対的に大きくなる。例えば、実施例において、各隣接する2つの圧電ユニットの間のピッチは100~200μmであり、具体的に100μm、150μm、200μmなどの代表的ではあるが限定ではないピッチである。当該範囲のピッチは、本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置01の変形に対する検査感度を効果的に向上させることができ、特に、表示パネルが封止中に変形するか否かを感度良く検査することができる。
【0069】
実施例において、電界表示ユニットと隣接する2つの圧電ユニットの直列接続は、リード線接続によるものでもよく、電界表示ユニットと隣接する2つの圧電ユニットとの位置を制御することで接触式直列接続によるものでもよい。第一電界表示ユニット131と圧電ユニット111及び圧電ユニット121との間の直列、第二電界表示ユニット132と圧電ユニット121及び圧電ユニット112との間の直列などは、リード線14により電気接続を実現してもよい。言うまでもないが、第一電界表示ユニット131と圧電ユニット111及び圧電ユニット121との位置を直接制御し、三者の接触式直列接続を実現し、リード線の使用を回避してもよい。
【0070】
また、当該単一の圧電ユニット、例えば、圧電ユニット111の形状は、必要に応じて設置することができ、実施例において、当該単一の圧電ユニットがブロック状に設置される。このとき、基体に平行する単一の圧電ユニットの断面は長さが100~1000μmであり、幅が100~500μmである。具体的には、実際環境の実際検査に対する要求に応じて、単一の圧電ユニットの形状及び大きさを柔軟に設定することができる。
【0071】
実施例において、各圧電ユニット構造は、基体に設けられる電極層と、電極層に積層結合される圧電層とを含む。具体的に、第一圧電ユニットは、第一電極層と、第一電極層に積層結合される第一圧電層とを含み、第二圧電ユニットは、第二電極層と、第二電極層に積層結合される第二圧電層とを含む。第一電極層と第二電極層とが交互して且つ間隔を置いて変形可能機能層の表面に設けられる。
図1における第一圧電ユニット11に含まれる圧電ユニット111及び第二圧電ユニット12に含まれる圧電ユニット121を例として、
図3~
図5に示すように、圧電ユニット111は、電極層11aと、電極層11aに積層結合される圧電層11bとを含み、圧電ユニット121は、電極層12aと、電極層12aに積層結合される圧電層12bとを含む。
【0072】
ここで、第一圧電ユニットに含まれる第一電極層、例えば圧電ユニット111に含まれる電極層11a、及び/又は、第二圧電ユニットに含まれる第二電極層、例えば圧電ユニット121に含まれる電極層12aの厚さは、100~500μmであってもよい。第一圧電ユニットに含まれる第一圧電層、例えば圧電ユニット111に含まれる圧電層11b、及び/又は、第二圧電ユニットに含まれる第二圧電層、例えば、圧電ユニット121に含まれる圧電層12bの厚さは、100~500μmであってもよい。各機能層の厚さに対する制御及び最適化により、各圧電ユニットの圧電感度を向上させる。
【0073】
また、上記各実施例において、圧電モジュールに含まれる第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在するとは、基体が変形したため、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットが接触し、互いに接触することで圧力信号を生成して電気信号に変換し、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの2つの圧電ユニットの間に直列接続される電界表示ユニットを励起して表示させることを意味する。したがって、実施例において、圧力差を有する隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの構造は、少なくとも以下の実施例における態様であってもよい。
【0074】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が異なる。
【0075】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なる。
【0076】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が同じであり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0077】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が同じであり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0078】
実施例において、第一電極層と第二電極層は極性が異なり、第一圧電層と第二圧電層は材料が異なり、且つ第一圧電層と第二圧電層は体積が不等である。
【0079】
具体的実施例において、第一電極層、例えば電極層11a、及び/又は、第二電極層、例えば電極層12aの材料は、一般の電極材料であってもよい。第一電極層及び第二電極層は極性が異なる場合は、二つ電極層の材料などを制御することで両者の異なる極性を実現する。第一圧電層、例えば圧電層11b、及び/又は、第二圧電層、例えば圧電層12bに含まれる圧電材料は、独立して、ポリフッ化ビニリデン、メタニオブ酸鉛、ガリウム酸リチウム、ゲルマニウム酸リチウム、ゲルマニウム酸チタン、強誘電体トランジスタニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどの物質のうちの1つを含む。これらの材料により形成された圧電層は、敏感な圧電性能を有し、押圧により発生する圧力信号から変換される電気信号が強く、電界表示ユニットを効果的に励起して表示させることができる。
【0080】
さらなる実施例において、単一の圧電ユニット構造は、圧電層の電極層から離れる表面に積層結合される絶縁層をさらに含む。第一圧電ユニットが絶縁層を含む場合、第一圧電ユニットは、第一圧電層の第一電極層から離れる表面に積層結合される第一絶縁層をさらに含む。第二圧電ユニットが絶縁層を含む場合、第二圧電ユニットは、第二圧電層の第二電極層から離れる表面に積層結合される第二絶縁層をさらに含む。絶縁層を増設することにより、圧電層を保護し、他の部材が圧電層に接触し又はその圧電感度に影響することを回避する。
図1における第一圧電ユニット11に含まれる圧電ユニット111及び第二圧電ユニット12に含まれる圧電ユニット121を例として、
図3~
図5に示すように、圧電ユニット111は、絶縁層11cをさらに含み、当該絶縁層11c、圧電層11b及び電極層11aが順に積層されてサンドイッチ構造を形成する。圧電ユニット121は絶縁層12cをさらに含み、当該絶縁層12c、圧電層12b及び電極層12aが順に積層されてサンドイッチ構造を形成する。
【0081】
さらなる実施例において、単一の圧電ユニットに含まれる絶縁層の少なくとも一部のエッジは、電極層に接触するまで延伸して圧電層を被覆し、また、圧電層の隣接する圧電ユニットに対向する側辺が絶縁層から延伸して圧電突起を形成することを保証し、当該圧電突起により、隣接する圧電ユニットに含まれる圧電層の接触による圧力信号の感度を向上させる。絶縁層の少なくとも一部のエッジを延伸して圧電層を被覆しかつ電極層に接触させることにより、絶縁層が圧電層を保護して他の部材が圧電層に接触し又はその圧電感度に影響することを回避するとともに、当該絶縁層が支持体として機能し、絶縁層から圧電層に作用することを回避し、圧電層が基体の変形のみによって隣接する圧電ユニットに含まれる圧電層に接触することを保証し、圧電ユニットによる圧力信号が基体の変形のみに関連することを保証する。具体的実施例において、圧電ユニットがブロック状である場合、絶縁層の四隅のエッジは、電極層に接触するまで延伸して圧電層の四隅を被覆する。例えば、圧電材料層と同層の絶縁層の長さ、幅は、それぞれ圧電材料層の1/10、1/5であってもよいが、これらに限定されない。
【0082】
実施例において、絶縁層の厚さは100~500μmに制御してもよい。絶縁層の材料は、酸化シリコン、酸化インジウムスズ、ポリエチレン、エポキシ樹脂のうちの少なくとも1つを含んでもよい。絶縁層の厚さ及び材料に対する選択及び制御により、上記した機能を高めることができる。
【0083】
具体的には、
図4及び
図5に示すように、
図1における第一圧電ユニット11の圧電ユニット111を例とすると、圧電ユニット111に含まれる絶縁層11cは、少なくとも一部のエッジが電極層11aに接触するまで延伸して圧電層11bを被覆する。また、圧電層11bは、隣接する圧電ユニット112に対向する側辺が絶縁層11cから伸び出して圧電突起11b'を形成する。具体的実施例において、圧電ユニット111がブロック状である場合、絶縁層11cの四隅のエッジが電極層11aに接触するまで延伸して圧電層11bの四隅を被覆し、圧電層11bは、隣接する圧電ユニットに対向する両側が絶縁層11cから延伸して圧電突起11b'を形成する。
図4及び
図5に示すように、当該絶縁層11cは、支持体として機能し、圧電層11bに対する絶縁層11cから圧電層11bに向かう作用を回避し、圧電層11bが基体02の変形のみによって隣接する圧電ユニット、例えば第二圧電ユニット12に含まれる圧電ユニット121に含まれる圧電層に接触することを保証し、圧電ユニット111と圧電ユニット121が発生する圧力信号が基体02の変形のみに関連することを保証する。圧電突起11b'により、隣接する圧電ユニット111と圧電ユニット112とに含まれる圧電層の接触による圧力信号の感度が向上する。したがって、
図4及び
図5に示す態様は、
図3に基づく改良態様である。
【0084】
実施例において、当該圧電突起、例えば
図4、
図5に示す圧電突起11b'は、長さが100~250μmであり、具体的に200μmである。圧電突起を調整することにより、圧電モジュール11の感度を向上させることができる。
【0085】
上記した変形検査装置に含まれる電界表示モジュールに含まれる電界表示ユニットが設置される位置は、必要に応じて設置されてもよく、観察しやすいことを基準とする。例えば、圧電モジュールと同様に基体に設置されてもよく、具体的には、同一の基体に設置されてもよく、異なる基体に設置されてもよく、観察及び監視しやすくかつ表示パネル本体を封止しやいことを基準とする。具体的実施例において、
図1に示すように、電界表示モジュール013と第一圧電ユニット11は同一の変形可能な基体02の表面に設置される。具体的に、例えば、電界表示モジュール013に含まれる電界表示ユニット131は、圧電ユニット111と圧電ユニット121の近傍の基体02に設置され、第二電界表示ユニット132は、圧電ユニット121及び圧電ユニット112の近傍の基体02に設けられ、且つ、電界表示モジュール013と第一圧電ユニット11などの圧電ユニットとは、いずれも基体02の非表示領域21内にあり、即ち、いずれも表示パネル本体の非表示領域にある。
【0086】
実施例において、電界表示ユニット、例えば第一電界表示ユニット131及び第二電界表示ユニット132などは、エレクトロクロミックユニット及び/又はエレクトロルミネセンスユニットを含む。電界表示ユニットがエレクトロクロミックユニットである場合、当該エレクトロクロミックユニットは、それぞれ隣接する圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続されるエレクトロクロミック材料層を含む。具体的実施例において、エレクトロクロミック材料層に含まれるエレクトロクロミック材料は、三酸化タングステン、ポリチオフェン類、ポリチオフェン類誘導体、ビオロゲン類、テトラチアフルバレン、金属フタロシアニン類化合物のうちの少なくとも1つを含む。
図1における第一圧電ユニット11に含まれる圧電ユニット111及び第二圧電ユニット12に含まれる圧電ユニット121、並びに、電気表示ユニット131を例として、圧電ユニット111に含まれる電極層11a及び圧電ユニット121の電極層12aは、それぞれ、電界表示ユニット131の電界材料層に直列接続される。
【0087】
電界表示ユニットがエレクトロルミネセンスユニットである場合、当該エレクトロルミネセンスユニットは、それぞれ隣接する圧電ユニットに含まれる電極層に電気接続されるエレクトロルミネセンス材料層を含む。エレクトロルミネセンス材料層と隣接する圧電ユニットに含まれる電極層との電気接続の態様は、エレクトロクロミック材料層の接続態様と同じである。具体的実施例において、電界表示ユニットがエレクトロルミネセンスユニットである場合、エレクトロルミネセンスユニット層の一改良実施例として、当該エレクトロルミネセンスユニットは、電極I、発光機能層及び電極IIを含み、当該電極I、発光機能層及び電極IIが順に積層されてサンドイッチ構造を構成し、電極Iが隣接する2つの圧電ユニットのうちの1つの圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続され、電極IIが隣接する2つの圧電ユニットのうちの他の1つの圧電ユニットに含まれる電極層と電気接続される。
図1における第一圧電ユニット11に含まれる圧電ユニット111及び第二圧電ユニット12に含まれる圧電ユニット121、並びに第一電気表示ユニット131を例とすると、第一電界表示ユニット131の電極Iは圧電ユニット111に含まれる電極層11aに電気接続され、電極IIは第二圧電ユニット121の電極層12aに電気接続される。
【0088】
具体的実施例において、発光機能層に含まれるエレクトロルミネセンス材料は、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム又は硫化カルシウムなどの物質のうちの少なくとも1つを含む。
【0089】
上記各電界表示ユニットは、隣接する2つの圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を生成して変換した電気信号によって、感度よく変色又は発光することができ、表示パネル本体の表示パネルに含まれる封止領域の変形などの現象を観察及び判断しやすくする。
【0090】
また、当該変形可能な基体、例えば
図1~
図5におおける基体02は、上記に定義されたように、表示パネル本体に含まれる変形可能機能層構造の1つであり、例えば、カラーフィルム基板であってもよい。したがって、変形検査装置に含まれる圧電モジュールは、表示パネル本体の封止領域内に設置されるべきであり、
図1に示すように、変形検査装置に含まれる圧電モジュール及び電界表示モジュールはいずれも表示パネル本体の封止領域内に設置され且つ表示領域を回って配置されるのが理想である。具体的実施例において、圧電モジュール及び電界表示モジュール、例えば
図1~
図5に示す圧電モジュール011及び電界表示モジュール013は、表示パネル本体に含まれる変形可能機能層である基体02の表面の封止領域内に固定設置されてもよく、具体的に、カラーフィルム基板の表面の封止領域内に固定設置され、なお、圧電モジュール011及び電界表示モジュール012は、表示パネル本体に含まれる変形可能機能層である基体02の表面の封止領域内に着脱可能に設置されてもよい。ここで、圧電モジュール011に含まれる圧電ユニットは、それに含まれる電極層を介して、表示パネル本体に含まれる変形可能機能層である基体02の表面の封止領域内に固定的又は着脱可能に設置される。実施例において、上記した各圧電ユニットは、本開示実施例に係る表示パネルの表示領域を回って設置され、表示パネルに含まれる各機能層が変形する可能性に対する変形検査装置の検査感度を向上させる。
【0091】
したがって、上記本開示実施例に係る表示パネルは、表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の封止領域内に変形検査装置を設置し、変形検査装置に含まれる圧電モジュールと電界表示モジュールとの協働作用を利用し、電界表示モジュールの表示機能によって変形可能機能層が変形したか否かを直接に判断することができ、これにより、表示パネル本体に対して封止プロセスをタイムリーに制御又は調整して、表示パネルの良品率及び品質を向上させることができる。さらに、圧電モジュールに含まれる圧電ユニットのピッチなどを調整することで、本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置の感度及び信頼性を向上させることができ、表示パネルの封止品質及び表示効果をさらに向上させることができる。
【0092】
本開示実施例は、相応的に、上記表示パネルの封止方法をさらに提供する。本開示実施例に係る表示パネルの封止方法は、
S01 表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能機能層の表面に、機能層の封止領域内に位置する圧電モジュールを設置するステップであって、圧電モジュールは少なくとも1つの第一圧電ユニットと少なくとも1つの第二圧電ユニットとを含み、第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間に圧力差が存在し、同一の変形可能機能層の表面に設置される第一圧電ユニットと第二圧電ユニットは互いに交互して且つ間隔を置いて設けられ、変形可能機能層が変形するときに隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットが互いに接触して圧力信号を発生して電気信号に変換することができるように、隣接する第一圧電ユニットと第二圧電ユニットとの間のピッチを制御するステップと、
S02 隣接する2つの圧電ユニットの間に、電気信号の励起により表示する電界表示ユニットを直列接続させるステップと
S03 圧電モジュールが設置された前記機能層と、表示パネル本体に含まれる他の各機能層に対して封止処理するとともに、電界表示ユニットの表示結果を監視し、表示結果に応じて封止処理の条件を調整処理するステップと、を含む。
【0093】
ここで、ステップS01における表示パネル本体が上記した本開示実施例に係る表示パネルに含まれる表示パネル本体である場合、表示パネル本体に含まれる少なくとも1つの変形可能な機能層も、例えば上記した本開示実施例に係る表示パネルに含まれる表示パネル本体の変形可能機能層、即ち、上記にまとめて定義された変形可能な基体であり、具体的には
図1~
図5に示す基体02である。
【0094】
ステップS01において設置される圧電モジュール及びそれに含まれる圧電ユニットは、いずれも、例えば上記した本開示実施例に係る表示パネルに含まれる変形検査装置における圧電モジュール及びそれに含まれる圧電ユニットである。変形可能機能層の表面における圧電ユニットの設置及び分布は、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置における圧電モジュールに含まれる圧電ユニットの分布である。
【0095】
また、圧電ユニットの構造は、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置された変形検査装置に含まれる圧電ユニットの構造であり、具体的には例えば
図4~
図5に示す構造であってもよい。
【0096】
したがって、ステップS01において、変形可能機能層の表面の封止領域内に圧電モジュールを設置するステップは、
S011 変形可能機能層の表面の封止領域内に少なくとも1つの第一電極層及び少なくとも1つの第二電極層を設置し、第一電極層と第二電極層が間隔を置いて設置されるステップと
S012 第一電極層の表面に、第一電極層に積層結合される第一圧電層を形成し、第一圧電層と第一電極層が第一圧電ユニットを形成し、第二電極層の表面に第二電極層に積層結合される第二圧電層を形成し、第二圧電層と第二電極層が第二圧電ユニットを形成するステップであって、変形可能機能層が変形するときに、隣接する第一圧電層と第二圧電層が互いに接触して圧力信号を発生するステップと、を含む。
【0097】
ここで、ステップS011において電極層、例えば第一電極層、第二電極層を形成する方法は、電極材料の特性に応じて、蒸着、コーティング又は直接貼り合わせなどの方法を柔軟に選択することができる。形成された電極層において、隣接する第一電極層と第二電極層との両電極層のピッチは、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置に含まれる隣接する第一圧電ユニット、第二圧電ユニットの間のピッチである。第一電極層、第二電極層などの電極層の厚みも上記した通りである。
【0098】
ステップS012において、圧電層、例えば第一圧電層、第二圧電層を形成する方法は、圧電材料の特性に応じて柔軟に選択することができ、形成された圧電層の材料、厚さ及び形態なども、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置における圧電層、例えば第一圧電層、第二圧電層の材料、厚さ及び形態である。
【0099】
さらなる実施例において、圧電ユニットが
図3~
図5に示すように絶縁層をさらに含む場合、
第一圧電層の表面に、第一圧電層を覆う第一絶縁層を形成するステップ、及び/又は
第二圧電層の表面に、第二圧電層を覆う第二絶縁層を形成するステップである、絶縁層を形成するためのステップS013をさらに含む。
【0100】
ステップS013において、絶縁層、例えば、第一絶縁層及び第二絶縁層を形成する方法は、絶縁材料の特性に応じて、スプレー、ナイフ塗布などの方法を柔軟に選択することができ、形成された絶縁層の材料、厚さ及び形態なども、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置における絶縁層の材料、厚さ及び形態である。
【0101】
ステップS02において設けられる電界表示ユニットは、例えば、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置における電界表示ユニットであり、いくつかの電界表示ユニットにより電界表示モジュールが形成される。具体的実施例において、当該電界表示ユニットの設置、及びそれと隣接する2つの圧電ユニットとの間の直列態様も、いずれも、例えば上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置における電界表示ユニットの設置、及びそれと隣接する2つの圧電ユニットとの直列態様である。
【0102】
ステップS03における封止処理の過程において、ステップS01及びS02におけるプロセスにより、少なくとも1つの変形可能機能層の表面の封止領域に変形検査装置を形成するため、表示パネル本体に含まれる各機能層は、形態が封止処理中に安定であることが保証される場合、即ち、変形が発生しなく、変形検査装置の電界表示モジュールが表示するようにトリガしない場合、当該封止プロセスの封止効果が良好であることを証明する。一方、変形検査装置の電界表示モジュールが表示するようにトリガした場合、当該封止プロセスの条件を調整する必要があることを証明したため、封止後の表示パネル本体に漏光、密封性不良という問題を引き起こす可能性がある。
【0103】
したがって、実施例において、ステップS03において表示結果に応じて封止処理の条件を調整するステップは、
S031 電界表示ユニットが発光又は変色するとき、電界表示ユニットが変色又は発光を停止するまで、封止処理の条件を最適化処理するステップと、
S032 電界表示ユニットが発光又は変色しない状態を維持するとき、封止処理の条件を不変に保持するステップと、を含む。
【0104】
したがって、本開示実施例に係る表示パネルの封止方法は、変形可能機能層にいくつかの圧電ユニットを間隔を置いて設置し、隣接する2つの圧電ユニットと1つの電界表示ユニットとを直列接続させることにより、上記した本開示実施例に係る表示パネルに設置される変形検査装置を形成することができる。これにより、本開示実施例に係る表示パネルの封止方法は、当該変形検査装置の表示結果により、封止処理中に変形等の不具合が発生したか否かをリアルタイムに検査及び監視することができ、封止後の表示パネルの漏光を回避し、表示パネルの封止品質を保証し、表示パネルのパッケージの良品率及び品質を向上させ、表示パネルの表示効果を向上させ、表示パネルのリワーク率を減少させ、効率を向上させ、封止コストを低減させる。
【0105】
第三態様によれば、本開示実施例は表示装置をさらに提供する。本開示実施例に係る表示装置は、表示パネルなどの必要な部品を含む。ここで、当該表示パネルは上記した本開示実施例に係る表示パネルであり、即ち本開示実施例に係る表示装置に含まれる表示パネルは上述した変形検査装置を含む。このように、本開示実施例に係る表示装置に含まれる表示パネルの封止品質が高く、表示効果及び封止効果が優れ、耐用年数が長く、コストが低い。
【0106】
以上は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではない。本開示の精神及び原則内で行われる如何なる修正、同等置換及び改良などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。