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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ケーブルダクト
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H02G3/04 037
H02G3/04 018
H02G3/04 087
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024040793
(22)【出願日】2024-03-15
【審査請求日】2024-05-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.令和5年11月6日、発明に係るケーブルダクトを交通新聞第3面にて公開 2.令和5年11月8日、発明に係るケーブルダクトを第8回鉄道技術展にて公開 3.令和6年1月22日、発明に係るケーブルダクトを日本電設工業株式会社に公開 4.令和6年1月22日、発明に係るケーブルダクトを日本リーテック株式会社に公開 5.令和6年2月7日、発明に係るケーブルダクトを日本電設工業株式会社に公開 6.令和6年2月7日、発明に係るケーブルダクトを東日本旅客鉄道株式会社に公開 7.令和6年2月7日、発明に係るケーブルダクトを東日本電気エンジニアリング株式会社に公開 8.令和6年2月19日、発明に係るケーブルダクトを日本電設工業株式会社に公開 9.令和6年2月29日、発明に係るケーブルダクトを西日本電気システム株式会社に公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503147125
【氏名又は名称】ユタカ電業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 諒
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰平
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】実公昭59-018822(JP,Y2)
【文献】特開2004-048942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一方向に延びる第1の板状部材、第2の板状部材、第3の板状部材及び第4の板状部材を備え、
前記第1の板状部材、前記第2の板状部材、前記第3の板状部材及び前記第4の板状部材によって、ケーブルが通る配線空間が内部に形成される組立式のケーブルダクトであって、
前記第2の板状部材が、被挿入空間形成する第1~第4の空間形成部を有し、
前記第1の空間形成部及び前記第2の空間形成部が、前記第2の板状部材の幅方向に間隔を空けて配置され、
前記第3の空間形成部及び前記第4の空間形成部が、前記第2の板状部材の厚さ方向に間隔を空けて配置され、
前記第4の空間形成部が、前記第2の板状部材の幅方向内向きに突出する第1の突出板と、前記第2の板状部材の幅方向外向きに突出する第2の突出板と、により構成され、
前記第1の突出板の先端面と、前記第2の突出板の先端面と、の間に、隙間を形成しており、
前記第1の板状部材が、前記被挿入空間に挿入される突起部を有するケーブルダクト。
【請求項2】
請求項記載のケーブルダクトにおいて、
前記突起部が、前記隙間を通る第1の突起と、
前記隙間を通る第2の突起と、を有し、
前記第1の突起と前記第2の突起とが実質的に対称となるように設けられているケーブルダクト。
【請求項3】
請求項記載のケーブルダクトにおいて、
前記突起部が、前記第3の空間形成部の下端部、前記第1の空間形成部及び前記第1の突出板に沿うように形成され前記隙間を通る第1の突起と、
前記第3の空間形成部の上端部、前記第2の空間形成部及び前記第2の突出板に沿うように形成され前記隙間を通る第2の突起と、を有し、
前記第1の突起と前記第2の突起とが実質的に対称となるように設けられているケーブルダクト。
【請求項4】
請求項記載のケーブルダクトにおいて、
前記第1の板状部材が、該第1の板状部材の厚さ方向に突出し前記突起部が設けられている突起基部を更に有し、
前記第2の板状部材が、前記第2の突出板と間隔を空けて前記第1の板状部材の幅方向内側に設けられ先端が該第1の板状部材の側を向く補強部を更に有し、
前記補強部と前記第2の突出板との間に、前記突起基部の上端が嵌り、前記突起基部と前記突起部との間に、前記第2の突出板が嵌るケーブルダクト。
【請求項5】
請求項記載のケーブルダクトにおいて、
前記突起基部の下端部と前記突起部との間に、前記第1の突出板が嵌るケーブルダクト。
【請求項6】
請求項のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、
前記第4の板状部材が、前記配線空間に面する配線空間形成部と、
前記配線空間形成部の幅方向両端部にそれぞれ設けられ、前記第2の板状部材及び前記第3の板状部材の上端部の外側を覆う覆い部と、を有し、
前記配線空間形成部が、前記配線空間の側の面にリブを有し、
前記リブと前記覆い部との間に、前記第2の板状部材の上端部が位置するケーブルダクト。
【請求項7】
請求項記載のケーブルダクトにおいて、
前記リブの高さが、該リブの頂部から前記第4の板状部材の幅方向外側に向かうに従って低くなっているケーブルダクト。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、
前記第1の板状部材が、外側に位置する第1の外側板部と、
前記第1の外側板部の内側に間隔を空けて配置された第1の内側板部と、を有するケーブルダクト。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、
前記第2の板状部材が、外側に位置する第2の外側板部と、
前記第2の外側板部の内側に間隔を空けて配置された第2の内側板部と、を有するケーブルダクト。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、
前記第1の板状部材、前記第2の板状部材、前記第3の板状部材及び前記第4の板状部材の材質が、それぞれ、ポリカーボネートであるケーブルダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配線ダクトが記載されている。この配線ダクトは、底壁と左右両端近傍部分に夫々形成した嵌係合部と、底壁とは別個に作られた左右各側壁の下端部に形成した被嵌係合部とを互いに嵌め込み結合可能に構成し、左右両側壁の上縁部に蓋体を冠着してなっている。
【0003】
特許文献2には、配線用ダクトが記載されている。この配線用ダクトは、底壁部材の両側部にダクト長手方向に沿う凹入溝又は凸出縁が形成され、凹入溝又は凸出縁と嵌り合う凸出縁又は凹入溝が底辺に形成され且つ、長手方向の長さが電線引出孔の大きさ程度の側壁片を並設することによりダクト側壁部が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭50-039428号公報
【文献】実公昭56-019564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、設置現場に搬送して組み立てることができるケーブルダクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、それぞれ一方向に延びる第1の板状部材、第2の板状部材、第3の板状部材及び第4の板状部材を備え、前記第1の板状部材、前記第2の板状部材、前記第3の板状部材及び前記第4の板状部材によって、ケーブルが通る配線空間が内部に形成される組立式のケーブルダクトであって、前記第2の板状部材が、被挿入空間形成する第1~第4の空間形成部を有し、前記第1の空間形成部及び前記第2の空間形成部が、前記第2の板状部材の幅方向に間隔を空けて配置され、前記第3の空間形成部及び前記第4の空間形成部が、前記第2の板状部材の厚さ方向に間隔を空けて配置され、前記第4の空間形成部が、前記第2の板状部材の幅方向内向きに突出する第1の突出板と、前記第2の板状部材の幅方向外向きに突出する第2の突出板と、により構成され、前記第1の突出板の先端面と、前記第2の突出板の先端面と、の間に、隙間を形成しており、前記第1の板状部材が、前記被挿入空間に挿入される突起部を有するケーブルダクトである。
【0007】
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項記載のケーブルダクトにおいて、前記突起部が、前記隙間を通る第1の突起と、前記隙間を通る第2の突起と、を有し、前記第1の突起と前記第2の突起とが実質的に対称となるように設けられている。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項記載のケーブルダクトにおいて、前記突起部が、前記第3の空間形成部の下端部、前記第1の空間形成部及び前記第1の突出板に沿うように形成され前記隙間を通る第1の突起と、前記第3の空間形成部の上端部、前記第2の空間形成部及び前記第2の突出板に沿うように形成され前記隙間を通る第2の突起と、を有し、前記第1の突起と前記第2の突起とが実質的に対称となるように設けられている。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項記載のケーブルダクトにおいて、前記第1の板状部材が、該第1の板状部材の厚さ方向に突出し前記突起部が設けられている突起基部を更に有し、前記第2の板状部材が、前記第2の突出板と間隔を空けて前記第1の板状部材の幅方向内側に設けられ先端が該第1の板状部材の側を向く補強部を更に有し、前記補強部と前記第2の突出板との間に、前記突起基部の上端が嵌り、前記突起基部と前記突起部との間に、前記第2の突出板が嵌る。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項記載のケーブルダクトにおいて、前記突起基部の下端部と前記突起部との間に、前記第1の突出板が嵌る。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、前記第4の板状部材が、前記配線空間に面する配線空間形成部と、前記配線空間形成部の幅方向両端部にそれぞれ設けられ、前記第2の板状部材及び前記第3の板状部材の上端部の外側を覆う覆い部と、を有し、前記配線空間形成部が、前記配線空間の側の面にリブを有し、前記リブと前記覆い部との間に、前記第2の板状部材の上端部が位置する。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項記載のケーブルダクトにおいて、前記リブの高さが、該リブの頂部から前記第4の板状部材の幅方向外側に向かうに従って低くなっている。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、前記第1の板状部材が、外側に位置する第1の外側板部と、前記第1の外側板部の内側に間隔を空けて配置された第1の内側板部と、を有する。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、前記第2の板状部材が、外側に位置する第2の外側板部と、前記第2の外側板部の内側に間隔を空けて配置された第2の内側板部と、を有する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載のケーブルダクトにおいて、前記第1の板状部材、前記第2の板状部材、前記第3の板状部材及び前記第4の板状部材の材質が、それぞれ、ポリカーボネートである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設置現場に搬送して組み立てることができるケーブルダクトを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態に係るケーブルダクトの外観図である。
図2】同ケーブルダクトの正面図である。
図3図2に示すA部の部分拡大図である。
図4A図2に示すA部の部分拡大図のうち、第1の突起部を示す図である。
図4B図2に示すA部の部分拡大図のうち、空間形成部を示す図である。
図5A】蓋板の底面図である。
図5B図2に示すX-X断面線における蓋板の断面図である。
図6A図5Bに示すB部の部分拡大図である。
図6B図5Bに示すC部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0020】
本発明の一実施の形態に係るケーブルダクトCDは、例えば、鉄道用のケーブルを収容し、橋梁のような屋外に設置される。
ケーブルダクトCDは、作業員が、設置現場に搬送して組み立てられるように組立式となっている。
【0021】
ケーブルダクトCDは、図1に示すように、角筒状であり、底面板10、側面板20、側面板30並びに蓋板50a及び蓋板50bを備え、これら底面板10、側面板20、側面板30並びに蓋板50a及び蓋板50bによって、ケーブルが通る配線空間S1(図2参照)が内部に形成されている。底面板10、側面板20、側面板30並びに蓋板50a及び蓋板50bは、それぞれ、一体的に形成されている。
【0022】
底面板(第1の板状部材の一例)10は、図2に示すように、ケーブルダクトCDの下側に位置し、一方向に延びる板状の部材である。
底面板10は、外側板部102及び内側板部104を有し、二重構造となっている。
外側板部(第1の外側板部の一例)102は、底面板10の底面側(外側)に位置し、所定の厚さを有する板状の部材である。
内側板部(第1の内側板部の一例)104は、外側板部102の内側に間隔を空けて配置され、所定の厚さを有する板状の部材である。
外側板部102及び内側板部104は、複数の補強部106によって、互いに繋がっている。この各補強部106は、底面板10の長手方向に延び、左右方向(底面板10の幅方向)に間隔を空けて設けられている。
【0023】
底面板10は、幅方向の両端部に、それぞれ、第1の突起基部12及び第1の突起部14並びに第2の突起基部16及び第2の突起部18を更に有している。
底面板10は、実質的に左右対称であるため、第1の突起基部12及び第1の突起部14は、それぞれ、第2の突起基部16及び第2の突起部18と実質的に同一の形状となっている。従って、以下、図3に示す第1の突起基部12及び第1の突起部14についてのみ説明し、第2の突起基部16及び第2の突起部18についての説明は省略する。
【0024】
第1の突起基部12は、外側板部102の端部から底面板10の厚さ方向上向き(内向き)に突出し、所定の厚みを有する板状の部材である。第1の突起基部12は、底面板10の長手方向に延びている。
【0025】
第1の突起部14は、底面板10の厚さ方向に突出した第1の突起基部12に設けられ、底面板10の幅方向外向きに突出している。第1の突起部14は、底面板10の長手方向に延びている。
第1の突起部14は、図4Aに示すように、上下対称となるように設けられた下側突起14a及び上側突起14bを有している。なお、ここに言う「上下対称」とは、厳密な意味での上下対称ではない。即ち、「上下対称」とは、設計上、製造上の誤差が許容され、「実質的に上下対称」という意味である(以下、同様)
【0026】
下側突起(第1の突起の一例)14aは、突起形成部142a、144a、146a、148aにより少なくとも構成されている。突起形成部142a、144a、146a、148aは、それぞれ、底面板10の長手方向に延びている。
【0027】
突起形成部142aは、板状であり、第1の突起基部12から底面板10の幅方向外向きに突出するように設けられている。
突起形成部144aは、板状であり、突起形成部142aの先端から下向き(底面板10の厚さ方向外向き)に突出するように設けられている。
突起形成部146aは、板状であり、突起形成部144aの先端から底面板10の幅方向外向きに突出するように設けられている。
突起形成部148aは、板状であり、突起形成部146aの先端から上向き(底面板10の厚さ方向内向き)に突出するように設けられている。
【0028】
上側突起(第2の突起の一例)14bは、下側突起14aの上方に、下側突起14aと間隔を空けて配置され、突起形成部142b、144b、146b、148bにより少なくとも構成されている。突起形成部142b、144b、146b、148bは、それぞれ、底面板10の長手方向に延びている。
【0029】
突起形成部142bは、板状であり、第1の突起基部12から底面板10の幅方向外向きに突出するように設けられている。
突起形成部144bは、板状であり、突起形成部142bの先端から上向き(底面板10の厚さ方向内向き)に突出するように設けられている。
突起形成部146bは、板状であり、突起形成部144bの先端から底面板10の幅方向外向きに突出するように設けられている。
突起形成部148bは、板状であり、突起形成部146bの先端から下向き(底面板10の厚さ方向外向き)に突出するように設けられている。
【0030】
なお、第1の突起部14の高さ方向の寸法L1(突起形成部146aの下面から突起形成部146bの上面までの寸法L1)は、外側板部102の下面から内側板部104の上面までの寸法L2よりも大きくなるように設定されている。
【0031】
側面板(第2の板状部材の一例)20は、図1に示すように、一方向に延び、ケーブルダクトCDの一方の側の側面を形成する板状の部材であって、底面板10に連結される。
【0032】
側面板20は、図2に示すように、外側板部202及び内側板部204を有し、側面板20の一部が二重構造となっている。
外側板部(第2の外側板部の一例)202は、外側に位置し、所定の厚さを有する板状の部材である。
内側板部(第2の内側板部の一例)204は、外側板部202の内側に間隔を空けて配置され、所定の厚さを有する板状の部材である。
外側板部202及び内側板部204は、複数の補強部206によって、互いに繋がっている。この各補強部206は、側面板20の長手方向に延び、上下方向(側面板20の幅方向)に間隔を空けて設けられている。
【0033】
側面板20は、それぞれ長手方向に延びる接続部210及び上端形成部220を更に有している。
接続部210は、外側板部202及び内側板部204の上端にて、これら外側板部202及び内側板部204を繋げる部材である。接続部210の外側には、側面板20の長手方向に延びる複数の溝212が、長手方向に間隔を空けて形成されている
上端形成部220は、接続部から更に上方に延び、所定の厚さを有する板状の部材である。
【0034】
側面板20は、図4Bに示すように、下端部に、被挿入空間S2を形成する空間形成部250、252、254、256及び補強部260を更に有している。この被挿入空間S2は、側面板20の長手方向に延びる直方体状の空間であり、第1の突起部14が挿入される。
空間形成部(第1の空間形成部の一例)250は、板状であり、側面板20の底面を構成する。
空間形成部(第2の空間形成部の一例)252は、板状であり、空間形成部250と間隔を空けて空間形成部250の上方に配置されている。空間形成部252は、外側板部202と内側板部204とを繋いでいる。
空間形成部(第3の空間形成部の一例)254は、板状であり、側面板20の外側に配置され、空間形成部250と空間形成部252とを繋いでいる。
空間形成部(第4の空間形成部の一例)256は、空間形成部254と間隔を空けて空間形成部よりも側面板20の厚さ方向内側に配置されている。
【0035】
空間形成部256は、互いの先端面の間に隙間g1を形成する第1の突出板256a及び第2の突出板256bにより構成され、第1の突出板256aは、上向き(側面板20の幅方向内向き)に突出し、第2の突出板256bは、下向き(側面板20の幅方向外向き)に突出している。
補強部260は、第2の突出板256bと間隔を空けて底面板10の幅方向内側に設けられ、先端が底面板10の側を向くように設けられている(図3参照)。
【0036】
ここで、被挿入空間S2に挿入された第1の突起部14について、図3に基づいて説明すると以下のとおりである。
第1の突起部14が有する下側突起14aは、空間形成部254の下端部、空間形成部250及び第1の突出板256aにそれぞれ沿うように、突起形成部148a、突起形成部146a及び突起形成部144aが位置し、突起形成部142aが隙間g1(図4B参照)を通るように、被挿入空間S2に挿入される。
第1の突起部14が有する上側突起14bは、空間形成部254の上端部、空間形成部252及び第2の突出板256bにそれぞれ沿うように、突起形成部148b、突起形成部146b及び突起形成部144bが位置し、突起形成部142bが隙間g1(図4B参照)を通るように、被挿入空間S2に挿入される。
また、補強部260と第2の突出板256bとの間に、第1の突起基部12の上端が嵌り、第1の突起基部12と突起形成部144bとの間に、第2の突出板256bが嵌る。
更に、第1の突起基部12の下端部と下側突起14aの突起形成部144aとの間に、第1の突出板256aが嵌る。
【0037】
側面板(第3の板状部材の一例)30は、図1に示すように、一方向に延び、ケーブルダクトCDの他方の側の側面を形成する板状の部材であって、図2に示すように、第2の突起部18が挿入されることによって、底面板10に連結される。
側面板30は、側面板20と実質的に左右対称となるように形成されているので、詳細な説明については省略する。
【0038】
蓋板(第4の板状部材の一例)50a、50bは、図1に示すように、それぞれ、一方向に延びる板状の部材であって、ケーブルダクトCDの上側に並んで配置されている。蓋板50a、50bは、一組となっており、ケーブルダクトCDの蓋として機能する。
ここで、蓋板50a、50bは、実質的に同一形状であるので、蓋板50aについてのみ説明し、蓋板50bについての説明は省略する。
【0039】
蓋板50aは、図2に示すように、上板部52及び覆い部54を有している。
上板部(配線空間形成部の一例)52は、板状であり、配線空間S1に面している。
上板部52の表面(上面)には、複数の突起(不図示)が形成されている。これらの複数の突起は、作業員が、ケーブルダクトCDの上に乗った場合の滑り止めとして機能する。
上板部52の裏面(配線空間S1の側の面)の幅方向両端部には、図5A及び図5Bに示すように、長手方向に間隔を空けて、複数のリブ522が設けられている。
【0040】
各リブ522は、一対の板状の補強部材522a、522bにより構成されている。各補強部材522a、522bは、実質的に対称となる形状であり、外側の端部にて繋がり、平面視して所定の角度をなすように内側に向かって広がるように配置されている。
補強部材522a、522bは、図6A及び図6Bに示すように、それぞれ、高さ(上板部52の下面から補強部材522a、522bの先端までの距離)が最大となる頂部Vを有している。各リブ522の高さ(上板部52の下面からリブ522の先端までの寸法)L3(図2参照)は、頂部Vから蓋板50aの幅方向外側(幅方向端部)に向かうに従って徐々に低くなっている。
【0041】
上板部52の長手方向の両端部には、それぞれ、連結部524a(図6A参照)及び被連結部524b(図6B参照)が設けられている。連結部524a及び被連結部524bは、他の蓋板を連結するための突起である。
【0042】
覆い部54は、図2に示すように、それぞれ板状であり、上板部52の幅方向両端部にそれぞれ設けられ、側面板20の上端部及び側面板30の上端部の外側を覆う。
覆い部54とリブ422との間には、隙間が設けられており、この隙間には、側面板20の上端部及び側面板30の上端部が位置する。
【0043】
覆い部54の下端部には、図5A及び図5Bに示すように、内側に突出し、蓋板50aの長手方向に延びる突起542が長手方向に間隔を空けて複数形成されている。これらの突起542は、それぞれ、側面板20に形成された溝212(図2参照)及び側面板30に形成された溝に嵌る。
【0044】
なお、底面板10、側面板20、側面板30及び蓋板50a、50bの材質は、強度及び耐候性の観点から、それぞれ例えば、ポリカーボネートであることが好ましい。
【0045】
次に、ケーブルダクトCDの組立方法について説明する。ケーブルダクトCDは、次の工程P1~P5に従って組み立てられる。
ただし、可能な場合には、一部の工程が並行して実施されてもよい。
【0046】
(工程P1)
作業員が、ケーブルダクトCDの設置現場に、底面板10、側面板20、側面板30及び蓋板50a、50bを搬入する。底面板10、側面板20、側面板30及び蓋板50a、50bは、それぞれ板状であり、例えばポリカーボネート製とすることで軽量に構成されるため、搬入の負担が軽減される。
【0047】
(工程P2)
作業員が、側面板20の被挿入空間S2の長手方向の端部に、底面板10の第1の突起部14の長手方向の端部を挿入し、底面板10に対して側面板20を長手方向に移動させることにより、側面板20は、底面板10に連結される。
底面板10と側面板20とが連結された後、同様に、底面板10と側面板30とを連結
させる。
【0048】
このとき、第1の突起部14が、被挿入空間S2に挿入されることに加え、前述の通り、側面板20の厚さ方向が法線方向となる面を有する補強部260及び第2の突出板256bと、第1の突起基部12の上端部及び突起形成部144bと、が噛み合うように互いに嵌り合うとともに、第1の突起基部12の下端部と第1の突起部14の突起形成部144aとの間に第1の突出板256aが嵌るため、連結後の底面板10及び側面板20に必要な強度が保持される。
同様に、連結後の底面板10及び側面板30に必要な強度も保持される。
【0049】
(工程P3)
底面板10に側面板20及び側面板30が連結され、上方が開口した半組立状態のケーブルダクトが、所定の場所に固定される。半組立状態のケーブルダクトは、必要な長さに応じて、長手方向に複数設置される。
【0050】
(工程P4)
半組立状態のケーブルダクトの内部にケーブルが敷設される。
【0051】
(工程P5)
ケーブルの敷設がなされた後、蓋板50a、50bがはめ込まれる。
このとき、側面板20及び側面板30が僅かに内側に倒れた状態となっていたとしても、寸法L3(図2参照)が、頂部Vから蓋板50a、50bの外側に向かうに従って小さくなっているので、側面板20の上端形成部220及び側面板30の上端形成部は、リブ522と覆い部54との間に嵌り、蓋板50a、50bは容易に取り付けられる。すなわち、リブ522が設けられていることにより、蓋板50a、50bの剛性が向上する効果のみならず、蓋板50a、50bが円滑に取り付けられる効果も奏する。
取り付けられた蓋板50a、50bは、各ケーブルダクトCDの連結部分にて、金具(不図示)により固定される。
【0052】
このように、ケーブルダクトCDによれば、設置現場に搬送して組み立てることができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【0054】
前述の実施の形態におけるケーブルダクトCDは、底面板10及び蓋板50a、50bが左右に位置するように、すなわち、図2に示す状態から長手方向に延びる軸回りに90度回転させた状態で設置されてもよく、ケーブルダクトの向きは限定されるものではない。
また、一方の側面板のみが底面板10に連結でき、他方の側面板が底面板10と一体的に形成されていても良い。
【符号の説明】
【0055】
12 第1の突起基部
14 第1の突起部
14a 下側突起
14b 上側突起
16 第2の突起基部
18 第2の突起部
10 底面板
20 側面板
30 側面板
50a、50b 蓋板
52 上板部
54 覆い部
102 外側板部
104 内側板部
106 補強部
142a、142b 突起形成部
144a、144b 突起形成部
146a、146b 突起形成部
148a、148b 突起形成部
202 外側板部
204 内側板部
206 補強部
210 接続部
212 溝
220 上端形成部
250、252、254、256 空間形成部
256a 第1の突出板
256b 第2の突出板
260 補強部
522 リブ
522a、522b 補強部材
524a 連結部
524b 被連結部
542 突起
S1 配線空間
S2 被挿入空間
CD ケーブルダクト
g1 隙間
V 頂部
【要約】
【課題】設置現場に搬送して組み立てることができるケーブルダクトを提供する。
【解決手段】ケーブルダクトCDは、それぞれ一方向に延びる第1の板状部材10、第2の板状部材20、第3の板状部材30及び第4の板状部材50a、50bと、を備え、第1の板状部材10、第2の板状部材20、第3の板状部材30及び第4の板状部材50a、50bによって、ケーブルが通る配線空間S1が内部に形成される組立式のケーブルダクトであって、第2の板状部材30に、被挿入空間S2が形成されており、第1の板状部材20が、被挿入空間S2に挿入される突起部14を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B