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特許7582896電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラム
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  • 特許-電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/18 20200101AFI20241106BHJP
   G06F 113/16 20200101ALN20241106BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F113:16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021066346
(22)【出願日】2021-04-09
(65)【公開番号】P2022161482
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉井 康弘
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-238115(JP,A)
【文献】特開2010-238116(JP,A)
【文献】特開2008-299526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124230(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/18
G06F 113/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配索方向に対して区分けされた複数のセグメントごとに、複数の電線を表す複数の電線モデルの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定する変位指定処理と、
前記複数のセグメントごとに、前記複数の電線モデルのそれぞれについて、隣接する前記セグメントにおける当該電線モデルの端部位置を起点位置とし、指定された前記変位方向、及び、前記変位量の範囲で前記電線モデルの配索位置を決定し、前記複数の電線を束ねた電線束を表す電線束モデルをモデリングするモデリング処理と、
を実行可能である処理部を備えることを特徴とする、
電線束シミュレーション装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記モデリング処理において、前記配索方向と直交し、かつ、相互に直交する方向をそれぞれX方向、Y方向とし、前記X方向に対する前記配索位置をXとし、前記Y方向に対する前記配索位置をYとし、前記X方向に対する前記起点位置をX0とし、前記Y方向に対する前記起点位置をY0とし、0~1の値のいずれかの値をとる乱数をRNDとし、前記X方向に対する前記変位量をRXとし、前記X方向に対する前記変位方向を前記RXの符号によって表し、前記Y方向に対する前記変位量をRYとし、前記Y方向に対する前記変位方向を前記RYの符号によって表した場合に、X=X0+RND・RX、Y=Y0+RND・RYの演算結果に基づいて前記配索位置を決定する変位演算処理を実行可能である、
請求項1に記載の電線束シミュレーション装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記モデリング処理において、前記配索位置を決定した前記電線モデルの当該配索位置が他の前記電線モデルの前記配索位置と重なる位置である場合に、前記配索位置を決定した前記電線モデルの当該配索位置を他の前記電線モデルの前記配索位置と重ならない位置に補正する重複補正処理、及び、前記配索位置を決定した前記電線モデルの当該配索位置が他の前記電線モデルから離間した位置である場合に、前記配索位置を決定した前記電線モデルの当該配索位置を他の前記電線モデルと接触する位置に補正する離間補正処理を実行可能である、
請求項1又は請求項2に記載の電線束シミュレーション装置。
【請求項4】
配索方向に対して区分けされた複数のセグメントごとに、複数の電線を表す複数の電線モデルの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定し、
前記複数のセグメントごとに、前記複数の電線モデルのそれぞれについて、隣接する前記セグメントにおける当該電線モデルの端部位置を起点位置とし、指定された前記変位方向、及び、前記変位量の範囲で前記電線モデルの配索位置を決定し、前記複数の電線を束ねた電線束を表す電線束モデルをモデリングする、
各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、
電線束シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電線の配索を検討するための従来の技術として、例えば、特許文献1には、ワイヤーハーネスの布線設計を行う布線設計方法が開示されている。この布線設計方法は、入力工程と、第1の模擬工程と、出力工程と、を含む。入力工程では、製造盤に埋設される治具の形状情報、治具の配置情報、ワイヤーハーネスを構成する電線の物性情報、電線の経路情報を入力する。第1の模擬工程では、入力工程によって入力された情報を制約条件とする解析モデルにおいて、治具間ごとに定義される接続が滑らかな区間関数で表され、各治具の治具平面内において電線ごとに加わるエネルギーが最小となる点を通る電線の形状関数を求めることで電線の布線作業を模擬する。出力工程では、第1の模擬手段による模擬結果を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-150498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電線の配索検討にあたっては、例えば、複数の電線を束ねた電線束の束ね状態についての検討も望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、電線束の束ね状態のシミュレーションを適正に行うことができる電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の線束シミュレーション装置は、配索方向に対して区分けされた複数のセグメントごとに、複数の電線を表す複数の電線モデルの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定する変位指定処理と、前記複数のセグメントごとに、前記複数の電線モデルのそれぞれについて、隣接する前記セグメントにおける当該電線モデルの端部位置を起点位置とし、指定された前記変位方向、及び、前記変位量の範囲で前記電線モデルの配索位置を決定し、前記複数の電線を束ねた電線束を表す電線束モデルをモデリングするモデリング処理と、を実行可能である処理部を備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の電線束シミュレーションプログラムは、配索方向に対して区分けされた複数のセグメントごとに、複数の電線を表す複数の電線モデルの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定し、前記複数のセグメントごとに、前記複数の電線モデルのそれぞれについて、隣接する前記セグメントにおける当該電線モデルの端部位置を起点位置とし、指定された前記変位方向、及び、前記変位量の範囲で前記電線モデルの配索位置を決定し、前記複数の電線を束ねた電線束を表す電線束モデルをモデリングする、各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムは、配索方向に対して区分けされた複数のセグメントごとに、隣接するセグメントにおける電線モデルの端部位置を起点位置とし、指定された変位方向、及び、変位量の範囲で電線モデルの配索位置を決定し、電線束モデルをモデリングする。この結果、電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムは、モデリングされた電線束モデルを用いて、電線束の束ね状態のシミュレーションを適正に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の概略構成を表すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の処理回路による電線束のモデリングについて説明する模式図である。
図3図3は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の処理回路によってモデリングされた電線束モデルの一例を説明する模式図である。
図4図4は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の処理回路によってモデリングされた電線束モデルの一例を説明する模式図である。
図5図5は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の処理回路によってモデリングされた電線束モデルの一例を説明する模式図である。
図6図6は、実施形態に係る電線束シミュレーション装置の処理回路によって行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1に示す本実施形態の電線束シミュレーション装置1は、複数の電線を束ねた電線束の束ね状態のシミュレーションを行う装置である。ここでは、電線束シミュレーション装置1は、シミュレーションの結果として生成される電線束モデルMB(図2等参照)に基づいて電線束の電気的な特性を解析する解析装置としても機能する。言い換えれば、本実施形態の電線束シミュレーション装置1は、電線束の電気的な特性を解析する解析装置に組み込まれて構成されるものとして説明する。電線束シミュレーション装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末等の種々のコンピュータ機器によって実現される。
【0012】
ここで、電線束シミュレーション装置1によるシミュレーションの対象となる電線束は、複数の電線を束ねたものである(図2等参照)。電線は、導電性を有する導体を含んで構成される線状の配索材である。電線は、例えば、車両に搭載されるワイヤーハーネスを構成する。電線は、例えば、ツイストペア等の通信線、電力線、アース線等を構成し、車両に搭載される各装置間を接続して電源供給、信号通信、接地等に用いられる。電線は、例えば、複数の金属素線を束ねた芯線導体に絶縁被覆を施した電線によって構成される。電線は、さらに、各種介在物や巻きテープ等を含んで構成されてもよい。電線束シミュレーション装置1は、このような電線を複数束ねた電線束を表す電線束モデルMBをモデリングし、電線束の束ね状態のシミュレーションを行う。以下、図1を参照して電線束シミュレーション装置1の各構成について詳細に説明する。
【0013】
具体的には、電線束シミュレーション装置1は、入力部としての入力機器10と、出力部としての出力機器20と、記憶部としての記憶回路30と、処理部としての処理回路40とを備える。入力機器10、出力機器20、記憶回路30、及び、処理回路40は、ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。
【0014】
入力機器10は、電線束シミュレーション装置1に対して情報を入力可能な機器である。入力機器10は、例えば、電線束シミュレーション装置1に対する種々の入力を行う機器として、操作入力機器11、及び、データ入力機器12を含んで構成される。操作入力機器11は、ユーザーからの各種の操作入力(情報入力)を受け付ける機器である。操作入力機器11は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。データ入力機器12は、電線束シミュレーション装置1外の他の機器からの各種のデータ入力(情報入力)を受け付ける機器である。データ入力機器12は、例えば、有線、無線を問わず通信を介して機器との間で各種データの送受信を行う通信インターフェース、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、フレキシブルディスク(FD)、光磁気ディスク(Magneto-Optical disk)、CD-ROM、DVD、USBメモリ、SDカードメモリ、Flashメモリ等の記録媒体から各種データを読み出す記録媒体インターフェース等によって実現される。
【0015】
出力機器20は、電線束シミュレーション装置1から情報を出力可能な機器である。出力機器20は、例えば、電線束シミュレーション装置1から種々の出力を行う機器として、表示機器21、及び、データ出力機器22を含んで構成される。表示機器21は、各種画像情報を出力して表示する機器である。表示機器21は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置により実現される。データ出力機器22は、電線束シミュレーション装置1外の他の機器に対するデータ出力(情報出力)を行う機器である。データ出力機器22は、例えば、有線、無線を問わず通信を介して機器との間で各種データの送受信を行う通信インターフェース、上記と同様の記録媒体に各種データを書き込む記録媒体インターフェース等によって実現される。なお、上述したデータ入力機器12とデータ出力機器22とは、一部又は全部の構成が兼用されてもよい。
【0016】
記憶回路30は、各種データ(情報)を記憶する回路である。記憶回路30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。記憶回路30は、例えば、電線束シミュレーション装置1が各種の機能を実現するためのプログラムを記憶する。記憶回路30に記憶されるプログラムには、入力機器10を機能させるプログラム、出力機器20を機能させるプログラム、処理回路40を機能させるプログラム等が含まれる。また、記憶回路30は、入力機器10を介して入力されたデータ、処理回路40での各種処理に必要なデータ、出力機器20を介して出力するデータ等の各種データを記憶する。記憶回路30は、処理回路40等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。なお、記憶回路30は、ネットワークを介して電線束シミュレーション装置1に接続されたクラウドサーバ等により実現されてもよい。
【0017】
処理回路40は、電線束シミュレーション装置1における各種処理機能を実現する回路である。処理回路40は、例えば、プロセッサによって実現される。プロセッサとは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路を意味する。処理回路40は、例えば、記憶回路30から読み込んだプログラムを実行することにより、各処理機能を実現する。
【0018】
以上、本実施形態に係る電線束シミュレーション装置1の全体構成の概略について説明した。このような構成のもと、本実施形態に係る処理回路40は、図2に示すように、配索方向DWに対して区分けされた複数のセグメントSGごとに電線束モデルMBをモデリングし解析を行う各種処理を行うための機能を有している。本実施形態に係る処理回路40は、電線の配索方向DWに対して、セグメントSGと呼ばれるいくつかの区間を区分けする。そして、処理回路40は、それぞれのセグメントSGにて電線の配索位置を決定し、これらを組み合わせることで電線束モデルMBをモデリングする。またこれに伴い、本実施形態に係る記憶回路30は、各種データを記憶するための記憶領域を有している。
【0019】
具体的には、本実施形態の記憶回路30は、図1に示すように、処理回路40による各種処理機能を実現するために、機能概念的に、モデル記憶部31、及び、解析結果記憶部32を含んで構成される。
【0020】
モデル記憶部31は、処理回路40によってモデリングされた電線束モデルMBを記憶する記憶領域である。
【0021】
解析結果記憶部32は、処理回路40によって解析された電線束モデルMBについての解析結果を記憶する記憶領域である。
【0022】
そして、本実施形態の処理回路40は、図1に示すように、上記各種処理機能を実現するために、機能概念的に、変位指定処理部41、モデリング処理部42、解析処理部43、及び、出力処理部44を含んで構成される。処理回路40は、例えば、記憶回路30から読み込んだプログラムを実行することにより、これら変位指定処理部41、モデリング処理部42、解析処理部43、及び、出力処理部44の各処理機能を実現する。
【0023】
変位指定処理部41は、図2に示すように、配索方向DWに対して区分けされた複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定する変位指定処理を実行可能な機能を有する部分である。
【0024】
ここで、配索方向DWとは、電線、電線束が配索される方向であり、言い換えれば、モデリングする電線束モデルMBの延在方向に相当する。セグメントSGとは、配索方向DWに対して予め設定された長さごとに複数に区分けされて設定される区間であり、各電線モデルMWの配索位置を決定する際の最小単位を構成するものである。電線モデルMWとは、それぞれ電線を表すモデルであり、複数の電線モデルMWは、複数の電線を表す。電線モデルMWは、操作入力機器11(入力機器10)を介してユーザーの操作によって入力されてもよいし、データ入力機器12(入力機器10)を介して電線束シミュレーション装置1外の他の機器から入力されてもよい。処理回路40によってモデリングされる電線束モデルMBは、複数の電線が束ねられた電線束を表すモデルであり、言い換えれば、この電線モデルMWを複数束ねたものである。電線モデルMW、電線束モデルMBは、複数に区分けされたセグメントSGが配索方向DWに沿って隣り合って連なることで構成される。
【0025】
変位指定処理部41は、操作入力機器11を介したユーザーの操作に応じて、後述するモデリング処理で参照される電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を入力する処理を実行する。変位指定処理部41は、複数のセグメントSGごとに、当該電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を入力する処理を実行する。変位指定処理部41は、例えば、各セグメントSGにおいて、操作入力機器11を介したユーザーの操作に応じて、複数の電線モデルMWからユーザーの任意の電線モデルMWを選択し、選択した電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を入力する処理を実行する。変位指定処理部41は、配索方向DWと直交し、かつ、相互に直交するX方向、Y方向の双方に対して、それぞれ、電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を入力する。変位指定処理部41は、それぞれのセグメントSGにおいて、複数の電線モデルMWのすべてに対して、この電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を入力する処理を実行する。電線モデルMWの変位方向、及び、変位量は、典型的には、ユーザーが希望する電線モデルMW、電線束モデルMBの配索形状等に応じて任意に入力される。変位指定処理部41は、入力された電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を、一旦、記憶回路30に記憶させてもよい。
【0026】
モデリング処理部42は、図2に示すように、複数のセグメントごとSGに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて、当該電線モデルMWの配索位置を決定し、電線束モデルMBをモデリングするモデリング処理を実行可能な機能を有する部分である。
【0027】
この場合、モデリング処理部42は、各セグメントSGにおいて、隣接するセグメントSGにおける電線モデルMWの端部位置を起点位置とし、変位指定処理で指定された変位方向、及び、変位量の範囲で当該電線モデルMWの配索位置を決定する。ここで、起点位置とは、当該セグメントSGにおける電線モデルMWの配索位置を決定する際の起点となる位置であり、隣接するセグメントSGにおける電線モデルMWの端部位置が当該セグメントSGにおける当該電線モデルMWの起点位置となる。電線モデルMWは、当該セグメントSGにおいて一方の端部がこの起点位置に位置する。そして、電線モデルMWは、変位指定処理で指定された変位方向、及び、変位量の範囲で当該セグメントSGにおいて他方の端部の位置が決定され、これが当該セグメントSGにおける終点位置となる。モデリング処理部42は、各セグメントSGにおいて電線モデルMWの起点位置と終点位置とが決まったらそれらを滑らかにつなぐようにして電線モデルMWをモデリングする。
【0028】
モデリング処理部42は、それぞれのセグメントSGにおいて、複数の電線モデルMWのすべてに対してこの配索位置の決定を行う。そして、モデリング処理部42は、複数の電線モデルMWのそれぞれに対して、複数のセグメントSGにおける各配索位置を組み合わせることで電線束モデルMBをモデリングする。
【0029】
より具体的には、本実施形態のモデリング処理部42は、モデリング処理において、変位演算処理、重複補正処理、及び、離間補正処理を実行可能である。典型的には、モデリング処理部42は、変位演算処理を実行した後に、重複補正処理、及び、離間補正処理を実行する。
【0030】
モデリング処理部42は、変位演算処理においては、下記のように前提条件(A)~(E)を設定する。

(A)配索方向DWと直交し、かつ、相互に直交する方向をそれぞれ「X方向」、「Y方向」とする。

(B)「X方向」に対する電線モデルMWの配索位置を「X」とし、「Y方向」に対す電線モデルMWの配索位置を「Y」とする。

(C)「X方向」に対する電線モデルMWの起点位置(言い換えれば、隣接するセグメントSGにおける「X方向」に対する電線モデルMWの端部位置)を「X0」とし、「Y方向」に対する電線モデルMWの起点位置(言い換えれば、隣接するセグメントSGにおける「Y方向」に対する電線モデルMWの端部位置)を「Y0」とする。なお、「X0」、「Y0」は、隣接するセグメントSGがない場合、例えば、ともに「0」とされてもよいし、操作入力機器11を介したユーザーの操作に応じて任意の値とされてもよい。

(D)0~1の値のいずれかの値をとる乱数を「RND」とする。

(E)変位指定処理によって指定された「X方向」に対する電線モデルMWの変位量を「RX」とし、「X方向」に対する変位方向をRXの符号によって表し、変位指定処理によって指定された「Y方向」に対する電線モデルMWの変位量を「RY」とし、「Y方向」に対する変位方向をRYの符号によって表す。
【0031】
そして、モデリング処理部42は、上記のような前提条件(A)~(E)とした場合に、下記で示す数式(1)を演算し、当該数式(1)の演算結果に基づいて、複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて配索位置を決定する変位演算処理を実行する。

X=X0+RND・RX、Y=Y0+RND・RY ・・・ (1)

この変位演算処理によって、モデリング処理部42は、複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて、隣接するセグメントSGにおける当該電線モデルMWの端部位置を起点位置とし、指定された変位方向、及び、変位量の範囲で電線モデルMWの配索位置を決定することが可能となる。つまり、電線モデルMWは、「X0」及び「Y0」で定まる位置が当該セグメントSGにおける起点位置とされ、「X0+RND・RX」及び「Y0+RND・RY」で定まる位置が当該セグメントSGにおける終点位置とされる。そして、モデリング処理部42は、数式(1)の演算結果に基づいて各セグメントSGにおいて電線モデルMWの起点位置と終点位置とが決まったらそれらを滑らかにつなぐようにして電線モデルMWをモデリングする。
【0032】
上記のように、モデリング処理部42は、複数のセグメントSGごとに、電線モデルMWの配索位置を決定する場合に、隣接するセグメントSGにおける当該電線モデルMWの端部位置に応じた「X0」及び「Y0」で定まる位置を当該セグメントSGにおける起点位置として当該セグメントSGにおける配索位置を決定することが可能となる。この結果、モデリング処理部42は、隣接するセグメントSGから連続するように当該セグメントSGにおける電線モデルMWの配索位置を決定することが可能となる。またこの場合、モデリング処理部42は、数式(1)を用いることで、指定された変位量の範囲でランダムに電線モデルMWの配索位置を決定することも可能となる。
【0033】
そして、本実施形態のモデリング処理部42は、上述した変位演算処理の後に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置が他の電線モデルMWの配索位置と重なる位置である場合に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置を他の電線モデルMWの配索位置と重ならない位置に補正する重複補正処理を実行する。この場合、モデリング処理部42は、例えば、当該電線モデルMWの配索位置を、「X方向」、「Y方向」における原点位置(X=0、Y=0の位置)から離間する側に移動させ、他の電線モデルMWの配索位置と重ならない位置まで移動させる。この結果、モデリング処理部42は、複数の電線モデルMWの配索位置がオーバーラップしてしまうことを防止することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態のモデリング処理部42は、上述した変位演算処理の後に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置が他の電線モデルMWから離間した位置である場合に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置を他の電線モデルMWと接触する位置に補正する離間補正処理を実行する。この場合、モデリング処理部42は、例えば、当該電線モデルMWの配索位置を、「X方向」、「Y方向」における原点位置に接近する側に移動させ、他の電線モデルMWと接触する位置まで移動させる。この結果、モデリング処理部42は、電線モデルMWの配索位置が他の電線モデルMWから孤立してしまうことを防止することが可能となる。
【0035】
モデリング処理部42は、それぞれのセグメントSGにおいて、複数の電線モデルMWに対して、上述した変位演算処理、重複補正処理、及び、離間補正処理を行う。この場合、モデリング処理部42は、1つのセグメントSGにおいて、複数の電線モデルMWのすべての配索位置を決定した後に、次のセグメントSGにおける電線モデルMWの配索位置を決定していくようにしてもよい。また、モデリング処理部42は、1つの電線モデルMWについて、すべてのセグメントSGにおいて配索位置を決定した後に、次の電線モデルMWの配索位置を決定していくようにしてもよい。
【0036】
そして、モデリング処理部42は、複数の電線モデルMWのそれぞれに対して、複数のセグメントSGにおける各配索位置を組み合わせることで、最終的な電線束モデルMBをモデリングする。
【0037】
図2図3図4図5は、それぞれモデリング処理部42によってモデリングされた電線束モデルMBの一例を表している。図2に例示した電線束モデルMBは、束ねの外側にあった通信線の電線モデルMWが徐々に他の周囲電線の電線モデルMWに囲まれていくように変化する束ね状態となっている。図3に例示した電線束モデルMBは、例えば、通信線の電線モデルMWを原点位置に配索した上で、周囲電線の電線モデルMWが当該通信線の電線モデルMWを中心として各象限に万遍なく配置されたような束ね状態となっている。図4に例示した電線束モデルMBは、例えば、通信線の電線モデルMWを原点位置に配索した上で、周囲電線の電線モデルMWが当該通信線の電線モデルMWの外側の第二、第三象限(「X」の符号=マイナスとなる象限)に偏って配置されたような束ね状態となっている。図5に例示した電線束モデルMBは、例えば、通信線の電線モデルMWを原点位置に配索した上で、周囲電線の電線モデルMWが当該通信線の電線モデルMWの端の第二象限(「X」の符号=マイナス、「Y」の符号=プラスとなる象限)に偏って配置されたような束ね状態となっている。
【0038】
モデリング処理部42は、上述したモデリング処理によって以上で例示したような電線束モデルMBを生成することができる。例えば、モデリング処理部42は、変位指定処理によって「RX」の符号がマイナス、「RY」の符号がプラスに指定されることで、各セグメントSGにおける電線モデルMWの配索位置が決定されるごとに、各電線モデルMWが第二象限に集まっていき、最終的に終端のセグメントSGにおいて、図5に例示したような束ね状態となった電線束モデルMBを生成することができる。このように、モデリング処理部42は、始端のセグメントSGから終端のセグメントSGに向けて、電線モデルMWの配索位置が徐々に変化していき、かつ、その変化が連続的である電線束モデルMBを生成することが可能である。モデリング処理部42は、上記のようにモデリングした電線束モデルMBを、記憶回路30のモデル記憶部31に記憶させる。
【0039】
解析処理部43は、モデリング処理部42によってモデリングされた電線束モデルMBに基づいて当該電線束モデルMBが表す電線束の電気的な特性を解析する解析処理を実行可能な機能を有する部分である。解析処理部43は、種々の公知の解析手法を用いて、電線束モデルMBが表す電線束について、複数の電線が束ねられた状態での電気的な特性を解析する。解析処理部43は、電線束モデルMBが表す電線束の電気的な特性として、例えば、特性インピーダンスや不平衡成分を解析する。解析処理部43は、電線束モデルMBを構成する各セグメントSGごとに解析を行ってもよいし、電線束モデルMB全体に対して解析を行ってもよい。解析処理部43は、電線束モデルMBが表す電線束の電気的な特性についての解析結果を、記憶回路30の解析結果記憶部32に記憶させる。
【0040】
出力処理部44は、モデリング処理部42によってモデリングされた電線束モデルMBや解析処理部43によって解析された電線束モデルMBについての解析結果に基づいて、出力を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。出力処理部44は、電線束モデルMBや解析結果を、出力機器20を介して出力する処理を実行する。電線束モデルMBや解析結果は、表示機器21(出力機器20)を介して画像情報として出力されてもよいし、データ出力機器22(出力機器20)を介して電線束シミュレーション装置1外の他の機器に出力されてもよい。
【0041】
次に、図6のフローチャート図を参照して、電線束シミュレーション装置1おける電電線束シミュレーション方法の処理手順について説明する。
【0042】
図6に示す電線束シミュレーション装置1おける電電線束シミュレーション方法は、変位指定ステップ(ST1)、モデリングステップ(ST2)、解析ステップ(ST4)、出力ステップ(ST5)を含む。ここでは、上記各ステップに関する処理は、電線束シミュレーション装置1の処理回路40によって実行される。
【0043】
まず、処理回路40の変位指定処理部41は、配索方向DWに対して区分けされた複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWの変位方向、及び、変位量をそれぞれ指定する変位指定ステップ(ST1)を実行する。変位指定処理部41は、操作入力機器11を介したユーザーの操作に応じて、各セグメントSG、各電線モデルMWについて、変位方向、及び、変位量を入力する処理を実行する。変位指定処理部41は、入力された電線モデルMWの変位方向、及び、変位量を記憶回路30に記憶させる。
【0044】
次に、処理回路40のモデリング処理部42は、複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて、隣接するセグメントSGにおける当該電線モデルMWの端部位置を起点位置とし、変位指定ステップ(ST1)で指定された変位方向、及び、変位量の範囲で電線モデルMWの配索位置を決定し、電線束モデルMBをモデリングするモデリングステップ(ステップS2)を実行する。
【0045】
本実施形態のモデリングステップ(ST2)では、モデリング処理部42は、まず、上述した数式(1)を演算し、当該数式(1)の演算結果に基づいて、複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて配索位置を決定する変位演算ステップ(ST2A)を実行する。
【0046】
次に、モデリング処理部42は、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置が他の電線モデルMWの配索位置と重なる位置である場合に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置を他の電線モデルMWの配索位置と重ならない位置に補正する重複補正ステップ(ST2B)を実行する。
【0047】
続いて、モデリング処理部42は、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置が他の電線モデルMWから離間した位置である場合に、配索位置を決定した電線モデルMWの当該配索位置を他の電線モデルMWと接触する位置に補正する離間補正ステップ(ST2C)を実行する。
【0048】
そして、モデリング処理部42は、複数の電線モデルMWのそれぞれに対して、複数のセグメントSGにおける各配索位置を組み合わせることで、電線束モデルMBをモデリングする。モデリング処理部42は、生成した電線束モデルMBを記憶回路30のモデル記憶部31に記憶させる。
【0049】
なお、モデリング処理部42は、重複補正ステップ(ST2B)と離間補正ステップ(ST2C)との実行順については上記に限らず、離間補正ステップ、重複補正ステップの順で実行してもよい。
【0050】
その後、モデリング処理部42は、全てのセグメントSGに対して上記の処理が完了したか否かを判定し(ST3)、全てのセグメントSGに対して処理が完了していないと判定した場合(ST3:No)、ST1の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
【0051】
処理回路40の解析処理部43は、全てのセグメントSGに対して処理が完了したと判定された場合(ST3:Yes)、モデリングステップ(ST2)でモデリングされた電線束モデルMBに基づいて当該電線束モデルMBが表す電線束の電気的な特性を解析する解析ステップ(ST4)を実行する。そして、解析処理部43は、解析結果を記憶回路30の解析結果記憶部32に記憶させる。
【0052】
次に、処理回路40の出力処理部44は、モデリングステップ(ST2)でモデリングされた電線束モデルMBや解析ステップ(ステップS4)で解析された電線束モデルMBについての解析結果を出力する出力ステップ(ステップS5)を実行し、本フローチャートによる処理を終了する。この場合、出力処理部44は、電線束モデルMBや解析結果を、表示機器21を介して画像情報として出力してもよいし、データ出力機器22を介して電線束シミュレーション装置1外の他の機器に出力してもよい。
【0053】
上述した電気特性解析方法は、予め用意された電線束シミュレーションプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この電線束シミュレーションプログラムは、上述した変位指定ステップ(ST1)、モデリングステップ(ST2)、解析ステップ(ST4)、出力ステップ(ST5)等の各処理をコンピュータに実行させる。
【0054】
以上で説明した電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、配索方向DWに対して区分けされた複数のセグメントSGごとに、隣接するセグメントSGにおける電線モデルMWの端部位置を起点位置とし、指定された変位方向、及び、変位量の範囲で電線モデルMWの配索位置を決定し、電線束モデルMBをモデリングする。つまり、電線束シミュレーション装置1は、各セグメントSGにおいて、隣接するセグメントSGにおける電線モデルMWの端部位置を基準として電線モデルMWの変位方向、変位量を指定することで、一定の範囲内で電線モデルMWの配索位置を決定し、電線束モデルMBをモデリングすることができる。
【0055】
この処理により、電線束シミュレーション装置1は、各セグメントSGにおいて、隣接するセグメントSGから連続するように各電線モデルMWの配索位置を決定することができ、セグメントSG間の繋ぎを滑らかに連続させた電線束モデルMBを生成することができる。つまり、電線束シミュレーション装置1は、始端のセグメントSGから終端のセグメントSGに向けて、電線モデルMWの配索位置が徐々に変化していき、かつ、その変化が連続的である電線束モデルMBを生成することができる。
【0056】
また、上記処理により、電線束シミュレーション装置1は、指定された変位方向、変位量の範囲でランダムに電線モデルMWの配索位置を決定することができる。これにより、電線束シミュレーション装置1は、例えば、実際の電線の配索作業におけるばらつき等を加味した電線束モデルMBを効率よく生成、再現することができる。
【0057】
以上のように、電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、モデリングされた電線束モデルMBを用いて、電線束の束ね状態のシミュレーションを適正に行うことができる。
【0058】
より具体的には、電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、モデリング処理において、X=X0+RND・RX、Y=Y0+RND・RYの演算結果に基づいて、各電線モデルMWの配索位置を決定する変位演算処理を実行可能である。この処理によって、電線束シミュレーション装置1は、複数のセグメントSGごとに、複数の電線モデルMWのそれぞれについて、隣接するセグメントSGにおける当該電線モデルMWの端部位置を起点位置とし、指定された変位方向、及び、変位量の範囲で電線モデルMWの配索位置を決定することができる。この結果、電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、上記のように電線束の束ね状態のシミュレーションを適正に行うことができる。
【0059】
また、以上で説明した電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、モデリング処理において、重複補正処理、及び、離間補正処理を実行可能である。この処理によって、電線束シミュレーション装置1は、電線束モデルMBにおいて、複数の電線モデルMWの配索位置がオーバーラップしてしまうこと、電線モデルMWの配索位置が他の電線モデルMWから孤立してしまうことを防止することができる。この結果、電線束シミュレーション装置1、電線束シミュレーションプログラムは、電線束の束ね状態のシミュレーションをより適正に行うことができる。
【0060】
なお、上述した本発明の実施形態に係る電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0061】
以上の説明では、電線束シミュレーション装置1は、生成した電線束モデルMBに基づいて電線束の電気的な特性を解析する解析装置としても機能するものとして説明したがこれに限らない。つまり、電線束シミュレーション装置1は、解析装置に組み込まれて構成されるものに限らず、解析装置とは別に構成され、生成した電線束モデルMBをデータ出力機器22を介して電線束シミュレーション装置1外の他の機器に出力するように構成されてもよい。
【0062】
以上の説明では、モデリング処理部42は、モデリング処理において、変位演算処理、重複補正処理、及び、離間補正処理を実行可能であるものとして説明したがこれに限らない。モデリング処理部42は、モデリング処理において、重複補正処理、離間補正処理を実行しないものであってもよい。
【0063】
以上で説明した処理回路40は、単一のプロセッサによって各処理機能が実現されるものとして説明したがこれに限らない。処理回路40は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて各プロセッサがプログラムを実行することにより各処理機能が実現されてもよい。また、処理回路40が有する処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路40が有する処理機能は、その全部又は任意の一部をプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジック等によるハードウェアとして実現してもよい。
【0064】
以上で説明したプロセッサによって実行されるプログラムは、記憶回路30等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。
【0065】
本実施形態に係る電線束シミュレーション装置、及び、電線束シミュレーションプログラムは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 電線束シミュレーション装置
10 入力機器
11 操作入力機器
12 データ入力機器
20 出力機器
21 表示機器
22 データ出力機器
30 記憶回路
31 モデル記憶部
32 解析結果記憶部
40 処理回路
41 変位指定処理部
42 モデリング処理部
43 解析処理部
44 出力処理部
DW 配索方向
MB 電線束モデル
MW 電線モデル
SG セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6