(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】自動ひっくり返し型目玉焼き機構
(51)【国際特許分類】
A47J 29/02 20060101AFI20241106BHJP
A47J 37/10 20060101ALI20241106BHJP
A23L 15/00 20160101ALI20241106BHJP
【FI】
A47J29/02
A47J37/10 301
A23L15/00 E
(21)【出願番号】P 2023208104
(22)【出願日】2023-12-08
【審査請求日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】202211641165.8
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523432841
【氏名又は名称】東莞市玉偉食品機械科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】周 玉建
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第215533621(CN,U)
【文献】中国実用新案第219147389(CN,U)
【文献】中国実用新案第219270106(CN,U)
【文献】台湾実用新案第509040(TW,U)
【文献】台湾実用新案第M560781(TW,U)
【文献】登録実用新案第3163883(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 29/02
A47J 37/10
A23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ひっくり返し型目玉焼き機構であって、固定板(1)を含み、前記固定板(1)には上鍋(2)と下鍋(3)が固定して設けられ、前記上鍋(2)と前記下鍋(3)には卵取り出し口が設けられ、前記上鍋(2)の卵取り出し口は、前記下鍋(3)の上方に位置し、前記上鍋(2)内には上へら(4)が設けられ、目玉焼きを上鍋(2)の卵取り出し口から下鍋(3)まで押すように前記上へら(4)を押す時、目玉焼きを自然に落下させてひっくり返しを実現する、ことを特徴とする自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項2】
前記上鍋(2)と前記下鍋(3)には目玉焼き面(8)が設けられ、前記目玉焼き面(8)の0-Y方向に沿う前後両側は、上へ延びてバリア壁(6)を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項3】
前記目玉焼き面(8)の四周は、開放式構造である、ことを特徴とする請求項2に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項4】
前記目玉焼き面(8)は、長方形を呈し且つO-X軸の方向とO-Y軸の方向に沿って、下へ窪む円弧面を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項5】
前記目玉焼き面(8)は、円盤状を呈し且O-X軸の方向とO-Y軸の方向に沿って、下へ窪む円弧面を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項6】
両側の前記バリア壁(6)の間に「U」字型開口部(61)が形成され、前記「U」字型開口部(61)のところは、下へ伸びて内へ巻かれて油案内部(81)を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項7】
前記固定板(1)には第1の長尺穴(12)及び第2の長尺穴(13)が設けられ、前記固定板(1)の一方側には駆動部材(7)、が設けられ前記駆動部材(7)の一方側にはスライドブロック(71)がスライドして設けられ、前記上へら(4)の上方には上へら板(41)が固定して設けられ、前記下鍋(3)内には下へら(5)が設けられ、前記下へら(5)の上方には下へら板(51)が固定して設けられ、前記上へら板(41)は、前記第1の長尺穴(12)を貫通することができ、前記下へら板(51)は、前記第2の長尺穴(13)を貫通することができ、前記スライドブロック(71)は、前記上へら(4)と前記下へら(5)を同期して移動させる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項8】
前記上鍋(2)と前記下鍋(3)の下端には加熱管孔(10)が設けられ、前記固定板(1)には加熱管孔(10)の位置に対応する貫通孔(11)が設けられ、加熱管は、貫通孔(11)から加熱管孔(10)内に取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項9】
前記スライドブロック(71)の一方側には2つの構造が同じ上リフト逃げ装置(72)と下リフト逃げ装置(73)が設けられ、前記スライドブロック(71)には第1のばね(711)と第2のばね(712)がさらに設けられ、前記上リフト逃げ装置(72)の一端は、前記上へら板(41)に固定接続され、前記下リフト逃げ装置(73)の一端は、前記下へら板(51)に固定接続される、ことを特徴とする請求項7に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【請求項10】
前記上リフト逃げ装置(72)の一方側にはスライドブロック(71)に接続される第1のばね(711)が設けられ、前記下リフト逃げ装置(73)の一方側にはスライドブロック(71)に固定接続される第2のばね(712)が設けられ、前記上リフト逃げ装置(72)は、第1のガイド面(729)と、逃がし板(721)と、スイングアーム(722)と、弾性シート(723)とを含み、前記逃がし板(721)には逃がし溝(724)が設けられ、逃がし溝(724)と弾性シート(723)との間には逃がし斜面(728)及び第2の切欠き(727)が設けられ、スイングアーム(722)の一端にはローラ(725)が設けられ、逃がし斜面(728)と弾性シート(723)との間には第1の切欠き(726)を形成することができる、ことを特徴とする請求項9に記載の自動ひっくり返し型目玉焼き機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目玉焼き機分野、具体的に自動ひっくり返し型目玉焼き機構に属する。
【背景技術】
【0002】
目玉焼き機は多くの飲食業界、例えば学校の食堂などで非常によく見られ、人々の目玉焼きに対する巨大な需要量を満たすことができ、市場の多くの目玉焼き機は、使用されている場合、以下の問題がある。
【0003】
1、例えば特許番号CN211270237Uでは、フライパンコンポーネント内には加熱部材が設けられ、フライパンコンポーネントの直上にも上加熱コンポーネントが設けられ、この形態で上方と下方からフライパン内の卵を加熱し、フライパンを180度回転させ、それによってフライパン内の卵をフライパン内からその直下の皿内に落ちさせ、目玉焼きが密封で行われるため、目玉焼きの具合を見ることができないため、時間を厳格に制御する必要があり、そうではなければ、得られた目玉焼きの焼き加減が過ぎて口当たりに影響を与える可能性があり、表皮が黄色くなったり焦げたりする現象が現れて美しさに影響を与え、販売に不利になる可能性があり、
2、例えば特許番号CN202010043338.0では、卵が完熟した時、弾きモーターを起動して欠歯歯車を回転させ、それによって弾きブロックを下へ移動させ、それによって弾きばねを圧縮し、欠歯歯車が欠歯であるため、欠歯歯車が欠歯部の位置まで回転すると、弾きブロックを放出し、弾きばねの作用下で弾きブロックがスライド凝縮モジュールに衝突し、さらにフライパンブラケットによって加熱モジュールにおける卵を弾き、それによって卵を鍋から取り出す効果を実現し、卵をひっくり返して鍋から取り出す過程に必要な装置の部品が多く、組み立てが煩雑で、鍋から取り出すのに動作が多くて時間が長くかかり、目玉焼き効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案公開番号CN211270237U
【文献】中国特許出願番号CN202010043338.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術の不足に対して、本発明の目的は、従来技術で目玉焼きの具合を観察できない及び卵をひっくり返して鍋から取り出す動作が煩雑であるという技術課題を解決するために、自動ひっくり返し型目玉焼き機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明は、このような自動ひっくり返し型目玉焼き機構を提供し、該自動ひっくり返し型目玉焼き機構は、固定板を含み、前記固定板には上鍋と下鍋が固定して設けられ、前記上鍋と前記下鍋には卵取り出し口が設けられ、前記上鍋の卵取り出し口は、前記下鍋の上方に位置し、前記上鍋内には上へらが設けられ、目玉焼きを上鍋の卵取り出し口から下鍋まで押すように前記上へらを押す時、目玉焼きを自然に落下させてひっくり返しを実現する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の有益な効果は、従来技術と比べて、以下のとおりである。
【0008】
1、本発明では、上鍋と下鍋が設けられる側にバリア壁がなく、上鍋の、バリア壁が設けられていない側は、下鍋の上方に位置し、上鍋内には上へらが設けられるとともに、下鍋内には下へらが設けられ、上へらと下へらが同時に移動し、上鍋と下鍋の下方に加熱管孔が設けられ、加熱管を加熱管孔に挿入することによって、直接目玉焼き面を加熱して卵を焼くことができ、2つの加熱管が上鍋と下鍋内の卵を同時に焼く時間を制御し、手動又は煩雑な装置で卵をひっくり返し、鍋から取り出す必要がなく、使用する部品が簡単であり且つ組み立てやすく、手動で卵を焼く効果を高度に模倣することができ、焼き上がった目玉焼きは、形も口当たりも非常に手動効果に近く、目玉焼きの焼き加減、口当たりと美しさを確保するとともに、目玉焼きの効率を向上させ、目玉焼きの時間を節約する。
【0009】
2、本発明で設けられる上鍋、下鍋、上へら及び下へらは、目玉焼きと卵押しを実現するのに多すぎる複雑な機械構造を必要とせず、人件費を節約するとともに、装置の取り付けに使用される空間を節約でき、組み立てが簡単であり、装置の生産効率を効果的に高める。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の実施例1の自動ひっくり返し型目玉焼き機構の斜視構造図である。
【
図3】本発明の上へらと下へらの斜視構造図である。
【
図4】本発明の上へらが上リフト逃げ装置を通過する移動概略図である。
【
図7】本発明の実施例1の卵が上鍋の目玉焼き面に位置する概略図である。
【
図8】本発明の実施例1の卵が上鍋から下鍋に落下する概略図である。
【
図9】本発明の実施例2の上鍋及び下鍋の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は、本発明の実施例における図面を結び付けながら、本発明の実施例における技術案を明瞭で完全に記述する。
【0012】
図1~
図9を参照すると、
明確にするために、方向用語「O-X」、「O-Y」及び「O-Z」は、ここで、各部品の移動方向及び目玉焼き面の円弧の方向を容易に区別するためのものであり、
図1における座標軸で表す。
【0013】
実施例1においては、
図1~
図3に示すように、自動ひっくり返し型目玉焼き機構であって、固定板1を含み、前記固定板1の上方には上鍋2と下鍋3が固定して設けられ、前記上鍋2と前記下鍋3には卵取り出し口が設けられ、前記上鍋2の卵取り出し口は、前記下鍋3の上方に位置し、前記上鍋2内には上へら4が設けられ、前記上へら4を押して移動させることによって、目玉焼きを卵取り出し口まで押して、自然に落下させ且つ下鍋3内までひっくり返す。
【0014】
具体的には、前記下鍋3内には下へら5が設けられ、固定板1の一方側には駆動部材7が設けられ、前記駆動部材7の一方側にはスライドブロック71がスライドして設けられ、前記スライドブロック71は、前記上へら4、前記下へら5に固定して設けられ、駆動部材7によってスライドブロック71を移動させ、それによって前記下へら5を動かして目玉焼きを外へ押す。前記上へら4と前記下へら5をそれぞれ駆動する2つの駆動部材7がさらに設けられてもよく、駆動部材7は、目玉焼きを押すように上へら4と下へら5を独立して制御し、柔軟に交換し、それによって上鍋2と下鍋3が目玉焼きを焼く時間を制御して、目玉焼きの両面の焼き加減に対する異なる需要を満たす。
【0015】
前記上鍋2と前記下鍋3には目玉焼き面8が設けられ、現在使用されている目玉焼き鍋の目玉焼き面8のほとんどが平底形状を呈するが、油の流動性が悪いため、油が平底の目玉焼き面8に注がれると、油液が均一に分散できない場合があり、このように目玉焼き面8での油の分布が均一ではなく、入れられた卵が目玉焼き面8の油なしの領域に落ちると、鍋にくっつく現象が生じ、さらに、目玉焼きが焦げて美しさに影響を与える。目玉焼き面8は、長方形に設けられ且つO-X軸の方向と0-Y軸の方向に沿って下へ窪む円弧面を形成するとともに、上へら4と下へら5の下端面は、目玉焼き面8と密着するように弧形に設けられ、卵を押す時、目玉焼きの表面が破れないことを確保し、得られた目玉焼きがより完全になる。
【0016】
具体的には、目玉焼き面8は、円弧面を呈し(
図1に示し)、上へら4と下へら5は、卵を押しながら、目玉焼き面8の形状に適する必要があり、本実施例における前記上へら4と前記下へら5は、耐高温シリカゲル材料で製造され、卵を押しながらフライパン面8と密着することを確保することができる。上へら4と下へら5が順調に卵を押し且つリセットするために、固定板1には第1の長尺穴12及び第2の長尺穴13が設けられ、前記上へら4の上方には上へら板41が固定して設けられ、前記下へら5の上方には下へら板51が固定して設けられ、前記スライドブロック71の一方側には2つの構造が同じ上リフト逃げ装置72と下リフト逃げ装置73(
図2及び
図3に示し)が設けられ、上リフト逃げ装置72と下リフト逃げ装置73の位置は、固定されて動かず、上へら板41の一端は、第1の長尺穴12を貫通して上リフト逃げ装置72に接続され、他端は、スライドブロック71に回転可能に設けられ、下へら板51の一端は、第2の長尺穴13を貫通して下リフト逃げ装置73に接続され、他端は、スライドブロック71に回転可能に設けられる。スライドブロック71は、0-X方向に沿って第1の長尺穴12において上へら板41を往復運動させることができ、及び、0-X方向に沿って第2の長尺穴13において下へら板を往復運動させることができ、前記上リフト逃げ装置72の一方側にはスライドブロック71に接続される第1のばね711が設けられ、前記下リフト逃げ装置73の一方側にはスライドブロック71に固定接続される第2のばね712が設けられ、スライドブロック71が0-X方向に沿って移動し且つ目玉焼き面8の弧面に沿って卵を押すように上へら4と下へら5を動かす過程で、第1のばね711により、上へら4が常に反時計回りに回転する力を維持することによって、上へら4の下端面を常に上鍋2の目玉焼き面8と密着させ、同様に、第2のばね712により、下へら5が常に反時計回りに回転する力を維持することによって、下へら5の下端面を常に下鍋3の目玉焼き面8と密着させ、目玉焼きを押す時、目玉焼きを完全に押し出すことを確保し、卵押しの失敗を回避する。
【0017】
上へら4は、上へら板41を回転点として回転するとともに、下へら5は、下へら板51を回転点として回転し、上リフト逃げ装置72によって上へら4を回転させて目玉焼き面8から離れさせ、下リフト逃げ装置73によって下へら5を回転させて目玉焼き面8から離れさせ、上へら4の下端面及び下へら5の下端面と上鍋2の目玉焼き面8及び下鍋3の目玉焼き面8との間の高さを調整する。
【0018】
上へら4と下へら5のリセット中に、上へら板41と下へら板51は、上リフト逃げ装置72と下リフト逃げ装置73によって、上へら4及び下へら5と上鍋2及び下鍋3との間の高さを維持し、リセット中に上鍋2と下鍋3内の卵に接触するため卵に傷をつけたり、卵を逆方向に押ししたりするのを予防する。上へら4と下へら5のリフト逃げとしては、下へら5がリセット中に下鍋3内に位置する卵を逃がすことを実現する限り、逃がし溝などの従来の技術手段を用いることができ、本実施例では、上リフト逃げ装置72と下リフト逃げ装置73とは、構造が同じであるため、上リフト逃げ装置72の動きの概略を例にして解釈説明する。
【0019】
図4に示すように、前記上リフト逃げ装置72は、第1のガイド面729と、逃がし板721と、スイングアーム722と、弾性シート723とを含み、前記逃がし板721には逃がし溝724が設けられ、逃がし溝724と弾性シート723との間には逃がし斜面728及び第2の切欠き727が設けられ、スイングアーム722の一端にはローラ725が設けられ、逃がし斜面728と弾性シート723との間には第1の切欠き726を形成することができ、なお、弾性シート723は、弾性変形可能である。
【0020】
静止時、ローラ725は、第2の切欠き727の第1のガイド面729の上端に位置し、この時、上へら4の下端面は、上鍋2の目玉焼き面に接触しておらず、即ち一定の距離を維持し、上へら4が上鍋2の目玉焼きを待つ時、高温目玉焼き面8と接触しないことを確保し、上へら4の使用寿命を大幅に延長する。
【0021】
スライドブロック71が0-X方向に沿って移動を開始すると、逃がし溝724と弾性シート723との間にレールを形成し、ローラ725は、レール内を移動する。この過程で第1のばね711の張力により、上へら4の下端面が上鍋2の弧形目玉焼き面に常に密着し且つ卵を押すことを確保し、ローラ725が逃がし斜面728を転動する時、ローラ725は、弾性シート723を下へ押すことで、逃がし斜面728と弾性シート723との間に第1の切欠き726を形成し、ローラ725は、引き続き逃がし斜面728に沿って転動して第1の切欠き726を広げることによって、ローラ725は、第1の切欠き726を順調に貫通し、弾性シート723の下端面まで到達し且つ引き続き前へ一定距離移動し、完全に弾性シート723と分離し、この過程で、上へら4は、上へら板41を回転軸として反時計回りに回転し、上へら4の下端面を持ち上げることで、上へら4の下端面を下鍋3の目玉焼き面8から離れさせ、卵押し動作を完了させる、
ローラ725が弾性シート723の下端面と密着しながら第2の切欠き727の位置まで転動する過程で、上へら4の下端面と目玉焼き面8との間の高さを常に維持し、リセット中に上鍋2に位置する卵を逆方向に押すことによる目玉焼きの失敗を回避する。
【0022】
図1に示すように、前記目玉焼き面8の0-Y方向に沿う前後両側は、上へ延びてバリア壁6を形成し、バリア壁6は、焼く過程で飛散する油汚れの大部分を遮蔽することができ、両側の前記バリア壁6は、「U」字型開口部61を形成し、前記上鍋2が卵を焼いた後、上へら4により目玉焼き面8の「U」字型開口部61まで押し、下方の前記下鍋4まで直接落下させ且つひっくり返し(
図8に示し)、上へら4と下へら5が同期して移動するため、目玉焼きが落下時に下へら5に落ちる心配はない。
【0023】
図5及び
図6に示すように、上へら4と下へら5が目玉焼きを目玉焼き面8から「U」字型開口部61まで押す時、目玉焼きとともに押された油は、「U」字型開口部61から流下し、上鍋2と下鍋3の底面に直接流れる可能性があり、長時間の蓄積により、上鍋2の底面に油汚れが形成され、一定の厚さ及び硬さに達すると、下方の下鍋3内に落下し、目玉焼きが衛生的ではないという現象をもたらし、人々の健康に影響を与えるため、「U」字型開口部61に位置する目玉焼き面8のところは、下へ伸びて内へ巻かれて油案内部81を形成し、油が上へら4と下へら5により「U」字型開口部61まで押される時、油案内部81に油滴を形成して下鍋3に落下させ、さらに下鍋3に間接的に油を入れることができ、油量の使用を減らすとともに、焼き上がった卵の油量があまり多くなく、食感に影響を与えない。
【0024】
具体的には、ひっくり返す全過程の安定性を実現するとともに、目玉焼きが落ちて下鍋3内に堆積して塊になることを予防するために、焼き時間を制御することによって、目玉焼きの硬さ、及び上へら4と下へら5が卵を押して上鍋2と下鍋3から離れさせる速度を制御し、焼き上がった卵が硬い場合、卵をゆっくりと押すことができ、焼き上がった卵が柔らかい場合(ただし、卵の表面は、固体に成形されなければならない)、卵を迅速に押すことができ、さらに目玉焼きを上鍋2から下鍋3に落下させてひっくり返すことを実現し、この過程で手動で行う必要がなく、複雑な機械構造で実現する必要もなく、人件費を節約するとともに、装置の取り付けに使用される空間を節約でき、組み立てが簡単である。
【0025】
図1、
図2、
図7に示すように、上鍋2には加熱管孔10が設けられ、下鍋3にも加熱管孔10が設けられるとともに、固定板1には加熱管孔10と大きさが同じであり且つ位置が対応する貫通孔11が設けられ、加熱管(図示せず)を2つの貫通孔11に挿入して加熱管孔10内に置き、上鍋2のa箇所から油を加えると、加熱管(図示せず)は、上鍋2と下鍋3の目玉焼き面8を同時に加熱し、卵を焼き、目玉焼きの速度を向上させ、目玉焼きの時間を節約し、加熱管(図示せず)の温度を制御して目玉焼きの時間を制御し、目玉焼きの焼き加減に対する異なる需要に応じて対応する温度を調整することができ、高い柔軟性を有する。
【0026】
図7に示すように、目玉焼き面8のa端から油を流入させ且つ目玉焼き面8の大部分の面積に通過させ、目玉焼き面8に均一に分布させ、そして上鍋2内に卵を入れ、卵全体を油に接触させることができ、それによって卵が鍋にくっつく現象を回避し、目玉焼きの効果を高め、目玉焼きをよりきれいにし、さらに人々の購買意欲を高める。
【0027】
上へら4が目玉焼きを「U」字型開口部61まで押し且つ下へ落下させる過程で、目玉焼きがまだ熱い状態であり、油の爆発現象が発生するため、数えられない、小さくて熱い油滴が周囲の部品の表面に落ちて装置に油が付着し、装置が故障して運転に影響を与え、及び衛生的ではないなどの状況をもたらしやすいため、固定板1が上鍋2と下鍋3を固定して支持する時、さらに油が爆発して落下して上リフト逃げ装置72及び下リフト逃げ装置73などを汚染することを防止し、装置の正常な運転を保護することができる。
【0028】
前記下鍋3の「U」字型開口部61の下方には、前記下鍋3で焼き上がった卵を受けるために用いることができる受け皿(図示せず)がさらに設けられ、下へら5は、焼き上がった卵を下鍋3の「U」字型開口部61から押し出し、受け皿(図示せず)に落下させ、目玉焼きの全過程を完了させる。
【0029】
図9に示すように、実施例2の、実施例1との相違点は、以下のとおりである。前記上鍋2と前記下鍋3の目玉焼き面8は、円盤状を呈し、前記目玉焼き面8は、O-X軸とO-Y軸の方向に沿って、下へ窪む円弧面を形成し、目玉焼き面8の四周は、開放式構造であり、目玉焼き面8は、油がこぼれないように制御することができ、卵を焼いて成形することができるとともに、O-X軸とO-Y軸に沿って一定の円弧を呈する目玉焼き面8は、卵を太陽の形にし、よりきれいにすることができる。
【0030】
当業者にとって、本発明は上述の例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神または基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実現することができることは明らかである。したがって、いずれの点から見ても、実施例を例示的で非限定的なものとみなすべきであり、本発明の範囲は上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって限定されるので、特許請求の範囲の均等要素の意味と範囲内にあるすべての変化を本発明に網羅することを目的とする。特許請求の範囲における任意の符号を、制限に係る特許請求の範囲とみなすべきではない。
【0031】
なお、本明細書は実施形態に従って説明したが、各実施例が1つの独立した技術案のみを含むわけではなく、本明細書のこのような記述形態は単に明確にするためのものにすぎず、当業者は明細書を1つの全体とすべきであり、各実施例の技術案を適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施例を形成することができることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0032】
1-固定板、11-貫通孔、12-第1の長尺穴、13-第2の長尺穴、2-上鍋、3-下鍋、4-上へら、41-上へら板、5-下へら、51-下へら板、6-バリア壁、61-「U」字型開口部、7-駆動部材、71-スライドブロック、711-第1のばね、712-第2のばね、72-上リフト逃げ装置、721-逃がし板、722-スイングアーム、723-弾性シート、724-逃がし溝、725-ローラ、726-第1の切欠き、727-第2の切欠き、728-逃がし斜面、729-第1のガイド面、73-下リフト逃げ装置、8-目玉焼き面、81-油案内部、10-加熱管孔