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特許7582724室内異常検出方法、そのシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】室内異常検出方法、そのシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241106BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20241106BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20241106BHJP
   G06Q 50/22 20240101ALI20241106BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B17/00 C
G08B21/04
G06Q50/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024073335
(22)【出願日】2024-04-30
【審査請求日】2024-04-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506291313
【氏名又は名称】株式会社エーワン
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】福間 二郎
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0094646(KR,A)
【文献】特開2016-173732(JP,A)
【文献】特開2012-128469(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0068140(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/04,25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、
前記第1の工程で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、
前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、
所定期間の前記濃度変化と所定期間の前記センサ検出結果とを基に、前記室内への人の出入り及び前記室内での移動パターンを示す行動パターン情報を生成する第4の工程と、
前記第2の工程で検出した濃度変化と前記第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第5の工程と、
をコンピュータが実行し、
前記第5の工程は、
前記検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた状態を所定時間継続して検出し、且つ前記センサ検出結果が前記室内の人を一定時間検出しないという第1の条件と、
前記行動パターン情報を基に前記室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件との
双方を満たした場合に、前記人に異常が発生したと判定する
室内異常検出方法。
【請求項2】
前記第4の工程は、前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、センサ検出結果と、当該センサ検出結果の変化のタイミングとを基に、前記行動パターン情報を生成する
請求項1に記載の室内異常検出方法。
【請求項3】
前記第4の工程は、
同じ居住空間又は企業内の複数の部屋に、それぞれ設けられた複数の前記濃度センサが検出した前記二酸化炭素濃度の前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、
同じ居住空間又は企業内の複数の部屋に、それぞれ設けられた複数の前記人感センサが検出した前記センサ検出結果の検出結果変化と、当該検出結果変化のタイミングと、
を基に、前記行動パターン情報を生成する
請求項2に記載の室内異常検出方法。
【請求項4】
前記第5の工程は、
前記行動パターン情報と前記濃度センサが検出した前記二酸化炭素濃度とを基に、前記室内に人が一人いるか、複数いるかを特定し、前記室内に一人しかいない状態であることを条件に、前記異常が発生したと判定する
請求項3に記載の室内異常検出方法。
【請求項5】
室内の濃度センサが検出した一酸化炭素濃度を受信する第6の工程と、
前記第6の工程で受信した前記一酸化炭素濃度を基に、前記室内において火災が発生したかを判定する
請求項4に記載の室内異常検出方法。
【請求項6】
室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、
前記第1の工程で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、
前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、
所定期間の前記濃度変化と所定期間の前記センサ検出結果とを基に、前記室内への人の出入り及び前記室内での移動パターンを示す行動パターン情報を生成する第4の工程と、
前記第2の工程で検出した濃度変化と前記第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第5の工程と、
をコンピュータが実行し、
前記第5の工程は、
前記検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた状態を所定時間継続して検出し、且つ前記センサ検出結果が前記室内の人を一定時間検出しないという第1の条件と、
前記行動パターン情報を基に前記室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件との
双方を満たした場合に、前記人に異常が発生したと判定する
室内異常検出システム。
【請求項7】
前記第4の工程は、前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、センサ検出結果と、当該センサ検出結果の変化のタイミングとを基に、前記行動パターン情報を生成する
請求項6に記載の室内異常検出方法。
【請求項8】
室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、
前記第1の工程で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、
前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、
所定期間の前記濃度変化と所定期間の前記センサ検出結果とを基に、前記室内への人の出入り及び前記室内での移動パターンを示す行動パターン情報を生成する第4の工程と、
前記第2の工程で検出した濃度変化と前記第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第5の工程と、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第5の工程は、
前記検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた状態を所定時間継続して検出し、且つ前記センサ検出結果が前記室内の人を一定時間検出しないという第1の条件と、
前記行動パターン情報を基に前記室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件との
双方を満たした場合に、前記人に異常が発生したと判定する
プログラム。
【請求項9】
前記第4の工程は、前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、センサ検出結果と、当該センサ検出結果の変化のタイミングとを基に、前記行動パターン情報を生成する
請求項8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内異常検出方法、そのシステム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢者の居住空間にカメラ等を設置して、高齢者等の居住者の生存確認等をするシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-131832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようにカメラを用いた場合、居住者のプライバシーの侵害が懸念される。居住者は、自立した生活を送る権利があり、常時監視されることはその権利を侵害する可能性がある。
また、カメラが故障したりハッキングされたりすると、個人情報や生活の様子が第三者に漏れるリスクがある。
さらに、高齢者が自由に動き回る空間であるべきであるため、カメラの設置によって居住者の行動が制限される可能性もある。
このような点から、個々のプライバシー権や尊厳を保護しつつ、高齢者の安全を確保する方法が求められている。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、居住者等のプライバシーを保護しながら、居住者の身体的な状態を遠隔から判定可能な室内異常検出方法、そのシステム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、前記第1の工程で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、前記第2の工程で検出した濃度変化と前記第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第4の工程とをコンピュータが実行する室内異常検出方法である。
【0007】
好適には、前記第4の工程は、前記検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた後に、前記センサ検出結果が前記室内の人を一定時間検出しないという第1の条件を満たした場合に、前記人に異常が発生したと判定する。
【0008】
好適には、所定期間の前記濃度変化と所定期間の前記センサ検出結果とを基に、前記室内への人の出入り及び前記室内での移動パターンを示す行動パターン情報を生成する第5の工程を前記コンピュータが実行し、前記第4の工程は、前記第1の条件を満たし、且つ前記行動パターン情報を基に前記室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件を満たした場合に、前記人に異常が発生したいと判定する。
【0009】
好適には、前記第4の工程は、前記検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた状態を所定時間継続して検出し、且つ前記センサ検出結果が前記室内の人を一定時間検出しない場合に、前記第1の条件を満たしたと判定する。
【0010】
好適には、前記第5の工程は、前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、センサ検出結果と、当該センサ検出結果の変化のタイミングとを基に、前記行動パターン情報を生成する。
【0011】
好適には、前記第5の工程は、同じ居住空間又は企業内の複数の部屋に、それぞれ設けられた複数の前記濃度センサが検出した前記二酸化炭素濃度の前記濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、同じ居住空間又は企業内の複数の部屋に、それぞれ設けられた複数の前記人感センサが検出した前記センサ検出結果の検出結果変化と、当該検出結果変化のタイミングと、を基に、前記行動パターン情報を生成する。
【0012】
好適には、前記第4の工程は、前記行動パターンと前記濃度センサが検出した前記二酸化炭素濃度と前記行動パターン情報とを基に、前記室内に人が一人いるか、複数いるかを特定し、前記室内に一人しかいない状態であることを条件に、前記異常が発生したと判定する。
【0013】
好適には、室内の濃度センサが検出した一酸化炭素濃度を受信する第6の工程と、前記第6の工程で受信した前記一酸化炭素濃度を基に、前記室内において火災が発生したかを判定する。
【0014】
本発明は、室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の手段と、前記第1の手段で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の手段と、前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の手段と、前記第2の手段で検出した濃度変化と前記第3手段で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第4の手段とを有する室内異常検出システムである。
【0015】
本発明は、室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、前記第1の工程で受信した前記室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、前記室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、前記第2の工程で検出した濃度変化と前記第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前記室内にいる人の状態を判定する第4の工程とをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、居住者等のプライバシーを保護しながら、居住者の身体的な状態を遠隔から判定可能な室内異常検出方法、そのシステム及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る室内異常検出を説明するためのシステム構成図である。
図2図2は、監視対象の家屋の室内12に配置された濃度センサ13及び人感センサ15を説明するための図である。
図3図3は、図1に示す室内異常検出装置11の機能ブロック図である。
図4図4は、人間が行動している時の二酸化炭素の差分等を表記したグラフ図である。
図5図5は、人間が行動している時の二酸化炭素の差分等を表記したグラフ図である。
図6図6は、室内の二酸化炭素濃度、センサ検出結果の時間推移を示すグラフ図である
図7図7は、本発明の第1実施形態に係る室内異常検出装置11の動作例を説明するためのフローチャート図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態の行動パターンデータの生成を説明するためのフローチャート図である。
図9図9は、本発明の第2実施形態に係る室内異常検出装置11の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る室内異常検出方法について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る室内異常検出を説明するためのシステム構成図である。
図1に示すように、本実施形態では、居住空間又は企業の室内12(12_1~12_4等)に濃度センサ13(13_1~13_4等)が配置されている。
室内12には、人感センサ15(15_1~15_3等)が配置されている。
人感センサ15は、例えば、110度の検出角度、約5mの検出距離を有している。人感センサ15は、室内の人の動線上に配置する。
【0019】
室内異常検出装置11は、濃度センサ13が検出した二酸化炭素濃度を受信し、人感センサ15からセンサ検出結果を受信し、後述する室内にいる人の異常状態を判定処理して、必要に応じて関係者端末装置21にメッセージを送信する。
【0020】
図2は、監視対象の家屋の室内12に配置された濃度センサ13を説明するための図である。
濃度センサ13及び人感センサ15は、家屋等の複数の室内12のうち、予め決められた室内12に設置される。
【0021】
図3は、図1に示す室内異常検出装置11の機能ブロック図である。
図2に示すように、室内異常検出装置11は、例えば、操作部53,通信部55、メモリ59及び処理部61を有する。
【0022】
操作部53は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
通信部55は、濃度センサ13及び関係者端末装置21と通信を行う。
入力部57は、外部からデータを入力する端子等である。
メモリ59は、処理部61が実行するプログラムを記憶する。
処理部61は、メモリ59に記憶されたプログラムPRGを実行して、本実施形態で規定する室内異常検出装置11の処理を行う。
【0023】
室内異常検出装置11は、居住空間内の濃度センサ13から、当該濃度センサ13が検出した二酸化炭素濃度を示す二酸化炭素濃度データを受信する。
室内異常検出装置11は、当該受信した二酸化炭素濃度データが示す二酸化炭素濃度の単位時間の変化量を検出する。例えば、室内異常検出装置11は、図4及び図5に示すように変化量を検出する。
当該変化量は変化したパーセンテージを用いてもよい。このように変化量を用いることで、居住者の容態変化を高精度に特定できる。
【0024】
室内異常検出装置11は、居住空間内の人感センサ15から、当該人感センサ15が検出した人感検出結果を受信する。
図6は、人感検出結果の波形を説明するための図である。
【0025】
室内異常検出装置11は、上記検出した変化量及び人感検出結果を基に、居住空間内にいる人いるか否かを判定する。
【0026】
室内異常検出装置11は、室内12_1~12_4のいずれかにおいて、濃度センサ13_1~13_4のいずれかの二酸化炭素濃度が生存濃度から非生存濃度に変化した後に、人感センサ15_1~15_3のセンサ検出結果が人を一定時間検出しないという第1の条件を満たしたか否かを判定する。
室内異常検出装置11は、第1の条件を満たした場合に、室内の人に異常が発生したと判定する。
ここで、生存濃度とは、室内12_1~12_4において、人が生存しているときの二酸化炭素の濃度を予め所定期間検出し、その結果を基に規定された濃度である。
また、非生存濃度は、室内12_1~12_4において、人がいないときの二酸化炭素の濃度を予め所定期間検出し、その結果を基に規定された濃度である。
【0027】
室内異常検出装置11は、上記特定した行動パターン及び二酸化炭素濃度を基に、居住区間に人が一人いるか、複数いるかを特定し、居住空間に一人しかいない状態であることを条件に、異常が発生したと判定する。
【0028】
図4及び図5において、人間が行動している時の二酸化炭素の差分(変化量のみ)がグラフ表記されている。当該グラフの線が激しく動いている時は人間が動いている状態である。
当該状態は、二酸化炭素の濃度でも把握できる。二酸化炭素の濃度と、その変化を基に居住者の行動や室内の空気環境を把握できる。
【0029】
図6において、(A)は二酸化炭素濃度、(B)はセンサ検出結果の時間推移を示している。横軸が時間、縦軸がレベルを示している。
図6(B)に示すように、人感センサ15の検出範囲に人がいる時間は、センサ検出結果が大きく振れる。
【0030】
図7は、本発明の第1実施形態に係る室内異常検出装置11の動作例を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
【0031】
ステップST11:
室内異常検出装置11は、居住空間内の濃度センサ13_1~13_4から、当該濃度センサ13_1~13_4が検出した二酸化炭素濃度を示す二酸化炭素濃度データを受信してメモリ59に記憶する。
【0032】
ステップST12:
室内異常検出装置11は、ステップST11で受信した二酸化炭素濃度データの単位時間の変化量を検出し、メモリ59に記憶する。例えば、室内異常検出装置11は、図4及び図5に示すように変化量を検出する。
【0033】
ステップST13:
室内異常検出装置11は、居住空間内の人感センサ15から、当該人感センサ15が検出したセンサ検出結果を受信してする。
【0034】
ステップST14:
室内異常検出装置11は、二酸化炭素濃度又はその変化量、及びセンサ検出結果の少なくとも一方を基に、居住空間内に人がいるか否かを判定する。当該判定は、室内12_1~12_4毎に行ってもよい。
室内異常検出装置11は、人がいると判断した場合にはステップST15に進む。
【0035】
ステップST15:
室内異常検出装置11は、濃度センサ13_1~13_4から受信した二酸化炭素濃度の濃度又は変化量、並びに人感センサ15_1~15_3から受信したセンサ検出結果を基に、室内の人に異常発生したことを意味する第1の条件を満たしているか判定する。
具体的には、室内異常検出装置11は、検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた後に、センサ検出結果が室内の人を一定時間検出しない場合に第1の条件を満たしたと判定する。上記「検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた」は、二酸化炭素濃度が予め規定した人の生存濃度から非生存濃度に一定時間内に変化したことを基準に判断する。
【0036】
このとき、人に異常事態が発生したときに、室内の二酸化炭素濃度がどのように変化するかを基に予め決められた時間変化量で変化したかを基に判断する。
室内異常検出装置11は、検出した二酸化炭素濃度が一定基準まで落ちた状態を所定時間継続して検出し、且つ前記センサ検出結果が室内の人を一定時間検出しない場合に、第1の条件を満たしたと判定してもよい。当該所定時間及び一定時間は、過去の実測値を基に予め規定される。また、一定期間、実測値を基に更新してもよい。
【0037】
ステップST16:
室内異常検出装置11は、居住者の関係者の関係者端末装置21に、居住者に異常が発生したことを通知する。
【0038】
以上説明したように、室内異常検出装置11によれば、室内12にカメラを設置せずに、濃度センサ13及び人感センサ15を設置し、濃度センサ13が検出した二酸化炭素の濃度及び人感センサ15が検出したセンサ検出結果を用いて、室内12の居住者の状態を判定することができる。
そのため、居住者のプライバシーを保護することができる。
【0039】
<第2実施形態>
【0040】
本実施形態において、前述した第1実施形態における第1の条件に加えて、住民の行動パターン情報を基に室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件を満たした場合に、異常が発生したいと判定する。
これにより、判定精度を高めている。
【0041】
図8は、行動パターンデータの生成を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
ステップST21:
室内異常検出装置11は、図7に示すステップST12でメモリ59に記憶した一定期間(例えば、1週間~1か月)の二酸化炭素の変化量を読み出す。
【0042】
ステップST22:
室内異常検出装置11は、ステップST13でメモリ59に記憶した上記一定期間のセンサ検出結果を読み出さす。
【0043】
ステップST23:
通信端末装置11は、ステップST21,ST22で読み出した濃度変化と、当該濃度変化のタイミングと、センサ検出結果と、当該センサ検出結果の変化のタイミングとを基に、居住者の行動パターン情報を生成する。
複数の部屋に濃度センサ13及び人感センサ15を配置している場合には、それぞれの部屋毎にパターンを特定し、それを基に全体としての行動パターン情報を生成する。
当該行動パターン情報は、居住者(人)が室内12_1~12_4にいる時間帯、いない時間帯、部屋間の移動パターン等を特定する。これにより、居住者が、居住空間にいると推定される在宅推定時間帯を特定する。当該在宅推定時間帯は、例えば、所定の確率(90%等)の確率で居住者が居住空間や特定の室内12_1~12_4にいる時間帯である。
【0044】
図9は、本発明の第2実施形態に係る室内異常検出装置11の動作例を説明するためのフローチャート図である。
各ステップについて説明する。
【0045】
ステップST11,ST12、ST15,ST16は、図7を用いて説明した第1実施形態の各ステップと同じである。
【0046】
ステップST33について説明する。ステップST33は以下のように行われる。
室内異常検出装置11は、上述したステップST23で生成した行動パターン情報を基に室内に人がいると推定される在宅推定時間帯であるという第2の条件を満たした場合に、ステップST15に進む。
【0047】
第2実施形態によれば、住人の行動パターン情報を予め生成し、それをさらに用いて異常発生メッセージを通知するため、より高精度な状況判断に基づいた通知を行うことができる。
【0048】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0049】
上述した第1,第2実施形態の機能に加えて、二酸化炭素の濃度を基に室内に人がいるが、行動パターン情報から本来行動を開始しているはずの時間帯にセンサ検出結果が人を検知しない場合に、緊急度の低い警告を関係者に通知するようにしてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、居住空間を例示したが、その他企業の職場空間や病棟、施設等に本発明を適用してもよい。
【0051】
また、室内12に人がいるか否かによって、室内12の温度、湿度も影響を受ける。また、居住者が、意図的に空調をオンにしたか否かも判定でき、生命監視になる。
また、人が増えれば湿度も上がるので、季節的要因によっての変化もあり、それを検出することで、室内12の状態も把握できる。
室内異常検出装置11は、最終的には上記を総合活用し個別にデータ化し在宅、不在を検知したり、行動パターンを読み取ることができる。
【0052】
例えば、マンションに一人暮らしをしている高齢者の行動パターンは寝室、リビング、外出(トイレ風呂除いた場合)のいずれかである。濃度センサ13の設置箇所をリビングと寝室にしかければプライベートをカメラで見られる事なく安否・生活パターンが確認できる。
【0053】
また、室内異常検出装置11は室内の濃度センサが検出した一酸化炭素濃度を受信し、当該一酸化炭素濃度を基に、室内において火災が発生したかを判定するようにしてもよい。
また、コンロの消し忘れや寒い地域のストーブによる一酸化炭素中毒に対する安全機能を発揮する。火災になればいち早くCO,CO2,温度に著しい変化が生じる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、室内異常検出システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
11…仕様書検証システム
12…室内
13…二酸化炭素濃度センサ
15…人感センサ
21…関係者端末装置
【要約】
【課題】居住者等のプライバシーを保護しながら、居住者の身体的な状態を遠隔から判定可能な室内異常検出方法を提供する。
【解決手段】室内の濃度センサが検出した二酸化炭素濃度を受信する第1の工程と、第1の工程で受信した室内の二酸化炭素濃度の濃度変化を検出する第2の工程と、室内の所定箇所に配置された人感センサのセンサ検出結果を受信する第3の工程と、第2の工程で検出した濃度変化と第3工程で受信したセンサ検出結果とを基に、前室内にいる人の状態を判定する第4の工程とを有する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9