(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】配車システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241106BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241106BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q50/10
G08G1/00 Z
(21)【出願番号】P 2021043642
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕太
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-149217(JP,A)
【文献】特開2017-126133(JP,A)
【文献】特開2016-024498(JP,A)
【文献】特開2020-049983(JP,A)
【文献】特開2018-181291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を利用するユーザの住宅であるユーザ宅の屋内に設けられた屋内検知手段と、
前記屋内検知手段の検知結果に基づいて前記ユーザが前記車両を使った外出の準備中であると判定した場合に、ユーザ宅を配車場所とする配車依頼情報を前記車両に送信する配車依頼手段と、
前記ユーザ宅の屋外に設けられた屋外検知手段と、
前記屋外検知手段の検知結果に基づいて前記ユーザ宅に前記車両が到着したと判定した場合に、前記ユーザ宅の屋内に設けられた報知設備によって前記車両の到着を前記ユーザに報知する車両到着報知手段と、を備え
ており、
前記車両は、複数台あり、
前記ユーザ宅には、複数の前記ユーザ各々に対応して複数の前記屋内検知手段が設けられており、
前記配車依頼手段は、前記屋内検知手段の検知結果に基づいて前記車両を使った外出の準備中であるユーザを前記複数のユーザの中から特定し、当該特定したユーザのユーザ情報に基づいて前記複数台の車両の中から一の車両を選択し、当該選択した一の車両に前記配車依頼情報を送信することを特徴とする配車システム。
【請求項2】
車両を利用するユーザの住宅であるユーザ宅の屋内に設けられた屋内検知手段と、
前記屋内検知手段の検知結果に基づいて前記ユーザが前記車両を使った外出の準備中であると判定した場合に、ユーザ宅を配車場所とする配車依頼情報を前記車両に送信する配車依頼手段と、
前記ユーザ宅の屋外に設けられた屋外検知手段と、
前記屋外検知手段の検知結果に基づいて前記ユーザ宅に前記車両が到着したと判定した場合に、前記ユーザ宅の屋内に設けられた報知設備によって前記車両の到着を前記ユーザに報知する車両到着報知手段と、を備えており、
前記報知設備は、前記ユーザ宅に設けられた照明、空調、窓、カーテンのいずれかであり、
前記車両到着報知手段は、前記照明をOFFする、前記空調をOFFする、前記窓を閉鎖する、前記カーテンを閉鎖する、のいずれかを行うことによって前記車両の到着を前記ユーザに報知することを特徴とする配車システム。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の配車システムにおいて、
前記ユーザ宅の敷地内には、所定スペースが設けられており、
前記配車依頼情報に応じて前記ユーザ宅へと走行してきた車両は、前記所定スペースで停車し、
前記屋外検知手段の検知結果に基づいて前記所定スペースに駐車する前記車両を支援するための情報を取得し、当該取得した情報を前記車両に送信する駐車支援手段を備えることを特徴とする配車システム。
【請求項4】
請求
項3に記載の配車システムにおいて、
前記屋外検知手段の検知結果に基づいて前記所定スペースに障害物がないと判定した場合に、当該所定スペースでの駐車を許可することを表す情報を前記車両に送信する駐車許可手段を備えることを特徴とする配車システム。
【請求項5】
請求項4に記載の配車システムにおいて、
前記屋外検知手段は、前記所定スペースに設けられた検知手段と、屋外収納部に設けられた検知手段と、を含んでおり、
前記屋外収納部は、前記ユーザ宅に設けられた、屋外側から物品を出し入れ可能な収納部であることを特徴とする配車システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の配車システムにおいて、
前記駐車許可手段が送信する情報には、前記障害物がない所定スペースを敷地内に有するユーザ宅を識別するための識別情報が含まれており、
前記車両は、
複数のユーザが共同利用するカーシェアリング用の車両であり、
前記駐車許可手段からの情報に基づき選択したユーザ宅の所定スペースで前記配車依頼情報の受信を待機することを特徴とする配車システム。
【請求項7】
請求項
2に記載の配車システムにおいて、
前記配車依頼手段は、ユーザ情報に基づき選択した車両に前記配車依頼情報を送信することを特徴とする配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが要望する所定場所に車両を配車する配車システムが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の配車システムでは、まず、車両の配車を希望するユーザが、ユーザ端末により、配車を要望する所定場所が写っている画像情報である配車希望場所画像情報を、位置情報とともに配車装置に送信する。配車装置が配車希望場所画像情報及び位置情報を受信すると、車両(自動運転可能な車両)は、配車装置が受信した位置情報に向かって走行する。そして、配車装置は、車両が所定場所近傍に到達した場合に、車両に積載された撮像手段により撮像した画像情報である車両画像情報を取得して、配車希望場所画像情報と車両画像情報に基づき、車両が所定場所に到着したか否かを判定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の配車システムにおいて、配車を要望する所定場所(配車場所)がユーザ宅である場合には、ユーザは、配車希望場所画像情報を送信するために(配車依頼をするために)、ユーザ宅から外に出て、ユーザ端末を操作して、当該ユーザ宅が写っている画像情報を撮影しなければならない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、配車場所がユーザ宅である場合に適した配車システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、配車システムであって、例えば
図1~
図11に示すように、
車両Cを利用するユーザの住宅であるユーザ宅Hの屋内に設けられた屋内検知手段12(外出準備判定用センサー12)と、
前記屋内検知手段12の検知結果に基づいて前記ユーザが前記車両Cを使った外出の準備中であると判定した場合に、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報を前記車両Cに送信する配車依頼手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、
前記ユーザ宅Hの屋外に設けられた屋外検知手段11(カメラ11)と、
前記屋外検知手段11の検知結果に基づいて前記ユーザ宅Hに前記車両Cが到着したと判定した場合に、前記ユーザ宅Hの屋内に設けられた報知設備13,14,15(インターホン親機13、浴室パネル14、スマートスピーカー15)によって前記車両Cの到着を前記ユーザに報知する車両到着報知手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、を備え
ており、
前記車両Cは、複数台あり、
前記ユーザ宅Hには、複数の前記ユーザ各々に対応して複数の前記屋内検知手段12が設けられており、
前記配車依頼手段10は、前記屋内検知手段12の検知結果に基づいて前記車両Cを使った外出の準備中であるユーザを前記複数のユーザの中から特定し、当該特定したユーザのユーザ情報に基づいて前記複数台の車両Cの中から一の車両Cを選択し、当該選択した一の車両Cに前記配車依頼情報を送信することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が車両Cに送信されるので、ユーザは、配車依頼をするために、ユーザ宅Hから外に出る必要も、ユーザ端末を操作する必要もない。さらに、ユーザ宅Hに車両Cが到着すると、その旨がユーザ宅H内に設けられた報知設備によって報知されるので、ユーザは、車両Cが到着したか確認するために、ユーザ宅Hから外に出て確認する必要も、ユーザ宅Hの窓や扉を開けて確認する必要もない。したがって、配車システム1を用いることで、ユーザは、車両Cをユーザ宅Hまで配車させるための配車依頼と、車両Cがユーザ宅Hに到着したかの確認と、をユーザ宅H内にいる状態で簡単に行うことができるので、配車システム1は、配車場所がユーザ宅である場合に適している。
また、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が、ユーザ情報に基づき選択された車両Cに送信されるので、ユーザ宅Hで所有する車両Cが複数台ある場合に、ユーザに適した車両Cをユーザ宅Hまで配車させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
配車システムであって、例えば図
1~
図11に示すよう
に、
車両Cを利用するユーザの住宅であるユーザ宅Hの屋内に設けられた屋内検知手段12(外出準備判定用センサー12)と、
前記屋内検知手段12の検知結果に基づいて前記ユーザが前記車両Cを使った外出の準備中であると判定した場合に、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報を前記車両Cに送信する配車依頼手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、
前記ユーザ宅Hの屋外に設けられた屋外検知手段11(カメラ11)と、
前記屋外検知手段11の検知結果に基づいて前記ユーザ宅Hに前記車両Cが到着したと判定した場合に、前記ユーザ宅Hの屋内に設けられた報知設備によって前記車両Cの到着を前記ユーザに報知する車両到着報知手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、を備えており、
前記報知設備は、前記ユーザ宅Hに設けられた照明、空調、窓、カーテンのいずれかであり、
前記車両到着報知手段10は、前記照明をOFFする、前記空調をOFFする、前記窓を閉鎖する、前記カーテンを閉鎖する、のいずれかを行うことによって前記車両Cの到着を前記ユーザに報知することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が車両Cに送信されるので、ユーザは、配車依頼をするために、ユーザ宅Hから外に出る必要も、ユーザ端末を操作する必要もない。さらに、ユーザ宅Hに車両Cが到着すると、その旨がユーザ宅H内に設けられた報知設備によって報知されるので、ユーザは、車両Cが到着したか確認するために、ユーザ宅Hから外に出て確認する必要も、ユーザ宅Hの窓や扉を開けて確認する必要もない。したがって、配車システム1を用いることで、ユーザは、車両Cをユーザ宅Hまで配車させるための配車依頼と、車両Cがユーザ宅Hに到着したかの確認と、をユーザ宅H内にいる状態で簡単に行うことができるので、配車システム1は、配車場所がユーザ宅である場合に適している。
また、車両到着報知手段10は、ユーザ宅Hに設けられた照明をOFFする、ユーザ宅Hに設けられた空調をOFFする、ユーザ宅Hに設けられた窓を閉鎖する、ユーザ宅Hに設けられたカーテンを閉鎖する、のいずれかを行うことによって車両Cの到着をユーザに報知するので、車両Cの到着をユーザに報知しつつ、ユーザ宅Hのための外出準備(戸締り等)を行うことが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図6~
図11に示すように、請求項
1又は2に記載の配車システムにおいて、
前記ユーザ宅Hの敷地内には、所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)が設けられており、
前記配車依頼情報に応じて前記ユーザ宅Hへと走行してきた車両Cは、前記所定スペースG,Bで停車し、
前記屋外検知手段11(カメラ11)の検知結果に基づいて前記所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に駐車する前記車両Cを支援するための情報を取得し、当該取得した情報を前記車両Cに送信する駐車支援手段10(ユーザ宅側制御装置10)を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザ宅Hの敷地内には、車両Cを駐車可能な所定スペースG,Bが設けられている。したがって、車両Cの乗り降りをユーザ宅Hの敷地内で行うことができるので、迷惑をかけることなく安全に乗り降りすることが可能となる。また、通常は、ユーザ宅Hの敷地内に設けられた所定スペースG,Bを、駐車スペースではなく、コミュニティスペース等として利用することができるので、所定スペースG,Bを有効利用することが可能となる。
また、所定スペースG,Bに駐車する車両Cに対して駐車支援情報を送信することができる。したがって、車両Cは、所定スペースG,Bに入庫(あるいは所定スペースG,Bから出庫)する際の走行方向等を駐車支援情報によって補正することが可能となるので、精度よく入庫(あるいは出庫)できることとなる。また、屋外検知手段11を、ユーザ宅Hに車両が到着したか否か判定するために使用するだけでなく、駐車支援情報を取得するためにも使用するので、コストをかけることなく、所定スペースG,Bに駐車する車両Cを支援することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図6~
図11に示すように、請求
項3に記載の配車システムにおいて、
前記屋外検知手段の検知結果に基づいて前記所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に障害物がないと判定した場合に、当該所定スペースG,Bでの駐車を許可することを表す情報を前記車両
Cに送信する駐車許可手段
10(ユーザ宅側制御装置10)を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、所定スペースG,Bに駐車しようとする車両Cに対して、所定スペースG,Bに障害物があるか否か報知することができる。したがって、車両Cは、所定スペースG,Bに障害物がない場合にのみ所定スペースG,Bに駐車することが可能となるので、安全かつスムーズに駐車できることとなる。また、屋外検知手段を、ユーザ宅Hに車両が到着したか否か判定するために使用するだけでなく、所定スペースG,Bに障害物があるか否か判定するためにも使用するので、コストをかけることなく、車両Cに対して所定スペースG,Bに障害物があるか否かを報知することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図8~
図11に示すように、請求項4に記載の配車システムにおいて、
前記屋外検知手段は、前記所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に設けられた検知手段11(カメラ11)と、屋外収納部STに設けられた検知手段16(屋外収納部管理用センサー16)と、を含んでおり、
前記屋外収納部STは、前記ユーザ宅Hに設けられた、屋外側から物品を出し入れ可能な収納部であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、所定スペースG,Bに設けられた検知手段11の検知結果と、屋外収納部STに設けられた検知手段16の検知結果と、に基づいて所定スペースG,Bに障害物があるか否か判定することができるので、高精度な障害物判定が可能となる。また、ユーザ宅Hには、屋外側から物品を出し入れ可能な屋外収納部STが設けられているので、所定スペースG,Bと屋外収納部STとの間で物品を容易に移動させることができ、使い勝手がよい。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図11に示すように、請求項4又は5に記載の配車システムにおいて、
前記駐車許可手段10(ユーザ宅側制御装置10)が送信する情報には、前記障害物がない所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)を敷地内に有するユーザ宅Hを識別するための識別情報が含まれており、
前記車両Cは、
複数のユーザが共同利用するカーシェアリング用の車両であり、
前記駐車許可手段10からの情報に基づき選択したユーザ宅Hの所定スペースG,Bで前記配車依頼情報の受信を待機することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、車両Cが使用される予定がないときに待機する車両待機場所として、ユーザ宅Hの敷地内にある所定スペースG,Bを利用するので、車両待機場所を別途設ける必要がない。したがって、低コストなカーシェアリングサービスを提供することが可能となる。また、都市部のような車両待機場所の確保が困難な地域であっても、車両待機場所としてユーザ宅Hの所定スペースG,Bを利用することで、車両待機場所を確実に確保できるので、様々な地域に適用可能なカーシェアリングサービスを提供することが可能となる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項
2に記載の配車システムにおいて、
前記配車依頼手段10(ユーザ宅側制御装置10)は、ユーザ情報に基づき選択した車両Cに前記配車依頼情報を送信することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が、ユーザ情報に基づき選択された車両Cに送信されるので、ユーザ宅Hで所有する車両Cが複数台ある場合に、ユーザに適した車両Cをユーザ宅Hまで配車させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配車場所がユーザ宅である場合に適した配車システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態における配車システムの概略を説明する図である。
【
図2】第1実施形態における配車システムの概略構成を説明するブロック図である。
【
図3】第1実施形態におけるユーザ宅の概略を説明する図である。
【
図4】外出準備判定用センサーを説明する図である。
【
図5】第1実施形態における配車処理を説明するフローチャートである。
【
図6】第2実施形態におけるユーザ宅の概略を説明する図である。
【
図7】第2実施形態における配車処理を説明するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態の変形例1における配車システムの概略を説明する図である。
【
図9】第2実施形態の変形例1における配車システムの概略構成を説明するブロック図である。
【
図10】第2実施形態の変形例1の他の例における配車システムの概略を説明する図である。
【
図11】第2実施形態の変形例2における待機場所探索処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態(変形例を含む)には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下に挙げる実施形態及び図示例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の説明においては、共通する要素については共通の符号を付し、重複する説明を省略又は簡略する。
【0023】
〔第1実施形態〕
図1及び
図2において符号1は、車両Cを、当該車両Cのユーザが居住するユーザ宅Hに配車するための配車システムを示す。
車両Cは、自動運転車両であり、一般道路及び高速道路での自動運転と、一般道路及び駐車スペースでの無人駐車が可能とされている。車両Cは、例えばユーザ宅Hで所有する自動車であるが、ユーザ宅Hの敷地内には駐車スペースが設けられていない。したがって、ユーザは、車両Cを使用する際には、徒歩等で車両待機場所(ユーザ宅Hの敷地以外の場所に設けられた駐車スペース)に駐車されている車両Cまで移動する必要がある。あるいは、車両Cは自動運転車両であるので、それを活かして、車両待機場所に駐車されてい車両Cを、自動運転によってユーザ宅Hまで移動させることも可能である。配車システム1は、車両Cを、自動運転によって、車両待機場所からユーザ宅Hまで移動させる際に使用するシステムである。
【0024】
ユーザ宅Hは、
図3に示すように、ユーザ宅H前を左右に横切る第一道路R1と、当該第一道路R1に交差する第二道路R2と、によって区画された敷地に建築されている。なお、ユーザ宅Hの敷地は第一道路R1及び第二道路R2を接道とする角地に限定されず、例えば、ユーザ宅Hの敷地に隣接する接道は第一道路R1のみであってもよい。
【0025】
配車システム1は、ユーザ宅Hに設置されたユーザ宅側制御装置10を中心に構築されている。配車システム1は、
図1及び
図2に示すように、ユーザ宅側制御装置10と、車両Cに搭載され、通信ネットワークNを介してユーザ宅側制御装置10と接続する車両側制御装置20と、を備えて構成される。さらに、配車システム1は、カメラ11と、外出準備判定用センサー12と、インターホン親機13と、浴室パネル14と、スマートスピーカー15と、を備えており、これらはユーザ宅側制御装置10と通信可能に接続(有線接続又は無線接続)されている。
【0026】
なお、通信ネットワークNは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0027】
ユーザ宅側制御装置10は、制御部10aと、通信部10bと、記憶部10cと、を備えている。
制御部10aは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、CPUは、記憶部10cに記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、配車システム1の動作を集中制御するようになっている。
【0028】
通信部10bは、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部10bは、通信ネットワークNを介して接続された車両側制御装置20の通信部との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0029】
記憶部10cは、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部10cは、制御部10aが実行する各種プログラムや、配車システム1に必要な各種データを記憶している。
【0030】
カメラ11は、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを判定するための車両到着判定用センサーであり、
図1及び
図3に示すように、ユーザ宅Hの玄関先に設置された門柱に取り付けられている。
具体的には、例えば、カメラ11は、撮影した画像データをユーザ宅側制御装置10へ送信する。ユーザ宅側制御装置10は、その画像データから車両Cの特徴部が検出された場合に車両Cがユーザ宅Hに到着したと判定する。車両Cの特徴部は、例えば、車両Cの所定部位の形状や位置等であってもよいし、車両Cのナンバープレートであってもよいし、車両Cに付した識別コードであってもよいし、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0031】
なお、ユーザ宅側制御装置10と接続するカメラ11の数は任意であり、
図1に示す数(1つ)に限定されない。
また、カメラ11の取付箇所は、門柱に限定されず、例えば、門柱以外の屋外設置物(給湯器用貯水タンクや空気調和機の室外機、太陽光発電システムのパワーコンディショナー、蓄電池、看板等)であってもよいし、ユーザ宅Hの玄関ポーチや外壁等であってもよい。すなわち、カメラ11の取付箇所は適宜選択可能であり、ユーザ宅側制御装置10と接続する一又は複数のカメラ11によって、ユーザ宅Hに到着した第一道路R1(あるいは第二道路R2)上の車両Cを検知(撮影)することができればよい。
また、カメラ11は、車両到着判定用センサーとして専用に設けられるものであってもよいし、防犯カメラやインターホン子機のカメラ等であってもよい。
また、車両到着判定用センサーは、カメラ11に限定されず、例えばRFIDリーダーのような、無線通信によって車両Cから当該車両Cの識別IDを取得する読取装置等であってもよい。
【0032】
外出準備判定用センサー12は、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めていることを判定するためのセンサーである。外出準備判定用センサー12は、押しボタン式のセンサーであり、
図4に示すように、車両Cの鍵(スマートキー)Kを引っ掛けて保管するためのキーフックLに取り付けられている。このキーフックLは、
図1及び
図4(b)に示すように、ユーザ宅Hの所定の部屋の内壁に設置されている。キーフックLに鍵Kを引っ掛けると、外出準備判定用センサー12が押し下げられ、キーフックLから鍵Kを外すと、外出準備判定用センサー12の押し下げが解除されるようになっている。
具体的には、例えば、外出準備判定用センサー12は、押し下げが解除されると、検知信号をユーザ宅側制御装置10へ送信する。ユーザ宅側制御装置10は、その検知信号を受信すると、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めていると判定し、ユーザ宅Hを配車場所として指定する配車依頼情報を、通信ネットワークNを介して車両側制御装置20に送信する。ここで、ユーザ宅Hを配車場所として指定する配車依頼情報は、例えば、ユーザ宅Hの識別IDや、ユーザ宅Hの位置情報等を含む情報である。
【0033】
近年における車の鍵は、いわゆるスマートキーが採用されている。スマートキーの場合、ユーザが所持していれば、車のドアノブに手を掛けるだけで車のロックが解除されるので、ユーザは、乗車する際にスマートキーを手に持つ必要がない。そのため、スマートキーは、外出直前(外出準備の完了後)にキーフックから外されるよりも、外出準備の途中の段階でキーフックから外されてカバンの中や上着のポケットに納められることが多い。したがって、本実施形態では、キーフックLから鍵Kが外れた際に、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めていると判定するようにしている。また、これにより、外出準備の途中で配車依頼を行うことができるので、外出準備が完了するまでの時間で、車両Cが車両待機場所からユーザ宅Hへと移動することが可能となる。そのため、ユーザは、外出準備が完了すると、車両Cの到着を待つことなく直ぐに外出できることとなる。
【0034】
なお、外出準備判定用センサー12は押しボタン式のセンサーに限定されず、例えば、光学センサーや重量センサー、振動センサー等であってもよいし、カメラであってもよいし、鍵K(スマートキー)との間で無線通信可能な通信装置であってもよい。すなわち、外出準備判定用センサー12は、鍵Kの有無を判定可能な検知信号をユーザ宅側制御装置10へ送信できるものであれば適宜選択可能である。
また、外出準備判定用センサー12の取付箇所は、キーフックLに限定されず、例えば、鍵Kを収納して保管するための収納ケース等であってもよい。
また、ユーザ宅側制御装置10と接続する外出準備判定用センサー12の数は任意であり、
図1に示す数(2つ)に限定されない。
また、車両Cの鍵Kは、スマートキーでなくてもよい。
【0035】
インターホン親機13は、ユーザ宅Hの門柱等に設けられたインターホン子機からの呼び出しに応答するために用いられるものであり、ユーザ宅Hの所定の部屋に設置されている。インターホン親機13は、例えば、インターホン子機が撮影した画像データに基づく画像を表示するための表示部と、訪問者と通話するためのマイク及びスピーカーと、各種操作ボタンと、を備えている。
また、インターホン親機13は、ユーザ宅側制御装置10との間で通信可能であり、例えば、ユーザ宅側制御装置10からの音声データに基づく音声をスピーカーから出力したり、ユーザ宅側制御装置10からの画像データに基づく画像を表示部に表示したりする。
なお、ユーザ宅側制御装置10と接続するインターホン親機13の数は任意であり、
図1に示す数(1つ)に限定されない。
また、インターホン子機が備えるカメラを、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを判定するための車両到着判定用センサー(カメラ11)として使用することも可能である。
【0036】
浴室パネル(給湯用コントロールパネル)14は、ユーザ宅Hの浴室に設置されており、浴室から給湯器を操作するためのリモコンである。浴室パネル14は、例えば、給湯温度等を表示するための表示部と、各種操作ボタンと、給湯温度等を報知する音声や操作ボタンの操作音等を出力するためのスピーカーと、を備えている。
また、浴室パネル14は、ユーザ宅側制御装置10との間で通信可能であり、例えば、ユーザ宅側制御装置10からの音声データに基づく音声をスピーカーから出力したり、ユーザ宅側制御装置10からの画像データに基づく画像を表示部に表示したりする。
なお、ユーザ宅側制御装置10と接続する浴室パネル14の数は任意であり、
図1に示す数(1つ)に限定されない。
【0037】
スマートスピーカー(AIスピーカー)15は、音声アシスタント機能を搭載したスピーカーであり、ユーザ宅Hの所定の部屋に設置されている。スマートスピーカー15は、例えば、人間等が発する音声を集音するためのマイクと、サーバ等との間で通信を行うための通信部と、サーバからの情報に基づく音声等を出力するためのスピーカーと、を備えている。
また、スマートスピーカー15は、ユーザ宅側制御装置10との間で通信可能であり、例えば、ユーザ宅側制御装置10からの音声データに基づく音声をスピーカーから出力する。また、スマートスピーカー15が表示部を備えるものである場合には、ユーザ宅側制御装置10からの画像データに基づく画像を当該表示部に表示することも可能である。
なお、ユーザ宅側制御装置10と接続するスマートスピーカー15の数は任意であり、
図1に示す数(2つ)に限定されない。
【0038】
車両側制御装置20は、車両Cの自動運転を制御する。具体的には、車両側制御装置20は、車両Cが収集した各種情報(車両Cに搭載されたセンサー等が収集した各種情報)に基づいて、公知の自動運転制御を行う。
また、車両側制御装置20は、ユーザ宅側制御装置10との間で通信可能であり、車両Cの位置情報の送信やメッセージの送受信が可能となっている。
【0039】
次に、
図5を参照して、本実施形態の配車システム1による配車処理の流れを説明する。
まず、ユーザ宅側制御装置10は、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めているか否か判定する(ステップS1)。そして、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めていると判定した場合(ステップS1;Yes)、すなわち外出準備判定用センサー12からの検知信号を受信した場合に、記憶部10cからユーザ情報を取得する(ステップS2)。ここで、本実施形態では、ユーザ宅Hで所有する車両Cが2台あり、一方は親用の車両であり、他方は子供用の車両であるとする。また、外出準備判定用センサー12は、ユーザ宅Hの部屋のうち、主に親が使用する部屋(例えば主寝室)と、主に子供が使用する部屋(例えば子供部屋)と、の双方に設けられており、記憶部10cには、外出準備判定用センサー12を識別するためのセンサー識別IDと、当該外出準備判定用センサー12が取り付けられている部屋を主に使用するユーザのユーザ情報と、が対応付けて記憶されている。ユーザ宅側制御装置10は、外出準備判定用センサー12からの検知信号を受信すると、当該検知信号に含まれるセンサー識別IDに対応するユーザ情報を、記憶部10cから取得する。
【0040】
次いで、ユーザ宅側制御装置10は、通信ネットワークNを介して車両側制御装置20に配車依頼情報を送信する(ステップS3)。具体的には、例えば、ユーザ宅側制御装置10は、ステップS2で取得したユーザ情報が「親」である場合には、親用の車両Cの車両側制御装置20に配車依頼情報を送信する。一方、ステップS2で取得したユーザ情報が「子供」である場合には、子供用の車両Cの車両側制御装置20に配車依頼情報を送信する。
そして、車両側制御装置20は、配車依頼情報を受信すると、その配車依頼情報に含まれる位置情報(ユーザ宅Hの位置情報)を目的地に設定して、目的地へと移動するための自動運転制御を開始する。
あるいは、車両側制御装置20の記憶部にユーザ宅Hの位置情報が予め記憶されていてもよい。その場合には、車両側制御装置20は、配車依頼情報を受信すると、その配車依頼情報に含まれる識別ID(ユーザ宅Hの識別ID)に基づいて記憶部からユーザ宅Hの位置情報を抽出し、その抽出した位置情報を目的地に設定して自動運転制御を開始する。なお、車両側制御装置20の記憶部にユーザ宅Hの位置情報が記憶されている場合には、配車依頼情報にユーザ宅Hの位置情報は含まれていなくてもよい。
【0041】
次いで、ユーザ宅側制御装置10は、カメラ11が撮影した画像データに基づいて、車両Cがユーザ宅Hに到着したか否か判定する(ステップS4)。そして、車両Cがユーザ宅Hに到着したと判定した場合に(ステップS4;Yes)、報知設備(インターホン親機13、浴室パネル14及びスマートスピーカー15)を用いて車両Cがユーザ宅Hに到着したことをユーザに報知する(ステップS5)。具体的には、ユーザ宅側制御装置10は、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを報知するための音声データを報知設備に送信する。これにより、報知設備のスピーカーから、当該音声データに基づく音声(例えば「配車完了」)が出力される。また、ユーザ宅側制御装置10は、当該音声データに加えて(あるいは替えて)、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを報知するための画像データを報知設備に送信する。これにより、報知設備の表示部に、当該画像データに基づく画像(例えば「配車完了」)が表示される。
【0042】
第1実施形態によれば、配車システム1は、車両Cを利用するユーザの住宅であるユーザ宅Hの屋内に設けられた屋内検知手段12(外出準備判定用センサー12)と、屋内検知手段12の検知結果に基づいてユーザが車両Cを使った外出の準備中であると判定した場合に、ユーザ宅を配車場所とする配車依頼情報を車両Cに送信する配車依頼手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、ユーザ宅Hの屋外(ただし敷地内)に設けられた屋外検知手段11(カメラ11)と、屋外検知手段11の検知結果に基づいてユーザ宅Hに車両Cが到着したと判定した場合に、ユーザ宅Hの屋内に設けられた報知設備13,14,15(インターホン親機13、浴室パネル14、スマートスピーカー15)によって車両Cの到着をユーザに報知する車両到着報知手段10(ユーザ宅側制御装置10)と、を備えている。
すなわち、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が車両Cに送信されるので(ステップS1,S3)、ユーザは、配車依頼をするために、ユーザ宅Hから外に出る必要も、ユーザ端末を操作する必要もない。さらに、ユーザ宅Hに車両Cが到着すると、その旨がユーザ宅H内に設けられた報知設備によって報知されるので(ステップS4,S5)、ユーザは、車両Cが到着したか確認するために、ユーザ宅Hから外に出て確認する必要も、ユーザ宅Hの窓や扉を開けて確認する必要もない。したがって、配車システム1を用いることで、ユーザは、車両Cをユーザ宅Hまで配車させるための配車依頼と、車両Cがユーザ宅Hに到着したかの確認と、をユーザ宅H内にいる状態で簡単に行うことができるので、配車システム1は、配車場所がユーザ宅である場合に適している。
【0043】
なお、外出準備判定用センサー12は、キーフックLから鍵Kを外す動作を検知するセンサーに限定されない。すなわち、外出準備判定用センサーは、車両Cの鍵Kに関連したユーザの動作を検知するセンサーや、運転免許証に関連したユーザの動作を検知するセンサー等の、ユーザが車両Cを使った外出の準備中に行う動作を検知するセンサーであれば適宜選択可能である。
また、屋内検知手段は、ユーザが車両Cを使った外出の準備中に行う動作を検知するものに限定されず、例えば、ユーザが車両Cを呼ぶために行う動作を検知するものであってもよい。具体的には、インターホン親機13や浴室パネル14等に設けられた操作ボタンのいずれかを、ユーザが車両Cを呼ぶために行う動作(ここでは車呼出ボタンを押す動作)を検知する屋内検知手段として機能させてもよく、この場合、ユーザ宅側制御装置10は、屋内検知手段としての操作ボタンが押された場合に配車依頼情報を車両Cに送信することとなる。また、スマートスピーカー15等に搭載されたマイクを、ユーザが車両Cを呼ぶために行う動作(ここでは所定のセリフを発する動作)を検知する屋内検知手段として機能させてもよく、この場合、ユーザ宅側制御装置10は、屋内検知手段としてのマイクにユーザが発した所定のセリフ(例えば「車を呼んで」)が入力された場合に配車依頼情報を車両Cに送信することとなる。
【0044】
また、報知設備は、インターホン親機13、浴室パネル14及びスマートスピーカー15に限定されず、例えば、インターホン親機13、浴室パネル14及びスマートスピーカー15のうちの少なくとも一つであってもよいし、あるいはその他の設備であってもよい。また、報知設備として機能させるものを、ユーザが、住宅設備家電等の各種家電の中から任意に選択できるようにしてもよい。
また、報知設備による報知は、音声による報知、表示による報知に限定されず、例えば、ランプを点滅させる等の発光による報知であってもよい。
【0045】
また、報知設備は、ユーザ宅Hに設けられている照明や空調、窓、カーテン等であってもよい。すなわち、車両到着報知手段10(ユーザ宅側制御装置10)は、照明や空調をOFFすることで、車両Cの到着をユーザに報知するようにしてもよいし、窓やカーテン等を閉鎖することで、車両Cの到着をユーザに報知するようにしてもよい。これにより、車両Cの到着をユーザに報知しつつ、ユーザ宅Hのための外出準備(戸締り等)を行うことが可能となる。
【0046】
さらに、車両Cの到着を、段階的に報知するようにしてもよい。具体的には、例えば、まず、ユーザ宅側制御装置10と接続する人感センサー等をユーザ宅Hの各部屋に設置して、その部屋に人がいるか否かを判別できるようにしておく。そして、車両到着報知手段10(ユーザ宅側制御装置10)は、車両側制御装置20からの車両Cの位置情報等に基づいて車両Cがユーザ宅Hから一定距離(例えば半径3km)に近づいたと判定した場合に、人(ユーザ等)がいない部屋の照明や空調等のOFFと、その部屋の窓やカーテン等の閉鎖と、を行い、その後、屋外検知手段11(カメラ11等)の検知結果に基づいてユーザ宅Hに車両Cが到着したと判定した場合に、人(ユーザ等)がいる部屋の照明や空調等のOFFと、その部屋の窓やカーテン等の閉鎖と、を行うようにしてもよい。また、車両側制御装置20からの車両Cの位置情報等に基づいて車両Cがユーザ宅Hから一定距離(例えば半径3km)に近づいたと判定した場合に、インターホン親機13や浴室パネル14、スマートスピーカー15等によって、車両Cがユーザ宅Hに接近していることを報知し、その後、屋外検知手段11(カメラ11等)の検知結果に基づいてユーザ宅Hに車両Cが到着したと判定した場合に、インターホン親機13や浴室パネル14、スマートスピーカー15等によって、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを報知するようにしてもよい。
【0047】
また、第1実施形態によれば、配車依頼手段10(ユーザ宅側制御装置10)は、ユーザ情報に基づき選択した車両Cに配車依頼情報を送信することが可能である(ステップS2,S3)。すなわち、ユーザ宅H内に設けられた屋内検知手段12が検知すると、ユーザ宅Hを配車場所とする配車依頼情報が、ユーザ情報に基づき選択された車両Cに送信されるので、ユーザ宅Hで所有する車両Cが複数台ある場合に、ユーザに適した車両Cをユーザ宅Hまで配車させることができる。
【0048】
なお、ユーザ宅Hで所有する車両Cが複数台でない場合には、ステップS2の処理を省略してもよい。
また、車両Cは、ユーザ宅Hで所有する自動車(自家用車)に限定されず、複数のユーザで車両を共同利用するサービス(いわゆるカーシェアリングサービス)に用いられる自動車であってもよい。この場合、ユーザ情報は、ユーザ個人を識別する情報ではなく、ユーザ宅Hを識別する情報であってもよい。具体的には、例えば、ユーザ宅側制御装置10は、当該ユーザ宅側制御装置10が設置されたユーザ宅Hが、高齢者や幼児のいるユーザ宅である場合には、例えばスライドドアを搭載した車に配車依頼情報を送信し、当該ユーザ宅側制御装置10が設置されたユーザ宅Hが、家族人数の多いユーザ宅である場合には、例えばミニバンに配車依頼情報を送信するようにしてもよい。
また、通信ネットワークNと接続するサーバ装置を設けて、上述したユーザ宅側制御装置10が行う処理の一部(例えば配車依頼情報の送信先を選択する処理(ステップS2)等)を、ユーザ宅側制御装置10に替えて、そのサーバ装置が行うこととしてもよい。車両Cがカーシェアリングサービスに用いられる自動車である場合には特に、サーバ装置を設けることで配車管理の効率化が期待できる。
また、車両Cは、自動運転車両でなくてもよい。
【0049】
〔第2実施形態〕
次に、
図6及び
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1実施形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
本実施形態において、ユーザ宅Hの敷地内には、車両Cを駐車可能なサイズの庭Gが設けられている。
庭Gは、通常、ユーザ宅Hの住人や近所の住人が集うコミュニティスペース、子供を遊ばせる子育てスペース、犬などのペットを飼うペットスペース等として利用されるようになっている。また、庭Gは、車両Cがユーザ宅Hに配車された際には、当該車両Cを駐車する駐車スペースとして利用される。庭Gを駐車スペースとして利用することで、車両C乗り降りをユーザ宅Hの敷地内で行うことができるので、近所の住人等に迷惑をかけることなく安全に乗り降りすることが可能となる。
【0050】
本実施形態において、カメラ11は、ユーザ宅Hの外壁のうち、庭Gに面する外壁に取り付けられている。
また、本実施形態において、カメラ11は、車両Cがユーザ宅Hに到着したことを判定するための車両到着判定用センサーとして機能するとともに、庭Gに駐車する際の妨げとなり得る障害物(人や物品等)があることを判定するための障害物判定用センサーや、庭Gに駐車する車両Cをアシストするための駐車アシスト用センサーとしても機能する。
【0051】
なお、本実施形態において、ユーザ宅側制御装置10と接続するカメラ11の数は任意であり、
図6に示す数(2つ)に限定されない。
また、カメラ11の取付箇所は、ユーザ宅Hの外壁に限定されず、例えば、屋外設置物(門柱や給湯器用貯水タンク、空気調和機の室外機、太陽光発電システムのパワーコンディショナー、蓄電池、看板等)であってもよいし、ユーザ宅Hの玄関ポーチ等であってもよい。すなわち、本実施形態において、カメラ11の取付箇所は適宜選択可能であり、ユーザ宅側制御装置10と接続する一又は複数のカメラ11によって、ユーザ宅Hに到着した第一道路R1(あるいは第二道路R2)上の車両Cと、庭G内の車両Cと、を検知(撮影)することができればよい。
【0052】
次に、
図7を参照して、本実施形態の配車システム1による配車処理の流れを説明する。本実施形態の配車処理のステップS1~S3,S4~S5の処理については、第1実施形態の配車処理(
図5)のステップS1~S5の処理と同じであるため説明を省略する。
【0053】
ユーザ宅側制御装置10は、ステップS3の処理を実行した後に、カメラ11が撮影した画像データに基づいて、画像認識により庭Gに入庫の妨げとなる障害物(人や物品等)があるか否か判定する(ステップS6)。そして、障害物があると判定した場合に(ステップS6;Yes)、報知設備(例えば、インターホン親機13、浴室パネル14及びスマートスピーカー15)を用いて庭Gに障害物があることをユーザに報知する(ステップS7)。これにより、ユーザ宅Hの住人(ユーザ等)は、庭Gにいる人に庭Gから離れるよう促したり、庭Gにある物品を片付けたりすることが可能となる。
【0054】
また、ユーザ宅側制御装置10は、ステップS5の処理を実行した後に、カメラ11が撮影した画像データに基づいて、画像認識により庭Gに入庫の妨げとなる障害物(人や物品等)があるか否か判定する(ステップS8)。そして、障害物がないと判定した場合に(ステップS8;No)、通信ネットワークNを介して車両側制御装置20に駐車許可情報を送信する(ステップS9)。車両側制御装置20は、駐車許可情報を受信すると、運転モードを通常自動運転モードから誘導自動運転モードに切り替えて、庭Gに駐車するための自動運転制御を開始する。通常自動運転モードは、車両Cが収集した各種情報に基づいて自動運転制御を行うモードであり、誘導自動運転モードは、車両Cが収集した各種情報と、ユーザ宅側制御装置10から送信される駐車支援情報(後述)と、に基づいて自動運転制御を行うモードである。
【0055】
次いで、ユーザ宅側制御装置10は、カメラ11が撮影した画像データに基づいて車両Cを庭Gにおける適正な駐車位置に誘導するための駐車支援情報を取得し、当該取得した駐車支援情報を、通信ネットワークNを介して車両側制御装置20に送信する(ステップS10)。ここで、駐車支援情報は、例えば、車両Cの位置情報、車両Cの周辺情報、ユーザ宅H(あるいは屋外設置物等)と車両Cとの間の距離のうち少なくとも一つを含む情報である。住宅やその敷地の形状、屋外設置物の配置は、個々の住宅によって異なるため、このようなアシスト機能があれば、無人駐車がスムーズに行えるようになる。
【0056】
次いで、ユーザ宅側制御装置10は、カメラ11が撮影した画像データに基づいて、車両Cの入庫が完了したか否か判定する(ステップS11)。そして、車両Cの入庫が完了したと判定した場合(ステップS11;Yes)、具体的には、例えば、車両Cが庭Gにおける適正な駐車位置で停車していると判定した場合に、報知設備(例えば、インターホン親機13、浴室パネル14及びスマートスピーカー15)を用いて車両Cの入庫が完了したことをユーザに報知する(ステップS12)。
【0057】
〔第2実施形態の変形例1 ユーザ宅の変形例〕
次に、
図8及び
図9を参照して、第2実施形態の変形例1について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第2実施形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
本変形例において、ユーザ宅Hの1階部分には、庭G側(屋外側)から物品を出し入れ可能な屋外収納部STが設けられている。屋外収納部STには、当該屋外収納部STから出して使用される物品(自転車やベンチ等)を収納することができる。
また、本変形例において、配車システム1は、屋外収納部STに収納される物品を管理するための屋外収納部管理用センサー16を備えている。屋外収納部管理用センサー16は、屋外収納部STに取り付けられており、ユーザ宅側制御装置10と通信可能に接続されている。屋外収納部管理用センサー16は、例えば、カメラであってもよいし、RFIDリーダー等の読取装置であってもよい。
【0058】
ユーザ宅側制御装置10は、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づいて、どの物品が屋外収納部STから外に出されたか、どの物品が屋外収納部STに収納されたかを把握できるようになっている。すなわち、屋外収納部STに戻されていない物品を把握できるようになっている。
庭Gに車両Cを駐車する際に、庭Gに物品が置かれたままだと駐車ができない。そのため、ユーザ宅側制御装置10は、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づき報知設備を制御して、物品の屋外収納部STへの収納を、ユーザ宅Hの住人に促すようになっている。
【0059】
第2実施形態の配車処理(
図7)のステップS6及びステップS8において、ユーザ宅側制御装置10は、カメラ11が撮影した画像データに基づいて庭Gに障害物があるか否か判定するようにした。これに対し、本変形例では、ステップS6及びステップS8のうち少なくとも一方において、ユーザ宅側制御装置10は、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づいて屋外収納部STに戻されていない物品があるか否か判定し、屋外収納部STに戻されていない物品があると判定した場合に、庭Gに障害物があると判定する(ステップS6;Yes、ステップS8;Yes)。
【0060】
あるいは、本変形例では、ステップS6及びステップS8のうち少なくとも一方において、ユーザ宅側制御装置10は、カメラ11が撮影した画像データに基づいて庭Gに障害物があるか否か判定する第一処理と、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づいて屋外収納部STに戻されていない物品があるか否か判定する第二処理と、の双方を行ってもよい。この場合、第一処理の判定結果がNo(障害物がない)であり、かつ、第二処理の判定結果がNo(戻されていない物品がない)である場合に、庭Gに障害物がないと判定する(ステップS6;No、ステップS8;No)。一方、第一処理の判定結果と、第二処理の判定結果と、の少なくとも一方がYesである場合には、庭Gに障害物があると判定する(ステップS6;Yes、ステップS8;Yes)。
【0061】
なお、例えば
図10に示すように、屋外収納部STの直下にビルトインガレージB(インナーガレージともいう)が設けられていてもよい。この場合、例えば、屋外収納部STとビルトインガレージBとの間には断熱性のある床パネルが設置されており、梯子等を用いて屋外収納部STに対する物品の出し入れ等が行えるようになっている。
また、この場合、ビルトインガレージBを、車両Cがユーザ宅Hに配車された際に当該車両Cを駐車する駐車スペースとして利用してもよく、さらに、例えば屋外収納部STへの物品の出し入れによって、ビルトインガレージBに障害物があるか否か判定するようにしてもよい。具体的には、例えば、ステップS6及びステップS8のうち少なくとも一方において、ユーザ宅側制御装置10は、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づいて屋外収納部STに物品が収納されたか否か判定し、屋外収納部STに物品が収納されていないと判定した場合に、ビルトインガレージBに障害物があると判定(ステップS6;Yes、ステップS8;Yes)してもよい。
また、ユーザ宅Hの敷地内にビルトインガレージB及び庭Gの両方が設けられている場合には、どちらを、車両Cがユーザ宅Hに配車された際の駐車スペースとするかユーザが予め設定しておき、ステップS6及びステップS8では、その設定された方に障害物があるか否か判定するようにしてもよい。
なお、
図8及び
図10では、便宜上、カメラ11及び浴室パネル14の図示を省略している。
【0062】
〔第2実施形態の変形例2 庭の変形例〕
次に、
図11を参照して、第2実施形態の変形例2について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第2実施形態とは異なる構成部分のみについて説明する。また、第2実施形態の変形例1と変形例2は組み合わせてもよい。
【0063】
本変形例において、車両Cは、いわゆるカーシェアリングサービスに用いられる自動車である。
また、本変形例においては、車両Cが使用される予定がないときに待機する車両待機場所として、当番になっているユーザ宅Hの敷地内に設けられた庭Gを用いることとする。車両待機場所を提供する当番となるユーザ宅Hは、車両Cを共同利用する複数のユーザ宅Hの中で予め決められており、当番は定期的に切り替わるようになっている。無論、車両待機場所を提供する当番が切り替わるタイミングは、適宜選択可能である。
【0064】
本変形例において、車両側制御装置20は、例えば
図11に示す待機場所探索処理を行う。この待機場所探索処理は、例えば、車両Cが外出先からユーザ宅Hの庭Gに戻った時点と、車両待機場所を提供する当番が切り替わるタイミングと、に行われる。
車両Cの車両側制御装置20は、まず、現在駐車している庭Gを敷地内に有するユーザ宅Hが車両待機場所を提供する当番となっているか否か判定する(ステップS21)。
そして、車両側制御装置20は、当番であると判定した場合に(ステップS22;Yes)、当該待機場所探索処理を終了する。これにより、車両Cは、次の配車依頼情報を受信するまで、あるいは車両待機場所を提供する当番が切り替わるタイミングになるまで、現在駐車している庭Gで待機することとなる。
【0065】
一方、車両側制御装置20は、当番でないと判定した場合に(ステップS22;No)、現在駐車している庭Gから出庫し(ステップS22)、カーシェアリングサービスの提供エリア内を移動するための自動運転制御を開始して、配車依頼情報を受信したか否か判定する(ステップS23)。そして、配車依頼情報を受信したと判定した場合は(ステップS23;Yes)、車両待機場所を探す必要がないので、当該待機場所探索処理を終了する。
【0066】
一方、車両側制御装置20は、配車依頼情報を受信していないと判定した場合に(ステップS23;No)、駐車許可情報を受信したか否か判定する(ステップS24)。本変形例において、ユーザ宅側制御装置10は、車両待機場所を提供する当番となっている期間は、配車依頼情報を送信したか否かにかかわらず、ステップS8~S9と同等の処理を周期的に行うようになっている。また、駐車許可情報には、ユーザ宅Hを識別するためのユーザ宅Hの識別ID及び/又はユーザ宅Hの位置情報が含まれている。
そして、車両側制御装置20は、駐車許可情報を受信したと判定した場合に(ステップS24;Yes)、当該駐車許可情報に含まれるユーザ宅Hの識別IDやユーザ宅Hの位置情報に基づいて、当該駐車許可情報を送信してきたユーザ宅Hへと移動するための自動運転制御を開始し、当該ユーザ宅Hに到着すると、当該ユーザ宅Hの庭Gに駐車するための自動運転制御を行って、当該ユーザ宅Hの庭Gに入庫する(ステップS25)。
【0067】
第2実施形態及びその変形例1,2によれば、ユーザ宅Hの敷地内には、所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)が設けられており、配車依頼情報に応じてユーザ宅Hへと走行してきた車両Cは、所定スペースG,Bで停車するように構成されている。すなわち、ユーザ宅Hの敷地内には、車両Cが駐車可能な所定スペースG,Bが設けられている。したがって、車両Cの乗り降りをユーザ宅Hの敷地内で行うことができるので、迷惑をかけることなく安全に乗り降りすることが可能となる。また、通常は、ユーザ宅Hの敷地内に設けられた所定スペースG,Bを、駐車スペースではなく、コミュニティスペース等として利用することができるので、所定スペースG,Bを有効利用することが可能となる。
【0068】
なお、
図7に示す配車処理では、車両到着報知処理(ステップS5)と、入庫完了報知処理(ステップS12)と、の双方を行うこととしたが、いずれか一方の処理は省略してもよい。例えば、車両到着報知処理(ステップS5)を省略して、入庫完了報知処理(ステップS12)のみを行う場合には、この入庫完了報知処理(ステップS12)が、車両到着報知手段が行う処理(報知設備によって車両Cの到着をユーザに報知する処理)となる。
【0069】
また、第2実施形態及びその変形例1,2によれば、配車システム1は、屋外検知手段11(カメラ11等)の検知結果に基づいて所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に駐車する車両Cを支援するための情報(駐車支援情報)を取得し、当該取得した情報を車両Cに送信する駐車支援手段10(ユーザ宅側制御装置10)を備えている。すなわち、所定スペースG,Bに駐車する車両Cに対して駐車支援情報を送信することができる。したがって、車両Cは、所定スペースG,Bに入庫する際の走行方向等を駐車支援情報によって補正することが可能となるので、精度よく入庫できることとなる。また、屋外検知手段11を、ユーザ宅Hに車両が到着したか否か判定するために使用するだけでなく、駐車支援情報を取得するためにも使用するので、コストをかけることなく、所定スペースG,Bに駐車する車両Cを支援することができる。
【0070】
なお、ユーザ宅側制御装置10は、駐車支援情報を、所定スペースG,Bへ入庫する車両Cに対して送信するだけでなく、所定スペースG,Bから出庫する車両Cに対しても送信してもよい。これにより、車両Cは、所定スペースG,Bから入庫する際の走行方向等だけでなく、所定スペースG,Bから出庫する際の走行方向等も駐車支援情報によって補正することが可能となるので、精度よく出庫できることとなる。
また、ユーザ宅側制御装置10は、駐車支援情報を、自動運転中の車両Cに対して送信するだけでなく、手動運転中(ユーザが運転中)の車両Cに対しても送信してもよい。
また、駐車支援情報は、カメラ11が撮影した画像データから取得された情報(例えば、車両Cの位置情報や周辺情報、ユーザ宅Hや屋外設置物等と車両Cとの間の距離等)を含む情報に限定されない。例えば、駐車支援情報は、カメラ11が撮影した画像データから取得された情報に加えて(あるいは替えて)、カメラ11が撮影した画像データそのものを含む情報であってもよい。駐車支援情報としてカメラ11が撮影した画像データを送信することで、車両Cに搭載されたカーナビゲーション装置等の表示部に当該画像データに基づく画像を表示することが可能となるので、特に、ユーザが車両Cを運転している場合や、車両Cが自動運転車両でない場合に有効である。
【0071】
また、第2実施形態及びその変形例1,2によれば、配車システム1は、屋外検知手段の検知結果に基づいて所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に障害物がないと判定した場合に、所定スペースG,Bでの駐車を許可することを表す情報(駐車許可情報)を車両Cに送信する駐車許可手段10(ユーザ宅側制御装置10)を備えている。すなわち、所定スペースG,Bに駐車(入庫)しようとする車両Cに対して、所定スペースG,Bに障害物があるか否か報知することができる。したがって、車両Cは、所定スペースG,Bに障害物がない場合にのみ所定スペースG,Bに駐車することが可能となるので、安全かつスムーズに駐車できることとなる。また、屋外検知手段を、ユーザ宅Hに車両が到着したか否か判定するために使用するだけでなく、所定スペースG,Bに障害物があるか否か判定するためにも使用するので、コストをかけることなく、車両Cに対して所定スペースG,Bに障害物があるか否かを報知することができる。
【0072】
また、第2実施形態及びその変形例1,2によれば、屋外検知手段は、所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に設けられた検知手段11(カメラ11等)と、屋外収納部STに設けられた検知手段16(屋外収納部管理用センサー16)と、を含んでおり、屋外収納部STは、ユーザ宅Hに設けられた、屋外側から物品を出し入れ可能な収納部である。すなわち、所定スペースG,Bに設けられた検知手段11の検知結果と、屋外収納部STに設けられた検知手段16の検知結果と、に基づいて所定スペースG,Bに障害物があるか否か判定することができるので、高精度な障害物判定が可能となる。また、ユーザ宅Hには、屋外側から物品を出し入れ可能な屋外収納部STが設けられているので、所定スペースG,Bと屋外収納部STとの間で物品を容易に移動させることができ、使い勝手がよい。
【0073】
このように、第2実施形態及びその変形例1,2において、ユーザ宅側制御装置10は、障害物判定処理(ステップS6、ステップS8)を行う。敷地内の空きスペース(庭G、ビルトインガレージB)を、駐車スペースではなく、コミュニティスペースとして使用するのが日常的になっていると、その空きスペースに人がいたり物品が置いてあったりすることが普通の状態となる。そのため、その空きスペース(庭GやビルトインガレージB)に車両Cを駐車する際に、障害物判定処理(ステップS6、ステップS8)を行うことで、安全かつ円滑な駐車が可能となる。
また、ユーザ宅側制御装置10は、障害物判定処理(ステップS6、ステップS8)を、自動運転中の車両Cが駐車する際に行うだけでなく、手動運転中(ユーザが運転中)の車両Cが駐車する際にも行うようにしてもよい。
【0074】
また、ユーザ宅側制御装置10は、障害物判定処理を、車両Cを使った外出前に行うだけでなく、車両Cを使った外出からの帰宅時にも行うようにしてもよい。具体的には、例えば、車両側制御装置20からの車両Cの位置情報等に基づいて車両Cがユーザ宅Hから一定距離(例えば半径3km)に近づいたと判定した場合に、ステップS6~S7と同等の処理を行うようにしてもよい。
例えば車両Cを使って買い物に出かけた際に、所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)に人が来たり物品が置かれたりすると、車両Cが帰ってきた際に駐車ができない。車両Cがユーザ宅Hに帰る前や帰る途中に、所定スペースG,Bに障害物があることをユーザ宅Hの住人に報知できれば、車両Cが到着するまでに所定スペースG,Bに障害物がない状態とすることができ、スムーズな帰宅が可能となる。
また、所定スペースG,Bに置かれた物品を屋外収納部STに収納する行為を、外出準備と判定してもよい。すなわち、ユーザ宅側制御装置10は、屋外収納部管理用センサー16の検知結果に基づいて屋外収納部STに物品が収納されたと判定した場合に、ユーザが車両Cを使った外出の準備を進めていると判定して(ステップS1;Yes)、通信ネットワークNを介して車両側制御装置20に配車依頼情報を送信するようにしてもよい。
【0075】
また、第2実施形態の変形例2によれば、駐車許可手段10(ユーザ宅側制御装置10)が送信する情報には、障害物がない所定スペースG,B(庭G、ビルトインガレージB)を敷地内に有するユーザ宅Hを識別するための識別情報(ユーザ宅Hの識別IDやユーザ宅Hの位置情報)が含まれており、車両Cは、複数のユーザが共同利用するカーシェアリング用の車両であり、駐車許可手段10からの情報に基づき選択したユーザ宅Hの所定スペースG,Bで配車依頼情報の受信を待機するようになっている。すなわち、車両Cが使用される予定がないときに待機する車両待機場所として、ユーザ宅Hの敷地内にある所定スペースG,Bを利用するので、車両待機場所を別途設ける必要がない。したがって、低コストなカーシェアリングサービスを提供することが可能となる。また、都市部のような車両待機場所の確保が困難な地域であっても、車両待機場所としてユーザ宅Hの所定スペースG,Bを利用することで、車両待機場所を確実に確保できるので、様々な地域に適用可能なカーシェアリングサービスを提供することが可能となる。
なお、通信ネットワークNと接続するサーバ装置を設けて、上述した車両側制御装置20が行う処理の一部(例えば待機場所探索処理(
図11)のステップS21やステップS24の処理等)を、車両側制御装置20に替えて、そのサーバ装置が行うこととしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 配車システム
10 ユーザ宅側制御装置:配車依頼手段、車両到着報知手段、駐車支援手段、駐車許可手段
11 カメラ:屋外検知手段
12 外出準備判定用センサー:屋内検知手段
13 インターホン親機:報知設備
14 浴室パネル:報知設備
15 スマートスピーカー:報知設備
16 屋外収納部管理用センサー:屋外検知手段
B ビルトインガレージ:所定スペース
C 車両
G 庭:所定スペース
H ユーザ宅
ST 屋外収納部