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特許7582880債権管理装置、債権管理方法、および、債権管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】債権管理装置、債権管理方法、および、債権管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241106BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021030111
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131256
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄三
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-178458(JP,A)
【文献】特開2004-178346(JP,A)
【文献】特開2010-097448(JP,A)
【文献】特開2019-082867(JP,A)
【文献】特開2020-004139(JP,A)
【文献】特開2015-090585(JP,A)
【文献】特開2020-166469(JP,A)
【文献】特開2006-323519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた債権管理装置であって、
前記記憶部は、
取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、
満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得手段と、
前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新手段と、
前記取引停止データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定手段と、
を備え
前記取引停止取得手段は、
前記取引先による前記ファクタリング会社に対する債務弁済があった場合、当該取引先に対する取引停止解除データを取得し、
前記更新手段は、
前記取引停止解除データに基づいて、前記取引先マスタを更新し、
前記処理続行判定手段は、
前記取引停止解除データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との前記取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行可能と判定することを特徴とする債権管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記処理続行判定手段により前記処理続行不可と判定された場合、処理続行不可メッセージを出力させるメッセージ出力手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の債権管理装置。
【請求項3】
前記処理続行判定手段は、
更に、前記取引先との前記取引設定データを入力させる取引入力画面を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の債権管理装置。
【請求項4】
前記取引停止データは、
前記取引先に対する取引停止日が設定され、
前記更新手段は、
前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタに設定された前記取引先の前記取引状態として前記取引停止日を設定することを特徴とする請求項に記載の債権管理装置。
【請求項5】
前記取引停止解除データは、
前記取引先に対する取引停止解除日が設定され、
前記更新手段は、
更に、前記取引停止解除データに基づいて、前記取引停止解除日が到来した場合、前記取引先マスタに設定された前記取引停止日を設定解除することを特徴とする請求項に記載の債権管理装置。
【請求項6】
前記取引設定データは、
受注設定データ、出荷設定データ、または、売上設定データであることを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の債権管理装置。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた債権管理装置に実行させるための債権管理方法であって、
前記記憶部は、
取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、
満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得ステップと、
前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新ステップと、
前記取引停止データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定ステップと、
前記取引先による前記ファクタリング会社に対する債務弁済があった場合、当該取引先に対する取引停止解除データを取得する取引停止解除取得ステップと、
前記取引停止解除データに基づいて、前記取引先マスタを更新する解除更新ステップと、
前記取引停止解除データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との前記取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行可能と判定する処理続行可能判定ステップと、
を含むことを特徴とする債権管理方法。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた債権管理装置に実行させるための債権管理プログラムであって、
前記記憶部は、
取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、
満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得ステップと、
前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新ステップと、
前記取引停止データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定ステップと、
前記取引先による前記ファクタリング会社に対する債務弁済があった場合、当該取引先に対する取引停止解除データを取得する取引停止解除取得ステップと、
前記取引停止解除データに基づいて、前記取引先マスタを更新する解除更新ステップと、
前記取引停止解除データに基づいて前記取引先マスタが更新され、且つ、前記取引先との前記取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび当該取引先マスタに基づいて、処理続行可能と判定する処理続行可能判定ステップと、
を実行させるための債権管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権管理装置、債権管理方法、および、債権管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、債務者である支払企業と債権者である納入企業との間の同一満期の債権債務を相殺し、支払企業からの支払に従って、納入企業に対する支払処理を実行する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-219933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、ファクタリング会社にて債務者からの債権回収ができなかった場合、ファクタリング会社からの取引停止を自動連携できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ファクタリング会社に対して請求データを連携し、その後ファクタリング会社にて債権回収ができなかった場合、ファクタリング会社からの取引停止データを自動連携することができる債権管理装置、債権管理方法、および、債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権管理装置は、記憶部と制御部とを備えた債権管理装置であって、前記記憶部は、取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得手段と、前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新手段と、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび前記取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記取引停止取得手段は、更に、前記取引先による前記ファクタリング会社に対する債務弁済があった場合、当該取引先に対する取引停止解除データを取得し、前記更新手段は、更に、前記取引停止解除データに基づいて、前記取引先マスタを更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記処理続行判定手段は、更に、前記取引先との前記取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび前記取引先マスタに基づいて、処理続行可能と判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記制御部は、前記処理続行判定手段により処理続行不可と判定された場合、処理続行不可メッセージを出力させるメッセージ出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記処理続行判定手段は、更に、前記取引先との前記取引設定データを入力させる取引入力画面を表示させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記取引停止データは、前記取引先に対する取引停止日が設定され、前記更新手段は、前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタに設定された前記取引先の前記取引状態として前記取引停止日を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記取引停止解除データは、前記取引先に対する取引停止解除日が設定され、前記更新手段は、更に、前記取引停止解除データに基づいて、前記取引停止解除日が到来した場合、前記取引先マスタに設定された前記取引停止日を設定解除することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権管理装置において、前記取引設定データは、受注設定データ、出荷設定データ、または、売上設定データであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る債権管理方法は、記憶部と制御部とを備えた債権管理装置に実行させるための債権管理方法であって、前記記憶部は、取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得ステップと、前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新ステップと、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび前記取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る債権管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた債権管理装置に実行させるための債権管理プログラムであって、前記記憶部は、取引先毎の取引状態を設定した取引先マスタを記憶する取引先記憶手段と、満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶する債権記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記満期日迄に前記ファクタリング会社による前記取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得する取引停止取得ステップと、前記取引停止データに基づいて、前記取引先マスタを更新する更新ステップと、前記取引先との取引設定データが入力された場合、前記取引設定データおよび前記取引先マスタに基づいて、処理続行不可と判定する処理続行判定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、債権を回収できなかった会社に対しての取引(受注・出荷・売上)が発生したとしても、処理を進められないようにシステム上で制御を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、未回収債権の回収が完了できた場合、ファクタリング会社からの通知を自動連携できるため、債権を回収できなかった会社に対しての取引の再開が可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、債権回収リスクを減らすことが可能となり、取引の機会損失を防ぐことが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、外食業等へ卸している卸売業にとって、債権回収リスクを減らすことにつながるという効果を奏する。また、本発明によれば、取引停止条件を満たした場合に即座に業務の後工程を停止させることができ、停止条件を免れた場合に直ちに取引を復帰させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、通常の与信管理だけでは検知できない未回収リスクの回避、および、取引停止遅延による不要な営業機会損失の防止をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、債権回収業において、機械的に貸し倒れのリスクを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態における債権管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における債権管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における債権管理処理の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における取引先マスタ画面の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における債権管理処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における受注入力画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における出荷入力画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における売上入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0019】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0020】
従来、ファクタリング会社に対して債権譲渡を行う部分での債権連携までは、システム化されていることがあった。ここで、実際の運用において、ファクタリング会社に債権を譲渡された後、債権が回収できなかった場合、ファクタリング会社から債権譲渡元の会社に通知がきて、該当の取引先との取引を停止する必要があるが、その際にアナログでの運用となるため、通知漏れの発生や、通知のタイミングによっては取引停止が遅れてしまうことがあった。一方、従来、未回収であった債権が回収された場合、ファクタリング会社から債権譲渡元の会社に通知がきて、該当の取引先との取引を開始する必要があるが、こちらも同様にアナログでの運用となるため、通知漏れの発生や、通知タイミングによっては取引開始が遅れてしまうことがあった。
【0021】
そこで、本実施形態においては、ファクタリング会社から取引停止の情報を連携し、受注・出荷・売上全ての取引を自動で停止し、ファクタリング会社から取引解除の情報を連携し、受注・出荷・売上全ての取引を自動で開始するように制御できる仕組みを提供している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る債権管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における債権管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、債権管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
債権管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、取引先マスタ106aと債権データベース106bとを備えている。
【0028】
取引先マスタ106aは、取引先毎の取引状態を設定したマスタである。ここで、取引先マスタ106aは、取引先識別子(例えば、取引先コード、および/または、取引先名等)、および、取引状態(例えば、取引停止日等)が紐付けて設定されていてもよい。
【0029】
債権データベース106bは、債権データを記憶する。ここで、債権データベース106bは、満期日が設定された、ファクタリング会社によりファクタリングされた債権の債権データを記憶していてもよい。
【0030】
制御部102は、債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取引停止取得部102aと更新部102bと処理続行判定部102cとメッセージ出力部102dとを備えている。
【0031】
取引停止取得部102aは、取引先に対する取引停止データを取得する。ここで、取引停止取得部102aは、債権の満期日迄にファクタリング会社による取引先からの債権回収ができなかった場合、当該取引先に対する取引停止データを取得してもよい。また、取引停止取得部102aは、取引先によるファクタリング会社に対する債務弁済があった場合、当該取引先に対する取引停止解除データを取得してもよい。また、取引停止データは、取引先に対する取引停止日が設定されていてもよい。また、取引停止解除データは、取引先に対する取引停止解除日が設定されていてもよい。また、取引停止取得部102aは、取引停止データ、または、取引停止解除データを債権データベース106bに格納してもよい。
【0032】
更新部102bは、取引先マスタ106aを更新する。ここで、更新部102bは、
取引停止データに基づいて、取引先マスタ106aを更新してもよい。また、更新部102bは、取引停止解除データに基づいて、取引先マスタ106aを更新してもよい。また、更新部102bは、取引停止データに基づいて、取引先マスタ106aに設定された取引先の取引状態として取引停止日を設定してもよい。また、更新部102bは、取引停止解除データに基づいて、取引停止解除日が到来した場合、取引先マスタ106aに設定された取引停止日を設定解除してもよい。
【0033】
処理続行判定部102cは、取引先との取引設定データが入力された場合、処理続行可能か否かを判定する。ここで、処理続行判定部102cは、取引先との取引設定データが入力された場合、取引設定データおよび取引先マスタ106aに基づいて、処理続行不可と判定してもよい。また、処理続行判定部102cは、取引先との取引設定データが入力された場合、取引設定データおよび取引先マスタ106aに基づいて、処理続行可能と判定してもよい。また、処理続行判定部102cは、取引先との取引設定データを入力させる取引入力画面を表示させてもよい。また、取引設定データは、受注設定データ、出荷設定データ、または、売上設定データであってもよい。
【0034】
メッセージ出力部102dは、処理続行不可メッセージを出力させる。ここで、メッセージ出力部102dは、処理続行判定部102cにより処理続行不可と判定された場合、処理続行不可メッセージを出力させてもよい。
【0035】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図8を参照して説明する。
【0036】
[債権管理処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における債権管理処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における債権管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図2に示すように、制御部102は、ユーザにより入力装置112を介して取引入力画面に取引先との取引設定データが入力された場合、取引設定データに対応する債権データを取得し、当該債権データをファクタリング会社に送信する(ステップSA-1)。
【0038】
そして、制御部102は、取引設定データに設定された取引先の取引状態である取引停止日をブランク(null)として取引先マスタ106aに設定する(ステップSA-2)。
【0039】
そして、取引停止取得部102aは、債権の満期日において、ファクタリング会社から送信される取引先に対する取引停止データを取得したか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0040】
そして、取引停止取得部102aは、取引停止データを取得していないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-10に移行させる。
【0041】
一方、取引停止取得部102aは、取引停止データを取得したと判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0042】
そして、更新部102bは、取引停止データに基づいて、取引先マスタ106aに設定された取引停止日に債権の満期日を設定する(ステップSA-4)。
【0043】
そして、処理続行判定部102cは、ユーザにより入力装置112を介して取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されたか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0044】
そして、処理続行判定部102cは、取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0045】
一方、処理続行判定部102cは、取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されたと判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0046】
そして、処理続行判定部102cは、取引設定データおよび取引先マスタ106aに基づいて、処理続行不可と判定する(ステップSA-6)。
【0047】
そして、メッセージ出力部102dは、処理続行不可メッセージを出力装置114に表示させる(ステップSA-7)。
【0048】
そして、取引停止取得部102aは、取引先によるファクタリング会社に対する債務弁済があった場合にファクタリング会社から送信される、当該取引先に対する取引停止解除日が設定された、当該取引先に対する取引停止解除データを取得したか否かを判定する(ステップSA-8)。
【0049】
そして、取引停止取得部102aは、取引停止解除データを取得していないと判定した場合(ステップSA-8:No)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0050】
一方、取引停止取得部102aは、取引停止解除データを取得したと判定した場合(ステップSA-8:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0051】
そして、更新部102bは、取引停止解除データに基づいて、取引停止解除日が到来した場合、取引先マスタ106aに設定された取引停止日を設定解除(ブランク(null)に設定)する(ステップSA-9)。
【0052】
そして、処理続行判定部102cは、ユーザにより入力装置112を介して取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されたか否かを判定する(ステップSA-10)。
【0053】
そして、処理続行判定部102cは、取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されていないと判定した場合(ステップSA-10:No)、処理を終了する。
【0054】
一方、処理続行判定部102cは、取引入力画面に取引先との取引設定データが入力されたと判定した場合(ステップSA-10:Yes)、処理をステップSA-11に移行させる。
【0055】
そして、処理続行判定部102cは、取引設定データおよび取引先マスタ106aに基づいて、処理続行可能と判定し、取引設定データに基づく処理を続行させ(ステップSA-11)、処理を終了する。
【0056】
ここで、図3から図8を参照して、本実施形態における債権管理処理の一例について説明する。図3および図5は、本実施形態における債権管理処理の一例を示す図である。図4は、本実施形態における取引先マスタ画面の一例を示す図である。
【0057】
図3に示すように、本実施形態においては、債権譲渡元企業にて、受注入力および出荷入力に対応する商品が取引先に出荷され、売上入力に対応する債権データがファクタリング会社に送信される。そして、図3に示すように、本実施形態においては、ファクタリング会社にて、請求書が発行されて取引先に送付され、債権の満期日:2020年1月5日に取引先から入金がされなかった場合、取引停止データが作成されて債権譲渡元企業に送信される。そして、図3に示すように、本実施形態においては、債権譲渡元企業にて、受信した取引停止データに基づいて、取引先マスタ106aが自動更新される。そして、図3に示すように、本実施形態においては、債権譲渡元企業にて、各入力画面に取引先との取引設定データが入力された場合、取引先マスタ106aの取引停止日が参照され、各入力画面の基準日が取引停止日+1日(2020年1月6日)以降であれば処理続行不可となる。ここで、図3においては、取引先マスタ106aの自動更新の一例が示されているが、図4に示すように、本実施形態においては、取引停止データを受信した際に、取引先マスタ画面にて取引停止日が手動登録されてもよい。
【0058】
そして、図5に示すように、本実施形態においては、取引先からファクタリング会社に対する入金があった場合、ファクタリング会社にて取引停止解除データが作成されて債権譲渡元企業に送信される。そして、図5に示すように、本実施形態においては、債権譲渡元企業にて、受信した取引停止解除データに基づいて、取引先マスタ106aが自動更新される。そして、図5に示すように、本実施形態においては、債権譲渡元企業にて、各入力画面に取引先との取引設定データが入力された場合、取引先マスタ106aの取引停止日が参照され、データがセットされていなければ処理続行可能となる。
【0059】
ここで、図6から図8を参照して、本実施形態における処理続行不可メッセージ出力の一例について説明する。図6は、本実施形態における受注入力画面の一例を示す図である。図7は、本実施形態における出荷入力画面の一例を示す図である。図8は、本実施形態における売上入力画面の一例を示す図である。
【0060】
図6に示すように、本実施形態においては、受注入力画面にて取引先コードおよび受注日付が入力された場合、取引先および受注日により取引停止かどうかが判断され、取引停止の場合、メッセージの表示後、処理続行不可となる。
【0061】
また、図7に示すように、本実施形態においては、出荷入力画面にて取引先コードおよび出荷日付が入力された場合、取引先および出荷日により取引停止かどうかが判断され、取引停止の場合、メッセージの表示後、処理続行不可となる。
【0062】
また、図8に示すように、本実施形態においては、売上入力画面にて取引先コードおよび売上日付が入力された場合、取引先および売上日により取引停止かどうかが判断され、取引停止の場合、メッセージの表示後、処理続行不可となる。
【0063】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0066】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0067】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0069】
また、債権管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0070】
例えば、債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0071】
また、このコンピュータプログラムは、債権管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0073】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0074】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0075】
また、債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0076】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、食材卸等の取引先に中小零細企業が多い食品業界、および、ファクタリング会社等の金融業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0078】
100 債権管理装置
102 制御部
102a 取引停止取得部
102b 更新部
102c 処理続行判定部
102d メッセージ出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 取引先マスタ
106b 債権データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8