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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】用紙停止装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/042 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
B65H39/042
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022195382
(22)【出願日】2022-12-07
(62)【分割の表示】P 2018167151の分割
【原出願日】2018-09-06
(65)【公開番号】P2023016963
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】大木 豊
(72)【発明者】
【氏名】石黒 洋
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-301657(JP,A)
【文献】特開2009-083011(JP,A)
【文献】特開2004-292163(JP,A)
【文献】特開平09-043748(JP,A)
【文献】特開2007-153454(JP,A)
【文献】実開昭54-123895(JP,U)
【文献】特開2002-211162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12- 29/24
B65H 29/32
B65H 39/00- 39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させ、製本すべき1冊の冊子を構成する1セットの用紙束となるまで蓄積させる用紙停止装置であって、
前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの、用紙を停止させる面が用紙面に対して垂直を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、前記1セットの用紙束を蓄積するあいだに、前回搬送されてきた前回用紙を停止させた前記停止位置から前記ストッパを上昇させて前記退避位置とし、今回搬送されてくる用紙である今回用紙を、前回用紙とは先端位置が異なる位置に停止させるべく前記ストッパを用紙搬送方向に沿って移動させ、今回用紙を停止させる前記停止位置に前記ストッパを下降させることができることを特徴とする用紙停止装置。
【請求項2】
前記移動機構は、前記ストッパを前記停止位置から前記退避位置に移動させるとき、用紙の搬送方向下流側に上昇させることを特徴とする請求項1に記載の用紙停止装置。
【請求項3】
搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させる用紙停止装置であって、
前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの用紙を停止させる面が用紙面に対して所定の角度を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、前回搬送されてきた前回用紙を停止させた前記停止位置から前記ストッパを上昇させて前記退避位置とし、今回搬送されてくる用紙である今回用紙を、前回用紙とは先端位置が異なる位置に停止させるべく前記ストッパを用紙搬送方向に沿って移動させ、今回用紙を停止させる前記停止位置に前記ストッパを下降させ、当該停止位置において、既に蓄積された用紙の上面に押し付けることを特徴とする用紙停止装置。
【請求項4】
前記ストッパは、用紙の上面に押し付けられたときに、その反力を受けて変位可能なように前記移動機構に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の用紙停止装置。
【請求項5】
搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させる用紙停止装置であって、
前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの用紙を停止させる面が用紙面に対して所定の角度を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、前回搬送されてきた前回用紙を停止させた前記停止位置から前記ストッパを上昇させて前記退避位置とし、今回搬送されてくる用紙である今回用紙を、前回用紙とは先端位置が異なる位置に停止させるべく前記ストッパを用紙搬送方向に沿って移動させ、今回用紙を停止させる前記停止位置に前記ストッパを下降させることができ、
前記ストッパは、用紙の上面と、用紙搬送方向に直交する方向において所定幅で接触するように形成されていることを特徴とする用紙停止装置。
【請求項6】
搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させる用紙停止装置であって、
前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの用紙を停止させる面が用紙面に対して所定の角度を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、前回搬送されてきた前回用紙を停止させた前記停止位置から前記ストッパを上昇させて前記退避位置とし、今回搬送されてくる用紙である今回用紙を、前回用紙とは先端位置が異なる位置に停止させるべく前記ストッパを用紙搬送方向に沿って移動させ、今回用紙を停止させる前記停止位置に前記ストッパを下降させることができ
前記移動機構は、今回用紙を停止させる位置に前記ストッパを下降させるとき、少なくとも用紙上面と接触する瞬間は、用紙面に対して実質的に垂直に下降させることを特徴とする用紙停止装置。
【請求項7】
搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させる用紙停止装置であって、
前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの用紙を停止させる面が用紙面に対して所定の角度を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構を備え、
本用紙停止装置は、折り目が搬送方向と平行で、かつ、折り目が上方を向いた逆V字状の状態で用紙を停止して蓄積するよう構成され、
前記ストッパは、用紙の上面と、用紙搬送方向に直交する方向において所定幅で接触するように、鉛直方向に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とする用紙停止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丁合装置およびそれを備える製本システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製本システムは、丁合装置の複数の給紙部に用紙を積載し、各給紙部から送り出された用紙が、中綴じ装置において重ねられる(例えば特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-254883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、用紙を重ねる位置に停止させる構成を単純にできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の用紙停止装置は、搬送されてくる用紙をストッパで受けて停止させる用紙停止装置であって、前記ストッパを、搬送されてくる用紙を停止させる停止位置と、用紙に接触しない退避位置との間で、前記ストッパの用紙を停止させる面が用紙面に対して所定の角度を形成する姿勢を維持したまま円弧軌道を描くように移動させる移動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、用紙を停止させる構成を単純にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る製本システムの斜視図である。
図2図1の丁合装置の内部構造を示す模式図である。
図3図1の方向変換装置、折り装置および中綴じ装置とそれらの周辺を模式的に示す上面図である。
図4図3のバッファ部を幅方向から見た図である。
図5図3のバッファ部を幅方向から見た図である。
図6図3のバッファ部を幅方向から見た図である。
図7図3のバッファ部を幅方向から見た図である。
図8図3のバッファ部を幅方向から見た図である。
図9図3のバッファ部を搬送方向上流側から見た図である。
図10図1の製本システムの制御系を示すブロック図である。
図11図10の処理内容取得部が提供する設定画面を示す図である。
図12図10の処理内容取得部が提供する設定画面を示す図である。
図13図10の処理内容取得部が提供する設定画面を示す図である。
【0009】
図1は、実施の形態に係る製本システム10の斜視図である。製本システム10は、文字や画像が印刷された用紙に丁合、折り、綴じ、断裁などの後処理を施す。製本システム10は、丁合装置12A、12B、12C(以下、特に区別しない場合には「丁合装置12」と呼ぶ)と、方向変換装置14と、折り装置16と、中綴じ装置18と、小口断裁装置20と、天地断裁装置22と、ベルトスタッカ24と、統合制御装置26と、を備える。なお、丁合装置12の数は特に限定されない。
【0010】
3つの丁合装置12はそれぞれ、複数の給紙部を含む。3つの丁合装置12はそれぞれ、複数の給紙部のそれぞれから用紙を給紙しながら用紙を重ね合わせる。3つの丁合装置12は直列に配置されており、上流側に配置された丁合装置12によって作成された用紙束に下流側に配置された丁合装置12によって作成された用紙束を重ね合わせることが可能となっている。
【0011】
方向変換装置14は、丁合装置12から搬入された用紙束を、搬送方向を90度方向変換し、折り装置16に搬出する。
【0012】
折り装置16は、方向変換装置14から搬入された用紙束に折り筋を付け、その折り筋に沿って用紙束を山折り状(すなわち断面形状が逆V字状)に折り畳む。折り装置16は、折り畳んだ用紙束を中綴じ装置18に搬出する。
【0013】
中綴じ装置18は、折り装置16から搬入された、山折り状に折りたたまれた用紙束を、製本すべき1冊の冊子を構成する1セットの用紙束となるまで蓄積させる。中綴じ装置18は、蓄積(作成)された1セットの用紙束を折り目で綴じて中綴じ折り冊子を作成する。以下、中綴じ折り冊子を単に「冊子」と呼ぶ。中綴じ装置18は、作成した冊子を小口断裁装置20に搬出する。
【0014】
小口断裁装置20は、中綴じ装置18から搬入された冊子の小口を断裁し、天地断裁装置22に搬送する。天地断裁装置22は、天地断裁装置22から搬送された冊子の天地を断裁し、ベルトスタッカ24に搬送する。ベルトスタッカ24は、天地断裁装置22から搬送された冊子を順次蓄積する。小口断裁装置20、天地断裁装置22およびベルトスタッカ24は、公知の技術を用いて構成すればよい。
【0015】
統合制御装置26は、情報処理装置28、ディスプレイ30および入力装置32を有する。情報処理装置28は、例えばPCであり、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。入力装置32は、キーボードまたはマウスを含む。なお、ディスプレイ30としてタッチパネル式のディスプレイが採用されてもよい。この場合、ディスプレイ30が入力装置としても機能する。統合制御装置26は、製本システム10を統合的に制御する。
【0016】
図2は、丁合装置12の構成を示す図である。3つの丁合装置12はそれぞれ、複数の給紙部38と、垂直搬送機構44と、水平搬送機構46と、を備える。複数の給紙部38は、鉛直方向に並設される。なお、給紙部38の並設方向は鉛直方向に限られない。以降では、各丁合装置12がそれぞれ10個の給紙部38を備える場合について説明するが、
給紙部38の数は特には限定されない。
【0017】
複数の給紙部38は、棚40と、給紙機構42と、を含む。棚40には、複数の用紙が積載される。給紙機構42は、対応する棚40から1枚ずつ用紙を送り出す給紙を実行する。給紙機構42は、図示の例ではエアサクション式の給紙機構であるが、フリクション式の給紙機構であってもその他の給紙機構であってもよい。給紙機構42によって送り出された用紙は、垂直搬送機構44によって鉛直下方に搬送されながら重ね合わされる。
【0018】
水平搬送機構46は、後述の中継搬送装置34を介して上流の丁合装置12から搬送された用紙束を下流の丁合装置12に搬送する。水平搬送機構46の下流側端部は垂直搬送機構44の下流側端部に合流しており、この合流地点にて、上流側から搬送された用紙束と、その丁合装置12で作成された用紙束とが重ね合わされる。
【0019】
丁合装置12Aと丁合装置12Bとの間、および丁合装置12Bと丁合装置12Cとの間にはそれぞれ、中継搬送装置34が配置される。中継搬送装置34は搬送機構47を有する。搬送機構47は、上流の丁合装置12で作成された用紙束を下流の丁合装置12に搬送する。搬送機構47には、図示の例ではベルト搬送機構が採用されているが、例えばローラ搬送機構などが採用されてもよい。
【0020】
丁合装置12Aの下流側には、中継搬送装置36が設けられている。中継搬送装置36は搬送機構48を有する。搬送機構48は、丁合装置12Aから搬出された用紙束を搬送して方向変換装置14に搬出する。搬送機構48には、図示の例ではベルト搬送機構が採用されているが、例えばローラ搬送機構などが採用されてもよい。
【0021】
図3は、方向変換装置14、折り装置16および中綴じ装置18とそれらの周辺を模式的に示す上面図である。以下、方向変換装置14で搬送方向が変換された後の搬送方向を単に「搬送方向」と呼び、搬送方向に直交する水平方向を「幅方向」と呼ぶ。
【0022】
方向変換装置14は、第1ガイド56と、第2ガイド58と、を含む。第1ガイド56および第2ガイド58は、幅方向に互いに間隔をあけて配置される。第1ガイド56は、第2ガイド58と幅方向で対向する第1ガイド面56aであって、法線方向が幅方向に一致する第1ガイド面56aを有する。第2ガイド58は、第1ガイド56と幅方向で対向する第2ガイド面58aであって、法線方向が幅方向に一致する第2ガイド面58aを有する。第1ガイド56および第2ガイド58はそれぞれ、幅方向に移動可能に構成される。
【0023】
方向変換装置14は、幅方向における第1ガイド56と第2ガイド58との間隔が用紙束4aの幅方向の長さよりも広い状態に、第1ガイド56および第2ガイド58を待機させる。そして方向変換装置14は、丁合装置12から搬入された用紙束4aを、不図示の搬送機構によって第1ガイド56と第2ガイド58との間に搬送する。第1ガイド56と第2ガイド58との間に搬送された用紙束4aは、第1ガイド面56aに当たって停止する。
【0024】
第1ガイド56および第2ガイド58は、それらの間に搬送された用紙束4aを位置決めする。第1ガイド56および第2ガイド58は特に、後続の折り装置16において用紙束4aの所望の位置に折り筋ひいては折り目が付けられるように、当該用紙束4aを位置決めする。具体的には第1ガイド56および第2ガイド58は、それらの間に搬送された用紙束4aを、折り目が付けられるべき位置が折り装置16に基づく基準線Lと重なるように位置決めする。本実施の形態では、方向変換装置14から折り装置16に直線的に用紙束4aが搬送され、用紙束4aに折り筋そして折り目が付けられる。したがって、折り
装置16において折り目が付けられる幅方向位置を通る仮想線が基準線Lとなる。例えば用紙束4aの幅方向における中央に折り目を付ける場合は、第1ガイド面56aと第2ガイド面58aとの幅方向における距離Dが用紙幅と実質的に等しく、かつ、第1ガイド面56aと第2ガイド面58aとの幅方向の中央を基準線Lが通るように、第1ガイド56および第2ガイド58の少なくとも一方を移動させる。
【0025】
折り装置16は、筋付け機構60と、折り機構63と、を含む。筋付け機構60は、用紙束4aに折り筋を付ける。筋付け機構60は、用紙搬送路を挟んで配置される上ローラ61と、下ローラ62と、を含む。上ローラ61には、外周に環状の溝が形成されている。下ローラ62には、外周に環状の突起が形成されている。上ローラ61および下ローラ62は、上ローラ61の溝に下ローラ62の突起が入り込むように配置されている。上ローラ61と下ローラ62との間に用紙束4aが搬入されることで、上に凸となる折り筋が用紙束4aに付けられる。折り筋が付いた用紙束4aは、不図示の搬送機構により、折り機構84に搬送される。
【0026】
折り機構63は、一対の折りローラ64を含む。一対の折りローラ64は、軸方向が鉛直方向を向き、かつ、幅方向に並ぶように配置される。一対の折りローラ64は、折り筋に沿って用紙束4aを挟み込むことで、用紙束4aに折り目を付ける。これにより用紙束4aは、山折り用紙束4bとなる。山折り用紙束4bは、不図示の搬送機構により、中綴じ装置18に搬出される。
【0027】
中綴じ装置18は、搬送機構65と、バッファ部70と、綴じ部80と、折り畳み部90と、を含む。バッファ部70、綴じ部80、折り畳み部90は、搬送方向に沿ってこの順に上流側から設けられる。
【0028】
搬送機構65は、折り装置16からバッファ部70に搬入された山折り用紙束4bを、綴じ部80、そして折り畳み部90へと搬送する。搬送機構65は、中綴じ装置18の上流側端部に配置される2つの上流側ローラ66と、中綴じ装置18の下流側端部に配置される2つの下流側ローラ67と、上流側ローラ66および下流側ローラ67に巻き回される2つの搬送ベルト68と、を含む。不図示のモータに駆動されて下流側ローラ67が回転することにより、搬送ベルト68が回転する。搬送ベルト68の外周には外側に突出する爪69が設けられており、山折り用紙束4bは爪69によって後端が押されて下流側に搬送される。
【0029】
バッファ部70は、折り装置16から搬入された山折り用紙束4bを、製本すべき1冊の冊子を構成する1セットの用紙束となるまで蓄積させる。バッファ部70については、図4~9で詳述する。
【0030】
綴じ部80は、山折り用紙束4bを折り目上にて綴じる。折り畳み部90は、山折り用紙束4bを折り畳んで冊子4cとする。冊子4cは、不図示の搬送機構によって小口断裁装置20へと搬送される。綴じ部80および折り畳み部90は、公知の技術を用いて構成すればよい。
【0031】
図4~8は、バッファ部70を幅方向から見た図である。図9は、バッファ部70を搬送方向上流側から見た図である。バッファ部70は、折り装置16から搬入された山折り用紙束4bを蓄積させる鞍71と、搬入されてくる山折り用紙束4bを受けて停止させるストッパ72と、ストッパ72を移動させる第1移動機構73および第2移動機構74と、蓄積された山折り用紙束4bの後端を揃えるジョガー76と、を含む。なお、図4~8では、山折り用紙束4bを半透明で図示している。また、図4~8では、山折り用紙束4bのうち、バッファ部70に既に蓄積されている山折り用紙束4bを山折り用紙束4b’
と称する。
【0032】
図4は、前回搬送されてきた山折り用紙束4b’(以下、「前回用紙束」とも呼ぶ)を受けた位置にストッパ72がある状態を示す。図5は、前回用紙束を受けた位置からストッパ72を上昇させた状態を示す。図6は、第1移動機構73ごとストッパ72を搬送方向に、図示の例では搬送方向上流側に移動させた状態を示す。図7は、今回搬送されてくる山折り用紙束4b(以下、「今回用紙束」とも呼ぶ)を受ける位置にストッパ72を下降させた状態を示す。図8は、ストッパ72が今回用紙束を受けた状態を示す。図9は、今回用紙束を受ける位置にストッパ72を下降させた状態を示し、図7の状態に対応する。
【0033】
鞍71は、第1鞍部材77と、第1鞍部材77の上方に設けられる第2鞍部材78と、を含む。第1鞍部材77は、搬送方向に延在する斜め上を向いたガイド面77aであって、下側ほど幅方向に互いに離れる一対のガイド面77aを有する。第2鞍部材78は、搬送方向に延在する斜め上を向いたガイド面78aであって、断面形状が逆V字状のガイド面78aを有する。バッファ部70に搬入された山折り用紙束4b’は、これらのガイド面によって、山折り状態を保ったまま鞍71上に積載されたり鞍71上を搬送される。
【0034】
ストッパ72は、折り装置16からバッファ部70に搬入されてくる山折り用紙束4bを受ける部材である。ストッパ72は、第1移動機構73に後述のように取り付けられる。
【0035】
第1移動機構73は、ストッパ72を昇降させるよう構成されている。第1移動機構73は特に、今回用紙束を受ける位置に、言い換えると搬送されてくる今回用紙束が突き当たる位置にストッパ72を下降させたり、既に鞍71に蓄積されている山折り用紙束4b’に接触しない位置にストッパ72を上昇させたりするように構成されている。第2移動機構74は、第1移動機構73ごとストッパ72を搬送方向に移動させるように構成されている。
【0036】
本実施の形態のバッファ部70は、後端が揃うように山折り用紙束4bを蓄積させる。したがって、第2移動機構74は、搬送されてくる山折り用紙束4bの用紙サイズに応じた位置にストッパ72を移動させる。
【0037】
具体的には、今回用紙束の用紙サイズが前回用紙束の用紙サイズよりも大きい場合、第1移動機構73により、既に蓄積されている山折り用紙束4b’に接触しない位置にストッパ72を上昇させ、第2移動機構74により、第1移動機構73ごとストッパ72を搬送方向下流側に移動させ、第1移動機構73により、今回用紙束を停止させる位置にストッパ72を下降させる。
【0038】
また、今回用紙束の用紙サイズが前回用紙束の用紙サイズよりも小さい場合、図4~7に示されるように、第1移動機構73により、既に蓄積されている山折り用紙束4b’に接触しない位置にストッパ72を上昇させ、第2移動機構74により、第1移動機構73ごとストッパ72を搬送方向上流側に移動させ、第1移動機構73により、今回用紙束を停止させる位置にストッパ72を下降させる。
【0039】
ここで、今回用紙束の用紙サイズが既に蓄積されている山折り用紙束4b’の用紙サイズよりも小さい場合、既に蓄積されている山折り用紙束4b’の上方にストッパ72を移動させることになる。この場合、第1移動機構73は、今回用紙束を停止させる位置に下降させたストッパ72を、当該位置において、既に蓄積されている山折り用紙束4b’の上面に押し付ける。これにより、今回用紙束が搬送されてきたときに、既に蓄積されてい
る山折り用紙束4b’が今回用紙束に引きずられて動くのが抑止される。
【0040】
ストッパ72は、図9に示されるように、所定の長さの幅方向の範囲で山折り用紙束4b’の上面と接触するように構成される。言い換えると、ストッパ72は、実質的に非点接触の状態で山折り用紙束4b’の上面と接触するように構成される。これにより、点接触する場合と比べて、既に蓄積されている山折り用紙束4b’をより確実に押さえられる。本実施の形態では、山折り用紙束4b’は鞍71によって山折り状態で蓄積されるため、その上面は斜め上を向いた状態に傾斜している。そこでストッパ72は、所定の長さの幅方向の範囲で山折り用紙束4b’の上面と接触するように、鞍71の各ガイド面ひいては山折り用紙束4b’の上面に平行な傾斜面(接触面)72aを有する。図示の例では、ストッパ72は下側ほど搬送方向に互いに離れるように傾斜した2つの傾斜面72aを有し、この2つの傾斜面72aが、折り目を挟んだ両側で、山折り用紙束4b’の上面に接触している。
【0041】
また、ストッパ72は、第1移動機構73に対して、当該ストッパ72が山折り用紙束4b’の上面に接触したときにその反力を受けて変位可能に取り付けられる。つまり、ストッパ72は、第1移動機構73に対して上下方向に遊びを持った状態に取り付けられる。これにより、ストッパ72を鞍71に既に蓄積されている山折り用紙束4b’の上面に押し付けるときに、強く押し付けすぎることにより山折り用紙束4b’の上面に傷を付けてしまうのを抑止できる。
【0042】
第1移動機構73は、好ましくは、前回用紙束を停止させた位置からストッパ72を上昇させる場合、ストッパ72を用紙搬送方向下流側に移動させながら上昇させるよう構成される(図5参照)。これにより、既に蓄積されている山折り用紙束4b’の上面にストッパ72が擦れて当該山折り用紙束4b’の上面に傷が付くのが抑止される。加えて、前回用紙束の先端(搬送方向下流側の用紙束の端面)4ba’にストッパ72が擦れて前回用紙束の先端4baが傷つくのが抑止される。
【0043】
また第1移動機構73は、好ましくは、今回用紙束を停止させる位置にストッパ72を下降させる場合、少なくともストッパ72が既にバッファ部70に蓄積されている山折り用紙束4b’の上面に接触するときは、ストッパ72を鉛直下方に移動させるように構成される。これにより、既にバッファ部70に蓄積されている山折り用紙束4b’の上面にストッパ72が擦れて当該山折り用紙束4bの上面に傷が付くのが抑止される。
【0044】
第1移動機構73は、さらに好ましくは、ストッパ72を下降させるときと上昇させるときとで、ストッパ72が同一の軌道を描くように当該ストッパ72を移動させるよう構成される。これにより、第1移動機構73を比較的単純な構成にできる。
【0045】
例えば第1移動機構73は、ストッパ72の姿勢を維持したまま、かつ、ストッパ72の各部位が同一半径の円弧軌道を描くように、当該ストッパ72を移動させるよう構成されてもよい。より具体的には第1移動機構73は、ストッパ72の各部位が描く各円弧軌道の中心が、傾斜面72aがガイド面77a、ガイド面78aおよびそれらの延長面上にあるときの各部位と実質的に同じ高さ位置に位置するように構成されてもよい。この場合、第1移動機構73を比較的単純な構成にできる。例えば第1移動機構73を、主に、モータと、モータの回転をストッパ72に伝える接続部材とで構成できる。また、ストッパ72は、上昇する際は用紙搬送方向下流側に移動しながら上昇し、下降する際は少なくとも山折り用紙束4b’の上面に接触する瞬間は実質的に鉛直下方に下降する(円弧軌道の接線は鉛直下方を向く)ため、上述したようにストッパ72が山折り用紙束4b’の上面や先端に擦れてそれらに傷が付くのが抑止される。
【0046】
なお、ストッパ72の各部位が描く各円弧軌道の中心について、傾斜面72aが上述の延長面上にあるときの各部位と「実質的に」同じ高さ位置とは、ストッパ72の傾斜面72aが山折り用紙束4b’の上面に接触する瞬間にストッパ72が実質的に鉛直下方に下降する高さ位置を意味し、必ずしも傾斜面72aが上述の延長面上にあるときの各部位と同じ高さ位置であることを意味しない。また、ストッパ72の傾斜面72aが山折り用紙束4b’の上面に接触する瞬間にストッパ72が「実質的に」鉛直下方に下降するとは、ストッパ72が山折り用紙束4b’の上面に擦れることが問題とならない程度に、ストッパ72が鉛直下方に対して傾斜している方向に下降するのを許容することを意味し、必ずしもストッパ72の傾斜面72aが山折り用紙束4b’の上面に接触する瞬間にストッパ72が鉛直下方に下降することを意味しない。
【0047】
ジョガー76は、山折り用紙束4bがバッファ部70に搬入されてストッパ72で停止されるたびに、山折り用紙束4bの後端を押して山折り用紙束4bの後端をそれ以前に搬入された山折り用紙束4b’の後端に揃える。
【0048】
1冊分の山折り用紙束4b’がバッファ部70に蓄積されると、第1移動機構73は山折り用紙束4b’の移動を阻害しない位置にストッパ72を移動させ、搬送機構65は山折り用紙束4b’を綴じ部80に搬送する。
【0049】
図10は、製本システム10の制御系を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0050】
製本システム10はさらに、丁合制御部150A、丁合制御部150B、丁合制御部150C、整合制御部152、折り制御部154、綴じ制御部156、小口断裁制御部158、天地断裁制御部160を備える。丁合制御部150A、丁合制御部150B、丁合制御部150C、整合制御部152、折り制御部154、綴じ制御部156、小口断裁制御部158、天地断裁制御部160はそれぞれ、丁合装置12A、丁合装置12B、丁合装置12C、方向変換装置14、折り装置16、中綴じ装置18、小口断裁装置20、天地断裁装置22に搭載されている。
【0051】
統合制御装置26は、処理内容取得部200と、スタート指示取得部202と、を含む。処理内容取得部200は、ディスプレイ30に各種の設定画面を表示し、冊子に含める用紙の用紙サイズや、給紙部に積載する用紙についての設定等の入力を取得する。例えば処理内容取得部200は、後述の図11の基本設定画面や図13の給紙設定画面に入力された情報を取得する。
【0052】
なお、丁合装置12の各棚40に、用紙サイズを検知する用紙サイズセンサが設けられてもよい。この場合、丁合制御部150が、用紙サイズセンサの検知結果を取得して用紙サイズを特定し、特定した用紙サイズを統合制御装置26に出力し、処理内容取得部200が、丁合制御部150が出力した用紙サイズを取得すればよい。
【0053】
またスタート指示取得部202は、ディスプレイ30にスタートボタンを表示させる。ユーザは、スタートボタンをクリックすることにより製本処理の開始を指示できる。スタート指示取得部202は、スタートボタンがクリックされると、製本処理の開始要求を取得する。サブシステム制御部203は、スタート指示取得部202が製本処理の開始要求を取得すると、各装置の制御部に、スタート信号や、各装置を作動させるための作動信号
を送信する。
【0054】
丁合制御部150A、丁合制御部150B、丁合制御部150C(以下、特に区別しない場合には「丁合制御部150」と呼ぶ)はそれぞれ、丁合装置12A、丁合装置12B、丁合装置12Cを制御する。具体的には丁合制御部150は、丁合装置12の給紙機構42、垂直搬送機構44および水平搬送機構46などの各機構の作動を制御する。
【0055】
整合制御部152は、用紙サイズ取得部204と、ガイド制御部206と、を含む。用紙サイズ取得部204は、統合制御装置26から用紙サイズを取得する。
【0056】
ガイド制御部206は、第1ガイド56および第2ガイド58の移動を制御する。ガイド制御部206は、第1ガイド56と第2ガイド58との間隔が、用紙サイズ取得部204が取得した用紙束4aの幅方向の長さよりも広い状態に、第1ガイド56および第2ガイド58を待機させる。第1ガイド56と第2ガイド58との間に用紙束が搬送されると、ガイド制御部206は、第1ガイド56と第2ガイド58との間隔が用紙束4aの幅方向の長さとなるように、第1ガイド56および第2ガイド58の少なくとも一方を移動させる。
【0057】
折り制御部154は、折り装置16の各機構の作動を制御する。
【0058】
綴じ制御部156は、用紙サイズ取得部220と、バッファ制御部222と、綴じ制御部224と、折り畳み制御部226と、搬送制御部228と、を含む。用紙サイズ取得部220は、統合制御装置26から用紙サイズを取得する。バッファ制御部222は、第1移動機構73、第2移動機構74およびジョガー76の作動を制御する。バッファ制御部222は特に、用紙サイズ取得部220が取得した山折り用紙束4bの搬送方向のサイズに応じた位置にストッパ72を移動させるように、第1移動機構73および第2移動機構74を制御する。
【0059】
綴じ制御部224は、綴じ部80による綴じ処理を制御する。折り畳み制御部226は、折り畳み部90による折りたたみ処理を制御する。搬送制御部228は搬送機構65による山折り用紙束4bの搬送を制御する。
【0060】
小口断裁制御部158、天地断裁制御部160はそれぞれ、小口断裁装置20の各機構、天地断裁装置22の各機構の作動を制御する。
【0061】
図11~13は、処理内容取得部200が提供する設定画面を示す。
図11は、基本設定画面を示す。基本設定画面では、用紙サイズや製本スタイルなどの基本設定を行う。マルチサイズチェックボックス302は、冊子に異なる用紙サイズの用紙を含めるときにチェックされる。一覧表示欄304には、冊子に含める用紙種別の一覧が表示される。用紙サイズ追加アイコン306をクリックすると、図12で後述する用紙サイズ設定画面が表示され、冊子に含める用紙種別の用紙サイズを設定できる。上移動アイコン308、下移動アイコン310、または削除アイコン312をクリックすると、一覧において選択した用紙種別を上に移動、下に移動、または削除できる。ユーザは、一覧に表示される用紙種別の表示順が出来上がりの冊子を構成する用紙種別の順になるよう設定する。プレビュー欄314には、設定した各用紙サイズの用紙を重ねた状態を示す模式図が表示される。
【0062】
図12は、用紙サイズ設定画面を示す。用紙サイズ設定画面は、上述したように基本設定画面の用紙サイズ追加アイコン306をクリックすると表示される。用紙サイズ欄320には定型の用紙サイズが表示される。これをクリックして用紙サイズを選択する。また
、プレビュー欄322の数字(点線で囲んだ箇所)をクリックするとテンキーが表示され、任意のサイズを入力できる。
【0063】
図13は、給紙設定画面を示す。給紙部名欄330には、給紙部を識別する番号が表示される。ここでは1~30の番号が表示されている。1~10の番号は丁合装置12Aの10個の給紙部に対応する。11~20の番号は丁合装置12Bの10個の給紙部に対応する。21~30は、丁合装置12Cの10個の給紙部に対応する。以降、1~30の番号が振られた給紙部を、給紙部1~30と呼ぶ。
【0064】
用紙種別欄332には、丁合装置12の各棚40に積載されているあるいは積載される予定の用紙の用紙種別を設定する。デフォルトでは、各棚の用紙種別には、図11の基本設定画面で設定した用紙種別が当該設定画面で設定した順に、すなわち設定画面の一覧表示欄304に表示されている順に、適当に割りあてられる。必要に応じてユーザは、用紙種別の境界を示す境界バー336を選択した上で、上移動アイコン338または下移動アイコン340をクリックして境界バー336を上または下に移動させることにより、適当に割りあてられた用紙種別を変更する。例えば、図示の例では、「Sheet 3」と「Sheet 4」の間(1給紙部8と給紙部9の間)の境界バー336が選択されており、上移動アイコン338を1回クリックすると給紙部9と給紙部10の間に境界バー336が移動し、給紙部8の用紙種別が「Sheet3」に、給紙部9の用紙種別が「Sheet 4」にそれぞれ変更される。このようにして、給紙設定画面では、図11の基本設定画面で設定した各用紙種別の用紙が丁合装置12のどの給紙部に積載されているかあるいは積載される予定であるかを設定する。
【0065】
グループ設定チェックボックス334には、給紙部のグループ分けの設定が入力される。具体的には、番号が小さい給紙部から順に、グループ設定チェックボックス334がチェックされた給紙部から次にチェックされた給紙部の1つ下の給紙部までが同じグループとなる。図示の例では、給紙部は以下の6つのグループに分けられている。
・給紙部1、2
・給紙部3、4
・給紙部4、5
・給紙部5、6
・給紙部7、8、
・給紙部9、10、11、12
【0066】
丁合装置12は、同一のグループに属する給紙部から給紙される用紙を重ねて送り出すよう構成される。したがって、上述のようにグループ分けされている場合、丁合装置12は、まず給紙部1、2の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出し、次に給紙部3、4の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出し、次に給紙部4、5の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出し、次に給紙部5、6の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出し、次に給紙部7、8の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出し、次に給紙部9~12の各給紙部から給紙して重ね合わせて用紙束を作成し、それを方向変換装置14に送り出す。中綴じ装置18では、これら6つの用紙束が積載され、冊子が作成される。
【0067】
処理内容取得部200は、用紙サイズに基づいて給紙部を自動でグループ分けする。具体的には、処理内容取得部200は、同一の用紙種別の用紙が積載される隣接する給紙部を同じグループに設定し、異なる用紙種別の用紙が積載される給紙部を異なるグループに設定する。したがって、処理内容取得部200は、同一の用紙種別の用紙が積載される隣
接する給紙部のうちの一番下の給紙部のグループ設定チェックボックス334を自動でチェックする。なお、ここでの「隣接する」には、丁合装置を跨って隣接する場合も含まれる。具体的には、給紙部10と給紙部11、給紙部20と給紙部21は、隣接する給紙部にあたる。
【0068】
また、ユーザの入力により、同一の用紙種別の用紙が積載される隣接する給紙部を、別々のグループに分けることもできる。上述したように、折り装置16の筋付け機構60では用紙束に折り筋を付けるが、用紙束が所定の閾値厚さ以上だと、的確に折り筋を付けることができない場合がある。そこでユーザは、用紙束の厚さが閾値厚さ未満となるように、同一の用紙種別の用紙が積載される隣接する給紙部を適宜別々のグループに分ければよい。図示の例では、給紙部7のグループ設定チェックボックス334をチェックすることにより、用紙種別が「sheet3」の用紙が積載されている給紙部を、給紙部5および6のグループと給紙部7および8のグループに分けている。
【0069】
以上説明した本実施の形態によれば、異なる用紙サイズを含む冊子を作成できるように、各給紙部による用紙の送り出しを設定できる。また、異なる用紙サイズの用紙を的確に、具体的には後端が揃うように、重ねることができる。つまり、本実施の形態によれば、異なる用紙サイズを含む冊子を作成できる。
【0070】
以上、実施の形態に係る丁合装置12およびそれを備える製本システム10について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0071】
(変形例1)
実施の形態では、前回用紙束の用紙サイズと今回用紙束の用紙サイズが異なる場合に、用紙サイズに応じた位置にストッパ72を移動させる場合について説明したが、これに限定されない。前回用紙束とは先端位置が異なる位置に今回用紙束を停止させる場合であれば、前回用紙束と今回用紙束の用紙サイズが同じであっても、実施の形態の技術思想を適用できる。
【0072】
(変形例2)
実施の形態では、処理内容取得部200が用紙サイズに基づいて給紙部を自動でグループ分けする場合について説明したが、これには限定されない。ユーザの入力のみにより、給紙部がグループ分けされてもよい。この場合、処理内容取得部200は、異なる用紙サイズの用紙が積載される給紙部を同一のグループに設定することを禁止してもよい。具体的には、処理内容取得部200は、同一の用紙種別の用紙が積載される隣接する給紙部のうちの一番下の給紙部のグループ設定チェックボックス334を、チェック不可能にしてもよい。
【0073】
(変形例3)
実施の形態では、各給紙部38に対して、その棚40に積載されるあるいは積載される予定の用紙の用紙種別であって用紙サイズが設定された用紙種別を設定する場合について説明したが、これには限定されない。例えば、各給紙部38に対して、その棚40に積載されるあるいは積載される予定の用紙の用紙サイズを直接設定してもよい。
【0074】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの
連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば請求項に記載の蓄積部は、実施の形態に記載のバッファ部70により実現されてもよい。また例えば請求項に記載のサイズ取得部および設定部は、実施の形態に記載の処理内容取得部200により実現されてもよい。また例えば請求項に記載の給紙制御部は、実施の形態に記載の丁合制御部150により実現されてもよい。また例えば請求項に記載の位置決め機構は、実施の形態に記載の第1ガイド56と第2ガイド58とが連携することにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 製本システム、 12 丁合装置、 14 方向変換装置、 16 折り装置、 18 中綴じ装置、 26 統合制御装置、 38 給紙部、 70 バッファ部、 150 丁合制御部、 200 処理内容取得部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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