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特許7582704情報処理装置、情報処理方法、印刷制御プログラム、インクジェット記録装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、印刷制御プログラム、インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241106BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 308
G06F3/12 353
G06F3/12 331
B41J29/42 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023199419
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2020503674の分割
【原出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2024020526
(43)【公開日】2024-02-14
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2018036359
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-126021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する情報処理装置であって、
前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更手段と、
前記画像データにおいて、前記閾値より大きい画素値を有する画像領域と、前記閾値以下の画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された画像領域に対して、前記設定手段で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御手段と、
を備え
前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である情報処理装置。
【請求項2】
前記グラフィックユーザインタフェースは、スライドバーを含み、
前記変更手段は、前記スライドバー上をスライドするハンドルの位置に応じて、前記閾値を変更する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記画像データにおいて、前記閾値以下の画素値を有する画像領域に対して、前記閾値より大きい画素値を有する画像領域よりも厚いコーティング厚を設定する請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記画像データにおいて、前記閾値以上の濃度値を有する画像領域に対して、前記閾値より小さい濃度値を有する画像領域よりも厚いコーティング厚を設定する請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記画像データにおいて、前記閾値以下の画素値を有する画像領域に対してコーティング印刷を施し、前記閾値より大きい画素値を有する画像領域にはコーティング印刷を施さないように設定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記画像データにおいて、前記閾値以上の濃度値を有する画像領域に対してコーティング印刷を施し、前記閾値より小さい濃度値を有する画像領域にはコーティング印刷を施さないように設定する請求項1、2または4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記閾値で区切られる各々の画像領域に対して、任意のコーティング厚を設定可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像データを取得し、プレビュー表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記設定手段によって設定されたコーティング厚を前記プレビュー表示に反映させる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、コーティング印刷用の画像データと、下地印刷用の画像データの両方を表示させる請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記グラフィックユーザインタフェースは、前記閾値の入力欄を含み、
前記変更手段は、前記入力欄へ入力された数値に応じて、前記閾値を変更する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記設定手段で設定されたコーティング厚で前記画像データに対応するコーティング印刷を行なった場合のコストを算出するコスト算出手段をさらに有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記画像データを編集するための編集アプリケーションを呼び出す呼出手段をさらに有する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する情報処理方法であって、
前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更ステップと、
前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定ステップと、
前記設定ステップで設定された画像領域に対して、前記設定ステップで設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御ステップと、
を含み、
前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である情報処理方法。
【請求項14】
画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する印刷制御プログラムであって、
前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更ステップと、
前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定ステップと、
前記設定ステップで設定された画像領域に対して、前記設定ステップで設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御ステップと、
をコンピュータに実行させ
前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である印刷制御プログラム。
【請求項15】
画像データにおける領域と、コーティング印刷のコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供するインクジェット記録装置であって、
下地画像が印刷された用紙を搬送する搬送機構と、
搬送機構により搬送される用紙の、前記下地画像が印刷された基材に向けてコーティング印刷用のインクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更手段と、
前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された画像領域に対して、前記設定手段で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記インクジェットヘッドを制御する制御手段と、
を備え
前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値であるインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、情報処理装置、情報処理方法、印刷制御プログラム、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、紫外線硬化樹脂を用いて厚盛り印刷(emboss printing)する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5824712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
どの領域にどの程度の厚みでコーティング印刷を行なうかを、調整できることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する情報処理装置であって、前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更手段と、前記画像データにおいて、前記閾値より大きい画素値を有する画像領域と、前記閾値以下の画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された画像領域に対して、前記設定手段で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御手段と、を備え、前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する情報処理方法であって、前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更ステップと、前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定ステップと、前記設定ステップで設定された画像領域に対して、前記設定ステップで設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御ステップと、を含み、前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷制御プログラムは、画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚みとしてのコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、印刷装置でのコーティング厚を調整する印刷制御プログラムであって、前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更ステップと、前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定ステップと、前記設定ステップで設定された画像領域に対して、前記設定ステップで設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御ステップと、をコンピュータに実行させ、前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、画像データにおける領域と、コーティング印刷のコーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供するインクジェット記録装置であって、下地画像が印刷された用紙を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送される用紙の、前記下地画像が印刷された基材に向けてコーティング印刷用のインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更手段と、前記画像データにおいて、前記閾値以上の画素値を有する画像領域と、前記閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された画像領域に対して、前記設定手段で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記インクジェットヘッドを制御する制御手段と、を備え、前記画素値は、前記画像データの濃度に対応する値である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、どの領域にどの程度の厚みでコーティング印刷を行なうかを、調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る印刷システムによる印刷例を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の要部の詳細を模式的に示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置で用いられる下地画像およびレジストレーションマークが印刷された基材の一例を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の要部の詳細を模式的に示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の電子制御部を中心とする電気的構成を示す概略図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置を用いて印刷した印刷物の一例を示した図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置を用いて印刷した印刷物の一例を示した拡大図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置の処理の流れを説明するフローチャートである。
図15】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図16】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図17】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図18】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図19】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図20】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図21】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図22】本発明の第2実施形態に係る情報処理装置によって表示されるユーザインタフェースを示す図である。
図23】本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置の外観を示す図である。
図24図9のカラー図面である。
図25図10のカラー図面である。
図26図12の一部をカラーで示した図面である。
図27図13の一部をカラーで示した図面である。
図28図15の一部をカラーで示した図面である。
図29図16の一部をカラーで示した図面である。
図30図17の一部をカラーで示した図面である。
図31図18の一部をカラーで示した図面である。
図32図19の一部をカラーで示した図面である。
図33図20の一部をカラーで示した図面である。
図34図21の一部をカラーで示した図面である。
図35図22の一部をカラーで示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、図1を用いて説明する。情報処理装置100は、基材に対してコーティング印刷を行なう印刷装置120を制御する装置である。
【0014】
図1に示すように、情報処理装置100は、情報取得部101と画像生成部102と表示制御部103とを含む。
【0015】
情報取得部101は、基材に対してコーティング印刷を行なう際に用いられるコーティング画像データにおける画像領域ごとに設定された、コーティング印刷の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する。
【0016】
画像生成部102は、コーティング画像データを用いて、画像領域ごとの前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する。
【0017】
表示制御部103は、厚み表示画像データをディスプレイ110に表示させる。
【0018】
以上の構成によれば、ユーザ(作業者)は、より明確にコーティング厚の違いを把握することができる。
【0019】
[第2実施形態]
<印刷システムの構成>
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理装置201について、図2以降を用いて説明する。まず、図2は、情報処理装置201を利用して印刷を行なう印刷システム200の概略構成を示している。印刷システム200は、情報処理装置201とインクジェット記録装置203とをネットワーク202を介して接続したシステムである。インクジェット記録装置203は、通常のインク以外に、活性エネルギー線硬化性インクを用いて印刷を行なうことが可能な機構を有している。ユーザ204は、情報処理装置201がディスプレイ205に表示させた画面を用いて、ネットワーク202を介してインクジェット記録装置203を制御し、所望の画像記録を行なうことができる。本実施形態に係る活性エネルギー線硬化性インクは、例えば、活性エネルギー線硬化性モノマーおよび/または活性エネルギー線硬化性オリゴマーと、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含有し、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化する性質を有する。
【0020】
<印刷物の構成>
図3は、活性エネルギー線硬化性インクを用いて印刷した印刷物300の斜視図である。図3に示されるように、印刷物300は、紙などの基材303上に、下地画像302およびコーティングプリント画像301を施したものである。
【0021】
活性エネルギー線硬化性インクによるコーティングプリント画像301(別名オーバープリント画像)は、基材303上に、垂直方向に盛り上った立体的形状を備えて形成される。ここでは、例として、コーティングプリント画像301は、アルファベットDの形状を有している。図3に示されるように、コーティングプリント画像301は、何も印刷されていない基材303の表面に直接印刷されていてもよいし(310)、基材303にあらかじめ施された下地画像302の上に印刷されていてもよい(320)。
【0022】
コーティングプリント画像301は、基材303を平面から視た場合において、下地画像302と略同一位置に同一形状に形成されてもよいし(320)、意図的に下地画像302とはずれた位置に異なる形状で形成されてもよい(330)。
【0023】
このようなコーティングプリントによれば、基材に印刷された下地画像にマット感や、ツヤ感を加えて意匠的に際立たせるという効果の他、コーティングそのものの立体的な意匠によって、従来の平面的なプリントとは異なる美感を起こさせるという効果がある。
【0024】
なお、基材303としては、普通紙、アート紙、写真紙、名刺用紙、はがき、コート紙、マットコート紙、上質紙、特殊紙等の印刷紙、ポリカーボネート、硬質塩ビニル、軟質塩ビニル、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材、これらのプラスチック基材を貼り合わせたラミネートフィルム、これらのプラスチック基材を混合または変性させた材料、ガラス、ステンレスなどの金属基材、木材を例示することができるが、これに制限されるものではない。
【0025】
また、活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等を用いることができる。
【0026】
<インクジェット記録装置の構成>
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置203の内部を模式的に示す図である。インクジェット記録装置203は、例えば、あらかじめ下地画像が印刷された基材に対し、その下地画像にコーティングするように活性エネルギー線硬化性インクによるコーティングを形成するコーティング印刷処理を実行できる。また、インクジェット記録装置203は、印刷による画像形成がされていない基材に対しても、活性エネルギー線硬化性インクからなるコーティングを形成する処理を実行する。
【0027】
インクジェット記録装置203は、搬送エレメント401、コーティング画像記録装置402およびスタッカ403を備える。搬送エレメント401は、基材テーブル411および基材供給機構412を有する。基材テーブル411には、例えば、別の電子写真式記録装置にてあらかじめ下地画像が印刷された基材が積載される。なお下地印刷は電子写真式に限らず、インクジェット式、オフセット式等、どのような印刷方式であってもよい。
【0028】
基材テーブル411は、昇降可能に構成され、積載された基材のうち最上位に位置する基材が基材供給機構412によって供給される。このように、搬送エレメント401は、基材テーブル411、基材供給機構412を備えた基材を搬送する搬送エレメントである。
【0029】
搬送エレメント401によって搬送される基材は、画像を記録することができる材料であれば特に制限されるものではないが、紙、表面加工された紙等の用紙、プラスチック板、金属薄膜等であればよい。
【0030】
基材供給機構412により送り出された基材は、搬送路413に沿って搬送される。搬送路413の下流側部分に沿ってコーティング画像記録装置402が設けられている。コーティング画像記録装置402には、搬送路413に沿って搬送された基材を搬送するベルト搬送機構421が設けられている。ベルト搬送機構421は、ベルトに形成された孔を通じたエアの吸引力によって基材を搬送面上に吸着しながら搬送する。ベルト搬送機構421の上方には、基材の搬送方向上流側から、画像読取装置422、インクジェットヘッドユニット423および活性エネルギー線照射装置424が設けられている。
【0031】
コーティング画像記録装置402の下流側には排出路426が接続されている。ベルト搬送機構421から搬送された基材は、排出路426に送り込まれる。排出路426に送り込まれた基材は、スタッカ403に搬出される。スタッカ403は、搬送路431および基材蓄積部432を有する。排出路426から搬出された基材は、搬送路431を経て、基材蓄積部432に排出され蓄積される。
【0032】
なお、搬送エレメント401に代えて、下地画像を印刷するためのプリンタをコーティング画像記録装置402に直接接続してもよい。また、スタッカ403に代えて、送り出される基材を切断したり、綴じたりする後処理を行う装置をコーティング画像記録装置402に接続してもよい。
【0033】
インクジェット記録装置203は、また、電子制御部404を有する。電子制御部404は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する。電子制御部404は、インクジェット記録装置203内に設けられたアクチュエータの作動などを制御する。これにより、基材に向けて、活性エネルギー線硬化性インクをインクジェットヘッドユニット423から吐出して、コーティング印刷処理を実行する。
【0034】
同様に、電子制御部404は、インクジェットヘッドユニット423から印刷による画像形成がされていない基材に向けて、活性エネルギー線硬化性インクを吐出して、当該インクからなるコーティング層を形成する処理を実行する。
【0035】
インクジェット記録装置203には、操作パネル427が設けられており、ユーザは、この操作パネル427を介した操作入力により、コーティング印刷処理の各種設定を行うことができる。なお、変形例としては、情報処理装置201のディスプレイ、マウス、キーボードを操作パネルとして機能させてもよく、その情報処理装置201を電子制御部404として機能させてもよい。
【0036】
図5は、インクジェット記録装置203の要部であるコーティング画像記録装置402の詳細を模式的に示す図である。図5は、その側面図である。図5に示されるように、コーティング画像記録装置402は、ベルト搬送機構421の一部として、基材303を搬送する複数の搬送ローラ521を備える。図6に示すとおり、この基材303としては、下地画像302と、その下地画像の位置を特定するための基準となるレジストレーションマーク601とが印刷されているものを用意する。レジストレーションマーク601は、基材303の両長辺に沿って一直線上に等間隔に配置されており、短辺方向に対称位置に配置されている。
【0037】
図5に示すとおり、画像読取装置422の上流側には、その回転数から基材303の搬送量を算出するためのエンコーダ522(ロータリエンコーダ)が設置されている。また、画像読取装置422とエンコーダ522との間には、搬送エレメント401から搬送されてきた基材303の先端を検出するための入基材センサ523が配設されている。
【0038】
電子制御部404は、入基材センサ523による基材303の検出をトリガとして、エンコーダ522の出力パルスを取得し、基材303の搬送位置を算出する。そして、基材303の位置に基づいて、画像読取装置422の撮像タイミング、インクジェットヘッドユニット423による活性エネルギー線硬化性インクの吐出タイミング、活性エネルギー線照射装置424による活性エネルギー線の照射タイミングを設定する。
【0039】
図7に示されるように、画像読取装置422は、ベルト搬送機構421の上方にて基材の幅方向に離間して配置される一対のイメージセンサ724、725を含む。これらのイメージセンサ724、725は、CCD(Charge Coupled Device)センサが好ましいが、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサ、その他のイメージセンサにて構成してもよい。
【0040】
イメージセンサ724は、基材303の幅方向(図中縦方向)の一端側に固定され、イメージセンサ725は、基材303の幅方向の他端側において、基材303の幅方向に可動に設けられている。すなわち、イメージセンサ725を基材の幅方向に移動することにより、基材303の大きさに応じてイメージセンサの間隔を調整することができる。イメージセンサ724、725は、エンコーダ522によって算出される基材303の位置に基づき、所定のタイミングで撮像する。所定のタイミングは、記憶部844に記憶されたレジストレーションマーク601の設計位置に基づいて、事前に決定されている。この撮像画像中に含まれるレジストレーションマーク601の位置(実測位置)に基づいて、基材303における下地画像302の印刷位置の、設計位置からの「ずれ」を認識することができる。インクジェットヘッド526による活性エネルギー線硬化性インクの吐出位置を、認識した「ずれ」に応じて修正することにより、下地画像302と、コーティングプリント画像とを正しく位置合わせすることが可能となる。なお、基材303がイメージセンサ724、725を通過中に、イメージセンサ724、725により連続的に撮像した撮像画像から、エンコーダ522によって算出される基材303の位置と、レジストレーションマーク601の設計位置に基づいて、レジストレーションマーク601の実測位置を取得すべき画像を選択してもよい。
【0041】
なお、図6ではレジストレーションマーク601が、基材の両長辺に沿って一直線上に等間隔で配置されているが、この配置は一例であり、必ずしも等間隔でなくても、一直線上でなくてもよい。要するに、イメージセンサ724、725で読み取ることができ、あらかじめ記憶した設計位置と比較し、「ずれ」を認識できればよい。
【0042】
インクジェットヘッドユニット423は、基材303に対して活性エネルギー線硬化性インクを吐出する3つのインクジェットヘッド526を備える。これら3個のインクジェットヘッド526は、いわゆる「記録ヘッド」として機能する。インクジェットヘッド526から吐出された活性エネルギー線硬化性インクは、活性エネルギー線照射装置424から照射される活性エネルギー線によって、硬化する。
【0043】
インクジェットヘッドユニット423は、その温度を一定に保つためのヒータ527を備えている。インクジェットヘッドユニット423が備えているヒータ527の配置は、インクジェットヘッドユニット423の温度を一定に保つことができれば、特に制限されるものではない。つまり、ヒータ527をインクジェットヘッドユニット423の外部に設置しても、その内部に設置してもよいし、内部と外部の両方に設置してもよい。
【0044】
インクジェットヘッドユニット423は、ベルト搬送機構421の上方に配置されている。インクジェットヘッドユニット423には、ベルト搬送機構421によって、搬送される基材の搬送直交方向に各々ノズルが均等に並ぶようにインクジェットヘッド526が列設されている。さらに、インクジェットヘッド526は、隣接するインクジェットヘッド526との間において、隙間が発生しないようにオーバーラップして配置されている。
【0045】
インクジェットヘッド526の数は3つに限定されるものではなく、2つでもよいし、4つ以上設けてもよい。一方で、インクジェットヘッド526は、基材303の幅方向に長い単一のインクジェットヘッドであってもよい。また、インクジェットヘッド526が有する吐出孔は、基材の幅方向と所定角度傾いて配置されていてもよい。すなわち、インクジェットヘッド526が有する吐出孔は、基材の搬送方向と非平行である所定方向に並ぶように配置されてもよい。また、インクジェットヘッド526としては、2ライン以上を有し、同時に活性エネルギー線硬化性インクを吐出するインクジェットヘッドが用いられてもよい。
【0046】
活性エネルギー線照射装置424は、上流側から搬送された基材303上に塗布された活性エネルギー線硬化性インクに対して活性エネルギー線を照射することにより、そのインク層を硬化させる。
【0047】
図8は、インクジェット記録装置203の電子制御部404を中心とする電気的構成を示す機能ブロック図である。これらの機能は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)などのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0048】
電子制御部404は、データ取得部841、補正部842、吐出制御部843、および記憶部844を有する。
【0049】
データ取得部841は、通信ユニット801を介して情報処理装置201から、コーティング画像データ(色、位置、形状、厚さに関する情報を含む)を取得する。
【0050】
記憶部844は、データ取得部841が取得した下地画像の画像データ(いわゆるCMYKデータ)およびコーティングプリント画像の画像データ(いわゆるニス版、特色版)を記憶する。記憶部844は、また、複数のレジストレーションマーク601の基材303上の印刷位置とその形状に関する情報を記憶する。
【0051】
吐出制御部843は、記憶部844に記憶されたコーティング画像データを参照して、下地画像が施された基材303上に活性エネルギー線硬化性インクをコーティングするように当該インクの吐出量を制御する。
【0052】
補正部842は、イメージセンサ724、725によるレジストレーションマーク601の読取り位置および読取り形状と、事前に記憶部844に記憶した印刷位置および形状とを比較することにより、基材303の下地画像の印刷ずれを検出する。補正部842は、記憶部844から読出したレジストレーションマークの位置情報(設計位置)と、画像読取装置422で読み取った実際のレジストレーションマークの位置情報(実測位置)とに基づいてコーティング画像データを補正する。
【0053】
補正部842は、下地画像の設計値と下地画像の実測値との差分をレジストレーションマークの位置変化に基づいて算出し、コーティング画像データに対して、その差分を補填するための補正処理を実行する。
【0054】
吐出制御部843は、補正部842で補正された後のコーティング画像データに基づいて、インクジェットヘッドユニット423の活性エネルギー線硬化性インクの吐出タイミングと吐出量との制御を実行する。
【0055】
電子制御部404には、通信ユニット801を介して情報処理装置201から取得した信号および、操作パネル427からの信号が入力される。この操作パネル427には、コーティング印刷処理を開始させるためのスタートスイッチ、コーティング印刷処理を停止させるためのストップスイッチ等、種々のスイッチが含まれる。
【0056】
電子制御部404には、また、エンコーダ522、入基材センサ523、イメージセンサ724、725等からの検出信号が入力される。電子制御部404は、それらのスイッチ・センサ入力に基づいて、給基材制御、搬送制御、活性エネルギー線硬化性インクの吐出制御、活性エネルギー線の照射制御等のための所定の演算処理を実行する。また、電子制御部404は、搬送エレメント401、ベルト搬送機構421、インクジェットヘッドユニット423、活性エネルギー線照射装置424等に制御指令信号を出力する。
【0057】
図9は、インクジェット記録装置203を用いて形成された印刷物900の一例を示す図である。図10は、図9の一部を拡大した拡大図である。
【0058】
図10に示すとおり、印刷物900は、下地画像と略同一形状を維持しつつ、垂直方向に盛り上がった立体的形状を備えたコーティングプリント画像1001と、下地画像と異なる形状および位置に形成されたコーティングプリント画像1002とを含む。
【0059】
<情報処理装置の構成>
図11は、情報処理装置201の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置201は、GUI(Graphic User Interface)表示制御部1101、画像データ指定部1102、プレビュー画像生成部1103、画像編集アプリケーション呼出部1104、レジストレーションマークデータ生成部1105を有する。また情報処理装置201は、さらに、パラメータ入力部1106、厚み上限設定部1107、厚み階調決定部1108、閾値変更部1111、厚み設定部1112、表示制御部1113およびジョブ送信部1114を備える。
【0060】
これらの機能は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM(Random Access Memory)などのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
【0061】
情報処理装置201は、以上の機能を用いて、画像データにおける領域と、基材に対するコーティング印刷の厚み(コーティング厚)と、の対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、インクジェット記録装置203でのコーティング厚を調整する。図12は、グラフィックユーザインタフェース1200の一例を示す図である。
【0062】
GUI表示制御部1101は、図12に示すユーザインタフェース1200をディスプレイ205に提供する。
【0063】
画像データ指定部1102は、ユーザインタフェース1200に対するユーザの入力に従い、画像データベース1120に格納された画像データから、コーティング印刷用の画像データ(コーティング画像データ)を指定する。
【0064】
プレビュー画像生成部1103は、指定されたコーティング画像データを用いて、画像領域ごとの前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する。GUI表示制御部1101は、プレビュー画像生成部1103が生成した厚み表示画像データをディスプレイ205に表示させる。
【0065】
画像編集アプリケーション呼出部1104は、ユーザインタフェース1200に対するユーザの入力に従い画像データ指定部1102によって指定された画像データを編集するためのアプリケーションを呼出す。
【0066】
レジストレーションマークデータ生成部1105は、ユーザインタフェース1200に対するユーザの入力に従い、指定された画像データから、レジストレーションマークデータを生成する。
【0067】
パラメータ入力部1106は、ユーザインタフェース1200を介して、様々なパラメータを入力する。
【0068】
厚み上限設定部1107は、パラメータ入力部1106が入力したコーティング印刷の厚みの上限値(例えば20μm~80μm)を設定する。
【0069】
厚み階調決定部1108は、厚み上限設定部1107が設定したコーティング厚の上限値に応じて、コーティング印刷の厚みの階調を決定する。例えば、コーティング厚の上限値が20μmであれば、コーティング無し(0μm)と20μmの2階調となる。例えば、コーティング厚の上限値が80μmであれば、コーティング無し(0μm)、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μmの8階調となる。10μmは本実施形態では設定がないが、需要に応じて10μmを含むように設定してもよいし、より厚い90μmを含むように設定してもよい。
【0070】
閾値変更部1111は、パラメータ入力部1106の入力に応じて、コーティング厚調整用の閾値(画素値)を変更する。
【0071】
厚み設定部1112は、画像データ指定部1102が指定した画像データにおいて、閾値変更部1111が設定した閾値以上の画素値を有する画像領域と、その閾値より少ない画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する。すなわち、厚み設定部1112は、基材に対してコーティング印刷を行なう際に用いられるコーティング画像データにおける画像領域ごとに設定された、コーティング印刷の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する。
【0072】
コスト算出部1113は、厚み設定部1112で設定されたコーティング厚で画像データに対応するコーティング印刷を行なった場合のコストを算出する。
【0073】
ジョブ送信部1114は、厚み設定部1112で設定された画像領域に対して、厚み設定部1112で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうようにインクジェット記録装置203を制御する。
【0074】
<ユーザインタフェースの構成>
図12は、ユーザインタフェース1200の一例を示す図である。用紙サイズボタン1201は、不図示の用紙サイズ設定ダイアログボックスを立ち上げ、用紙サイズリストから用紙サイズを選択する、またはカスタムサイズを設定するためのボタンである。
【0075】
画像データボタン1202は、画像データを指定するためのボタンであり、このボタンの選択により、画像データ指定部1102は、情報処理装置201の画像データベース1120に格納された画像データから、コーティング印刷用の画像データを指定する。
【0076】
レジストレーションマークデータ生成ボタン1203が選択されると、レジストレーシ
ョンマークデータ生成部1105が、不図示のレジストレーションマーク生成ダイアログ
ボックスを立ち上げ、入力される座標情報から、レジストレーションマークを生成して保
存する。既にレジストレーションマークデータが、画像データベース1120に格納され
ている場合には、レジストレーションマークデータボタン1204を選択することにより
、レジストレーションマークデータを指定することができる。
【0077】
補正モードボタン1205は、レジストレーションマークを用いて、コーティング印刷の位置を補正する際の補正モードを指定するためのボタンである。プルダウンメニューにより、「リアルタイム」、「先端後端」、「先端」、「手動」を選択できる。リアルタイム補正では、搬送されてくる基材に印刷されている全てのレジストレーションマークを読んで、画像データ中のレジストレーションマークデータと照合する。先端/後端補正では、搬送されている基材の先端と後端のレジストレーションマークだけを読み、画像データ中のレジストレーションマークデータと照合する。先端補正では、搬送される基材の先端のレジストレーションマークだけを読み、画像データ中のレジストレーションマークデータと照合する。「手動」は、搬送される基材にレジストレーションマークが印刷されていない場合に使用する。
【0078】
仕上がり厚さ設定用スライドバー1206は、コーティング厚の上限を設定するためのスライドバーであり、ハンドル1261を左右に移動させて、コーティング厚の上限の変更することができる。ハンドル1261の位置に応じて、厚み上限設定部1107は、コーティング厚の上限値(例えば20μm~80μm)を設定し、厚み階調決定部1108は、コーティング印刷の厚みの階調を決定する。厚み階調決定部1108が、2階調から8階調までの7つの選択肢から階調を決定すると、その結果が厚み階調表示部1209に表示される。図12では、ハンドル1261が上限値を50μmに設定する位置にあり、5階調のため、0μm、20μm、30μm、40μmおよび50μmの厚みでコーティング印刷を行なう。厚み階調表示部1209は、カラーでのプレビュー画面における厚みと色の対応をも示している。具体的には、50μm厚の領域を赤色の領域1209rで、40μm厚の領域を黄色の領域1209yで、30μm厚の領域を緑色の領域1209gで、20μm厚の領域を青色の領域1209bで、コーティング印刷を行なわない領域を白色の領域1209wで表示することを表わしている(なお、図12では、色のついた領域をハッチングで示し、ハッチングの種類と色相とを対応させ、色相の違いをハッチングの種類の違いで示している。図13、15-22についても同様である)。なお、コーティングの厚みの違いと色の組み合わせを自由に設定できるようにしてもよい。
【0079】
プレビュータブ1207は、プレビュー画面をカラー表示させるためのものであり、画像データボタン1202で指定された画像データに対応する画像が表示エリア1208に表示される。その際、プレビュー画像生成部1103がコーティング画像データを用いて生成した、画像領域ごとのコーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データに対応する画像1230を表示する。プレビュー画像生成部1103は、具体的には、コーティング画像データを用いて、画像領域ごとのコーティング厚の違いを、赤色、緑色、黄色、および青色の少なくともいずれか2色で表現した厚み表示画像データを生成する。特に、プレビュー画像生成部1103は、厚み表示画像データとして、コーティング厚が増えるにつれて、青から緑、緑から黄色、黄色から赤へと変化する画像データを生成し、ディスプレイ205に表示させる。厚み表示画像データは、コーティング厚の違いを、さらに無彩色と有彩色の違いで表現したデータでもよい。例えば、コーティング印刷を行わない領域(コーティング厚が0の領域)を無彩色、例えば黒または白で表示してもよい。複数のコーティング厚さ領域を、より明確に表現するために、コーティング領域の輪郭をコーティング領域と別の色または濃さで縁取ってもよい。図12の例では、画像1230のうち、50μm厚でコーティング印刷されるべきオブジェクト1230rが赤、40μm厚でコーティング印刷されるべきオブジェクト1230yが黄色、30μm厚でコーティング印刷されるべきオブジェクト1230gが緑、20μm厚でコーティング印刷されるべきオブジェクト1230bが青で表示され、それ以外の部分はコーティング印刷を行わない領域であるので、白で表示されている。これらの色相は、厚み階調表示部1209における各領域に表示された色と、コーティング厚みごとに同一の色となっている。本実施形態における画像1230はオブジェクトごとに所定のコーティング厚みが指定されているが、同一オブジェクト内にコーティング厚みが異なる領域が存在するように指定してもよく、その場合には領域ごとにコーティング厚みに対応した色相で表示されることはいうまでもない。
【0080】
ここでは、コーティング印刷用の画像データに対応する画像のみを表示しているが、下地印刷用の画像データを読み出し、下地画像を、コーティング画像と同時に表示させてもよい。例えば、コーティング画像を透過表示して、下地画像と重畳表示してもよいし、コーティング画像と下地画像とを並列表示してもよい。さらには、下地画像とコーティング画像とを一定時間ごとに切り替え表示してもよい。
【0081】
プレビュータブ1229は、プレビュー画面をグレースケール表示させるためのものであり、図13に示すように画像データボタン1202で指定された画像データに対応する画像1330が表示エリア1208に表示される。
【0082】
厚さしきい値タブ1212は、コーティング厚調整用の閾値(画素値)を変更する画面を表示エリア1208に表示させるためのタブである。
【0083】
リストボタン1213は、ジョブの履歴とジョブリストを表示するボタンである。開くボタン1214は、保存したジョブを開いてジョブウィンドウに表示するボタンである。保存ボタン1215は、作成したジョブを保存するボタンである。新規ボタン1216は、新規ジョブを作成するボタンである。送信ボタン1217は、ジョブウィンドウに表示しているジョブをインクジェット記録装置203に送信するボタンである。
【0084】
機能ボタン1218は、インクジェット記録装置203の電源オンオフや、活性エネルギー線照射装置424の照射時間の設定や、省エネ設定、給紙テスト枚数の設定等を行なうためのボタンである。
【0085】
モニタボタン1219は、インクジェット記録装置203の状態をモニタするためのボタンであり、このボタンの選択により、エラー発生の有無やエラー発生個所、エラーコード、インクの残量などを表示する。
【0086】
送信ボタン1217によってジョブのインクジェット記録装置203に対する送信が成功すると、アクションボタン1221~1228がカラー表示になり、選択可能となる。ここで、給紙テストボタン1221は、印刷はせず、設定したシート枚数の給紙を行なうためのボタンである。テストボタン1222は、全ての処理を1シートだけ行なうボタンである。スタートボタン1223は、印刷処理を開始するためのボタンである。ストップボタン1224は、印刷処理を停止するためのボタンである。数値入力ボタン1225は、数値入力画面が表示させて、シート枚数を入力するためのボタンである。カウントクリアボタン1226は、印刷処理済み枚数またはシート枚数をクリアするためのボタンである。カウント方法切換ボタン1227は、印刷処理済み枚数の表示形式を加算または減算の間で切り換えるためのボタンである。カウントリピート設定ボタン1228は、カウントリピートのオン、オフを設定するボタンであり、オンの場合、セット部数分の印刷処理が完了したらインクジェット記録装置203が自動で停止する。オフの場合、印刷処理が完了したらインクジェット記録装置203の処理済み部数をクリアし、ウェイティングモードに入る。
【0087】
<処理の流れ>
ユーザインタフェース1200を用いた情報処理装置201の処理の流れについて、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
まず、ステップS1401では、インクジェット記録装置203用の制御アプリケーションを立ち上げる。これによりユーザインタフェース1200が表示される。次にステップS1403において、ユーザインタフェース1200への入力に基づいて、用紙サイズ、コーティング印刷用画像データ、レジストレーションマークデータを指定する。さらにステップS1405では、仕上がり厚さ設定用スライドバー1206におけるハンドル1261の位置に応じて厚み上限設定部1107が厚さの上限値を設定する。
【0089】
ステップS1407では、厚さしきい値タブ1212を選択して、コーティング厚調整用の閾値(画素値)を変更する画面を表示エリア1208に表示させる。図15図20は、コーティング厚調整用画面の例を示す図である。図15は、仕上がり厚さ設定用スライドバー1206を用いて厚さ上限値を20μmとした場合のコーティング厚調整用画面1501を示している。厚さ上限値を20μmとした場合、コーティング印刷では、コーティング無し(0μm)と20μmの2階調となる(厚み階調表示部1209のカラー表示は、20μm厚の領域を赤色の領域1209rで、コーティング印刷を行なわない領域を白色の領域1209wで表示している)。したがって、一つの画素値を閾値として決めれば、画像データボタン1202で指定された画像データにおいて、その閾値よりも大きな画素値を有する画像領域に対してのみ20μm厚のコーティング印刷を行なう。この図では、閾値表示欄1502には、画素値127(濃度50%)が表示されているが、スライドバー1503上でハンドル1504の位置を変えることにより、閾値としての画素値が0(濃度100%)~255(濃度0%)の間で変化する。さらに、閾値の値に応じて、閾値表示部1502の背景の濃度が変化する。閾値表示部1502の背景の濃度が濃い場合には、コーティングが厚い領域が小さくなり、閾値表示部1502の背景の濃度が薄い場合には、コーティングが厚い領域が大きくなる。
【0090】
なお、ここでは、最低厚さを20μmとしているが、需要に応じて10μmを含むように設定してもよい。また、本実施形態ではコーティング厚が10μm区切りに設定されているが、それよりも細かく(例えば5μmごと)、あるいは粗く(例えば20μmごと)てもよいし、必ずしも等間隔でなくてもよい。また、段階ごとのコーティング厚をユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0091】
ハンドル1504を図中左に移動させて閾値を0とすれば、閾値0以下の画像領域は存在しないので、コーティング印刷は行なわないことになる。一方、ハンドル1504を図中右に移動させて閾値を254とすれば、空白(画素値255)として設定されている画像領域を除いた画像全体が輝度値254以下(濃度0%以上)なので、基材の全面空白として設定されている画像領域を除いた部分に20μmのコーティング印刷を行なうことになる。コーティング画像は通常、「何も印刷しない」空白部分として設定された画素があり、空白部分は画素値255と設定されている一方で、閾値は最大254までしか設定できない。すなわち閾値をどのように設定しても(最大としても)、空白部分にはコーティングが行われないようになっている。したがって254にしても通常、全面コーティングにはならない。
【0092】
図のように、ハンドル1504が真ん中にあり閾値が127の場合には、画素値127以下の画像領域のみを20μm厚でコーティング印刷する。スライドバー1503の上方には、グラデーション表示部1507とコーティング厚表示部1508と、コーティング厚切替位置表示部1509と色相表示部1510が表示されている。コーティング厚切替位置表示部1509は、常にハンドル1504の位置の真上に位置しており、ハンドル1504の移動に合わせて左右に移動する。つまり、ハンドル1504を左に動かすと、コーティング厚表示部1508におけるコーティング厚20μmのエリア(左側)が小さくなり、コーティング厚0μmのエリア(右側)が大きくなる。一方、ハンドル1504の位置を変えても、グラデーション表示部1507の背景は変化しないが、色相表示部1510は、左から、コーティング厚20μmを表す赤色と、コーティング厚0μmを表す白色とが表示され(すなわち厚み階調表示部1209と同一の色が同一の順序で表示され)、各色(ここでは赤と白)の領域の大きさが変化する。これにより、コーティング厚の切替位置が、プレビュー画面中のどの画素値に対応する位置になるか、どの濃さの領域にどのコーティング厚が適用されるか、をユーザが直感的に認識可能となる。
【0093】
GUI表示制御部1101およびプレビュー画像生成部1103は、このようにコーティング厚を決められた画像領域をプレビュー表示に反映させてもよい。例えば、コーティング厚の違いを、色の違いとしてプレビュー表示に反映させることが好ましい。
【0094】
プラスボタン1505またはマイナスボタン1506を選択することにより、ハンドル1504は、右または左に移動し、閾値表示欄1502の閾値は1ずつ増減する。なお、閾値表示欄1502を閾値の入力欄として、直接閾値を数値入力できる構成でもよい。
【0095】
図16は、仕上がり厚さ設定用スライドバー1206を用いて厚さ上限値を30μmとした場合のコーティング厚調整用画面1601を示している。厚さ上限値を30μmとした場合、コーティング印刷では、最大で、コーティング無し(0μm)と20μmと30μmの3階調となる(厚み階調表示部1209のカラー表示は、30μm厚の領域を赤色の領域1209rで、20μm厚の領域を青色の領域1209bで、コーティング印刷を行なわない領域を白色の領域1209wで表示し、色相表示部1510にも厚み階調表示部1209と同一の色が同一の順序で表示される)。したがって、2つの画素値を閾値として決めることができる。図16のように、ハンドル1504で定義される閾値が画素値85で、ハンドル1604で定義される閾値が画素値170の場合には、画像データ中、画素値85以下の画像領域を30μm厚でコーティング印刷し、画素値85より大きく170未満の画像領域を20μm厚でコーティング印刷し、画素値が170より大きい画像領域はコーティング印刷を行なわない。このようにして、画像データで示されたコーティング画像中、どの領域にどの程度の厚みでコーティング印刷を行なうかを、調整することができる。この場合、カラーのプレビュー画面では、画素値85以下の画像領域を「赤」で表示し、画素値85より大きく170未満の画像領域を「青」で表示する。画素値が170より大きいコーティング印刷を行なわない画像領域は「白」で表示する。カラーのプレビュー画面のコーティング厚と色の対応関係は、厚み階調表示部1209のものと一致する。
【0096】
図17図21は、仕上がり厚さ設定用スライドバー1206を用いて厚さ上限値を40μm~80μmとした場合のコーティング厚調整用画面1701~2101を示している。これらの図から分かるとおり、仕上がり厚さの階調数が増えると、その階調数に応じて閾値が増えるため、閾値を決めるためのスライドバーおよびハンドルも増える。具体的には階調数よりも1減算した数のスライドバーおよびハンドルが表示される。また、厚み階調表示部1209には階調数と同数のカラー表示により、階調ごとに異なる色で表示する、図17~21において、1209rは赤色、1209mはマゼンタ、1209orはオレンジ、1209yは黄色、1209gは緑色、1209lbは水色、1209bは青色、1209wは白色で各々表示する。また、各画面の色相表示部1510にも厚み階調表示部1209と同一の色が同一の順序で表示される。また、各々の画面からカラーのプレビュー画面に切り替えると、各々のコーティング厚でコーティングされるべき領域ごとに異なる色相で表示され、そのコーティング厚と色の対応関係は、厚み階調表示部1209のものと一致する。
【0097】
図22は、図21において、ハンドル1604を、ハンドル1504よりも右に移動させた場合の表示画面2201の変化を示す図である。ハンドル1604を、ハンドル1504よりも左に移動させると、ハンドル1604が規定する閾値が、ハンドル1504が規定する閾値以下になる。これにより、ハンドル1504が規定する閾値より大きく、ハンドル1604が規定する閾値以下となる画素値が存在しなくなる。結果的に、厚さ70μmの画像領域(色相表示部1510においては、マゼンタで表示した部分)が消滅し、実質的にコーティング厚さの階調は、0μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、および80μmの7階調に減ってしまう。この状態でカラーのプレビュー画面に切り替えると、この7階調に各々相当するコーティング厚でコーティングされるべき領域ごとに異なる色相で表示される。同様にして、例えば上限値80μmとしつつ、0μm、30μm、50μm、および80μmの4階調とするなど、非常に多様なコーティング厚さ分布を簡単に実現することができ、その階調数に応じた色数でのプレビュー表示を行うことができる。
【0098】
ステップS1409では、ステップS1403で指定されたコーティング画像データにステップS1407によって設定された厚さデータを統合して、画像領域ごとのコーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する。
【0099】
ステップS1411では、GUI表示制御部1101が、厚み表示画像データを用いて、プレビュー画面をディスプレイ205に表示させる。
【0100】
ステップS1413では、画像編集アプリケーション呼出部1104が画像データを編集するためのアプリケーションを呼出すことにより、プレビュー画面に表示された画像に対して、必要に応じて編集を加える。例えば、コーティング領域を大きくしたり小さくしたり位置をずらしたりといった編集を行なうこともできる。
【0101】
ステップS1415では、指示に応じて印刷装置にジョブを送信する。
【0102】
本実施形態においては、設定された最大厚みに対し、閾値で区分される各階調の厚みが自動決定される。しかし、このような形態に限られず、閾値で区分される各階調に対し、任意の厚みが設定できるようにしてもよい。具体的には、厚みの設定をクリアするなどして設定が無い状態から、画素値が小さいほど厚みが大きくなるように、任意の数値を順次設定できるようにしてもよい。また、図21のようにあらかじめ設定された各厚みを選択し、任意の数値に変更可能としてもよい(このとき、画素値が小さいほど厚みが大きくなるように、数値設定可能範囲を制限してもよい)。この変形例によれば、画素値が小さいほど厚みを大きくして美しい階調を得ながら、各々の厚みが自由に設定でき、表現の自由度が向上する。
【0103】
以上、本実施形態によれば、ユーザが、画像における領域ごとのコーティング厚を容易に把握、認識することができ、簡易かつ直感的にコーティング厚さを確認することができる。
【0104】
本実施形態においては、情報処理装置201とインクジェット記録装置203との間にネットワーク202が介在している構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、情報処理装置201がダイレクトにインクジェット記録装置203に接続されてもよい。すなわち、記録装置の制御にネットワークを介しているか否かにかかわらず採用可能である。
【0105】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置2300について、図23を用いて説明する。図23は、本実施形態に係るインクジェット記録装置2300の外観を示す図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置2300は、上記第2実施形態と比べると、図12に示したユーザインタフェース1200を表示するディスプレイ2301を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0106】
本実施形態によれば、ユーザ2350は、インクジェット記録装置2200を直接操作して、簡易かつ直感的に、多様なコーティング厚さを認識することができる。
【0107】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範疇で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0108】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non―transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
上記特許文献1に記載の技術では、印刷前に、どの部分をどの程度厚く印刷するのか、明確に画像表示されないため、微妙な厚みの違いを作業者が事前確認することが難しかった。本願に記載の発明は、この課題を解決する以下の態様を備え、画像中におけるコーティング印刷の度合いを明確に確認できる。
[態様1]
態様1は、基材に対してコーティング印刷を行なう際に用いられるコーティング画像データにおける画像領域ごとに設定された、コーティング印刷の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する情報取得手段と、前記コーティング画像データを用いて、前記画像領域ごとの前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する画像生成手段と、前記厚み表示画像データをディスプレイに表示させる表示制御手段と、を有する情報処理装置である。
[態様2]
態様2は、前記画像生成手段は、前記コーティング画像データを用いて、前記画像領域ごとの前記コーティング厚の違いを、赤色、緑色、黄色、および青色の少なくともいずれか2色で表現した厚み表示画像データを生成する態様1に記載の情報処理装置である。
[態様3]
態様3は、前記厚み表示画像データは、前記コーティング厚が増えるにつれて、青から緑、緑から黄色、黄色から赤へと変化する画像データである態様1に記載の情報処理装置である。
[態様4]
態様4は、前記厚み表示画像データは、前記コーティング厚の違いを、さらに無彩色と有彩色の違いで表現したデータである態様1に記載の情報処理装置である。
[態様5]
態様5は、前記厚み表示画像データは、前記コーティング厚が0の領域を、無彩色で表現したデータである態様1に記載の情報処理装置である。
[態様6]
態様6は、前記厚み表示画像データを生成するために、前記コーティング厚に対応する色を自由に設定可能である態様1に記載の情報処理装置である。
[態様7]
態様7は、画像データにおける領域と、前記コーティング厚との対応関係を調整するためのグラフィックユーザインタフェースを提供し、前記グラフィックユーザインタフェースに対するユーザの入力に基づいて、閾値とすべき画素値を変更する変更手段と、前記画像データにおいて、前記閾値より大きい画素値を有する画像領域と、前記閾値以下の画素値を有する画像領域とで、異なるコーティング厚を設定する設定手段と、をさらに備え、前記情報取得手段は、前記設定手段から、前記コーティング厚の情報を取得する態様1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置である。
[態様8]
態様8は、前記設定手段で設定された画像領域に対して、前記設定手段で設定されたコーティング厚でコーティング印刷を行なうように前記印刷装置を制御する印刷制御手段と、をさらに備えた態様7に記載の情報処理装置である。
[態様9]
態様9は、基材に対してコーティング印刷を行なう際に用いられるコーティング画像データにおける画像領域ごとに設定された、コーティング印刷の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する情報取得手段と、前記コーティング画像データを用いて、前記画像領域ごとの前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する画像生成手段と、前記厚み表示画像データをディスプレイに表示させる表示制御手段と、前記コーティング画像データに基づいて基材にコーティング印刷を行うインクジェット記録手段と、を有するインクジェット記録装置である。
[態様10]
態様10は、画像データにおける領域ごとに設定された、基材に対してコーティング印刷を行なう際の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する取得ステップと、前記画像データを用いて、前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する画像生成ステップと、前記厚み表示画像データをディスプレイに表示させる表示制御ステップと、を含む情報処理方法である。
[態様11]
態様11は、画像データにおける領域ごとに設定された、基材に対してコーティング印刷を行なう際の厚みに関するコーティング厚の情報を取得する取得ステップと、前記画像データを用いて、前記コーティング厚の違いを色相の違いで表現した厚み表示画像データを生成する画像生成ステップと、前記厚み表示画像データをディスプレイに表示させる表示制御ステップと、をコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
図1
図2
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図4
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