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特許7582796認証連携されたサービス及びユーザグループに基づいてネットワークトラフィックを処理するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】認証連携されたサービス及びユーザグループに基づいてネットワークトラフィックを処理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20241106BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241106BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20241106BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W16/28
H04W84/06
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020097385
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021013157
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】16/431,061
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スコット, ジェームズ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サリバン, スコット シー.
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-201192(JP,A)
【文献】特開2014-146950(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037682(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/037684(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0215190(US,A1)
【文献】米国特許第08712321(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0353871(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0058672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス及びユーザグループに基づく通信のためのシステムであって、
複数のモデムプールに対応する複数のモデムを備え、前記複数のモデムが、
第1無線周波数(RF)信号に基づいて第1データパケットを生成するよう設定された、第1モデムプールに対応する第1モデムであって、前記第1データパケットが第1データと第1仮想ルーティング転送(VRF)インスタンス識別子とを含む、第1モデム、及び
第2RF信号に基づいて第2データパケットを生成するよう設定された、第2モデムプールに対応する第2モデムであって、前記第2データパケットが第2データと第2VRFインスタンス識別子とを含む、第2モデムを備え、システムが更に、
前記複数のモデムと通信するネットワークデバイスを備え、前記ネットワークデバイスは、
前記第1データパケットを受信し、ネットワークを介して第1デバイスに第1パケットを送信するよう設定され、前記第1パケットは、前記第1データと、第1インジケータを含む第1ヘッダとを含み、前記第1インジケータは、前記第1VRFインスタンス識別子に対応する第1VRFインスタンスに関連付けられ、前記第1VRFインスタンス識別子は、第1サービスか、第1ユーザグループか、又はその両方に関連付けられ、前記ネットワークデバイスは更に、
前記第2データパケットを受信し、前記ネットワークを介して第2デバイスに第2パケットを送信するよう設定され、前記第2パケットは、前記第2データと、第2インジケータを含む第2ヘッダとを含み、前記第2インジケータは、前記第2VRFインスタンス識別子に対応する第2VRFインスタンスに関連付けられ、前記第2VRFインスタンス識別子は、第2サービスか、第2ユーザグループか、又はその両方に関連付けられ、
前記第1モデムプール、前記第2モデムプール、前記第1VRFインスタンス、及び前記第2VRFインスタンスの各々が、衛星のペイロードにおいてインスタンス化される、
システム。
【請求項2】
前記第1サービスが、第1世代(1G)セルラー通信、第2世代(2G)セルラー通信、第3世代(3G)セルラー通信、第4世代(4G)セルラー通信、第5世代(5G)セルラー通信、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、インターネットオブシングス(IoT)通信、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)通信、米国電気電子学会(IEEE)802.11x通信、Wi-Fi通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星(DVB-S)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星-第2世代(DVB-S2)通信、DVB-S2拡張(DVB-S2X)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星経由戻りチャネル(DVB-RCS)通信、第2世代DVB双方向衛星システム(DVB-RCS2)通信、又はプロプライエタリガバメントシステム通信のうちの、少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワークデバイスは、
前記ネットワークを介して、前記第1デバイスから第3パケットを受信することであって、前記第3パケットは、第3データと、第3インジケータを含む第3ヘッダとを含み、前記第3インジケータは前記第1VRFインスタンスに関連付けられる、第3パケットを受信することと、
前記第1モデムに第3データパケットを送信することであって、前記第3データパケットは、前記第3データと、前記第1VRFインスタンス識別子とを含む、第3データパケットを送信することとを行うよう、更に設定される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1ユーザグループ及び前記第1サービスに関連付けられたビーム形成重量の第1セットに基づいて第3RF信号を調整するよう設定された、ビーム形成ネットワークを更に備え、前記第1ユーザグループ及び前記第1サービスは前記第1VRFインスタンスに対応し、前記第3RF信号は前記第3データパケットに基づいて生成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第3RF信号を送信するよう設定された無線周波数機器(RFE)を更に備え、前記第3RF信号は、前記第1モデムにおいて前記ネットワークデバイスから受信された第3データパケットに基づき、前記第3データパケットは前記第1VRFインスタンス識別子を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
RF信号の複数のセットを生成するよう設定された切替回路を更に備え、RF信号の各セットは、RFスペクトルの対応する部分に関連付けられ、前記RF信号の複数のセットは、前記RFスペクトルのユーザグループ及びサービスに関連付けられている特定の部分に関連付けられた、少なくとも1つのRF信号を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第1の場所において重複パターンで前記RF信号の複数のセットをデプロイするよう設定された、セルラーシステムを更に備え、前記RFスペクトルの前記特定の部分は、前記第1の場所の、前記ユーザグループ及び前記サービスに関連付けられたデバイスによってアクセス可能であり、前記ユーザグループ及び前記サービスに関連付けられていないデバイスによってはアクセス不能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記セルラーシステムが、衛星ベースのセルラーシステム又は地上ベースのセルラーシステムを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザグループが第1仮想移動体通信事業者(MVNO)を含み、前記複数のモデム及び前記ネットワークデバイスは、前記第1MVNO及び前記サービスに関連付けられたトラフィックを、第2MVNO及び別のサービスに関連付けられたトラフィックから論理的に分離させるよう設定される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のモデムプールは複数のVRFインスタンス識別子に関連付けられ、前記複数のモデムプールの各モデムは、対応するVRFインスタンス識別子に関連付けられたトラフィックを処理するよう設定され、前記対応するVRFインスタンス識別子は、サービスか、ユーザグループか、又はその両方に関連付けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1モデムは、前記第1VRFインスタンスに関連付けられた第1暗号化に基づいて、前記第1データパケットを暗号化するよう更に設定され、前記第2モデムは、前記第2VRFインスタンスに関連付けられた第2暗号化に基づいて、前記第2データパケットを暗号化するよう更に設定される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステムによって実施される方法であって、
ネットワークデバイスにおいて、第1モデムプールの第1モデムから第1データパケットを受信することであって、前記第1データパケットは、第1データと、第1仮想ルーティング転送(VRF)インスタンス識別子とを含む、第1データパケットを受信することと、
ネットワークを介して、前記ネットワークデバイスから第1デバイスに第1パケットを送信することであって、前記第1パケットは、前記第1データと、第1インジケータを含む第1ヘッダとを含み、前記第1インジケータは第1VRFインスタンスに関連付けられ、前記第1VRFインスタンス識別子は、第1サービス及び第1ユーザグループに関連付けられている、第1パケットを送信することと、
前記ネットワークデバイスにおいて、第2モデムプールの第2モデムから第2データパケットを受信することであって、前記第2データパケットは、第2データと、第2VRFインスタンス識別子とを含む、第2データパケットを受信することと、
前記ネットワークを介して、前記ネットワークデバイスから第2デバイスに第2パケットを送信することであって、前記第2パケットは、前記第2データと、第2インジケータを含む第2ヘッダとを含み、前記第2インジケータは第2VRFインスタンスに関連付けられ、前記第2VRFインスタンス識別子は、第2サービス及び第2ユーザグループに関連付けられている、第2パケットを送信することとを含む、
方法。
【請求項13】
前記第1データパケットに基づいて、前記第1VRFインスタンスに関連付けられた第1ルーティング情報ベース(RIB)データを生成することと、
前記第2データパケットに基づいて、前記第2VRFインスタンスに関連付けられた第2RIBデータを生成することとを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1VRFインスタンスに関連付けられたデータを、前記第2VRFインスタンスに関連付けられたデータとは異なるヘッダを使用してカプセル化することによって、前記第2VRFインスタンスに関連付けられた前記データを、前記第1VRFインスタンスに関連付けられた前記データから論理的に分離させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1パケットに基づいて、前記第1VRFインスタンスに関連付けられた第1契約者情報を更新することと、
前記第2パケットに基づいて、前記第2VRFインスタンスに関連付けられた第2契約者情報を更新することとを更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、認証連携された(federated)サービス及びユーザグループに基づいてネットワークトラフィックを処理することに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーネットワークプロバイダ(ティア1移動体通信事業者(MNO)とも称される)は、電話、データ、及びその他のサービスを、無線デバイス(例えば携帯電話やタブレットコンピュータなど)を介して契約者に提供するために、セルラーシステムを使用することが可能である。セルラーネットワークプロバイダは、所定の周波数スぺクトル(例えば周波数範囲)であって、そこから契約者へのセルラーサービスの提供に使用されるネットワークの帯域幅(ヘルツ(Hz)単位で測定される)及びキャパシティ(ビット毎秒(bps)単位で測定される)が得られる、周波数スぺクトルを有する。この帯域幅及びキャパシティは、セルラーネットワークプロバイダによって供されるサービスを提供するのに必要とされるものよりも大きいことがある。セルラーネットワークプロバイダは、収益を増大させるために、帯域幅、キャパシティ、及びサービスの一部分を、ティア2事業者(仮想移動体通信事業者(MVNO)又は仮想通信事業者(VNO)としても既知である)に販売することがある。このモデルでは、ティア1事業者は、帯域幅、キャパシティ、及びサービスを再販する付加価値再販業者(VAR)と称される。かかる帯域幅、キャパシティ、及びサービスは、再販されなければ、「無駄になる(stranded)」(すなわち、VARに収益をもたらすために使用されない)。セルラーシステムは次いで、ティア2事業者の契約者に、所定のセルラーサービス又はネットワークサービスへのアクセスを提供するために使用される。セルラーシステムは、種々のティア2事業者のためにトラフィックを処理することが可能であるが、ある種のシステムにおいては、第1ティア2事業者及び第1サービスに関連付けられたトラフィックは、第2ティア2事業者及び第2サービスに関連付けられたトラフィックから分離されず、これにより、これらのティア2事業者にとってのセキュリティリスク(例えば、特定のティア2事業者又は特定のサービスに関連付けられたトラフィックが、別のティア2事業者又は別のサービスに関連付けられたデバイスで処理され、かかるデバイスに提供されるリスク)の可能性が生じうる。
【発明の概要】
【0003】
特定の実行形態では、サービス及びユーザグループに基づく通信のためのシステムは、複数のモデムプールに対応する複数のモデムを含む。複数のモデムは、第1モデムプールに対応する第1モデムと、第2モデムプールに対応する第2モデムとを含む。第1モデムは、第1無線周波数(RF)信号に基づいて第1データパケットを生成するよう設定される。第1データパケットは、第1データと、第1仮想ルーティング転送(VRF)インスタンス識別子とを含む。第2モデムは、第2RF信号に基づいて第2データパケットを生成するよう設定される。第2データパケットは、第2データと、第2VRFインスタンス識別子とを含む。システムは、複数のモデムと通信するネットワークデバイスも含む。ネットワークデバイスは、第1データパケットを受信し、第1パケットを、ネットワークを介して第1デバイスに送信するよう設定される。第1パケットは、第1データと、第1インジケータを含む第1ヘッダとを含む。第1インジケータは、第1VRFインスタンス識別子に対応する第1VRFインスタンスに関連付けられる。第1VRFインスタンス識別子は、第1サービスか、第1ユーザグループか、又はその両方に関連付けられる。ネットワークデバイスは、第2データパケットを受信し、第2パケットを、ネットワークを介して第2デバイスに送信するよう、更に設定される。第2パケットは、第2データと、第2インジケータを含む第2ヘッダとを含む。第2インジケータは、第2VRFインスタンス識別子に対応する第2VRFインスタンスに関連付けられる。第2VRFインスタンス識別子は、第2サービスか、第2ユーザグループか、又はその両方に関連付けられる。
【0004】
別の特定の実行形態では、衛星は、一又は複数のアンテナを含むペイロードを含む。衛星は、少なくとも1つの無線周波数(RF)チャネルの、別のRFチャネルに対するマッピングを示す、チャネルマッピングデータを記憶するよう設定された、メモリを含む。衛星は、チャネルマッピングデータ、第1デバイスに関連付けられた第1サービス、及び第1デバイスに関連付けられた第1ユーザグループに基づく、一又は複数のアンテナから第1デバイス(例えば契約者デバイス)への第2RF信号の送信を開始するよう設定された、プロセッサを更に含む。第2RF信号は、無線周波数機器(RFE)からの、一又は複数のアンテナで受信された第1RF信号に基づく。第1RF信号は第1RFチャネルに対応し、第2RF信号は、第1RFチャネルとは異なる第2RFチャネルに対応する。
【0005】
別の特定の実行形態では、方法は、ネットワークデバイスにおいて、第1モデムプールの第1モデムから第1データパケットを受信することと、ネットワークデバイスからネットワークを介して第1デバイスに、第1パケットを送信することと、ネットワークデバイスにおいて、第2モデムプールの第2モデムから第2データパケットを受信することと、ネットワークデバイスからネットワークを介して第2デバイスに、第2パケットを送信することとを、含む。第1データパケットは、第1データと、第1VRFインスタンス識別子とを含む。第1パケットは、第1データと、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1インジケータを含む第1ヘッダとを含む。第1VRFインスタンスは、第1サービス及び第1ユーザグループに関連付けられる。第2データパケットは、第2データと、第2VRFインスタンス識別子とを含む。第2パケットは、第2データと、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2インジケータを含む第2ヘッダとを含む。第2VRFインスタンス識別子は、第2サービス及び第2ユーザグループに関連付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ユーザグループとサービスとの種々の対に対応する種々の仮想ルーティング転送(VRF)インスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するシステムの一実行形態の、第1の例を示すブロック図である。
図2】ユーザグループとサービスとの種々の対に対応する種々のVRFインスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するシステムの一実行形態の、第2の例を示す図である。
図3】ユーザグループとサービスとの種々の対に対応する種々のVRFインスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するシステムの一実行形態の、第3の例を示す図である。
図4図1から図3のシステムを介して通信されるネットワークトラフィックの、第1の例を示すラダー図である。
図5図1から図3のシステムを介して通信されるネットワークトラフィックの、第2の例を示すラダー図である。
図6】デバイスに関連付けられたユーザグループ及びサービスに基づいてこのデバイスから受信されたネットワークトラフィックを処理する方法の、一例のフロー図である。
図7】デバイスに関連付けられたユーザグループ及びサービスに基づいてこのデバイスに送信されるべきネットワークトラフィックを処理する方法の、一例のフロー図である。
図8】ユーザグループとサービスとの種々の対に対応する種々の仮想ルーティング転送(VRF)インスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理する方法の、一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特定の実行形態について、図面を参照して説明する。本書の説明において、共通のフィーチャ(特徴部位)には、図面全体を通じて共通の参照番号が付される。本書で使用される場合、様々な用語は、特定の実行形態を説明するためにのみ使用されており、限定することは意図されていない。例えば、単数形の「1つの(a/an)」及び「その/前記(the)」は、複数形も含むことを(そうではないことが文脈によって明示されない限りは、)意図するものである。更に、「備える(comprise/comprises/comprising)」という語は「含む(include/includes/including)」と交換可能に使用されうると、理解されうる。加えて、「wherein」という語は、「where」と交換可能に使用されうることが、理解されよう。本書で使用される場合、「例示的な(exemplary)」は、例、実行形態、及び/又は態様を示すことがあり、嗜好選択又は好ましい実行形態を限定すると、又は示すと、解釈すべきではない。本書で使用される場合、構造物、構成要素、動作などといった要素を修飾するために使用される序数詞(例えば「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」など)は、それ自体では、その要素の別の要素に対するいかなる優先度も順序も示すものではなく、(序数詞としての用途を別にすれば)その要素を、同じ名称を有する別の要素から区別するものにすぎない。本書で使用される場合、「セット(set)」という語は、一又は複数の要素のグループを指し、「複数(plurality)」という語は複数の要素を指す。
【0008】
本開示では、「判定/決定(determining)」、「算出(calculating)」、「移動(shifting)」、「調整(adjusting)」などといった語は、一又は複数の動作がどのように実施されるかを説明するために使用されうる。かかる語は限定的に解釈されるべきではなく、同様の動作を実施するためには他の技法も利用されうることに、留意すべきである。加えて、本書で言及されているように、「生成(generating)」、「算出(calculating)」、「使用(using)」、「選択(selecting)」、「アクセス(accessing)」、及び「判定/決定(determining)」は交換可能に使用されることがある。例えば、パラメータ(又は信号)の「生成」、「算出」、又は「判定/決定」とは、パラメータ(又は信号)を能動的に生成すること、算出すること、又は判定/決定することを指してよく、又は、例えば別の構成要素又はデバイスによって既に生成されたパラメータ(又は信号)を使用すること、選択すること、又はそれにアクセスすることを指しうる。本書で使用される場合、「連結され(coupled)」は、「通信可能に連結され(communicatively coupled)」、「電気的に連結され(electrically coupled)」、又は「物理的に連結され(physically coupled)」を含んでよく、更に(又は代替的に)それらの任意の組み合わせを含みうる。2つのデバイス(又は構成要素)は、一又は複数のその他のデバイス、構成要素、ワイヤ、バス、ネットワーク(例えば有線ネットワーク、無線ネットワーク、若しくはそれらの組み合わせ)などを介して、直接的又は間接的に、連結(通信可能に連結、電気的に連結、又は物理的に連結)されうる。電気的に連結されている2つのデバイス(又は構成要素)は、同一のデバイスに又は別個のデバイスに含まれてよく、例示的で非限定的な例としては電子機器、一又は複数のコネクタ、又は誘導連結を介して、接続されうる。一部の実行形態では、(例えば電気通信において)通信可能に連結されている2つのデバイス(又は構成要素)は、例えば一又は複数のワイヤ、バス、ネットワークなどを介して、直接的又は間接的に、電気信号(デジタル信号又はアナログ信号)を送受信しうる。本書で使用される場合、「直接連結」は、構成要素を介在させずに連結され(例えば通信可能に連結され、電気的に連結され、又は物理的に連結され)ている、2つのデバイスを含みうる。
【0009】
本書で開示している実行形態は、セルラーシステムにおける、ユーザグループ毎かつサービス毎ベースでのネットワークトラフィックの分離を提供するための、システム及び方法を対象としている。一部の実行形態では、本書に記載のシステム及び方法は、認証連携されたネットワークと関連して説明される。他の実行形態では、本書に記載のシステム及び方法は、その他の種類のネットワークに適用される。セルラーシステムは、ネットワークデバイス(例えば「コアネットワーク(core network)」デバイス)、基地局、ビーム形成ネットワーク、無線周波数(RF)機器(RFE)、切替回路、又はその他の構成要素といった、複数の構成要素を含む。セルラーシステムの事業者(例えばティア1事業者)は、様々なネットワークサービスを提供するための、このセルラーシステムへのアクセスを、別の閉域ユーザグループ(CUG)に販売しうる。本書で使用される場合、「CUG」は、ティア1事業者に関連付けられた機器へのアクセスに対して支払いを行う、ティア2事業者(例えばサービスプロバイダ)を指す。便宜的に、CUGの構成員は「ユーザ」と称される。ティア2事業者は、非限定的な例としては、仮想移動体通信事業者(MVNO)及び仮想通信事業者(VNO)を含む。特定の態様では、MVNOは複数のCUGを含む。ティア2事業者によって提供されるサービスを契約している個人は、本書では「契約者」と称される。特定の態様では、複数のCUGによって、同種のサービスが提供される。説明しているシステム及び方法は、各ユーザグループ(例えば、MVNO、MVNO内のCUG、又はある種のサービスに関連付けられたCUG)及び各サービスに関連付けられたネットワークトラフィックを分離させることによって、セルラーシステムによって処理されるデータのセキュリティを向上させる。加えて、セルラーシステムの適応性が増大する。全てのユーザグループ及び全てのサービスに対して全体的な規則又は基準のセットが適用される代わりに、別々のユーザグループ及び別々のサービスに関連付けられたデータが、別々の規則又は基準にしたがって処理されることが、可能になるからである。
【0010】
特定の態様では、サービスは、第1世代(1G)セルラー通信、第2世代(2G)セルラー通信、第3世代(3G)セルラー通信、第4世代(4G)セルラー通信、第5世代(5G)セルラー通信、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、インターネットオブシングス(IoT)通信、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)通信、米国電気電子学会(IEEE)802.11x通信、Wi-Fi通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星(DVB-S)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星-第2世代(DVB-S2)通信、DVB-S2拡張(DVB-S2X)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星経由戻りチャネル(DVB-RCS)通信、第2世代DVB双方向衛星システム(DVB-RCS2)通信、又はプロプライエタリガバメントシステム通信のうちの、少なくとも1つを含む。
【0011】
ユーザグループ毎かつサービス毎のネットワークトラフィック分離を実装するために、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたトラフィックは、別々にカプセル化され(encapsulated)、別々のルーティング情報を使用して、セルラーシステムを通ってルーティングされ、転送される。特定の実行形態では、基地局及びネットワークデバイス(例えば、モバイル管理エンティティ、パケットデータネットワークゲートウェイ(PGW)やサービングゲートウェイ(SGW)といったパケットゲートウェイなど)は、別々の識別子を使用してユーザグループ(例えば種々のMVNO)とサービスとの別々の対に関連付けられたトラフィックをカプセル化するよう、設定される。例示すると、特定の実行形態では、ネットワークデバイスは、ユーザグループとサービスとの対の各々について、異なる仮想ルーティング転送(VRF)インスタンスを維持する。このことは、ユーザグループとサービスとの対の各々について、異なるルーティング情報ベース(RIB)データを維持することを含む。RIBデータが異なっていることにより、第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられたトラフィックは、第2ユーザグループ及び第2サービスに関連付けられたトラフィックとは異なるパスを進んで、外部ネットワークを通りうる。
【0012】
特定の実行形態では、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたトラフィックは、セルラーシステムにおいて、別々のデバイス(又は別々の構成要素)によって処理される。例示すると、基地局は、一又は複数のモデムを含む複数のモデムプール(例えば物理的モデムプール、仮想モデムプール、又はロジックモデムプール)を含み、各モデムプールのモデムは、対応するユーザグループ及び対応するサービスに関連付けられたデータパケットを処理するよう設定される。特定の例としては、第1モデムプールの一又は複数のモデムは、(データパケット内のVRFインスタンス識別子によって示される)第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられたデータパケットを処理し、第2モデムプールの一又は複数のモデムは、第2ユーザグループ及び第2サービスに関連付けられたデータパケットを処理する。特定の態様では、第1モデムプールの一又は複数のモデムは、第2モデムプールの一又は複数のモデムとは異なる。一部の例では、第1ユーザグループ及び第1サービスはそれぞれ、第2ユーザグループ及び第2サービスとは異なる。一部の例では、第1ユーザグループは第2ユーザグループとは異なるが、第1サービスは第2サービスと同じである(例えば同種のものである)。一部の例では、第1ユーザグループは第2ユーザグループと同じであるが、第1サービスは第2サービスとは異なる。
【0013】
セルラーシステムは、ネットワーク及びセルラーシステムを通るネットワークトラフィックをユーザグループとサービスとの対ごとに分離させることに加えて、ユーザグループとサービスとの別々の対が、RFスペクトルの別々の部分(例えば、別々のRFチャネル又はRFチャネルの別々の部分)を介して、セルラーシステムにアクセスすることを可能にしうる。特定の実行形態では、衛星に搭載された切替回路は、基地局に連結されたRF回路からRF信号を受信し、「ビームツービーム(beam-to-beam)」切替(例えばRF信号切替)を実施するよう設定される。これにより、RF回路から受信された、第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられたトラフィックに対応するRF信号が、RFスペクトルの第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられた第1部分に対応する第2RF信号を生成するために使用される。同様に、第2ユーザグループ及び第2サービスに関連付けられたトラフィックに対応する第3RF信号が、RFスペクトルの第2ユーザグループ及び第2サービスに関連付けられた第2部分に対応する第4RF信号を生成するために使用される。第2RF信号は、第1ユーザグループに関連付けられた、第1サービスを契約しているユーザデバイスに提供される。第4RF信号は、第2ユーザグループに関連付けられた、第2サービスを契約しているユーザデバイスに提供される。特定の実行形態では、RF信号は、同じ場所の複数のデバイスが、RFスペクトルの別々の部分を介して(例えば、別々のRFチャネル又はRFチャネルの別々の部分を介して)セルラーシステムにアクセス可能になるように、同じ場所に重複パターンでデプロイされる。RF信号は、対応するVRFインスタンスに(例えば対応するユーザグループ及びサービスに)マッピングされ、データパケットに変換される。これらのデータパケットの処理は、本書に記載しているように、VRFインスタンスごとに分離される。
【0014】
本書に記載のシステムは、ユーザグループ(例えば種々のサービスプロバイダ、政府顧客、又は企業顧客)とサービスとの別々の対に関連付けられたネットワークトラフィックを分離させることによって、他のシステムと比較して、データセキュリティを向上させる。例えば、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたデータが、別々のVRFインスタンス識別子を使用してカプセル化され、処理されることによって、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたデータが、ユーザグループとサービスとの他の対に関連付けられたデータとは区別される(例えば分離される)。加えて、セルラーシステムと契約者デバイスとの間の通信は、別々のRFチャネル(又はその他の周波数帯域)を使用して実施され、更に、特定のユーザグループとサービスとの対に関連付けられた通信が、他のユーザグループとサービスとの対に関連付けられた通信から分離される。かかるネットワークトラフィックの分離により、種々のユーザグループ(例えば種々のサービスプロバイダ)及び種々のサービスに関連するセルラーシステムにおける、データセキュリティが向上する。加えて、セルラーシステムの適応性が増大する。特定のユーザグループとサービスとの対に関連付けられたトラフィックが、他のユーザグループとサービスとの対に関連付けられたデータとは異なる規則又はポリシーを使用して処理されることが可能になるからである。
【0015】
ユーザグループ毎かつサービス毎ベースのネットワークトラフィックの分離について、一実施例として説明する。一部の実行形態では、ネットワークトラフィックの分離は、様々な基準(例えばサービス品質、ユーザグループ、サービス、ユーザ、又はこれらの組み合わせ)に基づいて提供される。このような実行形態では、RFスペクトルの種々の部分が、この基準に基づいて割り当てられる。例えば、RFスペクトルの第1部分は、第1サービス品質、第1ユーザグループ、第1サービス、第1ユーザ、又はこれらの組み合わせに対応し、RFスペクトルの第2部分は、第2サービス品質、第2ユーザグループ、第2サービス、第2ユーザ、又はこれらの組み合わせに対応する。別々の基準を満たすトラフィックは、別々のデバイス(又は別々の構成要素)によって処理される。例えば、一又は複数の第1モデムは、第1サービス品質、第1ユーザグループ、第1サービス、第1ユーザ、又はこれらの組み合わせに関連付けられたデータパケットを処理するよう設定され、一又は複数の第2モデムは、第2サービス品質、第2ユーザグループ、第2サービス、第2ユーザ、又はこれらの組み合わせに関連付けられたデータパケットを処理するよう設定される。
【0016】
図1は、ユーザグループとサービスとの別々の対に対応する別々の仮想ルーティング転送(VRF)インスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するよう設定された、システム100の一例を示している。システム100は、切替回路104及びビーム形成ネットワーク108を含む衛星102と、RFE106と、基地局118と、コアネットワーク130とを含み、コアネットワーク130は、ネットワークデバイス142、契約者データサーバ136、及びインターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステムサーバ134を含む。構成要素102、104、106、108、118、134、136、及び142はシステム100に含まれるものとして図示されているが、他の実行形態では、構成要素102、104、106、108、118、134、136、及び142のうちの一又は複数は含まれない(対応する機能は残りの構成要素のうちの一又は複数によって実施される)。他の実行形態では、システム100は、図示されていない更なる構成要素を含む。
【0017】
衛星102は、一又は複数のデバイス(例えば一又は複数の契約者デバイス)と通信を実施するよう設定される。一又は複数のデバイスは、携帯デバイス(非限定的な例としては、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、メディアプレイバックデバイス、ナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、衛星電話、輸送体(若しくはその構成要素)、又はこれらの組み合わせなど)を含む。一部の実行形態では、一又は複数のデバイスは、定置コンピュータデバイス(stationary computerized device)も含む。衛星102は、プロセッサ180と、メモリ182と、切替回路104と、ビーム形成ネットワーク108と、ペイロード184とを含む。ペイロード184は、一又は複数のデバイスとの通信動作を実施するよう設定された、一又は複数のアンテナを含む。特定の実行形態では、システム100は、衛星ベースのセルラーシステムを含むか、又はかかるセルラーシステムに対応する。別の特定の実行形態では、システム100は、ハイブリッドセルラーシステム(例えば、衛星・地上ハイブリッドセルラーシステム)を含むか、又はハイブリッドセルラーシステムに対応する。例えば、衛星102は、地上ベースのセルラーシステムの一又は複数の構成要素(例えばアンテナ(複数可)、衛星(複数可)、タワー(複数可)など)を介して、一又は複数のデバイスと通信しうる。代替的な実行形態では、図2に関連付けて更に説明するように、システム100は、地上ベースのセルラーシステムを含むか、又は地上ベースのセルラーシステムに対応する。
【0018】
切替回路104は、周波数スペクトル(例えばRFスペクトル)を、複数のより小さな周波数「スライス(slices)」(例えば副帯域、チャネル、サブチャネルなど)に分割するよう設定される。一例としては、切替回路104は、超広帯域の入来信号を、別のデバイス又は構成要素に送信するために、複数のチャネル又はサブチャネルに分割するよう設定される。本書ではRF信号について説明しているが、他の実行形態では、その他の周波数信号も使用されうる。特定の実行形態では、切替回路104は、RF信号を、他のフィルタリング機器よりも狭い帯域幅に分割するよう設定される。特定の例としては、他のフィルタリング機器は、RF信号を、「トランスポンダ(transponders)」又は「トランスポンダサイズ(transponder-size)」と称される、おおよそ30~70メガヘルツ(MHz)という範囲を有するサイズに分割しうる。その一方で、切替回路104は、RFスペクトルを(又は別の周波数スペクトルを)、おおよそ31キロヘルツ(kHz)の複数の帯域又はスライスに分割するよう設定される。信号は、周波数帯域の部分と称されていても、周波数チャネル(例えばRFチャネル)と称されていても、(例えば時分割多重アクセス(TDMA)信号向けの)時間ベースの複数のチャネル又はサブチャネルに分割されても、(例えば符号分割多重アクセス(CDMA)信号向けの)コードベースのチャネル又はサブチャネルに分割されてもよい。
【0019】
ビーム形成ネットワーク108は、一又は複数のデバイスへのビーム形成を可能にするよう設定される。特定の実行形態では、ビーム形成ネットワーク108は、一又は複数のデバイスに向かう又は一又は複数のデバイスからのRF信号の方向性及び空間的選択性を改変するために、RF信号(例えば「ビーム(beams)」)にビーム形成重量を印加するよう設定される。特定の実行形態では、ビーム形成重量は、メモリ182にビーム形成データ110として記憶され、ビーム形成重量の各セットは、後述するように、対応するユーザグループ及び対応するサービスに関連付けられる(例えば、ビーム形成重量は、ユーザグループ毎かつサービス毎ベースで割り当てられる)。
【0020】
図1に示している実行形態では、ビーム形成ネットワーク(BFN)108は、第1BFN112、第2BFN114、及び第NのBFN116を含む。BFN108内には3つのBFNが図示されているが、他の実行形態では、Nは2を上回る任意の整数でありうる。特定の実行形態では、第1BFN112は、第1サービスか、第1ユーザグル―プか、又はその両方に関連付けられたRF信号に対して、動作を実施するよう割り当てられる。例えば、第1BFN112は、第1サービスか、第1ユーザグル―プか、又はその両方に関連付けられた第1ビーム形成重量に、関連付けられる。特定の態様では、第2BFN114は、第2サービスか、第2ユーザグル―プか、又はその両方に関連付けられたRF信号に対して、動作を実施するよう割り当てられる。特定の態様では、BFN112、114、及び116の各々は、サービスとユーザグループとの固有の対に対するRF信号に、動作を実施するよう割り当てられる。
【0021】
本書で使用される場合、「ユーザ(user)」は、ティア2事業者、又は、ティア1事業者(例えば、システム100を所有し、運営するティア1事業者)のネットワークリソースを使用することによってサービスを提供する、その他のサービスプロバイダを含む。CUGは、仮想移動体通信事業者(MVNO)、仮想通信事業者(VNO)、及び、システム100を使用して契約者にサービスを提供する、その他のサービスプロバイダを含む。特定の態様では、「ユーザグループ(usergroup)」は、複数のユーザ、複数のMVNO、MVNO内のCUG、特定の種類のサービスに関連付けられたCUG、又はこれらの組み合わせを含む。契約者は、サービスプロバイダ(例えばCUG)によって提供されるサービスを契約しており、かつ、デバイス(例えば携帯電話やその他の機器)を使用してシステム100にアクセスする人々を含む。図1に示している特定の実行形態では、切替回路104及びビーム形成ネットワーク108は、衛星102内に一体化されている。別の特定の実行形態では、切替回路104及びビーム形成ネットワーク108は、図2に関連付けて説明するように、RFE106と基地局118との間に連結される。特定の態様では、基地局118か、コアネットワーク130か、又はその両方は、地上構成要素を含む。
【0022】
特定の実行形態では、切替回路104は、RFスペクトルの対応する部分に関連付けられた、RF信号の複数のセットを生成するよう設定される。例えば、RF信号の各セットは、RFスペクトルの特定の部分(例えば、特定のRFチャネル又は特定の複数のRFチャネル)に対応する一又は複数のRF信号を含む。RF信号の複数のセットは、RFスペクトルのユーザグループ及びサービスを含む固有の対に関連付けられている特定の部分に関連付けられた、少なくとも1つのRF信号を含む。例示すると、複数のRF信号は、RFスペクトルの第1ユーザグループ(例えば第1MVNO)及び第1サービスに関連付けられた通信のために指定されている特定の部分(例えば特定のRFチャネル)に対応する、第1RF信号を含む。更に例示すると、複数のRF信号は、RFスペクトルの第2ユーザグループ(例えば第2MVNO)及び第2サービスに関連付けられた通信のために指定されている特定の部分(例えば第2の特定のRFチャネル)に対応する、第2RF信号を含む。
【0023】
特定の実行形態では、ビーム形成ネットワーク108は、第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられたビーム形成重量の第1セットと、第2ユーザグループ及び第2サービスに関連付けられたビーム形成重量の第2セットとを示す、ビーム形成データに基づいて、RF信号の位相か、振幅か、又はその両方を調整するよう設定される。例えば、第1BFN112は、ビーム形成重量の第1セットに基づいて、RF信号の位相か、振幅か、又はその両方を調整するよう設定され、第2BFN114は、ビーム形成重量の第2セットに基づいて、RF信号の位相か、振幅か、又はその両方を調整するよう設定される。RF信号は、後述するように、RFスペクトルの別々の部分を介して2つのユーザグループ及び2つのサービスに関連付けられたデバイスとの無線通信を可能にするために、一又は複数の場所に送信される(例えばデプロイされる)。切替回路104とビーム形成ネットワーク108とは、2つの構成要素として図示しているが、特定の実行形態では、単一の構成要素に一体化されるか、又は単一の構成要素に対応する。あるいは、切替回路104及びビーム形成ネットワーク108の動作は、プロセッサ180によって実施される。
【0024】
RFE106は、衛星102を介して、一又は複数のデバイスから受信されるRF信号、又は一又は複数のデバイスに送られる(例えば送信される)べきRF信号を、処理するよう設定される。一例としては、RFE106は、衛星102を介して一又は複数のユーザ機器(UE)デバイスから受信したRF信号又は一又は複数のUEデバイスに送られるべきRF信号を処理する、一又は複数のフィルタ、一又は複数の増幅器、一又は複数のミキサ、一又は複数のその他の構成要素、又はこれらの組み合わせを含む。
【0025】
基地局118は、プロセッサ120とメモリ122とを含み、一又は複数のデバイスから(例えば構成要素102~108、112~116を介して)RF信号を受信し、このRF信号を処理するよう設定される。特定の実行形態では、プロセッサ120は、本書に記載の動作を実施するために、メモリ122に記憶された命令を実行するよう設定される。代替的な実行形態では、基地局118は、本書に記載の動作を実施する、ハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(ASIC)やフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))又はコントローラを含む。
【0026】
例示すると、基地局118は、コアネットワーク130を通ってルーティングされるデータパケットを生成するために、RF信号をデジタルドメインに変換するよう設定される。データパケットを生成するために、基地局118は、複数のモデムを含む複数のモデムプールを含む。特定の実行形態では、各モデムプールは、特定のユーザグループ(例えば特定のMVNO)及び特定のサービスに割り当てられ、特定のモデムプールの一又は複数のモデムは、対応するユーザグループ及び対応するサービスに関連付けられたデータパケットを処理するよう割り当てられる。個別のモデムとして説明しているが、一部の実行形態では、基地局118は、本書に記載のモデムの動作を実施する仮想モデムプール及び仮想モデムを提供するよう仮想化されている、単一のモデムを含む。他の実行形態では、モデムは、物理的モデム、ロジックモデム、仮想モデム、又はこれらの組み合わせでありうる。
【0027】
図1に示している実行形態では、基地局118は、第1モデム124、第2モデム126、及び第Nモデム128を含む。例えば、第1モデム124、第2モデム126、及び第Nモデム128の各々は、基地局118においてインスタンス化される。3つのモデムが図示されているが、他の実行形態では、Nは2を上回る任意の整数でありうる。各モデムはモデムプールの一部である。一例としては、第1モデムプール125は第1モデム124を含み、第2モデムプール127は第2モデム126を含み、第Nモデムプール129は第Nモデム128を含む。1つのモデムプールつきに1つのモデムが図示されているが、かかる例示は限定的なものではない。モデムプールは、任意の数のモデムを含みうる。図1に示している実行形態では、第1モデムプール125、第2モデムプール127、及び第Nモデムプール129の各々が、基地局118においてインスタンス化される。特定の実行形態では、第1モデムプール125のモデムは、第1サービスに関連付けられたトラフィックに対して動作を実施するよう割り当てられ、第2モデムプール127のモデムは、第2サービスに関連付けられたトラフィックに対して動作を実施するよう割り当てられる。特定の態様では、第1モデムプール125の第1モデムと第1モデムプール125の第2モデムは、第1サービスを提供する第1ユーザグループと第2ユーザグループにそれぞれ関連付けられたトラフィックに対して、動作を実施するよう割り当てられる。
【0028】
特定の実行形態では、モデムは、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられている複数のデバイスからのRF信号に基づいて、データパケットを生成するよう設定される。データパケットは、各データパケットと特定のユーザグループ及び特定のサービスとを関連付ける識別子を含む。例えば、データパケットは、仮想ルーティング転送(VRF)インスタンスの識別子を含む。このVRFインスタンスは、ユーザグループ(例えばティア2事業者又はその他のサービスプロバイダ)及びサービスに対応しており、後述するように、ネットワークデバイス142におけるルーティングを実施するために使用される。特定の例では、VRFインスタンスは、ネットワークデバイス142においてインスタンス化される。特定の実行形態では、RF信号は、メモリ122に記憶された設定データ123に基づいて処理されるように、モデムに割り当てられる。特定の実行形態では、設定データ123は、VRF識別子と、ユーザグループ識別子とサービス識別子との対との間の関連を示す。例示すると、設定データ123は、特定の対(特定のユーザグループ識別子及び特定のサービス識別子を含む)が、VRFインスタンス(ユーザグループ識別子によって識別される特定のユーザグループに対応し、かつサービス識別子によって識別される特定のサービスに対応するもの)に関連付けられることを示す。VRFインスタンス識別子を含むデータパケットは、基地局118からネットワークデバイス142に送られる。
【0029】
ネットワークデバイス142は、プロセッサ144及びメモリ146を含み、かつ、一又は複数のデバイスとネットワーク156(例えば、別のティア1プロバイダによって維持されるネットワークなどの外部ネットワークやインターネットなど)との間でトラフィックをルーティングするよう設定される。特定の実行形態では、プロセッサ144は、本書に記載の動作を実施するために、メモリ146に記憶された命令を実行するよう設定される。代替的な実行形態では、ネットワークデバイス142は、本書に記載の動作を実施する、ハードウェア(例えばASICやFPGA)又はコントローラを含む。ネットワークデバイス142は、シグナリングゲートウェイ、パケットゲートウェイ、移動体管理エンティティ(MME)、若しくはこれらの組み合わせを含みうるか、又はそれらに対応しうる。特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、シグナリングゲートウェイ、パケットゲートウェイ、及びMMEの機能を実施する、単一のデバイスである。あるいは、通信可能に連結された1を上回る数のデバイスが、ネットワークデバイス142の動作を実施しうる。
【0030】
特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、後述するように、基地局118のモデムからデータパケットを受信し、コアネットワーク130(例えば、契約者データサーバ136及びIPマルチメディアサブシステムサーバ134)を通じてネットワーク156のその他のデバイスに送られるべきパケットを生成するよう、設定される。契約者データサーバ136(例えば顧客課金請求サブシステム(CCBS))は、請求及びプロビジョニング(provisioning)のためにネットワーク使用をモニタするよう設定される。特定の実行形態では、契約者データサーバ136は、ネットワーク使用を追跡し、ユーザグループ毎かつサービス毎ベースで請求を実施するよう設定される。非限定的な例としては、契約者の使用に関する情報は、各ユーザグループ及び各サービスについて維持され、記憶される。IPマルチメディアサブシステムは、動作(音声セッションを開始し維持すること、データセッションを開始し維持すること、電話着信音を開始すること、及びその他の、一又は複数のデバイスにおいて電話、データ、及び他のサービスを可能にする動作など)を実施するよう設定される。一部の実行形態では、コアネットワーク130は、システム100と外部ネットワーク(例えばネットワーク156)との安全な論理的分離を提供するよう設定されている、一又は複数のセキュリティシステム又はサイバーセキュリティシステムも含む。
【0031】
システム100は、稼働中、複数のユーザグループ(例えばティア2事業者又はサービスプロバイダ)が、システム100を介して、第1サービス160(例えばIPコアネットワークサービス)、第2サービス164(例えば回路ベースのコアネットワークサービス)、及び第Nサービス168(例えばプロプライエタリコアネットワークサービス)といった、複数のサービスを提供することを可能にする。3つのサービスが図示されているが、他の実行形態では、Nは2を上回る任意の整数でありうる。複数のユーザグループ(例えばCUG)及び複数のサービスをサポートするために、ビームマップ及びビーム形成重量が創出され、ビーム形成データ110として記憶されうる。特定の実行形態では、ビームマップは、特定の周波数帯域(例えばチャネルやサブチャネルなど)が隣接していない別々のセルで再使用されうるように、複数のセル(例えばアースセル)に向けられたビームの周波数再使用パターンを特定する。別の特定の実行形態では、ビーム形成データ110は、切替回路104によって生成された各ビームの初期のキャパシティ及びキャリア設定を特定する、キャリアマップを示す。別の特定の実行形態では、ユーザグループとサービスとの対の各々は、対応するセルサイズ、ビーム重量、パターン、キャパシティ、及びキャリア割り当てに関連付けられ、ビーム形成データ110は、ユーザグループとサービスとの複数の対に関連付けられたビーム形成重量の複数のセット(及び、セルサイズ、パターン、キャパシティ、及びキャリア割り当てなどといったその他の情報)を示す。一部の実行形態では、ビーム形成データ110(又はその部分)は、例えば変化する契約者分布、変化するトラフィック負荷パターン、ユーザグループポリシー、又はサービスポリシーに基づいて、経時的に調整される。
【0032】
特定の実行形態では、衛星102は、一又は複数の領域において、一又は複数のパターンで、複数のRF信号(例えばビーム)を送信する。RF信号の各パターンは、ユーザグループ(例えば第1MVNO)とサービスとの対に対応し、ユーザグループとサービスとのこの対に関連付けられたデバイスとシステム100との間の無線通信を可能にする。例示すると、切替回路104は、(例えば、一又は複数の関連付け動作の実施後にネットワークデバイス142から、)ユーザグループとサービス(例えば第1サービス160)との固有の対が周波数スペクトルの特定の部分に関連付けられることを示すデータを受信し、かつ、この特定の部分に関連付けられた少なくとも1つのビームを生成する。特定の実行形態では、ビーム形成ネットワーク108は、ビーム形成データ110に基づいて複数のRF信号を調整し、各RF信号は、周波数スペクトルの、(例えば1つのユーザグループ及び1つのサービスを含む)対応する対に関連付けられた部分を介して送信される。例えば、第1BFN112は、第1ユーザグループ及び第1サービス160に対応するビーム形成重量の第1セットに基づいて第1RF信号を調整し、第2BFN114は、第2ユーザグループ及び第2サービス164に対応するビーム形成重量の第2セットに基づいて第2RF信号を調整する。第1RF信号は、周波数スペクトルの第1ユーザグループ及び第1サービス160に対応する第1部分を介して送信される。第2RF信号は、周波数スペクトルの第2ユーザグループ及び第2サービス164に対応する第2部分を介して送信される。特定の実行形態では、衛星102は、固有の対の各々(例えばユーザグループとサービスとの対の各々)と、周波数スペクトルの対応する部分との間の関連を示すデータを記憶する(例えば、チャネルマッピングデータ186がメモリ182に記憶される)。
【0033】
衛星102は、一又は複数の領域に、一又は複数のパターンで、複数のRF信号を送信(例えばデプロイ)しうる。特定の実行形態では、衛星102は、第1パターン162、第2パターン166、及び第Nパターン170で、一又は複数のRF信号をデプロイする。パターン162、166、及び170の各々は、ユーザグループとサービスとの異なる対に関連付けられる。特定の実行形態では、第1パターン162は第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられ、第2パターン166は第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられ、第Nパターン170は第Nサービス168及び第Nユーザグループに関連付けられる。パターン162、166、及び170のうちの一又は複数は、同じ領域で重なっていることがある。例示すると、パターン162、166、及び170は、ユーザグループ(例えばCUG)とサービスとの別々の対に関連付けられた別々のRFチャネル(又は他の周波数帯域)を介して、特定の領域内の契約者に無線通信サービスを提供するために、この特定の領域で重なっている。あるいは、パターン162、166、及び170のうちの一又は複数は、別々の領域にデプロイされることもある。例示すると、第1領域における契約者は第1RFチャネルを介してシステム100にアクセスし、第2領域における第2契約者は第2RFチャネルを介してシステム100にアクセスする。
【0034】
システム100の動作を例示するために、特定の例が提供される。この例では、第1パターン162、第2パターン166、及び第Nパターン170は、第1領域内で互いに重複している。第1領域に進入する第1デバイス172(例えば第1契約者デバイス)は、利用可能な事業者周波数と同期し、システム100を介してサービスを供する利用可能なユーザグループ(例えばCUG)を示すデータ(例えばマスタ情報ブロックデータ及びシステム情報ブロックデータ)を受信する。第1デバイス172が第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられれば(例えば、第1デバイス172に関連付けられた契約者が第1ユーザグループによって提供される第1サービス160を契約していれば)、第1デバイス172は、周波数スペクトルの第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた部分を介して、一又は複数の関連付け動作を実施し、サポートされた無線通信を実施する。同じ場所において、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている第2デバイス174(例えば第2契約者デバイス)は、周波数スペクトルの第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられた部分を介して、一又は複数の関連付け動作を実施し、サポートされた無線通信を実施する。
【0035】
このように、周波数スペクトルの第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた部分は、第1の場所に位置している、第1ユーザグループによって供される第1サービス160に関連付けられている(第1サービス160を契約している)デバイス(例えば契約者デバイス)により、アクセス可能である。周波数スペクトルのこの部分は、第1の場所に位置している、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられていないデバイス(例えば契約者デバイス)によっては、アクセス不能である。しかし、デバイスは、他のユーザグループか、他のサービスか、又はその両方に関連付けられてよく、同じ場所において周波数スペクトルの種々の部分にアクセスしうる。ゆえに、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられた別々のデバイスが、同じ場所において、別々の周波数を使用して、システム100にアクセスしうる。
【0036】
別の特定の実行形態では、RF信号の特定のパターンは、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたRFチャネル(複数可)に対応するRF信号の第1セットと、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたRFチャネル(複数可)に対応するRF信号の第2セットと、第Nサービス168及び第Nユーザグループに関連付けられたRFチャネル(複数可)に対応するRF信号の第3セットとを、含む。この特定のパターンは、複数の異なる場所でデプロイされる。特定の例としては、この特定のパターンが、シカゴ、ワシントンD.C.、及びニューヨークにおいてデプロイされる。契約者は、周波数の再利用構想の一部として、各場所において、対応する同じRFチャネルを使用して、ユーザグループとチャネルとの対の各々に関連付けられた通信サービスにアクセスすることが可能になる。例示すると、3つの都市の各々にいる契約者は、第1RFチャネルを介して第1ユーザグループによって提供される第1サービス160にアクセスすること、第2RFチャネルを介して第2ユーザグループによって提供される第2サービス164にアクセスすること、第3RFチャネルを介して第Nユーザグループによって提供される第Nサービス168にアクセスすることが、可能になる。あるいは、別々の場所に別々のパターンがデプロイされることもある。特定の例としては、シカゴでは、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたRFチャネル、及び第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられた第2RFチャネルを含む、第1パターンがデプロイされ、ニューヨークでは、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた第3RFチャネル、及び第Nサービス168及び第Nユーザグループに関連付けられた第4RFチャネルを含む、第2パターンがデプロイされる。第1ユーザグループに関連付けられた契約者は、シカゴでは第1RFチャネルを介して、ニューヨークでは第3RFチャネルを介して、第1サービス160にアクセスする。第2ユーザグループに関連付けられた契約者は、シカゴで第2RFチャネルを介して第2サービス164にアクセスする(ニューヨークでは第2サービス164にアクセスできない)。第Nユーザグループに関連付けられた契約者は、ニューヨークで第4RFチャネルを介して第Nサービス168にアクセスする(シカゴでは第Nサービス168にアクセスできない)。
【0037】
一又は複数の関連付け動作を実施することは、無線リンク結合(attachment)動作、ネットワーク登録動作、IPマルチメディアサブシステム(IMS)動作、その他の関連付け動作、又はこれらの組み合わせを、実施することを含みうる。特定の実行形態では、一又は複数の関連付け動作は、基地局118、ネットワークデバイス142、その他のデバイス、又はこれらの組み合わせによって実施される。この実行形態では、基地局118及びネットワークデバイス142は、メモリ122、146にそれぞれ、データを記憶する。このデータは、ユーザグループ(例えばCUG)とサービスとの対にデバイスを関連付け、かつ、一又は複数の関連付け動作の実施中に更新される。一又は複数の関連付け動作に関する更なる詳細事項については、図2に関連付けて説明する。
【0038】
デバイスは、ユーザグループとサービスとの選択された対に関連付けられると、周波数スペクトルの対応する部分を介して、システム100にRF信号を送りうる(又はシステム100からRF信号を受信しうる)。特定の実行形態では、第1デバイス172は、周波数スペクトルの第1サービス160及び第1ユーザグループに対応する第1部分(例えば第1RFチャネル)を介して第1RF信号を送り、第2デバイス174は、周波数スペクトルの第2サービス164及び第2ユーザグループに対応する第2部分(例えば第2RFチャネル)を介して第2RF信号を送る。RF信号は、衛星102によって受信され、RFE106に処理のために提供される。特定の実行形態では、RFE106は、第1RF信号及び第2RF信号に対して、一又は複数の処理動作(例えば増幅やノイズ低減など)を実施するよう設定される。
【0039】
基地局118は、第1RF信号及び第2RF信号を受信し、後述するように、これらのRF信号(及び結果として生じるデータパケット)又は入来データパケットを処理するために、特定のモデムを指定する。特定の実行形態では、第1モデム124は、第1RF信号に基づいて第1データパケットを生成するよう設定され、第2モデム126は、第2RF信号に基づいて第2データパケットを生成するよう設定される。RF信号(又はデータパケット)を処理するための特定のモデムプールの特定のモデムの指定は、このRF信号(又はデータパケット)及び設定データ123に関連付けられたユーザグループとサービスとの対に基づく。特定の例としては、設定データ123は、(例えば、第1デバイス172に関連付けられたデバイスIDのインジケータに基づいて、)第1デバイス172が、第1VRFインスタンス識別子に対応する(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループを含む)第1の対に関連付けられること、並びに、第2デバイス174が、第2VRFインスタンス識別子に対応する(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループを含む)第2の対に関連付けられることを示す。基地局118(例えばプロセッサ120)は、設定データ123及びデバイスIDのインジケータに基づいて、第1RF信号(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたRF信号又はデータパケット)を処理するために第1モデム124を指定し、第2RF信号(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたRF信号又はデータパケット)を処理するために第2モデム126を指定するよう、設定される。特定の実行形態では、インジケータは、デバイスに関連付けられた電話番号、契約識別子(例えば携帯電話契約者統合サービスデジタルネットワーク番号(MSISDN))、又は、その他の任意の種類のデバイスアイデンティティのインジケータを含む。
【0040】
特定の実行形態では、基地局118の複数のモデムの各モデムは、対応するVRFインスタンス識別子に関連付けられたトラフィック(例えばRF信号やデータパケットなど)を処理するよう設定される。例示すると、第1モデムプール125の第1モデム124及び他のモデムは、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた第1VRFインスタンスに対応する第1VRFインスタンス識別子に関連付けられたRF信号及びデータパケットを、処理するよう設定される。特定の実行形態では、第1モデム124は、他のVRFインスタンス識別子(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンスに対応する第2VRFインスタンス識別子)に関連付けられたRF信号及びデータパケットを処理しないでおくよう、更に設定される。同様に、第2モデムプール127の第2モデム126及び他のモデムは、第2VRFインスタンス識別子に関連付けられたデータパケットを処理し、第1VRFインスタンス識別子に関連付けられたRF信号及びデータパケットは処理しないでおくよう、設定される。
【0041】
モデム124~128においてRF信号を処理することは、データを含み、かつVRFインスタンス識別子に対応するデータパケットを生成することを含む。例示すると、基地局118は、第1デバイス172が第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられているという判断に基づいて、第1RF信号に基づいて第1データパケットを生成するために、第1モデム124を指定する基地局118は、第2デバイス174が第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられているという判断に基づいて、第2RF信号に基づいて第2データパケットを生成するために、第2モデム126を指定する第1データパケットは、第1データ及び第1VRFインスタンス識別子を含み、第2データパケットは、第2データ及び第2VRFインスタンス識別子を含む。
【0042】
特定の実行形態では、モデム124~128は、VRF毎(又はユーザグループ毎かつサービス毎)ベースで、データパケットを暗号化するよう設定される。例示すると、第1モデム124は、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1暗号化に基づいて第1データパケットを暗号化するよう更に設定され、第2モデム126は、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2暗号化に基づいて第2データパケットを暗号化するよう設定される。特定の実行形態では、第1暗号化と第2暗号化とは同種の暗号化であるが、対応する暗号化を実施するために、別々のキー又は他の値が使用される。代替的な実行形態では、第1暗号化と第2暗号化は、異なる種類の暗号化を使用して実施される。ユーザグループとサービスとの1つの対に関連付けられたデータを、ユーザグループとサービスとの別の対に関連付けられたデータの暗号化とは別様に暗号化することで、セキュリティが向上し、ユーザグループとサービスとの別々の対に対応するデータの区別が改善されうる。例示すると、異なるユーザグループと及び異なるサービスに関連付けられたデバイスに誤って提供された、暗号化されたデータが、このデバイスによって受信された他のデータと同じ暗号化を使用して復号されることはない。
【0043】
第1データパケット及び第2データパケットは、ネットワークデバイス142に送られる。特定の実行形態では、(第1データパケット及び第2データパケットを含む)データパケットは、米国電気電子学会(IEEE)802.11Qに準拠したコネクタ又は幹線(trunk)を介して送られる。特定の実行形態では、このコネクタは、10ギガバイト(gB)のファイバ管を含む。特定の実行形態では、基地局118は、一又は複数のネットワーク品質基準に基づいて、モデム124~128を介して、変調符号化(MOCOD)、タイムスロット割当、及びデータパケットのキュー(例えば、発展型パケットシステム(EPS)ベアラ)を管理する。データパケットに関する更なる詳細事項については、図2に関連付けて説明する。
【0044】
ネットワークデバイス142は、データパケットを受信し、コアネットワーク130及びネットワーク156を通じて一又は複数の他のデバイスに送信されるパケットを生成する。例えば、ネットワークデバイス142は、第1データパケットを受信し、第1パケットを、ネットワーク156を介して第1デバイスに送信するよう、設定される。ネットワークデバイス142は、第2データパケットを受信し、第2パケットを、ネットワーク156を介して第2デバイスに送信するよう、更に設定される。特定の実行形態では、第1デバイスと第2デバイスとは同じデバイスである。代替的な実行形態では、第1デバイスと第2デバイスとは別々のデバイスである。第1パケットは、第1データと、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1インジケータを含む第1ヘッダとを含み、第2パケットは、第2データと、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2インジケータを含む第2ヘッダとを含む。
【0045】
特定の実行形態では、ネットワークデバイス142において、複数のVRFインスタンスが維持される。複数のVRFインスタンスを維持することは、ネットワークデバイス142において、パケットをルーティングするために使用されるべき複数のルーティング情報ベース(RIB)(例えばルーティング転送データ)を維持することを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、第1VRFインスタンスRIBデータ150、第2VRFインスタンスRIBデータ152、及び第NのVRFインスタンスRIBデータ154を、メモリ146に記憶させる。図1には3つのインスタンスRIBデータを示しているが、他の実行形態では、Nは2を上回る他の任意の整数である。VRFインスタンスRIBデータ150~154は、ルーティング情報、転送情報、又はこれらの組み合わせを含むか、又はそれを示す。
【0046】
特定の実行形態では、VRFインスタンスRIBデータ150~154の各々は、ユーザグループとサービスとの対に関連付けられる。一例としては、第1VRFインスタンスRIBデータ150は第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられ、第2VRFインスタンスRIBデータ152は第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられ、第NのVRFインスタンスRIBデータ154は第Nサービス168及び第Nユーザグループに関連付けられる。VRFインスタンスRIBデータ150~154は、ユーザグループとサービスとの種々の対に関連付けられたトラフィックのために、種々のルーティングパスが確立されることを可能にする。例えば、第1デバイス172からネットワーク156の第1デバイスまでのルーティングパスは、システム100、コアネットワーク130、及びネットワーク156を通って、第2デバイス174からネットワーク156の第2デバイスまでのルーティングパスとは異なるデバイス又はデバイスの部分(例えば、基地局118の異なるモデム)を進みうる。あるいは、第1デバイス172からネットワークの第1デバイスまでのルーティングパスは、第2デバイス174からネットワークの第2デバイスまでのルーティングパスと同じであることもある。
【0047】
別々のVRFインスタンスのために別々のRIBを維持すること、及び別々のVRFインスタンスのために基地局118の別々のリソース(例えばモデム)を指定することによって、ユーザグループ毎かつサービス毎ベースのトラフィックの論理的分離が提供される。例示すると、第1デバイス172(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた契約者デバイス)へのトラフィック及び第1デバイス172からのトラフィックは、第2デバイス174(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられた契約者デバイス)へのトラフィック及び第2デバイス174からのトラフィックとは異なるタイムスロットで、又は異なる変調符号化を伴って、システム100を進む。加えて、第1VRFインスタンスRIBデータ150と第2VRFインスタンスRIBデータ152との間の差異により、第1デバイス172へのトラフィック及び第1デバイス172からのトラフィックがコアネットワーク130及びネットワーク156を通るルートは、第2デバイス174へのトラフィック及び第2デバイス174からのトラフィックとは異なりうる。ユーザグループ毎かつサービス毎ベースでトラフィックを論理的に分離させることにより、ユーザのトラフィックのセキュリティは、ユーザグループとサービスとの別々の対のために別々のVRFインスタンスを維持しないシステムと比較して向上する。
【0048】
特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、複合RIBデータ148を、コアネットワーク130及びネットワーク156を通ってパケットをルーティングするのに使用するために、メモリ146に記憶させる。複合RIBデータ148は、VRFインスタンスRIBデータ150~154に基づき、かつ、ネットワークデバイス142によって生成された更なるルーティング情報(例えば、VRFインスタンスのうちの1つに対応しないパケットに関連付けられたルーティング)があればそれに基づく。ネットワークデバイス142でデータパケットが受信されると、対応するVRFインスタンスRIBデータは更新される。例示すると、ネットワークデバイス142は、第1データパケットに基づいて第1VRFインスタンスRIBデータ150を更新し、第2データパケットに基づいて第2VRFインスタンスRIBデータ152を更新する。
【0049】
特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、受信されたデータパケット及び複合RIBデータ148に基づいて、(対応するVRFインスタンスのインジケータを含むヘッダを含む)パケットを生成する。一例としては、ネットワークデバイス142は、第1データと、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1インジケータを含む第1ヘッダとを含む第1パケットを生成し、かつ、第2データと、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2インジケータを含む第2ヘッダとを含む第2パケットを生成する。第1インジケータ及び第2インジケータは、非限定的な例としては、識別子(ソースIPアドレスやソースポートアドレスなど)を含むか、識別子に対応する。特定の実行形態では、インジケータは、ラベル又は「5タプル(5-tuples)」(例えば、ソースアドレス、ソースポート、宛先アドレス、宛先ポート、及びパケットに関連付けられたプロトコルを含むタプル)に対応する第2VRFインスタンスに関連付けられた第2データとは異なるヘッダを使用して、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1データをカプセル化することで、コアネットワーク130及びネットワーク156のデバイスよる処理中に、第1データが第2データから論理的に分離される。
【0050】
パケットは、ネットワークデバイス142によって送信された後、最終宛先デバイス(複数可)に至るルート上で、コアネットワーク130及びネットワーク156を進む。一部の実行形態では、コアネットワーク130の少なくとも一部の構成要素が、VRF毎ベースでパケットを処理する。特定の実行形態では、契約者データサーバ136は、第1パケットに基づいて第1契約者データ138を生成(又は更新)し、第2パケットに基づいて第2契約者データ140を生成(又は更新)する。第1契約者データ138は、第1ユーザグループによって提供される第1サービス160の契約者に関連付けられた、プロビジョニング情報、請求情報、使用情報、又はこれらの組み合わせを示し、第2契約者データ140は、第2ユーザグループによって提供される第2サービス164の契約者に関連付けられた、プロビジョニング情報、請求情報、使用情報、又はこれらの組み合わせを示す。特定の実行形態では、コアネットワーク130の他の構成要素は、VRF毎ベースでトラフィックを処理する。一例としては、IPマルチメディアサブシステムサーバ134は、第1サービス160及び第1ユーザグループに対応するポリシー又は規則に基づいて、第1パケットに一又は複数の動作を実施し、かつ、第2サービス164及び第2ユーザグループに対応するポリシー又は規則に基づいて、第2パケットに一又は複数の動作を実施する。別の特定の実行形態では、一又は複数のセキュリティ又はサイバーセキュリティのデバイス又はシステム(「非武装地帯(DMZ)」とも称される)が、対応するVRFインスタンスに関連付けられた規則及びポリシーに基づいてトラフィックを処理する。VRFインスタンスベースの規則及びポリシーにより、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたトラフィックが、ユーザグループとサービスとの他の対に関連付けられたトラフィックとは別様に、コアネットワーク130のデバイスによって処理されることが可能になる。
【0051】
ネットワーク156のデバイスから契約者デバイスに送られたパケットも、同様に処理される。パケットは、宛先契約者デバイスに到達するまで、VRFインスタンス毎ベース又はユーザグループ毎かつサービス毎ベースで、コアネットワーク130及びシステム100のそれ以外の部分を進む。一例としては、ネットワークデバイス142は、第1デバイスからネットワーク156を介して第3パケットを受信し、第2デバイスからネットワーク156を介して第4パケットを受信するよう、設定される。第3パケットは、第3データと、第1VRFインスタンスに関連付けられたインジケータを含む第3ヘッダとを含み、第4パケットは、第4データと、第2VRFインスタンスに関連付けられた第4インジケータとを含む。特定の実行形態では、第3パケット及び第4パケットは、ネットワークデバイス142に到着する前に契約者データサーバ136にルーティングされ、契約者データサーバ136は、上述したように、第3パケット及び第4パケットに基づいて対応する契約者データを更新する。
【0052】
特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、新たなルーティング情報で第3パケット及び第4パケットに関連付けられているものがあれば、第3パケット及び第4パケットに基づいて複合RIBデータ148を更新する。例示すると、ネットワークデバイス142は、第3インジケータが第1VRFインスタンスに関連付けられていることに基づいて、第1VRFインスタンスRIBデータ150を更新し、第4インジケータが第2VRFインスタンスに関連付けられていることに基づいて、第2VRFインスタンスRIBデータ152を更新する。ネットワークデバイス142は更に、受信したパケットに基づいて、データパケットを生成し、このデータパケットを基地局118の特定のモデムに送信しうる。一例としては、ネットワークデバイス142は、第3データと第1VRFインスタンス識別子とを含む第3データパケットを生成し、第4データと第2VRFインスタンス識別子とを含む第4データパケットを生成する。
【0053】
ネットワークデバイス142は、第3パケット及び第4パケットを生成した後に、(例えば、第3インジケータが第1VRFインスタンスに関連付けられていることに基づいて)第1モデム124に第3データパケットを送り、(例えば、第4インジケータが第2VRFインスタンスに関連付けられていることに基づいて)第2モデム126に第4データパケットを送る。基地局118は、第3データパケット及び第4データパケットを、対応する契約者デバイスに送信される第3RF信号及び第4RF信号に、それぞれ変換する。特定の実行形態では、RF信号は、デバイスに送信される前に、構成要素102~108、112~116によって処理される。例示すると、RFE106は、例えばフィルタリングや増幅などを実施することによって、第3RF信号及び第4RF信号を処理するよう設定される。
【0054】
基地局118は、別々のRF信号が別々のVRFインスタンスに、ひいてはユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられることを、RFE106及び衛星102に示す。特定の実行形態では、基地局118は、別々のVRFインスタンスに対応するRF信号を、別々の論理インターフェースに関連付ける。例えば、基地局118は、第1VRFインスタンス(並びに第1ユーザグループ及び第1サービス)に対応する第1RF信号を、基地局118とRFE106との間(又は基地局118と衛星102との間)の第1論理インターフェースに関連付け、かつ、第2VRFインスタンス(並びに第2ユーザグループ及び第2サービス)に対応する第2RF信号も関連付ける。代替的な実行形態では、基地局118は、別々のVRFインスタンスに対応するRF信号を、RFE106の別々のポート(例えば物理的ポート、論理ポート、仮想化ポートなど)に送る。特定の例としては、第1モデム124は、第1VRFインスタンス(並びに第1ユーザグループ及び第1サービス)に関連付けられた第1RF信号を第1ポートに送り、第2モデム126は、第2VRFインスタンス(並びに第2ユーザグループ及び第2サービス)に関連付けられた第2RF信号を第2ポートに送る。
【0055】
特定の実行形態では、別々の論理インターフェースに関連付けられた(又は別々のポートに送られた)RF信号は、RFスペクトルの別々の部分(例えば別々のRFチャネル)を介して、衛星102に送信される。特定の例としては、第1論理インターフェースに関連付けられた(ひいては、第1VRF、第1サービス160、及び第1ユーザグループに関連付けられた)RF信号は、第1RFチャネルを介して送信され、第2論理インターフェースに関連付けられた(ひいては、第2VRF、第2サービス164、及び第2ユーザグループに関連付けられた)RF信号は、異なるRFチャネルを介して送信される。このようにして、衛星102は、RF信号と(特定のティア2事業者又はサービスプロバイダによって提供される特定のサービスに対応する)VRFインスタンスとの間の関連についての表示を受信する。
【0056】
特定の実行形態では、衛星102は、RFE106からRF信号を受信し、チャネルマッピングデータ186に基づいて一又は複数のデバイスに送信されるべきRF信号を生成するためにビームツービーム切替を実施するよう設定される。特定の例としては、プロセッサ180(又は切替回路104)は、チャネルマッピングデータ186に基づく、かつ第1デバイス172に関連付けられた第1ユーザグループ及び第1サービス160に基づく、ペイロード184の一又は複数のアンテナから第1デバイス172への第2RF信号の送信を開始するよう、設定される。第2RF信号は、ペイロード184の一又は複数のアンテナにおいて受信された、RFE106からの(かつ第1VRFインスタンスに関連付けられた)第1RF信号に基づく。第1RF信号及び第2RF信号は、種々のRFチャネルに対応しうる。例えば、第1RF信号は第1RFチャネルに対応し、第2RF信号は、第1RFチャネルとは異なる第2RFチャネルに対応する。
【0057】
特定の実行形態では、チャネルマッピングデータ186は、ユーザグループ(例えばCUG)とサービスとの対に対する、一又は複数のデバイス又はRFE106との通信のためのRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)のマッピングを示す。特定の例としては、チャネルマッピングデータ186は、第1サービス160及び第1ユーザグループが、衛星102とRFE106との間の通信のために少なくとも第1RFチャネルに、かつ衛星102と第1ユーザグループによって提供される第1サービス160を契約している第1デバイス172との間の通信のために少なくとも第2RFチャネルに、マッピングされることを示す。チャネルマッピングデータ186は、サービスプロバイダ(例えばMVNO)がキャパシティ及びシステム100へのアクセスを購入すると、衛星制御システムのオペレータによって生成され(又は更新され)うる。例えば、第1ユーザグループが、第1サービス160を提供するためにキャパシティ及びシステム100へのアクセスを購入すると、衛星制御システムは、第1ユーザグループ及び第1サービス160が、衛星102とRFE106との間の通信のために第1RFチャネルに、かつ(第1ユーザグループ及び第1サービス160に関連付けられた)契約者デバイスと衛星102との間の通信のために第2RFチャネルに、関連付けられていることを示すデータを、衛星102に送信する。一部の実行形態では、チャネルマッピングデータ186は、ユーザグループとサービスとの対の各々に関連付けられたRFチャネルのグループを示し、RFチャネルの各グループの少なくとも一部のチャネルは、別々の場所に関連付けられる。更なるユーザグループ(例えばCUG)が、サービスを提供するためにキャパシティ及びシステム100へのアクセスを購入すると、RFチャネルに対するユーザグループとサービスとの更なる対のマッピングを示すデータが、チャネルマッピングデータ186を更新するために衛星102に送られうる。
【0058】
特定の実行形態では、プロセッサ180は、チャネルマッピングデータ186に基づく、かつ第2デバイス174に関連付けられた第2サービス164及び第2ユーザグループに基づく、ペイロード184の一又は複数のアンテナから第2デバイス174への第4RF信号の送信を開始するよう、設定される。この例では、第4RF信号は、ペイロード184の一又は複数のアンテナにおいて受信された、RFE106からの第3RF信号に基づく。第3RF信号及び第4RF信号は、別々のRFチャネルに対応しており、第3RFチャネルと第4RFチャネルはそれぞれ、第1RFチャネル及び第2RFチャネルとは異なるRFチャネルに対応する。特定の例としては、第3RF信号は、第1RFチャネルとは異なる第3RFチャネルに対応し、第4RF信号は、第3RFチャネル及び第2RFチャネルとは異なる第4RFチャネルに対応する。このようにして、ユーザグループとサービスとの種々の対が、種々のRFチャネルマッピングに関連付けられ、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたトラフィックは、別々のRFチャネルを介するRF信号の送信によって通信される。特定の例としては、第1デバイス172に送信されるRF信号は、第2RFチャネル(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたRFチャネル)に対応し、第2デバイス174に送信されるRF信号は、第4RFチャネル(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたRFチャネル)に対応する。別の特定の実行形態では、ペイロード184の一又は複数のアンテナは、同じ場所において、第2RF信号と第4RF信号の送信を重複させるよう設定される。
【0059】
ユーザグループとサービスとの同一の対に関連付けられた更なるRF信号は、同一のRFチャネルを介して送受信されうる。特定の例としては、プロセッサ180は、チャネルマッピングデータに基づく、かつ第1サービス160及び第1ユーザグループに基づく、ペイロード184の一又は複数のアンテナから第1デバイス172への第6RF信号の送信を開始するよう、設定される。この例では、第6RF信号は、ペイロード184の一又は複数のアンテナにおいて受信された、RFE106からの第5RF信号に基づく。第5RF信号及び第6RF信号は第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられるので、第5RF信号は第1RFチャネルに対応し、第6RF信号は第2RFチャネルに対応する。
【0060】
特定の実行形態では、衛星102(例えばプロセッサ180か、切替回路104か、又はその両方)が、一又は複数の契約者デバイスから受信されたRF信号及びチャネルマッピングデータ186に基づいて、RFE106にRF信号を送る。特定の例としては、ペイロード184の一又は複数のアンテナが、第1デバイス172から第2RFチャネルを介してRF信号を受信し、プロセッサ180が、第1RFチャネルを介してRFE106へと、RF信号の送信を開始するRFE106は、第1RFチャネルを介してRF信号を受信し、このRF信号を、基地局118に提供する前に処理する。特定の実行形態では、基地局118は、第1RFチャネル(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたRFチャネル)を介してRF信号が受信されることに基づいて、このRF信号を、処理のために第1モデムプール125のモデム(例えば第1モデム124)に割り当てる。衛星102において受信された、ユーザグループとサービスとの他の対に関連付けられた契約者デバイスからのトラフィックも、同様に処理され、RFE106を介して基地局118に提供される。このようにして、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられた契約者デバイスに送られた(又はかかる契約者デバイスから受信された)トラフィックは、別々のRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)を介して通信されることによって分離される。別々のRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)を介してユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられた通信を実施することで、セキュリティが向上し、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたデータが、ユーザグループとサービスとの異なる対に関連付けられたデータと一緒に処理されることが防止されうる。
【0061】
特定の実行形態では、ビーム形成ネットワーク108が、ユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたビーム形成情報に基づいて、RF信号を調整する。一例としては、ビーム形成ネットワーク108は、メモリ182に記憶されたビーム形成データ110に基づいて、かつ第1RF信号に基づいて(例えば、第1RF信号が受信されるにあたってそれを介するRFチャネルに基づいて)、第2RF信号(例えば、第1デバイス172に送信されるRF信号)を調整するよう設定される。特定の実行形態では、ビーム形成データ110は、サービスと提供するためにキャパシティ及びシステム100へのアクセスを購入しているユーザグループの対に対応する、ビーム形成重量のセットを示す。特定の例としては、ビーム形成データ110は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたビーム形成重量の第1セット、及び第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたビーム形成重量の第2セットを示す。
【0062】
特定の実行形態では、第1BFN112が、ビーム形成重量の第1セットに基づいて、第1サービス160及び第1ユーザグループに対応するRF信号を調整し、第2BFN114が、ビーム形成重量の第2セットに基づいて、第2サービス164及び第2ユーザグループに対応するRF信号を調整するRF信号を調整することは、RF信号の振幅、位相、その他の特性、又はこれらの組み合わせを改変することを含む。ビーム形成重量に基づいてRF信号を調整することは、「RF信号にビーム形成重量を適用すること」とも称される。
【0063】
特定の実行形態では、第1BFN112は、ビーム形成データ110の一又は複数の第1ビーム形成重量を(例えば、RF信号が第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられていることに基づいて)適用することによって、RF信号を調整するよう設定され、BFN114は、ビーム形成データ110の一又は複数の第2ビーム形成重量を(例えば、他のRF信号が第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられていることに基づいて)適用することによって、別のRF信号を調整するよう設定される。ビーム形成重量を適用することで、ユーザごとに特定のビーム形成重量に基づいて、RF信号の位相、振幅、その他の特性、又はこれらの組み合わせが調整される。これにより、デバイスに向かうRF信号の方向性及び空間的選択性が増大しうる。ビーム形成データ110又はビーム形成データ110の一部分(例えば、特定のユーザグループ及び特定のサービスに対応する部分)は、トラフィック負荷パターン、ユーザグループポリシー、又はサービスポリシーの変化にしたがって更新されうる。
【0064】
特定の実行形態では、切替回路104が、第1RF信号及び第3RF信号に基づいて、複数のビームを生成する。例示すると、RF信号は、切替回路104のアナログフロントエンドにおいて受信され、デジタルドメインに変換され、マルチステージ相互接続ネットワークを通じて切り替えられ、切替回路104のアナログバックエンドによってアナログドメインに戻るように変換される。RF信号は、周波数スペクトルの種々の部分を介して(例えば、チャネルマッピングデータ186に基づいて)、衛星102によってデプロイされる。例えば、第1RF信号は、周波数スペクトルの第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた特定の部分に変換され、第2RF信号は、周波数スペクトルの第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられた別の特定の部分に変換されうる。衛星102は、第1デバイス172と第2デバイス174にそれぞれ、周波数スペクトルの対応する部分を介して、第2RF信号を送信し(例えば、第2RF信号に関連付けられた一又は複数のビームを第1パターン162でデプロイし)、第4RF信号を送信する(例えば、第4RF信号に関連付けられた一又は複数のビームを第2パターン166でデプロイする)。
【0065】
システム100は、ユーザグループとサービスとの別々の対のために別々のVRFインスタンスを維持すること、及びユーザグループとサービスとの別々の対に関連付けられたトラフィックを、別々のRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)を介して通信することによって、ユーザグループ毎かつサービス毎ベースでトラフィックの「エンドツーエンド(end-to-end)」の論理的分離を提供しうる。一例としては、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたトラフィックと比較すると、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたトラフィックは、第1VRFインスタンスに基づいてカプセル化され、識別される。第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたトラフィックは、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたトラフィックがルーティングされる一又は複数のパスとは異なりうる一又は複数のパスを介して、システム100の構成要素(例えばコアネットワーク130及びネットワーク156)を通ってルーティングされる。更に例示すると、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたトラフィックは、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたトラフィックとは異なるRFチャネルを介して、第1デバイス172に送られる(又は第1デバイス172から受信される)。ユーザグループ毎かつサービス毎ベースでトラフィックの論理的分離を提供することにより、全てのユーザグループ及びサービスのトラフィックを一緒に処理することと比較して、各ユーザグループ及びサービスにとってのセキュリティが向上する。ユーザグループ毎かつサービス毎ベースでトラフィックを分離させることで、システム100のセキュリティが向上する。システム100の適応性も、ユーザグループ及びサービスごとにトラフィックを分離しないシステムと比較して増大しうる。例えば、システム100は、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたトラフィックを、ユーザグループとサービスとの他の対とは異なる規則及びポリシーにしたがって処理するよう設定されうる。
【0066】
上記の説明では、図1のシステム100によって実施される様々な機能について、構成要素102~108、112~118、134、136、及び142によって実施されるものとして説明している。これは例示のためにすぎない。他の実行形態では、構成要素102~108、112~118、134、136、及び142のうちの一又は複数は、複数の構成要素に関連付けられた機能を実施する単一の構成要素に一体化されうる。加えて、様々な機能について、メモリ122に記憶された命令の実行に基づいてプロセッサ120によって、又はメモリ146に記憶された命令の実行に基づいてプロセッサ144によって、実施されるものとして説明している。これは例示のためにすぎない。代替的な実行形態では、プロセッサ120又はプロセッサ144によって実施される一又は複数の機能は、その代わりに、一又は複数のハードウェア構成要素によって実施されることもある。例えば、第1構成要素は、複合RIBデータ148及び第1VRFインスタンスRIBデータ150に基づいて、パケットを生成しうる。各構成要素は、ハードウェア(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラなど)、ソフトウェア(例えば、プロセッサにより実行可能な命令)、又はこれらの組み合わせを使用して、実装されうる。
【0067】
図2は、ユーザグループとサービスとの別々の対に対応する別々のVRFインスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するよう設定された、システム200の一例を示している。システム200は、図1の、RFE106、基地局118、ネットワークデバイス142、契約者データサーバ136、及びIPマルチメディアサブシステムサーバ134を含む。加えて、システム200は、セルラーシステム202、切替回路204、及びビーム形成ネットワーク206を含む。構成要素202、204、206、106、118、134、136、及び142がシステム200に含まれるものとして図示されているが、他の実行形態では、構成要素202、204、206、106、118、134、136、及び142のうちの一又は複数は含まれない(対応する機能は残りの構成要素のうちの一又は複数によって実施される)。
【0068】
構成要素106、118、134、136、及び142は、図1に関連して説明した動作を実施するよう設定される。切替回路204及びビーム形成ネットワーク206は、図1の切替回路104及びビーム形成ネットワーク108に関連して説明した動作を実施するよう設定される。一例としては、切替回路204は、図1に関連して説明したように、チャネルマッピングデータ210に基づいて種々のRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)を介して一又は複数のデバイスに送信されるRF信号を生成する別の例としては、ビーム形成ネットワーク206は、図1に関連して説明したように、一又は複数のRF信号の振幅や位相などを調整するために、ビーム形成データ208によって示される、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたたビーム形成重量に基づいて、一又は複数のRF信号を調整する。しかし、図2に示している実行形態では、切替回路204及びビーム形成ネットワーク206は、(衛星内に一体化される代わりに)RFE106と基地局118との間に、通信可能に連結される。
【0069】
特定の実行形態では、切替回路204によって生成された(かつRFE106によって処理された)RF信号が、セルラーシステム202によって、一又は複数の契約者デバイスに送信される(例えばデプロイされる)。セルラーシステム202は、ある場所から別の場所にRF信号を提供するよう設定されている、一又は複数の構成要素(例えばアンテナ(複数可)、衛星(複数可)、タワー(複数可)など)を含む。特定の実行形態では、セルラーシステム202は地上セルラーシステムを含むか、又は地上セルラーシステムに対応する。別の特定の実行形態では、セルラーシステム202は、ハイブリッドシステム(例えば、一又は複数のタワーなどの地上構成要素と一又は複数の衛星とを含むシステム)を含むか、ハイブリッドシステムに対応する。
【0070】
稼働中、システム200は、図1のシステム100に関連して説明したように、ユーザグループとサービスとの別々の対に、エンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供する。しかし、図1のシステム100とは対照的に、チャネルマッピング動作及びビーム形成動作は地上構成要素によって実施される。例示すると、チャネルマッピング動作とビーム形成動作は、地上構成要素であり、かつRFE106と基地局118との間に通信可能に連結されている、切替回路204及びビーム形成ネットワーク206によって、それぞれ実施される。衛星内に一体化された構成要素の数を低減することで、コストが削減され、システム200の修理の簡易性が向上しうる。
【0071】
図3は、ユーザグループとサービスとの別々の対に対応する別々のVRFインスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理するよう設定された、システム300の一例を示している。システム300は、図1の、切替回路104、RFE106、ビーム形成ネットワーク108、ネットワークデバイス142、契約者データサーバ136、及びIPマルチメディアサブシステムサーバ134を含む。加えて、システム300は、衛星302及びオペレーションセンター330を含む。構成要素104、106、108、134、136、142、302、及び330はシステム300に含まれるものとして図示されているが、他の実行形態では、構成要素104、106、108、134、136、142、302、及び330のうちの一又は複数は含まれない(対応する機能は残りの構成要素のうちの一又は複数によって実施される)。
【0072】
構成要素104、106、108、134、136、及び142は、図1に関連して説明した動作を実施するよう設定される。一例としては、切替回路104は、図1に関連して説明したように、チャネルマッピングデータ186に基づいて種々のRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)を介して一又は複数のデバイスに送信されるRF信号を生成する別の例としては、ビーム形成ネットワーク108は、図1に関連して説明したように、一又は複数のRF信号の振幅や位相などを調整するために、ビーム形成データ110によって示される、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたたビーム形成重量に基づいて、一又は複数のRF信号を調整する。RFE106は、衛星302で受信される、一又は複数のデバイスからのRF信号、又は衛星302から一又は複数のデバイスに送られる(送信される)べきRF信号を、処理するよう設定される。ネットワークデバイス142は、モデムからデータパケットを受信し、ネットワーク156の他のデバイスに送られるべきパケットを生成するよう、設定される。しかし、図3に示している特定の実行形態では、RFE106及びネットワークデバイス142は、衛星302内に一体化されている。例えば、衛星302のペイロード384は、ネットワークデバイス142、第1モデムプール125、第2モデムプール127、及び第Nモデムプール129を含む。例示すると、第1モデムプール125、第2モデムプール127、及び第Nモデムプール129の各々が、ペイロード384においてインスタンス化される。一部の態様では、図1に示している実行形態は「透過的アーキテクチャ(transparent architecture)」と称され、図3に示している実行形態は「再生アーキテクチャ(regenerative architecture)」と称される。例えば、衛星102がアナログRF信号を処理するよう設定される一方、衛星302は、RFエネルギーを、ネットワークパケットをカプセル化するデジタルモデムフレーム内に再生させるよう設定される。IPマルチメディアサブシステムサーバ134及び契約者データサーバ136は、オペレーションセンター330内に(例えば衛星302の外で)一体化される。特定の実行形態では、衛星302の構成要素に関連して説明した一又は複数の動作は、衛星302のプロセッサ380によって実施される。
【0073】
稼働中、システム300は、図1のシステム100に関連して説明したように、ユーザグループとサービスとの別々の対のためにエンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供する。しかし、図1のシステム100とは対照的に、モデム動作及び(例えば、RF信号に対応するデータパケットとネットワーク156を介して通信されるネットワークパケットとの間での)パケット変換動作は、衛星の構成要素によって実施される。例示すると、モデム動作及びパケット変換動作は、衛星302ののペイロード384の、第1モデムプール125、第2モデムプール127、及び第Nモデムプール129のうちの一又は複数と、ネットワークデバイス142とによって、それぞれ実施される。
【0074】
図4には、図1のシステム100を介して通信されるネットワークトラフィックの、第1の例を示すラダー図400が描かれている。特定の実行形態では、図4に示している動作は、第1デバイス172、第2デバイス174、システムフロントエンド402、第1モデム124、第2モデム126、ネットワークデバイス142、及び一又は複数のデバイス404によって実施される。(例えば図1に示している)特定の実行形態では、システムフロントエンド402は、衛星102、切替回路104、RFE106、ビーム形成ネットワーク108、又はこれらの組み合わせを指す。(例えば図2に示している)特定の実行形態では、システムフロントエンド402は、セルラーシステム202、RFE106、切替回路204、ビーム形成ネットワーク206、又はこれらの組み合わせを指す。(例えば図3に示している)特定の実行形態では、システムフロントエンド402は、切替回路104、RFE106、ビーム形成ネットワーク108、又はこれらの組み合わせを指す。
【0075】
図4に描かれているように、第1デバイス172は、基地局118(又は衛星302)及びネットワークデバイス142との第1関連付け動作(複数可)410を実施して、図1のシステム100、図2のシステム200、又は図3のシステム300に関連付ける。第1関連付け動作(複数可)410は、無線リンク結合動作、ネットワーク登録動作、IMS登録動作、又はこれらの組み合わせを含みうる。
【0076】
特定の実行形態では、第1デバイス172は、第1サービス160に関連付けられ(例えば、第1デバイス172が第1ユーザグループの第1サービス160を契約し)、一又は複数の無線通信標準(第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)標準など)にしたがって、一又は複数の無線リンク結合動作を実施する。例示すると、第1デバイス172は、利用可能な事業者周波数と同期し、マスタ情報ブロック(MIB)データ及びシステム情報ブロック(SIB)データを受信する。MIBデータ及びSIBデータは、システム100(又はシステム200)に関連付けられた利用可能な事業者と、システム100(又はに関連する200)に接続するために使用される情報とを示す。第1デバイス172は、ネットワークに結合するためのランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャを開始する。第1デバイス172及び基地局118(又は衛星302)は、RACHプロシージャの一部として、第1デバイス172と第1モデム124との間のMACレイヤ接続の確立をもたらす、ハンドシェイクプロシージャを実施する。
【0077】
特定の実行形態では、第1デバイス172は、一又は複数の無線リンク結合動作の後に、一又は複数のネットワーク登録動作を実施する。一部の実行形態では、一又は複数のネットワーク登録動作は、一又は複数の無線標準(3GPP標準など)にしたがう。例示すると、第1デバイス172は、第1デバイス172及びネットワークのアイデンティティをそれぞれ検証し、認証するために、MME(例えばネットワークデバイス142)とのハンドシェイクプロシージャを開始するMMEは、ハンドシェイクプロシージャにおいて、第1デバイス172がネットワークにアクセスするよう認証されていることを検証するために、機器識別登録(EIR)と連携する。MME及びEIRは、ハンドシェイクプロシージャを実施するための、各ユーザグループ及び各サービスに関するデータを、記憶し、維持する。MMRは、(例えば、進化型パケットコア(EPC)ネットワークといったコアネットワーク130との)セッションを割り当て、かつ第1デバイス172との間の初期進化型パケットシステム(EPS)ベアラを確立させることになる、SGW、PGW、及び基地局118(又は衛星302)との第2ハンドシェイクプロシージャを管理する。ネットワークデバイス142(MME、SGW、PGWなど)及び基地局118(又は衛星302)は、各ユーザグループ及び各サービスに関連付けられたデータを記憶し、マルチVRF RIBデータ及びキュー構造をサポートするよう設定される。ネットワークデバイス142(MME、SGW、及びPGWなど)は、第1サービス160が第1デバイス172によって要求されることに応じて、更なるEPSベアラを創出しうる。第1デバイス172は、一又は複数の無線結合動作及び一又は複数のネットワーク登録動作が完了すると、システム100(又はシステム200)を介してデータを送受信することが可能になる。
【0078】
特定の実行形態では、第1デバイス172は、一又は複数のネットワーク登録動作を完了した後に、一又は複数のIMS登録動作を実施する。例示すると、第1デバイス172は、図1図2、又は図3のIPマルチメディアサブシステムサーバ134にセッション開始プロトコル(SIP)登録メッセージを送信することによって、IMS登録プロシージャを開始する。IPマルチメディアサブシステムサーバ134のプロキシコール設定制御機能(P-CSCF)は、SIP登録メッセージを受信し、かつ、P-CSCFと、IPマルチメディアサブシステムサーバ134の問い合わせCSCF(I-CSCF)と、IPマルチメディアサブシステムサーバ134のサービングCSCF(S-CSCF)との間で、IMSベースのサービスにアクセスするための第1デバイス172の認証を検証するハンドシェイクプロシージャを始動させる。S-CSCFは、電話アプリケーションサーバ(TAS)とのハンドシェイクプロシージャも実施して、TASが、第1デバイス172に関連付けられたボイスオーバーロングタームエボリューション(VoLTE)データを求めてホーム契約者サーバデータベースを検索することを可能にする。第1デバイス172、P-CSCF、及びTASは次いで、第1デバイス172に関連付けられた登録状況の将来の変化を認知するために、ハンドシェイクプロシージャに参加して、登録イベントパッケージに加入する。第2デバイス174は、第1関連付け動作(複数可)410と同様に(ただしを第2デバイス174は第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられることを除く)、基地局118(又は衛星302)及びネットワークデバイス142との第2関連付け動作(複数可)412を実施する。上述した関連付け動作は、例示的なものであって、限定的ではない。他の実行形態では、一又は複数の他の関連付け動作が実施されるか、上述した関連付け動作のうちの一又は複数は実施されないか、又はその両方である。
【0079】
第1デバイス172は、第1関連付け動作(複数可)410が実施された後に、システムフロントエンドに第1RF信号414を送る。システムフロントエンドは、第1RF信号414を受信し、この第1RF信号414を基地局118(又は衛星302のペイロード384)に送る前に、初期処理(例えば増幅、フィルタリング、ノイズ低減など)を実施する。第1モデム124は、第1RF信号414を受信し、第1データパケット416を生成する。第1データパケットは、第1データ420(例えば、第1RF信号414によって示されるデータ)と、第1識別子422とを含む。特定の実行形態では、第1識別子422はラベルを含むか、又はラベルに対応する。ラベルは、切替タグ(仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)タグ又は802.1Qタグとも称される)と、VRFインスタンス識別子と、オープン最短パスファースト(OSPF)プロセス識別子(PID)とを含む。
【0080】
第1データパケット416は、第1モデム124からネットワークデバイス142に送られる。ネットワークデバイス142は、第1データパケット416を受信し、第1データパケット416に基づいて第1パケット418を生成する。第1パケット418は、第1データ420と、第1インジケータ424とを含む。特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、VRFインスタンス毎のRIBデータに行われた変更があればそれを、複合RIBデータ148(例えばバックボーンRIB又はグローバルVRFインスタンスRIBとも称される)内に再現するよう設定される。例示すると、複合RIBデータ148は、第1VRFインスタンスRIBデータ150の更新に基づいて更新される。加えて、第1識別子422が第1データ420から引き離され、第1パケット418には第1インジケータ424が含まれる。第1インジケータ424(例えば「VRF毎識別子(per-VRF identifier)」)は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンスを示す。特定の実行形態では、第1インジケータ424は第1パケット418のヘッダに含まれる。一部の実行形態では、第1インジケータ424は、第1パケット418のヘッダのソースアドレス又はソースポート番号によって示される。第1パケット418は、生成された後に、図1若しくは図2のコアネットワーク130及びネットワーク156を介して、又は図3のネットワーク156を介して、一又は複数のデバイス404に送られる。
【0081】
第2デバイス174は、第2関連付け動作(複数可)412が実施された後に、システムフロントエンドに第2RF信号430を送る。システムフロントエンドは、第2RF信号430を受信し、この第2RF信号430を基地局118(又は衛星302のペイロード384)に送る前に、初期処理(例えば増幅、フィルタリング、ノイズ低減など)を実施する。第2モデム126は、第2RF信号430を受信し、第2データパケット432を生成する。第2データパケットは、第2データ440(例えば、第2RF信号430によって示されるデータ)と、第2識別子442とを含む。特定の実行形態では、第2識別子442はラベルを含むか、又はラベルに対応する。ラベルは、切替タグと、VRFインスタンス識別子と、OSPF PIDとを含む。
【0082】
第2データパケット432は、第2モデム126からネットワークデバイス142に送られる。ネットワークデバイス142は、第2データパケット432を受信し、第2データパケット432に基づいて第2パケット434を生成する。第2パケット434は、第2データ440と第2インジケータ444とを含む。特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、VRFインスタンス毎のRIBデータに行われた変更があればそれを、複合RIBデータ148内に再現するよう設定される。例示すると、複合RIBデータ148は、第2VRFインスタンスRIBデータ152の更新に基づいて更新される。加えて、第2識別子442は第2データ440から引き離され、第2パケット434には第2インジケータ444が含まれる。第2インジケータ444は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンスを示す。特定の実行形態では、第2インジケータ444は第2パケット434のヘッダに含まれる。一部の実行形態では、第2インジケータ444は、第2パケット434のヘッダのソースアドレス又はソースポート番号によって示される。第2パケット434は、生成された後に、図1若しくは図2のコアネットワーク130及びネットワーク156を介して、又は図3のネットワーク156を介して、一又は複数のデバイス404に送られる。
【0083】
図5には、図1のシステム100、図2のシステム200、又は図3のシステム300を介して通信されるネットワークトラフィックの、第2の例を示すラダー図500が描かれている。特定の実行形態では、図5に示している動作は、第1デバイス172、第2デバイス174、システムフロントエンド402、第1モデム124、第2モデム126、ネットワークデバイス142、及び一又は複数のデバイス404によって実施される。
【0084】
図5に描かれているように、ネットワークデバイス142は、一又は複数のデバイス404から第3パケット502を受信する。第3パケットは、第3データ510と第1インジケータ424とを含む。第1インジケータ424は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンスを示す。特定の実行形態では、第1インジケータ424は第3パケット502のヘッダに含まれる。一部の実行形態では、第1インジケータ424は、第3パケット502のヘッダのソースアドレス又はソースポート番号によって示される。特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、第3パケット502に基づいて複合RIBデータ148を更新し、複合RIBデータ148に変更が行われれば、その変更を対応するVRFインスタンス毎のRIBデータに再現するよう設定される。例示すると、第1VRFインスタンスRIBデータ150は、複合RIBデータ148の更新に基づいて更新される。
【0085】
ネットワークデバイス142は、第3パケット502を受信し、第3パケット502に基づいて第3データパケット504を生成する。第3データパケット504は、第3データ510と第1識別子422とを含む。特定の実行形態では、第1識別子422はラベルを含むか、又はラベルに対応する。ラベルは、切替タグ(VLANタグ又は802.1Qタグとも称される)と、VRFインスタンス識別子と、OSPF PIDとを含む。例示すると、第1インジケータ424が第3パケット502から引き離され、第3データ510は、第1識別子422と共に第3データパケット504内にカプセル化される。
【0086】
第1モデム124は、第3データパケット504を受信し、第3データ510を変調させて第3RF信号506を生成する。例えば、第3データパケット504は、(第1サービス160及び第1ユーザグループに対応する)第1VRFインスタンスを識別する第1識別子422に基づいて、第1モデム124(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられている第1モデムプール125のモデム)において受信され、処理される。第3RF信号506は、第3データ510を表わすものであり、(例えばRFE106によって)更に処理され、かつ第1デバイス172に送信されるために、システムフロントエンド402によって提供される。特定の実行形態では、第3RF信号506は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられているRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)に対応する。
【0087】
ネットワークデバイス142は、一又は複数のデバイス404から第4パケット520も受信する。第4パケットは、第4データ540と第2インジケータ444とを含む。第2インジケータ444は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンスを示す。特定の実行形態では、第2インジケータ444は第4パケット520のヘッダに含まれる。一部の実行形態では、第2インジケータ444は、第4パケット520のヘッダのソースアドレス又はソースポート番号によって示される。特定の実行形態では、ネットワークデバイス142は、第4パケット520に基づいて複合RIBデータ148を更新し、複合RIBデータ148に変更が行われれば、その変更を対応するVRFインスタンス毎のRIBデータに再現するよう設定される。例示すると、第2VRFインスタンスRIBデータ152は、複合RIBデータ148の更新に基づいて更新される。
【0088】
ネットワークデバイス142は、第4パケット520を受信し、第4パケット520に基づいて第4データパケット522を生成する。第4データパケット522は、第4データ540と第2識別子442とを含む。特定の実行形態では、第2識別子442はラベルを含むか、又はラベルに対応する。ラベルは、切替タグ(VLANタグ又は802.1Qタグとも称される)と、VRFインスタンス識別子と、OSPF PIDとを含む。例示すると、第2インジケータ444が第4パケット520から引き離され、第4データ540は、第2識別子442と共に第4データパケット522内にカプセル化される。
【0089】
第2モデム126は、第4データパケット522を受信し、第4データ540を変調させて第4RF信号524を生成する。例えば、第4データパケット522は、(第2サービス164及び第2ユーザグループに対応する)第2VRFインスタンスを識別する第2識別子442に基づいて、第2モデム126(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている第2モデムプール127のモデム)において受信され、処理される。第4RF信号524は、第4データ540を表わすものであり、(例えばRFE106によって)更に処理され、かつ第2デバイス174に送信されるために、システムフロントエンド402によって提供される。特定の実行形態では、第4RF信号524は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられているRFチャネル(又は周波数スペクトルの他の部分)に対応する。
【0090】
図6は、デバイスに関連付けられたユーザグループ及びサービスに基づいてデバイスから受信されたネットワークトラフィックを処理する、方法600を示している。特定の実行形態では、方法600は、非限定的な例としては、図1のシステム100、図2のシステム200、又は図3のシステム300によって実施される。方法600は、便宜上、特定のサービス(例えば第1サービス160)及び特定のユーザグループ(例えば第1ユーザグループ)に関連して説明されるが、かかる説明は非限定的なものである。
【0091】
方法600は、ユーザグループ及びサービスに関連付けられた契約者デバイス(UEや無線通信端末など)が、ネットワークとのセッションを確立するためにネットワークデバイスとの関連付けを実施した後に、602で、ユーザグループ及びサービスに関連付けられた契約者デバイスにとってアクセス可能な特定のRFチャネルを介して、契約者デバイスからRF信号を受信することを含む。特定の例としては、第1デバイス172がネットワークデバイス142との関連付けを実施した後に、衛星102(又は衛星302)が、第1サービス160及び第1ユーザグループ(例えば第1MVNO)に関連付けられたRFチャネルを介して、第1デバイス172からRF信号を受信する。
【0092】
方法600は、604で、RFEにおいてRF信号にフロントエンド処理を実施することを含む。特定の例としては、RF信号が、第2RF信号(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられている第2RFチャネルに対応するRF信号)を生成するために使用され、第2RF信号はRFE106に送信される。RFE106は、第2RF信号にフロントエンド処理(例えば増幅やノイズ低減など)を実施する。
【0093】
方法600は、606で、契約者デバイスのかかるユーザグループ及びサービスとの関連付けに基づいて、RF信号を処理してデータとユーザグループ及びサービスに関連付けられた第1VRFインスタンスの識別子とを含むデータパケットを生成するために、第1モデムプールの第1モデムを割り当てることを含む。特定の例としては、基地局118(又は衛星302)が、第2RF信号の第1サービス160及び第1ユーザグループとの関連付け(第2RF信号が第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられている第2RFチャネルに対応していることによって示される)に基づいて、第2RF信号を処理するために、第1モデムプール125の第1モデム124を割り当てる。第1モデム124は、第2RF信号に割り当てられた後に、第1データと、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた第1VRFイ識別子とを含む、第1データパケッンスタンスを識別する第1VRFインスタンストを生成する。
【0094】
方法600は、608で、ネットワークデバイスにおいてパケットを生成することを含む。パケットは、データと、複合RIBデータに基づくVRFインスタンスのインジケータを含むヘッダとを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、第1データと、複合RIBデータ148に基づいて第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられた第1VRFインスタンスのインジケータ(例えば、非限定的な例としてはラベル又は5タプル)とを含む、第1パケットを生成する。方法600は、610で、データパケットに基づいてVRFインスタンスに関連付けられたRIBデータを更新することと、612で、VRFインスタンスに関連付けられたRIBデータに基づいて複合RIBデータを更新することとを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、パケットを生成する前に、第1データパケットに基づいて第1VRFインスタンスRIBデータ150を更新し、第1VRFインスタンスRIBデータ150の更新(又は、他のVRFごとに特定のRIBデータのうちのいずれかの更新)に基づいて、複合RIBデータ148を更新する。
【0095】
方法600は、614で、パケットに基づいて、第1VRFインスタンスに関連付けられた契約者情報を更新することを含む。特定の例としては、契約者データサーバ136が、第1パケットに基づいて、第1契約者データ138(例えば、第1サービス160及び第1ユーザグループに対応するVRFインスタンスに関連付けられた契約者データ)を更新する。
【0096】
方法600は、616で、ネットワークを介して、デバイスにパケットを送信することを更に含む。特定の例としては、第1パケットは、第1ルートを介して、コアネットワーク130か、ネットワーク156か、又はその両方を進み、宛先デバイスに至る。第1ルートは、第1VRFインスタンスRIBデータ150によって示されるものであり、他のVRFインスタンス(及びユーザグループとサービスとの他の対)に関連付けられたパケットが進むルートとは異なりうる。
【0097】
方法600は、別々のRFチャネル(例えば、周波数スペクトルの別々の部分)を介して、ユーザグループとサービスとの別々の対に関するRF信号を通信すること、及び、ユーザグループとサービスとの別々の対のために別々のVRFインスタンスを維持することによって、ユーザグループとサービスとの別々の対にエンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供する。エンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供することで、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたデータが、ユーザグループとサービスとの異なる対の契約者にとってアクセス可能になる可能性が低減する。
【0098】
図7は、デバイスに関連付けられたユーザグループ及びサービスに基づいてデバイスに送信されるべきトラフィックを処理する、方法700を示している。特定の実行形態では、方法700は、非限定的な例としては、図1のシステム100、図2のシステム200、又は図3のシステム300によって実施される。一部の実行形態では、方法700は、図6の方法600が実施された後、又は図6の方法600が実施される前に、実施される。方法700は、便宜上、特定のサービス(例えば第2サービス164)及び特定のユーザグループ(例えば第2ユーザグループ)に関連して説明されるが、かかる説明は非限定的なものである。
【0099】
方法700は、702で、ネットワークデバイスにおいて、ネットワークを介して別のデバイスからパケットを受信することを含む。パケットは、データと、ユーザグループ及びサービスに関連付けられたVRFインスタンスのインジケータを含むヘッダとを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、ネットワーク156か、コアネットワーク130か、又はその両方を介して、デバイスから第2パケットを受信する。第2パケットは、第2データと、第2サービス164及び第2ユーザグループ(例えば第2MVNO)に関連付けられた第2VRFインスタンスの第2インジケータを示す第2ヘッダとを含む。
【0100】
方法700は、704で、パケットに基づいて、VRFインスタンスに関連付けられた契約者情報を更新することを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142が第2パケットを受信する前に、契約者データサーバ136が、第2パケットを受信し、この第2パケットに基づいて第2契約者データ140を更新する。
【0101】
方法700は、706で、VRFインスタンスに関連付けられたRIBデータに基づいて、データとVRFインスタンスの識別子とを含むデータパケットを生成することを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、第2VRFインスタンスRIBデータ152に基づいて、第2データと第2VRF識別子とを含む第2データパケットを生成する。方法700は、708で、パケットに基づいて複合RIBデータを更新することを含み、710で、複合RIBデータに基づいてVRFインスタンスに関連付けられたRIBデータを更新することを含む。特定の例としては、ネットワークデバイス142は、第2データパケットを生成する前に、第2パケットに基づいて複合RIBデータ148を更新し、複合RIBデータ148の更新に基づいて第2VRFインスタンスRIBデータ152を更新する。
【0102】
方法700は、712で、VRFインスタンス識別子に基づいて、ネットワークデバイスから第1モデムプールのモデムに、データパケットを送信することを含む。データパケットは、データとVRFインスタンス識別子とを含む。例示すると、基地局118(又は衛星302)は、第2VRFインスタンス(例えば、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられたVRFインスタンス)に対応する第2VRFインスタンス識別子を含む第2データパケットに基づいて、第2データパケットを処理するために、(第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている第2モデムプール127の)第2モデム126を割り当てる。
【0103】
方法700は、714で、モデムにおいて、データパケットに基づいてRF信号を生成することを含む。特定の例としては、第2モデム126は、第2データパケットに基づいて第2RF信号を生成し、この第2RF信号を、フロントエンド処理(例えば増幅やフィルタリングなど)のためにRFE106に提供する。特定の実行形態では、第2モデム126は、第2RF信号と、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている特定の論理インターフェースとを関連付ける(又は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている特定のポートにRF信号を送る)。
【0104】
方法700は、716で、ユーザグループ及びサービスに関連付けられている契約者デバイスに、特定のRFチャネルを介してRF信号を送信することを更に含む。特定の例としては、衛星102(又は衛星302のペイロード384)は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている特定のRFチャネルを介して、RFE106から第2RF信号を受信する。衛星102(又は衛星302)は、第2RF信号が第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられていることに基づいて、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられ、かつデバイスと衛星102(又は衛星302)との間の通信のために指定された第2RFチャネルに対応する、第3RF信号を生成する。特定の実行形態では、衛星102(又は衛星302)は、第2RFチャネルを介して、第2デバイス174に第3RF信号を送信する。
【0105】
方法700は、別々のRFチャネル(例えば、周波数スペクトルの別々の部分)を介してサービスとユーザグループとの別々の対に関するRF信号を通信すること、及び、ユーザグループとサービスとの別々の対のために別々のVRFインスタンスを維持することによって、ユーザグループとサービスとの別々の対にエンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供する。エンドツーエンドのネットワークトラフィック分離を提供することで、ユーザグループとサービスとの特定の対に関連付けられたデータが、ユーザグループとサービスとの異なる対の契約者にとってアクセス可能になる可能性が低減する。
【0106】
図8は、ユーザグループとサービスとの別々の対に対応する別々のVRFインスタンスに関連付けられたネットワークトラフィックを処理する、方法800を示している。特定の実行形態では、方法800は、非限定的な例としては、図1のシステム100、図2のシステム200、又は図3のシステム300によって(例えばネットワークデバイス142によって)、実施される。
【0107】
方法800は、802で、ネットワークデバイスにおいて、第1モデムプールの第1モデムから第1データパケットを受信することを含む。例えば、ネットワークデバイス142は、図4に関連して説明したように、第1モデムプール125の第1モデム124から第1データパケット416を受信する。第1データパケット416は、第1データ420と第1識別子422(例えば第1VRFインスタンス識別子)とを含む。
【0108】
方法800は、804で、ネットワークを介して、ネットワークデバイスから第1デバイスに第1パケットを送信することを含む。例えば、ネットワークデバイス142は、図4に関連して説明したように、コアネットワーク130か、ネットワーク156か、又はその両方を介して、第1デバイス172に第1パケット418を送信する。第1パケット418は、第1データ420と、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1インジケータ424を含む第1ヘッダとを含む。第1識別子422(例えば第1VRFインスタンス識別子)は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられる。第1識別子422(例えば第1VRFインスタンス識別子)は、第1サービス160及び第1ユーザグループに関連付けられている第1VRFインスタンスに対応する(例えば、第1VRFインスタンスを識別する)。
【0109】
方法800は、806で、ネットワークデバイスにおいて、第2モデムプールの第2モデムから第2データパケットを受信することを含む。例えば、ネットワークデバイス142は、図4に関連して説明したように、第2モデムプール127の第2モデム126から第2データパケット432を受信する。第2データパケット432は、第2データ440と第2識別子442(例えば第2VRFインスタンス識別子)とを含む。
【0110】
方法800は、808で、ネットワークを介して、ネットワークデバイスから第2デバイスに第2パケットを送信することとを更に含む。例えば、ネットワークデバイス142は、図4に関連して説明したように、コアネットワーク130か、ネットワーク156か、又はその両方を介して、第2パケット434を送信する。第2パケット434は、第2データ440と、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2インジケータ444を含む第2ヘッダとを含む。第2識別子442(例えば第2VRFインスタンス識別子)は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられる。第2識別子442(例えば第2VRFインスタンス識別子)は、第2サービス164及び第2ユーザグループに関連付けられている第2VRFインスタンスに対応する(例えば、第2VRFインスタンスを識別する)。
【0111】
特定の実行形態では、方法800は、第1データパケット416に基づいて、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1RIBデータ(例えば第1VRFインスタンスRIBデータ150)を生成することと、第2データパケッ432に基づいて、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2RIBデータ(例えば第2VRFインスタンスRIBデータ152)を生成することとを、更に含む。一部の実行形態では、方法800は、第1VRFインスタンスRIBデータ150及び第2VRFインスタンスRIBデータ152に基づいて、複合RIBデータ148(例えばバックボーンRIBデータ)を生成することを更に含む。一部の実行形態では、第1ヘッダ及び第2ヘッダは、複合RIBデータに基づいて生成される。
【0112】
別の特定の実行形態では、方法800は、第1VRFインスタンスに関連付けられたデータを、第2VRFインスタンスに関連付けられたデータとは異なるヘッダを使用してカプセル化することによって、第2VRFインスタンスに関連付けられたデータを、第1VRFインスタンスに関連付けられたデータから論理的に分離させることを更に含む。特定の例としては、基地局118(又は衛星302)によって生成された、別々のVRFインスタンスに関連付けられた複数のデータパケットは、別々のVRFインスタンス識別子(例えば、図4の第1識別子422と第2識別子442)を含み、ネットワークデバイス142によって生成された、別々のVRFインスタンスに関連付けられた複数のパケットは、別々のインジケータ(例えば、図4の第1インジケータ424と第2インジケータ444)を含むヘッダを含む。
【0113】
別の特定の実行形態では、方法800は、第1パケット418に基づいて、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1契約者情報(例えば第1契約者データ138)を更新することと、第2パケット434に基づいて、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2契約者情報(例えば第2契約者データ140)を更新することとを、更に含む。
【0114】
図1から図8のうちの一又は複数は、本開示の教示によるシステム、装置、及び/又は方法を示しうるが、本開示は、これらの図示されたシステム、装置、及び/又は方法に限定されるわけではない。本書で図示又は説明している、図1から図8のいずれかの、一又は複数の機能又は構成要素は、図1から図8のうちの別のものの、一又は複数の他の部分と組み合わされうる。例えば、図6の方法600の要素のうちの一又は複数、図7の方法700の要素のうちの一又は複数、図8の方法800の要素のうちの一又は複数、又はこれらの組み合わせが、本書に記載の他の工程と組み合わされて、実施されうる。したがって、本書に記載のどの単一の実行形態も、限定的なものであると解釈すべきではなく、本開示の教示から逸脱しなければ、本開示の実行形態同士が好適に組み合わされうる。一例としては、図6から図8に関連して説明している一又は複数の動作は、オプションであってもよく、少なくとも部分的に同時に実施されてもよく、かつ/又は、図示又は説明されている順序とは異なる順序で実施されてもよい。
【0115】
更に、本開示は以下の条項による実施形態を含む。
【0116】
条項1.サービス及びユーザグループに基づく通信のためのシステムであって、複数のモデムプールに対応する複数のモデムを備え、複数のモデムが、第1無線周波数(RF)信号に基づいて第1データパケットを生成するよう設定された、第1モデムプールに対応する第1モデムであって、第1データパケットが第1データと第1仮想ルーティング転送(VRF)インスタンス識別子とを含む、第1モデム、及び第2RF信号に基づいて第2データパケットを生成するよう設定された、第2モデムプールに対応する第2モデムであって、第2データパケットが第2データと第2VRFインスタンス識別子とを含む、第2モデムを備え、システムが更に、複数のモデムと通信するネットワークデバイスを備え、ネットワークデバイスは、第1データパケットを受信し、ネットワークを介して第1デバイスに第1パケットを送信するよう設定され、第1パケットは、第1データと、第1インジケータを含む第1ヘッダとを含み、第1インジケータは、第1VRFインスタンス識別子に対応する第1VRFインスタンスに関連付けられ、第1VRFインスタンス識別子は、第1サービスか、第1ユーザグループか、又はその両方に関連付けられ、ネットワークデバイスは更に、第2データパケットを受信し、ネットワークを介して第2デバイスに第2パケットを送信するよう設定され、第2パケットは、第2データと、第2インジケータを含む第2ヘッダとを含み、第2インジケータは、第2VRFインスタンス識別子に対応する第2VRFインスタンスに関連付けられ、第2VRFインスタンス識別子は、第2サービスか、第2ユーザグループか、又はその両方に関連付けられる、
システム。
【0117】
条項2.第1サービスが、第1世代(1G)セルラー通信、第2世代(2G)セルラー通信、第3世代(3G)セルラー通信、第4世代(4G)セルラー通信、第5世代(5G)セルラー通信、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、インターネットオブシングス(IoT)通信、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMax)通信、米国電気電子学会(IEEE)802.11x通信、Wi-Fi通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星(DVB-S)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星-第2世代(DVB-S2)通信、DVB-S2拡張(DVB-S2X)通信、デジタルビデオブロードキャスティング-衛星経由戻りチャネル(DVB-RCS)通信、第2世代DVB双方向衛星システム(DVB-RCS2)通信、又はプロプライエタリガバメントシステム通信のうちの、少なくとも1つを含む、条項1に記載のシステム。
【0118】
条項3.ネットワークデバイスは、ネットワークを介して、第1デバイスから第3パケットを受信することであって、第3パケットは、第3データと、第3インジケータを含む第3ヘッダとを含み、第3インジケータは第1VRFインスタンスに関連付けられている、第3パケットを受信することと、第1モデムに第3データパケットを送信することであって、第3データパケットは、第3データと第1VRFインスタンス識別子とを含む、第3データパケットを送信することとを行うよう、更に設定される、条項1に記載のシステム。
【0119】
条項4.第1ユーザグループ及び第1サービスに関連付けられたビーム形成重量の第1セットに基づいて第3RF信号を調整するよう設定された、ビーム形成ネットワークを更に備え、第1ユーザグループ及び第1サービスは第1VRFインスタンスに対応し、第3RF信号は第3データパケットに基づいて生成される、条項3に記載のシステム。
【0120】
条項5.第3RF信号を送信するよう設定された無線周波数機器(RFE)を更に備え、第3RF信号は、第1モデムにおいてネットワークデバイスから受信された第3データパケットに基づき、第3データパケットは第1VRFインスタンス識別子を含む、条項1に記載のシステム。
【0121】
条項6.RF信号の複数のセットを生成するよう設定された切替回路を更に備え、RF信号の各セットは、RFスペクトルの対応する部分に関連付けられ、RF信号の複数のセットは、RFスペクトルのユーザグループ及びサービスに関連付けられている特定の部分に関連付けられた、少なくとも1つのRF信号を含む、条項5に記載のシステム。
【0122】
条項7.第1の場所において重複パターンでRF信号の複数のセットをデプロイするよう設定された、セルラーシステムを更に備え、RFスペクトルの特定の部分は、第1の場所の、ユーザグループ及びサービスに関連付けられたデバイスによってアクセス可能であり、このユーザグループ及びこのサービスに関連付けられていないデバイスによってはアクセス不能である、条項6に記載のシステム。
【0123】
条項8.セルラーシステムが、衛星ベースのセルラーシステム又は地上ベースのセルラーシステムを含む、条項7に記載のシステム。
【0124】
条項9.ユーザグループが第1仮想移動体通信事業者(MVNO)を含み、複数のモデム及びネットワークデバイスは、第1MVNO及びサービスに関連付けられたトラフィックを、第2MVNO及び別のサービスに関連付けられたトラフィックから論理的に分離させるよう設定される、条項6に記載のシステム。
【0125】
条項10.複数のモデムプールは複数のVRFインスタンス識別子に関連付けられ、複数のモデムプールの各モデムは、対応するVRFインスタンス識別子に関連付けられたトラフィックを処理するよう設定され、対応するVRFインスタンス識別子は、サービスか、ユーザグループか、又はその両方に関連付けられる、条項1に記載のシステム。
【0126】
条項11.第1モデムは、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1暗号化に基づいて第1データパケットを暗号化するよう更に設定され、第2モデムは、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2暗号化に基づいて第2データパケットを暗号化するよう更に設定される、条項1に記載のシステム。
【0127】
条項12.一又は複数のアンテナを備えるペイロードと、少なくとも1つの無線周波数(RF)チャネルの、別のRFチャネルに対するマッピングを示す、チャネルマッピングデータを記憶するよう設定されたメモリと、チャネルマッピングデータ、第1デバイスに関連付けられた第1サービス、及び第1デバイスに関連付けられた第1ユーザグループに基づく、一又は複数のアンテナから第1デバイスへの第2RF信号の送信を開始するよう設定されたプロセッサとを備える、衛星であって、第2RF信号は、一又は複数のアンテナにおいて無線周波数機器(RFE)から受信された第1RF信号に基づき、第1RF信号は第1RFチャネルに対応し、第2RF信号は、第1RFチャネルとは異なる第2RFチャネルに対応する、
衛星。
【0128】
条項13.プロセッサは、チャネルマッピングデータ、第2デバイスに関連付けられた第2サービス、及び第2デバイスに関連付けられた第2ユーザグループに基づく、一又は複数のアンテナから第2デバイスへの第4RF信号の送信を開始するよう更に設定され、第4RF信号は、一又は複数のアンテナにおいてRFEから受信された第3RF信号に基づき、第3RF信号は、第1RFチャネルとは異なる第3RFチャネルに対応し、第4RF信号は、第3RFチャネル及び第2RFチャネルとは異なる、第4RFチャネルに対応する、条項12に記載の衛星。
【0129】
条項14.一又は複数のアンテナは、同じ場所において、第2RF信号と第4RF信号の送信を重複させるよう設定される、条項13に記載の衛星。
【0130】
条項15.メモリに記憶されたビーム形成データ及び第1RF信号に基づいて、第2RF信号を調整するよう設定されたビーム形成ネットワークを更に備え、ビーム形成データは、一又は複数のユーザグループ及び一又は複数のサービスに関連付けられたビーム形成重量の一又は複数のセットを示す、条項12に記載の衛星。
【0131】
条項16.プロセッサは、チャネルマッピングデータ、第1サービス、及び第1ユーザグループに基づく、一又は複数のアンテナから第1デバイスへの第6RF信号の送信を開始するよう更に設定され、第6RFチャネルは、一又は複数のアンテナにおいてRFEから受信された第5RF信号に基づき、第5RF信号は第1RFチャネルに対応し、第6RF信号は第2RFチャネルに対応する、条項12に記載の衛星。
【0132】
条項17.ネットワークデバイスにおいて、第1モデムプールの第1モデムから第1データパケットを受信することであって、第1データパケットは、第1データと、第1仮想ルーティング転送(VRF)インスタンス識別子とを含む、第1データパケットを受信することと、ネットワークデバイスからネットワークを介して第1デバイスに、第1パケットを送信することであって、第1パケットは、第1データと、第1インジケータを含む第1ヘッダとを含み、第1インジケータは第1VRFインスタンスに関連付けられ、第1VRFインスタンス識別子は、第1サービス及び第1ユーザグループに関連付けられる、第1パケットを送信することと、ネットワークデバイスにおいて、第2モデムプールの第2モデムから第2データパケットを受信することであって、第2データパケットは、第2データと、第2VRFインスタンス識別子とを含む、第2データパケットを受信することと、ネットワークデバイスからネットワークを介して第2デバイスに、第2パケットを送信することであって、第2パケットは、第2データと、第2インジケータを含む第2ヘッダとを含み、第2インジケータは第2VRFインスタンスに関連付けられ、第2VRFインスタンス識別子は、第2サービス及び第2ユーザグループに関連付けられる、第2パケットを送信することとを含む、
方法。
【0133】
条項18.第1モデムプール、第2モデムプール、第1VRFインスタンス、及び第2VRFインスタンスの各々は、衛星のペイロードにおいてインスタンス化される、条項17に記載の方法。
【0134】
条項19.第1モデムプール、第2モデムプール、第1VRFインスタンス、及び第2VRFインスタンスの各々は、一又は複数の地上構成要素においてインスタンス化される、条項17に記載の方法。
【0135】
条項20.第1データパケットに基づいて、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1ルーティング情報ベース(RIB)データを生成することと、第2データパケットに基づいて、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2RIBデータを生成することとを更に含む、条項17に記載の方法。
【0136】
条項21.第1RIBデータ及び第2RIBデータに基づいて、複合RIBデータを生成することを更に含み、複合RIBデータに基づいて第1ヘッダ及び第2ヘッダが生成される、条項20に記載の方法。
【0137】
条項22.第1VRFインスタンスに関連付けられたデータを、第2VRFインスタンスに関連付けられたデータとは異なるヘッダを使用してカプセル化することによって、第2VRFインスタンスに関連付けられたデータを、第1VRFインスタンスに関連付けられたデータから論理的に分離させることを更に含む、条項17に記載の方法。
【0138】
条項23.第1パケットに基づいて、第1VRFインスタンスに関連付けられた第1契約者情報を更新することと、第2パケットに基づいて、第2VRFインスタンスに関連付けられた第2契約者情報を更新することとを更に含む、条項17に記載の方法。
【0139】
本書に記載の例示は、様々な実行形態の構造の概略的な理解をもたらすためのものである。これらの例示は、本書に記載の構造又は方法を利用する装置及びシステムの、全ての要素及び特徴の網羅的な説明としての役割を果たすことを、意図するものではない。本開示を精査することで、当業者には、他の多くの実行形態が自明となりうる。他の実行形態が利用され、本開示から導かれうることにより、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行われうる。例えば、方法工程は図に示している順序とは異なる順序で実施されてよく、又は、一又は複数の方法工程は省略されることがある。したがって、本開示及び図面は、限定的というよりは、例示的なものと見なすべきである。
【0140】
更に、本書では具体例を図示し、説明してきたが、同じ又は類似の結果を実現するよう設計された後発の構成があれば、それは図示されている具体的な実行形態を置換しうることを、認識すべきである。この開示は、様々な実行形態のあらゆる後発の適合例も変形例も、対象とすることを意図している。本明細書を精査することで、当業者には、上記の実行形態の組み合わせ、及び本書では具体的に説明していない他の実行形態が自明となろう。
【0141】
本開示の「要約書」は、それが、特許請求の範囲又は意味を解釈するためにも、限定するためにも使用されないとの理解のもとに、提出されるものである。加えて、上記の「発明を実施するための形態」においては、本開示を分かりやすくする目的で、様々な特徴が、ひとまとめにグループ化されていることがあり、又は、単一の実行形態において説明されていることもある。上述した例は、本開示を例示しているが、本開示を限定するものではない。本開示の原理にしたがって多数の修正例及び変形例が実現可能であることも、理解すべきである。以下の特許請求の範囲に反映されているように、特許請求される主題は、開示されている例のいずれかの全ての特徴を対象としているわけではないこともある。したがって、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8