(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ポリイソシアネート組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 18/32 20060101AFI20241106BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20241106BHJP
C08G 18/73 20060101ALI20241106BHJP
C08G 18/78 20060101ALI20241106BHJP
C08G 18/79 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C08G18/32 071
C08G18/10
C08G18/73
C08G18/78 037
C08G18/79 020
(21)【出願番号】P 2021041411
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 拡之
(72)【発明者】
【氏名】高松 孝二
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/021394(WO,A1)
【文献】特開平11-193267(JP,A)
【文献】特開2020-007450(JP,A)
【文献】特開2018-035309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と変性剤との反応生成物であり、
前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体は、イソシアヌレート基およびアロファネート基を含有し、
示差屈折率検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフによって、前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体の分子量分布を測定して、得られたクロマトグラムにおいて、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体に由来するピークの総面積に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積の面積比率(イソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積/アロファネート2分子体に由来するピークの総面積)が、0.3以上2.0以下であり、
前記変性剤は、アミノアルコールからなり、
前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部に対する変性剤の変性量が、0.1質量部以上10質量部以下である、ポリイソシアネート組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応により製造される。ポリウレタン樹脂は、例えば、コーティング材料、接着材料、粘着材料、および、エラストマーとして、各種産業分野において広範に使用されている。詳しくは、ポリウレタン樹脂は、例えば、被塗物に塗布し、塗膜を形成することにより、被塗物に各種物性を付与できる。
【0003】
ポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート変性体を、12-ヒドロキシステアリン酸およびN,N-ジメチルアミノヘキサノールを含む変性剤で変性させた2液型ポリウレタン樹脂塗料用硬化剤が提案されている(例えば、特許文献1の実施例1参照。)。
【0004】
また、HDIのイソシアヌレート変性体を、ポリエーテルポリオールおよびN,N-ジメチルアミノヘキサノールを含む変性剤で変性させた2液型ポリウレタン樹脂塗料用硬化剤が提案されている(例えば、特許文献2の実施例1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-215815号公報
【文献】特開2010-222504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、自動車用途、電子用途、および、建築用途では、ポリウレタン樹脂から形成される塗膜には、乾燥性、耐溶剤性および耐水性が要求される。
【0007】
本発明は、乾燥性、耐溶剤性および耐水性に優れるポリイソシアネート組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と変性剤との反応生成物であり、前記変性剤は、アミノアルコールからなり、前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部に対する変性剤の変性量が、0.1質量部以上10質量部以下である、ポリイソシアネート組成物である。
【0009】
本発明[2]は、前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体が、イソシアヌレート基および/またはアロファネート基を含有する、上記[1]に記載のポリイソシアネート組成物を含んでいる。
【0010】
本発明[3]は、示差屈折率検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフによって、前記ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体の分子量分布を測定して、得られたクロマトグラムにおいて、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体に由来するピークの総面積に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積の面積比率(イソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積/アロファネート2分子体に由来するピークの総面積)が、0.3以上である、上記[2]に記載のポリイソシアネート組成物を含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のポリイソシアネート組成物は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、アミノアルコールからなる変性剤との反応生成物であり、変性剤の変性量が所定の範囲である。そのため、このポリイソシアネート組成物によれば、乾燥性、耐溶剤性および耐水性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例1のポリイソシアネート組成物のゲルパーミエーションクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のポリイソシアネート組成物は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と変性剤との反応生成物である。つまり、ポリイソシアネート組成物は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、変性剤との反応により得られる。反応生成物は、分子量分布を有し、かつ、分子末端にイソシアネート基を有するため、ポリイソシアネート組成物である。
【0014】
<ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体>
ペンタメチレンジイソシアネートとしては、例えば、1,2-ペンタメチレンジイソシアネート、1,3-ペンタメチレンジイソシアネート、1,4-ペンタメチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、2,3-ペンタメチレンジイソシアネート、2,4-ペンタメチレンジイソシアネート、または、これらの混合物が挙げられ、好ましくは、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0015】
以下の説明では、特に言及がない限り、ペンタメチレンジイソシアネート(以下、PDIと略する場合がある。)は、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートである。
【0016】
ペンタメチレンジイソシアネートは、特に限定されず、例えば、国際公開第2012/121291号パンフレットの明細書における実施例1に準拠して製造することができる。
【0017】
ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートの多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート誘導体、イミノオキサジアジンジオン誘導体)、5量体、7量体)、アロファネート誘導体(例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートと、1価アルコールまたは2価アルコールとの反応より生成するアロファネート誘導体)、ポリオール誘導体(例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートと3価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン)との反応より生成するポリオール誘導体(アルコール付加体))、ビウレット誘導体(例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートと、水またはアミン類との反応により生成するビウレット誘導体)、ウレア誘導体(例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートとジアミンとの反応により生成するウレア誘導体)、オキサジアジントリオン誘導体(例えば、上記したペンタメチレンジイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン)、カルボジイミド誘導体(上記したペンタメチレンジイソシアネートの脱炭酸縮合反応により生成するカルボジイミド誘導体)、ウレトジオン誘導体、および、ウレトンイミン誘導体が挙げられる。
【0018】
また、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体として、アロファネート基およびイソシアヌレート基の両方を有するアロファネート-イソシアヌレート誘導体も挙げられる。
【0019】
ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート-イソシアヌレート誘導体を得るには、まず、ペンタメチレンジイソシアネートに、アルコールを部分的に反応させて、部分的にウレタン変性させたペンタメチレンジイソシアネート(ウレタン反応液)を調製する。
【0020】
アルコールとしては、例えば、炭素数1~8のアルコールが挙げられる。炭素数1~8のアルコールとしては、例えば、炭素数1~8の1価アルコール、および、炭素数1~8の2価アルコールが挙げられる。
【0021】
炭素数1~8の1価アルコールとしては、例えば、直鎖状の炭素数1~8の1価アルコール、および、分岐状の炭素数1~8の1価アルコールが挙げられる。直鎖状の炭素数1~8の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、および、n-オクタノールが挙げられる。分岐状の炭素数1~8の1価アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、および、イソオクタノールが挙げられる。
【0022】
炭素数1~8の2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、および、オクタメチレングリコールが挙げられる。
【0023】
アルコールとして、好ましくは、炭素数1~8の1価アルコール、より好ましくは、炭素数1~4の1価アルコール、さらに好ましくは、分岐状の炭素数1~4の1価アルコール、さらに好ましくは、イソブタノールが挙げられる。
【0024】
また、上記反応において、必要に応じて、例えば、酸化防止剤(例えば、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート)、および、助触媒(例えば、トリデシルホスファイト)を適宜の割合で添加することができる。
【0025】
次いで、上記ウレタン反応液に、イソシアヌレート化触媒(例えば、N-(2-ヒドロキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム-2-エチルヘキサノエート)を添加して、ウレタン反応液をイソシアヌレート化反応する。
【0026】
イソシアヌレート化触媒は、溶媒に溶解させた触媒溶液として用いることもできる。また、触媒溶液における溶媒としては、グリコールエステル類(例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート)が挙げられる。
【0027】
そして、上記のイソシアヌレート化反応では、好ましくは、任意のタイミングで、触媒失活剤(例えば、o-トルエンスルホンアミド)を添加し、反応を停止させる。触媒失活剤を添加するタイミングは、例えば、イソシアネート基の転化率(後述)が目標値に到達した時点である。
【0028】
これにより、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート-イソシアヌレート誘導体が得られる。
【0029】
この方法では、上記イソシアヌレート化反応終了後、必要に応じて、得られる反応混合液から、未反応のペンタメチレンジイソシアネート(さらに、必要に応じて、イソシアヌレート化触媒、および、触媒失活剤)を、例えば、薄膜蒸留(スミス蒸留)などの蒸留や、抽出などの公知の方法で除去する。
【0030】
また、上記方法では、イソシアヌレート化反応の前に、ペンタメチレンジイソシアネートを部分的にウレタン変性させているため、イソシアヌレート化反応させると、イソシアヌレート誘導体の生成とともに、アロファネート誘導体も生成する。
【0031】
そして、上記反応では、アルコールの配合割合およびペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート転化率(後述)によって、アロファネート-イソシアヌレート誘導体におけるアロファネート基の量およびイソシアヌレート基の量を調整することができる。
【0032】
アルコールの配合割合として、具体的には、アルコールのヒドロキシル基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は、例えば、1以上、好ましくは、10以上、より好ましくは、15以上、さらに好ましくは、20以上、とりわけ好ましくは、50以上、最も好ましくは、70以上、また、例えば、400以下、好ましくは、200以下、より好ましくは、100以下、さらに好ましくは、80以下である。
【0033】
また、上記反応において、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート転化率は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
【0034】
なお、イソシアヌレート転化率は、滴定によって求めたイソシアネート基濃度の減少率を算出することにより求めることができる。
【0035】
また、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートを、ウレタン化反応液を調製することなく、そのまま、上記イソシアヌレート化触媒の存在下において反応させ、イソシアヌレート化することにより、得ることができる。
【0036】
なお、上記反応において、イソシアヌレート化反応を促進する観点から、少量のアルコール(例えば、上記したアルコール)を配合してもよい。その場合、アルコールのヒドロキシル基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、400超過となるように、アルコールを配合する。このようなペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフの測定において、アロファネート2分子体に相当するピークが検出されない。
【0037】
また、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート誘導体は、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートと、上記のアルコールとを反応させた後、公知のアロファネート化触媒の存在下でさらに反応させることにより、得ることができる。
【0038】
ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体としては、好ましくは、イソシアヌレート誘導体、アロファネート誘導体、および、アロファネート-イソシアヌレート誘導体が挙げられる。つまり、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体は、好ましくは、イソシアヌレート基および/またはアロファネート基を含有する。ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体が、イソシアヌレート基および/またはアロファネート基を含有すれば、乾燥性、耐溶剤性および耐水性のバランスに優れるポリウレタン樹脂を製造できる。
【0039】
また、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体は、より好ましくは、少なくとも、イソシアヌレート基を有し、さらに好ましくは、イソシアヌレート基およびアロファネート基を有する。つまり、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体は、さらに好ましくは、アロファネート-イソシアヌレート誘導体である。ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体が、イソシアヌレート基およびアロファネート基を含有すれば、アルコールに対する反応性が向上する。また、アルコールに対する反応性が向上しても、過度に可使時間が短くなることを抑制できる。
【0040】
また、上記したアロファネート-イソシアヌレート誘導体、および、イソシアヌレート誘導体は、ペンタメチレンジイソシアネートの三量体(3分子のペンタメチレンジイソシアネートからなるイソシアヌレート誘導体(以下、イソシアヌレート3分子体))と、必要により、三量体骨格を複数有する多量体(3分子を超過する多分子のペンタメチレンジイソシアネートからなるイソシアヌレート誘導体(以下、イソシアヌレート多分子体))とを含む。
【0041】
また、上記したアロファネート-イソシアヌレート誘導体、および、アロファネート誘導体において、ペンタメチレンジイソシアネートに、1価アルコールを反応させる場合には、アロファネート-イソシアヌレート誘導体、および、アロファネート誘導体は、2分子のペンタメチレンジイソシアネートと、1価アルコールとからなるアロファネート2分子体(下記式(1))を含む。
【化1】
(式中、R1は、アルコール類の残基を示す。)
【0042】
イソシアヌレート3分子体の含有割合およびアロファネート2分子体の含有割合について、示差屈折率検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフによって、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体の分子量分布を測定して、得られたクロマトグラムにおいて、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体に由来するピークの総面積に対するペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積の面積比率(イソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積/アロファネート2分子体に由来するピークの基)は、例えば、0超過、好ましくは、0.2以上、より好ましくは、0.3以上、さらに好ましくは、0.5以上、とりわけ好ましくは、1.0以上、最も好ましくは、1.5以上、また、例えば、5.0以下、好ましくは、3.0以下、より好ましくは、2.0以下である。
【0043】
上記面積比率が、上記下限以上であれば(とりわけ、0.3以上であれば)、耐溶剤性および耐水性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。また、ポリイソシアネート組成物の可使時間を長くできる。
【0044】
ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0045】
<変性剤>
変性剤は、アミノアルコールからなる。
【0046】
アミノアルコールとしては、例えば、N,N-ジアルキルアミノアルコール、および、N,N,N´-トリアルキルアミノアルコールが挙げられる。N,N-ジアルキルアミノアルコールとしては、例えば、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、N,N-ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、および、N,N-ジメチルアミノエトキシエタノールが挙げられる。N,N,N´-トリアルキルアミノアルコールとしては、例えば、N,N,N´-トリメチルアミノエチルエタノールアミンが挙げられる。アミノアルコールとしては、好ましくは、N,N-ジアルキルアミノアルコール、より好ましくは、N,N-ジメチルアミノヘキサノールが挙げられる。
【0047】
アミノアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0048】
<ポリイソシアネート組成物>
ポリイソシアネート組成物は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、変性剤との反応により得られる。
【0049】
具体的には、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、変性剤と、必要により有機溶媒を混合し、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、変性剤とを反応させる。
【0050】
有機溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性である溶媒が選択される。このような溶媒として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および、N-メチルピロリドンが挙げられる。
【0051】
変性剤の変性量は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体におけるイソシアネート基を部分的に変性し得る量であって、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、より好ましくは、1.0質量部以上、さらに好ましくは、2.0質量部以上、とりわけ好ましくは、2.0質量部超過、最も好ましくは、2.5質量部以上、また、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下、より好ましくは、4質量部以下である。
【0052】
変性量が、上記下限以上であれば、乾燥性および耐水性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。また、ポリイソシアネート組成物は、アルコールに対する反応性に優れる。
【0053】
一方、変性量が、上記下限未満であれば、このポリイソシアネート組成物を用いて得られるポリウレタン樹脂において、乾燥性および耐水性が低下する。また、ポリイソシアネート組成物は、アルコールに対する反応性が低下する。
【0054】
また、変性量が、上記上限以下であれば、耐溶剤性および耐水性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。また、ポリイソシアネート組成物の可使時間を長くできる。
【0055】
一方、変性量が、上記上限を超過すると、このポリイソシアネート組成物を用いて得られるポリウレタン樹脂において、耐溶剤性および耐水性が低下する。また、ポリイソシアネート組成物の可使時間が短くなる。
【0056】
なお、変性剤の変性量は、変性剤の仕込み量から求めることができる。
【0057】
上記反応において、反応温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、80℃以上、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。また、反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上、また、例えば、6時間以下、好ましくは、4時間以下である。
【0058】
これにより、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と変性剤との反応生成物(ポリイソシアネート組成物)が得られる。
【0059】
また、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と変性剤との反応において、有機溶媒を配合した場合には、ポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート組成物の溶液として調製される。
【0060】
ポリイソシアネート組成物の溶液における固形分濃度は、例えば、10質量%以上、また、例えば、50質量%以下である。
【0061】
また、ポリイソシアネート組成物の溶液において、上記固形分濃度となるよう、ポリイソシアネート組成物を、有機溶媒で希釈することもできる。
【0062】
<作用効果>
ポリイソシアネート組成物は、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、アミノアルコールからなる変性剤との反応生成物であり、変性剤の変性量が所定の範囲である。そのため、このポリイソシアネート組成物によれば、乾燥性、耐溶剤性および耐水性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。
【0063】
とりわけ、このポリイソシアネート組成物によれば、変性剤として、アミノアルコールを用いているため、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体と、変性剤との反応において、ウレタン化触媒(例えば、アミン類、および、有機金属化合物)を用いなくても、乾燥性に優れるポリウレタン樹脂を製造できる。
【0064】
そして、このポリイソシアネート組成物は、ポリウレタン樹脂の製造において、好適に用いられる。具体的には、ポリイソシアネート組成物は、コーティング剤として用いられる。ポリイソシアネート組成物が、コーティング剤として用いられる場合、ポリウレタン樹脂は硬化膜となる。コーティング剤としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン組成物が挙げられる。
【0065】
なお、ポリウレタン樹脂を製造する場合においては、必要に応じて、さらに、ポリイソシアネート組成物に、公知の添加剤を適宜の割合で配合することができる。公知の添加剤としては、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、および、加水分解防止剤が挙げられる。
【0066】
2液硬化型ポリウレタン組成物は、硬化剤と主剤とがそれぞれ独立したパッケージとして調製され、それらが使用時に配合されることにより、ポリウレタン樹脂(硬化膜)を形成する。
【0067】
2液硬化型ポリウレタン組成物の製造において、ポリイソシアネート組成物は、硬化剤として用いられる。
【0068】
なお、硬化剤は、必要により上記した有機溶媒などに溶解される。
【0069】
主剤は、活性水素基含有化合物を含む。活性水素基含有化合物としては、例えば、水酸基含有化合物、および、アミノ基含有化合物が挙げられ、好ましくは、水酸基含有化合物が挙げられる。
【0070】
水酸基含有化合物としては、例えば、マクロポリオールが挙げられる。
【0071】
マクロポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量400以上10000以下、好ましくは、500以上5000以下の化合物である。マクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、および、ビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。
【0072】
マクロポリオールとしては、好ましくは、アクリルポリオールが挙げられる。
【0073】
なお、主剤は、必要により上記した有機溶媒に溶解される。
【0074】
そして、2液硬化型ポリウレタン組成物は、硬化剤および主剤を使用時に配合し、混合撹拌することにより得られる。
【0075】
具体的には、まず、上記主剤と上記硬化剤とをそれぞれ用意し、使用直前に主剤と硬化剤とを混合して、2液硬化型ポリウレタン組成物(コーティング剤)を調製し、その2液硬化型ポリウレタン樹脂を、被塗物に塗布する。
【0076】
主剤および硬化剤の配合割合は、主剤(活性水素基含有化合物)の活性水素基に対する、硬化剤(ポリイソシアネート組成物)中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)は、例えば、0.8以上、好ましくは、0.9以上、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.1以下である。
【0077】
主剤および硬化剤の混合物は、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコート法、フローコート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、および、ダイレクトコート法により、被塗物に塗布される。
【0078】
被塗物としては、特に制限されず、例えば、無機物、および、有機物が挙げられる。無機物としては、例えば、コンクリート、自然石、および、ガラスが挙げられる。有機物としては、プラスチック、ゴム、接着剤、および、木材が挙げられる。また、被着物としては、特に制限されず、例えば、各種建材および各種積層フィルムが挙げられる。
【0079】
そして、主剤および硬化剤の混合物が乾燥および硬化することにより、ポリウレタン樹脂(硬化膜)が得られる。
【0080】
このポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネート組成物を用いて得られるため、乾燥性、耐溶剤性および耐水性に優れる。
【0081】
そして、このようなポリイソシアネート組成物およびポリウレタン樹脂は、各種産業分野において、好適に用いられる。具体的には、ポリウレタン樹脂およびポリイソシアネート組成物は、例えば、自動車用途、電子用途、および、建築用途において、好適に用いることができる。
【実施例】
【0082】
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
【0083】
1.ジイソシアネートの誘導体の合成
合成例1
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、PDIを100質量部、酸化防止剤としてのオクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート(イルガノックス1076、BASF社製、商品名)を0.05質量部、助触媒としてのトリデシルホスファイト(JP-310 城北化学社製 商品名)0.1質量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、イソブタノールを、イソブタノールのヒドロキシル基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、70となるように仕込み、80℃で3時間反応させた。
【0084】
次いで、N-(2-ヒドロキシプロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム-2-エチルヘキサノエート0.01質量部をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート0.03質量部に溶解した触媒溶液を、添加した。
【0085】
その後、反応熱による発熱を利用し、120℃に達し、所定の転化率(10.4%)となった時点で、o-トルエンスルホンアミドを0.01質量部添加して反応を停止させた。得られた反応液を薄膜蒸留装置(真空度50Pa、温度150℃)に通液して、未反応のペンタメチレンジイソシアネートを除去し、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体(アロファネート-イソシアヌレート誘導体)を得た。
【0086】
合成例2
表1に従って、配合処方を変更し、合成例1と同様の手順により、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体(アロファネート-イソシアヌレート誘導体)を得た。
【0087】
合成例3および合成例4
表1に従って、配合処方を変更し、合成例1と同様の手順により、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体(アロファネート-イソシアヌレート誘導体)を得た。
【0088】
合成例5
表1に従って、配合処方を変更し、合成例1と同様の手順により、ペンタメチレンジイソシアネートの誘導体(イソシアヌレート誘導体)を得た。
【0089】
2.ポリイソシアネート組成物の調製
実施例1
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、合成例1のペンタメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部と、アミノアルコールとしてのN,N-ジメチルアミノヘキサノール(カオーライザーNo.25 花王社製)3質量部とを配合し、85℃で3時間反応させた。これにより、ポリイソシアネート組成物を調製した。
【0090】
実施例2~実施例4、参考例5~6および比較例1~比較例3
表2に従って、配合処方を変更し、実施例1と同様の手順により、ポリイソシアネート
組成物を調製した。
【0091】
比較例4
ガラス瓶に、合成例1のペンタメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部、および、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、東京化成社製)を配合し、25℃、30分マグネチックスターラーで攪拌した。これにより、ポリイソシアネート組成物を調製した。
【0092】
比較例5および比較例6
表2に従って、配合処方を変更し、比較例4と同様の手順により、ポリイソシアネート組成物を調製した。
【0093】
なお、表2において、TMBDAは、N,N,N´,N´-テトラメチルエチレンジアミン(東京化成社製)である。また、DBTDLは、ジラウリン酸ジブチル錫(東京化成社製)である。
【0094】
比較例7
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、合成例2のヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体100質量部と、12-ヒドロキシステアリン酸(試薬 東京化成社製)3質量部とを配合し、85℃で3時間反応させた。ついで、アミノアルコールとしてのN,N-ジメチルアミノヘキサノール(カオーライザーNo.25 花王社製)3質量部とを配合し、85℃で3時間反応させた。これにより、ポリイソシアネート組成物を調製した。
【0095】
3.評価
<ゲルパーミエーションクロマトグラフ>
各合成例のペンタメチレンジイソシアネートの誘導体またはヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体について、示差屈折率検出器(RID)を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって、分子量分布を測定して、得られたクロマトグラム(チャート)において、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体に由来するピークの総面積に対するペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積の面積比率(イソシアヌレート3分子体に由来するピークの総面積/アロファネート2分子体に由来するピークの総面積)を求めた。
【0096】
具体的には、各実施例、各参考例および各比較例のポリイソシアネート組成物を約0.03g採取し、テトラヒドロフラン10mLを添加して溶解させた。そして、得られた溶液を、以下の条件でGPC測定した。
【0097】
[測定条件]
分析装置:高速GPC装置 HLC-8320(東ソー製)
検出器:示差屈折検出器
溶離液:テトラヒドロフラン
分離カラムとして、以下の第1カラム~第4カラムの順に直列に接続した。
の通りである。
第1カラム(TSKgel guardcolum HXL-L 6.0×40(東ソー社製))
第2カラム:TSKgel G1000HXL 7.8×300(東ソー社製)
第3カラム:TSKgel G2000HXL 7.8×300(東ソー社製)
第4カラム:TSKgel G3000HXL 7.8×300(東ソー社製)
測定温度:40℃
流速:1mL/分
サンプル注入量:100μL
解析装置:Eco SEC(東ソー社製)
システム補正
標準物質名:ポリスチレン
検量線作成方法:分子量の異なるTOSOH社製 TSKstandard Polystyreneを用い、リテンションタイムと分子量のグラフを作成。
【0098】
なお、ポリスチレン換算分子量320以上400未満の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn320-400面積率)を、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体の含有割合とした。また、ポリスチレン換算分子量400以上480未満の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn400-480面積率)を、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体の含有割合とした。また、ポリスチレン換算分子量350以上430未満の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn350-430面積率)を、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート2分子体の含有割合とした。また、ポリスチレン換算分子量430以上510未満の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn430-510面積率)を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3分子体の含有割合とした。なお、ピークの面積は、垂直分割法によって求めた。
【0099】
また、実施例1のポリイソシアネート組成物のゲルパーミエーションクロマトグラムを
図1および表3に示す。
【0100】
<アルコールに対する反応性>
100ccガラス瓶に、実施例、参考例、比較例で合成したポリイソシアネートを加え、固形分45%になるように酢酸エチルで希釈した。次いで、n-ブタノール(富士フィルム和光純薬社製 試薬特級)をイソシアネート基/水酸基が、0.5になるように秤量し、マグネチックスターラーで攪拌させながら、25℃でイソシアネート基含有率を混合直後から1時間毎に測定した。イソシアネート基消失率はJIS K 1603-1 A法をそのまま、脂肪族イソシアネート(ペンタメチレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネート)に置き換え、イソシアネート基含有率から算出した。8時間後のイソシアネート消失率でアルコール反応性について、下記の基準に基づき、評価した。その結果を表2に示す。
[基準]
◎:イソシアネート基消失率が25%以上であった。
〇:イソシアネート基消失率が20%以上25%未満であった。
△:イソシアネート基消失率が12%以上20%未満であった。
×:イソシアネート基消失率が12%未満であった。
【0101】
<可使時間(ゲル化時間)>
100ccガラス瓶に、各実施例、各参考例および各比較例のポリイソシアネート組成物とアクリルポリオール(オレスターQ-166 三井化学社製)とを、当量比1.0(NCO/OH=1.0)で混合し、固形分濃度50%になるようにシンナー(酢酸エチル:酢酸ブチル:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート=1:1:1で混合したもの)を添加し、23℃、5分間混合し、混合液(2液硬化型ポリウレタン組成物)を調製した。次いで、この混合液を10分間超音波処理することにより、脱泡した。1時間毎に瓶を90℃傾け、1分間静置した。このとき、混合液が、傾くか否かを目視で観察した。可使時間について、下記の基準に基づき、評価した。その結果を表2に示す。
[基準]
◎:混合液は、混合直後から、17時間以上傾く状態を維持した。
〇:混合液は、混合直後から、15時間以上17時間未満傾く状態を維持した。
△:混合液は、混合直後から、10時間以上15時間未満傾く状態を維持した。
×:混合液は、混合直後から、10時間未満傾く状態を維持した。
【0102】
<塗膜乾燥性>
可使時間評価で用いた混合液(混合後0.5時間の混合液)をガラス板(JIS,R,3202 厚さ2mm)に4milアプリケーターにて塗工し、温度23℃、湿度55%雰囲気に放置し、塗膜を形成した。次いで、塗膜の中央を、指先で、急速に10往復擦り、指先が試料で汚れない状態になる時間を評価した。塗膜乾燥性について、下記の基準に基づき、評価した。その結果を表2に示す。
[基準]
◎:指先が試料で汚れない状態になる時間が、200分未満であった。
〇:指先が試料で汚れない状態になる時間が、200分以上250分未満であった。
△:指先が試料で汚れない状態になる時間が、250分以上300分未満であった。
×:指先が試料で汚れない状態になる時間が、300分以上であった。
【0103】
<耐薬品性>
可使時間評価で用いた混合液(混合後0.5時間の混合液)を鋼板(SPCC鋼板、PBN-144処理品)に4milアプリケーターにて塗工し、80℃、30分で焼き付けた。次いで、温度23℃、湿度55%雰囲気で5日間養生した。これにより、塗膜を得た。次いで、この塗膜をラビングテスタ(IMC-0717型 井本製作所社製)にセットし、荷重1kgの重りの先にメチルエチルケトンで湿らせた脱脂綿を設置しラビングした。塗膜が破れ、基材がむき出しになった回数ラビング往復回数を測定した。耐薬品性について、下記の基準に基づき、評価した。その結果を表2に示す。
[基準]
◎:ラビング往復回数が、60回以上であった。
〇:ラビング往復回数が、50回以上60回未満であった。
△:ラビング往復回数が、40回以上50回未満であった。
×:ラビング往復回数が、40回未満であった。
【0104】
<耐水性>
可使時間評価で混合した混合液をアクリル板(株式会社テストピース社製)に4milアプリケーターにて塗工し、80℃、30分焼き付けた。次いで、温度23℃、湿度55%雰囲気で5日間養生した。これにより、塗膜を得た。得られた塗膜を30分間煮沸処理し、クロスカット試験試験(JIS K 5600-5-6)を実施し、耐水性を評価した。耐水性について、下記の基準に基づき、評価した。その結果を表2に示す。
[基準]
◎:マスの残数が100%であった。
〇:マスの残数が100%であったが、欠けている部分があった。
△:マスの残数が50%以上100%未満であった。
×:マスの残数が50%未満であった。
【0105】
【0106】
【0107】