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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】天板、天板付き什器及び天板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/08 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B13/08 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020040792
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021141963
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】森尾 紗也香
(72)【発明者】
【氏名】野嵜 治
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000255(JP,A)
【文献】特開平10-192061(JP,A)
【文献】特開2003-174935(JP,A)
【文献】登録実用新案第3070086(JP,U)
【文献】実開昭63-175435(JP,U)
【文献】実開昭60-029829(JP,U)
【文献】米国特許第05569505(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の金属板と、
前記第一の金属板の下方に離間して配され、前記第一の金属板と対応した形状の第二の金属板と、
前記第一の金属板と前記第二の金属板との間に挟まれ、前記第一の金属板及び前記第二の金属板の外周縁に沿うとともに、前記第一の金属板の板厚方向に沿う外周面が形成された前記第一の金属板及び前記第二の金属板を形成する金属よりも軟質の材質からなる縁構成部材と、
前記縁構成部材外周面に沿って配され、前記縁構成部材外周面に貼着された前記板厚方向に沿う内側面を有する側面化粧部材と、
を備え
前記縁構成部材は、隣接して配置された複数の小片によって構成され、
隣接して配置された複数の前記小片の外周面によって前記縁構成部材の連続した外周面が構成され、
前記側面化粧部材は、前記縁構成部材の連続した外周面に貼着されている、
天板。
【請求項2】
前記縁構成部材は、前記第一の金属板及び前記第二の金属板の前記外周縁に沿って配された枠状の部材である請求項1に記載の天板。
【請求項3】
前記第一の金属板と前記第二の金属板との間に挟まれ、前記縁構成部材に囲まれたスペーサを備える請求項2に記載の天板。
【請求項4】
前記縁構成部材は、前記第一の金属板及び前記第二の金属板と対向する面に位置決め凹部を有し、
前記第一の金属板及び前記第二の金属板は、前記縁構成部材と対向する面に、前記縁構成部材に向かって突出する位置決め凸部を有し、
前記位置決め凸部は、前記位置決め凹部に対応する位置に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の天板。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の天板と、
前記天板を支持する脚部材と、を備える天板付き什器。
【請求項6】
互いに対応する形状の第一の金属板及び第二の金属板のうち一方の金属板の面に、前記第一の金属板の板厚方向に沿う外周面が形成された前記第一の金属板及び前記第二の金属板を形成する金属よりも軟質の材質からなる縁構成部材を配し接合する縁構成部材接合工程と、
前記縁構成部材を挟んで、前記第一の金属板及び前記第二の金属板のうち一方の金属板とは反対側に、前記第一の金属板及び前記第二の金属板のうち他方の金属板を配し接合する挟み込み工程と、
前記縁構成部材外周面に、側面化粧部材の前記板厚方向に沿う内側面を貼着する側面化粧部材設置工程と、
を備え
前記縁構成部材接合工程では、複数の小片を隣接して配置することによって前記縁構成部材を形成し、
隣接して配置された複数の前記小片の外周面によって前記縁構成部材の連続した外周面が構成され、
前記側面化粧部材設置工程では、前記縁構成部材の連続した外周面に前記側面化粧部材を貼着する、
天板の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板、天板付き什器及び天板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、作業面を構成する天板本体と、補強枠と、裏面カバーとをそれぞれ板金からなる同一材質をもって組み付けることにより構成された天板が開示されている。天板本体は、上面が作業平面をなす基板と、基板の周縁より下方に向かって折り曲げられた下向片とにより構成されている。補強枠は、天板本体における基板の下面にスポット溶接されている。裏面カバーは、カバー基板と、このカバー基板の周縁より上方に向かって折り曲げられた上向き片とにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2008/023794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されるような天板は、天板の形状に合わせるように天板の上面を構成する上板となる天板本体と、天板の下面を構成する下板となる裏面カバーとを板金加工するために、当該天板形状に応じた金型を予め用意する。そして、当該金型により板材を板金加工することにより上下板を形成する。このため、天板の形状ごとに、板金加工するための金型を用意する必要があった。また、外周縁が湾曲しているような天板の場合、外周縁が湾曲した部分も折り曲げて側面を形成することなる。湾曲している部分では、側面部分や側面と上下面との角部分にしわやわれが生じやすく加工上困難であった。このため、天板を矩形板状以外の様々な形状とすることは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、金属材により剛性を確保しつつ、様々な形状とすることが容易となる天板、天板付き什器及び天板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る天板は、第一の金属板と、前記第一の金属板の下方に離間して配され、前記第一の金属板と対応した形状の第二の金属板と、前記第一の金属板と前記第二の金属板との間に挟まれ、前記第一の金属板及び前記第二の金属板の外周縁に沿うとともに、前記第一の金属板の板厚方向に沿う外周面が形成された前記第一の金属板及び前記第二の金属板を形成する金属よりも軟質の材質からなる縁構成部材と、前記縁構成部材外周面に沿って配され、前記縁構成部材外周面に貼着された前記板厚方向に沿う内側面を有する側面化粧部材と、を備え、前記縁構成部材は、隣接して配置された複数の小片によって構成され、隣接して配置された複数の前記小片の外周面によって前記縁構成部材の連続した外周面が構成され、前記側面化粧部材は、前記縁構成部材の連続した外周面に貼着されている
【0007】
本態様によれば、天板は樹脂材や木材等と比較して剛性の大きい金属材を上下に離間して有する。したがって、天板の剛性を確保できる。
第一の金属板と第二の金属板との間に縁構成部材が配されている。縁構成部材の外周面は、第一の金属板及び第二の金属板の外周縁に沿って形成されている。これにより、縁構成部材の外周面が天板の側面となるので、第一の金属板または第二の金属板の外周縁を折り曲げることなく、天板の側面を形成できる。したがって、第一の金属板及び第二の金属板を板金加工するための金型を用いることなく天板の側面を形成できるので、天板を矩形板状以外の様々な形状とすることができる。
縁構成部材は、第一の金属板及び第二の金属板よりも軟質の材質からなる。これにより、第一の金属板及び第二の金属板の形状に合わせて縁構成部材の外周面を容易に形成できる。縁構成部材の外周面は天板の側面となるので、天板を様々な形状とすることが容易となる。
【0008】
上記態様の天板において、前記縁構成部材は、前記第一の金属板及び前記第二の金属板の前記外周縁に沿って配された枠状の部材であってもよい。
本態様によれば、縁構成部材の内部は空洞となっている。これにより、側面を形成するのに必要な部分のみに縁構成部材を形成して材質の使用量を削減できるので、天板を軽量化できる。
【0009】
上記態様の天板において、前記第一の金属板と前記第二の金属板との間に挟まれ、前記縁構成部材に囲まれたスペーサを備えてもよい。
本態様によれば、縁構成部材の内部は、スペーサを配するために空洞となっている。これにより、スペーサは第一の金属板のうち縁構成部材によって支持されていない部分を支持するので、天板を軽量化しつつ、天板の剛性をより高いものとすることができる。
【0010】
上記態様の天板において、前記縁構成部材は、前記第一の金属板及び前記第二の金属板と対向する面に位置決め凹部を有し、前記第一の金属板及び前記第二の金属板は、前記縁構成部材と対向する面に、前記縁構成部材に向かって突出する位置決め凸部を有し、前記位置決め凸部は、前記位置決め凹部に対応する位置に設けられていてもよい。
本態様によれば、位置決め凹部に位置決め凸部を配するだけで、縁構成部材に対して第一の金属板及び第二の金属板を容易に位置決めできる。これにより、天板を効率良く製造できる。
【0011】
本態様に係る天板付き什器は、上記いずれかの態様に係る天板と、前記天板を支持する脚部材と、を備える。
本態様によれば、天板付き什器は上記いずれかの態様に係る天板を備えているため、金属材により天板の剛性を確保しつつ、天板を様々な形状とした天板付き什器を製造することが容易となる。
【0012】
本発明の一態様に係る天板の製造方法は、互いに対応する形状の第一の金属板及び第二の金属板のうち一方の金属板の面に、前記第一の金属板の板厚方向に沿う外周面が形成された前記第一の金属板及び前記第二の金属板を形成する金属よりも軟質の材質からなる縁構成部材を配し接合する縁構成部材接合工程と、前記縁構成部材を挟んで、前記第一の金属板及び前記第二の金属板のうち一方の金属板とは反対側に、前記第一の金属板及び前記第二の金属板のうち他方の金属板を配し接合する挟み込み工程と、前記縁構成部材外周面に、側面化粧部材の前記板厚方向に沿う内側面を貼着する側面化粧部材設置工程と、を備え、前記縁構成部材接合工程では、複数の小片を隣接して配置することによって前記縁構成部材を形成し、隣接して配置された複数の前記小片の外周面によって前記縁構成部材の連続した外周面が構成され、前記側面化粧部材設置工程では、前記縁構成部材の連続した外周面に前記側面化粧部材を貼着する
本態様によれば、第一の金属板と、第一の金属板の下方に離間して配される第二の金属板とを有する天板を製造できる。これにより、天板は、樹脂材や木材等と比較して剛性の大きい金属材を上下に離間して有することになる。したがって、天板の剛性を確保できる。
第一の金属板と第二の金属板との間に縁構成部材を配することができる。縁構成部材は、第一の金属板及び第二の金属板を形成する金属よりも軟質の材質からなるので、縁構成部材の外周面を、第一の金属板及び第二の金属板の外周縁に沿って形成できる。これにより、縁構成部材の外周面が天板の側面となるので、第一の金属板または第二の金属板の外周縁を折り曲げることなく、天板の側面を形成できる。したがって、第一の金属板及び第二の金属板を板金加工するための金型を用いることなく天板の側面を形成できるので、天板を矩形板状以外の様々な形状とすることができる。
縁構成部材は、第一の金属板及び第二の金属板よりも軟質の材質からなる。これにより、第一の金属板及び第二の金属板の形状に合わせて縁構成部材の外周面を容易に形成できる。縁構成部材の外周面は天板の側面となるので、天板を様々な形状とすることが容易となる。
【発明の効果】
【0016】
上記各態様によれば、金属材により剛性を確保しつつ、様々な形状とすることが容易となる天板、天板付き什器及び天板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る天板付き什器の斜視図である。
図2】実施形態に係る天板の上面図である。
図3】実施形態に係る天板の下面図である。
図4】実施形態に係る天板の側面部分を拡大した側断面図である。
図5】実施形態に係る天板の製造方法を説明するための天板の側断面図である。
図6】変形例に係る第二の金属板の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明に係る天板付き什器の一実施形態について説明する。以下の説明における上下の方向は、天板付き什器の使用者から見た方向を示している。
【0019】
[天板付き什器1]
図1に示す天板付き什器1は、天板10と、天板10を支持する脚部材2と、を備えている。脚部材2は、例えば天板10の下面10aに設けられたナット(不図示)に、脚部材2の上端部に設けられたボルト(不図示)を締結することによって、天板10の下面10aに固定されている。脚部材2を天板10に固定する方法は、ボルトによる締結に限られず、適宜選択可能である。
【0020】
[天板10]
図2から図4に示すように、天板10は、第一の金属板11と、第二の金属板12と、縁構成部材13と、スペーサ14と、化粧板15と、側面化粧部材16と、を備えている。
【0021】
<第一の金属板11>
第一の金属板11は、例えばスチール等の金属材によって形成されている。第一の金属板11は、薄型の板材である。第一の金属板11の板厚方向Dは、上下方向と一致している。第一の金属板11の上面11cには化粧板15が設けられて作業面を構成している。第一の金属板11は、板厚方向Dから見て矩形などの多角形状でもよく、外周縁11aの少なくとも一部が湾曲していてもよい。本実施形態では、第一の金属板11は、板厚方向Dから見て外周縁11aの全てが湾曲している。
【0022】
本実施形態では、第一の金属板11は、下面11bのうち外周縁11aに沿う箇所に、下方に向かって突出する縁側位置決め凸部11d(請求項の位置決め凸部に相当)を複数有している。縁側位置決め凸部11dは、第一の金属板11の上面11cを下方に凹ませることにより形成されている。縁側位置決め凸部11dは、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。
【0023】
第一の金属板11は、下面11bのうち縁側位置決め凸部11dよりも内側の箇所に、下方に向かって突出する内側位置決め凸部11eを4個有している。4個の内側位置決め凸部11eは、板厚方向Dから見て長方形を形成するように配されている。内側位置決め凸部11eは、第一の金属板11の上面11cを下方に凹ませることにより形成されている。内側位置決め凸部11eは、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。
【0024】
<第二の金属板12>
第二の金属板12は、第一の金属板11の下方に離間している。第二の金属板12は、例えばスチール等の金属材によって形成されている。第二の金属板12は、薄型の板材である。第二の金属板12の板厚方向Dは、上下方向と一致している。第二の金属板12の下面12bは、天板10の下面10aとなる。第二の金属板12の上面12cは、第一の金属板11の下面11bに沿っている。第二の金属板12は、板厚方向Dから見て矩形などの多角形状でもよく、外周縁12aの少なくとも一部が湾曲していてもよい。本実施形態では、第二の金属板12は、板厚方向Dから見て外周縁12aの全てが湾曲している。第二の金属板12は、第一の金属板11と対応した形状に形成されている。本実施形態では、第二の金属板12は、第一の金属板11と同形状に形成されている。
【0025】
第二の金属板12は、上面12cのうち外周縁12aに沿う箇所に、上方に向かって突出する縁側位置決め凸部12d(請求項の位置決め凸部に相当)を複数有している。縁側位置決め凸部12dは、第二の金属板12の下面12bを上方に凹ませることにより形成されている。縁側位置決め凸部12dは、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。第二の金属板12の縁側位置決め凸部12dは、第一の金属板11の縁側位置決め凸部11dと同形状に形成されている。第二の金属板12の縁側位置決め凸部12dは、第一の金属板11の縁側位置決め凸部11dに対応する位置に設けられている。第二の金属板12の縁側位置決め凸部12dは、板厚方向Dから見て第一の金属板11の縁側位置決め凸部11dと同じ位置に設けられている。
【0026】
第二の金属板12は、上面12cのうち縁側位置決め凸部12dよりも内側の箇所に、下方に向かって突出する内側位置決め凸部12eを4個有している。4個の内側位置決め凸部12eは、板厚方向Dから見て長方形を形成するように配されている。内側位置決め凸部12eは、第二の金属板12の下面12bを上方に凹ませることにより形成されている。内側位置決め凸部12eは、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。第二の金属板12の内側位置決め凸部12eは、第一の金属板11の内側位置決め凸部11eと同形状に形成されている。第二の金属板12の内側位置決め凸部12eは、第一の金属板11の内側位置決め凸部11eに対応する位置に設けられている。第二の金属板12の内側位置決め凸部12eは、板厚方向Dから見て第一の金属板11の内側位置決め凸部11eと同じ位置に設けられている。
【0027】
<縁構成部材13>
縁構成部材13は、第一の金属板11と第二の金属板12との間に挟まれている。縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12を形成する金属よりも軟質の材質から形成されている。縁構成部材13は、例えば、木材、木材チップなどから製造される集積材であるMDF(Medium Density Fiberboard)や樹脂材等から形成されている。本実施形態では、縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って形成された枠状の部材である。縁構成部材13は、例えば接着剤によって第一の金属板11の下面11b及び第二の金属板12の上面12cに接合されている。縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って外周面13aが形成されている。縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aと対応して外周面13aの少なくとも一部が湾曲していてよい。本実施形態では、縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aと対応して板厚方向Dから見て外周面13aの全てが湾曲している。縁構成部材13の外周面13aは、第一の金属板11の板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aよりも外側に位置している。縁構成部材13の外周面13aは、板厚方向Dに沿っている。外周面13aは、天板10の側面10cとなる。
【0028】
縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12と対向する面に縁側位置決め凹部13b(請求項の位置決め凹部に相当)を複数有している。縁側位置決め凹部13bの内形は、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。縁側位置決め凹部13bの内形は、縁側位置決め凸部11d,12dの外形と同形状に形成されている。縁側位置決め凹部13bの内形は、縁側位置決め凸部11d,12dの外形よりも僅かに大きく形成されている。縁側位置決め凹部13bは、第一の金属板11及び第二の金属板12の縁側位置決め凸部11d,12dに対応する位置に設けられている。換言すると、縁側位置決め凸部11d,12dは、縁側位置決め凹部13bに対応する位置に設けられている。縁側位置決め凹部13bは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の縁側位置決め凸部11d,12dと同じ位置に設けられている。縁側位置決め凹部13bには、縁側位置決め凸部11d,12dが配されている。
【0029】
縁構成部材13は、互いに連結された複数の小片20によって構成されている。
各小片20は、第一の金属板11の下面11b及び第二の金属板12の上面12cに沿って延びる角材である。小片20は、小片20の長手方向の一端面20a(請求項の小片の一側面に相当)に設けられた係合爪21と、小片20の長手方向の他端面20b(請求項の小片の他側面に相当)に設けられ、係合爪21に係合する係合凹部22と、を有している。
【0030】
係合爪21は、板厚方向Dから見たとき、端面20aから外側に向かって突出するように形成されている。係合爪21は、板厚方向Dから見たとき、先端部21aから基端部21bに向かうに従って先細るテーパ状に形成されている。すなわち、係合爪21の先端部21aの外形は、基端部21bの外形よりも大きく形成されている。
【0031】
係合凹部22は、板厚方向Dから見たとき、端面20bから内側に向かって凹み形成されている。係合凹部22は、板厚方向Dから見たとき、係合爪21に対応した形状をしている。より具体的には、係合凹部22は、係合爪21の先端部21aに対応する係合凹部22内側部分22aの幅が、係合爪21の基端部21bに対応する係合凹部22の外側部分22bの幅よりも広い、テーパ状に形成されている。係合凹部22の外形の大きさは、係合爪21の大きさとほぼ同一か、僅かに大きく形成されている。
複数の小片20は、隣接する小片20同士で、係合爪21と係合凹部22とが係合することにより、互いに連結されて縁構成部材13を形成している。
【0032】
各小片20は、第一の金属板11と対向する面に2個の縁側位置決め凹部13bを有している。第一の金属板11側に設けられた2個の縁側位置決め凹部13bは、係合爪21側と係合凹部22側とに1個ずつ配されている。各小片20は、第二の金属板12と対向する面に2個の縁側位置決め凹部13bを有している。第二の金属板12側に設けられた2個の縁側位置決め凹部13bは、係合爪21側と係合凹部22側とに1個ずつ配されている。
【0033】
<スペーサ14>
スペーサ14は、第一の金属板11と第二の金属板12との間に挟まれている。スペーサ14は、縁構成部材13に囲まれている。スペーサ14は、縁構成部材13を形成する材質よりも軽量な材質から形成されている。スペーサ14は、例えば発砲スチロールによって形成されている。スペーサ14は、矩形板状の部材である。スペーサ14は、例えば接着剤によって第一の金属板11の下面11b及び第二の金属板12の上面12cに接合されている。
【0034】
スペーサ14は、第一の金属板11及び第二の金属板12と対向する面に内側位置決め凹部14aをそれぞれ4個ずつ有している。内側位置決め凹部14aの内形は、板厚方向Dから見て円形状に形成されている。内側位置決め凹部14aの内形は、内側位置決め凸部11e,12eの外形と同形状に形成されている。内側位置決め凹部14aの内形は、内側位置決め凸部11e,12eの外形よりも僅かに大きく形成されている。4個の内側位置決め凹部14aは、板厚方向Dから見てスペーサ14の角部に配されている。内側位置決め凹部14aは、第一の金属板11及び第二の金属板12の内側位置決め凸部11e,12eに対応する位置に設けられている。換言すると、内側位置決め凸部11e,12eは、内側位置決め凹部14aに対応する位置に設けられている。内側位置決め凹部14aは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の内側位置決め凸部11e,12eと同じ位置に設けられている。内側位置決め凹部14aには、内側位置決め凸部11e,12eが配されている。
【0035】
<化粧板15>
化粧板15は、第一の金属板11の上面11cに配されている。化粧板15は、例えばメラミン等の樹脂材から形成されている。化粧板15の下面15bは、例えば接着剤によって、第一の金属板11の上面11cに接合されている。化粧板15の外周縁15cは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aと対応する形状を有している。化粧板15の外周縁15cは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12と対応して少なくとも一部が湾曲していてよい。本実施形態では、化粧板15は、板厚方向Dから見て外周縁15cの全てが湾曲している。化粧板15の上面15aには、例えば大理石状の模様が描かれている。化粧板15の外周縁15cは、縁構成部材13の外周面13aと同一面上に位置している。言い換えれば、化粧板15の外周縁15cは、板厚方向D視して、縁構成部材13の外周面13aと一致している。化粧板15の上面15aは、天板10の上面10bとなり、作業面を構成している。
【0036】
<側面化粧部材16>
側面化粧部材16は、縁構成部材13の外周面13aに沿って配されている。側面化粧部材16は、化粧板15の外周縁15cと第一の金属板11の外周縁11aと縁構成部材13の外周面13aと第二の金属板12の外周縁12aとを覆っている。側面化粧部材16の上縁16cは、化粧板15の上面15aと同一面上に位置している。側面化粧部材16の下縁16dは、第二の金属板12の下面12bと同一面上に位置している。側面化粧部材16は、例えば化粧板15と同じメラミン等の樹脂材から形成されている。側面化粧部材16は、薄い帯状に形成されている。本実施形態では、側面化粧部材16は、一方の面に接着剤が塗布されたシールである。側面化粧部材16の内側面16aは、接着剤によって縁構成部材13の外周面13a及び化粧板15の外周縁15cに貼着されている。側面化粧部材16の外側面16bには、例えば化粧板15の上面15aと同様の大理石状の模様が描かれている。
【0037】
[天板10の製造方法]
以下、図面に基づいて天板10の製造方法について説明する。
天板10の製造方法は、縁構成部材接合工程と、挟み込み工程と、化粧板接合工程と、化粧板切断工程と、側面化粧部材設置工程とを有している。
【0038】
<縁構成部材接合工程>
図5に示すように、縁構成部材接合工程では、作業者は、第二の金属板12の上面12cに縁構成部材13を配する。作業者は、第二の金属板12の上面12cに縁構成部材13を配する前に、縁構成部材13の第二の金属板12に対向する面に接着剤を塗布する。第二の金属板12の上面12cと縁構成部材13とは、塗布された接着剤によって接合される。作業者は、縁構成部材13の外周面13aが第二の金属板12の外周縁12aに沿うように縁構成部材13を配する。作業者は、板厚方向Dから見て縁構成部材13の外周面13aが第二の金属板12の外周縁12aよりも外側に位置するように縁構成部材13を配する。
【0039】
作業者は、第二の金属板12の上面12cで複数の小片20を連結することによって縁構成部材13を形成する。作業者は、第二の金属板12の縁側位置決め凸部12dが第二の金属板12側の縁側位置決め凹部13b内に位置するように、縁構成部材13を配する。
【0040】
作業者は、縁構成部材13を配置後、第二の金属板12の上面12cであって、板厚方向Dから見て縁構成部材13の内部にスペーサ14を配する。作業者は、第二の金属板12の上面12cにスペーサ14を配する前に、スペーサ14の第二の金属板12に対向する面に接着剤を塗布する。第二の金属板12の上面12cとスペーサ14とは、塗布された接着剤によって接合される。
【0041】
<挟み込み工程>
挟み込み工程では、まず作業者は、縁構成部材13及びスペーサ14の面のうち、第二の金属板12に対向する面とは反対側の面に接着剤を塗布する。作業者は、縁構成部材13及びスペーサ14を挟んで第二の金属板12の反対側に第一の金属板11を配する。作業者は、第一の金属板11の外周縁11aが縁構成部材13の外周面13aに沿うように第一の金属板11を配する。作業者は、板厚方向Dから見て第一の金属板11の外周縁11aが縁構成部材13の外周面13aよりも内側に位置するように第一の金属板11を配する。
作業者は、第一の金属板11の縁側位置決め凸部11dが第一の金属板11側の縁側位置決め凹部13b内に位置するように、第一の金属板11を配する。
【0042】
縁構成部材13及びスペーサ14の面のうち、第二の金属板12とは反対側の面に接着剤が塗布されているので、第一の金属板11の下面11bと縁構成部材13及びスペーサ14とは、塗布された接着剤によって接合される。
【0043】
<化粧板接合工程>
化粧板接合工程では、作業者は、第一の金属板11の上面11cに化粧板15を配する。作業者は、第一の金属板11の上面11cに化粧板15を配する前に、第一の金属板11の上面11cに接着剤を塗布する。第一の金属板11の上面11cと化粧板15とは、塗布された接着剤によって接合される。作業者は、板厚方向Dから見て、化粧板15の外周縁15cが縁構成部材13の外周面13aよりも外側に位置するように化粧板15を配する。
【0044】
<化粧板切断工程>
図4に示すように、化粧板切断工程では、作業者は、第一の金属板11の上面11cに接合された化粧板15を、縁構成部材13の外周面13aに沿って切断する。これにより、化粧板15の外周縁15cは、縁構成部材13の外周面13aと同一面上に位置する。
【0045】
<側面化粧部材設置工程>
側面化粧部材設置工程では、作業者は、接着剤によって、縁構成部材13の外周面13a及び化粧板15の外周縁15cに側面化粧部材16の内側面16aを貼着する。作業者は、側面化粧部材16を貼着する際、側面化粧部材16の内側面16aを、縁構成部材13の外周面13a及び化粧板15の外周縁15cに押し付ける。これにより、天板10の側面10cが形成される。
作業者は、以上の工程を行うことにより、天板10を製造できる。
【0046】
[作用効果]
上述の実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
本実施形態では、天板10は、第一の金属板11と、第一の金属板11の下方に離間して配された第二の金属板12とを備えている。
この構成によれば、天板10は樹脂材や木材等と比較して剛性の大きい金属材を上下に離間して有する。したがって、天板10の剛性を確保できる。
また、上記のとおり天板10の剛性を確保できるので、第一の金属板11、第二の金属板12を薄型しつつ、縁構成部材13についても、必要な側面幅を確保しつつ必要最小限の厚さにすることができる。
本実施形態では、第一の金属板11と第二の金属板12との間に縁構成部材13が配されている。縁構成部材13の外周面13aは、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って形成されている。
この構成によれば、縁構成部材13の外周面13aが天板10の側面10cとなるので、第一の金属板11または第二の金属板12の外周縁11a,12aを折り曲げることなく、天板10の側面10cを形成できる。したがって、第一の金属板11及び第二の金属板12を板金加工するための金型を用いることなく天板10の側面10cを形成できるので、天板10を矩形板状以外の様々な形状とすることができる。
本実施形態では、縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12よりも軟質の材質からなる。
この構成によれば、第一の金属板11及び第二の金属板12の形状に合わせて縁構成部材13の外周面13aを容易に形成できる。縁構成部材13の外周面13aは天板10の側面10cとなるので、天板10を様々な形状とすることが容易となる。
【0047】
本実施形態では、第一の金属板11は、外周縁11aの少なくとも一部が湾曲している。第二の金属板12は、第一の金属板11と対応して外周縁12aの少なくとも一部が湾曲している。縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aと対応して外周面13aの少なくとも一部が湾曲している。
この構成によれば、縁構成部材13の外周面13aが天板10の側面10cとなるので、外周縁11a,12aの少なくとも一部が湾曲している第一の金属板11または第二の金属板12の外周縁12aを折り曲げることなく、天板10の側面10cを形成できる。したがって、外周縁11a,12aの少なくとも一部が湾曲している第一の金属板11及び第二の金属板12を使用しつつ天板10の側面10cを形成できるので、天板10を矩形板状以外の様々な形状とすることができる。
【0048】
本実施形態では、縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って配された枠状の部材である。
この構成によれば、縁構成部材13の内部は空洞となっている。これにより、天板10の側面10cを形成するのに必要な部分のみに縁構成部材13を形成して材質の使用量を削減できるので、天板10を軽量化できる。
【0049】
本実施形態では、第一の金属板11と第二の金属板12との間に挟まれ、縁構成部材13に囲まれたスペーサ14を備えている。
この構成によれば、縁構成部材13の内部は、スペーサ14を配置するために空洞となっている。これにより、スペーサ14は第一の金属板11のうち縁構成部材13によって支持されていない部分を支持するので、天板10を軽量化しつつ、天板10の剛性をより高いものとすることができる。
【0050】
ところで、例えば縁構成部材13の外周面13aが板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aよりも内側に位置している場合、天板10の側面10cを化粧するための側面化粧部材16の上縁16c及び下縁16dをそれぞれ、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに貼着すると、側面化粧部材16と縁構成部材13の外周面13aとの間に空間が生じるため、側面化粧部材16が剥がれ易くなる。また、側面化粧部材16を縁構成部材13の外周面13aに貼着すると、側面化粧部材16の上縁16c及び下縁16dが第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aによって反ってしまうため、側面化粧部材16が剥がれ易くなる。
本実施形態では、縁構成部材13の外周面13aは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aよりも外側に位置していてもよい。
この構成によれば、第一の金属板11及び第二の金属板12に比べて厚さ寸法を確保できる縁構成部材13の外周面13aに、天板10の側面10cを化粧するための側面化粧部材16を貼着できる。その際に、縁構成部材13の外周面13aは、板厚方向Dから見て第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aよりも外側に位置している。これにより、側面化粧部材16の上縁16c、下縁16dが第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aによって反ってしまうことを防止することができる。したがって、側面化粧部材16を確実に貼着できるので、天板10の側面10cのデザイン性を向上できる。
また、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aが支障となってしまうことなく、押し当てる部材を縁構成部材13の外周面13aに向けて押し付けるようにして側面化粧部材16を貼着できる。これにより、縁構成部材13の外周面13aに、側面化粧部材16を確実にかつ容易に貼着できる。したがって、天板10の側面10cを効率良く化粧できる。
【0051】
本実施形態では、天板10は、第一の金属板11の上面11cに接合された化粧板15を備えている。化粧板15の外周縁15cは、縁構成部材13の外周面13aと同一面上に位置している。
この構成によれば、化粧板15の外周縁15cは、縁構成部材13の外周面13aと同一面上に位置している。これにより、化粧板15の外周縁15c及び縁構成部材13の外周面13aに天板10の側面10cを化粧するための側面化粧部材16を余計な折り目をつけることなく貼着できる。よって、天板10の側面10cのデザイン性を向上できる。
また、縁構成部材13と化粧板15との間の空間を側面化粧部材16で隙間なく覆うことができる。よって、天板10の側面10cのデザイン性を向上できる。
【0052】
本実施形態では、縁構成部材13は、互いに連結された複数の小片20を有している。 この構成によれば、複数の小片20を連結するだけで、第一の金属板11及び第二の金属板12の形状に合わせて縁構成部材13を形成できる。
本実施形態では、小片20は、一端面20aに設けられた係合爪21と、他端面20bに設けられ、係合爪21に係合する係合凹部22と、を有している。
この構成によれば、係合爪21と係合凹部22とを係合するだけで、複数の小片20を容易に連結できる。
【0053】
本実施形態では、係合爪21の先端部21aの外形は、基端部21bの外形よりも大きく形成されている。係合凹部22は、板厚方向Dから見たとき、係合爪21に対応した形状をしている。
この構成によれば、一の小片20の係合爪21と他の小片20の係合凹部22とが係合して一の小片20と他の小片20とが連結した時、一の小片20と他の小片20とが板厚方向Dに交差する方向に離間するのを防止できる。よって、天板10の製造時に小片20同士の連結が解除されるのを防止できる。
【0054】
本実施形態では、縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12と対向する面に縁側位置決め凹部13bを有している。第一の金属板11及び第二の金属板12は、縁構成部材13と対向する面に、縁構成部材13に向かって突出する縁側位置決め凸部11d,12dを有している。縁側位置決め凸部11d,12dは、縁側位置決め凹部13bに対応する位置に設けられている。
この構成によれば、縁側位置決め凹部13bに縁側位置決め凸部11d,12dを配置するだけで、縁構成部材13に対して第一の金属板11及び第二の金属板12を容易に位置決めできる。これにより、天板10を効率良く製造できる。
【0055】
本実施形態では、スペーサ14は、第一の金属板11及び第二の金属板12と対向する面に内側位置決め凹部14aを有している。第一の金属板11及び第二の金属板12は、スペーサ14と対向する面に、スペーサ14に向かって突出する内側位置決め凸部11e,12eを有している。内側位置決め凸部11e,12eは、内側位置決め凹部14aに対応する位置に設けられている。
この構成によれば、内側位置決め凹部14aに内側位置決め凸部11e,12eを配置するだけで、スペーサ14に対して第一の金属板11及び第二の金属板12を容易に位置決めできる。これにより、天板10を効率良く製造できる。
【0056】
本実施形態では、天板付き什器1は、天板10と、天板10を支持する脚部材2と、を備えている。
この構成によれば、金属材により天板10の剛性を確保しつつ、天板10を様々な形状とした天板付き什器1を製造することが容易となる。
【0057】
本実施形態では、天板10の製造方法は、第二の金属板12の上面12cに、第一の金属板11及び第二の金属板12を形成する金属よりも軟質の材質からなる縁構成部材13を配し接合する縁構成部材接合工程と、縁構成部材13を挟んで、第二の金属板12の反対側に、第二の金属板12に対応する形状の第一の金属板11を配し接合する挟み込み工程と、を備えている。
この構成によれば、第一の金属板11と、第一の金属板11の下方に離間して配される第二の金属板12とを有する天板10を製造できる。これにより、天板10は、樹脂材や木材等と比較して剛性の大きい金属材を上下に離間して有することになる。したがって、天板10の剛性を確保できる。
第一の金属板11と第二の金属板12との間に縁構成部材13を配することができる。縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12を形成する金属よりも軟質の材質からなるので、縁構成部材13の外周面13aを、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って形成できる。これにより、縁構成部材13の外周面13aが天板10の側面10cとなるので、第一の金属板11または第二の金属板12の外周縁11a,12aを折り曲げることなく、天板10の側面10cを形成できる。したがって、第一の金属板11及び第二の金属板12を板金加工するための金型を用いることなく天板10の側面10cを形成できるので、天板10を矩形板状以外の様々な形状とすることができる。
縁構成部材13は、第一の金属板11及び第二の金属板12よりも軟質の材質からなる。これにより、第一の金属板11及び第二の金属板12の形状に合わせて縁構成部材13の外周面13aを容易に形成できる。縁構成部材13の外周面13aは天板10の側面10cとなるので、天板10を様々な形状とすることが容易となる。
【0058】
本実施形態では、縁構成部材接合工程では、第二の金属板12の外周縁12aに沿って、枠状に形成された縁構成部材13を配する。挟み込み工程では、第一の金属板11の外周縁11aが枠状に形成された縁構成部材13に沿うように第一の金属板11を配する。
この構成によれば、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿って、枠状に形成された縁構成部材13を配することができる。これにより、縁構成部材13の内部は空洞にできる。したがって、天板10の側面10cを形成するのに必要な部分のみに縁構成部材13を形成して材質の使用量を削減できるので、天板10を軽量化できる。
【0059】
本実施形態では、縁構成部材接合工程では、第二の金属板12の上面12cであって、板厚方向D1から見て縁構成部材13の内部にスペーサ14を配する。
この構成によれば、縁構成部材13の内部は、スペーサ14を配するために空洞となっている。これにより、スペーサ14は、第一の金属板11のうち縁構成部材13によって支持されていない部分を支持するので、天板10を軽量化しつつ、天板10の剛性を確保できる。
【0060】
本実施形態では、天板10の製造方法は、第一の金属板11の上面11cに化粧板15を接合する化粧板接合工程と、第一の金属板11の上面11cに接合された化粧板15を切断する化粧板切断工程と、を備えている。加えて、縁構成部材接合工程では、縁構成部材13の外周面13aが板厚方向Dから見て第二の金属板12の外周縁12aよりも外側に位置するように縁構成部材13を配する。挟み込み工程では、第一の金属板11の外周縁11aが板厚方向Dから見て縁構成部材13の外周面13aよりも内側に位置するように第一の金属板11を配する。化粧板切断工程では、挟み込み工程後に、縁構成部材13の外周面13aに沿って化粧板15を切断する。
この構成によれば、作業者は、化粧板15を切断するだけで縁構成部材13の外周面13aと同一面上に化粧板15の外周縁15cを位置させることができる。これにより、化粧板15の外周縁15c及び縁構成部材13の外周面13aに天板10の側面10cを化粧するための側面化粧部材16を余計な折り目をつけることなく貼着できる。よって、天板10の側面10cのデザイン性を向上できる。
【0061】
[変形例]
上述した実施形態では、縁側位置決め凸部11d,12d及び内側位置決め凸部11e,12eは、第一の金属板11または第二の金属板12を凹ませることによって形成されている構成について説明した。しかしながら、図6に示すように、縁側位置決め凸部11d,12d及び内側位置決め凸部11e,12eは、第一の金属板11または第二の金属板12を縁構成部材13に向かって突出するように切り起して形成されている構成であってもよい。図6には、縁構成部材13の下方に配置された第二の金属板12の変形例が示されている。
図6に示すように、縁側位置決め凸部12dは、第二の金属板12を板厚方向Dから見て角ばったC字状に切り抜き、切り抜かれた部分をほぼ90度上方に起こすことにより形成される。内側位置決め凸部12eは、縁側位置決め凸部12dと同様の手法で形成される。
第一の金属板11の縁側位置決め凸部11d及び内側位置決め凸部11eについても、第二の金属板12と同様の手法で形成される。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上記実施形態では、第一の金属板11の上面11cに化粧板15が設けられるものとしたがこれに限られるものではない。化粧板15を設けずに、第一の金属板11の上面11c自体を作業面としても良い。また、化粧板15と第一の金属板11の間に他の板材を積層しても良い。また、第二の金属板12の下面12bにも化粧や保護などを目的として板材を接合しても良い。また、縁構成部材13は枠状に形成されているものに限られず、スペーサ14を設けない構成として、内部に空洞を有しない板状に形成しても良い。
また、第一の金属板11と第二の金属板12の外周縁11a、12aは同一形状としたが、これに限られず、板厚方向D視して位置がずれていても良い。例えば、第一の金属板11の外周縁11aの方が、第二の金属板12の外周縁12aよりも外側に位置し、縁構成部材13の外周面13aが上端から下端に向かうに従って内側に傾斜するようにしても良い。上記と逆に第一の金属板11の外周縁11aの方が、第二の金属板12の外周縁12aよりも内側に位置し、縁構成部材13の外周面13aが上端から下端に向かうに従って外側に傾斜するようにしても良い。少なくとも、縁構成部材13の外周面13aを介して外周縁11a、12a同士が連結されるように対応する形状であればよい。
また、上述実施形態では、スペーサ14は、第一の金属板11及び第二の金属板12に接合されている構成について説明したが、スペーサ14は、第一の金属板11及び第二の金属板12に接合されていなくてもよい。
また、縁構成部材接合工程では、縁構成部材13の外周面13aが第二の金属板12の外周縁12aに沿うように縁構成部材13を配し、挟み込み工程では、第一の金属板11の外周縁11aが縁構成部材13の外周面13aに沿うように第一の金属板11を配するとしたがこれに限られるものではない。縁構成部材接合工程または挟み込み工程の後に、縁構成部材13の外周面13aを、第一の金属板11及び第二の金属板12の外周縁11a,12aに沿うように形成してもよい。
【0063】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…天板付き什器
2…脚部材
10…天板
11…第一の金属板
11a…外周縁
11b…下面(面)
11c…上面
11d…縁側位置決め凸部(位置決め凸部)
12…第二の金属板
12a…外周縁
12c…上面(面)
12d…縁側位置決め凸部(位置決め凸部)
13…縁構成部材
13a…外周面
13b…縁側位置決め凹部(位置決め凹部)
14…スペーサ
15…化粧板
D…板厚方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6