(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】店舗用サイネージシステム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09F 19/00 20060101AFI20241106BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20241106BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20241106BHJP
【FI】
G09F19/00 Z
G06Q30/02
H04N21/431
(21)【出願番号】P 2020146658
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000000147
【氏名又は名称】伊藤忠商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】中元 寛
(72)【発明者】
【氏名】国立 冬樹
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-022589(JP,A)
【文献】特開2019-192185(JP,A)
【文献】特開2016-173528(JP,A)
【文献】特開2013-140542(JP,A)
【文献】特許第6647612(JP,B1)
【文献】特開2012-098597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0282727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/00
G06Q 30/0241
H04N 21/431
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された情報管理サーバと、1以上の店舗内に設置され、前記ネットワークに接続された店舗端末及び/またはセットトップボックスと、前記店舗端末及び/またはセットトップボックスに接続されたディスプレイとを有するサイネージシステムであって、
前記情報管理サーバ、前記店舗端末、または、前記セットトップボックスの少なくともいずれか1つの装置において2種類以上のコンテンツが管理され、前記管理された2種類以上のコンテンツが前記店舗内に設置されたディスプレイに再生または表示されるものであって、
前記2種類以上のコンテンツには、番組カテゴリに属するコンテンツ(単独商品に関わる広告コンテンツ以外のもの)及び広告カテゴリに属するコンテンツが含まれ、前記番組カテゴリに属するコンテンツから選択された1以上のコンテンツ及び前記広告カテゴリに属するコンテンツから選択された1以上のコンテンツは、1組の組み合わせコンテンツを構成し、前記組み合わせコンテンツは、1つのロールの中で少なくとも3組以上連続して再生または表示される部分が含まれるように構成されており、
前記店舗内に設置されたディスプレイは、前記店舗のレジカウンターエリア内の少なくともディスプレイ設置有効高さ以上の位置に設置され、1以上の前記ロールを再生または表示する
ことを特徴とするサイネージシステム。
【請求項2】
前記コンテンツは2種類であり、前記ロールの時間長は60~900秒であり、前記ロール中に繰り返される1組のコンテンツ(尺)の時間長は20~200秒であり、前記2種類のコンテンツの比率は1:0.08~1:10である
ことを特徴とする請求項
1に記載のサイネージシステム。
【請求項3】
前記コンテンツは2種類であり、前記ロールの時間長は60~420秒であり、前記ロール中に繰り返される1組のコンテンツ(尺)の時間長は30~90秒であり、前記2種類のコンテンツの比率は1:0.5~1:5である
ことを特徴とする請求項
1に記載のサイネージシステム。
【請求項4】
前記コンテンツは2種類であり、前記ロールの時間長は270秒程度であり、前記ロール中に繰り返される1組のコンテンツ(尺)の時間長は30秒程度であり、前記2種類のコンテンツの比率は約1:1である
ことを特徴とする請求項
1に記載のサイネージシステム。
【請求項5】
前記2種類以上のコンテンツには、番組コンテンツ及び広告コンテンツが含まれることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記番組コンテンツと広告コンテンツとの間には関連性があることを特徴とする請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
ネットワークに接続された情報管理サーバと、1以上の店舗内に設置され、前記ネットワークに接続された店舗端末及び/またはセットトップボックスと、前記店舗端末及び/またはセットトップボックスに接続されたディスプレイとを有するサイネージシステム上で実行されるプログラムであって、前記システム上で実行されたとき、
前記情報管理サーバ、前記店舗端末、または、前記セットトップボックスの少なくともいずれか1つの装置に、2種類以上のコンテンツを管理させるステップと、
前記管理された2種類以上のコンテンツが前記店舗内に設置されたディスプレイに再生または表示されるように制御させるステップと
を実行するプログラムであって、
前記2種類以上のコンテンツには、番組カテゴリに属するコンテンツ(単独商品に関わる広告コンテンツ以外のもの)及び広告カテゴリに属するコンテンツが含まれ、前記番組カテゴリに属するコンテンツから選択された1以上のコンテンツ及び前記広告カテゴリに属するコンテンツから選択された1以上のコンテンツは、1組の組み合わせコンテンツを構成し、前記組み合わせコンテンツは、1つのロールの中で少なくとも3組以上連続して再生または表示される部分が含まれるように構成されており、
前記店舗内に設置されたディスプレイは、前記店舗のレジカウンターエリア内の少なくともディスプレイ設置有効高さ以上の位置に設置され、1以上の前記ロールを再生または表示する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記コンテンツは2種類であり、前記ロールの時間長は60~420秒であり、前記ロール中に繰り返される1組のコンテンツ(尺)の時間長は30~90秒であり、前記2種類のコンテンツの比率は1:0.5~1:5であり、
前記2種類以上のコンテンツには、番組コンテンツ及び広告コンテンツが含まれ、
前記番組コンテンツと広告コンテンツとの間には関連性がある
ことを特徴とする請求項
7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く店舗内に設置されるサイネージシステム等に関し、より詳細には、店舗のレジカウンターエリアに設置されるサイネージシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗内外にいわゆる電子看板(サイネージ)用ディプレイを設置して消費者へ向けた広告配信や情報発信等が行われている。
【0003】
例えば、店舗に陳列される商品の中から顧客が興味を持った商品について広告宣伝画像を表示することができる広告宣伝画像表示装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、店舗に設置され、該店舗に陳列された複数の商品から顧客が選択した商品の広告宣伝画像を表示するための広告宣伝画像装置であって、a)広告宣伝画像を表示する表示手段と、b)複数の商品の商品コードと対応付けて前記商品毎の広告宣伝画像データを記録したリムーバブルメディアを着脱可能であって、該リムーバブルメディアから該広告宣伝画像データを読み取る機能を有する広告宣伝画像データ読取手段と、c)前記商品コードを読み取る商品コード読取手段と、d)前記商品コード読取手段で読み取られた商品コードに対応付けられた広告宣伝画像データを前記リムーバブルメディアから取得するように前記広告宣伝画像データ読取手段を制御し、取得された広告宣伝画像データを用いて広告宣伝画像を表示させるように前記表示手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする広告宣伝画像表示装置が開示されている。
【0005】
また、効果的に、かつ、経済的な面にも配慮して多数の地域住民に情報を提供しあるいは逆に情報を求めたいというニーズに応えられる掲示板も提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、店内に設置された広告情報を入力するための広告主入力端末と、前記広告情報を表示する大型電子掲示板とを備えた大型電子掲示板システムであって、前記大型電子掲示板は、複数の表示エリアに区分されており、前記表示エリアの大きさに対応した特定の料金体系を有し、予約可能な表示エリアと時間帯及び期間を、前記広告主入力端末に表示する手段と、前記広告主入力端末から入力された広告に関する情報と前記料金体系に基づき、入力された広告に対する料金を演算し、前記広告主入力端末に表示する手段を備えたことを特徴とする大型電子掲示板システムが開示されている。
【0007】
また、消費者端末へ向けた情報提供技術に関するものであるが、各々の消費者が必要とする商品に関し、消費者が買い物を行う地域性を考慮した広告情報を各々の消費者端末に送信する商品サイネージシステム等も提案されている(特許文献3)。
【0008】
すなわち、特許文献3には、商品の消費者に管理される消費者端末と、当該消費者端末に商品に関する情報を提供する商品情報提供サーバとを備えた商品サイネージシステムであって、前記商品情報提供サーバは、前記消費者が購入した購入商品及び当該購入商品を購入した購入店舗に関する情報を取得する購入商品情報取得部と、前記購入店舗に近い地域にある店舗の商品情報、及び前記購入商品に関連する関連商品情報を含む広告情報を生成する広告情報生成部と、前記広告情報生成部にて生成した広告情報を前記消費者端末に送信する広告情報送信部とを備えたことを特徴とする商品サイネージシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2013-242419号公報
【文献】特開2000-250447号公報
【文献】特開2008-181275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の店舗内外におけるサイネージ広告や消費者端末へ向けた情報提供においては、視認性の低さや認知形成力の低さが課題となっており、加えて、店舗に来店する顧客(消費者)の生活行動や時々刻々と移り変わるニーズにきめ細かく応えていくといった点で、さらなる改善の余地があった。
【0011】
また、店舗にて商品を購入するときに立ち寄ることとなるレジカウンターエリアは、広告宣伝等を行う場所としては特に重要なエリアであり、このエリアにおける番組や広告等の効果的な情報提供技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムは、ネットワークに接続された情報管理サーバと、1以上の店舗内に設置され、前記ネットワークに接続された店舗端末及び/またはセットトップボックスと、前記店舗端末及び/またはセットトップボックスに接続されたディスプレイとを有するサイネージシステムであって、前記情報管理サーバ、前記店舗端末、または、前記セットトップボックスの少なくともいずれか1つの装置において2種類以上のコンテンツが管理され、前記管理された2種類以上のコンテンツが前記店舗内に設置されたディスプレイに再生または表示されるものであって、前記2種類以上のコンテンツは、1つのロールの中で少なくとも交互に3回以上繰り返し再生または表示されるように構成されており、前記店舗内に設置されたディスプレイは、前記店舗のレジカウンターエリア内の少なくともディスプレイ設置有効高さ以上の位置に設置されることを特徴とする。
【0013】
また、前記2種類以上のコンテンツには、番組コンテンツ及び広告コンテンツが含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態にかかるサイネージシステム等によれば、店舗に来店する顧客(消費者)の生活行動や時々刻々と移り変わるニーズにきめ細かく応えることができる、あるいは、番組や広告等の情報提供に際しての視認性や認知形成力を向上させることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムの全体構成例を説明する説明図である。
【
図2A】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける情報管理サーバ、サイネージ管理サーバ、店舗端末、STBの機能ブロック構成例を説明する説明図である。
【
図2B】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける他のSTBの構造例を説明する説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内の様子を説明する説明図である。
【
図4A】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内のディスプレイ設置例を説明する説明図である。
【
図4B】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内のディスプレイ設置例に基づく視認効果を説明する説明図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内のディスプレイの詳細な設置例を説明する説明図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける処理フローを説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける処理フローを説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図9】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図10】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図12】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【
図14】本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステム等について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムの全体構成例を示す。
【0018】
図1に示されるように、サイネージシステム10は、その一実施形態における例示的構成として、情報管理サーバ11と、サイネージ管理サーバ12と、各店舗130a~130c内に設定される店舗端末131a~131cと、セットトップボックス(STB)132a~132cと、サイネージとしてのディスプレイ133a~133cとで構成される。
【0019】
本発明の一実施形態において、情報管理サーバ11は、全店舗の店舗端末を管理したり、全店舗のコンテンツの少なくとも一部を管理したりする。一実施形態において、情報管理サーバ11は、本部サーバの一部の機能とするもできるがこれに制約されるものではない。サイネージ管理サーバ12は、店舗端末131a~131c及び/またはSTB132a~132cを介してサイネージとしてのディスプレイ133a~133cを管理することができる。
【0020】
ここで、サイネージ管理サーバ12は、ASP(Application Service Provider)サーバとすることができる。また、サーバ12におけるサイネージ管理機能は、情報管理サーバ11に統合することもできる。その場合は、
図1におけるサーバ11及び12は、1つの管理サーバ11に集約される(サイネージ管理サーバ12は必須の構成ではない)。
【0021】
一実施形態において、各店舗130a~130c内に設定される店舗端末131a~131cは、各店舗内のSTB132a~132cやサイネージとしてのディスプレイ133a~133cを管理するほか、店舗内で提供するコンテンツを管理したり、コンテンツの情報提供スケジュール等を管理したりすることができる。
ここで、各店舗内の店舗端末131a~131c及びSTB132a~132cの意義については、
図1に示されるように、店舗端末とSTBとを併用することができるほか、STBの機能を有する店舗端末単独での運用とすることもできる。あるいは、高機能化したSTBを単独で運用し、店舗端末を省略することもできる。こうした店舗端末及び/またはSTBの運用の組み合わせは、店舗ごとに選択されることができる。
【0022】
また、
図1において、各店舗130a~130cからは、各店舗端末131a~131cを介してインターネット19へ接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、店舗端末及び/またはSTBがインターネット19へ接続されてもよい。
ここで、インターネット19は、他の実施形態においては社内LANでありうる。この場合、サイネージ管理サーバ12は、社内ネットワークにおいて運用される管理サーバとなる。
【0023】
図1において、各店舗内の端末131a~131c及びSTB132a~132cと、ディスプレイ133a~133cは、それぞれHDMI(登録商標。以下、同じ。)ケーブル等の有線ケーブルで接続されている様子が示されている(なお、各ディスプレイは、店舗端末あるいはSTBの少なくとも一方と接続されていればよい)。この場合、ディスプレイに表示されるコンテンツデータは、HDMIケーブル等の有線ケーブルを介して店舗端末あるいはSTBから送信されるが、本発明はこれに限られるものではなく、他の実施形態においては、店舗端末からUSBメモリ等の記憶媒体を介してディスプレイへコンテンツデータを転送することもできる。この場合、HDMIケーブル等の有線ケーブルは省略される。
【0024】
情報管理サーバ11、サイネージ管理サーバ12、店舗端末131a~131cは、通信回線13~14、及び15a~15cによって相互に通信可能に接続されている。また、通信回線は、有線接続のみならず、図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット19へ乗り入れる無線接続であってもよい。
【0025】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0026】
なお、本願の出願時点での店舗端末は、典型的にはパーソナルコンピュータ(PC)であり、また、STBもPCと同等の機能や処理能力を備えているものもある。
【0027】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、PCやSTBの記憶部におけるHDD、SSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0028】
あるいは、ブラウザベースのPCないしSTBを採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザでこれを実行するという構成になる。
【0029】
情報管理サーバ11やサイネージ管理サーバ12のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、
図2A等を参照してその機能ブロック例を後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、情報管理サーバ11やサイネージ管理サーバ12は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げることができる。例えば、数十台~数万台のPCを並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成を採用することもできる。
【0030】
図2Aに、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける情報管理サーバ11、サイネージ管理サーバ12、店舗端末131a~131c、及びSTB132a~132cの機能ブロック図を示す。例示的に、これらサーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。なお、STB132a~132cについては、PCと同等の機能や処理能力を備えているものを例示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、いくつかの機能を省略した簡易な構成のSTBを採用することもできる。
以下、代表して、情報管理サーバ11あるいはサイネージ管理サーバ12の構成例を説明する。
【0031】
図2Aにおいて、ハードウェアブロック全体としてのサーバ200は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU201と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部202と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部203と、ディスプレイやスピーカ等の出力部204と、各種信号制御のための制御部205と、通信(インタフェース)部206(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部207と、電源部208とからなる。
なお、キーボードやポインティングデバイス等の入力部やディスプレイ等の出力部が採用されていないSTBの場合には、入力部203や出力部204は省略可能である。
【0032】
これらのモジュールは、必要に応じて適宜通信バスや給電線(
図2Aにおいては、便宜上各線が適宜区分された結線299としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0033】
また、本発明の実施に必要なサーバ200上で実行されるプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部202を構成するハードディスクディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部202内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU201において演算実行される。
【0034】
なお、演算実行は必ずしもCPU201等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0035】
図2Bに、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるバリエーションとしてのSTBの機能ブロック図を示す。同
図Bに示されたSTBは、その独自の機能として、衛星放送やケーブルテレビ放送、地上波テレビ放送(デジタル放送)、IP放送(一例として、ブロードバンドVOD)等の放送信号を受信可能な構成となっている。
【0036】
図2Bにおいて、251~255、257~258、259は、
図2Aにおける201~205、207~298、299にそれぞれ対応する。なお、キーボードやポインティングデバイス等の入力部やディスプレイ等の出力部が採用されていないSTBの場合には、入力部253や出力部254は省略可能である。
図2Bでは、放送信号受信等の通信機能に関わる処理部と受信した放送信号を処理するための処理部が特徴となっている(256a~256d)。
【0037】
ネットワーク接続部256aは、有線LAN、無線LAN、Bluetoothなどのネットワーク接続を実現するための接続モジュールである。チューナー256bは、衛星放送やケーブルテレビ放送等の放送波(放送信号)を受信するためのチューナーであり、デコーダ256cは、受信した放送波(放送信号)をディスプレイで視聴可能な形式に変換するための復号器である。また、デスクランブラ256dは、スクランブル(限定受信化あるいは暗号化)された放送信号の限定解除処理あるいは解読処理を行うモジュールである。
【0038】
なお、
図2Bは、構成の理解のために機能ブロック図として記載しているが、実際には、デコーダ機能、デスクランブラ機能等のSTBに必要な機能をワンチップに統合したSOC(システムオンチップ)を採用することもできる。
【0039】
図3に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内の様子を示す。同図には、店舗の一例として、食品・日用雑貨類など多数の品種を扱う小売店であるコンビニエンスストアのレジカウンターエリアを正面から見た様子が表されているが、店舗の形態はコンビニエンスストアに限られるものではなく、スーパー、ドラッグストア、衣料品店、ホームセンター等、小売業における幅広い店舗に適用することができる。
以下、コンビニエンスストアを例にとって、具体的に説明する。
【0040】
図3において、高さH1が270cm程度、横幅W1が773cm程度のレジカウンターエリア300には、横幅W3が643cm程度の壁面320の上部にサイネージとしてのディスプレイ331~333が3つ連結して取り付けられている。本発明の一実施形態において、ディスプレイ331~333は、それぞれが65インチクラス以上の大型であり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が採用される。一実施形態において、各ディスプレイのサイズは、縦80cm程度、横143cm程度である(3面の合計では、縦80cm程度×横429cm程度である)。
なお、上記ディスプレイの選択例は、本発明の一実施形態に過ぎない。本発明の他の実施形態においては、他のディスプレイサイズ(例えば、40インチ以上のもの)が選択される。この場合は、ある程度のディスプレイ面積を確保するという本発明の趣旨にもとづき、画面アスペクト比が16:9のものであれば3台以上のディスプレイが選択される(もちろん、ある程度のディスプレイ面積が確保される場合には、3台未満で足る場合もある)。
【0041】
また、
図3において、ディスプレイ331~333のそれぞれの画面上部中央には丸いカメラが外付け装着されている。これらのカメラを使用してレジカウンター側から店内の様子を撮影することができる。なお、こうしたカメラ機能が各ディスプレイに内蔵される場合やカメラ機能を使用しない場合には、外付けカメラは割愛される。
【0042】
壁面320に沿ったディスプレイの下方には、図中左側からコーヒーメーカー341が4台横並びに設置されており、その右側には2段積みにされた電子レンジ342が計4台設置されている。さらにその右側には、タバコストッカー343が設定されている。その他、レジ外側から壁面320方向を見た場合のディスプレイに対する視界を過度に遮らない範囲で、図示されない様々な什器を設置することができる。
【0043】
次に、
図3において、レジカウンターエリアの外縁部を構成するサービスカウンター350とレジカウンター351と作業台352が設置されている。サービスカウンター350は縦置きされており、
図3において表れているのはカウンター側面部である。一実施形態において、サービスカウンター350の高さは110cm程度であり、図中に表れている側面部の幅は50cm程度である。
【0044】
レジカウンター351は、一定の高さをもってレジカウンターエリアの前面部をほぼ遮蔽するように横置きに設置されており、その右端部には、通行路を挟んで作業台352が設置されている。一実施形態において、レジカウンター351の横幅は600cm程度であり、60cm幅程度の通路を挟んで、60cm幅程度の作業台352が設定された格好になっている。また、レジカウンター351の右端と作業台352の左端とを跨ぐ折り返し可能な天板を設置することもできる。
本発明の一実施形態において、レジカウンター351及び作業台352の高さは、84cm程度である。
【0045】
レジカウンター351前のレジとレジの間部分には、レジカウンター351よりもやや高さの低い手荷物台371が設置されている(一実施形態において、その高さは73cm程度である)。
【0046】
(好適なディスプレイの設置高さ)
本発明の実施形態において、サイネージとしてのディスプレイの面積は重要である。本発明は、顧客に対するインパクトを重要視するため、ディスプレイのサイズは大きいほうが好ましい。ただし、単純により多くのディスプレイ面積を確保するだけでは、ディスプレイの設置位置によってはその下方が見えづらくなる場合もあるために、ディスプレイの設置高さの特定も重要である。
【0047】
本発明の一実施形態においては、
図3に示されるように、1つのディスプレイのサイズが縦80cm程度×横143cm程度のものを3つ横並びに設置し、ディスプレイの総面積としては、縦80cm程度×横429cm程度(=34320平方センチメートル)を確保している。
【0048】
さらに、本発明の一実施形態においては、ディスプレイを少なくとも175cmよりも高い位置に設置するようにしている。この175cmという高さは、レジ前に起立する顧客が、レジ内で対応するスタッフの頭越しにディスプレイの下方を最低限視認できる高さとして確保されたものである。以下、壁面320における有効なディスプレイ設置高さ(175cm)を「ディスプレイ設置有効高さ」というものとする。
【0049】
(好適なディスプレイ面積の基準(1))
そして、壁面320に設置するディスプレイのサイズは大きいほど好適であるとした場合には、壁面320における有効なディスプレイ設置高さ以上の領域を全てディスプレイ化することが望まれるが、コスト等の観点からこれが実現困難である場合には、
図3に示した例においては、34320平方センチメートル程度の領域を確保できることが望まれる。この場合の壁面320における有効なディスプレイ設置高さ以上の領域(
図3中、W3の横幅×天井からH3までの縦幅で囲まれる矩形領域)におけるディスプレイ面積が占める割合は、W3は643cm程度であり、H3は90cm程度であることから{34320/(643×90)}×100=59.3(%)ということになる。
【0050】
本発明の一実施形態におけるディスプレイの広さは、壁面における有効なディスプレイ設置高さ以上の領域(以下、「壁面の所定領域」ともいう。)に対して少なくとも59%を占めるように選択されればよい。
【0051】
(好適なディスプレイ面積の基準(2))
また、
図3に示された店舗においては、ディスプレイ上辺ラインと天井高さとがほぼ一致しているが、本発明の他の実施形態においては、
図3に示された店舗の天井高さよりもずっと高い天井を有する店舗の場合もある。そのような場合における壁面の所定領域は、ディスプレイ設置高さ以上、ディスプレイの上辺ライン以下の領域となる。この壁面の所定領域に対してディスプレイ面積が占める割合が59%以上であればよい。
【0052】
(好適なディスプレイ面積の基準(3))
また、ディスプレイの選択例は、
図3に示されたもの及びそれらの配置に制限されないことは上述したとおりであり、ある程度のディスプレイ面積を確保することを前提としてディスプレイ331~333よりも小さなサイズものを選択したり、間隔を空けて各ディスプレイを配置したりすることもありうる。その場合であっても、ディスプレイの総面積は、好適には、13000平方センチメートル以上の面積が確保される。例えば、本発明の一実施形態においては、40インチのディスプレイが3枚あるいは3台(総面積は約13000平方センチメートル)、あるいは、50インチのディスプレイが3枚あるいは3台(総面積は約20000平方センチメートル)などである。換言すると、ディスプレイの総面積が13000平方センチメートル以上である場合に、これらのディスプレイの構成は、40インチ以上のサイズのものが組み合わされて3枚あるいは3台以上で構成されることとなる。
さらに、本発明の他の実施形態においては、上記面積が確保される1枚あるいは1台以上のディスプレイが採用されてもよい。
【0053】
図4Aに、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内のディスプレイ設置例を示す。H41は270cm程度であり、H42は180cm程度である。
図4Aに表されたものは、
図3におけるレジカウンターエリアを同図において左側面から見た側面概略図である。
【0054】
図4Aにおいて、ディスプレイ410は、取付け金具430を介して壁面420に取り付けられている。ディスプレイ410の下方には、什器を載置するためのストッカーカウンター440が設置されている。一実施形態において、カウンターストッカーの奥行(図中の横幅)は60cm程度である。そして、ストッカーカウンター440から少し距離をおいてレジカウンター450が設置されており、その上にはレジ460が載置される。ここで、本発明の一実施形態において、
図4A中のW41は、227cm程度である(レジカウンターエリア内の通路幅は、89cm程度が確保されている)。
【0055】
また、本発明にとって必ずしも必須の構成ではないが、天井には、カメラ471とスピーカ472が設置されることができる。なお、カメラ471は、
図3のディスプレイ331~333の上部中央に設置されるカメラとは別体のものである。さらに、本発明の他の実施形態においては、カメラの設置位置としては、天井、サイネージ(ディスプレイ)の上辺、または、レジカウンターエリアの壁面など、任意の場所に設置できる。
【0056】
図4Bは、
図4Aに示したレイアウトによって確保できる、顧客からみたディスプレイ上の視認領域を説明している。レジカウンター内に起立する店舗スタッフ481は男性であり、その身長は日本人男性の平均である172cmであるとする。また、レジ前に起立する顧客482は女性であり、その身長は日本人女性の平均である158cmであるとする。同
図Bにおいて、顧客からみてレジカウンター内に自分よりも身長の高い店舗スタッフが対応していたとしても、顧客は、ディスプレイの上端から割合Pまでの視認領域を確保することができる。本発明の一実施形態において、Pは90%~100%である。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける店舗内のディスプレイの詳細な設置例を示すものであり、
図4A及び
図4Bのディスプレイ周辺の拡大図である。
【0058】
図5において、ディスプレイ510は、壁面520に取付け金具を介して設置されている。この取付け金具は、詳細には、壁面520にネジまたはビス等により固定された2本のレール531及び532上に取り付けられており、レール側のマウント部材540とディスプレイ側のマウント部材550とからなる。レール側マウント部材540とディスプレイ側マウント部材550は、それぞれ可動接続部541~542、及び551によって互いに接続されており、特に可動接続部551はスライド可能なネジ調整機能を備えており、この部分の可動調整によって、ディスプレイの傾斜角度を調整できるようになっている。なお、レール側マウント540は図示しないビス等によってレール531及び532に固定されており、また、ディスプレイ510は、その背面に図示しないビス等によってディスプレイ側マウント550に固定されている。
【0059】
本発明の一実施形態において、ディスプレイの傾斜角度Φは、0度~15度程度の範囲で調整可能である。
【0060】
なお、
図4A~
図5を参照して、ディスプレイ331~333、430、510がレジ壁面に設置される態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レジ壁面に沿ってディスプレイを天井から吊り下げるように設置してもよい。この場合、ディスプレイは、公知の取付け金具等(不図示)によってレジ壁面に沿った天井部分に設置される。また、
図5を参照して説明したディスプレイの傾斜角度調整についても、必要に応じて公知の機構(不図示)により実現される。
【0061】
(本発明の概念)
本発明のさらなる特徴の一つとして、上述したレジカウンターエリア壁面へ大型ディスプレイを設置することのほかに、情報提供コンテンツの構成及び提供方法がある。本発明の一実施形態において、顧客へ提供されるコンテンツには、少なくとも2種類が含まれる。1つは番組コンテンツ(以下、「カテゴリAコンテンツ」あるいは「コンテンツA」ともいう。)であり、他方は広告コンテンツ(以下、「カテゴリBコンテンツ」あるいは「コンテンツB」ともいう。)である。
【0062】
カテゴリAコンテンツは、閲覧者(顧客)が閲覧したくなるようなコンテンツが選択される。一実施形態においては、カテゴリ内の内容が同種類のコンテンツとなり、閲覧者は、かかる複数回の閲覧体験を経て、以降の同種類のコンテンツの閲覧確率を高めることができる。カテゴリBコンテンツは、典型的には広告コンテンツであるが、後述するように閲覧確率を高める工夫がなされる。
【0063】
そうして、本発明の一実施形態においては、こうした2種類のカテゴリのコンテンツが比較的短い長さで交互に流される(3種類以上のカテゴリのコンテンツある場合には、例えば比較的短い長さでローテーションされる)。
本発明の一実施形態において、2種類のカテゴリのコンテンツが交互で流されることで、カテゴリAコンテンツ(例えば、番組)によるアテンションに顧客が注目した直後にカテゴリBコンテンツ(例えば、広告)を見る確率を高めることができる。また、カテゴリAコンテンツがストーリー性を持つような場合には、カテゴリAコンテンツを最後まで閲覧したいため、結果的にカテゴリAコンテンツも最後まで閲覧することになる確率を高めることができる。
【0064】
一般的に、カテゴリAコンテンツを番組とし、カテゴリBコンテンツを広告とした場合には、従来のテレビ放送(番組と番組との間や、番組放送の合間に15~30秒程度のCMが流される)が挙げられるが、従来のテレビ放送では、カテゴリAコンテンツの長さに比べて、カテゴリBコンテンツの長さが短い。一方で、本発明の一実施形態においては、交互再生される中でのカテゴリBコンテンツの再生時間は、カテゴリAコンテンツの再生時間と同等か、あるいは、それよりも長いという特徴を有している。
また、交互再生される2種類のコンテンツの間には関連性を持たせるように制御することもできる(具体的な構成については、後述する)。
【0065】
また、本発明の一実施形態において、カテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツの組み合わせを交互に再生するうえで、この組み合わせを何回程度繰り返し再生して1セットとするのかについては、「尺」(複数のカテゴリのコンテンツの1組の長さ)及び「ロール長」(1組のコンテンツの組み合わせが繰り返し再生されることにより構成される1セットあるいは1グループの長さ)という概念を導入している。本発明はこれに限定されるものではないが、一実施形態において、1つの尺(たとえば、1組のカテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツの組み合わせの長さ)は、30秒程度であり、1つのロール長(1組のコンテンツが繰り返し再生されることによって構成される1セットあるいは1グループの長さ)は、4~5分程度に設定されている。さらに具体的には、番組コンテンツ(15秒)と広告(15秒)との組み合わせ(30秒尺)を繰り返し8~10回再生することで、トータル4~5分間の再生時間となり、この4~5分間が1つのロールを構成することとなる。
【0066】
ロール長の設定根拠は、店舗がコンビニエンスストアであるとした場合の顧客の店舗内平均滞在時間から導かれている。したがって、他の小売業店舗であれば、その店舗における顧客の平均滞在時間に基づいて調整されうる。また、当然のことながら、季節や天候、時間帯によって同じ店舗内でも平均滞在時間に変化がある場合には、本発明の一実施形態におけるロール長は柔軟に調整されることができる。
【0067】
本発明の基本的な技術思想は、買い物等様々な目的があって店舗に来店する利用者(顧客)のアテンションを得るためには、店舗内の滞在時間に基づいた複数回の「刺激」が必要であるとの前提のもと、2種類以上のカテゴリに属するコンテンツを短尺で繰り返し再生するために種々の制御を行うところにある。
【0068】
また、店舗がチェーン化あるいはフランチャイズ化されている場合には、本発明の一実施形態にかかるレジカウンター壁面への大型ディスプレイ設置を一律に採用することにより、顧客による店舗体験が統一化され、番組や広告等の情報提供コンテンツに対する顧客の認知度や注目度を高めることができる。
【0069】
これらの技術思想は、従来のサイネージが常に広告を流す媒体として認知されているのに対し、「常に興味のある情報発信がされている媒体」との顧客認識を獲得できるサイネージシステムを実現するための基礎となる概念である。
【0070】
図6に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける基本処理フローを示す。同図に示された処理フローは、店舗内に設置されたディスプレイ331~333を介して顧客へ提供するコンテンツの生成処理、ならびに、コンテンツの再生制御等の処理の概要を説明している。
【0071】
各処理は、情報管理サーバ11及び/またはサイネージ管理サーバ12において、その一部または全部が取りまとめて処理されてもよいし、その一部または全部が店舗端末及び/またはSTBにおいて実施されてもよい。例えば、全国や広域エリアにおいて共通して使用されるコンテンツについては、情報管理サーバ11及び/またはサイネージ管理サーバ12において取りまとめて処理されてもよく、ローカルエリアやその店舗において独自に使用されるコンテンツについては、店舗端末及び/またはSTBにおいて実施されてもよい。したがって、情報管理サーバ11及び/またはサイネージ管理サーバ12において生成されたコンテンツが各店舗において再生される場合には、店舗端末またはSTBを介してコンテンツがダウンロードされることなる。さらに、1つのコンテンツ情報が、情報管理サーバ11(及び/またはサイネージ管理サーバ12)と店舗端末(及び/またはSTB)とによって、協働して生成されることもある。
【0072】
また、
図6には図示していないが、必要に応じて店舗ごとのコンテンツの構成や再生回数等の情報が、情報管理サーバ11(及び/またはサイネージ管理サーバ12)へフィードバックされてもよい。
【0073】
図6のステップS601において、処理を開始すると、ステップS602へ進み、ロール長が決定される。一実施形態において、このロール長は、例えば5分などと予め固定的に決定されており、その場合には、本ステップではその情報を読み出すに留まる。あるいは、他の実施形態においては、当該ロールを構成するコンテンツを再生する場所、または日時や時間帯によって動的に決定される。
【0074】
また、本発明の他の実施形態において、ステップS602では、予め定められた図示しないスケジュール進行テーブルから次に再生すべきロールを読み出す際に、その長さが取得される。本発明の他の実施形態においては、このスケジュール進行テーブルは、店舗ごとに、あるいは日時や時間帯によって動的に決定される。
【0075】
ステップS603では、ロール内のサイクルが決定される。上述したとおり、本発明の一実施形態においては、短尺のカテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツを繰り返し再生するので、ロール内で何回繰り返すかを決定することなる。同ステップでサイクルが決定される。ロール内での尺が決まる。
あるいは、本発明の他の実施形態においては、さきに尺が決定される場合もある。その場合は、ステップS603では、ロール内の尺の決定処理となる(ロール内サイクルはその後自動的に決まる)。
【0076】
次に、ステップS604へ進み、1つの尺の中のカテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツが決定される。3種類以上のカテゴリを含む場合には、各カテゴリのコンテンツが決定される。このとき、1つの尺に収まるようにカテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツが決定されるが、それぞれの長さの比率も考慮される。
具体的な決定方法には、次のようなバリエーションがある。
【0077】
(1)同じ尺に収まるカテゴリAコンテンツ及びカテゴリBコンテンツの組み合わせテーブルから自動または手動で選択される。
【0078】
(2)店舗内の状況に応じて当該尺に収まるようなカテゴリAコンテンツが最初に選択され、その後、必要に応じて残りの尺に収まるようなカテゴリBコンテンツが選択される(カテゴリBコンテンツは新たに選択されず、現在設定されているコンテンツがそのまま使用されることもありうる)。
【0079】
(3)店舗内の状況に応じて当該尺に収まるようなカテゴリBコンテンツが最初に選択され、その後、残りの尺に収まるようなカテゴリAコンテンツが選択される(カテゴリAコンテンツは新たに選択されず、現在設定されているコンテンツがそのまま使用されることもありうる)。
【0080】
(4)天気や気温など店舗周囲の状況に応じて当該尺に収まるようなカテゴリAコンテンツが最初に選択され、その後、残りの尺に収まるようなカテゴリBコンテンツが選択される(カテゴリBコンテンツは新たに選択されず、現在設定されているコンテンツがそのまま使用されることもありうる)。
【0081】
(5)天気や気温など店舗周囲の状況に応じて当該尺に収まるようなカテゴリBコンテンツが最初に選択され、その後、残りの尺に収まるようなカテゴリAコンテンツが選択される(カテゴリAコンテンツは新たに選択されず、現在設定されているコンテンツがそのまま使用されることもありうる)。
【0082】
ここで、本発明の一実施形態における1つの尺内のカテゴリAコンテンツの長さとカテゴリBコンテンツの長さとの比率、及び1つの尺の時間長、ならびに、1つのロールの時間長の好適な組み合わせ例を下表に示す。なお、下表の各欄において「~」となっているのは下限~上限までの幅を有していることを示す。
【表1】
上表において、実施例1~5に共通して言えることは、各ロール長は、1つの尺の少なくとも3倍あるということである。これは、2種類のコンテンツが1つのロール中で少なくとも交互に3回以上繰り返されることを意味する。
【0083】
そして、「2種類のコンテンツが1つのロール中で少なくとも交互に3回以上繰り返される」ことの意義は、カテゴリA(コンテンツ)から選択された1つのコンテンツA1(再生時間をPAとする)と、カテゴリB(コンテンツ)から選択された1つのコンテンツB1(再生時間PBとする)との固定的な組み合わせを3回以上繰り返すことのみを意味するのではなく、カテゴリAから選択された複数のコンテンツAとカテゴリBから選択された複数のコンテンツBとの交互の組み合わせを3回以上繰り返すことも含まれる。例えば、1つのロールの中で、A1(再生時間5秒)→B1(同2秒)→A2(同7秒)→B2(同3秒)→A3(同6秒)→B2(同6秒)といった態様の繰り返しも「2種類のコンテンツが1つのロール中で少なくとも交互に3回以上繰り返される」ことに含まれる。
【0084】
また、上表の実施例5における時間長の「程度」及び比率の「約」は、それぞれプラスマイナス15%程度の誤差を含む趣旨である。
【0085】
上表において、実施例1のロール長については、想定される顧客行動をカバーできる範囲として、タバコ単品の目的買い等、レジに直行して退店するケース(下限60秒)、通常の買い物(4~5分)に加え、コピー機/マルチメディア端末/ATM/イートインスペースのいずれか1以上を使用するケース(上限900秒)を想定している。
【0086】
また、実施例2のロール長については、想定される顧客行動をカバーできる範囲としてイートインスペースの使用を除いており、タバコ単品の目的買い等、レジに直行して退店するケース(下限60秒)、通常の買い物(4~5分)に加え、コピー機/通信ポート/ATMのいずれか1以上を使用するケース(上限600秒)を想定している。
【0087】
また、実施例3のロール長については、想定される買い物行動をカバーできる範囲として、タバコ単品の目的買い等、レジに直行して退店するケース(下限60秒)、平均滞在時間(4~5分)後、弁当のレンジアップ/コーヒー待ちに少々時間を消費するケース(上限420秒)を想定している。
【0088】
また、実施例4のロール長は、顧客の平均滞在時間(4~5分)のレンジを想定している。
【0089】
また、実施例5のロール長は、顧客の平均滞在時間(4~5分)の平均値を想定している。
【0090】
上表において、実施例1における1つの尺の長さについては、番組を注視するのに最低限必要と解される長さ(15秒)にバンパー広告(5~6秒)を加えたケース(下限:20~21秒)、ならびに、180秒程度の番組(ショートムービー)に15秒程度のCM秒を加えたケース(上限:200秒)を想定している。
【0091】
また、実施例2における1つの尺の長さについては、番組を注視するのに最低限必要と解される長さ(15秒)にバンパー広告(5~6秒)を加えたケース(下限:20~21秒)、ならびに、番組15~60秒にCM30~75秒を加えたケース(上限:90秒)を想定している。
【0092】
また、実施例3における1つの尺の長さについては、15秒ずつの番組及び広告であるケース(下限:30秒)、ならびに、番組15~60秒にCM30~75秒を加えたケース(上限:90秒)を想定している。
【0093】
また、実施例4における1つの尺の長さについては、15秒ずつの番組及び広告であるケース(下限:30秒)、ならびに、番組15~30秒にCM15~30秒を加えたケース(上限:60秒)を想定している。
【0094】
また、実施例5における1つの尺の長さについては、15秒ずつの番組及び広告であるケース(30秒)を想定している。
【0095】
なお、上表のA:Bの時間比率については、利用者の反応及び視認率に応じて調整される範囲を実施例1~5ごとに想定している。ちなみに、民放連では週ごとの番組に対するCMの放送量は18%程度に設定されている(1:0.18)
【0096】
ステップS605では、前ステップまでに決定した1ロールを構成する尺を1つずつ再生していく。本発明の一実施形態においては、1つの尺の再生が終わるとステップS606へ進む。
【0097】
ステップS606では、次の尺におけるコンテンツ内容を差し替えるかどうか、及び/または、コンテンツ比率を変更するかどうかが判断される。本発明の一実施形態において、いったんロールの内容が決定されると、あくまでもそのロールの再生が完了するまでは尺の内容は変えないという場合には、本ステップは省略可能であるが、そうでない場合、本ステップでの判断が行われる。本ステップでYesの場合はステップS604へ復帰し、Noの場合はステップS607へ進む。
【0098】
ステップS607では、ロールが終了したかどうかが判断され、Noの場合はステップS605へ復帰するが、Yesの場合は本フローとしては終了する。
【0099】
図7に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおける処理フローを示す。具体的には、
図6のステップS604の詳細処理フローである。ステップS604では、コンテンツA及びコンテンツBが様々な処理により選択されうるが、
図7では、コンテンツAとコンテンツBとが互いに関連性のあるものとして選択される場合と、そうでない場合とに場合を分けて、それぞれどのように処理されるのかを例示する。
【0100】
ステップS701において処理を開始すると、ステップS702へ進み、選択されるコンテンツA及びコンテンツBには関連性が必要とされるか否かが判断される。同ステップでYesの場合にはステップS703へ進み、Noの場合はステップS706へ進む。
【0101】
ステップS703では、コンテンツAを決定し、コンテンツAから特徴を抽出する。コンテンツAの決定方法は、予め登録されているコンテンツ群の中から予め決められた順序に従って抽出されてもよいし、ランダムに抽出されてもよい。また、外部要因(季節、イベント、天気、気温等)に基づいて決定されてもよい。また、コンテンツAからの特徴抽出については、例えば、コンテンツのタイトルやコンテンツ内容において登場する商品やイベントの名称等が抽出される。その他、コンテンツAに紐付けられたタグ等の付加情報や属性情報がある場合にはこれらが参照されてもよい。これらがコンテンツAの特徴情報とされる。
【0102】
ステップS704では、前ステップで抽出されたコンテンツAの特徴(特徴情報)に基づき、コンテンツBが抽出される。例えば、上述したコンテンツAの特徴情報に関連付けされたコンテンツBの特徴情報を辿ってコンテンツBが抽出される(この場合には、図示しない関連テーブルが参照される)。
【0103】
次に、ステップS705へ進み、コンテンツAに続いてコンテンツBが決定される。このとき、コンテンツA及びコンテンツBの内容の関連性のみならず、両者の長さの比率や両者を連結した場合の尺が考慮されてもよい。
【0104】
なお、ステップS703~ステップS705は、はじめにコンテンツAを決定してからコンテンツBを決定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、はじめにコンテンツBを決定してからコンテンツAを決定してもよい。
【0105】
ステップS706では、はじめにコンテンツAが決定される。コンテンツAの決定方法は、予め登録されているコンテンツ群の中から予め決められた順序に従って抽出されてもよいし、ランダムに抽出されてもよい。また、外部要因(季節、イベント、天気、気温等)に基づいて決定されてもよい。次に、ステップS707へ進み、コンテンツBが決定される。コンテンツBの決定方法は、予め登録されているコンテンツ群の中から予め決められた順序に従って抽出されてもよいし、ランダムに抽出されてもよい。また、外部要因(季節、イベント、天気、気温等)に基づいて決定されてもよい。
【0106】
ステップS708では、本フローとしての処理を終了する。
【0107】
図8~
図14に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例を示す。後述する
図8~
図14を参照した説明においては、単に情報の提示方法を説明するにとどまらず、このような情報表示に至るまでの情報処理過程についても必要に応じて説明する。その意味では、
図7及び
図8を参照して説明した処理フローの補足説明も含まれる。
【0108】
(コンテンツAの表示パターン)
図8(A)~(D)は、コンテンツAの表示パターン例である。コンテンツAの具体的内容は、ランキング番組となっている。
図8(A)及び(B)は、当番組のオープニング画面例であり、
図8(C)及び(D)は、当番組の内容表示例である。
【0109】
図8(A)においては、タイトル画面811~813がディスプレイごとに表示されている。つまり、画面811~813は、それぞれディスプレイ331~333の画面に対応する。各画面には、「ファミマ なんでもランキング」とのタイトルが表示されている。タイトル画面811~813の出し方には、スラインドイン、フェード、ワイプなど公知の演出技術を採用することができる。
【0110】
図8(B)においては、ディスプレイ331~333の画面の全てを一体化した1つの領域821とみなし、領域821の全域を使ったタイトル表示になっている(いわゆるぶち抜き)。こうした「ぶち抜き」表示は、表現方法としてインパクトがあり、番組における表示だけでなく、コンテンツBの代表例である広告表示においても有効である。
【0111】
図8(C)においては、ランキング番組の表示例が示されている。ディスプレイ331~333の画面にそれぞれ対応する画面831~833において、中央部の画面832には、ランキングに関する個別のタイトル(「TOKYO おにぎりランキング」)の表示がなされ、左右の画面831及び833には、同じランキング内容が表示されており、広い店舗の左右から視認できる範囲や確率を向上させている。画面831及び833内においてランクインしたものは、東京都あるいは東京都23区内の店舗において売上げの多かったおにぎりの種類であり、
図8(C)に示されるとおり、1位:シーチキンマヨネーズ、2位:紅しゃけ、3位:スーパー大麦 野沢菜ちりめん、4位:日高昆布、5位:熟成さばおにぎり、となっている。なお、これらのランクイン商品の出し方については、スラインドイン、フェード、ワイプなど公知の演出技術を採用することができる。
【0112】
図8(D)においては、ランキング番組の他の表示例が示されている。ディスプレイ331~333の画面にそれぞれ対応する画面841~843において、それぞれ個別にランキング情報が表示されている。つまり、画面841には、お弁当ランキングが第1位から第5位まで表示されており、画面842には、菓子パンランキングが第1位から第5位まで表示されており、画面843には、冷凍食品ランキングが第1位から第5位まで表示されている。なお、これらのランクイン商品の出し方については、スラインドイン、フェード、ワイプなど公知の演出技術を採用することができる。
【0113】
なお、
図8(C)では、中央部の画面832にランキングに関するタイトルを表示させ、左右の画面831及び833には、同じランキング内容を表示させるように制御したが本発明はこれに限定されるものではなく、中央部の画面832にランキングに関するタイトルを表示させ、左右の画面831及び833には、異なるランキング内容を表示させるように制御することも可能である。
以下に、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるフレーム(ディスプレイ)のさらなる活用例について、例示する。
【0114】
(フレームの活用:ディスプレイ331~333の使い方)
本発明の一実施形態においては、ディスプレイ331~333の多様な使い方を想定している(上述したぶち抜き表示は一例である)。その代表的なものを例示すると、次のとおりである。
【0115】
(1)動画3面
ディスプレイ331~333に同じ動画、あるいは、少なくとも1面に異なる動画を表示させる。3面動画表示による連動によって、これまでに無いクリエイティブな情報発信が可能となる。
【0116】
(2)動画2面+静止画1面
ディスプレイ331~333のうち、1画面を静止画表示とし、他の2画面を動画表示とする。一部の画面を静止画として固定することにより、他の動画表示の補強/強化を図ることができる。
【0117】
(3)静止画3面
ディスプレイ331~333に同じ静止画、あるいは、少なくとも1面に異なる静止画を表示させる。メッセージを定常固定させることができ、アテンション効果が向上する。キャンペーン告知やお買い得情報の告知などに有効である。
【0118】
(4)フルジャック動画
ディスプレイ331~333をぶち抜き、全領域に動画を表示させる。顧客に対するインパクトが増大するとともに、クリエイティブな情報発信が可能となり、高い訴求効果を発揮する。
【0119】
(5)フルジャック静止画
ディスプレイ331~333をぶち抜き、全領域に静止画を表示させる。インパクトのあるブランディングや強いメッセージ発信等が可能となる。
【0120】
(6)動画+動画、動画+静止画、静止画+静止画の分割
ディスプレイ331~333の全領域における任意の位置で表示領域を2分割し、動画+動画、動画+静止画、あるいは静止画+静止画の分割表示を行う。上述した3画面に制約されない変形型の表現が可能となることで、表現の幅が一層広がる。これは、1枚の大きなディスプレイを採用した場合にも同様であり、同ディスプレイを2分割したり、それ以上に分割したりして表示を行わせることができる。つまり、採用されるディスプレイの数とディスプレイの総面積に対する分割数との間には、特に制約はない。
【0121】
上記フレーム活用に関する(1)~(6)のパターンは、あくまでも本発明の一実施形態としての例示であり、本発明がこれらのパターンにのみ制限されることはない。また、上記フレーム活用に関する(1)~(6)のパターンは、コンテンツのカテゴリ(コンテンツAやコンテンツB)の種別に制約されることなく、いずれのカテゴリのコンテンツに対しても使用することができる(以下、同様である)。一例を挙げると、大画面を利用した異業種の商品のダブルネーム広告や、同一企業内のブランドコラボ(異なるブランドの飲料によるコラボなど)や、クロスセルなどがある。さらに、動画や静止画を使い分けるだけでなく、スピーカ472を介した音声の使い分けも可能である。
【0122】
(ランキング番組以外の番組例、番組と広告との融合例)
図9に示されたものは、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおけるディスプレイの表示例であって、
図8に示されたランキング番組以外の番組例である。
図9に示された番組は、一実施形態において、情報管理サーバ11及び/またはサイネージ管理サーバ12によってクローリングしたSNS等に投稿等されたユーザメッセージをディスプレイ331~333へ表示させたものである。本発明はこれに限定されるものではないが、クローリングに際しては、特定のハッシュタグ(ここでは、「#ファミチキ」)に基づいてユーザコメント等を抽出している。なお、「ファミチキ」は、登録商標である(以下、同じ。)。
【0123】
図9において、表示領域A~Cは、ディスプレイ331~333に対応しており、表示領域Aには、ユーザAの投稿コメントが写真付きで紹介されており、表示領域Bには、ユーザBの投稿コメントが写真付きで紹介されており、表示領域Cには、ユーザCの投稿コメントが写真付きで紹介されている。
【0124】
図9において、911~914は、ユーザAのユーザネーム、コメント、ハッシュタグ、投稿画像であり、921~924は、ユーザBのユーザネーム、コメント、ハッシュタグ、投稿画像であり、931~934は、ユーザCのユーザネーム、コメント、ハッシュタグ、投稿画像である。
【0125】
図9に示されるとおり、表示領域A~Cに表示された内容は、商品(ファミチキ)についてのSNSユーザの声を紹介するという番組になっているとともに、コメント抽出対象のハッシュタグに店舗の商品名(「#ファミチキ」)を採用することで、当該商品についての活き活きとした広告にもなっている。
【0126】
また、図示されていないが、他の実施形態として次のようなものもある。つまり、ディスプレイ331~333をぶち抜いた広告として、中央部に商品(例えば、ビール)を大きく映し出し、その商品の周囲に当該商品に関わる複数のSNS投稿コメントをランダムに配置するなどの演出である。当該複数の投稿コメントは商品のまわりを浮遊するように演出してもよい。この場合の情報発信においては、広告(商品)が主となり、番組(当該商品に対するコメント)が従となる。
【0127】
本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおいては、このような番組と広告とを融合させて情報発信をすることも可能となる。さらに、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおいては、SNS投稿コメントと商品との組み合わせのほかに、料理やカクテルのレシピ紹介番組と商品(料理やアルコール飲料など)との組み合わせ、体操やストレッチングの紹介番組と商品(サプリメントなど)との組み合わせといった融合形態がある。
【0128】
また、番組については上述のようにランキング番組やSNS等のコメント紹介番組を例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、ニュース・災害等情報番組、天気予報番組、短編ドラマ・アニメ番組、地域情報の特集番組、アート壁紙鑑賞番組、電車運行情報番組、第三者による動画投稿配信番組等、幅広いコンテンツを番組として採用できる。
【0129】
(コンテンツBの表示パターン)
図10に示されたものは、コンテンツB(広告)の表示例であり、異業種ダブルネーム広告の表示例である。
図10において、画面領域1001には、店舗が提供するおつまみ(鳥の唐揚げ)についての動画または静止画広告表示領域1002と、他の飲料会社によるビール飲料に関する動画又は静止画広告表示領域1003及び1004とが設けられている。さらに、画面領域1001の中央部には、これらの商品を合わせて購入した場合の割引オファーメッセージ1005が表示されている。
【0130】
本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおいては、このような異業種(異なる企業)ダブルネームによる広告発信も可能である。特に、広告表示領域が動画で行われた場合には、異なる企業に関する動画広告が同時進行することとなる。さらに、ダブルネームにかかる商品の組み合わせの相性が良好な場合には、顧客に対する訴求効果を一層高めることができる。
【0131】
図11に示されたものは、コンテンツB(広告)の他の表示例であり、店舗が位置する地域や店舗近隣の外気温と連動した広告提示を行うものである。ここで、外気温は、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステム(サーバや店舗端末)において取得される情報に基づく。
図11(A)には、外気温が所定温度以上の場合に所定の飲料を一定額割り引く旨のオファー広告の態様が示されている。同図(A)において、画面領域1111には、外気温情報表示領域1112と、所定の飲料を一定額割り引く旨のオファー広告(気温割引クーポン)1113が設けられている。画面領域1111におけるその他の領域の一部または全部には、任意の静止画または動画を再生させることができる(再生しないことも可能である)。
【0132】
図11(B)には、外気温が所定温度以上の場合に所定の洗剤を一定額割り引く旨のオファー広告の態様が示されている。同図(B)において、画面領域1121には、外気温情報表示領域1122と、所定の洗剤を一定額割り引く旨のオファー広告(真夏日割引オファー)1123が設けられている。画面領域1121におけるその他の領域の一部または全部には、任意の静止画または動画を再生させることができる(再生しないことも可能である)。
【0133】
図11を参照して説明した実施形態に関連して、本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおいては、外気温以外の他の要素に基づく連動広告を再生ないし表示させることもできる。例えば、次のようなものがある。
【0134】
(1)イベント連動/ターゲティング広告
成人式、母の日、父の日、誕生日など、お祝いイベントに相応しい商品(例えば、ビールなどの飲料やソーセージやハムなどの食品)に関する広告をイベント時期に合わせて再生ないし表示させる。このようなイベントと広告との連動により、定常的なブランディングが可能となり、また、顧客への購入タイミング想起による購買促進が図られる。
【0135】
(2)曜日連動広告・日にち連動広告
例えば、週末の金曜日にだけ特定の広告を再生ないし表示させる。こうしたカレンダーユーティリティと連動した広告の提示により、曜日や日にちをきっかけとした購買促進が図られる。
【0136】
(3)時間帯別メッセージ広告
たとえば、夜遅くまで働く顧客層をターゲットとして、深夜にだけ特定の広告を再生ないし表示させる。あるいは、定時まで働く顧客層をターゲットとして、朝の時間帯には、「今日はご褒美」といった類にメッセージ広告を提示し、昼の時間帯には、「あと6時間」といった類にメッセージ広告を提示し、定時以降の時間帯には、「お疲れさま」といった類のメッセージ広告を提示する。このような広告提示により、顧客自身のご褒美としての購入意欲を増進させたり、今日だけは購入してみようといったトライアル機会を送出したりできる。
【0137】
(4)シーズナル×エリア別シーン広告
たとえば、夏季に花火大会の映像を流すシーンとともに飲料等の広告を提示させる。このとき、エリア別(及び/または開催時期別)のパッケージ連動を行うこともできる。このような広告提示により、定常的なブランディングが可能になるとともに、シーズナブル/エリア訴求によるアテンション効果を高めることができる。
【0138】
(ゲーム性・演出性を高めたコンテンツBの表示パターン)
図12~
図14に、ゲーム性や演出性を高めたコンテンツBの表示パターンを例示する。なお、発明の理解の容易のためにコンテンツBを例にとって説明するが、本発明はこれに制限されるものではなく、本発明の趣旨に沿う限り、
図12~
図14に示される表示パターンをコンテンツAの表示にも適用できる。
以下、コンテンツBを例にとって説明する。
【0139】
図12(A)の画面領域1210には、ディスプレイ331~333の画面にそれぞれ対応する画面1211~1213が配置されており、それぞれの画面において個別の動画広告が再生ないし表示される。そして、各動画広告には、ルーレットの役割を果たさせる。例えば、各画面を遊技機(スロットマシン)の出目のように見立て、それぞれの画面におつまみの動画を左から順に表示させる。そして、画面中の任意の領域及び/またはスピーカ472を介して、「今日のつまみは何にしよう。」といった類のメッセージを発信する。こうしたゲーム性のある広告提示により、おつまみを買う場合には特定のビールを買おうといった特定のマインドを創出したり、特定のアルコール飲料とのセット購入の意欲を増進させたりすることができる。
【0140】
図12(B)の画面領域1220には、ディスプレイ331~333の画面にそれぞれ対応する画面1221~1223が配置されており、それぞれの画面において個別の動画広告が再生ないし表示される。そして、各画面を遊技機(スロットマシン)の出目のように見立て、それぞれの画面に店舗内にある任意の商品広告を左から順に表示させる。このとき、各ディスプレイ上部中央に設置されたカメラあるいは、カメラ471を介して、会計のためにレジ前に並んでいる顧客を本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムに把握させる。そして、
図12(B)に示される広告の提示が始まって以降、レジに並んだ顧客の買物が、画面1221~1223に表示された各商品の一部または全部を含んでいた場合には、当選と判断し、所定の特典(一定額の割引や次回来店時に有効なクーポンの配布など)を該当する顧客に付与する。このような興趣のある演出広告を行うことで、広告主による訴求効果を高めたり、顧客の満足度を高めたりすることもできる。
【0141】
なお、この実施例では、レジで読み取った商品情報と、現在提示している広告商品との照合を店舗端末によって行わせることができる。このように構成することで、上記当選の判断を迅速かつ的確に行わせることができる。
【0142】
図13に、演出性を高めたコンテンツBの他の表示パターンを例示する。
図13に示された表示例では、ディスプレイ331~333にわたる全画面領域1310の任意の区画を動画表示領域として、その動画表示領域において動画広告を再生し、さらに、その動画表示領域そのものを移動させるという制御を行う。以下、
図13(A)~(E)を参照して説明する。なお、同図(A)~(E)は、時間的経過を伴って動画広告の表示態様が変化する様子を示している。
【0143】
図13(A)には、全画面領域1310の両端にそれぞれ所定領域1311a及び1312bが割り当てられ、所定領域1311aにおいて動画CM1が再生ないし表示され、所定領域1312aにおいて動画CM2が再生ないし表示されている。次に、所定領域1311a及び1312aは、動画再生を継続したまま互いに中央部へ向かって移動する。
【0144】
図13(B)~(D)は、時間の経過とともに、所定領域1311a及び1312aが動画再生を継続したまま互いに中央部へ向かって移動していく様子を示している。念のため、それぞれの所定領域の符号番号も1311b→1311c→1311d、及び1312b→1312c→1312dと変化させた。
そして、同図(D)において、所定領域1311d及び1312dは互いに接触する。
【0145】
次に、
図13(E)において示されるように、同図(D)における所定領域1311d及び1312dは、それぞれ全画面領域1310内いっぱいに拡大され、所定領域1311e及び1312eとなって、同画面を占有する。このときの所定領域の拡大方法は、被写体をズームインまたはズームアウトするように広げてもよいし、あるいは、等倍率のまま被写体を含む画角を広げてもよい。その他、撮影技法に基づくあらゆる公知の手法が適用可能である。
【0146】
図14に、演出性を高めたコンテンツBのさらに他の表示パターンを例示する。
図14に示された表示例では、ディスプレイ331~333にわたる全画面領域1410の任意の区画を動画表示領域として、その動画表示領域において動画広告を再生し、さらに、その動画表示領域そのものを移動させるという制御と、動画表示領域に表示される動画コンテンツを他の動画コンテンツに差し替える制御とを行う。以下、
図14(A)~(E)を参照して説明する。なお、同図(A)~(E)は、時間的経過を伴って動画広告の表示態様が変化する様子を示している。
【0147】
図14(A)には、もともと全画面領域1410の両端にあった所定領域1411a及び1412b(不図示)が、それぞれ動画再生を継続したまま互いに中央部へ向かって移動している様子を表している。なお、所定領域1411aにおいては動画CM1が再生ないし表示され、所定領域1412aにおいては動画CM2が再生ないし表示されている。
【0148】
そして、同図(B)において、動画CM1が再生ないし表示される所定領域1411bと、動画CM2が再生ないし表示される所定領域1412bは、互いに接触する。
【0149】
次に、同図(C)において、所定領域1421において、これまで再生されていた動画CM2が動画CM3に切り替わる(所定領域1411cには、継続して動画CM1が再生されている)。続いて、同図(D)においては、所定領域1431aにおいて、これまで再生されていた動画CM3が動画CM4に切り替わる(所定領域1411dには、継続して動画CM1が再生されている)。
【0150】
そうして、同図(E)においては、所定領域1441において、これまで再生されていた動画CM1が動画CM5に切り替わるとともに、画面中左方向へ拡大される(なお、同図(E)の所定領域1441内に表示されている「ファミコロ」は、登録商標である。)。また、所定領域1431bにおいては、継続して動画CM4が再生されつつ、画面中右方向へ拡大される。
このようにして、それぞれ拡大する所定領域1441及び1431bによって、全画面領域1410は占有される。
【0151】
なお、
図14に示されたような演出性を備えたコンテンツの表示パターンにおいては、各所定領域中の動画CMが適宜切り替えられるので、動画CMにかかる商品を上述したランキング番組に取り入れる場合には、番組と広告とが融合した情報提供の一形態としても位置付けられる。
【0152】
(さらなる応用:種々のアルゴリズムの適用)
本発明の一実施形態にかかるサイネージシステムにおいては、以下の状況等を考慮したアルゴリズムを採用することができる。
【0153】
(A)小売業でのレジの会計時間は、概ね30秒~1分程度とされており、会計のためにレジカウンターエリアに並ぶ顧客一人一人に対して、番組及び広告(各15秒)を少なくとも一回閲覧してもらえる確率を高めるよう、公知の最適化技術・AI技術を用いてバランスよく配分させる。
【0154】
(B)小売業の業態によって店舗での滞在時間、レジでの混雑時間等が異なるため、AIカメラ(画像認識技術および画像解析技術を備えた公知の視覚情報処理システム)等により、滞在時間、混雑具合や会計点数等の状況の変化を的確に把握し、番組及び広告の配信パターンや配信ロール長を自動的に最適化する(公知のAI技術による自動学習も含まれる)。
【0155】
(C)番組及び広告の内容について、全国の店舗において一律で流れるものや、県や市区町村という行政区域内の店舗で流れるもの、さらには、店舗を中心とした店舗商圏に合わせて流れるものまでを店舗の地理情報に基づき適宜細分化してコンテンツ再生スケジュールを制御する。こうした制御により、顧客にとってより身近な情報(番組や広告)に接触することができるとともに、広告主にとっても地域ごとの顧客ニーズに合致した広告の出し分けが可能となる。
【0156】
以上、具体例に基づき、本発明にかかるサイネージシステム等の種々の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0157】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0158】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0159】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0160】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0161】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0162】
10 サイネージシステム
11 情報管理サーバ(本部サーバ)
12 サイネージ管理サーバ
130a~130c 店舗
131a~131c 店舗PC(STBに機能吸収させる場合には省略可)
132a~132c セットトップボックス(店舗PCで代用する場合には省略可)
133a~133c ディスプレイ(電子看板)
13~14、15a~15c 通信回線
19 公衆回線(インターネット、専用線、社内LAN等)