(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】手押部材および保護部材
(51)【国際特許分類】
B62B 5/06 20060101AFI20241106BHJP
F16M 13/04 20060101ALI20241106BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
B62B5/06 D
F16M13/04 Z
F16M13/04 G
E04G21/16
(21)【出願番号】P 2020198248
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-179807(JP,A)
【文献】特開平08-002419(JP,A)
【文献】実開昭53-047255(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/06
F16M 13/04
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬台車の台車本体部に着脱可能に装着される手押部材であって、
使用者が手で掴むグリップ部と、
上端から外側に向かって延出する上部と、下端から外側に向かって延出する下部と、前記上部の先端部と前記下部の先端部に連結された中央部と、を有する複数の保護部と、を有し、
前記複数の保護部のうち隣り合う保護部の間から手を差し込み、前記グリップ部を掴むことが可能な開口部を複数有することを特徴とする手押部材。
【請求項2】
前記保護部は、
前記グリップ部の長手方向に沿った方向と直交する方向から見て、前記グリップ部と重なり合って位置することを特徴とする請求項1に記載の手押部材。
【請求項3】
前記グリップ部の長手方向に沿った方向から見て、複数の前記保護部は前記グリップ部の中心軸を略中心として等間隔の角度に位置することを特徴とする請求項1
または2に記載の手押部材。
【請求項4】
前記グリップ部の長手方向に沿った方向から見て、複数の前記保護部は前記グリップ部の中心軸を略中心として異なる間隔の角度に位置することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の手押部材。
【請求項5】
運搬台車の台車本体部に着脱可能に装着される棒状部材に対して取り付けられる保護部材であって、
使用者が手で掴むグリップ部と、
上端から外側に向かって延出する上部と、下端から外側に向かって延出する下部と、前記上部の先端部と前記下部の先端部に連結された中央部と、を有する複数の保護部と、を有し、
前記複数の保護部のうち隣り合う保護部の間から手を差し込み、前記グリップ部を掴むことが可能な開口部を複数有することを特徴とする保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押部材および保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場等で使用される運搬台車には、運搬台車の本体の四隅部等に単管を挿入可能な構成を有するものがある。例えば、特許文献1には、手押し棒として単管を挿入可能なコーナ部材が四隅部に設けられた運搬台車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、グリップ部を掴んだ使用者の手が物体等に接触しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、運搬台車の台車本体部に着脱可能に装着される手押部材であって、使用者が手で掴むグリップ部と、上端から外側に向かって延出する上部と、下端から外側に向かって延出する下部と、前記上部の先端部と前記下部の先端部に連結された中央部と、を有する複数の保護部と、を有し、前記複数の保護部のうち隣り合う保護部の間から手を差し込み、前記グリップ部を掴むことが可能な開口部を複数有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、グリップ部を掴んだ使用者の手が物体等に接触しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態の運搬台車の一例を示す斜視図である。
【
図5】第1の実施形態の手押部材の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態の手押部材の一例を示す図である。
【
図8】グリップ部を手で掴んだ状態を示す図である。
【
図9】第2の実施形態の手押部材の一例を示す示す図である。
【
図10】第3の実施形態の保護部材の一例を示す図である。
【
図11】第4の実施形態の保護部材の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、実施形態に係る手押部材および保護部材について図面を参照して説明する。なお、説明の便宜上、以下の各実施形態で示す手押部材および保護部材の上下方向は、手押部材が台車本体部に装着された状態での方向を基準とする。また、運搬台車の前後方向を運搬台車の長手方向とし、左右方向を運搬台車の短手方向とする。ただし、本実施形態の運搬台車は、前後左右を含め任意の方向に走行することができる。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る運搬台車1の一例を示す斜視図である。
図2は、運搬台車1の一例を示す平面図である。
図3は、運搬台車1を後側から見た背面図である。
図4は、運搬台車1を左側から見た側面図である。なお、
図1は手押部材40が台車本体部20に装着される前の状態を示し、
図2~
図4は手押部材40が台車本体部20に装着された後の状態を示している。
運搬台車1は、台車本体部20、走行部30、手押部材40を備えている。
台車本体部20は複数のフレーム部等が連結して構成され、運搬物を積載する。台車本体部20は、平面視において前後方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とする略矩形状である。台車本体部20は、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21d、コーナ部材22、補強フレーム部(補強部)25、載置部26等を有している。
【0010】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、例えば、アルミニウム合金製の角状の中空状パイプ等を用いることができる。また、コーナ部材22は、例えば、押出し成形により形成されるアルミニウム合金製である。コーナ部材22は、上方に開口する挿入孔23と、下方の一部を閉塞するストッパ部24(
図5を参照)とを有する。コーナ部材22の挿入孔23には、手押部材40が挿入される。挿入孔23に挿入された手押部材40の下端はストッパ部24によって支持される。
【0011】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、および、左側フレーム部21dは、コーナ部材22により4つの角部で結合されることで、略矩形状の四方のフレーム枠を構成する。フレーム枠内は複数の補強フレーム部25が前後左右方向に付き合わされ、ネジ、リベット、溶接等で接合されることで格子状に構成される。補強フレーム部25は、例えば、アルミニウム合金製の角状の中空状パイプや断面凹凸状のプレート等を用いることができる。
載置部26は、運搬物を積載するための平面状の板である。載置部26は、各フレーム部や各補強フレーム部25にリベットやネジを介して結合される。
【0012】
走行部30は、台車本体部20および運搬物の荷重を支持しながら走行面を走行する。走行部30は、複数のキャスター31、32を有している。本実施形態では、走行部30は、台車本体部20の4隅に配置される4つのキャスター31と、前後方向の中央であって左右に離れて配置される2つのキャスター32との6つを有する。キャスター31、32は、車輪33と、車輪33を回転可能に支持するフォーク部材34とを有する。キャスター31、32はそれぞれ取付板を介して台車本体部20に取り付けられる。キャスター31、32は、それぞれ鉛直軸線回りに旋回可能である。なお、4つのキャスター31はブレーキ付きキャスターであり、2つのキャスター32はブレーキなしキャスターである。ブレーキ付きキャスターである4つのキャスター31は、それぞれ上下に揺動可能なブレーキペダル35を有する。
【0013】
手押部材40は、運搬台車1を走行させるときに使用者が手で押すための部材である。手押部材40は、長さが1000mm前後の上下方向に沿った長尺状である。手押部材40は下端をコーナ部材22の挿入孔23に挿入することで台車本体部20に装着され、挿入孔23から抜き出すことで台車本体部20から離脱されるように、着脱可能である。本実施形態の運搬台車1は4つの手押部材40(40A~40D)を有し、各コーナ部材22の挿入孔23に挿入される。ここで、手押部材40Aは右側かつ後側、手押部材40Bは左側かつ後側、手押部材40Cは右側かつ前側、手押部材40Dは左側かつ前側に位置する。なお、手押部材40A~40Dを使い分ける必要がない場合には単に手押部材40として説明する。また、4つの手押部材40A~40Dの全てを台車本体部20に装着する必要がなく、1つ、2つまたは3つの手押部材40のみを台車本体部20に装着してもよい。
【0014】
図5および
図6は、手押部材40の一例を示す図である。
手押部材40は、本体部としての本体部材41と、保護部材51と、補強部材71とを有する。
本体部材41は、上下方向に沿った長尺状かつパイプ状の部材、あるいは棒状部材である。本体部材41は、軽量化を図るために、例えば、アルミニウム合金製であって、押し出し成形により形成されている。また、本体部材41は、外径Dが例えば40~45mm(ここでは略42mm)の円管であり、使用者が掴みやすい外径である。また、本体部材41は、内部が十字状に補強され、強度を向上させている。ただし、本体部材41は、上述した寸法、形状に限定されるものではなく、各種の棒状部材や管状部材、単管(JIS G 3444に規定されている一般構造用炭素鋼鋼管)等が適用できる。
【0015】
保護部材51は、使用者の手を保護する。保護部材51は、本体部材41の上側、具体的には、上端部にボルトやリベット等で固定することで取り付けられる。
本実施形態の保護部材51について
図7および
図8を参照して説明する。
図7(a)は保護部材51の平面図であり、
図7(b)は保護部材51の側面図であり、
図7(c)は保護部材51の斜視図である。
図8(a)は本体部材41に保護部材51を取り付けた手押部材40のグリップ部42を手で掴んだ状態を示す平面図であり、
図8(b)は側面図である。
【0016】
保護部材51は、上側の取付部52と、下側の取付部54と、第1の保護部56a~第3の保護部56cとを有しており、これらが一体で形成されている。また、保護部材51は、例えば、ポリエチレン等の樹脂材料からなり、射出成形によって一体に形成される。保護部材51は視認性を向上させるために台車本体部20、具体的には前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dと異なる色が付されている。例えば、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dが、シルバー等の金属色の場合には金属色とは異なる色、例えば赤、緑、青等、色の三原色であってもよく、オレンジ色、黄色等であってもよい。また、保護部材51は、本体部材41と異なる色が付されている。例えば、本体部材41が、シルバー等の金属色の場合には金属色とは異なる色、例えば赤、緑、青等、色の三原色であってもよく、オレンジ色、黄色等であってもよい。
【0017】
上側の取付部52は、保護部材51の上端に位置する。上側の取付部52は、上端部の一例である。上側の取付部52は、中心軸Oを略中心とする略円板状あるいは略円柱状の形状である。中心軸Oは、保護部材51あるいは手押部材40の上下方向に沿った中心となる軸線である。上側の取付部52は、平面視において外径D1が本体部材41の外径Dよりも大きい。上側の取付部52の外径D1は、例えば41mm~80mm(ここでは略70mm)である。また、上側の取付部52は、上下方向の厚みが、例えば10mm~30mm(ここでは略22mm)である。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0018】
また、上側の取付部52は、下面に挿入孔53を有する。挿入孔53は、取付部52の下面から上側に向かって凹状に形成される。挿入孔53は、下側から本体部材41の上端が挿入できる大きさであり、本体部材41の外径Dに応じて設定される。挿入孔53は、本体部材41が嵌合して位置決めする位置決め部の一例である。なお、上側の取付部52は、挿入孔53を有していなくてもよい。また、上側の取付部52は、円板状あるいは略円柱状に限定されない。
【0019】
下側の取付部54は、保護部材51の下端に位置する。下側の取付部54は、下端部の一例である。下側の取付部54は、中心軸Oを略中心とする略円板状あるいは略円柱状の形状である。下側の取付部54は、平面視において外径D2が本体部材41の外径Dよりも大きい。下側の取付部54の外径D2は、例えば41mm~80mm(ここでは略70mm)である。また、下側の取付部54は、上下方向の厚みが、例えば10mm~30mm(ここでは略22mm)である。下側の取付部54の外径D2は、上側の取付部52の外径D1と略同一であり、下側の取付部54の上下方向の厚みは、下側の取付部54の上下方向の厚みと略同一である。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0020】
また、下側の取付部54は、上下方向に沿って貫通孔55を有する。貫通孔55は、本体部材41が上下方向に挿入できる大きさである。なお、下側の取付部54は、円板状あるいは略円柱状に限定されない。また、下側の取付部54は、外周面から貫通孔55の内周面に至る固定孔65が形成されている。本体部材41を下側から貫通孔55および挿入孔53に挿入して、固定孔65にボルトやリベット等の取付部材を挿通させて本体部材41に固定することで、保護部材51を本体部材41に取り付けることができる。保護部材51が本体部材41に取り付けられた状態では、保護部材51の中心軸Oと本体部材41の中心軸Oとが略一致する。
【0021】
上側の取付部52と下側の取付部54との間の隙間の上下方向の高さLは、作業者の手が挿入できる大きさであり、手の平の人差し指から小指までに亘る幅よりも大きい。上下方向の高さLは、例えば100mm~200mm(ここでは略150mm)である。なお、保護部材51を本体部材41に取り付けた状態において、本体部材41のうち上側の取付部52と下側の取付部54との間の範囲が、使用者が運搬台車1を走行させるときに手で掴むグリップ部42である。グリップ部42は、上下方向に沿った長尺状である。
【0022】
第1の保護部56a~第3の保護部56cは、グリップ部42の外側に位置することで、使用者がグリップ部42を掴んだ手を保護する。本実施形態の第1の保護部56a~第3の保護部56cは、何れも同じ形状である。
第1の保護部56a~第3の保護部56cは、上側の取付部52と下側の取付部54とを連結する断面矩形の略バー状である。第1の保護部56a~第3の保護部56cは、上側の取付部52から徐々に中心軸Oから離れるように下側に延出した後、逆に中心軸Oに徐々に近づくように下側の取付部54まで延出して形成される。具体的には、
図7(b)に示すように、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、上部57、下部58、中央部59により構成される。上部57は、上側の取付部52の外周面から下側に向かって斜めに延出して中央部59に繋がる。下部58は、下側の取付部54の外周面から上側に向かって斜めに延出して中央部59に繋がる。中央部59は、上下方向に沿っており、上側が上部57に繋がり、下側が下部58に繋がる。中央部59は、グリップ部42を掴んだ手を保護する主な部位であり、保護本体部の一例である。また、
図7(a)に示すように平面視において、第1の保護部56a~第3の保護部56cは中心軸Oを中心として突出する径方向に対して直交する方向に沿った幅Wが、上部57、下部58、中央部59の何れも略一定である。ただし、上部57、下部58、中央部59は幅Wが略一定でなくてもよく、例えば、上部57の幅Wが上側になるほど中央部59よりも大きくなるようにしてもよく、下部58の幅Wが下側になるほど中央部59よりも大きくなるようにしてもよい。
【0023】
また、
図8(a)に示すように、保護部材51を本体部材41に取り付けた状態において、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、グリップ部42の外周面から第1の保護部56a~第3の保護部56cの内周面(中央部59の内周面)までの距離Sが、作業者がグリップ部42を掴むことができる長さであり、手の平から手の甲までの厚みよりも大きい。距離Sは、例えば35mm~50mm(ここでは略38mm)である。
また、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、平面視において外周面が湾曲状であり、中心軸Oを略中心とした略円形の一部である。また、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、平面視において内周面が湾曲状であり、中心軸Oを略中心とした略円形の一部である。
【0024】
図7(a)に示すように平面視において、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、中心軸Oを略中心にして放射状に位置する。また、
図7(a)に示すように、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、中心軸Oを略中心にして周方向に間隔をあけて位置する。本実施形態では、第1の保護部56a~第3の保護部56cは、隣り合う保護部56a~56cの間隔(角度α)が中心軸Oを略中心として等間隔(ここでは略120度)になるように位置する。ここでは、隣り合う保護部56a~56cの間隔は、保護部56a~56cの幅Wの中心を基準としている。第1の保護部56a~第3の保護部56cは、周方向に間隔をあけて位置することで、隣り合う保護部56a~56cの間には、それぞれ開口部60が形成される。開口部60は、保護部材51の外部と保護部材51の内部とを連通させる。
図7(c)では、第1の保護部56aと第2の保護部56bとの間の開口部60をグレーで着色して示している。
図7(c)に示す着色した開口部60は、第1の保護部56aの一方側の側面、第2の保護部56bの他方側の側面、上側の取付部52の外周面の一部、下側の取付部54の外周面の一部により構成される。また、開口部60は、中心軸O側から外側に向かって拡開している。具体的には、
図7(a)に示すように、第1の保護部56aと第2の保護部56bとの間の距離を開口部60の幅Gとすると、開口部60の幅Gは、中心軸Oに近いと短く、中心軸Oから離れるほど長くなる。また、開口部60の幅Gは、保護部材51の内部に近いと短く、保護部材51の内部から離れるほど長くなる。
【0025】
補強部材71は、本体部材41の下端、具体的には下端の近接した位置にボルトやリベット等で固定される。補強部材71は、本体部材41の強度を補強すると共に、本体部材41をコーナ部材22の挿入孔23に挿入したときに挿入孔23との間でガタ付きを抑制する。補強部材71は、例えばアルミニウム合金製等である。
【0026】
図5に示すように、補強部材71は、略円筒状であって、本体部材41の外径Dよりも大きい外径を有する。補強部材71は、外周面のうち一部が径方向に向かって膨らむ複数(ここでは2つ)の膨出部72a、72bを有する。膨出部72a、72bは緩やかな傾斜部を経て径方向に突出する。補強部材71は、内部に本体部材41を挿入するために上下に開口する取付孔73を有する。したがって、取付孔73に本体部材41を挿入して、本体部材41の下端から所定の位置で補強部材71をボルトやリベット等で本体部材41に固定することで、補強部材71を本体部材41に取り付けることができる。
補強部材71の上下方向寸法は、特に限定されないが、コーナ部材22の挿入孔23の深さと略同程度の長さに設定される。
【0027】
図5に示すように、補強部材71が挿入されるコーナ部材22の挿入孔23は、補強部材71の膨出部72a、72bの挿入を許容する凹部としての空間27a、27bを有する。したがって、膨出部72a、72bを空間27a、27bに合わせて、本体部材41に固定された補強部材71を挿入孔23に挿入することで、手押部材40A~40Dが所定の位置に位置決めされる。補強部材71は位置決め部として機能する。したがって、手押部材40A~40Dは、コーナ部材22の挿入孔23内で、中心軸Oを略中心にして軸回りに回動してしまうことが防止される。
【0028】
次に、手押部材40A~40Dが台車本体部20に装着されたときの第1の保護部56a~第3の保護部56cの位置について説明する。
ここでは、手押部材40Bについて説明するが、手押部材40Aの第1の保護部56a~第3の保護部56cは、
図2に示す台車本体部20の中心線C1に対して手押部材40Bの第1の保護部56a~第3の保護部56cと対称に位置する。また、手押部材40C、40Dの第1の保護部56a~第3の保護部56cは、台車本体部20の中心線C2に対してそれぞれ手押部材40A、40Bの第1の保護部56a~第3の保護部56cと対称に位置する。
【0029】
図6(b)に示すように平面視において(グリップ部42の長手方向に沿った方向から見て)、第1の保護部56aは、台車本体部20の外周縁からはみ出した位置、具体的には外周縁の左側に位置する。また、第1の保護部56aの中央部59は、台車本体部20と重なり合わず、台車本体部20の外側に位置する。また、第1の保護部56aは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1と重なり合って位置する。また、第1の保護部56aの中央部59は、直線E1と重なり合って位置する。また、側面視において(グリップ部42の長手方向に沿った方向と直交する方向から見て)、具体的には直線E1に沿った方向から見て、第1の保護部56aは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0030】
また、
図6(b)に示すように平面視において、第2の保護部56bは、台車本体部20の外周縁からはみ出した位置、具体的には外周縁の後側に位置する。また、第2の保護部56bの中央部59は、台車本体部20と重なり合わず、台車本体部20の外側に位置する。また、第2の保護部56bは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1および前後方向に沿った直線E2と重なり合わず、中心軸Oを通り前後方向および左右方向に対して斜めの直線E3(直線E1を中心軸Oを略中心として右回りに60度、回転させた直線E3)と重なり合って位置する。また、第2の保護部56bの中央部59は、直線E1および直線E2と重なり合わず、直線E3と重なり合って位置する。また、側面視において、具体的には直線E3に沿った方向から見て、第2の保護部56bは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0031】
また、
図6(b)に示すように平面視において、第3の保護部56cは、台車本体部20と重なり合って位置する。また、第3の保護部56cの中央部59は、台車本体部20と重なり合って位置する。また、第3の保護部56cは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1および前後方向に沿った直線E2と重なり合わず、中心軸Oを通り前後方向および左右方向に対して斜めの直線E4(直線E1を中心軸Oを略中心として左回りに60度、回転させた直線E4)と重なり合って位置する。また、第3の保護部56cの中央部59は、直線E1および直線E2と重なり合わず、直線E4と重なり合って位置する。また、側面視において、具体的には直線E4に沿った方向から見て、第3の保護部56cは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0032】
第1の保護部56a~第3の保護部56cが上述した位置になるように台車本体部20に装着された手押部材40Bのグリップ部42を作業者が掴む場合には、作業者は手を第1の保護部56aと第2の保護部56bとの間からグリップ部42に向かって手を差し込む。このとき、作業者は、保護部材51の外部と保護部材51の内部とを連通させる開口部60を通して、手を差し込む。ここで、開口部60は中心軸O側から外側に向かって拡開していることから、作業者は開口部60を通して容易に手を差し込むことができる。
図8(a)に示すように平面視において、作業者がグリップ部42を掴むことで、グリップ部42と第1の保護部56aとの間に手の甲付近あるいは第3関節付近が位置し、グリップ部42と第2の保護部56bとの間に親指が位置し、グリップ部42と第3の保護部56cとの間に人差し指から小指の指先が位置する。
【0033】
このように、グリップ部42の外側に第1の保護部56a~第3の保護部56cが位置することで、作業者がグリップ部42を掴む(握る)ことにより第1の保護部56a~第3の保護部56cは、作業者の手を物体から保護することができる。具体的には、手押部材40A~40Dが運搬台車1の周辺の物体に接近した際に、第1の保護部56aや第2の保護部56bが物体と接触するため、グリップ部42を掴んでいる使用者の手が物体に接触することを防止することができる。また、積載された運搬物が荷崩れしたり倒れたりした際に、第3の保護部56cが運搬物と接触するため、グリップ部42を掴んでいる使用者の手が運搬物に接触することを防止することができる。
【0034】
なお、作業者は第2の保護部56bと第3の保護部56cとの間、あるいは、第3の保護部56cと第1の保護部56aとの間からでも手を差し込むことができる。したがって、運搬台車1を左右方向に沿って走行させたい場合や方向転換させて走行させたい場合であっても、作業者は複数ある開口部60のうち差し込みやすい開口部60を通してグリップ部42を掴むことができる。
【0035】
(変形例1)
上述した第1の実施形態では、保護部材51が第1の保護部56a~第3の保護部56cを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の保護部56a~第3の保護部56cのうち何れか1つを有していてもよい。
具体的に、保護部材51は、第1の保護部56aを有し、第2の保護部56bおよび第3の保護部56cを有していない構成であってもよい。また、保護部材51は、第2の保護部56bを有し、第1の保護部56aおよび第3の保護部56cを有していない構成であってもよい。また、保護部材51は、第3の保護部56cを有し、第1の保護部56aおよび第2の保護部56bを有していない構成であってもよい。
【0036】
(変形例2)
上述した第1の実施形態では、保護部材51が第1の保護部56a~第3の保護部56cを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の保護部56a~第3の保護部56cのうち何れか2つを有していてもよい。
具体的には、保護部材51は、第1の保護部56aおよび第2の保護部56bを有し、第3の保護部56cを有していない構成であってもよい。また、保護部材51は、第2の保護部56bおよび第3の保護部56cを有し、第1の保護部56cを有していない構成であってもよい。また、保護部材51は、第1の保護部56aおよび第3の保護部56cを有し、第2の保護部56bを有していない構成であってもよい。
この変形例の場合には、隣り合う保護部の間隔(角度α)が中心軸Oを略中心として右回りと左回りとで異なる間隔になるように位置する。例えば、保護部材51が、第1の保護部56aおよび第2の保護部56bを有し、第3の保護部56cを有していない構成の場合には、第1の保護部56aから第2の保護部56bまでの角度が右回りで240度であり、左回りで120度である。また、隣り合う保護部の間隔が、180度以外になるように位置する。
【0037】
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態に係る手押部材240の一例を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は適宜、説明を省略する。
手押部材240は、本体部としての本体部材41と、保護部材251と、補強部材71とを有する。
保護部材251は、上側の取付部52と、下側の取付部54と、第1の保護部256a~第4の保護部256dとを有しており、これらが一体で形成されている。本実施形態の保護部材251は、4つの保護部を有する点で、第1の実施形態の保護部材51と異なる。
第1の保護部256a~第4の保護部256dは、グリップ部42の外側に位置することで、使用者がグリップ部42を掴んだ手を保護する。第1の保護部256a~第4の保護部256dは、いずれも同じ形状である。また、第1の保護部256a~第4の保護部256dは、第1の保護部56a~第3の保護部56cと同じ形状である。
【0038】
図9に示すように平面視において、第1の保護部256a~第4の保護部256dは、中心軸Oを略中心にして放射状に位置する。また、
図9に示すように、第1の保護部256a~第4の保護部256dは、中心軸Oを略中心にして周方向に間隔をあけて位置する。本実施形態では、第1の保護部256a~第4の保護部256dは、隣り合う保護部256a~256dの間隔が中心軸Oを略中心として等間隔(ここでは略90度)になるように位置する。ここでは、隣り合う保護部256a~256dの間隔は、保護部256a~256dの幅Wの中心を基準としている。第1の保護部256a~第4の保護部256dは、周方向に間隔をあけて位置することで、隣り合う保護部256a~256dの間には、それぞれ開口部260が形成される。開口部260は、保護部材251の外部と保護部材251の内部とを連通させる。
【0039】
次に、手押部材240A~240Dが台車本体部20に装着されたときの第1の保護部256a~第4の保護部256dの位置について説明する。
ここでは、手押部材240Bについて説明するが、手押部材240Aの第1の保護部256a~第4の保護部256dは、
図2に示す台車本体部20の中心線C1に対して手押部材240Bの第1の保護部256a~第4の保護部256dと対称に位置する。また、手押部材240C、240Dの第1の保護部256a~第4の保護部256dは、台車本体部20の中心線C2に対してそれぞれ手押部材240A、240Bの第1の保護部256a~第4の保護部256dと対称に位置する。
【0040】
図9に示すように平面視において、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cは、台車本体部20の外周縁からはみ出した位置、具体的にはそれぞれ外周縁の左側および後側に位置する。また、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cの中央部59は、台車本体部20と重なり合わず、台車本体部20の外側に位置する。また、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1および前後方向に沿った直線E2と重なり合わず、中心軸Oを通り前後方向および左右方向に対して斜めの直線E5(直線E1を中心軸Oを略中心として右回りに45度、回転させた直線E5)と重なり合って位置する。また、側面視において、具体的には直線E5に沿った方向から見て、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0041】
また、
図9に示すように平面視において、第2の保護部256bは、台車本体部20の外周縁からはみ出した位置、具体的には外周縁の左斜め後側に位置する。また、第2の保護部256bの中央部59は、台車本体部20と重なり合わず、台車本体部20の外側に位置する。また、第2の保護部256bは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1および前後方向に沿った直線E2と重なり合わず、中心軸Oを通り前後方向および左右方向に対して斜めの直線E6(直線E1を中心軸Oを略中心として左回りに45度、回転させた直線E6)と重なり合って位置する。また、側面視において、具体的には直線E6に沿った方向から見て、第2の保護部256bは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0042】
また、
図9に示すように平面視において、第4の保護部256dは、台車本体部20と重なり合って位置する。また、第4の保護部256dの中央部59は、台車本体部20と重なり合って位置する。また、第4の保護部256dは、中心軸Oを通る左右方向に沿った直線E1および前後方向に沿った直線E2と重なり合わず、中心軸Oを通る直線E6と重なり合って位置する。また、第4の保護部256dの中央部59は、直線E1および直線E2と重なり合わず、直線E6と重なり合って位置する。また、側面視において、具体的には直線E6に沿った方向から見て、第4の保護部256dは、グリップ部42と重なり合って位置する。
【0043】
このように、グリップ部42の外側に第1の保護部256a~第4の保護部256dが位置することで、作業者がグリップ部42を掴む(握る)ことにより第1の保護部256a~第4の保護部256dは、作業者の手を物体から保護することができる。
【0044】
(変形例3)
上述した第2の実施形態では、保護部材251が第1の保護部256a~第4の保護部256dを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の保護部256a~第4の保護部256dのうち何れか1つを有していてもよい。
具体的に、保護部材251は、第1の保護部256aを有し、第2の保護部256b~第4の保護部256dを有していない構成であってもよい。また、保護部材251は、第2の保護部256bを有し、第1の保護部256a、第3の保護部256c、第4の保護部256dを有していない構成であってもよい。また、保護部材251は、第3の保護部256cを有し、第1の保護部256a、第2の保護部256b、第4の保護部256dを有していない構成であってもよい。また、保護部材251は、第4の保護部256dを有し、第1の保護部256a~第3の保護部256cを有していない構成であってもよい。
【0045】
(変形例4)
上述した第2の実施形態では、保護部材251が第1の保護部256a~第4の保護部256dを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の保護部256a~第4の保護部256dのうち何れか2つを有していてもよい。
具体的には、保護部材251は、第1の保護部256aおよび第2の保護部256bを有する構成であってもよく、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cを有する構成であってもよく、第1の保護部256aおよび第4の保護部256dを有する構成であってもよい。また、保護部材251は、第2の保護部256bおよび第3の保護部256cを有する構成であってもよく、第2の保護部256bおよび第4の保護部256dを有する構成であってもよい。また、保護部材251は、第3の保護部256cおよび第4の保護部256dを有する構成であってもよい。
この変形例の場合には、隣り合う保護部の間隔(角度α)が中心軸Oを略中心として右回りと左回りとで異なる間隔になるように位置する場合がある。例えば、保護部材251が、第1の保護部256aおよび第2の保護部256bを有する構成の場合には、第1の保護部256aから第2の保護部256bまでの角度が右回りで270度であり、左回りで90度である。一方、例えば、保護部材251が、第1の保護部256aおよび第3の保護部256cを有する構成の場合には、隣り合う保護部の間隔が180度である。
【0046】
(変形例5)
上述した第2の実施形態では、保護部材251が第1の保護部256a~第4の保護部256dを有する場合について説明したが、この場合に限られず、第1の保護部256a~第4の保護部256dのうち何れか3つを有していてもよい。
具体的には、保護部材251は、第1の保護部256a~第3の保護部256cを有する構成であってもよく、第1の保護部256a、第3の保護部256c、第4の保護部256dを有する構成であってもよく、第1の保護部256a、第2の保護部256b、第4の保護部256dを有する構成であってもよい。また、保護部材251は、第2の保護部256b~第4の保護部256dを有する構成であってもよい。
この変形例の場合には、隣り合う保護部の間隔(角度α)が中心軸Oを略中心として異なる間隔になるように位置する。例えば、保護部材251が、第1の保護部256a~第3の保護部256cを有する構成の場合には、第1の保護部256aと第2の保護部256bとの間隔、および、第2の保護部256bと第3の保護部256cとの間隔が90度であり、第3の保護部256cと第1の保護部256dとの間隔が180度である。
【0047】
<第3の実施形態>
図10は、第3の実施形態に係る保護部材351の一例を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は適宜、説明を省略する。
保護部材351は、上側の取付部52と、下側の取付部54と、第1の保護部356a~第3の保護部356cとを有しており、これらが一体で形成されている。
第1の保護部356a~第3の保護部356cは、グリップ部42の外側に位置することで、使用者がグリップ部42を掴んだ手を保護する。本実施形態の第1の保護部356a~第3の保護部356cは、いずれも同じ形状である。
【0048】
第1の保護部356a~第3の保護部356cは、上側の取付部52と下側の取付部54とを連結する略コ字状である。第1の保護部356a~第3の保護部356cは、上側の取付部52から中心軸Oから離れるように延出した後、下側に向かって垂下し、逆に中心軸Oに近づくように下側の取付部54まで延出して形成される。具体的には、第1の保護部356a~第3の保護部356cは、上部357、下部358、中央部359により構成される。上部357は、上側の取付部52の外周面から外側に向かって延出する。下部358は、下側の取付部54の外周面から外側に向かって延出する。中央部359は、上下方向に沿っており、上側が上部357に繋がり、下側が下部358に繋がる。
このように、上部357および下部358が斜めに延出していないことで、開口部360を広く形成することができることから、作業者は開口部360を通して容易に手を差し込むことができる。
【0049】
(変形例5)
上述した第3の実施形態では、第1の保護部356a~第3の保護部356cは、上部357、下部358、中央部359により構成される場合について説明したが、この場合に限られない。
図10に示す二点鎖線のように、保護部材351は上側の取付部52と下側の取付部54との外径を拡大して形成することで、上部357および下部358とをなくすように構成してもよい。
【0050】
<第4の実施形態>
図11は、第4の実施形態に係る保護部材451の一例を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の構成は適宜、説明を省略する。
保護部材451は、上側の取付部52と、下側の取付部54と、第1の保護部56a~第3の保護部56cと、グリップ部442を有しており、これらが一体で形成されている。
【0051】
グリップ部442は、使用者が運搬台車1を走行させるときに手で掴む。すなわち、本実施形態の手押部材は、本体部材41にグリップ部42が設けられるのではなく、保護部材451がグリップ部442を有する。グリップ部442は、上側の取付部52と、下側の取付部54との間に位置する。具体的には、上側の取付部52の下端と下側の取付部54の上端とに一体で形成されている。グリップ部442は、中心軸Oを略中心とする上下方向に沿って長い略筒状である。グリップ部442は、平面視において外径が本体部材の外径Dよりも大きい。また、グリップ部442は、平面視において外径が上側の取付部52の外径D1よりも小さく、下側の取付部54の外径D2よりも小さい。ただし、グリップ部442は、平面視において外径が上側の取付部52の外径D1と略同一であってもよく、下側の取付部54の外径D2と略同一であってもよい。
【0052】
また、グリップ部442は、上下方向に沿った孔443を有する。孔443は、本体部材41が上下方向に挿入できる大きさである。孔443は、上側の取付部52の挿入孔53および下側の取付部54の貫通孔55と連通する。孔443は、平面視において内径が挿入孔53の内径と略同一であり、貫通孔55の内径と略同一である。
本体部材41を下側から貫通孔55、孔443および挿入孔53に挿入して、固定孔65にボルトやリベット等の取付部材を挿通させて本体部材41に固定することで、保護部材451を本体部材41に取り付けることができる。
このように、保護部材451がグリップ部442を有することで、グリップ部442を容易に構成することができる。なお、グリップ部442の外周面に滑り止め用のリブを形成してもよい。
【0053】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、各実施形態および各変形例を適宜、組み合わせることができる。
【0054】
上述した実施形態では、第1の保護部~第3の保護部が何れも同じ形状であったり、第1の保護部~第4の保護部が何れも同じ形状であったりする場合について説明したが、この場合に限られない。第1の保護部~第3の保護部は少なくとも1つが異なる形状であってもよく、全てが異なる形状であってもよい。また、第1の保護部~第4の保護部は少なくとも1つが異なる形状であってもよく、2つが同じ形状で2つが異なる形状であってもよく、全てが異なる形状であってもよい。
【0055】
上述した実施形態では、平面視において、複数の保護部のうち一つが台車本体部20と重なり合う場合について説明したが、複数の保護部のうち2つあるいは2つ以上が台車本体部20と重なり合うようにしてもよい。
上述した実施形態では、保護部材が上側の取付部と、下側の取付部とを有する場合について説明したが、この場合に限られず、上側の取付部および下側の取付部の何れか一方をなくしてもよい。
上述した実施形態では、保護部材が1つ~4つの保護部を有する場合について説明したが、この場合に限られず、5つまたは5つ以上の保護部を有していてもよい。
なお、上述した本実施形態では、保護部がグリップ部の外側に位置する場合について説明したが、この場合に限られず、課題等に応じて適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1:運搬台車 20:台車本体 30:走行部 40、240:手押部材 41:本体部材 42、442:グリップ部 51、251、351、451:保護部材 56a、256a、356a、456a:第1の保護部 56b、256b、356b、456b:第2の保護部 56c、256c、356c、456c:第3の保護部 256d:第4の保護部