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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】モジュール駆動装置及び光学装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20241106BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241106BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241106BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/68
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2024515874
(86)(22)【出願日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 JP2023017829
(87)【国際公開番号】W WO2023223944
(87)【国際公開日】2023-11-23
【審査請求日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】P 2022080480
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】横田 純一郎
(72)【発明者】
【氏名】村山 丈剛
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-139990(JP,A)
【文献】特開2022-063865(JP,A)
【文献】特開2021-071494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0149142(US,A1)
【文献】特表2021-504745(JP,A)
【文献】特開2006-119249(JP,A)
【文献】特開2008-233525(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188656(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G03B 30/00
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ体及び撮像素子を有する光学モジュールを保持可能なモジュール保持体と、
前記モジュール保持体が光軸方向と交差する第1軸線の回りに揺動可能となるように、前記モジュール保持体と連結される連結部材と、
前記連結部材が前記第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線の回りに揺動可能となるように、前記連結部材と連結される固定側部材と、
前記モジュール保持体を前記固定側部材に対して移動させる駆動部と、を備えたモジュール駆動装置であって、
前記モジュール保持体と前記連結部材との間、及び、前記連結部材と前記固定側部材との間のうちの少なくとも一方は、光軸を挟んで対向するとともに前記第1軸線及び前記第2軸線の少なくとも一方の軸線上に位置するように配置された二つの第1体を介して連結されており、前記第1体を介して連結される二つの対応する部材は、一方の部材が他方の部材に対して揺動可能であるとともに、前記光軸の回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されていることを特徴とする、
モジュール駆動装置。
【請求項2】
前記モジュール保持体と前記連結部材とは、前記第1軸線の軸線上に位置するように配置された二つの前記第1体を介して連結されており、前記第1体を挟んで互いに対向する前記モジュール保持体と前記連結部材とのうちの少なくとも一方には、前記光軸を中心とする円弧状の第1溝部が形成されている、
請求項1に記載のモジュール駆動装置。
【請求項3】
前記連結部材と前記固定側部材とは、前記光軸を挟んで対向するとともに前記第2軸線の軸線上に位置するように配置された二つの第2体を介して連結されており、前記第2体を挟んで互いに対向する前記連結部材と前記固定側部材とのうちの少なくとも一方には、前記光軸を中心とする円弧状の第2溝部が形成されている、
請求項2に記載のモジュール駆動装置。
【請求項4】
前記連結部材には、前記第1体を保持する第1凹部と前記第2体を保持する第2凹部とが設けられている、
請求項3に記載のモジュール駆動装置。
【請求項5】
前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記連結部材の下面側に設けられている、
請求項4に記載のモジュール駆動装置。
【請求項6】
前記連結部材は前記固定側部材の上側に配置される部分を有し、
前記モジュール保持体は前記連結部材よりも下側に配置される部分を有し、
前記第1体及び前記第2体は、それぞれ前記連結部材の下側に配置されている、
請求項3乃至請求項5の何れかに記載のモジュール駆動装置。
【請求項7】
前記連結部材及び前記モジュール保持体のそれぞれには、前記第1体を挟んで互いに引き合うように配置される第1磁石及び第2磁石が設けられ、
前記連結部材及び前記固定側部材のそれぞれには、前記第2体を挟んで互いに引き合うように配置される第3磁石及び第4磁石が設けられている、
請求項3乃至請求項5の何れかに記載のモジュール駆動装置。
【請求項8】
前記第1体及び前記第2体は磁性材料で構成されている、
請求項7に記載のモジュール駆動装置。
【請求項9】
前記第1磁石は、第1一方側磁石と第1他方側磁石とを含み、
前記第2磁石は、第2一方側磁石と第2他方側磁石とを含み、
前記第3磁石は、第3一方側磁石と第3他方側磁石とを含み、
前記第4磁石は、第4一方側磁石と第4他方側磁石とを含み、
二つの前記第1体のうちの一方を挟んで配置される前記第1一方側磁石と前記第2一方側磁石との間の吸引力と、二つの前記第1体のうちの他方を挟んで配置される前記第1他方側磁石と前記第2他方側磁石との間の吸引力とは互いに異なっており、且つ/或いは、二つの前記第2体のうちの一方を挟んで配置される前記第3一方側磁石と前記第4一方側磁石との間の吸引力と、二つの前記第2体のうちの他方を挟んで配置される前記第3他方側磁石と前記第4他方側磁石との間の吸引力とは互いに異なっている、
請求項8に記載のモジュール駆動装置。
【請求項10】
前記駆動部は、前記モジュール保持体及び前記連結部材を含む可動側部材と前記固定側部材との間に設けられた複数の形状記憶合金ワイヤを含んで構成される、
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のモジュール駆動装置。
【請求項11】
前記駆動部は、前記モジュール保持体を含む第1可動部と前記連結部材を含む第2可動部との間に設けられる複数の第1形状記憶合金ワイヤを有し、
前記可動側部材と前記固定側部材との間に設けられる複数の前記形状記憶合金ワイヤは、前記第2可動部と前記固定側部材との間に設けられる複数の第2形状記憶合金ワイヤによって構成されている、
請求項10に記載のモジュール駆動装置。
【請求項12】
前記モジュール保持体を挟んで前記第2軸線の軸線方向に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の前記第1形状記憶合金ワイヤが配置され、該二本の前記第1形状記憶合金ワイヤは、前記第2軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差し、
前記モジュール保持体を挟んで前記第1軸線の軸線方向に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の前記第2形状記憶合金ワイヤが配置され、該二本の前記第2形状記憶合金ワイヤは、前記第1軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差している、
請求項11に記載のモジュール駆動装置。
【請求項13】
レンズ体及び撮像素子を有する光学モジュールを保持可能なモジュール保持体と、
前記モジュール保持体が光軸方向と交差する第1軸線の回りに揺動可能となるように、前記モジュール保持体と連結される連結部材と、
前記連結部材が前記第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線の回りに揺動可能となるように、前記連結部材と連結される固定側部材と、
前記モジュール保持体を前記固定側部材に対して移動させる駆動部と、を備えたモジュール駆動装置であって、
前記モジュール保持体と前記連結部材との間、及び、前記連結部材と前記固定側部材との間のうちの少なくとも一方は、光軸を挟んで対向するように配置された二つの第1体を介して連結されており、
前記第1体は、磁性材料で構成されており、
前記第1体を介して連結される二つの対応する部材のそれぞれには、前記第1体を挟んで互いに引き合うように配置される第1磁石及び第2磁石が設けられていることを特徴とするモジュール駆動装置。
【請求項14】
前記第1磁石は、第1一方側磁石と第1他方側磁石とを含み、
前記第2磁石は、第2一方側磁石と第2他方側磁石とを含み、
二つの前記第1体のうちの一方を挟んで配置される前記第1一方側磁石と前記第2一方側磁石との間の吸引力と、二つの前記第1体のうちの他方を挟んで配置される前記第1他方側磁石と前記第2他方側磁石との間の吸引力とが互いに異なるように構成されている、
請求項13に記載のモジュール駆動装置。
【請求項15】
前記モジュール保持体と前記連結部材とは、前記第1体を介して連結されており、
前記連結部材と前記固定側部材とは、前記光軸を挟んで対向するように配置された二つの第2体を介して連結されており、
前記第2体は、磁性材料で構成されており、
前記連結部材及び前記固定側部材のそれぞれには、前記第2体を挟んで互いに引き合うように配置される第3磁石及び第4磁石が設けられている、
請求項13又は請求項14に記載のモジュール駆動装置。
【請求項16】
前記第3磁石は、第3一方側磁石と第3他方側磁石とを含み、
前記第4磁石は、第4一方側磁石と第4他方側磁石とを含み、
二つの前記第2体のうちの一方を挟んで配置される前記第3一方側磁石と前記第4一方側磁石との間の吸引力と、二つの前記第2体のうちの他方を挟んで配置される前記第3他方側磁石と前記第4他方側磁石との間の吸引力とが互いに異なるように構成されている、
請求項15に記載のモジュール駆動装置。
【請求項17】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のモジュール駆動装置と、
前記モジュール保持体に保持された前記光学モジュールと、を有する、
ことを特徴とする光学装置。
【請求項18】
前記光学モジュールは、
モジュール側固定部材と、
前記レンズ体が保持されるレンズ保持体と、
前記モジュール側固定部材に対して前記レンズ保持体を移動させるモジュール側駆動部と、を有する、
請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
前記モジュール側駆動部は、前記レンズ保持体を含むモジュール側可動部材と前記モジュール側固定部材との間に設けられた複数のモジュール側形状記憶合金ワイヤを含んで構成される、
請求項18に記載の光学装置。
【請求項20】
複数の前記モジュール側形状記憶合金ワイヤは、
前記レンズ保持体を挟んで前記第2軸線の軸線方向に離間する二つの位置のそれぞれに配置される二本の第3形状記憶合金ワイヤと、
前記レンズ保持体を挟んで前記第1軸線の軸線方向に離間する二つの位置のそれぞれに配置される二本の第4形状記憶合金ワイヤと、を有し、
前記二本の前記第3形状記憶合金ワイヤは、前記第2軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差し、
前記二本の前記第4形状記憶合金ワイヤは、前記第1軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差している、
請求項19に記載の光学装置。
【請求項21】
レンズ体を保持可能なレンズ保持体と、
前記レンズ体に対向して配置される撮像素子に対して相対移動不能に設けられる撮像素子保持体と、
前記撮像素子保持体を含むモジュール側固定部材に対して前記レンズ保持体を移動させるモジュール側駆動部と、
前記モジュール側固定部材を保持するモジュール保持体と、
前記モジュール保持体が光軸方向と交差する第1軸線の回りに揺動可能となるように、前記モジュール保持体と連結される連結部材と、
前記連結部材が前記第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線の回りに揺動可能となるように、前記連結部材と連結される固定側部材と、
前記モジュール保持体を、前記固定側部材に対して移動させる駆動部と、を備えた光学装置において、
前記モジュール保持体と前記連結部材との間、及び、前記連結部材と前記固定側部材との間のうちの少なくとも一方は、光軸を挟んで対向するとともに前記第1軸線及び前記第2軸線の少なくとも一方の軸線上に位置するように配置された二つの第1体を介して連結されており、前記第1体を介して連結される二つの対応する部材は、一方の部材が他方の部材に対して揺動可能であるとともに、前記光軸の回りで相対的に回動可能となるように構成されていることを特徴とする光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュール駆動装置及び光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁石及びコイルを含む駆動機構によってカメラモジュールを光軸回りに回転させるように構成された光学ユニットが知られている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-139990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この光学ユニットは、回転支持機構とジンバル機構を必要とするため、構造が複雑になってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、より単純な構造を有するモジュール駆動装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るモジュール駆動装置は、レンズ体及び撮像素子を有する光学モジュールを保持可能なモジュール保持体と、前記モジュール保持体が光軸方向と交差する第1軸線の回りに揺動可能となるように、前記モジュール保持体と連結される連結部材と、前記連結部材が前記第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線の回りに揺動可能となるように、前記連結部材と連結される固定側部材と、前記モジュール保持体を前記固定側部材に対して移動させる駆動部と、を備えたモジュール駆動装置であって、前記モジュール保持体と前記連結部材との間、及び、前記連結部材と前記固定側部材との間のうちの少なくとも一方は、光軸を挟んで対向するとともに前記第1軸線及び前記第2軸線の少なくとも一方の軸線上に位置するように配置された二つの第1体を介して連結されており、前記第1体を介して連結される二つの対応する部材は、一方の部材が他方の部材に対して揺動可能であるとともに、前記光軸の回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述のモジュール駆動装置は、回転支持機構とジンバル機構を用いた装置よりも簡単な構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】光学装置の斜視図である。
図2】光学装置の分解斜視図である。
図3】モジュール駆動装置の分解斜視図である。
図4】各種部材が取り付けられるモジュール保持体の斜視図である。
図5】モジュール保持体の上面及び底面を示す図である。
図6】各種部材が取り付けられる連結部材の斜視図である。
図7】連結部材の上面及び底面を示す図である。
図8】各種部材が取り付けられるベース部材の斜視図である。
図9】ベース部材の上面及び底面を示す図である。
図10】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の上面図である。
図11】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の断面図である。
図12】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の断面図である。
図13】形状記憶合金ワイヤが取り付けられた金属部材の右側面図である。
図14】形状記憶合金ワイヤが取り付けられた金属部材の正面図である。
図15】金属部材、導電部材、通電部材、及び形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
図16】第1ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図17】第2ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図18】第7ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図19】第8ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図20】モジュール保持体の動きを実現する際の形状記憶合金ワイヤの伸縮状態を示す表である。
図21】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の正面図である。
図22】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の右側面図である。
図23】モジュール保持体、連結部材、及びベース部材の上面図である。
図24】レンズ駆動装置の分解斜視図である。
図25】モジュール側金属部材、板ばね、通電部材、及びモジュール側形状記憶合金ワイヤの斜視図である。
図26】モジュール側可動金属部材及び板ばねの上面図である。
図27】モジュール側駆動部を構成する第7ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図28】モジュール側駆動部を構成する第8ワイヤを流れる電流の経路を示す図である。
図29】レンズ保持体の動きを実現する際のモジュール側形状記憶合金ワイヤの伸縮状態を示す表である。
図30】モジュール側埋設通電部材、第3埋設通電部材、及び中間通電部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係る光学装置150について図面を参照して説明する。図1は、光学モジュールの一例であるカメラモジュールMDが取り付けられた状態の光学装置150の斜視図であり、図2は、モジュール駆動装置100を含む光学装置150の分解斜視図であり、図3は、モジュール駆動装置100の分解斜視図である。図示例では、モジュール駆動装置100は、カメラモジュール駆動装置である。
【0010】
図1において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1では、光学装置150のX1側は、光学装置150の前側(正面側)に相当し、光学装置150のX2側は、光学装置150の後側(背面側)に相当する。光学装置150のY1側は、光学装置150の左側に相当し、光学装置150のY2側は、光学装置150の右側に相当する。光学装置150のZ1側は、光学装置150の上側(被写体側)に相当し、光学装置150のZ2側は、光学装置150の下側(撮像素子側)に相当する。他の図における他の部材についても同様である。
【0011】
光学装置150を構成しているモジュール駆動装置100は、図2に示すように、固定側部材FBの一部であるカバー部材4を含む。カバー部材4は、モジュール駆動装置100を構成している各部材を覆う筐体HSの一部として機能するように構成されている。図示例では、カバー部材4は、非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。具体的には、カバー部材4は、図2に示すように、収容部4Sを定める箱状の外形を有する。収容部4S内には、カメラモジュールMDが収容される。
【0012】
図1に示す例では、カバー部材4は、矩形筒状の外周壁部4Aと、外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、四角形状の開口4Kが形成されている。外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
【0013】
カバー部材4は、図1に示すように、接着剤によってベース部材8に接合されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。接着剤は、熱硬化型接着剤又は湿気硬化型接着剤等であってもよい。一の部材と別の部材とを接合する或いは一の部材を別の部材に接着固定する後述の接着剤についても同様である。接着剤によってカバー部材4に接合されるベース部材8は、カバー部材4とともに筐体HSを構成している。
【0014】
カメラモジュールMDは、光学モジュールの一例であり、図2に示すように、レンズ駆動装置LDと、レンズ駆動装置LDによって保持されるレンズ体LSと、レンズ体LSに対向するように基板(可撓性基板FC)に固定される撮像素子ISとで構成されている。スペーサSPはレンズ駆動装置LDに固定され、撮像素子ISが実装された可撓性基板FCはスペーサSPに固定されている。図示例では、レンズ駆動装置LDと可撓性基板FCとの間には枠状のスペーサSPが配置されている。撮像素子ISは、撮像面をスペーサSPの開口に露出させた状態で、スペーサSPと可撓性基板FCとの間に形成される空間に収容されている。レンズ体LSと撮像素子ISとの間にIRカットフィルタが配置されていてもよい。この場合、IRカットフィルタは、スペーサSPの枠体の上面に貼り付けられていてもよい。
【0015】
可撓性基板FCは、撮像素子ISとモジュール駆動装置100の外部にある装置とを接続するための配線パターンが形成された可撓性の基板である。図示例では、可撓性基板FCは、繰り返し変形させることができるように構成されたフレキシブルプリント回路基板である。撮像素子ISはリジッド基板に実装されていてもよい。この場合、リジッド基板は、可撓性基板FCに接続され、可撓性基板FCを介して外部と接続されてもよい。この構成では、可撓性基板FCはリジッド基板の動きを吸収できる。
【0016】
図示例では、カメラモジュールMDは、形状記憶合金ワイヤ方式のモジュール側駆動部DMx(図24参照)を備えたカメラモジュールである。但し、カメラモジュールMDは、磁石及びコイルを含むボイスコイルモータ方式又は圧電方式等の他の方式の駆動部を備えたカメラモジュールであってもよい。
【0017】
具体的には、カメラモジュールMDのモジュール側駆動部DMxは、撮像素子ISのZ1側において、レンズ体LSの光軸方向であるZ軸方向に沿ってレンズ体LSを移動させることができるように構成されている。このようにレンズ体LSを移動させることにより、カメラモジュールMDは、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現できる。具体的には、カメラモジュールMDは、撮像素子ISから離れる方向にレンズ体LSを移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子ISに近づく方向にレンズ体LSを移動させて無限遠撮影を可能にする。
【0018】
カメラモジュールMDは、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方にレンズ体LSを移動させることができるように構成されていてもよい。このようにレンズ体LSを移動させることにより、カメラモジュールMDは、レンズ調整機能の別の一つである手振れ補正機能を実現してもよい。
【0019】
図1は、カメラモジュールMDが中立状態(中立位置)にあるときのレンズ体LS及びレンズ駆動装置LDの状態を示す。モジュール駆動装置100の筐体HSに対してレンズ体LSがZ軸方向に沿って並進可能である場合、カメラモジュールMDの中立状態は、レンズ体LSがZ軸方向における移動可能範囲の中間に位置している状態を意味する。典型的には、カメラモジュールMDの中立状態では、レンズ体LSは、Z軸方向の移動可能範囲の中央に位置している。レンズ体LSがX軸方向に沿って並進可能な場合、及び、レンズ体LSがY軸方向に沿って並進可能な場合についても同様である。モジュール側駆動部DMxに電力が供給されていないときのカメラモジュールMDの初期状態を中立状態としてもよい。
【0020】
カメラモジュールMDは、固定焦点型カメラモジュールであってもよい。すなわち、レンズ体LSは、撮像素子ISに対して相対移動不能に配置されていてもよい。
【0021】
モジュール駆動装置100の筐体HS内には、図3に示すように、駆動部DM、モジュール保持体2、連結部材3、金属部材5、上側導電部材UC、及び下側導電部材LC等が収容されている。
【0022】
駆動部DMは、形状記憶アクチュエータの一例である形状記憶合金ワイヤSAを含む。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、略同じ長さと略同じ直径を有する第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してモジュール保持体2を移動させることができる。形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの一つ又は複数が収縮するとモジュール保持体2が移動し、その移動によって別の一つ又は複数が引き延ばされる(伸張される)ように構成されている。図示例では、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4は第1形状記憶合金ワイヤSC1とも称され、第5ワイヤSA5~第8ワイヤSA8は、第2形状記憶合金ワイヤSC2とも称される。
【0023】
図示例では、駆動部DMは、可動側部材MBの3自由度の動きを実現できるように構成されている。3自由度の動きは、光軸方向である第1方向(Z軸方向)の回りの回転(回動)、第1方向に垂直な第2方向(X軸方向)の回りの回転(揺動)、並びに、第1方向及び第2方向に垂直な第3方向(Y軸方向)の回りの回転(揺動)を含む。第1方向(Z軸方向)は、レンズ体LSの光軸OAと一致する第1回転軸RX1に平行な方向であり、第2方向(X軸方向)は、第2回転軸RX2に平行な方向であり、第3方向(Y軸方向)は、第3回転軸RX3に平行な方向である。第2回転軸RX2の軸線は第1回転軸RX1の軸線と直交しており、第3回転軸RX3の軸線は第1回転軸RX1の軸線と直交している。第2回転軸RX2の軸線と第3回転軸RX3の軸線とはねじれの位置の関係にあり、第1回転軸RX1の軸線方向に沿って見た場合において互いに直交する。但し、第2回転軸RX2の軸線と第3回転軸RX3の軸線とは同一平面上で直交していてもよい。すなわち、第1回転軸RX1、第2回転軸RX2、及び第3回転軸RX3は、それぞれ互いに直交する回転軸であってもよい。光軸方向は、レンズ体LSに関する光軸OAの方向、及び、光軸OAに平行な方向を含む。第2回転軸RX2は第1揺動軸とも称され、第3回転軸RX3は第2揺動軸とも称される。
【0024】
モジュール駆動装置100の筐体HSに対してモジュール保持体2が第1回転軸RX1の回りに回動可能である場合、モジュール駆動装置100の中立状態は、モジュール保持体2が回動可能範囲の中間に位置している状態を意味する。典型的には、モジュール駆動装置100の中立状態では、モジュール保持体2は、第1回転軸RX1回りの回動可能範囲の中央に位置している。モジュール保持体2が第2回転軸RX2の回りに揺動可能である場合、及び、モジュール保持体2が第3回転軸RX3の回りに揺動可能である場合についても同様である。駆動部DMに電力が供給されていないときのモジュール駆動装置100の初期状態を中立状態としてもよい。
【0025】
典型的には、モジュール駆動装置100が中立状態であり、且つ、カメラモジュールMDが中立状態である場合には、撮像素子ISの撮像面は、撮像素子ISに対向配置されるレンズ体LSの光軸OAと垂直な状態にある。この場合、撮像素子IS(撮像面)の中心軸は、レンズ体の光軸OAに一致している。撮像素子ISの撮像面は、撮像素子ISの被写体側の面である上面と平行な面である。
【0026】
可動側部材MBは、駆動部DMによって駆動される部材である。図示例では、可動側部材MBは、カメラモジュールMDを保持可能なモジュール保持体2と、モジュール保持体2が揺動可能となるようにモジュール保持体2に連結される連結部材3と、を含む。カメラモジュールMDは、可動側部材MBに含まれてもよい。
【0027】
モジュール保持体2は、レンズ体LS及び撮像素子ISを有するカメラモジュールMDを保持できるように構成されている。図示例では、モジュール保持体2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成されている。具体的には、モジュール保持体2は、図3に示すように、矩形筒状の外周壁部2Aと、外周壁部2Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部2Bと、外周壁部2Aの四つの角部のそれぞれに形成されたフランジ部2Gと、他の部材の対応する部分と係合するように構成された係合部2Tと、を有する。
【0028】
図示例では、フランジ部2Gは、モジュール保持体2の左前側の角部に形成された左前側フランジ部2GFL、モジュール保持体2の右前側の角部に形成された右前側フランジ部2GFR、モジュール保持体2の左後側の角部に形成された左後側フランジ部2GBL、及び、モジュール保持体2の右後側の角部に形成された右後側フランジ部2GBRを含む。
【0029】
図示例では、係合部2Tは、連結部材3の一部と係合するように構成された部分である。具体的には、係合部2Tは、外周壁部2Aの左側面から外側に突出するように形成された左側係合部2TL(図5参照)と、外周壁部2Aの右側面から外側に突出するように形成された右側係合部2TRと、を含む。
【0030】
図示例では、モジュール保持体2は、カメラモジュールMDのカバー部材として機能するように構成されている。具体的には、レンズ駆動装置LDは、外周壁部2Aの下端部に接着剤で接合されるように構成されている。
【0031】
連結部材3は、モジュール保持体2が光軸方向と交差する第3回転軸RX3の回りに揺動可能となるように構成されている。図示例では、連結部材3は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することによって形成されている。具体的には、連結部材3は、図3に示すように、矩形の開口3Kを囲むように配置される矩形環状の枠部を有する。枠部は、四つの辺部3E(第1辺部3E1~第4辺部3E4)を有する。連結部材3は、他の部材の対応する部分と係合するように構成された係合部Vを有する。
【0032】
図示例では、係合部Vは、モジュール保持体2の一部と係合するように構成された第1係合部V1、及び、ベース部材8の一部と係合するように構成された第2係合部V2を含む。具体的には、第1係合部V1は、第2辺部3E2の中央部に形成された第1左側係合部V1Lと、第4辺部3E4の中央部に形成された第1右側係合部V1Rと、を含む。第2係合部V2は、第1辺部3E1の中央部に形成された第2前側係合部V2Fと、第3辺部3E3の中央部に形成された第2後側係合部V2Bと、を含む。
【0033】
上側導電部材UCは、可動側部材MBの上側において、互いに相対的に移動する二つの部材の間を繋ぐ可撓性の導電部材である。図示例では、上側導電部材UCは、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。
【0034】
図示例では、上側導電部材UCは、モジュール保持体2と連結部材3との間を繋ぐ第1導電部材6と、連結部材3とベース部材8との間を繋ぐ第2導電部材7と、を含む。第1導電部材6は、左側導電部材6L及び右側導電部材6Rを含む。第2導電部材7は、前側導電部材7F及び後側導電部材7Bを含む。そして、前側導電部材7Fは、左前側導電部材7FL及び右前側導電部材7FRを含み、後側導電部材7Bは、左後側導電部材7BL及び右後側導電部材7BRを含む。
【0035】
下側導電部材LCは、可動側部材MBの下側において、互いに相対的に移動する二つの部材の間を繋ぐ可撓性の導電部材であり、第3導電部材9とも称される。図示例では、第3導電部材9は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。具体的には、第3導電部材9は、モジュール保持体2とベース部材8との間を繋ぐ四つの導電部材(左前側導電部材9FL、右前側導電部材9FR、左後側導電部材9BL、及び右後側導電部材9BR)を含む。
【0036】
ベース部材8は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。図示例では、ベース部材8は、図3に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口8Kを有する。具体的には、ベース部材8は、開口8Kを囲むように配置される四つの辺部8E(第1辺部8E1~第4辺部8E4)を有する。ベース部材8は、他の部材の対応する部分と係合するように構成された係合部8Tを有する。
【0037】
図示例では、係合部8Tは、連結部材3の一部と係合するように構成された部分である。具体的には、係合部8Tは、第1辺部8E1の中央部に形成された前側係合部8TFと、第3辺部8E3の中央部に形成された後側係合部8TBと、を含む。
【0038】
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。図示例では、金属部材5は、図3に示すように、八つの下側金属部材5F(第1下側ターミナルプレート5F1~第8下側ターミナルプレート5F8)及び八つの上側金属部材5M(第1上側ターミナルプレート5M1~第8上側ターミナルプレート5M8)を含む。
【0039】
八つの下側金属部材5Fのうちの四つ(第1下側ターミナルプレート5F1~第4下側ターミナルプレート5F4)は、モジュール保持体2に固定されるように構成され、八つの下側金属部材5Fのうちの残りの四つ(第5下側ターミナルプレート5F5~第8下側ターミナルプレート5F8)は、ベース部材8に固定されるように構成されている。八つの上側金属部材5M(第1上側ターミナルプレート5M1~第8上側ターミナルプレート5M8)は、連結部材3に固定されるように構成されている。
【0040】
形状記憶合金ワイヤSAは、カバー部材4の外周壁部4Aの内面に沿うように配置されており、固定側部材FBに対して可動側部材MBを動かすことができるように構成されている。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、図3に示すように、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材FBとしてのベース部材8に対して、可動側部材MBとしてのモジュール保持体2を動かすことができるように構成されている。具体的には、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図3に示すように、一端が圧着又は溶接等により下側金属部材5Fに固定され、且つ、他端が圧着又は溶接等により上側金属部材5Mに固定されている。
【0041】
第1回転体Q1は、モジュール保持体2と連結部材3との間に配置される回転体であり、第2回転体Q2は、連結部材3とベース部材8との間に配置される回転体である。図示例では、第1回転体Q1及び第2回転体Q2は、磁性材料(磁性金属)で形成されたボール(球体)である。但し、第1回転体Q1及び第2回転体Q2は、プラスチック、非磁性金属、又はセラミック等の非磁性材料で形成されていてもよい。第1回転体Q1及び第2回転体Q2は、円柱体等、球体以外の形状を有していてもよい。
【0042】
具体的には、第1回転体Q1は、Y軸方向において光軸OAを挟んで対向するように配置された第1左側回転体Q1L及び第1右側回転体Q1Rを含む。第1左側回転体Q1Lの中心と第1右側回転体Q1Rの中心とを結ぶ線は、第3回転軸RX3の軸線を構成する。第2回転体Q2は、X軸方向において光軸OAを挟んで対向するように配置された第2前側回転体Q2F及び第2後側回転体Q2Bを含む。第2前側回転体Q2Fの中心と第2後側回転体Q2Bの中心とを結ぶ線は、第2回転軸RX2の軸線を構成する。
【0043】
第1磁石MG1及び第2磁石MG2は、モジュール保持体2と連結部材3とが第1回転体Q1を挟んで互いに引き合うことができるように配置されている。図示例では、第1磁石MG1は、連結部材3の上面側に取り付けられ、第2磁石MG2は、モジュール保持体2の下面側に取り付けられている。
【0044】
第1磁石MG1及び第2磁石MG2は、直方体状の永久磁石であり、Z軸方向に二極着磁されている。図示例では、第1磁石MG1及び第2磁石MG2は、Z軸方向において第1磁石MG1のS極と第2磁石MG2のN極とが第1回転体Q1を挟んで対向するように、上側がN極に着磁され、下側がS極に着磁されている。
【0045】
より具体的には、第1磁石MG1は、連結部材3の第2辺部3E2の中央部にある第1左側係合部V1Lの上側に接着固定される第1左側磁石MG1Lと、連結部材3の第4辺部3E4の中央部にある第1右側係合部V1Rの上側に接着固定される第1右側磁石MG1Rと、を含む。第2磁石MG2は、モジュール保持体2の外周壁部2Aの左側面にある左側係合部2TLの下側に接着固定される第2左側磁石MG2Lと、モジュール保持体2の外周壁部2Aの右側面にある右側係合部2TRの下側に接着固定される第2右側磁石MG2Rと、を含む。
【0046】
第3磁石MG3及び第4磁石MG4は、連結部材3とベース部材8とが第2回転体Q2を挟んで互いに引き合うことができるように配置されている。図示例では、第3磁石MG3は、連結部材3の上面側に取り付けられ、第4磁石MG4は、ベース部材8の下面側に取り付けられている。
【0047】
第3磁石MG3及び第4磁石MG4は、直方体状の永久磁石であり、Z軸方向に二極着磁されている。図示例では、第3磁石MG3及び第4磁石MG4は、Z軸方向において第3磁石MG3のS極と第4磁石MG4のN極とが第2回転体Q2を挟んで対向するように、上側がN極に着磁され、下側がS極に着磁されている。
【0048】
より具体的には、第3磁石MG3は、連結部材3の第1辺部3E1の中央部にある第2前側係合部V2Fの上側に接着固定される第3前側磁石MG3Fと、連結部材3の第3辺部3E3の中央部にある第2後側係合部V2Bの上側に接着固定される第3後側磁石MG3Bと、を含む。第4磁石MG4は、ベース部材8の第1辺部8E1の中央部にある前側係合部8TFの下側に接着固定される第4前側磁石MG4Fと、ベース部材8の第3辺部8E3の中央部にある後側係合部8TBの下側に接着固定される第4後側磁石MG4Bと、を含む。
【0049】
次に、図4図9を参照し、モジュール駆動装置100を構成するモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8の詳細について説明する。図4は、各種部材が取り付けられるモジュール保持体2の斜視図である。図5は、モジュール保持体2の上面及び底面を示す図である。図6は、各種部材が取り付けられる連結部材3の斜視図である。図7は、連結部材3の上面及び底面を示す図である。図8は、各種部材が取り付けられるベース部材8の斜視図である。図9は、ベース部材8の上面及び底面を示す図である。
【0050】
図4に示すモジュール保持体2では、第1下側ターミナルプレート5F1は、モジュール保持体2の右前側フランジ部2GFRの前面に固定され、第2下側ターミナルプレート5F2は、モジュール保持体2の左前側フランジ部2GFLの前面に固定され、第3下側ターミナルプレート5F3は、モジュール保持体2の左後側フランジ部2GBL(図5参照)の後面に固定され、第4下側ターミナルプレート5F4は、モジュール保持体2の右後側フランジ部2GBRの後面に固定されている。モジュール保持体2に取り付けられる第1下側ターミナルプレート5F1~第4下側ターミナルプレート5F4は、モジュール保持体2とともに第1可動部MB1を構成している。第1下側ターミナルプレート5F1~第4下側ターミナルプレート5F4は、接着剤によりフランジ部2Gに固定されている。
【0051】
図4に示すように、左側導電部材6Lは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分6ILと、連結部材3に固定される外側固定部分6ELと、内側固定部分6ILと外側固定部分6ELとを繋ぐ弾性部分6GLと、を有する。右側導電部材6Rは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分6IRと、連結部材3に固定される外側固定部分6ERと、内側固定部分6IRと外側固定部分6ERとを繋ぐ弾性部分6GRと、を有する。
【0052】
具体的には、内側固定部分6IRは、モジュール保持体2の外周壁部2Aの右側面に形成された右側台座部2DRの上端面に載置され、接着剤により右側台座部2DRに固定されている。内側固定部分6ILは、モジュール保持体2の外周壁部2Aの左側面に形成された左側台座部2DL(図5参照)の上端面に載置され、接着剤により左側台座部2DLに固定されている。
【0053】
図4に示すように、左前側導電部材9FLは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分9IFLと、ベース部材8に固定される外側固定部分9EFLと、内側固定部分9IFLと外側固定部分9EFLとを繋ぐ弾性部分9GFLと、を有する。右前側導電部材9FRは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分9IFRと、ベース部材8に固定される外側固定部分9EFRと、内側固定部分9IFRと外側固定部分9EFRとを繋ぐ弾性部分9GFRと、を有する。左後側導電部材9BLは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分9IBLと、ベース部材8に固定される外側固定部分9EBLと、内側固定部分9IBLと外側固定部分9EBLとを繋ぐ弾性部分9GBLと、を有する。右後側導電部材9BRは、モジュール保持体2に固定される内側固定部分9IBRと、ベース部材8に固定される外側固定部分9EBRと、内側固定部分9IBRと外側固定部分9EBRとを繋ぐ弾性部分9GBRと、を有する。
【0054】
具体的には、内側固定部分9IFLは、接着剤によって左前側フランジ部2GFLの下面に固定され、内側固定部分9IFRは、接着剤によって右前側フランジ部2GFRの下面に固定され、内側固定部分9IBLは、接着剤によって左後側フランジ部2GBLの下面に固定され、内側固定部分9IBRは、接着剤によって右後側フランジ部2GBRの下面に固定されている。
【0055】
図4及び図5に示すように、モジュール保持体2の係合部2Tの上端面には第1回転体Q1を受け入れるための第1溝部G1が形成されている。第1溝部G1は、光軸OAを中心とする円の円周に沿って延びるように構成された円弧状の溝部である。具体的には、第1溝部G1は、図5に示すように、左側係合部2TLの上面に形成された第1左側溝部G1L、及び、右側係合部2TRの上面に形成された第1右側溝部G1Rを含む。そして、第1左側溝部G1Lは、第1左側回転体Q1Lを受け入れるように形成され、第1右側溝部G1Rは、第1右側回転体Q1Rを受け入れるように形成されている。図5は、光軸OAを中心とする二つの同心円で挟まれた円環領域を破線で示し、第1左側溝部G1L及び第1右側溝部G1Rのそれぞれがその円環領域の一部であることを表している。このように、第1溝部G1は、第1回転体Q1を介して連結されるモジュール保持体2と連結部材3とが光軸OAの回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されている。
【0056】
図4及び図5に示すように、モジュール保持体2の係合部2Tの下端面には第2磁石MG2を受け入れるための第2収容部N2が形成されている。第2収容部N2は、外周壁部2Aの側面に沿って延びるように構成された直方体状の凹部である。具体的には、第2収容部N2は、図5に示すように、左側係合部2TLの下面に形成された第2左側収容部N2L、及び、右側係合部2TRの下面に形成された第2右側収容部N2Rを含む。そして、第2左側収容部N2Lは、第2左側磁石MG2Lを受け入れるように形成され、第2右側収容部N2Rは、第2右側磁石MG2Rを受け入れるように形成されている。
【0057】
図4に示すように、モジュール保持体2は、第1埋設通電部材20が埋設されるように構成されている。図示例では、第1埋設通電部材20は、第1形状記憶合金ワイヤSC1及び第2形状記憶合金ワイヤSC2の通電に用いられる部材であり、インサート成形によってモジュール保持体2内に埋設される。より具体的には、第1埋設通電部材20は、互いに独立した四つの部材(後側通電部材20B、前側通電部材20F、左側通電部材20L、及び右側通電部材20R)を含む。
【0058】
図6に示す連結部材3では、第1上側ターミナルプレート5M1は、連結部材3の第1辺部3E1の前面の左側に固定され、第2上側ターミナルプレート5M2は、連結部材3の第1辺部3E1の前面の右側に固定され、第3上側ターミナルプレート5M3は、連結部材3の第3辺部3E3の後面の右側に固定され、第4上側ターミナルプレート5M4は、連結部材3の第3辺部3E3の後面の左側に固定されている。第5上側ターミナルプレート5M5は、連結部材3の第2辺部3E2の左側面の後側に固定され、第6上側ターミナルプレート5M6は、連結部材3の第2辺部3E2の左側面の前側に固定され、第7上側ターミナルプレート5M7は、連結部材3の第4辺部3E4の右側面の前側に固定され、第8上側ターミナルプレート5M8は、連結部材3の第4辺部3E4の右側面の後側に固定されている。連結部材3に取り付けられる第1上側ターミナルプレート5M1~第8上側ターミナルプレート5M8は、連結部材3とともに第2可動部MB2を構成している。第1上側ターミナルプレート5M1~第8上側ターミナルプレート5M8は、接着剤により連結部材3に固定されている。
【0059】
図6に示すように、右側導電部材6Rの外側固定部分6ERは、連結部材3の第4辺部3E4の中央部に形成された右側台座部3DRの上端面に載置され、接着剤により右側台座部3DRに固定されている。左側導電部材6Lの外側固定部分6ELは、連結部材3の第2辺部3E2の中央部に形成された左側台座部3DLの上端面に載置され、接着剤により左側台座部3DLに固定されている。
【0060】
図6に示すように、左前側導電部材7FLは、連結部材3に固定される内側固定部分7IFLと、ベース部材8に固定される外側固定部分7EFLと、内側固定部分7IFLと外側固定部分7EFLとを繋ぐ弾性部分7GFLと、を有する。右前側導電部材7FRは、連結部材3に固定される内側固定部分7IFRと、ベース部材8に固定される外側固定部分7EFRと、内側固定部分7IFRと外側固定部分7EFRとを繋ぐ弾性部分7GFRと、を有する。左後側導電部材7BLは、連結部材3に固定される内側固定部分7IBLと、ベース部材8に固定される外側固定部分7EBLと、内側固定部分7IBLと外側固定部分7EBLとを繋ぐ弾性部分7GBLと、を有する。右後側導電部材7BRは、連結部材3に固定される内側固定部分7IBRと、ベース部材8に固定される外側固定部分7EBRと、内側固定部分7IBRと外側固定部分7EBRとを繋ぐ弾性部分7GBRと、を有する。
【0061】
具体的には、内側固定部分7IFL及び内側固定部分7IFRは、連結部材3の第1辺部3E1の中央部に形成された前側台座部3DFの上端面に載置され、接着剤により前側台座部3DFに固定されている。内側固定部分7IBL及び内側固定部分7IBRは、連結部材3の第3辺部3E3の中央部に形成された後側台座部3DBの上端面に載置され、接着剤により後側台座部3DBに固定されている。
【0062】
図6及び図7に示すように、連結部材3の第1係合部V1の下端面には第1回転体Q1を保持するための第1凹部H1が形成されている。第1凹部H1は、第1回転体Q1の位置を規制(維持)できるように、すなわち、第1回転体Q1が転動することなくその位置で摺動回転するように構成された凹部である。具体的には、第1凹部H1は、図7に示すように、第1左側係合部V1Lの下面に形成された第1左側凹部H1L、及び、第1右側係合部V1Rの下面に形成された第1右側凹部H1Rを含む。そして、第1左側凹部H1Lは、第1左側回転体Q1Lを受け入れるように形成され、第1右側凹部H1Rは、第1右側回転体Q1Rを受け入れるように形成されている。
【0063】
第1凹部H1は、第1左側凹部H1Lに保持された第1左側回転体Q1Lの中心と第1右側凹部H1Rに保持された第1右側回転体Q1Rの中心とを結ぶ直線上に光軸OAが位置するように構成されている。第1凹部H1の周方向の長さは、第1溝部G1の周方向の長さよりも短くなるように構成されている。第1凹部H1は、平面視(下面視)で光軸OAを中心とする円弧状の形状を有する必要はなく、図7に示すような光軸OAを中心とする円の接線方向に直線状に延びる形状等、任意の形状を有していてもよい。
【0064】
図6及び図7に示すように、連結部材3の第2係合部V2の下端面には第2回転体Q2を保持するための第2凹部H2が形成されている。第2凹部H2は、第2回転体Q2の位置を規制(維持)できるように、すなわち、第2回転体Q2が転動することなくその位置で摺動回転するように構成された凹部である。具体的には、第2凹部H2は、図7に示すように、第2前側係合部V2Fの下面に形成された第2前側凹部H2F、及び、第2後側係合部V2Bの下面に形成された第2後側凹部H2Bを含む。そして、第2前側凹部H2Fは、第2前側回転体Q2Fを受け入れるように形成され、第2後側凹部H2Bは、第2後側回転体Q2Bを受け入れるように形成されている。
【0065】
第2凹部H2は、第2後側凹部H2Bに保持された第2後側回転体Q2Bの中心と第2前側凹部H2Fに保持された第2前側回転体Q2Fの中心とを結ぶ直線上に光軸OAが位置するように構成されている。第2凹部H2の周方向の長さは、第2溝部G2の周方向の長さよりも短くなるように構成されている。第2凹部H2は、平面視(下面視)で光軸OAを中心とする円弧状の形状を有する必要はなく、図7に示すような光軸OAを中心とする円の接線方向に直線状に延びる形状等、任意の形状を有していてもよい。
【0066】
図6及び図7に示すように、連結部材3の第1係合部V1の上端面には第1磁石MG1を受け入れるための第1収容部N1が形成されている。第1収容部N1は、辺部3Eに沿って延びるように構成された直方体状の凹部である。具体的には、第1収容部N1は、図7に示すように、第1左側係合部V1Lの上面に形成された第1左側収容部N1L、及び、第1右側係合部V1Rの上面に形成された第1右側収容部N1Rを含む。そして、第1左側収容部N1Lは、第1左側磁石MG1Lを受け入れるように形成され、第1右側収容部N1Rは、第1右側磁石MG1Rを受け入れるように形成されている。
【0067】
図6及び図7に示すように、連結部材3の第2係合部V2の上端面には第3磁石MG3を受け入れるための第3収容部N3が形成されている。第3収容部N3は、辺部3Eに沿って延びるように構成された直方体状の凹部である。具体的には、第3収容部N3は、図7に示すように、第2前側係合部V2Fの上面に形成された第3前側収容部N3F、及び、第2後側係合部V2Bの上面に形成された第3後側収容部N3Bを含む。そして、第3前側収容部N3Fは、第3前側磁石MG3Fを受け入れるように形成され、第3後側収容部N3Bは、第3後側磁石MG3Bを受け入れるように形成されている。
【0068】
図6に示すように、連結部材3は、第2埋設通電部材30が埋設されるように構成されている。図示例では、第2埋設通電部材30は、第1形状記憶合金ワイヤSC1の通電に用いられる部材であり、インサート成形によって連結部材3内に埋設される。より具体的には、第2埋設通電部材30は、互いに独立した四つの部材(左後側通電部材30BL、右後側通電部材30BR、左前側通電部材30FL、及び右前側通電部材30FR)を含む。
【0069】
図8に示すベース部材8では、第5下側ターミナルプレート5F5は、ベース部材8の第2辺部8E2の左側面の前側に固定され、第6下側ターミナルプレート5F6は、ベース部材8の第2辺部8E2の左側面の後側に固定され、第7下側ターミナルプレート5F7は、ベース部材8の第4辺部8E4の右側面の後側に固定され、第8下側ターミナルプレート5F8は、ベース部材8の第4辺部8E4の右側面の前側に固定されている。第5下側ターミナルプレート5F5~第8下側ターミナルプレート5F8は、接着剤によりベース部材8に固定されている。
【0070】
図8に示すように、左前側導電部材7FLの外側固定部分7EFL及び右前側導電部材7FRの外側固定部分7EFRは、ベース部材8の第1辺部8E1の中央部に形成された前側台座部8DFの上端面に載置され、接着剤により前側台座部8DFに固定されている。左後側導電部材7BLの外側固定部分7EBL及び右後側導電部材7BRの外側固定部分7EBRは、ベース部材8の第3辺部8E3の中央部に形成された後側台座部8DBの上端面に載置され、接着剤により後側台座部8DBに固定されている。
【0071】
図8及び図9に示すように、左前側導電部材9FLの外側固定部分9EFLは、ベース部材8の第2辺部8E2の中央部に形成された左前側台座部8DFLの上端面に載置され、接着剤により左前側台座部8DFLに固定されている。左後側導電部材9BLの外側固定部分9EBLは、ベース部材8の第2辺部8E2の中央部に形成された左後側台座部8DBLの上端面に載置され、接着剤により左後側台座部8DBLに固定されている。右前側導電部材9FRの外側固定部分9EFRは、ベース部材8の第4辺部8E4の中央部に形成された右前側台座部8DFRの上端面に載置され、接着剤により右前側台座部8DFRに固定されている。右後側導電部材9BRの外側固定部分9EBRは、ベース部材8の第4辺部8E4の中央部に形成された右後側台座部8DBRの上端面に載置され、接着剤により右後側台座部8DBRに固定されている。
【0072】
図8及び図9に示すように、ベース部材8の係合部8Tの上端面には第2回転体Q2を受け入れるための第2溝部G2が形成されている。第2溝部G2は、光軸OAを中心とする円の円周に沿って延びるように構成された円弧状の溝部である。具体的には、第2溝部G2は、図9に示すように、前側係合部8TFの上面に形成された第2前側溝部G2F、及び、後側係合部8TBの上面に形成された第2後側溝部G2Bを含む。そして、第2前側溝部G2Fは、第2前側回転体Q2Fを受け入れるように形成され、第2後側溝部G2Bは、第2後側回転体Q2Bを受け入れるように形成されている。図9は、光軸OAを中心とする二つの同心円で挟まれた円環領域を破線で示し、第2前側溝部G2F及び第2後側溝部G2Bのそれぞれがその円環領域の一部であることを表している。このように、第2溝部G2は、第2回転体Q2を介して連結される連結部材3とベース部材8とが光軸OAの回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されている。
【0073】
図8及び図9に示すように、ベース部材8の係合部8Tの下端面には第4磁石MG4を受け入れるための第4収容部N4が形成されている。第4収容部N4は、辺部8Eに沿って延びるように構成された直方体状の凹部である。具体的には、第4収容部N4は、図9に示すように、前側係合部8TFの下面に形成された第4前側収容部N4F、及び、後側係合部8TBの下面に形成された第4後側収容部N4Bを含む。そして、第4前側収容部N4Fは、第4前側磁石MG4Fを受け入れるように形成され、第4後側収容部N4Bは、第4後側磁石MG4Bを受け入れるように形成されている。
【0074】
図8に示すように、ベース部材8は、第3埋設通電部材80が埋設されるように構成されている。図示例では、第3埋設通電部材80は、第1形状記憶合金ワイヤSC1及び第2形状記憶合金ワイヤSC2の通電に用いられる部材であり、インサート成形によってベース部材8内に埋設される。より具体的には、第3埋設通電部材80は、互いに独立した22個の部材(第1通電部材CB1~第22通電部材CB22)を含む。
【0075】
次に、図10図12を参照し、案内機構GMについて説明する。図10は、互いに組み合わされたモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8の上面図であり、図11及び図12は、互いに組み合わされたモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8の断面図である。具体的には、図11は、図10に示す切断線CTL1を含むYZ平面に平行な平面におけるモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8の断面を示し、図12は、図10に示す切断線CTL2を含むXZ平面に平行な平面におけるモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8の断面を示す。図10図12では、明瞭化のため、モジュール保持体2に粗いドットパターンが付され、連結部材3に細かいドットパターンが付され、ベース部材8に更に細かいドットパターンが付されている。図11及び図12では、明瞭化のため、磁石のN極部分には細かいクロスパターンが付され、磁石のS極部分には粗いクロスパターンが付されている。
【0076】
案内機構GMは、光軸OAの回りのモジュール保持体2の回動を案内する機構である。図示例では、案内機構GMは、連結部材3に対するモジュール保持体2の光軸OAの回りの回動を案内する第1案内機構GM1と、ベース部材8に対する連結部材3(連結部材3に連結されたモジュール保持体2を含む。)の光軸OAの回りの回動を案内する第2案内機構GM2と、を含む。
【0077】
第1案内機構GM1は、図11に示すように、モジュール保持体2の係合部2Tの上端面に形成された第1溝部G1、連結部材3の第1係合部V1の下端面に形成された第1凹部H1、及び、第1回転体Q1を含んで構成されている。具体的には、第1案内機構GM1は、第1左側案内機構GM1L及び第1右側案内機構GM1Rを含む。そして、第1左側案内機構GM1Lは、左側係合部2TLの上端面に形成された第1左側溝部G1L、第1左側係合部V1Lの下端面に形成された第1左側凹部H1L、及び、第1左側回転体Q1Lを含んで構成されている。第1右側案内機構GM1Rは、右側係合部2TRの上端面に形成された第1右側溝部G1R、第1右側係合部V1Rの下端面に形成された第1右側凹部H1R、及び、第1右側回転体Q1Rを含んで構成されている。
【0078】
第1左側案内機構GM1Lでは、第1左側回転体Q1Lは、図11に示すように、上側部分が第1左側凹部H1Lに受け入れられ、下側部分が第1左側溝部G1Lに受け入れられている。図示例では、第1左側回転体Q1Lは、光軸OAを中心とする円の円周に沿って第1左側溝部G1L内を転動できるように第1左側溝部G1L内に配置され、且つ、第1左側凹部H1L内で摺動回転するように(転動しないように)第1左側凹部H1L内に配置されている。そのため、第1左側案内機構GM1Lは、連結部材3に対するモジュール保持体2の第1回転軸RX1(光軸OA)回りの回動を案内できる。第1右側案内機構GM1Rについても同様である。
【0079】
第1左側係合部V1Lの上面に形成された第1左側収容部N1L内に収容された第1左側磁石MG1LのS極部分と、左側係合部2TLの下面に形成された第2左側収容部N2L内に収容された第2左側磁石MG2LのN極部分とは、第1左側回転体Q1Lを挟んで対向するように配置されている。第1右側磁石MG1R及び第2右側磁石MG2Rについても同様である。そのため、第1案内機構GM1は、連結部材3に対してモジュール保持体2が回動している間も、モジュール保持体2と連結部材3とが互いに引き合う状態を維持でき、モジュール保持体2と連結部材3とが互いに離れてしまうのを抑制或いは防止できる。そのため、第1案内機構GM1は、連結部材3に対してモジュール保持体2が誤って傾いてしまうのを抑制或いは防止できる。
【0080】
第2案内機構GM2は、図12に示すように、ベース部材8の係合部8Tの上端面に形成された第2溝部G2、連結部材3の第2係合部V2の下端面に形成された第2凹部H2、及び、第2回転体Q2を含んで構成されている。具体的には、第2案内機構GM2は、第2前側案内機構GM2F及び第2後側案内機構GM2Bを含む。そして、第2前側案内機構GM2Fは、前側係合部8TFの上端面に形成された第2前側溝部G2F、第2前側係合部V2Fの下端面に形成された第2前側凹部H2F、及び、第2前側回転体Q2Fを含んで構成され、第2後側案内機構GM2Bは、後側係合部8TBの上端面に形成された第2後側溝部G2B、第2後側係合部V2Bの下端面に形成された第2後側凹部H2B、及び、第2後側回転体Q2Bを含んで構成されている。
【0081】
第2後側案内機構GM2Bでは、第2後側回転体Q2Bは、図12に示すように、上側部分が第2後側凹部H2Bに受け入れられ、下側部分が第2後側溝部G2Bに受け入れられている。図示例では、第2後側回転体Q2Bは、光軸OAを中心とする円の円周に沿って第2後側溝部G2B内を転動できるように第2後側溝部G2B内に配置され、且つ、第2後側凹部H2B内で摺動回転するように(転動しないように)第2後側凹部H2B内に配置されている。そのため、第2後側案内機構GM2Bは、ベース部材8に対する連結部材3(モジュール保持体2を含む。)の第1回転軸RX1(光軸OA)回りの回動を案内できる。第2前側案内機構GM2Fについても同様である。
【0082】
第2後側係合部V2Bの上面に形成された第3後側収容部N3B内に収容された第3後側磁石MG3BのS極部分と、後側係合部8TBの下面に形成された第4後側収容部N4B内に収容された第4後側磁石MG4BのN極部分とは、第2後側回転体Q2Bを挟んで対向するように配置されている。第3前側磁石MG3F及び第4前側磁石MG4Fについても同様である。そのため、第2案内機構GM2は、ベース部材8に対して連結部材3(モジュール保持体2を含む。)が回動している間も、ベース部材8と連結部材3とが互いに引き合う状態を維持でき、ベース部材8と連結部材3とが互いに離れてしまうのを抑制或いは防止できる。そのため、第2案内機構GM2は、ベース部材8に対して連結部材3(モジュール保持体2を含む。)が誤って傾いてしまうのを抑制或いは防止できる。
【0083】
次に、図13及び図14を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられる金属部材5について説明する。図13は、第7上側ターミナルプレート5M7及び第7下側ターミナルプレート5F7のそれぞれに取り付けられた第7ワイヤSA7、並びに、第8上側ターミナルプレート5M8及び第8下側ターミナルプレート5F8のそれぞれに取り付けられた第8ワイヤSA8をY2側(右側)から見たときの図である。図14は、第7上側ターミナルプレート5M7及び第7下側ターミナルプレート5F7のそれぞれに取り付けられた第7ワイヤSA7、並びに、第8上側ターミナルプレート5M8及び第8下側ターミナルプレート5F8のそれぞれに取り付けられた第8ワイヤSA8をX1側(前側)から見たときの図である。図13及び図14に示す各部材の位置関係は、モジュール駆動装置100が組み立てられたときの位置関係に対応している。そして、図13及び図14では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。図13及び図14を参照する以下の説明は、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせに関するが、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせ、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、並びに、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせについても同様に適用される。
【0084】
具体的には、第7ワイヤSA7の一端は、第7上側ターミナルプレート5M7の保持部J1のところで第7上側ターミナルプレート5M7に固定され、第7ワイヤSA7の他端は、第7下側ターミナルプレート5F7の保持部J2のところで第7下側ターミナルプレート5F7に固定されている。第8ワイヤSA8の一端は、第8上側ターミナルプレート5M8の保持部J3のところで第8上側ターミナルプレート5M8に固定され、第8ワイヤSA8の他端は、第8下側ターミナルプレート5F8の保持部J4のところで第8下側ターミナルプレート5F8に固定されている。
【0085】
保持部J1は、第7上側ターミナルプレート5M7の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第7上側ターミナルプレート5M7の一部は、第7ワイヤSA7の端部(一端)を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第7ワイヤSA7の端部(一端)は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2~保持部J4についても同様である。
【0086】
モジュール駆動装置100が中立状態にあるとき、複数の金属部材5のそれぞれの板状部PMは、互いに平行になるように配置される。図13に示す例では、第7上側ターミナルプレート5M7の板状部PM1、第7下側ターミナルプレート5F7の板状部PM2、第8上側ターミナルプレート5M8の板状部PM3、及び、第8下側ターミナルプレート5F8の板状部PM4は、XZ平面に沿って互いに平行になるように配置される。
【0087】
第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8は、図13に示すように、互いにねじれの位置の関係となるように(Y2側から見たときに立体的に交差するように)配置されている。すなわち、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
【0088】
具体的には、モジュール駆動装置100が中立状態にあるとき、Y2側から見た右側面視において、第7ワイヤSA7は、図13に示すように、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第8ワイヤSA8は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、更に、第7ワイヤSA7と第8ワイヤSA8とは交差するように配置されている。X1側から見た正面視において、第1ワイヤSA1は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第2ワイヤSA2は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、更に、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは交差するように配置されている。X2側から見た背面視において、第3ワイヤSA3は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第4ワイヤSA4は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、更に、第3ワイヤSA3と第4ワイヤSA4とは交差するように配置されている。Y1側から見た左側面視において、第5ワイヤSA5は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第6ワイヤSA6は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、更に、第5ワイヤSA5と第6ワイヤSA6とは交差するように配置されている。
【0089】
すなわち、側面視において、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8は何れも、X軸及びY軸に対して斜めに(非平行に)延びるように配置されている。但し、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2は、正面視において斜めに延びるように配置されていればよく、正面視において互いに交差している必要はない。第3ワイヤSA3と第4ワイヤSA4との関係、第5ワイヤSA5と第6ワイヤSA6との関係、及び、第7ワイヤSA7と第8ワイヤSA8との関係においても同様である。
【0090】
次に、図15図19を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図15は、金属部材5、第1導電部材6、第2導電部材7、第3導電部材9、第1埋設通電部材20、第2埋設通電部材30、第3埋設通電部材80、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示す図である。具体的には、図15は、金属部材5、第1導電部材6、第2導電部材7、第3導電部材9、第1埋設通電部材20、第2埋設通電部材30、第3埋設通電部材80、及び形状記憶合金ワイヤSAの斜視図である。図16図19は、図15に示す構成の一部の斜視図である。
【0091】
具体的には、図16は、第3埋設通電部材80の第1通電部材CB1が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第18通電部材CB18が低電位に接続されたときに第1ワイヤSA1を流れる電流の経路を示し、図17は、第3埋設通電部材80の第2通電部材CB2が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第18通電部材CB18が低電位に接続されたときに第2ワイヤSA2を流れる電流の経路を示す。図18は、第3埋設通電部材80の第11通電部材CB11が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第6通電部材CB6が低電位に接続されたときに第7ワイヤSA7を流れる電流の経路を示し、図19は、第3埋設通電部材80の第3通電部材CB3が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第6通電部材CB6が低電位に接続されたときに第8ワイヤSA8を流れる電流の経路を示す。第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関する後述の説明は、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路についても同様に適用される。第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路に関する後述の説明は、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路についても同様に適用される。
【0092】
第3埋設通電部材80の第1通電部材CB1が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第18通電部材CB18が低電位に接続されると、電流は、図16の矢印AR1で示すように第1ワイヤSA1を流れる。具体的には、電流は、第1通電部材CB1、左前側導電部材7FL、左前側通電部材30FL、第1上側ターミナルプレート5M1、第1ワイヤSA1、第1下側ターミナルプレート5F1、前側通電部材20F、及び左前側導電部材9FLを通って第18通電部材CB18に流れる。
【0093】
第3埋設通電部材80の第2通電部材CB2が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第18通電部材CB18が低電位に接続されると、電流は、図17の矢印AR2で示すように第2ワイヤSA2を流れる。具体的には、電流は、第2通電部材CB2、右前側導電部材7FR、右前側通電部材30FR、第2上側ターミナルプレート5M2、第2ワイヤSA2、第2下側ターミナルプレート5F2、前側通電部材20F、及び左前側導電部材9FLを通って第18通電部材CB18に流れる。
【0094】
図示例では、第1ワイヤSA1を流れる電流の経路と第2ワイヤSA2を流れる電流の経路とは部分的に重複している。具体的には、二つの電流の経路は、前側通電部材20F、左前側導電部材9FL、及び第18通電部材CB18を通る部分で重複している。この構成は、部品点数を削減できるという効果をもたらす。
【0095】
第3埋設通電部材80の第11通電部材CB11が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第6通電部材CB6が低電位に接続されると、電流は、図18の矢印AR3で示すように第7ワイヤSA7を流れる。具体的には、電流は、第11通電部材CB11、第7下側ターミナルプレート5F7、第7ワイヤSA7、第7上側ターミナルプレート5M7、右側導電部材6R、右側通電部材20R、及び右前側導電部材9FRを通って第6通電部材CB6に流れる。
【0096】
第3埋設通電部材80の第3通電部材CB3が高電位に接続され、且つ、第3埋設通電部材80の第6通電部材CB6が低電位に接続されると、電流は、図19の矢印AR4で示すように第8ワイヤSA8を流れる。具体的には、電流は、第3通電部材CB3、第8下側ターミナルプレート5F8、第8ワイヤSA8、第8上側ターミナルプレート5M8、右側導電部材6R、右側通電部材20R、及び右前側導電部材9FRを通って第6通電部材CB6に流れる。
【0097】
図示例では、第7ワイヤSA7を流れる電流の経路と第8ワイヤSA8を流れる電流の経路とは部分的に重複している。具体的には、二つの電流の経路は、右側導電部材6R、右側通電部材20R、右前側導電部材9FR、及び第6通電部材CB6を通る部分で重複している。この構成は、部品点数を削減できるという効果をもたらす。
【0098】
なお、図15図19において、形状記憶合金ワイヤSAの通電路を構成する部材(金属部材5、第1導電部材6、第2導電部材7、第3導電部材9、第1埋設通電部材20、第2埋設通電部材30、及び第3埋設通電部材80)のうち、隣接する二つの部材は、互いに接続されている。この接続は、溶接又は導電性接合材(導電性接着剤若しくは半田)によって実現される。例えば、図19において、隣接する第3通電部材CB3と第8下側ターミナルプレート5F8とは導電性接着剤によって接合されている。
【0099】
モジュール駆動装置100の外部にある制御装置は、第1下側ターミナルプレート5F1~第8下側ターミナルプレート5F8に接続された第3埋設通電部材80に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮を制御できる。或いは、制御装置は、第1下側ターミナルプレート5F1~第8下側ターミナルプレート5F8に接続された第3埋設通電部材80を介して第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮を制御できる。制御装置は、モジュール駆動装置100内に配置されていてもよい。制御装置は、モジュール駆動装置100の構成要素であってもよい。
【0100】
このような構成により、制御装置は、第1回転軸RX1の回り、第2回転軸RX2の回り、及び、第3回転軸RX3の回りの少なくとも一つでモジュール保持体2を回転(回動又は揺動)させることができる。このようなモジュール保持体2の動きにより、制御装置は、手振れ補正機能を実現してもよい。
【0101】
次に、図20図23を参照し、駆動部DMの詳細について説明する。図20は、モジュール保持体2の3自由度の動きのそれぞれを実現する際の形状記憶合金ワイヤSAの伸縮状態を示す表である。具体的には、図20の「収縮」は、基準状態の形状記憶合金ワイヤSAを収縮させることを表し、図20の「伸張」は、基準状態の形状記憶合金ワイヤSAを伸張させることを表す。基準状態は、モジュール駆動装置100が中立状態にあるときの形状記憶合金ワイヤSAの状態を意味する。図示例では、モジュール駆動装置100が中立状態にあるとき、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、電流が流されているため、弛んでいない。図21は、ベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りでモジュール保持体2及び連結部材3が回転(揺動)したときの三部材(モジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8)の正面図である。図22は、連結部材3に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りでモジュール保持体2が回転(揺動)したときの三部材の右側面図である。図23は、ベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りでモジュール保持体2及び連結部材3が回転(回動)したときの三部材の上面図である。図21図23では、明瞭化のため、モジュール保持体2に粗いドットパターンが付され、連結部材3に細かいドットパターンが付され、ベース部材8に更に細かいドットパターンが付されている。
【0102】
図21は、ベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りで時計回りに角度α1だけモジュール保持体2及び連結部材3が揺動したときの三部材の正面図である。制御装置は、正面視においてベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りで時計回りにモジュール保持体2及び連結部材3を揺動させる場合、図20の表に示すように、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8を略同じ収縮量で収縮させる。図示例では、二つの形状記憶合金ワイヤSAを略同じ伸張量で伸張させることは、二つの形状記憶合金ワイヤSAの長さが略同じ所定長さになるまで二つの形状記憶合金ワイヤSAを伸張させることを意味する。二つの形状記憶合金ワイヤSAを略同じ収縮量で収縮させることは、二つの形状記憶合金ワイヤSAの長さが略同じ所定長さになるまで二つの形状記憶合金ワイヤSAを収縮させることを意味する。以下の説明においても同様である。制御装置は、第1形状記憶合金ワイヤSC1(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)については伸縮量が維持されるようにする。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、図21に示すように、ベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りで時計回りにモジュール保持体2及び連結部材3を揺動させることができる。
【0103】
制御装置は、正面視においてベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに反時計回りにモジュール保持体2及び連結部材3を回転させる場合、図20の表に示すように、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8を略同じ伸張量で伸張させる。制御装置は、第1形状記憶合金ワイヤSC1(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)については伸縮量が維持されるようにする。制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、ベース部材8に対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに反時計回りにモジュール保持体2及び連結部材3を揺動させることができる。
【0104】
図22は、連結部材3及びベース部材8に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りで反時計回りに角度α2だけモジュール保持体2が揺動したときの三部材の右側面図である。制御装置は、右側面視において連結部材3に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りで反時計回りにモジュール保持体2を揺動させる場合、図20の表に示すように、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4を略同じ収縮量で収縮させる。制御装置は、第2形状記憶合金ワイヤSC2(第5ワイヤSA5~第8ワイヤSA8)については伸縮量が維持されるようにする。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、図22に示すように、連結部材3に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りで反時計回りにモジュール保持体2を揺動させることができる。
【0105】
制御装置は、右側面視において連結部材3に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りで時計回りにモジュール保持体2を揺動させる場合、図20の表に示すように、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4を略同じ伸張量で伸張させる。制御装置は、第2形状記憶合金ワイヤSC2(第5ワイヤSA5~第8ワイヤSA8)については伸縮量が維持されるようにする。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、連結部材3に対してY軸(第3回転軸RX3)の回りで時計回りにモジュール保持体2を揺動させることができる。
【0106】
図23は、ベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りに角度α3だけ連結部材3が回動し、且つ、連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで角度α4だけモジュール保持体2が回動したときの三部材の上面図である。すなわち、図23は、ベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りに角度α5だけモジュール保持体2が回動したときの三部材の上面図である。角度α5は、角度α3と角度α4との合計である。
【0107】
制御装置は、上面視においてベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りに連結部材3を回動させる場合、図20の表に示すように、第5ワイヤSA5及び第7ワイヤSA7を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第6ワイヤSA6及び第8ワイヤSA8を略同じ伸張量で伸張させる。制御装置は、上面視において連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りにモジュール保持体2を回動させる場合、図20の表に示すように、第1ワイヤSA1及び第3ワイヤSA3を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第2ワイヤSA2及び第4ワイヤSA4を略同じ収縮量で収縮させる。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、図23に示すように、ベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りに連結部材3を回動させ、且つ、連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで反時計回りにモジュール保持体2を回動させることができる。
【0108】
制御装置は、上面視においてベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで時計回りに連結部材3を回転させる場合、図20の表に示すように、第5ワイヤSA5及び第7ワイヤSA7を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第6ワイヤSA6及び第8ワイヤSA8を略同じ収縮量で収縮させる。制御装置は、上面視において連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで時計回りにモジュール保持体2を回動させる場合、図20の表に示すように、第1ワイヤSA1及び第3ワイヤSA3を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第2ワイヤSA2及び第4ワイヤSA4を略同じ伸張量で伸張させる。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの伸縮量を上述のように制御する。この制御装置による制御により、駆動部DMは、ベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで時計回りに連結部材3を回転させ、且つ、連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りに時計回りにモジュール保持体2を回動させることができる。
【0109】
図20の表は、上面視においてベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで連結部材3を回動させると同時に、上面視において連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで同じ方向にモジュール保持体2を回動させる場合の形状記憶合金ワイヤSAの伸縮状態を示している。
【0110】
しかしながら、制御装置は、第1形状記憶合金ワイヤSC1(第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4)の伸縮量を維持することにより、上面視においてベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで連結部材3のみを回動させてもよい。或いは、制御装置は、第2形状記憶合金ワイヤSC2(第5ワイヤSA5~第8ワイヤSA8)の伸縮量を維持することにより、上面視において連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りでモジュール保持体2のみを回動させてもよい。制御装置は、上面視においてベース部材8に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで一方向(例えば時計回り)に連結部材3を回動させると同時に、上面視において連結部材3に対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りで他方向(例えば反時計回り)にモジュール保持体2を回動させてもよい。
【0111】
次に、図24を参照し、レンズ駆動装置LDの構成例について説明する。図24は、レンズ駆動装置LDの分解斜視図である。図24に示す例では、レンズ駆動装置LDは、レンズ保持体2x、モジュール側金属部材5x、板ばね6x、モジュール側ベース部材8x、モジュール側埋設通電部材20x、撮像素子保持体AD、中間通電部材EC、及びモジュール側形状記憶合金ワイヤSBを含む。
【0112】
レンズ保持体2xは、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持体2xは、図24に示すように、光軸OAに沿って延びるように形成された筒状部12xと、筒状部12xから径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2Dx及び突設部2Sxと、を含む。図24に示す例では、筒状部12xの内周面には、その内周面の上半分とレンズ体LS(図2参照。)との間に接着剤が行き渡るように螺旋溝が形成されている。
【0113】
可動側台座部2Dxは、第1可動側台座部2D1x及び第2可動側台座部2D2xを含む。第1可動側台座部2D1x及び第2可動側台座部2D2xは、光軸OAを挟んで互いに反対方向(径方向外側)に延びるように配置されている。突設部2Sxは、第1突設部2S1x及び第2突設部2S2xを含む。第1突設部2S1x及び第2突設部2S2xは、光軸OAを挟んで互いに反対方向(径方向外側)に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2Dx及び突設部2Sxは、上面視で略矩形枠状の外形を有するレンズ保持体2xの四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dxのそれぞれには、板ばね6xの一部が載置され且つ固定される。
【0114】
板ばね6xは、モジュール側固定部材FBx(モジュール側ベース部材8x)に対してレンズ保持体2xを光軸OAに平行な方向に移動可能に支持できるように構成されている。板ばね6xは、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした導電性の金属板から作製されている。図24に示す例では、板ばね6xは、第1板ばね6Ax及び第2板ばね6Bxを含む。
【0115】
モジュール側ベース部材8xは、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。図24に示す例では、モジュール側ベース部材8xは、ベース部材8と同様に、上面視で略矩形枠状の輪郭を有し、中央に開口8Kxを有する。具体的には、モジュール側ベース部材8xは、円形の開口8Kxを囲むように配置される矩形環状の基部を有する。そして、基部は、四つの辺部8Ex(第1辺部8E1x~第4辺部8E4x)を有する。図示例では、モジュール側ベース部材8xは、接着剤等でモジュール保持体2と一体化され、モジュール保持体2とともにカメラモジュールMDの筐体を構成する。
【0116】
板ばね6xは、レンズ保持体2xに形成された可動側台座部2Dxと、モジュール側ベース部材8xに形成された固定側台座部8Dxとを繋ぐように構成されている。固定側台座部8Dxは、モジュール側ベース部材8xの基部から上方に突出する部分であり、第1固定側台座部8D1x及び第2固定側台座部8D2xを含む。
【0117】
より具体的には、第1板ばね6Axは、レンズ保持体2xに形成された第1可動側台座部2D1xと、モジュール側ベース部材8xに形成された第1固定側台座部8D1x及び第2固定側台座部8D2xのそれぞれとを繋ぐように構成されている。第2板ばね6Bxは、レンズ保持体2xに形成された第2可動側台座部2D2xと、モジュール側ベース部材8xに形成された第1固定側台座部8D1x及び第2固定側台座部8D2xのそれぞれとを繋ぐように構成されている。
【0118】
モジュール側ベース部材8xは、八本のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBのそれぞれの一端を支持する固定側ワイヤ支持部として機能するように構成されている。レンズ保持体2xは、八本のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBのそれぞれの他端を支持する可動側ワイヤ支持部として機能するように構成されている。この構成により、モジュール側可動部材MBxは、八本のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBによってモジュール側固定部材FBxに対して6自由度で移動可能な状態で支持されている。
【0119】
モジュール側ベース部材8xは、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む導電性の金属板から形成されたモジュール側埋設通電部材20xがインサート成形によって埋め込まれるように構成されている。
【0120】
モジュール側埋設通電部材20xは、第3形状記憶合金ワイヤSC3及び第4形状記憶合金ワイヤSC4の通電に用いられる部材である。図示例では、モジュール側埋設通電部材20xは、互いに独立した11個の部材(第1通電部材CD1~第11通電部材CD11)を含む。
【0121】
撮像素子保持体ADは、撮像素子IS(図2参照)を保持できるように構成されている。図示例では、撮像素子保持体ADは、モジュール側ベース部材8xの下面に接着剤で固定されている。そして、撮像素子保持体ADには、撮像素子ISと一体化されたスペーサSP(図2参照)が固定される。撮像素子保持体ADは、モジュール側ベース部材8xとともにモジュール側固定部材FBxを構成する。モジュール側固定部材FBxは、スペーサSPを含んでいてもよい。
【0122】
中間通電部材ECは、モジュール側埋設通電部材20xと第3埋設通電部材80(図8参照)との間の通電に用いられる部材である。図示例では、中間通電部材ECは、互いに独立した10個の部材(第1中間通電部材EC1~第10中間通電部材EC10)を含む。第1中間通電部材EC1~第10中間通電部材EC10のそれぞれは、一端部と他端部とが弾性変形可能な連結部によって連結されている。
【0123】
モジュール側金属部材5xは、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBの端部が固定されるように構成されている。図24に示す例では、モジュール側金属部材5xは、非磁性金属で形成され、モジュール側固定金属部材5K及びモジュール側可動金属部材5Wを含む。モジュール側固定金属部材5Kは、モジュール側ベース部材8xの固定側台座部8Dxに接着固定されるように構成されている。モジュール側可動金属部材5Wは、レンズ保持体2xの可動側台座部2Dxに接着固定されるように構成されている。
【0124】
図24に示す例では、モジュール側固定金属部材5Kは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5K1~第8固定側ターミナルプレート5K8を含む。モジュール側可動金属部材5Wは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5W1~第4可動側ターミナルプレート5W4を含む。
【0125】
第1板ばね6Axは、モジュール側ベース部材8xの第1固定側台座部8D1xに固定される第1部分6A1xと、モジュール側ベース部材8xの第2固定側台座部8D2xに固定される第2部分6A2xと、レンズ保持体2xの第1可動側台座部2D1xに固定される第3部分6A3xと、を有する。第1部分6A1xは、モジュール側ベース部材8xに埋設されたモジュール側埋設通電部材20x(第8通電部材CD8)にレーザ溶接等によって接続され、第3部分6A3xは、半田付け等によって第2可動側ターミナルプレート5W2及び第3可動側ターミナルプレート5W3のそれぞれに接続される。
【0126】
第2板ばね6Bxは、モジュール側ベース部材8xの第1固定側台座部8D1xに固定される第1部分6B1xと、モジュール側ベース部材8xの第2固定側台座部8D2xに固定される第2部分6B2xと、レンズ保持体2xの第2可動側台座部2D2xに固定される第3部分6B3xと、を有する。第2部分6B2xは、モジュール側ベース部材8xに埋設されたモジュール側埋設通電部材20x(第3通電部材CD3)にレーザ溶接等によって接続され、第3部分6B3xは、半田付け等によって第1可動側ターミナルプレート5W1及び第4可動側ターミナルプレート5W4のそれぞれに接続される。
【0127】
モジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、形状記憶アクチュエータの別の一例であり、形状記憶合金ワイヤSAと同様に、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。具体的には、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、モジュール保持体2の外周壁部の内面に沿うように配置されており、モジュール側固定部材FBxに対してモジュール側可動部材MBxを動かすことができるように構成されている。図24に示す例では、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、略同じ長さと略同じ直径を有する第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8を含み、モジュール側固定部材FBxとしてのモジュール側ベース部材8x及び撮像素子保持体ADに対して、モジュール側可動部材MBxとしてのレンズ保持体2xを動かすことができるように構成されている。第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれは、図24に示すように、一端が圧着又は溶接等によりモジュール側固定金属部材5Kに固定され、且つ、他端が圧着又は溶接等によりモジュール側可動金属部材5Wに固定されている。図示例では、第1ワイヤSB1~第4ワイヤSB4は第3形状記憶合金ワイヤSC3とも称され、第5ワイヤSB5~第8ワイヤSB8は、第4形状記憶合金ワイヤSC4とも称される。
【0128】
そして、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれの一端を固定する第1固定側ターミナルプレート5K1~第8固定側ターミナルプレート5K8のそれぞれは、モジュール側ベース部材8xに埋設されたモジュール側埋設通電部材20x、中間通電部材EC、及び第3埋設通電部材80を介して外部回路基板(図示せず)に形成された対応する導電パターンに電気的に接続されている。第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれの他端を固定する第1可動側ターミナルプレート5W1~第4可動側ターミナルプレート5W4のそれぞれは、板ばね6x(第1板ばね6Ax及び第2板ばね6Bx)、モジュール側ベース部材8xに埋設されたモジュール側埋設通電部材20x、中間通電部材EC、及び第3埋設通電部材80を介して外部回路基板に形成された対応する導電パターンに電気的に接続されている。このため、レンズ駆動装置LDは、外部回路基板を介して、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれを流れる電流の供給を受けることができるように構成されている。
【0129】
モジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、モジュール側駆動部DMxを構成している。モジュール側駆動部DMxは、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBの収縮を利用することにより、モジュール側ベース部材8xに対してレンズ保持体2xを移動させることができる。モジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のうちの一つ又は複数が収縮するとレンズ保持体2xが移動し、その移動によって別の一つ又は複数が引き延ばされるように構成されている。
【0130】
具体的には、レンズ駆動装置LDが中立状態にあるとき、X1側から見た正面視において、第1ワイヤSB1は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも高い位置となるように配置され、第2ワイヤSB2は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも低い位置となるように配置され、更に、第1ワイヤSB1と第2ワイヤSB2とは交差するように配置されている。また、Z1側から見た上面視において、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2のそれぞれの一端(固定端)は、第1可動側ターミナルプレート5W1に固定される他端(可動端)よりも外側(X1側)となるようにモジュール側固定金属部材5Kに固定されている。
【0131】
X2側から見た背面視において、第3ワイヤSB3は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも高い位置となるように配置され、第4ワイヤSB4は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも低い位置となるように配置され、更に、第3ワイヤSB3と第4ワイヤSB4とは交差するように配置されている。また、上面視において、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4のそれぞれの一端(固定端)は、他端(可動端)よりも外側(X2側)に位置している。
【0132】
Y1側から見た左側面視において、第5ワイヤSB5は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも低い位置となるように配置され、第6ワイヤSB6は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも高い位置となるように配置され、更に、第5ワイヤSB5と第6ワイヤSB6とは交差するように配置されている。また、上面視において、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6のそれぞれの一端(固定端)は、他端(可動端)よりも外側(Y1側)に位置している。
【0133】
Y2側から見た右側面視において、第7ワイヤSB7は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも低い位置となるように配置され、第8ワイヤSB8は、その一端(固定端)がその他端(可動端)よりも高い位置となるように配置され、更に、第7ワイヤSB7と第8ワイヤSB8とは交差するように配置されている。また、上面視において、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8のそれぞれの一端(固定端)は、他端(可動端)よりも外側(Y2側)に位置している。
【0134】
すなわち、側面視において、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8は何れも、X軸及びY軸に対して斜めに(非平行に)延びるように配置されている。
【0135】
但し、第1ワイヤSB1と第2ワイヤSB2は、正面視において斜めに延びるように配置されていればよく、正面視において互いに交差している必要はない。第3ワイヤSB3と第4ワイヤSB4との関係、第5ワイヤSB5と第6ワイヤSB6との関係、及び、第7ワイヤSB7と第8ワイヤSB8との関係においても同様である。
【0136】
図24に示す例では、モジュール側駆動部DMxは、原理的には、モジュール側可動部材MBxの6自由度の動きを実現できるように構成されている。6自由度の動きは、光軸方向である第1方向(Z軸方向)における並進、第1方向(Z軸方向)に垂直な第2方向(X軸方向)における並進、第1方向及び第2方向のそれぞれに垂直な第3方向(Y軸方向)における並進、Z軸回りの回転、X軸回りの回転、並びに、Y軸回りの回転を含む。第1方向(Z軸方向)は、レンズ体LSの光軸OAと一致する第1回転軸RX1に平行な方向であり、第2方向(X軸方向)は、第2回転軸RX2に平行な方向であり、第3方向(Y軸方向)は、第3回転軸RX3に平行な方向である。図24に示す例では、モジュール側駆動部DMxは、Z軸回りの回転、X軸回りの回転、及び、Y軸回りの回転については利用しないように構成されている。駆動部DMによってモジュール保持体2をZ軸回りに回転(回動)させることにより、Z軸回りのカメラモジュールMDの回転が実現されるためであり、レンズ保持体2xまでをもZ軸回りに回転させる必要はないためである。駆動部DMによってモジュール保持体2をX軸回りに回転(揺動)させることにより、X軸回りのカメラモジュールMDの回転が実現されるためであり、レンズ保持体2xまでをもX軸回りに回転させる必要はないためである。Y軸回りの回転についても同様である。
【0137】
次に、図25及び図26を参照し、モジュール側金属部材5x、板ばね6x、モジュール側埋設通電部材20x、及びモジュール側形状記憶合金ワイヤSBの位置関係について説明する。図25及び図26は、モジュール側金属部材5x、板ばね6x、モジュール側埋設通電部材20x、及びモジュール側形状記憶合金ワイヤSBの位置関係を示す図である。具体的には、図25は、互いに組み合わされたモジュール側金属部材5x、板ばね6x、モジュール側埋設通電部材20x、及びモジュール側形状記憶合金ワイヤSBの斜視図であり、図26は、互いに組み合わされたモジュール側可動金属部材5W及び板ばね6xの上面図である。
【0138】
板ばね6xのうちの一つである第1板ばね6Axは、図25に示すように、モジュール側ベース部材8xの第1固定側台座部8D1x(図24参照)に固定される第1部分6A1xと、モジュール側ベース部材8xの第2固定側台座部8D2x(図24参照)に固定される第2部分6A2xと、レンズ保持体2xの第1可動側台座部2D1x(図24参照)に固定される第3部分6A3xと、第1部分6A1xと第3部分6A3xを繋ぐ第4部分6A4xと、第2部分6A2xと第3部分6A3xを繋ぐ第5部分6A5xと、を有する。板ばね6xのうちの別の一つである第2板ばね6Bxは、図25に示すように、モジュール側ベース部材8xの第1固定側台座部8D1x(図24参照)に固定される第1部分6B1xと、モジュール側ベース部材8xの第2固定側台座部8D2x(図24参照)に固定される第2部分6B2xと、レンズ保持体2xの第2可動側台座部2D2x(図24参照)に固定される第3部分6B3xと、第1部分6B1xと第3部分6B3xを繋ぐ第4部分6B4xと、第2部分6A2xと第3部分6A3xを繋ぐ第5部分6B5xと、を有する。
【0139】
第1板ばね6Axの第1部分6A1xには、第1固定側台座部8D1xに形成された上側に突出する円柱状の突出部が挿通される貫通孔と、第8通電部材CD8の上端部との接合に用いられる貫通孔とが形成されている。図示例では、第1部分6A1xと第1固定側台座部8D1xとの固定は、突出部に熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、第1部分6Ax1と突出部との固定は、接着剤によって実現されてもよい。図示例では、第1部分6Ax1と第8通電部材CD8との接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、第1部分6Ax1と第8通電部材CD8との接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。第2板ばね6Bxの第2部分6B2xについても同様である。
【0140】
第1板ばね6Axの第3部分6A3xには、第1可動側台座部2D1xに形成された上側に突出する円柱状の突出部が挿通される貫通孔と、第2可動側ターミナルプレート5W2及び第3可動側ターミナルプレート5W3のそれぞれとの接合に用いられる部分とが形成されている。図示例では、第3部分6A3xと第1可動側台座部2D1xとの固定は、突出部に熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、第3部分6A3xと第1可動側台座部2D1xとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。図示例では、第3部分6A3xと第2可動側ターミナルプレート5W2及び第3可動側ターミナルプレート5W3のそれぞれとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、第3部分6A3xと第2可動側ターミナルプレート5W2及び第3可動側ターミナルプレート5W3のそれぞれとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。第2板ばね6Bxの第3部分6B3xについても同様である。
【0141】
第1板ばね6Axの第2部分6A2xには、第2固定側台座部8D2xに形成された上側に突出する円柱状の突出部が挿通される貫通孔が形成されている。図示例では、第2部分6A2xと第2固定側台座部8D2xとの固定は、突出部に熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、第2部分6A2xと第2固定側台座部8D2xとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。第2板ばね6Bxの第1部分6B1xについても同様である。
【0142】
図26に示すように、板ばね6xは、第1回転軸RX1に対して2回回転対称となるように構成されている。そのため、板ばね6xは、レンズ保持体2xの重量バランスに悪影響を及ぼすことはほとんどない。板ばね6xは、八本のモジュール側形状記憶合金ワイヤSB(第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8)によって支持されるモジュール側可動部材MBxの重量バランスに悪影響を及ぼすこともほとんどない。
【0143】
モジュール側固定金属部材5K(第1固定側ターミナルプレート5K1~第8固定側ターミナルプレート5K8)は、図24及び図25に示すように、モジュール側埋設通電部材20xを介して外部回路基板(図示せず)に形成された対応する導電パターンに電気的に接続されるように構成されている。図示例では、第1固定側ターミナルプレート5K1は第1通電部材CD1に接続され、第2固定側ターミナルプレート5K2は第2通電部材CD2に接続され、第3固定側ターミナルプレート5K3は第6通電部材CD6に接続され、第4固定側ターミナルプレート5K4は第7通電部材CD7に接続され、第5固定側ターミナルプレート5K5は第10通電部材CD10に接続され、第6固定側ターミナルプレート5K6は第9通電部材CD9に接続され、第7固定側ターミナルプレート5K7は第5通電部材CD5に接続され、第8固定側ターミナルプレート5K8は第4通電部材CD4に接続されている。
【0144】
図示例では、モジュール側可動金属部材5Wと板ばね6xとは互いに接合されている。具体的には、図26に示すように、第1可動側ターミナルプレート5W1及び第4可動側ターミナルプレート5W4は、レーザ溶接等の溶接によって第2板ばね6Bxの第3部分6B3xに略垂直に接合されている。第2可動側ターミナルプレート5W2及び第3可動側ターミナルプレート5W3は、レーザ溶接等の溶接によって第1板ばね6Axの第3部分6A3xに略垂直に接合されている。
【0145】
一方で、モジュール側固定金属部材5Kと板ばね6xとは互いに接合されていない。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5K1及び第2固定側ターミナルプレート5K2は、第2板ばね6Bxの第1部分6B1xから離間して配置されており、第5固定側ターミナルプレート5K5及び第6固定側ターミナルプレート5K6は、第1板ばね6Axの第1部分6A1xから離間して配置されている。第3固定側ターミナルプレート5K3及び第4固定側ターミナルプレート5K4は、第1板ばね6Axの第2部分6A2xから離間して配置されており、第7固定側ターミナルプレート5K7及び第8固定側ターミナルプレート5K8は、第2板ばね6Bxの第2部分6B2xから離間して配置されている。
【0146】
次に、図27及び図28を参照し、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBを流れる電流の経路について説明する。図27及び図28は、図25に示す構成の一部の斜視図である。
【0147】
具体的には、図27は、第5通電部材CD5が高電位に接続され、且つ、第3通電部材CD3が低電位に接続されたときに第7ワイヤSB7を流れる電流の経路を示し、図28は、第4通電部材CD4が高電位に接続され、且つ、第3通電部材CD3が低電位に接続されたときに第8ワイヤSB8を流れる電流の経路を示す。以下の説明は、第7ワイヤSB7又は第8ワイヤSB8を流れる電流の経路に関するが、第1ワイヤSB1又は第2ワイヤSB2を流れる電流の経路、第3ワイヤSB3又は第4ワイヤSB4を流れる電流の経路、及び、第5ワイヤSB5又は第6ワイヤSB6を流れる電流の経路についても同様に適用される。
【0148】
第5通電部材CD5が高電位に接続され、且つ、第3通電部材CD3が低電位に接続されると、電流は、図27の矢印AR5で示すように第7ワイヤSB7を流れる。具体的には、電流は、第5通電部材CD5、第7固定側ターミナルプレート5K7、第7ワイヤSB7、第4可動側ターミナルプレート5W4、並びに、第2板ばね6Bx(第3部分6B3x、第5部分6B5x、及び第2部分6B2x)を通って第3通電部材CD3に流れる。
【0149】
第4通電部材CD4が高電位に接続され、且つ、第3通電部材CD3が低電位に接続されると、電流は、図28の矢印AR6で示すように第8ワイヤSB8を流れる。具体的には、電流は、第4通電部材CD4、第8固定側ターミナルプレート5K8、第8ワイヤSB8、第4可動側ターミナルプレート5W4、並びに、第2板ばね6Bx(第3部分6B3x、第5部分6B5x、及び第2部分6B2x)を通って第3通電部材CD3に流れる。
【0150】
図示例では、第7ワイヤSB7を流れる電流の経路と第8ワイヤSB8を流れる電流の経路とは部分的に重複している。具体的には、二つの電流の経路は、第4可動側ターミナルプレート5W4、第2板ばね6Bx(第3部分6B3x、第5部分6B5x、及び第2部分6B2x)、並びに第3通電部材CD3を通る部分で重複している。この構成は、部品点数を削減できるという効果をもたらす。
【0151】
制御装置は、第1固定側ターミナルプレート5K1~第8固定側ターミナルプレート5K8のそれぞれに印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれの伸縮を制御できる。或いは、制御装置は、第1固定側ターミナルプレート5K1~第8固定側ターミナルプレート5K8のそれぞれを介して第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれに供給される電流を制御することにより、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれの伸縮を制御できる。
【0152】
制御装置は、複数のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBに流れる電流を制御することによって、第1方向(光軸方向)と交差する方向にレンズ保持体2xを移動させてもよい。第1方向と交差する方向は、例えば、第1方向に垂直な第2方向(X軸方向)、又は、第1方向及び第2方向のそれぞれに垂直な第3方向(Y軸方向)であってもよい。制御装置は、Z軸回り、X軸回り、又は、Y軸回りでレンズ保持体2xを回転させてもよい。このようなレンズ保持体2xの動きにより、制御装置は、手振れ補正機能を実現してもよい。
【0153】
次に、図29を参照し、モジュール側駆動部DMxの詳細について説明する。図29は、レンズ保持体2xの6自由度の動きのそれぞれを実現する際のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBの伸縮状態を示す表である。具体的には、図29の「収縮」は、基準状態のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBを収縮させることを表し、図29の「伸張」は、基準状態のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBを伸張させることを表す。基準状態は、カメラモジュールMD(レンズ駆動装置LD)が中立状態にあるときのモジュール側形状記憶合金ワイヤSBの状態を意味する。図示例では、カメラモジュールMD(レンズ駆動装置LD)が中立状態にあるとき、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれは、電流が流されているため、弛んでいない。
【0154】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してX1方向(前方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を比較的小さく収縮させ、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を比較的小さく伸張させ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を比較的大きく収縮させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を比較的大きく伸張させる。第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を比較的小さく収縮させ、且つ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を比較的大きく収縮させることは、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2のそれぞれの収縮量が第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6のそれぞれの収縮量よりも小さいことを意味する。第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を比較的小さく伸張させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を比較的大きく伸張させることは、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4のそれぞれの伸張量が第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8のそれぞれの伸張量よりも小さいことを意味する。図示例では、制御装置は、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を略同じ収縮量で比較的小さく収縮させ、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を略同じ伸張量で比較的小さく伸張させ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を略同じ収縮量で比較的大きく収縮させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を略同じ伸張量で比較的大きく伸張させている。以下の説明においても同様である。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれに供給される電流の大きさを個別に調整することによって第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれを上述のように伸縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してX1方向(前方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0155】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してX2方向(後方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を比較的小さく伸張させ、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を比較的小さく収縮させ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を比較的大きく伸張させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を比較的大きく収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してX2方向(後方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0156】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してY1方向(左方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を比較的大きく収縮させ、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を比較的大きく伸張させ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を比較的小さく収縮させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を比較的小さく伸張させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してY1方向(左方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0157】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してY2方向(右方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1及び第2ワイヤSB2を比較的大きく伸張させ、第3ワイヤSB3及び第4ワイヤSB4を比較的大きく収縮させ、第5ワイヤSB5及び第6ワイヤSB6を比較的小さく伸張させ、且つ、第7ワイヤSB7及び第8ワイヤSB8を比較的小さく収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してY2方向(右方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0158】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してZ1方向(上方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第2ワイヤSB2、第4ワイヤSB4、第5ワイヤSB5、及び第7ワイヤSB7を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第1ワイヤSB1、第3ワイヤSB3、第6ワイヤSB6、及び第8ワイヤSB8を略同じ収縮量で収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してZ1方向(上方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0159】
制御装置は、モジュール側ベース部材8xに対してZ2方向(下方)にレンズ保持体2xを並進させる場合、図29の表に示すように、第2ワイヤSB2、第4ワイヤSB4、第5ワイヤSB5、及び第7ワイヤSB7を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第1ワイヤSB1、第3ワイヤSB3、第6ワイヤSB6、及び第8ワイヤSB8を略同じ伸張量で伸張させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してZ2方向(下方)にレンズ保持体2xを並進させることができる。
【0160】
制御装置は、正面視においてモジュール側ベース部材8xに対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第3ワイヤSB3、第4ワイヤSB4、第6ワイヤSB6、及び第7ワイヤSB7を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第1ワイヤSB1、第2ワイヤSB2、第5ワイヤSB5、及び第8ワイヤSB8を略同じ伸張量で伸張させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0161】
制御装置は、正面視においてモジュール側ベース部材8xに対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第3ワイヤSB3、第4ワイヤSB4、第6ワイヤSB6、及び第7ワイヤSB7を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第1ワイヤSB1、第2ワイヤSB2、第5ワイヤSB5、及び第8ワイヤSB8を略同じ収縮量で収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してX軸(第2回転軸RX2)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0162】
制御装置は、右側面視においてモジュール側ベース部材8xに対してY軸(第3回転軸RX3)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1、第4ワイヤSB4、第7ワイヤSB7、及び第8ワイヤSB8を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第2ワイヤSB2、第3ワイヤSB3、第5ワイヤSB5、及び第6ワイヤSB6を略同じ伸張量で伸張させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してY軸(第3回転軸RX3)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0163】
制御装置は、右側面視においてモジュール側ベース部材8xに対してY軸(第3回転軸RX3)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1、第4ワイヤSB4、第7ワイヤSB7、及び第8ワイヤSB8を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第2ワイヤSB2、第3ワイヤSB3、第5ワイヤSB5、及び第6ワイヤSB6を略同じ収縮量で収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してY軸(第3回転軸RX3)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0164】
制御装置は、上面視においてモジュール側ベース部材8xに対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1~第4ワイヤSB4を略同じ収縮量で収縮させ、且つ、第5ワイヤSB5~第8ワイヤSB8を略同じ伸張量で伸張させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りに時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0165】
制御装置は、上面視においてモジュール側ベース部材8xに対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させる場合、図29の表に示すように、第1ワイヤSB1~第4ワイヤSB4を略同じ伸張量で伸張させ、且つ、第5ワイヤSB5~第8ワイヤSB8を略同じ収縮量で収縮させる。この制御装置による制御により、モジュール側駆動部DMxは、モジュール側ベース部材8xに対してZ軸(第1回転軸RX1)の回りに反時計回りにレンズ保持体2xを回転させることができる。
【0166】
次に、図30を参照し、モジュール側固定部材FBx(モジュール側ベース部材8x)に埋設されたモジュール側埋設通電部材20x、固定側部材FB(ベース部材8)に埋設された第3埋設通電部材80、及び、モジュール側埋設通電部材20xと第3埋設通電部材80との間の通電に用いられる中間通電部材ECの位置関係について説明する。図30は、モジュール側埋設通電部材20x、第3埋設通電部材80、及び中間通電部材ECの斜視図である。図30では、明瞭化のため、第3埋設通電部材80のうちの、モジュール側埋設通電部材20xに接続されない通電部材(第1通電部材CB1~第3通電部材CB3、第6通電部材CB6、第7通電部材CB7、第11通電部材CB11~第14通電部材CB14、第17通電部材CB17、第18通電部材CB18、及び第22通電部材CB22)については、図示が省略されている。
【0167】
図示例では、モジュール側埋設通電部材20xを構成している10個の通電部材(第1通電部材CD1~第10通電部材CD10)は、中間通電部材ECを介し、第3埋設通電部材80に接続されている。
【0168】
具体的には、第1通電部材CD1は、第1中間通電部材EC1を介して第4通電部材CB4に接続され、第2通電部材CD2は、第2中間通電部材EC2を介して第5通電部材CB5に接続され、第3通電部材CD3は、第4中間通電部材EC4を介して第9通電部材CB9に接続され、第4通電部材CD4は、第5中間通電部材EC5を介して第10通電部材CB10に接続され、第5通電部材CD5は、第3中間通電部材EC3を介して第8通電部材CB8に接続されている。第6通電部材CD6は、第6中間通電部材EC6を介して第15通電部材CB15に接続され、第7通電部材CD7は、第7中間通電部材EC7を介して第16通電部材CB16に接続され、第8通電部材CD8は、第9中間通電部材EC9を介して第20通電部材CB20に接続され、第9通電部材CD9は、第10中間通電部材EC10を介して第21通電部材CB21に接続され、第10通電部材CD10は、第8中間通電部材EC8を介して第19通電部材CB19に接続されている。
【0169】
この構成により、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれは、モジュール側埋設通電部材20x、中間通電部材EC、及び第3埋設通電部材80を介して外部回路基板に形成された対応する導電パターンに電気的に接続され得る。そのため、レンズ駆動装置LDは、外部回路基板を介して、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれを流れる電流の供給を受けることができる。
【0170】
上述の構成により、制御装置は、レンズ保持体2xの6自由度の動きを実現できる。具体的には、制御装置は、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のそれぞれに供給される電流を個別に調整することにより、この6自由度の動きのそれぞれを実現できる。制御装置は、6自由度の動きのうちの複数を組み合わせることにより、レンズ保持体2xの動きを実現してもよい。図示例では、制御装置は、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のうちの一つ又は複数に電流を流すことによって、対応するモジュール側形状記憶合金ワイヤSBを収縮させてレンズ保持体2xを移動させる。そして、制御装置は、その移動によって、第1ワイヤSB1~第8ワイヤSB8のうちの別の一つ又は複数が引き延ばされることで、モジュール側形状記憶合金ワイヤSBの伸張を実現している。
【0171】
図示例では、モジュール保持体2が3自由度の動き(X軸回りの回転、Y軸回りの回転、及び、Z軸回りの回転)を実現できるため、レンズ体LSがX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに沿って並進可能であれば、モジュール保持体2に保持されたカメラモジュールMDにおけるレンズ体LSは、6自由度の動きを実現できる。すなわち、モジュール駆動装置100における駆動部DMと、カメラモジュールMDにおけるモジュール側駆動部DMxとの組み合わせは、レンズ体LSの6自由度の動きを実現できる。そのため、モジュール側駆動部DMxは、3自由度の動き(X軸回りの回転、Y軸回りの回転、及び、Z軸回りの回転)を利用しないように構成されていてもよい。
【0172】
可動側部材MBの動きは、図示しない動作検出部によって検出されてもよい。動作検出部は、例えば、モジュール保持体2等の可動側部材MBに取り付けられる磁石と、ベース部材8等の固定側部材FBに取り付けられる磁気センサとによって構成されてもよい。モジュール側可動部材MBxの動きは、図示しないモジュール側動作検出部によって検出されてもよい。モジュール側動作検出部は、例えば、レンズ保持体2x等のモジュール側可動部材MBxに取り付けられる磁石と、モジュール側ベース部材8x等のモジュール側固定部材FBxに取り付けられる磁気センサとによって構成されてもよい。
【0173】
磁気センサは、磁石の位置を検出することによって可動側部材MB(モジュール側可動部材MBx)の位置を検出できるように構成されていてもよい。磁気センサは、ホール素子を利用して可動側部材MB(モジュール側可動部材MBx)の位置を検出できるように構成されていてもよい。但し、磁気センサは、磁石が発生させる磁界を検出可能な巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の磁気抵抗素子を利用して可動側部材MB(モジュール側可動部材MBx)の位置を検出できるように構成されていてもよい。
【0174】
上述のように、本開示の実施形態に係るモジュール駆動装置100は、レンズ体LS及び撮像素子ISを有する光学モジュールとしてのカメラモジュールMDを保持可能なモジュール保持体2と、モジュール保持体2が光軸方向と交差する第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の回りに揺動可能となるように、モジュール保持体2に連結される連結部材3と、連結部材3が第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の回りに揺動可能となるように、連結部材3と連結される固定側部材FB(ベース部材8)と、モジュール保持体2を固定側部材FBに対して移動させる駆動部DMと、を備えている。
【0175】
モジュール保持体2と連結部材3との間、及び、連結部材3と固定側部材FBとの間のうちの少なくとも一方は、光軸OAを挟んで対向するように配置された二つの第1回転体(第1回転体Q1又は第2回転体Q2)を介して連結されていてもよい。この場合、二つの第1回転体を介して連結される二つの対応する部材は、光軸OAの回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されていてもよい。
【0176】
図3に示す例では、モジュール保持体2と連結部材3との間は、光軸OAを挟んで対向するように配置された二つの第1回転体Q1(第1左側回転体Q1L及び第1右側回転体Q1R)を介して連結されている。そして、二つの第1回転体Q1を介して連結されるモジュール保持体2と連結部材3とは、光軸OAの回りで互いに相対的に回動可能となるように構成されている。
【0177】
この構成は、第1回転体Q1を介して連結される二つの部材のうちの一方の揺動動作と回動動作とを可能としながらも、構造が複雑になってしまうのを抑制できる。すなわち、この構成は、回転支持機構とジンバル機構とを別々に備えた構造等に比べ、比較的単純な構造を実現できる。
【0178】
二つの第1回転体Q1を挟んで互いに対向するモジュール保持体2と連結部材3とのうちの少なくとも一方には、光軸OAを中心とする円弧状の第1溝部G1が形成されていてもよい。図示例では、第1回転体Q1の下側に配置されるモジュール保持体2には、図5に示すように、光軸OAを中心とする円弧状の第1溝部G1(第1左側溝部G1L及び第1右側溝部G1R)が形成されている。但し、第1溝部G1は、第1回転体Q1の上側に配置される連結部材3に形成されていてもよく、モジュール保持体2及び連結部材3のそれぞれに形成されていてもよい。この構成は、簡単な構造により、連結部材3に対するモジュール保持体2の第3回転軸RX3回りの揺動と光軸回りの回動とを実現できるという効果をもたらす。
【0179】
連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)とは、光軸OAを挟んで対向するように配置された二つの第2回転体Q2を介して連結されており、二つの第2回転体Q2を挟んで互いに対向する連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)とのうちの少なくとも一方には、光軸OAを中心とする円弧状の第2溝部G2が形成されていてもよい。図示例では、第2回転体Q2の下側に配置されるベース部材8には、図9に示すように、光軸OAを中心とする円弧状の第2溝部G2(第2前側溝部G2F及び第2後側溝部G2B)が形成されている。但し、第2溝部G2は、第2回転体Q2の上側に配置される連結部材3に形成されていてもよく、連結部材3及びベース部材8のそれぞれに形成されていてもよい。
【0180】
この構成は、簡単な構造により、ベース部材8に対する連結部材3の第2回転軸RX2回りの揺動と光軸回りの回動とを実現できるという効果をもたらす。また、この構成は、二つの第1回転体Q1を挟んでモジュール保持体2と連結部材3とが互いに対向するように配置される構成との併用により、ベース部材8に対するモジュール保持体2の光軸回りの回動の大きさ(回動量又は回動角度)を大きくできるという効果をもたらす。
【0181】
連結部材3には、第1回転体Q1を保持する第1凹部H1と第2回転体Q2を保持する第2凹部H2とが設けられていてもよい。この構成は、案内機構GMの構造を簡略化できるという効果をもたらす。
【0182】
第1凹部H1及び第2凹部H2は何れも連結部材3の下面側(同じ面側)に設けられていてもよい。この構成は、連結部材3のモジュール保持体2及びベース部材8への組み付けを容易にし、モジュール駆動装置100の組み立てやすさを向上させることができるという効果をもたらす。
【0183】
レンズ体LSが配置される側を上側、撮像素子ISが配置される側を下側としたとき、連結部材3は、固定側部材FB(ベース部材8)の上側に配置される部分を有していてもよい。この場合、モジュール保持体2は、連結部材3よりも下側に配置される部分を有していてもよい。第1回転体Q1及び第2回転体Q2は、それぞれ連結部材3の下側に配置されていてもよい。
【0184】
図示例では、連結部材3の下側(Z2側)には、図7に示すように、第1回転体Q1(第1左側回転体Q1L及び第1右側回転体Q1R)を保持する第1凹部H1(第1左側凹部H1L及び第1右側凹部H1R)と第2回転体Q2(第2前側回転体Q2F及び第2後側回転体Q2B)を保持する第2凹部H2(第2前側凹部H2F及び第2後側凹部H2B)とが設けられている。
【0185】
この構成は、Z軸方向における第1回転体Q1の位置(高さ)と第2回転体Q2の位置(高さ)とを同じにする或いは近付けることができ、モジュール駆動装置100内のスペース効率を高めることができる。そのため、この構成は、Z軸方向におけるモジュール駆動装置100の長さ(高さ)を小さくできるという効果をもたらす。
【0186】
連結部材3及びモジュール保持体2のそれぞれには、第1回転体Q1を挟んで互いに引き合うように配置される第1磁石MG1及び第2磁石MG2が設けられていてもよい。連結部材3及び固定側部材FB(ベース部材8)のそれぞれには、第2回転体Q2を挟んで互いに引き合うように配置される第3磁石MG3及び第4磁石MG4が設けられていてもよい。
【0187】
図示例では、モジュール保持体2には、図4に示すように第2磁石MG2が設けられ、連結部材3には、図6に示すように第1磁石MG1及び第3磁石MG3が設けられ、ベース部材8には、図8に示すように第4磁石MG4が設けられている。この構成は、モジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8が互いに離れてしまうのを防止できる。そのため、この構成は、連結部材3に対するモジュール保持体2の揺動動作及び回動動作を安定させることができ、且つ、ベース部材8に対する連結部材3の揺動動作及び回動動作を安定させることができるという効果をもたらす。
【0188】
第1回転体Q1及び第2回転体Q2は磁性材料(金属)で構成されていてもよい。この構成は、第1回転体Q1及び第2回転体Q2が非磁性材料で構成される場合に比べ、モジュール保持体2と連結部材3とが互いに引き合う力、及び、連結部材3とベース部材8とが互いに引き合う力を大きくすることができる。第1回転体Q1は第1磁石MG1及び第2磁石MG2を引き寄せることができ、第2回転体Q2は第3磁石MG3及び第4磁石MG4を引き寄せることができるためである。そのため、この構成は、モジュール駆動装置100が落下等による衝撃を受けた場合にモジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8が互いに離れてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0189】
第1磁石(第1磁石MG1)は、第1一方側磁石(第1左側磁石MG1L)と第1他方側磁石(第1右側磁石MG1R)とを含んでいてもよい。同様に、第2磁石(第2磁石MG2)は、第2一方側磁石(第2左側磁石MG2L)と第2他方側磁石(第2右側磁石MG2R)とを含んでいてもよく、第3磁石(第3磁石MG3)は、第3一方側磁石(第3前側磁石MG3F)と第3他方側磁石(第3後側磁石MG3B)とを含んでいてもよく、第4磁石(第4磁石MG4)は、第4一方側磁石(第4前側磁石MG4F)と第4他方側磁石(第4後側磁石MG4B)とを含んでいてもよい。この場合、二つの回転体(第1回転体Q1)のうちの一方(第1左側回転体Q1L)を挟んで配置される第1一方側磁石(第1左側磁石MG1L)と第2一方側磁石(第2左側磁石MG2L)との間の吸引力と、二つの回転体(第1回転体Q1)のうちの他方(第1右側回転体Q1R)を挟んで配置される第1他方側磁石(第1右側磁石MG1R)と第2他方側磁石(第2右側磁石MG2R)との間の吸引力とは互いに異なっていてもよい。また、二つの回転体(第2回転体Q2)のうちの一方(第2前側回転体Q2F)を挟んで配置される第3一方側磁石(第3前側磁石MG3F)と第4一方側磁石(第4前側磁石MG4F)との間の吸引力と、二つの回転体(第2回転体Q2)のうちの他方(第2後側回転体Q2B)を挟んで配置される第3他方側磁石(第3後側磁石MG3B)と第4他方側磁石(第4後側磁石MG4B)との間の吸引力とは互いに異なっていてもよい。
【0190】
具体的には、モジュール保持体2と連結部材3とが互いに引き合う力の大きさは、一方側(左側)と他方側(右側)とで異なっていてもよい。より具体的には、モジュール駆動装置100は、例えば、第1左側磁石MG1Lの磁力と第1右側磁石MG1Rの磁力とが異なるように構成されていてもよく、第2左側磁石MG2Lの磁力と第2右側磁石MG2Rの磁力とが異なるように構成されていてもよい。或いは、モジュール駆動装置100は、例えば、第1左側磁石MG1Lから第1左側回転体Q1Lまでの距離と第1右側磁石MG1Rから第1右側回転体Q1Rまでの距離とが異なるように構成されていてもよく、第2左側磁石MG2Lから第1左側回転体Q1Lまでの距離と第2右側磁石MG2Rから第1右側回転体Q1Rまでの距離とが異なるように構成されていてもよい。
【0191】
この構成により、モジュール駆動装置100は、落下等に起因して、例えば、モジュール保持体2から連結部材3が離れてカバー部材4に衝突するときの衝撃を緩和できるという効果をもたらす。この構成は、連結部材3の一方側(左側)と他方側(右側)とが同時に離れてしまうのを抑制でき、モジュール保持体2から離れた連結部材3の移動速度の最大値を抑制できるためである。具体的には、この構成は、引き合う力の弱い側が引き合う力の強い側よりも早く離れるようにすることで、連結部材3がカバー部材4に衝突するときに要する時間である衝突時間を長くすることができる。そして、連結部材3とカバー部材4との衝突時間が長くなることで、連結部材3がカバー部材4に衝突するときの衝撃を分散させることができる。
【0192】
同様に、連結部材3とベース部材8とが互いに引き合う力の大きさは、一方側(前側)と他方側(後側)とで異なっていてもよい。具体的には、モジュール駆動装置100は、例えば、第3前側磁石MG3Fの磁力と第3後側磁石MG3Bの磁力とが異なるように構成されていてもよく、第4前側磁石MG4Fの磁力と第4後側磁石MG4Bの磁力とが異なるように構成されていてもよい。或いは、モジュール駆動装置100は、例えば、第3前側磁石MG3Fから第2前側回転体Q2Fまでの距離と第3後側磁石MG3Bから第2後側回転体Q2Bまでの距離とが異なるように構成されていてもよく、第4前側磁石MG4Fから第2前側回転体Q2Fまでの距離と第4後側磁石MG4Bから第2後側回転体Q2Bまでの距離とが異なるように構成されていてもよい。
【0193】
この構成により、モジュール駆動装置100は、落下等に起因して、例えば、ベース部材8から連結部材3が離れてカバー部材4に衝突するときの衝撃を緩和できるという効果をもたらす。この構成は、連結部材3の一方側(前側)と他方側(後側)とが同時に離れてしまうのを抑制でき、ベース部材8から離れた連結部材3の移動速度の最大値を抑制できるためである。具体的には、この構成は、引き合う力の弱い側が引き合う力の強い側よりも早く離れるようにすることで、連結部材3がカバー部材4に衝突するときに要する時間である衝突時間を長くすることができる。そして、連結部材3とカバー部材4との衝突時間が長くなることで、連結部材3がカバー部材4に衝突するときの衝撃を分散させることができる。
【0194】
駆動部DMは、モジュール保持体2及び連結部材3を含む可動側部材MBと固定側部材FB(ベース部材8)との間に設けられた複数の形状記憶合金ワイヤSAを含んで構成されていてもよい。この構成は、磁石及びコイルを用いて駆動部が構成される場合に比べ、モジュール駆動装置100を小型化できるという効果をもたらす。
【0195】
駆動部DMは、モジュール保持体2を含む第1可動部MB1と連結部材3を含む第2可動部MB2との間に設けられる複数の第1形状記憶合金ワイヤSC1を有していてもよい。可動側部材MBと固定側部材FB(ベース部材8)との間に設けられる複数の形状記憶合金ワイヤSAは、第2可動部MB2と固定側部材FB(ベース部材8)との間に設けられる複数の第2形状記憶合金ワイヤSC2によって構成されていてもよい。図示例では、複数の第1形状記憶合金ワイヤSC1は、第1ワイヤSA1~第4ワイヤSA4であり、複数の第2形状記憶合金ワイヤSC2は、第5ワイヤSA5~第8ワイヤSA8である。この構成は、ベース部材8に対する連結部材3の動きの制御、及び、連結部材3に対するモジュール保持体2の動きの制御が容易になるという効果をもたらす。これは、ベース部材8に対する連結部材3の動きを実現するために用いられる形状記憶合金ワイヤSAと、連結部材3に対するモジュール保持体2の動きを実現するために用いられる形状記憶合金ワイヤSAとを分離できるためである。
【0196】
モジュール保持体2を挟んで第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の軸線方向(X軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1が配置され、それら二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1は、第2軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差していてもよい。モジュール保持体2を挟んで第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の軸線方向(Y軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2が配置され、それら二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2は、第1軸線の軸線方向に沿って見た場合において互いに交差していてもよい。
【0197】
図3に示す例では、モジュール保持体2の前側(X1側)に位置する二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1である第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは、X軸方向に沿って見た場合において互いに交差し、モジュール保持体2の後側(X2側)に位置する二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1である第3ワイヤSA3と第4ワイヤSA4とは、X軸方向に沿って見た場合において互いに交差している。モジュール保持体2の左側(Y1側)に位置する二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2である第5ワイヤSA5と第6ワイヤSA6とは、Y軸方向に沿って見た場合において互いに交差し、モジュール保持体2の右側(Y2側)に位置する二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2である第7ワイヤSA7と第8ワイヤSA8とは、Y軸方向に沿って見た場合において互いに交差している。
【0198】
この構成は、ベース部材8に対する連結部材3の動きの制御、及び、連結部材3に対するモジュール保持体2の動きの制御が更に容易になるという効果をもたらす。また、この構成では、連結部材3に対するモジュール保持体2の揺動動作と回動動作とが共通の形状記憶合金ワイヤSA(第1形状記憶合金ワイヤSC1)によって実現されるためである。この構成では、ベース部材8に対する連結部材3の揺動動作と回動動作とが共通の形状記憶合金ワイヤSA(第2形状記憶合金ワイヤSC2)によって実現されるためである。
【0199】
光学モジュールの一例であるカメラモジュールMDは、モジュール側固定部材FBx(モジュール側ベース部材8x)と、レンズ体LSが保持されるレンズ保持体2xと、モジュール側固定部材FBx(モジュール側ベース部材8x)に対してレンズ保持体2xを移動させるモジュール側駆動部DMxと、を有していてもよい。
【0200】
この場合、モジュール側駆動部DMxは、レンズ保持体2xを含むモジュール側可動部材MBxとモジュール側固定部材FBx(モジュール側ベース部材8x)との間に設けられた複数のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBを含んで構成されていてもよい。
【0201】
複数のモジュール側形状記憶合金ワイヤSBは、レンズ保持体2xを挟んで第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の軸線方向(X軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれに配置される二本の第3形状記憶合金ワイヤSC3と、レンズ保持体2xを挟んで第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の軸線方向(Y軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれに配置される二本の第4形状記憶合金ワイヤSC4と、を有していてもよい。
【0202】
二本の第3形状記憶合金ワイヤSC3は、第2軸線の軸線方向(X軸方向)に沿って見た場合において互いに交差し、二本の第4形状記憶合金ワイヤSC4は、第1軸線の軸線方向(Y軸方向)に沿って見た場合において互いに交差していてもよい。
【0203】
図24に示す例では、レンズ保持体2xの前側(X1側)に位置する二本の第3形状記憶合金ワイヤSC3である第1ワイヤSB1と第2ワイヤSB2とは、X軸方向に沿って見た場合において互いに交差し、レンズ保持体2xの後側(X2側)に位置する二本の第3形状記憶合金ワイヤSC3である第3ワイヤSB3と第4ワイヤSB4とは、X軸方向に沿って見た場合において互いに交差している。レンズ保持体2xの左側(Y1側)に位置する二本の第4形状記憶合金ワイヤSC4である第5ワイヤSB5と第6ワイヤSB6とは、Y軸方向に沿って見た場合において互いに交差し、レンズ保持体2xの右側(Y2側)に位置する二本の第4形状記憶合金ワイヤSC4である第7ワイヤSB7と第8ワイヤSB8とは、Y軸方向に沿って見た場合において互いに交差している。
【0204】
この構成は、磁石及びコイルを用いてモジュール側駆動部DMxが構成される場合に比べ、カメラモジュールMDを小型化でき、ひいては、モジュール駆動装置100を小型化できるという効果をもたらす。
【0205】
本開示の実施形態に係るモジュール駆動装置100は、図3に示すように、レンズ体LS及び撮像素子ISを有する光学モジュールとしてのカメラモジュールMDを保持可能なモジュール保持体2と、モジュール保持体2が光軸方向と交差する第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の回りに揺動可能となるように、モジュール保持体2に連結される連結部材3と、連結部材3が第1軸線の軸線方向に垂直な第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の回りに揺動可能となるように、連結部材3と連結される固定側部材FB(ベース部材8)と、モジュール保持体2を固定側部材FBに対して移動させる駆動部DMと、を備えている。
【0206】
モジュール保持体2と連結部材3との間、及び、連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)との間のうちの少なくとも一方は、光軸OAを挟んで対向するように配置された回転可能な二つの回転体(第1回転体Q1又は第2回転体Q2)を介して連結されていてもよい。また、これら二つの回転体は、磁性材料で構成されていてもよい。また、回転体を介して連結される二つの対応する部材のそれぞれには、回転体を挟んで互いに引き合うように配置される第1磁石(第1磁石MG1又は第3磁石MG3)及び第2磁石(第2磁石MG2又は第4磁石MG4)が設けられていてもよい。
【0207】
この構成は、磁力を利用してモジュール駆動装置100を組み立てる(二つの部材を連結する)ことができるようにするため、モジュール駆動装置100の構造が複雑化するのを抑制できるという効果をもたらす。また、この構成は、同じ理由により、モジュール駆動装置100の生産性を高めることができるという効果をもたらす。
【0208】
第1磁石(第1磁石MG1又は第3磁石MG3)は、第1一方側磁石(第1左側磁石MG1L又は第3前側磁石MG3F)と第1他方側磁石(第1右側磁石MG1R又は第3後側磁石MG3B)とを含んでいてもよい。また、第2磁石(第2磁石MG2又は第4磁石MG4)は、第2一方側磁石(第2左側磁石MG2L又は第4前側磁石MG4F)と第2他方側磁石(第2右側磁石MG2R又は第4後側磁石MG4B)とを含んでいてもよい。この場合、二つの回転体のうちの一方(第1左側回転体Q1L又は第2前側回転体Q2F)を挟んで配置される第1一方側磁石(第1左側磁石MG1L又は第3前側磁石MG3F)と第2一方側磁石(第2左側磁石MG2L又は第4前側磁石MG4F)との間の吸引力と、二つの回転体のうちの他方(第1右側回転体Q1R又は第2後側回転体Q2B)を挟んで配置される第1他方側磁石(第1右側磁石MG1R又は第3後側磁石MG3B)と第2他方側磁石(第2右側磁石MG2R又は第4後側磁石MG4B)との間の吸引力とが互いに異なるように構成されていてもよい。
【0209】
この構成は、落下等による衝撃に起因する、筐体HS内における可動側部材MBと固定側部材FBとの間の衝突による衝撃を抑制できるという効果をもたらす。具体的には、落下等による衝撃がモジュール駆動装置100に加えられた場合、回転体を介して連結される二つの部材は互いに離れるように相対的に移動するが、一方側の連結部における吸引力と他方側の連結部における吸引力とが異なることから、一方側の連結が解除されるタイミングと他方側の連結が解除されるタイミングとが異なる可能性が高い。そのため、この構成は、一方側の連結部における吸引力と他方側の連結部における吸引力とが同じである場合に比べ、一方側の連結と他方側の連結の双方が解除されるまでに要する時間を長くすることができ、その結果として、筐体HS内を移動する部材が他の部材に衝突する際の衝突時間も長くなり、その衝突による衝撃を抑制することができるという効果をもたらす。
【0210】
図示例では、モジュール保持体2と連結部材3とは、光軸OAを挟んで対向するように配置された回転可能な二つの第1回転体Q1を介して連結されている。また、連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)とは、光軸OAを挟んで対向するように配置された回転可能な二つの第2回転体Q2を介して連結されている。そして、第1回転体Q1及び第2回転体Q2は何れも磁性材料で構成されている。また、連結部材3及び固定側部材FB(ベース部材8)のそれぞれには、第2回転体Q2を挟んで互いに引き合うように配置される第3磁石MG3及び第4磁石MG4が設けられている。
【0211】
この構成は、磁力を利用してモジュール駆動装置100を組み立てる(二つの部材を連結する)ことができるようにするため、モジュール駆動装置100の構造が複雑化するのを抑制できるという効果をもたらす。また、この構成は、同じ理由により、モジュール駆動装置100の生産性を高めることができるという効果をもたらす。
【0212】
第3磁石MG3は、第3一方側磁石(第3前側磁石MG3F)と第3他方側磁石(第3後側磁石MG3B)とを含んでいてもよく、第4磁石MG4は、第4一方側磁石(第4前側磁石MG4F)と第4他方側磁石(第4後側磁石MG4B)とを含んでいてもよい。この場合、二つの第2回転体Q2のうちの一方(第2前側回転体Q2F)を挟んで配置される第3一方側磁石(第3前側磁石MG3F)と第4一方側磁石(第4前側磁石MG4F)との間の吸引力と、二つの第2回転体Q2のうちの他方(第2後側回転体Q2B)を挟んで配置される第3他方側磁石(第3後側磁石MG3B)と第4他方側磁石(第4後側磁石MG4B)との間の吸引力とが互いに異なるように構成されていてもよい。
【0213】
この構成は、落下等による衝撃に起因する、筐体HS内における可動側部材MB(連結部材3)と固定側部材FB(カバー部材4)との間の衝突による衝撃を抑制できるという効果をもたらす。具体的には、落下等による衝撃がモジュール駆動装置100に加えられた場合、第2回転体Q2を介して連結される二つの部材(連結部材3及びベース部材8)は互いに離れるように相対的に移動するが、一方側(前側)の連結部における吸引力と他方側(後側)の連結部における吸引力とが異なることから、一方側の連結が解除されるタイミングと他方側の連結が解除されるタイミングとが異なる可能性が高い。そのため、この構成は、一方側の連結部における吸引力と他方側の連結部における吸引力とが同じである場合に比べ、一方側の連結と他方側の連結の双方が解除されるまでに要する時間を長くすることができ、その結果として、筐体HS内を移動する連結部材3がカバー部材4に衝突する際の衝突時間も長くなり、その衝突による衝撃を抑制することができるという効果をもたらす。
【0214】
本開示の実施形態に係る光学装置は、レンズ体LSを保持可能なレンズ保持体2xと、レンズ体LSに対向して配置される撮像素子ISに対して相対移動不能に設けられる撮像素子保持体ADと、撮像素子保持体ADを含むモジュール側固定部材FBxに対してレンズ保持体2xを移動させるモジュール側駆動部DMxと、モジュール側固定部材FBxを保持するモジュール保持体2と、光軸方向と交差する第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の回りでモジュール保持体2が揺動可能となるように、モジュール保持体2と連結される連結部材3と、第1軸線の軸線方向(Y軸方向)に垂直な第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の回りで連結部材3が揺動可能となるように、連結部材3と連結される固定側部材FB(ベース部材8)と、固定側部材FB(ベース部材8)に対してモジュール保持体2を移動させる駆動部DMと、を備えていてもよい。
【0215】
そして、モジュール保持体2と連結部材3との間、及び、連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)との間のうちの少なくとも一方は、光軸OAを挟んで対向するように配置された二つの第1回転体(第1回転体Q1又は第2回転体Q2)を介して連結されており、第1回転体を介して連結される二つの対応する部材は、光軸OAの回りで相対的に回動可能となるように構成されていてもよい。
【0216】
本開示の実施形態に係るモジュール駆動装置100は、固定側部材FB(ベース部材8)と、レンズ体LS及び撮像素子ISを有する光学モジュール(カメラモジュールMD)を保持可能であるとともに、固定側部材FB(ベース部材8)に対して移動可能なモジュール保持体2と、レンズ体LSの光軸OAの回りのモジュール保持体2の回動を案内する案内機構GMと、光軸OAの回りでモジュール保持体2を回動させる駆動部DMと、連結部材3と、を備えていてもよい。そして、駆動部DMは、モジュール保持体2を含む可動側部材MBと固定側部材FB(ベース部材8)との間に設けられる複数の形状記憶合金ワイヤSAを含んで構成されていてもよい。連結部材3は、モジュール保持体2と複数の第1係合部V1で連結されるとともに、固定側部材FB(ベース部材8)と複数の第2係合部V2で連結されていてもよい。案内機構GMは、モジュール保持体2と第1係合部V1との間、及び、固定側部材FB(ベース部材8)と第2係合部V2との間のうちの少なくとも一方において、光軸OAの回りでモジュール保持体2が回動可能となるように設けられていてもよい。
【0217】
図示例では、案内機構GMは、モジュール保持体2の係合部2Tと連結部材3の第1係合部V1との間に設けられた第1案内機構GM1、及び、ベース部材8の係合部8Tと連結部材3の第2係合部V2との間に設けられた第2案内機構GM2を含む。
【0218】
上述の実施形態では、第1案内機構GM1は、図11に示すように、モジュール保持体2の係合部2Tの上端面に形成された第1溝部G1、連結部材3の第1係合部V1の下端面に形成された第1凹部H1、及び、第1回転体Q1を含んで構成されている。しかしながら、第1案内機構GM1は、回転体を用いずに、モジュール保持体2及び連結部材3のうちの一方に設けられた凸部(例えば半球状凸部)と他方に設けられた凹部(例えば断面U字状の凹部)とで構成されていてもよい。この場合、モジュール保持体2及び連結部材3は、凸部が凹部内を摺動することにより、互いに相対的に回動可能となる。第2案内機構GM2についても同様である。
【0219】
この構成は、案内機構GMを介して連結される二つの部材のうちの一方の回動動作を可能としながらも、構造が複雑になってしまうのを抑制できる。すなわち、この構成は、比較的簡単な構造により、案内機構GMを介して連結される二つの部材のうちの一方の回動動作を実現できる。そのため、この構成は、モジュール駆動装置100の大型化を抑制できる。
【0220】
モジュール保持体2は、モジュール保持体2と連結部材3の第1係合部V1との間において、光軸OAの回りに回動可能となるように構成されていてもよい。図示例では、モジュール保持体2は、第1案内機構GM1により、モジュール保持体2と連結部材3の第1係合部V1との間において、光軸OAの回りに回動可能となるように構成されている。具体的には、モジュール保持体2は、連結部材3の第1係合部V1に対応する係合部2Tを有する。第1案内機構GM1は、係合部2Tの上面に形成された第1溝部G1(図5参照)と、第1係合部V1の下面に形成された第1凹部H1(図7参照)と、第1溝部G1と第1凹部H1との間に配置される第1回転体Q1(図6参照)とで構成されている。この構成は、第1案内機構GM1を介して連結されるモジュール保持体2と連結部材3との間の相対的な回動動作を比較的容易に実現できる。
【0221】
連結部材3は、モジュール保持体2と第1係合部V1との間、及び、固定側部材FB(ベース部材8)と第2係合部V2との間の双方において光軸OAの回りに回動可能となるように構成されていてもよい。
【0222】
図示例では、連結部材3は、第1案内機構GM1及び第2案内機構GM2のそれぞれにより、モジュール保持体2と第1係合部V1との間、及び、固定側部材FB(ベース部材8)と第2係合部V2との間の双方において光軸OAの回りに回動できるように構成されている。具体的には、ベース部材8は、連結部材3の第2係合部V2に対応する係合部8Tを有する。第2案内機構GM2は、係合部8Tの上面に形成された第2溝部G2(図9参照)と、第2係合部V2の下面に形成された第2凹部H2(図7参照)と、第2溝部G2と第2凹部H2との間に配置される第2回転体Q2(図8参照)とで構成されている。
【0223】
この構成は、連結部材3がモジュール保持体2と第1係合部V1との間、及び、固定側部材FB(ベース部材8)と第2係合部V2との間の何れか一方において光軸OAの回りに回動可能となるように構成される場合に比べ、回動範囲(回動角度)を大きくできるという効果をもたらす。
【0224】
第1係合部V1は、光軸OAを挟んで対向するとともに第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)に沿った二つの位置に設けられていてもよい。第2係合部V2は、光軸OAを挟んで対向するとともに第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)に沿った二つの位置に設けられていてもよい。そして、光軸方向に沿って見た場合(上面視)において、第1軸線と第2軸線とは直交するように配置されていてもよい。この場合、第1形状記憶合金ワイヤSC1は、モジュール保持体2を挟んで第2軸線の軸線方向(X軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれに配置され、第2形状記憶合金ワイヤSC2は、モジュール保持体2を挟んで第1軸線の軸線方向(Y軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれに配置されていてもよい。
【0225】
この構成は、光軸OAを挟んだ二つの位置において案内機構GMを介して二つの部材を連結するため、それら二つの部材の相対的な回動動作を安定させることができる。この構成は、それら二つの部材のうちの一方に対する他方の部材の揺動動作を可能にするという効果をもたらす。
【0226】
第2軸線(第2回転軸RX2の軸線)の軸線方向(X軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1が配置され、それら二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1は、第2軸線の軸線方向(X軸方向)に沿って見た場合において互いに交差するとともに、第1ワイヤ対を構成してもよい。第1軸線(第3回転軸RX3の軸線)の軸線方向(Y軸方向)に離間する二つの位置のそれぞれには、二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2が配置され、それら二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2は、第1軸線の軸線方向(Y軸方向)に沿って見た場合において互いに交差するとともに、第2ワイヤ対を構成してもよい。
【0227】
図示例では、第1ワイヤ対を構成する二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせ、及び、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせである。第2ワイヤ対を構成する二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2は、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、及び、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせである。
【0228】
この構成は、二本の形状記憶合金ワイヤSAを交差させないように配置する場合に比べ、配置される形状記憶合金ワイヤSAの長さを長くすることができる。そのため、この構成は、駆動部DMによる駆動力を増大させることができる。この構成では、XY平面に対して傾斜するように形状記憶合金ワイヤSAが配置される。そのため、この構成は、XY平面に対して平行に形状記憶合金ワイヤSAが配置される場合に比べ、案内機構GMを介して連結される二つの部材の相対的な揺動動作が容易になるという効果をもたらす。
【0229】
第1ワイヤ対を構成する二本の第1形状記憶合金ワイヤSC1のそれぞれの一端部同士は導通していてもよく、第2ワイヤ対を構成する二本の第2形状記憶合金ワイヤSC2のそれぞれの一端部同士は導通していてもよい。
【0230】
この構成は、二つの形状記憶合金ワイヤSAのそれぞれを流れる電流の経路を部分的に重複させることができる。そのため、この構成は、モジュール駆動装置100の構造を簡略化できるという効果をもたらす。
【0231】
モジュール保持体2を含む第1可動部MB1は、第1形状記憶合金ワイヤSC1の一端部が固定される第1金属部材(第1下側ターミナルプレート5F1~第4下側ターミナルプレート5F4)を有していてもよい。連結部材3を含む第2可動部MB2は、第1形状記憶合金ワイヤSC1の他端部が固定される第2金属部材(第1上側ターミナルプレート5M1~第4上側ターミナルプレート5M4)と、第2形状記憶合金ワイヤSC2の一端部が固定される第3金属部材(第5上側ターミナルプレート5M5~第8上側ターミナルプレート5M8)とを有していてもよい。固定側部材FB(ベース部材8)は、第2形状記憶合金ワイヤSC2の他端部が固定される第4金属部材(第5下側ターミナルプレート5F5~第8下側ターミナルプレート5F8)を有していてもよい。そして、モジュール保持体2が中立位置にあるとき、第1金属部材(第1下側ターミナルプレート5F1~第4下側ターミナルプレート5F4)及び第2金属部材(第1上側ターミナルプレート5M1~第4上側ターミナルプレート5M4)は、互いに略平行に配置される板状部PMをそれぞれ有し、第3金属部材(第5上側ターミナルプレート5M5~第8上側ターミナルプレート5M8)及び第4金属部材(第5下側ターミナルプレート5F5~第8下側ターミナルプレート5F8)は、互いに略平行に配置される板状部PM(図9参照)をそれぞれ有していてもよい。
【0232】
この構成は、形状記憶合金ワイヤSAが固定された状態の複数の金属部材5が同時に、対応する部材に取り付けられるのを可能にし、モジュール駆動装置100の組み立てやすさを向上させることができるという効果をもたらす。
【0233】
モジュール保持体2には、第1形状記憶合金ワイヤSC1及び第2形状記憶合金ワイヤSC2の少なくとも一方の通電に用いられる通電部材(第1埋設通電部材20)が設けられていてもよい。図示例では、第1埋設通電部材20は、インサート成形によってモジュール保持体2内に埋設されている。この構成は、形状記憶合金ワイヤSAに至る導電路の形成が容易になるという効果をもたらす。
【0234】
モジュール駆動装置100は、モジュール保持体2と連結部材3とを繋ぐように設けられた金属からなる板ばね状の第1導電部材6と、連結部材3と固定側部材FB(ベース部材8)とを繋ぐように設けられた金属からなる板ばね状の第2導電部材7と、モジュール保持体2と固定側部材FB(ベース部材8)とを繋ぐように設けられた金属からなる板ばね状の第3導電部材9と、を備えていてもよい。この場合、第1導電部材6、第2導電部材7、及び第3導電部材9のそれぞれは、第1形状記憶合金ワイヤSC1及び第2形状記憶合金ワイヤSC2のうちの対応する少なくとも一つに導通する導電路を構成していてもよい。この構成は、形状記憶合金ワイヤSAに至る導電路の形成が容易になるという効果をもたらす。
【0235】
第1導電部材6、第2導電部材7、及び第3導電部材9のうちの二つと、第1導電部材6、第2導電部材7、及び第3導電部材9のうちの残りの一つとは、光軸方向において、連結部材3を挟んで対向するように設けられていてもよい。この構成は、導電部材同士の干渉を抑制できるという効果をもたらす。
【0236】
案内機構GMは、第1案内機構GM1及び第2案内機構GM2を含んでいてもよい。この場合、第1案内機構GM1は、モジュール保持体2と連結部材3における複数の第1係合部V1のそれぞれとの間に設けられた第1回転体Q1と、第1回転体Q1を挟んで互いに対向するモジュール保持体2及び連結部材3のうちの少なくとも一方に設けられる、光軸OAを中心とする円弧状の第1溝部G1と、を有していてもよい。第2案内機構GM2は、固定側部材FB(ベース部材8)と連結部材3における複数の第2係合部V2のそれぞれとの間に設けられた第2回転体Q2と、第2回転体Q2を挟んで互いに対向する固定側部材FB(ベース部材8)及び連結部材3のうちの少なくとも一方に設けられる、光軸OAを中心とする円弧状の第2溝部G2と、を有していてもよい。そして、第1回転体Q1及び第2回転体Q2は、連結部材3の下側に設けられていてもよい。この構成では、第1回転体Q1が第1溝部G1内を転動可能であり、且つ、第2回転体Q2が第2溝部G2内を転動可能である。そのため、この構成は、モジュール保持体2及び連結部材3の相対的な回動動作の円滑化、並びに、連結部材3及びベース部材8の相対的な回動動作の円滑化を実現できるという効果をもたらす。
【0237】
本開示の実施形態に係る光学装置は、レンズ体LSを保持可能なレンズ保持体2xと、レンズ体LSに対向して配置される撮像素子ISに対して相対移動不能に設けられる撮像素子保持体ADと、撮像素子保持体ADを含むモジュール側固定部材FBxに対してレンズ保持体2xを移動させるモジュール側駆動部DMxと、モジュール側固定部材FBxを保持するとともに固定側部材FBに対して移動可能なモジュール保持体2と、レンズ体LSの光軸OAの回りのモジュール保持体2の回動を案内する案内機構GMと、モジュール保持体2を光軸OAの回りに回動させる駆動部DMと、連結部材3と、を備えていてもよい。
【0238】
この場合、駆動部DMは、モジュール保持体2を含む可動側部材MBと固定側部材FB(ベース部材8)との間に設けられる複数の形状記憶合金ワイヤSAを含んで構成されていてもよい。連結部材3は、モジュール保持体2と複数の第1係合部V1で連結されるとともに、固定側部材FB(ベース部材8)と複数の第2係合部V2で連結されていてもよい。案内機構GMは、モジュール保持体2と第1係合部V1との間、及び、固定側部材FB(ベース部材8)と第2係合部V2との間のうちの少なくとも一方においてモジュール保持体2が光軸OAの回りに回動可能となるように設けられていてもよい。この構成は、モジュール保持体2の回動動作を実現するための構造が複雑になってしまうのを抑制できる。すなわち、この構成は、比較的単純な構造により、モジュール保持体2の回動動作を実現できる。
【0239】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態及び後述する実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。上述の実施形態及び後述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0240】
例えば、上述の実施形態では、金属部材5は、各部材(モジュール保持体2、連結部材3、及びベース部材8)に接着剤を用いて固定されているが、各部材に埋設されていてもよく、各部材の表面に形成された導電パターンであってもよい。
【0241】
上述の実施形態では、モジュール保持体2は、カメラモジュールMDを構成するモジュール側固定部材FBxの一部であるレンズ駆動装置LDのカバー部材と一体に構成されている。すなわち、モジュール保持体2は、カメラモジュールMDを構成するモジュール側固定部材FBxの一部として機能している。しかしながら、レンズ駆動装置LDのカバー部材は、モジュール保持体2とは別の部材であってもよい。この場合、レンズ駆動装置LDのカバー部材は、接着剤等によりモジュール保持体2に固定されてもよい。或いは、モジュール保持体2は、カメラモジュールMDを構成するモジュール側固定部材FBxの別の部材と一体に構成されていてもよい。例えば、モジュール保持体2は、カメラモジュールMDを構成するモジュール側ベース部材8xと一体に構成されていてもよい。
【0242】
上述の実施形態では、モジュール側固定部材FBxを構成するモジュール側ベース部材8x、撮像素子保持体AD、及びスペーサSPは、別個独立の部材として形成されているが、撮像素子保持体AD及びスペーサSPの少なくとも一方は、モジュール側ベース部材8xに一体化されてもよい。
【0243】
本願は、2022年5月16日に出願した日本国特許出願2022-080480号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。
【符号の説明】
【0244】
2・・・モジュール保持体 2A・・・外周壁部 2B・・・天板部 2D・・・台座部 2DL・・・左側台座部 2DR・・・右側台座部 2Dx・・・可動側台座部 2D1x・・・第1可動側台座部 2D2x・・・第2可動側台座部 2G・・・フランジ部 2GBL・・・左後側フランジ部 2GBR・・・右後側フランジ部 2GFL・・・左前側フランジ部 2GFR・・・右前側フランジ部 2Sx・・・突設部 2S1x・・・第1突設部 2S2x・・・第2突設部 2T・・・係合部 2TL・・・左側係合部 2TR・・・右側係合部 2x・・・レンズ保持体 3・・・連結部材 3D・・・台座部 3DB・・・後側台座部 3DF・・・前側台座部 3DL・・・左側台座部 3DR・・・右側台座部 3E・・・辺部 3E1・・・第1辺部 3E2・・・第2辺部 3E3・・・第3辺部 3E4・・・第4辺部 3K・・・開口 4・・・カバー部材 4A・・・外周壁部 4A1・・・第1側板部 4A2・・・第2側板部 4A3・・・第3側板部 4A4・・・第4側板部 4B・・・天板部 4K・・・開口 4S・・・収容部 5・・・金属部材 5F・・・下側金属部材 5F1・・・第1下側ターミナルプレート 5F2・・・第2下側ターミナルプレート 5F3・・・第3下側ターミナルプレート 5F4・・・第4下側ターミナルプレート 5F5・・・第5下側ターミナルプレート 5F6・・・第6下側ターミナルプレート 5F7・・・第7下側ターミナルプレート 5F8・・・第8下側ターミナルプレート 5K・・・モジュール側固定金属部材 5K1・・・第1固定側ターミナルプレート 5K2・・・第2固定側ターミナルプレート 5K3・・・第3固定側ターミナルプレート 5K4・・・第4固定側ターミナルプレート 5K5・・・第5固定側ターミナルプレート 5K6・・・第6固定側ターミナルプレート 5K7・・・第7固定側ターミナルプレート 5K8・・・第8固定側ターミナルプレート 5M・・・上側金属部材 5M1・・・第1上側ターミナルプレート 5M2・・・第2上側ターミナルプレート 5M3・・・第3上側ターミナルプレート 5M4・・・第4上側ターミナルプレート 5M5・・・第5上側ターミナルプレート 5M6・・・第6上側ターミナルプレート 5M7・・・第7上側ターミナルプレート 5M8・・・第8上側ターミナルプレート 5W・・・モジュール側可動金属部材 5W1・・・第1可動側ターミナルプレート 5W2・・・第2可動側ターミナルプレート 5W3・・・第3可動側ターミナルプレート 5W4・・・第4可動側ターミナルプレート 5x・・・モジュール側金属部材 6・・・第1導電部材 6L・・・左側導電部材 6R・・・右側導電部材 6x・・・板ばね 6Ax・・・第1板ばね 6A1x・・・第1部分 6A2x・・・第2部分 6A3x・・・第3部分 6A4x・・・第4部分 6A5x・・・第5部分 6Bx・・・第2板ばね 6B1x・・・第1部分 6B2x・・・第2部分 6B3x・・・第3部分 6B4x・・・第4部分 6B5x・・・第5部分 6EL、6ER・・・外側固定部分 6GL、6GR・・・弾性部分 6IL、6IR・・・内側固定部分 6L・・・左側導電部材 6R・・・右側導電部材 7・・・第2導電部材 7B・・・後側導電部材 7BL・・・左後側導電部材 7BR・・・右後側導電部材 7EBL、7EBR、7EFL、7EFR・・・外側固定部分 7F・・・前側導電部材 7FL・・・左前側導電部材 7FR・・・右前側導電部材 7GBL、7GBR、7GFL、7GFR・・・弾性部分 7IBL、7IBR、7IFL、7IFR・・・内側固定部分 8・・・ベース部材 8D・・・台座部 8DB・・・後側台座部 8DBL・・・左後側台座部 8DBR・・・右後側台座部 8DF・・・前側台座部 8DFL・・・左前側台座部 8DFR・・・右前側台座部 8Dx・・・固定側台座部 8D1x・・・第1固定側台座部 8D2x・・・第2固定側台座部 8E、8Ex・・・辺部 8E1、8E1x・・・第1辺部 8E2、8E2x・・・第2辺部 8E3、8E3x・・・第3辺部 8E4、8E4x・・・第4辺部 8K、8Kx・・・開口 8T・・・係合部 8TB・・・後側係合部 8TF・・・前側係合部 8x・・・モジュール側ベース部材 9・・・第3導電部材 9BL・・・左後側導電部材 9BR・・・右後側導電部材 9EFL、9EFR、9EBL、9EBR・・・外側固定部分 9FL・・・左前側導電部材 9FR・・・右前側導電部材 9GBL、9GBR、9GFL、9GFR・・・弾性部分 9IBL、9IBR、9IFL、9IFR・・・内側固定部分 12x・・・筒状部 20・・・第1埋設通電部材 20B・・・後側通電部材 20F・・・前側通電部材 20L・・・左側通電部材 20R・・・右側通電部材 20x・・・モジュール側埋設通電部材 30・・・第2埋設通電部材 30BL・・・左後側通電部材 30BR・・・右後側通電部材 30FL・・・左前側通電部材 30FR・・・右前側通電部材 80・・・第3埋設通電部材 100・・・モジュール駆動装置 150・・・光学装置 AD・・・撮像素子保持体 CB1・・・第1通電部材 CB2・・・第2通電部材 CB3・・・第3通電部材 CB4・・・第4通電部材 CB5・・・第5通電部材 CB6・・・第6通電部材 CB7・・・第7通電部材 CB8・・・第8通電部材 CB9・・・第9通電部材 CB10・・・第10通電部材 CB11・・・第11通電部材 CB12・・・第12通電部材 CB13・・・第13通電部材 CB14・・・第14通電部材 CB15・・・第15通電部材 CB16・・・第16通電部材 CB17・・・第17通電部材 CB18・・・第18通電部材 CB19・・・第19通電部材 CB20・・・第20通電部材 CB21・・・第21通電部材 CB22・・・第22通電部材 CD1・・・第1通電部材 CD2・・・第2通電部材 CD3・・・第3通電部材 CD4・・・第4通電部材 CD5・・・第5通電部材 CD6・・・第6通電部材 CD7・・・第7通電部材 CD8・・・第8通電部材 CD9・・・第9通電部材 CD10・・・第10通電部材 CD11・・・第11通電部材 CTL1、CTL2・・・切断線 DM・・・駆動部 DMx・・・モジュール側駆動部 EC・・・中間通電部材 EC1・・・第1中間通電部材 EC2・・・第2中間通電部材 EC3・・・第3中間通電部材 EC4・・・第4中間通電部材 EC5・・・第5中間通電部材 EC6・・・第6中間通電部材 EC7・・・第7中間通電部材 EC8・・・第8中間通電部材 EC9・・・第9中間通電部材 EC10・・・第10中間通電部材 FB・・・固定側部材 FBx・・・モジュール側固定部材 FC・・・可撓性基板 G1・・・第1溝部 G1L・・・第1左側溝部 G1R・・・第1右側溝部 G2・・・第2溝部 G2B・・・第2後側溝部 G2F・・・第2前側溝部 GM・・・案内機構 GM1・・・第1案内機構 GM1L・・・第1左側案内機構 GM1R・・・第1右側案内機構 GM2・・・第2案内機構 GM2B・・・第2後側案内機構 GM2F・・・第2前側案内機構 H1・・・第1凹部 H1L・・・第1左側凹部 H1R・・・第1右側凹部 H2・・・第2凹部 H2B・・・第2後側凹部 H2F・・・第2前側凹部 HS・・・筐体 IS・・・撮像素子 J1~J4・・・保持部 LC・・・下側導電部材 LD・・・レンズ駆動装置 LS・・・レンズ体 MB・・・可動側部材 MB1・・・第1可動部 MB2・・・第2可動部 MBx・・・モジュール側可動部材 MD・・・カメラモジュール MG1・・・第1磁石 MG1L・・・第1左側磁石 MG1R・・・第1右側磁石 MG2・・・第2磁石 MG2L・・・第2左側磁石 MG2R・・・第2右側磁石 MG3・・・第3磁石 MG3B・・・第3後側磁石 MG3F・・・第3前側磁石 MG4・・・第4磁石 MG4B・・・第4後側磁石 MG4F・・・第4前側磁石 N1・・・第1収容部 N1L・・・第1左側収容部 N1R・・・第1右側収容部 N2・・・第2収容部 N2L・・・第2左側収容部 N2R・・・第2右側収容部 N3・・・第3収容部 N3B・・・第3後側収容部 N3F・・・第3前側収容部 N4・・・第4収容部 N4B・・・第4後側収容部 N4F・・・第4前側収容部 OA・・・光軸 PM、PM1~PM4・・・板状部 Q1・・・第1回転体 Q1L・・・第1左側回転体 Q1R・・・第1右側回転体 Q2・・・第2回転体 Q2B・・・第2後側回転体 Q2F・・・第2前側回転体 RX1・・・第1回転軸 RX2・・・第2回転軸 RX3・・・第3回転軸 SA・・・形状記憶合金ワイヤ SB・・・モジュール側形状記憶合金ワイヤ SA1、SB1・・・第1ワイヤ SA2、SB2・・・第2ワイヤ SA3、SB3・・・第3ワイヤ SA4、SB4・・・第4ワイヤ SA5、SB5・・・第5ワイヤ SA6、SB6・・・第6ワイヤ SA7、SB7・・・第7ワイヤ SA8、SB8・・・第8ワイヤ SC1・・・第1形状記憶合金ワイヤ SC2・・・第2形状記憶合金ワイヤ SC3・・・第3形状記憶合金ワイヤ SC4・・・第4形状記憶合金ワイヤ SP・・・スペーサ UC・・・上側導電部材 V・・・係合部 V1・・・第1係合部 V1L・・・第1左側係合部 V1R・・・第1右側係合部 V2・・・第2係合部 V2B・・・第2後側係合部 V2F・・・第2前側係合部
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