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特許7582778低含水率の親水化剤および水性分散液におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】低含水率の親水化剤および水性分散液におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C09K 23/16 20220101AFI20241106BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20241106BHJP
   C08K 5/42 20060101ALI20241106BHJP
   C09K 23/38 20220101ALI20241106BHJP
   C09K 23/42 20220101ALI20241106BHJP
【FI】
C09K23/16
C08L71/02
C08K5/42
C09K23/38
C09K23/42
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019225430
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2020093254
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】18212237.4
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エマヌイル スピロウ
(72)【発明者】
【氏名】イーリス ブリュクナー
(72)【発明者】
【氏名】ユーディト ショーダー
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-079157(JP,A)
【文献】特表2005-511832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0203289(US,A1)
【文献】特開2009-040865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00
C08K 5/42
C08G 18/08
C09D 175/04
C09J 175/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水率が、組成物の全質量を基準として5質量%未満である、水性ポリウレタン分散液用のイソシアネート含有バインダーを親水化するための組成物であって、
a)前記組成物の成分の全質量を基準として、20~80質量%の、少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸誘導体および
b)前記組成物の成分の全質量を基準として、80~20質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物
を含み、前記スルホン酸誘導体が、ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、ヒドロキシブチルスルホン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノプロピルスルホン酸、アミノブチルスルホン酸および2-[(2-アミノエチル)アミノエタン]スルホン酸からなる群から選択されるスルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩である、前記組成物。
【請求項2】
前記組成物に含まれている反応性成分は、成分a)およびb)だけであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の成分の全質量を基準として、最大5質量%の溶剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
a)35~65質量%の、少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1種のスルホン酸誘導体および
b)65~35質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
成分a)が、スルホン酸誘導体のみであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも2個のOH基を有する化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリエーテルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールからなる群から選択されるポリオールであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
成分b)の質量平均モル質量が、62~1000g/molであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、前記少なくとも1種のスルホン酸もしくは前記少なくとも1種のスルホン酸誘導体を、前記少なくとも2個のOH基を有する化合物と混合することを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
水性ポリウレタン分散液用のイソシアネート含有バインダーを親水化するための、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、a)組成物の成分の全質量を基準として20~80質量%の、少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸誘導体およびb)組成物の成分の全質量を基準として80~20質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含む、組成物、それらの製造方法およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水性分散液は、最近数十年間、コーティング、接着剤、シーラントおよびプラスチックの分野で、ますます重要性を増している。この理由は、多種多様である:使いやすさ、良好な性能、低毒性ないし全くの非毒性およびもちろん有機溶剤の放棄の可能性。
【0003】
有機バインダーを水性系中に溶解または分散させるためには、乳化剤を用いることを必要とする。好ましいのは、組み込み可能な乳化剤、いわゆる親水化剤である。最も知られているものには、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)が含まれる。このDMPAは、組み込み後に、アミンまたはアルカリ金属塩で中和される。DMPAの使用にとって不利であるのは、親水化作用のために多くの量が必要とされるので、それによってバインダー特性が不利な影響を受けることである。
【0004】
スルホン酸およびスルホン酸誘導体(例えば2-[(2-アミノエチル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、これはEvonik Industries AGの商品名VESTAMIN A95で商業的に入手可能である)は、同じ作用を達成する。しかし、これらの物質は少量を必要とするに過ぎない。しかしながら不利であるのは、スルホン酸およびスルホン酸誘導体は、それらの大きな親水性に基づき、通例、水に溶解した状態で使用されることである。しかしながら、これは、それらの意図する作用と相反する、なぜなら、そのためには、まだ親水化されていないバインダーを、最初に労力をかけて水中に乳化させなければならないからである。確かに補助溶剤、例えばエステル化エーテル(例えば中国特許出願公開第106366291号明細書(CN 106366291 A))またはアセトンを使用することができる。しかし、それらの使用は、水性分散液の使用目的に反し、かつそれらは、労力をかけて再び除去しなければならない。
【0005】
国際公開第2018/095967号(WO 2018/095967 A1)(PU分散液でコーティングすることができる、コーティングされた物品の製造方法に関する)、欧州特許出願公開第2045278号明細書(EP 2 045 278 A1)(発泡物品、殊に創傷被覆材を製造するために、PU分散液を使用する方法に関する)、米国特許出願公開第2015/0080352号明細書(US 2015/0080352 A1)(水性PU分散液およびざ瘡の処置におけるその使用に関する)および米国特許出願公開第2007/0249746号明細書(US 2007/0249746 A1)(PU分散液を使用する、微孔性被膜の製造方法に関する)には、とりわけスルホン酸塩と、ジアミンまたはヒドロキシアミンとを含有する混合物を使用して、製造することができる、ポリウレタン分散液が開示されている。しかしながら、アミノ基は、尿素基を形成し、そのためにそのプレポリマーの粘度を不利に高めるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第106366291号明細書
【文献】国際公開第2018/095967号
【文献】欧州特許出願公開第2045278号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0080352号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0249746号明細書
【文献】西独国特許出願公開第1495745号明細書
【文献】西独国特許出願公開第1495847号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、有機バインダーへの水、有機溶剤またはアミノ基含有化合物の不利な添加を行うことなく使用することができる、スルホン酸もしくはスルホン酸誘導体をベースとする親水化剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の対象は、
a)20~80質量%の、少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸誘導体および
b)80~20質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物
を含む、組成物である。その質量百分率の記載は、ここでおよび以下において、該組成物の成分の全質量を基準としている。
【0009】
本発明による組成物は、バインダー、殊にイソシアネート含有バインダーの、水フリーおよび溶剤フリーの親水化に特に適している。極めて特に好ましくは、本発明による組成物は、ポリウレタン分散液の親水化に適している。
【0010】
したがって、本発明の対象は、好ましくは、a)20~80質量%の、少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸誘導体およびb)80~20質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含む、対応する親水化剤である。
【0011】
本発明による組成物もしくは親水化剤は、スルホン酸および/またはスルホン酸誘導体および少なくとも2個のOH基を有する化合物に加えて、原則的にさらなる反応性成分および溶剤を有していてよい。しかしながら、好ましくは、本発明による組成物もしくは親水化剤は、これら2つの反応性成分からなる。さらに、原則的に溶剤(水を含む)が存在していてよい。しかしながら、好ましくは、最大5質量%の溶剤が存在している、なぜなら、これで特に良好な作用が達成されるからである。さらに好ましくは、最大5質量%で存在している溶剤は、水である。さらにいっそう好ましくは、該組成物は水を含まない。好ましい他の実施態様において、その含水率は、0.5~5質量%、好ましくは1~4質量%、さらにいっそう好ましくは2~4質量%である。
【0012】
好ましくは、該組成物は、a)35~65質量%の、少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1種のスルホン酸誘導体およびb)65~35質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含有する。さらにいっそう好ましくは、該組成物は、a)40~60質量%の、少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1種のスルホン酸誘導体およびb)60~40質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含有する。なぜならこれで特に良好な結果が達成されるからである。
【0013】
好ましくは、本発明による組成物は、スルホン酸誘導体、さらに好ましくはスルホン酸塩を含有する。さらにいっそう好ましくは、該スルホン酸塩は、ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、ヒドロキシブチルスルホン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノプロピルスルホン酸、アミノブチルスルホン酸および2-[(2-アミノエチル)アミノエタン]スルホン酸からなる群から選択されるスルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩である。極めて特に好ましいのは、2-[(2-アミノエチル)アミノエタン]スルホン酸のナトリウム塩(Evonik Industries AGの市販製品VESTAMIN A95の主成分)である。
【0014】
極めて特に好ましくは、本発明による組成物は、もっぱらスルホン酸誘導体、さらに好ましくはもっぱらスルホン酸塩を含有し、すなわち、該組成物は、20~80質量%の、少なくとも1種のスルホン酸誘導体または少なくとも1種のスルホン酸塩を含有し、かつスルホン酸を含有しない。
【0015】
前記少なくとも2個のOH基を有する化合物は、ポリオール(少なくとも2個のOH基を有する化合物)である。
【0016】
使用できるポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する原則的に全てのモノマーまたはポリマー物質である。好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリエーテルポリオール(殊にポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール)およびポリカプロラクトンポリオールである。好ましいポリエーテルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールは、以下の、商業的供給者により入手可能なポリカプロラクトンポリオール(“Capa”タイプ)およびポリエーテルポリオール(他の全て)ならびに次のものである:
【表1】
【0017】
該ポリオールの好ましい質量平均モル質量は、62~1000g/molであり、および/または好ましい官能価は、2~6である。
【0018】
好ましくは、本発明による組成物、本発明による親水化剤もしくはそのポリウレタン分散液の含水率は、該組成物の全質量を基準として5質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満、さらにいっそう好ましくは0.5質量%未満である。
【0019】
低含水率のスルホン酸誘導体と、ポリオールとを含む該組成物/親水化剤は、容易に製造することができる。したがって、本発明の対象は、同様に、前記スルホン酸もしくはスルホン酸誘導体を、前記少なくとも2個のOH基を有する化合物と混合することによる、本発明による組成物もしくは親水化剤を製造する方法である。該組成物/親水化剤を製造する1つの可能性は、室温でのまたは、必要な場合には、適した撹拌装置中でのより高い温度での、該ポリオール中への該スルホン酸誘導体の溶解である。
【0020】
該スルホン酸もしくは該スルホン酸誘導体が水中に存在する場合には、該スルホン酸/該スルホン酸誘導体は、使用前に乾燥させるべきである。該スルホン酸誘導体が水中に存在する場合には、最初に、水を、好ましくは減圧下で、適した蒸留装置中で、例えば蒸留塔中で、またはショートパスエバポレーターまたは薄膜型蒸発装置中で、室温(RT)ないし100℃の温度で除去することができる。乾燥器中での単純な乾燥も考慮の対象になる。該スルホン酸誘導体が、こうして水を含まないか、または大体において水を含まない場合には、上記のように続けて、該ポリオールまたはポリアミンとの混合を行うことができる。
【0021】
選択的に、該水含有スルホン酸誘導体中へ、最初に該ポリオールを添加して、その後、上記のように水を蒸留により除去することもできる。これは、該組成物が全ての段階で液状のままであり、ひいてはより容易に加工できるという利点を有する。
【0022】
同様に本発明による組成物/バインダー分散液を製造するには、西独国特許出願公開第1495745号明細書(DE 14 95 745 A1)もしくは西独国特許出願公開第1495847号明細書(DE 14 95 847 A1)の教示に似た個々の成分、イソシアネートおよびポリオールは、任意に適した無水溶剤中で、本発明による親水化混合物と反応される。任意に、これは、高められた温度下でまたは/および公知のポリウレタン触媒の存在下で行うことができる。反応が完了した後に、場合により存在している溶剤は除去され、このNCO含有PURプレポリマーは水と接触され、かつ強力に撹拌することにより、分散される。通常、該水添加前、該水添加中または該水添加後に、さらに連鎖延長剤が添加され、これはたいてい、短鎖のジアミンまたはアミノアルコールである。
【0023】
本発明の対象は、水性分散液用のバインダーを親水化するための、殊にイソシアネート含有バインダーのための、本発明による組成物の使用でもある。
【実施例
【0024】
実験の部:
1)本発明による混合物の製造
Vestamin A95(Evonik Industries AG)各100gをそれぞれ、次のポリオール、ポリアミンもしくはアミノアルコール50gと混合した:a)ブタンジオール、b)エチレンジアミン、c)ジエタノールアミン。
【0025】
その後、該混合物から、ショートパスエバポレーターを用いて70℃および0.2mbarで、水を大体において除去した。沈降物のない澄明な溶液が生じた。その含水率は、<1質量%であった。
【0026】
2)ポリウレタン分散液の製造
イソホロンジイソシアネート(IPDI) 111gを、ジブチルスズジラウレート(Aldrich)0.1gと混合し、100℃に加熱し、生成物1a) 16.4gと1滴ずつ混合した。100℃で30分の後撹拌時間後に、その温度を60℃に冷却し、かつアセトン100mlで注意深く希釈した。60℃で、ついでOxyester T1136(ポリエステル、Evonik Industries AG、OH価:112mgKOH/g)88.5g、ブタンジオール(Aldrich)12.3gおよびトリメチロールプロパン(Aldrich)4.3gを添加した。還流下で12時間の加熱後に、そのNCO価は、3.2%(固形物基準)に低下していた。その後、冷却し、アセトン120mlで希釈し、アセトン25ml中に溶解させたエチレンジアミン(Aldrich)6gと混合した。15秒撹拌した後に、最後に水430mlを30秒かけて添加し、その後、4400rpmでさらに2分間後分散させた。アセトンを、ロータリーエバポレーター中で<60℃で除去し、生じた白色生成物を、50μmフィルターを通過させて得た。該ポリウレタン分散液は、8.8のpH値および35%の固形分を有し、低粘度かつ安定であった。
【0027】
本発明の態様は次のとおりである:
1. 組成物であって、
a)前記組成物の成分の全質量を基準として、20~80質量%の、少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1個のヒドロキシ基および/またはアミノ基で官能化された少なくとも1種のスルホン酸誘導体および
b)前記組成物の成分の全質量を基準として、80~20質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物
を含む、前記組成物。
2. 前記組成物に含まれている反応性成分は、成分a)およびb)だけであることを特徴とする、前記1に記載の組成物。
3. 前記組成物の成分の全質量を基準として、最大5質量%の溶剤を含有することを特徴とする、前記1または2に記載の組成物。
4. a)35~65質量%の、少なくとも1種のスルホン酸および/または少なくとも1種のスルホン酸誘導体および
b)65~35質量%の、少なくとも2個のOH基を有する少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、前記1~3のいずれかに記載の組成物。
5. 成分a)が、スルホン酸誘導体のみであることを特徴とする、前記1~4のいずれかに記載の組成物。
6. 前記スルホン酸誘導体が、ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、ヒドロキシブチルスルホン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノプロピルスルホン酸、アミノブチルスルホン酸および2-[(2-アミノエチル)アミノエタン]スルホン酸からなる群から選択されるスルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩であることを特徴とする、前記1~5のいずれかに記載の組成物。
7. 前記少なくとも2個の官能基を有する化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリエーテルポリオールおよびポリカプロラクトンポリオールからなる群から選択されるポリオールであることを特徴とする、前記1~6のいずれかに記載の組成物。
8. 成分b)の好ましい質量平均モル質量が、62~1000g/molであることを特徴とする、前記1~7のいずれかに記載の組成物。
9. 含水率が、5質量%未満であることを特徴とする、前記1~8のいずれかに記載の組成物。
10. 前記1~9のいずれかに記載の組成物を製造する方法であって、前記少なくとも1種のスルホン酸もしくは前記少なくとも1種のスルホン酸誘導体を、前記少なくとも2個のOH基を有する化合物と混合することを特徴とする、前記方法。
11. 水性分散液用のバインダーを親水化するための、前記1~9のいずれかに記載の組成物の使用。