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特許7582744鉛直面取り付けデバイスパススルーヒューズ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】鉛直面取り付けデバイスパススルーヒューズ
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/56 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H01H85/56
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020134177
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2021027047
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】62/883,229
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリオ シー. ウレア
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー エム. ボールド
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デビッド ユルカニン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-023430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0272877(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性のヒューズ本体と、
前記ヒューズ本体の第1側面に配置され、第1の端子および第2の端子の間に延在する溶融可能要素と、
ドーム状部分および前記ドーム状部分から延在するフランジ状部分を有する電気絶縁性のキャップと、
弓状部分および前記弓状部分から延在する細長いシャンク状部分を有する導電性のリードフレームとを含み、
前記ドーム状部分は前記溶融可能要素上に配置され、前記フランジ状部分は前記ヒューズ本体に付けられ、
前記弓状部分は前記キャップ上に配置され、前記第1の端子に接続され、前記シャンク状部分は前記ヒューズ本体から離れる方向に延在する、
鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項2】
前記第1の端子は、前記ヒューズ本体の第1の端の周りに延在する折り返し部分を有し、前記リードフレームの前記弓状部分は、前記第1の端子の前記折り返し部分上に延在する折り返し部分を有する、請求項1に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項3】
前記第2の端子は、前記ヒューズ本体の第2の端の周りに延在する折り返し部分を有する、請求項2に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項4】
前記弓状部分の前記折り返し部分は、前記ヒューズ本体の前記第1側面に対向する前記ヒューズ本体の第2側面へと延在する、請求項2または3に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項5】
前記弓状部分の前記折り返し部分は、はんだを収容するように、それを通って形成された開口を有する、請求項2から4のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項6】
前記キャップの前記ドーム状部分は、前記リードフレームの前記弓状部分の開口を通って延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項7】
前記第1の端子は、前記リードフレームの前記弓状部分と平らに係合して配置され、前記リードフレームの前記シャンク状部分と平行である、請求項1から6のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項8】
前記第2の端子は、前記ヒューズ本体から離れる方向に延在し、前記リードフレームの前記シャンク状部分に平行である、請求項1から7のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項9】
前記リードフレームは、前記キャップと係合する前記弓状部分から延在する第1のフランジと、前記ヒューズ本体の前記第1側面と対向する前記ヒューズ本体の第2側面と係合する前記弓状部分から延在する第2のフランジとを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項10】
前記第1の端子および第2の端子は、前記ヒューズ本体の前記第1側面の対応する溝に嵌合する、それらの向かい合う側から延在するフランジを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項11】
前記溶融可能要素は、前記ヒューズ本体の前記第1側面のキャビティ上に延在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項12】
電気絶縁性のヒューズ本体と、
前記ヒューズ本体の第1側面上に配置され、第1の端子および第2の端子の間の前記ヒューズ本体の前記第1側面のキャビティ上に延在する溶融可能要素と、
ドーム状部分および前記ドーム状部分から延在するフランジ状部分を有する電気絶縁性のキャップと、
弓状部分および前記弓状部分から延在する細長いシャンク状部分を有する導電性のリードフレームと、を含み、
前記ドーム状部分は前記溶融可能要素および前記キャビティ上に配置され、前記フランジ状部分は前記ヒューズ本体に付けられ、
前記弓状部分は前記キャップの前記シャンク状部分と平らに係合して配置され、前記キャップの前記ドーム状部分は前記弓状部分の開口を通って延在し、前記弓状部分は前記第1の端子に接続され、前記シャンク状部分は前記ヒューズ本体から離れる方向に延在する、
鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項13】
前記第1の端子は、前記ヒューズ本体の第1の端の周りに延在する折り返し部分を有し、前記リードフレームの前記弓状部分は、前記第1の端子の前記折り返し部分上に延在する折り返し部分を有する、請求項12に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項14】
前記第2の端子は、前記ヒューズ本体の第2の端の周りに延在する折り返し部分を有する、請求項13に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項15】
前記弓状部分の前記折り返し部分は、前記ヒューズ本体の前記第1側面に対向する前記ヒューズ本体の第2側面へと延在する、請求項13または14に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項16】
前記弓状部分の前記折り返し部分は、はんだを収容するように、それを通って形成された開口を有する、請求項13から15のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項17】
前記第1の端子は、前記リードフレームの前記弓状部分と平らに係合して配置され、前記リードフレームの前記シャンク状部分と平行である、請求項12から16のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項18】
前記第2の端子は、前記ヒューズ本体から離れる方向に延在し、前記リードフレームの前記シャンク状部分に平行である、請求項12から17のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項19】
前記リードフレームは、前記キャップと係合する前記弓状部分から延在する第1のフランジと、前記ヒューズ本体の前記第1側面と対向する前記ヒューズ本体の第2側面と係合する前記弓状部分から延在する第2のフランジとを有する、請求項12から18のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項20】
前記第1の端子および第2の端子は、前記ヒューズ本体の前記第1側面の対応する溝に嵌合する、それらの向かい合う側から延在するフランジを有する、請求項12から19のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【請求項21】
前記溶融可能要素は、前記ヒューズ本体の上部側に位置する前記第1の端子および前記ヒューズ本体の下部側に位置する前記第2の端子の間に延在する、請求項1から20のいずれか一項に記載の鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月6日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第62/883,229号の利益を請求する。
【0002】
本開示は、一般に回路保護デバイスの分野に関し、より詳細には、プリント配線基板へのパススルー接続を容易にする一体化されたリードフレームを有する、鉛直方向に配向された表面実装デバイスヒューズに関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装デバイス(SMD)ヒューズは一般に、プリント配線基板(PCB)または他の基板に直接に過電流保護デバイスを実装することが望ましい用途に、使用される。従来のSMDヒューズは、第1および第2導電端子の間に、絶縁性のヒューズ本体上の上部に沿って延在する溶融可能要素を含む。端子は、ヒューズ本体の向かい合う端部の周りで、例えばPCB上のそれぞれの接点に電気的に接続される(例えば、はんだ付けされる)ことが可能である、ヒューズ本体の下面へと曲げられる。
【0004】
従来のSMDヒューズに関連する欠点は、それが設置されるPCBまたは他の基板上で、それが比較的大きいフットプリントを有することである。従来のSMDヒューズに関連するさらなる欠点は、PCBまたは他の基板のパススルー接続によって外部電気構成要素(例えば、電池)にSMDヒューズを接続すべく、SMDヒューズは、配線または導体によって別々のパススルー端子に接続されなければならないことである。
【0005】
本改善例が有用であり得るのは、これらの、および他の考慮に関してである。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、発明を実施するための形態において以下にさらに説明される、簡略化された形態の概念の選択をもたらすように、提供される。本概要は、クレームされた主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別することは意図されなく、クレームされた主題の範囲を判断する助けとしての意図もない。
【0007】
本開示の例示的実施形態による鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズは、電気絶縁性のヒューズ本体と、ヒューズ本体の第1側面に配置され、第1の端子および第2の端子の間に延在する溶融可能要素と、ドーム状部分およびドーム状部分から延在するフランジ状部分を有する電気絶縁性のキャップと、弓状部分および弓状部分から延在する細長いシャンク状部分を有する導電性のリードフレームとを含み得、ドーム状部分は溶融可能要素上に配置され、フランジ状部分はヒューズ本体に付けられ、弓状部分はキャップ上に配置され、第1の端子に接続され、シャンク状部分はヒューズ本体から離れる方向に延在する。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態による鉛直SMDパススルーヒューズは、電気絶縁性のヒューズ本体と、ヒューズ本体の第1側面上に配置され、第1の端子および第2の端子の間のヒューズ本体の第1側面のキャビティ上に延在する溶融可能要素と、ドーム状部分およびドーム状部分から延在するフランジ状部分を有する電気絶縁性のキャップと、弓状部分および弓状部分から延在する細長いシャンク状部分を有する導電性のリードフレームと、を含み得、ドーム状部分は溶融可能要素およびキャビティ上に配置され、フランジ状部分はヒューズ本体に付けられ、弓状部分はキャップのシャンク状部分と平らに係合して配置され、キャップのドーム状部分は弓状部分の開口を通って延在し、弓状部分は第1の端子に接続され、シャンク状部分はヒューズ本体から離れる方向に延在する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】組み立てられていない状態の、本開示の例示的実施形態による鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズを図示する分解図である。
【0010】
図2A】組み立てられた状態の、図1に示された鉛直SMDパススルーヒューズを図示する前方斜視図である。
図2B】組み立てられた状態の、図1に示された鉛直SMDパススルーヒューズを図示する後方斜視図である。
【0011】
図3A図2Aおよび2Bに示された鉛直SMDパススルーヒューズの代替的実施形態を図示する断面図である。
【0012】
図3B図2Aおよび2Bに示された鉛直SMDパススルーヒューズの代替的実施形態を図示する断面図である。
【0013】
図4A】プリント配線基板上に設置された、図2Aおよび2Bに示された鉛直SMDパススルーヒューズを図示する斜視図である。
図4B】プリント配線基板上に設置された、図2Aおよび2Bに示された鉛直SMDパススルーヒューズを図示する斜視図である。
【0014】
図5】本開示の例示的実施形態による別の鉛直SMDパススルーヒューズを図示する側面図である。
【0015】
図6】本開示の例示的実施形態による別の鉛直SMDパススルーヒューズを図示する側面図である。
【0016】
図7A】本開示の例示的実施形態による別の鉛直SMDパススルーヒューズを図示する前方斜視図である。
図7B】本開示の例示的実施形態による別の鉛直SMDパススルーヒューズを図示する後方斜視図である。
【0017】
図8】本開示の代替的実施形態によるいくつかの鉛直SMDパススルーヒューズを図示する側面図である。
【0018】
図9A】本開示によるキャップの簡便なパッケージング構成を図示する正面図である。
【0019】
図9B】本開示によるヒューズ板の簡便なパッケージング構成を図示する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示による鉛直面取り付けデバイス(SMD)パススルーヒューズは、鉛直SMDパススルーヒューズの好ましい実施形態が表される添付の図面を参照して、ここでより完全に説明されるだろう。しかしながら、鉛直SMDパススルーヒューズは、多くの異なる形態において具現化され得、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが、理解されるだろう。むしろ、本開示が鉛直SMDパススルーヒューズのある例示的な態様を当業者に伝えるように、これらの実施形態は提供される。
【0021】
図1から図2Bを参照すると、本開示の例示的で非限定的な実施形態による、鉛直SMDパススルーヒューズ10(以下「ヒューズ10」)を図示する分解図および斜視図が示される。簡便および明確性のために、「前方」、「後方」、「上部」、「底」、「上記」、「以下」、「鉛直」、「水平」、「横方向」、「縦方向」などの用語は、それぞれ図1から図2Bに現れるときのヒューズ10の形状および方向に関して、ヒューズ10の様々なコンポーネントの相対的な位置および方向を説明するように、本明細書において使用されてよい。当該術語は、具体的に言及された単語、それらの派生語、および類似の外来語を含むだろう。
【0022】
図1を参照すると、ヒューズ10は、組み立てられていない状態で示されているが、ヒューズ本体12、ヒューズ板14、キャップ16、およびリードフレーム18を含んでよい。ヒューズ本体12は一般に、電気絶縁性材料(例えば、プラスチック、ポリマ、セラミックなど)で形成された矩形またはブロック形の部材であってよく、それらの前方表面に形成されたキャビティ20を有してよい。ヒューズ本体12は、以下により詳細に説明されるように、ヒューズ板14を収容および保持する様々な表面の特徴、突起、および輪郭をさらに含んでよい。
【0023】
ヒューズ板14は、導電性材料の板またはシート(例えば、亜鉛、銅、スズなどの板から型打ちされた)から形成された実質的に平坦な部材であってよく、第1の端子および第2の端子24、26の間に延在する溶融可能要素22を含んでよい。第1の端子および第2の端子24、26は、ヒューズ本体12のフロントエッジに形成される相補的な凹部または溝30内に嵌合するように、それらの横方向縁から互いに反対の方向に延在するフランジ28を含んでよい。フランジ28および溝30の間の係合を行うことは、ヒューズ10が組み立てられる(図2Aおよび2Bに示されるように)ときにヒューズ板14およびヒューズ本体12の間の正確な位置決めおよび固定された係合を容易にし得、溶融可能要素22はヒューズ本体12の前方表面においてキャビティ20上に延在する。加えて、フランジ28が溝30内に配置されるとき、ヒューズ板14は、溶融可能要素22がキャビティ20内に配置された状態で、ヒューズ本体12のフロントエッジに対して凹んでよく、それにより、さらに以下で説明するように、溶融可能要素22の封止を容易にする。
【0024】
ヒューズ板14を通って流れる電流が、ヒューズ10のあらかじめ判断されたしきい値または「定格電流」を上回る場合、溶融可能要素22は、融解、分解、またはそうでなければ開くように構成されてよい。特定の実施形態において、溶融可能要素22は、図1に示されるように、蛇行形を有してよい。本開示はこの関連では限定されない。様々な実施形態において、溶融可能要素22をヒューズ板14の他の部分と比べてより融解または開口しやすくするように、溶融可能要素22は、穿孔、スロット、薄型の、または狭いセグメント、および/または、様々な他の特徴を含んでよい。非限定的な例において、溶融可能要素22は、2アンペアと80アンペアの間の範囲内の定格電流を有するように構成されてよい。
【0025】
キャップ16は、電気絶縁性材料(例えば、プラスチック、ポリマ、セラミックなど)で形成されてよく、内部キャビティ(図内にない)を画定する中央のドーム状部分32から延在する実質的に平坦なフランジ状部分31を含んでよい。ヒューズ10が組み立てられるとき、キャップ16は、ヒューズ板14およびヒューズ本体12上に嵌合してよく、キャップ16のフランジ状部分31は、ヒューズ本体12のフロントエッジと係合し、キャップ16のドーム状部分32は溶融可能要素22を被覆する。キャップ16のフランジ状部分31は、超音波溶接、レーザ溶接、エポキシなどによって、ヒューズ本体12のフロントエッジに付けられてよい。したがって、溶融可能要素22は、キャップ16およびヒューズ本体12によって定められるチャンバ内に封入されてよく、当該チャンバを通って延在してよく、第1の端子および第2の端子24、26は、チャンバの上部および下部から突出してよく、ヒューズ本体12およびキャップ16より上およびより下に延在してもよい。ヒューズ10の様々な実施形態において、砂、シリカなどのヒューズフィラー材料(図示せず)が、キャップ16およびヒューズ本体12によって画定されたチャンバ内に配置されてよく、それがなければ過電流状態の最中に溶融可能要素22の開口において伝播し得るであろう電気アークを消すために、溶融可能要素22を実質的に取り囲んでもよい。
【0026】
リードフレーム18は、導電性材料の単独のピース(例えば、亜鉛、銅、スズなどのシートから型打ちされる)から形成されてよく、弓状部分38の底から延在する細長いシャンク状部分36を有する、一般に鍵の形状であってもよい。弓状部分38は、さらに以下に説明されるように、それを通って形成され、キャップ16のドーム状部分32を噛合して受け入れるように適応した、開口40を含んでよい。
【0027】
完全に組み立てられた状態のヒューズ10を示す図2Aおよび2Bを参照すると、ヒューズ板14の第1および第2ヒューズ端子24、26は、ヒューズ本体12の上部および下部の周りで曲げられるか圧着されてよい。キャップ16は、溶融可能要素22(図内にない)上に配置されてもよく、上記で説明されるように、ヒューズ本体12のフロントエッジに固定されてもよい。リードフレーム18の弓状部分38は、キャップ16のフランジ状部分31の前方と平らに接合して配置されてよく、キャップ16のドーム状部分32は、弓状部分38の開口40を通って延在する。弓状部分38の上部は、ヒューズ本体12の上部の周りに曲げられるか圧着されてよく、ヒューズ板14の第1の端子24と平らに係合して配置されてよく、これに電気的に接続されてもよい。
【0028】
様々な実施形態において、弓状部分38は、高温に耐えるように適した、ろう付け、高温はんだ、他のロバストな接続方法によって、第1の端子24に接続されてよい。したがって、(例えば、ヒューズ10の設置の最中に実行されてよいなどの)後続のリフローはんだ付け処理の最中、弓状部分38および第1の端子24の間の電気的接続は、損なわれないだろう。代替的に、低温はんだは、弓状部分38を第1の端子24に接続するように使用されてよく、図3Aに示されるように、例えば、後続のリフロー工程が実行されるときにはんだをトラップしてはんだを弓状部分38および第1の端子24の間の空間から流れることを防止するような方法で、弓状部分38は、ヒューズ本体12の後部および/または側部の周りに曲げられてよい。図3Bに示される他の企図された実施形態において、弓状部分38は、それを通って形成され、ヒューズ本体12および第1の端子24の直接上に設置された、穴またはトラフ39を有してよい。多量の低温はんだが、穴39内に配置されてよく、リードフレーム18と第1の端子24の間の電気的接続を提供してもよい。穴39の底が第1の端子24によって閉じられているので、はんだは、後続のリフロー工程が実行されたときに穴39から流れることが防止され得る。より一般には、ヒューズ10の様々な実施形態において、弓状部分38は、後続のリフロー工程が実行されるときに(例えば、プリント配線基板上のヒューズ10の設置の最中に)多量のはんだを第1の端子24に接したままにしておき、多量のはんだを保持するために、それを通って全体に、またはそれの底側に形成された、任意のタイプの穴、キャビティ、凹部、溝、ポケット、チャネルなどを含んでよい。
【0029】
図4Aおよび図4Bを参照すると、プリント配線基板(PCB)42上に設置中であるヒューズ10を図示する斜視図が示される(ヒューズ10は、PCBの他の様々な絶縁性基板に同様に設置されることができることが理解されるだろう)。リードフレーム18のシャンク状部分36は、PCB42のパススルースロット44を通って挿入されてよく、押圧嵌合、接着剤、はんだなどによってそこで固定されてよく、ヒューズ板14の第2の端子26は、PCB42上のはんだ付け可能なパッド46の頂部に配置されてもよい。はんだ付け可能なパッド46は、第2の端子26とロバストな電気的接続を確立するように、後続してリフローされてよい。1または複数の配線または他の電気経路(図示せず)が、はんだ付け可能なパッド46からPCB42上の他の要素に延在してよく、それにより、そのような要素を、ヒューズ板14の第2の端子26(図内にない)と電気的に通信して配置する。導体48は、PCB42の下側でリードフレーム18のシャンク状部分36をクリップ留めするか、そうでなければ接続してよく、シャンク状部分36と、導体48が接続される外部電子要素(例えば、電池などの電力の源、図示せず)との間の電気的接続を提供し得る。ヒューズ10がそのように設置された状態で、導体48からリードフレーム18のシャンク状部分36へと、リードフレーム18の弓状部分38を通じて第1の端子24へと、溶融可能要素22を通じて第2の端子26へと、そしてPCB42上に接続された電気素子またはデバイスへと、電流を流させる導電性の経路が確立される。したがって、ヒューズ10は、(導体48によってリードフレーム18のシャンク状部分36に接続される)外部電子要素と、PCB42上の1または複数の電気素子との間の過電流保護を提供し得る。
【0030】
前述の説明の図において、本開示のヒューズ10は、従来のSMDヒューズと比べて多くの利点を提供することが、理解されるだろう。例えば、従来のSMDヒューズは、一体化されたリードフレーム18の提供を除いてはヒューズ10と実質的に類似することもあり、一般的に、その第1の端子および第2の端子をPCB上のそれぞれの接点にはんだ付けされた状態で、PCB上に水平方向に設置される。対照的に、本開示のヒューズ10は、PCB上に鉛直方向に(すなわち、従来のSMDヒューズと比べてそのエッジ上に)配置され、その端子のうちの1つのみ(すなわち、第2の端子26)が、PCBにはんだ付けされる。PCB上のヒューズ10のフットプリントは、このため、従来のSMDヒューズのフットプリントよりも大幅に小さい。加えて、リードフレーム18はヒューズ10に一体化されたパススルー端子を提供し、それにより、従来のSMDヒューズにとって必要とされるような、配線または導体によって別々のパススルー端子にヒューズ10を接続する必要を取り除く。なおもさらに、リードフレーム18のシャンク状部分36をPCBのパススルースロットを通って挿入することは(上記で説明したように)、ヒューズ10の第2の端子26を、PCB上のはんだ付け可能なパッド上に自動的に正確に配置するための簡便で迅速な手段を容易にする。なおもさらに、ヒューズ10のリードフレーム18および第2の端子26が、上記で説明された方法でPCB上に設置されるとき、それらは、互いから離れるような水平方向の動きに対してキャップ16およびヒューズ本体12を補強し、それにより、キャップ16およびヒューズ本体12の間の結合を強化し、従来のSMDヒューズと比べてヒューズ10の遮断容量を増加させる。なおもさらに、鉛直方向のヒューズ10は、溶融可能要素22を、ヒューズ10が取り付けられるPCBまたは他の基板から離れるように移動させ、それにより、従来の水平方向に取り付けられたSMDヒューズと比べて、熱管理が改善されたヒューズを提供する。熱管理はさらに、ヒューズ10のためのヒートシンクとして作用し得るリードフレーム18によって改善される。
【0031】
図5を参照すると、本開示の代替実施形態による鉛直SMDパススルーヒューズ100(以下「ヒューズ100」)を図示する側面図が示される。ヒューズ100は、ヒューズ板114の第1の端子124およびリードフレーム118の弓状部分138が、ヒューズ本体112の上部の上で丸まっていない点を除いて、上記で説明されたヒューズ10と実質的に同一であり得る。むしろ、リードフレーム118の弓状部分138がまっすぐであり(撓まない)、リードフレーム18の残りと同一平面上にあり、ヒューズ板114の第1の端子124が、弓状部分138に向けて、弓状部分138と平らに係合するように、曲げられる。
【0032】
図6を参照すると、本開示の別の代替的実施形態による、鉛直SMDパススルーヒューズ200(以下「ヒューズ200」)を図示する側面図が示される。ヒューズ200は、ヒューズ板214の第2の端子226が、ヒューズ本体212の底の周りで丸まっていない点を除いて、上記で説明されたヒューズ100と実質的に同一であり得る。むしろ、ヒューズ板214の第2の端子226が撓まず、ヒューズ本体212からまっすぐ下方に延在し、リードフレーム218のシャンク状部分236と平行である。第2の端子226は、例えばPCBの相補的スロットまたはビアに挿入され、または電気的に接続され(例えば、はんだ付けされ)てよい。
【0033】
図7Aおよび図7Bを参照すると、本開示の別の代替的実施形態による、鉛直SMDパススルーヒューズ300(以下「ヒューズ300」)を図示する前方および後方斜視図が示される。ヒューズ300は、リードフレーム318が、キャップ316の前方と平らに係合して配置されるのではなく、ヒューズ本体312の側面またはエッジ上に配置されてよい点を除いて、上記で説明されたヒューズ10と実質的に同一であり得る。リードフレーム318は、任意の方法で、キャップ316の前方およびヒューズ本体312の後方の各々の周りで曲げられるか圧着され得る弓状部分338の横方向縁から延在する、1または複数のフランジ352、354を含んでよい。フランジ352、354は、リードフレーム318とヒューズ本体312との間の接続の安定性を改善し得、また、ヒューズ本体312およびキャップ316を一緒に保持し得、それにより、ヒューズ300の遮断容量を改善する。
【0034】
図8を参照すると、上記で説明されたヒューズ10および300の代替的な構成400a、400bと、上記で説明されたヒューズ10と似ているが、リードフレームがヒューズ本体の後方に配置されている、さらなるヒューズ構成400cとが同様に、リードフレームが曲げられる態様か、ヒューズがPCBに対して傾斜するか垂直ではない方向で配置されるように形成される態様で表される。
【0035】
上記で説明された実施形態のヒューズの様々なコンポーネントは、それらの簡便な出荷、分配、および設置を容易にする方法で、製造およびパッケージングされ得る。例えば、図9Aを参照すると、上記で説明されたキャップ16に類似する複数のキャップ500が、従来のオーバーモールディングプロセスを用いて製造されてよく、これにより、複数のキャップ500が、そこからキャップ500がその後に取り外され得る成形されたキャリアストリップ502(キャップ500を形成するように使用される同じオーバーモールディングプロセスによって/最中に形成される)によって、互いに接続される。図9Bに示される他の例において、上記で説明されたヒューズ板14に類似する相互接続された複数のヒューズ板504が、従来のプレス加工プロセスを用いて製造されてよく、これにより、相互接続された複数のヒューズ板504は、単独の金属のシートから同時に型打ちされ、その後に互いから分離可能である。
【0036】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語で始まる要素または段階については、複数形に関する除外が明記されない限り、複数の要素または段階をそのように除外しないものと理解すべきである。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、列挙した特徴をまた組み込んだ、追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図するものではない。
【0037】
本開示では特定の実施形態に言及しているが、添付の特許請求の範囲(複数可)に定められる本開示の領域および範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対する多くの修正、変更および改変をなすことが可能である。これに応じて、本開示は説明した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲の文言と、それらの均等物とによって定められる完全な範囲を有することが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B